説明

ケーブル内絶縁紙の除去方法

【課題】 電力ケーブル内の絶縁層を構成する絶縁紙を短時間で確実に除去することができるケーブル内絶縁紙の除去方法を提供する。
【解決手段】 本発明のケーブル内絶縁紙の除去方法は、OFケーブル(電力ケーブル)12から絶縁層32を構成する絶縁紙32aを離脱して除去するものであり、(a)スパイラル管および導線束を引き抜くことによって、絶縁層32が露出する管状空間Cを確保し、(b)管状空間C内に送風ホース44を配設し、(c)送風装置44を用いて送風ホース44から管状空間C内へ送風することによって、絶縁紙32aを解しながら、これを送風ホース44に絡み付かせ、(d)絶縁紙32aが絡み付いた送風ホース44を管状空間Cから引き抜くようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OFケーブル(oil-filled cable:油浸絶縁電力ケーブル)等のような電力ケーブルを配線管路から撤去する際に、電力ケーブル内から絶縁層を構成する絶縁紙を除去する、ケーブル内絶縁紙の除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、大容量送電のための電力ケーブルとして、図15に示すようなOFケーブル1が使用されており、このOFケーブル1を地中に配線する際には、図16に示すような配線管路2が使用されている。
【0003】
OFケーブル1(図15)は、油送路Aを構成するスパイラル管3と、スパイラル管3の周囲に配設された複数の導線4aからなる導線束4とを備えており、導線束4の周囲には、カーボン紙5aを介して、絶縁紙6aからなる絶縁層6が形成されている。また、絶縁層6の周囲には、カーボン紙5bを介して、金属からなる遮蔽層7が形成されており、遮蔽層7の周囲には、金属層8を介して、ネオプレン等からなる防食層9が形成されている。一方、配線管路2(図16)は、コンクリートからなるマンホール2aと、マンホール2a間に配設された複数の多孔管2bとによって構成されており、各多孔管2bの内部には、複数の管路2cが形成されている。したがって、複数の多孔管2bによってマンホール2aどうしを連通した状態(図16)では、マンホール2a間にOFケーブル1を配線するための複数の配線路2dが構成される。
【0004】
OFケーブル1を配線管路2の配線路2d内に配線した状態では、OFケーブル1の外面と配線路2dの内面との間に隙間が確保される。そのため、配線した直後にOFケーブル1を撤去する場合には、引抜抵抗が小さく、配線路2dからOFケーブル1を容易に引き抜くことができる。しかし、配線後に長期間が経過したときには、「地盤の不等沈下等によって配線路2dが蛇行すること」、「近辺領域の工事の際に配線路2d内へ地盤硬化剤Bが侵入すること」、「防食層9が水を含んで膨張すること」等によってOFケーブル1の引抜抵抗が増大し、OFケーブル1を引き抜くことが困難になる場合があった。
【0005】
そこで、本件出願人は、先の出願において、引抜抵抗が増大したOFケーブルをその中心側の構成部材から順に除去することによって撤去するようにした「OFケーブルの撤去方法」を提案している(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−324814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の「OFケーブルの撤去方法」では、OFケーブル1の構成部材を中心側から順に除去するようにしていたが、絶縁層6については、それを構成する絶縁紙6aの引っ張り強度が不十分なため、その除去作業を短時間で確実に行うことは困難であった。
【0007】
つまり、絶縁紙6aは、遮蔽層7の内側においてOFケーブル1の全長に亘って螺旋状に巻回されているため、特段の事情がなければ、絶縁紙6aを端部から引っ張ることによって、その全体を連続的に引き抜くことが可能である。しかし、絶縁紙6aが遮蔽層7の内面に固着されている場合や、配線路2dが蛇行している場合には、絶縁紙6aの引抜抵抗が増大するため、これを無理に引き抜こうとすると、絶縁紙6aが途中で切断されるおそれがある。そして、絶縁紙6aが途中で切断された場合には、もはや絶縁紙6aを連続的に引き抜くことはできないため、先端に有刺鉄線が取り付けられたロッド等を用いて絶縁紙6aを掻き出さなければならず、絶縁紙6aの除去作業が著しく遅延し、最悪の場合には、絶縁紙6aの除去を断念してOFケーブル1を放置しなければならないという問題があった。
【0008】
