ゲーミングマシン及びゲーミングマシンの制御方法
【課題】 本発明は、技術介入性のあるスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つことが可能なゲーミングマシン及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データからスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定してディスプレイに表示し、センサにより検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、ディスプレイ上での第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定し、
決定された速度及び移動方向に従って移動する第1オブジェクトとの接触によって移動された第2オブジェクトの移動結果が、配当スポットに内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された配当データをメモリから読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する。
【解決手段】 メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データからスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定してディスプレイに表示し、センサにより検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、ディスプレイ上での第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定し、
決定された速度及び移動方向に従って移動する第1オブジェクトとの接触によって移動された第2オブジェクトの移動結果が、配当スポットに内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された配当データをメモリから読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤの技術によって変化を伴うスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つゲーミングマシン及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6270409号明細書、米国特許第5770533号明細書、米国特許第5836817号明細書及び、日本特許出願公開第2005-205236号明細書に記載されているような、スロットマシン等のゲーミングマシンが設置された施設においては、プレーヤは、コインやクレジット等をゲーミングマシンにおいてBETすることにより、そのゲーミングマシンが提供するゲームで遊技を行うことができる。
【0003】
例えば、スロットマシンは、プレーヤがスロットマシンにおいて賭け量をBETして、スタートスイッチを押す毎に、ディスプレイに配置された複数のシンボルが再配置されるスロットゲームを実行する。そして、スロットマシンは、ディスプレイに再配置されたシンボルが所定数のスキャッタシンボルを含んでいたり、ペイライン上に所定のウィニングコンビネーションが成立した場合に、その内容に応じた賞が与えられる。
【0004】
更に、上記したスロットマシンに代表されるゲーミングマシンでは、所定の条件が成立した際にスペシャルゲームが行われる。スペシャルゲームは多くの場合、賭け量のBETなしに実行できるフリーゲームであり、フューチャーゲームとも言われる。このフリーゲ―ムに代表されるスペシャルゲームでは、多くの賞を与えられるチャンスがある。
【0005】
しかしながら、プレーヤの技術によって変化を伴うスペシャルゲームでは、プレーヤの能力や技術によって賞の大きさが変化するため、プレーヤに与える賞を公平に保つことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6270409号
【特許文献2】米国特許第5770533号
【特許文献3】米国特許第5836817号
【特許文献4】日本特許出願公開第2005-205236号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、技術介入性のあるスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つことが可能なゲーミングマシン及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、下記の構成を備えるゲーミングマシンである。(1)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、第1オブジェクトと当該第1のオブジェクトを接触させることによって移動する第2オブジェクトと、配当スポットとが表示され、前記第2のオブジェクトが移動した結果、前記配当スポットのエリア内外に前記第2のオブジェクトが位置するか否かで賞の大きさを示すスペシャルゲームを表示するディスプレイと、(2)前記配当スポットのエリア面積の異なる複数種類の画像データ、前記第1オブジェクト及び第2のオブジェクトの画像データ、ペイアウトに関連する過去のゲーム結果データ、及び、ペイアウトに関連する比較元データ、並びに、前記配当スポットごとに配当量又は配当倍率を設定するための配当データを記憶するメモリと、(3)該ディスプレイ上で前記第1オブジェクトを操作するプレーヤの入力動作を検出するセンサと、(4)コントローラと、を備え、前記コントローラは、下記の処理をするよう構成されている。(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動する処理と、(b)前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定する処理と、(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出して前記ディスプレイに表示する処理と、(d)前記センサにより検出した前記入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定する処理と、(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された前記配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する処理と、を含む。
【0009】
本発明によれば、プレーヤの第1のオブジェクトの操作によってスペシャルゲームでの配当量が決定するが、比較元データと過去のゲーム結果を参照して配当量の決定に係る配当スポットのサイズを変更することで、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記コントローラは、前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定する処理と、当該決定結果に応じて、前記(b)の処理を実行する処理と、を含む。
【0011】
本発明によれば、第1のオブジェクト又は第2のオブジェクトの大きさを変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記コントローラは、前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定する処理と、当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)の処理を実行する処理と、を含む。
【0013】
本発明によれば、配当スポットの数を変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記コントローラは、前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定する処理と、当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加する処理と、当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)の処理を実行する処理と、を含む。
【0015】
本発明によれば、比較元データと過去のゲーム結果を参照して第2オブジェクトに予定払出量を対応づけて重畳表示する。これにより、容易に予定払出量を払出す事が出来る。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記(3)のセンサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【0017】
本発明によれば、タッチパネルでプレーヤの操作を受け付けるため、第1のオブジェクトをプレーヤの思い通りに移動させることが出来る。
【0018】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法は、(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動するステップと、(b)メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定するステップと、(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、前記(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出してディスプレイに表示するステップと、(d)センサにより検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定するステップと、(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて当該スペシャルゲームにおける配当を提供するステップと、を含む。
【0019】
本発明によれば、プレーヤの第1のオブジェクトの操作によってスペシャルゲームでの配当量が決定するが、比較元データと過去のゲーム結果を参照して配当量の決定に係る配当スポットのサイズを変更することで、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定するステップと、 当該決定結果に応じて、前記(b)を実行するステップと、を更に含む。
【0021】
本発明によれば、本発明によれば、第1のオブジェクト又は第2のオブジェクトの大きさを変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって、前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定するステップと、当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)を実行するステップと、を含む。
【0023】
本発明によれば、配当スポットの数を変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって、前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定するステップと、当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加するステップと、当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)のステップを実行するステップと、を更に含む。
【0025】
本発明によれば、比較元データと過去のゲーム結果を参照して第2オブジェクトに予定払出量を対応づけて重畳表示する。これにより、容易に予定払出量を払出す事が出来る。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって、前記センサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【0027】
本発明によれば、タッチパネルでプレーヤの操作を受け付けるため、第1のオブジェクトをプレーヤの思い通りに移動させることが出来る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば技術介入性のあるスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つことが可能なゲーミングマシン及びその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態に係るスロットマシンのスペシャルゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図2】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイの表示例を示す説明図である。
【図3】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに設けられるマトリクス状の区画領域を示す説明図である。
【図4】第1実施形態に係るゲーミングマシンの外観を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るスロットマシンの制御回路を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係るスロットマシンのスロットゲーム処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスロットゲームの表示例を示す説明図である。
【図8】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスロットゲームの表示例を示す説明図である。
【図9】第1実施形態に係るスロットマシンのスペシャルゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図11】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図12】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図13】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図14】第1オブジェクトがディスプレイ上で進行する移動方向を決定する事を説明する説明図である。
