説明

ゲーミングマシン

【課題】 演出を開始するときに、プレーヤの視線をメインのゲームから円滑に演出に移行させることができるゲーミングマシンを提供する。
【解決手段】 第1のゲームの結果として所定数以上の所定のシンボルが第1のディスプレイに表示されたときに、プレーヤによる操作装置の操作の検出を契機に第1のゲームとは異なる第2のゲームの進行を定めるためのサイコロが転がる態様でサイコロの画像を第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号をコントローラから第1のディスプレイに出力し、第1の制御信号の出力を開始してから第1の所定の時間経過した後、サイコロが転がる態様でサイコロの画像を第2のディスプレイに表示する表示制御のための第2の制御信号をコントローラから第2のディスプレイに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2つの画像表示装置を有するゲーミングマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーミングマシンではシンボルの表示によって進行するゲームが行われる。具体的には、複数のシンボルを所定の時間、移動表示した後に停止表示させ、停止表示させた複数のシンボルの組合せによって、所定の配当をプレーヤに付与する。プレーヤは、このような配当を得ることを期待しつつ、シンボルの移動表示から停止表示までの単位ゲームを繰り返し行う。
【0003】
また、従来のゲーミングマシンでは、このようなシンボルの表示によるゲームのほか、遊技者の興味をひきつけるための各種の演出も行われてきた。たとえば、メイン表示装置とメイン表示装置に比べて小さい複数のサブ表示装置とを設けたゲーミングマシンがあった。この複数のサブ表示装置は、ゲーミングマシンの前面の全体の複数箇所に分散して配置されたものであった。この複数のサブ表示装置の各々には、サブ制御基板が接続されており、サブ制御基板の各々のCPUの制御によって、予めROMなどに記憶された各種の画像データが読み出され、複数のサブ表示装置の各々に各種の画像を表示できるゲーミングマシンであった(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、メイン表示装置とは別体のサブ表示装置を設けて、メイン表示装置では、シンボルを表示して進行するゲームを行い、サブ表示装置ではルーレットゲームを行うゲーミングマシンもあった(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−220608号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第1376498号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したメイン表示装置と複数のサブ表示装置とを設けたゲーミングマシンでは、複数のサブ表示装置をゲーミングマシンの前面の複数箇所に分散させて配置させていた。このため、複数のサブ表示装置を配置する空間をゲーミングマシンの前面や奥行き方向に確保する必要があった。このように、複数のサブ表示装置を分散させて設けていたため、プレーヤは、所望する情報を得るためにサブ表示装置の全てを見渡す必要があり、ゲームをしつつ大きく視線を移動させざるを得なかった。このため、サブ表示装置で表示されている画像を見逃して、ゲームに関する重要な情報を認識できない可能性も高かった。
【0007】
また、上述した複数のサブ表示装置の各々を別個に制御するためのサブ制御基板を設けていたので、複数のサブ表示装置の各々にさまざまな演出画像を表示できるものであった。しかしながら、これらのサブ制御基板を設ける空間もゲーミングマシンの内部に確保する必要があった。さらに、複数のサブ表示装置の各々にサブ制御基板を接続していたので、ゲーミングマシンの全体の構成が複雑になるとともに、複数のサブ表示装置の各々に表示する画面を同期させるための処理が必要になるなど、構成のみならずサブ制御基板で実行する処理も複雑で煩雑にならざるを得なかった。
【0008】
また、サブ表示装置でルーレットゲームを行うゲーミングマシンは、サブ表示装置の前面側の全体を使ってルーレットゲームによる演出を行うものであった。ルーレット盤を大きくでき視認しやすいものであったが、サブ表示装置の前面の領域を有効に活用しているものではなかった。また、ルーレットゲーム盤を機械的に駆動する機構を有するものであったため、変化に乏しく演出の内容が単調になりやすく、また、故障する可能性も高く、メンテナンスなどの手間や費用を要するものであった。
【0009】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演出を開始するときにプレーヤの視線をメインのゲームから円滑に演出に移行させることができるとともに、演出のために用いる表示装置を配置する空間を、メインのゲームを行う表示装置に影響を及ぼすことなく確保するとともに、確保した空間を有効に活用できるゲーミングマシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施の形態によるゲーミングマシンは、
シンボルの表示の態様によって結果が定まる第1のゲームが行われる第1のディスプレイと、前記第1のディスプレイとは異なる第2のディスプレイと、
プレーヤの操作を検出する操作装置と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイを制御するためのコントローラであって、以下の(1−1−1)〜(1−1−3)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有する。
(1−1−1) 前記第1のゲームの結果として所定数以上の所定のシンボルが前記第1のディスプレイに表示されたときに、プレーヤによる前記操作装置の操作の検出を契機に前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの進行を定めるためのサイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号を前記コントローラから前記第1のディスプレイに出力する処理、
(1−1−2) 前記第1の制御信号の出力を開始してから第1の所定の時間経過した後、サイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第2のディスプレイに表示する表示制御のための第2の制御信号を前記コントローラから前記第2のディスプレイに出力する処理、及び
(1−1−3) 前記第1の制御信号の出力を開始してから前記第1の所定の時間とは異なる第2の所定時間経過した後、前記第1の制御信号の出力を終了する処理。
【0011】
第1のゲームが終わった後にサイコロの画像を移動させることによって、第1のディスプレイから第2のディスプレイへプレーヤの視線を円滑に移動させることができ、第2のディスプレイで行われる第2のゲームに自然に興味を持たせることができる。第1のディスプレイと第2のディスプレイとを有し、第1の制御信号と第2の制御信号とによって制御する構成であるので、簡素な構成と処理によって演出を実行できる。第2のディスプレイに自然にプレーヤの視線を移動させることができるので、プレーヤに第2のゲームを視認させやすくできる。コントローラによって第1のディスプレイと第2のディスプレイとを制御するので、メンテナンスの手間や費用を不要にできる。
【0012】
また、本発明の一の態様において、前記コントローラは、
(1−2−1) 抽籤処理によってサイコロの目を決定する処理、及び
(1−2−2) 前記(1−1−2)の処理を実行した後に、前記第2の制御信号により、前記抽籤処理によって決定されたサイコロの目が表示されるように前記サイコロの画像を停止表示する処理、をさらに実行することが好ましい。
【0013】
第2のディスプレイで行われる第2のゲームの進行状況を決定するサイコロの目が表示されるので、プレーヤの興味を惹かせることができる。
【0014】
さらに、本発明の一の態様において、前記コントローラは、
前記コントローラは、前記(1−2−2)の処理を実行した後、さらに、
(1−3−1) 前記抽籤処理によって決定されたサイコロの目に応じて、複数のセルのうちの1つのセルを選択して進めるゲームを前記第2のゲームとして実行する処理を実行することが好ましい。
【0015】
サイコロの目に応じてセルが選択されて移動していくので、ゲームの進捗に関してプレーヤに緊張感や期待感を与えることができる。
【0016】
さらにまた、本発明の一の態様において、
前記コントローラは、前記(1−3−1)の処理を実行した後、さらに、
(1−4−1) 選択されたセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する利益として記憶する処理、を実行することが好ましい。
【0017】
サイコロの目に応じて選択されたセルによってプレーヤに与えられる配当が決定されるので、第2のゲームで選択されるセルに関してプレーヤに緊張感や期待感を与えることができる。
【0018】
また、本発明の一の態様において、
前記コントローラは、前記(1−3−1)の処理を実行した後、前記複数のセルに含まれるゴールのセルに到達しないときには、さらに、
(1−5−1) プレーヤによる前記操作装置の操作の検出を契機に前記サイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号を前記コントローラから前記第1のディスプレイに出力する処理、
(1−5−2) 前記(1−1−2)及び前記(1−1−3)の処理、並びに
(1−5−3) 前記(1−2−1)及び前記(1−2−2)の処理、を実行することが望ましい。
【0019】
ゴールのセルに達するまで第2のゲームを続けることができ、プレーヤに与える期待感を持続させることができる。
【0020】
さらに、本発明の一の態様において、
前記複数のセルは前記第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置され、
前記コントローラは、
(2−6−1) 選択された1つのセルを示す指標画像を前記第2のディスプレイに表示する処理、を実行することが好ましい。
【0021】
第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に複数のセルを設けてゲームを行えるようにしたので、第2のディスプレイのデッドスペースになり得る空間を有効に活用できる。ランプが切れたり使わなかったりする場合でも、第2のディスプレイに指標画像を表示するので、選択された1つのセルを示すことができ、ゲームの進行をプレーヤに明確に視認させることができる。
【0022】
また、抽籤処理によって決定されたサイコロの目に応じて選択されたセルのランプの点灯状態を変更することで、選択されたセルをプレーヤに明確に視認させることができるとともに、選択されたセルの内容に対応した演出画像が第2のディスプレイに表示されるので、第2のディスプレイと、第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置されたセルとによる演出効果を高めることができる。
【0023】
また、本発明の一の態様において、
前記コントローラは、前記(2−6−1)の処理に加えて、
(2−7−1) 選択された1つのセルに対応する演出画像を前記第2のディスプレイに表示する処理をさらに実行することが好ましい。
【0024】
ランプによる照明だけでなく、第2のディスプレイに表示された画像によっても、選択された1つのセルを指し示すことができ、表示エリアを有効に活用することによって、選択されたセルをプレーヤにより明確に視認させて、プレーヤに第2のゲームの進行状況を判り易くさせることができるとともに、演出効果を高めることができる。
【0025】
さらに、本発明の一の態様において、
プレーヤの操作を検出する操作装置を、さらに有し、
前記コントローラは、
(3−8−1) 前記複数のセルのうちのゴールのセルが選択されたときに、プレーヤによる前記操作装置の操作に応じて複数の選択肢のうちの1つの選択肢を選択する処理、及び
(3−8−2) 前記ゴールのセルに対して予め定められている配当を、プレーヤによって選択された1つの選択肢に応じて変更する処理、をさらに実行することが好ましい。
【0026】
ゴールのセルが選択されたときに、さらに選択ゲームが実行されるので、プレーヤの期待感を高めたり持続させたりすることができる。
【0027】
さらにまた、本発明の一の態様において、
前記(3−8−2)の処理は、
複数の選択肢のうちの第1の選択肢が選択されたときには、前記ゴールのセルに対して予め定められている配当よりも多い配当をプレーヤに付与する利益として決定し、
複数の選択肢のうちの前記第1の選択肢とは異なる第2の選択肢が選択されたときには、前記ゴールのセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する利益として決定する処理が好ましい。
【0028】
第1の選択肢が選択されたときには、予め定められている配当よりも多い配当が与えられ、第2の選択肢が選択されたときには、予め定められている配当が与えられるので、第2の選択肢を選択した場合でも、予め定められている配当が少なくとも与えられ、ゴールのセルが選択されたときの最低限の配当が確保され、プレーヤは、安心して選択ゲームを楽しむことができる。
【発明の効果】
【0029】
演出を開始するときにプレーヤの視線をメインのゲームから円滑に演出に移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲーミングマシンの構成の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【図5】通常ゲーム用シンボルテーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル組合せを示すテーブルである。
【図8】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】図8のステップS20の処理で呼び出されて実行されるボーナスゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】図16のステップS1629の処理で呼び出されて実行される配当決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】図18の配当決定処理のサブルーチンの続きの処理を示すフローチャートである。
【図20】人生ゲーム(第2のゲーム)が開始されたときに、下側画像表示パネル141に表示される画像(a)及び上側画像表示パネル131に表示される画像(b)を示す図である。
【図21】下側画像表示パネル141にサイコロの画像が表示されたときの図である。
【図22】下側画像表示パネル141から上側画像表示パネル131までサイコロが転っていくサイコロの画像を示す正面図である。
【図23】駒が所定のセル(マス)に位置するときの状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0032】
<<<<本発明の実施の形態>>>>
本発明の実施の形態によるゲーミングマシンの概略は以下の通りである。第1のゲームでボーナスシンボルが3つ以上停止すると、第2のゲームとして双六ゲームや人生ゲームを開始する。第1のゲームが行われる第1のディスプレイに表示されたサイコロをタッチすることでサイコロが第2のディスプレイに転がっていく。
【0033】
