説明

ゲームシステム、ゲーム機及びゲーム媒体

【課題】プレイを中断することなく、アイテム、キャラクタ等のゲーム情報を変更することができるゲームシステム、ゲーム機及びゲーム媒体を提供する。
【解決手段】複数のゲーム媒体30にアイテム情報をそれぞれ記録し、これらゲーム媒体30を着脱可能に装着するカートリッジ20にキャラクタ情報を記録し、制御部42がゲーム媒体30及びカートリッジ20に随時アクセスして、ゲーム媒体30のアイテム情報とカートリッジ20のキャラクタ情報とを組み合わせ、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム情報に基づいてプレイを進行するゲームシステム、ゲーム機及びゲーム媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム機には、キャラクタ、アイテムの情報を記録した情報体を組み合わせて、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成し、プレイに反映させるものがあった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、プレイ中に、アイテム、キャラクタを変更する場合、プレイを中断してから情報体を交換する必要があり、プレイヤが煩わしさを感じることがあった。
【特許文献1】特開2005−198779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、プレイを中断することなく、アイテム、キャラクタ等のゲーム情報を変更することができるゲームシステム、ゲーム機及びゲーム媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0005】
請求項1の発明は、ゲームに関する情報である第1ゲーム情報がそれぞれ記録された複数のゲーム媒体(30)と、複数の前記ゲーム媒体が着脱可能に装着され、複数の前記ゲーム媒体が装着されることにより複数の前記ゲーム媒体に対して電気的に接続される中間媒体(20)と、ゲーム機(10)に設けられ、前記中間媒体が前記ゲーム機に装着されることにより前記中間媒体を介して複数の前記ゲーム媒体に対して電気的に接続され、複数の前記ゲーム媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報を生成する制御部(42)と、を備えたゲームシステムである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、前記中間媒体(20)は、ゲームに関する情報であり第1ゲーム情報とは異なる第2ゲーム情報が記録され、前記制御部(42)は、複数の前記ゲーム媒体(30)及び前記中間媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報と第2ゲーム情報とを組み合わせて前記新たなゲーム情報を生成すること、を特徴とするゲームシステムである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲームシステムにおいて、前記第1ゲーム情報は、複数の接点部(32a〜32f)と、前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部(32g)とにより記録され、前記制御部(42)は、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第1ゲーム情報を取得すること、を特徴とするゲームシステムである。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のゲームシステムにおいて、前記第2ゲーム情報は、複数の接点部(23a〜23d)と、前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部(23e)とにより記録され、前記制御部(42)は、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第2ゲーム情報を取得すること、を特徴とするゲームシステムである。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、複数の前記ゲーム媒体(30)は、前記中間媒体(20)への装着位置に応じが前記第1ゲーム情報の内容になっており、複数の前記ゲーム媒体の前記中間媒体への装着位置を、前記第1ゲーム情報の内容に対応した物理的形状により規制する規制部(22g,32h)を備えていること、を特徴とするゲームシステムである。