【図15】スロットマシンの第1オブジェクトの速度の決定に用いられるグラフである。
【図16】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図17】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図18】第2実施形態に係るスロットマシンのスペシャルゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図20】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図21】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図22】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図23】その他の実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図24】その他の実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンについて、図面に基づいて説明する。図1は、スペシャルゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0031】
はじめに、本実施形態のゲーミングマシン1に備えられるCPU106は、スペシャルゲームを発動した場合、全スペシャルゲームで与える賞の比較元データである予定全払出量を決定する(ステップS1)。そして、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較する(ステップS2)。スペシャルゲームは複数回(ここでは10回)のゲームからなっており、予定全払出量は全スペシャルゲームを行って払い出される払出量を示している。また過去のスペシャルゲームの払出量は、これまでのスペシャルゲーム中で払出された払出量を示している。例えば6回目のスペシャルゲームが行われる場合は5回目のスペシャルゲームが終了するまでに払出された払出量である。予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較することで、プレーヤがスペシャルゲームを最後まで行った結果、予定全払出量と同量の賞の払出を受けることが出来るか判断できる。
【0032】
次に、CPU106は今回のスペシャルゲームの予定払出量を決定する(ステップS3)。ここでは、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量との比較結果に応じて予定払出量を決定する。
【0033】
次に、CPU106は予定払出量に基づいて配当スポットを決定する(ステップS4)。ここでは例えば配当スポットのサイズや配当スポットに対応する配当量等を決定する。
【0034】
次に、CPU106は、予定払出量に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの大きさを決定する(ステップS5)。そして、ステップS4とステップS5で決定した配当スポット、第1オブジェクト、第2オブジェクトに基づいてスペシャルゲーム画面を表示する(ステップS6)。
【0035】
次に、CPU106は、センサ17(タッチパネル)によりプレーヤの第1オブジェクトを移動させる入力動作を検出する(ステップS7)。そして、入力動作に基づいて、第1オブジェクトの移動速度と方向を決定する(ステップS8)。
【0036】
次にCPU106は、ステップS8の決定に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの移動表示を行う(ステップS9)。そして第2オブジェクトの移動結果が賞に該当する場合は、賞の払出量を決定する(ステップS10、ステップS11)。そして、スペシャルゲームを全て行うと、スペシャルゲーム実行処理を終了する。
【0037】
図2は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンの一例であるスロットマシンのディスプレイに表示される表示例を示す説明図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに設けられるマトリクス状の区画領域を示す説明図である。発明の一例に係る図4のスロットマシン10では、単位ゲームが行われる毎に、上述した図3の各区画領域q11〜q53に図2に示すように配置されたシンボルが再配置される。この単位ゲームは、例えば、液晶パネルの表示によって、ディスプレイ16の表示領域q11〜q53に回転表示、及び停止表示させることによって実行することができる。
【0038】
ディスプレイ16で表示されるシンボルには、例えば、「A(カードのエース)」、「K(カードのキング)」、「Q(カードのクイーン)」、「J(カードのジャック)」、「10(カードの10)」、「アンブレラ」、「稲妻」、「雲」、「スペシャル(男性の顔)」の9種類のシンボルが含まれている。
【0039】
そして、単位ゲームにおいて各区画領域q11〜q53にそれぞれシンボルが再配置されると、予め定められた配当テーブルのルールにしたがってクレジットの賞が決定され、決定された賞のクレジットのペイアウトが行われる。その後、次の単位ゲームの開始により、各区画領域q11〜q53のシンボルが再配置される。
【0040】
次に、本実施形態における各ゲーミングマシン1の構成について説明する。図4は、ゲーミングマシンの外観を示す斜視図である。
【0041】
本実施形態のスロットマシン10では、図2に示すように、区画領域q11〜q53にシンボルを再配置することで、1回のスロットゲーム(単位ゲーム)が実行される。このスロットゲームは、通常は、ゲーム媒体による賭け量をBETすることにより実行可能となるが、後述するように、所定条件の成立に伴って実行されるスペシャルゲーム(フリーゲーム)の期間中は、賭け量をBETすることなくスロットゲームを実行することができる。
【0042】
このスペシャルゲーム中には、ディスプレイ16に、図10に示すように、一例として、第1オブジェクト50、第2オブジェクト51a〜51c、及び配当スポット53a、53bが表示される。
【0043】
なお、本実施形態では、スロットゲームを実行する際(但し、フリーゲーム期間中を除く)に用いるゲーム媒体としてメダルを例に挙げているが、スロットゲーム用の媒体は、メダルに限るものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、或いはこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)を挙げることができる。
【0044】
ディスプレイ16の下方には、プレーヤによって遊技進行に係る指示が入力される各種の入力ボタン23〜27と、コインを受け入れるコインアクセプタ21と、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣を受け入れるための紙幣識別器22とが設けられている。なお、紙幣識別器22は、バーコード付チケット39を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0045】
また、このメダル投入口21、紙幣識別器22の近傍には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとして、ペイアウトスイッチ23と、MAXBET(マックスBET)スイッチ24と、BET(BET)スイッチ25と、スピンリピートBETスイッチ26と、スタートスイッチ27とが設けられている。
【0046】
BETスイッチ25は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームに対して、BETするクレジット数を決定するためのスイッチであり、後述するように、BETスイッチ25を押す毎に、メダル1枚分のクレジットがBETされる。
【0047】
スピンリピートBETスイッチ26は、前回のゲームにおいて、上記したBETスイッチ25でBETしたクレジットの数を変更せずに、再度クレジットをBETし、スロットゲームを行うためのスイッチである。
【0048】
スタートスイッチ27は、所望の数のクレジットがBETされた後に、スロットゲームを開始するためのスイッチである。メダル投入口21にメダルが投入されるか、或いはBETスイッチ25によりクレジットがBETされた後に、このスタートスイッチ27が押されると、ディスプレイ16においてスロットゲームが開始される。
【0049】
ペイアウトスイッチ23は、投入されているメダルを払い出すためのスイッチであり、払い出されるメダルは、メインドア13の正面下部に開口されたメダル払い出し口19から排出され、この払い出されたメダルは、メダルトレイ18に蓄積される。
【0050】
MAXBETスイッチ24は、1回のスロットゲームでBET可能なクレジットの最大数(例えば、メダル30枚分)を、1回の操作でBETするためのスイッチである。
【0051】
メインドア13の下部前面には、フットディスプレイ34が設けられていて、実行中のゲームソフトウェアに含まれる画像表示制御データに基づいて、所定の画面を表示する。
【0052】
トップボックス12の前面には、アッパーディスプレイ33が設けられている。アッパーディスプレイ33は、液晶パネルを備えていて、配当表等の表示が行われる。
【0053】
また、トップボックス12には、スピーカ29が設けられている。アッパーディスプレイ33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データディスプレイ37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数、日時、スロットマシン10の識別番号等の各データがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。
【0054】
プレーヤは、バーコード付チケット39を他のスロットマシンに読み取らせて、そのスロットマシンでスロットゲームを行う際の賭け量として使用したり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0055】
カードリーダ36は、スマートカードを挿入可能であり、挿入されたスマートカードからのデータの読み取り、及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、プレーヤが携行するカードであり、プレーヤを識別するためのデータ、プレーヤが行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。
【0056】
スマートカードには、コイン、紙幣、或いはクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。また、スマートカードに代えて、磁気ストライプカードを採用してもよい。データディスプレイ37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレーヤによってキーパッド38を介して入力されたデータを表示するものである。
【0057】
また、スマートカードに代えて、RFID方式を採用し、非接触でデータの読み書きが可能なカードを用いることとしてもよい。キーパッド38は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0058】
図5は、本実施形態に係るスロットマシンの制御回路を示すブロック図である。図中に示すマシンコントローラ40は、マイクロコンピュータであり、インターフェイス回路群102と、入出力バス104と、CPU106と、ROM108と、RAM110と、通信用インターフェイス回路111と、乱数発生器112と、外部記憶装置113と、スピーカ駆動回路122と、ホッパー駆動回路124と、表示駆動回路128と、表示コントローラ140、141とを備えている。
【0059】
インターフェイス回路群102は、入出力バス104に接続されており、この入出力バス104は、CPU106に対するデータ信号、或いはアドレス信号の入出力を行う。
【0060】
インターフェイス回路群102には、スタートスイッチ27が接続されている。このスタートスイッチ27から出力された始動信号は、インターフェイス回路群102において所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0061】
更に、インターフェイス回路群102には、BETスイッチ25と、MAXBETスイッチ24と、スピンリピートBETスイッチ26、及び、ペイアウトスイッチ23が接続される。そして、これらの各スイッチ25、24、26、23より出力される各スイッチング信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102にて所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0062】
加えて、インターフェイス回路群102には、メダルセンサ43及びセンサ17が接続されている。メダルセンサ43は、メダル投入口21に投入されたメダルを検出するためのセンサであって、メダル投入口21のメダル投入部位に設けられている。センサ17は、プレーヤの入力動作を検出するためのセンサであって、ディスプレイ16に組み込まれて設けられている。このメダルセンサ43及びセンサ17より出力される検出信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0063】
入出力バス104には、システムプログラムが格納されるROM108、及び各種のデータを保存するためのRAM110が接続されている。
【0064】
ROM108には、配当テーブルが記憶されている。配当テーブルは、配当を発生させるための条件と、この条件が満たされる場合におけるクレジットの配当数との対応関係を示す。配当を発生させるための条件は、ディスプレイ16の区画領域q11〜q53に再配置されたシンボルの内容によって定められる。配当を発生させる対象となるシンボルの再配置内容は、スロットゲームにおいて再配置されたスキャッタシンボルの個数や、区画領域q11〜q53に設定されるペイライン上に成立したウィニングコンビネーションのパターンによって定めることができる。本実施形態のスロットゲームにおいて、CPU106は、配当テーブルと、区画領域q11〜q53の各々に停止したシンボルとに基づいて、配当を発生させるか否か(クレジットのペイアウトを行うか否か)、及び、クレジットの配当数(ペイアウトするクレジットの数)を決定する。
