説明

ゲームシステム、ゲーム装置及びプログラム

【課題】社会差によるハンディキャップが生じる可能性が低く、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができるゲームシステム提供する。
【解決手段】ゲームシステム10は、プレイヤに使用される複数のゲーム端末20と、複数のゲーム端末20の各々と通信可能なゲーム装置40とを有する。ゲーム端末20は、そのゲーム端末20を使用中のプレイヤに操作され、予め定められた指示が入力されると、ゲーム装置40へ、そのゲーム端末20を使用中のプレイヤのプレイヤIDを含むグループ化要求を送信する。ゲーム装置40は、グループ化要求を受信すると、そのグループ化要求の送信元のゲーム端末20を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれているプレイヤIDで特定される出身地に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータゲームのゲームシステム、ゲーム装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クイズゲームのゲームシステムが記載されている。このシステムは、ネットワーク方式のゲームシステムであり、複数のゲーム端末を備える。クイズゲームのプレイヤは、任意のゲーム端末を用いてクイズゲームのプレイに参加することができる。このシステムでは、複数のプレイヤが動的にグループ化され、グループ毎にクイズゲームのプレイが行われる。このグループ化では、参加を要請したゲーム端末から任意に(具体的には要請の順に応じて)マスタ端末が決定される。
【0003】
一つのグループに係るプレイでは、そのグループの全メンバーに共通の問題が出題され、この問題への解答の正誤がメンバー毎に判定される。出題される問題は、プレイヤの知識を問う問題である。また、このシステムでは、出題する問題を、クイズゲームのプレイの履歴(解答履歴)に基づいて決定することができる。
【特許文献1】特開2006−055294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、人の知識には社会差がある。社会差とは、個人差以外の差であり、具体的には、地域差や、年齢差、性差等である。しかし、上記のシステムでは、社会差を考慮せずにグループ化(マッチング)が行われる。このようなマッチング方法は、社会差に依存すべきでない公平性を重視したクイズゲームには不適切である。例えば、ある特定の地方での流行に関する知識を問う問題が出題されるクイズゲームに適用した場合、メンバー間で地域差による潜在的なハンディキャップが生じる可能性がある。また例えば、女子高生に人気の商品に関する知識を問う問題が出題されるクイズゲームに適用した場合、メンバー間で年齢差や性差による潜在的なハンディキャップが生じる可能性がある。
【0005】
また、従来のマッチング方法は、解答の多様性を楽しむクイズゲーム(多様性を重視したクイズゲーム)には不適切である。例えば、方言や外国語の意味を問うて解答の多様性をプレイヤ同士で楽しむクイズゲームに適用した場合、メンバー間に地域差が無く、解答の多様性が生まれない可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、社会差によるハンディキャップが生じる可能性が低く、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができるゲームシステム、ゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず、用語について説明する。
「ゲーム」とは、クイズゲームやドライブゲームのように、そのプレイ(ゲームプレイ)の結果を定めるルールを有するものである。ゲームについて「プレイ」とは、その開始から終了までのゲーム期間において当該ゲームを客体として進行する行為のうち、その内容が、当該ゲームと、当該ゲーム期間におけるその主体の挙動とに応じて定まる行為である。一つのゲームは、単数または複数のプレイの客体となる。プレイの主体となる人を、そのプレイの客体であるゲームの「プレイヤ」と呼ぶ。プレイについて、その主体であるプレイヤを、その「参加プレイヤ」と呼ぶ。プレイについて、その「結果」とは、その参加プレイヤが目的とする評価である。プレイの結果としては、勝敗や、順位、得点を例示可能である。
【0008】
任意のゲームは、コンピュータゲームとして実現可能である。「コンピュータゲーム」とは、そのプレイがコンピュータを用いて実現されるゲームである。コンピュータゲームでは、そのプレイの内容に影響を与える挙動は、当該プレイの実現に用いられたコンピュータの操作に限られる。コンピュータゲームのプレイの実現に用いられるコンピュータを、「ゲーム端末」と呼ぶ。ゲーム端末のうち、その操作のための、そのコンピュータゲームのプレイヤに対するユーザインターフェイスを有するものを、「ゲーム端末」と呼ぶ。コンピュータゲームについて、そのゲーム端末を有するシステムを、その「ゲームシステム」と呼ぶ。
【0009】
「コンピュータ」とは、データを処理する装置のうち、データを保持するメモリと、メモリに保持されているプログラムを実行するプロセッサとを有するものである。「データ」とは、情報を測定可能な形式で表現したものである。データとしては、情報を電気的に表現したデータや、情報を磁気的に表現したデータ、情報を光学的に表現したデータを例示可能である。「情報」とは、データで表現可能な処理対象である。「メモリ」とは、書き込まれたデータを読み出し可能に保持する装置である。メモリとしては、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリを例示可能である。「プログラム」とは、命令を表すデータの集合体のうち、処理の手順を示すものである。プログラムとしては、コンピュータに、コンピュータゲームのプレイを実現させるプログラムを例示可能である。「プロセッサ」とは、命令セットを実装し、その命令セットに含まれている命令を表すデータの集合体であるプログラムに示されている手順で、当該プログラム内のデータで表される命令を実行する処理を行うことによって、当該プログラムを実行する装置である。プロセッサとしては、単数のCPU(Central Processing Unit)や、複数のCPUの集合体を例示可能である。
【0010】
コンピュータとしては、外部とのインターフェイスを備えるコンピュータを例示可能である。外部とのインターフェイスとしては、外部から情報またはデータを入力する入力部や、外部へ情報またはデータを出力する出力部を例示可能である。情報について「入力」とは、検出または測定によって外部の情報を表すデータを生成する行為をいう。入力部としては、センサや、ボタン、キーボードを例示可能である。情報について「出力」とは、データで表された情報を人間に知覚され得る形態で表す行為をいう。人間に知覚され得る形態としては、光、音、振動を例示可能である。光の形態での情報の出力としては、画像の表示、光源の明滅を例示可能である。音の形態での情報の出力としては、スピーカによる放音、ソレノイドによる発音機構の駆動(例えば、ベルの鳴動)を例示可能である。振動の形態での情報の出力としては、振動子の揺動を例示可能である。
【0011】
本発明は、一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのゲームシステムにおいて、前記コンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末と、前記複数のゲーム端末の各々と通信可能なゲーム装置とを有し、前記複数のゲーム端末の各々は、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、前記指示入力部に予め定められた指示が入力されると、前記ゲーム装置へ、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤが属する社会を特定するための社会特定情報を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備え、前記ゲーム装置は、前記グループ化要求を受信する装置側受信部と、前記装置側受信部に前記グループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元の前記ゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部とを備えることを特徴とするゲームシステム(態様1)を提供する。
態様1によれば、ゲーム装置において、グループ決定部により、グループ化要求の送信元のゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループが、そのグループ化要求に含まれている社会特定情報で特定される社会に基づいて決定されるから、社会差によるハンディキャップが生じる可能性が低く、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができる。
【0012】
態様1において、前記グループ決定部は、同一のグループの全メンバー間でメンバーの属する社会が一致するようにグループを決定するようにしてもよい(態様2)。態様2によれば、同一グループの全メンバー間でメンバーの属する社会が一致するようにグループ化が行われるから、公平性を重視したコンピュータゲームのプレイを実現することができる。
【0013】
