説明

ゲーミングマシンとゲーミングシステム

【課題】プログレッシブ・ジャックポットを新規なシステムで構築したゲーミングマシンを提供する。
【解決手段】複数のプログレッシブ・ジャックポットの各賞金額は、ゲームに対するベット数の一定割合による積増(インクリメント)が繰り返される。そのインクリメントの対象となるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は、上限額と予め附された順番に基づいて移行していく。すなわち、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額以上になろうとするときは、そのインクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額までとされる。さらに、次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が以後のインクリメントの対象とされる。なお、プログレッシブ・ジャックポットに当選した場合には、複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額がその順番に基づいて選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログレッシブ・ジャックポットを有するゲーミングマシンとゲーミングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲーミングマシンとゲーミングシステムには、例えば、下記特許文献1乃至4に記載されているように、一回の賭け金に対して数百倍の配当を一度に得るようなジャックポットをプレイヤが獲得できるものがある。
【0003】
そのジャックポットの一つに、一回の賭け金から差し引いた一定割合を積み増していくことにより、特定のゲームの結果に対して支払われる賞金を増額させるシステムがある。
尚、そのシステムを、ここでは、「プログレシッブ・ジャックポット」と呼ぶ。
【0004】
従って、ゲーミングマシンやゲーミングシステムでは、特定のゲーム結果が出ない状況が続けば、プログレシッブ・ジャックポットの賞金額が増えていくので、稼働率の向上が期待できる。もっとも、プログレシッブ・ジャックポットの賞金額が税金控除額を僅かに超えたような状況では、プログレシッブ・ジャックポットの賞金額が納税によって目減りする印象をプレイヤに対して与えるため、稼働率が減少することもあった。
【特許文献1】米国特許第4837728号明細書
【特許文献2】米国特許第5885158号明細書
【特許文献3】米国特許第7056215号明細書
【特許文献4】米国特許第7108603号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、プログレッシブ・ジャックポットを新規なシステムで構築したゲーミングマシンとゲーミングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ゲーミングマシンであって、以下のものによって構成される。上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットと、ゲームに対するベット操作を行うための操作部と、以下の各動作が行われるようにプログラムされたプロセッサ。(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、
(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b)プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選した場合には、
(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与する。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するゲーミングマシンであって、所望額を設定することが可能な設定装置を備え、前記プロセッサは、前記(a)の各動作を行うに際し、(1)前記設定装置で所望額が設定された場合には、当該所望額を前記上限額として扱う。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載するゲーミングマシンであって、前記プロセッサは、以下の各動作が行われるようにプログラムされ、(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選したときに、(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与する。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、ゲーミングマシンであって、以下のものによって構成される。上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットと、ゲームに対するベット操作を行うための操作部と、所望額を設定することが可能な設定装置と、 以下の各動作が行われるようにプログラムされたプロセッサ。(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b)プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選した場合には、(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与するが、(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、 (b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選したときに、(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与し、また、(c)前記設定装置で所望額が設定された場合には、前記(a)や前記(a′)の各動作を行う際に、当該所望額を前記上限額として扱う。
【0010】
請求項5に係る発明は、ゲーミングシステムであって、以下のものによって構成される。ゲームに対するベット操作を行うための操作部をそれぞれ有する複数のゲーミングマシンと、 上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットを前記複数のゲーミングマシンに共有させ、以下の各動作が行われるようにプログラムされたサーバー。 (a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b)前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選した場合には、(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与する。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載するゲーミングシステムであって、所望額を設定することが可能な設定装置を前記サーバーに備え、前記サーバーは、前記(a)の各動作を行うに際し、(1)前記設定装置で所望額が設定された場合には、当該所望額を前記上限額として扱う。
【0012】
また、請求項7に係る発明は、請求項5に記載するゲーミングマシンであって、前記サーバーは、以下の各動作が行われるようにプログラムされ、(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選したときに、(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与する。
【0013】
また、請求項8に係る発明は、ゲーミングシステムであって、以下のものによって構成される。ゲームに対するベット操作を行うための操作部をそれぞれ有する複数のゲーミングマシンと、所望額を設定することが可能な設定装置を備え、上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットを前記複数のゲーミングマシンに共有させ、以下の各動作が行われるようにプログラムされたサーバー。(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b)前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選した場合には、(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与するが、(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選したときに、(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与し、また、(c)前記設定装置で所望額が設定された場合には、前記(a)や前記(a′)の各動作を行う際に、当該所望額を前記上限額として扱う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[1.本発明の概要]
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図1は、本発明の一実施形態であるゲーミングシステムの特徴を示す図である。
【0015】
本実施の形態のゲーミングシステムは、複数のゲーミングマシンを有する。各ゲーミングマシンは、3つのプログレッシブ・ジャックポットを共有する。それらのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は、上限額に達するまで、各ゲーミングマシンで行われるゲームに対するベット数の一定割合が積み増されていくことで増加する。
