説明

ゲームシステム、ゲームサーバ装置、ゲーム入力端末装置及びプログラム

【課題】ゲーム全体の進行をゲーム実行のための演算処理期間とそれ以外に峻別してスケジュール管理し、このスケジュールに従ってゲームの実行のための演算処理期間にゲーム参加者からのアクセスを制限し、サーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることが可能なゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム入力を受け付ける手段と、受け付けたゲーム入力に応じてゲーム実行処理をする手段と、実行処理とゲーム入力のスケジュールを保持する手段と、スケジュールに従って複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又はゲーム入力受付けが同期したタイミングで可能又は不能とされるように決定する手段とを有するゲームサーバ装置と、ゲーム実行状況を視聴する手段と、利用者からのゲーム入力を取得する手段と、取得したゲーム入力を出力する手段とを有する複数のゲーム入力端末装置とからなるゲームシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関し、特に、複数のゲーム入力端末装置とこれら複数のゲーム入力端末装置から入力を受け付けてゲーム実行処理をするゲームサーバ装置とからなるゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどを介して接続されたサーバと複数の端末を利用して行うオンラインゲームが普及している。特に、最近人気があるのが、複数のゲーム参加者が同時に一つのゲームに参加して対戦する対戦型のゲームであり、なかでも、ゲーム参加者がゲームの開始前に必要な入力を行うだけで済み、後はコンピュータが当該入力に基づいてゲームの進行を自動的に行ういわゆる自動実行型のゲームの人気が高い。さらに、最近では、実際のチーム名や選手名を用いることでリアル感が味わえるゲームが人気である。代表的なものとして、実際のプロ野球のチーム名や選手名を用いたリーグ戦の試合形式の野球ゲームがあり、参加者はそれぞれ特定のチームを担当して、他の参加者が担当する他チームと試合を戦う。参加者は、ゲーム開始前にベンチ入り選手や先発メンバー及びその打順、守備位置などの必要な入力を行うだけであり、ゲーム開始後はコンピュータがゲームを自動的に実行するので、参加者がいちいち投球や打撃などのための操作を行う必要がない。このようなゲーム方法によれば、ゲームがコンピュータによる高速な演算処理によって実行されるため迅速なゲームの進行が可能となるので、参加者のゲームに対するモチベーションが高く維持されやすいというメリットがある。また、参加者はわずかな時間を割くだけで気軽にゲームを楽しむことができるので、仕事などで多忙な者でも気軽に参加ができるというメリットもある。さらに、このような気軽さからゲーム参加者が増えることで全体的なレベルが向上してゲームへの興趣が増し、これによりさらに参加者が増えるという好循環が期待できるというメリットもある。
【0003】
このような対戦型の自動実行ゲームに関する先行技術として、例えば、特許文献1には、野球ゲームの対戦をコンピュータが過去の対戦結果内容に基づいて自動的に実行するゲーム方法が開示されている(特許文献1参照)。また、非特許文献1には、実際のプロ野球のチーム名や選手名を用いた自動実行型の野球ゲームが開示されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009‐273522号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Yahoo!モバゲー プロ野球チームを作ろうブラウザ」(http://yahoo-mbga.jp/game/12005047/detail?member_id=&invite_member=&appParams=)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようなオンラインゲームでは、多数(数百万人から一千数百万人程度にのぼることが考えられる)の参加者がいるゲームの実行のための演算処理をサーバ側のコンピュータが高速で行うことが必要となるため、当該コンピュータの負荷が相当重くなることが見込まれる。このため、このようなゲームの実行処理のための演算が行われている最中にゲーム参加者からゲーム入力などのために当該コンピュータにアクセスがなされると、さらにサーバの負荷が増してゲームの実行のための演算処理に支障が生じるおそれもある。
【0007】
このための対策として、ゲームの実行のための演算処理中は参加者からのサーバへのアクセスやゲーム入力を禁止することも考えられる。しかし、従来のゲームにおいては、ゲームの実行のための演算処理を行う期間がきちんとスケジュール管理されておらず、例えば「ゲームの実行のための演算処理中は参加者からのアクセスができず、演算処理中でないときはアクセスができる」といった明確な形でゲームの進行管理を行うことができなかった。また、仮に個々のゲームについてはゲームの実行のための演算処理を行う期間がスケジュール上明確であり、その間に当該ゲーム参加者からのアクセスなどを制限したとしても、他のゲームを含めたゲーム全体のスケジュール管理まではなされていなかった。従って、一部のゲームについてはアクセス可能な期間であっても、同時に他のゲームの実行のための演算処理が同じコンピュータで進行中である場合が十分に考えられ、この間に一部のゲームの参加者からのアクセスがなされると他のゲームの実行のための演算処理に支障が生じるおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明の解決すべき課題は、ゲーム全体の進行を、ゲームの実行のための演算処理を行う期間と、それ以外の期間とに峻別して一括的にスケジュール管理し、このスケジュールに従って、ゲームの実行のための演算処理を行う期間にはゲーム参加者からのアクセスを制限し、もって、サーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることが可能なゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、本発明のうち、第一の発明は、複数のゲーム入力端末装置と、これら複数のゲーム入力端末装置から入力を受け付けてゲーム実行処理をするゲームサーバ装置とからなるゲームシステムであって、ゲームサーバ装置は、ゲーム入力端末装置とのサーバ通信部と、通信部を介したゲーム入力を受け付ける受付部と、受け付けたゲーム入力に応じてゲーム実行処理をする実行処理部と、実行処理とゲーム入力のスケジュールを保持するスケジュール部と、前記スケジュールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する決定部とを有し、ゲーム入力端末装置は、ゲームサーバ装置との端末通信部と、通信部を介したゲーム実行状況を視聴する視聴部と、利用者からのゲーム入力を取得する取得部と、通信部を介して取得したゲーム入力を出力する出力部とを有するゲームシステムを提供する。
【0010】
また、第二の発明は、第一の発明を基礎として、ゲームサーバ装置は、決定部での決定に従って受付部を制御する受付制御部を有するゲームシステムを提供する。
【0011】
また、第三の発明は、第一又は第二の発明を基礎として、ゲームサーバ装置は、決定部での決定に従ってゲーム入力端末装置に対して入力制限命令を出力する入力制限命令出力部を有し、ゲーム入力端末装置は、入力制限命令を取得する入力制限命令取得部と、取得した入力制限命令に従って取得部又は/及び出力部を制御する入力制御部とを有するゲームシステムを提供する。
【0012】
また、第四の発明は、コンピュータに組み込むことによって、コンピュータを、第一から第三のいずれか一の発明に係るゲームシステムとして動作させるコンピュータプログラムを提供する。
【0013】
また、第五の発明は、第一から第三のいずれか一の発明に係るゲームサーバ装置を提供する。
【0014】
また、第六の発明は、第一から第三のいずれか一の発明に係るゲーム入力端末装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、ゲーム全体の進行を、ゲームの実行のための演算処理を行う期間と、それ以外の期間とに峻別して一括的にスケジュール管理し、このスケジュールに従って、ゲームの実行のための演算処理を行う期間にはゲーム参加者からのアクセスを制限し、もって、サーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることが可能なゲームシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図
【図2】実施例1のゲームサーバ装置のスケジュール部が保持するスケジュールの一例を示す図
