説明

ゲストドングル、及びゲスト機器をワイヤレス・ホームネットワークに対して接続する方法

本発明は、ワイヤレス・ホームネットワークへのゲスト機器のアクセスに対するドングルに係る。該ドングルは、アンテナ及びコンフィギュレーションフリー・インタフェースを用いてゲスト機器に対して接続されるメモリ及び処理ユニットを有する。本発明はまた、ワイヤレス・ホームネットワークに対してゲスト機器を接続する方法に係る。ゲスト機器のアクセスは、ゲスト機器のインタフェースに対して接続されるドングルを介して実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス・ホームネットワークに対するゲストドングルに係る。本発明はまた、ワイヤレス・ホームネットワークに対してゲスト機器を接続する方法に係る。
【背景技術】
【0002】
将来的に、家庭用電化機器は、デジタルホームネットワークを介して相互接続されるであろう。ワイヤレス伝送技術は、更に進化してきており、最終的には多数のワイヤレス・ホームネットワークに繋がるであろう。最初に、ホームネットワークのユーザは、外部アクセスから保護された、(インターネットアクセスを有する)所望のサービスを与えるクローズドネットワークを有することを望む。これは、特にワイヤレス・ネットワークに対しては技術的に困難である。ワイヤレス伝送は、不正アクセス又は妨害から確実に保護されるべきである。しかしながらかかるホームネットワークのユーザは、制御された手法においてゲストアクセスを受け易い機能性を必要としている。ゲストは、頻繁に自分自身の機器を持ち込み、ホームネットワークにそれを接続する。したがって、以下の問題が解決されるべきである。ゲスト機器とホームネットワークとの間の接続は、単純且つ安全になされなければならない。アクセス時間及びゲストアクセス権は、制御可能であるべきである。更には、ネットワーク・セキュリティは、クローズドネットワークの場合においてと同様にゲストアクセスの場合においても同一のレベルを有さなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため本発明は、ゲスト機器とホームネットワークとの間の接続を簡単且つ安全な手法で与えることを目的とする。アクセス時間及びゲストアクセス権は、制御可能であるべきであり、ネットワーク・セキュリティは、クローズドネットワークにおいて同様に守られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、ゲストドングルによって達成される。該ゲストドングルは、コンフィギュレーションフリー・インタフェース及びアンテナを用いてゲスト機器に対して接続されるメモリ及び処理ユニットを有する。この目的は更に、ゲスト機器に対するアクセスがゲスト機器に対して接続されたゲストドングルを介して実現される、ことで達成される。ドングルは、ホームネットワークのプロパティである。即ち、ドングルは、2つの主要インタフェースを有するこのネットワークを設定するホームユーザに属する。つまり、2つの主要インタフェースとは、USB又はローカルエリアネットワーク等の標準的なネットワーク機能のあるコンフィギュレーションフリー・インタフェースであるゲスト機器に対する接続インタフェース、及び、ホームネットワークへの接続に対する無線インタフェースであるホームインタフェースである。ドングル及びホームネットワークは、ホームネットワークに対する安全且つ制御されたゲストアクセスを実現するためのユーザによる唯一のアクションがドングルを接続することを有するよう、設計される。接続及びネットワークコンフィギュレーションを確立した後、ドングルは独立してホームネットワークに直属する。
【0005】
ワイヤレス・ホームネットワークとの接続を確立するよう、ドングルは、コンフィギュレーションパラメータ、特にはネットワーク識別子及び暗号キーを必要とする。これらは、例えば更なるインタフェース(例えば赤外線又はスマートカードリーダ)を介して短範囲キートランスミッタ(SKT)を用いて一度ロードされる。更なる可能性は、ドングルを特別なローディング装置へと挿入することであり、ドングルの接続インタフェースを介してコンフィギュレーションデータをロードする。
【0006】
ドングルは、ウィルス、トロイの木馬等を阻止するよう望ましくはファイヤウォールを備えられる。ファイヤウォールはまた、両方向におけるデータストリームをモニタするよう使用され得る。
【0007】
本発明の更なる一実施例では、ドングルは、ユーザ認証の目的で、指紋スキャナ又は同様のもの等であるバイオメトリック装置を備えられ得る。したがって、ドングルの不正使用は防止される。
【0008】
ドングルは、ネットワークに対してIPルータとして望ましくは接続される。これによって、ゲスト機器によるネットワーク資源への直接のアクセスが防止される。
【0009】
本発明の更なる一実施例では、ドグルは、ブリッジ(MACブリッジ)として機能し、ゲスト機器とホームネットワークとの間でデータストリームを送る。
【0010】
本発明の他の一実施例では、ドングルは、コンフィギュレーション・インタフェースとしてカードリーダを有する。これは、スマートカード等の携帯記憶媒体を介してドングルを設定する可能性を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のこれらの及び他の面は、以下に説明される実施例を参照して明らかに及び説明される。
【0012】