請求項6の発明は、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、前記第1ゲーム情報は、ゲームに登場するキャラクタ(2)が備えるアイテム(3A〜3D)の情報であり、前記第2ゲーム情報は、前記キャラクタ自体の情報であり、前記制御部(42)は、前記第1ゲーム情報と前記第2ゲーム情報とを組み合わせて、前記アイテムを備えた前記キャラクタの情報である前記新たなゲーム情報を生成すること、を特徴とするゲームシステムである。
【0007】
請求項7の発明は、ゲームに関する情報である第1ゲーム情報がそれぞれ記録された複数の前記ゲーム媒体(30)を着脱可能に装着する中間媒体(20)が、着脱可能に装着されるゲーム機であって、前記中間媒体が装着されることにより前記中間媒体を介して複数の前記ゲーム媒体に対して電気的に接続され、複数の前記ゲーム媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報を生成する制御部(42)を備えたゲーム機である。
【0008】
請求項8の発明は、請求項7に記載のゲーム機において、前記制御部(42)は、ゲームに関する情報であり前記第1ゲーム情報とは異なる第2ゲーム情報が記録された中間媒体(20)がこのゲーム機(10)に装着されることにより、複数の前記ゲーム媒体及び前記中間媒体に電気的に対して接続され、複数の前記ゲーム媒体及び前記中間媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報と第2ゲーム情報とを組み合わせて前記新たなゲーム情報を生成すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載のゲーム機において、前記制御部(42)は、前記第1ゲーム情報が複数の接点部(32a〜32f)と前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部(32g)とにより記録された前記ゲーム媒体(30)が装着されることにより、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第1ゲーム情報を取得すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載のゲーム機において、前記制御部(42)は、前記第2ゲーム情報が複数の接点部(23a〜23d)と前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部(23e)とにより記録された前記中間媒体(20)が装着されることにより、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第2ゲーム情報を取得すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のゲーム機において、前記制御部(42)は、ゲームに登場するキャラクタ(2)が備えるアイテム(3A〜3D)の情報である前記第1ゲーム情報と、前記キャラクタ自体の情報である前記第2ゲーム情報とを組み合わせて、前記アイテムを備えた前記キャラクタの情報である前記新たなゲーム情報を生成すること、を特徴とするゲーム機である。
【0009】
請求項12の発明は、ゲームに関する情報である第1ゲーム情報が記録され、中間媒体(20)に着脱可能に複数装着されるゲーム媒体であって、前記中間媒体がゲーム機(10)に装着されることにより、前記中間媒体を介して前記ゲーム機の制御部(42)により随時アクセスされ、前記制御部により複数の前記第1ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報が生成されること、を特徴とするゲーム媒体である。
【0010】
請求項13の発明は、請求項12に記載のゲーム媒体において、前記第1ゲーム情報は、複数の接点部(32a〜32f)と、前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部(32g)とにより記録され、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記制御部(42)によってその情報が取得可能であること、を特徴とするゲーム媒体である。
請求項14の発明は、請求項12又は請求項13に記載のゲーム媒体において、前記第1ゲーム情報は、前記中間媒体(20)への装着位置に応じた内容になっており、このゲーム媒体の前記中間媒体への装着位置を、前記第1ゲーム情報に対応した物理的形状により規制する規制部(32h)を備えること、を特徴とするゲーム媒体である。