ハードウエアとして、(1)第1のディスプレイと第2のディスプレイとで共通したサイコロの画像データを用いること、(2)第1のディスプレイと第2のディスプレイとの同期をとる制御プログラムが存在すること、(3)サイコロの移動がプレーヤの指示入力によって実行されることを前提の構成としている。このような構成によって、サイコロの移動のトリガをプレーヤの操作としているので、第2のディスプレイにプレーヤの視線を移すように誘導することができる。通常、第2のディスプレイではサイコロを使ったゲームを実行し、第1のディスプレイでは賞金(配当)の増加を表示する。第1のディスプレイや第2のディスプレイの大きさによって、ゲーミングマシンの縦方向や横方向の設置条件が決定されるため、第1のディスプレイや第2のディスプレイの表示領域の面積は限られたものとなる。しかしながら、サイコロを移動させる画像を表示することによって、第1のディスプレイと第2のディスプレイとの2つの画面の表示エリアを有効活用したゲームミングマシンを提供できる。
【0034】
図1に本発明の実施の形態によるゲーミングマシンの概要を示す。本発明の実施の形態によるゲーミングマシンは、
シンボルの表示の態様によって結果が定まる第1のゲーム(たとえば、スロットゲームなど)が行われる第1のディスプレイ(たとえば、後述する下側画像表示パネル141など)と、前記第1のディスプレイとは異なる第2のディスプレイ(たとえば、後述する上側画像表示パネル131など)と、
プレーヤの操作を検出する操作装置(たとえば、後述するタッチパネル114やスピンボタン31など)と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイを制御するためのコントローラであって、以下の(1−1−1)〜(1−1−3)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有する。
(1−1−1) 前記第1のゲームの結果として所定数以上の所定のシンボルが前記第1のディスプレイに表示されたときに、プレーヤによる前記操作装置の操作の検出を契機に前記第1のゲームとは異なる第2のゲーム(たとえば、双六ゲームや人生ゲーム)の進行を定めるためのサイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号を前記コントローラから前記第1のディスプレイに出力する処理(たとえば、後述するステップS1621など)、
(1−1−2) 前記第1の制御信号の出力を開始してから第1の所定の時間経過した後、サイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第2のディスプレイに表示する表示制御のための第2の制御信号を前記コントローラから前記第2のディスプレイに出力する処理(たとえば、後述するステップS1621など)、及び
(1−1−3) 前記第1の制御信号の出力を開始してから前記第1の所定の時間とは異なる第2の所定時間経過した後、前記第1の制御信号の出力を終了する処理(たとえば、後述するステップS1621など)。
【0035】
本発明の実施の形態によるゲーミングマシンは、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイと、操作装置と、コントローラとを有する。
【0036】
第1のディスプレイは、第1のゲームが行われるディスプレイである。第1のゲームは、シンボルの表示の態様によって結果が定まる。たとえば、第1のゲームは、スロットゲームなどがある。第2のディスプレイは、第1のディスプレイとは異なるディスプレイである。
【0037】
操作装置は、プレーヤによって操作されることができる装置であり、プレーヤの操作を検出する。プレーヤの操作を検出したときには、検出信号をコントローラに発する。
【0038】
コントローラは、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイを制御する。第1のディスプレイは、後述する第1の制御信号によって制御される。第2のディスプレイは、後述する第2の制御信号によって制御される。
【0039】
コントローラは、後述する(1−1−1)〜(1−1−3)の処理を実行するようにプログラムされている。
【0040】
(1−1−1)の処理は、第1の制御信号をコントローラから第1のディスプレイに出力する処理である。第1の制御信号は、サイコロが転がる態様の画像を第1のディスプレイに表示するための制御信号である。サイコロは、第1のゲームとは異なる第2のゲームの進行を定めるために表示される。第1の制御信号は、第1のゲームの結果として所定数以上の所定のシンボルが第1のディスプレイに表示され、さらに、プレーヤによる操作装置の操作の検出を契機に出力される。
【0041】
(1−1−2)の処理は、第2の制御信号をコントローラから第2のディスプレイに出力する処理である。第2の制御信号は、サイコロが転がる態様の画像を第2のディスプレイに表示するための制御信号である。第2の制御信号は、第1の制御信号の出力を開始してから第1の所定の時間経過した後に出力される。
【0042】
(1−1−3)の処理は、第1の制御信号の出力を終了する処理である。第1の制御信号の出力は、第1の制御信号の出力を開始してから第2の所定時間経過した後に終了する。
【0043】
第2の所定の時間が第1の所定の時間よりも長い場合は、第1のディスプレイと第2のディスプレイと双方でサイコロの画像が重複して表示される時間がある。たとえば、第1のディスプレイにはサイコロの下側の一部分が表示され、第2のディスプレイにはサイコロの残りの部分が表示される。このように表示することで、サイコロが転がっていく様子を円滑に表示できる。
【0044】
一方、第2の所定の時間が第1の所定の時間よりも短い場合は、第1のディスプレイのサイコロの画像が消えてから、第2のディスプレイにサイコロの画像が突然出現するように表示される。第1のディスプレイにも第2のディスプレイにもサイコロの画像が表示されない非表示時間が存在するので、プレーヤに緊張感を与えることができる。
【0045】
第1のゲームが終わった後にサイコロの画像を移動させることによって、第1のディスプレイから第2のディスプレイへプレーヤの視線を円滑に移動させることができ、第2のディスプレイで行われる第2のゲームに自然に興味を持たせることができる。第1のディスプレイと第2のディスプレイとを有し、第1の制御信号と第2の制御信号とによって制御する構成であるので、簡素な構成と処理によって演出を実行できる。第2のディスプレイに自然にプレーヤの視線を移動させることができるので、プレーヤに第2のゲームを視認させやすくできる。コントローラによって第1のディスプレイと第2のディスプレイとを制御するので、メンテナンスの手間や費用を不要にできる。また、転がっていく態様でサイコロを表示することによって、第1のディスプレイに表示される画像と第2のディスプレイに表示される画像とを関連づけることができ、演出効果を高めることができる。
【0046】
また、前記コントローラは、
(1−2−1) 抽籤処理によってサイコロの目を決定する処理(たとえば、後述するステップS1619など)、及び
(1−2−2) 前記(1−1−2)の処理を実行した後に、前記第2の制御信号により、前記抽籤処理によって決定されたサイコロの目が表示されるように前記サイコロの画像を停止表示する処理(たとえば、後述するステップS1623など)、をさらに実行する。
【0047】
第2の制御信号は、上述した(1−1−2)の処理を実行した後に、抽籤処理によって決定されたサイコロの目が表示されるようにサイコロの画像を停止表示する処理も実行する制御信号である。
【0048】
(1−2−2)の処理を実行する前までに、(1−2−1)の抽籤処理の結果が定められていればよい。
【0049】
第2のディスプレイで行われる第2のゲームの進行状況を決定するサイコロの目が表示されるので、プレーヤの興味を惹くことができる。
【0050】
前記コントローラは、前記(1−2−2)の処理を実行した後、さらに、
(1−3−1) 前記抽籤処理によって決定されたサイコロの目に応じて、複数のセルのうちの1つのセルを選択して進めるゲームを前記第2のゲームとして実行する処理を実行することが好ましい(たとえば、後述するステップS1629など)。
【0051】
(1−3−1)の処理は、抽籤処理によって決定されたサイコロの目に応じて、複数のセルから1つのセルを選択する処理である。第2のゲームは、選択された1つのセルによってゲームの進行状態が定まるゲームである。第2のゲームとして、たとえば、双六などのゲームがある。
【0052】
複数のセルは所定の経路が形成されるように隣り合うセルとが連結され、所定の経路に沿って1つのセルが選択されてゲームが進むものが好ましい。所定の経路は、単一の経路のみならず、途中で分岐したり合流したりする経路でもよい。
【0053】
サイコロの目に応じてセルが選択されて移動していくので、ゲームの進捗に関してプレーヤを緊張感や期待感を与えることができる。
【0054】
前記コントローラは、前記(1−3−1)の処理を実行した後、さらに、
(1−4−1) 選択されたセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する利益として記憶する処理(たとえば、後述するステップS1813など)、を実行することが好ましい。
【0055】
上述した(1−3−1)の処理によって複数のセルから1つのセルが選択され、さらに、(1−4−1)の処理によって選択されたセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する。このような第2のゲームとして、たとえば、人生ゲームなどのゲームがある。
【0056】
サイコロの目に応じて選択されたセルによってプレーヤに与えられる配当が決定されるので、第2のゲームで選択されるセルに関してプレーヤを緊張感や期待感を与えることができる。
【0057】
前記コントローラは、前記(1−3−1)の処理を実行した後、前記複数のセルに含まれるゴールのセルに到達しないときには、さらに、
(1−5−1) プレーヤによる前記操作装置の操作の検出を契機に前記サイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号を前記コントローラから前記第1のディスプレイに出力する処理(たとえば、後述するステップS1621など)、
(1−5−2) 前記(1−1−2)及び前記(1−1−3)の処理、並びに
(1−5−3) 前記(1−2−1)及び前記(1−2−2)の処理、を実行することが好ましい。
【0058】
複数のセルには、第2のゲームの終着となるゴールのセルが含まれている。すなわち、第2のゲームは、所定のセルをスタート地点としてゴールのセルに向かって進行させるゲームである。なお、第2のゲームは、ゴールのセルに向かって単調に進行させる場合だけでなく、途中で前のセルに戻ったり一時的に一のセルで停止したり途中でゲームが終了したりするようにしてもよい。
【0059】
このゴールのセルが選択されずゴールのセルに到達しない場合には、(1−5−1)〜(1−5−3)の処理を実行することによって第2のゲームを続行する。(1−5−1)〜(1−5−3)の処理を実行することで、(1−1−2)、(1−1−3)、(1−2−1)及び(1−2−2)の処理を繰り返し実行することができる。
【0060】
ゴールのセルに達するまで第2のゲームを続けることができ、プレーヤに与える期待感を持続させることができる。
【0061】
また、第2のディスプレイの外周に双六ゲームなどのゲームのマス(セル)用演出ランプを配置し、ゲームのマスの位置指示とあわせて演出などを第2のディスプレイの中央部分で行う。表示エリアを有効に活用することによってプレーヤにゲーム進行状況を判り易くさせるとともに演出効果を向上させることができる。
【0062】
たとえば、
前記複数のセルは前記第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置され、
前記コントローラは、
(2−6−1) 選択された1つのセルを示す指標画像を前記第2のディスプレイに表示する処理(たとえば、後述するステップS1627など)、を実行することが好ましい。
【0063】
第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に複数のセルが配置されている。たとえば、第2のディスプレイの外周を周回するように複数のセルが配置されている。
【0064】
(2−6−1)の処理は、第2のディスプレイの少なくとも周囲に配置されたセルの1つを示す指標画像を第2のディスプレイに表示する。セルを示す指標画像として、たとえば、セルに向かって指し示す矢印型の画像がある。このようにすることで、第2のディスプレイを使って選択された1つのセルであることをプレーヤに視認させることができる。すなわち、セルの背後にバックランプを設けた場合でも、バックランプの明るさを変更してセルを示すような構成や制御を不要にできる。
【0065】
たとえば、バックランプの明るさを変更するようにして選択された1つのセルをプレーヤに示すようにするためには、以下のような構成と制御が必要になる。まず、光を遮断する隔壁板を隣り合うセルの境界に設け、この隔壁板によって複数のセルを区画する。また、複数のセルの各々に対応付けて複数のランプを複数のセルの各々の背後に設ける。さらに、複数のランプをコントローラに接続して、複数のランプの各々の点灯状態をコントローラによって別個に制御する。このようにすることで、選択された1つのセルに対応したランプの点灯状態を変更する。たとえば、消灯状態から点灯状態に変更する。ランプの点灯状態を変更することで、選択された1つのセルをプレーヤに視認させることができる。
【0066】
しかしながら、上述した(2−6−1)の処理によって、セルの1つを示す指標画像を第2のディスプレイに表示するようにすることで、複数のセルを区画して光が漏れないようにするための隔壁板や、複数のセルに対応付けた複数のランプを不要にできる。また、ランプの点灯状態を変更する必要がないので、コントローラによって発光制御を行うための発光制御プログラムも不要にできる。
【0067】
また、上述したように、バックランプの明るさを変更するようにして選択された1つのセルをプレーヤに示すように構成した場合であっても、バックランプの寿命で切れたような場合や、ゲーミングマシンの設置環境の都合でバックランプを使用できないような場合や、バックランプが眩しいなどの理由でプレーヤがバックランプを抜いてしまう場合であっても、指標画像を第2のディスプレイに表示するので選択された1つのセルをプレーヤに指し示すことができる。このように、故障や環境やプレーヤの好みなどの影響を受けることなく、ゲーミングマシンを稼動させることができ、ゲーミングマシンの稼動率を維持することができる。
【0068】
なお、バックランプの明るさを変更するようにして選択された1つのセルをプレーヤに示すためには、
ゲーミングマシンは、
前記第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置されかつ隔壁によって区画された複数のセルに対応付けられた複数のランプであって、各々が前記複数のセルの各々を照明する複数のランプ、をさらに有し、
コントローラが、選択された1つのセルに対応するランプの点灯状態を変更する処理、を実行するようにするのが好ましい。
【0069】
すなわち、複数のセルは、第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置されている。さらに、複数のセルは隔壁によって区画されている。複数のランプの各々が複数のセルの各々に対応付けられている。たとえば、1番目のセルに1番目のランプが対応し、n番目のセルにn番目のランプが対応するように、複数のランプが設けられている。複数のランプの各々が複数のセルの各々を照明する。したがって、1番目のセルは、1番目のランプによって照明され、n番目のセルは、n番目のランプによって照明される。
【0070】
さらに、コントローラの制御によって、選択された1つのセルに対応するランプの点灯状態を変更する。点灯状態の変更は、選択された1つのセルであることをプレーヤが視認できるものであればよい。たとえば、消灯状態から点灯状態に変更したり、点灯状態から消灯状態に変更したり、ある明るさの点灯状態からより明るい点灯状態に変更したりするものがある。