【0016】
ここでは、ゲームに対するベット数の一定割合によってプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が積み増されていくことを「インクリメント」と呼ぶ。従って、各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額は、その賞金額が上限額に達するまで、インクリメントが繰り返される。但し、3つのプログレッシブ・ジャックポットには、1番目、2番目、及び3番目のようにして、インクリメントの対象となる順番が附されている。このため、先ず、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対し、その賞金額が上限額に達するまで、インクリメントが繰り返される。
【0017】
従って、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額以上になろうとするときは、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額とされる。このときのインクリメントに上限額を超える超過部分があれば、その超過部分は2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入される。その後は、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対し、その賞金額が上限額に達するまで、インクリメントが繰り返される。
【0018】
以後も、同様である。すなわち、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額以上になろうとするときは、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額とされる。このときのインクリメントに上限額を超える超過部分があれば、その超過部分は3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入される。その後は、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対し、その賞金額が上限額に達するまで、インクリメントが繰り返される。
【0019】
尚、3つのプログレッシブ・ジャックポットに附された順番は、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額が支払われる順番としても使用される。すなわち、本実施の形態のゲーミングシステムでは、プログレッシブ・ジャックポットに当選したゲーミングマシンがあると、先ず、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がそのゲーミングマシンに支払われる。その後に、プログレッシブ・ジャックポットに当選したゲーミングマシンがあると、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がそのゲーミングマシンに支払われる。その後に、プログレッシブ・ジャックポットに当選したゲーミングマシンがあると、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がそのゲーミングマシンに支払われる。さらに、その後に、プログレッシブ・ジャックポットに当選したゲーミングマシンがあると、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がそのゲーミングマシンに支払われる。以後は、同様である。
【0020】
但し、このような支払いの対象となったプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がインクリメントの対象でもあった場合には、支払いの処理が以下のようにされることがある。すなわち、その後においても、インクリメントの対象が次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に移行することなく継続されていることを条件として、プログレッシブ・ジャックポットに当選したゲーミングマシンがあると、インクリメントの対象のままであるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が続けてそのゲーミングマシンに支払われる。
【0021】
インクリメントの説明に戻る。3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額についてインクリメントが繰り返されている際に、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額以上になろうとするときは、その後のインクリメントの処理が、1番目と2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字によって異なってくる。
【0022】
すなわち、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額以上になろうとするときに、1番目と2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が「0」であれば、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額とされる。このときのインクリメントに上限額を超える超過部分があれば、その超過部分は1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入される。次に、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対し、その賞金額が上限額に達するまで、インクリメントが繰り返される。以後は、上述した通りである。
【0023】
一方、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額以上になろうとするときに、少なくとも2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額であれば、特別のプログレシッブ・ジャックポットの賞金額が新たに設けられる。このとき、特別のプログレシッブ・ジャックポットの賞金額には、上述した3つのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の全てが算入される。これにより、上述した3つのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は「0」になる。その後は、上限額による制限を受けることなく、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対しインクリメントが繰り返される。
【0024】
そして、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対しインクリメントが繰り返されている際に、プログレッシブ・ジャックポットに当選したゲーミングマシンがあると、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がそのゲーミングマシンに支払われる。その後は、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は消滅する。
【0025】
このように増加し支払われる各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額は、図1に示すように、各ゲーミングマシンの液晶パネル5Bに表示される。この点、液晶パネル5Bは、画面W1と画面W2に画面分割されている。その画面W1に、各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額が表示される。
【0026】
尚、液晶パネル5Bの画面W2には、当該ゲーミングマシンで実行されるゲームの状況に関する画像が表示される。
【0027】
以下、図1で具体的に説明する。図1に示されている4つの液晶パネル5Bは、上からの段数で特定する。1段目〜3段目の液晶パネル5Bの画面W1には、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示する賞金額表示部6A、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示する賞金額表示部6B、及び3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示する賞金額表示部6Cが設けられている。
【0028】
尚、これらのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対する上限額は、図1に示す場合では、「1999」である。もっとも、その上限額は、オペレータによる外部入力によって変更させることが可能である。
【0029】
1段目の液晶パネル5Bの画面W1を説明する。賞金額表示部6Aには「1999」が表示されている。賞金額表示部6Bには「12」が表示されている。賞金額表示部6Cには「0」が表示されている。よって、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は上限額になっている。2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額はインクリメントの対象になっている。
【0030】
