説明

ゲル粒子及びその製造方法

【課題】ゲル粒子の原料溶液を微粒子形態とするための原料溶液の有機溶媒への分散工程を行うことなく、粒子径の揃った、また、分散工程に由来する溶媒の問題のないゲル粒子を効率的に製造する。
【解決手段】キサンテン系色素で修飾した高分子化合物とハイドロゲンドナーとを親水性液体又は親油性液体に溶解してなる原料溶液に可視光を照射して、ハイドロゲンドナーの存在下に高分子化合物を架橋、硬化させてゲル粒子を製造するにあたり、原料溶液を気相中に液滴として噴霧し、原料溶液の液滴に可視光を照射してゲル化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラッグデリバリシステム(DDS)等において、各種医薬・医療用の担体として用いられるゲル粒子の製造方法と、この方法により製造されたゲル粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
pH応答性カプセルや経時性に溶解するカプセルなどを利用した経口投与DDSは古くから行われてきたが、近年は、生理活性物質を失活させず、また細胞に傷害を与えることなくゲル内に包埋、封入した数ナノメーター径〜数百ナノメーター径のゲル粒子を静注や経皮経管的手法などで血液中へ直接投与してDDSに用いることが検討されている。
【0003】
このようなゲル粒子の製造方法として、下記非特許文献1及び2がある。非特許文献1及び2では、ベンゾフェノンで修飾したゼラチンやPEGに紫外線を照射して架橋し、不溶化させることでゲル粒子を得る。ここで用いる原料溶液は水溶液であり、これを相溶しない流動パラフィンなどへ分散させてから紫外線を照射する。原料溶液の流動パラフィンへの分散は、原料溶液を微粒子の形態とするための操作であり、分散の際の攪拌条件、即ち分散度でゲル粒子の粒子径を調整する。
【0004】
非特許文献1,2のベンゾフェノン類で修飾した高分子化合物の架橋には、エネルギーの高い紫外線や放射線を使用してラジカルを発生させる必要があり、このため、高分子化合物自体の分解が起こり、その結果、ゲル粒子の形状が変形したりゲル強度が不足したりする問題がある。この高分子化合物の光分解は、ゲル粒子を生体内へ投与した後の生分解とは分解挙動が異なり、この際に生成した分解物自体が毒性も有することもあり、更には分解生成物が生理活性物質と化学反応を惹起して生理活性物質を失活させることもある。また、紫外線照射や紫外線により発生するオゾンでも生理活性物質の失活や高分子化合物の分解が起こる。更に放射線や紫外線を使用することは、製造技術的にも安全性管理の観点からも課題が多い。
【0005】
このような問題を解決するものとして、本出願人らは先に、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物と、生理活性物質とを親油性液体に添加して分散させ、次いで可視光を照射して分散粒子を光架橋させることによりゲル化させてゲル粒子を得る方法を提案した(特許文献1。以下「先願」という。)。
【0006】
先願の方法は、より具体的には、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物とハイドロゲンドナーを含む水溶液を流動パラフィンや非イオン性界面活性剤を混合した親油性液体へ分散させ、可視光を照射して架橋不溶化させることでゲル粒子を得るものである。
【0007】
この方法であれば、放射線や紫外線のように光エネルギーにより高分子化合物の分解や生理活性物質の失活を引き起こす危険性が少なく、また、オゾンが発生することもないため安全面でも有利である。
【特許文献1】特願2005−035822号
【非特許文献1】S.Nishi et al, b-FGF Impregnated Hydrogel Micropheres, ASAIO J, 405-410, 1998
【非特許文献2】中山泰秀,光硬化型親水性高分子,人工臓器28,250-255,1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、先願の方法を含め、非特許文献1,2においても、ゲル粒子の原料である高分子化合物を水溶液とし、これを親油性液体(有機溶媒)中へ滴下、攪拌、分散させてから光照射を行っているために、この分散工程の存在ゆえに次のような問題がある。
(A)有機溶媒へ分散させた水相の粒子径が生成するゲル粒子の粒子径と概ね同一となるため、得られるゲル粒子の粒子径が不揃いで、分級操作が必要になる場合もある。ゲル粒子の粒子径が不揃いであると、ゲル粒子表面積が多分散となり、ゲル粒子からの生理活性物質の拡散速度、即ち放出速度が安定しない。また、粒子径のバラツキに起因する血管閉塞などのリスクがあり、生体内への投与は困難となる。
(B)生成したゲル粒子は有機溶媒中へ分散しているので、ゲル粒子を利用する際には有機溶媒の除去工程が必要であり、操作が煩雑である。更に有機溶媒の一部はゲル内部に残留するので、生体への利用の際には問題となる場合もある。
(C)原料溶液中に存在する生理活性物質の一部は、特にその表層部分で有機溶媒と接触することで失活する場合もある。生成後の有機溶媒除去工程でも同様の問題がある。