【図3】実施例1のゲームサーバ装置のゲームサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図4】実施例1のゲームサーバ装置のゲーム入力端末のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図5】実施例1のゲームシステムにおけるゲーム入力に係る処理の流れの一例を示す概略図
【図6】実施例1のゲームシステムにおけるゲーム実行処理及び視聴に係る処理の流れの一例を示す図
【図7】実施例2のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図
【図8】実施例2のゲームシステムハードウェア構成の一例を示す概略図
【図9】実施例2のゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【図10】実施例3のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図
【図11】実施例3のゲームシステムのゲームサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図12】実施例3のゲームシステムのゲーム入力端末装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図13】実施例3のゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【符号の説明】
【0017】
0100 ゲームシステム
0110 ゲームサーバ装置
0111 サーバ通信部
0112 受付部
0113 実行処理部
0114 スケジュール部
0115 決定部
0120 ゲーム入力端末装置
0121 端末通信部
0122 視聴部
0123 取得部
0124 出力部
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と特許請求の範囲の請求項の相互の関係については、実施例1は主に請求項1、4、5、6などに関し、実施例2は主に請求項2、4、5、6などに関し、実施例3は主に請求項3、4、5、6などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0019】
<概要>
本実施例のゲームシステムは、複数のゲーム入力端末装置と、これら複数のゲーム入力端末装置から入力を受け付けてゲーム実行処理をするゲームサーバ装置とからなるゲームシステムであり、その特徴は、ゲームサーバ装置が、実行処理とゲーム入力のスケジュールを保持する手段、及び、保持されたスケジュールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する手段を有している点にある。平たく言えば、サーバ側のコンピュータがゲームの実行のための演算処理を行っている期間中にはゲーム参加者の端末装置からの入力を制限し、それ以外の期間中には可能となるようにした点に、本実施例のゲームシステムの特徴がある。
【0020】
<構成>
図1は、本実施例のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図である。本件発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両者、のいずれかによって構成される。たとえば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、メモリ、バス、インターフェイス、周辺機器などから構成されるハードウェアと、これらのハードウェア上にて実行可能なソフトウェアを挙げることができる。具体的には、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェイスを介して入力されるデータの加工、蓄積、出力などにより各部の機能が実現される。
【0021】
同図に示すように、本実施例の「ゲームシステム」0100は、「ゲームサーバ装置」0110と、複数の「ゲーム入力端末装置」0120とからなり、両者はインターネットなどのネットワークを介して接続されている。「ゲームサーバ装置」は、利用者(ゲームの参加者)によるゲーム入力を受け付けてゲームの処理を実行するためのものであり、典型的には、ゲーム管理者が管理するサーバ側に備えられた大型のコンピュータ装置である。一方、「ゲーム入力端末装置」は、利用者がゲーム入力を行ったり、ゲームの実行状況を視聴したりするためのものであり、典型的には利用者の自宅にあるパソコン端末や携帯端末である。本発明においては、野球ゲームをはじめ、他の球技ゲームや格闘技ゲームなどの対戦型・自動実行型のゲームを想定している。このため、既述のようなこの種のゲームのメリットに照らし、本発明に係るゲームには多数(数十万人から一千数百万人程度)の利用者が参加することが見込まれる。以上より、本発明においてゲーム入力端末装置は複数設けられるが、実際の事業においてはその数が多数設けられることが想定されている。なお、本発明に係るゲームシステムの対象となるゲームは、上述のように対戦型・自動実行型のゲームを想定しているものの、これに限られるものではなく、多数の利用者が参加することが見込まれるゲームを広く対象とし得る。
【0022】
なお、本発明の構成とは直接関係がないが、このような多数の利用者により対戦型のゲームを行う場合、例えば、全利用者で1リーグを構成し、その中で適宜対戦相手を定めて所定試合数を戦うようにしてもよい。かかる一例として、野球ゲームにおいて、利用者が120万人いる場合に、120万人(120万チーム)全体で1リーグを構成し、抽選で決められた対戦相手と各チームが100試合ずつ戦って勝利数や勝率を競うといったものが考えられる。あるいは、全利用者を複数のグループに分属させて、各グループ内で全チームが対戦する形で所定試合数を戦うようにしてもよい。かかる一例として、実際のプロ野球を模した野球ゲームにおいて、利用者が120万人いる場合に、12人(12チーム)で構成される10万個のグループに分け、各グループ内をそれぞれが6人(6チーム)で構成される二個のリーグ(実際のプロ野球のセ・パ両リーグに相当)に分けた上で、実際のプロ野球と同じ方式(2011年の方式であればセ・パ各リーグ内の総当たりによる120試合とセ・パリーグ交流の総当たりによる24試合の計144試合)でリーグごとに勝利数や勝率を競うといったものが考えられる。
【0023】
以下、ゲームサーバ装置、ゲーム入力端末装置の具体的構成について、順に詳しく説明する。
【0024】
(ゲームサーバ装置:全般)
「ゲームサーバ装置」は、インターネットなどを介して接続されている複数のゲーム入力端末装置から入力を受け付けてゲーム実行処理をするように構成されており、「サーバ通信部」0111と、「受付部」0112と、「実行処理部」0113と、「スケジュール部」0114と、「決定部」0115とからなる。
【0025】
(ゲームサーバ装置:サーバ通信部)
「サーバ通信部」は、複数のゲーム入力端末装置との間の通信を行うためのものである。通信は公知技術を用いて行えばよく、例えば、複数のゲーム入力端末装置との間がインターネットを介して接続されている場合であれば、インターネット・プロトコル技術を搭載したインターネット端末を使用して、インターネットサービスプロバイダ経由で接続するようにしてもよいし、あるいは独自ネットワークやイントラネットからゲートウェイ等を経由して接続するようにしてもよい。
【0026】
(ゲームサーバ装置:受付部)
「受付部」は、通信部を介したゲーム入力を受け付けるように構成されている。「ゲーム入力」とは、ゲーム実行処理に必要な情報をコンピュータに入力する行為をいい、例えば、プロ野球ゲームの場合であれば、ベンチ入り選手や先発メンバー及びその打順、守備位置などの入力がこれにあたる。このゲーム入力は、後述のように利用者によるゲーム入力端末装置に対する入力を受け付けて同端末装置から送信され、これをゲームサーバ装置の通信部を介して受付部が受け付けるようになっている。なお、後述のように、決定部が複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けの可否を決定するように構成されているので、受付部によるゲーム入力の受付けは、決定部の決定に従ってなされることとなる。
【0027】
(ゲームサーバ装置:実行処理部)
「実行処理部」は、受け付けたゲーム入力に応じてゲーム実行処理をするように構成されている。「ゲーム実行処理」とは、ゲームを進行するためにコンピュータが行う演算処理をいい、プロ野球ゲームの場合であれば、投手が投球する球種、球速等を選択して投球動作を実行し、これに対して打者がバットを振るか見送るかを選択し、見送った場合には投球がストライクかボールかを判定し、次の投球を行うといったことを繰り返す実行処理がこれにあたる。また、投球に対しバットを振るか見送るか、見送った投球がストライクとなるかボールとなるか、あるいは打者が打撃を行った場合にヒットとなるかアウトとなるかといったことを判定するためにいずれかをランダムに抽出するための手段が設けられる。さらに、個々の選手の能力レベルをそれぞれ異なるレベルに設定し、各選手の動作についてその選手について設定された能力レベルの範囲内からランダムに抽出するようにしてもよく、実際のプロ野球ゲームのチーム名や選手名を用いたゲームの場合には、この能力レベルを実際の選手の能力レベルに応じて設定してもよい。そのほか、ゲームの進行に必要なルール(例えばスリーストライクになったらアウトとする、スリーアウトになったら攻守を交代するなど)を予め保持しておき、これを参照しつつゲームの実行処理を行う。以上の処理は、すべて公知技術を用いて行うことが可能である。
