説明

ゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びプログラム

【課題】良好なゲーム環境を構築し、より興趣性の高い通信対戦型のネットワークゲームを実現させるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ネットゲームシステム100は、対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報として記憶する切断履歴記憶部63aと、切断履歴記憶部63aに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴対応マッチング部64aとを含み、切断履歴対応マッチング部64aは、前記対戦要求端末群に含まれる端末装置Aの対戦相手を、端末装置Aの切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する端末装置の中から決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信対戦型のネットワークゲームをコンピュータに実現させるためのゲームシステム、当該ゲームシステムの制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット接続におけるデータ転送速度の高速化によって、インターネットを介して複数の端末装置を通信可能に接続し、各端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームが普及している。端末装置としてはパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機器などが用いられ、この種の通信対戦型ネットワークゲームとしては、野球、サッカー、格闘技など、様々なゲームが存在する。
【0003】
上記のような通信対戦型ネットワークゲームは、それぞれネットワークに接続された複数の端末装置およびサーバ装置を含むゲームシステムにより実現される。通常、ゲームシステムを利用する各プレイヤは、端末装置を操作してサーバ装置にログインし、端末装置をゲームシステム内に組み込む。そして、サーバ装置は、ログインしている複数の端末装置の中から対戦相手の組み合わせを決定するマッチング処理を行う。サーバ装置により対戦相手の組み合わせが決定された後は、決定された端末装置同士で直接的にデータを送受信することで、ネットワークゲームが実施されることになる。
【0004】
上記の通信対戦型のネットワークゲームを行うゲームシステムでは、ゲーム結果をサーバ装置側で収集し、各プレイヤのゲーム成績に基づいて、全世界ランキング、全国ランキングまたは特定地域内ランキングをサーバ装置が算出するようになっているものもある。サーバ装置により算出されたランキングは、ゲーム終了時に各端末装置に送信され、各端末装置のディスプレイに表示される。あるいは、サーバ装置が各プレイヤの現在までのゲーム成績を累積的に評価して、ゲームシステム内で取り決めた能力評価レベル(仮想的な報賞、名誉、段位、等級等)を各プレイヤに付与するようになっているものもある。このように、成績上位者に対してランキングを表示したり、報賞等を付与したりすることで、ゲームへの参加を喚起し、興趣性を高めている。
【0005】
この種のネットワークゲームに参加するプレイヤは、ゲームといえども上位へのランキングを望んだり、より高い報賞を得たりするために、ゲームのたびに良いゲーム成績を残そうとする。しかし、それが高じると、ゲーム実行中に形勢が不利になったような場合に、そのままゲームが終了すると自己のランキングが低下してしまうおそれがあることから、自己に不利な戦績が残らないようにしたいというプレイヤ心理が働く可能性がある。その結果、プレイヤは、思わしくない結果に終わりそうなゲームが正常に終了する前に、ゲーム成績がサーバ装置に送信されるのを防ごうとすることが考えられる。
【0006】
例えば、対戦に敗北しそうな場合等、プレイヤが自己都合で対戦中に端末装置の電源や通信接続を故意に切断し、対戦途中でゲームを強制的に停止(異常終了)させてしまう場合があり得る。このような悪質プレイヤによる故意切断行為は、対戦相手のプレイヤの興趣性を著しく損なうこととなる。
【0007】
上記の問題に対し、特許文献1は、対戦終了時(電源又は通信接続切断時)に複数の判定基準の各々が満足されていたか否かを判定することによって、プレイヤが対戦中に、端末装置の電源や通信接続を意図的に切断したか否かの判定の精度を高める技術が開示されている。そして、プレイヤが意図的に通信接続を切断した可能性が高いと判断した場合、当該悪質なプレイヤに対し、対戦制限期限を課する、警告メッセージを表示する等により、意図的に対戦の途中で通信を切断しないようにプレイヤに促すものである。
【0008】
また、特許文献2は、悪質な第1プレイヤの切断回数を、対戦相手である第2プレイヤの端末装置の画面に強調表示することによって、対戦開始前に、第2プレイヤが第1プレイヤの切断回数を視認できる構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−50323号公報
【特許文献2】特開2009−247479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の特許文献1の方法は、悪質プレイヤに対し、警告メッセージ等により意図的切断を自重させるものであるため、たとえ警告メッセージが表示されても意図的切断を積極的に行うような悪質度が高いプレイヤに対しては、意図的切断の抑止効果が十分に期待できるわけではない。よって、特許文献1の方法では、不正な意図的切断など行わない適正な一般プレイヤのゲーム環境が上記悪質プレイヤによって破壊され、ネットワークゲームの興趣性の低下を招来するといった問題があった。
【0011】
一方、特許文献2の方法では、対戦開始前に対戦相手の切断回数が画面表示されるため、各プレイヤは当該画面表示を参考にしながら切断回数の多い悪質プレイヤとの対戦を避けることが可能となる。しかしながら、各々のプレイヤが画面に表示される対戦相手の切断回数を確認しながら対戦するか否かを判断するとなると、双方のプレイヤが納得する対戦相手が直ぐには決まらず、マッチングに時間を要することもある。よって、特許文献2の方法では、ゲームを開始するまでにプレイヤによる無駄な入力操作が発生し、無駄な時間を費やさなければならないといった問題があった。また、特許文献2の方法でも、たとえ切断回数が画面表示されようとも意図的切断を積極的に行うような悪質度が高いプレイヤは存在する。そこで、意図的切断の抑止効果をさらに向上させて、より興趣性の高いゲームシステムを構築することが望まれる。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避し、悪質プレイヤの意図的切断の抑止効果を高め、各々のプレイヤの切断回数に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定するマッチング処理によって、良好なゲーム環境を構築し、より興趣性の高い通信対戦型のネットワークゲームを実現させるゲームシステム、当該ゲームシステムの制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明の一局面にかかるゲームシステムは、通信ネットワークを介して複数の端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームを実行するゲームシステムであって、対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報として記憶する切断履歴記憶手段と、前記切断履歴記憶手段に記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴対応マッチング手段とを含み、前記切断履歴対応マッチング手段は、前記対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置の中から決定することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、切断履歴記憶手段により、各端末装置の切断履歴情報が記憶されている。ここで、切断履歴情報とは、対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率をいう。そして、切断履歴対応マッチング手段は、切断履歴記憶手段に記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する。すなわち、切断履歴対応マッチング手段は、対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置に限定する。これにより、切断回数または切断率が比較的少ない切断履歴情報を有する適正な一般プレイヤの場合、当該切断履歴情報に応じた基準値を超えるような意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることはない。このように、本ゲームシステムでは、適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避できる。
【0015】
一方、切断回数または切断率が比較的多い切断履歴情報を有する悪質プレイヤにとっては、切断回数または切断率が比較的少ない適正な一般プレイヤとのマッチングの機会が制限されるので、結果的に、同じく切断回数または切断率が比較的多い悪質プレイヤとマッチングされることになる。通常、悪質プレイヤの割合はプレイヤ全体からすると比較的少ないので、必然的に悪質プレイヤの対戦相手が狭く限定されることになる。そして、プレイヤの切断回数または切断率が多くなればなる程、悪質度の高いプレイヤとマッチングされるようになると共に、対戦相手がますます狭く限定されることになるという、間接的な重いペナルティがプレイヤに課せられる。よって、このようなプレイヤの切断回数または切断率の大きさに応じて重くなるペナルティにより、悪質プレイヤの意図的切断の抑止効果が十分に期待できる。
【0016】