請求項15の発明は、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のゲーム媒体において、前記第1ゲーム情報は、ゲームに登場するキャラクタ(2)が備えるアイテム(3A〜3D)の情報であり、前記制御部(42)によって前記キャラクタ自体の情報である前記第2ゲーム情報と組み合わされることにより、前記アイテムを備えた前記キャラクタの情報である前記新たな情報が生成されること、を特徴とするゲーム媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、制御部が、複数のゲーム媒体に随時アクセスして複数の第1及び第2ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報を形成するので、ゲーム媒体を交換することにより、プレイを中断することなく、新たなゲーム情報を随時更新することができる。また、通信ゲーム等において、サーバ等にアクセスすることなく新たなゲーム情報を生成することができるので、プレイを中断することなく新たなゲーム情報を更新することができる。さらに、複数のゲーム媒体と中間媒体からなるアッセンブリを、他のアッセンブリに交換することにより、全く異なる新たなゲーム情報を生成してプレイに反映することができる。
【0012】
(2)本発明は、制御部が複数の第1ゲーム情報と中間媒体の第2情報とを組み合わせて新たなゲーム情報を生成するので、多彩なプレイ内容にすることができる。
【0013】
(3)本発明は、第1ゲーム情報を複数の接点部と接続部とにより記録したので、第1ゲーム情報を簡単な構造で記録することができ、また、プレイ中にゲーム媒体を着脱してもゲーム媒体を電気的に破損させることがない。
【0014】
(4)本発明は、第2ゲーム情報を複数の接点部と接続部とにより記録したので、第2ゲーム情報を簡単な構造で記録することができ、また、プレイ中に中間媒体を着脱してもゲーム媒体を破損させることがない。
【0015】
(5)本発明は、規制部がゲーム媒体の装着位置を物理的形状により規制するので、プレイヤは、装着位置を間違えることなくゲーム媒体を装着することができる。
【0016】
(6)本発明は、制御部が第1ゲーム情報と第2ゲーム情報とを組み合わせてアイテムを備えたキャラクタの情報を生成するので、プレイ中でもゲーム媒体を交換することにより、キャラクタのアイテムを任意のタイミングで交換することができる。また、複数のゲーム媒体と中間媒体とのアッセンブリ(集合体)を他のアッセンブリに交換することにより、アイテムとキャラクタとをそっくり別のものに変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
プレイを中断することなく、アイテム、キャラクタ等のゲーム情報を変更することができるゲームシステム、ゲーム機及びゲーム媒体を提供するという目的を、複数のゲーム媒体にアイテム情報をそれぞれ記録し、これらゲーム媒体を着脱可能に装着するカートリッジにキャラクタ情報を記録し、制御部がゲーム媒体及びカートリッジに随時アクセスして、ゲーム媒体のアイテム情報とカートリッジのキャラクタ情報とを組み合わせ、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成することにより実現した。
【実施例】
【0018】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本実施例のゲームシステム1の斜視図である。
図2は、本実施例のるゲーム媒体挿入口22C、ゲーム媒体30Cの斜視図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲーム機10と、カートリッジ20(中間媒体)と、ゲーム媒体30とを備えている。
ゲーム機10は、ゲームセンタ等に設置される大型の装置であり、プレイヤがキャラクタ(図5参照)を操作して仮想の敵と戦うロールプレイングゲームを行うビデオゲーム機である。ゲーム機10は、操作ボタン11と、カートリッジ挿入口12とを備えている。
【0019】
操作ボタン11は、プレイヤがプレイを進行するために操作する押しボタンである。
カートリッジ挿入口12は、カートリッジ20をゲーム機10に着脱可能に装着するロック機構等(図示せず)を備えた挿入口である。カートリッジ挿入口12には、ゲーム機10とカートリッジ20とを電気的に接続するための端子(図示せず)が設けられ、この端子が電気回路13等を介して制御部42(後述する)に電気的に接続されている。
【0020】
カートリッジ20は、ゲーム媒体30を着脱可能に装着し、また、キャラクタ自体の情報が記録された部材であり、ケース表面に記録されているキャラクタである勇者2の顔のイラストが表示されている。カートリッジ20は、カートリッジ基板21と、5枚のゲーム媒体30を着脱可能に装着するゲーム媒体挿入口22(22A〜22E)とを備えている。
カートリッジ基板21は、紙フェノール基板、ガラスエポキシ基板等のプリント配線回路用基板であり、キャラクタ記録部23と、接続パターン24とを有している。
【0021】