【0071】
このようにした場合には、抽籤処理によって決定されたサイコロの目に応じて選択されたセルをランプにより照明することで、選択されたセルをプレーヤに明確に視認させることができるとともに、選択されたセルの内容に対応した演出画像が第2のディスプレイに表示されるので、第2のディスプレイと、第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置されたセルとによる演出効果を高めることができる。
【0072】
前記コントローラは、前記(2−6−1)の処理に加えて、
(2−7−1) 選択された1つのセルに対応する演出画像を前記第2のディスプレイに表示する処理(たとえば、後述するステップS1627など)、をさらに実行することが好ましい。
【0073】
セルを示す指標画像だけでなく、第2のディスプレイに表示された演出画像によっても、選択された1つのセルを示唆することができ、表示エリアを有効に活用することにより、選択されたセルをプレーヤにより明確に視認させて、プレーヤに第2のゲームの進行状況を判り易くさせることができるとともに、演出効果を高めることができる。
【0074】
さらに、本発明の実施の形態によるゲーミングマシンは、ボーナスゲーム(第2のゲーム)で獲得したクレジットを倍増させるゲームを実行する。たとえば、ボーナスゲームである人生ゲーム(第2のゲーム)でゴールした場合に獲得したクレジットを利用して、2択のルーレットゲームを行うことができる。
【0075】
前記コントローラは、
(3−8−1) 前記複数のセルのうちのゴールのセルが選択されたときに、プレーヤによる前記操作装置の操作に応じて複数の選択肢のうちの1つの選択肢を選択する処理(たとえば、後述するステップS1927など)、及び
(3−8−2) 前記ゴールのセルに対して予め定められている配当を、プレーヤによって選択された1つの選択肢に応じて変更する処理(たとえば、後述するステップS1939など)、をさらに実行するものが好ましい。
【0076】
ゴールのセルが選択されたときに、さらに選択ゲームが実行されるので、プレーヤの期待感を高めたり持続させたりすることができる。
【0077】
さらにまた、
前記(3−8−2)の処理は、
複数の選択肢のうちの第1の選択肢が選択されたときには、前記ゴールのセルに対して予め定められている配当よりも多い配当をプレーヤに付与する利益として決定し(たとえば、後述するステップS1939など)、
複数の選択肢のうちの前記第1の選択肢とは異なる第2の選択肢が選択されたときには、前記ゴールのセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する利益として決定する(たとえば、後述するステップS1943など)処理が好ましい。
【0078】
第1の選択肢が選択されたときには、予め定められている配当よりも多い配当が与えられ、第2の選択肢が選択されたときには、予め定められている配当が与えられるので、第2の選択肢を選択した場合でも、予め定められている配当が少なくとも与えられ、ゴールのセルが選択されたときの最低限の配当が確保され、プレーヤは、安心して選択ゲームを楽しむことができる。
【0079】
<<<<本発明の実施の形態の具体的な説明>>>>
[機能フロー図の説明]
図2を参照して、本実施形態に係るゲーミングマシンの基本的な機能について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【0080】
〈コイン投入・スタートチェック〉
まず、ゲーミングマシンは、BETボタンが遊技者により押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタンが遊技者により押されたか否かをチェックする。
【0081】
〈シンボル決定〉
次に、ゲーミングマシンは、スピンボタンが遊技者により押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、ディスプレイ上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときに遊技者に表示するシンボルを決定する。
【0082】
〈シンボル表示〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボルが遊技者に表示されるようにスクロールを停止させる。
【0083】
〈入賞判定〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、遊技者に表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。
【0084】
〈払い出し〉
次に、ゲーミングマシンは、遊技者に表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボルの組合せの種類に応じた特典を遊技者に与える。
例えば、ゲーミングマシンは、コインの払い出しに係るシンボルの組合せが表示されたとき、そのシンボルの組合せに応じた数のコインを遊技者に払い出す。
【0085】
また、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ボーナスゲームを開始する。なお、本実施形態では、3つのボーナスシンボルの停止をボーナスゲームトリガーとし、サイコロを振ってゲームを進める人生ゲームがボーナスゲームとして行われる。
【0086】
また、ゲーミングマシンは、ジャックポットトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ジャックポット額のコインを遊技者に払い出す。ジャックポットは、各ゲーミングマシンにおいて遊技者が消費したコインの一部をジャックポット額として累積していき、ジャックポットトリガーが成立したゲーミングマシンがあったとき、そのゲーミングマシンに対して、累積したジャックポット額のコインを払い出す機能をいう。
ゲーミングマシンは、1回の遊技ごとに、ジャックポット額に蓄積する額(累積額)を算出し、外部制御装置へ送信する。外部制御装置は、各ゲーミングマシンから送信されてきた累積額をジャックポット額に累積していく。
【0087】
また、ゲーミングマシンには、上記特典のほか、ミステリーボーナスや、インシュランスといった特典が設けられている。
ミステリーボーナスは、専用の抽籤に当籤することによって、予め定められた額のコインの払い出しが行われるものである。ゲーミングマシンは、スピンボタンが押されると、ミステリーボーナス用乱数値を抽出し、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを抽籤により決定する。
【0088】
インシュランスは、ボーナスゲームが長期間行われていない状況から遊技者を救済することを目的として設けられる機能である。本実施形態では、インシュランスを有効とするか否かは、遊技者が任意に選択可能となっている。インシュランスを有効にする場合、所定のインシュランス加入額と引き換えになる。
ゲーミングマシンは、インシュランスが有効とされた場合、遊技回数のカウントを開始する。そして、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームなどによる多額の払い出しが行われることなく、カウントした遊技回数が予め定められた回数に達したとき、インシュランス用に設定された額のコインの払い出しを行う。
【0089】
〈演出の決定〉
ゲーミングマシンは、ディスプレイによる画像の表示、ランプによる光の出力、及びスピーカによる音の出力によって演出を行う。ゲーミングマシンは、演出用乱数値を抽出し、抽籤により決定されたシンボルなどに基づいて、演出の内容を決定する。
【0090】
[ゲームシステムの全体]
ゲーミングマシンの基本的な機能についての説明は以上である。次に、図3を参照して、ゲーミングマシンを含むゲームシステムについて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【0091】
ゲームシステム300は、複数のゲーミングマシン1と、各ゲーミングマシン1と通信回線301を介して接続された外部制御装置200とを備えている。
【0092】
外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を制御するものである。本実施形態において、外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を有する遊技施設に設置されているいわゆるホールサーバである。各ゲーミングマシン1にはそれぞれ固有の識別番号が付されており、外部制御装置200は、識別番号により、各ゲーミングマシン1から送られてくるデータの出所を判別している。また、外部制御装置200からゲーミングマシン1にデータを送信する場合にも、識別番号を用いて送信先を指定している。
また、外部制御装置200は、各ゲーミングマシン1においてBETされた遊技媒体数に基づき、ジャックポットの累積を行う。
【0093】
なお、ゲームシステム300は、カジノ等の様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよいし、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、遊技施設のフロアやセクションごとに遊技システム300が構築されてもよい。通信回線301は、有線であっても無線であってもよく、専用回線又は交換回線等を採用することが可能である。
【0094】
[ゲーミングマシンの全体構造]
本実施形態に係るゲームシステムについての説明は以上である。次に、図4を参照して、ゲーミングマシン1の全体構造について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【0095】
ゲーミングマシン1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。また、本実施形態では、後述するバーコード付きチケットも用いられる。なお、遊技媒体はこれらに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネーなどを採用することもできる。
【0096】
ゲーミングマシン1は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。
【0097】
メインドア13の中央には、下側画像表示パネル141が設けられている。下側画像表示パネル141は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。下側画像表示パネル141は、シンボル表示領域4を有する。シンボル表示領域4には、5つのビデオリール3(3a,3b,3c,3d,3e)が表示される。また、シンボル表示領域4は、破線で示した15個の表示ブロックを備えており、各ビデオリール3に対応する位置に、表示ブロックが3個ずつ割り当てられている。
【0098】
本実施形態において、ビデオリールとは、複数のシンボルがその周面に描かれた機械式リールの回転及び停止の動作を映像により表現するものである。各ビデオリール3には、予め定められた複数(たとえば、22個)のシンボルからなるシンボル列が割り当てられている(後述の図5を参照)。
【0099】
シンボル表示領域4では、各ビデオリール3に割り当てられたシンボル列がそれぞれスクロールされ、所定時間の経過後、停止する。その結果、それぞれのシンボル列の一部(本実施形態では連続する3個のシンボル)が遊技者に表示される。
シンボル表示領域4には、各ビデオリール3に応じて、上段、中段及び下段の3つの領域にそれぞれ1個のシンボルが表示される。つまり、シンボル表示領域4には、5列×3個の15個のシンボルが表示される。
【0100】
本実施形態では、上記3つの領域の何れかを各ビデオリール3に応じて選択し、それぞれを結んで形成されるラインを、入賞ライン(ペイライン)としている。
なお、入賞ラインの具体的な態様は任意に採用することができるが、例えば各ビデオリール3に応じた中段の領域をそれぞれ結んでなる直線状のラインのほか、V字状や屈曲状のラインなどを採用することができる。また、入賞ラインの数についても、例えば30本など、任意に採用することができる。
【0101】
また、下側画像表示パネル141は、クレジット数表示領域142及びペイアウト数表示領域143を有する。クレジット数表示領域142には、遊技者が所有するコインであってゲーミングマシン1内部に預けられたコインの数(以下、クレジット数)が表示される。また、ペイアウト数表示領域143には、入賞が成立したときに遊技者に払い出されるコインの数(以下、払出数)が表示される。
【0102】
また、下側画像表示パネル141には、タッチパネル114が内蔵されている。遊技者は下側画像表示パネル141に触れることで各種の指示を入力することができる。
【0103】
下側画像表示パネル141の下方には、コントロールパネル30に配された各種ボタンをはじめ、遊技者による操作の対象となる各種装置が配されている。
【0104】
スピンボタン31は、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを開始する際に用いられるものである。チェンジボタン32は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられるものである。CASHOUTボタン33は、ゲーミングマシン1内部に預けられているコインをコイントレイ15に払い出す際に用いられるものである。
【0105】
1−BETボタン34及び最大BETボタン35は、ゲーミングマシン1内部に預けられているコインから遊技に用いるコインの数(以下、BET数)を決定するためのものである。1−BETボタン34は、上記BET数を1枚単位で決定する際に用いられるものである。最大BETボタン35は、上記BET数を規定上限数とする際に用いられるものである。
【0106】
コイン受入口36は、コインを受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣を受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣が適正であるか否かを選別し、適正な紙幣をキャビネット11内に受け入れる。なお、紙幣識別器115は、後述するバーコード付チケット175を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0107】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル131が設けられている。上側画像表示パネル131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス12には、スピーカ112及びランプ111が設けられている。ゲーミングマシン1では、画像の表示、音の出力及び光の出力によって演出が実行される。
【0108】
また、上側画像表示パネル131の周囲には、上側画像表示パネル131を周回するように、ゲームパネル133が設けられている。ゲームパネル133は、光が透過できるアクリル板からなる。ゲームパネル133には、複数のセル(マス)、たとえば24個のセルC1〜C24の内容を示す絵柄が印刷されている。ゲームパネル133は、第2のゲームで使うパネルである。第2のゲームとして、たとえば、双六ゲームや人生ゲームなどがある。
【0109】
24個のセルC1〜C24には、「START」のセルC1と「GOAL」のセルC24とが含まれる。「START」のセルC1から「GOAL」のセルC24までの24個のセルによって、駒が時計回りに移動できる経路が構成される。第2のゲームを開始した当初では、駒は、「START」のセルC1に位置する。第2のゲームが実行されると、24個のセルのうちの1つのセルが選択されて、選択されたセルに駒を移動させる。駒が移動したセルの内容に応じて配当がプレーヤに与えられたりミニゲームが実行されたりする。24個のセルC1〜C24の具体的な内容については、後で詳述する。