また、本ゲームシステムでは、従来のように相手プレイヤの切断回数を画面で確認しながらプレイヤが対戦相手を決めるのではなく、切断履歴対応マッチング手段が各々のプレイヤの切断履歴情報に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定する。
【0017】
以上のように、適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避し、悪質プレイヤの意図的切断の抑止効果を高め、各々のプレイヤの切断回数に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定するマッチング処理によって、良好なゲーム環境を構築し、より興趣性の高い通信対戦型のネットワークゲームを実現できる。
【0018】
(2)前記切断履歴対応マッチング手段は、前記基準値を設定する基準値設定手段を含み、前記基準値設定手段は、前記基準値を前記第1の端末装置の切断回数または切断率と等しい値に設定することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、例えば、第1の端末装置の切断回数が2回又は切断率が2/100であった場合、3回以上の切断回数又は2/100を超える切断率を有する端末装置とはマッチングされることはなく、必ず2回以下の切断回数又は2/100以下の切断率を有する端末装置の中から限定的に対戦相手が決定されることになる。これにより、プレイヤの切断回数または切断率に応じた、より妥当な対戦相手の組み合わせが可能となり、適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避できる。
【0020】
(3)前記切断履歴対応マッチング手段は、前記基準値を設定する基準値設定手段を含み、前記基準値設定手段は、前記第1の端末装置の切断回数が所定値以下の場合には、前記基準値を前記第1の端末装置の切断回数と等しい値に設定する一方、前記第1の端末装置の切断回数が所定値を超える場合には、前記第1の端末装置の切断回数に応じて、前記基準値を前記第1の端末装置の切断回数よりも大きい値に設定することが好ましい。
【0021】
上記構成は、切断をプレイヤが意図して行った可能性が高いか否かによって、マッチング相手の対象範囲を変えるというものである。即ち、切断回数そのものが少なく場合には、通信障害等の可能性があるため、マッチング対象を悪質でないと考えられる相手に確実に限定する一方、切断回数が多い場合は、その当人が意図的に切断している可能性が高いため、同様の切断回数レベルの相手をマッチング対象として、比較的広く設定するものである。以下、構成要件を用いて説明する。
【0022】
上記の構成においては、第1の端末装置の切断回数が所定値以下の場合には、前記(2)項の構成と同様、基準値を前記第1の端末装置の切断回数と等しい値に設定する。プレイヤの切断回数が所定値以下と少ない場合には、当該所定値より多い切断回数のプレイヤとのマッチングが発生しない。プレイヤの切断回数が所定値以下と少ない場合には、通信障害や操作ミス等のプレイヤの意図しない切断なども含まれる可能性があるため、この場合に所定値より切断回数の多いプレイヤ(より意図的な切断を行った可能性の高いプレイヤ)とマッチングされてしまう可能性が抑制される。
【0023】
一方、プレイヤの切断回数が所定値を超える場合、当該プレイヤが対戦中に意図的な切断を何度も繰り返した可能性が高くなり、上記のようなプレイヤの意図しない切断を考慮すべき必要性は薄くなる。そこで、基準値設定手段は、第1の端末装置の切断回数が所定値を超える場合には、第1の端末装置の切断回数に応じて、基準値を第1の端末装置の切断回数よりも大きい値に設定する。これにより、対戦中に意図的な切断を何度も繰り返した悪質プレイヤ同士のマッチングの対象範囲が広がる。特に、切断回数が多くなればなる程、悪質プレイヤはマッチングの機会が少なくなるので、なかなか対戦相手が決まらないという可能性が出てくる。そこで、悪質プレイヤのマッチングについては、その切断回数に応じて妥当な範囲でマッチング対象を拡大することにより、ゲームシステムの円滑な運営が可能となる。
【0024】
(4)上記の構成において、前記切断履歴情報を使用せずに前記対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴非対応マッチング手段と、各端末装置に設けられ、前記切断履歴対応マッチング手段による対戦相手の決定処理と前記切断履歴非対応マッチング手段による対戦相手の決定処理とを任意に選択可能な選択手段とをさらに含むことが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、対戦を希望する第1の端末装置を操作するプレイヤは、当該第1の端末装置の切断回数に応じた妥当な対戦相手とのマッチングを希望する場合は、前記切断履歴対応マッチング手段による対戦相手の決定処理を選択する一方、対戦相手の切断回数による絞込みを希望しない場合は、前記切断履歴非対応マッチング手段による対戦相手の決定処理を選択することができる。すなわち、切断履歴対応のマッチングを行うか否かの決定権はプレイヤに与えられる。これにより、よりプレイヤの要求に合った対戦相手とのマッチングシステムを容易に実現することができる。
【0026】
(5)上記の構成において、端末装置が対戦の途中で通信を切断することなく正常に対戦を終えた回数が所定回数連続する毎に、前記切断履歴記憶手段に記憶されている当該端末装置の切断回数を所定値だけ削減した切断回数または切断率を当該端末装置の切断履歴情報として前記切断履歴記憶手段に記憶させる切断回数削減手段をさらに含むことが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、各端末装置は、前記切断回数削減手段により、対戦の途中で通信を切断することなく正常に対戦を終えた回数が所定回数連続する毎に、前記切断履歴記憶手段に記憶されている当該端末装置の切断回数が削減される。これにより、プレイヤが故意に通信を切断する意思がないにもかかわらず、通信障害、操作ミスその他の意図しない切断によって通信が切断されてしまった場合であっても、その後、所定回数連続して正常に対戦を終了すれば、切断履歴記憶手段に記憶されている当該端末装置の切断回数が減少する。よって、上記のような意図しない切断によって切断回数が増加してしまった善意のプレイヤを救済することができる。従って、対戦中に故意の通信切断を行わない善意のプレイヤであれば、安心してゲームを行うことができる良好なゲーム環境を構築できる。
【0028】
さらに、これまで故意の通信切断を繰り返していて悪質プレイヤにとっても、過去の行為を悔い改めて正常にゲームを行うようになれば、所定回数のゲーム毎に切断回数を削減させることができるので、更正の機会が与えられることにもなる。これにより、ゲーム環境をさらに良好なものに導くことができる。
【0029】
(6)本発明の他の局面にかかる通信ネットワークを介して複数の端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームを実行するゲームシステムの制御方法は、対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報としてメモリに記憶する記憶ステップと、前記メモリに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定するマッチングステップとを含み、前記マッチングステップは、前記対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置の中から決定することを特徴としている。
【0030】
(7)本発明のさらに他の局面にかかるプログラムは、サーバが接続された通信ネットワークを介して複数の端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームを実行するゲームシステムに含まれるコンピュータに、対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報としてメモリに記憶する記憶機能と、前記メモリに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する機能であって、前記対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置の中から決定するマッチング機能と、を実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避し、悪質プレイヤの意図的切断の抑止効果を高め、各々のプレイヤの切断回数に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定するマッチング処理によって、良好なゲーム環境を構築し、より興趣性の高い通信対戦型のネットワークゲームを実現させるゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムの全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成する各端末装置のハードウェア構成を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るサーバ装置の制御部の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成する各端末装置における制御部の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成する各端末装置における制御部の他の例を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成する各端末装置に表示される設定画面の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムの主な動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成する各端末装置の主な動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成するサーバ装置の主な動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成するサーバ装置の主な動作の他の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムを構成するサーバ装置の主な動作のさらに他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の一実施の形態に係るネットワークゲームシステムについて、図面を参照し、以下に説明する。
