説明

ゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体

【課題】プレーヤの撮影画像の新たな利用形態を実現すること。
【解決手段】業務用ゲーム装置1300は、イメージセンサモジュール1326を備え、少なくともプレイポジションにいるプレーヤを撮影範囲に含む装置前方画像を撮影できる。また、装置前方画像に写っているプレーヤの顔表情を認識し、その認識結果を用いてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御する。例えば、音楽ゲームの場合、プレイ曲の「サビ」の部分で特定の顔表情をするように提示する「顔表情お題」を行い、「サビ」部分をプレイ中のプレーヤの顔表情が提示された顔表情に適合する場合に特典を付与したり、特別な演出表示を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所与のビデオゲームを実行するためのゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオカメラで撮影したプレーヤの画像をビデオゲームに利用することでゲームを盛り上げる工夫がなされてきた。
【0003】
例えば、プレーヤを撮影できるビデオカメラを対戦ゲーム用の業務用ゲーム装置に設け、各プレーヤの位置を示すためのアイコンとして、プレーヤの顔画像を利用することにより、対戦プレイする者同士、誰がどの位置にいるか認識し易くしてゲームを盛り上げるものが知られている(例えば、特許文献1)。
更には、プレーヤが操作するキャラクタ(プレーヤキャラクタ)がダメージを負った場合に、プレーヤの顔画像に疑似的にクラックが発生するように見せたり、顔色が悪くなるように顔画像の色を変更するダメージ演出に利用するものもある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−244531号公報
【特許文献2】特開2000−61145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した利用形態とはひと味違った、プレーヤの撮影画像の新たな利用形態を実現することを目的とする。また、より望ましくはゲームの興趣を高めることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための第1の形態は、少なくともプレイポジションにいるプレーヤを撮影範囲に含むように配置された撮影部(例えば、図1のイメージセンサモジュール1326、図10の撮影部102)と、
前記撮影部により撮影された撮影画像に基づいて前記プレーヤの顔表情を認識する顔表情認識部(例えば、図1の制御ユニット1350、顔認識チップ1356、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、顔表情認識部204)と、
前記顔表情認識部の認識結果を用いてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御するゲーム制御部(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、プレイモード制御部220)と、を備えたゲームシステムである。
【0007】
第1の形態によれば、プレイポジションにいるプレーヤを撮影し、プレーヤの顔表情を認識し、その認識結果に応じてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御することができる。プレーヤの顔表情の認識結果をゲームの進行や演出の制御に反映させることで従来にない新しいゲームの面白さを加えることができる。
【0008】
より具体的には、第2の形態として、前記ゲーム制御部が、前記顔表情認識部の認識結果に基づき、ゲーム進行に応じて定められた所与のタイミングにおけるプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する特定タイミング顔表情基準制御手段(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、顔表情お題制御部224、特定タイミング顔表情基準制御部230、図25のステップS302〜S324)を有する、第1の形態のゲームシステムを構成することができる。
【0009】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果が得られるとともに、所与のタイミングでプレーヤがどのような顔表情をしているかに応じてゲーム演出を制御できる。
【0010】
更に第3の形態として、前記ゲーム制御部が、前記顔表情認識部の認識結果に基づき、第1のタイミングにおけるプレーヤの顔表情と、当該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおけるプレーヤの顔表情との差違を用いてゲーム演出を制御する顔表情変化基準制御手段(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、顔表情お題制御部224、顔表情変化基準制御部232、図25のステップS302〜S324)を有する、第1又は第2の形態のゲームシステムを構成することができる。
【0011】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態と同様の効果が得られるとともに、異なるタイミングで認識されたプレーヤの顔表情を比較し、どのような顔表情が変化したかに応じてゲーム演出を制御できる。
【0012】
顔表情が常に変化する可能性を考慮するならば、第4の形態として、前記ゲーム制御部が、前記顔表情認識部の認識結果に基づき、ゲーム進行中に所与の出現頻度条件を満たしたプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する出現顔表情基準制御手段(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、顔表情お題制御部224、出現顔表情基準制御部222、図27のステップS260のYES〜S266〜S270)を有する、第1〜第3の何れかの形態のゲームシステムを構成すると好適である。
【0013】
第4の形態によれば、第1〜第3の何れかの形態と同様の効果が得られるとともに、顔表情が出現頻度条件を満たしていることを条件にゲーム演出の制御を行うことができる。よって、ゲームプレイを通じたプレーヤの主たる顔表情(往々にしてゲームに対するプレーヤの感情が現れる)に応じた演出を選択すると言った使い方ができる。また、顔表情がころころ変わる場合に、演出制御が頻繁に切り替わって不安定になることを防止することができる。
【0014】
第5の形態は、前記撮影部により撮影された撮影画像に含まれる前記プレーヤ以外の人物の数を判定するギャラリー数判定部(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、プレーヤ/ギャラリー識別部205、図25のステップS248)を更に備え、
前記ゲーム制御部が、前記ギャラリー数判定部の判定結果を用いてゲーム演出を制御するギャラリー数基準制御手段(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、ギャラリー数基準制御部221、図27のステップS272〜S274)を有する、第1〜第4の何れかの形態のゲームシステムである
【0015】
第5の形態によれば、第1〜第4の何れかの形態と同様の効果が得られるとともに、プレーヤ以外の人物、いわゆるギャラリーの数を判定し、そのギャラリー数に応じてゲーム演出を変化させることができる。
【0016】
第6の形態は、プレーヤに指定顔表情を提示する顔表情提示部(例えば、図1のビデオモニタ1322、制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、指定顔表情提示制御部226、図25のステップS302〜S306)を更に備え、
前記ゲーム制御部が、前記指定顔表情と前記顔表情認識部の認識結果との適否に応じてゲーム進行を制御する指定顔表情適否基準進行制御手段(例えば、図1の制御ユニット1350、図10の処理部200、図11のゲーム制御部202、指定顔表情適否基準制御部228、図25のステップS318〜S324)を有する、第1〜第5の何れかの形態のゲームシステムである。
【0017】
第6の形態によれば、第1〜第5の何れかの形態と同様の効果が得られるとともに、プレーヤに向けて特定の顔表情をするように提示し、プレーヤが提示に応じたか否かに応じてゲーム進行を制御することができる。
【0018】
第7の形態は、少なくともプレイポジションにいるプレーヤを撮影範囲に含むように配置された撮影部を備えて、所定のゲームを実行可能に構成されたコンピュータシステムを、前記撮影部により撮影された撮影画像に基づいて前記プレーヤの顔表情を認識する顔表情認識部、前記顔表情認識部の認識結果を用いてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御するゲーム制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0019】
