説明

ゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体

【課題】 マイナスイオンセラミック体とゲルマニウムとを組合わせて両方の作用効果をできれば相乗的に高めて得られる複合体の提供。
【解決手段】 連続気孔性多孔質マイナスイオンセラミック体にゲルマニウムの微粒子を担持させ焼成したことを特徴とするゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なマイナスイオンセラミック体に関し、より詳しくはゲルマニウムを包含させたゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
適度のマイナスイオンが人の健康に良好な影響を与えることは広く知られており、マイナスイオンを発生するいろいろな態様のものを利用して、或はいろいろな態様でマイナスイオンを発生させるものを開発しそれを利用しての健康に対してよい影響を与える物あるいは方法が提供されてきている。
それらの中に、マイナスイオンを発生する素材を用いて作った所謂マイナスイオンセラミックスがあり、それ自体を固形状、粉体などの形状でそのまま使用するもの、或は他の物質に混入して用いるものなど、その使用態様は種々雑多である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイナスイオンセラミックスが使用態様によって人の健康によい影響を与えるとしても、使用態様によって人体への影響の程度に違いがある筈であるので、どのような使用態様がより好ましいかについてはさらに研究開発の余地がある。またマイナスイオンセラミックス単独では一定の範囲の作用効果しか期待できないが、より以上の作用効果を得るために他のものと組合わせることによってより以上の作用効果を得ることができる、その作用効果も相乗的な作用効果が得られることも期待できるという観点からの研究開発の余地もまたある。
【0004】
本発明者は、マイナスイオンセラミックスと同様に人の健康によい作用効果があるとされる他の物質とマイナスイオンセラミックスとを組合わせることに焦点を当てて研究した結果、マイナスイオンセラミックスとゲルマニウムを組合わせることで種々の好ましい結果が得られることを見出して本発明に到った。
ただし、マイナスイオンセラミックとゲルマニウムを組合わせた物が開示されたことは知らない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、連続気孔性多孔質マイナスイオンセラミック体にゲルマニウムの微粒子を担持させそのまま焼成したことを特徴とするゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体は、それ自体が使用態様に応じてマイナスイオンを発生することにより所定の作用効果を奏すると共に気孔内に担持し焼成により一体的に結合したゲルマニウムの作用効果が同時に得られる。
マイナスイオンセラミック体がマイナスイオンを発生するときの使用状態とゲルマニウムが人に良好な働きをするときの使用状態とは条件的に非常に近いために、両者の作用効果を同時に得ることが多くの態様で期待できるものである。
【0007】
また、人の健康に対する作用効果は極めて有機的、抽象的な局面が多いために数字的に表すことは出来ないけれども、マイナスイオンセラミック体とゲルマニウムの作用効果が同時に得られる使用状態のときには相乗的に高まることが充分に期待できるはずである。
また、ゲルマニウムはセラミック体に接着剤などを利用して単に貼り付けるなどして担持させるのではなく、一体的に焼結させるものであるので、セラミック体とゲルマニウムとが分離することはなく、半永久的に両方の作用効果が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明における連続気孔性多孔質マイナスイオンセラミック体においてマイナスイオンを発生する物質としては基本的には天然鉱物質であり極めて広範にわたるが、人体に対し悪影響を与えないことを条件としてその種類、使用量などについては特に制限はない。ただし、完成品として使用される態様が人体に直接接触するような使用方法が採られるのか間接的に人体に作用するような使用態様が採られるのかなどによって当然に制約条件が異なってくるのであるが、そのような条件はむしろ完成品の使用態様に主として左右されr条件であるので、本発明自体においては基本的には制限はない。
【0009】
マイナスイオンを発生する物質とゲルマニウムとの間で作用効果が相殺されるものの組合わせは避けなければならないのは当然であるが、現時点においてはそのような具体的な組合わせは知られていない。
また、セラミックとして定義されるものも実際には極めて広範にわたるが本発明においてはどのようなものであってもよく基本的に制限はない。
【0010】
本発明のゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体の前駆体である多孔質セラミック体の製造方法は常套の方法を用いることができる。焼成温度は多孔質形成手段によって左右されるが、できるだけ高温例えば1300℃から1350℃程度で焼成してできるだけ硬質のものであることが好ましい。
セラミック体の孔は勿論連続気孔形である必要がある。その規模、孔の占める割合、孔径などは主として担持するゲルマニウムの微粒子との相関関係によって決められる問題である。
【0011】
気孔を形成する方法は基本的にはセラミックス原料中に熱分解性物質あるいは揮発性物質を混合して焼成する方法であるが、必要により他の方法を用いることができる。例えば化学反応を利用する種類の造孔剤を用いてもよい。