2段目の液晶パネル5Bの画面W1を説明する。賞金額表示部6Aには「0」が表示されている。賞金額表示部6Bには「21」が表示されている。賞金額表示部6Cには「0」が表示されている。よって、液晶パネル5Bの画面W1が1段目から2段目に移行した場合には、その移行中に1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が支払われている。2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額はインクリメントの対象のままである。尚、2段目の液晶パネル5Bを備えたゲーミングマシンがプログレッシブ・ジャックポットに当選していれば、この液晶パネル5Bの画面W2には、図示するような「WIN Progressive!!」のメッセージが一時的に表示される。
【0031】
3段目の液晶パネル5Bの画面W1を説明する。賞金額表示部6Aには「0」が表示されている。賞金額表示部6Bには「1999」が表示されている。賞金額表示部6Cには「1999」が表示されている。よって、液晶パネル5Bの画面W1が2段目から3段目に移行した場合には、2番目と3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は上限額になっている。その後は、3段目の液晶パネル5Bの画面W1は、4段目の液晶パネル5Bの画面W1のようになる。
【0032】
4段目の液晶パネル5Bの画面W1を説明する。4段目の液晶パネル5Bの画面W1では、上述した各賞金額表示部6A,6B,6Cは消去されている。それに代わって、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示する賞金額表示部6Dが設けられる。このとき、4段目の液晶パネル5Bの画面W2には、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が新たに設けられたことを示す「Special Progressive!!」のメッセージが一時的に表示される。
【0033】
[2.ゲーミングシステムの概略構成]
図2は、本実施の形態のゲーミングシステムを示したシステムブロック図である。図2に示すように、本実施の形態のゲーミングシステム301は、双方向通信可能なネットワーク網401を介して、ゲームサーバー302や複数のゲーミングマシン1が接続された構成をしている。
【0034】
[3.各ゲーミングマシンの概略構成]
次に、各ゲーミングマシン1の概略構成について、図3に基づき説明する。図3は、各ゲーミングマシン1の外観斜視図である。
【0035】
図3に示すように、各ゲーミングマシン1は、カジノ等の遊技場に設置されるアップライト型をしており、所定のゲーム態様を実行するための電気的又は機械的部品を収容するための筐体3を有している。ゲームに関する情報を表示するための表示部4として例えば、アッパー表示部4Aと中段側の可変表示部4Bとアンダー表示部4Cがあり、縦長の筐体3の前面には、各表示部4A〜4Cが取り付けられている。アッパー表示部4Aは、可変表示部4Bの上方に配置された液晶パネル5Aを有しており、液晶パネル5Aにより、例えば、演出画像、ゲーム内容の紹介、ゲーム上のルール説明等を表示する。アンダー表示部4Cは、可変表示部4Bの下方に配置され、画像が印画されたプラスチックパネル5Cを有し、このプラスチックパネル5Cをバックライトにより照らし出している。
【0036】
ゲームの実行状況を表示するための可変表示部4Bは、筐体3の前面扉に固定された液晶パネル5Bを有している。また、液晶パネル5Bの前面には、タッチパネル101が設けられており、プレイヤーはタッチパネル101を操作して各種の指示を入力することができる。そして、中段側の可変表示部4Bは、上部が後方に倒れるように傾けられ、プレイヤーが楽な姿勢で遊技できるようになっている。
【0037】
また、中段側の可変表示部4Bとアンダー表示部4Cとの間において、筐体3の前面には、前方に迫り出した操作テーブル10が設けられ、この操作テーブル10上には、ゲームの実行を指示する操作部として、BETボタン、ゲーム開始ボタン、コレクトボタン、CASHOUTボタン等の各種操作ボタン11が配列されている。操作テーブル10には、コイン投入口12や紙幣投入口13が設けられている。そして、操作テーブル10と中段側の可変表示部4Bとの間には、チケットプリンタ14やカードリーダ15が設けられている。さらに、筐体3の最下部にはコイントレイ16が設けられている。
【0038】
尚、各ゲーミングマシン1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)が用いられる。但し、本発明に適用可能な遊技媒体は、これに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットを挙げることができる。
【0039】
また、各ゲーミングマシン1の筐体3には、アッパー表示部4A、中段側の可変表示部4B、アンダー表示部4C及び操作テーブル10を含んだ遊技領域を囲むように、発光部20が配置されている。
【0040】
各ゲーミングマシン1は、さらに、筐体3上に搭載されたトッパー演出装置28を備えている。このトッパー演出装置28は、矩形ボード形状を有しており、アッパー表示部4Aの液晶パネル5Aと略平行になるように配置されている。さらに、筐体3の両側面には、スピーカ23が設けられている。
【0041】
[4.各ゲーミングマシンの内部構成]
次に、各ゲーミングマシン1の内部構成について、図4と図5を参照しつつ説明する。
【0042】
図4は、各ゲーミングマシン1全体の内部構成を示したブロック図である。図4に示すように、各ゲーミングマシン1は、マイクロコンピュータ31を含む主制御基板71を中心に複数の構成要素を有している。その主制御基板71は、マイクロコンピュータ31と、乱数発生回路35、サンプリング回路36、クロックパルス発生回路37、及び分周器38を有し、さらに、照明演出駆動回路61、ホッパー駆動回路63、払出完了信号回路65、及びプリンタ駆動回路67を有している。
【0043】
マイクロコンピュータ31は、メインCPU32と、RAM33と、ROM34とを有している。メインCPU32は、ROM34に記憶されているプログラムに従って作動し、I/Oポート39を介して他の構成要素との信号の入出力を行って、当該ゲーミングマシン1全体の動作制御を行う。RAM33には、メインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶され、例えば、後述するサンプリング回路36によりサンプリングされる乱数値が、ゲーム開始後に一時的に保持される。ROM34には、メインCPU32が実行するプログラムや恒久的なデータが記憶されている。
【0044】
特に、ROM34に記憶されているプログラムには、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラム(以下、ゲームプログラム等という)が含まれている。さらに、そのゲームプログラムには、ゲームの実行の際に使用される抽籤プログラムが含まれている。
【0045】
乱数発生回路35は、メインCPU32の指示に従って作動し、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示に従い、乱数発生回路35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出すると共に、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させる。分周器38は、その基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
【0046】
さらに、主制御基板71には、タッチパネル101が接続されている。このタッチパネル101は、液晶パネル5Bの前面に配置され、プレイヤーにより接触された部分の座標位置を特定し、特定した座標位置情報に基づいてプレイヤーがどこに触れたか、更に、触れた箇所がどの方向に移動したのかを判別することができ、この判別に応じた信号が、I/Oポート39を介してメインCPU32に入力されるようになっている。
【0047】
さらに、主制御基板71には、BETボタン、ゲーム開始ボタン、コレクトボタン、CASHOUTボタン等を含む操作ボタン11が接続されており、それらのボタン押下に応じた信号が、I/Oポート39を介してメインCPU32に入力されるようになっている。
【0048】
さらに、主制御基板71には、ゲーム通信回路102が接続されている。そのゲーム通信回路102は、当該ゲーミングマシン1が送り出す信号を電話回線やLANケーブル等の通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、ゲームサーバー302に対して送信するとともに、ゲームサーバー302から送信された信号を受信し、当該ゲーミングマシン1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置であり、ゲームサーバー302のサーバー通信回路303にインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網401を介して接続されている。尚、ゲームサーバー302は、上限額となる数字をオペレータが設定するためのディップスイッチ304を備えている。
【0049】
照明演出駆動回路61は、上述した発光部20及びトッパー演出装置28に照明演出を行わせるための演出信号を出力する。そして、発光部20を介して、トッパー演出装置28が、照明演出駆動回路61にシリアル接続によって接続されている。
【0050】
ホッパー駆動回路63は、メインCPU32の制御に従ってホッパー64を駆動させる。ホッパー64は、コインの払出を行うための動作を行い、コイントレイ16にコインを払出させる。払出完了信号回路65は、接続されているコイン検出部66からコインの枚数値データを入力し、その枚数値が設定された枚数の値に達したときにコインの払出完了を通知する信号をメインCPU32に入力する。コイン検出部66は、ホッパー64により払出されたコインの枚数を計測し、その計測した枚数値のデータを払出完了信号回路65に入力する。プリンタ駆動回路67は、メインCPU32の制御に従ってチケットプリンタ14を駆動させる。