キャラクタ記録部23は、キャラクタ自体の情報であるキャラクタ情報(第2ゲーム情報)が記録された電気回路であり、接点部23a〜23dと、接点部23a,23bが選択的に電気的に接続された接続部23eとからなる回路である。このように、キャラクタ記録部23は、接点部23a〜23dと接続部23eとによりキャラクタ情報を記録することにより、キャラクタ情報を簡単な構造で記録することができる。
キャラクタ記録部23の配線パターンは、キャラクタの種類によって異なっている。つまり、図1に示すキャラクタ記録部23の配線パターンは、勇者2のキャラクタに対応したものである。後述するように、キャラクタ記録部23のキャラクタ情報は、接点部23a〜23d及び接続部23eの導通状態に基づいて、制御部42によって取得される。
接続パターン24は、カートリッジ20がゲーム媒体30を装着した状態で、ゲーム機10に装着された場合に、装着したゲーム媒体30とゲーム機10との間を電気的に接続する電気回路である。
【0022】
図2に示すように、ゲーム媒体挿入口22Cは、例えばゲーム媒体30Cが圧入されて挿入されることにより、ゲーム媒体30Cを着脱可能に装着することができる。ゲーム媒体挿入口22Cは、6つの端子22a〜22fと、カートリッジ側規制部22gとを有している。
6つの端子22a〜22fは、ゲーム媒体30Cがゲーム媒体挿入口22Cに挿入された場合に、ゲーム媒体30Cの接点部32a〜32f(後述する)に電気的に接する端子であり、制御部42に対して電気的に接続されている。
カートリッジ側規制部22gは、後述するように装着されるゲーム媒体30を規制するためのリブである。
【0023】
ゲーム媒体30(30A〜30D)は、ゲームに登場するキャラクタが備えるアイテムの情報であるアイテム情報(第1ゲーム情報)を記録する記録媒体である。図1に示す状態は、5つのゲーム媒体挿入口22のうち2つのゲーム媒体挿入口22A,22Bに、ゲーム媒体30A,30Bが挿入された状態を示している。
ゲーム媒体30A〜30Dは、アイテムの種類が分かるように、鎧3A、靴3B、剣3C、盾3Dのイラストがケース表面に表示されている。また、ゲーム媒体30は、装着されるゲーム媒体挿入口22に応じて外形とそのアイテム情報の内容が異なっている。側面下部2ヶ所のゲーム媒体挿入口22A,22Bに装着されるゲーム媒体30A,30Bは、外形が4角形であり、キャラクタが体に身に付けるアイテム情報を記録している。側面上部の2ヶ所のゲーム媒体挿入口22C,22Dに装着されるゲーム媒体30C,30Dは、外形が5角形であり、キャラクタが手に持つアイテム情報を記録している。また、最上部に装着されるゲーム媒体30は、例えば、8角形等であり、キャラクタが頭部に付けるアイテムの情報を記録している。
このように、ゲーム媒体30の外形とアイテム情報は、ゲーム媒体挿入口22への装着位置に応じて異なっているので、プレイヤは、ゲーム媒体30の外形を見れば、ゲーム媒体30の内容とゲーム媒体挿入口22への装着位置とを判別することができる。
【0024】
以下、ゲーム媒体30の構成をゲーム媒体30Cを例に説明する。
図2に示すように、ゲーム媒体30Cは、ケース31と、アイテム記録基板32Cとを備えている。
ケース31は、接点部32a〜32fが露出するようにアイテム記録基板32Cを収容する部材である。
アイテム記録基板32Cは、カートリッジ基板21と同様な材質から形成され、アイテム情報が記録されたプリント配線回路用基板である。キャラクタ記録部23は、キャラクタ記録部23と同様に、複数の接点部32a〜32fと、接点部32d,32fが選択的に電気的に接続された接続部32gとからなる電気回路を有しており、配線パターンがアイテムの種類によって異なっている。つまり、図2に示すアイテム記録基板32Cの配線パターンは、剣3Cに対応したものである。
アイテム情報は、接点部32a〜32f及び接続部32gの導通状態に基づいて、制御部42によって取得される。
【0025】
また、ゲーム媒体30は、他のゲーム媒体挿入口22への誤挿入防止のため、アイテム記録基板32Cの接点部32c,32d間の一部を切り欠いたゲーム媒体側規制部32hが設けられている。
図示するように、ゲーム媒体挿入口22Cのカートリッジ側規制部22gは、端子22c,22d間に設けられている。アイテム記録基板32Cは、ゲーム媒体挿入口22Cに挿入されたときに、ゲーム媒体側規制部32hがカートリッジ側規制部22gを逃げることができ、ゲーム媒体30は、規定されたゲーム媒体挿入口22Cへの挿入が可能となる。
【0026】
カートリッジ側規制部及びゲーム媒体側規制部の位置は、ゲーム媒体30のカートリッジ20への装着位置に応じて異なっている。例えば、ゲーム媒体挿入口22A、ゲーム媒体30Aは、カートリッジ側規制部及びゲーム媒体側規制部が、ゲーム媒体挿入口22C及びゲーム媒体30Cとは異なる位置(例えば端子22a,22b間及び接点部32a,32b間等)に設けられている。
