説明

ゲルマニウム医療用具

【課題】治療効果が高いゲルマニウム医療用具を提供する。
【解決手段】このゲルマニウム医療用具は、ゲルマニウムと、マイナスイオンを発生するセラミックとを含み、セラミックの容積比が50%以上である。また、皮膚に当接する側が角錐の形状に成形されている。このゲルマニウム医療用具は、表面のメッキ層が不要であり、ゲルマニウムの生体に及ぼす電気的作用が従来のものに比べて大きい。また、セラミックから発生されるマイナスイオンが人体に有益な効果を齎す。貼付型ハリ治療器として用いる場合に、角錐の頂点と稜線とが皮膚を刺激する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肩凝り、腰痛、筋肉痛等の症状を緩和するために皮膚に貼り付けて使用するゲルマニウム医療用具に関し、特に、治療効果の向上を図るものである。
【背景技術】
【0002】
肩や腰に貼り付けて、貼付型ハリ治療器として使用される従来のゲルマニウム医療用具は、例えば、下記特許文献1に記載されている。この医療用具は、図2の断面図に示すように、ゲルマニウムを主成分とする円錐状の成形体1の表面が三重のメッキ層3、4、5で被覆されている。
成形体1は、ゲルマニウム単体またはゲルマニウムと他の金属若しくはガラスとの混合物から成り、ゲルマニウム単体の場合は、高純度の精製ゲルマニウム(純度99.999%)のインゴットを溶解し、所定の型内に流し込んで成形され、或いは、このインゴットを粉砕して得た微粉体を円錐状に加圧成形し、適宜温度で焼結して形成される。また、混合物の成形体1は、このゲルマニウム微粉体に銅、銀、アルミニウム、錫等の金属や、ガラスの微粉体を混合し、これを加圧成形した後、焼結して形成される。
【0003】
メッキ層は、銅錫合金メッキ層3、金メッキ層4及びロジウムメッキ層5の三層から成る。銅錫合金メッキ層3は、ゲルマニウムとの密着性に優れた下地層であり、金メッキ層4は、この下地層と化粧層であるロジウムメッキ層5とを結合する結合層として機能している。ロジウムメッキ層5は、人体からの分泌物によるゲルマニウムの腐食を防ぎ、さらに、白金の様な金属光沢を呈して商品価値を高めている。
また、ゲルマニウムがもろい結晶であるため、メッキ層は、ゲルマニウム成形体1の機械的強度を補強する働きもしている。
このゲルマニウム医療用具は、貼付型ハリ治療器を構成するために、成形体本体より一回り大き目の粘着片に円錐体の底面側が固定され、この粘着片は、円錐体の先端が人体のつぼを押すように患部に貼り付けられる。
【特許文献1】特開2004−305409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
純度の高いゲルマニウムは、真性半導体であり、周囲温度の熱エネルギでホールと電子との対が発生する。ホール電子対は、一定の寿命で消滅するが、ゲルマニウムの場合、体温程度の温度でも、ホール電子対の発生の方が消滅に比べて遥かに多い。ゲルマニウムによる治癒効果は十分解明されていないが、電子を吸引するホールの電気的作用により患部との間で電子交換等が行われ、患部の異常電位が正常化されて炎症等の疾患が治癒するものと考えられている。
【0005】
しかし、従来のゲルマニウム医療用具は、導電性のメッキ層で囲まれているため、そのシールド効果により、ゲルマニウム成形体の生体に及ぼす電気的作用が減殺され、ゲルマニウムによる治療効果を十分に発揮させることができない。
また、従来のゲルマニウム医療用具は、円錐形状であり、円錐形の頂点が当たる皮膚の位置が限られる。そのため、この用具で人体のつぼを刺激しようとしても、円錐形の頂点を人体のつぼに正確に押し当てることが難しい。
【0006】
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、治療効果が高いゲルマニウム医療用具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲルマニウム医療用具は、ゲルマニウムと、マイナスイオンを発生するセラミックとを含み、セラミックの容積比が50%以上であることを特徴としている。
このゲルマニウム医療用具は、表面のメッキ層が不要であり、ゲルマニウムの生体に及ぼす電気的作用が従来のものに比べて大きい。また、セラミックから発生されるマイナスイオンが人体に有益な効果を齎す。
【0008】
また、本発明のゲルマニウム医療用具は、皮膚に当接する側が角錐の形状に成形されている。
このゲルマニウム医療用具は、角錐の頂点だけでなく、角錐の稜線によっても皮膚に刺激を与えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゲルマニウム医療用具は、ゲルマニウムの電気的作用が人体に対して効果的に及ぶとともに、マイナスイオンの作用を人体に与えることができるため、高い治療効果が達成できる。