【0028】
ゲーム実行処理は「受け付けたゲーム入力に応じて」なされるところ、どのゲーム実行処理にどのゲーム入力を反映させるかについては、スケジュールとの関係で適切に設計される。この点については、理解の便宜上、次のスケジュール部の説明の末尾で説明する。
【0029】
(ゲームサーバ装置:スケジュール部)
「スケジュール部」は、実行処理とゲーム入力のスケジュールを保持するように構成されている。本発明における「実行処理とゲーム入力のスケジュール」とは、ゲーム実行のための演算処理を行う期間と、利用者のゲーム入力を受け付ける期間を峻別したスケジュールをいい、その目的は、ゲーム実行のための演算処理を行う期間には利用者のゲーム入力を受け付けないようにし、ゲーム実行のための演算処理を行っていない期間にのみ利用者のゲーム入力を受け付け可能とする形で、「実行処理」と「ゲーム入力」のスケジュールを峻別し、これによりサーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることにある。
【0030】
この目的に照らせば、このスケジュールは、すべてのゲーム入力端末装置に適用される一括的なスケジュールとして保持されることが原則である。これにより、「実行処理」のスケジュールの期間中はすべてのゲーム入力端末装置からのゲーム入力を受け付けないようにすることで、サーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることができる。ただし、サーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにするという目的を阻害しない範囲であれば、必ずしもすべてのゲーム入力端末装置に適用される一括的なスケジュールとして保持されるものでなくてもよい。例えば、大部分のゲーム入力端末装置については「実行処理」のスケジュールに充てている期間を、残りの一部のゲーム入力端末装置(ただし、複数であることが必要である)については「ゲーム入力」のスケジュールに充てている期間としてもよい。一部のゲーム入力端末装置(利用者)の選別基準は、会費の額や過去の戦績などに基づいて適宜定めればよい。
【0031】
次に、本実施例におけるスケジュールの具体例について説明する。図2は、本実施例のゲームサーバ装置のスケジュール部が保持するスケジュールの一例を示す。本図はプロ野球ゲームのスケジュールの例であり、ある年の4月1日から4月7日までの7日間にわたって毎日20試合ないし24試合ずつ1週間で実際のプロ野球と同様の144試合を戦う場合のスケジュールが保持されている例である。図中、実線で囲んだ四角で示す期間がそれぞれのスケジュールとして保持されている期間である。なお、本図で四角内に記載されている1、2などの数字は何日目のゲームであるかを示し、その下のかっこ付き数字は各日に行われる試合数を示す。本図では、各日のゲームの前日の18時から当日の6時までの間を当該ゲームの「ゲーム入力」0201のための期間に充て、当日の6時から18時までの間を当該ゲームの「実行処理」0202のための期間に充て、これを7日分繰り返すというスケジュールが保持されている。
【0032】
なお、実際のプロ野球を模したゲームの場合、前述のように12人(12チーム)で1グループを構成し、これが全体では多数のグループに分かれてそれぞれでゲームが行われることになるが、本図に示すスケジュールは全グループに共通するものである。このように本実施例のゲームサーバ装置のスケジュール部が保持するスケジュールは、すべてのゲーム入力端末装置に適用されるものとして一括的に定められたものであることが原則である。この場合、スケジュールはゲームシステム全体を通じて一つであり、複数のゲーム入力端末装置に応じて何通りものスケジュールがあるわけではない。これは、ゲームサーバ装置の一台のコンピュータが全グループに係るゲームの実行処理を行っていることを前提としており、コンピュータの負荷を過大にしないためには、このように一括してスケジュール管理をする必要があるためである。ただし、本発明の目的を阻害しない範囲で例外を設けてもよい点については上述したとおりである(なお、以下の記載において上の原則的な場合だけについて説明し例外について言及していない部分があるが、このような例外があり得る点は共通である)。
【0033】
なお、スケジュールは、予め固定的に定めておくだけでもよいし、ゲームの実行処理に応じて変更できるようにしておいてもよい。例えば、図2のようなスケジュールを予め定めた上で、第1日目のゲーム実行処理が17時に終了した場合に、次のゲーム入力のための期間の開始を17時に変更するようなことが考えられる。なお、スケジュールは原則として一括的に定められるものであるから、この場合の変更もすべてのゲーム入力端末装置に適用されるものとして一括的になされるのが原則である。
【0034】
ところで、ゲーム入力のための期間と実行処理のための期間が交互に現れるようなスケジュールの場合には、どのゲーム実行処理にどのゲーム入力を反映させるかという問題がある。これは、ゲーム実行処理部の項で言及した、ゲーム実行処理が「受け付けたゲーム入力に応じて」なされることの意味と関わる。これについては、いくつかの構成が考えられる。一つの構成としては、図2の例のように、ゲーム実行処理はその直前になされたゲーム入力のみに応じてなされるという構成が考えられる。図2に即して言えば、第1日目のゲーム実行処理は、その直前の3月31日18時から4月1日6時までの間になされたゲーム入力だけに基づいてなされるのは当然として、第2日目のゲーム実行処理は、その直前の4月1日18時から4月2日6時までの間になされたゲーム入力だけに基づいてなされるように構成される。従って、ゲーム入力の内容が、例えばベンチ入り選手と先発メンバー及びその打順、守備位置だけである場合、各日のゲーム実行処理直前のゲーム入力期間には、その都度改めてこれらすべてのゲーム入力を行うことになる。他の構成としては、ゲーム実行処理はその前になされたすべてのゲーム入力(ただし、その後新たに別の入力がされたものは除く)に応じてなされるという構成も考えられる。この場合は、例えば、ベンチ入り選手については第1日目のゲーム実行処理直前のゲーム入力期間に1回ゲーム入力をするだけとし、先発メンバー及びその打順、守備位置については各日のゲーム実行処理直前のゲーム入力期間にゲーム入力を行うことで、各日のゲームの実行処理には、はじめに行ったベンチ入り選手の入力と直前に行った先発メンバーについての入力とが反映されるといったものが考えられる。
【0035】
(ゲームサーバ装置:決定部)
「決定部」は、スケジュールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定するように構成されている。
【0036】
この決定は「スケジュールに従って」行われる。具体的には、例えば、スケジュールがゲームの「実行処理」であれば、その間(ゲームの実行処理開始から実行処理終了までの間)はゲーム入力の受付けが「不能」と決定され、スケジュールが「ゲーム入力」の場合にはゲーム入力受付けが「可能」と決定するように構成される。このため、本実施例のゲームサーバ装置は、このような決定ルールを予め記憶装置に保持していることが望ましい。
【0037】
決定部が入力または入力受付けを可能又は不能とされるように決定する対象には「ゲーム入力」と「ゲーム入力受付け」の二つがある。このうち、「ゲーム入力」について「可能」又は「不能」とされるように決定する場合には、「不能」の期間中は各ゲーム入力端末装置でのゲーム入力そのものができなくなるように構成される。従って、この場合に、ゲームサーバ装置から各ゲーム入力端末装置に対して、利用者による入力操作を受け付けないように制御するための命令が出力され、これに基づいてゲーム入力端末装置での入力が制御されるようにしてもよい。かかる構成については別の実施例にて後述する。
この場合、利用者がゲーム入力端末装置でゲーム入力を行おうとしても、ゲーム入力端末装置がそのゲーム入力を取得しないこととなる。これを実現するための具体的方法としては、例えば、利用者がゲーム入力用画面を表示しようとしてもできないとか、入力用画面は表示されるが入力操作ができないといったことが考えられる。一方、「ゲーム入力受付け」について「可能」又は「不能」とされるように決定する場合には、「不能」の期間中はゲームサーバ装置の側でゲーム入力を受け付けないように構成される。従って、この場合には、利用者がゲーム入力端末装置でゲーム入力を行おうとすれば入力すること自体は可能である。しかし、そのゲーム入力がゲームサーバ装置に対して送信されても、ゲームサーバ装置に受け付けてもらえないこととなる。
