説明

ケーブル及びコネクタ付きケーブル

【課題】
高機能で耐久性の高いケーブル及びコネクタ付きケーブルを提供すること。
【解決手段】
ケーブルは、芯線と、断面視で前記芯線を挟むように配設される一対の給電線と、断面視で前記芯線を挟むように配設されるとともに、前記一対の給電線と相接するように配置され、前記一対の給電線とともに前記芯線を囲む一対のダミー線と、前記一対の給電線と前記一対のダミー線との周囲に配設される4本の光ケーブルであって、断面視で各々が前記一対の給電線のうちの一方と前記一対のダミー線のうちの一方とに接するように、前記芯線を対称軸として軸対称に配設される4本の光ケーブルと、前記芯線、前記一対の給電線、前記一対のダミー線、及び前記4本の光ケーブルを覆う被覆部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル及びコネクタ付きケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、給電線と光ケーブルを含むケーブルがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−237226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のケーブルは、光ケーブルが一対しかないため、使用形態によっては通信芯線数が足りない場合があった。また、使用形態によっては強度が不足する場合もあった。
【0005】
そこで、本発明は、高機能で耐久性の高いケーブル及びコネクタ付きケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面のケーブルは、芯線と、断面視で前記芯線を挟むように配設される一対の給電線と、断面視で前記芯線を挟むように配設されるとともに、前記一対の給電線と相接するように配置され、前記一対の給電線とともに前記芯線を囲む一対のダミー線と、前記一対の給電線と前記一対のダミー線との周囲に配設される4本の光ケーブルであって、断面視で各々が前記一対の給電線のうちの一方と前記一対のダミー線のうちの一方とに接するように、前記芯線を対称軸として軸対称に配設される4本の光ケーブルと、前記芯線、前記一対の給電線、前記一対のダミー線、及び前記4本の光ケーブルを覆う被覆部とを含む。
【0007】
また、前記芯線は、複数の線が撚られた撚り線であってもよい。
【0008】
また、前記芯線は、接地電位に保持されてもよい。
【0009】
また、前記一対の給電線及び前記4本の光ケーブルに接続されるコネクタを更に含んでもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高機能で耐久性の高いケーブル及びコネクタ付きケーブルを提供できるという特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態のケーブル及びコネクタ付きケーブルを示す斜視図である。
【図2】実施の形態のケーブルの断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のケーブル及びコネクタ付きケーブルを適用した実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、実施の形態のケーブル及びコネクタ付きケーブルを示す斜視図である。
【0014】
図2は、実施の形態のケーブルの断面構造を示す図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、本実施の形態のケーブル100は、芯線1、一対の給電線2A、2B、一対のダミー線3A、3B、4本の光ケーブル4A、4B、4C、4D、介在部5A、5B、5C、5D、吸水テープ6、及び外被部7を含む。ケーブル100には、図1に示すコネクタ200が接続される。
【0016】
芯線1は、鋼線を撚った鋼撚線である。図2に示すように、実施の形態の芯線1は、19本の鋼線を含む。19本の鋼線は、中心に位置する1本の鋼線の周囲に6本の鋼線が軸対称的に配置される。この6本の鋼線は、中央の1本の鋼線に対して同心円状に配置されており、各々が周方向に接するように配置されている。また、6本の鋼線の周囲には、12本の鋼線が同心円状に配置されており、各々が周方向に接するように配置されている。
【0017】
芯線1は、ケーブル100に所定の強度を付与するためのテンションメンバとして機能する。芯線1の強度は、ケーブル100の使用形態に応じて決定すればよい。例えば、芯線1に含まれる鋼線の本数及び配置は、中心から1本、6本、12本の合計19本の線を配置したものに限られず、他の本数の組み合わせでもよい。鋼線の本数と配置を換えることにより、芯線1の強度を変更することができる。また、芯線1は鋼撚線に限られないが、鋼撚線を用いることにより、軽量かつ高強度にすることができる。
【0018】
なお、鋼撚線で構成される芯線1は、接地電位に保持してもよい。芯線1を接地電位に保持すると、芯線1と給電線2A、2Bとの間の容量結合が芯線1及び給電線2A、2Bの長手方向において均等化され、給電線2A、2Bで伝送する電力又は電気信号のノイズが軽減される。
【0019】
給電線2A、2Bは、同一の構成であり、例えば、導電線の周囲をポリエチレン(PE)で被覆した電線である。図2には、7本の導電線を含む給電線2A、2Bを示す。導電線は、例えば、銅製である。
【0020】
給電線2A、2Bが2本設けられているのは、例えば、高周波電力を伝送可能にするため、あるいは、正と負の対の電力又は電気信号を伝送可能にするためである。
【0021】
給電線2A、2Bは、断面視で芯線1の外周面に接し、かつ芯線1を挟むように配設される。給電線2A、2Bの断面の大きさは、ダミー線3A、3Bの断面の大きさと同一に設定されており、給電線2A、2Bとダミー線3A、3Bの4つの線で、芯線1を覆うように配設される。
【0022】
ダミー線3A、3Bは、一対の給電線2A、2Bを含むケーブル100の断面形状を整えるために設けられており、例えば、軽量な(糸製の)紐、あるいは樹脂製のケーブル状の部材で構成される。上述のように、ダミー線3A、3Bの断面の大きさは、給電線2A、2Bの断面の大きさと同一に設定されており、ダミー線3A、3Bと給電線2A、2Bの4つの線で、芯線1を覆うように配設される。すなわち、給電線2A、2Bとダミー線3A、3Bの4つの線は、隣同士で互いに接するとともに、4つの線の各々が芯線1の外周面に接している。
