ケーブルモジュール
【課題】通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造できるケーブルモジュールを提供することである。
【解決手段】光ファイバ18は、光信号を伝送するコア及び該コアの周囲に設けられているクラッドを含んでおり、端面に凹部が設けられている。発光素子は、凹部に取り付けられることにより、コアに対して光学的に結合しており、アノード端子及びカソード端子を含んでいる。外部電極28,30は、プラグ本体26に等間隔に並ぶように設けられており、レセプタクル内の複数の外部電極に接触する。接続電極64,66は、プラグ本体26に設けられ、外部電極28,30のそれぞれに接続されている。アノード端子及びカソード端子はそれぞれ、接続電極64,66に対して接続されている。
【解決手段】光ファイバ18は、光信号を伝送するコア及び該コアの周囲に設けられているクラッドを含んでおり、端面に凹部が設けられている。発光素子は、凹部に取り付けられることにより、コアに対して光学的に結合しており、アノード端子及びカソード端子を含んでいる。外部電極28,30は、プラグ本体26に等間隔に並ぶように設けられており、レセプタクル内の複数の外部電極に接触する。接続電極64,66は、プラグ本体26に設けられ、外部電極28,30のそれぞれに接続されている。アノード端子及びカソード端子はそれぞれ、接続電極64,66に対して接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルモジュールに関し、より特定的には、プラグに装着して用いられるコネクタが設けられたケーブルモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のケーブルモジュールに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の光電複合配線モジュールが知られている。図16は、特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュール500の構成図である。
【0003】
光電変換複合配線モジュール500は、フレキシブルプリント配線基板501、光導波路502、受光素子504a、発光素子504b、増幅IC506a、駆動IC506b、外部接続端子508a,508b、電気配線510及び外部接続端子512を備えている。
【0004】
光導波路502は、フレキシブルプリント配線基板501上に取り付けられており、コア及びクラッドからなり、光信号を伝送する。受光素子504aは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、光導波路502のコアに対して光学的に結合している。増幅IC506aは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、受光素子504aから出力された電気信号を増幅する。外部接続端子508aは、増幅IC506aに接続されており、図示しないレセプタクルに設けられた端子に接続される。
【0005】
発光素子504bは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、光導波路502のコアに対して光学的に結合している。駆動IC506bは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、発光素子504bを駆動する。外部接続端子508bは、駆動IC506bに接続されており、図示しないレセプタクルに設けられた端子に接続される。
【0006】
電気配線510は、フレキシブルプリント配線基板501に設けられており、電気信号を伝送する。外部接続端子512は、電気配線510に接続されている。外部接続端子508a,508b及び外部接続端子512は、一列に並んでいる。
【0007】
以上のように構成された光電変換複合配線モジュール500では、光導波路502が設けられていない通常の配線モジュールに用いられるレセプタクルに対して大きな変更を施す必要がない。光電変換複合配線モジュール500では、受光素子504a及び発光素子504bに電気的に接続された4つの外部接続端子508a,508bと電気配線510に電気的に接続された4つの外部接続端子512とが一列に並んでいる。すなわち、光電変換複合配線モジュール500のレセプタクルへの接続部分では、外部接続端子508a,508b,512からなる8つの外部接続端子が一列に並んでいる。このような光電変換複合配線モジュール500のレセプタクルへの接続部分の構造は、8本の電気配線に接続された8つの外部接続端子が一列に並んでいる通常の配線モジュールのレセプタクルへの接続部分の構造と同じである。よって、光電変換複合配線モジュール500では、通常の配線モジュールに用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がない。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュール500では、フレキシブルプリント配線基板501のランドに位置合わせして受光素子504a及び発光素子504bを実装した後、受光素子504a及び発光素子504bに対して位置合わせして光導波路502を取り付ける必要がある。すなわち、受光素子504a及び発光素子504bと光導波路502とが光学的に結合するように精度よく位置合わせする必要がある。その結果、光源変換複合配線モジュール500の製造工程が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−158539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造できるケーブルモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係るケーブルモジュールは、レセプタクルに装着されて用いられるプラグが設けられたケーブルモジュールであって、光信号を伝送するコア及び該コアの周囲に設けられているクラッドを含んでいる光伝送路であって、端面に凹部が設けられている光伝送路と、前記凹部に取り付けられることにより、前記コアに対して光学的に結合している光素子であって、アノード端子及びカソード端子を含んでいる光素子と、プラグ本体と、前記プラグ本体に等間隔に並ぶように設けられている複数の第1の外部電極であって、前記レセプタクル内の複数の第2の外部電極に接触する複数の第1の外部電極と、前記プラグ本体に設けられ、前記複数の第1の外部電極のそれぞれに接続されている複数の接続電極と、を備えており、前記アノード端子及び前記カソード端子はそれぞれ、前記接続電極に対して接続されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、ケーブルモジュールを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係るケーブルモジュール及びケーブルモジュールのプラグが装着されるレセプタクルの外観斜視図である。
【図2】ケーブルモジュールの分解斜視図である。
【図3】ケーブルモジュールを平面視した図である。
【図4】光ファイバの先端の斜視図である。
【図5】プラグ及びレセプタクルの断面構造図である。
【図6】第2の実施形態に係るケーブルモジュールの外観斜視図である。
【図7】光導波路の先端の斜視図である。
【図8】光導波路の図7(a)のX−Xにおける断面構造図である。
【図9】第3の実施形態に係るケーブルモジュール及びケーブルモジュールのプラグが装着されるレセプタクルの外観斜視図である。
【図10】ケーブルモジュールの分解斜視図である。
【図11】ケーブルモジュールを平面視した図である。
【図12】光ファイバの先端の斜視図である。
【図13】第4の実施形態に係るケーブルモジュールの外観斜視図である。
【図14】ケーブルモジュールを平面視した図である。
【図15】光導波路の図14のY−Yにおける断面構造図である。
【図16】特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュールの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係るケーブルモジュールについて説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態に係るケーブルモジュールについて図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係るケーブルモジュール10及びケーブルモジュール10のプラグ12が装着されるレセプタクル14の外観斜視図である。図1(a)では、プラグ12がレセプタクル14に装着されておらず、図1(b)では、プラグ12がレセプタクル14に装着されている。図2は、ケーブルモジュール10の分解斜視図である。図3は、ケーブルモジュール10を平面視した図である。図4は、光ファイバ18の先端の斜視図である。図4(a)では、光ファイバ18に光素子70が取り付けられており、図4(b)では、光ファイバ18に光素子70が取り付けられていない。
【0016】
以下では、光ファイバ18が延在している方向をx軸方向と定義する。また、鉛直方向をz軸方向と定義し、x軸方向及びz軸方向と直交する方向をy軸方向と定義する。なお、以下では、z軸方向の正方向側から平面視することを、単にz軸方向から平面視すると言う。
【0017】
ケーブルモジュール10は、図1ないし図4に示すように、光ファイバ18、同軸ケーブル20、プラグ本体26、外部電極28,30,32、接続電極60,62,64,66及び光素子70を備えている。また、プラグ本体26、外部電極28,30,32及び接続電極60,62,64,66は、プラグ12を構成している。
【0018】
光ファイバ18は、図4(a)及び図4(b)に示すように、コア80、クラッド82及び被覆84を含んでいる。コア80は、図4(b)に示すように、円状の断面形状を有し、かつ、x軸方向に延在しており、x軸方向に光信号を伝送する光学部材である。コア80は、例えば、アクリル又は熱可塑性のポリイミド等のプラスチックにより形成されている。
【0019】