【0038】
このような場合に、上の構成と異なる構成として、受付部はゲーム入力を受け付けるが、受け付けたゲーム入力はゲームの実行処理には反映されないという構成も考えられなくはないが、ゲーム入力を受け付けること自体でその記憶のための相当程度のデータ処理量が発生することから、本発明の目的に照らせばこのような構成よりも、上述のように、ゲームサーバ装置がゲーム入力を受け付けないようにする方が望ましいと言える。
【0039】
次に、決定部が行う決定の具体例について、前出の図2に示したスケジュールの例に即して説明すれば以下のとおりである。なお前提として、予め「スケジュールが実行処理のときはゲーム入力又はゲーム入力受付けが不能と決定し、スケジュールがゲーム入力のときはゲーム入力受付けが可能と決定する」との決定ルールが定められているとする。この場合、例えば、3月31日18時から4月1日6時までの間に第1日目の20試合分のゲーム入力がなされた場合、ゲーム入力又はゲーム入力受付けが「可能」と判断されてそのゲーム入力は受け付けられる。しかし、4月1日6時を過ぎると、ゲーム入力端末装置においてもはやゲーム入力ができなくなる。あるいはゲーム入力がゲーム入力端末装置から送信されてもゲームサーバ装置の側で入力が受け付けられないことになる。
【0040】
なお、ゲーム入力又はゲーム入力受付けの可否は、ゲーム入力の属性と関連付けて決定するようにしてもよい。例えば、図2の例で、スケジュールが第1日目の「ゲーム入力」の期間である場合には、第1日目の20試合に関するゲーム入力は可能だが第2日目以後のゲーム入力は不能と決定するといったことが考えられる。あるいは、直近3日間までの試合に関するゲーム入力は可能だがそれ以後のゲーム入力は不能と決定するといったことものでもよい(この場合、例えば3月31日18時から4月1日6時までの間は、1〜3日目の計64試合に関するゲーム入力は可能だが第4日目以後のゲーム入力は不能と決定される)。
【0041】
なお、スケジュールおよびこれに対応した入力可否の決定の具体的な設定のしかたは、ゲームの利用者のニーズやゲームの実行処理に係るデータ処理量などに応じて適宜設計されてよい。例えば、極めて多忙な人間ばかりが参加している場合には、ゲーム入力の期間を短くするといったことが考えられる。また、ゲームの実行処理に係るデータ処理量が極めて大きい場合にやはりゲーム入力の期間を短くしてゲーム処理実行の期間を長く確保するといったことも考えられる。144試合を戦うプロ野球の例で言えば、はじめに前半72試合分のゲーム入力を可能とする期間を12時間設け、その後当該72試合の実行処理が終了するまではゲーム入力を不可とし、その後残りの72試合分のゲーム入力を可能とする期間を再び12時間設けるとか、初めに全144試合分のゲーム入力を可能とする期間を12時間設けるだけで、ゲームの実行処理開始後はゲーム終了まで一切ゲーム入力を不可とするとかいったものが考えられる。逆に、まとまった12時間のゲーム入力期間に加えて、毎試合終了後にゲーム入力を可能とするため、毎日各時の55分から00分までという具合に、毎時ごとに5分間ずつの入力又は入力受付けの「可能」期間をさらに設けてもよい。
【0042】
「同期したタイミングで」とは、可能又は不能との決定が、複数のゲーム入力端末装置のすべて又は複数である一部について同じタイミング(同時)となるように決定されるという意味である。原則的には、図2の例のように、このスケジュールがすべてのゲーム入力端末装置について共通する一括的なスケジュールとして定められており、例えば4月1日6時から18時の間にゲーム入力端末装置からのゲーム入力を行おうとしても、それがどの端末装置であってもすべてその入力ができない、あるいは入力を受け付けないように決定される。一方、大部分のゲーム入力端末装置については「実行処理」のスケジュールに充てている期間を、残りの一部のゲーム入力端末装置については「ゲーム入力」のスケジュールに充てている期間とするといったように、このスケジュールがすべてのゲーム入力端末装置について共通する一括的なスケジュールとして定められていない場合には、「ゲーム入力又はゲーム入力受付けが同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する」処理の対象となる「複数のゲーム入力端末装置」は、すべてのゲーム入力端末装置ではなく、その一部(ただし複数であることは必要である)となる。つまり、決定部の「複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する」との記載にける「複数のゲーム入力端末装置」と、ゲームシステムを構成する「複数のゲーム入力端末装置」は、必ずしも同じ意味ではなく、前者が後者の一部である場合があり得るということである。従って、決定部がゲームシステムを構成する複数のゲーム入力端末装置の一部である複数のゲーム入力端末装置について、「ゲーム入力又はゲーム入力受付けが同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する」ものも、本発明におけるゲームサーバ装置の構成に含まれる。つまり、このように構成されるゲームシステムも、当然本発明の技術的範囲に含まれるものである。なお、このように構成される場合には、決定部の可否判断の元になるスケジュールは、当該ゲーム入力の出力がどのゲーム入力端末装置からのものかを区別して用いる必要がある。なぜなら、同じタイミングで出力されたゲーム入力であっても、その期間が「ゲーム入力」にあたっているゲーム入力端末装置からのものであれば「可能」とされるように決定されるのに対し、その期間が「実行処理」にあたっているゲーム入力端末装置からのものであれば「不能」とされるように決定されるというように、スケジュールによって可否決定の内容が異なるからである。この区別のためには、例えば、各ゲーム入力端末装置を識別子により識別可能とし、ゲーム入力の出力をこの識別子と関連付けて行うようにした上で、ゲームサーバ装置が、出力されたゲーム入力に関連付けられている識別子と、予め保持している識別子とスケジュールを関連付けたテーブルなどを参照して、当該ゲーム入力がいずれのスケジュールに係るゲーム入力端末装置からのものなのかを判断するようにすればよい。
【0043】
「同期したタイミングで」入力可否を決定するようにした目的は、通例一台のコンピュータですべての演算処理を行っているサーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることにある。即ち、ゲームサーバ装置がゲームの実行処理を行っている間は、データ処理量が相当大きくなることが見込まれる。また、ゲームサーバ装置がゲーム入力を受け付けてこれをゲームの実行処理に反映するために記憶装置などに記憶する処理についてもやはりデータ処理量が相当大きくなることが見込まれる。そこで、既述のようにスケジュール保持部が保持するスケジュールは、ゲームサーバ装置の実行処理部が実行処理を行うすべてのゲームについて一括して定めるとともに、これに応じて、決定部が行う決定もすべてのゲーム入力端末装置について同時に行うようにすることで、ゲームサーバ装置の負荷が過大になることを防ぐようにしているのである。従って、例えば、上に挙げた毎試合終了後にゲーム入力を可能とする例の場合、例えばその日の第1試合に係るゲーム実行処理を6時00分に一斉に開始しても実行処理が終了する時刻は試合毎にまちまちになることも考えられるが、それでも次の入力が可能な時間帯は、6時55分から7時00分までの5分間というように一律に決められる。つまり、試合毎に見ればすでに6時40分に実行処理を終了している試合もあるかもしれないが、他の試合の実行処理が進行中であることが考えられるので引き続き入力又は入力受付けを不能とする。そして、すべての試合についての実行処理が確実と終了している時刻として設定されている6時55分に一斉に入力又は入力受付けを可能とするように決定することとなる。あるいは、すべての試合についての実行処理が早く終了した場合には、スケジュールを変更してもよい。本例で言えば、予めゲーム入力の期間を毎時55分から00分までの5分間と定めていたが、ある日の6時から開始されたゲーム実行処理が6時50分にすべて終了したので、その時間に限ってゲーム入力の期間を6時50分から7時00分までの10分間に変更するといったことである。
【0044】
決定結果は、利用者が知ることができるようになっていることが望ましい。このための具体的構成としては、例えば、予め、スケジュールを固定的に定めておき、これを各ゲーム入力端末装置に送信して利用者がディスプレイに表示したりスピーカから音声出力したりすることで閲覧可能にしておくことが考えられる。また、前述のようにゲーム実行処理が早く終了したなどの事情でスケジュールを変更する場合には、そのことを直ちに利用者に知らしめる必要があることから、例えば、予めそのような変更があった場合には利用者が予め登録したメールアドレスに変更した旨及びその変更内容を示すメッセージ(例えば「ゲーム入力が可能な時間帯が6時50分から7時00分までの間に変更になりました」といったメッセージ)をメールで送信するように設定しておいてもよい。