態様1又は2において、前記コンピュータゲームは、その一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに共通の問題が出題され、この問題への解答の正誤がメンバー毎に判定されるクイズゲームであり、前記複数のゲーム端末のうち、一つのグループに係る特定の一つは、各々が複数の社会のいずれかに対応付けられた複数の問題のうち、前記端末側送信部が送信したグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会とは異なる社会に対応付けられている問題を母集団として、出題する問題を選択する問題選択部を備えるようにしてもよい(態様3)。態様3によれば、特定の一つのゲーム端末(親端末)において、問題選択部により、そのゲーム端末に係るグループに係る社会とは異なる社会に対応付けられている問題を母集団として、出題する問題が選択されるから、出題された問題にメンバー全員が正解してしまう可能性を低減することができる。
【0014】
態様1において、前記グループ決定部は、同一のグループの全メンバー間でメンバーの属する社会が相互に相違するようにグループを決定するようにしてもよい(態様4)。態様4によれば、同一のグループの全メンバー間でメンバーの属する社会が相互に相違するようにグループ化が行われるから、プレイヤがメンバーの多様性を楽しむコンピュータゲームのプレイを実現することができる。
【0015】
態様1又は4において、前記コンピュータゲームは、その一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに共通の問題が出題され、この問題への解答の正誤がメンバー毎に判定されるクイズゲームであり、前記複数のゲーム端末のうち、一つのグループに係る特定の一つは、各々が複数の社会のいずれかに対応付けられた複数の問題のうち、そのグループに係る全ての前記ゲーム端末の前記端末側送信部が送信したグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会のいずれとも異なる社会に対応付けられている問題を母集団として、出題する問題を選択する問題選択部を備えるようにしてもよい(態様5)。態様5によれば、特定の一つのゲーム端末(親端末)において、問題選択部により、そのグループの全メンバーの属する社会のいずれとも異なる社会に対応付けられている問題を母集団として、出題する問題が選択されるから、メンバー間の社会差について公平性を担保することができる。
【0016】
本発明は、一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末の各々と通信可能なゲーム装置において、前記複数のゲーム端末の各々が、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、前記指示入力部に予め定められた指示が入力されると、前記ゲーム装置へ、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤが属する社会を特定するための社会特定情報を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備えるとき、前記グループ化要求を受信する装置側受信部と、前記装置側受信部に前記グループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元の前記ゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部とを備えることを特徴とするゲーム装置を提供する。
このゲーム装置によれば、グループ決定部により、グループ化要求の送信元のゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループが、そのグループ化要求に含まれている社会特定情報で特定される社会に基づいて決定されるから、社会差によるハンディキャップが生じる可能性が低く、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができる。
【0017】
本発明は、一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末の各々と通信可能なゲーム装置を、前記複数のゲーム端末の各々が、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、前記指示入力部に予め定められた指示が入力されると、前記ゲーム装置へ、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤが属する社会を特定するための社会特定情報を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備えるとき、前記グループ化要求を受信する装置側受信部と、前記装置側受信部に前記グループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元の前記ゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部として機能させるプログラム、またはこのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
このプログラムによれば、ゲーム装置において、グループ決定部により、グループ化要求の送信元のゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループが、そのグループ化要求に含まれている社会特定情報で特定される社会に基づいて決定されるから、社会差によるハンディキャップが生じる可能性が低く、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができる。なお、本発明は、上記プログラムを伝送する伝送媒体(例えばネットワーク)としても把握される。つまり、本発明は、上記プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録または伝送する媒体(データキャリヤ)としても把握される。また、本発明は、上記プログラムの一部または全部であるプログラム要素としても把握される。また、本発明は、コンピュータにロードされて上記プログラムとなるデータを保持する媒体を有するプログラム製品としても把握される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、社会差によるハンディキャップが生じる可能性が低く、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができる。
【0019】
ところで、従来のシステムを、プレイの結果が地域差に依存すべきでないクイズゲームに用いる場合、メンバー間の知識の地域差が大きいグループについてもプレイの結果が地域差に依存しないようにするために、難度が如何なる地域差にも依存しない問題のみが出題されるようにせねばならない。また例えば、従来のシステムを、プレイヤが他のメンバーの解答の多様性を楽しむクイズゲームに用いる場合、メンバー間の知識の地域差が無いグループについても解答の多様性が得られるようにするために、難度が如何なる地域差にも依存せずに高い問題のみが出題されるようにすべきである。つまり、従来のシステムで社会差を考慮すると、使用される可能性の無い問題が著しく増えてしまう。なお、従来のシステムを変形し、グループ毎に、出題する問題をメンバーのプレイの履歴に基づいて決定する形態とすれば、使用される可能性の無い問題がグループ毎に相違し得るから、社会差を考慮しつつ、使用される可能性の無い問題を減らすことができる。しかし、そのためには、プレイヤ毎にプレイの履歴を蓄積して知識の傾向(例えば地域差)を正しく分析せねばならない。したがって、処理量が膨大となってしまう。そもそも、プレイの履歴が十分に蓄積されていないプレイヤの知識の傾向を正しく分析することはできない。これに対して、本発明は、ゲームシステムにおいて、処理量を膨大とすることなく、社会差を考慮しつつ、使用される可能性の無い情報(例えば、クイズゲームにおける問題やドライブゲームにおける地図等)の増加を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.ゲームシステム>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るゲームシステム10の構成を示すブロック図である。ゲームシステム10は、後述の第1ゲームのゲームシステムである。ゲームシステム10は、ネットワーク方式のゲームシステムであり、各々がインターネットワーク1に終端ノードとして属する複数のゲーム端末20(20A、20B、20C、…)と、インターネットワーク1に終端ノードとして属するゲーム装置40と、複数の記録媒体30(30A、30B、30C、…)とを有する。
【0021】
ゲーム端末20は、コンピュータであり、第1ゲームのゲーム端末(アーケードゲーム機)である。ゲーム端末20は、複数のLAN(Local Area Network)3(3A、3B、3C、…)のいずれかに終端ノードとして属する。LAN3は、インターネットワーク1にノードとして属するネットワークである。複数のLAN3は、それぞれ、複数のゲーム場2(2A、2B、2C、…)に設けられている。LAN3には、VPN(Virtual Private Network)装置4がノードとして属する。LAN3に属するVPN装置4は、VPN5に終端ノードとして属する。VPN5は、インターネットワーク1上に仮想的に実現されたネットワークである。