第7の形態によれば、コンピュータシステムに第1の形態と同様の効果を発揮させることができる。
【0020】
第8の形態は、第7の形態のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第8の形態によれば、第7の形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータシステムに第1の形態と同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した業務用ゲーム装置の構成例を示す斜視外観図。
【図2】ゲーム画面例を示す図。
【図3】アトラクションモードにおける日時基準制御に係る内容を説明するための概念図。
【図4】アトラクションモードにおける近接者基準制御に係る内容を説明するための概念図。
【図5】アトラクションモードにおける好感反応者検出時制御に係る内容を説明するための概念図。
【図6】プレイモードにおけるギャラリー数基準制御に係る内容を説明するための概念図。
【図7】プレイモードにおける出現顔表情基準制御に係る内容を説明するための概念図。
【図8】プレイモードにおける指定顔表情適否基準進行制御、特定タイミング顔表情基準制御、及び顔表情変化基準制御に係る内容を説明するための概念図。
【図9】顔表情の認識結果を用いたマーケティング用のサンプル調査データの収集に関する制御内容を説明するための概念図。
【図10】業務用ゲーム装置の機能構成例を示す機能ブロック図。
【図11】ゲーム制御部の機能構成例を示す部分機能ブロック図。
【図12】記憶部に記憶されるデータ等の構成例を示す部分機能ブロック図。
【図13】客層設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図14】アトラクションモードデータのデータ構成の一例を示す図。
【図15】楽曲ライブラリのデータ構成の一例を示す図。
【図16】プレーヤ登録データのデータ構成の一例を示す図。
【図17】表情お題設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図18】プレイモード演出内容設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図19】プレイデータのデータ構成の一例を示す図。
【図20】主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】アトラクションモード制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】日時条件基準制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図23】近接者基準制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図24】好感反応者基準制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図25】プレイモード制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図26】プレイ曲選択処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図27】演出変更処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図28】景品払出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図29】途中退席処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図30】本発明を適用したゲームシステムの構成例を示すシステム構成図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1実施形態として、音楽ゲームを実行する業務用ゲーム装置を例に挙げて説明する。尚、本発明を適用することのできるゲームの種類は音楽ゲームに限らずジャンルを問わず同様に適用できる。また、本実施形態では、業務用ゲーム装置において専用のゲームプログラムを実行することによりビデオゲームを実現する構成を例に挙げて説明するが、専用のゲームプログラムに代えてウェブブラウザプログラムやスクリプト制御等によって実現しても良い。つまり、インターネット等の通信回線を通じてゲームに必要な情報を取得してブラウザ上でインタラクティブな表示を実現する、いわゆるブラウザゲームとしてビデオゲームを実現する構成としても良い。
【0023】
[業務用ゲーム装置の構成]
図1は、本発明を適用したゲームシステム(コンピュータシステム)である業務用ゲーム装置1300の構成例を示す斜視外観図である。業務用ゲーム装置1300は、ゲーム装置本体1301の前方に突設された操作台1304に、プレーヤが各種操作入力をするための打楽器を模した操作入力装置1306を備える。
【0024】
本実施形態の操作入力装置1306は、和太鼓を模した外形を有しており、各所に感圧センサや振動センサを内蔵している。プレーヤ2が、専用の操作棒1308を持って和太鼓を叩く要領で操作入力装置1306を叩くと、叩かれた場所のセンサから操作入力信号が制御ユニット1350へ出力される。本実施形態では、複数プレーヤが同時にゲームプレイできるように2つの操作入力装置1306を備える構成となっているが、その数は適宜設定することができる。
【0025】
また、ゲーム装置本体1301の上部には、ゲーム画像を表示させるためのフラットパネルディスプレイやCRT等で実現されるビデオモニタ1322と、ゲーム音や効果音を放音するスピーカ1324と、イメージセンサモジュール1326と、距離センサ1328とを備える。
【0026】
イメージセンサモジュール1326は、装置前方の様子を撮影する装置(撮影部)であって、その撮影範囲にはプレーヤがゲームプレイ用の位置(いわゆるプレイポジション)にいる状態で、少なくともプレーヤの頭部、望ましくは胸部より上が写るように撮影画角や撮影方向などが設定されて配置されている。イメージセンサモジュール1326による撮影は、制御ユニット1350により制御され、撮影された画像データは制御ユニット1350へ出力される。尚、本実施形態におけるイメージセンサモジュール1326の搭載数は一台としているが、複数台搭載することとしてもよい。例えば、プレイポジションそれぞれを撮影対象とするイメージセンサモジュールを配置設定するとしても良い。
【0027】
距離センサ1328は、赤外線や超音波等を照射するとともにその反射波を検出し、検出信号を制御ユニット1350へ出力する。制御ユニット1350は、距離センサ1328からの検出信号を演算処理することにより、装置前方にある物体(例えば、プレーヤや、プレーヤの後方で見ているギャラリーなど)までの距離を算出することができる。尚、こうした距離センサ1328の構成及びその検出信号からの距離算出については、公知技術を適宜利用することで実現できる。
【0028】
そして、ゲーム装置本体1301の下部及び内部には、携行可能なカード型の情報記憶媒体であるICカード1332からのデータ読み出しやデータの書き込みをするICカードリーダライター1330と、硬貨投入装置1340と、景品払出装置1342と、制御ユニット1350と、図示されない電源装置とを備える。
【0029】
ICカードリーダライター1330は、ICカード1332の発行機としての機能を兼ねており、ゲーム開始前或いはゲーム終了後に、所定の手続きを経てプレーヤ登録をすることでICカード1332が発行される。ICカードリーダライター1330にICカード1332を差し込んでからゲームを開始すると、ICカード1332に記憶されたIDと紐付けされた情報(例えば、過去のプレイ履歴などの情報)を利用することが可能となる。尚、本実施形態では、業務用ゲーム装置1300によって、ICカード1332の発行と、登録情報の管理を行う構成としているが、公知のオンラインマルチプレイゲームと同様に別途専用の登録装置とカード発行装置を用意したり、外部のサーバ装置で登録情報を管理する構成としても良いのは勿論である。
【0030】
制御ユニット1350は、CPU(Central Processing Unit)1351やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリ1352などの電気電子機器を備えたいわゆるコンピュータ基板、制御基板を構成する。また、制御ユニット1350は通信装置1353を備え、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信できる。
そして、制御ユニット1350は、搭載されているICメモリ1352やハードディスクなどの情報記憶媒体からシステムプログラムやゲームプログラムを読み出して演算処理し、業務用ゲーム装置1300の各部を制御する。