【0045】
(その他:待機後に入力を受け付ける手段を備える構成)
なお、決定部が複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けを「不能」とされるように決定した場合であっても、一時そのゲーム入力を受け付けずに保留しておき、その後決定部が複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けを「可能」と決定した際には、自動的に受け付けるように構成してもよい。具体的には、例えば「不能」中にゲーム入力が送信された場合には、決定部が「入力受付けが可能となった際に当該ゲーム入力を改めて送信せよ」との制御命令とともに当該ゲーム入力をいったんゲーム入力端末装置に送り返し、ゲーム入力端末装置は送り返されたゲーム入力をいったん記憶装置に記憶しておく。そして、入力受付けが「可能」となった場合に、その旨をゲームサーバ装置からゲーム入力端末装置に送信し、これを受けて、ゲーム入力端末装置が記憶装置に記憶されているゲーム入力を読み出してゲームサーバ装置に送信するという構成が考えられる。いわば入力受付け「不能」時に出力されたゲーム入力を「可能」時まで待機させておき、「可能」となった場合にゲーム入力を自動的に受け付けるものである。このようにすれば、利用者が同じゲーム入力のための操作を再度行う必要がなく利用者にとって便宜である。
【0046】
(ゲーム入力端末装置:全般)
次に、ゲーム入力端末装置の構成について説明する。「ゲーム入力端末装置」0120は、「端末通信部」0121と、「視聴部」0122と、「取得部」0123と、「出力部」0124とからなる。ゲーム入力端末装置は複数設けられる。ゲーム入力端末装置は、例えばパソコン端末であり、このほか、PDA(Personal Digital Assintants)や携帯電話機などであってもよい。
【0047】
(ゲーム入力端末装置:端末通信部)
「端末通信部」は、ゲームサーバ装置との間の通信を行うためのものである。通信は、ゲームサーバ装置のサーバ通信部について述べたところと同様の公知技術を用いて行えばよい。
【0048】
(ゲーム入力端末装置:視聴部)
「視聴部」は、通信部を介したゲーム実行状況を視聴するように構成されている。本実施例において「視聴する」とは、ゲームの実行状況(例えば野球の試合経過)をディスプレイに表示したりスピーカから音声出力して利用者が確認できる状態におくことをいう。ここでの「視聴」の語は日常用語とはやや異なるが、日常用語的にいえば「利用者が視聴可能なように出力する」といった意味である。
【0049】
「視聴」は、ゲーム入力と異なり、データ処理量が大きくなるおそれが少ないので、ゲームの処理実行中にこの視聴をするようにしても差支えないといえる。視聴の具体例としては、野球の試合の進行中にリアルタイムでの試合経過をディスプレイなどに表示することが考えられる。表示のしかたとしては、例えば、ディスプレイに現在のイニングと各チームの得点を表示したり、これに加えて、アウトカウント、ボールカウント、ランナーの位置などを画像やアニメーションなどで表示したりすることが考えられる。また、これらの情報をスピーカなどから音声で出力させてもよい。
【0050】
なお、視聴であってもデータ処理量が大きくなるおそれが全くないわけではなく、視聴のための多数のゲーム入力端末装置からのアクセスが集中すれば、ゲームサーバ装置のデータ処理量が相当大きくなることが見込まれ、これによりゲームサーバ装置に相当程度の負荷がかかるおそれがある。そこで、例えば、ゲーム入力と同様の構成により、ゲーム実行処理中は視聴できないようにしてもよい。この場合、リアルタイムでの試合経過の視聴はできなくなり、ゲーム終了後にのみゲーム結果やゲーム経過を視聴することが可能となる。あるいは、ゲーム実行処理中は全面的に視聴できないようにするのではなく、ゲーム処理実行中のうち一定時間を限って視聴できないようにしてもよいし、利用者を何らかの基準で分けて(例えば、フランチャイズチームとビジターチーム)、一定時間を区切って交代で視聴できない時間帯を設けてもよい。
【0051】
また、前出のスケジュールの変更に係る構成に関連して、このような変更がなされた場合になされる利用者への報知に際して、ゲーム入力の可否についての報知に加え、視聴の可否についての報知も合わせて行うようにしてもよい。例えば、前出のゲーム入力可否の変更をメールで知らせる場合に、視聴の可否についてのメッセージを加えて、例えば「ゲーム入力が可能な時間帯およびゲーム状況の視聴が可能な時間帯が6時50分から7時00分までの間に変更になりました。」といったメッセージをメールで送信するように設定しておいてもよい。
【0052】
(ゲーム入力端末装置:取得部)
「取得部」は、利用者からのゲーム入力を取得するように構成されている。具体的には、例えばゲーム入力端末装置のディスプレイに入力用のフォーマット画面を表示し、利用者がマウス、キーボード等を用いてフォーマットに従って入力操作を行ったゲーム入力を受け付けて取得するように構成される。
【0053】
なお、ゲーム入力端末装置の取得部が、複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力利用者からのゲーム入力を取得し、次に述べる出力部が出力しても、結局このゲーム入力はゲームサーバ装置には受け付けてもらえない(あるいは少なくともすぐには受け付けてもらえない)場合がある。そこで、利用者が無駄な入力操作を行うことがないようにするため、このことを利用者が認識可能にすることが望ましい。具体的には、ゲームサーバ装置の決定部が「不能」とされるように決定した場合には、その旨をゲーム入力端末装置に送信し、これを受けて、利用者がゲーム入力端末装置のディスプレイに入力用のフォーマット画面を表示した場合に、合わせて画面に「現在ゲーム入力は受け付けられません」といったメッセージを表示したり、同様のメッセージをスピーカから音声で出力したりすることが考えられる。
【0054】
(ゲーム入力端末装置:出力部)
「出力部」は、通信部を介して取得したゲーム入力を出力するように構成されている。出力されたゲーム入力は、ゲームサーバ装置の決定に従って、受け付けられ、あるいは受け付けられないこととなる。
【0055】
(ハードウェア構成)
次に、本実施例のゲームシステムのハードウェア構成について説明する。まず、ゲームサーバ装置のハードウェア構成について説明する。
【0056】
図3は、本実施例のゲームサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本図に示すように、本実施例のゲームサーバ装置のサーバ通信部と、受付部は、「記憶装置」0301と、「メインメモリ」0302と、「CPU」0303と「I/O」0304とから構成される。実行処理部と、スケジュール部と、決定部は、「記憶装置」と、「メインメモリ」と、「CPU」とから構成される。これらは「システムバス」0305などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0057】
記憶装置はCPUによって実行される各種プログラムなどを記憶している。またメインメモリは、プログラムがCPUによって実行される際の作業領域であるワーク領域を提供する。また、このメインメモリや記憶装置にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPUで実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。本例では、データ通信プログラムと、受付プログラムと、実行処理プログラムと、スケジュールプログラムと、決定プログラムなどが記憶装置に記憶されており、これらのプログラムは例えば電源投入とともに自動的に記憶装置から読み出されてメインメモリに常駐する。
【0058】
次に、各部に係るハードウェア構成について説明する。まず、サーバ通信部に係る構成について説明する。サーバ通信プログラムは、ゲーム入力端末装置との間の通信を行う。具体的な通信については既述のように公知技術を用いて実行が可能である。
【0059】
次に、受付部に係る構成について説明する。受付プログラムは、通信部を介したゲーム入力を受け付ける。その際、受付けは決定部の決定に従ってなされる。そこで、受付プログラムは、後述の決定プログラムが行う決定の結果(決定結果)を読み出し、当該決定結果が「可能」であればゲーム入力を受付け、「不能」であればゲーム入力を受け付けない。この判断は、例えば予め保持されている判断ルール(「可能」であればゲーム入力を受付け、「不能」であればゲーム入力を受け付けないことを定めたルール)に従ってなされる。受け付けたゲーム入力はいったんメインメモリに格納される。
【0060】
次に、実行処理部に係る構成について説明する。実行処理プログラムは、受け付けたゲーム入力に応じてゲーム実行処理を行う。ゲーム実行処理は公知技術を用いて行われ、その際、ゲーム入力のほか、ゲームの進行のためのルール、ランダムな要素を判定するための判定ルール、個々の選手の能力レベルをそれぞれ異なるレベルに設定している場合に能力範囲を定めるデータなど(以下「ゲームルール等」という)が予め記憶装置に記憶されており、これらもメインメモリに読み出される。実行処理プログラムは、受け付けたゲーム入力を反映させるとともにゲームルール等を参酌しつつゲームの実行処理を行う。