〔ネットワークゲームシステムの全体構成〕
図1は、本ネットワークゲームシステム100の全体構成を示す図である。
【0034】
図1に示すように、本実施の形態に係る通信対戦型のネットワークゲームを実行可能なネットワークゲームシステム100は、サーバ装置103と、当該サーバ装置103と通信可能に接続される端末装置Aおよび端末装置Bを含む複数の端末装置とを備えている。これらの装置(サーバ装置103および複数の端末装置)は、通信ネットワークとしてのインターネット104を介して接続されている。
【0035】
なお、ネットワークゲームシステム100内には複数の端末装置が存在するが、各端末装置の基本構成は同一であり、以下、端末装置Aおよび端末装置B(必要に応じてこれらをまとめて「端末装置A・B」と記載することがある)をネットワークゲームシステム100内の複数の端末装置を代表するものとして説明する。
【0036】
また、本実施の形態の通信ネットワークは、インターネットに限定されるものではなく、端末装置A・Bとサーバ装置103との間を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線、LAN等であってもよく、或いはこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0037】
本ネットワークゲームシステム100で実行可能な対戦型のネットワークゲームに参加する各々のプレイヤが操作する端末装置A・Bは、公知の家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、携帯情報端末、携帯電話機またはパーソナルコンピュータ等により構成される。各々のプレイヤが操作する端末装置A・B間で対戦を行う方法には、端末装置A・B間で直接通信して対戦する方法と、サーバ装置103を経由して対戦する方法とがある。何れの方法でも対戦は可能であるが、本実施の形態では、前者の方法、すなわち、端末装置A・B間で直接データのやりとりを行う、いわゆるP2P(Peer to Peer)接続によりネットワークゲームを行うこととする。
【0038】
各端末装置A・Bとサーバ装置103との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0039】
一方、P2P接続される端末装置Aと端末装置Bとの間の通信は、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約(プロトコル)であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。このため、高いリアルタイム性が要求されるゲーム環境の中で大量のデータを相互に高速通信する通信対戦型のネットワークゲームでは、UDPが好適に用いられる。なお、端末装置Aと端末装置Bとの間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0040】
ネットワークゲームシステム100において、各端末装置A・Bには、当該各端末装置A・Bを一意に識別するための端末IDが付与されている。さらに、各端末装置A・Bを操作する各プレイヤには、当該各プレイヤを特定するためのプレイヤIDが付与されている。そして、サーバ装置103は、これらの識別情報(端末IDおよびプレイヤID)に対応付けて、各端末装置A・Bとの間でデータの送受信を行うことによって、各端末装置A・Bおよび各プレイヤに関する情報を管理し、後述する対戦相手決定処理(マッチング処理)などを実行する。
【0041】
ネットワークゲームシステム100にて実現される通信対戦型のネットワークゲームには様々なものがあるが、その一例としては、野球ゲームがある。端末装置Aを操作する第1プレイヤが選択した第1チームと、端末装置Bの第2プレイヤが選択した第2チームとが対戦する野球ゲームにおいては、例えば、第1プレイヤが操作する投手キャラクタがボールオブジェクトを投球し、第2プレイヤが操作する打者キャラクタが投球されたボールオブジェクトを打撃する。また、打撃後のボールオブジェクトを第1プレイヤが操作する野手キャラクタが捕球や送球をし、第2プレイヤが操作する走者キャラクタが走塁をする。このように、一般的な野球のルールを適用して第1プレイヤと第2プレイヤとが攻守を変えながら得点を競う野球ゲームを例に挙げて、以下に説明する。
〔ネットワークゲームシステム内の各装置の構成〕
図2に示すように、端末装置Aは、制御部10a、表示画像処理部20a、音声再生部30a、外部入出力制御部40a及び通信部50aを備え、これらはバス5により相互に接続されている。端末装置Bも端末装置Aと同様の構成であるため、以下では端末装置Aの構成のみ説明し、端末装置Bの説明は省略する。
【0042】
図2に示すように、制御部10aは、端末装置Aの全体の動作を制御するもので、ゲームの進行全般に関する処理、画像表示処理の他、種々の情報処理を行う情報処理部(CPU)11aと、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)12aと、各種プログラム等が予め記憶されたROM13aと、を備え、これらはバス5を介して相互に接続されている。
【0043】
ROM13aには、オペレーションシステム(OS)のプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータ等が記録されている。ROM13aに記録されている画像データとしては、投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタ、走者キャラクタ、背景画像、各種の操作画面や設定画面の画像等のデータである。また、投手キャラクタや打者キャラクタ等の画像データは、3次元描画が可能なように、それらを構成する所要数のポリゴンで構成されている。
【0044】
そして、CPU11aは、内蔵のあるいは装着脱可能なROM13aに記録されているオペレーティングシステムに基づいて、ROM13aから画像データ、音声データ、制御プログラムデータ、ゲームプログラムデータ等を読み出す。読み出されたデータの一部若しくは全部は、RAM12a上に保持される。以後、CPU11aは、RAM12a上に記憶されている制御プログラムや各種データ(表示物体のポリゴン、テクスチャ、その他の文字画像を含む画像データ、音声データなど)に基づいて、各種データ処理を行う。
【0045】
上記のデータ処理としては、3次元空間上における計算処理と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算処理と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理などが含まれる。
【0046】
ROM13aに記憶されている各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等の各種ドライブユニットで読み取り可能としてもよい。この場合、記録媒体としては、例えばハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM、UMDなど)、フレキシブルディスク、半導体メモリ、ROMカセット、あるいは家庭用ビデオゲーム装置用のカートリッジ等を用いることができる。
【0047】
表示画像処理部20aは、インターフェース回路やD/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)等を備え、CPU11aからの画像表示指示に従って、RAM12aに書き込まれた画像データや、ROM13aから読み出される画像データ等を液晶ディスプレイ等のモニタ21aに表示させるものである。
【0048】
音声出力部30aは、CPU11aからの指示に従ってゲーム進行過程の中で発生させるべき音声メッセージ、効果音、楽曲データ等を生成し、スピーカ31aに出力するものである。
【0049】
外部入出力制御部40aは、インターフェース回路等を含み、制御部10aと入力操作部41aとの間、または制御部10aとカードリーダライタ42aとの間でデータの入出力制御を行う。例えば、外部入出力制御部40aは、入力操作部41aから入力される操作検出信号を制御部10aで処理可能なデジタル信号に変換する。入力操作部41aは、第1プレイヤが種々の操作命令を入力するためのキーボード、マウス、家庭用ビデオゲーム装置用コントローラ等から構成される。
【0050】
通信部50aは、通信情報インターフェース回路や通信モデム等を備え、サーバ装置103との間、および対戦相手の端末装置Bとの間で、インターネット104を介して各種データの送受信をするためのものである。
【0051】
次に、サーバ装置103の構成を説明する。図1に示すように、サーバ装置103は、
サーバ制御部10c及びサーバ通信部50cを備えるコンピュータである。
【0052】
サーバ制御部10cは、サーバ装置103の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)60と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM70と、所定のプログラム等が予め記憶されたROM80と、ハードディスク装置や光ディスク装置などの補助記憶部90とを備える。ROM80や補助記憶部90に記録されているオペレーションシステム(OS)、各種プログラム、各種設定データはRAM70上にロードされ、CPU60によりRAM70上のプログラムが順次実行されることによって、サーバ装置103の各種機能が実現される。
【0053】