(D)従来技術では水相と有機溶媒相の間のミクロ相分散を必須の要素とするため、ゲル粒子の原料である高分子化合物が水と有機溶媒の両方へ親和する場合、原料溶液の水のみがミクロ分散するだけで高分子化合物や生理活性物質は有機溶媒相にも溶出してしまうこととなり、例えば、ポリアクリルアミド化合物などでは利用できない問題がある。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決し、ゲル粒子の原料溶液を微粒子形態とするための原料溶液の有機溶媒への分散工程を行うことなく、粒子径の揃った、また、分散工程に由来する溶媒の問題のないゲル粒子を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(請求項1)のゲル粒子の製造方法は、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物とハイドロゲンドナーとを親水性液体又は親油性液体に溶解してなる原料溶液に可視光を照射して、ハイドロゲンドナーの存在下に高分子化合物を架橋、硬化させてゲル粒子を製造する方法であって、該原料溶液を気相中に液滴として噴霧し、該原料溶液の液滴に可視光を照射することを特徴とする。
【0011】
請求項2のゲル粒子の製造方法は、請求項1において、前記原料溶液が更に生理活性物質を含み、該生理活性物質を包埋したゲル粒子を製造することを特徴とする。
【0012】
請求項3のゲル粒子の製造方法は、請求項1又は2において、二流体ノズルを用いて前記原料溶液を噴霧することを特徴とする。
【0013】
請求項4のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記高分子化合物が、コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、エラスチン、ヘパラン硫酸、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、オステオネクチン、エンタクチン、ガゼイン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリシドール、ポリグリシドールの側鎖エステル化体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、環状エステルの重合体、ポリビニルアルコールヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド及びポリビニルピロリドンよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0014】
請求項5のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ハイドロゲンドナーがチオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール、並びに1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0015】
請求項6のゲル粒子の製造方法は、請求項2ないし5のいずれか1項において、前記生理活性物質が、カルモフール、ジョサマイシン、シンフィブラート、エリスロマイシン、スピロノラクトン、ジフェニルヒダントイン、フェノバルビタール、ビタミンE、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルマコリン、バピプロスト、プロスタモリン、プロスタキリン同族体、デキストラン、ローフェプローアルグクロロメチルケトン、デイピリダモール、グリコプロテインの血小板膜レセプタ抗体、組換え型ヒルジン、トロンビン抑制剤、脈管ペプチン、脈管テンシン転換酵素抑制剤、ステロイド、繊維芽細胞成長因子アンタゴニスト、フィッシュオイル、オメガ3ー脂肪酸、ヒスタミン、アンタゴニスト、HMG−CoAリダクテース抑制剤、セラミン、セロトニン阻止抗体、チオプロテイース抑制剤、トリマゾールピリデイミン、インターフェロン、ラパマイシン、FK506、血小板由来増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子結合蛋白、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、アンジオポイエチン、神経増殖因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、形質転換増殖因子β、潜在型形質転換増殖因子β、アクチビン、骨形質タンパク、繊維芽細胞増殖因子、腫瘍増殖因子β、二倍体繊維芽細胞増殖因子、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子、シュワノーマ由来増殖因子、アンフィレグリン、ベーターセルリン、エピグレリン、リンホトキシン、エリスロエポイエチン、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−17、インターフェロン、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗生物質、抗がん剤、拮抗剤、免疫抑制剤、レセプター遮断剤、抗パーキンソン病薬、ビタミン薬、フラボノイド、抗不整脈剤、インスリン、カルシトニン、放射性物質、還元グルタチオン、ニトログリセリン、プロスタグランジン、ポリフェノール、エリスロポイエチン、RNA、DNA、及び、RNA及び/又はDNAを導入したベクターよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0016】