【0065】
メモリとしてのRAM110には、フラグを管理したり各種情報を記憶させたりするためのエリア等が設けられている。このRAM110には、各種画像、比較元データである予定全払出量、予定払出量、過去のゲーム結果データ記憶されている。また、大きさが異なる第1オブジェクト、第2オブジェクト、配当スポットや、これらに対応する配当量が記憶されている。
【0066】
コントローラとしてのCPU106は、スタートスイッチ27によりゲームのスタート操作が受け付けられたことを契機として、ROM108からゲーム実行プログラムを読み出してスロットゲームを実行する。
【0067】
即ち、ゲーム実行プログラムにおいては、スロットゲームを実行するプログラムとして、ディスプレイ16の各区画領域q11〜q53で同時にシンボルを変動表示させ、その後、シンボルを停止させ、配当を発生させる対象となる内容でシンボルが再配置されたときに、ROM108に記憶された配当テーブルに基づいた配当数のクレジットをペイアウトするスロットゲームを実行するようにプログラミングされている。
【0068】
更に、入出力バス104には、乱数発生器112と、通信用インターフェイス回路111と、外部記憶装置113、表示コントローラ140、141と、ホッパー駆動回路124と、スピーカ駆動回路122と、表示駆動回路128とが接続されている。
【0069】
通信用インターフェイス回路111は、ホールサーバ等と接続され、本スロットマシン10で実行したプレイ履歴のデータ等をホールサーバに送信する。また、ホールサーバより送信される各種のデータを受信する。
【0070】
乱数発生器112は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームにおいて、入賞組み合わせやジャックポットを発生させるか否かを決めるための乱数を発生させる。
【0071】
外部記憶装置113は、所定条件の成立によってスペシャルゲームとして実行されるゲームに関して、第2オブジェクト51a〜51cの移動結果とプレーヤに払い出す賞との対応関係を記憶する。
【0072】
また、外部記憶装置113は、スペシャルゲームにおける第1オブジェクト50、第2オブジュクト51a〜51c、及び配当スポット53a、53bのディスプレイ16上での配置を決定する複数の配置パターンを記憶する。
【0073】
また、外部記憶装置113は、プレーヤの入力動作に応じて選択され、スペシャルゲームにおける第1オブジェクト50の速度及び移動方向を決定する複数の移動パターンを記憶する。
【0074】
表示駆動回路128は、ディスプレイ16の左下の領域に設定されたペイアウト数区画領域48に、ペイアウト数を表示する制御を行う。
【0075】
スピーカ駆動回路122は、スピーカ29に音声データを出力する。即ち、CPU106は、ROM108に記憶されている音声データを読み出し、入出力バス104を介して、この音声データをスピーカ駆動回路122に送信する。これにより、スピーカ29から所定の効果音が発せられる。
【0076】
ホッパー駆動回路124は、ペイアウトが発生したときに、ホッパー44にペイアウト信号を出力する。即ち、ペイアウトスイッチ23より、ペイアウト信号が入力されると、CPU106は、駆動信号を入出力バス104を介して、ホッパー駆動回路124に出力する。これにより、ホッパー44は、RAM110の所定のメモリ額域に記憶されたその時点におけるクレジットの残数分に相当するメダルを払い出す。
【0077】
表示コントローラ140は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてディスプレイ16を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をディスプレイ16に出力する。
【0078】
また、表示コントローラ140は、スペシャルゲーム中に、ディスプレイ16に図10に示すような、第1オブジェクト50、第2オブジェクト51a〜51c、及び配当スポット53a、53bを表示させる表示制御を行う。即ち、CPU106は、スペシャルゲーム中に、ディスプレイ16に図10に示すような画像を表示させるための画像表示命令の信号を生成し、入出力バス104を介して、この画像表示命令の信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてディスプレイ16を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をディスプレイ16に出力する。これにより、ディスプレイ16上には、スペシャルゲーム中において、図10に示すような画像が表示される。
【0079】
表示コントローラ141は、フットディスプレイ34にて、所定の画面を表示する制御を行う。即ち、CPU106は、所定の画面に応じた画像表示命令の信号を生成し、入出力バス104を介して、この画像表示命令の信号を表示コントローラ141に出力する。表示コントローラ141は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてフットディスプレイ34を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をフットディスプレイ34に出力する。これにより、フットディスプレイ34上には、所定の画面が表示される。この表示は、静止画又は動画によって行うことができる。
【0080】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るスロットマシン10の動作について説明する。図6は、図5に示すCPU106がROM108に格納されたゲーム実行プログラムにしたがって行う、スロットゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0081】
まず、CPU106は、図6に示すスロットゲーム処理に入ると、クレジットがBETされたか否かを判断する(ステップS11)。この処理において、CPU106は、BETスイッチ25が押された際に該BETスイッチ25から出力される信号、またはMAXBETスイッチ24が押された際に該MAXBETスイッチ24から出力される信号を受信したか否かを判断する。クレジットがBETされていないと判断した場合には(ステップS11でNO)、ステップS11に処理を戻す。
【0082】
一方、ステップS11において、クレジットがBETされたと判断した場合には(ステップS11でYES)、CPU106は、BETされたクレジット数に応じて、RAM110に記憶されたクレジット数を減算する(ステップS12)。
【0083】
次に、CPU106は、スタートスイッチ27が押されたか否かを判断する。この処理において、CPU106は、スタートスイッチ27が押された際に、該スタートスイッチ27から出力される信号を受信したか否かを判断する(ステップS13)。
【0084】
CPU106は、スタートスイッチ27が押されていないと判断した場合には(ステップS13でNO)、ステップS11に処理を戻す。なお、スタートスイッチ27が押されなかった場合(例えば、スタートスイッチ27が押されずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、CPU106は、ステップS12におけるクレジット数の検算結果をキャンセルする。
【0085】
そして、ステップS13において、スタートスイッチ27が押圧操作されたと判断した場合には(ステップS13でYES)、CPU106は、BETされたクレジット数を配当コントローラ3に通知する(ステップS14)。これと共に、CPU106は、停止シンボルを決定する(ステップS15)。この停止シンボル決定処理において、CPU106は、ROM108に記憶されているゲーム実行プログラムの一つである停止シンボル決定プログラムを実行することにより、各表示領域q11〜q53に停止表示(再配置)されるシンボルを決定する。
【0086】
この停止シンボル決定処理によって、図3に示す第1〜第5のカラム上の各区画領域q11〜q53に再配置されるシンボルが、スロットマシン10では、図8に示す、「A(カードのエース)」、「K(カードのキング)」、「Q(カードのクイーン)」、「J(カードのジャック)」、「10(カードの10)」、「アンブレラ」、「稲妻」、「雲」、「スペシャル(男性の顔)」の9種類のシンボルのうちの一つに決定される。
【0087】
次に、CPU106は、シンボルの変動表示処理を行う(ステップS16)。この処理は、図7に示すように、各表示領域q11〜q53でシンボルの変動表示を開始した後、図8に示すように、各表示領域q11〜q53にシンボルを停止させる処理である。この変動表示の開始及び停止の処理により、各表示領域q11〜q53においてシンボルが再配置される。
【0088】
変動表示処理が終了すると、CPU106は、各区画領域q11〜q53に再配置されたシンボルに基づいて、入賞があったか否かを判断する(ステップS17)。すなわち、CPU106は、賞が発生する条件が満たされたか否かを判断する。このステップS17において、CPU106は、ROM108に記憶された配当テーブルを参照し、上述のステップS16において再配置されたシンボルの内容が、配当を発生させる対象として配当テーブルに定められているシンボルの再配置内容のいずれかに一致するか否かを判断する。
【0089】
そして、配当テーブルに定められているシンボルの再配置内容に一致する場合には(ステップS17でYES)、入賞が成立したものとして、そのシンボルの再配置内容に対応して設定されている配当数にクレジットの配当数を決定し、ステップS17から次のステップS18に移る。
【0090】
一方、上述のステップS17において再配置されたシンボルの内容が、配当テーブルに定められている配当発生対象となるシンボルの再配置内容のいずれとも一致しない場合(ステップS17でNO)、CPU106は、入賞が成立しなかったものとして、後述するステップS19に処理を移行する。
【0091】
次に、CPU106は、上述のステップS16における入賞の結果に応じたクレジットをペイアウトする払出処理を実行する。この払出処理において、CPU106は、上述のステップS17において発生したクレジットの配当数を、RAM110に記憶されているクレジット数に加算する(ステップS18)。
【0092】
次に、CPU106は、乱数発生器112が発生する乱数を用いて、スペシャルゲームを開始する所定条件の成立、非成立を決定する抽選を行う(ステップS19)。そして、CPU106は、抽選した結果が所定条件の成立であるか否かを判断する(ステップS20)。
【0093】
抽選の結果が所定条件の成立でない(非成立である)場合は(ステップS20でNO)、CPU106は上述のステップS11に戻り、次のスロットゲーム処理を実行する。抽選の結果が所定条件の成立である場合には(ステップS20でYES)、CPU106は、ステップS21において、図9に詳述するスペシャルゲーム実行処理を行った後、上述のステップS11に戻り、次のスロットゲーム処理を実行する。ここでは単位ゲームにおいて所定条件(スペシャルゲームトリガー)が成立した場合に、スペシャルゲームを発動する。
【0094】
図9を参照してスペシャルゲーム処理を説明する。はじめに、本実施形態のゲーミングマシン1に備えられるCPU106は、スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定する(ステップS31)。そして、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較する(ステップS32)。スペシャルゲームは複数回(ここでは10回)のゲームからなっており、予定全払出量は全スペシャルゲームを行って払い出される払出量を示している。また過去のスペシャルゲームの払出量は、これまでのスペシャルゲーム中で払出された払出量を示している。例えば6回目のスペシャルゲームが行われる場合は5回目のスペシャルゲームが終了するまでに払出された払出量である。予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較することで、プレーヤがスペシャルゲームを最後まで行った結果、予定全払出量と同量の賞の払出を受けることが出来るか判断できる。
【0095】
次に、CPU106は今回のスペシャルゲームの予定払出量を決定する(ステップS33)。ここでは、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量との比較結果に応じて予定払出量を決定する。具体的には、予定全払出量が1000枚、スペシャルゲーム回数が10回である場合は、各スペシャルゲームで100枚の払出を行えば、10回のスペシャルゲームが終了した時に1000枚の払出が出来る。よって1回目のスペシャルゲームでの予定払出量は100枚と決定される。しかし1回目にプレーヤの操作ミスで配当(過去のスペシャルゲームの払出量)が0枚であった場合は、2回目のスペシャルゲームの予定払出量を200枚に決定する。このように予定全払出量(予定払出量)、過去のスペシャルゲームの払出量を比較することで、全スペシャルゲームが終了した時のプレーヤ間の払出量の差を小さくすることが出来る。
【0096】
次に、CPU106は予定払出量に基づいて配当スポットを決定する(ステップS34)。ここでは例えば配当スポットのサイズや配当スポットに対応する配当量等を決定する。例えば、図10と図11に示すように、配当スポット53a,53bに配当量を設定したり、図10と図12に示すように配当スポット53a,53bの大きさを設定したりする。すなわちメモリであるRAM110に記憶した比較元データ(予定全払出量)と過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データからスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定する。
【0097】