【0027】
このように、ゲーム媒体30は、ケース表面にアイテムのイラストが表示されており、また、装着されるゲーム媒体挿入口22に応じて外形が異なっている。さらに、カートリッジ20及びゲーム媒体30は、装着されるゲーム媒体挿入口22の位置を、物理的形状により規制するカートリッジ側規制部及びゲーム媒体側規制部を備えている。これにより、プレイヤは、ゲーム媒体挿入口22を間違えることなくゲーム媒体30を装着することができる。
【0028】
図3は、本実施例のゲームシステム1のブロック図である。
図3に示すように、ゲームシステム1は、ゲーム機10に設けられた記憶部41と、制御部42と、通信回路43と、駆動部44と、モニタ45と、スピーカ46と、前述したように、カートリッジ20に設けられたカートリッジ基板21と、ゲーム媒体30(30A〜30D)に設けられたアイテム記録基板32(32A〜32D)とを備えている。
記憶部41は、ゲームシステム1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部41に記憶されたプログラムは、制御部42によって適宜読み出され実行されることにより、ゲームシステム1のハードウェアと協働し、本実施例に係る各種機能を実現している。また、記憶部41は、接点部23a〜23d及びその接続部の配線パターンに対応したキャラクタの画像情報、能力値等と、接点部32a〜32f及びその接続部に対応したアイテムの画像情報、攻撃値、防御値等を記憶している。
【0029】
制御部42は、ゲームシステム1を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU(中央処理装置)等から構成される。
プレイ中において、制御部42は、装着されているカートリッジ20の接点部23a〜23dと、ゲーム媒体30の接点部32a〜32fにアクセスして、これらの導通状態に基づいて、キャラクタ情報、アイテム情報を取得する。
例えば、制御部42は、カートリッジ20のキャラクタ情報を読み取る場合、カートリッジ基板21に随時アクセスして、接点部23a〜23dの導通状態を確認する。つまり、制御部42は、接点部23c,23dが電気的に開放であり、23a,23bが接続部23eにより電気的に接続されていることを確認する。そして、制御部42は、これらの配線パターンと記憶部41の情報とを照合することにより、キャラクタ情報が勇者2の情報であることを確認し、記憶部41から勇者2の画像情報、能力値等の情報を読み出す。
【0030】
同様に、制御部42は、例えば、ゲーム媒体30Cの情報を読み取る場合、カートリッジ基板21を介してアイテム記録基板32Cに随時アクセスして、接点部32a〜32fの導通状態に基づいて、接点部32d,32fが電気的に接続されており、他の接点部が電気的に開放であることを確認する。そして、制御部42は、これらの配線パターンと記憶部41の情報とを比較することにより、ゲーム媒体30の情報が剣3Cのアイテム情報であることを確認し、記憶部41から剣3Cの画像情報、防御値等の情報を読み出す。
その後、制御部42は、キャラクタ情報とアイテム情報とを組み合わせて、アイテムを備えたキャラクタの情報(新たなゲーム情報)、つまり剣3Cを備えた勇者2の情報を生成し(図7参照)、ゲームに反映してプレイを進行する。このように、ゲームシステム1は、キャラクタ情報とアイテム情報とを組み合わせて、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成することができる。
【0031】
ここで、前述したように、制御部42は、カートリッジ20、ゲーム媒体30に随時アクセスしている。このため、例えば、図1、図3に示すように、ゲーム媒体30が挿入されていなかったゲーム媒体挿入口22Eに、新たにゲーム媒体30が挿入された場合、挿入されたゲーム媒体30のアイテム情報を新たに加えてキャラクタの情報を生成することができる。
また、プレイ中にゲーム媒体30が交換された場合、制御部42は、ゲーム媒体30に随時アクセスしているのでアイテムの交換をすぐにプレイに反映することができる。
【0032】
さらに、制御部42は、ゲーム媒体30を挿入したカートリッジ20がその状態で取り外され、他のゲーム媒体を挿入した他のカートリッジ20が挿入された場合に、他のアイテムを備える他のキャラクタに交換してプレイに反映することができる。これにより、ゲームシステム1は、アイテム及びキャラクタを、そっくり他のアイテム及びキャラクタに交換してプレイを進行することができ、単にアイテムを変更するだけではなく、プレイ内容を多彩な内容にすることができる。
なお、カートリッジ基板21、アイテム記録基板32は、単に数本の配線を有する単純な構成からなるプリント配線回路用基板であるので、プレイ中に装着、交換された場合にも、例えば半導体メモリ素子とは異なり、破損することがない。
