説明

ゲル状洗浄組成物

【課題】白色クリーム様のコク感を有しながら水洗時に洗い流しやすくやすく、洗浄後はなめらかな肌感触となり、しかもメーク除去効果に優れ、ゲル安定性にも優れたゲル状洗浄組成物を提供する。
【解決手段】(a)エステル置換度が1.8以下であるショ糖脂肪酸エステル 0.5〜5質量%と、(b)分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコール 5〜50質量%と、(c)油分 20〜90質量%と、(d)酸化チタン及び/又は酸化亜鉛 0.01〜2.0質量%と、を含むものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲル状洗浄組成物に関し、より詳しくは、白色クリーム様のコク感を有するゲル状洗浄組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚の汚れやメークアップ化粧料を洗浄することを目的として使用される化粧料として、クレンジング化粧料がある。クレンジング化粧料は、通常皮膚に塗布後、水で洗い流すか、またはティッシュ等で拭き取って使用される。従来これらの化粧料としては、オイル状、水中油型/油中水型の乳液状・クリーム状等、様々なタイプ及び剤型のものが市販されている。
しかしながら、水中油型のものは、使用感触が良好であるものの、洗浄効果が低いという欠点を有している。一方、油中水型のもの及びオイル状のものは洗浄効果が高いものの、使用時油成分が手にべたつき、水で洗い落としにくいという欠点を有している。
【0003】
そこで近年では、洗浄効果と使用感触とを両立するべくゲル状の洗浄剤が開発されており、例えば水酸基を有する水溶性物質、油分、水、親水性非イオン界面活性剤からなる液晶ゲルによる化粧料(特許文献1)や、ショ糖脂肪酸エステル、3個以上の水酸基を有する多価アルコール、油分を含有するゲル状洗浄剤(特許文献2)や、ショ糖脂肪酸エステルと3個以上の水酸基を有する多価アルコールに加えて、特定のブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合したゲル状洗浄組成物(特許文献3)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−53910号公報
【特許文献2】特開平5−229916号公報
【特許文献3】特開2006−28062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の液晶ゲルによる化粧料は、経時で水分が揮散することにより、ゲルがこわれ粘度が低下する等、安定性に関して満足できるものではなかった。上記特許文献2のゲル状洗浄剤は、転相感(具体的には肌上でなじませるとやがて指すべりが軽くなる感触)が得られないなど使用感触に関して十分満足できるものではなかった。また、特許文献3のゲル状洗浄組成物は、透明〜半透明の剤型であるため、白色クリーム様のコク感のある使用感触を得たい場合には満足できるものではなかった。
【0006】
そこで本発明は、白色クリーム様のコク感のある外観および使用感触を有するゲル状洗浄組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究の結果、特定の粉末を配合することで、上記目的を奏するゲル状洗浄組成物が得られることを見出した。
【0008】
本発明は、
(a)エステル置換度が1.8以下であるショ糖脂肪酸エステル 0.5〜5質量%と、
(b)分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコール 5〜50質量%と、
(c)油分 20〜90質量%と、
(d)酸化チタン及び/又は酸化亜鉛 0.01〜2.0質量%と、
を含有することを特徴とするゲル状洗浄組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゲル状洗浄組成物は、白色クリーム様のコク感のある使用感触を有しながら水洗時に洗い流しやすく、洗浄後はなめらかな肌感触となり、しかもメーク除去効果に優れ、ゲル安定性にも優れたものである。ここで、「コク感のある」とは、白色クリーム様の外観形状であることに伴って感じられる濃密な感触を指す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各構成成分について詳細に説明する。
((a)ショ糖脂肪酸エステル)
本発明で用いられる(b)ショ糖脂肪酸エステルは、エステル置換度1.8以下のものが全て包含される。ここでいう置換度とは、ショ糖脂肪酸エステルの構成ショ糖1分子当たりの、エステル結合した脂肪酸数の平均値を示す。モノエステル含有率としては、エステル全体の約20〜80質量%である。また結合する脂肪酸の炭素数は8〜22であり、飽和または不飽和の直鎖あるいは分岐の脂肪酸やヒドロキシ体等の誘導体のうち、単独または混合の脂肪酸である。
本発明において用いられるショ糖脂肪酸エステルとしては、特に置換度1.65以下、モノエステル含有率約40質量%以上が好ましく、組成比率は0.5〜30%、さらに好ましくは1〜10%である。0.5%以下では、以下に記載する多価アルコールとショ糖脂肪酸エステルとの1次ゲル組成物は作りにくく安定性の点で好ましくない。また30%以上では分散しにくくなる。
【0011】
本発明のエステル置換度が1.8以下のショ糖脂肪酸エステルとしては、具体的にはショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖パルミチン酸ステアリン酸混合エステル等が挙げられる。
【0012】
ショ糖脂肪酸エステルの配合量は、ゲル状洗浄組成物全量に対し、0.5〜5質量%であり、好ましくは1〜3質量%である。0.5質量%未満ではゲル形成、及び転相感が十分でない場合があり、5質量%を超えると使用後べたつき感が出てくる傾向にある。
【0013】
((b)分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコール)
本発明の(b)分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコールとしては、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、シュークロース、ラフィノース、トレハロース等が挙げられ、特に好ましくは、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ソルビトール、マルチトールが挙げられる。多価アルコールは1種または2種以上を用いることができる。
【0014】
3個以上の水酸基を有する多価アルコールの配合量は、ゲル状洗浄組成物全量に対し、5〜50質量%程度、好ましくは15〜30質量%である。5質量%未満ではゲル形成、及び転相感が十分でない場合があり、50質量%を超えると使用後べたつき感が出てくる傾向にある。
【0015】
((c)油分)
本発明に用いる(c)油分は、通常化粧品、医薬部外品等に使用される液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油から任意に使用される。
液体油脂の具体例としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂の具体例としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0016】