【0031】
また、本実施形態の制御ユニット1350は、顔認識チップ1356を搭載する。
顔認識チップ1356は、イメージセンサモジュール1326で撮影された画像に写っている人物の顔表情を認識するための各種機能を実現する公知の集積回路などにより実現される。
顔認識チップ1356によって、イメージセンサモジュール1326で撮影された撮影画像から人間が写っている部分(人物画像部分)を認識・抽出し、更にそこから顔が写っている部分(顔画像部分)を認識・抽出できる。そして、顔画像を用いた個人認証や顔表情認識に必要な「顔特徴値(例えば、眼、眉、鼻、口、顔の輪郭など顔の各部位の大きさ、角度、比率、相対位置などの数値)」を取得することができる。そして、顔特徴値から、年齢・性別・顔表情認識結果などのデータを得ることができる。
【0032】
さて、業務用ゲーム装置1300は、電源が入れられると、制御ユニット1350がゲームプログラムを読み出して実行し、業務用ゲーム装置1300は本発明を実現するゲーム装置として機能する。
硬貨投入装置1340で所定の硬貨投入を検出されるまでは、業務用ゲーム装置1300は、プレーヤを勧誘するためのアトラクションモード(客待ちモードの意)で制御される。アトラクションモードでは、通行人にゲーム概要やプレイのスタイルを解説する画面や自動プレイなどの様々な演出が実行され通行人に対してゲームをアピールする。そして、硬貨投入装置1340で所定の硬貨投入を検出すると、業務用ゲーム装置1300は、アトラクションモードから切り替えてゲームプレイモードでの制御を開始し、音楽ゲームが実行される。
【0033】
音楽ゲームの実行に伴い生成されたゲーム画面はビデオモニタ1322で表示され、生成されたゲーム音はスピーカ1324で放音される。プレーヤはビデオモニタ1322に映し出されるゲーム画面を見つつ、スピーカ1324から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。
【0034】
図2は、本実施形態におけるゲーム画面例を示す図であって、1人プレイ状態のゲーム画面のレイアウトに相当する。尚、複数プレーヤが同時にゲームをプレイする場合には、ゲーム画面を上下或いは左右に分割して、プレーヤ別にこうしたゲーム画面が複数並列表示されるものとする。
【0035】
ゲーム画面W2の上部には、タイミングガイド40が表示される。タイミングガイド40では、画面右から左へ向けてタイミングマーカ42,44が流れ表示される。タイミングマーカ42,44は、当該音楽ゲームにおける入力種類にそれぞれ対応づけられている。タイミングガイド40の左方には、ベストタイミング表示体46が固定表示されている。プレイする楽曲の再生とともに流れ表示されているタイミングマーカ42,44がこのベストタイミング表示体46と重なる時に、当該マーカに対応づけられている正しい種類の入力を行うとスコアが加算される。すなわち、タイミングマーカ42,44が、ベストタイミング表示体46に重なるタイミングが、BGMのリズムやテンポに相応するタイミングとして設定されている。尚、タイミングガイド40の表示制御及びその為に必要なデータ構成については、公知の音楽ゲームの技術を適宜流用することにより実現できるので詳細な説明は省略する。
【0036】
一方、ゲーム画面W2の下部には演出表示部47が設定されている。同表示部では、ゲームを盛り上げるための各種演出が表示される。図の例では、ウサギのキャラクタ48(48a,48b,・・・)が画面端から登場し、断続的に曲に合わせてポンポンを振って踊る演出が示されている。
【0037】
そして、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、1曲分プレイ終了した時点のスコアが所定の景品払出抽選発動基準値に達している場合に、制御ユニット1350で演算処理による抽選を実行し、当該抽選で当選すると景品払出装置1342で景品を払い出してプレーヤを称賛することができる。尚、景品払出装置1342及びそれにかかる景品払出抽選は適宜省略することもできる。
【0038】
[顔認識の利用について]
次に、本実施形態の業務用ゲーム装置1300における顔認識の利用について説明する。業務用ゲーム装置1300では、イメージセンサモジュール1326で撮影した画像を顔認識チップ1356で処理することにより、装置前方にいる人物の顔特徴値を求め、顔表情を認識することができる。そこで、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、顔特徴値や顔表情の認識結果をゲーム制御に用いることとし、アトラクションモードの制御においてはより勧誘性を向上し、プレイモードの制御においては新しいゲーム体験を実現する。
【0039】
[1・アトラクションモードの制御における顔認識の利用]
図3〜図5は、顔特徴値や顔表情の認識結果を用いたアトラクションモードの制御内容を説明するための図である。
【0040】
先ず図3に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、アトラクションモードの制御において制御内容を主要客層向けに最適化する「日時基準制御」を行うことができる。「日時基準制御」により、業務用ゲーム装置1300は、アトラクションモードで制御されている間、装置前方の通行人をイメージセンサモジュール1326で周期的に撮影し、撮影された画像内の人物の顔特徴から当該画面内の人物の性別や年齢などを判定し、これをもって当該人物の客層を判定する。そして、業務用ゲーム装置1300が設置されている環境における主要客層へのアピール度の高い内容でアトラクションモードの制御を行うことができる。
【0041】
より具体的には、例えば、イメージセンサモジュール1326によって時刻t=1,2,3,・・・においてそれぞれ撮影された装置前方画像G1〜G3が得られたとする。顔認識チップ1356は、これら装置前方画像G1〜G3毎に顔が写っている部分すなわち顔画像を抽出し、そして抽出した顔画像から顔特徴値を算出する。尚、図中では、顔の写っている部分を識別し易いように破線で囲っている。
【0042】
公知のように、顔特徴値には性別や年齢により傾向が見られるので、これらから性別や年齢を判定できる。本実施形態でも同様にして性別や年齢を求め、所定の基準値と比較照合することにより装置前方画像G1〜G3に写っていた人物の客層を判定する(厳密には「推定」する)。
【0043】
客層の設定は任意である。例えば、10代未満、10代、・・・、60代、60代以上の8段階に区分し、それぞれについて男女の性別に分けた合計16の客層に設定することができる。そして、顔特徴に基づく客層判定結果を、所定の曜日・時間帯・特定期間(例えば、夏休み、正月休み、クリスマス期間など)等のパラメータの組み合わせで定義できる日時条件毎に統計処理する。すなわち、日時条件毎に来客客層の統計を出して来客客層データベースを作成する。図3の例では、「日曜日」「午前中」の日時条件においては、左から3つめの客層に該当する通行人が多い事を示している。
【0044】
そして、業務用ゲーム装置1300は、現在日時に適合する日時条件の来客客層の統計結果に基づいてアトラクションモードの演出内容を制御する。
具体的には、本実施形態では音楽ゲームを実行するので、アトラクションモードでの演出要素の一つである自動プレイする曲を、現在日時が適合する日時条件における主要な客層に対応する「客層別推薦曲リスト」の中から選曲する。「客層別推薦曲リスト」は、予め制御ユニット1350のICメモリ1352やハードディスク等の情報記憶媒体に記憶されていたり、通信回線1を介して定期的に外部装置から配信される。当該リストには、対応する客層にて人気のある曲で自動プレイするための情報が複数曲分含まれている。なお、日時条件は時刻(時間帯)のみの条件としても良いし、曜日のみの条件としてもよい。勿論、その組み合わせでもよい。
【0045】
主要客層に対応する客層別推薦曲リストの中から自動プレイする曲を選択することにより、当該業務用ゲーム装置1300が配置されたロケーションで、その時々の日時条件において最も効果的なアピールが可能となる。尚、図中では「主要な客層」が一つであるように示しているが、複数選択するとしても良いのは勿論である。
【0046】
次いで図4に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、アトラクションモードの制御において制御内容を更に近接者向けに最適化する「近接者基準制御」を実行することができる。「近接者基準制御」により、業務用ゲーム装置1300は、装置に対してある程度以上近づいた人に向けて内容を更に最適化してより効果的なアピールを実現することができる。
そして、近接者基準制御に関連して、業務用ゲーム装置1300は、イメージセンサモジュール1326で撮影した撮影画像を元にした顔認識の結果に基づき、撮影画像に登録プレーヤ(ユーザ登録されている人物)が写っていることを検出する「登録プレーヤ検出機能」を有し、検出された登録プレーヤの個人情報に基づいてアトラクションモードの制御内容を更に当該検出された登録プレーヤ向けに最適化する「登録プレーヤ優先制御」を実行することができる。