サーバ通信部50cは、通信情報インターフェース回路や通信モデム等を備え、各端末装置A・B…との間で、インターネット104を介して各種データの送受信を行う。
【0054】
次に、端末装置A・Bおよびサーバ装置103の機能的構成について、以下に説明する。図3は、サーバ装置103におけるサーバ制御部10cの機能ブロック図である。図4は、端末装置Aおよび端末装置Bにおける制御部10aの機能ブロック図である。
【0055】
先ず、サーバ装置103の主な機能について説明する。サーバ装置103は、ログイン認証機能、マッチング機能、切断履歴管理機能、能力評価レベル(仮想的な報賞、名誉、段位、等級等)管理機能などを有する。
【0056】
上記ログイン認証機能とは、通信対戦型のネットワークゲームへの参加を希望する各プレイヤが各端末装置A・Bを操作してサーバ装置103にログインしようとした際、各プレイヤのゲーム参加資格の有無を判断してログイン認証を行う機能である。例えば、会員制オンラインサービスのゲームの場合は、会員認証がなされる。
【0057】
上記マッチング機能とは、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する機能である。本実施の形態に係るネットワークゲームシステム100は、各端末装置A・Bの切断履歴情報に基づいて対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴対応マッチング機能と、当該切断履歴情報を使用せずに対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴非対応マッチング機能とを備えており、これらの機能の詳細については後述する。
【0058】
切断履歴管理機能とは、各端末装置A・Bが対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を、各端末装置A・Bの切断履歴情報として記憶し、当該切断が行われる毎に切断履歴情報を更新する機能である。
【0059】
上記能力評価レベル管理機能とは、各プレイヤの現在までのゲーム成績を累積的に評価して各プレイヤに付与する能力評価レベル(仮想的な報賞、名誉、段位、等級等)を決定し、当該能力評価レベルを各端末装置A・Bの識別情報(端末IDやプレイヤID)と関連付けて管理する機能である。
【0060】
なお、上記のログイン認証機能、マッチング機能、切断履歴管理機能および能力評価レベル管理機能は、ネットワークゲームシステム100内のどこかで実現されればよいため、必ずしも1台のサーバ装置103にて実現する必要はない。例えば、これらの機能の一部を分離して機能分散型の複数台のサーバとして実現することもできる。本実施の形態では、便宜上、これらの機能をサーバ装置103が全て有し、当該サーバ装置103が一元管理する構成例について説明する。
【0061】
図3に示すように、サーバ装置103のサーバ制御部10cは、対戦要求受付手段61、待機端末管理手段62、切断履歴管理手段63、マッチング手段64、対戦相手通知手段65、対戦管理手段66、能力評価レベル管理手段67およびプレイヤ情報記憶手段68を備えている。
【0062】
対戦要求受付手段61は、ネットワークゲームへの参加を希望する各プレイヤが各端末装置A・Bを操作してサーバ装置103にログインしようとした際、各端末装置A・Bの識別情報(端末IDおよびプレイヤID等の個人情報)を受け付ける。そして、対戦要求受付手段61は、プレイヤ情報記憶手段68に格納されているプレイヤ情報に基づき、端末IDやプレイヤIDを照合して各プレイヤのゲームへの参加を受け付けるものであり、上述のログイン認証機能を実現する。
【0063】
待機端末管理手段62は、対戦相手の組み合わせが決定するまでの間、参加を受け付けた端末装置A・Bを対戦要求端末群として管理するものであり、対戦要求端末群を参加リスト62aに登録して管理する。参加リスト62aに登録された対戦要求端末群は、マッチング手段64によるマッチング処理の対象となる。
【0064】
切断履歴管理手段63は、上述の切断履歴管理機能を実現するものであり、切断履歴記憶部63a(切断履歴記憶手段)および切断履歴更新部63bを含む。切断履歴記憶部63aは、端末装置が対戦の途中で通信を切断した切断回数、ゲーム数、切断回数とゲーム数とで算出される切断率(切断回数/ゲーム数)、時間情報(ゲーム実行日や切断を行った日付)などの切断履歴情報を、各端末装置の識別情報(端末IDやプレイヤID)と対応付けて、ハードディスク等の不揮発性記憶装置の記憶領域に記憶する。切断履歴更新部63bは、対戦ゲームの異常終了時(対戦の途中で何れか一方の端末装置が通信を切断した場合)、通信を切断した側の端末装置(プレイヤ)の切断回数およびゲーム数をそれぞれ1つ増加させる。また、切断履歴更新部63bは、対戦ゲームの正常終了時(対戦の途中で通信が切断されることなく正常にゲームが終了した場合)、双方の端末装置(プレイヤ)のゲーム数を1つ増加させる。
【0065】
マッチング手段64は、上述のマッチング機能を実現するものであり、切断履歴対応マッチング部64aと、切断履歴非対応マッチング部64bと、基準値決定部64cとを含む。
【0066】
切断履歴対応マッチング部64aは、切断履歴情報に応じた自動マッチングを実現するものであり、切断履歴記憶部63aに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する。より具体的には、切断履歴対応マッチング部64aは、参加リスト62aに登録されている対戦要求端末群に含まれる一の端末装置(第1の端末装置)の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する他の端末装置(第2の端末装置)の中から決定する。なお、参加リスト62aに登録されている対戦要求端末群の中から特定の一の端末装置を第1の端末装置として選択する場合、任意の端末装置を第1の端末装置として選択してもよいが、通常、最も早く参加リスト62aに登録された端末装置を第1の端末装置として選択することが望ましい。第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値は、基準値決定部64cによって決定される。基準値決定部64cは、基準値を第1の端末装置の切断回数または切断率と等しい値に設定することができる。これにより、例えば第1の端末装置の切断回数が5回であった場合、6回以上の切断回数を有する端末装置とはマッチングされることはなく、必ず5回以下の切断回数を有する端末装置の中から限定的に対戦相手が決定されることになる。
【0067】
なお、基準値の決定方法には様々なバリエーションが考えられるが、これについては後述する。また、基準値以下の切断回数または切断率を有する端末装置(第2の端末装置)が複数存在する場合、その中から特定の一の端末装置を第1の端末装置の対戦相手として決定する方法にも様々なバリエーションが考えられるが、これについても後述する。
【0068】
切断履歴非対応マッチング部64bは、上記のように第1の端末装置の切断履歴に応じて限定的に対戦相手を決定するのではなく、参加リスト62aに登録されている対戦要求端末群の中から広く対戦相手の組み合わせを決定する。これにより、例えば第1の端末装置の切断回数が5回であった場合、5回以下は勿論のこと、6回以上の切断回数を有する端末装置ともマッチングされ得る。
【0069】
マッチング手段64において、切断履歴対応マッチング部64aによる対戦相手の決定処理と切断履歴非対応マッチング部64bによる対戦相手の決定処理との何れが実施されるかについては、各々の端末装置を操作するプレイヤが、例えば図6に示す設定画面での操作により任意に選択可能となっている。すなわち、切断履歴情報に応じた自動マッチング方法を使用するか否かの決定権は、各々のプレイヤに与えられている。
【0070】
対戦相手通知手段65は、マッチング手段64によりマッチングされた第1の端末装置(以下、端末装置Aとして説明する)および第2の端末装置(以下、端末装置Bとして説明する)とに対して、それぞれ対戦相手の情報を通知する。すなわち、対戦相手通知手段66は、端末装置Aに対しては、対戦相手となる端末装置Bの第2プレイヤに関する情報をプレイヤ情報記憶部68の中から抽出して送信する。また、対戦相手通知手段66は、端末装置Bに対しては、対戦相手となる端末装置Aの第1プレイヤに関する情報をプレイヤ情報記憶部68の中から抽出して送信する。
【0071】
対戦管理手段66は、端末装置Aと端末装置Bとの対戦ゲームが実施されているとき、当該対戦ゲームが終了するまで、両端末装置の通信状態を管理する。具体的には、端末装置Aおよび端末装置Bは、P2P接続で対戦ゲームを実施しながらも、サーバ装置103に定期データ(ハートビート)を断続的に送信しており、サーバ装置103の対戦管理手段66は、両端末装置A・Bからハートビートを受信している間は、両端末装置A・Bが問題なく対戦ゲームを実行していると判断する。一方、対戦管理手段66は、所定時間(たとえば、10秒間)ハートビートの受信ができなかった場合に、当該ハートビートを送信していた端末装置との通信が切断されたと判断する。例えば、端末装置Aからのハートビートの受信は途絶えたが、端末装置Bからのハートビートの受信については継続中である場合、対戦管理手段66は、対戦中に端末装置Aが通信を切断したと判断できる。また、このような場合、端末装置Bからサーバ装置103へ、「対戦中に端末装置Aが通信を切断した」旨の異常終了通知がなされるので、当該異常終了通知をもって端末装置Aが対戦中に通信を切断したことを確実に判断できる。
【0072】
対戦管理手段66が対戦ゲームの異常終了(対戦の途中で何れか一方の端末装置が通信を切断することによる終了)を検知したとき、上述のように切断履歴更新部63bが通信を切断した側の端末装置(プレイヤ)の切断回数を増加させ、切断履歴記憶部63aに記憶されている切断履歴情報が更新される。
【0073】