請求項7のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記キサンテン系色素がエオシンであることを特徴とする。
【0017】
請求項8のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記親水性液体が水であることを特徴とする。
【0018】
請求項9のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし7のいずれか1項において、前記親油性液体が炭化水素、ハロゲン化炭化水素、及び天然油よりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0019】
請求項10のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし9のいずれか1項において、前記高分子化合物がゼラチンであることを特徴とする。
【0020】
請求項11のゲル粒子の製造方法は、請求項10において、前記原料溶液が親水性液体であり、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とする。
【0021】
請求項12のゲル粒子の製造方法は、請求項11において、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に2個〜6個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とする。
【0022】
請求項13のゲル粒子の製造方法は、請求項10において、前記原料溶液が親油性液体であり、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に10個以上のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とする。
【0023】
請求項14のゲル粒子の製造方法は、請求項13において、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に15個〜35個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とする。
【0024】
請求項15のゲル粒子の製造方法は、請求項1ないし14のいずれか1項において、製造されたゲル粒子の直径が2nm〜200μmであることを特徴とする。
【0025】
本発明(請求項16)のゲル粒子は、このような本発明のゲル粒子の製造方法により製造されたものである。
【0026】
請求項17のゲル粒子は、請求項16において、ドラッグデリバリシステム用ゲル粒子であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、原料溶液を気相へ噴霧して発生させた均一粒子径の液滴微粒子に可視光を照射して光架橋するので、均一粒子径のゲル粒子を得ることができ、また、噴霧ノズルの選定や噴霧条件の設定により自在に液滴微粒子の粒子径を調整して、所望の均一粒子径のゲル粒子を得ることが可能ある。
【0028】
特に、原料溶液の噴霧には高速流のガスで液体を粉砕して粒子状液滴とする二流体ノズルを用いることが好ましく、二流体ノズルを用いることにより、容易に粒子径を均一化すると共に、所望の粒子径に調整することが可能となる。
【0029】
本発明では、従来技術のように、原料溶液を微粒子形態とするために原料溶液が相溶しない溶媒中へ分散させる工程を必要としないため、次のような優れた作用効果が奏される。
(a)得られるゲル粒子には、原料として使用した溶媒(水又は有機溶媒)以外の溶媒が残留することがないため、ゲル粒子表層へ付着した溶媒を除去するなどの操作が不要である。
(b)従来法では、分散液中に光を照射するため、分散媒に光が散乱、吸収されることから、分散粒子への光の照射効率が低いが、本発明では、噴霧され、気相に浮遊する液滴微粒子に直接光を照射することが可能であり、この気相に浮遊する液滴微粒子は表面積が大きいため、光照射効率が非常に高い。
(c)分散媒を用いないため、水溶性でかつ有機溶媒との接触で失活するような生理活性物質(例えばタンパク、ペプチドなど)でも高活性を維持したまま効率良くゲル粒子へ包埋させることができる。
(d)水にも有機溶媒にもどちらにも可溶である高分子化合物や生理活性物質を使用したゲル粒子も製造することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0031】
本発明においては、まず、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物とハイドロゲンドナーと、更に必要に応じて生理活性物質とを親油性液体又は親水性液体に溶解させて原料溶液を調製する。
【0032】