クラッド82は、x軸方向から平面視したときに、コア80の周囲を囲む円状の断面形状を有し、かつ、x軸方向に延在している。クラッド82は、コア80内に光を閉じ込める光学部材である。クラッド82は、例えば、アクリル又は熱可塑性のポリイミド等のプラスチックにより形成されている。ただし、クラッド82は、コア80内に光を閉じ込めるために、コア80よりも低い屈折率を有している。
【0020】
被覆84は、クラッド82の周囲を囲んでおり、クラッド82の表面を覆っている。ただし、被覆84は、光ファイバ18の先端近傍では除去されている。これにより、光ファイバ18の先端近傍において、クラッド82が露出している。被覆84は、シリコーン等の絶縁材料により作製されており、コア80及びクラッド82を保護している。
【0021】
また、光ファイバ18のx軸方向の正方向側の端面には、図4(b)に示すように、凹部Gが設けられている。凹部Gは、光ファイバ18のx軸方向の正方向側の端面が、x軸方向の負方向側に窪んでいることによって形成されている。凹部Gは、直方体状をなしている。また、凹部Gの底面には、コア80の端面が露出している。凹部Gの形成は、例えば、ヤマキ社製のPOF端面成型器を用いて行うことが可能である。
【0022】
光素子70はそれぞれ、図4(a)及び図4(b)に示すように、凹部Gに取り付けられることによって、コア80と光学的に結合している。
【0023】
光素子70は、光を発光するLED等の発光素子又は光を受光するフォトダイオード等の受光素子である。以下では、光素子70が発光素子であるとして説明する。光素子70は、本体72、電極74,76及び発光部78を含んでいる。本体72は、直方体状をなしており、x軸方向から平面視したときに、凹部Gよりもわずかに小さなサイズを有している。よって、光素子70が凹部Gに取り付けられる際には、例えば、透明な樹脂接着剤により凹部Gに光素子70が取り付けられる。
【0024】
発光部78は、x軸方向の負方向側の面に設けられており、光信号を放射する。発光部78は、光素子70が凹部Gに取り付けられた際に、コア80のx軸方向の正方向側の端面と対向する。これにより、光素子70とコア80とが光学的に結合する。電極74,76は、本体72のx軸方向の正方向側の面に設けられている。電極74は、アノードであり、電極76は、カソードである。電極74,76には、光素子70を駆動させるための制御信号が印加される。
【0025】
同軸ケーブル20は、図2に示すように、信号線90及び被覆92を含んでいる。信号線90は、x軸方向に延在しており、電気信号を伝送する。被覆92は、信号線90の周囲を囲んでおり、信号線90の表面を覆っている。ただし、被覆92は、同軸ケーブル20の先端近傍では除去されている。これにより、同軸ケーブル20の先端近傍において、信号線90が露出している。被覆92は、シリコーン等の絶縁材料により作製されており、信号線90を保護している。
【0026】
光ファイバ18及び同軸ケーブル20は、y軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並ぶように配置されている。ただし、同軸ケーブル20は、複数本設けられている。
【0027】
プラグ本体26は、図1に示すように、長方形状の板状をなしており、ベース部22及び蓋部24を含んでいる。ベース部22は、図2に示すように、板部22a及び保護部22bにより構成されている。板部22aは、z軸方向から平面視したときに長方形状をなす板である。保護部22bは、板部22aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられているコ字型の突起である。より詳細には、保護部22bは、突条23a〜23cにより構成されている。突条23aは、x軸方向の略中間においてy軸方向に延在している。突条23b,23cはそれぞれ、突条23aの両端からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、板部22aと保護部22bとは、例えば、樹脂により一体的に成形されている。蓋部24については後述する。
【0028】
外部電極28,30,32は、図1ないし図3に示すように、板部22aの正方向側の主面上に設けられており、板部22aのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極28,30,32は、図3に示すように、保護部22bの突条23aの下を通過している。また、外部電極28,30,32は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。ただし、複数の同軸ケーブル20に対応するように、複数の外部電極32が複数設けられている。
【0029】
接続電極60,62,68はそれぞれ、図1ないし図3に示すように、板部22aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、外部電極28,30,32のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、外部電極28,30,32はそれぞれ、接続電極60,62,68と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、保護部22bの突条23aよりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極60,62,68と定義し、残余の部分を外部電極28,30,32と定義する。
【0030】
接続電極64,66は、図2に示すように、保護部22bの突条23aのx軸方向の負方向側の面に設けられており、上下が反転したL字型をなしている。より詳細には、接続電極64は、外部電極28及び接続電極60に接続されており、接続電極60からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の正方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。接続電極66は、外部電極30及び接続電極62に接続されており、接続電極62からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。
【0031】
光ファイバ18は、図2ないし図4に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12に取り付けられる。より詳細には、光ファイバ18は、保護部22bに囲まれた領域にx軸方向の負方向側から進入している。そして、光ファイバ18の先端は、保護部22bの突条23aのx軸方向の負方向側の面に接触している。なお、図2及び図3では、接続電極64,66を示すために、光ファイバ18の先端と保護部22bの突条23aとの間には隙間が形成されている。これにより、電極74,76はそれぞれ、接続電極64,66に対して接触している。電極74,76と接続電極64,66とははんだにより固定されている。
【0032】
同軸ケーブル20は、図2ないし図4に示すように、信号線90が接続電極68に対して接続されるように、プラグ12に取り付けられる。より詳細には、同軸ケーブル20は、保護部22bに囲まれた領域にx軸方向の負方向側から進入している。そして、同軸ケーブル20の先端は、z軸方向から平面視したときに、接続電極68と重なっている。これにより、信号線90は、接続電極68に対して接触している。信号線90と接続電極68とははんだにより固定されている。
【0033】
蓋部24は、図1に示すように、保護部22bにより囲まれた長方形状の領域に取り付けられる長方形状の板状部材である。蓋部24は、光ファイバ18及び同軸ケーブル20を覆うようにベース部22に取り付けられる。なお、蓋部24のz軸方向の負方向側の面には、x軸方向から平面視したときに逆V字をなす溝であって、x軸方向に延在する溝が形成されている。これにより、光ファイバ18及び同軸ケーブル20がプラグ本体26に固定されている。
【0034】
以上のように構成されたケーブルモジュール10のプラグ12は、図1(b)に示すように、レセプタクル14に装着される。以下に、レセプタクル14について図面を参照しながら説明する。図5は、プラグ12及びレセプタクル14の断面構造図である。図5(a)では、プラグ12は、レセプタクル14に装着されておらず、図5(b)では、プラグ12は、レセプタクル14に装着されている。なお、図5では、プラグ12の内部の詳細な構成については省略してある。
【0035】
レセプタクル14は、図1に示すように、回路基板17のz軸方向の正方向側の主面上に実装されており、レセプタクル本体40及び外部電極42,44,46を備えている。レセプタクル本体40は、板部40a及び保持部40bを含んでいる。
【0036】
板部40aは、z軸方向から平面視したときに長方形状をなす板である。保持部40bは、L字型部材41a及び突条41b,41cにより構成されている。L字型部材41aは、図1(a)に示すように、板部40aのx軸方向の正方向側の長辺に沿って延在しており、図5に示すように、L字を時計回りに90度回転させた形状をなしている。これにより、板部40aとL字型部材41aとの間には、図5(a)に示すように、空間Spが形成されている。
【0037】
突条41b,41cはそれぞれ、L字型部材41aの両端からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、板部40aと突条41b,41cとは、例えば、樹脂により一体的に成形されている。
【0038】
外部電極42,44,46は、図1及び図5に示すように、板部22aのx軸方向の正方向側の長辺に設けられており、y軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。外部電極42,44,46はそれぞれ、1枚の金属板が折り曲げられて作製されており、図5に示すように、クランク形状をなしている。より詳細には、外部電極42,44,46は、板部40aのx軸方向の正方向側の側面においてz軸方向に延在していると共に、z軸方向の負方向側の端部においてx軸方向の正方向側に折り曲げられ、z軸方向の正方向側の端部においてx軸方向の負方向側に折り曲げられている。そして、外部電極42,44,46は、L字型部材41aのz軸方向の負方向側の面に沿って、空間Sp内を延在している。