多孔質を形成するための材料として、例えば籾殻、米ぬか、でんぷん質、CMC、ココナッツ、くるみ、コーンスターチ、大麦、小麦などを細かくしたものを用いることもできる。
【0012】
マイナスイオンセラミック体に担持させる焼成前のゲルマニウム微粒子の好ましい大きさは30μm以下である。大きすぎるとセラミック体への担持、ゲルマニウムの作用効果の発揮に好ましくない影響がある。
セラミック前駆体の原料としては一般的な窯業粘土材料で充分であるが、それにシリカ、アルミナ、マンガン、マグネシウム、チタン、カルシウム、セレン、セリウム、ジルコニア、カリウム、フェライトの酸化物あるいは非酸化物を混合したものでもよい。
【0013】
これらの混合物自体微量の放射線を放出するものがあるが、さらにマイナスイオンを発生するものとしてトルマリン、ラドン鉱石、タンタライト、リン鉱石、バストネサイト、フライアッシュ、ウラン鉱石、トリウム鉱石、チタン鉱石、モナザイト鉱石などを所望の割合で混合する。これらの中でトルマリン、ラドン鉱石、チタン鉱石、モナザイト鉱石が好ましいが、モナザイト鉱石はより好ましいと言える。
【0014】
前駆体の原料は1μm〜10μm程度に分級したものを所定の割合で混合調合して用いる。
前駆体のマイナスイオンセラミック体の成形には混合原材料を押し出し成形、プレス加工、打ち抜き加工など常套の手段を採ることができる。
所定の形状に成形したものは短時間乾燥させる。加熱乾燥させる場合には180℃以下、好ましくは80℃から120℃の範囲が好ましい。
また、乾燥したセラミック体はさらに有機物を多く含む場合には比較的低温300℃〜400℃で、一般的にはそれより高温400〜450℃での焼成を行なってもよい。
【0015】
この乾燥、焼成が終わったセラミック前駆体にゲルマニウムの微粒子を担持させる。上記の粒度のゲルマニウムの微粒子を水に混ぜた混和水中に焼成が終わったセラミック前駆体を浸漬する。混和水は軽く攪拌しながら浸漬されることが好ましく、浸漬時間は数十分程度で充分である。この間にゲルマニウムの微粒子はセラミック体の細孔中に吸着される。
吸着が終わったセラミック体は水分がほぼなくなるまで乾燥させる。乾燥が終わったセラミック体は本焼成を行なう。
【0016】
焼成時間は一般のマイナスイオンセラミック体の焼成時間と同程度10時間〜24時間程度でよい。この本焼成は原材料として微量のマイナスイオンを発生するものが含まれており、その作用効果の発現を消滅させないために、一般的なセラミック体の焼成と同じ程度の高温、1300℃前後での焼成は行なえない。本焼成は約700℃〜約800℃の温度で行なう。焼成温度が比較的低いことにより完成したマイナスイオンセラミック体は強度、硬度が通常の焼成を行なったセラミック体より劣るがそれは使用態様によってカバーできる範囲のものである。
【0017】
マイナスイオンセラミック体に担持させるゲルマニウムの量は担持体であるセラミック体の空隙率、ゲルマニウムの粒度によって異なってくるが、それは実験によって定量することが可能である。
また、水に代えて適当な溶剤にゲルマニウムの微粒子を混和させた混和物中にマイナスイオンセラミック体を浸漬させてセラミック体へゲルマニウムを担持させることができる。この場合は溶剤は一般的に水に比べて表面張力が小さいのでセラミック体の細孔中に入り込み易く、好適である。しかし、経済性の点で問題があることは否めず、通常の場合であれば水を用いて充分に目的を達することができる。
【実施例1】
【0018】
シリカ70重量%、アルミナ20重量%、カリ・ソーダ・カルシウム10重量%の割合で配合した混合物35重量%に窯業用粘土材料64重量%、くるみの殻を1〜5μmに粉砕したもの1重量%を加えた材料にバインダーとしてシリカの0.1〜0.2μmの微粉末のソルを少量添加したものを水で混練し、プレス加工によって粒径約5mmのボール状に成形したもの200個を作った。
【0019】
このボールを乾燥機でもって100℃で30分乾燥させた。
乾燥後、水2リットルに400μmに粉砕したゲルマニウム109を混和させた混和水中に軽く攪拌しながら浸漬し、10分後混和液から取り出して自然乾燥させた。
乾燥後、焼成窯でもって750℃で15時間焼成した。
また、残った混和液を調べた結果ゲルマニウムの90重量%がセラミック体に吸着されたことが分った。
【0020】
完成したゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体は、一粒に対して3kgの荷重をかけても捌かされなかった。
また、セラミック体に吸着されたゲルマニウムは、セラミック体を一定の容器に封入して3分間上下左右に激しく振った後容器内のゲルマニウムの粉体の有無を調べたが、皆無であった。このことはセラミック体に吸着されたゲルマニウムはほぼ100%がセラミック体から分離することなくセラミック体と一体になっていることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続気孔性多孔質マイナスイオンセラミック体にゲルマニウムの微粒子を担持させ焼成したことを特徴とするゲルマニウム・マイナスイオンセラミック複合体。

【公開番号】特開2007−197293(P2007−197293A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44527(P2006−44527)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(399016938)マルサンヘルスサービス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】