説明

ゲート

【課題】通行阻止用のドアの閉状態に関して、現在の視覚情報および聴覚情報に加えて、触覚情報による案内通知を行い、より確実に通行者にドア閉状態を知らせ、ドアへの衝突のおそれを確実になくすことができる自動改札機等のゲートを提供する。
【解決手段】この自動改札機10等は、改札通路12の出口側に設けられた自動開閉式の通行阻止ドア24と、通行条件の判定に基づいて通行阻止ドア24を開状態または閉状態にして通行の許可または不許可を制御する制御部26とを備えるゲート装置であり、改札通路12で通行阻止ドア24の手前位置に予告ドア31を設けるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲートに関し、特に、閉状態になった通行阻止ドアに通行者が衝突するのを防止する自動改札機等のゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲートとしては自動改札機やセキュリティーゲートが存在する。例えば自動改札機は、駅の改札口に設置され、当該自動改札機では左右両側の一対の通路壁部(改札機本体の筐体)によって中央に改札通路が形成されている。自動改札機の改札通路の両端部は通路口が形成されている。外側(コンコース側)と内側(ホーム側)のいずれの通路口も、通行方向に応じて入口部または出口部になり得る。改札通路の入口部側には、通常的に右側に位置する通路壁部の端部に乗車券または磁気カードの投入口と非接触型ICカード用リーダライタのタッチ部(アンテナ等)とが設けられており、他方、改札通路の出口部側には、当該通路壁部の端部領域に表示部と乗車券等の排出部と開閉自在なドアとが設けられている。開閉自在なドアは、左右の通路壁部のそれぞれの通路側壁面に設けられ、一対の構造を有している。開閉自在なドアは、ノーマルオープンのタイプとノーマルクローズのタイプが存在する。通常的に、当該ドアはノーマルオープンであって、自動改札機に内蔵される処理判定部で使用された乗車券等が不適正と判定されたときには改札通路を閉じるように動作し、通行者の通行を制限し阻止するという機能を有している。
【0003】
本発明に関連する従来の自動改札機に関して、改札機本体の内側壁面で入口側および出口側に設けられた自動開閉式のドアの動作を制御する方式として、例えば特許文献1に開示される自動改札機のドア制御方式を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−292966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動改札機で旅客が使用した乗車券等が不適正と判定されたときには、その後に出口部側のドアが閉じられることになるので、現在の自動改札機では、改札通路を通過しようとする通行者に対して音声案内(聴覚情報として)と表示案内(視覚情報として)とによってドア閉状態を通知するようにしている。しかしながら、それらの案内のみでは不十分であり、閉状態にあるドアに気づかず、あるいは気づくのが遅れて、当該ドアに衝突するおそれ、または衝突後にバランスを崩して転倒するおそれがある。このような課題を解決するための従来技術は全く見受けられなかった。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、ドアの閉状態に関して、現在の視覚情報および聴覚情報に加えて、触覚情報による案内通知を行い、より確実に通行者にドア閉状態を知らせ、ドアへの衝突のおそれを確実になくすことができる自動改札機等のゲートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲートは、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0008】
第1のゲート(請求項1に対応)は、ゲート通路の出口側に設けられた自動開閉式の通行阻止ドアと、通行条件の判定に基づいて通行阻止ドアを開状態または閉状態にして通行の許可または不許可を制御する制御手段とを備えるゲートであり、ゲート通路で通行阻止ドアの手前位置に予告ドアを設けるように構成される。
【0009】
上記のゲートでは、自動改札機等のごとく旅客である通行者が比較的急いでゲート通路を通過しようとするときに、乗車券等の判定で料金不足等の理由で不適正であると判定(通行不可判定)がなされると、例えば常時開成の状態(ノーマルオープン)の通行阻止ドアが閉じ、その結果、通行者が衝突するおそれがあるが、通行阻止ドアの手間位置に同時に閉じる予告ドアを配置することで、当該予告ドアが通行者の脚に触れる等により予告通知を行い、通行阻止ドアが閉じていることを確実に気がつかせることが可能となり、これにより通行阻止ドアへの衝突のおそれを確実になくすことができる。
【0010】