【0023】
光ケーブル4A、4B、4C、4Dは、給電線2A、2Bとダミー線3A、3Bとの周囲に4本配設される。光ケーブル4A、4B、4C、4Dは、断面視で各々が給電線2A、2Bのうちの一方とダミー線3A、3Bのうちの一方とに接するように、芯線1を対称軸として軸対称に配設される。
【0024】
光ケーブル4A、4B、4C、4Dの各々は、コア及びクラッドを抗張力繊維と外被で覆ったものである。なお、抗張力繊維は、図2中にハッチングで示す部分であり、コア及びクラッドは、ハッチングで示す抗張力繊維の内側に位置する。外被は抗張力繊維の外側に示される部分である。
【0025】
光ケーブル4A、4B、4C、4Dは、例えば、光ケーブル4Aと4B、光ケーブル4Cと4Dがそれぞれ対をなすように用いられ、光信号を伝送する。光信号としては、例えば、映像信号や制御信号等が挙げられる。
【0026】
介在部5A、5B、5C、5Dは、吸水テープ6で光ケーブル4A、4B、4C、4Dを被覆する際に、断面が円状になるように形状を整えるために配設されている。図2に示すように、介在部5A、5B、5C、5Dは、給電線2A、2Bとダミー線3A、3Bの4本の線のそれぞれの外側(ケーブル100の径方向における外側)に配置される。介在部5A、5B、5C、5Dは、例えば、糸製又は樹脂糸製の紐のように、軽量で断面形状が変形可能な部材であればよい。なお、説明の便宜上、図1では介在部5A、5B、5C、5Dの図示を省いてある。
【0027】
吸水テープ6は、芯線1、一対の給電線2A、2B、一対のダミー線3A、3B、4本の光ケーブル4A、4B、4C、4D、介在部5A、5B、5C、5Dを覆い、水分を吸収するテープ状の樹脂製の部材である。吸水テープ6は、例えば、光ケーブル4A、4B、4C、4Dと介在部5A、5B、5C、5Dの周囲に、長手方向において螺旋状に巻回される。
【0028】
外被部7は、吸水テープ6の外側を覆う被覆であり、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレン(PE)を材料として形成される。外被部7は、ケーブル100の外被となる。
【0029】
なお、吸水テープ6及び外被部7は、芯線1、一対の給電線2A、2B、一対のダミー線3A、3B、介在部5A、5B、5C、5D、及び4本の光ケーブル4A、4B、4C、4Dを覆う被覆部である。
【0030】
コネクタ200は、本体部210と蓋部220を含む。本体部210には、ケーブル100が嵌着され、給電線2A、2Bと光ケーブル4A、4B、4C、4Dは、本体210の内部で端子211に接続される。端子211は、6個あり、蓋部220に形成された6つの開口部に通される。
【0031】
なお、芯線1を接地電位に保持する場合は、本体部210の端子211と蓋部220の開口部221をもう1つ追加すればよい。
【0032】
以上、本実施の形態のケーブル100は、鋼撚線で構成される芯線1、糸製又は樹脂糸製の紐で構成される介在部5A、5B、5C、5D、樹脂製の吸水テープ6、及び、ポリ塩化ビニル又はポリエチレン製の外被部7を含むので、軽量にすることができる。
【0033】
また、ケーブル100は、鋼撚線で構成される芯線1を含むので、十分な強度も確保することができる。
【0034】
また、ケーブル100は、樹脂製の吸水テープ6とポリ塩化ビニル又はポリエチレン製の外被部7で覆われているので、十分な耐久性を確保することができる。
【0035】
また、ケーブル100は、一対の給電線2A、2Bと、4本の光ケーブル4A、4B、4C、4Dとを含むので、給電又は電気信号の伝送と、光信号(例えば、映像信号や制御信号等)を同時に伝送できる。特に、4本の光ケーブル4A、4B、4C、4Dを含むことにより、光信号の送信容量を増大させることができる。例えば、2つのカメラ等で取得した映像信号を同時に伝送することができる。
【0036】
以上、本発明の例示的な実施の形態のケーブル及びコネクタ付きケーブルについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
100 ケーブル
1 芯線
2A、2B 給電線
3A、3B ダミー線
4A、4B、4C、4D 光ケーブル
5A、5B、5C、5D 介在部
6 吸水テープ
7 外被部
200 コネクタ
210 本体部
211 端子
220 蓋部
221 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線と、
断面視で前記芯線を挟むように配設される一対の給電線と、
断面視で前記芯線を挟むように配設されるとともに、前記一対の給電線と相接するように配置され、前記一対の給電線とともに前記芯線を囲む一対のダミー線と、
前記一対の給電線と前記一対のダミー線との周囲に配設される4本の光ケーブルであって、断面視で各々が前記一対の給電線のうちの一方と前記一対のダミー線のうちの一方とに接するように、前記芯線を対称軸として軸対称に配設される4本の光ケーブルと、
前記芯線、前記一対の給電線、前記一対のダミー線、及び前記4本の光ケーブルを覆う被覆部と
を含む、ケーブル。
【請求項2】
前記芯線は、複数の線が撚られた撚り線である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
前記芯線は、接地電位に保持される、請求項1又は2に記載のケーブル。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のケーブルと、
前記一対の給電線及び前記4本の光ケーブルに接続されるコネクタと
含む、コネクタ付きケーブル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−228054(P2011−228054A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95118(P2010−95118)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】