【0110】
ゲームパネル133の背後には、ランプ135(図示せず)が設けられている。ランプ135は、LEDランプからなり、ゲームパネル133のバックライトとして機能し、ゲームパネル133を背後から照明する。ランプ135は、所定の明るさでゲームパネル133を照明する。ランプ135が点灯状態になったときには、ランプ135から光が発せられ、ゲームパネル133の全体が照明される。また、ランプ135が消灯状態になったときには、ランプ135からの光は発せられず、ゲームパネル133の全体は暗い状態となる。
【0111】
なお、ゲームパネル133の全体が一様の明るさで照明できるように、ランプ135は、複数のランプから構成されている。複数のランプの全てが点灯したり消灯したりする。ランプ135は、ゲーミングマシン1の電源と連動するように接続されており、ゲーミングマシン1の電源が投入されると、ランプ135が点灯し、ゲーミングマシン1の電源が遮断されると、ランプ135は消灯する。
【0112】
ゲームパネル133の中央部分には、上側画像表示パネル131の形状と大きさとに応じた貫通孔139が形成されている。貫通孔139に上側画像表示パネル131が嵌め込まれるように配置される。すなわち、貫通孔139が上側画像表示パネル131の配置領域を形成し、配置領域に上側画像表示パネル131が配置される。
【0113】
上側画像表示パネル131を隅角部に配置した場合には、双六ゲームや人生ゲームなどに用いるセル(コマ)を視認し易い環状に形成することができない。上側画像表示パネル131を周回するように環状に形成した複数のセルのデットスペースを有効利用して上側画像表示パネル131を配置することができる。
【0114】
上側画像表示パネル131の下方には、チケットプリンタ171と、カードスロット176と、データ表示器174と、キーパッド173とが設けられている。
【0115】
チケットプリンタ171は、クレジット数や日時やゲーミングマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット175として出力するものである。遊技者は、バーコード付チケット175をゲーミングマシンに読み取らせて遊技を行ったり、バーコード付チケット175を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0116】
カードスロット176は、所定のデータが記憶されているカードを挿入するためのものである。例えば、カードには、遊技者を識別するためのデータ、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶されている。
カードスロット176に挿入されたカードは、後述のカードリーダ172によってデータの読み取り及びデータの書き込みが行われる。なお、カードには、コイン、紙幣又はクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。
【0117】
データ表示器174は、蛍光ディスプレイやLED等からなり、例えば、カードリーダ172が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド173を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド173は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0118】
[ビデオリールのシンボル列]
ゲーミングマシン1の全体構造についての説明は以上である。次に、図5を参照して、ゲーミングマシン1のビデオリール3が有するシンボル列の構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのリールの周面に描かれたシンボルの配列を示す図である。
【0119】
第1ビデオリール3a、第2ビデオリール3b、第3ビデオリール3c、第4ビデオリール3d及び第5ビデオリール3eにはそれぞれ、コードナンバー「00」〜「21」に対応する22個のシンボルから構成されるシンボル列が割り当てられている。
【0120】
シンボルの種類には、「JACKPOT 7」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」及び「APPLE」が設けられている。
【0121】
[ゲーミングマシンが備える回路の構成]
ゲーミングマシン1のビデオリール3が有するシンボル列の構成についての説明は以上である。次に、図6を参照して、ゲーミングマシン1が備える回路の構成について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【0122】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53と、メモリカード54に対応したカードスロット55と、GAL(Generic Array Logic)56に対応したICソケット57とを備えている。
【0123】
メモリカード54は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、抽籤プログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている(例えば後述の図8〜図19を参照)。また、上記ゲームプログラムには、各ビデオリール3に割り当てられたシンボル列の構成を規定するデータ(図5を参照)が含まれている。
【0124】
抽籤プログラムは、各ビデオリール3の停止予定シンボルを抽籤により決定するためのプログラムである。停止予定シンボルは、シンボル列を構成する22個のシンボルのうち、シンボル表示領域4により表示する3個のシンボルを決定するためのデータである。本実施形態のゲーミングマシン1は、シンボル表示領域4の各ビデオリール3に応じた3つの領域のうち、所定の領域(例えば、上段の領域)に表示するシンボルを、停止予定シンボルとして決定する。
【0125】
上記抽籤プログラムには、シンボル決定データが含まれている。シンボル決定データは、各ビデオリール3に応じて、シンボル列を構成する22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれが均等の確率(つまり、1/22)で決定されるように乱数値を規定するデータである。
22個のシンボルのそれぞれが決定される確率は基本的に均等である。ただし、22個のシンボルの中に含まれる各種シンボルの個数が異なるので、各種シンボルが決定される確率は異なる(つまり、重みが生じる)。例えば、図5を参照すると、第1ビデオリール3aのシンボル列には、シンボル「JACKPOT7」は1個含まれているのに対して、シンボル「ORANGE」は7個含まれている。したがって、前者は「1/22」の確率で決定されるのに対して、後者は「7/22」の確率で決定されることになる。
【0126】
なお、本実施の形態では、各ビデオリール3のシンボル列を構成するシンボルの個数が同じとなるようにデータが規定されているが、各ビデオリール3に応じて、シンボル列を構成するシンボルの個数が異なるようにしても良い。例えば、第1ビデオリール3aのシンボル列は22個のシンボルから構成される一方で、第2ビデオリール3bのシンボル列は30個のシンボルから構成されるようにしても良い。これにより、各ビデオリール3に応じて各種シンボルが決定される確率を設定する際の自由度が増す。
【0127】
また、カードスロット55は、メモリカード54を挿抜可能なように構成されており、IDEバスによってマザーボード70に接続されている。
【0128】
GAL56は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL56は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
【0129】
また、ICソケット57は、GAL56を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。メモリカード54を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、又は、メモリカード54に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、ゲーミングマシン1で行われる遊技の内容を変更することができる。
【0130】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53は、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。PCIバスは、マザーボード70とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード70からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0131】
ROM52には、認証プログラムが記憶される。ブートROM53には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラム及び予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0132】
マザーボード70は、メインCPU71と、ROM72と、RAM73と、通信用インターフェイス82とを備えている。マザーボード70は、本発明におけるコントローラに相当する。本実施形態では、メインCPU71という1個のCPUによってコントローラが構成されることとしているが、本発明におけるコントローラは、複数のCPUから構成されていてもよい。
【0133】
ROM72は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU71により実行されるBIOS等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU71によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。
【0134】
RAM73には、メインCPU71が動作する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM73には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
【0135】
通信インターフェイス82は、通信回線301を介して、サーバ等の外部制御装置200との通信を行うためのものである。また、マザーボード70には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)90及び本体PCB110が、それぞれUSBによって接続されている。さらに、マザーボード70には、電源ユニット81が接続されている。
電源ユニット81からマザーボード70に電力が供給されると、マザーボード70のメインCPU71が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
【0136】
ドアPCB90及び本体PCB110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU71により動作が制御される周辺装置が接続されている。
ドアPCB90には、コントロールパネル30、リバータ91、コインカウンタ92C及び冷陰極管93が接続されている。
【0137】
コントロールパネル30には、前述の各ボタンに対応して、スピンスイッチ31S、チェンジスイッチ32S、CASHOUTスイッチ33S、1−BETスイッチ34S及び最大BETスイッチ35Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンが遊技者によって押されたことを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0138】
コインカウンタ92Cは、コイン受入口36に入れられたコインが材質や形状等が適正であるか否かを選別し、適正なコインを検出したとき、メインCPU71に対して信号を出力する。また、適正でないコインは、コイン払出口15Aから排出される。
【0139】
リバータ91は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ92Cによって選別された適正なコインを、ホッパー113又はキャッシュボックス(図示せず)に振り分ける。ホッパー113がコインで満たされていない場合はホッパー113に、ホッパー113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
【0140】
冷陰極管93は、上側画像表示パネル131及び下側画像表示パネル141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0141】
本体PCB110には、ランプ111、スピーカ112、ホッパー113、コイン検出部113S、タッチパネル114、紙幣識別器115、グラフィックボード130、チケットプリンタ171、カードリーダ172、キースイッチ173S及びデータ表示器174が接続されている。
【0142】
ランプ111は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ112は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
【0143】
ホッパー113は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口15Aからコイントレイ15に払い出す。コイン検出部113Sは、ホッパー113により払い出されるコインを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0144】
タッチパネル114は、下側画像表示パネル上で遊技者の指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU71に対して出力する。紙幣識別器115は、適正な紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に応じた信号をメインCPU71に対して出力する。
【0145】
グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル131及び下側画像表示パネル141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。下側画像表示パネル141のシンボル表示領域4には、5つのビデオリール3が表示され、各ビデオリール3が有するシンボル列のスクロール及びその停止の動作が表示される。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDPや、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAM等を備えている。下側画像表示パネル141のクレジット数表示領域142には、RAM73に記憶されているクレジット数が表示される。下側画像表示パネル141のペイアウト数表示領域143には、コインの払出数が表示される。
【0146】
また、グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0147】
チケットプリンタ171は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、RAM73に記憶されたクレジット数、日時やゲーミングマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット175として出力する。