図1中に示されるゲストドングル3は、ゲスト機器2への接続に対するUSBインタフェース31を有する。ドングル3とゲスト機器2との間のデータ技術接続及びドングル3に対する電流供給は、USBインタフェース31を介して達成される。WLAN標準IEEE802.11に基づくアンテナ32は、USBインタフェース31に対向する側部上に与えられる。メモリ及び処理ユニット(MPU)33は、USBインタフェース31とアンテナ32との間に配置される。MPU33は、インタフェース31及びアンテナ32を介して受けたデータを処理し、続いて該データをアンテナ32又はインタフェース31を介してホームネットワーク1又はゲスト機器2に送る。MPU33は、コンフィギュレーション関連のデータが格納されるコンフィギュレーションユニット(CU)331、
ユーザデータを記録及び確認する認証ユニット(IU)332、及び、データストリームを保護するファイヤウォール、ウィルススキャナ等の機構を有する保護ユニット(PU)333を有する。
【0013】
IU332は、ドングル3の上方側上に配置される指紋スキャナ34に対して接続される。ドングルの認定ユーザの指紋のバイオメトリカル・データは、IU332において格納され、ドングルが使用される際は常に該ユーザの指紋と比較される。
【0014】
カードリーダ35は、ドングルの側部上に配置される。カードリーダ35は、ドングル3のコンフィギュレーション・インタフェースとして使用され、それを介してスマートカード等の携帯記憶媒体から情報が読み取られ得る。
【0015】
図2中に示されるホームネットワークは、アクセスポイント(AP)12を介してワイヤレスで相互接続される異なるネットワーク機器11を有する。ゲスト機器2は、ゲストドングル2を介してホームネットワーク1に対するアクセスを獲得する。このため、ゲストドングル2は、最初に、ワイヤレス・ホームネットワーク1へのアクセスに対して設定される。これは、異なる手法において行われ得る。望ましくは、所謂短範囲キートランスミッタ(SKT)は、(例えば、購入後最初のインストールの際に1回)使用される。ゲストドングルは、その形状に依存して、この目的に対して更なるインタフェースを求める。このため、本実施例に従ったドングル3は、スマートカードリーダ34を有する。あるいは、赤外線又はブルートゥースインタフェースの使用も実現可能である。接続設定の確立後、ゲストドングルは、ネットワークのコンフィギュレーションを完了するようDHCP又は自動IP等の標準的な自動コンフィギュレーション機構を使用する。ゲストドングルがIPルータとして形成される際、該ドングルは、ゲスト機器に対してIPアドレスを割り当てるDHCPサーバを有し得る。これは、該ドングルがMACブリッジとして形成される際、ホームネットワークのDNCPサーバによって行われ得る。
【0016】
あるいは、ゲストドングルはまた、所望のコンフィギュレーションデータをドングル3に対して送る特別なロード機器に対して接続され得る。ゲストドングル3は、(例えば、ドングルの購入後最初のコンフィギュレーションの際に)MPU33において送られたコンフィギュレーションデータを永久に格納する。
【0017】
この実施例では、ゲスト機器2は、USBインタフェース31を介してゲストドングル3に対して接続される。このインタフェースは、更なるコンフィギュレーションをリクエストせず、更にはゲストドングル3に対して統合電流供給(integrated current supply)の可能性を与える利点を有する。ゲストドングル3とホームネットワーク1のアクセスポイント12との間のコミュニケーションは、本実施例においてはIEEE802.11標準に基づくアンテナ32を介して実現される。
【0018】
ゲストドングル3のCU331は、ゲスト機器2に対してIPアドレスを与えるソフトウェア機能を有する。続いて、ゲストドングル2は、ルータとしての機能を果たす。即ち、ゲストドングル2とホームネットワーク1のアクセスポイント12との間のコミュニケーションは、ゲスト機器に対しては可視ではない他のIPアドレスを介して実現される。ゲストドングル3によって、ホームネットワーク1のワイヤレス・インタフェースのコンフィギュレーション(特には、ネットワーク認証及びキー)は、ゲスト機器2に対して可視ではなく、その結果、のちの時点での不正アクセスに対して使用され得ない。
【0019】
あるいは、ゲストドングル3はまた、「ブリッジ」として形成され得る。この場合、該ドングルは、ゲスト機器2に、ホームネットワークによって使用可能にされたIPアドレス及び所望されたコンフィギュレーションデータを与え、続いて、ゲスト機器2とホームネットワーク1との間で情報を伝えるためだけに役立つ。しかしながら、この場合、ゲスト機器2が割り当てられたIPアドレスを介してアクセスポイント12に対して直接接続を擬似的に得る(quasi−obtains)ため、PU333のセキュリティ機能は、包括的に実施されなければならない。
【0020】
所望されるコンフィギュレーションを有して接続を確立した後、ゲストドングル3は、ホームネットワーク1においてゲスト機器2の存在を信号化する。これは、適切なプロトコルを介して実現され得る。更には、ゲストドングル3がゲスト機器2から予測されるべきリクエストについてホームネットワーク1のDHCPサーバに通知する、ことは可能である(「ブリッジ」としてのゲストドングル3を介して実現される)。
【0021】
最も簡単な場合において、ゲストドングル3は、ゲスト機器2がホームネットワーク1の資源に対して無制限にアクセスすることを許可する。極秘データ及びサービスは、例えばパスワードを用いて追加的に保護され得る。あるいは、ゲストドングル3とネットワーク機器11との間の手動の事前登録は、実行され得る。これは、例えば関連情報が交換される対応するネットワーク機器に対するゲストドングル3の接続を介して実現され得る。ゲストアクセス中、事前登録されたネットワーク機器11のみは、この場合はゲストドングル3を介して到達され得る。
【0022】