また、対戦ゲームが正常に終了した場合、端末装置Aおよび端末装置Bの何れか一方または両方から、対戦結果情報(勝敗等の情報)を含む正常終了通知がサーバ装置103へ行われる。対戦管理手段66は、この正常終了通知または上記の異常終了通知を受領した場合、端末装置Aおよび端末装置Bを、対戦管理対象から外す。なお、トラフィックの増加によりネットワークが異常輻輳となる等のネットワーク障害が発生した場合、端末装置Aおよび端末装置Bの両者から同時にハートビートが途絶えることもあり得るが、このような場合も、対戦管理手段66は両端末装置A・Bを対戦管理対象から外すことができる。
【0074】
能力評価レベル管理手段67は、上述の能力評価レベル管理機能を実現するものであり、各プレイヤの能力評価レベル(段位等)を端末装置の識別情報(端末IDやプレイヤID)と関連付けて記憶する記憶領域を有し、対戦ゲームが終了する毎に、対戦結果情報に基づいて能力評価レベルを変更する。また、能力評価レベル管理手段67は、対戦終了後の能力評価レベルを、端末装置Aおよび端末装置Bに送信する機能も有する。これにより、端末装置Aの第1プレイヤおよび端末装置Bの第2プレイヤは、対戦終了後の自己の能力評価レベルを画面上で確認することができる。
【0075】
次に、端末装置A・Bの主な機能について説明する。図4に示すように、端末装置A・Bの制御部10aは、切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51と、対戦要求手段52と、通信状態確認手段53と、通信切断情報送信手段54とを備えている。
【0076】
切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51は、上述の切断履歴対応の自動マッチングを行うか否かを、各端末装置A・Bを操作する各プレイヤに選択可能とさせるものである。切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51の構成例としては、図6に示す設定画面中のチェックボックス51aにプレイヤがチェックを入れるか否かによって、切断履歴対応の自動マッチングの有無を選択可能とする構成が考えられる。例示した図6に示す設定画面は、各端末装置A・Bを操作する各プレイヤがサーバ装置103にログインする前に条件設定を行うための画面であり、試合終了までのイニング数の設定も可能(この例では、「3回」、「6回」、「9回」、「どれでも(どのイニング数でも良い)」の中から択一的に選択可能)となっている。
【0077】
切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51は、上記のチェックボックス51aを用いた構成に限定されるものではなく、例えば、キーボードの特定キーの入力操作や家庭用ゲーム機のコントローラにおける特定の機能ボタンの入力操作などによって、切断履歴対応の自動マッチングを行うか否かをプレイヤが選択できるように構成してもよい。
【0078】
対戦要求手段52は、端末装置の識別情報(端末IDおよびプレイヤID)をサーバ装置103に送信して、ネットワークゲームへの参加を要求するログイン機能を有する。対戦要求手段52は、識別情報等と併せて、上記の切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51による選択情報もサーバ装置103に送信する。
【0079】
通信状態確認手段53は、サーバ装置103との間の通信状態および対戦相手端末装置との通信状態を確認するものであり、定期通信状態確認部53aと、対戦通信状態確認部53bとを含む。定期通信状態確認部53aは、サーバ装置103への接続後、所定時間毎に(たとえば、10秒毎に)サーバ装置103に定期データ(ハートビート)を送信しながらサーバ装置103との間の定期通信が確立されているか否かを確認する。対戦通信状態確認部53bは、対戦ゲーム中に、対戦相手端末装置との間のデータの送受信状態を検知しながら対戦相手端末装置との間の対戦通信が確立されているか否かを確認する。
【0080】
例えば、端末装置Aの第1プレイヤと端末装置Bの第1プレイヤとの対戦中に、悪質な第1プレイヤが故意に通信を切断した場合を考えると、端末装置Bでは、定期通信状態確認部53aによってサーバ装置103と端末装置Bとの間の定期通信が確立していることが確認される一方、対戦通信状態確認部53bによって端末装置Aと端末装置Bとの間の対戦通信が切断されたことが確認される。これにより、端末装置Bの通信状態確認手段53は、対戦中に対戦相手端末装置(端末装置A)が通信を切断したことを検知する。
【0081】
通信切断情報送信手段54は、通信状態確認手段53によって対戦相手端末装置が対戦中に通信を切断したことが検知された場合、対戦中に対戦相手端末装置が通信を切断した旨の通信切断情報をサーバ装置103に送信することによって、サーバ装置103へ異常終了通知を行う。
【0082】
次に、本実施の形態に係るネットワークゲームシステム100の動作の概略について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。図7のフローチャートは、端末装置Aおよび端末装置Bがネットワークゲームシステム100に参加し、両端末装置A・Bがマッチングされ、対戦中に端末装置Aを操作する第1プレイヤが故意に通信を切断した場合を想定した動作例を示すものである。
【0083】
各プレイヤはネットワークゲームに参加するためには、ネットワークゲームシステム100に端末装置を組み込むことが必要となる。そこで、第1プレイヤは、端末装置Aを操作して条件設定を行った後に、サーバ装置103へネットワークゲームへの参加要求(ログイン)を行う(S11)。同様に、第2プレイヤは、端末装置Bを操作して各種条件設定をした後に、サーバ装置103へネットワークゲームへの参加要求(ログイン)を行う(S21)。
【0084】
各端末装置A・Bから参加要求を受けたサーバ装置103は、ログイン認証を行った上で、各端末装置A・Bのネットワークゲームへの参加を受け付ける(S31)。その後、サーバ装置103は、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定するマッチングを行う(S32)。このマッチングの詳細については後述するものとし、ここでは、端末装置Aと端末装置Bとがマッチングされたものとして説明を続ける。サーバ装置103は、マッチングされた端末装置Aと端末装置Bとに対して、それぞれ対戦相手情報を通知する(S33)。
【0085】
端末装置Aがサーバ装置103から対戦相手情報を受領すると共に(S12)、端末装置Bがサーバ装置103から対戦相手情報を受領することによって(S22)、両端末装置A・BがP2Pで相互に接続できるようになり、両端末装置A・Bが対戦ゲームを開始する(S13およびS23)。
【0086】
また、各端末装置A・Bは、対戦ゲーム中、サーバ装置103に定期データ(ハートビート)を送信する定期通信も行っている(S14およびS24)。そして、サーバ装置103は、各端末装置A・Bからハートビートを受信することによって、各端末装置A・Bの定期通信状態を確認している(S34)。
【0087】
ここで、対戦ゲーム中に端末装置Aを操作する第1プレイヤが故意に通信を切断した場合(S15)、端末装置Aとサーバ装置103との間の定期通信が途絶えると共に、端末装置Aと端末装置Bとの間の対戦通信も途絶える。一方、端末装置Bとサーバ装置103との間の定期通信は継続される(S25)。この場合、サーバ装置103は、端末装置Aからの定期通信が途絶え、且つ、端末装置Bからの定期通信が継続されている状態をもって、対戦ゲーム中に端末装置Aが通信を切断したと判断することができる。また、端末装置Bは、サーバ装置103との間の定期通信が継続できているにもかかわらず、端末装置Aとの間の対戦通信が切断されたことをもって、対戦ゲーム中に端末装置Aが通信を切断したと判断することができる。そこで、端末装置Bは、対戦中に端末装置Aが通信を切断した旨を示す通信切断情報をサーバ装置103へ送信する(S26)。サーバ装置103は、端末装置Bから上記の通信切断情報を受領することによって、端末装置Aが対戦中に通信を切断したことを確信し、端末装置Aの切断回数を増加させる等の切断履歴情報の更新を行う(S35)。
【0088】
次に、各端末装置の主な動作を、図8に示すフローチャートを用いて説明する。ここでは、端末装置を代表して端末装置Aの動作として説明する。
【0089】
端末装置Aを操作する第1プレイヤは、例えば図6に示す設定画面により、サーバ装置103にログインする前に様々な条件設定を行うことができる(S41)。条件設定の一つに、切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51によるマッチングモードの選択がある。すなわち、図6に示す設定画面の例では、第1プレイヤがチェックボックス51aにチェックを入れることによって、切断履歴対応の自動マッチングモードを選択できる。一方、第1プレイヤがチェックボックス51aにチェックを入れなければ、切断履歴非対応の自動マッチングモードを選択したことになる。
【0090】
上記マッチングモード等の設定後、第1プレイヤは、端末装置Aを操作してサーバ装置103に参加要求(ログイン)を行う(S42)。このS42では、端末装置Aの対戦要求手段52(図4参照)が、端末装置Aの識別情報(端末IDおよびプレイヤID)、切断履歴対応/非対応マッチング選択手段51による選択情報(マッチングモード情報)などをサーバ装置103に送信する。
【0091】
その後、端末装置Aは、サーバ装置103から対戦相手情報を受信するまで待機する(S43)。そして、端末装置Aは、サーバ装置103から対戦相手情報を受信した後(S43でYES)、対戦相手端末装置とP2Pの接続を行い(S44)、対戦相手端末装置との間で対戦ゲームを開始する(S45)。
【0092】
その後、対戦中に通信が切断されることなく定められたイニングの野球ゲームが正常に終了した場合(S46でYES)、端末装置Aは、対戦結果情報(勝敗等の情報)をサーバ装置103へ送信し、ゲームが正常終了した旨をサーバ装置103へ通知する(S47)。
【0093】