【0051】
さらに、主制御基板71には、副制御基板72が接続されている。その副制御基板72には、液晶パネル5A、液晶パネル5B、及びスピーカ23が接続されている。
【0052】
図5は、その副制御基板72の内部構成を示したブロック図である。その副制御基板72は、図5に示すように、主制御基板71からコマンドを入力して、液晶パネル5A及び液晶パネル5Bの表示制御、スピーカ23による音声の出力制御を行う。その副制御基板72は、主制御基板71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、スピーカ23から出力される音声を制御する音源IC78、増幅器としてのパワーアンプ79、及び液晶パネル5A,5Bの表示制御手段として作動する画像制御回路81を有している。
【0053】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御基板71から送信された制御命令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76と、I/Oポート77,80を有している。副制御基板72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生回路、及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを記憶している。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0054】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、INポート85、画像ROM86、ビデオRAM87、及び画像制御IC88を有している。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM84に記憶されている画像制御プログラムに従い、液晶パネル5A,5Bで表示される画像を決定する。
【0055】
画像制御プログラムROM84は、液晶パネル5A,5Bにおける表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルが記憶されている。画像制御ワークRAM83は、画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成されている。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された内容に応じた画像を形成し、液晶パネル5A,5Bに出力する。
【0056】
画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納している。従って、例えば、各賞金額表示部6A,6B,6C,6D(上記図1参照)に関するドットデータが格納されている。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として作動する。
【0057】
また、画像制御回路81は、メインCPU32からの制御信号に基づいて、液晶パネル5Bの各画面W1,W2(上記図1参照)における表示制御を行う。
【0058】
[5.液晶パネルの表示内容]
ここで、液晶パネル5Bに表示される画像について説明する。図6と図7は、その一例として液晶パネル5Bに表示される画像を示した図である。図6と図7に示すように、液晶パネル5Bは、画面W1と画面W2に分割される。
【0059】
液晶パネル5Bの画面W2には、当該ゲーミングマシン1で実行されるゲームの状況に関する画像が表示される。図6と図7では、ビデオスロットのゲームの実行状況に関する画像が表示されている。この点、図6では、ビデオリールが停止状態で表示されている。また、図7では、ビデオリールがスクロール状態で表示されている。
【0060】
尚、液晶パネル5Bの画面W2に表示される画像は、ビデオスロットのゲームの実行状況に関する画像に限定されるものではない。すなわち、液晶パネル5Bの画面W2には、当該ゲーミングマシン1で実行可能な各種のゲームの状況に関する画像が表示される。当該ゲーミングマシン1で実行可能な各種のゲームとしては、スロットゲームの他に、例えば、カードゲーム、ルーレットゲーム、ダイスゲーム、麻雀ゲームなどを挙げることができる。
【0061】
[6.賞金額表示部の内容]
一方、液晶パネル5Bの画面W1には、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示する賞金額表示部6A,6B,6Cが設けられる。
【0062】
賞金額表示部6Aには、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が表示される。賞金額表示部6Bには、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が表示される。賞金額表示部6Cには、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が表示される。図6と図7に示された液晶パネル5Bの画面W1では、賞金額表示部6Aには「1999」が表示されている。賞金額表示部6Bには「12」が表示されている。賞金額表示部6Cには「0」が表示されている。よって、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は上限額になっている。2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額はインクリメントの対象になっている。これらの点は、上記図1に示された1段目の液晶パネル5Bの画面W1と同様である。
【0063】
尚、特別のプログレッシブ・ジャックポットが新たに設けられた場合には、各賞金額表示部6A,6B,6Cは液晶パネル5Bの画面W1から消去される。その後は、上記図1の4段目に示されたように、液晶パネル5Bの画面W1には、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示する賞金額表示部6Dが設けられる。
【0064】
[7.各ゲーミングマシンの動作]
続いて、各ゲーミングマシン1において実行されるメイン制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図8は、メイン制御プログラムのフローチャートである。
【0065】
まず、電源スイッチの投入(電源の投入)が行われると、マイクロコンピュータ31が起動し、ステップ(以下、Sと略記する)1の初期設定処理をマイクロコンピュータ31が実行する。この初期設定処理において、メインCPU32は、ROM34に記憶されているBIOSを実行して、BIOSに組み込まれている圧縮データをRAM33に展開し、RAM33に展開されたBIOSの実行と、各種周辺装置の診断と初期化を行う。さらに、メインCPU32は、ゲームプログラム等をROM34からRAM33に書き込み、ペイアウト率設定用データ及び国識別情報を取得する。尚、メインCPU32は、初期設定処理の実行中において、各プログラムに対する認証処理も行う。
【0066】
そして、S2においては、メインCPU32は、ゲームプログラム等をRAM33より順次読み出して実行し、メイン遊技処理を行う。このメイン遊技処理を実行することにより、各ゲーミングマシン1でのゲームが行われる。そして、メイン遊技処理は、各ゲーミングマシン1に電源が供給されている間、繰り返し実行される。
【0067】
次に、上記S2のメイン遊技処理のサブ処理について図9に基づき説明する。図9は、各ゲーミングマシン1におけるメイン遊技処理プログラムのフローチャートである。尚、図9にフローチャートで示す各プログラムは、各ゲーミングマシン1が備えているROM34やRAM33に記憶されており、メインCPU32により実行される。
【0068】
先ず、図9に示すように、S11において、メインCPU32はスタート受付処理を行う。このとき、スタート受付処理では、プレイヤーにより、コインの投入やBETボタンの操作ボタン11を用いたベット操作などが行われる。
【0069】
そして、S12においてメインCPU32は、ゲーム開始ボタンの操作ボタン11がボタン押下されたか否かについての判定を行う。ゲーム開始ボタンとは、例えば、当該ゲーミングマシン1でビデオスロットが実行される場合には、スピンボタンが該当する。この判定は、操作ボタン11のボタン押下に応じてメインCPU32に入力される信号に基づいて行う。ここで、ゲーム開始ボタンの操作ボタン11がボタン押下されていない場合(S12:NO)には、再びスタート受付処理(S11)に戻る。これにより、ベット数の修正等の操作が可能となる。一方、ゲーム開始ボタンの操作ボタン11がボタン押下された場合(S12:YES)には、メインCPU32は、上記ベット操作に基づき設定されたベット数を、ベット情報としてRAM33に格納する。その後は、S13に進む。
【0070】
S13では、メインCPU32は、ゲーム処理を行う。このゲーム処理では、メインCPU32は、制御信号を副制御基板72に送信することにより、液晶パネル5Bの画面W2にゲームの実行状況を表示する制御を行う。さらに、メインCPU32は、ゲーム操作に関する操作ボタン11のボタン押下に応じて入力される信号に基づいて、制御信号を副制御基板72に送信することにより、液晶パネル5Bの画面W2に表示中のゲームの実行状況を変更する制御を行う。
【0071】
このようにして、液晶パネル5Bの画面W2にて、ゲームが進行・終了する。そして、メインCPU32は、そのゲームの結果に応じた配当額をプレイヤーに付与する。その後、メインCPU32は、この図9のメイン遊技処理を再び実行する。