【0022】
ゲーム装置40は、コンピュータであり、第1ゲームのゲーム装置である。ゲーム装置40は、LAN6に終端ノードとして属し、第1ゲームのプレイヤのグループ化や各種の情報の保持を行う。LAN6は、インターネットワーク1にノードとして属するネットワークであり、複数のゲーム場2のいずれとも異なる場所に設けられている。LAN6には、VPN装置4がノードとして属する。このVPN装置4は、VPN5に終端ノードとして属する。各ゲーム端末20とゲーム装置40間の通信は、VPN5を介して行われる。
【0023】
記録媒体30は、情報を記録する媒体であり、第1ゲームのプレイヤに携行される。第1ゲームのプレイヤは、一又は複数の記録媒体30を所有する。記録媒体30には、記録媒体30を一意に識別する媒体IDが記録されている。具体的には、記録媒体30A、30B、30C、…には、それぞれ、媒体IDとして、「A」、「B」、「C」、…が記録されている。ゲームシステム10では、媒体IDに基づいて、第1のゲームのプレイヤが識別される。したがって、媒体IDは、第1ゲームのプレイヤを一意に識別するプレイヤIDでもある。なお、本実施の形態を変形し、ゲーム装置40において、媒体IDとは異なるプレイヤIDと媒体IDとを対応付けておき、第1ゲームのプレイヤの識別を、媒体IDに対応するプレイヤIDに基づいて行うようにしてもよい。
【0024】
<1−2.第1ゲーム>
第1ゲームは、そのプレイの結果が地域差に依存すべきでないクイズゲーム(公平性を重視したクイズゲーム)である。第1ゲームのプレイヤは、任意のゲーム端末20を用いてそのゲームのプレイに参加することができる。第1ゲームのプレイは、そのゲームのプレイヤのみをメンバーとしたグループ毎に行われる。グループは動的に結成される。第1ゲームの一つのプレイでは、複数のクイズが一つずつ順に行われる。一つのクイズでは、そのグループに共通の一つの問題(知識を問う問題)が全メンバーに出題され、各メンバーの解答が受け付けられ、解答の正誤がメンバー毎に判定される。なお、第1ゲームの結果とは、そのグループにおけるプレイヤの順位である。
【0025】
<1−3.親端末および子端末>
ゲーム端末20は、親端末および子端末として機能することが可能であり、第1ゲームのプレイにおいて、親端末または子端末として機能する。一つのグループでは、一人のメンバーが親端末を使用し、他のメンバーが子端末を使用する。親端末は、その親端末に係るグループに係る全ての子端末を制御するものであり、これらの子端末の各々と通信する。本実施の形態では、子端末同士の通信は行われないが、これを変形し、子端末同士の通信をも可能としてもよい。
【0026】
<1−4.ゲーム端末>
図2は、ゲーム端末20の外観を示す図である。第1ゲームのプレイヤには、クイズにおいて、ゲーム端末20の筐体110の正面で、筐体110に設けられた表示部(具体的にはモニタ)120の画面121に表示された画像を見るとともに、筐体110に設けられたスピーカ131から放出された音を聞くことによって、出題された問題を把握することと、筐体110に設けられて画面121を覆っている透明なタッチパネル141に触れることによって、出題された問題に解答することとが求められる。また、筐体110には、記憶媒体30が挿入される媒体挿入口171が設けられている。
【0027】
図3は、ゲーム端末20の構成を示すブロック図である。この図に示すように、ゲーム端末20は、表示部120、放音部130、操作部140、プロセッサ150、端末記憶部160、媒体リーダ170、および通信インターフェイス180を有する。プロセッサ150は、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit)であり、データの入力、処理、生成および出力を行う。
【0028】
表示部120は、プロセッサ150からのデータを用いて、このデータで表される画像を画面121に表示する。つまり、ゲーム端末20は、画像を出力する画像出力部を備える。放音部130は、プロセッサ150からのデータを用いて、このデータで表される音をスピーカ131から放出する。つまり、ゲーム端末20は、音を出力する音出力部を備える。なお、本実施の形態を変形し、表示部120としてビデオプロジェクタを用いる形態としてもよい。この場合、画像が投射されるスクリーンが画面121に相当する。
【0029】
操作部140は、プレイヤに操作され、操作内容に応じたデータをプロセッサ150へ供給するものであり、タッチパネル141を備える。タッチパネル141は、プレイヤに触れられた位置を表すデータをプロセッサ150へ供給する。つまり、ゲーム端末20は操作内容を入力する操作入力部を備える。なお、表示部120としてビデオプロジェクタを用いる形態では、操作部140がキーボードやボタン等の操作子を備えることになる。
【0030】
媒体リーダ170は、媒体挿入口171に挿入された記録媒体30からデータを読み出してプロセッサ150へ供給する。つまり、ゲーム端末20は、このゲーム端末20にセットされた記録媒体30から媒体IDを読み取る読み取り部を備える。通信インターフェイス180は、プロセッサ150と他の装置との間でデータを中継する。つまり、ゲーム端末20は、他の装置との間でデータを送受信する送受信部を備える。
【0031】
端末記憶部160は、データを記憶するものであり、その記憶領域は、記憶内容の保持に電源が必須の揮発性領域RT1と、そうでない不揮発性領域RT2とに分けられる。不揮発性領域RT2は、記憶内容を書き換え不可能な書き換え不可能領域RT21と、そうでない書き換え可能領域RT22とに分けられる。揮発性領域RT1は、例えばRAM(Random Access Memory)により実現され、プロセッサ150のワークエリアとして使用される。
【0032】
書き換え可能領域RT22は、例えばハードディスクにより実現される。書き換え可能領域RT22には、クイズテーブルQTが確保されている。クイズテーブルQTには、問題毎に、その問題を一意に識別するための問題IDと、その問題(例えば「日本の首都を答えよ」という文字列)と、その問題の正解(例えば「東京都」という文字列)と、その問題の正解を知っている可能性が十分に高いプレイヤの出身地を示す特定出身地情報とを表すデータが格納されている。
【0033】
特定出身地情報は、0又は自然数の地域IDを含む。地域IDは、予め定められた複数の地域の各々を一意に識別する情報である。本実施の形態では、緯度及び経度で定まる任意の位置がいずれか一つの地域内にあるように、複数の地域が予め定められている。地域IDを含まない特定出身地情報は、問題の正解を知っている可能性が十分に高いプレイヤの出身地が一つも無いことを示す。
【0034】
書き換え不可能領域RT21は、例えばROM(Read Only Memory)により実現され、IPL(Initial Program Loader)等の制御プログラムの他に、プログラムP1を記憶している。プロセッサ150は、プログラムP1を読み出して実行することにより、このプロセッサ150を備えたゲーム端末20を親端末として機能させて第1ゲームのプレイを実現させる第1親処理、ゲーム端末を子端末として機能させてゲームのプレイを実現させる子処理、このゲーム端末20にセットされた記録媒体30に係る端末側記録媒体処理、及び、このプレイヤをメンバーとしたグループを結成するための端末側グループ化処理を行う。
【0035】
第1親処理は親端末用のクイズ処理を含み、子処理は子端末用のクイズ処理を含む。クイズ処理は、クイズを行うための処理であり、問題を出題する出題処理と、出題した問題に対するプレイヤの解答を受け付ける受付処理と、受け付けた解答が正解であるか否かを判定する正誤判定処理と、メンバー間で解答を共有するための共有処理(親端末用/子端末用)と、正誤判定処理での判定結果と全メンバーの解答とを報知する報知処理とを含む。端末側記録媒体処理は、ゲーム端末20を使用しているプレイヤの出身地を登録するための端末側登録処理を含み得る。
【0036】
<1−5.ゲーム装置>
図4は、ゲーム装置40の構成を示すブロック図である。この図に示すように、ゲーム装置40は、プロセッサ410、通信インターフェイス420及び装置記憶部430を備える。プロセッサ410は、例えば、1または複数のCPUであり、データの入力、処理、生成および出力を行う。
【0037】
通信インターフェイス420は、プロセッサ410と他の装置との間でデータを中継する。つまり、ゲーム装置40は、他の装置との間でデータを送受信する送受信部を備える。装置記憶部430は、データを記憶するものであり、その記憶領域は、記憶内容の保持に電源が必須の揮発性領域RT3と、そうでない不揮発性領域RT4とに分けられる。不揮発性領域RT4は、記憶内容を書き換え不可能な書き換え不可能領域RT41と、そうでない書き換え可能領域RT42とに分けられる。
【0038】
揮発性領域RT3は、例えばRAMにより実現され、プロセッサ410のワークエリアとして使用される。揮発性領域RT3には、グループテーブルGT1が確保される。グループテーブルGT1には、未結成のグループ毎に、そのグループのメンバーとなるための出身地の条件を示す条件情報と、そのグループに係る親端末の通信アドレスを示す親アドレス情報と、そのグループのメンバーとなることが決定されたプレイヤの数(決定済数)を示す決定済数情報とを表すデータが格納される。一つの条件情報は、地域IDを一つだけ含む。
【0039】