ロウ類の具体例としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油の具体例としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0017】
高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールの具体例としては、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0018】
エステル油の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0019】
シリコーン油の具体例としては、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0020】
油分の配合量は、ゲル状洗浄組成物全量に対し、20〜90質量%であり、好ましくは40〜80質量%である。20質量%未満ではゲル形成及び洗浄力が十分でない場合があり、90質量%を超えると使用後べたつき感が出てくる。
【0021】
((d)酸化チタン及び/又は酸化亜鉛)
本発明に用いられる酸化チタン及び酸化亜鉛としては、通常化粧品、医薬部外品等に使用されるものから任意に使用することができる。酸化チタン及び酸化亜鉛の平均粒子径は、0.01〜1.0μmが好ましい。0.01μm未満では適切な白色の外観が得られない場合があり、1μmを超えるとメーキャップとなじませる際にざらつきを感じ、肌へのやさしさを損なう場合がある。
【0022】
酸化チタン及び酸化亜鉛の配合量は、合計量でゲル状洗浄組成物に対し、0.01〜2.0質量%程度、好ましくは0.03〜1質量%である。0.01質量%未満では適切な白色クリーム様の外観や水洗後の肌のなめらかさが得られず、2質量%を超えると洗浄後に好ましくない感触(きしみ感)を与える。また酸化チタンや酸化亜鉛以外の粉末では、外観が白色クリーム様とならない。
【0023】
((e)非イオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤)
本発明においては上記(a)〜(d)の必須成分以外に、(e)非イオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤を配合することにより、乳化安定性やなじませ中の転相感、および洗い流しやすさ等が向上する。(e)成分としては、次のようなものが挙げられる。
【0024】
本発明に用いる非イオン性界面活性剤の具体例として、親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0025】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば後記するアルキレンオキシド誘導体、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0026】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0027】
(e)成分のうち特に好ましいのは、下記式(I)で示され、分子量が1000以上であるブロック型アルキレンオキシド誘導体である。このブロック型アルキレンオキシド誘導体を用いると、転相感があって使用感触のより優れたゲル状洗浄組成物が得られる。
O−[(AO)(EO)]−R (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加しており、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。RおよびRは同一もしくは異なっていてもよく炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、RおよびRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)
【0028】
上記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
【0029】
mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦50である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは5≦n≦55である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基又はオキシエチレン基が0であるとしっとり感が落ち、70を越えるとべたつき感がでてくる。
また、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%であることが好ましい。オキシエチレン基の割合が20質量%未満であるとまれに皮膚刺激性が生じる場合があり、80質量%より大きいと洗浄効果が劣る傾向にある。
【0030】
オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していなければならないが、エチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定はない。またブロック状には2段ブロックのみならず、3段以上のブロックも含まれる。
【0031】
及びRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、皮膚刺激性が生じる傾向にある。R,Rは、同一であっても異なっていても良い。
【0032】
およびRはそれぞれ同種のものを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。ただし、RおよびRの炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下、好ましくは0.06以下である。Y/Xの割合が0.15を越えると、べたつき感がでてくる。
【0033】
上記ブロック型アルキレン誘導体の分子量は、好ましくは1000以上、さらに好ましくは3000以上である。分子量1000未満では洗浄効果が低い。また分子量の上限は特に規定できないが、分子量が大きくなっていくにつれ、洗浄中のすすぎやすさや、洗浄後のべたつき感が生じてくる傾向になる。
【0034】
ブロック型アルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下このように略して記載することがある。
【0035】
上記ブロック型アルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
【0036】
(e)非イオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤の配合量は0.01〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。0.01質量%未満では乳化安定性が保てない、または好ましい転相感が得られない場合があり、また15質量%を超えると洗浄後、べたつき感を生じる場合がある。
【0037】
本発明のゲル状洗浄組成物には上記必須成分の他、通常化粧品や医薬部外品のゲル状洗浄組成物に用いられる成分を配合することができ常法に応じて製造される。以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須成分と下記成分の一種又は二種以上とを配合して本発明のゲル状洗浄組成物を調製できる。ただし上記(d)成分以外の粉末成分については含まない方が好ましい。