キサンテン系色素で修飾した高分子化合物の高分子化合物としては、コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、エラスチン、ヘパラン硫酸、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、オステオネクチン、エンタクチン、ガゼイン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリシドール、ポリグリシドールの側鎖エステル化体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、環状エステルの重合体、ポリビニルアルコールヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリビニルピロリドンが挙げられる。ここでいう環状エステルの重合体としては、炭素数2から14の環状エステル化合物を開環重合することによって合成することができる。かかる環状エステル化合物の例としては、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、カプリロラクトン、ラウロラクトン、バルミトラクトン、ステアロラクトン、グリコシド、ラクチド、クマリン、クロトラクトン、α−アンゲリカラクトンやβ−アンゲリカラクトン、1,4−ジオキサン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン及びトリメチレンカーボネートなどを挙げることができる。また、高分子化合物としては、ポリアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N−アルキルアミノアルキルアクリルアミド、N−アルキルアミノアルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートなど水及び疎水性有機溶媒の両方に親和性のものも使用することができる。
【0033】
これらの高分子化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0034】
キサンテン系色素で修飾した高分子化合物におけるキサンテン系色素としてはエオシンが好適であり、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物としてはエオシン化ゼラチンが好適である。このエオシン化ゼラチンについては後に記述する。
【0035】
ハイドロゲンドナーとしては、チオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール、1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物などが好適であり、特に1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物、例えば、エチルアミン、ジメチルアミン、ジメチルアミノ安息香酸ナトリウム、2-ジメチルアミノエタノール、N-メチル-2-ピロリジノン、ジメチルアミノプロピル酢酸ナトリウム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドオリゴマー、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレートオリゴマー、N-(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドオリゴマー等が好適である。
【0036】
これらのハイドロゲンドナーは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0037】
なお、N−アルキルアミノ基やN,N−ジアルキルアミノ基を有する高分子化合物、例えば、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート)などは、水及び有機溶媒の両方へ溶解するため、多種多様の生理活性物質と組み合わせることが可能であるばかりでなく、キサンテン系色素を架橋する際のハイドロゲンドナーとしても好適であるため、このような分子内にN−アルキルアミノ基又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する高分子化合物をキサンテン系色素で修飾したものを用いることにより、ハイドロゲンドナーとキサンテン系色素で修飾した高分子化合物との双方の役割を1つの物質で担うことができ、原料溶液調製に用いる原材料種を減らすことができる。
【0038】