【0061】
次に、スケジュール部に係る構成について説明する。スケジュールプログラムは、実行処理とゲーム入力のスケジュールを保持する。具体的には、スケジュールプログラムは、ゲームサーバ装置の管理者などによる入力操作を受け付けてスケジュールを取得し、これをいったんメインメモリに格納する。さらに、当該スケジュールは不揮発性のメモリである記憶装置などに記憶される。
【0062】
次に、決定部に係る構成について説明する。決定プログラムは、スケジュールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する。具体的には、決定プログラムは、まず、記憶装置に記憶されているスケジュールをメインメモリに読み出す。また、決定プログラムは、例えばゲームサーバ装置に内蔵されている時計の計時機能を用いて現在時刻を検知する。さらに、決定プログラムは、記憶装置に記憶されている決定ルールをメインメモリに読み出す。この決定ルールは、例えば、「スケジュールが実行処理のときはゲーム入力又はゲーム入力受付けが不能とされるように決定され、スケジュールがゲーム入力のときはゲーム入力受付けが可能とされるように決定する」といったルールである。そこで、決定プログラムは、これを用いて、「可能」か「不能」かのいずれに決定するかを判断し、この判断に基づいて決定結果を生成してメインメモリに格納する。
【0063】
次に、本実施例のゲームシステムのうちゲーム入力端末装置のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例のゲーム入力端末装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本図に示すように、本実施例のゲーム入力端末装置の端末通信部と、視聴部と、取得部と、出力部は、「記憶装置」0401と、「メインメモリ」0402と、「CPU」0403と「I/O」0404とから構成される。また、本実施例のゲーム入力端末装置にはI/Oを介して「ディスプレイ」0405や「スピーカ」0406が接続されていてもよい。CPUで実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっているところ、本例では、端末通信プログラムと、視聴プログラムと、取得プログラムと、出力プログラムなどが記憶装置に記憶されており、これらのプログラムも例えば電源投入とともに自動的に記憶装置から読み出されてメインメモリに常駐する。また、これらは「システムバス」0407などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0064】
次に、各部に係るハードウェア構成について説明する。まず、端末通信部に係る構成について説明する。端末通信プログラムは、ゲームサーバ装置との間の通信を行う。具体的な通信については既述のように公知技術を用いて実行が可能である。
【0065】
次に、視聴部に係る構成について説明する。視聴プログラムは、通信部を介したゲーム実行状況を視聴する。具体的には、例えば、視聴プログラムは、利用者がゲームの実行状況の確認を行うためにマウス、キーボード等(図示を省略)を用いて行う入力操作を受け付けて、ゲームの実行状況に関するデータの送信要求情報(ゲーム実行状況データ送信要求情報)をゲームサーバ装置に対してI/Oを介して送信する。これに応じてゲームサーバ装置がゲーム実行状況データをゲーム入力端末装置に対して送信する。なお、図3に示したように、ゲームサーバ装置のメインメモリにも、この処理のためにゲーム実行状況データ送信要求とゲーム実行状況データが格納されて所要の処理が実行される。ゲームサーバ装置からゲーム実行状況データが送信されると、ゲーム入力端末装置において通信プログラムがI/Oを介してこれを受信し、視聴プログラムが、これをI/Oを介してゲーム入力端末装置に接続されているディスプレイに表示したり、スピーカから音声出力したりする。
【0066】
次に、取得部に係る構成について説明する。取得プログラムは、利用者からのゲーム入力を取得する。具体的には、例えば取得プログラムがゲーム入力端末装置のディスプレイに入力用のフォーマット画面を表示し、利用者がマウス、キーボード等を用いてフォーマットに従って入力操作を行ったゲーム入力を受け付けることにより取得する。取得されたゲーム入力はいったんメインメモリに格納される。
【0067】
次に、出力部に係る構成について説明する。出力プログラムは、取得したゲーム入力をI/Oを介してゲームサーバ装置に対して出力する。
【0068】
<処理の流れ>
次に、本実施例のゲームシステムにおける処理の流れについて説明する。本実施例のゲームシステムにおける処理の流れは、ゲーム入力の受付けに係る処理の流れと、ゲームの実行処理及び視聴に係る処理の流れに分けられる。
【0069】
図5は、本実施例のゲームシステムにおけるゲーム入力の受付けに係る処理の流れの一例を示す図である。本図に示すように、本実施例のゲームシステムにおける処理の流れは、同図左側に示すゲームサーバ装置における処理の流れと、右側に示すゲーム入力端末装置における処理の流れに分けられる。
【0070】
ゲーム入力端末装置における処理の流れは、以下のステップを有する。まず、利用者によるゲーム入力操作がなされたか否かの判断ステップS0501において、ゲーム入力端末装置は当該判断を行い、Yesとの判断結果が得られた場合には、ゲーム入力の取得ステップS0502において当該ゲーム入力を取得する。
【0071】
次に、出力ステップS0503において、ゲーム入力端末装置は前記ステップS0502で取得したゲーム入力をインターネットなどの通信ネットワークを介してゲームサーバ装置に対して出力する。
【0072】
ゲーム入力端末装置は複数あるところ、以上の処理の流れはすべてのゲーム入力端末装置について共通である。
【0073】
次に、ゲームサーバ装置における処理の流れは、以下のステップを有する。まず、ゲーム入力端末装置からのゲーム入力の出力があったか否かの判断ステップS0504において、ゲームサーバ装置は当該判断を行う。もし、この判断の時点でゲーム入力端末装置からのゲーム入力の出力(前記ステップS0503)がなされていれば、ゲームサーバ装置はYesと判断する。
【0074】
上記ステップS0504でYesとの判断結果が得られた場合、スケジュールの読出しステップS0505において、ゲームサーバ装置は、記憶装置に記憶されているスケジュールの読出しを行う。さらに、判断ルールの読出ステップS0506において、ゲームサーバ装置は記憶装置に記憶されている判断ルールの読出しを行う。なお、ステップS0506とステップS0507の処理順序は逆でもよい。
【0075】
次に、ゲーム入力受付けが可能かどうかの判断ステップS0507において、ゲームサーバ装置は、スケジュール及び判断ルールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能か不能かを判断する。その結果、Yesとの判断結果が得られた場合には、ゲームサーバ装置は、当該ゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされるように決定する(ステップS0508)。この場合、次に、ゲーム入力の受付ステップS0509において、ゲームサーバ装置は、当該ゲーム入力を受け付ける。一方、上記ステップS0507においてNoとの判断結果が得られた場合には、ゲームサーバ装置は、当該ゲーム入力受付けが、同期したタイミングで不能とされるように決定する(ステップS0510)。
【0076】
次に、ゲームの実行処理及び視聴に係る処理の流れについて説明する。図6は、本実施例のゲームシステムにおけるゲーム入力の受付けに係る処理の流れの一例を示す図である。同図に示すように、本実施例のゲームシステムにおける処理の流れは、同図右側に示すゲーム入力端末装置における処理の流れと、左側に示すゲームサーバ装置における処理の流れに分けられる。
【0077】
まず、ゲームの実行処理に係る処理の流れについて説明する。スケジュールの読出しステップS0601において、ゲームサーバ装置はスケジュールを読み出す。
【0078】
次に、スケジュールが実行処理のための期間(実行処理期間)であるか否かの判断ステップS0602において、ゲームサーバ装置は当該判断を行い、Yesとの結果が得られた場合には、実行処理期間開始前になされたゲーム入力の読出しステップS0603において、ゲームサーバ装置は実行処理期間の開始前になされて受け付けられたゲーム入力を読み出す。
【0079】
次に、ゲームの実行処理ステップS0604において、ゲームサーバ装置は、前記ステップS0603において読み出したゲーム入力に応じてゲームの実行処理を行う。
【0080】