一方、対戦中にP2Pの通信が途切れてゲームが正常に終了しなかった場合(S46でNO)、端末装置Aは、正常終了しなかった原因が対戦相手端末装置側の通信切断によるものか否かを判断する(S48)。このS48の判断は、図4に示した通信状態確認手段53により行われるものであり、上述のように、定期通信状態確認部53aによってサーバ装置103と端末装置Aとの間の定期通信が確立していることが確認され、且つ、対戦通信状態確認部53bによって端末装置Aと対戦相手端末装置との間の対戦通信が切断されたことが確認された場合、通信状態確認手段53は「対戦中に対戦相手端末装置が通信を切断した」と判断することができる。
【0094】
端末装置Aは、正常終了しなかった原因が対戦相手端末装置側の通信切断によるものと判断した場合(S48でYES)、「対戦中に対戦相手端末装置が通信を切断した旨の通信切断情報」をサーバ装置103に送信することによって、サーバ装置103へ異常終了通知を行う(S49)。このS49の処理は、図4に示した通信切断情報送信手段54によって実行される。
【0095】
なお、正常終了しなかった原因が対戦相手端末装置側の通信切断によるものではなく、端末装置A自身の通信切断によるものであった場合(S48でNO)、例えば、通信ケーブルが第1プレイヤによって端末装置Aから外された場合、端末装置Aは、サーバ装置103との通信も対戦相手端末装置との通信もできないため、ゲームの強制終了処理を行う(S50)。
【0096】
次に、サーバ装置103の主な動作を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0097】
サーバ装置103は、ネットワークゲームへの参加を希望するプレイヤの端末装置から参加要求を受けた場合(S61でYES)、ログイン認証を行った上で当該端末装置の参加を受け付け、当該端末装置の情報を参加リスト62aに追加する(S62)。例えば、図6に示す設定画面で、ネットワークゲームに参加を希望するユーザが試合イニング数を指定できる場合、サーバ装置103は、試合イニング数別に参加リスト62aを作成するか、或いは参加リスト62aに試合イニング数情報を付加してマッチング対象の端末装置を管理する。参加リスト62aに登録される端末装置の情報には、端末装置の識別情報(端末IDおよびプレイヤID)、マッチングモード情報等が含まれる。これらS61およびS62の処理は、図3に示した対戦要求受付手段61および待機端末管理手段62によって実行される。
【0098】
例えば、参加リスト62aに登録されている端末装置が1台のみである等、未だマッチングができない場合には(S63でNO)、S61〜S63のルーチンを繰り返して参加リスト62aに端末装置の情報を追加して行く。そして、マッチングが可能となれば(S63でYES)、サーバ装置103は、参加リスト62aに登録されている対戦要求端末群の中から特定の一の端末装置を選出する(通常、最も早く参加リスト62aに登録された端末装置を選出する)。ここでは、端末装置Aが選出されたものとして説明する。
【0099】
選出された端末装置Aが切断履歴対応マッチングモードを選択している場合(S64でYES)、サーバ装置103は、端末装置Aの切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する端末装置を参加リスト62aの中から限定的にリストアップして、切断履歴対応限定リストを作成する(S65)。ここでは、上記の基準値を端末装置Aの切断回数と等しい値として説明を続ける。
【0100】
例えば、端末装置Aの切断回数が「0」の場合、切断履歴対応限定リストには切断回数が「0」の端末装置のみが含まれる。また、端末装置Aの切断回数が「1」の場合、切断履歴対応限定リストには切断回数が「0」および「1」の端末装置のみが含まれる(但し、切断回数が「0」の端末装置が切断履歴対応マッチングモードを選択している場合は切断履歴対応限定リストから省かれる)。また、端末装置Aの切断回数が「10」の場合、切断履歴対応限定リストには切断回数が「0」〜「10」の端末装置のみが含まれる(但し、切断回数が「0」〜「9」の端末装置が切断履歴対応マッチングモードを選択している場合は切断履歴対応限定リストから省かれる)。
【0101】
その後、サーバ装置103は、切断履歴対応限定リストに含まれている端末装置(第2の端末装置)の中から、端末装置Aの対戦相手となる端末装置を決定する(S66)。上記のように切断履歴対応限定リストには端末装置Aの切断回数と同一かそれより少ない切断回数の端末装置しか含まれていないので、端末装置Aの切断回数より多い(すなわち、端末装置Aより対戦マナーの悪い)端末装置が、端末装置Aの対戦相手として選択されることはない。
【0102】
ところで、切断履歴対応限定リストに複数の端末装置が存在する場合、その中から特定の一の端末装置を端末装置Aの対戦相手として決定する方法には、様々なバリエーションが考えられる。例えば、端末装置Aの切断回数に近い切断回数を有する端末装置ほどマッチングの優先度を高くする方法がある。例えば、端末装置Aの切断回数が5回の場合、同じ切断回数5回の端末装置が切断履歴対応限定リストに存在すれば、当該切断回数5回の端末装置とマッチングされるが、切断回数5回の端末装置が存在しなければ、次に優先度の高い切断回数4回の端末装置とマッチングされる。このような優先度に従ってマッチングを行うことにより、切断回数の近い端末装置同士がマッチングされ易くなり、切断回数によるマッチングの妥当性が高まる。
【0103】
または、切断履歴対応限定リストの中から一の端末装置をランダム抽選する方法もある。この場合、マッチング処理を単純化できるので迅速な処理が可能である。または、切断履歴対応限定リストの中から抽選処理を行う場合に、端末装置Aの切断回数に近い切断回数を有する端末装置ほど抽選され易い重み付けをしてもよい。この場合も、切断回数の近い端末装置同士がマッチングされ易くなり、切断回数によるマッチングの妥当性が高まる。
【0104】
または、端末装置Aの能力評価レベル(段位等)に近い能力評価レベルを有する端末装置ほどマッチングの優先度を高くする方法もある。あまりにもゲームの熟練度(能力)の差に開きがあるプレイヤ同士が対戦した場合、白熱したゲーム展開が期待できずに興趣性を損なうことがある。そこで、当該方法を適用すれば、能力評価レベルの近いプレイヤ同士がマッチングされ易くなり、興趣性を向上させることができる。
【0105】
または、端末装置Aの切断回数と能力評価レベルを両方とも考慮してマッチングの優先度を決定することもできる。たとえば、端末装置Aの切断回数が5回の場合、優先度の高い切断回数5回の端末装置とマッチングを行うことを考え、さらに、切断回数5回の端末装置が複数存在する場合はその中から最も能力評価レベルが近い端末装置を選択することができる。
【0106】
一方、端末装置Aが切断履歴非対応マッチングモードを選択している場合(S64でNO)、サーバ装置103は、上記の切断履歴対応限定リストを作成することなく、参加リスト62aに登録されている対戦要求端末群の中から端末装置Aの対戦相手となる一の端末装置を決定する(S66)。但し、この場合も、端末装置Aの切断回数より少ない切断回数を有する端末装置が切断履歴対応マッチングモードを選択している場合は、当該端末装置が端末装置Aの対戦相手に決定されることはない。参加リスト62aの中から一の端末装置を端末装置Aの対戦相手として決定する場合も、上述のように切断回数や能力評価レベルを考慮してマッチングの優先度を設定することができる。
【0107】
上記のS64〜S66のルーチンは、図3に示したマッチング手段64により実行されるものである。
【0108】
S66の後、サーバ装置103は、マッチングされた端末装置Aとその対戦相手端末装置とに対して、それぞれ対戦相手の情報を送信する(S67)。このS67は、図3に示した対戦相手通知手段65によって実行される。
【0109】
その後、サーバ装置103は、マッチングが完了した端末装置Aとその対戦相手端末装置とを参加リスト62aから削除すると共に、新たにネットワークゲームへの参加要求があった端末装置を参加リスト62aに追加することにより、参加リスト62aの更新を行う(S68)。
【0110】
また、サーバ装置103のメンテナンス等によってネットワークゲームサービスが一時的に停止となる場合は(S69でYES)、サーバ装置103の動作は終了となるが、そのようなことがない限りは、S68からS69を経てS63に移行し、以後もサーバ装置103がサービスを停止するまで上記S61〜S69のルーチンが継続的にループ処理されることになる。
【0111】
以上のように、本実施の形態に係るネットワークゲームシステム100は、対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報として記憶する切断履歴記憶部63a(切断履歴記憶手段)を含み、切断履歴対応マッチング部64a(切断履歴対応マッチング手段)が、切断履歴記憶部63aに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する。特に、切断履歴対応マッチング部64aは、対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置に限定する。これにより、切断履歴対応マッチングを適用すれば、切断回数の比較的少ない適正な一般プレイヤの場合、自己の切断回数を超えるような意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることはない。このように、本ネットワークゲームシステム100では、適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避できるようになっている。
【0112】
一方、切断回数が比較的多い悪質プレイヤにとっては、切断回数が比較的少ない適正な一般プレイヤとのマッチングの機会が制限されるので、結果的に、同じく切断回数が比較的多い悪質プレイヤとマッチングされることになる。通常、悪質プレイヤの割合はプレイヤ全体からすると比較的少ないと考えられるので、必然的に悪質プレイヤの対戦相手が狭く限定されることになる。そして、プレイヤの切断回数が多くなればなる程、悪質度の高いプレイヤとマッチングされるようになると共に、対戦相手がますます狭く限定されることになるという、間接的ながらも非常に重いペナルティがプレイヤに課せられることになる。よって、このようなプレイヤの切断回数に応じて重くなるペナルティにより、悪質プレイヤの意図的切断の抑止効果が十分に期待できるようにもなる。