それゆえに、本発明の主たる課題は、電力ケーブル内の絶縁紙を短時間で確実に除去することができる、ケーブル内絶縁紙の除去方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載した発明は、「油送路Aを構成するスパイラル管26、複数の導線28aからなる導線束28、絶縁紙32aからなる絶縁層32、金属からなる遮蔽層34および防食層38が中心部から外側へ向けてこの順に形成されている電力ケーブル12から前記絶縁層32を構成する前記絶縁紙32aを離脱して除去する、ケーブル内絶縁紙の除去方法であって、(a)前記スパイラル管26および前記導線束28を引き抜くことによって、前記絶縁層32が露出する管状空間Cを確保し、(b)前記管状空間C内に送風ホース44を配設し、(c)送風装置42を用いて前記送風ホース44から前記管状空間C内へ送風することによって、前記絶縁紙32aを解しながら、これを前記送風ホース44に絡み付かせ、(d)前記絶縁紙32aが絡み付いた前記送風ホース44を前記管状空間Cから引き抜く、ケーブル内絶縁紙の除去方法」である。
【0010】
送風装置42を用いて管状空間C内へ送風すると、管状空間C内には気流が発生し、この気流が絶縁紙32aの隙間に入り込む。すると、絶縁紙32aが気流によって解されながら、遮蔽層34の内面から離脱され、送風ホース44の表面に絡み付く。したがって、その後は、管状空間Cから送風ホース44を引き抜くだけで、絶縁紙32aを除去することができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、「油送路Aを構成するスパイラル管26、複数の導線28aからなる導線束28、絶縁紙32aからなる絶縁層32、金属からなる遮蔽層34および防食層38が中心部から外側へ向けてこの順に形成されている電力ケーブル12から前記絶縁層32を構成する前記絶縁紙32aを離脱して除去する、ケーブル内絶縁紙の除去方法であって、(a)前記スパイラル管26および前記導線束28を引き抜くことによって、前記絶縁層32が露出する管状空間Cを確保し、(b)前記管状空間Cの開口端部に吸引ホース50を接続し、(c)前記吸引装置48を用いて前記吸引ホース50から前記管状空間C内の空気を吸引することによって、前記絶縁紙32aを解しながら、これを空気とともに前記管状空間Cの外部へ排出する、ケーブル内絶縁紙の除去方法」である。
【0012】
吸引装置48を用いて管状空間C内の空気を吸引すると、管状空間C内には気流が発生し、この気流が絶縁紙32aの隙間に入り込む。すると、絶縁紙32aが気流によって解されながら、遮蔽層34の内面から離脱され、空気とともに吸引ホース50を通して管状空間Cの外部へ排出される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載した発明によれば、管状空間内へ送風するだけで、絶縁紙を遮蔽層の内面から離脱させて、送風ホースに絡み付かせることができ、その後は、絶縁紙が絡み付いた送風ホースを管状空間から引き抜くだけで、絶縁紙を除去することができる。したがって、電力ケーブル内の絶縁紙を短時間で確実に、しかも低コストで除去することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明によれば、管状空間内の空気を吸引するだけで、絶縁紙を遮蔽層の内面から離脱させて、空気とともに排出することができる。したがって、電力ケーブル内の絶縁紙を短時間で確実に、しかも低コストで除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明が適用された「ケーブル内絶縁紙の除去方法」は、「OFケーブルの撤去方法」における一工程を担うものである。したがって、以下には、「OFケーブルの撤去方法」の全体を説明する中で、本発明の「ケーブル内絶縁紙の除去方法」について詳述する。なお、以下には、本発明を単芯OFケーブルに適用した場合について説明するが、本発明は、三芯OFケーブル等の他の電力ケーブルにも適用可能である。
【0016】
「OFケーブルの撤去方法」は、地中に埋設された配線管路10(図1)内に挿通されたOFケーブル12が老朽化した場合に、これを効率よく撤去するものである。
【0017】
ここで、配線管路10は、図1に示すように、コンクリートからなるマンホール14と、マンホール14間に配管された複数の多孔管16とによって構成されている。各多孔管16は、図2に示すように、コンクリートからなる本体18を有し、本体18の底部には、コンクリートからなる台座20が形成されている。また、本体18の内部には、複数(この実施例では4本)の管路22が形成されている。したがって、複数の多孔管16によってマンホール14どうしを連通した状態(図1)では、マンホール14間にOFケーブル12を配線するための複数(この実施例では4本)の配線路24が構成される。