【0072】
[8.ゲーミングシステムの動作]
メインCPU32は、上記S13のゲーム処理を実行する直前の時点P1において、図10に示すS21〜S23の各処理を行う。そこで、S21〜S23の各処理について図10に基づき説明する。尚、図10にS21〜S23で示す各プログラムは、各ゲーミングマシン1が備えているROM34やRAM33に記憶されており、メインCPU32により実行される。
【0073】
すなわち、上記S12でゲーム開始ボタンの操作ボタン11がボタン押下された場合には(S12:YES)、メインCPU32は、上記ベット操作に基づき設定されたベット数をベット情報としてRAM33に格納した後、図10に示すS21に進む。
【0074】
S21では、メインCPU32は、インクリメント情報送信処理を行う。このインクリメント情報送信処理では、メインCPU32は、RAM33に格納されたベット情報を参照しながら、上記ベット操作に基づき設定されたベット数の一定割合に相当する数値をインクリメント情報としてゲームサーバー302に送信する。その後は、S22に進む。
【0075】
S22では、メインCPU32は、ゲームサーバー302からプログレッシブ情報を受信したか否かを判定する。この判定は、ゲームサーバー302からプログレッシブ情報を受信したことに応じてゲーム通信回路102からメインCPU32に入力される信号等に基づいて行う。ここでは、ゲームサーバー302からプログレッシブ情報を受信するまで待機し(S22:NO)、ゲームサーバー302からプログレッシブ情報を受信すると(S22:YES)、S23に進む。
【0076】
S23では、メインCPU32は、プログレッシブ表示制御処理を行う。このプログレッシブ表示制御処理では、メインCPU32は、制御信号を副制御基板72に送信することにより、ゲームサーバー302から受信したプログレッシブ情報に含まれているプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を、液晶パネル5Bの画面W1に設けられた賞金額表示部6A,6B,6C,6Dのいずれかに表示させる。この点は、後で詳細に説明する。
尚、液晶パネル5Bの画面W1は、初期状態では、各賞金額表示部6A,6B,6Cが表示されている。その後は、上記図9のメイン遊技処理に戻る。
【0077】
一方、ゲームサーバー302では、図10に示すS101〜S106の各処理が行われる。そこで、S101〜S106の各処理について図10に基づき説明する。尚、図10にS101〜S106で示す各プログラムは、ゲームサーバー302に記憶されており、ゲームサーバー302により実行される。
【0078】
先ず、ゲームサーバー302は、S101において、ネットワーク網401を介して接続されている各ゲーミングマシン1のいずれかからインクリメント情報を受信したか否かを判定する。この判定は、インクリメント情報を受信したことに応じてサーバー通信回路303から出力される信号等に基づいて行う。ここで、インクリメント情報を受信していない場合(S101:NO)には、下記S104に進む。一方、インクリメント情報を受信した場合(S101:YES)には、S102に進む。
【0079】
S102では、ゲームサーバー302は、増額処理を行う。この増額処理では、当該ゲーミングマシン1から受信したインクリメント情報に含まれている数値をプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に加算する。これにより、ゲームサーバー302が管理するプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は、各ゲーミングマシン1で行われるゲームに対するベット数の一定割合を積み増されることで増加する。すなわち、この増額処理では、上述したインクリメントが行われる。以下、この加算もインクリメントと呼ぶ。
【0080】
この点について図11に基づき詳細に説明する。尚、図11にS111〜S120で示す各プログラムは、ゲームサーバー302に記憶されており、ゲームサーバー302により実行される。
【0081】
先ず、ゲームサーバー302は、S111において、インクリメントの対象が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額であるか否かを判定する。ここで、インクリメントの対象が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額である場合(S111:YES)には、下記S113に進む。一方、インクリメントの対象が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額でない場合(S111:NO)には、S112に進む。
【0082】
S112では、ゲームサーバー302は、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がインクリメントされても、上限額の制限を満たすか否かを判定する。ここで、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がインクリメントされても、上限額未満になるようなときは、上限額の制限を満たすので(S112:YES)、S113に進む。
【0083】
S113では、ゲームサーバー302は、賞金額インクリメント処理を行う。この賞金額インクリメント処理では、そのインクリメント情報に含まれている数値が、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に加算される。その後は、上記図10のS103に進む。
【0084】
その一方で、S112では、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がインクリメントされると、上限額以上になるようなときは、上限額の制限を満たさないので(S112:NO)、S114に進む。S114では、ゲームサーバー302は、インクリメントの対象が最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額であるか否かを判定する。具体的に言えば、ここでは、3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額となる。
【0085】
ここで、インクリメントの対象が最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額でない場合(S114:NO)には、下記S118に進む。一方、インクリメントの対象が最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額である場合(S114:YES)には、S115に進む。
【0086】
S115では、ゲームサーバー302は、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額に上限額であるものが存在するか否かを判定する。但し、この判定では、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額は除かれる。ここで、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額に上限額であるものが存在しない場合(S115:NO)には、下記S118に進む。一方、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額に上限額であるものが存在する場合(S115:YES)には、S116に進む。
【0087】
S116では、ゲームサーバー302は、特別のプログレッシブ・ジャックポットの創設処理を行う。この創設処理では、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が新たに設けられる。その後は、S117に進む。
【0088】
S117では、ゲームサーバー302は、賞金額合計処理を行う。この賞金額合計処理では、全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入される。さらに、当該インクリメントが、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に対し行われる。これにより、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除き、各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額はなくなる。具体的に言えば、1番目〜3番目の各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額を合計した値が、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入される。これにより、1番目〜3番目の各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額は「0」となる。その後は、上記図10のS103に進む。
【0089】
一方、インクリメントの対象が最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額でない場合(S114:NO)や、インクリメントの対象が最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額である場合(S114:YES)であっても、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除き、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額に上限額であるものが存在しない場合(S115:NO)には、上述したように、S118に進む。