生理活性物質としては、カルモフール、ジョサマイシン、シンフィブラート、エリスロマイシン、スピロノラクトン、ジフェニルヒダントイン、フェノバルビタール、ビタミンE、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルマコリン、バピプロスト、プロスタモリン、プロスタキリン同族体、デキストラン、ローフェプローアルグクロロメチルケトン、デイピリダモール、グリコプロテインの血小板膜レセプタ抗体、組換え型ヒルジン、トロンビン抑制剤、脈管ペプチン、脈管テンシン転換酵素抑制剤、ステロイド、繊維芽細胞成長因子アンタゴニスト、フィッシュオイル、オメガ3ー脂肪酸、ヒスタミン、アンタゴニスト、HMG−CoAリダクテース抑制剤、セラミン、セロトニン阻止抗体、チオプロテイース抑制剤、トリマゾールピリデイミン、インターフェロン、ラパマイシン、FK506、血小板由来増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子結合蛋白、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、アンジオポイエチン、神経増殖因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、形質転換増殖因子β、潜在型形質転換増殖因子β、アクチビン、骨形質タンパク、繊維芽細胞増殖因子、腫瘍増殖因子β、二倍体繊維芽細胞増殖因子、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子、シュワノーマ由来増殖因子、アンフィレグリン、ベーターセルリン、エピグレリン、リンホトキシン、エリスロエポイエチン、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−17、インターフェロン、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗生物質、拮抗剤、免疫抑制剤、レセプター遮断剤、抗パーキンソン病薬、ビタミン薬、フラボノイド、抗不整脈剤、インスリン、カルシトニン、放射性物質、還元グルタチオン、ニトログリセリン、プロスタグランジン、ポリフェノール、エリスロポイエチン、RNA、DNA、RNA及び/又はDNAを導入したベクター等を用いることができる。
【0039】
これらの生理活性物質は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0040】
原料溶液は、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物、ハイドロゲンドナー、及び生理活性物質を親油性液体又は親水性液体に溶解させて調製する。ここで用いる溶媒は、噴霧する際の爆発などの危険性を考慮すれば、水が好適であるが、有機溶媒でもクロロホルムなど不燃性のものであれば問題なく使用可能である。また、防爆仕様の装置を使用すれば、如何なる溶媒も使用可能である。溶媒は、これに添加する生理活性物質及び架橋前の原料が水溶性であれば親水性液体を、また油溶性であれば親油性液体を用いる。例えば、高分子化合物がゼラチン、ポリエチレングリコールなど水溶性のものであれば、生理活性物質も水溶性のものを使用して水溶液として原料溶液を調製するのが好ましい。また、生理活性物質がタクロリムス、ビタミンEなどの水不溶性のものであれば、高分子化合物も有機溶媒へ溶解するものを使用して有機溶媒の溶液として原料溶液を調製するのが好ましい。
【0041】
親水性液体としては水が好適であるが、低級アルコール、ケトン等の極性有機溶媒や水とこれらの有機溶媒との混合液、無機塩類などの水溶液であっても良い。
【0042】
親油性液体としては、ヘキサン、シクロヘキサン、流動パラフィンなどの炭化水素;クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;ヒマシ油、オリーブ油などの天然油;等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0043】
親油性液体には、ポリオキシエチレンセシルエーテル、オキシエチレンオキシプロピレンコポリマー、ドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加してもよく、これにより、噴霧により得られる液滴微粒子をより細かく分散することができる。界面活性剤の親油性液体への添加量は0.1〜50重量%程度が好適である。
【0044】
また、親水性液体への生理活性物質や架橋前の原料の溶解性を高めるために、親水性液体に微量の水親和性の有機溶媒、例えば、エタノール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリジノンなどを添加しても良い。
【0045】
原料溶液中のキサンテン系色素で修飾した高分子化合物の濃度は、過度に高いと生成するゲル粒子の密度が高くなり、結果、生理活性物質の担持量が低減し、また、過度に低濃度であると、ゲル粒子が形成されなくなるため、0.1〜50重量%程度であることが好ましい。
【0046】
また、原料溶液中のハイドロゲンドナーの濃度は、架橋反応に寄与できる必要量を加えれば良い。過度に高いと生理活性物質を失活させたり、余剰のハイドロゲンドナーがゲル粒子から溶出したりする可能性が生じる。過度に低いと光照射の間に十分な架橋が行われないことから、ハイドロゲンドナーはキサンテン系色素で修飾した高分子化合物に対して0.1〜100重量%程度用いることが好ましい。
【0047】
また、原料溶液の生理活性物質の濃度は、使用する生理活性物質の有効ドーズ数と毒性が発現される危険性のある濃度、使用するキサンテン系色素で修飾した高分子化合物の種類と目標とする徐放持続時間などを考慮して当業者によって適宜設定されるが、0.001ppm〜10%程度であることが好ましい。例えば、エオシンで修飾したポリエチレングリコール系の高分子化合物(分子量2000程度)を使用して、bFGFを48時間程度で徐放させたい場合であれば0.2ppm程度である。