【0047】
具体的には、時刻t=4において撮影された装置前方画像G4から抽出された顔画像((図4の装置前方画像G4中、破線で囲まれた範囲)のサイズが画面サイズに対して所定の近接判定基準比を上回っている場合、或いは距離センサ1328の検出信号から得られる通行人までの距離が所定の近接判定基準距離に達している場合に、装置前方画像G4に写っている人物はアピール対象としてより好適と判断する。そして、近接した人物の顔特徴値から客層を判定し、判定された客層に対応する客層別推薦曲リストから選曲する。つまり、装置に近づいた人物に最適化したアピールを行うことができる。
【0048】
加えて、もし装置に近づいた人物が複数の場合には、近接者基準制御の対象、すなわちアトラクションモードの演出内容を決定する基準とする人物を、所定の客層優先順とに基づき選択する「優先客層人物選択」をすることができる。具体的には、装置に近接した人物が複数検出された場合、顔特徴値からそれぞれの客層を判定し、その中から予め設定した優先順位に基づいて優先上位の客層を選択し、優先上位の客層となった人物(優先客層人物)について最適化したアピールを行う。
【0049】
より具体的には、設定される客層それぞれには、ゲーム装置の制作者がターゲットとして想定する度合の高い順に優先順位が設定されている。図4の例では、装置前方画像G4に写っていた2人の顔特徴値からそれぞれ左の人物については「20代女性」、右の人物については「20代男性」の結果が得られている。一方で、客層の優先順設定からは、前者の方が上位と判断されるので、「20代女性」と判断された人物に最適化したアピールが行われることとなる。尚、客層別の優先順位の設定は、適宜設定することができるが、本実施形態では、年齢については低年齢が上位に設定され、性別では男性よりも女性が上位となるように設定することとする。
【0050】
更に、装置前方画像G4に写っている人物毎に顔特徴値を求め、プレーヤ登録に伴い既に取得済の個人顔特徴値と照合して、当該人物が登録済の人物であるかを判定することができる。もし、時刻t=4において撮影された装置前方画像G4に写っている人物が登録プレーヤであるならば(図中、左側の女性がそれに該当)、プレーヤ登録データに紐付けされている過去のプレイ履歴情報などから当該人物の好みのジャンルの情報を取得し、そのジャンルに属する曲の中からアトラクションモードにて自動プレイする曲を選択する。つまり、登録プレーヤが近づいたならば当該人物の興味を惹きやすいアピールを行うことができる。
【0051】
登録プレーヤは既にこのゲームに一度は興味を持ったことが有る人物であるから、高い勧誘効果が期待できる。よって、近接した人物が複数である場合には、客層に基づく優先客層人物を選択し、優先客層人物について登録プレーヤで有るかの照合を行い、登録プレーヤであれば関連する登録情報に基づいてアトラクションモードの演出内容を切り替えると効果的である。勿論、近接した人物が複数である場合で、且つ登録プレーヤが含まれる場合には、プレーヤ登録されていない人物同士で各々の客層を比較して優先客層人物を選択するよりも優先して登録プレーヤの登録情報に基づいてアトラクションモードの演出内容を切り替える制御を優先する構成としても良い。
【0052】
また更に、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、アトラクションモードの制御において制御内容を複数の人物の客層の組み合わせに最適化した「客層組合せ別制御」を実行することができる。本実施形態では、近接した人物が複数である場合にその客層の組み合わせに応じて、予め客層組み合わせ別に用意されている演出表示のパターンデータを選択し、選択されたデータに基づいてゲーム画面の演出表示部47の表示内容を切り替え制御する。
【0053】
客層の組み合わせの種類及びその組み合わせに向けた演出パターンの設定は適宜設定できる。図4の例では、第1客層「20代女性」と第2客層「20代男性」の組み合わせから、若い恋人向けの演出表示内容が選択されているがこれに限らない。第1客層「60代女性」と第2客層「60代男性」の組み合わせに対しては、年配夫婦向けの演出表示内容(落ち着きのある色彩、ゆっくりとしたモーションなどで構成された内容等)が用意されると好ましい。また、第1客層を「10歳未満の男性」又は「10歳未満の女性」とし、第2客層を20代以上の男性又は女性、すなわち保護者相当とすれば「親子連れ」と見なせるので子供の情操教育に適した演出表示内容をすると好適であろう。
【0054】
次いで図5に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、アトラクションモードの制御において制御内容を更にゲームシステムへの興味を持つ人物向けに最適化した「好感反応者検出時制御」を実行することができる。好感反応者検出時制御によって、装置前方画像G4を撮影したタイミング(t=4)と、次の撮影のタイミング(t=5)における同一人物の顔表情を比較して好意的な顔表情変化を検出した場合に、当該人物が「興味を持った」と見なし、制御内容を当該人物向けに最適化して更なるアピール度を高めることができる。
【0055】
具体的には、装置前方画像G4に写っている2名の人物それぞれについて逐次顔表情認識処理を行っているものとする。第1のタイミング(t=4)では、アトラクションモードの演出として、左側の人物について登録プレーヤの照合を行って好みのジャンルから選曲あるいは客層識別の結果に応じた客層別推薦曲リストから選曲して自動プレイを行っている(図4に同様)。第2のタイミング(t=5)では、左側の人物が次の撮影タイミング(t=5)において顔表情が好意的な方向へ変化している、或いは、好意的な表情である旨が検出され、「興味を持った」と見なされる。そこで、現在実行されている自動プレイの曲を元にして、当該人物が好む曲を推測して自動プレイの次曲とする。
【0056】
次曲の選択方法としては、予め曲毎に対応づけられている関連情報に基づいて行う。例えば、現在実行中の自動プレイの曲と同じジャンルの新曲の中から選択するとしても良いし、同じアーティスト(歌手など)の曲の中から選曲したり、類似するテンポの曲を選択したり、自動プレイ中の曲が他メディア(例えば、テレビ番組、ゲーム、映画など)の特定タイトルと関連づけられている場合(例えば、主題歌や挿入歌として使用されている場合)には、同じ特定タイトルに関連づけられている他の曲から選択する。
よって、ゲームシステムに興味を持った人物に対してさらなるアピールを行い、ゲームへ誘う更なる一押しが可能となる。
【0057】
[2・プレイモードの制御における顔認識の利用]
図6〜図8は、顔認識を用いたプレイモードの制御内容を説明するための図である。
図6に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、プレイモードの制御においてイメージセンサモジュール1326により撮影された撮影画像である装置前方画像G6から、プレーヤ2の顔が写っている部分(プレーヤの顔画像)と、ギャラリー4の顔が写っている部分(ギャラリーの顔画像)とを分けて抽出し、ギャラリー4の数に応じたゲーム進行制御をすることができる。すなわち、業務用ゲーム装置1300は、装置前方画像G6に含まれるプレーヤ以外の人物の数を判定する「ギャラリー数判定機能」を有し、ギャラリー数判定結果を用いてゲーム演出を制御する「ギャラリー数基準制御」を実行できる。
【0058】
具体的には、「ギャラリー数判定機能」に関しては、装置前方画像G6から抽出される顔が写っている部分(顔画像)の顔特徴値を、プレーヤ登録の際に取得した個人識別用の顔特徴値と比較してプレーヤ2の顔画像であるかを判定することができるので、プレーヤ2とギャラリー4とを分けることができる。
【0059】
また、登録プレーヤとして識別できない場合(例えばプレーヤ2が初めて本ゲームをプレイする場合で、プレーヤ登録はゲーム終了時に行うケース)では、装置前方画像G6から抽出される顔画像であって、次の条件(1)と条件(2)を満たすものをプレーヤ2の顔画像とみなす。
条件(1):ギャラリー4はプレーヤ2の背後にいるものと仮定して、装置前方画像G6全体の画面面積A0に対する抽出された顔画像の面積A1の比率が所定のプレーヤ顔判定比率に達している。
条件(2):プレーヤ2は所定のプレイポジションに立つものであるとの仮定に基づいて、装置前方画像G6内における抽出された顔の部分が、所定のプレーヤ顔ポジション予測範囲6内に存在する。
尚、これらの条件(1)及び条件(2)の代わりに、或いは更なる条件(3)として、抽出された顔の部分毎の距離センサ1328を用いた距離測定値が、所定のプレーヤ顔判定距離未満であることを加えることができる。
【0060】
そして、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、装置前方画像G6からプレーヤ2とギャラリー4の顔を分けることができることを利用して、ゲーム画面内の演出表示を変更することができる。具体的には、ゲーム画面の演出表示部47(図2参照)にて演出表示するための「標準演出」と、特別な「多ギャラリー用演出」との設定データを予め用意しておく。そして、ゲーム開始とともにゲーム画面の演出表示部47に標準演出を表示開始し、ゲーム進行中に判定されるギャラリー4の数が特別演出の発動開始基準値に達したならば、多ギャラリー用演出を追加実行してゲームを更に盛り上げる。