【0033】
通信回路43は、制御部42の命令によって制御され、インターネット等の通信網4を介して他のゲームシステム1Bやゲーム用サーバ装置(図示せず)等の間で、ゲームに関する情報を伝達するための電気回路である。
駆動部44は、制御部42の命令によって制御され、プレイ進行に応じて、記憶部41から読み出したゲームの映像、音声を出力するためにモニタ45、スピーカ46を駆動する電気回路である。
【0034】
次に、ゲームシステム1の処理の流れについて説明する。
図4は、本実施例のゲームシステム1のキャラクタに関する処理の流れを示すフローチャートである。
図5は、本実施例のキャラクタである勇者2の画像を示す図である。
図6、図7は、本実施例のアイテムを備えた勇者2の画像を示す図である。
最初にステップS(以下単に「S」という。)1において、プレイヤが操作ボタン11を操作することにより、制御部42がプレイを開始する。
S2おいて、制御部42は、カートリッジ20、ゲーム媒体30へのアクセスを開始する。このアクセスは、随時行われ、プレイが終了するまで継続される。
S3において、制御部42は、カートリッジ挿入口12に装着されているカートリッジ20と、カートリッジ20に装着されているゲーム媒体30A,30Bとにアクセスして(図1、図3参照)、キャラクタ情報、アイテム情報を取得する。
【0035】
S4において、制御部42は、取得したキャラクタ情報、アイテム情報に基づいて、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成する。本実施例では、カートリッジ20に記録されたキャラクタ情報は、勇者2の情報であり、ゲーム媒体30A,30Bに記録されたキャラクタ情報は、鎧3A、靴3Bの情報である。このため、制御部42は、勇者2(図5参照)の情報に、鎧3A、靴3B(図6参照)の情報を加え、鎧3A、靴3Bを備えた勇者2の情報を生成してプレイに反映する。
【0036】
S5において、制御部42は、カートリッジ20、ゲーム媒体30に変更が有るか否かを確認する。例えば、プレイヤによって、ゲーム媒体30C,30Dがカートリッジ20に装着されると(図1参照)、制御部42は、ゲーム媒体30C,30Dが追加して装着されたと判断して(S5:YES)、S3からの処理を繰り返す。ここでは、ゲーム媒体30C,30Dが追加されたことにより、剣3C、盾3Dのアイテムが追加されたので、制御部42は、鎧3A、靴3Bに、新たに剣3C、盾3Dを備えた勇者2の情報を生成してプレイに反映する(図7参照)。
【0037】
なお、前述したように、プレイヤによってゲーム媒体30が他のゲーム媒体30に交換された場合、カートリッジ20がそっくり交換された場合等にも、S5において、制御部42が、ゲーム媒体30、カートリッジ20が変更されたと判断して(S5:YES)、S3からの処理を繰り返す。そして、制御部42は、変更後のゲーム媒体30、カートリッジ20の情報に基づいて、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成してプレイに反映する。
【0038】
このように、制御部42は、S2以降の処理において、カートリッジ20、ゲーム媒体30に随時アクセスしているので、ゲーム媒体30、カートリッジ20が変更された場合、変更後の情報を生成してプレイに反映することができる。
また、通信ゲーム等の場合、通常、制御部は、サーバ等にアクセスしてプレイヤが所持するアイテムを確認してからアイテム変更の処理を行うため、プレイを中断しなくてはならなかった。これに対して、ゲームシステム1は、ゲーム機10側でアイテム変更等の処理が可能なのでプレイを中断することがなく、プレイヤは、煩わしさを感じることなくプレイを続行することができる。
【0039】
S5において、制御部42は、カートリッジ20、ゲーム媒体30の変更がないと判断した場合(S5:NO)、S6に進んで、プレイが終了したか否かを確認する。制御部42は、プレイが終了していないと判断した場合(S6:NO)、S5からの処理を繰り返す。一方、制御部42は、例えば勇者3のライフポイントがなくなりプレイが終了したと判断した場合(S6:YES)、S7に進んでカートリッジ20、ゲーム媒体30へのアクセスを停止して、一連の処理を終了する。
【0040】
以上説明したように、本実施例のゲームシステム1は、制御部42が、カートリッジ20、ゲーム媒体30に随時アクセスして、アイテムを備えたキャラクタの情報を生成する。これにより、カートリッジ20、ゲーム媒体30が交換されても、プレイを中断することなくアイテムを備えたキャラクタの情報を随時更新することができる。