【0048】
このようにして調製した原料溶液を噴霧するには二流体ノズルを用いることが好ましい。二流体ノズルは高速流のガスで液体を粉砕して微粒子化するノズルであり、ノズル形状としては円環、広角ラウンド、ラウンド、フラットなど如何なるものも使用可能である。スプレーパターンは広角噴霧でも狭角噴霧でも構わない。ノズル方向は、重力方向へ正方向でも逆方向でも水平方向でもこれらの中間の方向でも構わない。二流体ノズルは、そのノズル径や噴霧条件を適宜調整して所望の粒子径の液滴微粒子が得られるように噴霧する。なお、ここで得られる液滴微粒子が最終的に得られるゲル粒子の粒子径を決定するため、液滴微粒子の粒子径は2nm〜200μm、特に10〜100μm程度として、この液滴微粒子と同程度の大きさのゲル粒子を製造することが好ましい。
【0049】
本発明においては、噴霧された原料溶液の液滴微粒子に可視光を照射して架橋、硬化させる。
【0050】
可視光の照射にあたって、噴霧ノズルと光源の位置関係は、液滴微粒子の霧の中央に設けた光源から霧の外周方向へ向けて可視光を照射するのであっても良く、拡散した霧の外周に設けた光源から中央部へ向かって、ノズル方向へ向かって照射することも可能である。可視光の照射条件としては波長400〜700nmの可視光を1,000Lx〜400,000Lxへ調整し、可視光が液滴微粒子に0.1秒〜60秒程度照射されるようにすることが好ましい。
【0051】
可視光の照射により硬化したゲル粒子は、皿状の容器に受けて回収することが可能である。さらにこの皿状の容器へは、噴霧した溶液中の生理活性物質と同等の濃度の溶液中へ落下させるように回収すると、担持した生理活性物質の濃度勾配による拡散のを防ぐことができる点で好ましい。
【0052】
このようにして得られる本発明のゲル粒子は、直径2nm〜200μmであることが好ましい。ゲル粒子の直径が2nm未満では担持できる生理活性物質の量が少なく、200μmを超えると血管閉塞のリスクが高くなる。特に本発明のゲル粒子をDDS用ゲル粒子として用いる場合、ゲル粒子の粒径は血管内で異物として認識されやすく、毛細血管の閉塞などの危険性が生じる400nmよりも小さく、例えば2〜200nmが好ましい。
【0053】
このようにして製造される本発明のゲル粒子は、賦形剤、浸透促進剤、増粘剤などと混合してシップ薬材として製剤したり、界面活性剤と混合して水へ乳化させて投与するという方法で医薬組成物とするなど、各種医薬、医療用途への応用が可能である。
【0054】
次に、本発明において用いるのに好適なエオシン化ゼラチンについて説明する。
ここでゼラチンは、分子量5千〜10万、アミノ基約10〜100個/1分子程度の通常のゼラチンで良い。
エオシン化ゼラチンは、下記反応に従ってゼラチンの側鎖にエオシンを導入することにより調製される。
【0055】
【化1】

【0056】
ゼラチン分子へのエオシンの導入数は、例えば、エオシン化ゼラチンの水溶液の吸光度をエオシンの最大吸収波長522nmにおいて測定し、エオシンのモル吸光係数(ε=94755)を基に算出可能であり、原料溶液を親水性液体溶液とする場合、ゼラチン1分子に対して1〜10個、特に2〜5個程度が好ましい。このエオシン等の感光基を有する化合物の導入数が少ないとゲル化率が低下し、また必要以上に多くてもゼラチン固有の柔軟性が損なわれる可能性があると共に、水へ難溶性となってしまう。また、原料溶液を親油性液体溶液とする場合、ゼラチン分子へのエオシンの導入数は、ゼラチン1分子に対して10個以上、特に15〜35個程度が好ましい。このエオシン等の感光基を有する化合物の導入数が少ないと水溶性となり好ましくなく、また、光照射によるゲル化率が低いものとなって、ゲル化のための光照射に長時間を要するようになる。エオシンの導入数は、必要以上に多くてもゼラチン固有の柔軟性が損なわれる可能性があり、好ましくない。
【0057】
このエオシン化ゼラチンは、粘稠性の液体状である。これを例えば濃度1〜10重量%の水溶液とした場合には、30,000〜300,000Lx程度の可視光を0.1秒〜10秒程度照射してゲル状に硬化させることができる。
【実施例】
【0058】
以下に、合成例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0059】
合成例1:エオシン化ゼラチンの合成
ゼラチン(分子量95,000、アミノ基量約37個/分子)に、水溶性カルボジイミドであるN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)の存在下、下記反応でゼラチンの側鎖のアミノ基にエオシンを結合させることにより、ゼラチン1分子当たりエオシン約5個を導入してエオシン化ゼラチンを合成した。精製は透析で行い、ゼラチン鎖へのエオシンの導入率は522nmの吸光度から算出した。
【0060】
【化2】

【0061】
実施例1
(ゲル粒子の製造)