【0090】
S118では、ゲームサーバー302は、上限額インクリメント処理を行う。この上限額インクリメント処理では、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上限額とされる。その後は、S119に進む。
【0091】
S119では、ゲームサーバー302は、賞金額算入処理を行う。この賞金額算入処理では、インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が当該インクリメントによって上限額を超える場合に限り、インクリメントの対象が次の順番であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額にその超過部分が算入される。具体的に言えば、例えば、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が当該インクリメントによって上限額を2ドル超える場合には、その2ドルが2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入される。その後は、S120に進む。
【0092】
S120では、ゲームサーバー302は、インクリメント移行処理を行う。このインクリメント移行処理では、インクリメントの対象を次の順番であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に変更する。具体的に言えば、例えば、1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が現在のインクリメントの対象である場合には、2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額がインクリメントの対象にされる。その後は、上記図10のS103に進む。
【0093】
上記図10に戻り、ゲームサーバー302は、S103に進むと、ジャックポット処理を行う。このジャックポット処理では、ゲームサーバー302は、上記S101で判断の対象となったインクリメント情報を送信したゲーミングマシン1に対し、プログレッシブ・ジャックポットに当たったか否かを所定確率の下で決定する確率ゲームが行われる。その後は、S104に進む。
【0094】
S104では、ゲームサーバー302は、プログレッシブ情報送信処理を行う。このプログレッシブ情報送信処理では、ゲームサーバー302は、ネットワーク網401を介して接続されている各ゲーミングマシン1に対し、プログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を含ませたプログレッシブ情報を送信する。また、ゲームサーバー302は、上記S103でプログレッシブ・ジャックポットが当たったと決定した場合には、上記S101で判断の対象となったインクリメント情報を送信したゲーミングマシン1に対して返信するプログレッシブ情報に、プログレッシブ・ジャックポットが当たったことを通知するデータを含ませる。
【0095】
この点について図12に基づき詳細に説明する。尚、図12にS131〜S140で示す各プログラムは、ゲームサーバー302に記憶されており、ゲームサーバー302により実行される。
【0096】
先ず、ゲームサーバー302は、S131において、プログレッシブ・ジャックポットが当たったか否かを判定する。この判定は、上記S103の処理結果に基づく。ここで、プログレッシブ・ジャックポットが当たっていない場合(S131:NO)には、下記S138に進む。一方、プログレッシブ・ジャックポットが当たった場合(S131:YES)には、S132に進む。
【0097】
S132では、ゲームサーバー302は、インクリメントの対象が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額であるか否かを判定する。ここで、インクリメントの対象が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額である場合(S132:YES)には、S137に進む。
【0098】
S137では、ゲームサーバー302は、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当選額として扱う。その後は、下記S136に進む。
【0099】
一方、上記S132において、インクリメントの対象が特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額でない場合(S132:NO)には、S133に進む。
【0100】
S133では、ゲームサーバー302は、N番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当選額とする。このNは、変数であり、初期値は「1」である。その後は、S134に進む。但し、N番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上記S102の増額処理におけるインクリメントの対象である場合には、ゲームサーバー302は、下記S134,S135,S136の各処理を無視する。
【0101】
S134では、ゲームサーバー302は、変数Nに「1」を加算する。その後は、S135に進む。S135では、ゲームサーバー302は、変数Nが「4」に等しいか否かを判定する。ここで、変数Nが「4」に等しくない場合(S135:NO)には、下記S138に進む。一方、変数Nが「4」に等しい場合(S135:YES)には、S136に進む。S136では、ゲームサーバー302は、変数Nに「1」を代入する。その後は、S138に進む。
【0102】
S138では、ゲームサーバー302は、各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額を取得する。具体的に言えば、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が新たに設けられていない場合には、1番目〜3番目の各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額がそれぞれ取得される。これに対し、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が新たに設けられている場合には、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額のみが取得される。その後は、S139に進む。
【0103】
S139では、ゲームサーバー302は、情報作成処理を行う。この情報作成処理では、上述したプログレッシブ情報が作成される。このとき、ゲームサーバー302は、そのプログレッシブ情報に、上記S138で取得されたプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字と、そのプログレッシブ・ジャックポットを特定できる情報とを含ませる。また、ゲームサーバー302は、上記S103でプログレッシブ・ジャックポットが当たっていれば、上記S101で判断の対象となったインクリメント情報を送信したゲーミングマシン1に対して返信するプログレッシブ情報に、プログレッシブ・ジャックポットが当たった旨を通知するデータや、上記S133又は上記S137の当選額の数字、当たったプログレッシブ・ジャックポットを特定できる情報等を含ませる。その後は、S140に進む。
【0104】
S140では、ゲームサーバー302は、情報送信処理を行う。この情報送信処理では、ゲームサーバー302は、ネットワーク網401を介して接続されている各ゲーミングマシン1に対し、上記S139で作成したプログレッシブ情報を送信する。その後は、上記図10のS105に進む。
【0105】
図10に戻り、S105では、ゲームサーバー302は、プログレッシブ・ジャックポットが当たったか否かを判定する。この判定は、上記S103の処理結果に基づく。ここで、プログレッシブ・ジャックポットが当たっていない場合(S105:NO)には、この図10に示す制御プログラムを再びS101から実行する。一方、プログレッシブ・ジャックポットが当たった場合(S105:YES)には、S106に進む。
【0106】
S106では、ゲームサーバー302は、賞金額リセット処理を行う。この賞金額リセット処理では、ゲームサーバー302は、上記S133又は上記S137で当選額として扱われたプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を「0」にリセットする。さらに、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が上記S137で当選額として扱われた場合には、特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額そのものを消滅させる。その後は、この図10に示す制御プログラムを再びS101から実行する。
【0107】
次に、上記図10のS23であるプログレッシブ表示処理について説明する。このプログレッシブ表示処理は、各ゲーミングマシン1において、メインCPU32によって実行される。図13は、各ゲーミングマシン1におけるプログレッシブ表示処理プログラムのフローチャートである。尚、図13にS31〜S35で示す各プログラムは、各ゲーミングマシン1が備えているROM34やRAM33に記憶されており、メインCPU32により実行される。
【0108】