第2のゲート(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、予告ドアは、開閉自在な機構で取り付けられかつ開閉動作させる駆動機構を備えることにより自動開閉式の構成を有し、予告ドアの開閉動作は、通行阻止ドアの開閉動作を制御する制御手段によって、通行阻止ドアの開閉動作と共に自動的に行われることを特徴とする。この構成では、自動開閉式の予告ドアは、通行阻止ドアの開閉動作を制御する制御手段によって、通行阻止ドアと連動するように自動開閉されるようになっている。
【0011】
第3のゲート(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、通行阻止ドアおよび予告ドアは常時開成(ノーマルオープン)の状態にあり、予告ドアは、通行阻止ドアが閉動作したときに閉動作し、かつゲート通路を通る通行者に接触するように動作するドアであることを特徴とする。この構成では、通常的にはゲート通路は開かれた状態にあり、通行不可判定が行われたときに、通行阻止ゲートが急速に閉じるので、これに合わせて予告ドアも閉じるように構成される。これによって、触覚に基づく事前の予告通知を行うことが可能となる。
【0012】
第4のゲート(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、通行阻止ドアおよび予告ドアは常時閉成(ノーマルクローズ)の状態にあり、予告ドアは、通行阻止ドアが閉動作しているときに共に閉動作の状態にあり、かつゲート通路を通る通行者に接触する状態にあることを特徴とする。
【0013】
第5のゲート(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、予告ドアの通行阻止力は、通行阻止ドアの通行阻止力よりも弱く設定されていることを特徴とする。
【0014】
第6のゲート(請求項6に対応)は、上記の構成において、好ましくは、ゲートは自動改札機であり、ゲート通路は改札通路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、改札通路等の出口側において通行条件の判定に基づき自動的に開閉されることにより通行者の通行阻止または通行許可を行う通行阻止ドアを備える自動改札機等において、通行阻止ドアが閉じた状態にあるとき、ゲート通路上で通行阻止ドアの手前側の位置に通行者に対して触覚により通行阻止ドアの閉成状態を通知するための予告ドアを設けるようにしたため、通行阻止ドアが閉じていることを通行者に確実に気がつかせることができ、通行阻止ドアへの通行者の衝突のおそれを確実になくすことができる。本発明の以上の効果は、自動改札機と同様な通行阻止ドアを備えたゲートにおいて一般的に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るゲートの一実施形態である自動改札機の本体(通路壁部)を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る自動改札機のドアの配置関係を簡略して示す平面図である。
【図3】自動改札機に装備される制御部、入力部、出力部、駆動機構のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】通行阻止ドアが常時開成(ノーマルオープン)である場合の動作例を示すフローチャートである。
【図5】通行阻止ドアが常時閉成(ノーマルクローズ)である場合の動作例を示すフローチャートである。
【図6】予告ドアのドア形状の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るゲートの代表的な実施形態である非接触式の自動改札機を示し、図2は自動改札機におけるドアの配置関係を簡略して示している。11は、自動改札機の本体10(以下「改札機本体10」と記す)を構成する一対の筐体のうちの一方の筐体を示している。この筐体11は、改札機本体10の改札通路12を形成する通路壁部として機能する。他方の筐体11は、図2に示すように、改札通路12を挾んで、図1で示された一方の筐体11と向き合う形で平行に設けられている。図1において、他方の筐体の図示は省略されている。
【0019】
改札機本体10での改札処理は、通常、非接触型ICカードからなる非接触券13が使用される。図示された改札機本体10では、非接触券13以外にも、磁気券で作られた乗車券(普通乗車券、回数券、定期券、SFカード等)も使用可能であり、磁気券も処理可能な併用型となっている。なお改札機本体10は、非接触券13のみを処理する専用型であってもよい。
【0020】