合成例1で合成したエオシン化ゼラチンを濃度11重量%となるように水へ溶解した。別に、生理活性物質としてヘパリンを水へ溶解した。上記エオシン化ゼラチン水溶液とヘパリン水溶液を混合し、ハイドロゲンドナーとして1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンを混合し、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物、ハイドロゲンドナー及び生理活性物質を含む原料溶液とした。原料溶液中のキサンテン系色素で修飾した高分子化合物濃度は10重量%、生理活性物質濃度は20ppm、ハイドロゲンドナー濃度は1.2重量%とした。
【0062】
調製した原料溶液を下記仕様の二流体ノズルから噴霧し、ノズル中心の延長線上のノズルから300mmの位置で、霧の中の液滴微粒子の平均粒子径を測定した。原料溶液の流量は50mL/分で固定し、混合ガスは圧縮空気でガスと液体の混合比は体積比で0〜3000まで変えて測定した。図1にその測定結果を示すが、ガスと液体の混合比は体積比で1500付近で、血液中の血球細胞と同等の大きさである10μm程度の粒子径の液滴微粒子が形成された。
【0063】
〈二流体ノズル仕様〉
墳量公差5%、噴角公差5°、スプレーパターンは空円錐の広角噴霧、サクション式液供給、内部混合内気型気液混合形式の汎用のステンレス製二流体ノズルを使用した。
【0064】
この体積混合比1500において、圧縮空気量75NI/分、原料溶液流量50mL/分でラウンド形状の二流体ノズルにて噴霧すると平均流速は約2.5m/秒となった。ノズル先端を鉛直方向下方へ向け、ノズルから噴霧方向の600mmの位置に、大型の皿状容器を配置し、噴霧した原料溶液を回収するようにした。この皿状容器には20ppmヘパリン水溶液を入れた。
【0065】
ノズル先端から300mm〜400mmの位置を光源装置(ウシオ電機製、オプチカル・モジュレックスSX−UID500XCMP、キセノンショートアークランプUXL−500SX)にて照射強度380,000Lxとなるように可視光を照射するようにセットした状態で原料溶液を噴霧し、可視光の照射で架橋、硬化した微粒子を皿状容器内のヘパリン水溶液中に回収した。噴霧された液滴微粒子には、可視光が2秒程度照射された。このヘパリン水溶液を遠沈管へ入れ、1000rpmで10分間遠心分離することで微粒子を沈殿させた。この微粒子をヘパリン溶液で洗浄してDDS用ゲル粒子を得た。このゲル粒子の平均粒子径は10μmであった。
【0066】
(生理活性物質の徐放性評価)
このようにして得られたゲル粒子をDMEM培地中へ懸濁し、経時的に分取したアリコット中のゲル粒子をトルイジンブルー色素の水溶液へ作用させ、ビーズの着色の有無でヘパリンの溶出継続性を確認したところ、ヘパリンは2時間まで着色したが、それ以降はゲル粒子は着色せず、ゲル粒子中のヘパリンのほぼ全量が2時間で放出されたことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1において、二流体ノズルを用いて原料溶液を噴霧したときの気/液体積比と得られる液滴微粒子の平均粒子径との関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キサンテン系色素で修飾した高分子化合物とハイドロゲンドナーとを親水性液体又は親油性液体に溶解してなる原料溶液に可視光を照射して、ハイドロゲンドナーの存在下に高分子化合物を架橋、硬化させてゲル粒子を製造する方法であって、
該原料溶液を気相中に液滴として噴霧し、該原料溶液の液滴に可視光を照射することを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記原料溶液が更に生理活性物質を含み、該生理活性物質を包埋したゲル粒子を製造することを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、二流体ノズルを用いて前記原料溶液を噴霧することを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記高分子化合物が、コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、エラスチン、ヘパラン硫酸、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、オステオネクチン、エンタクチン、ガゼイン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリシドール、ポリグリシドールの側鎖エステル化体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、環状エステルの重合体、ポリビニルアルコールヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド及びポリビニルピロリドンよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ハイドロゲンドナーがチオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール、並びに1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項において、前記生