メインCPU32は、上記図10のS23であるプログレッシブ表示処理を実行する際には、先ず、図13のS31において、特別のプログレッシブ・ジャックポットが新たに設けられているか否かを判定する。この判定は、ゲームサーバー302から受信したプログレッシブ情報に基づく。そのプログレッシブ情報に特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が含まれていない場合には、特別のプログレッシブ・ジャックポットが新たに設けられていないので(S31:NO)、下記S33に進む。一方、そのプログレッシブ情報に特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が含まれている場合には、特別のプログレッシブ・ジャックポットが新たに設けられているので(S31:YES)、S32に進む。
【0109】
S32では、メインCPU32は、第1賞金額表示部処理を行う。この第1賞金額表示部処理では、メインCPU32は、制御信号を副制御基板72に送信することにより、上記図1の4段目に示された液晶パネル5Bのようにして、その画面W1に賞金額表示部6Dを表示させるとともに、その画面W2に「Special Progressive!!」のメッセージを一時的に表示させる。その後は、S33に進む。
【0110】
S33では、メインCPU32は、特別のプログレッシブ・ジャックポットが当たったか否かを判定する。この判定も、ゲームサーバー302から受信したプログレッシブ情報に基づく。ここで、特別のプログレッシブ・ジャックポットが当たっていない場合(S33:NO)には、下記S35に進む。一方、特別のプログレッシブ・ジャックポットが当たった場合(S33:YES)には、S34に進む。
【0111】
S34では、メインCPU32は、第2賞金額表示部処理を行う。この第2賞金額表示部処理では、メインCPU32は、制御信号を副制御基板72に送信することにより、上記図1の1段目〜3段目に示された液晶パネル5Bのようにして、その画面W1に各賞金額表示部6A,6B,6Cを表示させる。尚、この表示状態は、初期設定されているものである。その後は、S35に進む。
【0112】
S35では、メインCPU32は、プログレッシブ表示処理を行う。このプログレッシブ表示では、メインCPU32は、制御信号を副制御基板72に送信することにより、ゲームサーバー302から受信したプログレッシブ情報に含まれているプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字を表示させる。
【0113】
例えば、そのプログレッシブ情報に特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が含まれている場合には、その数字が液晶パネル5Bの画面W1の賞金額表示部6Dに表示される。一方、そのプログレッシブ情報に第1番目〜第3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字がそれぞれ含まれている場合には、以下のようにされる。すなわち、第1番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が液晶パネル5Bの画面W1の賞金額表示部6Aに表示される。また、第2番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が液晶パネル5Bの画面W1の賞金額表示部6Bに表示される。さらに、第3番目のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額の数字が液晶パネル5Bの画面W1の賞金額表示部6Cに表示される。
【0114】
さらに、各ゲーミングマシン1では、メインCPU32は、上記S13のゲーム処理を実行した後の時点P2において、図14に示すS41〜S42の各処理を行う。そこで、S41〜S42の各処理について図14に基づき説明する。尚、図14にS41〜S42で示す各プログラムは、各ゲーミングマシン1が備えているROM34やRAM33に記憶されており、メインCPU32により実行される。
【0115】
すなわち、メインCPU32は、上記S13のゲーム処理を実行した後、図14に示すS41に進む。
【0116】
S41では、メインCPU32は、プログレッシブ・ジャックポットに当たったか否かを判定する。この判定は、ゲームサーバー302から受信したプログレッシブ情報に基づく。ここで、プログレッシブ・ジャックポットに当たっていない場合(S41:NO)には、上記図9のメイン遊技処理に戻る。一方、プログレッシブ・ジャックポットに当たった場合(S41:YES)には、S42に進む。
【0117】
S42では、メインCPU32は、払出処理を行う。この払出処理では、メインCPU32は、ゲームサーバー302から受信したプログレッシブ情報に含まれているプログレッシブ・ジャックポットの賞金額のうち、当選額とされた賞金額をプレイヤーに付与する。さらに、メインCPU32は、制御信号を副制御基板72に送信することにより、液晶パネル5Bの画面W2に「WIN Progressive!!」のメッセージを一時的に表示させる。その後、メインCPU32は、上記図9のメイン遊技処理に戻る。
【0118】
一方、ゲームサーバー302では、上記図10のS101の判定処理を実行する直前の時点Q1において、図15に示すS151〜S152の各処理を行う。尚、図15にS151〜S152で示す各プログラムは、ゲームサーバー302に記憶されており、ゲームサーバー302により実行される。
【0119】
先ず、ゲームサーバー302は、S151において、設定があるか否かを判定する。この設定とは、ディップスイッチ304による数字の設定を意味する。従って、ディップスイッチ304による数字の設定がない場合(S151:NO)には、上記図10のS101の判定処理に進む。一方、ディップスイッチ304による額の設定がある場合(S151:YES)には、S152に進む。
【0120】
S152では、ゲームサーバー302は、上限額設定処理を行う。この上限額設定処理では、ゲームサーバー302は、ディップスイッチ304で設定された数字を上限額として使用する。その後は、上記図10のS101の判定処理に進む。
【0121】
[9.その他]
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態のゲーミングシステム301においては、4番目以降のプログレッシブ・ジャックポットがある場合でもよい。
【0122】
また、本実施の形態のゲーミングシステム301を、所定数のゲーミングマシン1で構成される複数のグループに分けてもよい。この場合には、ゲームサーバー302は、それぞれのグループ毎でプログレッシブ・ジャックポットを管理する。
【0123】
また、本実施の形態のゲーミングシステム301は、一つの遊技場内で構築される所謂「リンクドプログレッシブ」に対応できるだけでなく、複数の遊技場間で構築される所謂「ワイドエリアプログレッシブ」にも対応することができる。
【0124】
また、ネットワーク網401に接続されている各ゲーミングマシン1のいずれかで、ゲームサーバー302を代用させてもよい。
【0125】
また、各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額がインクリメントされ支払われる上記制御技術は、各ゲーミングマシン1がそれぞれ単独で管理するプログレッシブ・ジャックポット(所謂「スタンドアロン」)にも対応することができる。
【0126】
また、各プログレッシブ・ジャックポットの賞金額については、それらの大きさがグラフ状に表示されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の一実施形態であるゲーミングシステムの特徴を示す図である。
【図2】同ゲーミングシステムを示したシステムブロック図である。
【図3】各ゲーミングマシンの外観斜視図である。
【図4】各ゲーミングマシン全体の内部構成を示したブロック図である。
【図5】副制御基板の内部構成を示したブロック図である。
【図6】液晶パネルに表示される画像の一例を示した図である。
【図7】液晶パネルに表示される画像の一例を示した図である。
【図8】メイン制御プログラムのフローチャートである。
【図9】メイン遊技処理プログラムのフローチャートである。
【図10】各ゲーミングマシンとゲームサーバーとの間で実行される制御プログラムのフローチャートである。
【図11】サーバーで実行される制御プログラムのフローチャートである。
【図12】サーバーで実行される制御プログラムのフローチャートである。
【図13】各ゲーミングマシンで実行される制御プログラムのフローチャートである。
【図14】各ゲーミングマシンで実行される制御プログラムのフローチャートである。
【図15】サーバーで実行される制御プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
1 ゲーミングマシン
5B 液晶パネル
6A,6B,6C 賞金額表示部
6D 賞金額表示部
11 操作ボタン
32 メインCPU
33 RAM
34 ROM
301 ゲーミングシステム
302 ゲームサーバー
W1,W2 液晶パネルの画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーミングマシンであって、以下のものによって構成される。
上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットと、
ゲームに対するベット操作を行うための操作部と、
以下の各動作が行われるようにプログラムされたプロセッサ。
(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、
(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、
(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、