図1に示した筐体11において、改札通路12で矢印14の方向に通行者が移動するとき、図1中で手前側が入口部になり、向こう側が出口部になる。筐体11の上面部の入口部側には、乗車券の投入口15と、非接触券13との間で無線通信によりデータの送受を行うタッチ部(アンテナ部)16とが設けられている。タッチ部16は、アンテナを内蔵し、そのアンテナの上面を覆うようにプラスチック板が設けられている。当該プラスチック板は、図示しない表示灯によって赤色、青色または黄色に発色できるように構成されている。また筐体11の上面部の出口部側には、乗車券を取り出すための排出口17と、通行者に対して文字により所定の内容を案内するための情報を表示する表示部18とが設けられている。さらに19は、筐体11の側面に設けられ、通行者に対して音声により案内するためのスピーカである。
【0021】
投入口15および排出口17の間における筐体11の内部には、図1で図示しないカードハンドラが設けられている。このカードハンドラは、投入口15から投入された乗車券を排出口17または筐体11内に設けられた図示しない集札箱まで搬送するように構成されている。搬送の途中において、投入口15に投入された乗車券に記録されているデータを読取り、新たなデータを書込み、必要に応じてパンチや印字を行う。通行者に対して返却する必要のある乗車券は、排出口17に排出される。
【0022】
さらに図1において、21はセンサ取付ボックスであって、筐体11の上面でかつ改札通路12と反対側に設けられ、改札通路12に沿って設けられている。センサ取付ボックス21内には、反射型センサからなる複数の人間検知センサ22が、改札通路12の入口部側、中央部、および出口部側に設けられている。これらによって改札通路12内に居る大人の通行者が検知される。人間検知センサ22は、改札通路12の床面から所定の高さに向けて光線を照射する発光素子と、その照射された光線が物体(通行者)に当たって反射してきた光線(反射光)を受光する受光素子とから構成される。
【0023】
図1において、23は、光電素子からなる透過型センサからなる複数の人間検知センサを示している。複数の人間検知センサ23は、一対の筐体11の間の改札通路12側の壁面に所定の間隔を保って設けられている。これらの人間検知センサ22は、改札通路12内の通行者の位置を検知するためのものであり、改札通路12の入口部側、出口部側、中央部、中間部等に設けられている。これらの透過型センサからなる複数の人間検知センサ23は、一方の筐体11の側面に発光素子を有すると共に、他方の筐体11の対向側面に受光素子を有するように構成される。
【0024】
24,25は改札通路12を開閉するドアを示す。これらのドア24,25のうち、ドア24は改札通路12の出口側に設けられ、ドア25はその入口側に設けられている。ドア24は、常時開成状態(ノーマルオープン)のドアであり、矢印14の方向に通行する通行者にとって、例えば乗車券等が不適正であると判定されたとき(NG判定)には閉じてその通行を阻止するための通行阻止ドアとなる。ドア25は、改札機本体10が稼動を停止したときに閉じられるドアである。また改札機本体10が双方向型の場合には、ドア25は、改札通路12の通行方向が矢印14の方向と反対になる場合において出口側の通行阻止ドアとして機能する。ドア24,25の開閉動作は、改札機本体10を統括的に制御する制御部26により駆動制御される。なお、図1で図示しない他方の筐体にも、筐体11のドア24,25に対応した位置に同じドアが設けられている。当該対応する他方の2つのドアは、図2において同じ符号24,25によって示されている。
【0025】
改札機本体10の筐体11では、さらに、改札通路12のほぼ中央位置に対応する筐体11の内側壁面に自動開閉式の予告ドア31が設けられている。予告ドア31は、改札通路12を矢印14の方向に移動して改札機本体10を通過しようとする通行者にとって、出口部側に設けられた通行阻止用の既存のドア24の手前側に配置されている。予告ドア31は、図1では、筐体11の内側壁面に形成されたドア収納凹所に収納された状態にある。この状態では、予告ドア31は開いており、改札通路12を開放した状態になっている。制御部から閉成信号を受けると、駆動装置31aの駆動動作に基づき駆動装置31aを回転軸部として改札通路12側に回転して突出し、改札通路12を閉じる状態になる。予告ドア31は、図2に示すように、好ましくは、筐体11に対向して配置される他方の筐体11の内側壁面にも対となるように形で同様な形状および構成で設けられており、他方の筐体11のドア24の手前に配置されている。左右一対の予告ドア31は、既存の通行阻止用の左右一対のドア24と同様に自動開閉式のドアであり、上記の制御部26によってその開閉動作が制御される。上記したように、乗車券等が不適正であると判定されたときには一対のドア24は閉じて通行者の通行を阻止するが、その際に同時に一対の予告ドア31も閉じて通行者に対してその体に接触させることにより、通行者の触覚を通してドア24が閉じたことを事前に予告的に通知する。ドア24が閉じたことは、従来より、表示部18による表示案内(視覚通知)やスピーカ19による音声案内(聴覚通知)が行われているが、これらに加えて予告ドア31を設けることによって触覚刺激により通行者に通知する。自動開閉式の予告ドアの開閉動作は、通行阻止用の既存のドア24に連動させることが望ましいが、予告通知機能を実現できる構成であれば、必ずしも連動させる必要はない。また予告ドア31は、出口部側に設けた通行阻止用のドア24が閉じていることを予告通知することが目的であるから、材質的な強度は比較的に弱いものが使用される。またドア24の通行阻止力に比較して予告ドア31の通行阻止力は相対的に弱く設定されている。