理活性物質が、タクロリムス、カルモフール、ジョサマイシン、シンフィブラート、エリスロマイシン、スピロノラクトン、ジフェニルヒダントイン、フェノバルビタール、ビタミンE、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルマコリン、バピプロスト、プロスタモリン、プロスタキリン同族体、デキストラン、ローフェプローアルグクロロメチルケトン、デイピリダモール、グリコプロテインの血小板膜レセプタ抗体、組換え型ヒルジン、トロンビン抑制剤、脈管ペプチン、脈管テンシン転換酵素抑制剤、ステロイド、繊維芽細胞成長因子アンタゴニスト、フィッシュオイル、オメガ3ー脂肪酸、ヒスタミン、アンタゴニスト、HMG−CoAリダクテース抑制剤、セラミン、セロトニン阻止抗体、チオプロテイース抑制剤、トリマゾールピリデイミン、インターフェロン、ラパマイシン、FK506、血小板由来増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子結合蛋白、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、アンジオポイエチン、神経増殖因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、形質転換増殖因子β、潜在型形質転換増殖因子β、アクチビン、骨形質タンパク、繊維芽細胞増殖因子、腫瘍増殖因子β、二倍体繊維芽細胞増殖因子、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子、シュワノーマ由来増殖因子、アンフィレグリン、ベーターセルリン、エピグレリン、リンホトキシン、エリスロエポイエチン、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−17、インターフェロン、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗生物質、抗がん剤、拮抗剤、免疫抑制剤、レセプター遮断剤、抗パーキンソン病薬、ビタミン薬、フラボノイド、抗不整脈剤、インスリン、カルシトニン、放射性物質、還元グルタチオン、ニトログリセリン、プロスタグランジン、ポリフェノール、エリスロポイエチン、RNA、DNA、及び、RNA及び/又はDNAを導入したベクターよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記キサンテン系色素がエオシンであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記親水性液体が水であることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれか1項において、前記親油性液体が炭化水素、ハロゲン化炭化水素、及び天然油よりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、前記高分子化合物がゼラチンであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項11】
請求項10において、前記原料溶液が親水性液体であり、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項12】
請求項11において、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に2個〜6個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項13】
請求項10において、前記原料溶液が親油性液体であり、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に10個以上のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項14】
請求項13において、前記高分子化合物がゼラチン1分子中に15個〜35個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか1項において、製造されたゲル粒子の直径が2nm〜200μmであることを特徴とするゲル粒子の製造方法。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかの製造方法により製造されたゲル粒子。
【請求項17】
請求項16において、ドラッグデリバリシステム用ゲル粒子であることを特徴とするゲル粒子。

【図1】
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【公開番号】特開2006−306787(P2006−306787A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131882(P2005−131882)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(591108880)国立循環器病センター総長 (159)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】