【0061】
尚、「多ギャラリー用演出」の種類及びその発動開始基準値は適宜設定できる。また、顔認識の結果に基づいて判定されるギャラリー数に応じて演出表示の内容を変更する構成として説明したが、それに代えて、又は併用してゲーム進行をギャラリー数に応じて制御するとしても良い。例えば、ギャラリー数が所定の特典付与基準値に達した場合に、プレーヤがゲームを有利に進められるアイテムを付与したり、1曲プレイした後に、ミニゲーム(例えば、テレビコマーシャルとタイアップしている曲を、コマーシャル版で1プレイできる、或いは全く違うゲームジャンルのシューティングゲームなど)を1プレイ可能にするなどの構成が可能である。
【0062】
また、シューティングゲームならばボスキャラの種類や移動するステージの種類をギャラリー4の数に応じて選択する構成としても良い。アクションゲームならば攻撃等の技のエフェクトの種類をギャラリー4の数に応じて選択する構成としても良い。何れにせよ、ギャラリー4の数が多い程、ゲームがより盛り上がる選択肢が選ばれるようにする。
【0063】
次いで図7に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、プレイモードの制御において、ゲーム進行中に所与の出現頻度条件を満たしたプレーヤの顔表情(「優勢表情」と呼ぶ)を用いてゲーム演出を制御する「出現顔表情基準制御」を行うことができる。
【0064】
具体的には、業務用ゲーム装置1300は、ゲームプレイ中のプレーヤ2の顔特徴値から顔表情の認識処理を行い、顔表情の種類毎の統計をとることができる(顔表情別統計)。統計される顔表情の種類は適宜設定できる。一方で、統計処理される顔表情種類に対応して特別演出データが予め用意されている。そして、顔表情別統計処理の結果、所与の出現頻度条件を満たして出現頻度が高い顔表情(優勢顔表情)を判定し、判定された優勢顔表情に対応する特別演出データが実行される。図7の例では、ゲーム開始とともにゲーム画面の演出表示部47(図2参照)にて標準演出が表示される。そして、プレイ開始から十分な時間が経過した時点で優勢顔表情が判定される。その優勢顔表情に対応づけられている特別演出(図中の「喜び用特別演出」「呆然用特別演出」「不機嫌用特別演出」など)が選択されて、標準演出に追加するように実行される。
【0065】
特別演出の内容は適宜設定可能であるが、その内容はプレーヤのゲーム体験がより楽しく喜びが増すように設定すると好適である。例えば、「喜び用特別演出」であれば、更に楽しさが増すように、ウサギのキャラクタ48(図2参照)の背後で花びらが舞い散る演出内容としても良い。「呆然用特別演出」ならば、プレーヤのようにタイコを叩く動作をするサブキャラクタを登場させて安心感を持たせる演出内容としても良いし、「不機嫌用特別演出」ならば、色彩学的に心の安定を取り戻しやすいカラーを使ったデザインのサブキャラクタを登場させる演出などとしても良い。
こうした特別演出をプレーヤの顔表情から推測される心の状態に応じて選択・実行することにより、ゲームプレイを経てプレーヤの心の状態が改善し、より楽しい時間が過ごせるような一種のお手伝いをする。
【0066】
尚、本実施形態は音楽ゲームを実行するので、優勢表情を用いてゲーム演出を制御するとしたが、それに代えて又は併用してゲーム進行を制御するとしても良い。例えば、ステージが連続するゲーム(シューティングなど)であれば、ゲーム開始から統計処理された結果を所定のステージ切り替えタイミングで参照し、優勢表情の種類に応じて次に向かうステージを切り替えるとしても良い。或いは、指定された表情が所定の出現頻度に達すると、アイテムやボーナススコアなどの特典を付与する構成とすることもできる。
【0067】
次いで図8に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、プレーヤに指定顔表情を提示し、指定顔表情と、顔表情認識処理の認識結果との適否に応じてゲーム進行を制御する「指定顔表情適否基準進行制御」を実行することができる。つまり、プレーヤの顔表情をゲームルールの要素に加えることができる。
また、これに関連して、業務用ゲーム装置1300は、ゲーム進行に応じて定められた所与のタイミングにおけるプレーヤの顔表情を用いてプレイモードを制御する「特定タイミング顔表情基準制御」と、第1のタイミングにおけるプレーヤの顔表情と、当該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおけるプレーヤの顔表情との差違を用いてプレイモードを制御する「顔表情変化基準制御」とを実行する。
【0068】
具体的には、業務用ゲーム装置1300は、プレイ曲が盛り上がる部分(一般に「サビ」と呼ばれる部分がこれに該当する)において、プレーヤの顔表情に注文を設定する。本実施形態ではこれを「顔表情お題」と称し、注文された顔表情を「指定顔表情」と呼ぶ。そして、プレイ曲が盛り上がる部分における顔表情認識の結果に応じてゲーム演出内容を変更するとともに、ゲーム進行を可変制御する。ゲーム進行制御としては、注文通りの顔表情でプレイできた場合に特典を付与する。
【0069】
より具体的には、業務用ゲーム装置1300はプレイ開始からのプレーヤ2の顔表情認識を続けており、顔表情の認識結果の履歴が残される一方、プレーヤに向けて曲の盛り上がり部分を「笑顔」でプレイするように「顔表情お題」が出される(=注文が出される)。そして、プレイ曲の盛り上がる部分をプレイしている最中に実行された顔表情認識の結果、次の条件(3)と条件(4)の両方が満たされると「顔表情お題」をクリア(成功)したと判定する。
条件(3):曲盛り上がり部分(特定タイミング)で一定時間(または一定回数)以上検出された顔表情の種類が「笑顔」。
条件(4):ゲーム開始時点(第1タイミング)の第1顔表情と、曲盛り上がり部分(第2タイミング)における第2顔表情とを比較して、より「笑顔」になった。
【0070】
ここで「顔表情お題」のクリア(成功)又は失敗したと判定したならば、成功時専用の又は失敗時専用の演出表示が実行される。そして、前者の場合には更に特典が付与される。こうしたプレーヤの顔表情をファクタとしたゲームルールの実行は従来に無く、新しいゲーム体験を与えることができる。
【0071】
尚、「顔表情お題」をクリア判定は、上記条件(3)及び条件(4)の何れか一方のみとしても良い。また、「顔表情お題」をクリアした場合に、演出表示又は特典付与の何れか一方のみを実行する構成も可能である。また、付与される特典については適宜設定可能である。例えば、ボーナスポイントの付与でも良いし、アイテムの付与、次のステージに進む権利、景品の抽選権などゲーム内容に応じて適宜設定すると良い。
【0072】
[3・マーケティングにおける顔認識の利用]
図9は、顔表情の認識結果を用いたマーケティング用のサンプル調査データの収集に関する制御内容を説明するための図である。
本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、プレーヤの様子を撮影し、その顔表情を認識できる機能を利用して、ゲームへのプレーヤの満足度合を推測するためのサンプル調査データを収集することができる。すなわち、マーケティングに関する情報を収集することができる。
【0073】
具体的には、装置前方画像G9からプレーヤ2(2a,2b)の顔が写っている部分を(顔画像)抽出し、それぞれについて顔特徴値を求める。顔特徴値から性別や年齢といった客層を定義するパラメータ値を判定し、各プレーヤの客層を判定する。
一方で、予めマーケティング対象客層を指定するデータを参照可能に用意しておく。そして、判定されたプレーヤの客層がマーケティング対象客層に該当する場合には、該当したプレーヤの顔表情認識結果(又は認識結果に基づく満足度などの数値等)が、客層の判定結果と対応づけてサンプル調査データとして蓄積される。
【0074】
図9の例では、装置前方画像G9の左方のプレーヤ2(2a)の客層は「20代女性」、右方のプレーヤ2(2b)の客層は「60代男性」と判断され、前者はマーケティング対象客層に該当し、後者は該当しないと判断されている。よって、ゲーム途中、ゲーム終了後、景品払出後など、調査したいと望むタイミングにおける左方のプレーヤ2(2a)の顔表情認識結果と客層判定結果とが対応づけてサンプル調査データに加えられる。
【0075】
顔表情の認識は、ゲーム開始からゲーム終了後しばらくの間まで逐次実行され、認識結果の履歴が保存される。サンプル調査データに加えられる顔表情認識の結果は、ゲーム開始時、ゲーム進行中、ゲーム終了時、景品払出時など特定のタイミングにおける結果のうち、少なくとも一つのタイミングの結果を含む。本実施形態では、ゲームに対するプレーヤの期待と、実際にプレイした後の満足度とを推測できるように、ゲーム開始時とゲーム終了時との少なくとも2つのタイミングにおける結果を必須としている。
【0076】