書き換え不可能領域RT41は、例えばROMにより実現され、IPL等の制御プログラムを記憶している。書き換え可能領域RT42は、例えばハードディスクにより実現される。書き換え可能領域RT42には、個人情報テーブルPTが確保される。個人情報テーブルPTには、第1ゲームのプレイヤ毎に、そのプレイヤのプレイヤID(媒体ID)と、そのプレイヤの出身地を示す出身地情報とを表すデータが格納される。一つの出身地情報は、地域IDを一つだけ含む。
【0040】
また、書き換え可能領域RT42には、プログラムP2が記憶されている。プロセッサ410は、プログラムP2を読み出して実行することにより、記録媒体30に係る装置側記録媒体処理、及び、第1ゲームのプレイに係るグループを結成するための第1グループ化処理を、並列に実行する。装置側記録媒体処理は、プレイヤの出身地を登録するための装置側登録処理を含み得る。
【0041】
<1−6.動作の流れ>
図5は、ゲームシステム10の動作の流れの一例を示すシーケンス図である。この例では、まず、記録媒体30Aを携行するプレイヤ(以降、「プレイヤA」と呼ぶ)が、ゲーム端末20Aに記録媒体30Aをセットする。次に、ゲーム端末20Aにおいて、プレイヤAに係る端末側登録処理が開始する。この端末側登録処理では、ゲーム端末20Aからゲーム装置40へ、プレイヤAに係る登録要求が送信される。登録要求は、その送信元のゲーム端末20を使用しているプレイヤの出身地の登録を要求する情報である。プレイヤAに係る登録要求は、プレイヤAのプレイヤID(A)と、プレイヤAの出身地(日本)の地域IDとを含む。
【0042】
この例では、以降、上述と同様の動作が、記録媒体30Bを携行するプレイヤ(以降、「プレイヤB」と呼ぶ)と、記録媒体30Fを携行するプレイヤ(以降、「プレイヤF」と呼ぶ)と、記録媒体30Gを携行するプレイヤ(以降、「プレイヤG」と呼ぶ)とを含む複数のプレイヤについて順次行われる。ただし、プレイヤB及びFの出身地は「日本」であり、プレイヤGの出身地は「米国」である。また、記録媒体30Bはゲーム端末20B、記録媒体30Fはゲーム端末20E、記録媒体30Gはゲーム端末20Fにセットされる。
【0043】
ゲーム装置40は、ゲーム端末20からの登録要求を受信すると、装置側登録処理において、受信した登録要求に係るプレイヤの出身地を登録する。これにより、ゲーム装置40には、受信した登録要求が示すプレイヤIDと当該登録要求が示す出身地(地域ID)とを対応付ける情報が蓄積される。この例では、ゲーム装置40に、「A」と「日本」とを対応付ける情報、「B」と「日本」とを対応付ける情報、…、「F」と「日本」とを対応付ける情報、「G」と「米国」とを対応付ける情報、…が蓄積される。
【0044】
この例では、次に、ゲーム端末20Aにおいて、記録媒体30Aに係る端末側グループ化処理が開始する。この端末側グループ化処理では、ゲーム端末20Aからゲーム装置40へ、プレイヤAに係るグループ化要求が送信される。グループ化要求は、その送信元のゲーム端末20を使用しているプレイヤをメンバーとして含むグループの結成を要求する情報である。プレイヤAに係るグループ化要求は、プレイヤAのプレイヤID(A)を含む。この例では、以降、これと同様の動作が、ゲーム端末20B、20E及び20Fを含む複数のゲーム端末20において行われる。ただし、グループ化要求の送信順序は、ゲーム端末20B、…、ゲーム端末20F、ゲーム端末20E、…である。
【0045】
ゲーム装置40は、ゲーム端末20からのグループ化要求を受信すると、第1グループ化処理において、予め定められた規定数と、このグループ化要求に係るプレイヤの出身地(地域ID)とに基づいて、このプレイヤをメンバーとするグループ(第1ゲームに係るグループ)と、このグループ化要求の送信元のゲーム端末20を親端末として機能させるか否かとを決定し、この決定に基づいて、このグループ化要求への応答であるグループ化応答を生成し、このゲーム端末20へ送信する。第1ゲームは公平性を重視したクイズゲームであるから、上記の決定は、同一グループの全メンバー間で出身地が一致するように行われる。
【0046】
親端末として機能させるゲーム端末20へのグループ化応答は、親端末として機能させることを示す情報を含み、子端末として機能させるゲーム端末20へのグループ化応答は、そのゲーム端末20に係るグループに係る親端末の通信アドレスを含む。この例では、ゲーム端末20A及び20Fへのグループ化応答は、親端末として機能させることを示す情報(親)を含み、ゲーム端末20B及び20Eへのグループ化応答は、ゲーム端末20Aの通信アドレス(a)を含む。
【0047】
したがって、ゲーム端末20B及び20Eは、子端末として、親端末であるゲーム端末20Aとの間で通信を行うことができる。この通信により、プレイヤA、B及びFを含む規定数のプレイヤをメンバーとしたグループが結成される。このグループのメンバーの出身地は、いずれも「日本」である。プレイヤGの出身地は、「米国」であるから、プレイヤGは、このグループとは異なるグループのメンバーとなる。
【0048】
グループが結成されると、そのグループに係る親端末では第1親処理が、そのグループに係る全ての子端末の各々では子処理が行われる。これにより、この親端末と各子端末との間で通信が行われ、これらの端末において、このグループに係るプレイ(第1ゲームのプレイ)が進行する。この例では、ゲーム端末20Aにおいて第1親処理が、ゲーム端末20B及び20Eを含む規定数−1のゲーム端末20において子処理が行われる。
【0049】
<1−7.端末側記録媒体処理および装置側記録媒体処理>
図6は、端末側記録媒体処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム端末20のプロセッサ150は、媒体リーダ170と協働して、このゲーム端末20に記録媒体30がセットされたことを検出すると、端末側記録媒体処理を開始する。端末側記録媒体処理では、プロセッサ150は、媒体リーダ170と協働して、セットされた記録媒体30から媒体ID(プレイヤID)を読み取り(S11)、通信インターフェイス180と協働してゲーム装置40へ送信する(S12)。
【0050】
図7は、装置側記録媒体処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置40のプロセッサ410は、通信インターフェイス420と協働して、ゲーム端末20からの媒体IDを受信すると、装置側記録媒体処理を開始する。装置側記録媒体処理では、プロセッサ410は、まず、受信したプレイヤIDに係るプレイヤの出身地が登録済であるか否かを判定する(S51)。具体的には、プロセッサ410は、受信したプレイヤIDが個人情報テーブルPTに格納されているか否かを判定する
【0051】
この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ410は、出身地が登録済であることを表す登録済通知を、受信したプレイヤIDの送信元のゲーム端末20へ送信する(S52)。こうして、装置側記録媒体処理が終了する。一方、ステップS51の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ410は装置側登録処理を行う(S53)。装置側登録処理では、プロセッサ410は、まず、通信インターフェイス420と協働して、出身地が未登録であることを表す未登録通知を、受信したプレイヤIDの送信元のゲーム端末20へ送信する(S531)。
【0052】
媒体IDの送信元のゲーム端末20では、プロセッサ150が、通信インターフェイス180と協働して、ゲーム装置40からの通知を受信する(S13)。次にプロセッサ150は、受信した通知が登録済通知であるか否かを判定する(S14)。この判定結果が「YES」の場合、端末側記録媒体処理が終了する。ステップS14の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ150は、端末側登録処理を行う(S15)。
【0053】
端末側登録処理では、プロセッサ150は、まず、このプロセッサ150を含むゲーム端末20を使用しているプレイヤの出身地を操作部140からのデータに基づいて特定する出身地特定処理を行う(S151)。出身地特定処理の具体的な内容は任意である。例えば、プロセッサ150が、表示部120と協働して、複数の地域IDから一つの選択を促すとともに操作部140からのデータに基づいて変化する画像を画面121に表示させる一方、操作部140からのデータに基づいて、選択された一つの地域IDを特定するようにしてもよい。次にプロセッサ150は、ステップS11で読み取った媒体ID(プレイヤID)と、ステップS151で特定した出身地の地域IDとを含む登録要求を、通信インターフェイス180と協働してゲーム装置40へ送信する(S152)。こうして、端末側登録処理及び端末側記録媒体処理が終了する。
【0054】
装置側登録処理では、プロセッサ410は、次に、通信インターフェイス420と協働して、未登録通知の送信先のゲーム端末20からの登録要求を受信する(S532)。次にプロセッサ410は、受信した登録要求に係るプレイヤの出身地を登録する(S533)。具体的には、受信した登録要求に含まれているプレイヤIDと出身地とを対応付けて個人情報テーブルPTに格納(追加)する。こうして、装置側登録処理及び装置側記録媒体処理が終了する。なお、一つの登録要求を表すデータを、一回でまとめて送信する形態であってもよいし、複数回に分けて送信する形態であってもよい。また、本実施の形態を変形し、登録要求がプレイヤIDを含まないようにしてもよい。この場合、ステップS533では、既に受信済のプレイヤIDが用いられる。
【0055】
<1−8.端末側グループ化処理および第1グループ化処理>