【0148】
カードリーダ172は、カードスロット176に入れられたカードについて、記憶されているデータを読み取ってメインCPU71へ送信したり、メインCPU71からの制御信号に基づいてデータの書き込みを行ったりする。
【0149】
キースイッチ173Sは、キーパッド173に設けられており、キーパッド173が遊技者によって操作されたとき、所定の信号をメインCPU71へ出力する。
【0150】
データ表示器174は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ172が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド173を介して入力されたデータを表示する。
【0151】
[シンボル組合せテーブルの構成]
ゲーミングマシン1の回路構成についての説明は以上である。次に、図7を参照して、シンボル組合せテーブルについて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル組合せテーブルを示す図である。
【0152】
シンボル組合せテーブルは、入賞に係るシンボルの図柄の組合せと払出数とを規定している。ゲーミングマシン1では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが停止され、入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せと一致する場合に、入賞が成立する。そして、入賞役に応じて、コインの払い出しやボーナスゲームの開始といった特典が遊技者に与えられる。なお、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せの何れとも一致しない場合には、入賞が不成立(いわゆるハズレ)となる。
【0153】
基本的に、それぞれのビデオリール3により入賞ライン上に表示されるシンボルが全て、「JACKPOT 7」、「APPLE」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」及び「ORANGE」のうちの1種類のシンボルである場合、入賞が成立する。ただし、「CHERRY」及び「ORANGE」の各種類のシンボルについては、一方の種類のシンボルが1つ又は3つ、ビデオリール3により入賞ライン上に表示された場合にも、入賞が成立する。
例えば、全てのビデオリール3によりシンボル「BLUE 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「BLUE」となり、払出数として「10」が決定される。そして、決定された払出数に基づいてコインの払い出しが行われる。コインの払い出しは、コイン払出口15Aから実際にコインを排出するか、クレジット数に加算するか、又はバーコードチケットを発行することによって行われる。
【0154】
「JACKPOT 7」は、ジャックポットトリガーに係るシンボルである。全てのビデオリール3によりシンボル「JACKPOT 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「ジャックポット」となり、払出数としてジャックポット額が決定される。
「APPLE」は、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルである。全てのビデオリール3によりシンボル「APPLE」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「ボーナスゲームトリガー」となり、次回の遊技からボーナスゲームが開始される。
【0155】
[プログラムの内容]
シンボル組合せテーブルについての説明は以上である。次に、図8〜図19を参照して、ゲーミングマシン1により実行されるプログラムについて説明する。
【0156】
〈メイン制御処理〉
まず、図8を参照して、メイン制御処理について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
【0157】
はじめに、ゲーミングマシン1に電源が投入されると、メインCPU71は、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54から認証したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを読み出し、RAM73に書き込む(ステップS11)。
【0158】
次に、メインCPU71は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS12)。例えば、BET数や抽籤により決定されたシンボルなど、RAM73の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータがクリアされる。
【0159】
次に、メインCPU71は、後で図9を参照して説明するコイン投入・スタートチェック処理を行う(ステップS13)。この処理では、BETスイッチやスピンスイッチの入力のチェックなどが行われる。
【0160】
次に、メインCPU71は、後で図12を参照して説明するシンボル抽籤処理を行う(ステップS14)。この処理では、シンボル決定用乱数値に基づいて停止予定シンボルが決定される。
【0161】
次に、メインCPU71は、ミステリーボーナス抽籤処理を行う(ステップS15)。この処理では、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを決定する抽籤が行われる。例えば、メインCPU71は、「0〜99」の範囲からミステリーボーナス用乱数値を抽出し、抽出された乱数値が「0」である場合に、ミステリーボーナストリガーを成立させる。
【0162】
次に、メインCPU71は、演出内容決定処理を行う(ステップS16)。メインCPU71は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽籤により決定する。
【0163】
次に、メインCPU71は、後で図13を参照して説明するシンボル表示制御処理を行う(ステップS17)。この処理では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが開始され、ステップS14のシンボル抽籤処理において決定された停止予定シンボルが所定の位置(例えば、シンボル表示領域4における上段の領域)に停止される。つまり、停止予定シンボルを含む3つのシンボルがシンボル表示領域4内に表示される。例えば、停止予定シンボルがコードナンバー「10」のシンボルであり、これを上段の領域に表示する場合であれば、コードナンバー「11」、「12」及び「13」の各シンボルがシンボル表示領域4内の中段及び下段のそれぞれに表示される。
【0164】
次に、メインCPU71は、後で図14を参照して説明する払出数決定処理を行う(ステップS18)。この処理では、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せに基づいて払出数が決定され、RAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0165】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS19)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、後で図16を参照して説明するボーナスゲーム処理を行う(ステップS20)。
【0166】
次に、メインCPU71は、ステップS20の処理の後、又はステップS19においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、ミステリーボーナストリガーが成立したか否かを判別する(ステップS21)。メインCPU71は、ミステリーボーナストリガーが成立したと判別したときには、ミステリーボーナス処理を行う(ステップS22)。この処理では、ミステリーボーナス用に設定された払出数(例えば300)がRAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0167】
メインCPU71は、ステップS22の処理の後、又はステップS21においてミステリーボーナストリガーが成立していないと判別したときには、後で図15を参照して説明するインシュランスチェック処理を行う(ステップS23)。この処理では、インシュランスによる払い出しを行うか否かがチェックされる。
【0168】
次に、メインCPU71は、払出処理を行う(ステップS24)。メインCPU71は、払出数記憶領域に格納されている値を、RAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。なお、CASHOUTスイッチ33Sの入力に基づいてホッパー113の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値に応じたコインをコイン払出口15Aから排出するようにしても良い。また、チケットプリンタ171の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値が記録されたバーコード付チケットを発行するようにしても良い。この処理が行われた後、ステップS12に移る。
【0169】
〈コイン投入・スタートチェック処理〉
次に、図9を参照して、コイン投入・スタートチェック処理について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0170】
はじめに、メインCPU71は、コインカウンタ92Cによりコインの投入を検出したか否かを判別する(ステップS41)。メインCPU71は、コインの投入を検出したと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値を加算する(ステップS42)。なお、コインの投入に加えて、紙幣識別器115により紙幣の投入を検出したか否かを判別し、紙幣の投入を検出したと判別したときに、紙幣に応じた値をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算するようにしても良い。
【0171】
メインCPU71は、ステップS42の後、又はステップS41においてコインの投入を検出していないと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS43)。メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、BETボタンの操作受付を許可する(ステップS44)。
【0172】
次に、メインCPU71は、BETボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS45)。メインCPU71は、BETボタンが遊技者によって押されたことをBETスイッチにより検出したときは、BETボタンの種別に基づいて、RAM73に設けられているBET数記憶領域に格納されている値を加算し、クレジット数記憶領域に格納されている値を減算する(ステップS46)。
【0173】
次に、メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であるか否かを判別する(ステップS47)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であると判別したときには、BET数記憶領域に格納されている値の更新を禁止する(ステップS48)。メインCPU71は、ステップS48の後、又はステップS47においてBET数記憶領域に格納されている値は最大ではないと判別したときには、スピンボタンの操作受付を許可する(ステップS49)。
【0174】
メインCPU71は、ステップS49の後、ステップS45においてBETボタンの操作を検出していないと判別したとき、又はステップS43においてクレジット数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、スピンボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS50)。メインCPU71は、スピンボタンの操作を検出していないと判別したときには、ステップS41に移る。
【0175】
メインCPU71は、スピンボタンの操作を検出したと判別したときには、後で図10を参照して説明するジャックポット関連処理を行う(ステップS51)。この処理では、ジャックポット額に累積する額が算出され、外部制御装置200に送信される。
【0176】
次に、メインCPU71は、後で図11を参照して説明するインシュランス関連処理を行う(ステップS52)。この処理では、インシュランスによる払い出しが行われる契機となる遊技回数のカウントが行われる。この処理が行われると、コイン投入・スタートチェック処理を終了する。
【0177】
〈ジャックポット関連処理〉
次に、図10を参照して、ジャックポット関連処理について説明する。
図10は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
【0178】
はじめに、メインCPU71は、累積額を算出する(ステップS71)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値と予め設定された累積割合との積をもとめ、ジャックポット額への累積額を算出する。
【0179】
次に、メインCPU71は、算出された累積額を外部制御装置200に対して送信する(ステップS72)。外部制御装置200は、累積額を受信すると、ジャックポット額を更新する。この処理が行われると、ジャックポット関連処理を終了する。
【0180】
〈インシュランス関連処理〉
次に、図11を参照して、インシュランス関連処理について説明する。
図11は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のフローチャートを示す図である。
【0181】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS91)。インシュランス有効フラグは、後で図17を参照して説明するインシュランス選択処理において、遊技者によりインシュランスを有効にする指示が入力されたときにオンにセットされる。
【0182】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス関連処理を終了する。一方で、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、RAM73に設けられているインシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値を更新する(ステップS92)。インシュランス用遊技回数記憶領域は、インシュランスによる払い出しが行われるまでの遊技回数を記憶する領域である。ステップS92の処理において、メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値に1を加算する。この処理が行われると、インシュランス関連処理を終了する。
【0183】
〈シンボル抽籤処理〉
次に、図12を参照して、シンボル抽籤処理について説明する。
図12は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
【0184】