尚、マルチプレイの場合には、一緒にプレイするプレーヤのうち何れか一人でもマーケティング対象客層に該当する場合には、その他のプレーヤがマーケティング対象客層に該当しなくとも全プレーヤの客層と顔表情認識結果を纏めてサンプル調査データに加える構成としても良い。この場合、サンプル調査データはマルチプレイ時調査データとしての意味も成す。
【0077】
[機能ブロックの説明]
次に、機能構成について説明する。
図10は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、操作入力部100と、撮影部102と、ICカード読取部104と、対価支払検出部106と、距離測定部108と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、景品払出部400と、記憶部500とを備える。
【0078】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボールといった直接プレーヤが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサなど、運動や姿勢を検知する素子などによっても実現できる。本実施形態の業務用ゲーム装置1300は音楽ゲームを実行するので、図1の操作入力装置1306のように楽器型をしているが、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、ガンシューティングゲームを実行する場合には、銃型のコントローラとしても良い。
【0079】
撮影部102は、イメージセンサや、そのドライバ回路、画像データを記憶する記憶媒体(ICメモリなど)で実現され、プレーヤ(特にその顔面)を含む装置前方を撮影し、撮影した画像データを処理部200へ出力することができる。図1ではイメージセンサモジュール1326がこれに該当する。
【0080】
ICカード読取部104は、ICカードから情報を読み出し、また処理部200による制御に応じて情報を書き込むことができる。図1のICカードリーダライター1330がこれに該当する。尚、本実施形態ではICカード読取部104は、ICカード1332の発行機能を備える構成とする。また、ICカード1332に代えて、非接触ICカード技術に対応した腕時計や、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、携帯情報端末装置などを用いる構成では、ICカード読取部104は非接触ICカード技術に対応した受信装置で実現できる。
【0081】
対価支払検出部106は、ゲームプレイの対価の支払いに係わる検出や情報の送受信を行う。例えば図1の硬貨投入装置1340がこれに該当する。その他、ICカード技術に対応した受信装置で構成し、ICカード技術に対応した腕時計や、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、携帯情報端末装置などに記憶されている電子マネーによる支払いを受け付ける構成としても良い。その他、公知のクレジットカードの読取り装置としても良い。
【0082】
距離測定部108は、装置前方の人物までの距離を人物別に測定し、測定値信号を処理部200へ出力する。例えば図1では距離センサ1328がこれに該当する。距離の測定は、公知技術を適宜応用することで実現できる。例えば、超音波を照射してその反射までの時間を計測したり、赤外線を照射して反射光の強度から距離を算出するとしても良い。或いは、撮影部102を左右2台のイメージセンサで構成するならば、ステレオ撮影の原理で距離を割り出すとしても良い。
【0083】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む装置の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号等に基づいて各種の演算処理を実行して、業務用ゲーム装置1300の動作を制御する。図1では制御ユニット1350がこれに該当する。
そして、処理部200は、ゲーム制御部202と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270と、払出制御部280とを備える。
【0084】
図11は、本実施形態におけるゲーム制御部202の機能構成例を示すブロック図である。ゲーム制御部202は、プレーヤの操作入力に従ってビデオゲームを実現するための各種制御を実行する。
例えば、本実施形態では音楽ゲームを実行するので、プレーヤにより選曲された曲の再生に合わせてゲーム画面を表示する処理や、システムクロック等を用いて曲の再生時間などを計時する処理、操作入力に応じて入力タイミングを評価しスコアを加算する処理、1曲分プレイが終了した時点のスコアが所定の景品払出発動基準値に達している場合に演算処理により抽選を行う処理などを行う。
ゲーム内容によっては、例えば、仮想3次元空間内に各種背景オブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、プレーヤキャラクタやNPC(ノンプレーヤキャラクタ)のオブジェクトを配置する処理や、操作入力部100からの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを動作制御したり、NPCをいわゆるAI制御する処理、オブジェクトのヒット判定処理、プレーヤキャラクタの様子を撮影する仮想カメラの位置や姿勢など撮影パラメータを自動制御する処理、などを適宜実行するものとする。
また、ゲーム進行に必要であれば外部装置から受信した情報のデコード、テクスチャの展開、ヒット判定、フラグ設定、などを実行できる。
【0085】
そして、本実施形態のゲーム制御部202は、顔表情認識部204と、プレーヤ/ギャラリー識別部205と、客層判定部206と、登録プレーヤ検出部208と、アトラクションモード制御部210と、プレイモード制御部220と、調査対象判定部246と、調査データ記憶制御部248と、プレーヤ登録管理部249と、を含む。
【0086】
顔表情認識部204は、
(1)撮影部102により撮影された撮影画像(図3の装置前方画像G1など参照)から人物が写っている部分(人物画像)を認識する処理、
(2)撮影画像から人物の顔が写っている部分(顔画像)を認識する処理、
(3)顔画像から顔特徴値を求める処理、
(4)顔特徴値に基づいて人物の年齢と性別とを判定する処理、
(5)顔特徴値に基づいて顔表情を認識する処理、
(6)顔表情認識の結果を時刻データとともに時系列に記憶部500に記憶する処理、
(7)顔表情認識結果の時系列データに基づいてプレイ中の顔表情の出現率などの統計処理、を実行することができる。
【0087】
尚、これらの処理及びそれにより実現される機能は、公知の顔認識技術、顔表情認識技術及びそれらの周辺技術により実現できる。本実施形態では、顔認識チップ1356(図1参照)によりこれらの機能を専用のハードウェアにより実現する構成としているが、公知の顔認識プログラムや顔表情認識プログラムをCPU1351で実行することで実現するとしても良い。或いは、通信回線1を介して外部装置に撮影部102により撮影された画像を送信し、当該外部装置から顔特徴値や、顔表情の認識結果を取得する構成としても良い。また、顔表情の認識結果については、本実施形態では、喜び、呆然、不機嫌など所定の心情種類毎のその度合として算出されることとするが、利用する公知技術によってはその他の形態でも構わない。
【0088】
プレーヤ/ギャラリー識別部205は、撮影部102で撮影された装置前方画像に写っている人物の中から、プレイポジションにいる人物すなわちプレーヤ(又はプレーヤ候補となるゲーム装置に近接した人物)を検出し、ギャラリーと識別する人物所在検出機能を実現する。当該機能は、装置前方画像に写っている顔画像の画面全体における配置位置や面積比などを所定の基準値と比較することや、顔画像別の距離測定部108による測距結果を用いることで実現できる(図6参照)。また、当該識別部は、プレーヤ相当人物の顔特徴値を一時登録して、以降、装置前方画像の顔画像からプレーヤ(又はプレーヤ候補となるゲーム装置に近接した人物)の顔画像を識別可能にする。
【0089】
客層判定部206は、撮影部102で撮影された装置前方画像に写っている人物毎にその顔特徴値から年齢や性別などを判定し、所定の客層定義データと照合をして当該人物の客層を判定する。
【0090】
登録プレーヤ検出部208は、顔表情認識部204の認識結果に基づき認証可能な特徴データを登録プレーヤ毎に記憶するプレーヤ登録データと照合して、撮影部102で撮影された撮影画像に登録プレーヤが写っていることを検出する。
【0091】
アトラクションモード制御部210は、客待ち状態いわゆるアトラクションモードにおける業務用ゲーム装置1300の動作を制御する。例えば、タイトル画面を表示したり、自動プレイを実行するなど集客のための様々な演出表示や音楽再生を制御する。
本実施形態では、来客客層データベース作成部211と、日時条件基準制御部212と、優先客層人物選択部213と、登録プレーヤ優先制御部214と、客層組合せ別制御部215と、好感反応者検出部216と、好感反応検出時制御部217と、を含む。