図8は、端末側グループ化処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム端末20のプロセッサ150は、端末側記録媒体処理の後に、操作部140から予め定められた特定のデータが供給されると、端末側グループ化処理を開始する。端末側グループ化処理では、プロセッサ150は、まず、端末側記録媒体処理で読み取ったプレイヤIDを含むグループ化要求をゲーム装置40へ送信する(S21)。
【0056】
図9は、第1グループ化処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置40のプロセッサ410は、通信インターフェイス420と協働して、ゲーム端末20からのグループ化要求を受信すると、第1グループ化処理を開始する。第1グループ化処理では、プロセッサ410は、まず、受信したグループ化要求に含まれているプレイヤIDのプレイヤをメンバーとするグループと、このグループ化要求の送信元のゲーム端末20を親端末として機能させるか否かとを決定する決定処理を行う(S61)。
【0057】
決定処理では、プロセッサ410は、受信したグループ化要求に含まれているプレイヤIDと、個人情報テーブルPTとに基づいて、このグループ化要求に係るプレイヤの出身地(地域ID)を特定する(S611)。次にプロセッサ410は、グループテーブルGT1を参照し、適切な未結成のグループがあるか否かを判定する(S612)。この判定結果は、グループテーブルGT1に、特定した出身地の地域IDを含む条件情報と、規定数未満の数を示す決定済数情報とを表すデータを格納したレコードが含まれている場合に「YES」となり、他の場合に「NO」となる。
【0058】
ステップS612の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ410は、適切な未結成のグループを追加する(S613)。具体的には、グループテーブルGT1に、地域IDを含まない条件情報と、受信したグループ化要求の送信元のゲーム端末20の通信アドレスを示す親アドレス情報と、0を示す決定済数情報とを表すデータを格納したレコードを追加する。この処理が終了すると、又は、ステップS612の判定結果が「YES」となると、処理はステップS614へ進む。このステップでは、プロセッサ410は、適切な未結成のグループにメンバーを追加する。具体的には、適切な未結成のグループに係る決定済数が1だけ増加するようにグループテーブルGT1を更新する。
【0059】
次にプロセッサ410は、適切な未結成のグループに係る決定済数が1であるか否かを判定する(S615)。この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ410は、受信したグループ化要求への応答として、親端末として機能させることを示す情報(具体的には、当該グループ化要求に係るプレイヤの出身地の地域ID)を含むグループ化応答を生成する(S616)。一方、ステップS615の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ410は、グループテーブルGT1を参照し、受信したグループ化要求への応答として、適切な未結成のグループに係る親アドレス情報で示される通信アドレスを含むグループ化応答を生成する(S617)。
【0060】
つまり、決定処理では、プロセッサ410は、受信したグループ化要求に係るプレイヤの出身地を特定し、特定した出身地のプレイヤをメンバーに含む未結成のグループ(適切な未結成のグループ)がある場合には、このグループを、当該プレイヤをメンバーとするグループとして決定するとともに、当該グループ化要求の送信元のゲーム端末20を子端末として機能させることを決定し、適切な未結成のグループが無い場合には、適切な未結成のグループを追加し、追加したグループを、当該プレイヤをメンバーとするグループとして決定するとともに、当該グループ化要求の送信元のゲーム端末20を親端末として機能させることを決定する。そして、決定処理が終了すると、プロセッサ410は、生成したグループ化応答を、受信したグループ化要求の送信元のゲーム端末20へ送信する(S62)。こうして、第1グループ化処理が終了する。
【0061】
図8に示すように、ゲーム端末20のプロセッサ150は、ステップS21の処理を終えると、ゲーム装置40から、送信したグループ化要求への応答であるグループ化応答を受信する(S22)。次にプロセッサ150は、受信したグループ化応答が親端末用であるか否かを判定する(S23)。具体的には、プロセッサ150は、受信したグループ化応答に、このプロセッサ150を含むゲーム端末20を親端末として機能させることを示す情報(具体的には地域ID)が含まれているか否かを判定する。
【0062】
次にプロセッサ150は、通信インターフェイス180と協働して、ステップS23の判定結果が「YES」の場合、すなわちこのプロセッサ150を含むゲーム端末20が親端末の場合には、親端末用のグループ結成処理を行い(S24)、「NO」の場合、すなわちこのプロセッサ150を含むゲーム端末20が子端末の場合には、子端末用のグループ結成処理を行う(S25)。こうして、端末側グループ化処理が終了する。
【0063】
グループ結成処理は、グループを結成するための処理である。子端末のプロセッサ150は、子端末用のグループ結成処理において、受信したグループ化応答に含まれている通信アドレスを用いて、親端末用のグループ結成処理を行っている親端末と通信する。これにより、親端末は同一のグループに係る子端末の通信アドレスを把握することができる。最終的には、親端末が、規定数から1を減じた数の子端末の通信アドレスを把握することにより、出身地が共通の規定数のプレイヤをメンバーとしたグループが結成される。
【0064】
ここで、グループテーブルGT1の変化の様子について、一例に沿って説明する。この例では、まず、未結成のグループの数が0であり、グループテーブルGT1のレコード数が0であるものとする。そして、図5に示す順序でグループ化要求が送信されるものとする。グループテーブルGT1は、ゲーム端末20Aからのグループ化要求によって図10のように変化し、ゲーム端末20Bからのグループ化要求によって図11のように変化し、…、ゲーム端末20Fからのグループ化要求によって図12のように変化し、ゲーム端末20Eからのグループ化要求によって図13のように変化する。
【0065】
<1−9.第1親処理及び子処理>
図14は、第1親処理の流れを示すフローチャートである。第1親処理では、親端末のプロセッサ150が、端末側グループ化処理で受信した地域IDとクイズテーブルQTとに基づいて、第1ゲームのプレイにおいて出題する一定数の問題の選択と、その出題順序の決定とを行う(S31)。具体的には、プロセッサ150は、クイズテーブルQTを参照し、受信した地域IDを含まない特定出身地情報に対応付けられた問題IDを母集団として一定数の問題IDを選択し、選択した一定数の問題IDで識別される問題の出題順序を決定する。問題IDの選択のアルゴリズムや、出題順序の決定のアルゴリズムは任意である。次に、親端末のプロセッサ150は、全ての子端末へ、ステップS31での決定の内容(選択した一定数の問題IDと出題順序)を示す決定内容情報を送信する(S32)。
【0066】
図15は、子処理の流れを示すフローチャートである。子処理では、子端末のプロセッサ150が、通信インターフェイス180と協働し、親端末から決定内容情報を受信する(S41)。こうして、第1ゲームのプレイが開始する。次に、子端末のプロセッサ150は、受信した決定内容情報が示す内容に従って、次回のクイズ処理で出題する一つの問題(以降、「出題対象問題」と呼ぶ)を特定する(S42)。具体的には、一定数の問題IDから一番目の問題IDを選択する。
【0067】
親端末のプロセッサ150もまた、一定数の問題IDから一番目の問題IDを選択することによって、「出題対象問題」を特定する(S33)。したがって、親端末における出題対象問題と子端末における出題対象問題は一致する。次に、親端末のプロセッサ150は、親端末用のクイズ処理を行う(S34)。一方、子端末のプロセッサ150は、子端末用のクイズ処理を行う(S43)。これらのクイズ処理は、それぞれ、出題処理、受付処理、正誤判定処理及び報知処理を含む。また、親端末用のクイズ処理は親端末用共有処理を含み、子端末用のクイズ処理は子端末用共有処理を含む。
【0068】
出題処理では、プロセッサ150は、表示部120及び放音部130と協働し、選択した一つの問題IDに対応付けてクイズテーブルQTに格納されている、出題対象問題を表すデータを用いて、出題対象問題を出題する。受付処理では、プロセッサ150は、操作部140からのデータに基づいて、出題対象問題に対するプレイヤの解答を特定することによって、当該解答を受け付ける。この解答には、無解答も含まれ得る。
【0069】
正誤判定処理では、プロセッサ150は、選択した一つの問題IDに対応付けてクイズテーブルQTに格納されている、正解を表すデータを用いて、受付処理で受け付けた解答が正解であるか否かを判定する。報知処理では、プロセッサ150は、表示部120及び放音部130と協働し、正誤判定処理での判定結果(正解/不正解)と、全メンバーの解答とを報知する。
【0070】
親端末用共有処理では、親端末のプロセッサ150は、通信インターフェイス180と協働して、全ての子端末と通信する。一方、子端末用共有処理では、子端末のプロセッサ150は、通信インターフェイス180と協働して、親端末と通信する。こうして、同一のグループに係る全てのゲーム端末20の間で、当該グループの全メンバーの解答が共有される。