次に、視聴に係る処理の流れについて説明する。視聴のための利用者の入力操作を受け付けたか否かの判断ステップS0605において、ゲーム入力端末装置は当該判断を行い、Yesとの判断結果が得られた場合には、送信要求情報の送信ステップS0606において、ゲーム入力端末装置は、ゲームの実行状況に関するデータの送信要求情報(ゲーム実行状況データ送信要求情報)をゲームサーバ装置に送信し、ゲームサーバ装置は当該情報を受信する(ステップS0607)。
【0081】
次に、要求に係るデータの送信ステップS0608において、ゲームサーバ装置は、前記ステップS0607において受信したゲーム実行状況データ送信要求情報に応じたデータ(ゲーム実行状況データ)をゲーム入力端末装置に対して送信し、ゲーム入力端末装置がこれを受信する(ステップS0609)。
【0082】
次に、ゲーム実行状況の視聴ステップS0610において、ゲーム入力端末装置は、当該データを視聴する。具体的には、当該データをディスプレイに表示したり、スピーカから音声出力したりするなどにより利用者が確認できる状態におく。
【0083】
<効果>
本実施例のゲームシステムにより、ゲーム全体の進行を、ゲームの実行のための演算処理を行う期間と、それ以外の期間とに峻別して一括的にスケジュール管理し、このスケジュールに従って、ゲームの実行のための演算処理を行う期間にはゲーム参加者からのアクセスを制限し、もって、サーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることが可能なゲームシステムを提供することが可能となる。
【実施例2】
【0084】
<概要>
本実施例のゲームシステムは、基本的に実施例1の装置と共通するが、ゲームサーバ装置が決定部での決定に従って受付部を制御する手段を有するものである。
【0085】
<構成>
図7は、本実施例のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図である。本実施例のゲームシステムは、実施例1のゲームシステムと基本的に共通する。ただし、本実施例の「ゲームシステム」0700の「ゲームサーバ装置」0710は、「受付制御部」0716を有する。以下、受付制御部の構成について説明する。その余の各部の構成は、実施例1のゲームシステムと同様であるから、説明を省略する。
【0086】
(受付制御部)
「受付制御部」は、決定部での決定に従って受付部を制御するように構成されている。本実施例でも実施例1と同様に決定部の決定には「可能」、「不能」の二つがあり、それぞれに応じて異なる制御がなされる。まず、決定部の決定が「可能」との決定であった場合、受付制御部は、この決定に従って、受付部がゲーム入力を受け付けるように制御する。一方、決定部の決定が「不能」との決定であった場合は、受付制御部は、この決定に従って、受付部がゲーム入力を受け付けないように制御する。
【0087】
受付制御部が、受付部がゲーム入力を受け付けるように制御する場合、受付部はゲーム入力を受け付ける。この受け付けられたゲーム入力は、次のゲーム実行処理に反映される。即ち、実行処理部は、ここで受け付けたゲーム入力に応じてゲーム実行処理をする。なお、このことは、必ずしも実行処理部がここで受け付けたゲーム入力だけに応じてゲーム実行処理をすることを意味するものではないことは、実施例1で述べたところと同様である。
【0088】
一方、受付制御部が、受付部がゲーム入力を受け付けないように制御する場合、受付部は、ゲーム入力を受け付けない。この場合には、当該ゲーム入力はその後のゲーム実行処理には反映されない。
【0089】
(ハードウェア構成)
次に、本実施例のゲームシステムのゲームサーバ装置のハードウェア構成について説明する。なお、ゲーム入力端末装置のハードウェア構成は、実施例1と同様であるから説明を省略する。
【0090】
図8は、本実施例のゲームサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本実施例のゲームサーバ装置の受付制御部は、「記憶装置」0801と、「メインメモリ」0802と、「CPU」0803とから構成される。これらは「システムバス」0805などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0091】
次に、受付制御部に係る構成について説明する。受付制御プログラムは、決定部での決定に従って受付部を制御する処理を実行する。具体的には、受付制御プログラムは、メインメモリに格納されている決定結果を参照し、その決定結果が「不能」であれば、「ゲーム入力を受け付けない」との制御命令を生成し、メインメモリに格納する。一方、その決定結果が「可能」であれば、「ゲーム入力を受け付ける」との制御命令を生成し、メインメモリに格納する。すると、受付プログラムが、これらの制御命令に従って、「ゲーム入力を受け付けない」あるいは「ゲーム入力を受け付ける」との処理を実行する。
【0092】
<処理の流れ>
図9は、本実施例のゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す図である。本実施例における処理の流れは実施例1の処理の流れと基本的に共通する。ただし、本実施例のゲームシステムのゲームサーバ装置における処理の流れは、受付制御のためのステップを有する。まず、ステップS0908においてゲームサーバ装置がゲーム入力受付けが同期したタイミングで「可能」とされるように決定した場合には、ゲームサーバ装置は、ゲーム入力を受け付けるように制御する(ステップS0909)。この場合は、次にゲーム入力の受付ステップS0910において、ゲームサーバ装置は、当該ゲーム入力を受け付ける。一方、ステップS0911においてゲームサーバ装置が当該ゲーム入力受付けが同期したタイミングで「不能」とされるように決定した場合には、ゲームサーバ装置は、ゲーム入力を受け付けないように制御する(ステップS0912)。
【0093】
その余の処理の流れは、実施例1の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。
【0094】
<効果>
本実施例のゲームシステムにより、実施例1と同様の構成に加えさらに決定に基づく受付の制御を行うことでサーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることが可能なゲームシステムを提供することが可能となる。
【実施例3】
【0095】
<概要>
本実施例のゲームシステムは、基本的に実施例1又は2のゲームシステムと共通するが、ゲームサーバ装置は決定部での決定に従ってゲーム入力端末装置に対して入力制限命令を出力する手段を有し、ゲーム入力端末装置は、入力制限命令を取得する手段と、取得した入力制限命令に従って取得部又は/及び出力部を制御する手段とを有するものである。
【0096】
本実施例は、決定部が「ゲーム入力」を対象として入力の可否を決定する場合に対応するものであり、この場合に、ゲーム入力を行わせないようにするための手段を付加したものである。
【0097】
<構成>
図10は、本実施例のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図である。本実施例のゲームシステムは、実施例1又は2のゲームシステムと基本的に共通する。ただし、本実施例のゲームシステム1000のゲームサーバ装置1010は、「入力制限命令出力部」1017を有する。また、本実施例のゲームシステムのゲーム入力端末装置1020は、「入力制限命令取得部」1025と、「入力制御部」1026とを有する。以下、これら各部の構成について説明する。その余の各部の構成は、実施例1又は2のゲームシステムと同様であるから、説明を省略する。
【0098】
(ゲームサーバ装置:入力制限命令出力部)
「入力制限命令出力部」は、決定部での決定に従ってゲーム入力端末装置に対して入力制限命令を出力するように構成されている。具体的には、決定部での決定が「可能」の場合には入力制限命令を出力しないように構成される。この場合には、ゲーム入力端末装置からのゲーム入力の出力があれば、受付部が当該ゲーム入力を受け付け、これがゲーム実行処理に反映されることになる。一方、決定部での決定が「不能」の場合には入力制限命令をゲーム入力端末装置に対して出力するように構成されている。
【0099】
(ゲーム入力端末装置:入力制限命令取得部)
「入力制限命令取得部」は、入力制限命令を取得するように構成されている。この入力制限命令は、ゲームサーバ装置の入力制限命令出力部が上述の構成に従って出力したものである。
【0100】
(ゲーム入力端末装置:入力制御部)
「入力制御部」は、取得した入力制限命令に従って取得部又は/及び出力部を制御するように構成されている。即ち、制御対象として取得部と出力部とがあり得る。取得部を制御する場合は、取得部が利用者からのゲーム入力を取得しないようにする。具体的には、例えば利用者がゲーム入力を行うための入力画面を表示しないようにしたり、画面上での入力操作ができないようにしたりする。出力部を制御する場合は、取得部がゲーム入力を取得したとしても出力部がゲーム入力を出力しないようにする。取得部と出力部の両者を制御する構成を加えているのは、一方に過誤処理があった場合のセーフガードとするためである。