また、ゲームシステム1は、キャクタ情報、アイテム情報を配線パターンにより記録したので、これらの情報を簡単な構造で記録することができ、また、プレイ中において破損させることなくカートリッジ20、ゲーム媒体30を着脱することができる。
【0041】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
本実施例において、ゲーム機は、ゲームセンタ等に配置されるものである例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、家庭用ゲーム機等でもよい。また、この場合、カートリッジにゲームプログラムを記録すれば、カートリッジ交換式の汎用のゲーム機でも、ゲーム媒体を用いたゲームをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施例のゲームシステムの斜視図である。
【図2】本実施例のカートリッジ挿入口、ゲーム媒体の斜視図である。
【図3】本実施例のゲームシステムのブロック図である。
【図4】本実施例のゲームシステムの情報処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施例のキャラクタである勇者の画像を示す図である。
【図6】本実施例のアイテムを備えた勇者の画像を示す図である。
【図7】本実施例のアイテムを備えた勇者の画像を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ゲームシステム
2 勇者
3A 鎧
3B 靴
3C 剣
3D 盾
10 ゲーム機
12 カートリッジ挿入口
20 カートリッジ
21 カートリッジ基板
22,22A〜22E ゲーム媒体挿入口
22g カートリッジ側規制部
23 キャラクタ記録部
23a〜23d 接点部
23e 接続部
30,30A〜30D ゲーム媒体
32,32A〜32D アイテム記録基板
32a〜32f 接点部
32g 接続部
32h ゲーム媒体側規制部
41 記憶部
42 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに関する情報である第1ゲーム情報がそれぞれ記録された複数のゲーム媒体と、
複数の前記ゲーム媒体が着脱可能に装着され、複数の前記ゲーム媒体が装着されることにより複数の前記ゲーム媒体に対して電気的に接続される中間媒体と、
ゲーム機に設けられ、前記中間媒体が前記ゲーム機に装着されることにより前記中間媒体を介して複数の前記ゲーム媒体に対して電気的に接続され、複数の前記ゲーム媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報を生成する制御部と、
を備えたゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記中間媒体は、ゲームに関する情報であり第1ゲーム情報とは異なる第2ゲーム情報が記録され、
前記制御部は、複数の前記ゲーム媒体及び前記中間媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報と第2ゲーム情報とを組み合わせて前記新たなゲーム情報を生成すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記第1ゲーム情報は、複数の接点部と、前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部とにより記録され、
前記制御部は、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第1ゲーム情報を取得すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のゲームシステムにおいて、
前記第2ゲーム情報は、複数の接点部と、前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部とにより記録され、
前記制御部は、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第2ゲーム情報を取得すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
複数の前記ゲーム媒体は、前記中間媒体への装着位置に応じた前記第1ゲーム情報の内容になっており、
複数の前記ゲーム媒体の前記中間媒体への装着位置を、前記第1ゲーム情報の内容に対応した物理的形状により規制する規制部を備えていること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記第1ゲーム情報は、ゲームに登場するキャラクタが備えるアイテムの情報であり、
前記第2ゲーム情報は、前記キャラクタ自体の情報であり、