【0071】
次に、親端末のプロセッサ150は、第1ゲームのプレイの終了条件が充たされたか否かを判定する(S35)。この判定結果は、ステップS31で決定された問題に未出題の問題が一つでも含まれていれば「YES」となり、他の場合に「NO」となる。この判定結果が「YES」の場合、処理はステップS33に戻る。これと同様の処理が、子端末でも行われる。つまり、親端末では、ステップS35の判定結果が「NO」となるまで、ステップS33〜S35の処理が繰り返し行われ、子端末では、ステップS44の判定結果が「NO」となるまで、ステップS42〜S44の処理が繰り返し行われる。
【0072】
ステップS35の判定結果とステップS44の判定結果は、略同時に「NO」となる。すると、親端末のプロセッサ150は親端末用の終了処理を行い(S36)、子端末のプロセッサ150は子端末用の終了処理を行う(S45)。これにより、第1ゲームのプレイが終了し、親端末においても子端末においても、プロセッサ150が、表示部120及び放音部130と協働し、このプレイの結果を報知する。こうして、第1親処理及び子処理が終了する。なお、終了処理で報知されるプレイの結果は任意である。例えば、親端末を使用中のプレイヤの正解率であってもよいし、全てのメンバーの正解率であってもよい。後者の場合には、終了処理において、親端末と全ての子端末との間で必要な情報が送受信されることになる。
【0073】
<1−10.まとめ>
以上説明したように、ゲームシステム10は、一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのゲームシステムであって、このコンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末20と、複数のゲーム端末20の各々と通信可能なゲーム装置40とを有し、複数のゲーム端末20の各々は、そのゲーム端末20を使用中のプレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、この指示入力部に予め定められた指示が入力されると、ゲーム装置40へ、そのゲーム端末20を使用中のプレイヤが属する社会(地域)を特定するための社会特定情報(プレイヤID)を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備え、ゲーム装置40は、グループ化要求を受信する装置側受信部と、この装置側受信部にグループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元のゲーム端末20を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部とを備える。よって、ゲームシステム10によれば、社会差によるハンディキャップが生じる可能性を低くすることができる。また、ゲームシステム10によれば、処理量を膨大とすることなく、社会差を考慮しつつ、使用される可能性の無い情報(問題)の増加を抑制することができる。
【0074】
そして、ゲームシステム10では、ゲーム装置40において、グループ決定部(第1グループ化処理)により、同一グループの全メンバー間でメンバーの属する社会(出身地)が一致するようにグループ化が行われるから、使用される可能性の無い問題(情報)を増やしたり、処理量を膨大としたりすることなく、第1ゲーム(公平性を重視したクイズゲーム)のプレイを実現することができる。また、ゲームシステム10では、一つのグループに係る特定の一つのゲーム端末(親端末)において、第1親処理により、その親端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループに係る社会(地域ID)とは異なる社会(地域ID)に対応付けられている問題を母集団として、一定数の問題が、プレイで出題する問題として選択されるから、出題された問題にメンバー全員が正解してしまう可能性を低減することができる。これは、特にクイズゲームにおいて有利な効果である。
【0075】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.構成>
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るゲームシステム50の構成を示すブロック図である。ゲームシステム50は、第2ゲームのゲームシステムである。第2ゲームは、そのプレイヤが他のメンバーの解答の多様性を楽しむクイズゲーム(多様性を重視したクイズゲーム)であり、他の点では第1ゲームと同様である。なお、第2ゲームの結果も、そのグループにおけるプレイヤの順位である。ゲームシステム50がゲームシステム10と異なる点は、ゲーム端末20及びゲーム装置40に代えて、第2ゲームのゲーム端末60(60A、60B、60C、…)及び第2ゲームのゲーム装置70を有する点である。
【0076】
図17は、ゲーム端末60の構成を示すブロック図である。ゲーム端末60がゲーム端末20と異なる点は、端末記憶部160に代えて端末記憶部660を有する点である。端末記憶部660が端末記憶部160と異なる点は、書き換え不可能領域RT21に、プログラムP1に代えてプログラムP3を記憶している点である。ゲーム端末60のプロセッサ150は、プログラムP3を読み出して実行することにより、このプロセッサ150を備えたゲーム端末60を親端末として機能させて第2ゲームのプレイを実現させる第2親処理、子処理、端末側記録媒体処理、及び、端末側グループ化処理を行う。第2親処理は親端末用のクイズ処理を含む。このクイズ処理は、第1親処理に係るクイズ処理と同様である。
【0077】
図18は、ゲーム装置70の構成を示すブロック図である。ゲーム装置70がゲーム装置40と異なる点は、装置記憶部430に代えて装置記憶部730を有する点である。装置記憶部730が装置記憶部430と異なる点は、揮発性領域RT3に、グループテーブルGT1に代えてグループテーブルGT2が確保される点と、書き換え可能領域RT42に、プログラムP2に代えてプログラムP4を記憶している点である。
【0078】
グループテーブルGT2がグループテーブルGT1と異なる点は、条件情報が少なくとも一つの地域IDを含む点である。一方、ゲーム装置70のプロセッサ410は、プログラムP4を読み出して実行することにより、装置側記録媒体処理、第2ゲームのプレイに係るグループを結成するための第2グループ化処理を、並列に実行する。
【0079】
<2−2.動作の流れ>
図19は、ゲームシステム50の動作の流れの一例を示すシーケンス図である。この例では、プレイヤBの出身地が「米国」であり、プレイヤFの出身地が「英国」であるものとする。この例では、まず、端末側登録処理により、ゲーム装置70に、「A」と「日本」とを対応付ける情報、「B」と「米国」とを対応付ける情報、…、「F」と「英国」とを対応付ける情報、「G」と「米国」とを対応付ける情報、…が蓄積される。なお、記録媒体30Aはゲーム端末60A、記録媒体30Bはゲーム端末60B、記録媒体30Fはゲーム端末60E、記録媒体30Gはゲーム端末60Fにセットされる。
【0080】
そして、ゲーム端末60A、60B、…、60E、60F、…からゲーム装置70へ、順次、グループ化要求が送信される。ゲーム装置70は、ゲーム端末60からのグループ化要求を受信すると、第2グループ化処理において、予め定められた規定数と、このグループ化要求に係るプレイヤの出身地(地域ID)とに基づいて、このプレイヤをメンバーとするグループ(第2ゲームに係るグループ)と、このグループ化要求の送信元のゲーム端末60を親端末として機能させるか否かとを決定し、この決定に基づいて、このグループ化要求への応答であるグループ化応答を生成し、このゲーム端末60へ送信する。第2ゲームは、多様性を重視したクイズゲームであるから、上記の決定は、同一グループの全メンバー間で出身地が相互に相違するように行われる。
【0081】
その結果、ゲーム端末60B及び60Eは、子端末として、親端末であるゲーム端末60Aとの間で通信を行うことが可能となる。この通信により、プレイヤA、B及びFを含む規定数のプレイヤをメンバーとしたグループが結成される。このグループのメンバーの出身地は、相互に相違している。なお、プレイヤGは、その出身地が「米国」であり、プレイヤBの出身地と一致するから、このグループとは異なるグループのメンバーとなる。
【0082】
グループが結成されると、そのグループに係る親端末では第2親処理が、そのグループに係る全ての子端末の各々では子処理が行われる。これにより、この親端末と各子端末との間で通信が行われ、これらの端末において、このグループに係るプレイ(第2ゲームのプレイ)が進行する。この例では、ゲーム端末60Aにおいて第2親処理が、ゲーム端末60B及び60Eを含む規定数−1のゲーム端末60において子処理が行われる。
【0083】
<2−3.第2グループ化処理>
図20は、第2グループ化処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置70のプロセッサ410は、通信インターフェイス420と協働して、ゲーム端末60からのグループ化要求を受信すると、第2グループ化処理を開始する。第2グループ化処理では、プロセッサ410は、まず、受信したグループ化要求に含まれているプレイヤIDのプレイヤをメンバーとするグループと、このグループ化要求の送信元のゲーム端末60を親端末として機能させるか否かとを決定する決定処理を行う(S71)。
【0084】