【0018】
OFケーブル12は、図3〜図5に示すように、スパイラル管26の周囲に、導線束28,カーボン紙30a,絶縁層32,カーボン紙30b,遮蔽層34,金属層36および防食層38がこの順に形成された多層構造を有している。
【0019】
スパイラル管26は、絶縁油が流される油送路Aを構成するものであり、亜鉛メッキ鋼板やステンレス等のような金属からなる帯状体を螺旋状に巻回することによって形成されている。導線束28は、送電路を構成するものであり、複数の導線28aをスパイラル管26の外周面に沿わせて層状に配置することによって形成されている。絶縁層32は、導線束28と外部とを絶縁するものであり、導線束28に巻き付けられたカーボン紙30aの外面にクラフト紙等からなるテープ状の絶縁紙32aを多層に巻き付けることによって形成されている。遮蔽層34は、近隣に配設されている通信線等への電圧誘導(通信ノイズの原因)を防止するものであり、絶縁層32に巻き付けられたカーボン紙30bの周囲に鉛またはアルミニウム等のような金属材料を押し出すことによって形成されている。金属層36は、遮蔽層34の外面に真鍮またはステンレス等からなる金属テープを巻き付けることによって形成されている。防食層38は、OFケーブル12の内部腐食を防止するものであり、金属層36の周囲にクロロプレンゴムまたはネオプレン等のような樹脂材料を押し出すことによって形成されている。
【0020】
このようなOFケーブル12を配線管路10の配線路24内に配線した状態では、図2に示すように、OFケーブル12の外面と配線路24の内面との間に隙間が確保される。そのため、配線した直後にOFケーブル12を撤去する場合には、引抜抵抗が小さく、配線路24からOFケーブル12を容易に引き抜くことができる。しかし、配線後に長期間が経過した場合には、その間に生じた配線路24の蛇行(図16)や、配線路24へ浸入した地盤硬化剤B(図16)や、水を含んで膨張した防食層38の膨張部(図示省略)等によって、OFケーブル12の引抜抵抗が増大し、OFケーブル12を容易に引き抜くことができなくなる場合があり、かかる場合に、「OFケーブルの撤去方法」が用いられる。
【0021】
「OFケーブルの撤去方法」では、まず、或るマンホール14内においてOFケーブル12を切断するとともに、他のマンホール14内においてOFケーブル12を切断し、撤去すべきOFケーブル12を確保する。ただし、OFケーブル12が接続部材で接続されている場合には、接続部材においてOFケーブル12を切り離すだけでよく、これを切断する必要はない。
【0022】
続いて、図6に示すように、スパイラル管26の端部を図示しない引抜装置(ウインチ等)の係止部に係止し、引抜装置によってスパイラル管26を引き抜く。このとき、スパイラル管26の内側には油送路Aが確保されているので、スパイラル管26は縮径されながら引き抜かれることになる。したがって、スパイラル管26の引抜抵抗は比較的小さく、この引抜作業は容易である。なお、OFケーブル12の長さが短い場合には、手作業でスパイラル管26を引き抜くようにしてもよい。
【0023】
スパイラル管26を除去すると、図7に示すように、OFケーブル12の中心部に確保された管状空間(油送路Aを含む)Cに対して導線束28を構成する導線28aが露出する。しかし、各導線28aは互いに密着されているため、単に引っ張るだけではこれを引き抜くことはできない。そこで、まず、少なくとも1本(この実施例では1本)の導線28aを導線束28から離脱させることによって残りの導線28aの結束を緩め、その後、残りの導線28aを引き抜くようにする。
【0024】
導線28aを導線束28から離脱させる際には、図8に示すように、まず、管状空間Cの一端から他端に亘って線材(ワイヤ,ピアノ線,ロープ等)40を挿通し、線材40の先端を管状空間Cに露出した導線28aのいずれかに接続部材40aを介して接続する。そして、巻取装置(ウインチ等)または手作業により線材40を巻き取る。すると、導線28aがU字状に屈曲されながら導線束28から離脱され、この導線28aが管状空間Cの一端から外部へ引き出される。
【0025】
残りの各導線28aを引き抜く際には、引抜装置(ウインチ等)または手作業によってこれを単純に引き抜く。つまり、導線束28から少なくとも1本の導線28aを離脱させると導線束28を構成する残りの導線28aの結束が緩むため、残りの各導線28aは、U字状に折り返すことなく単に引っ張るだけでも引き抜くことができる。