【0101】
既述のように、決定部が可能又は不能とされるように決定する対象には「ゲーム入力」と「ゲーム入力受付け」の二つがあるが、このうち、「ゲーム入力」について可能又は不能とされるように決定する場合には、「不能」の期間中には各ゲーム入力端末装置でのゲーム入力そのものができなくなるように構成されることが望ましい。そこで、本実施例では、このための手段として上記各部を設けた。この構成によれば、決定部が「不能」と決定した場合には、ゲームサーバ装置から複数のゲーム入力端末装置のすべてに対して、利用者による入力操作を受け付けないように制御するための命令を出力し、これを受けてゲーム入力端末装置がこの命令を取得し、これに従って入力を行わせない動作をすること可能となるため、決定部での「不能」の決定に従った処理が実行できる。
【0102】
(ハードウェア構成)
次に、本実施例のゲームシステムのハードウェア構成について説明する。
【0103】
図11は、本実施例のゲームシステムのゲームサーバ装置におけるハードウェア構成の一例を示す概略図である。本図に示すように、本実施例のゲームサーバ装置のハードウェア構成は、実施例1のゲームシステムのハードウェア構成と基本的に同様である。ただし、本実施例のゲームサーバ装置の入力制限命令出力部は、「記憶装置」1101と、「メインメモリ」1102と、「CPU」1103と、「I/O」1104とから構成される。これらは「システムバス」1105などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0104】
次に、入力制限命令出力部に係る構成について説明する。入力制限命令出力プログラムは、「不能」との決定がなされた場合、入力制限命令を生成して、これをゲーム入力端末装置に対してI/Oを介して出力する。
【0105】
図12は、本実施例のゲームシステムのゲーム入力端末装置におけるハードウェア構成の一例を示す概略図である。本図に示すように、本実施例のゲーム入力端末装置のハードウェア構成は、実施例1のゲーム入力端末装置のハードウェア構成と基本的に同様である。ただし、本実施例のゲーム入力端末装置の入力制限命令取得部は、「記憶装置」1201と、「メインメモリ」1202と、「CPU」1203と、「I/O」1204とから構成される。入力制限部は、「記憶装置」と、「メインメモリ」と、「CPU」とから構成される。また、本実施例のゲーム入力端末装置にはI/Oを介して「ディスプレイ」1205や「スピーカ」1206が接続されていてもよい。
【0106】
次に、入力制限命令取得部に係る構成について説明する。入力制限命令取得プログラムは、ゲームサーバ装置から出力された入力制限命令をI/Oを介して取得する。
【0107】
次に、入力制御部に係る構成について説明する。入力制御プログラムは、上で取得した入力制御命令に従って入力を制御する。具体的な入力制御の方法は上で述べたとおりである。
【0108】
<処理の流れ>
図13は、本実施例のゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す図である。本実施例における処理の流れは実施例1または2のゲームシステムにおける処理の流れと基本的に共通する。本図に示すように、本実施例のゲームシステムにおける処理の流れは、同図左側に示すゲームサーバ装置における処理の流れと、右側に示すゲーム入力端末装置における処理の流れに分けられる。
【0109】
ゲームサーバ装置における処理の流れは、以下のステップを有する。まず、スケジュールの読出しステップS1301において、ゲームサーバ装置は、記憶装置に記憶されているスケジュールの読出しを行う。さらに、判断ルールの読出ステップS1302において、ゲームサーバ装置は記憶装置に記憶されている判断ルールの読出しを行う。なお、ステップS1301とステップS1302の処理順序は逆でもよい。
【0110】
次に、ゲーム入力受付けが可能かどうかの判断ステップS1303において、ゲームサーバ装置は、スケジュール及び判断ルールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能か不能かを判断する。その結果、Yesとの判断結果が得られた場合には、ゲームサーバ装置は、当該ゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされるように決定する(ステップS1304)。
【0111】
この場合は、ゲーム入力端末装置からゲーム入力の出力がなされた否かの判断ステップS01311において、ゲームサーバ装置は当該判断を行い、Yesとの判断結果が得られた場合、ゲーム入力の受付けステップS1312において、ゲームサーバ装置は当該ゲーム入力を受け付ける。
【0112】
一方、上記ステップS1303においてNoとの判断結果が得られた場合には、ゲームサーバ装置は、当該ゲーム入力受付けが、同期したタイミングで不能とされるように決定する(ステップS1305)。この場合、次に、入力制限命令の出力ステップS1306において、ゲームサーバ装置は、ゲーム入力端末装置に対して入力制限命令を出力する。
【0113】
次に、ゲーム入力端末装置における処理の流れは、以下のステップを有する。まず、ゲーム入力操作がなされたか否かの判断ステップS1307において、ゲーム入力端末装置は当該判断を行い、Yesとの判断結果が得られた場合には、入力制限命令が出力されたか否かの判断ステップS1308に進み、ゲーム入力端末装置は当該判断を行う。もし、この判断の時点でゲームサーバ装置からの入力制限命令の出力(前記ステップS1306)がなされていれば、ゲーム入力端末装置はYesと判断し、当該出力がなされていれば、ゲーム入力端末装置はNoと判断する。
【0114】
Noとの判断の場合には、ゲーム入力端末装置は、ゲーム入力の取得ステップS1309において当該ゲーム入力を取得し、次に、ゲーム入力の出力ステップS1310において、前記ステップS1309で取得したゲーム入力をインターネットなどの通信ネットワークを介してゲームサーバ装置に対して出力する。
【0115】
一方、前記ステップS1308においてYesとの判断結果が得られた場合には、入力制限命令の取得ステップS1313において、ゲーム入力端末装置は、出力された入力制限命令を取得する。
【0116】
この場合は、次に、入力制御ステップS1314において、ゲーム入力端末装置は、ゲーム入力を取得しないように制御を行う。
【0117】
<効果>
本実施例のゲームシステムにより、実施例1と同様の構成に加えさらに決定に基づく受付の制御を行うことでサーバ側のコンピュータの負荷が過大にならないようにすることが可能なゲームシステムを提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム入力端末装置と、これら複数のゲーム入力端末装置から入力を受け付けてゲーム実行処理をするゲームサーバ装置とからなるゲームシステムであって、
ゲームサーバ装置は、
ゲーム入力端末装置とのサーバ通信部と、
通信部を介したゲーム入力を受け付ける受付部と、
受け付けたゲーム入力に応じてゲーム実行処理をする実行処理部と、
実行処理とゲーム入力のスケジュールを保持するスケジュール部と、
前記スケジュールに従って、複数のゲーム入力端末装置でのゲーム入力又は複数のゲーム入力端末装置からのゲーム入力受付けが、同期したタイミングで可能とされ又は不能とされるように決定する決定部と、
を有し、
ゲーム入力端末装置は、
ゲームサーバ装置との端末通信部と、
通信部を介したゲーム実行状況を視聴する視聴部と、
利用者からのゲーム入力を取得する取得部と、
通信部を介して取得したゲーム入力を出力する出力部と、
を有するゲームシステム。
【請求項2】
ゲームサーバ装置は、
決定部での決定に従って受付部を制御する受付制御部を有する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
ゲームサーバ装置は、
決定部での決定に従ってゲーム入力端末装置に対して入力制限命令を出力する入力制限命令出力部を有し、
ゲーム入力端末装置は、
入力制限命令を取得する入力制限命令取得部と、
取得した入力制限命令に従って取得部又は/及び出力部を制御する入力制御部と、
を有する請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
コンピュータに組み込むことによって、コンピュータを、請求項1から3のいずれか一に記載のゲームシステムとして動作させるコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一に記載のゲームサーバ装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一に記載のゲーム入力端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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