(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b)プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選した場合には、
(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、
(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与する。
【請求項2】
請求項1に記載するゲーミングマシンであって、
所望額を設定することが可能な設定装置を備え、
前記プロセッサは、前記(a)の各動作を行うに際し、
(1)前記設定装置で所望額が設定された場合には、当該所望額を前記上限額として扱う。
【請求項3】
請求項1に記載するゲーミングマシンであって、
前記プロセッサは、以下の各動作が行われるようにプログラムされ、
(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、
(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、
(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、
(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選したときに、
(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与する。
【請求項4】
ゲーミングマシンであって、以下のものによって構成される。
上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットと、
ゲームに対するベット操作を行うための操作部と、
所望額を設定することが可能な設定装置と、
以下の各動作が行われるようにプログラムされたプロセッサ。
(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、
(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、
(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、
(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b)プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選した場合には、
(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、
(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与するが、
(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、
(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、
(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、
(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、プログレッシブ・ジャックポットにプレイヤが当選したときに、
(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該プレイヤに付与し、また、
(c)前記設定装置で所望額が設定された場合には、前記(a)や前記(a′)の各動作を行う際に、当該所望額を前記上限額として扱う。
【請求項5】
ゲーミングシステムであって、以下のものによって構成される。
ゲームに対するベット操作を行うための操作部をそれぞれ有する複数のゲーミングマシンと、
上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットを前記複数のゲーミングマシンに共有させ、以下の各動作が行われるようにプログラムされたサーバー。
(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、
(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、
(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、
(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b)前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選した場合には、
(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、
(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与する。
【請求項6】
請求項5に記載するゲーミングシステムであって、
所望額を設定することが可能な設定装置を前記サーバーに備え、
前記サーバーは、前記(a)の各動作を行うに際し、
(1)前記設定装置で所望額が設定された場合には、当該所望額を前記上限額として扱う。
【請求項7】
請求項5に記載するゲーミングマシンであって、
前記サーバーは、以下の各動作が行われるようにプログラムされ、
(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、
(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、
(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、
(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選したときに、
(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与する。
【請求項8】
ゲーミングシステムであって、以下のものによって構成される。
ゲームに対するベット操作を行うための操作部をそれぞれ有する複数のゲーミングマシンと、
所望額を設定することが可能な設定装置を備え、上限額で制限された賞金額をそれぞれ有するとともに順番がそれぞれに附された複数のプログレッシブ・ジャックポットを前記複数のゲーミングマシンに共有させ、以下の各動作が行われるようにプログラムされたサーバー。
(a)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、
(a−1)当該インクリメントの対象であるプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記上限額までとし、
(a−2)前記上限額を超えた超過分があれば、当該超過分を次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額に算入し、
(a−3)当該次の順番のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b)前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選した場合には、
(b−1)前記複数のプログレッシブ・ジャックポットのうち何れか一つの賞金額を前記順番に従って選択し、
(b−2)当該選択対象のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与するが、
(a′)当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を、前記上限額になるまで、前記複数のゲーミングマシンにおける前記操作部によって賭けられたベット数に応じてインクリメントを繰り返す場合には、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が前記上限額以上になろうとするときに、当該インクリメントの対象である最後のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を除いて、1つ以上のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額が保留されていることを条件として、
(a′−1)前記上限額の制限から外れた特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を創設し、
(a′−2)全てのプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額として扱い、
(a′−3)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を以後のインクリメントの対象とし、さらに、
(b′)前記(a′)の各動作が行われた場合には、前記複数のゲーミングマシンの何れか一つがプログレッシブ・ジャックポットに当選したときに、
(b′−1)前記特別のプログレッシブ・ジャックポットの賞金額を当該当選対象のゲーミングマシンに付与し、また、
(c)前記設定装置で所望額が設定された場合には、前記(a)や前記(a′)の各動作を行う際に、当該所望額を前記上限額として扱う。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−165802(P2009−165802A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65128(P2008−65128)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】