次に、CPU106は、予定払出量に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの大きさを決定する(ステップS35)。ここでは、図10に示すように、過去のスペシャルゲームの払出量が多いため全スペシャルゲームが終了した時に予定全払出量以上の払出がされると判別した場合、次のスペシャルゲームで、第1オブジェクト50又は第2オブジェクト51a〜51cを小さく設定する。一方、図11に示すように、過去のスペシャルゲームの払出量が少ないため全スペシャルゲームが終了した時に予定全払出量の払出が行えないと判別した場合、次のスペシャルゲームで、第1オブジェクト50又は第2オブジェクト51a〜51cを大きく設定する。すなわち、RAM110に記憶した比較元データ(予定全払出量)と過去のゲーム結果データとに基づいて、ディスプレイ16に表示される、第1オブジェクト50及び第2オブジェクト51a〜51cの少なくともいずれかの画像の大きさを決定する。
【0098】
次に、CPU106はステップS34とステップS35で決定した配当スポット、第1オブジェクト、第2オブジェクトに基づいて図12に示すようにスペシャルゲーム画面を表示する(ステップS36)。すなわち、RAM110から第1のオブジェクト50と第2のオブジェクトcの画像データ並びに、ステップS34で決定した配当スポット53a,53bの画像データを読み出してディスプレイ16に表示する。
【0099】
次に、CPU106は、センサ17によりプレーヤの第1オブジェクトを移動させる入力動作を検出する(ステップS37)。そして、入力動作に基づいて、第1オブジェクトの移動速度と方向を決定する(ステップS38)。ここでは、センサ17により検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、ディスプレイ16上での第1オブジェクト50の速度及び移動方向を決定する。例えば、プレーヤの入力動作を検出するセンサ17は、ディスプレイ16に組み込んでタッチパネルとすることができる。プレーヤの入力動作を検出する装置がタッチパネルであれば、図13に示す矢印のような、ディスプレイ16の表示をプレーヤが触る動作がそのまま入力動作となるので、プレーヤはディスプレイ16の表示されたコイン及びボール等の第1オブジェクト50を直感的に換作することができる。例えば、図14に示した矢印のようなプレーヤの入力動作を検出した場合、図14と図15に示すように、入力始点であるA点から入力終点であるB点までの入力距離l及び入力に費やした入力時間tから入力速度1/tを求め、求められた入力速度に応じて、第1オブジェクト50がディスプレイ16上で進行する速度を決定する。また、入力始点であるA点から入力終点であるB点を結ぶ矢印方向に応じて、第1オブジェクト50がディスプレイ16上で進行する移動方向を決定する。
【0100】
次にCPU106は、ステップS8の決定に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの移動表示を行う(ステップS39)。図16と図17に示すように、第1オブジェクト50の移動表示後、第1オブジェクト50との接触によって、移動された第2オブジェクト51a〜51cの移動表示をディスプレイ16において表示する。そして第2オブジェクトの移動結果が賞に該当する場合は、賞の払出量を決定する(ステップS40、ステップS41)。ここでは、ステップS38で決定された速度及び移動方向に従って移動する第1オブジェクト50との接触によって移動された第2オブジェクト51a〜51cの移動結果が、配当スポット53a,53b内に位置する場合、該第2オブジェクト51a〜51cが投入された該配当スポット53aに設定された配当データ(100)をRAM110から読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する。賞を与える結果に該当するか否かは、例えば、第2オブジェクト51a〜51cのいずれかの移動結果が、配当スポット53a、53bに存在するか否かによって、判定することができる。ここでは第2オブジェクト51aが配当スポット53aに存在するため、配当スポット53aに対応する配当量100枚の配当が行われる。そして過去のスペシャルゲームの払出量に100が加えられる。
【0101】
そして、スペシャルゲームを全て行うと、スペシャルゲーム実行処理を終了する(ステップS42)。
【0102】
図18〜図22を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は、予定全払出量(予定払出量)と過去のスペシャルゲームの払出量を比較して、配当スポット数の変更や第2オブジェクト払出量の対応づけを行う点などで上述の第1実施形態と異なっている。以下、第2の実施形態の要部だけを図18〜図22を用いて説明する。
【0103】
はじめに、CPU106はステップS201〜ステップS203で、賞の予定全払出量の決定、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量の比較、今回のスペシャルゲームの予定払出量の決定を行う。このステップS201〜ステップS203の処理はステップS31〜ステップS33と略同様のため省略する。
【0104】
次にCPU106は、予定払出量に基づいて配当スポット数を決定する(ステップS204)。ここでは、RAM110に記憶した比較元データ(予定全払出量)と過去のゲーム結果データとに基づいて、スペシャルゲーム中にディスプレイ16に表示される配当スポットの数を決定する。例えば表示する配当スポットが1つの場合は、図19に示すように配当スポット54bが追加される。ここで、配当スポット54aは通常のスポットであり、配当スポット54bはマルチスポットである。通常のスポットである配当スポット54aは、第2オブジェクト52a、52bが投入されると、第2オブジェクト52a、52bに表示されている枚数分の賞を発生させる。それに対して、マルチスポットである配当スポット54bは、通常のスポットに投入されたときに発生する賞と異なり、配当倍率を変更して賞を発生させる。例えば、図19に示すように、配当スポット54bに「×5」が表示されている場合、通常のスポットに投入されたときに発生する賞の5倍の賞が発生することを意味している。つまり、配当スポット54bに第2オブジェクト52a、52bが投入されると、第2オブジェクト52a、52bに表示されている枚数分の賞の5倍分の賞が発生することになる。
【0105】
次にCPU106は、予定払出量を第2オブジェクトに設定し、第2オブジェクトの重畳表示データを作成する(ステップS205)。ここでは予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して、RAM110から読み出される第2のオブジェクト51a〜51cの画像データに付加する。そして、決定された予定払出量が付加された第2のオブジェクト51a〜51cの画像データに基づいて、予定払出量が第2のオブジェクト51a〜51cの画像に重畳表示する。ここでは図19に示すように決定した配当スポット、第1オブジェクト、第2オブジェクトに基づいてスペシャルゲーム画面を表示する。また、第2オブジェクト52aには100が重畳表示され、第2オブジェクト52bには予定払出量200が重畳表示されている。
【0106】
次に、CPU106はステップS206〜ステップS209でプレーヤの入力動作の検出、入力動作に基づく第1オブジェクトの速度及び方向の決定、第1オブジェクトと第2オブジェクトの移動表示を行う(図20、図21参照)。このステップS206〜ステップS209の処理はステップS36〜ステップS39と略同様のため省略する。
【0107】
次に、CPU106は、ステップS210とステップS211で第2オブジェクトの移動結果が賞に該当するか否かの判別、賞の払出量の決定を行う。ここでは図22に示すように、第1オブジェクト51bがマルチスポットである配当スポット54bに入っているため第1オブジェクト51bに対応する払出量200に配当スポット54bに対応する値「5」を乗算した1000枚の払出がされる。
【0108】
次に、CPU106は、スペシャルゲーム回数が所定回数であると判別したらスペシャルゲーム実行処理を終了する(ステップS212)。
【0109】
本実施形態によれば、プレーヤが所定回数のスペシャルゲームを実施しても予定全払出量の配当を受けられないと判別した場合は、配当スポットを増やして難易度を下げる。また配当スポットに所定の倍率を対応づけたマルチスポットとすることで、更に難易度を下げることが出来る。
【0110】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトの数はいくつであっても良い。
【0111】
上記第2実施形態では第2オブジェクトに払出量を対応づけて重畳表示し、更に配当スポット54bを増やしたが、本発明はこれに限定されず、図23に示すように第2オブジェクトに払出量を対応づけて重畳表示させるだけでもよい。また、図24に示すように追加する配当スポット54bは複数個であってもよいし、マルチスポットでなくてもよい。
【0112】
例えば、上記実施形態においては、スペシャルゲームで第1オブジェクトを1回だけ操作しているように記載したが、2回以上の複数回操作するようにしても構わない。
【0113】
更に、上記実施形態においては、ゲーミングマシンとしてスロットマシンで説明したが、スロットマシンに限られず、カードゲームマシンであっても構わない。
【符号の説明】
【0114】
10 スロットマシン
11 キャビネット
12 トップボックス
13 メインドア
15 コイントレイ
16 ディスプレイ
17 センサ
106 CPU
110 RAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤの技術によって変化を伴うスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つゲーミングマシン及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6270409号明細書、米国特許第5770533号明細書、米国特許第5836817号明細書及び、日本特許出願公開第2005-205236号明細書に記載されているような、スロットマシン等のゲーミングマシンが設置された施設においては、プレーヤは、コインやクレジット等をゲーミングマシンにおいてBETすることにより、そのゲーミングマシンが提供するゲームで遊技を行うことができる。
【0003】
例えば、スロットマシンは、プレーヤがスロットマシンにおいて賭け量をBETして、スタートスイッチを押す毎に、ディスプレイに配置された複数のシンボルが再配置されるスロットゲームを実行する。そして、スロットマシンは、ディスプレイに再配置されたシンボルが所定数のスキャッタシンボルを含んでいたり、ペイライン上に所定のウィニングコンビネーションが成立した場合に、その内容に応じた賞が与えられる。
【0004】
更に、上記したスロットマシンに代表されるゲーミングマシンでは、所定の条件が成立した際にスペシャルゲームが行われる。スペシャルゲームは多くの場合、賭け量のBETなしに実行できるフリーゲームであり、フューチャーゲームとも言われる。このフリーゲ―ムに代表されるスペシャルゲームでは、多くの賞を与えられるチャンスがある。
【0005】
しかしながら、プレーヤの技術によって変化を伴うスペシャルゲームでは、プレーヤの能力や技術によって賞の大きさが変化するため、プレーヤに与える賞を公平に保つことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6270409号
【特許文献2】米国特許第5770533号
【特許文献3】米国特許第5836817号
【特許文献4】日本特許出願公開第2005-205236号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、技術介入性のあるスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つことが可能なゲーミングマシン及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、下記の構成を備えるゲーミングマシンである。(1)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、第1オブジェクトと当該第1のオブジェクトを接触させることによって移動する第2オブジェクトと、配当スポットとが表示され、前記第2のオブジェクトが移動した結果、前記配当スポットのエリア内外に前記第2のオブジェクトが位置するか否かで賞の大きさを示すスペシャルゲームを表示するディスプレイと、(2)前記配当スポットのエリア面積の異なる複数種類の画像データ、前記第1オブジェクト及び第2のオブジェクトの画像データ、ペイアウトに関連する過去のゲーム結果データ、及び、ペイアウトに関連する比較元データ、並びに、前記配当スポットごとに配当量又は配当倍率を設定するための配当データを記憶するメモリと、(3)該ディスプレイ上で前記第1オブジェクトを操作するプレーヤの入力動作を検出するセンサと、(4)コントローラと、を備え、前記コントローラは、下記の処理をするよう構成されている。(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動する処理と、(b)前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定する処理と、(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出して前記ディスプレイに表示する処理と、(d)前記センサにより検出した前記入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定する処理と、(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された前記配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する処理と、を含む。
【0009】
本発明によれば、プレーヤの第1のオブジェクトの操作によってスペシャルゲームでの配当量が決定するが、比較元データと過去のゲーム結果を参照して配当量の決定に係る配当スポットのサイズを変更することで、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記コントローラは、前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定する処理と、当該決定結果に応じて、前記(b)の処理を実行する処理と、を含む。
【0011】