はじめに、メインCPU71は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS111)。次に、メインCPU71は、各ビデオリール3の停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS112)。メインCPU71は、各ビデオリール3に応じて抽籤を行い、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)の何れかを停止予定シンボルとして決定する。このとき、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれは均等の確率(つまり、1/22)で決定される。
【0185】
本実施形態のゲーミングマシン1が備えるビデオリール3(第1ビデオリール3a、第2ビデオリール3b、第3ビデオリール3c、第4ビデオリール3d及び第5ビデオリール3e)には夫々、コードナンバーに対応付けられた複数のシンボルから構成されるシンボル列が割り当てられており、各ビデオリール3とシンボル列との対応関係を示すデータテーブルがROM72に記憶されている。
【0186】
メインCPU71は、各ビデオリール3に応じて抽籤を行い、複数のシンボルの何れかを停止予定シンボルとして決定する。このとき、複数のシンボルのそれぞれは均等の確率で決定される。
【0187】
次に、メインCPU71は、決定した各ビデオリール3の停止予定シンボルをRAM73に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS113)。次に、メインCPU71は、シンボル組合せテーブル(図7)を参照し、シンボル格納領域に基づいて入賞役を判定する(ステップS114)。メインCPU71は、各ビデオリール3により入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブルに規定されているシンボルの組合せとが一致するか否かを判定し、入賞役を決定する。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
【0188】
シンボル組合せテーブルは、入賞に係るシンボルの図柄の組合せと払出数とを規定するものである。ゲーミングマシン1では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが停止され、入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せと一致する場合に、入賞が成立する。なお、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せの何れとも一致しない場合には、入賞が不成立(いわゆるハズレ)となる。
【0189】
〈シンボル表示制御処理〉
次に、図13を参照して、シンボル表示制御処理について説明する。
図13は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【0190】
はじめに、メインCPU71は、下側画像表示パネル141のシンボル表示領域4に表示した各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを開始する(ステップS131)。次に、メインCPU71は、前述のシンボル格納領域に基づいて、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを停止する(ステップS132)。この処理が行われると、シンボル表示制御処理を終了する。
【0191】
なお、本実施形態では、各シンボルがシンボル列を構成し、縦スクロールされる場合について説明するが、本発明におけるシンボルの変動表示の態様としてはこの例に限定されず、例えば、横向きにスクロールされてもよいし、個々のシンボルが表示領域内で別々に動くように表示されてもよい。
【0192】
〈払出数決定処理〉
次に、図14を参照して、払出数決定処理について説明する。
図14は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【0193】
はじめに、メインCPU71は、入賞役はジャックポットであるか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU71は、入賞役はジャックポットではないと判別したときには、入賞役に対応する払出数を決定する(ステップS152)。例えば、入賞役が「BELL」であるとき、払出数として「8」が決定される(図7を参照)。なお、ハズレのときは払出数として「0」が決定される。次に、メインCPU71は、決定した払出数を払出数記憶領域に格納する(ステップS153)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0194】
メインCPU71は、入賞役はジャックポットであると判別したときには、ジャックポットの入賞があった旨を外部制御装置200に対して通知する(ステップS154)。なお、外部制御装置200は、通知を受けると、それまでに更新してきたジャックポット額をゲーミングマシン1に対して送信する。このとき、ジャックポット額の一部(例えば80パーセント)を払い出しの対象とし、残り(例えば20パーセント)を次回のジャックポットトリガー成立時に備えて繰り越すようにしても良い。
【0195】
次に、メインCPU71は、外部制御装置200よりジャックポット額を受信する(ステップS155)。次に、メインCPU71は、受信したジャックポット額を払出数記憶領域に格納する(ステップS156)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0196】
〈インシュランスチェック処理〉
次に、図15を参照して、インシュランスチェック処理について説明する。
図15は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0197】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS171)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0198】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、所定の入賞役が成立したか否かを判別する(ステップS172)。本実施形態では、所定の入賞役として「ボーナスゲームトリガー」、「ジャックポット」及び「ミステリーボーナス」を対象としている。
【0199】
メインCPU71は、所定の入賞役が成立していないと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数(例えば300)に達したか否かを判別する(ステップS173)。メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達していないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0200】
メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達したと判別したときには、インシュランス額に基づいて払出処理を行う(ステップS174)。メインCPU71は、インシュランス額として予め定められた額(例えば200)をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。
【0201】
メインCPU71は、ステップS174の後、又はステップS172において所定の入賞役が成立したと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値をリセットする(ステップS175)。次に、メインCPU71は、インシュランス有効フラグをオフにする(ステップS176)。この処理が行われると、インシュランスチェック処理を終了する。
【0202】
〈インシュランス選択処理〉
次に、図17を参照して、インシュランス選択処理について説明する。
図17は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のフローチャートを示す図である。
【0203】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS221)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス無効画像を表示する(ステップS222)。メインCPU71は、インシュランス無効画像を表示する指令をグラフィックボード130に対して送信する。グラフィックボード130は、その指令に基づいて、インシュランス無効画像を生成し、下側画像表示パネル141に表示する。
インシュランス無効画像としては、例えば、「INSURANCE BET $1.00 TOUCH TO BET」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスを有効にするか否かの選択を遊技者に促すとともに、インシュランスを有効にするために必要な額を遊技者に知らせるための画像である。遊技者は、タッチパネル114上の所定箇所に触れることによって、インシュランスを有効にする旨の指示を入力することができる。
【0204】
続いて、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有るか否かを判別する(ステップS223)。メインCPU71は、インシュランス有効指示入力がないと判別したときには、インシュランス有効フラグはオフのまま、ステップS221に移る。その一方で、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有ると判別したときには、インシュランス有効フラグをオンにする(ステップS224)。
【0205】
次に、メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値からインシュランス加入値を減算する(ステップS225)。本実施形態では、例えば1ドルに相当する値がクレジット数記憶領域に格納されている値から減算される。メインCPU71は、ステップS225の後、又はステップS221においてインシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、インシュランス有効画像を表示する(ステップS226)。
インシュランス有効画像としては、例えば、「INSURANCE継続中 WIN 200 CREDIT」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスが有効である旨、及びインシュランスの条件が満たされると「200」の値がクレジット数記憶領域に格納されている値に加算される旨を遊技者に知らせる画像である。この処理が行われると、ステップS221に移る。
【0206】
<<<ボーナスゲーム処理>>>
図16は、図8のステップS20の処理で呼び出されて実行されるボーナスゲーム処理を示すフローチャートである。このボーナスゲームは、いわゆる双六ゲームや人生ゲームであり、上側画像表示パネル131において行われる。以下では、ボーナスゲームを人生ゲームと称する。上述したように、上側画像表示パネル131の周囲には、上側画像表示パネル131を周回するように、ゲームパネル133が設けられている。ゲームパネル133は、複数、たとえば24個のセルC1〜C24を示す画像からなる。ボーナスゲームは、双六ゲームや人生ゲームに限られず、ゲームの進行に従ってセルの並びに沿って駒を移動させるものであればよい。
【0207】
<<人生ゲームの具体的な内容>>
人生ゲームは、通常のゲームにおいて、ボーナスシンボルが所定の数以上、たとえば、3つ以上、停止したときに、通常のゲームが中断されて開始されるゲームである。
【0208】
図20〜図23に示すように、人生ゲームのセル(マス)は、C1〜C24の合計で24個である。人生ゲームは、24個のセルC1〜C24に駒を進めて、駒が止まったセルの内容に従うゲームである。図20〜図23に示す人生ゲームは、右下に示す「START」から、時計回りに、「START」のセルC1の上の「GOAL」のセルC24に至るまで、24個のセルによって形成された経路に従って駒を進めていくゲームである。具体的には、以下のようなゲームである。
【0209】
人生ゲームの開始の当初においては、駒は、右下の「START」のセルに位置している。サイコロを振り、表示されたサイコロの目の数だけ駒を経路に沿って進め、駒が停止したセルの内容に従う。セルの内容は、予め定められている。駒が「GOAL」のセルに至るなどの所定の終了条件が成立するまで、サイコロの目に応じて駒を進める動作を繰り返す。駒が位置するセルが、現在の進行状態を示す。
【0210】
図20〜図23に示したセルのうち、数値が表示されているセルC3、C6、C7、C9、C11、C12、C15、C17、C19及びC22は、配当セル(配当マス)である。駒が配当セルに停止したときには、そのセルに割り当てられて表示されている数値が配当としてプレーヤに付与される。
【0211】
図20〜図23に示したセルのうち、「?」マークが表示されているセルC5及びC14は、非表示配当セル(非表示配当マス)である。このセルは、通常、「?」マークが表示されており、プレーヤに内容が判らないセルである。駒がこのセルに停止したときに、セルの内容が表示され、所定のイベントが実行される。イベントの結果に応じた数値が決定されて、配当としてプレーヤに付与される。イベントは、たとえば、宝くじに当籤するなどのイベントである。1等に当籤したときには数値30が配当として付与され、2等に当籤したときには数値10が配当として付与され、3等に当籤したときには数値5が配当として付与される。
【0212】
図20〜図23に示したセルのうち、「人生の選択」と表示されているセルC2に駒が停止すると、プレーヤは、就職するか進学するかを操作によって選択することができる。プレーヤによる操作は、タッチパネル114やスピンボタン31などのプレーヤが操作できる装置による操作であればよい。プレーヤが就職を選択したときには、「人生の選択」のセルC2に割り当てられた数値が、直ちに配当としてプレーヤに付与される。一方、プレーヤが進学を選択した場合には、その後、「PAYDAY」のセルC21に駒が停止したときに、一定の数値の2倍の数値が配当としてプレーヤに付与される。
【0213】
図20〜図23に示したセルのうち、「PAYDAY」のセルC21は、2つの機能を有する。上述したように、「人生の選択」のセルC2に駒が停止し、プレーヤが進学を選択した場合に、「PAYDAY」のセルC21に駒が停止したときには、一定の数値の2倍の数値が配当としてプレーヤに付与される。一方、「人生の選択」のセルC2に駒が停止することなく、「PAYDAY」のセルC21に駒が停止したときには、通常の配当セルとして機能する。「PAYDAY」のセルC21に割り当てられた数値が配当としてプレーヤに付与される。
【0214】
図20〜図23に示したセルのうち、「MINI GAME」と表示されているセルC4、C10及びC18に駒が停止すると、下側画像表示パネル141に選択ゲームが表示され、プレーヤは選択ゲームを行うことができる。プレーヤは、下側画像表示パネル141に表示された複数の選択肢のうちの1つの選択肢を選択する。選択肢に予め割り当てられた数値が配当としてプレーヤに付与される。プレーヤによる選択操作は、タッチパネル114やスピンボタン31などのプレーヤが操作できる装置による操作であればよい。
【0215】
図20〜図23に示したセルのうち、「WIN or LOSE」と表示されているセルC8、C13、C16、C20及びC23は、「人生の分岐点」のセルである。セルに駒が停止すると、下側画像表示パネル141に2択の選択ゲームが表示され、プレーヤは選択ゲームを行うことができる。2択の選択肢のうち、第1の選択肢をプレーヤが選択したときには、所定の数値が、配当としてプレーヤに付与される。一方、2択の選択肢のうち、第2の選択肢をプレーヤが選択したときには、人生ゲームを終了する。2択の選択肢のうちの第2の選択肢をプレーヤが選択したことが、人生ゲームを終了する条件の1つである。
【0216】