【0039】
プラグ12は、図5(b)に示すように、外部電極28,30,32が空間Spにx軸方向の負方向側から進入するように、レセプタクル14に対して取り付けられる。この際、外部電極28,30,32はそれぞれ、外部電極42,44,46に対してz軸方向の負方向側から接触する。これにより、プラグ12がレセプタクル14に装着される。そして、プラグ12及びレセプタクル14は、コネクタ16を構成する。
【0040】
ドライバ48は、光素子70を駆動させるための駆動回路であり、図1(a)及び図1(b)に示すように、回路基板17上に実装されている。また、ドライバ48は、光素子70に電気的に接続されている外部電極42,44に接続されている。これにより、ドライバ48は、外部電極42,44、接続電極60,62,64,66を介して、光素子70に対して制御信号を出力することができる。
【0041】
(効果)
本実施形態に係るケーブルモジュール10によれば、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がない。より詳細には、ケーブルモジュール10では、図2に示すように、光ファイバ18に接続されている外部電極28,30、及び、同軸ケーブル20に接続されている外部電極32は、等間隔に一列に並ぶようにプラグ本体26に設けられている。すなわち、プラグ12のレセプタクル14への接続部分では、外部電極28,30,32からなる11個の外部電極が一列に並んでいる。このようなプラグ12のレセプタクル14への接続部分の構造は、11本の電気配線に接続された11個の外部電極が一列に並んでいる通常のケーブルモジュールのレセプタクルへの接続部分の構造と同じである。よって、ケーブルモジュール10では、通常のケーブルモジュールに用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がない。
【0042】
また、ケーブルモジュール10によれば、容易に製造することができる。より詳細には、特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュール500では、フレキシブルプリント配線基板501のランドに位置合わせして受光素子504a及び発光素子504bを実装した後、受光素子504a及び発光素子504bに対して位置合わせして光導波路502を取り付ける必要がある。すなわち、受光素子504a及び発光素子504bと光導波路502とが光学的に結合するように精度よく位置合わせする必要がある。その結果、光源変換複合配線モジュール500の製造工程が複雑になる。
【0043】
一方、ケーブルモジュール10では、光ファイバ18の端面に凹部Gが設けられており、光素子70は、凹部Gに取り付けられている。これにより、光素子70は、凹部Gに取り付けられるだけで、光ファイバ18のコア80に対して光学的に結合するようになる。すなわち、ケーブルモジュール10における光ファイバ18に対する光素子70の位置合わせの精度は、光電変換複合配線モジュール500における光導波路502の受光素子504a及び発光素子504bに対する位置合わせの精度よりも低くて済む。よって、ケーブルモジュール10では、光電変換複合配線モジュール500に比べて容易に製造することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るケーブルモジュール10aについて図面を参照しながら説明する。図6は、第2の実施形態に係るケーブルモジュール10aの外観斜視図である。ただし、図6では、同軸ケーブル20は示されていない。図7は、光導波路18aの先端の斜視図である。図7(a)では、光導波路18aに光素子70が取り付けられており、図7(b)では、光導波路18aに光素子70が取り付けられていない。図8は、光導波路18aの図7(a)のX−Xにおける断面構造図である。
【0045】
ケーブルモジュール10aとケーブルモジュール10との相違点は、図6に示すように、光ファイバ18が光導波路18aに置き換わっている点、及び、プラグ本体26がフレキシブルプリント配線基板26aに置き換わっている点である。以下に、これらの相違点を中心に、ケーブルモジュール10aについて説明する。
【0046】
光導波路18aは、図7(a)、図7(b)及び図8に示すように、コア180、クラッド182a〜182c及びカバー層184a,184bを含んでいる。
【0047】
コア180は、クラッド182c上に設けられており、クラッド182cのy軸方向の中心においてx軸方向に延在している。クラッド182bは、クラッド182c上に設けられており、y軸方向の両側からコア180を挟んでいる。クラッド182aは、コア180及びクラッド182b上に設けられている。これにより、クラッド182a〜182cは、コア180の周囲に設けられている。そして、クラッド182a〜182cは、コア180内に光を閉じ込めるために、コア180よりも低い屈折率を有している。
【0048】
カバー層184a,184bはそれぞれ、シリコーン等の絶縁材料により作製されており、z軸方向の最も正方向側及びz軸方向の最も負方向側に設けられている。カバー層184a,184bは、コア180及びクラッド182a〜182cを保護している。
【0049】
また、光導波路18aのx軸方向の正方向側の端面には、図7(b)に示すように、凹部Gが設けられている。凹部Gは、光導波路18aのx軸方向の正方向側の端面が、x軸方向の負方向側に窪んでいることによって形成されている。凹部Gは、直方体状をなしている。また、凹部Gの底面には、コア180の端面が露出している。そして、光素子70は、図7(a)に示すように、コア180と光学的に結合した状態で凹部Gに取り付けられる。
【0050】
フレキシブルプリント配線基板26aは、図6に示すように、可撓性を有する長方形状の板状部材であり、例えば、アクリル又は熱可塑性のポリイミド等により作製されている。また、フレキシブルプリント配線基板26aのy軸方向の負方向側の短辺近傍には、直方体状の突起27が設けられている。
【0051】
外部電極28,30,32は、図6に示すように、フレキシブルプリント配線基板26aのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極28,30は、図6に示すように、突起27の下を通過している。また、外部電極28,30,32は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。ただし、複数の同軸ケーブル20に対応するように、複数の外部電極32が複数設けられている。
【0052】
接続電極68はそれぞれ、図6に示すように、フレキシブルプリント配線基板26aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、外部電極32のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、外部電極32はそれぞれ、接続電極68と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、突起27よりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極68と定義し、残余の部分を外部電極32と定義する。
【0053】
接続電極64,66は、図6に示すように、突起27のx軸方向の負方向側の面に設けられており、上下が反転したL字型をなしている。より詳細には、接続電極64は、外部電極28に接続されており、外部電極28からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の正方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。接続電極66は、外部電極30に接続されており、外部電極30からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。
【0054】
光導波路18aは、図6に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12aに取り付けられる。より詳細には、光導波路18aは、フレキシブルプリント配線基板26aにx軸方向の負方向側から進入している。そして、光導波路18aの先端は、突起27のx軸方向の負方向側の面に接触している。なお、図6では、接続電極64,66を示すために、光導波路18aの先端と突起27との間には隙間が形成されている。これにより、電極74,76はそれぞれ、接続電極64,66に対して接触している。電極74,76と接続電極64,66とははんだにより固定されている。
【0055】
また、フレキシブルプリント配線基板26aのz軸方向の正方向側の主面上には、導体層67が設けられている。光導波路18aは、図6に示すように、導体層67と重なるように配置されており、導体層67にはんだ等により固定されている。
【0056】
以上のように構成されたケーブルモジュール10aのプラグ12aは、プラグ12と同様に、図1のレセプタクル14に対して装着される。
【0057】
本実施形態に係るケーブルモジュール10aによっても、ケーブルモジュール10と同様に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造することができる。
【0058】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るケーブルモジュール10bについて図面を参照しながら説明する。図9は、第3の実施形態に係るケーブルモジュール10b及びケーブルモジュール10bのプラグ12bが装着されるレセプタクル14の外観斜視図である。図10は、ケーブルモジュール10bの分解斜視図である。図11は、ケーブルモジュール10bを平面視した図である。図12は、光ファイバ18bの先端の斜視図である。
【0059】
ケーブルモジュール10bとケーブルモジュール10との相違点は、図10に示すように、光ファイバ18及び同軸ケーブル20が光ファイバ18bに置き換わっている点である。以下に、相違点を中心に、ケーブルモジュール10bについて説明する。
【0060】