【0038】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N'-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモルホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0039】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0040】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等が挙げられる。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0043】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0044】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0045】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル−1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体
、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0046】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0047】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。その他に、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
【0048】
本発明のゲル状洗浄組成物は、顔及び頭皮頭髪、ボディー用等の皮膚の洗浄を目的として、顔及び頭皮頭髪、ボディー等の皮膚に適用されるものを指す。
【実施例】
【0049】
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法について説明する。
【0050】
(試験方法)
次の処方のファンデーション(皮膜性の強いファンデーション)を肌に適用した後、後記する(1)〜(5)について効果試験を行った。
【0051】
ファンデーション処方 (質量%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 14.0
(2)オクタメチルシクロテトラシロキサン 24.0
(3)シリコーン化プルラン 15.0
(4)イソステアリン酸 1.0
(5)酸化チタン 5.0
(6)オクチルメトキシシンナメート 5.0
(7)デキストリン脂肪酸被覆粉末 25.0
(8)アルコール 残部
(9)香料 適量
【0052】
(1)洗浄効果
ファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、洗浄後の化粧料除去効果を専門パネラー10名により試験した。評価基準は以下の通りである。
◎…10名中8名以上が、ファンデーション除去効果が高いと認めた。
○…10名中6名以上8名未満が、ファンデーション除去効果が高いと認めた。
△…10名中3名以上6名未満が、ファンデーション除去効果が高いと認めた。
×…10名中3名未満が、ファンデーション除去効果が高いと認めた。
【0053】
(2)クリーム様のコク感
試料外観がクリーム様の白色を呈し、コク感が感じられるかどうかを専門パネラー10名により試験した。評価基準は以下の通りである。
◎…10名中8名以上が、コク感があると認めた。
○…10名中6名以上8名未満が、コク感があると認めた。
△…10名中3名以上6名未満が、コク感があると認めた。
×…10名中3名未満が、コク感があると認めた。
【0054】
(3)洗い流しやすさ
上記ファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、洗浄中の洗い流しやすさについて専門パネラー10名により試験した。評価基準は以下の通りである。
◎…10名中8名以上が、洗い流しやすいと認めた。
○…10名中6名以上8名未満が、洗い流しやすいと認めた。
△…10名中3名以上6名未満が、洗い流しやすいと認めた。
×…10名中3名未満が、洗い流しやすいと認めた。
【0055】
(4)水洗後の肌のなめらかさ
上記ファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、水洗後の肌のなめらかさの有無を専門パネラー10名により試験した。評価基準は以下の通りである。
◎…10名中8名以上が、なめらかであると認めた。
○…10名中6名以上8名未満が、なめらかであると認めた。
△…10名中3名以上6名未満が、なめらかであると認めた。
×…10名中3名未満が、なめらかであると認めた。
【0056】
(5)ゲル安定性
試料調製後50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、50℃恒温槽で4週間放置後の状態を肉眼にて観察した。評価基準は以下の通りである。
◎…ゲル状態が安定。
○…ゲルの粘度がやや低下。
△…ゲルが軟化。
×…分離。
【0057】
実施例1〜6、比較例1〜9
下記表1、2に記載した配合組成よりなる試料を下記の方法で製造し、上記評価(1)〜(5)について評価試験を行った。結果を表1、2に示す。
【0058】
(製法)
60℃に加温した水相部に、低速ホモミキサーをかけながら60℃に加温した油相部を徐々に添加し乳化する。そこへ一部の精製水に粉末を分散させたものを添加し、混合する。その後室温まで冷却し、洗浄組成物を得た。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
※1:エステル置換度:1.25
以上のように、本発明のゲル状洗浄組成物は、白色クリーム様のコク感や水洗後の肌のなめらかさに優れたものであり、しかも安定性や洗浄効果も良好なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エステル置換度が1.8以下であるショ糖脂肪酸エステル 0.5〜5質量%と、
(b)分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコール 5〜50質量%と、
(c)油分 20〜90質量%と、
(d)酸化チタン及び/又は酸化亜鉛 0.01〜2.0質量%と、
を含有することを特徴とするゲル状洗浄組成物。
【請求項2】
さらに、(e)非イオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤0.01〜15質量%を含有する請求項1に記載のゲル状洗浄組成物。
【請求項3】
(d)酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の平均粒子径が0.01〜1.0μmである請求項1又は2に記載のゲル状洗浄組成物。

【公開番号】特開2012−102044(P2012−102044A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251680(P2010−251680)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】