この決定処理では、プロセッサ410は、まず、図9のステップS611と同様に、受信したグループ化要求に係るプレイヤの出身地(地域ID)を特定する(S711)。次にプロセッサ410は、グループテーブルGT2を参照し、適切な未結成のグループがあるか否かを判定する(S712)。この判定結果は、グループテーブルGT2に、特定した出身地の地域IDを含まない条件情報と、規定数未満の数を示す決定済数情報とを格納したレコードが含まれている場合に「YES」となり、他の場合に「NO」となる。
【0085】
ステップS712の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ410は、適切な未結成のグループを追加する(S713)。具体的には、グループテーブルGT2に、地域IDを含まない条件情報と、受信したグループ化要求の送信元のゲーム端末60の通信アドレスを示す親アドレス情報と、0を示す決定済数情報とを表すデータを格納したレコードを追加する。この処理が終了すると、又は、ステップS712の判定結果が「YES」となると、処理はステップS714へ進む。このステップでは、プロセッサ410は、適切な未結成のグループにメンバーを追加する。具体的には、適切な未結成のグループに係る決定済数が1だけ増加し、かつ、このグループに係る条件情報に、特定した出身地の地域IDが追加されるように、グループテーブルGT2を更新する。
【0086】
次にプロセッサ410は、図9のステップS615と同様に、適切な未結成のグループに係る決定済数が1であるか否かを判定する(S715)。この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ410は、受信したグループ化要求への応答として、親端末として機能させることを示す情報(具体的には、適切な未結成のグループに係る条件情報に含まれている全ての地域ID)を含むグループ化応答を生成する(S716)。一方、ステップS715の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ410は、グループテーブルGT2を参照し、受信したグループ化要求への応答として、適切な未結成のグループに係る親アドレス情報で示される通信アドレスを含むグループ化応答を生成する(S717)。
【0087】
つまり、この決定処理では、プロセッサ410は、受信したグループ化要求に係るプレイヤの出身地を特定し、特定した出身地のプレイヤをメンバーに含まない未結成のグループ(適切な未結成のグループ)がある場合には、このグループを、当該プレイヤをメンバーとするグループとして決定するとともに、当該グループ化要求の送信元のゲーム端末60を子端末として機能させることを決定し、適切な未結成のグループが無い場合には、適切な未結成のグループを追加し、追加したグループを、当該プレイヤをメンバーとするグループとして決定するとともに、当該グループ化要求の送信元のゲーム端末60を親端末として機能させることを決定する。そして、この決定処理が終了すると、プロセッサ410は、図9のステップS62と同様に、生成したグループ化応答を、受信したグループ化要求の送信元のゲーム端末60へ送信する(S72)。こうして、第2グループ化処理が終了する。
【0088】
ここで、グループテーブルGT2の変化の様子について、一例に沿って説明する。この例では、まず、未結成のグループの数が0であり、グループテーブルGT2のレコード数が0であるものとする。そして、図19に示す順序でグループ化要求が送信されるものとする。グループテーブルGT2は、ゲーム端末60Aからのグループ化要求によって図21のように変化し、ゲーム端末60Bからのグループ化要求によって図22のように変化し、…、ゲーム端末60Fからのグループ化要求によって図23のように変化し、ゲーム端末60Eからのグループ化要求によって図24のように変化する。
【0089】
<2−4.第2親処理>
図25は、第2親処理の流れを示すフローチャートである。この図において、図14と共通の処理には同一の符号を付してある。第2親処理では、親端末(ゲーム端末60)のプロセッサ150が、端末側グループ化処理で受信した地域IDとクイズテーブルQTとに基づいて、第2ゲームのプレイにおいて出題する一定数の問題と、その出題順序とを決定する(S81)。この処理が、図14のステップS31と異なる点は、一定数の問題IDの選択の母集団が、受信した地域IDのいずれをも含まない特定出身地情報に対応付けられた問題IDに限られる点のみである。以降の処理は、図14と同様である。なお、第2ゲームのプレイの終了条件は、第1ゲームのプレイの終了条件と同一である。
【0090】
<2−5.まとめ>
以上説明したように、ゲームシステム50は、一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのゲームシステムであって、このコンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末60と、複数のゲーム端末60の各々と通信可能なゲーム装置70とを有し、複数のゲーム端末60の各々は、そのゲーム端末60を使用中のプレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、この指示入力部に予め定められた指示が入力されると、ゲーム装置70へ、そのゲーム端末60を使用中のプレイヤが属する社会(地域)を特定するための社会特定情報(プレイヤID)を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備え、ゲーム装置70は、グループ化要求を受信する装置側受信部と、この装置側受信部にグループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元のゲーム端末60を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部とを備える。よって、ゲームシステム50によれば、従来とは異なるゲームの楽しみを提供することができる。また、ゲームシステム50によれば、処理量を膨大とすることなく、社会差を考慮しつつ、使用される可能性の無い情報(問題)の増加を抑制することができる。
【0091】
そして、ゲームシステム50では、ゲーム装置70において、第2グループ化処理により、同一グループのメンバー間でメンバーの属する社会(出身地)が相互に相違するようにグループ化が行われるから、第2ゲーム(多様性を重視したクイズゲーム)のプレイを実現することができる。また、ゲームシステム50では、一つのグループに係る親端末において、第2親処理により、その親端末に係るグループの全メンバーの出身地の地域IDのいずれとも異なる地域IDに対応付けられている問題を母集団として、一定数の問題が、プレイで出題する問題として選択されるから、使用される可能性の無い問題(情報)を増やしたり、処理量を膨大としたりすることなく、地域差について公平性を担保することができる。これは、特にクイズゲームにおいて有利な効果である。
【0092】
<3.変形例>
本発明は、その範囲に、上述した実施の形態のみならず、各種の変形例をも含み得る。これらの変形例には、以下に列記する変形例はもちろん、これらの変形例を適宜に組み合わせて得られる変形例も含まれる。
【0093】
例えば、第1の実施の形態を変形し、第1親処理において、その親端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループに係る地域IDとは関係なく、プレイで出題する問題を決定する形態としてもよい。また例えば、第2の実施の形態を変形し、第2親処理において、その親端末に係るグループの全メンバーの出身地の地域IDとは関係なく、プレイで出題する問題を決定する形態としてもよい。また例えば、第2の実施の形態を変形し、プレイヤの解答を、そのプレイヤの出身地の方言で出力する形態としてもよい。この形態には、プレイヤがメンバーの多様性を実感し易いという利点がある。
【0094】
また例えば、上述した各実施の形態を変形し、グループ化のための処理の多くをゲーム装置が行う形態としてもよい。また例えば、上述した各実施の形態を変形し、プレイで出題する問題の決定をゲーム装置が行う形態としてもよい。また例えば、上述した各実施の形態を変形し、同一のグループに係るゲーム端末間の関係が、親子の関係ではなく、対等の関係となる形態としてもよい。
【0095】
また例えば、上述した各実施の形態を変形し、第1ゲームのプレイを行うか第2ゲームのプレイを行うかをプレイヤに選択させる形態としてもよい。この形態では、グループ化がゲーム別に行われることになる。また例えば、上述した各実施の形態を変形し、第1ゲームとも第2ゲームとも異なるクイズゲームに適用し、一つのグループに、別のメンバーと出身地が一致し、更に別のメンバーと出身地が相違するメンバーが含まれるようにグループ化を行う形態としてもよい。つまり、地域差を考慮したグループ化の形態を、適用するクイズゲームに応じて適宜に変更してもよい。
【0096】
また例えば、上述した各実施の形態を変形し、クイズゲーム以外の、一つのプレイにおいて当該プレイに係る一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームに適用した形態としてもよい。そのようなコンピュータゲームとしては、一つのプレイにおいて当該プレイに係る一つのグループの全メンバーが、共通の地図(実際の地図と同様な仮想的な地図)上で車両を運転するドライブゲームを例示することができる。この例では、使用される可能性の無い地図(情報)を増加させずに済む。
【0097】