光ファイバ18bは、図12に示すように、コア80(図示せず)、クラッド82、被覆84及び導体層190を含んでいる。光ファイバ18bのコア80、クラッド82及び被覆84は、光ファイバ18のコア80、クラッド82及び被覆84と同じであるので説明を省略する。
【0061】
導体層190は、被覆84の表面を覆っている。これにより、導体層190は、クラッド82の周囲を囲んでいる。導体層190は、被覆84上に金属めっきが施されることにより形成されている。
【0062】
ケーブルモジュール10bのプラグ本体26は、ケーブルモジュール10のプラグ本体26と略同じ構造を有している。ただし、ケーブルモジュール10bのプラグ本体26では、図10に示すように、プラグ本体26のベース部22に、突起122a,122bが設けられている。突起122a,122bはそれぞれ、図10及び図11に示すように、プラグ本体26のz軸方向の正方向側の主面上において、接続電極60のy軸方向の負方向側及び接続電極62のy軸方向の正方向側に設けられている。これにより、突起122a,122bは、y軸方向の両側から光ファイバ18bを挟んで保持している。
【0063】
また、ケーブルモジュール10bのプラグ12bは、外部電極132、接続電極168を更に含んでいる。外部電極132は、図10及び図11に示すように、板部22aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、板部22aのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極132は、図10及び図11に示すように、保護部22bの突条23aの下を通過している。また、外部電極28,30,132は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。そして、ケーブルモジュール10bでは、3組の外部電極28,30,132がプラグ12bに設けられている。
【0064】
接続電極168は、図10及び図11に示すように、板部22aの正方向側の主面上に設けられており、z軸方向から平面視したときに、L字型をなしている。より詳細には、接続電極168は、外部電極132のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在していると共に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がっている。なお、外部電極132はそれぞれ、接続電極168と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、保護部22bの突条23aよりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極168と定義し、残余の部分を外部電極132と定義する。
【0065】
光ファイバ18bは、図10及び図11に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12bに取り付けられる。更に、光ファイバ18bの導体層190は、接続電極168に対してはんだにより接続されている。
【0066】
以上のように構成されたケーブルモジュール10bのプラグ12bは、図9のレセプタクル14bに対して装着される。
【0067】
本実施形態に係るケーブルモジュール10bによっても、ケーブルモジュール10と同様に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造することができる。
【0068】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るケーブルモジュール10cについて図面を参照しながら説明する。図13は、第4の実施形態に係るケーブルモジュール10cの外観斜視図である。図14は、ケーブルモジュール10cを平面視した図である。図15は、光導波路18cの図14のY−Yにおける断面構造図である。なお、光導波路18cの外観斜視図は、図7を援用する。
【0069】
ケーブルモジュール10cとケーブルモジュール10aとの相違点は、図13に示すように、光導波路18a及び同軸ケーブル20が光導波路18cに置き換わっている点である。以下に、相違点を中心に、ケーブルモジュール10cについて説明する。
【0070】
光導波路18cは、図15に示すように、コア180、クラッド182a〜182c及び導体層190a,190bを含んでいる。光導波路18cのコア180及びクラッド182a〜182cは、光導波路18aのコア180及びクラッド182a〜182cと同じであるので説明を省略する。
【0071】
導体層190a,190bはそれぞれ、Cu等の金属により作製されており、z軸方向の最も正方向側及びz軸方向の最も負方向側に設けられている。
【0072】
また、光導波路18cのx軸方向の正方向側の端面には、図7(b)に示すように、凹部Gが設けられている。凹部Gは、光導波路18cのx軸方向の正方向側の端面が、x軸方向の負方向側に窪んでいることによって形成されている。凹部Gは、直方体状をなしている。また、凹部Gの底面には、コア180の端面が露出している。そして、光素子70は、図7(a)に示すように、コア180と光学的に結合した状態で凹部Gに取り付けられる。
【0073】
また、ケーブルモジュール10cのプラグ12cは、外部電極132、接続電極168を更に含んでいる。外部電極132は、図13及び図14に示すように、フレキシブルプリント配線基板26cのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、フレキシブルプリント配線基板26cのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極132は、図13及び図14に示すように、突起27の下を通過している。また、外部電極28,30,132は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。そして、ケーブルモジュール10cでは、3組の外部電極28,30,132がプラグ12cに設けられている。
【0074】
接続電極168は、図13及び図14に示すように、フレキシブルプリント配線基板26cのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、z軸方向から平面視したときに、L字型をなしている。より詳細には、接続電極168は、外部電極132のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在していると共に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がっている。なお、外部電極132はそれぞれ、接続電極168と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、突起27よりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極168と定義し、残余の部分を外部電極132と定義する。
【0075】
光導波路18cは、図14に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12cに取り付けられる。更に、光導波路18cの導体層190bは、接続電極168に対してはんだにより接続されている。
【0076】
以上のように構成されたケーブルモジュール10cのプラグ12cは、図9のレセプタクル14bに対して装着される。
【0077】
本実施形態に係るケーブルモジュール10cによっても、ケーブルモジュール10と同様に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明は、ケーブルモジュールに有用であり、特に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造できる点において優れている。
【符号の説明】
【0079】
10,10a〜10c ケーブルモジュール
12,12a〜12c プラグ
14,14b レセプタクル
16 コネクタ
17 回路基板
18,18b 光ファイバ
18a,18c 光導波路
20 同軸ケーブル
22 ベース部
22a 板部
22b 保護部
23a〜23c,41b,41c 突条
24 蓋部
26 プラグ本体
26a,26c フレキシブルプリント配線基板
27,122a,122b 突起
28,30,32,42,44,46,132 外部電極
40 レセプタクル本体
40a 板部
40b 保持部
41a L字型部材
48 ドライバ
60,62,64,66,68,168 接続電極
67,190,190a,190b 導体層
70 光素子
72 本体
74,76 電極
78 発光部
80,180 コア
82,182a〜182c クラッド
84,92 被覆
90 信号線
184a,184b カバー層
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルモジュールに関し、より特定的には、プラグに装着して用いられるコネクタが設けられたケーブルモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のケーブルモジュールに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の光電複合配線モジュールが知られている。図16は、特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュール500の構成図である。
【0003】
光電変換複合配線モジュール500は、フレキシブルプリント配線基板501、光導波路502、受光素子504a、発光素子504b、増幅IC506a、駆動IC506b、外部接続端子508a,508b、電気配線510及び外部接続端子512を備えている。
【0004】