本発明によれば、第1のオブジェクト又は第2のオブジェクトの大きさを変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記コントローラは、前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定する処理と、当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)の処理を実行する処理と、を含む。
【0013】
本発明によれば、配当スポットの数を変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記コントローラは、前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定する処理と、当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加する処理と、当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)の処理を実行する処理と、を含む。
【0015】
本発明によれば、比較元データと過去のゲーム結果を参照して第2オブジェクトに予定払出量を対応づけて重畳表示する。これにより、容易に予定払出量を払出す事が出来る。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のゲーミングマシンであって、前記(3)のセンサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【0017】
本発明によれば、タッチパネルでプレーヤの操作を受け付けるため、第1のオブジェクトをプレーヤの思い通りに移動させることが出来る。
【0018】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法は、(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動するステップと、(b)メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定するステップと、(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、前記(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出してディスプレイに表示するステップと、(d)センサにより検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定するステップと、(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて当該スペシャルゲームにおける配当を提供するステップと、を含む。
【0019】
本発明によれば、プレーヤの第1のオブジェクトの操作によってスペシャルゲームでの配当量が決定するが、比較元データと過去のゲーム結果を参照して配当量の決定に係る配当スポットのサイズを変更することで、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定するステップと、 当該決定結果に応じて、前記(b)を実行するステップと、を更に含む。
【0021】
本発明によれば、本発明によれば、第1のオブジェクト又は第2のオブジェクトの大きさを変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって、前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定するステップと、当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)を実行するステップと、を含む。
【0023】
本発明によれば、配当スポットの数を変更することでスペシャルゲームの難易度を容易に変更できる。そのため比較元データと過去のゲーム結果を参照してスペシャルゲームの難易度を変更して、プレーヤ間の配当量の差を小さくすることが出来る。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって、前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定するステップと、当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加するステップと、当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)のステップを実行するステップと、を更に含む。
【0025】
本発明によれば、比較元データと過去のゲーム結果を参照して第2オブジェクトに予定払出量を対応づけて重畳表示する。これにより、容易に予定払出量を払出す事が出来る。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法であって、前記センサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【0027】
本発明によれば、タッチパネルでプレーヤの操作を受け付けるため、第1のオブジェクトをプレーヤの思い通りに移動させることが出来る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば技術介入性のあるスペシャルゲームでプレーヤに与える賞を公平に保つことが可能なゲーミングマシン及びその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態に係るスロットマシンのスペシャルゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図2】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイの表示例を示す説明図である。
【図3】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに設けられるマトリクス状の区画領域を示す説明図である。
【図4】第1実施形態に係るゲーミングマシンの外観を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るスロットマシンの制御回路を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係るスロットマシンのスロットゲーム処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスロットゲームの表示例を示す説明図である。
【図8】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスロットゲームの表示例を示す説明図である。
【図9】第1実施形態に係るスロットマシンのスペシャルゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図11】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図12】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図13】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図14】第1オブジェクトがディスプレイ上で進行する移動方向を決定する事を説明する説明図である。
【図15】スロットマシンの第1オブジェクトの速度の決定に用いられるグラフである。
【図16】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図17】第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図18】第2実施形態に係るスロットマシンのスペシャルゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図20】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図21】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図22】第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図23】その他の実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【図24】その他の実施形態に係るスロットマシンのディスプレイにおいて実行されるスペシャルゲームの表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンについて、図面に基づいて説明する。図1は、スペシャルゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0031】
はじめに、本実施形態のゲーミングマシン1に備えられるCPU106は、スペシャルゲームを発動した場合、全スペシャルゲームで与える賞の比較元データである予定全払出量を決定する(ステップS1)。そして、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較する(ステップS2)。スペシャルゲームは複数回(ここでは10回)のゲームからなっており、予定全払出量は全スペシャルゲームを行って払い出される払出量を示している。また過去のスペシャルゲームの払出量は、これまでのスペシャルゲーム中で払出された払出量を示している。例えば6回目のスペシャルゲームが行われる場合は5回目のスペシャルゲームが終了するまでに払出された払出量である。予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較することで、プレーヤがスペシャルゲームを最後まで行った結果、予定全払出量と同量の賞の払出を受けることが出来るか判断できる。
【0032】
次に、CPU106は今回のスペシャルゲームの予定払出量を決定する(ステップS3)。ここでは、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量との比較結果に応じて予定払出量を決定する。
【0033】
次に、CPU106は予定払出量に基づいて配当スポットを決定する(ステップS4)。ここでは例えば配当スポットのサイズや配当スポットに対応する配当量等を決定する。
【0034】
次に、CPU106は、予定払出量に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの大きさを決定する(ステップS5)。そして、ステップS4とステップS5で決定した配当スポット、第1オブジェクト、第2オブジェクトに基づいてスペシャルゲーム画面を表示する(ステップS6)。
【0035】
次に、CPU106は、センサ17(タッチパネル)によりプレーヤの第1オブジェクトを移動させる入力動作を検出する(ステップS7)。そして、入力動作に基づいて、第1オブジェクトの移動速度と方向を決定する(ステップS8)。
【0036】
次にCPU106は、ステップS8の決定に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの移動表示を行う(ステップS9)。そして第2オブジェクトの移動結果が賞に該当する場合は、賞の払出量を決定する(ステップS10、ステップS11)。そして、スペシャルゲームを全て行うと、スペシャルゲーム実行処理を終了する。
【0037】
図2は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンの一例であるスロットマシンのディスプレイに表示される表示例を示す説明図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに設けられるマトリクス状の区画領域を示す説明図である。発明の一例に係る図4のスロットマシン10では、単位ゲームが行われる毎に、上述した図3の各区画領域q11〜q53に図2に示すように配置されたシンボルが再配置される。この単位ゲームは、例えば、液晶パネルの表示によって、ディスプレイ16の表示領域q11〜q53に回転表示、及び停止表示させることによって実行することができる。
【0038】
ディスプレイ16で表示されるシンボルには、例えば、「A(カードのエース)」、「K(カードのキング)」、「Q(カードのクイーン)」、「J(カードのジャック)」、「10(カードの10)」、「アンブレラ」、「稲妻」、「雲」、「スペシャル(男性の顔)」の9種類のシンボルが含まれている。
【0039】
そして、単位ゲームにおいて各区画領域q11〜q53にそれぞれシンボルが再配置されると、予め定められた配当テーブルのルールにしたがってクレジットの賞が決定され、決定された賞のクレジットのペイアウトが行われる。その後、次の単位ゲームの開始により、各区画領域q11〜q53のシンボルが再配置される。
【0040】
次に、本実施形態における各ゲーミングマシン1の構成について説明する。図4は、ゲーミングマシンの外観を示す斜視図である。
【0041】
本実施形態のスロットマシン10では、図2に示すように、区画領域q11〜q53にシンボルを再配置することで、1回のスロットゲーム(単位ゲーム)が実行される。このスロットゲームは、通常は、ゲーム媒体による賭け量をBETすることにより実行可能となるが、後述するように、所定条件の成立に伴って実行されるスペシャルゲーム(フリーゲーム)の期間中は、賭け量をBETすることなくスロットゲームを実行することができる。
【0042】
このスペシャルゲーム中には、ディスプレイ16に、図10に示すように、一例として、第1オブジェクト50、第2オブジェクト51a〜51c、及び配当スポット53a、53bが表示される。
【0043】
なお、本実施形態では、スロットゲームを実行する際(但し、フリーゲーム期間中を除く)に用いるゲーム媒体としてメダルを例に挙げているが、スロットゲーム用の媒体は、メダルに限るものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、或いはこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)を挙げることができる。
【0044】