【0113】
また、本ネットワークゲームシステム100では、特許文献2の方法のように相手プレイヤの切断回数を画面で確認しながらプレイヤが対戦相手を決めるのではなく、切断履歴対応マッチング部64aが、各々のプレイヤの切断履歴情報に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定する切断履歴対応自動マッチングを行う。よって、ゲームを開始するまでにプレイヤによる無駄な入力操作が発生し、無駄な時間を費やさなければならないといった特許文献2の方法で生じていた問題は、本ネットワークゲームシステム100では解消される。
【0114】
以上のように、本ネットワークゲームシステム100では、適正な一般プレイヤが意図的切断の多い悪質プレイヤとマッチングされることを効果的に回避し、悪質プレイヤの意図的切断の抑止効果を高め、各々のプレイヤの切断回数に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定するマッチング処理によって、良好なゲーム環境を構築し、より興趣性の高い通信対戦型のネットワークゲームを実現できる。
【0115】
なお、本実施の形態では、サーバ装置103が切断履歴対応限定リストを作成する場合に用いる基準値を、端末装置Aの切断回数と等しい値とした例を示した。この場合、基準値の設定処理や基準値に基づく切断履歴対応限定リストの作成処理が容易であり、各々のプレイヤの切断回数に応じた妥当な対戦相手の組み合わせを迅速に決定することができる。但し、これに限定されるものではなく、n回の切断回数を有する端末装置Aがn回以下の切断回数を有する他の端末装置とマッチングされるだけではなく、例えば、(n+m)回以下や(n-m)回以下(ここで、前記mは1以上の整数)の他の端末装置とマッチングされるように、基準値を設定してもよい。以下、基準値の設定方法のバリエーションについて説明する。
【0116】
サーバ装置103におけるマッチング処理の他の例を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、端末装置A(第1の端末装置)において切断履歴対応マッチングモードが選択されている場合のマッチング処理を示すものである。
【0117】
サーバ装置103は、端末装置Aの切断回数が所定値以下であるか否かを判断する(S71)。ここでは、所定値を5回として説明する。端末装置Aの切断回数が所定値(5回)以下の場合(S71でYES)、サーバ装置103は、基準値を端末装置Aの切断回数と等しい5回に設定し(S72)、当該基準値以下の切断回数を有する端末装置を含む切断履歴対応限定リストを作成する(S74)。
【0118】
一方、端末装置Aの切断回数が所定値(5回)を超えている場合(S71でNO)、サーバ装置103は、端末装置Aの切断回数に応じて、基準値を端末装置Aの切断回数よりも大きい値に設定する(S73)。例えば、端末装置Aの切断回数をN(N>5)とし、Nを10で除算して(N÷10)その商の小数第1位を切上げた整数をMとした場合、基準値をN+MとしてNよりMだけ大きくする。たとえば、端末装置Aの切断回数N=22の場合、N÷10=2.2よりM=3となり、基準値は22+3=25となる。
【0119】
或いは、S73において、端末装置Aの切断回数Nが6〜10のときは基準値をN+1とし、Nが11〜20のときはN+2とし、Nが21〜30のときはN+3とする等、Nの値の範囲に応じてNより大きくする値を予め決めておいてもよい。
【0120】
サーバ装置103は、S73において端末装置Aの切断回数より大きい基準値を設定した場合も、S74に移行して当該基準値以下の切断回数を有する端末装置を含む切断履歴対応限定リストを作成する。
【0121】
その後、サーバ装置103は、図9のS66と同様にして、切断履歴対応限定リストの中から端末装置Aの対戦相手を決定する(S75)。
【0122】
上記図10に示すフローチャートに基づくマッチング処理では、端末装置Aの切断回数が5回以下(所定値以下)と少ない場合には、5回より多い切断回数の端末装置とのマッチングが発生しない。端末装置Aの切断回数がある程度少ない場合には、通信障害や操作ミス等のプレイヤの意図しない切断なども含まれる可能性があるため、この場合に端末装置Aの切断回数より多い端末装置(より意図的な切断を行った可能性の高いプレイヤ)とマッチングされてしまう可能性を抑制している。一方、端末装置Aの切断回数が5回(所定値)を超える場合、端末装置Aを操作する第1プレイヤが対戦中に意図的に切断を何度も繰り返した可能性が高くなり、上記のようなプレイヤの意図しない切断を考慮すべき必要性は薄くなる。そこで、切断回数が所定値を超える端末装置Aのプレイヤに対しては、端末装置Aの切断回数を若干超える切断回数の端末装置までをマッチング対象とし、マッチングの対象範囲を広げている。特に、切断回数が多くなればなる程、端末装置Aはマッチングの機会が少なくなるので、なかなか対戦相手が決まらないという可能性が出てくる。そこで、端末装置Aの切断回数が所定値を超える場合に、端末装置Aの切断回数に応じて妥当な範囲でマッチング対象を拡大することは、ゲームシステムの運用上好ましい場合もある。なお、上記の所定値は5に限定されるものではなく、1以上の任意の整数とすることができる。
【0123】
また、切断履歴情報における時間的要素を考慮して基準値を設定し、対戦相手を決定することも有効である。切断履歴情報には、ゲーム実施日(試合の日付)や切断が発生した日付などの時間情報を含ませることができる。そこで、このような時間情報も併用して基準値を設定する。例えば、切断回数が同じ3回であっても、1年間の切断回数が3回と、1ヶ月間の切断回数が3回とでは、後者の方が意図的な切断をした可能性が高い。そこで、例えば、所定期間単位で(例えば1ヶ月単位で)の切断回数を集計し、各月の切断回数の中から最も高い切断回数を端末装置の切断回数として、上記の図9や図10のルーチンを適用することもできる。また、直近1年間の切断履歴情報と、数年前の切断履歴情報とでは、前者の方が現在のプレイヤの通信切断傾向を如実に現している。そこで、直近の所定期間(例えば直近1年間)の切断履歴情報のみを対象として端末装置の切断回数を求め、上記の図9や図10のルーチンを適用することもできる。
【0124】
または、現在から過去に遡って所定のゲーム数(例えば、過去100ゲーム)の切断履歴情報のみを対象として端末装置の切断回数を求め、上記の図9や図10のルーチンを適用することもできる。
【0125】
また、上記の説明では主に切断回数に基づいて基準値を設定する方法について説明したが、切断回数に代えて切断率(切断回数/ゲーム数)を用いることもできる。切断率を用いる場合においても、上述のように切断履歴情報における時間的要素を考慮して、直近の所定期間(例えば直近1年間)の切断履歴情報のみを対象としたり、現在から過去に遡って所定のゲーム数(例えば、過去100ゲーム)の切断履歴情報のみを対象としたりして、切断率を求めることができる。
【0126】
ところで、通信障害や操作ミス等のプレイヤの意図しない通信の切断によって記録された切断履歴情報により、当該プレイヤのマッチング対象が限定されて不利な状況に陥ることも考えられる。そこで、本実施の形態のネットワークゲームシステム100では、プレイヤが対戦中に故意に通信を切断することなく普通にゲームを続けてさえいれば不利な状況から解消されるようになっている。この点について、サーバ装置103の動作を示す図11のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0127】
サーバ装置103は、各端末装置A・Bの各プレイヤが対戦の途中で通信を切断することなく正常に対戦を終えた連続回数(以下、正常対戦連続回数と記す)の情報を、端末装置の識別情報(端末IDおよびプレイヤID)と関連付けて記憶している。
【0128】
サーバ装置103は、端末装置A・B間の対戦ゲームが正常に終了した旨の通知を端末装置A・Bから受けた場合(S81でYES)、各端末装置A・Bのプレイヤの正常対戦連続回数を1ずつ増加させる(S82)。
【0129】
次に、サーバ装置103は、端末装置A・Bの何れかの正常対戦連続回数が所定回数(例えば20回)に到達したか否かを判断する(S83)。ここで、正常対戦連続回数が所定回数に到達した端末装置があれば(S83でYES)、サーバ装置103は、当該端末装置の切断履歴情報としての切断回数を所定値(例えば1)だけ削減し(S84)、正常対戦連続回数を初期化する(S85)。なお、この切断回数の削減により、必然的に切断率も低下する。また、初期化とは、正常対戦連続回数を初期値の0にすることである。また、S84において、切断回数が既に0の端末装置にあっては切断回数を0のままとし、切断回数をマイナスの値とすることはない。
【0130】
一方、サーバ装置103は、正常対戦連続回数が未だ所定回数に到達していない端末装置に対しては(S83でNO)、S84に移行することなく処理を終了する。
【0131】
また、端末装置A・B間の対戦ゲームが正常に終了しなかった場合、すなわち、何れかの端末装置のプレイヤが対戦中に通信を切断した場合(S81でNO)、サーバ装置103は、通信を切断した端末装置のプレイヤの正常対戦連続回数を初期化する(S86)。
【0132】
図11のフローチャートに示すサーバ装置103の処理により、所定回数(例えば20回)のゲームを正常に終了する毎に、切断履歴情報の切断回数が1ずつ減少するので、意図しない通信の切断によって記録された切断回数も、普通にゲームを続けてさえいれば何れはゼロになり、通信切断を行っていないプレイヤと同じ扱いになる。よって、対戦中に故意の通信切断を行わないプレイヤであれば、安心してゲームを行うことができる。
【0133】
さらに、これまで故意の通信切断を繰り返していてプレイヤにとっても、過去の行為を悔い改めて正常にゲームを行うようになれば、所定回数のゲーム毎に切断回数を削減させることができるので、更正の機会が与えられることにもなる。これにより、ゲーム環境をさらに良好に導くことができる。
【0134】