光導波路502は、フレキシブルプリント配線基板501上に取り付けられており、コア及びクラッドからなり、光信号を伝送する。受光素子504aは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、光導波路502のコアに対して光学的に結合している。増幅IC506aは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、受光素子504aから出力された電気信号を増幅する。外部接続端子508aは、増幅IC506aに接続されており、図示しないレセプタクルに設けられた端子に接続される。
【0005】
発光素子504bは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、光導波路502のコアに対して光学的に結合している。駆動IC506bは、フレキシブルプリント配線基板501上に実装されており、発光素子504bを駆動する。外部接続端子508bは、駆動IC506bに接続されており、図示しないレセプタクルに設けられた端子に接続される。
【0006】
電気配線510は、フレキシブルプリント配線基板501に設けられており、電気信号を伝送する。外部接続端子512は、電気配線510に接続されている。外部接続端子508a,508b及び外部接続端子512は、一列に並んでいる。
【0007】
以上のように構成された光電変換複合配線モジュール500では、光導波路502が設けられていない通常の配線モジュールに用いられるレセプタクルに対して大きな変更を施す必要がない。光電変換複合配線モジュール500では、受光素子504a及び発光素子504bに電気的に接続された4つの外部接続端子508a,508bと電気配線510に電気的に接続された4つの外部接続端子512とが一列に並んでいる。すなわち、光電変換複合配線モジュール500のレセプタクルへの接続部分では、外部接続端子508a,508b,512からなる8つの外部接続端子が一列に並んでいる。このような光電変換複合配線モジュール500のレセプタクルへの接続部分の構造は、8本の電気配線に接続された8つの外部接続端子が一列に並んでいる通常の配線モジュールのレセプタクルへの接続部分の構造と同じである。よって、光電変換複合配線モジュール500では、通常の配線モジュールに用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がない。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュール500では、フレキシブルプリント配線基板501のランドに位置合わせして受光素子504a及び発光素子504bを実装した後、受光素子504a及び発光素子504bに対して位置合わせして光導波路502を取り付ける必要がある。すなわち、受光素子504a及び発光素子504bと光導波路502とが光学的に結合するように精度よく位置合わせする必要がある。その結果、光源変換複合配線モジュール500の製造工程が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−158539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造できるケーブルモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係るケーブルモジュールは、レセプタクルに装着されて用いられるプラグが設けられたケーブルモジュールであって、光信号を伝送するコア及び該コアの周囲に設けられているクラッドを含んでいる光伝送路であって、端面に凹部が設けられている光伝送路と、前記凹部に取り付けられることにより、前記コアに対して光学的に結合している光素子であって、アノード端子及びカソード端子を含んでいる光素子と、プラグ本体と、前記プラグ本体に等間隔に並ぶように設けられている複数の第1の外部電極であって、前記レセプタクル内の複数の第2の外部電極に接触する複数の第1の外部電極と、前記プラグ本体に設けられ、前記複数の第1の外部電極のそれぞれに接続されている複数の接続電極と、を備えており、前記アノード端子及び前記カソード端子はそれぞれ、前記接続電極に対して接続されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、ケーブルモジュールを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係るケーブルモジュール及びケーブルモジュールのプラグが装着されるレセプタクルの外観斜視図である。
【図2】ケーブルモジュールの分解斜視図である。
【図3】ケーブルモジュールを平面視した図である。
【図4】光ファイバの先端の斜視図である。
【図5】プラグ及びレセプタクルの断面構造図である。
【図6】第2の実施形態に係るケーブルモジュールの外観斜視図である。
【図7】光導波路の先端の斜視図である。
【図8】光導波路の図7(a)のX−Xにおける断面構造図である。
【図9】第3の実施形態に係るケーブルモジュール及びケーブルモジュールのプラグが装着されるレセプタクルの外観斜視図である。
【図10】ケーブルモジュールの分解斜視図である。
【図11】ケーブルモジュールを平面視した図である。
【図12】光ファイバの先端の斜視図である。
【図13】第4の実施形態に係るケーブルモジュールの外観斜視図である。
【図14】ケーブルモジュールを平面視した図である。
【図15】光導波路の図14のY−Yにおける断面構造図である。
【図16】特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュールの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係るケーブルモジュールについて説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態に係るケーブルモジュールについて図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係るケーブルモジュール10及びケーブルモジュール10のプラグ12が装着されるレセプタクル14の外観斜視図である。図1(a)では、プラグ12がレセプタクル14に装着されておらず、図1(b)では、プラグ12がレセプタクル14に装着されている。図2は、ケーブルモジュール10の分解斜視図である。図3は、ケーブルモジュール10を平面視した図である。図4は、光ファイバ18の先端の斜視図である。図4(a)では、光ファイバ18に光素子70が取り付けられており、図4(b)では、光ファイバ18に光素子70が取り付けられていない。
【0016】
以下では、光ファイバ18が延在している方向をx軸方向と定義する。また、鉛直方向をz軸方向と定義し、x軸方向及びz軸方向と直交する方向をy軸方向と定義する。なお、以下では、z軸方向の正方向側から平面視することを、単にz軸方向から平面視すると言う。
【0017】
ケーブルモジュール10は、図1ないし図4に示すように、光ファイバ18、同軸ケーブル20、プラグ本体26、外部電極28,30,32、接続電極60,62,64,66及び光素子70を備えている。また、プラグ本体26、外部電極28,30,32及び接続電極60,62,64,66は、プラグ12を構成している。
【0018】
光ファイバ18は、図4(a)及び図4(b)に示すように、コア80、クラッド82及び被覆84を含んでいる。コア80は、図4(b)に示すように、円状の断面形状を有し、かつ、x軸方向に延在しており、x軸方向に光信号を伝送する光学部材である。コア80は、例えば、アクリル又は熱可塑性のポリイミド等のプラスチックにより形成されている。
【0019】
クラッド82は、x軸方向から平面視したときに、コア80の周囲を囲む円状の断面形状を有し、かつ、x軸方向に延在している。クラッド82は、コア80内に光を閉じ込める光学部材である。クラッド82は、例えば、アクリル又は熱可塑性のポリイミド等のプラスチックにより形成されている。ただし、クラッド82は、コア80内に光を閉じ込めるために、コア80よりも低い屈折率を有している。
【0020】
被覆84は、クラッド82の周囲を囲んでおり、クラッド82の表面を覆っている。ただし、被覆84は、光ファイバ18の先端近傍では除去されている。これにより、光ファイバ18の先端近傍において、クラッド82が露出している。被覆84は、シリコーン等の絶縁材料により作製されており、コア80及びクラッド82を保護している。
【0021】
また、光ファイバ18のx軸方向の正方向側の端面には、図4(b)に示すように、凹部Gが設けられている。凹部Gは、光ファイバ18のx軸方向の正方向側の端面が、x軸方向の負方向側に窪んでいることによって形成されている。凹部Gは、直方体状をなしている。また、凹部Gの底面には、コア80の端面が露出している。凹部Gの形成は、例えば、ヤマキ社製のPOF端面成型器を用いて行うことが可能である。
【0022】
光素子70はそれぞれ、図4(a)及び図4(b)に示すように、凹部Gに取り付けられることによって、コア80と光学的に結合している。
【0023】
光素子70は、光を発光するLED等の発光素子又は光を受光するフォトダイオード等の受光素子である。以下では、光素子70が発光素子であるとして説明する。光素子70は、本体72、電極74,76及び発光部78を含んでいる。本体72は、直方体状をなしており、x軸方向から平面視したときに、凹部Gよりもわずかに小さなサイズを有している。よって、光素子70が凹部Gに取り付けられる際には、例えば、透明な樹脂接着剤により凹部Gに光素子70が取り付けられる。
【0024】
発光部78は、x軸方向の負方向側の面に設けられており、光信号を放射する。発光部78は、光素子70が凹部Gに取り付けられた際に、コア80のx軸方向の正方向側の端面と対向する。これにより、光素子70とコア80とが光学的に結合する。電極74,76は、本体72のx軸方向の正方向側の面に設けられている。電極74は、アノードであり、電極76は、カソードである。電極74,76には、光素子70を駆動させるための制御信号が印加される。
【0025】
同軸ケーブル20は、図2に示すように、信号線90及び被覆92を含んでいる。信号線90は、x軸方向に延在しており、電気信号を伝送する。被覆92は、信号線90の周囲を囲んでおり、信号線90の表面を覆っている。ただし、被覆92は、同軸ケーブル20の先端近傍では除去されている。これにより、同軸ケーブル20の先端近傍において、信号線90が露出している。被覆92は、シリコーン等の絶縁材料により作製されており、信号線90を保護している。