ディスプレイ16の下方には、プレーヤによって遊技進行に係る指示が入力される各種の入力ボタン23〜27と、コインを受け入れるコインアクセプタ21と、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣を受け入れるための紙幣識別器22とが設けられている。なお、紙幣識別器22は、バーコード付チケット39を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0045】
また、このメダル投入口21、紙幣識別器22の近傍には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとして、ペイアウトスイッチ23と、MAXBET(マックスBET)スイッチ24と、BET(BET)スイッチ25と、スピンリピートBETスイッチ26と、スタートスイッチ27とが設けられている。
【0046】
BETスイッチ25は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームに対して、BETするクレジット数を決定するためのスイッチであり、後述するように、BETスイッチ25を押す毎に、メダル1枚分のクレジットがBETされる。
【0047】
スピンリピートBETスイッチ26は、前回のゲームにおいて、上記したBETスイッチ25でBETしたクレジットの数を変更せずに、再度クレジットをBETし、スロットゲームを行うためのスイッチである。
【0048】
スタートスイッチ27は、所望の数のクレジットがBETされた後に、スロットゲームを開始するためのスイッチである。メダル投入口21にメダルが投入されるか、或いはBETスイッチ25によりクレジットがBETされた後に、このスタートスイッチ27が押されると、ディスプレイ16においてスロットゲームが開始される。
【0049】
ペイアウトスイッチ23は、投入されているメダルを払い出すためのスイッチであり、払い出されるメダルは、メインドア13の正面下部に開口されたメダル払い出し口19から排出され、この払い出されたメダルは、メダルトレイ18に蓄積される。
【0050】
MAXBETスイッチ24は、1回のスロットゲームでBET可能なクレジットの最大数(例えば、メダル30枚分)を、1回の操作でBETするためのスイッチである。
【0051】
メインドア13の下部前面には、フットディスプレイ34が設けられていて、実行中のゲームソフトウェアに含まれる画像表示制御データに基づいて、所定の画面を表示する。
【0052】
トップボックス12の前面には、アッパーディスプレイ33が設けられている。アッパーディスプレイ33は、液晶パネルを備えていて、配当表等の表示が行われる。
【0053】
また、トップボックス12には、スピーカ29が設けられている。アッパーディスプレイ33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データディスプレイ37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数、日時、スロットマシン10の識別番号等の各データがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。
【0054】
プレーヤは、バーコード付チケット39を他のスロットマシンに読み取らせて、そのスロットマシンでスロットゲームを行う際の賭け量として使用したり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0055】
カードリーダ36は、スマートカードを挿入可能であり、挿入されたスマートカードからのデータの読み取り、及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、プレーヤが携行するカードであり、プレーヤを識別するためのデータ、プレーヤが行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。
【0056】
スマートカードには、コイン、紙幣、或いはクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。また、スマートカードに代えて、磁気ストライプカードを採用してもよい。データディスプレイ37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレーヤによってキーパッド38を介して入力されたデータを表示するものである。
【0057】
また、スマートカードに代えて、RFID方式を採用し、非接触でデータの読み書きが可能なカードを用いることとしてもよい。キーパッド38は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0058】
図5は、本実施形態に係るスロットマシンの制御回路を示すブロック図である。図中に示すマシンコントローラ40は、マイクロコンピュータであり、インターフェイス回路群102と、入出力バス104と、CPU106と、ROM108と、RAM110と、通信用インターフェイス回路111と、乱数発生器112と、外部記憶装置113と、スピーカ駆動回路122と、ホッパー駆動回路124と、表示駆動回路128と、表示コントローラ140、141とを備えている。
【0059】
インターフェイス回路群102は、入出力バス104に接続されており、この入出力バス104は、CPU106に対するデータ信号、或いはアドレス信号の入出力を行う。
【0060】
インターフェイス回路群102には、スタートスイッチ27が接続されている。このスタートスイッチ27から出力された始動信号は、インターフェイス回路群102において所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0061】
更に、インターフェイス回路群102には、BETスイッチ25と、MAXBETスイッチ24と、スピンリピートBETスイッチ26、及び、ペイアウトスイッチ23が接続される。そして、これらの各スイッチ25、24、26、23より出力される各スイッチング信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102にて所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0062】
加えて、インターフェイス回路群102には、メダルセンサ43及びセンサ17が接続されている。メダルセンサ43は、メダル投入口21に投入されたメダルを検出するためのセンサであって、メダル投入口21のメダル投入部位に設けられている。センサ17は、プレーヤの入力動作を検出するためのセンサであって、ディスプレイ16に組み込まれて設けられている。このメダルセンサ43及びセンサ17より出力される検出信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0063】
入出力バス104には、システムプログラムが格納されるROM108、及び各種のデータを保存するためのRAM110が接続されている。
【0064】
ROM108には、配当テーブルが記憶されている。配当テーブルは、配当を発生させるための条件と、この条件が満たされる場合におけるクレジットの配当数との対応関係を示す。配当を発生させるための条件は、ディスプレイ16の区画領域q11〜q53に再配置されたシンボルの内容によって定められる。配当を発生させる対象となるシンボルの再配置内容は、スロットゲームにおいて再配置されたスキャッタシンボルの個数や、区画領域q11〜q53に設定されるペイライン上に成立したウィニングコンビネーションのパターンによって定めることができる。本実施形態のスロットゲームにおいて、CPU106は、配当テーブルと、区画領域q11〜q53の各々に停止したシンボルとに基づいて、配当を発生させるか否か(クレジットのペイアウトを行うか否か)、及び、クレジットの配当数(ペイアウトするクレジットの数)を決定する。
【0065】
メモリとしてのRAM110には、フラグを管理したり各種情報を記憶させたりするためのエリア等が設けられている。このRAM110には、各種画像、比較元データである予定全払出量、予定払出量、過去のゲーム結果データ記憶されている。また、大きさが異なる第1オブジェクト、第2オブジェクト、配当スポットや、これらに対応する配当量が記憶されている。
【0066】
コントローラとしてのCPU106は、スタートスイッチ27によりゲームのスタート操作が受け付けられたことを契機として、ROM108からゲーム実行プログラムを読み出してスロットゲームを実行する。
【0067】
即ち、ゲーム実行プログラムにおいては、スロットゲームを実行するプログラムとして、ディスプレイ16の各区画領域q11〜q53で同時にシンボルを変動表示させ、その後、シンボルを停止させ、配当を発生させる対象となる内容でシンボルが再配置されたときに、ROM108に記憶された配当テーブルに基づいた配当数のクレジットをペイアウトするスロットゲームを実行するようにプログラミングされている。
【0068】
更に、入出力バス104には、乱数発生器112と、通信用インターフェイス回路111と、外部記憶装置113、表示コントローラ140、141と、ホッパー駆動回路124と、スピーカ駆動回路122と、表示駆動回路128とが接続されている。
【0069】
通信用インターフェイス回路111は、ホールサーバ等と接続され、本スロットマシン10で実行したプレイ履歴のデータ等をホールサーバに送信する。また、ホールサーバより送信される各種のデータを受信する。
【0070】
乱数発生器112は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームにおいて、入賞組み合わせやジャックポットを発生させるか否かを決めるための乱数を発生させる。
【0071】
外部記憶装置113は、所定条件の成立によってスペシャルゲームとして実行されるゲームに関して、第2オブジェクト51a〜51cの移動結果とプレーヤに払い出す賞との対応関係を記憶する。
【0072】
また、外部記憶装置113は、スペシャルゲームにおける第1オブジェクト50、第2オブジュクト51a〜51c、及び配当スポット53a、53bのディスプレイ16上での配置を決定する複数の配置パターンを記憶する。
【0073】
また、外部記憶装置113は、プレーヤの入力動作に応じて選択され、スペシャルゲームにおける第1オブジェクト50の速度及び移動方向を決定する複数の移動パターンを記憶する。
【0074】
表示駆動回路128は、ディスプレイ16の左下の領域に設定されたペイアウト数区画領域48に、ペイアウト数を表示する制御を行う。
【0075】
スピーカ駆動回路122は、スピーカ29に音声データを出力する。即ち、CPU106は、ROM108に記憶されている音声データを読み出し、入出力バス104を介して、この音声データをスピーカ駆動回路122に送信する。これにより、スピーカ29から所定の効果音が発せられる。
【0076】
ホッパー駆動回路124は、ペイアウトが発生したときに、ホッパー44にペイアウト信号を出力する。即ち、ペイアウトスイッチ23より、ペイアウト信号が入力されると、CPU106は、駆動信号を入出力バス104を介して、ホッパー駆動回路124に出力する。これにより、ホッパー44は、RAM110の所定のメモリ額域に記憶されたその時点におけるクレジットの残数分に相当するメダルを払い出す。
【0077】
表示コントローラ140は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてディスプレイ16を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をディスプレイ16に出力する。
【0078】
また、表示コントローラ140は、スペシャルゲーム中に、ディスプレイ16に図10に示すような、第1オブジェクト50、第2オブジェクト51a〜51c、及び配当スポット53a、53bを表示させる表示制御を行う。即ち、CPU106は、スペシャルゲーム中に、ディスプレイ16に図10に示すような画像を表示させるための画像表示命令の信号を生成し、入出力バス104を介して、この画像表示命令の信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてディスプレイ16を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をディスプレイ16に出力する。これにより、ディスプレイ16上には、スペシャルゲーム中において、図10に示すような画像が表示される。
【0079】
表示コントローラ141は、フットディスプレイ34にて、所定の画面を表示する制御を行う。即ち、CPU106は、所定の画面に応じた画像表示命令の信号を生成し、入出力バス104を介して、この画像表示命令の信号を表示コントローラ141に出力する。表示コントローラ141は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてフットディスプレイ34を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をフットディスプレイ34に出力する。これにより、フットディスプレイ34上には、所定の画面が表示される。この表示は、静止画又は動画によって行うことができる。
【0080】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るスロットマシン10の動作について説明する。図6は、図5に示すCPU106がROM108に格納されたゲーム実行プログラムにしたがって行う、スロットゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0081】
まず、CPU106は、図6に示すスロットゲーム処理に入ると、クレジットがBETされたか否かを判断する(ステップS11)。この処理において、CPU106は、BETスイッチ25が押された際に該BETスイッチ25から出力される信号、またはMAXBETスイッチ24が押された際に該MAXBETスイッチ24から出力される信号を受信したか否かを判断する。クレジットがBETされていないと判断した場合には(ステップS11でNO)、ステップS11に処理を戻す。
【0082】
一方、ステップS11において、クレジットがBETされたと判断した場合には(ステップS11でYES)、CPU106は、BETされたクレジット数に応じて、RAM110に記憶されたクレジット数を減算する(ステップS12)。
【0083】
次に、CPU106は、スタートスイッチ27が押されたか否かを判断する。この処理において、CPU106は、スタートスイッチ27が押された際に、該スタートスイッチ27から出力される信号を受信したか否かを判断する(ステップS13)。