【0026】
図3を参照して改札機本体10における制御系のシステム構成を説明する。制御部26は、中央処理部(CPU)32とメモリ33を備える。メモリ33にはROM34とRAM35を有している。中央処理部32は、ROM34に格納されているシステムプログラムとRAM35に格納されているワーキングデータを用いて所定の入出場の演算処理を行う。中央処理部32は、I/Oユニット36を介して、投入口15から取込んだ乗車券を処理するカードハンドラ37と、左右一対のドア24(または25)を駆動制御するドア駆動機構38と、左右一対の予告ドア31を駆動制御するドア駆動機構39と、表示部18を駆動制御する表示駆動部40と、スピーカ19を駆動制御する音声駆動部41と、人間検知センサ22,23のセンサアンプ42と、上記タッチ部16内のアンテナ43を介して非接触券13に記録されているデータを読取ると共に新たなデータを書込むためのリーダライタ44と、が接続されている。
【0027】
次に、上記構成を有する改札機本体10で、既存の通行阻止用のドア24と予告ドア31の制御動作を図4および図5を参照して説明する。
【0028】
図4は、通行阻止用のドア24および予告ドア31が常時開成(ノーマルオープン)の状態である場合の動作例を示すフローチャートである。最初の段階でドア24と予告ドア31は開いた状態にある。この制御動作では、最初の判断ステップS11で乗車券が利用されたか否かが判断される。判断ステップS11において乗車券の利用なしと判断されたとき(NOの場合)には、改札機本体10の改札通路12内へ人間の進入があったか否かが判断される(判断ステップS13)。判断ステップS13でNOであるときには判断ステップS11に戻り、反対にYESであるときには次の処理ステップS14に移行し、処理ステップ14が実行される。他方、判断ステップS11において乗車券の利用ありと判断されたとき(YESの場合)には、次の判断ステップS12で乗車券の判定(適正または不適正の判定)が行われる。判断ステップS12で乗車券が適正であると判定されたとき(YESの場合)には通行は適正として処理は終了し、ドア24および予告ドア31は開いたままの状態で終了する。判断ステップS12で乗車券が不適正であると判定されたとき(NOの場合)には、次の処理ステップS14が実行される。処理ステップS14では、出口に設けられた既存の通行阻止用の一対のドア24を閉じると共に、同時に、ドア24の設置位置の手前に存する一対の予告ドア31も閉じる。以上の通り、乗車券を利用することなく改札通路12を通過しようとする場合、または不適正な乗車券を利用して改札通路12を通過しようとする場合には、改札機本体10は通行阻止用の一対のドア24を閉じるが、その際、併せて一対の予告ドア31を閉じるようにしている。こうして、ドア24が閉じたとき、その手前にある予告ドア31を閉じることにより事前にドア24が閉じたことを通行者の触覚を介して予告通知することができる。
【0029】
図5は、通行阻止用のドア24および予告ドア31が常時閉成(ノーマルクローズ)の状態である場合の動作例を示すフローチャートである。最初の段階でドア24と予告ドア31は閉じた状態にある。この制御動作では、最初の判断ステップS21で乗車券が利用されたか否かが判断される。判断ステップS21において乗車券の利用なしと判断されたとき(NOの場合)には、改札機本体10の改札通路12内へ人間の進入があったか否かが判断される(判断ステップS23)。判断ステップS23でNOであるときには判断ステップS21に戻り、反対にYESであるときにはドア24および予告ドア31を閉じたままの状態で終了する。他方、判断ステップS21において乗車券の利用ありと判断されたとき(YESの場合)には、次の判断ステップS22で乗車券の判定(適正または不適正の判定)が行われる。判断ステップS22で乗車券が適正でないと判定されたとき(NOの場合)には不正使用であるので、ドア24および予告ドア31を閉じたままの状態で終了する。判断ステップS22で乗車券が適正であると判定されたとき(YESの場合)には、処理ステップS24が実行される。処理ステップS24では、閉じた状態にある既存の通行阻止用の一対のドア24を開くと共に、同時に、手前に存する一対の予告ドア31も開く。上記によって、ドア24が閉じているとき、その手前にある予告ドアも閉じた状態に保持することにより、事前にドア24が閉じていることを触覚により予告通知することができる。