【0026】
光ファイバ18及び同軸ケーブル20は、y軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並ぶように配置されている。ただし、同軸ケーブル20は、複数本設けられている。
【0027】
プラグ本体26は、図1に示すように、長方形状の板状をなしており、ベース部22及び蓋部24を含んでいる。ベース部22は、図2に示すように、板部22a及び保護部22bにより構成されている。板部22aは、z軸方向から平面視したときに長方形状をなす板である。保護部22bは、板部22aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられているコ字型の突起である。より詳細には、保護部22bは、突条23a〜23cにより構成されている。突条23aは、x軸方向の略中間においてy軸方向に延在している。突条23b,23cはそれぞれ、突条23aの両端からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、板部22aと保護部22bとは、例えば、樹脂により一体的に成形されている。蓋部24については後述する。
【0028】
外部電極28,30,32は、図1ないし図3に示すように、板部22aの正方向側の主面上に設けられており、板部22aのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極28,30,32は、図3に示すように、保護部22bの突条23aの下を通過している。また、外部電極28,30,32は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。ただし、複数の同軸ケーブル20に対応するように、複数の外部電極32が複数設けられている。
【0029】
接続電極60,62,68はそれぞれ、図1ないし図3に示すように、板部22aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、外部電極28,30,32のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、外部電極28,30,32はそれぞれ、接続電極60,62,68と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、保護部22bの突条23aよりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極60,62,68と定義し、残余の部分を外部電極28,30,32と定義する。
【0030】
接続電極64,66は、図2に示すように、保護部22bの突条23aのx軸方向の負方向側の面に設けられており、上下が反転したL字型をなしている。より詳細には、接続電極64は、外部電極28及び接続電極60に接続されており、接続電極60からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の正方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。接続電極66は、外部電極30及び接続電極62に接続されており、接続電極62からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。
【0031】
光ファイバ18は、図2ないし図4に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12に取り付けられる。より詳細には、光ファイバ18は、保護部22bに囲まれた領域にx軸方向の負方向側から進入している。そして、光ファイバ18の先端は、保護部22bの突条23aのx軸方向の負方向側の面に接触している。なお、図2及び図3では、接続電極64,66を示すために、光ファイバ18の先端と保護部22bの突条23aとの間には隙間が形成されている。これにより、電極74,76はそれぞれ、接続電極64,66に対して接触している。電極74,76と接続電極64,66とははんだにより固定されている。
【0032】
同軸ケーブル20は、図2ないし図4に示すように、信号線90が接続電極68に対して接続されるように、プラグ12に取り付けられる。より詳細には、同軸ケーブル20は、保護部22bに囲まれた領域にx軸方向の負方向側から進入している。そして、同軸ケーブル20の先端は、z軸方向から平面視したときに、接続電極68と重なっている。これにより、信号線90は、接続電極68に対して接触している。信号線90と接続電極68とははんだにより固定されている。
【0033】
蓋部24は、図1に示すように、保護部22bにより囲まれた長方形状の領域に取り付けられる長方形状の板状部材である。蓋部24は、光ファイバ18及び同軸ケーブル20を覆うようにベース部22に取り付けられる。なお、蓋部24のz軸方向の負方向側の面には、x軸方向から平面視したときに逆V字をなす溝であって、x軸方向に延在する溝が形成されている。これにより、光ファイバ18及び同軸ケーブル20がプラグ本体26に固定されている。
【0034】
以上のように構成されたケーブルモジュール10のプラグ12は、図1(b)に示すように、レセプタクル14に装着される。以下に、レセプタクル14について図面を参照しながら説明する。図5は、プラグ12及びレセプタクル14の断面構造図である。図5(a)では、プラグ12は、レセプタクル14に装着されておらず、図5(b)では、プラグ12は、レセプタクル14に装着されている。なお、図5では、プラグ12の内部の詳細な構成については省略してある。
【0035】
レセプタクル14は、図1に示すように、回路基板17のz軸方向の正方向側の主面上に実装されており、レセプタクル本体40及び外部電極42,44,46を備えている。レセプタクル本体40は、板部40a及び保持部40bを含んでいる。
【0036】
板部40aは、z軸方向から平面視したときに長方形状をなす板である。保持部40bは、L字型部材41a及び突条41b,41cにより構成されている。L字型部材41aは、図1(a)に示すように、板部40aのx軸方向の正方向側の長辺に沿って延在しており、図5に示すように、L字を時計回りに90度回転させた形状をなしている。これにより、板部40aとL字型部材41aとの間には、図5(a)に示すように、空間Spが形成されている。
【0037】
突条41b,41cはそれぞれ、L字型部材41aの両端からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、板部40aと突条41b,41cとは、例えば、樹脂により一体的に成形されている。
【0038】
外部電極42,44,46は、図1及び図5に示すように、板部22aのx軸方向の正方向側の長辺に設けられており、y軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。外部電極42,44,46はそれぞれ、1枚の金属板が折り曲げられて作製されており、図5に示すように、クランク形状をなしている。より詳細には、外部電極42,44,46は、板部40aのx軸方向の正方向側の側面においてz軸方向に延在していると共に、z軸方向の負方向側の端部においてx軸方向の正方向側に折り曲げられ、z軸方向の正方向側の端部においてx軸方向の負方向側に折り曲げられている。そして、外部電極42,44,46は、L字型部材41aのz軸方向の負方向側の面に沿って、空間Sp内を延在している。
【0039】
プラグ12は、図5(b)に示すように、外部電極28,30,32が空間Spにx軸方向の負方向側から進入するように、レセプタクル14に対して取り付けられる。この際、外部電極28,30,32はそれぞれ、外部電極42,44,46に対してz軸方向の負方向側から接触する。これにより、プラグ12がレセプタクル14に装着される。そして、プラグ12及びレセプタクル14は、コネクタ16を構成する。
【0040】
ドライバ48は、光素子70を駆動させるための駆動回路であり、図1(a)及び図1(b)に示すように、回路基板17上に実装されている。また、ドライバ48は、光素子70に電気的に接続されている外部電極42,44に接続されている。これにより、ドライバ48は、外部電極42,44、接続電極60,62,64,66を介して、光素子70に対して制御信号を出力することができる。
【0041】
(効果)
本実施形態に係るケーブルモジュール10によれば、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がない。より詳細には、ケーブルモジュール10では、図2に示すように、光ファイバ18に接続されている外部電極28,30、及び、同軸ケーブル20に接続されている外部電極32は、等間隔に一列に並ぶようにプラグ本体26に設けられている。すなわち、プラグ12のレセプタクル14への接続部分では、外部電極28,30,32からなる11個の外部電極が一列に並んでいる。このようなプラグ12のレセプタクル14への接続部分の構造は、11本の電気配線に接続された11個の外部電極が一列に並んでいる通常のケーブルモジュールのレセプタクルへの接続部分の構造と同じである。よって、ケーブルモジュール10では、通常のケーブルモジュールに用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がない。
【0042】
また、ケーブルモジュール10によれば、容易に製造することができる。より詳細には、特許文献1に記載の光電変換複合配線モジュール500では、フレキシブルプリント配線基板501のランドに位置合わせして受光素子504a及び発光素子504bを実装した後、受光素子504a及び発光素子504bに対して位置合わせして光導波路502を取り付ける必要がある。すなわち、受光素子504a及び発光素子504bと光導波路502とが光学的に結合するように精度よく位置合わせする必要がある。その結果、光源変換複合配線モジュール500の製造工程が複雑になる。
【0043】