なお、上述のように、サーバ装置103の機能はネットワークゲームシステム100内のどこかで実現されればよいため、機能分散型の複数台のサーバとして実現することもできる。また、ネットワークゲームシステム100内にある1台または複数台の小型コンピュータに、サーバ装置103の機能の一部または全部を持たせるシステム構成も可能である。
【0135】
さらに、サーバ装置103の機能の一部を、ネットワークゲームシステム100内の端末装置に持たせることもできる。たとえば、本実施の形態では、サーバ装置103が全ての端末装置の切断履歴情報を切断履歴記憶部63aに一括して記憶・保存している構成を説明したが、各端末装置が自己の切断履歴情報を個々に記憶・保存する構成とすることもできる。この場合、図5に示すように、各端末装置の制御部10aは、自己の切断履歴情報を記憶・保存する端末切断履歴記憶手段55と、自己の切断履歴情報をサーバ装置103に送信する端末切断履歴送信手段56とを備える。そして、端末装置がサーバ装置103にゲームへの参加要求(ログイン)をするとき、或いはログイン直後に、自己の切断履歴情報をサーバ装置103に送信する。切断履歴情報を受信したサーバ装置103では、原則、参加要求を受け付けている端末装置の切断履歴情報のみを記憶し、切断履歴対応マッチング処理等に利用する。切断履歴情報に変更が生じた場合、サーバ装置103から端末装置へ変更後の切断履歴情報を送信し、その後、サーバ装置103側では当該切断履歴情報を保存・管理処理しない。端末装置とサーバ装置103との間の通信が切断されてしまい、サーバ装置103が変更後の切断履歴情報を端末装置へ送信できない場合には、当該端末装置が、再度、サーバ装置103へ接続するまで、サーバ装置103側で変更後の切断履歴情報を保存する。そして、端末装置が、再度、サーバ装置103へ接続したときにサーバ装置103に保存していた当該端末装置の変更後の切断履歴情報を送信する。
【0136】
上記のように各端末装置の切断履歴情報を、各端末装置が自ら保存する構成により、サーバ装置103における切断履歴情報の保存領域を削減できる。また、サーバ装置103は、原則、参加要求を受け付けている端末装置の切断履歴情報のみを記憶して処理するので、より高速な処理が実現できる。
【0137】
本実施の形態に係るネットワークゲームシステム100において、サーバ装置103および端末装置が実行するコンピュータ読み取り可能な各種プログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM、UMDなど)、フレキシブルディスク、半導体メモリ、ROMカセット、あるいは家庭用ビデオゲーム装置用のカートリッジ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、サーバ装置103および端末装置に読み出されて実行される。なお、各種プログラムをサーバ装置103や端末装置に提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット104介して行うこともできる。例えば、ネットワークゲームを管理している会社が提供するホームページ等からインターネット104を介してダウンロード可能な場合は、ゲーム進行プログラム等を当該ホームページから直接ダウンロードして実行できるようにしてもよい。
【0138】
また、本実施の形態では、ネットワークゲームの一例として野球ゲームを挙げて説明したが、適用可能なネットワークゲームはこれに限定されるものではなく、プレイヤ間で対戦を行う通信対戦型のネットワークゲームであれば、種々のゲームに適用することができる。たとえば、サッカー、テニス、格闘技等の種々のスポーツゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム等に同様に適用することができる。
【0139】
また、本実施の形態では、2人のプレイヤが一対一で対戦する例を示したが、3人以上のプレイヤが対戦するネットワークゲームにも適用可能である。例えば、対戦型カーレースゲームでは、ゲームに参加するプレイヤを3人以上とすることができる。3人以上のプレイヤ(3台以上の端末装置)のマッチングにおいても、本実施の形態のマッチングが適用できる。すなわち、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴対応マッチングにおいて、対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置(第2の端末装置群)の中から複数台決定すればよい。つまり、図9に示すフローチャートのS66において、切断履歴対応限定リストに含まれている端末装置(第2の端末装置)の中から、端末装置A(第1の端末装置)の対戦相手となる端末装置を複数台選択すればよい。
【符号の説明】
【0140】
10a 制御部
10c サーバ制御部
50c サーバ通信部
51 切断履歴対応/非対応マッチング選択手段
52 対戦要求手段
53 通信状態確認手段
53a 通信状態確認部
54b 対戦通信状態確認部
54 通信切断情報送信手段
55 端末切断履歴記憶手段
56 端末切断履歴送信手段
61 対戦要求受付手段
62 待機端末管理手段
62a 参加リスト
63 切断履歴管理手段
63a 切断履歴記憶部(切断履歴記憶手段)
63b 切断履歴更新部
64 マッチング手段
64a 切断履歴対応マッチング部(切断履歴対応マッチング手段)
64b 切断履歴非対応マッチング部(切断履歴非対応マッチング手段)
64c 基準値決定部(基準値設定手段)
65 対戦相手通知手段
66 対戦管理手段
67 能力評価レベル管理手段
68 プレイヤ情報記憶手段
100 ネットワークゲームシステム
103 サーバ装置
A 端末装置
B 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して複数の端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームを実行するゲームシステムであって、
対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報として記憶する切断履歴記憶手段と、
前記切断履歴記憶手段に記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴対応マッチング手段と、を含み、
前記切断履歴対応マッチング手段は、前記対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置の中から決定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記切断履歴対応マッチング手段は、前記基準値を設定する基準値設定手段を含み、前記基準値設定手段は、前記基準値を前記第1の端末装置の切断回数または切断率と等しい値に設定することを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記切断履歴対応マッチング手段は、前記基準値を設定する基準値設定手段を含み、
前記基準値設定手段は、前記第1の端末装置の切断回数が所定値以下の場合には、前記基準値を前記第1の端末装置の切断回数と等しい値に設定する一方、前記第1の端末装置の切断回数が所定値を超える場合には、前記第1の端末装置の切断回数に応じて、前記基準値を前記第1の端末装置の切断回数よりも大きい値に設定することを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記切断履歴情報を使用せずに前記対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する切断履歴非対応マッチング手段と、
各端末装置に設けられ、前記切断履歴対応マッチング手段による対戦相手の決定処理と前記切断履歴非対応マッチング手段による対戦相手の決定処理とを任意に選択可能な選択手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
端末装置が対戦の途中で通信を切断することなく正常に対戦を終えた回数が所定回数連続する毎に、前記切断履歴記憶手段に記憶されている当該端末装置の切断回数を所定値だけ削減した切断回数または切断率を当該端末装置の切断履歴情報として前記切断履歴記憶手段に記憶させる切断回数削減手段をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
通信ネットワークを介して複数の端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームを実行するゲームシステムの制御方法であって、
対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報としてメモリに記憶する記憶ステップと、
前記メモリに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定するマッチングステップと、を含み、
前記マッチングステップは、前記対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置の中から決定することを特徴とするゲームシステムの制御方法。
【請求項7】
サーバが接続された通信ネットワークを介して複数の端末装置を操作するプレイヤ同士が対戦するネットワークゲームを実行するゲームシステムに含まれるコンピュータに、
対戦の途中で通信を切断した切断回数または切断率を各端末装置の切断履歴情報としてメモリに記憶する記憶機能と、
前記メモリに記憶されている各端末装置の切断履歴情報に基づいて、対戦を要求している複数の端末装置からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する機能であって、前記対戦要求端末群に含まれる第1の端末装置の対戦相手を、当該第1の端末装置の切断履歴情報に応じた基準値以下の切断回数または切断率を有する第2の端末装置の中から決定するマッチング機能と、を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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