【0030】
上記の予告ドア31の開閉動作のための駆動において、ドア駆動機構40ではアクチュエータ(駆動装置31a)としてモータ等が使用される。駆動方式としては、予告ドア31に通行者の接触による外力がかかった時に保持力を有しながら、当該外力によって予告ドア31が開く方式が望ましい。また予告ドア31に一定以上の外力がかかった時に保持力なしで予告ドア31が開く方式にすることもできる。
【0031】
次に、図6を参照して予告ドア31のドア形状の変形例を説明する。図6では5つの例(A)〜(E)が示されており、改札機本体10の入口側から見た閉じた状態にある予告ドアの正面図である。図6の(A)は基本的なタイプを示し、左右一対の予告ドア31は、本来的に通行を阻止するという機能は弱く、かつ通行者の体の一部に接触させるように設けられるため、左右一対の予告ドア31が閉じた状態にあるときにその間の隙間が広くなるような形状に形成されている。図6の(B)に示した予告ドア31−1は、基本的なタイプの予告ドア31をベースにしてドアの縦幅を短くしている。図6の(C)に示した予告ドア31−2は、縦方向に配列された複数の棒状の部材で形成され、かつ複数の棒状部材の各々がそれぞれ独立に可動するように構成されている。図6の(D)に示す予告ドア31−3は、左右の予告ドアで横方向の長さを異ならせた形状を有している。さらに図6の(E)に示す予告ドア31−4は、一例として左側の予告ドアのみとし、右側の予告ドアをなくすような構成としている。以上の各種タイプの予告ドアについては、適宜に組み合わせて構成することができる。
【0032】
上記の実施形態では代表的な自動改札機の例で説明したが、本発明の特徴的構成である予告ドア31は、出口側に同様な通行阻止用のドアを備えたゲートに対して一般的に適用することができる。
【0033】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るゲートは、出口側に設けた一対の通行阻止用のドアが閉状態にあるときに、同様に閉じた状態となる予告ドアを設けることにより触覚を利用して事前に通行者に予告通知を行うことで通行阻止用ドアへの衝突防止等に利用される。
【符号の説明】
【0035】
10 自動改札機の本体(改札機本体)
11 筐体(通路壁部)
12 改札通路
13 非接触券
14 矢印(通行方向)
15 投入口
16 タッチ部
17 排出口
18 表示部
19 スピーカ
22 人間検知センサ
23 人間検知センサ
24,25 ドア
26 制御部
31 予告ドア
31a 駆動装置
32 中央処理部
33 メモリ
39 ドア駆動機構
40 ドア駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート通路の出口側に設けられた自動開閉式の通行阻止ドアと、通行条件の判定に基づいて前記通行阻止ドアを開状態または閉状態にして通行の許可または不許可を制御する制御手段とを備えるゲートにおいて、前記ゲート通路で前記通行阻止ドアの手前位置に予告ドアを設けたことを特徴とするゲート。
【請求項2】
前記予告ドアは、開閉自在な機構で取り付けられかつ開閉動作させる駆動機構を備えることにより自動開閉式の構成を有し、
前記予告ドアの開閉動作は、前記通行阻止ドアの開閉動作を制御する前記制御手段によって、前記通行阻止ドアの開閉動作と共に自動的に行われることを特徴とする請求項1記載のゲート。
【請求項3】
前記通行阻止ドアおよび前記予告ドアは常時開成の状態にあり、前記予告ドアは、前記通行阻止ドアが閉動作したときに閉動作し、かつゲート通路を通る通行者に接触するように動作するドアであることを特徴とする請求項1または2記載のゲート。
【請求項4】
前記通行阻止ドアおよび前記予告ドアは常時閉成の状態にあり、前記予告ドアは、前記通行阻止ドアが閉動作しているときに共に閉動作の状態にあり、かつゲート通路を通る通行者に接触する状態にあることを特徴とする請求項1または2記載のゲート。
【請求項5】
前記予告ドアの通行阻止力は、前記通行阻止ドアの通行阻止力よりも弱く設定されていることを特徴とする請求項3または4記載のゲート。
【請求項6】
前記ゲートは自動改札機であり、前記ゲート通路は改札通路であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−58821(P2012−58821A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198830(P2010−198830)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】