一方、ケーブルモジュール10では、光ファイバ18の端面に凹部Gが設けられており、光素子70は、凹部Gに取り付けられている。これにより、光素子70は、凹部Gに取り付けられるだけで、光ファイバ18のコア80に対して光学的に結合するようになる。すなわち、ケーブルモジュール10における光ファイバ18に対する光素子70の位置合わせの精度は、光電変換複合配線モジュール500における光導波路502の受光素子504a及び発光素子504bに対する位置合わせの精度よりも低くて済む。よって、ケーブルモジュール10では、光電変換複合配線モジュール500に比べて容易に製造することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るケーブルモジュール10aについて図面を参照しながら説明する。図6は、第2の実施形態に係るケーブルモジュール10aの外観斜視図である。ただし、図6では、同軸ケーブル20は示されていない。図7は、光導波路18aの先端の斜視図である。図7(a)では、光導波路18aに光素子70が取り付けられており、図7(b)では、光導波路18aに光素子70が取り付けられていない。図8は、光導波路18aの図7(a)のX−Xにおける断面構造図である。
【0045】
ケーブルモジュール10aとケーブルモジュール10との相違点は、図6に示すように、光ファイバ18が光導波路18aに置き換わっている点、及び、プラグ本体26がフレキシブルプリント配線基板26aに置き換わっている点である。以下に、これらの相違点を中心に、ケーブルモジュール10aについて説明する。
【0046】
光導波路18aは、図7(a)、図7(b)及び図8に示すように、コア180、クラッド182a〜182c及びカバー層184a,184bを含んでいる。
【0047】
コア180は、クラッド182c上に設けられており、クラッド182cのy軸方向の中心においてx軸方向に延在している。クラッド182bは、クラッド182c上に設けられており、y軸方向の両側からコア180を挟んでいる。クラッド182aは、コア180及びクラッド182b上に設けられている。これにより、クラッド182a〜182cは、コア180の周囲に設けられている。そして、クラッド182a〜182cは、コア180内に光を閉じ込めるために、コア180よりも低い屈折率を有している。
【0048】
カバー層184a,184bはそれぞれ、シリコーン等の絶縁材料により作製されており、z軸方向の最も正方向側及びz軸方向の最も負方向側に設けられている。カバー層184a,184bは、コア180及びクラッド182a〜182cを保護している。
【0049】
また、光導波路18aのx軸方向の正方向側の端面には、図7(b)に示すように、凹部Gが設けられている。凹部Gは、光導波路18aのx軸方向の正方向側の端面が、x軸方向の負方向側に窪んでいることによって形成されている。凹部Gは、直方体状をなしている。また、凹部Gの底面には、コア180の端面が露出している。そして、光素子70は、図7(a)に示すように、コア180と光学的に結合した状態で凹部Gに取り付けられる。
【0050】
フレキシブルプリント配線基板26aは、図6に示すように、可撓性を有する長方形状の板状部材であり、例えば、アクリル又は熱可塑性のポリイミド等により作製されている。また、フレキシブルプリント配線基板26aのy軸方向の負方向側の短辺近傍には、直方体状の突起27が設けられている。
【0051】
外部電極28,30,32は、図6に示すように、フレキシブルプリント配線基板26aのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極28,30は、図6に示すように、突起27の下を通過している。また、外部電極28,30,32は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。ただし、複数の同軸ケーブル20に対応するように、複数の外部電極32が複数設けられている。
【0052】
接続電極68はそれぞれ、図6に示すように、フレキシブルプリント配線基板26aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、外部電極32のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在している。なお、外部電極32はそれぞれ、接続電極68と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、突起27よりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極68と定義し、残余の部分を外部電極32と定義する。
【0053】
接続電極64,66は、図6に示すように、突起27のx軸方向の負方向側の面に設けられており、上下が反転したL字型をなしている。より詳細には、接続電極64は、外部電極28に接続されており、外部電極28からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の正方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。接続電極66は、外部電極30に接続されており、外部電極30からz軸方向の正方向側に延在し、更に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がった形状をなしている。
【0054】
光導波路18aは、図6に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12aに取り付けられる。より詳細には、光導波路18aは、フレキシブルプリント配線基板26aにx軸方向の負方向側から進入している。そして、光導波路18aの先端は、突起27のx軸方向の負方向側の面に接触している。なお、図6では、接続電極64,66を示すために、光導波路18aの先端と突起27との間には隙間が形成されている。これにより、電極74,76はそれぞれ、接続電極64,66に対して接触している。電極74,76と接続電極64,66とははんだにより固定されている。
【0055】
また、フレキシブルプリント配線基板26aのz軸方向の正方向側の主面上には、導体層67が設けられている。光導波路18aは、図6に示すように、導体層67と重なるように配置されており、導体層67にはんだ等により固定されている。
【0056】
以上のように構成されたケーブルモジュール10aのプラグ12aは、プラグ12と同様に、図1のレセプタクル14に対して装着される。
【0057】
本実施形態に係るケーブルモジュール10aによっても、ケーブルモジュール10と同様に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造することができる。
【0058】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るケーブルモジュール10bについて図面を参照しながら説明する。図9は、第3の実施形態に係るケーブルモジュール10b及びケーブルモジュール10bのプラグ12bが装着されるレセプタクル14の外観斜視図である。図10は、ケーブルモジュール10bの分解斜視図である。図11は、ケーブルモジュール10bを平面視した図である。図12は、光ファイバ18bの先端の斜視図である。
【0059】
ケーブルモジュール10bとケーブルモジュール10との相違点は、図10に示すように、光ファイバ18及び同軸ケーブル20が光ファイバ18bに置き換わっている点である。以下に、相違点を中心に、ケーブルモジュール10bについて説明する。
【0060】
光ファイバ18bは、図12に示すように、コア80(図示せず)、クラッド82、被覆84及び導体層190を含んでいる。光ファイバ18bのコア80、クラッド82及び被覆84は、光ファイバ18のコア80、クラッド82及び被覆84と同じであるので説明を省略する。
【0061】
導体層190は、被覆84の表面を覆っている。これにより、導体層190は、クラッド82の周囲を囲んでいる。導体層190は、被覆84上に金属めっきが施されることにより形成されている。
【0062】
ケーブルモジュール10bのプラグ本体26は、ケーブルモジュール10のプラグ本体26と略同じ構造を有している。ただし、ケーブルモジュール10bのプラグ本体26では、図10に示すように、プラグ本体26のベース部22に、突起122a,122bが設けられている。突起122a,122bはそれぞれ、図10及び図11に示すように、プラグ本体26のz軸方向の正方向側の主面上において、接続電極60のy軸方向の負方向側及び接続電極62のy軸方向の正方向側に設けられている。これにより、突起122a,122bは、y軸方向の両側から光ファイバ18bを挟んで保持している。
【0063】
また、ケーブルモジュール10bのプラグ12bは、外部電極132、接続電極168を更に含んでいる。外部電極132は、図10及び図11に示すように、板部22aのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、板部22aのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極132は、図10及び図11に示すように、保護部22bの突条23aの下を通過している。また、外部電極28,30,132は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。そして、ケーブルモジュール10bでは、3組の外部電極28,30,132がプラグ12bに設けられている。
【0064】
接続電極168は、図10及び図11に示すように、板部22aの正方向側の主面上に設けられており、z軸方向から平面視したときに、L字型をなしている。より詳細には、接続電極168は、外部電極132のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在していると共に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がっている。なお、外部電極132はそれぞれ、接続電極168と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、保護部22bの突条23aよりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極168と定義し、残余の部分を外部電極132と定義する。