【0092】
来客客層データベース作成部211は、客層判定部206による判定結果を、曜日や時間帯別、特定の期間などで定義される日時条件毎に集計した来客客層データベースを作成する(図3参照)。
【0093】
日時条件基準制御部212は、来客客層データベース作成部211により作成された来客客層データベースをもとにしてアトラクションモードを制御する。具体的には、現在日時が適合する日時条件の客層集計結果から主要客層を判定し、判定した主要客層に対応するアトラクションモードの制御パターンデータを参照して制御を主要客層向けに最適化する(図3参照)。
【0094】
優先客層人物選択部213は、撮影部102による撮影画像に写っている人物が複数の場合に、人物毎の客層判定結果と所定の客層優先順とに基づいて、当該複数の人物の中からアトラクションモードの制御内容(例えば、ゲーム演出の内容やゲーム進行制御)を決定する基準とする人物を選択する。選択された人物が「優先客層人物」となり、制御内容最適化の対象となる(図4参照)。
【0095】
登録プレーヤ優先制御部214は、撮影部102による撮影画像に写っている人物で、登録プレーヤ検出部208により検出された人物(登録プレーヤ)を対象として、プレーヤ登録データ(個人情報)を参照して、検出された登録プレーヤ向けにアトラクションモードの制御内容を切り替えて最適化する(図4参照)。
【0096】
客層組合せ別制御部215は、客層判定部206により判定された客層の組み合わせを用いて、アトラクションモードの演出内容を制御し、その客層の組み合わせにより効果的なアピールを実現する(図4参照)。
【0097】
好感反応者検出部216は、ゲームシステムへの興味を持つ人物が撮影画像に写ったことを推定的に検出する。具体的には、ゲーム装置に近接した人物の顔特徴値から顔表情を認識し、顔表情が「喜び」「楽しさ」「興味」などの度合が上がった、或いは当該度合が所定の閾値以上と認識される場合に、その人物を好感反応者として検出する(図5参照)。
尚、検出方法は撮影画像を利用する形態に限らない。例えば、距離測定部108で撮影画像に写った人物毎のゲーム装置からの距離を測定し、距離がプレイポジション付近まで近づくように変化した場合に「興味をもった」と判断して、当該人物を好感反応者として検出する構成としても良い。勿論、撮影画像を利用する形態との併用でも良い。
【0098】
好感反応者検出時制御部217は、好感反応者が検出された場合に、現在実行中のアトラクションモードの演出内容と所定の関連条件を満たす他の演出内容を選択し、所与のタイミングで当該他の演出内容に切り替え制御して、アトラクションモードの内容を好感反応者向けに最適化する。
【0099】
プレイモード制御部220は、ゲームプレイ対価の支払いが検知された以降のゲームプレイを制御する。本実施形態では顔表情認識部204の認識結果に基づき、ゲーム進行に応じて定められた所与のタイミングにおけるプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する幾つかの機能部を含む。具体的には、ギャラリー数基準制御部221と、出現表情基準制御部222と、顔表情お題制御部224と、景品払出抽選部234とを含む。
【0100】
ギャラリー数基準制御部221は、プレーヤ/ギャラリー識別部205によって、顔表情認識部204の認識結果に基づいて識別されたギャラリー4(図6参照)の数を算出し、算出されたギャラリー数に応じてゲーム進行やゲーム演出を変更する。本実施形態では、ギャラリー数に応じた専用の演出表示を実行する構成としているが、それに代えて、又は併用してゲーム進行をギャラリー数に応じて制御するとしても良い。
【0101】
出現表情基準制御部222は、ゲーム進行中に所与の出現頻度条件を満たしたプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する(図7参照)。具体的には、ゲームプレイ中のプレーヤ2の顔表情認識結果の履歴を記憶部500に記憶させると共に、顔表情別の出現率の統計処理をする。そして、顔表情別統計処理の結果、所与の出現頻度条件を満たして出現頻度が高い顔表情(優勢顔表情)を判定し、判定された優勢顔表情に対応する特別演出を実行する。尚、本実施形態は音楽ゲームを実行するので、優勢表情を用いてゲーム演出を制御するとしたが、それに代えて又は併用してゲーム進行を制御するとしても良い。
【0102】
顔表情お題制御部224は、「顔表情お題」にかかる各種制御を行う。これに関連して、指定顔表情提示制御部226と、指定顔表情適否基準制御部228と、特定タイミング顔表情基準制御部230と、顔表情変化基準制御部232とを含む。
【0103】
指定顔表情提示制御部226は、顔表情認識部204で認識できる顔表情の種類の中から指定顔表情をランダム抽選処理で選択し、プレーヤに提示するための制御をする。本実施形態では、画像表示部360で指定顔表情の種類を画像表示することで提示するが、音出力部350にて種類を指定する音声を放音させるとしても良い。
【0104】
指定顔表情適否基準制御部228は、特定のタイミング(ここで言う「タイミング」は一瞬に限らず時間的幅を含む)における顔表情の認識結果と、指定顔表情提示制御部226により提示された指定顔表情との適否(顔表情お題のクリア/顔表情お題の失敗)を判定し、判定結果に応じてゲーム演出やゲームの進行を変更制御する(図8参照)。
【0105】
本実施形態では、指定顔表情の適否の判定を、ゲーム開始時(第1のタイミング)と、いわゆる「サビ」の部分をプレイしている間(第2のタイミング)のそれぞれの顔表情認識結果を用いる。具体的には、「顔表情お題」をクリア(成功)したと判定するには、「曲盛り上がり部分(特定タイミング)で一定時間(または一定回数)以上検出された顔表情の種類が指定顔表情である」且つ「ゲーム開始時点(第1タイミング)の第1顔表情と、曲盛り上がり部分(第2タイミング)における第2顔表情とを比較して、より指定顔表情の度合が高くなった」場合に「適判定」する。
【0106】
よって、本実施形態の指定顔表情適否基準制御部228は、特定タイミング顔表情基準制御部230(ゲーム進行に応じて定められた所与のタイミングにおけるプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する)と、顔表情変化基準制御部232(第1のタイミングにおけるプレーヤの顔表情と、当該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおけるプレーヤの顔表情との差違を用いてゲーム演出を制御する)としても機能する。
【0107】
景品払出抽選部234は、ゲーム結果が所定の景品払出発動条件を満たす場合に、演算処理による抽選処理を実行し、当選すると払出制御部280へ払出実行命令を出力し、払出制御部280に景品払出部400による景品の払い出しを実行させる。そして、本実施形態では景品払出に関する抽選処理に際して、プレーヤの顔表情の出現履歴、出現頻度の高い顔表情の種類に応じて当選確率を可変することができる。
【0108】
調査対象判定部246は、プレーヤがマーケティング情報収集の調査対象に該当するかを判定する。具体的には、客層判定部206によってプレーヤ毎に判定された客層が、所定のマーケティング対象客層に合致する場合に、調査対象と見なす。
【0109】
調査データ記憶制御部248は、調査対象判定部246で対象認定されたプレーヤについての客層判定結果と、顔表情認識結果とを対応づけてサンプル調査データとして記憶部500に蓄積・管理する。
【0110】
プレーヤ登録管理部249は、プレーヤの登録に関する処理を実行してプレーヤの個人情報を取得し、記憶部500にプレーヤ登録データを生成・管理する。いわゆるユーザ登録に相当する。個人情報には、撮影部102で撮影したプレーヤの画像から顔表情認識部204によって算出される顔特徴値を個人認証用顔特徴値が含まれる。また、その顔特徴値から顔表情認識部204により求められた年齢性別を含む。プレーヤ登録が完了すると、ICカード読取部104で新たなICカード1332を発行する。
【0111】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム制御部202による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0112】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1324がこれに該当する。
【0113】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム制御部202による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0114】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、図1のビデオモニタ1322がこれに該当する。