【0084】
CPU106は、スタートスイッチ27が押されていないと判断した場合には(ステップS13でNO)、ステップS11に処理を戻す。なお、スタートスイッチ27が押されなかった場合(例えば、スタートスイッチ27が押されずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、CPU106は、ステップS12におけるクレジット数の検算結果をキャンセルする。
【0085】
そして、ステップS13において、スタートスイッチ27が押圧操作されたと判断した場合には(ステップS13でYES)、CPU106は、BETされたクレジット数を配当コントローラ3に通知する(ステップS14)。これと共に、CPU106は、停止シンボルを決定する(ステップS15)。この停止シンボル決定処理において、CPU106は、ROM108に記憶されているゲーム実行プログラムの一つである停止シンボル決定プログラムを実行することにより、各表示領域q11〜q53に停止表示(再配置)されるシンボルを決定する。
【0086】
この停止シンボル決定処理によって、図3に示す第1〜第5のカラム上の各区画領域q11〜q53に再配置されるシンボルが、スロットマシン10では、図8に示す、「A(カードのエース)」、「K(カードのキング)」、「Q(カードのクイーン)」、「J(カードのジャック)」、「10(カードの10)」、「アンブレラ」、「稲妻」、「雲」、「スペシャル(男性の顔)」の9種類のシンボルのうちの一つに決定される。
【0087】
次に、CPU106は、シンボルの変動表示処理を行う(ステップS16)。この処理は、図7に示すように、各表示領域q11〜q53でシンボルの変動表示を開始した後、図8に示すように、各表示領域q11〜q53にシンボルを停止させる処理である。この変動表示の開始及び停止の処理により、各表示領域q11〜q53においてシンボルが再配置される。
【0088】
変動表示処理が終了すると、CPU106は、各区画領域q11〜q53に再配置されたシンボルに基づいて、入賞があったか否かを判断する(ステップS17)。すなわち、CPU106は、賞が発生する条件が満たされたか否かを判断する。このステップS17において、CPU106は、ROM108に記憶された配当テーブルを参照し、上述のステップS16において再配置されたシンボルの内容が、配当を発生させる対象として配当テーブルに定められているシンボルの再配置内容のいずれかに一致するか否かを判断する。
【0089】
そして、配当テーブルに定められているシンボルの再配置内容に一致する場合には(ステップS17でYES)、入賞が成立したものとして、そのシンボルの再配置内容に対応して設定されている配当数にクレジットの配当数を決定し、ステップS17から次のステップS18に移る。
【0090】
一方、上述のステップS17において再配置されたシンボルの内容が、配当テーブルに定められている配当発生対象となるシンボルの再配置内容のいずれとも一致しない場合(ステップS17でNO)、CPU106は、入賞が成立しなかったものとして、後述するステップS19に処理を移行する。
【0091】
次に、CPU106は、上述のステップS16における入賞の結果に応じたクレジットをペイアウトする払出処理を実行する。この払出処理において、CPU106は、上述のステップS17において発生したクレジットの配当数を、RAM110に記憶されているクレジット数に加算する(ステップS18)。
【0092】
次に、CPU106は、乱数発生器112が発生する乱数を用いて、スペシャルゲームを開始する所定条件の成立、非成立を決定する抽選を行う(ステップS19)。そして、CPU106は、抽選した結果が所定条件の成立であるか否かを判断する(ステップS20)。
【0093】
抽選の結果が所定条件の成立でない(非成立である)場合は(ステップS20でNO)、CPU106は上述のステップS11に戻り、次のスロットゲーム処理を実行する。抽選の結果が所定条件の成立である場合には(ステップS20でYES)、CPU106は、ステップS21において、図9に詳述するスペシャルゲーム実行処理を行った後、上述のステップS11に戻り、次のスロットゲーム処理を実行する。ここでは単位ゲームにおいて所定条件(スペシャルゲームトリガー)が成立した場合に、スペシャルゲームを発動する。
【0094】
図9を参照してスペシャルゲーム処理を説明する。はじめに、本実施形態のゲーミングマシン1に備えられるCPU106は、スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定する(ステップS31)。そして、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較する(ステップS32)。スペシャルゲームは複数回(ここでは10回)のゲームからなっており、予定全払出量は全スペシャルゲームを行って払い出される払出量を示している。また過去のスペシャルゲームの払出量は、これまでのスペシャルゲーム中で払出された払出量を示している。例えば6回目のスペシャルゲームが行われる場合は5回目のスペシャルゲームが終了するまでに払出された払出量である。予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量を比較することで、プレーヤがスペシャルゲームを最後まで行った結果、予定全払出量と同量の賞の払出を受けることが出来るか判断できる。
【0095】
次に、CPU106は今回のスペシャルゲームの予定払出量を決定する(ステップS33)。ここでは、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量との比較結果に応じて予定払出量を決定する。具体的には、予定全払出量が1000枚、スペシャルゲーム回数が10回である場合は、各スペシャルゲームで100枚の払出を行えば、10回のスペシャルゲームが終了した時に1000枚の払出が出来る。よって1回目のスペシャルゲームでの予定払出量は100枚と決定される。しかし1回目にプレーヤの操作ミスで配当(過去のスペシャルゲームの払出量)が0枚であった場合は、2回目のスペシャルゲームの予定払出量を200枚に決定する。このように予定全払出量(予定払出量)、過去のスペシャルゲームの払出量を比較することで、全スペシャルゲームが終了した時のプレーヤ間の払出量の差を小さくすることが出来る。
【0096】
次に、CPU106は予定払出量に基づいて配当スポットを決定する(ステップS34)。ここでは例えば配当スポットのサイズや配当スポットに対応する配当量等を決定する。例えば、図10と図11に示すように、配当スポット53a,53bに配当量を設定したり、図10と図12に示すように配当スポット53a,53bの大きさを設定したりする。すなわちメモリであるRAM110に記憶した比較元データ(予定全払出量)と過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データからスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定する。
【0097】
次に、CPU106は、予定払出量に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの大きさを決定する(ステップS35)。ここでは、図10に示すように、過去のスペシャルゲームの払出量が多いため全スペシャルゲームが終了した時に予定全払出量以上の払出がされると判別した場合、次のスペシャルゲームで、第1オブジェクト50又は第2オブジェクト51a〜51cを小さく設定する。一方、図11に示すように、過去のスペシャルゲームの払出量が少ないため全スペシャルゲームが終了した時に予定全払出量の払出が行えないと判別した場合、次のスペシャルゲームで、第1オブジェクト50又は第2オブジェクト51a〜51cを大きく設定する。すなわち、RAM110に記憶した比較元データ(予定全払出量)と過去のゲーム結果データとに基づいて、ディスプレイ16に表示される、第1オブジェクト50及び第2オブジェクト51a〜51cの少なくともいずれかの画像の大きさを決定する。
【0098】
次に、CPU106はステップS34とステップS35で決定した配当スポット、第1オブジェクト、第2オブジェクトに基づいて図12に示すようにスペシャルゲーム画面を表示する(ステップS36)。すなわち、RAM110から第1のオブジェクト50と第2のオブジェクトcの画像データ並びに、ステップS34で決定した配当スポット53a,53bの画像データを読み出してディスプレイ16に表示する。
【0099】
次に、CPU106は、センサ17によりプレーヤの第1オブジェクトを移動させる入力動作を検出する(ステップS37)。そして、入力動作に基づいて、第1オブジェクトの移動速度と方向を決定する(ステップS38)。ここでは、センサ17により検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、ディスプレイ16上での第1オブジェクト50の速度及び移動方向を決定する。例えば、プレーヤの入力動作を検出するセンサ17は、ディスプレイ16に組み込んでタッチパネルとすることができる。プレーヤの入力動作を検出する装置がタッチパネルであれば、図13に示す矢印のような、ディスプレイ16の表示をプレーヤが触る動作がそのまま入力動作となるので、プレーヤはディスプレイ16の表示されたコイン及びボール等の第1オブジェクト50を直感的に換作することができる。例えば、図14に示した矢印のようなプレーヤの入力動作を検出した場合、図14と図15に示すように、入力始点であるA点から入力終点であるB点までの入力距離l及び入力に費やした入力時間tから入力速度1/tを求め、求められた入力速度に応じて、第1オブジェクト50がディスプレイ16上で進行する速度を決定する。また、入力始点であるA点から入力終点であるB点を結ぶ矢印方向に応じて、第1オブジェクト50がディスプレイ16上で進行する移動方向を決定する。
【0100】
次にCPU106は、ステップS8の決定に基づいて第1オブジェクトと第2オブジェクトの移動表示を行う(ステップS39)。図16と図17に示すように、第1オブジェクト50の移動表示後、第1オブジェクト50との接触によって、移動された第2オブジェクト51a〜51cの移動表示をディスプレイ16において表示する。そして第2オブジェクトの移動結果が賞に該当する場合は、賞の払出量を決定する(ステップS40、ステップS41)。ここでは、ステップS38で決定された速度及び移動方向に従って移動する第1オブジェクト50との接触によって移動された第2オブジェクト51a〜51cの移動結果が、配当スポット53a,53b内に位置する場合、該第2オブジェクト51a〜51cが投入された該配当スポット53aに設定された配当データ(100)をRAM110から読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する。賞を与える結果に該当するか否かは、例えば、第2オブジェクト51a〜51cのいずれかの移動結果が、配当スポット53a、53bに存在するか否かによって、判定することができる。ここでは第2オブジェクト51aが配当スポット53aに存在するため、配当スポット53aに対応する配当量100枚の配当が行われる。そして過去のスペシャルゲームの払出量に100が加えられる。
【0101】
そして、スペシャルゲームを全て行うと、スペシャルゲーム実行処理を終了する(ステップS42)。
【0102】
図18〜図22を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は、予定全払出量(予定払出量)と過去のスペシャルゲームの払出量を比較して、配当スポット数の変更や第2オブジェクト払出量の対応づけを行う点などで上述の第1実施形態と異なっている。以下、第2の実施形態の要部だけを図18〜図22を用いて説明する。
【0103】
はじめに、CPU106はステップS201〜ステップS203で、賞の予定全払出量の決定、予定全払出量と過去のスペシャルゲームの払出量の比較、今回のスペシャルゲームの予定払出量の決定を行う。このステップS201〜ステップS203の処理はステップS31〜ステップS33と略同様のため省略する。
【0104】
次にCPU106は、予定払出量に基づいて配当スポット数を決定する(ステップS204)。ここでは、RAM110に記憶した比較元データ(予定全払出量)と過去のゲーム結果データとに基づいて、スペシャルゲーム中にディスプレイ16に表示される配当スポットの数を決定する。例えば表示する配当スポットが1つの場合は、図19に示すように配当スポット54bが追加される。ここで、配当スポット54aは通常のスポットであり、配当スポット54bはマルチスポットである。通常のスポットである配当スポット54aは、第2オブジェクト52a、52bが投入されると、第2オブジェクト52a、52bに表示されている枚数分の賞を発生させる。それに対して、マルチスポットである配当スポット54bは、通常のスポットに投入されたときに発生する賞と異なり、配当倍率を変更して賞を発生させる。例えば、図19に示すように、配当スポット54bに「×5」が表示されている場合、通常のスポットに投入されたときに発生する賞の5倍の賞が発生することを意味している。つまり、配当スポット54bに第2オブジェクト52a、52bが投入されると、第2オブジェクト52a、52bに表示されている枚数分の賞の5倍分の賞が発生することになる。
【0105】
次にCPU106は、予定払出量を第2オブジェクトに設定し、第2オブジェクトの重畳表示データを作成する(ステップS205)。ここでは予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して、RAM110から読み出される第2のオブジェクト51a〜51cの画像データに付加する。そして、決定された予定払出量が付加された第2のオブジェクト51a〜51cの画像データに基づいて、予定払出量が第2のオブジェクト51a〜51cの画像に重畳表示する。ここでは図19に示すように決定した配当スポット、第1オブジェクト、第2オブジェクトに基づいてスペシャルゲーム画面を表示する。また、第2オブジェクト52aには100が重畳表示され、第2オブジェクト52bには予定払出量200が重畳表示されている。
【0106】
次に、CPU106はステップS206〜ステップS209でプレーヤの入力動作の検出、入力動作に基づく第1オブジェクトの速度及び方向の決定、第1オブジェクトと第2オブジェクトの移動表示を行う(図20、図21参照)。このステップS206〜ステップS209の処理はステップS36〜ステップS39と略同様のため省略する。