【0065】
光ファイバ18bは、図10及び図11に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12bに取り付けられる。更に、光ファイバ18bの導体層190は、接続電極168に対してはんだにより接続されている。
【0066】
以上のように構成されたケーブルモジュール10bのプラグ12bは、図9のレセプタクル14bに対して装着される。
【0067】
本実施形態に係るケーブルモジュール10bによっても、ケーブルモジュール10と同様に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造することができる。
【0068】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るケーブルモジュール10cについて図面を参照しながら説明する。図13は、第4の実施形態に係るケーブルモジュール10cの外観斜視図である。図14は、ケーブルモジュール10cを平面視した図である。図15は、光導波路18cの図14のY−Yにおける断面構造図である。なお、光導波路18cの外観斜視図は、図7を援用する。
【0069】
ケーブルモジュール10cとケーブルモジュール10aとの相違点は、図13に示すように、光導波路18a及び同軸ケーブル20が光導波路18cに置き換わっている点である。以下に、相違点を中心に、ケーブルモジュール10cについて説明する。
【0070】
光導波路18cは、図15に示すように、コア180、クラッド182a〜182c及び導体層190a,190bを含んでいる。光導波路18cのコア180及びクラッド182a〜182cは、光導波路18aのコア180及びクラッド182a〜182cと同じであるので説明を省略する。
【0071】
導体層190a,190bはそれぞれ、Cu等の金属により作製されており、z軸方向の最も正方向側及びz軸方向の最も負方向側に設けられている。
【0072】
また、光導波路18cのx軸方向の正方向側の端面には、図7(b)に示すように、凹部Gが設けられている。凹部Gは、光導波路18cのx軸方向の正方向側の端面が、x軸方向の負方向側に窪んでいることによって形成されている。凹部Gは、直方体状をなしている。また、凹部Gの底面には、コア180の端面が露出している。そして、光素子70は、図7(a)に示すように、コア180と光学的に結合した状態で凹部Gに取り付けられる。
【0073】
また、ケーブルモジュール10cのプラグ12cは、外部電極132、接続電極168を更に含んでいる。外部電極132は、図13及び図14に示すように、フレキシブルプリント配線基板26cのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、フレキシブルプリント配線基板26cのx軸方向の正方向側の長辺からx軸方向の負方向側に向かって延在している。そして、外部電極132は、図13及び図14に示すように、突起27の下を通過している。また、外部電極28,30,132は、y軸方向の負方向側から正負方向側へとこの順に等間隔に並んでいる。そして、ケーブルモジュール10cでは、3組の外部電極28,30,132がプラグ12cに設けられている。
【0074】
接続電極168は、図13及び図14に示すように、フレキシブルプリント配線基板26cのz軸方向の正方向側の主面上に設けられており、z軸方向から平面視したときに、L字型をなしている。より詳細には、接続電極168は、外部電極132のx軸方向の負方向側の端部からx軸方向の負方向側に向かって延在していると共に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がっている。なお、外部電極132はそれぞれ、接続電極168と一枚の金属板により構成されている。そこで、本実施形態では、一枚の金属板において、突起27よりもx軸方向の負方向側に位置している部分を接続電極168と定義し、残余の部分を外部電極132と定義する。
【0075】
光導波路18cは、図14に示すように、電極74が接続電極64に対して接続され、かつ、電極76が接続電極66に対して接続されるように、プラグ12cに取り付けられる。更に、光導波路18cの導体層190bは、接続電極168に対してはんだにより接続されている。
【0076】
以上のように構成されたケーブルモジュール10cのプラグ12cは、図9のレセプタクル14bに対して装着される。
【0077】
本実施形態に係るケーブルモジュール10cによっても、ケーブルモジュール10と同様に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明は、ケーブルモジュールに有用であり、特に、通常のケーブルモジュールの接続に用いられるレセプタクルに大きな変更を施す必要がなく、かつ、容易に製造できる点において優れている。
【符号の説明】
【0079】
10,10a〜10c ケーブルモジュール
12,12a〜12c プラグ
14,14b レセプタクル
16 コネクタ
17 回路基板
18,18b 光ファイバ
18a,18c 光導波路
20 同軸ケーブル
22 ベース部
22a 板部
22b 保護部
23a〜23c,41b,41c 突条
24 蓋部
26 プラグ本体
26a,26c フレキシブルプリント配線基板
27,122a,122b 突起
28,30,32,42,44,46,132 外部電極
40 レセプタクル本体
40a 板部
40b 保持部
41a L字型部材
48 ドライバ
60,62,64,66,68,168 接続電極
67,190,190a,190b 導体層
70 光素子
72 本体
74,76 電極
78 発光部
80,180 コア
82,182a〜182c クラッド
84,92 被覆
90 信号線
184a,184b カバー層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルに装着されて用いられるプラグが設けられたケーブルモジュールであって、
光信号を伝送するコア及び該コアの周囲に設けられているクラッドを含んでいる光伝送路であって、端面に凹部が設けられている光伝送路と、
前記凹部に取り付けられることにより、前記コアに対して光学的に結合している光素子であって、アノード端子及びカソード端子を含んでいる光素子と、
プラグ本体と、
前記プラグ本体に等間隔に並ぶように設けられている複数の第1の外部電極であって、前記レセプタクル内の複数の第2の外部電極に接触する複数の第1の外部電極と、
前記プラグ本体に設けられ、前記複数の第1の外部電極のそれぞれに接続されている複数の接続電極と、
を備えており、
前記アノード端子及び前記カソード端子はそれぞれ、前記接続電極に対して接続されていること、
を特徴とするケーブルモジュール。
【請求項2】
前記ケーブルモジュールは、
電気信号を伝送する信号線であって、前記接続電極に対して接続されている信号線を、
更に備えていること、
を特徴とする請求項1に記載のケーブルモジュール。
【請求項3】
前記光伝送路は、光ファイバであること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のケーブルモジュール。
【請求項4】
前記光ファイバは、前記クラッドの周囲に設けられている導体層を更に含んでおり、
前記導体層は、前記接続電極に対して接続されていること、
を特徴とする請求項3に記載のケーブルモジュール。
【請求項5】
前記光伝送路は、光導波路であること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のケーブルモジュール。
【請求項6】
前記光導波路は、前記クラッドの下側に設けられている導体層を更に含んでおり、
前記導体層は、前記接続電極に対して接続されていること、
を特徴とする請求項5に記載のケーブルモジュール。
【請求項1】
レセプタクルに装着されて用いられるプラグが設けられたケーブルモジュールであって、
光信号を伝送するコア及び該コアの周囲に設けられているクラッドを含んでいる光伝送路であって、端面に凹部が設けられている光伝送路と、
前記凹部に取り付けられることにより、前記コアに対して光学的に結合している光素子であって、アノード端子及びカソード端子を含んでいる光素子と、
プラグ本体と、
前記プラグ本体に等間隔に並ぶように設けられている複数の第1の外部電極であって、前記レセプタクル内の複数の第2の外部電極に接触する複数の第1の外部電極と、
前記プラグ本体に設けられ、前記複数の第1の外部電極のそれぞれに接続されている複数の接続電極と、
を備えており、
前記アノード端子及び前記カソード端子はそれぞれ、前記接続電極に対して接続されていること、
を特徴とするケーブルモジュール。
【請求項2】
前記ケーブルモジュールは、
電気信号を伝送する信号線であって、前記接続電極に対して接続されている信号線を、
更に備えていること、
を特徴とする請求項1に記載のケーブルモジュール。
【請求項3】
前記光伝送路は、光ファイバであること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のケーブルモジュール。
【請求項4】
前記光ファイバは、前記クラッドの周囲に設けられている導体層を更に含んでおり、
前記導体層は、前記接続電極に対して接続されていること、
を特徴とする請求項3に記載のケーブルモジュール。
【請求項5】
前記光伝送路は、光導波路であること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のケーブルモジュール。
【請求項6】
前記光導波路は、前記クラッドの下側に設けられている導体層を更に含んでおり、
前記導体層は、前記接続電極に対して接続されていること、
を特徴とする請求項5に記載のケーブルモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−57876(P2013−57876A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197203(P2011−197203)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]