図20〜図23に示したセルのうち、「GOAL」と表示されているセルC24に駒が停止すると、まず、数値400が配当としてプレーヤに付与される。さらに、選択ゲームを行うか否かをプレーヤに選択させる。この選択ゲームは、さらなる配当を獲得できる可能性があるゲームである。プレーヤが選択ゲームを行わないと選択したときには、人生ゲームを終了する。このプレーヤが選択ゲームを行わないと選択したことが、人生ゲームを終了する条件の1つである。
【0217】
一方、プレーヤが選択ゲームを行うと選択したときには、下側画像表示パネル141に選択ゲームが表示され、プレーヤは選択ゲームを行うことができる。プレーヤは、下側画像表示パネル141に表示された2つの選択肢のうちの1つの選択肢を選択する。プレーヤによる選択操作は、タッチパネル114やスピンボタン31などのプレーヤが操作できる装置による操作であればよい。
【0218】
2択の選択肢のうち、第1の選択肢をプレーヤが選択したときには、成功したとして、2倍の数値800が、配当としてプレーヤに付与される。一方、2択の選択肢のうち、第2の選択肢をプレーヤが選択したときには、失敗したとして、「GOAL」のセルC24に割り当てられている数値400が、配当としてプレーヤに付与される。この選択ゲームを終了した後、人生ゲームを終了する。この選択ゲームが終了したことが、人生ゲームを終了する条件の1つである。
【0219】
上述した人生ゲームが終了したときには、再び、下側画像表示パネル141において、シンボルの表示による通常のゲームに戻る。
【0220】
<<ボーナスゲーム(人生ゲーム)の具体的な処理>>
上述した人生ゲームは、図16に示したボーナスゲーム処理を実行することによって進行する。
【0221】
最初に、メインCPU71は、駒の位置を初期化する(ステップS1611)。たとえば、駒の位置が、「START」のセルC1となるように定める。このようにすることで、人生ゲームを「START」のセルC1から始めることができる。このとき、図20(a)に示すように、人生ゲームが開始されたことを示す画像が下側画像表示パネル141に表示され、図20(b)に示すように、人生ゲームのタイトル文字「THE GAME OF LIFE」が上側画像表示パネル141に表示される。
【0222】
具体的には、24個のセルC1〜C24の各々には、セルを識別するための識別番号が予め割り当てられている。また、駒の現在位置を示す数値が、セルの識別番号となるように駒の位置が定められる。たとえば、「START」のセルC1を1番目に割り当て、「人生の選択」のセルを2番目に割り当て、1つずつ増やした番号をセルの各々に順に割り当て、最後のセル「GOAL」を24番目のセルC24に割り当てる。このようにして、駒の位置を示す番号が2ならば、2番目の「人生の選択」のセルに駒が位置していることになる。また、駒の位置を示す番号が24ならば、24番目の「GOAL」のセルに駒が位置していることになる。
【0223】
上述したステップS1611の処理を実行することによって、駒の位置を示す数値は1になる。このようにして、駒の位置は、「START」のセルC1となる。
【0224】
次に、メインCPU71は、「START」のセルを指し示すための矢印型の指標画像を上側画像表示パネル131に表示する(ステップS1613)。このように、現在、駒が位置している「START」のセルC1を、矢印型の指標画像によって、プレーヤに明確に示すことができる。
【0225】
次に、下側画像表示パネル141にサイコロを示す画像を表示する(ステップS1615)。たとえば、図21(a)に示すように、サイコロの画像が下側画像表示パネル141に表示される。この時点では、図21(b)に示すように、上側画像表示パネル131には、人生ゲームのタイトル文字「THE GAME OF LIFE」が表示されている。
【0226】
次に、メインCPU71は、下側画像表示パネル141に表示されているサイコロの画像にプレーヤが触れたように、下側画像表示パネル141に設けられているタッチパネル114をプレーヤが操作したか否かを判断する(ステップS1617)。タッチパネル114をプレーヤが操作していないと判別したときには(NO)、ステップS1617に処理を戻す。
【0227】
ステップS1617では、タッチパネル114をプレーヤが操作したか否かを判断する場合を示したが、スピンボタン31をプレーヤが操作したか否かを判断してもよい。また、タッチパネル114やスピンボタン31に限られず、プレーヤが操作できる装置ならばよい。
【0228】
上述したステップS1615〜S1617の処理により、通常ゲームでは、単なるスロットゲームのゲーム結果を表示する表示エリアを形成した下側画像表示パネル141を、ボーナスゲームに突入すると、上側画像表示パネル131で表示される双六ゲームや人生ゲームのコントローラとして機能させることができる。
【0229】
上述したステップS1617で、メインCPU71は、タッチパネル114をプレーヤが操作したと判別したときには(YES)、抽籤処理によってサイコロの目を決定する(ステップS1619)。たとえば、1から6までの6つの整数値のうちの1つの整数値が、抽籤処理によってサイコロの目として決定される。
【0230】
上述した例では、ステップS1615でサイコロを示す画像を表示し、ステップS1617でタッチパネル114をプレーヤが操作したか否かを判断した後に、ステップS1619で、サイコロの目を抽籤処理で決定する場合を示した。処理の順番は、これに限られず、サイコロの目の抽籤処理を先に実行して、その後に、サイコロを示す画像を表示したり、タッチパネル114をプレーヤが操作したか否かを判断したりしてもよい。また、サイコロを示す画像を表示した後に、サイコロの目の抽籤処理を実行して、プレーヤがタッチパネル114を操作したか否かを判断してもよい。
【0231】
次に、メインCPU71は、下側画像表示パネル141から移動を開始して上側画像表示パネル131に至るまでサイコロが転がって移動するように視認できる画像を表示する(ステップS1621)。たとえば、図21(a)、図22(a)及び図22(b)に示すように、サイコロの画像が、下側画像表示パネル141の中央部から上側画像表示パネル131の液晶ディスプレイの中央部まで、回転しつつ徐々に移動していく画像が表示される。
【0232】
このステップS1621の処理は、メインCPU71から下側画像表示パネル141に第1の制御信号を発し、上側画像表示パネル131に第2の制御信号を発することによって実行される。第1の制御信号は、サイコロが転がる態様の画像を下側画像表示パネル141に表示するための制御信号である。第2の制御信号は、第1の制御信号の出力を開始してから第1の所定の時間が経過した後に、メインCPU71から上側画像表示パネル131に発せられる。第2の制御信号は、サイコロが転がる態様の画像を第2のディスプレイに表示する表示制御のための制御信号である。
【0233】
さらに、第1の制御信号の出力は、第1の制御信号の出力を開始してから第2の所定時間が経過した後に終了する。
【0234】
第2の所定の時間が第1の所定の時間よりも長い場合は、下側画像表示パネル141と上側画像表示パネル131と双方でサイコロの画像が重複して表示される時間がある。たとえば、下側画像表示パネル141の上部にはサイコロの下側の一部分が表示され、上側画像表示パネル131の下部にはサイコロの残りの部分が表示される。このように表示することで、サイコロが転がっていく様子を円滑に表示できる。
【0235】
一方、第2の所定の時間が第1の所定の時間よりも短い場合は、下側画像表示パネル141のサイコロの画像が消えてから、上側画像表示パネル131にサイコロの画像が突然出現するように表示される。下側画像表示パネル141にも上側画像表示パネル131にもサイコロの画像が表示されない非表示時間が存在するので、プレーヤに緊張感を与えることができる。
【0236】
次に、メインCPU71は、ステップS1619の抽籤処理によって決定されたサイコロの目で停止するように、上側画像表示パネル131にサイコロの画像を表示する(ステップS1623)。たとえば、図22(b)に示すように、上側画像表示パネル131の液晶ディスプレイの中央部には、抽籤処理によって決定されたサイコロの目が正面に表示されるように、サイコロの画像が表示される。
【0237】
このステップS1623の処理は、メインCPU71から上側画像表示パネル131に発せられる第2の制御信号によって実行される。第2の制御信号には、上述したステップS1623の処理を実行した後に、ステップS1619の抽籤処理によって決定されたサイコロの目が表示されるようにサイコロの画像を停止表示するための制御信号を含む。
【0238】
次に、メインCPU71は、駒の現在位置を示す数値にサイコロの目の数を加えて、駒の新たな位置を示す数値を算出する(ステップS1625)。駒の新たな位置を示す数値は、駒が移動すべきセルの識別番号を示す。サイコロの目は、上述したステップS1619の抽籤処理によって決定されている。
【0239】
次に、メインCPU71は、駒が新たに位置するセルを表示する(ステップS1627)。
【0240】
上述したように、現在、駒が位置しているセルは、上側画像表示パネル131に表示された矢印型の指標画像によって指し示される。同様に、ステップS1627の処理によって、サイコロの目により駒が移動して、駒が新たに位置するセルも、上側画像表示パネル131に表示された矢印型の指標画像によって指し示される。たとえば、図23(a)に示すように、下側画像表示パネル141には、人生ゲームを開始してプレーヤに付与する配当の合計数と、「LOOK UP 2ND MONITOR !!」というメッセージと、上向きの矢印の画像とが表示される。また、図23(b)に示すように、上側画像表示パネル131には、駒が新たに位置するセルC7を指し示す矢印型の指標画像と、そのとき駒が新たに位置するセルC7によって付与される配当と、キャラクタの画像とが表示される。
【0241】
また、新たなセルに駒が移動するときに、新たなセルに至るまで、駒が1つずつセルを移動するように表示してもよい。たとえば、セルを指し示すための矢印型の指標画像も順次移動させつつ上側画像表示パネル131に表示する。このようにすることで、ステップS1625の処理で算出した新たなセルに駒が至るまで、駒が順次移動するように表示することができる。
【0242】
さらに、ステップS1627の処理では駒が新たに位置するセルの内容に対応した演出画像を上側画像表示パネル131に表示する。セルを示す指標画像だけでなく、上側画像表示パネル131にセルの内容に対応した演出画像を表示することによっても、選択された1つのセルを示唆することができ、表示エリアを有効に活用することができる。
【0243】
次に、メインCPU71は、後述する図18に示す配当決定処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS1629)、本サブルーチンを終了する。
【0244】
<<配当決定処理>>
図18及び図19は、図16のステップS1629の処理で呼び出されて実行される配当決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0245】
最初に、メインCPU71は、駒が配当セルに停止したか否かを判断する(ステップS1811)。配当セルは、駒が停止したときには、そのセルに割り当てられている数値を配当としてプレーヤに付与するセルである。駒が配当セルに停止したと判別したときには(YES)、セルに割り当てられている数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1813)、上述したステップS1615に処理を戻す。
【0246】
メインCPU71は、駒が配当セルに停止していないと判別したときには(NO)、駒が非表示配当セルに停止したか否かを判断する(ステップS1815)。メインCPU71は、駒が非表示配当セルに停止したと判別したときには(YES)、抽籤処理を実行してイベントを決定する(ステップS1817)。イベントは、たとえば、宝くじなどの1等や2等などの賞などがある。
【0247】
メインCPU71は、決定されたイベントに対応する数値を上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1819)、決定されたイベントに対応する数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1821)、上述したステップS1615に処理を戻す。駒が非表示配当セルに停止したときには、セルの内容が上側画像表示パネル131に表示され、所定のイベントが実行されて、イベントに対応した配当がプレーヤに付与される。駒が非表示配当セルに停止するまで、内容が表示されていないので、プレーヤの期待感を高めることができる。
【0248】
メインCPU71は、ステップS1815の判断処理で、駒が非表示配当セルに停止していないと判別したときには(NO)、人生の選択セルに駒が停止したか否かを判断する(ステップS1823)。メインCPU71は、人生の選択セルに駒が停止したと判別したときには(YES)、タッチパネル114を操作することで就職か進学かを選択すべきメッセージを上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1825)、就職が選択されたか否かを判断する(ステップS1827)。
【0249】
メインCPU71は、就職が選択されていないときには(NO)、進学が選択されたことを記憶し(ステップS1829)、上述したステップS1615に処理を戻す。メインCPU71は、就職が選択されたときには(YES)、人生の選択セルに割り当てられている所定の配当を上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1831)、その所定の配当を記憶し(ステップS1833)、上述したステップS1615に処理を戻す。
【0250】
メインCPU71は、上述したステップS1823の判断処理で、人生の選択セルに駒が停止していないと判別したときには(NO)、PAYDAYセルに駒が停止したか否かを判断する(ステップS1835)。メインCPU71は、PAYDAYセルに駒が停止したと判別したときには(YES)、上述した人生の選択セルの処理で、進学が選択されたか否かを判断する(ステップS1837)。具体的には、ステップS1829の処理によって進学が選択されたことが記憶されているか否かを判断する。
【0251】
ステップS1837の処理で、メインCPU71は、人生の選択セルの処理において進学が選択されていたと判別したときには(YES)、PAYDAYのセルに割り当てられている通常の数値の2倍の数値を、プレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1839)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1841)、上述したステップS1615に処理を戻す。
【0252】
ステップS1837の処理で、メインCPU71は、人生の選択セルの処理において進学が選択されていないと判別したときには(NO)、PAYDAYのセルに割り当てられている通常の数値をプレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1843)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1845)、上述したステップS1615に処理を戻す。
【0253】
メインCPU71は、上述したステップS1835の判断処理で、PAYDAYセルに駒が停止していないと判別したときには(NO)、MINI GAMEのセルに駒が停止したか否かを判断する(ステップS1847)。
【0254】
メインCPU71は、MINI GAMEのセルに駒が停止したと判別したときには(YES)、下側画像表示パネル141に選択ゲームを表示する(ステップS1849)。この処理によって、下側画像表示パネル141には、複数の選択肢を示す画像が表示される。