また例えば、上述した各実施の形態を変形し、地域差に代えて、他の社会差(例えば、年齢差や性差等)を考慮するようにしてもよいし、複数種類の社会差の組み合せを考慮するようにしてもよい。また例えば、上述した各実施の形態を変形し、ゲーム端末として家庭用ゲーム機を用いる形態としてもよい。また例えば、上述した各実施の形態を変形し、ゲーム端末として携帯型ゲーム機を用いる形態としてもよい。また例えば、上述した各実施の形態を変形し、プレイヤが記録媒体を携行せずに済む形態としてもよい。具体的には、プレイの度に、プレイヤがゲーム端末に、そのプレイヤIDを入力する形態や、その出身地の地域IDを入力する形態を例示可能である。後者の場合、個人情報テーブルPTは不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るゲームシステム10の構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームシステム10に含まれるゲーム端末20の外観を示す図である。
【図3】ゲーム端末20の構成を示すブロック図である。
【図4】ゲームシステム10に含まれるゲーム装置40の構成を示すブロック図である。
【図5】ゲームシステム10の動作の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図6】ゲーム端末20における端末側記録媒体処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ゲーム装置40における装置側記録媒体処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】ゲーム端末20における端末側グループ化処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ゲーム装置40における第1グループ化処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】ゲーム装置40内のグループテーブルGT1の内容を示す模式図である。
【図11】ゲーム装置40内のグループテーブルGT1の内容を示す模式図である。
【図12】ゲーム装置40内のグループテーブルGT1の内容を示す模式図である。
【図13】ゲーム装置40内のグループテーブルGT1の内容を示す模式図である。
【図14】ゲーム端末20における第1親処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】ゲーム端末20における子処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るゲームシステム50の構成を示すブロック図である。
【図17】ゲームシステム50に含まれるゲーム端末60の構成を示すブロック図である。
【図18】ゲームシステム50に含まれるゲーム装置70の構成を示すブロック図である。
【図19】ゲームシステム50の動作の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図20】ゲーム装置70における第2グループ化処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】ゲーム装置70内のグループテーブルGT2の内容を示す模式図である。
【図22】ゲーム装置70内のグループテーブルGT2の内容を示す模式図である。
【図23】ゲーム装置70内のグループテーブルGT2の内容を示す模式図である。
【図24】ゲーム装置70内のグループテーブルGT2の内容を示す模式図である。
【図25】ゲーム端末60における第2親処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
10,50 ゲームシステム
20,60 ゲーム端末
30 記録媒体
40,70 ゲーム装置
150,410 プロセッサ
180,420 通信インターフェイス
P1〜P4 プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのゲームシステムにおいて、
前記コンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末と、
前記複数のゲーム端末の各々と通信可能なゲーム装置とを有し、
前記複数のゲーム端末の各々は、
そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、
前記指示入力部に予め定められた指示が入力されると、前記ゲーム装置へ、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤが属する社会を特定するための社会特定情報を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備え、
前記ゲーム装置は、
前記グループ化要求を受信する装置側受信部と、
前記装置側受信部に前記グループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元の前記ゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部とを備える
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記グループ決定部は、同一のグループの全メンバー間でメンバーの属する社会が一致するようにグループを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記コンピュータゲームは、その一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに共通の問題が出題され、この問題への解答の正誤がメンバー毎に判定されるクイズゲームであり、
前記複数のゲーム端末のうち、一つのグループに係る特定の一つは、各々が複数の社会のいずれかに対応付けられた複数の問題のうち、前記端末側送信部が送信したグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会とは異なる社会に対応付けられている問題を母集団として、出題する問題を選択する問題選択部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記グループ決定部は、同一のグループの全メンバー間でメンバーの属する社会が相互に相違するようにグループを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記コンピュータゲームは、その一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに共通の問題が出題され、この問題への解答の正誤がメンバー毎に判定されるクイズゲームであり、
前記複数のゲーム端末のうち、一つのグループに係る特定の一つは、
各々が複数の社会のいずれかに対応付けられた複数の問題のうち、そのグループに係る全ての前記ゲーム端末の前記端末側送信部が送信したグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会のいずれとも異なる社会に対応付けられている問題を母集団として、出題する問題を選択する問題選択部を備える
ことを特徴とする請求項1又は4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末の各々と通信可能なゲーム装置において、
前記複数のゲーム端末の各々が、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、前記指示入力部に予め定められた指示が入力されると、前記ゲーム装置へ、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤが属する社会を特定するための社会特定情報を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備えるとき、前記グループ化要求を受信する装置側受信部と、
前記装置側受信部に前記グループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元の前記ゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部とを備える
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
一つのプレイにおいて一つのグループの全メンバーに同一の知識が問われるコンピュータゲームのプレイヤに使用される複数のゲーム端末の各々と通信可能なゲーム装置を、
前記複数のゲーム端末の各々が、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤに操作され、そのプレイヤの指示を入力する指示入力部と、前記指示入力部に予め定められた指示が入力されると、前記ゲーム装置へ、そのゲーム端末を使用中の前記プレイヤが属する社会を特定するための社会特定情報を含むグループ化要求を送信する端末側送信部とを備えるとき、前記グループ化要求を受信する装置側受信部と、
前記装置側受信部に前記グループ化要求が受信されると、そのグループ化要求の送信元の前記ゲーム端末を使用中のプレイヤをメンバーとするグループを、そのグループ化要求に含まれている前記社会特定情報で特定される社会に基づいて決定するグループ決定部と
して機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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