前記制御部は、前記第1ゲーム情報と前記第2ゲーム情報とを組み合わせて、前記アイテムを備えた前記キャラクタの情報である前記新たなゲーム情報を生成すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
ゲームに関する情報である第1ゲーム情報がそれぞれ記録された複数の前記ゲーム媒体を着脱可能に装着する中間媒体が、着脱可能に装着されるゲーム機であって、
前記中間媒体が装着されることにより前記中間媒体を介して複数の前記ゲーム媒体に対して電気的に接続され、複数の前記ゲーム媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報を生成する制御部を備えたゲーム機。
【請求項8】
請求項7に記載のゲーム機において、
前記制御部は、ゲームに関する情報であり前記第1ゲーム情報とは異なる第2ゲーム情報が記録された中間媒体がこのゲーム機に装着されることにより、複数の前記ゲーム媒体及び前記中間媒体に電気的に対して接続され、複数の前記ゲーム媒体及び前記中間媒体に随時アクセスして複数の前記第1ゲーム情報と第2ゲーム情報とを組み合わせて前記新たなゲーム情報を生成すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のゲーム機において、
前記制御部は、前記第1ゲーム情報が複数の接点部と前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部とにより記録された前記ゲーム媒体が装着されることにより、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第1ゲーム情報を取得すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のゲーム機において、
前記制御部は、前記第2ゲーム情報が複数の接点部と前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部とにより記録された前記中間媒体が装着されることにより、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記第2ゲーム情報を取得すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項11】
請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記制御部は、ゲームに登場するキャラクタが備えるアイテムの情報である前記第1ゲーム情報と、前記キャラクタ自体の情報である前記第2ゲーム情報とを組み合わせて、前記アイテムを備えた前記キャラクタの情報である前記新たなゲーム情報を生成すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項12】
ゲームに関する情報である第1ゲーム情報が記録され、中間媒体に着脱可能に複数装着されるゲーム媒体であって、
前記中間媒体がゲーム機に装着されることにより、前記中間媒体を介して前記ゲーム機の制御部により随時アクセスされ、前記制御部により複数の前記第1ゲーム情報に基づいて新たなゲーム情報が生成されること、
を特徴とするゲーム媒体。
【請求項13】
請求項12に記載のゲーム媒体において、
前記第1ゲーム情報は、複数の接点部と、前記接点部が選択的に電気的に接続された接続部とにより記録され、前記接点部及び前記接続部の導通状態に基づいて、前記制御部によってその情報が取得可能であること、
を特徴とするゲーム媒体。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載のゲーム媒体において、
前記第1ゲーム情報は、前記中間媒体への装着位置に応じた内容になっており、
このゲーム媒体の前記中間媒体への装着位置を、前記第1ゲーム情報に対応した物理的形状により規制する規制部を備えること、
を特徴とするゲーム媒体。
【請求項15】
請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のゲーム媒体において、
前記第1ゲーム情報は、ゲームに登場するキャラクタが備えるアイテムの情報であり、
前記制御部によって前記キャラクタ自体の情報である前記第2ゲーム情報と組み合わされることにより、前記アイテムを備えた前記キャラクタの情報である前記新たな情報が生成されること、
を特徴とするゲーム媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−253443(P2008−253443A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97329(P2007−97329)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】