【0107】
次に、CPU106は、ステップS210とステップS211で第2オブジェクトの移動結果が賞に該当するか否かの判別、賞の払出量の決定を行う。ここでは図22に示すように、第1オブジェクト51bがマルチスポットである配当スポット54bに入っているため第1オブジェクト51bに対応する払出量200に配当スポット54bに対応する値「5」を乗算した1000枚の払出がされる。
【0108】
次に、CPU106は、スペシャルゲーム回数が所定回数であると判別したらスペシャルゲーム実行処理を終了する(ステップS212)。
【0109】
本実施形態によれば、プレーヤが所定回数のスペシャルゲームを実施しても予定全払出量の配当を受けられないと判別した場合は、配当スポットを増やして難易度を下げる。また配当スポットに所定の倍率を対応づけたマルチスポットとすることで、更に難易度を下げることが出来る。
【0110】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトの数はいくつであっても良い。
【0111】
上記第2実施形態では第2オブジェクトに払出量を対応づけて重畳表示し、更に配当スポット54bを増やしたが、本発明はこれに限定されず、図23に示すように第2オブジェクトに払出量を対応づけて重畳表示させるだけでもよい。また、図24に示すように追加する配当スポット54bは複数個であってもよいし、マルチスポットでなくてもよい。
【0112】
例えば、上記実施形態においては、スペシャルゲームで第1オブジェクトを1回だけ操作しているように記載したが、2回以上の複数回操作するようにしても構わない。
【0113】
更に、上記実施形態においては、ゲーミングマシンとしてスロットマシンで説明したが、スロットマシンに限られず、カードゲームマシンであっても構わない。
【符号の説明】
【0114】
10 スロットマシン
11 キャビネット
12 トップボックス
13 メインドア
15 コイントレイ
16 ディスプレイ
17 センサ
106 CPU
110 RAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、第1オブジェクトと当該第1のオブジェクトを接触させることによって移動する第2オブジェクトと、配当スポットとが表示され、前記第2のオブジェクトが移動した結果、前記配当スポットのエリア内外に前記第2のオブジェクトが位置するか否かで賞の大きさを示すスペシャルゲームを表示するディスプレイと、
(2)前記配当スポットのエリア面積の異なる複数種類の画像データ、前記第1オブジェクト及び第2のオブジェクトの画像データ、ペイアウトに関連する過去のゲーム結果データ、及び、ペイアウトに関連する比較元データ、並びに、前記配当スポットごとに配当量又は配当倍率を設定するための配当データを記憶するメモリと、
(3)該ディスプレイ上で前記第1オブジェクトを操作するプレーヤの入力動作を検出するセンサと、
(4)コントローラと、を備え、
前記コントローラは、下記の処理をするよう構成されている。
(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動する処理と、
(b)前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定する処理と、
(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出して前記ディスプレイに表示する処理と、
(d)前記センサにより検出した前記入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定する処理と、
(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された前記配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する処理と、を含む。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定する処理と、
当該決定結果に応じて、前記(b)の処理を実行する処理と、を含む。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定する処理と、
当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)の処理を実行する処理と、
を含む。
【請求項4】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記コントローラは、
前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定する処理と、
当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加する処理と、
当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)の処理を実行する処理と、を含む。
【請求項5】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記(3)のセンサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【請求項6】
下記構成を備えるゲーミングマシンの制御方法であり、
(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動するステップと、
(b)メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定するステップと、
(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、前記(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出してディスプレイに表示するステップと、
(d)センサにより検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定するステップと、
(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて当該スペシャルゲームにおける配当を提供するステップと、を含む。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定するステップと、
当該決定結果に応じて、前記(b)を実行するステップと、を更に含む。
【請求項8】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定するステップと、
当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)を実行するステップと、
を含む。
【請求項9】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定するステップと、
当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加するステップと、
当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)のステップを実行するステップと、を更に含む。
【請求項10】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記センサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【請求項1】
(1)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、第1オブジェクトと当該第1のオブジェクトを接触させることによって移動する第2オブジェクトと、配当スポットとが表示され、前記第2のオブジェクトが移動した結果、前記配当スポットのエリア内外に前記第2のオブジェクトが位置するか否かで賞の大きさを示すスペシャルゲームを表示するディスプレイと、
(2)前記配当スポットのエリア面積の異なる複数種類の画像データ、前記第1オブジェクト及び第2のオブジェクトの画像データ、ペイアウトに関連する過去のゲーム結果データ、及び、ペイアウトに関連する比較元データ、並びに、前記配当スポットごとに配当量又は配当倍率を設定するための配当データを記憶するメモリと、
(3)該ディスプレイ上で前記第1オブジェクトを操作するプレーヤの入力動作を検出するセンサと、
(4)コントローラと、を備え、
前記コントローラは、下記の処理をするよう構成されている。
(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動する処理と、
(b)前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定する処理と、
(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出して前記ディスプレイに表示する処理と、
(d)前記センサにより検出した前記入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定する処理と、
(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された前記配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて配当を提供する処理と、を含む。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定する処理と、
当該決定結果に応じて、前記(b)の処理を実行する処理と、を含む。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定する処理と、
当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)の処理を実行する処理と、
を含む。
【請求項4】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記コントローラは、
前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定する処理と、
当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加する処理と、
当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)の処理を実行する処理と、を含む。
【請求項5】
請求項1に記載のゲーミングマシンにおいて、
前記(3)のセンサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【請求項6】
下記構成を備えるゲーミングマシンの制御方法であり、
(a)単位ゲームにおいて所定条件が成立した場合に、前記スペシャルゲームを発動するステップと、
(b)メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、エリア面積の異なる複数種類の配当スポットの画像データから(a)で発動したスペシャルゲームで使用する所定の配当スポットの画像データを決定するステップと、
(c)前記メモリから第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの画像データ並びに、前記(b)で決定した配当スポットの画像データを読み出してディスプレイに表示するステップと、
(d)センサにより検出した入力動作から得られる入力距離及び入力時間に基づいて、前記ディスプレイ上での前記第1オブジェクトの速度及び移動方向を決定するステップと、
(e)前記(d)で決定された速度及び移動方向に従って移動する前記第1オブジェクトとの接触によって移動された前記第2オブジェクトの移動結果が、前記配当スポット内に位置する場合、該第2オブジェクトが投入された該配当スポットに設定された配当データを前記メモリから読み出して、この配当データに基づいて当該スペシャルゲームにおける配当を提供するステップと、を含む。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記ディスプレイに表示される、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの少なくともいずれかの画像の大きさを決定するステップと、
当該決定結果に応じて、前記(b)を実行するステップと、を更に含む。
【請求項8】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記メモリに記憶した比較元データと過去のゲーム結果データとに基づいて、前記スペシャルゲーム中に前記ディスプレイに表示される前記配当スポットの数を決定するステップと、
当該決定された配当スポットの数に応じて前記(b)を実行するステップと、
を含む。
【請求項9】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記(a)において前記スペシャルゲームを発動する処理が行われた場合、当該スペシャルゲームで与える賞の予定全払出量を決定するステップと、
当該決定された予定全払出量に基づいて予定払出量を決定して前記(c)で前記メモリから読み出される前記第2のオブジェクトの画像データに付加するステップと、
当該決定された予定払出量が付加された前記第2のオブジェクトの画像データに基づいて、前記予定払出量が前記第2のオブジェクトの画像に重畳表示するよう前記(c)のステップを実行するステップと、を更に含む。
【請求項10】
請求項6に記載のゲーミングマシンの制御方法において、
前記センサは、前記ディスプレイ上での前記プレーヤの入力動作を検出するタッチパネルで構成されている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−4845(P2011−4845A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149584(P2009−149584)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】
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