ホームネットワークの資源に対するアクセスは、望ましくはユーザ又はホームネットワーク1内の機器アクセスマネージャを介して制御される。例えば各リクエストは、ユーザ又は機器2の認証コードを有するため、マネージャの制御機能は、リクエストしている機器又はリクエストしているユーザがリクエストをするよう認定されるか否かを確認することができる。この機構は、以下の手法においてゲストドングル3によって支持される。
【0023】
コンフィギュレーションの後、ゲストドングル3は、例えばゲストドングル3によって使用されるIPアドレスを介して、あるいは、ホームインタフェースの(明らかな)MACアドレスを介して、明らかに認証可能なように新しいゲスト又は新しいゲスト機器2ホームネットワークに通知する。故に、ゲスト機器2によってなされた全てのリクエストは、認証され得、それに応じて扱われ得る。
【0024】
更なる機能として、ゲストドングル3は、ゲスト機器2に例えばPINの形における認証コードを与える。該コードは、ゲストドングル3を介して全ての後続のリクエストで使用されることになる。これらの認証コードは、ホームネットワークのアクセスマネージャに対して既知であるか、あるいは、コンフィギュレーション処理中にゲストドングル3によって送られる。
【0025】
他の実施例では、コンフィギュレーションに先立ち、ゲストドングル3は、ゲストのアクセス権に関する情報を有するか、あるいは、コンフィギュレーション中にこの情報を受ける。ゲスト機器2がホームネットワーク1に対して接続される際、ゲストドングル2は、事前に全ての認定されないリクエストにフィルタをかける。
【0026】
ゲストアクセスの補足的な面は、ゲスト機器2の保護である。ゲスト機器の内容及びアプリケーションを隠すことを有するため、ネットワーク側上のサービス及びデータの制限的選択のみが可視又は使用可能である。したがって、例えばゲスト機器2上に格納されたデータのコピーがホームネットワーク1の部材によってひそかになされることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ワイヤレス・ホームネットワークへのゲスト機器の接続に対するドングルを図式的に示す。
【図2】図1中に示されるドングルを用いるワイヤレス・ホームネットワークに対するゲスト機器の接続を図式的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス・ホームネットワークへのゲスト機器のアクセスに対するドングルであって、
アンテナ及びコンフィギュレーションフリー・インタフェースを用いて前記ゲスト機器に対して接続されるメモリ及び処理ユニットを有する、
ドングル。
【請求項2】
前記コンフィギュレーションフリー・インタフェースは、USBインタフェースである、ことを特徴とする、
請求項1記載のドングル。
【請求項3】
前記ドングルに対する電流供給は、前記USBインタフェースを介して実現される、ことを特徴とする、
請求項2記載のドングル。
【請求項4】
前記ドングルは、例えばファイヤウォール又はウィルススキャナ等の統合保護ユニットを有する、ことを特徴とする、
請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のドングル。
【請求項5】
前記ドングルは、ユーザ認定に対するバイオメトリック装置を有する、ことを特徴とする、
請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のドングル。
【請求項6】
前記バイオメトリック装置は、指紋スキャナである、ことを特徴とする、
請求項5記載のドングル。
【請求項7】
追加的なコンフィギュレーション・インタフェースを有する、ことを特徴とする、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のドングル。
【請求項8】
前記コンフィギュレーション・インタフェースは、カードリーダである、ことを特徴とする、
請求項7記載のドングル。
【請求項9】
ゲスト機器をワイヤレス・ホームネットワークに対して接続する方法であって、
前記ゲスト機器の前記アクセスは、前記ゲスト機器のインタフェースに対して接続されるドングルを介して実現される、
方法。
【請求項10】
前記ドングルは、独立して前記ホームネットワークに属する、ことを特徴とする、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
コンフィギュレーションのパラメータは、前記ドングルのインタフェースを介してロードされ、前記ドングルにおいて格納される、ことを特徴とする、
請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
前記ドングルのホームインタフェースコンフィギュレーションは、前記ゲスト機器に対して可視ではない、ことを特徴とする、
請求項9乃至11のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
前記ドングルは、前記ゲスト機器と前記ホームネットワークとの間のルータとしての機能を果たし、このため前記ゲスト機器は適切なIPアドレスを有する、ことを特徴とする、
請求項9乃至12のうちいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−528057(P2007−528057A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550461(P2006−550461)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050307
【国際公開番号】WO2005/074227
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】