また、貼付型ハリ治療器として用いる場合に、つぼを外さずに皮膚を刺激することが容易であり、治療効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態におけるゲルマニウム医療用具を示している。図1(a)は側面図、図1(b)は平面図、図1(c)は底面図である。
このゲルマニウム医療用具は、下部が円柱11で、上部が八角錐12の形状に成形された成形体10であり、貼付型ハリ治療器を構成するために、この成形体10の円柱11の底面が、成形体10より一回り大き目の粘着片(不図示)に固着される。
この成形体10は、純度99.999%のゲルマニウムの粉末30容積%と、マイナスイオン発生効果を有するセラミックの粉末70容積%との混合物から成る。
【0011】
マイナスイオン発生効果を有するセラミックには、例えば、特開2003−342479号公報に記載されたセラミックを使用することができる。このセラミックは、酸化ジルコニウム40〜50重量%、酸化ケイ素25〜30重量%、無水リン酸2〜8重量%を主成分とし、天然放射性元素のラジウムを極く微量含有している。
このセラミックからは、人体に問題のない微量の放射線が発生しており、それが空気中の水分に作用してマイナスイオンを作り出す(放射線ホルミシス効果)と考えられている。マイナスイオンは、生体の防御機構を活性化し、老化作用、ガン抑制、免疫機能付与などの効能をもたらすという特徴がある。
【0012】
成形体10は、平均粒径が約1μmのゲルマニウムの微粉末とセラミックの微粉末とを混合し、加圧成形した後、適宜温度下で焼結して形成した。得られた成形体10の寸法は、円柱11部分の直径が7.9mm、円柱11部分の厚みが0.9mm、八角錐12の部分の最大厚みが1.8mmであり、円柱11部分と八角錐12とを合わせた成形体10の最大厚み(八角錐12の頂点部分の厚み)が2.7mmである。
この成形体10の放射線当量は約0.1μSv/hであり、また、マイナスイオンの発生量は約1200個/ml(空気)である。
【0013】
この成形体10は、ゲルマニウムよりも多く含まれるセラミックが、繋ぎの役割を果たしているため、高い機械強度を有している。また、成形体10の表面の大部分は、化学的に安定なセラミックで占められるため、人体の分泌物が付着しても腐食する虞がない。それ故、この成形体10にはメッキ層が不要である。
メッキ層を持たない成形体10は、ゲルマニウムのホールによる電子吸引作用を妨げるものが無いため、メッキ層を有する従来のゲルマニウム医療用具(図2)に比べて、ゲルマニウム含有量が少ないにも関わらず、生体に及ぼす電気的作用はむしろ増大する。
【0014】
また、成形体10を構成するセラミックは、人体に有益な効果をもたらすマイナスイオンを発生する。
また、成形体10の八角錐12の稜線は、角張っているため、八角錐12の頂点と同様に、当たった皮膚に刺激を与えることができる。それ故、この成形体10を用いた貼付型ハリ治療器では、人体のつぼを成形体10で刺激することが容易である。
こうしたことが相俟って、このゲルマニウム医療用具は、高い治療効果を発揮することができる。
【0015】
なお、ここでは、ゲルマニウムの粉末が30容積%、マイナスイオン発生効果を有するセラミックの粉末が70容積%の場合を示したが、セラミック粉末の組成比が50容積%を下回らなければ、本発明の効果を得ることができる。
また、ここでは、成形体10を八角錐に成形する場合を示したが、稜線を有する角錐形状であれば八角以外でも良く、九角形、十角形、六角形、五角形、四角形等でも良い。
また、セラミックの組成は、上述したものに限らない。また、セラミックに含める天然放射性元素は、他のウラン系列放射性元素でも、トリウム系列放射性元素でも、アクチニウム系放射性元素でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態におけるゲルマニウム医療用具を示す図
【図2】従来のゲルマニウム医療用具を示す図
【符号の説明】
【0017】
1 成形体
3 銅錫合金メッキ層
4 金メッキ層
5 ロジウムメッキ層
10 成形体
11 円柱
12 八角錐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルマニウムと、マイナスイオンを発生するセラミックとを含み、前記セラミックの容積比が50%以上であることを特徴とするゲルマニウム医療用具。
【請求項2】
皮膚に当接する側が角錐の形状に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のゲルマニウム医療用具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−36358(P2008−36358A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218515(P2006−218515)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(506270363)株式会社 HEATEC (3)
【Fターム(参考)】