【0255】
次に、メインCPU71は、プレーヤの操作によって、複数の選択肢のうちの1つの選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS1851)。このプレーヤによる選択操作は、タッチパネル114やスピンボタン31などのプレーヤが操作できる装置による操作であればよい。メインCPU71は、プレーヤによって1つの選択肢が選択されていないと判別したときには(NO)、ステップS1851に処理を戻す。
【0256】
一方、メインCPU71は、プレーヤによって1つの選択肢が選択されたと判別したときには(YES)、選択された選択肢に割り当てられている数値をプレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1853)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1855)、上述したステップS1615に処理を戻す。
【0257】
メインCPU71は、上述したステップS1847の判断処理で、MINI GAMEのセルに駒が停止していないと判別したときには(NO)、人生の分岐点のセルに駒が停止したか否かを判断する(ステップS1911)。上述したように、人生の分岐点のセルは、「WIN or LOSE」と表示されているセルである。
【0258】
メインCPU71は、人生の分岐点のセルに駒が停止したと判別したときには(YES)、下側画像表示パネル141に2択の選択ゲームを表示する(ステップS1913)。この処理によって、下側画像表示パネル141には、2つの選択肢を示す画像が表示される。一方は、成功に対応する選択肢であり、他方は、失敗に対応する選択肢である。
【0259】
次に、メインCPU71は、プレーヤの操作によって、2つの選択肢のうちの成功に対応する選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS1915)。このプレーヤによる選択操作は、タッチパネル114やスピンボタン31などのプレーヤが操作できる装置による操作であればよい。
【0260】
メインCPU71は、成功に対応する選択肢が選択されたと判別したときには(YES)、成功に対応する選択肢に割り当てられている数値を、プレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1917)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1919)、上述したステップS1615に処理を戻す。
【0261】
ステップS1915の処理で、メインCPU71は、成功に対応する選択肢が選択されていないと判別したとき(NO)、すなわち、失敗に対応する選択肢が選択されたと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了して、人生ゲームを終了する。
【0262】
メインCPU71は、上述したステップS1911の判断処理で、人生の分岐点のセルに駒が停止していないと判別したときには(NO)、GOALのセルに駒が停止したとして、選択ゲームをするか否かを判断する(ステップS1921)。選択ゲームは、さらなる配当を獲得できる可能性があるゲームである。GOALのセルに駒が停止したときには、まず、選択ゲームをするか否かをプレーヤに選択させることができる。このプレーヤによる選択操作は、タッチパネル114やスピンボタン31などのプレーヤが操作できる装置による操作であればよい。
【0263】
メインCPU71は、プレーヤの操作によって、選択ゲームをしないと選択されたと判別したときには(NO)、GOALのセルに割り当てられている数値を、プレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1923)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1925)、本サブルーチンを終了して、人生ゲームを終了する。
【0264】
ステップS1921の処理で、メインCPU71は、プレーヤの操作によって、選択ゲームをすると選択されたと判別したときには(YES)、下側画像表示パネル141に2つの選択肢を示す画像を表示する(ステップS1927)。一方は、成功に対応する選択肢であり、他方は、失敗に対応する選択肢である。たとえば、この選択ゲームは、ルーレットゲームである。
【0265】
次に、メインCPU71は、プレーヤの操作によって、いずれか一方の選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS1929)。メインCPU71は、いずれか一方の選択肢が選択されていないと判別したときには(NO)、ステップS1929に処理を戻す。
【0266】
メインCPU71は、いずれか一方の選択肢が選択されたと判別したときには(YES)、上側画像表示パネル131に選択ゲームの経過の画面を表示する(ステップS1931)。上述したように、たとえば、この選択ゲームは、ルーレットゲームである。ステップS1931では、ルーレット盤が回転する態様の画像が表示される。ルーレット盤には、円周方向に沿って、成功に対応する領域(赤色の領域)と失敗に対応する領域(黒色の領域)とが交互に配置されている。選択ゲームは、ルーレット盤が停止したときに、球が赤色の領域に入れば、成功となり、球が黒色の領域に入れば、失敗となるゲームである。
【0267】
メインCPU71は、ステップS1931の処理を所定の時間実行した後、上側画像表示パネル131に選択ゲームの結果の画面を表示する(ステップS1933)。たとえば、ルーレット盤が停止して、赤色の領域又は黒色の領域に球が入った画像を表示する。
【0268】
次に、メインCPU71は、成功したか否かを判断する(ステップS1935)。メインCPU71は、成功したと判別したときには(YES)、GOALのセルに割り当てられている数値の2倍の数値を、プレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1937)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1939)、本サブルーチンを終了して、人生ゲームを終了する。
【0269】
ステップS1935の処理で、メインCPU71は、成功していないと判別したとき(NO)、すなわち、失敗したと判別したときには、GOALのセルに割り当てられている数値をプレーヤに付与する配当として上側画像表示パネル131に表示し(ステップS1941)、その数値をプレーヤに付与する配当として記憶し(ステップS1943)、本サブルーチンを終了して、人生ゲームを終了する。
【0270】
<<<変形例>>>
上述した例では、ランプ135によってゲームパネル133(24個のセルC1〜C24)の全体を照明する場合を示したが、24個のセルC1〜C24の各々に対応した複数のランプを設けて、駒の移動をこれらのランプの点灯状態によって示すようにしてもよい。
【0271】
ゲームパネル133の背後には、セルC1〜C24の各々に対応するように、複数のランプ137−1〜137−24(図示せず)を設ける。複数のランプ137−1〜137−24は、ランプ135と同様に、LEDランプからなり、ゲームパネル133のバックライトとして機能する。たとえば、セルC1はランプ137−1に対応し、セルC5はランプ137−5に対応するように設ける。
【0272】
複数のランプ137−1〜137−24は、ランプ駆動回路(図示せず)を介して本体PCB110に電気的に接続されている。このようにすることで、複数のランプ137−1〜137−24の各々の点灯状態をメインCPU71によって別個に制御することができる。
【0273】
上述したように、ランプ137−1〜137−24の各々は、対応するセルの背後に配置されている。メインCPU71の制御によって、ランプ137−1〜137−24で対応するセルを背後から照明することにより、現在、駒が位置しているセルを明るい態様で表示できる。また、駒が別のセルに移動してランプを消灯したときには、駒がもともと位置していたセルを暗い態様で表示できる。
【0274】
たとえば、上述したステップS1613の処理では、メインCPU71は、「START」のセルC1の背後に配置されているランプを点灯するとともに、「START」のセルを指し示すための矢印型の指標画像を上側画像表示パネル131に表示する。このようにすることで、現在、駒が位置している「START」のセルを、ランプの点灯と矢印型の指標画像との双方によって、プレーヤに明確に示すことができる。
【0275】
さらに、新たなセルに駒が移動するときに、新たなセルに至るまで、1つずつセルが移動するように表示してもよい。具体的には、点灯させていたランプを消灯し、駒の進行方向の隣のセルのランプを所定時間だけ点灯させて消灯する。さらにその隣のセルのランプを所定時間だけ点灯させて消灯する。このように、隣り合うセルのランプの点灯と消灯とを順次繰り返すことによって、隣り合ったセルを経路に沿って駒が順次移動していく態様で表示することができる。
【0276】
上述した処理を実行することによって、下側画像表示パネル141に表示されるサイコロの画像をプレーヤがタッチすると、乱数が発生し、双六で用いるサイコロの目となる1〜6の数字と乱数が関連付けられたテーブルデータを参照し、発生した乱数に応じたサイコロの目の画像が決定される。そして、この決定されたサイコロの目の画像が、上側画像表示パネル131の中央部分に表示される。その表示後、ゲームパネル133(アクリル板)の背面側の部位であって、セル(コマ)の各々の絵柄ごとに分離しかつ他のセルのゲームパネル133(アクリル板部分)を照明しないように区画された部位に配置されている光源を、順次にゴールのセルに向かって点灯制御するための制御プログラムを読み出す。そして、制御プログラムを実行してサイコロの目に応じてゴールに向かって点灯位置が進行するような表示を実行する。
【0277】
上述した例では、「GOAL」のセルなどの所定のセルの内容を実行することで、人生ゲームを終了したが、所定のゲーム数(フリーゲーム数)に応じた回数だけ抽籤処理を実行して、サイコロの目を定めるようにしてもよい。このようにしたときには、人生ゲームは、ゲーム数に応じた回数実行され、駒が移動するセルに関連付けて記憶された配当データが、ゲーム数が終了するまで加減される制御が実行される。
【符号の説明】
【0278】
1 ゲーミングマシン
31 スピンボタン(操作装置)
71 メインCPU(コントローラ)
114 タッチパネル(操作装置)
131 上側画像表示パネル(第2のディスプレイ)
141 下側画像表示パネル(第1のディスプレイ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボルの表示の態様によって結果が定まる第1のゲームが行われる第1のディスプレイと、前記第1のディスプレイとは異なる第2のディスプレイと、
プレーヤの操作を検出する操作装置と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイを制御するためのコントローラであって、以下の(1−1−1)〜(1−1−3)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有するゲーミングマシン。
(1−1−1) 前記第1のゲームの結果として所定数以上の所定のシンボルが前記第1のディスプレイに表示されたときに、プレーヤによる前記操作装置の操作の検出を契機に前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの進行を定めるためのサイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号を前記コントローラから前記第1のディスプレイに出力する処理、
(1−1−2) 前記第1の制御信号の出力を開始してから第1の所定の時間経過した後、サイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第2のディスプレイに表示する表示制御のための第2の制御信号を前記コントローラから前記第2のディスプレイに出力する処理、及び
(1−1−3) 前記第1の制御信号の出力を開始してから前記第1の所定の時間とは異なる第2の所定時間経過した後、前記第1の制御信号の出力を終了する処理。
【請求項2】
前記コントローラは、
(1−2−1) 抽籤処理によってサイコロの目を決定する処理、及び
(1−2−2) 前記(1−1−2)の処理を実行した後に、前記第2の制御信号により、前記抽籤処理によって決定されたサイコロの目が表示されるように前記サイコロの画像を停止表示する処理、をさらに実行する請求項1に記載のゲーミングマシン。
【請求項3】
前記コントローラは、前記(1−2−2)の処理を実行した後、さらに、
(1−3−1) 前記抽籤処理によって決定されたサイコロの目に応じて、複数のセルのうちの1つのセルを選択して進めるゲームを前記第2のゲームとして実行する処理を実行する請求項2に記載のゲーミングマシン。
【請求項4】
前記コントローラは、前記(1−3−1)の処理を実行した後、さらに、
(1−4−1) 選択されたセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する利益として記憶する処理、を実行する請求項3に記載のゲーミングマシン。
【請求項5】
前記コントローラは、前記(1−3−1)の処理を実行した後、前記複数のセルに含まれるゴールのセルに到達しないときには、さらに、
(1−5−1) プレーヤによる前記操作装置の操作の検出を契機に前記サイコロが転がる態様でサイコロの画像を前記第1のディスプレイに表示するための第1の制御信号を前記コントローラから前記第1のディスプレイに出力する処理、
(1−5−2) 前記(1−1−2)及び前記(1−1−3)の処理、並びに
(1−5−3) 前記(1−2−1)及び前記(1−2−2)の処理、を実行する請求項3に記載のゲーミングマシン。
【請求項6】
前記複数のセルは前記第2のディスプレイの少なくとも周囲の一部に配置され、
前記コントローラは、
(2−6−1) 選択された1つのセルを示す指標画像を前記第2のディスプレイに表示する処理、を実行する請求項3に記載のゲーミングマシン。
【請求項7】
前記コントローラは、前記(2−6−1)の処理に加えて、
(2−7−1) 選択された1つのセルに対応する演出画像を前記第2のディスプレイに表示する処理をさらに実行する請求項6に記載のゲーミングマシン。
【請求項8】
前記コントローラは、
(3−8−1) 前記複数のセルのうちのゴールのセルが選択されたときに、プレーヤによる前記操作装置の操作に応じて複数の選択肢のうちの1つの選択肢を選択する処理、及び
(3−8−2) 前記ゴールのセルに対して予め定められている配当を、プレーヤによって選択された1つの選択肢に応じて変更する処理、をさらに実行する請求項3に記載のゲーミングマシン。
【請求項9】
前記(3−8−2)の処理は、
複数の選択肢のうちの第1の選択肢が選択されたときには、前記ゴールのセルに対して予め定められている配当よりも多い配当をプレーヤに付与する利益として決定し、
複数の選択肢のうちの前記第1の選択肢とは異なる第2の選択肢が選択されたときには、前記ゴールのセルに対して予め定められている配当をプレーヤに付与する利益として決定する処理である請求項8に記載のゲーミングマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−95867(P2012−95867A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246857(P2010−246857)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】