【0026】
導線束28の除去が完了すると、図9に示すように、遮蔽層34の内側にカーボン紙30a、絶縁層32およびカーボン紙30bが残される。そこで、次工程では、本発明の「ケーブル内絶縁紙の除去方法」を用いて、カーボン紙30aおよび30bとともに絶縁層32を除去する。ただし、カーボン紙30aおよび30bについては、絶縁層32とは別に、引抜装置(ウインチ等)または手作業によって引き抜くようにしてもよい。
【0027】
本実施例の「ケーブル内絶縁紙の除去方法」は、以下の「送風ホース配設工程(図10)」、「送風工程(図11)」および「排出工程(図12)」によって構成される。
【0028】
「送風ホース配設工程」では、図10に示すように、まず、エアコンプレッサ等のような送風装置42と送風ホース44とを準備する。そして、管状空間C内に線材(ワイヤ,ピアノ線,ロープ等)46を挿通し、その一端を送風ホース44の出口側端部に接続する。続いて、線材46を他端側から巻き取ることによって、送風ホース44を管状空間C内へ引き込み、送風ホース44の出口側端部を管状空間C内の所定位置に位置決めする。一方、送風ホース44の入口側端部を送風装置42の送風口に接続する。
【0029】
なお、送風装置42の送風能力は、OFケーブル12の口径や長さに応じて適宜設定される。また、「排出工程(図12)」において絶縁紙32aの脱落を防止するために、送風ホース44の表面の材質は、ゴム等のような絶縁紙32aとの摩擦抵抗が大きいものであることが望ましく、送風ホース44の表面形状は、粗面であることが望ましい。
【0030】
「送風工程」では、図11(A)に示すように、送風装置42(図10)を駆動して、送風ホース44の出口側端部から管状空間C内へ送風する。すると、送風によって発生した空気流が絶縁層32を構成する絶縁紙32aの隙間に流入し、絶縁紙32aが解される。そして、送風開始から時間が経過するにつれて、図11(B)に示すように、空気流によって解された絶縁紙32aがカーボン紙30aおよび30bとともに遮蔽層34の内面から離脱されていき、これらが送風ホース44の表面に絡み付くようになる。そして、実験等によって求められた「絶縁層32aが離脱するのに要する時間」が経過すると、送風を停止して、次の「排出工程」へ移行する。
【0031】
「排出工程」では、図12に示すように、絶縁紙32a等が絡み付いた送風ホース44を管状空間C内から挿入方向とは反対の方向へ引き抜く。そして、送風ホース44の出口側端部に接続された線材46を取り外すとともに、送風ホース44の表面に絡み付いた絶縁紙32aを取り外す。
【0032】
なお、一回の作業で絶縁紙32aを完全に除去できなかった場合には、この作業(送風ホース配設工程→送風工程→排出工程)を複数回繰り返すようにしてもよい。
【0033】
この実施例の「ケーブル内絶縁紙の除去方法(図10、図11、図12)」によれば、絶縁紙32a等を遮蔽層34から離脱させる工程と、絶縁紙32a等を送風ホース44に絡み付かせる工程とを、送風により発生した空気流によって短時間で連続的に行うことができ、しかも、管状空間C内から送風ホース44を引き抜くだけで、絶縁紙32a等を簡単に除去することができる。
【0034】
「ケーブル内絶縁紙の除去方法」によってカーボン紙30a、絶縁層32およびカーボン紙30bを除去すると、図12に示すように、遮蔽層34、金属層36および防食層38だけが残される。しかし、遮蔽層34は所定の厚さで強固に形成されているため、これを防食層38および金属層36から引き抜くことは容易ではない。そこで、遮蔽層34、金属層36および防食層38を除去する際には、まず、切断装置を用いて遮蔽層34を軸方向または周方向に切断し、次いで、遮蔽層34、金属層36および防食層38の全体を縮径させてこれらの引抜抵抗を小さくし、その後、引抜装置(ウインチ等)によってこれらを配線路24から同時に引き抜く。なお、遮蔽層34、金属層36および防食層38を除去する工程については、「特開2003−324814号」または「特開2004−181583号」等で開示されている方法を適宜選択して用いることができる。
【0035】
なお、上述した「ケーブル内絶縁紙の除去方法(図10、図11、図12)」では、送風装置42と送風ホース44とを用いて絶縁紙32aを除去するようにしているが、図13に示すように、吸引装置48と吸引ホース50とを用いて絶縁紙32aを除去するようにしてもよい。
【0036】
この実施例の「ケーブル内絶縁紙の除去方法」は、以下の「吸引ホース配設工程(図13)」および「吸引・排出工程(図14)」によって構成される。
【0037】
「吸引ホース配設工程」では、図13に示すように、まず、真空吸引装置等のような吸引装置48および吸引ホース50を準備する。そして、管状空間Cの開口端部に吸引ホース50の入口側端部を接続バンド50a等によって接続し、吸引ホース50の出口側端部を吸引装置48の吸入口に接続する。なお、図13に示した吸引装置48は車載型であるが、トラック等によって運搬可能な独立型であってもよい。
【0038】
「吸引・排出工程」では、図14に示すように、吸引装置48(図13)を駆動して、吸引ホース50の入口側端部から管状空間C内の空気を吸入する。すると、吸引によって発生した空気流が絶縁層32を構成する絶縁紙32aの隙間に流入し、絶縁紙32aが解される。そして、送風開始から時間が経過するにつれて、空気流によって解された絶縁紙32aがカーボン紙30aおよび30bとともに遮蔽層34の内面から離脱されていき、これらが空気とともに吸引ホース50を通して排出される。
【0039】
この実施例の「ケーブル内絶縁紙の除去方法(図13、図14)」によれば、絶縁紙32a等を遮蔽層34から離脱させる工程と、絶縁紙32a等を空気とともに排出する工程とを、空気吸引により発生した空気流によって短時間で連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】OFケーブルが挿通される管路を示す簡略図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】OFケーブルを示す横断面図である。
【図4】OFケーブルを示す縦断面図である。
【図5】OFケーブルを示す斜視図である。
【図6】スパイラル管の引抜工程を示す斜視図である。
【図7】スパイラル管を引き抜いた後のOFケーブルを示す斜視図である。
【図8】導電線の引抜工程を示す断面図である。
【図9】導電線を引き抜いた後のOFケーブルを示す断面図である。
【図10】「送風ホース配設工程」を示す簡略図である。
【図11】「送風工程」を示す断面図である。
【図12】「排出工程」を示す断面図である。
【図13】「吸引ホース配設工程」を示す簡略図である。
【図14】「吸引・排出工程」を示す断面図である。
【図15】OFケーブルを示す横断面図である。
【図16】OFケーブルが挿通された配線管路(不等沈下あり)を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10… 配線管路
12… OFケーブル
24… 配線路
26… スパイラル管
28… 導線束
28a… 導線
30a,30b… カーボン紙
32… 絶縁層
32a… 絶縁紙
34… 遮蔽層
36… 金属層
38… 防食層
40,46… 線材
42… 送風装置
44… 送風ホース
48… 吸引装置
50… 吸引ホース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
油送路を構成するスパイラル管、複数の導線からなる導線束、絶縁紙からなる絶縁層、金属からなる遮蔽層および防食層が中心部から外側へ向けてこの順に形成されている電力ケーブルから前記絶縁層を構成する前記絶縁紙を離脱して除去する、ケーブル内絶縁紙の除去方法であって、
(a)前記スパイラル管および前記導線束を引き抜くことによって、前記絶縁層が露出する管状空間を確保し、
(b)前記管状空間内に送風ホースを配設し、
(c)送風装置を用いて前記送風ホースから前記管状空間内へ送風することによって、前記絶縁紙を解しながら、これを前記送風ホースに絡み付かせ、
(d)前記絶縁紙が絡み付いた前記送風ホースを前記管状空間から引き抜く、ケーブル内絶縁紙の除去方法。
【請求項2】
油送路を構成するスパイラル管、複数の導線からなる導線束、絶縁紙からなる絶縁層、金属からなる遮蔽層および防食層が中心部から外側へ向けてこの順に形成されている電力ケーブルから前記絶縁層を構成する前記絶縁紙を離脱して除去する、ケーブル内絶縁紙の除去方法であって、
(a)前記スパイラル管および前記導線束を引き抜くことによって、前記絶縁層が露出する管状空間を確保し、
(b)前記管状空間の開口端部に吸引ホースを接続し、
(c)吸引装置を用いて前記吸引ホースから前記管状空間内の空気を吸引することによって、前記絶縁紙を解しながら、これを空気とともに前記管状空間の外部へ排出する、ケーブル内絶縁紙の除去方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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