【0115】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0116】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の通信装置1353がこれに該当する。
【0117】
記憶部500は、処理部200に業務用ゲーム装置1300を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1350が搭載するICメモリ1352がこれに該当する。
【0118】
本実施形態の記憶部500は、図12に示すように、システムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。
システムプログラム501は、業務用ゲーム装置1300のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。
ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム制御部202としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0119】
尚、ビデオゲームを、特定のウェブサイトからゲーム画面表示やゲーム進行に必要なデータを受信してゲーム画面の表示やゲームを進行させ、操作入力部100に為された操作入力に応じてゲーム進行制御をしたり、更には操作入力に応じた要求をウェブサイトに返信し、更なるゲーム画面やゲーム進行に必要な情報の提供を受けるいわゆる「ウェブゲーム」「ブラウザゲーム」として実現することもできる。その場合には、ゲームプログラム502を専用のアプリケーションソフトとして構成するのではなく、ウェブブラウザプログラムや、スクリプト制御によりウェブブラウザ上でインタラクティブな表示を実現するためのプラグインなどで構成すると良い。
【0120】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、客層設定データ510と、アトラクションモードデータ512と、楽曲ライブラリ520と、顔表情お題設定データ544と、プレイモード演出内容設定データ546と、を記憶する。
また、随時生成や更新が行われるデータとして、プレーヤ登録データ530と、アトラクションモード制御データ550と、プレイデータ560と、サンプル調査データ580と、を記憶する。その他、各種処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、圧縮解凍されたテクスチャデータ、経過時間、各種タイマー値、カウンタ、フラグ)なども適宜記憶されるものとする。
【0121】
客層設定データ510は、顔特徴値に基づいて客層を判定する基準を定めるとともに、マーケティング対象客層を定義するデータである。例えば図13に示すように、客層種別510aそれぞれについて、客層優先順510bと、調査対象識別値510cと、該当年齢510dと、該当性別510eと、該当顔特徴値510fとを対応づけて格納する。
【0122】
客層種別510aは、適宜設けることができる。
客層優先順510bは、優先客層人物選択部213などが複数のプレーヤの中から客層判定結果に基づいて優先順位付けをする際に参照される。
調査対象識別値510cは、マーケティング情報の収集対象を示すフラグである。図13の例では「0」が調査対象外を示し、「1」が調査対象を示している。
該当年齢510d及び該当性別510eは、顔表情認識部204により判定された年齢及び性別と照合することで客層を判定する際の基準である。
該当顔特徴値510fは、顔表情認識部204により算出される顔特徴値の範囲を定義するデータであって、顔特徴値から客層を判定する基準である。
【0123】
アトラクションモードデータ512は、アトラクションモードでの制御パターンを定義するデータである。例えば図14に示すように、客層設定データ510で定義される客層種別毎に用意された複数の客層別パターンセット514を格納する。本実施形態では音楽ゲームを実行するので、一つの客層別パターンセット514には、対応する客層の好みに合うように練られたタイトル紹介や遊び方紹介、自動プレイのタイミング制御、自動プレイに伴う各種演出を実現するための情報を含んでいる。演出実現のための詳細なデータ構成はゲーム装置の構成によるが、例えば画面表示するためのデータや、電飾などの点灯パターン、音声の強弱や再生タイミングなどを適宜含めることができる。
【0124】
また、本実施形態のアトラクションモードデータ512には、客層組合せ別パターンセット515と、省電力パターンセット516と、登録プレーヤ優先パターンセット518とが含まれている。
【0125】
客層組合せ別パターンセット515は、撮影部102による撮影画像(装置前方画像)に複数の人物が写っている場合に適用される演出内容を定義するデータである。客層判定部206により判定された客層の組み合わせ(図中の第1客層と第2客層)別に用意されており、既に選択実行されている客層別パターンセット514の演出内容に追加される演出内容を実行するための各種データを格納する。
【0126】
省電力パターンセット516は、通常のアトラクションモード制御時(客層別パターンセット514による制御時)よりも消費電力を抑制しつつ存在をアピールする制御を実行するためのデータを格納している。例えば、画面表示制御において演算処理が少なくなるような制御パターンが設定されている。
【0127】
登録プレーヤ優先パターンセット518は、撮影部102による撮影画像(装置前方画像)内に写っている人物中に登録プレーヤが含まれる場合に適用される制御パターンを定義しており、お得意様への対応のように親近感をもってもらえるようなアピール内容となっている。例えば、登録プレーヤのアカウント名を含むようなお誘い文句を画像表示するとしても良い。
【0128】
楽曲ライブラリ520は、音楽ゲームでプレイ可能な曲に関する情報を格納する。本実施形態では、アトラクションモードにおいて自動プレイを行うので、アトラクションモードの演出内容に係るデータの一部を構成すると言える。例えば図15に示すように、楽曲ライブラリ520は、新曲リスト522と、ジャンル別サブライブラリ524と、客層別サブライブラリ526と、表情別サブライブラリ528とを含んで構成される。
【0129】
新曲リスト522は、新しく業務用ゲーム装置1300でプレイが可能になった曲のリストであって、曲名別に、ジャンル、アーティスト名、タイミングガイドデータ、サビ部分タイミング、曲データなどの情報を対応づけて格納する。
【0130】
ジャンルやアーティスト名は、楽曲ライブラリ520をアトラクションモードの演出内容に係るデータと見なす場合には好感反応者検出時制御で利用する分類情報としての役を担う。
曲データは、音生成部250でデコードや再生処理可能な音楽データである。
タイミングガイドデータは、ゲーム画面にてタイミングガイド40を表示するためのデータである。
サビ部分タイミングは、曲が盛り上がるいわゆる「サビ」部分を判定するための情報であって、例えば再生時間の範囲として定義される。
【0131】
ジャンル別サブライブラリ524は、楽曲のジャンル別に纏められた複数のリストを格納する。
客層別サブライブラリ526は、客層設定データ510で定義される客層毎にその客層の年代や性別において人気のある曲を集めたリストを格納する。
表情別サブライブラリ528は、顔表情別にその顔表情となる心的状態を改善してより楽しい気分になるような曲を集めたリストを格納する。当該サブライブラリに含まれるリストは、選曲時に解析されたプレーヤの顔表情に応じて参照される。
尚、これらのサブライブラリに格納される一つ一つのリストは、新曲リスト522と同様のデータ構成を有するものとする。
【0132】
プレーヤ登録データ530は、ゲーム開始前、或いは初回ゲーム終了時に所定の手続きを経ることでユーザ登録された個人情報を格納する。一つのプレーヤ登録データ530は、例えば図16に示すように、ユニークに発行されるプレーヤID532と、年齢性別情報533と、個人認証用顔特徴値534と、プレイ履歴データ536と、嗜好解析データ538とを含む。勿論、その他の情報も適宜含めることができる。
【0133】
個人認証用顔特徴値534は、個人を特定するための顔特徴値を格納する。登録プレーヤ検出部208は、顔表情認識部204で得た顔特徴値を個人認証用顔特徴値534と照合することによって顔認識を用いた個人認証が可能となる。
プレイ履歴データ536は、プレイした日時、選択曲、スコアなどを格納する。格納されるデータの種類はゲーム内容に応じて適宜設定できる。
嗜好解析データ538は、プレイ履歴データ536で蓄積されたジャンルの統計処理から得られる曲のジャンル別の選択頻度を格納する。このデータを参照することで、プレーヤがどのジャンルの曲でゲームを楽しむのを好んでいるかを知ることができる。
尚、プレイ履歴データ536及び嗜好解析データ538は、プレーヤ登録データ530を管理するコンピュータによりゲーム終了後に最新のプレイ結果を判定させるように更新されるものとする。
【0134】
顔表情お題設定データ544は、プレーヤの顔表情を利用したゲームルールの一つとして、プレーヤに指定顔表情を提示して、提示以降にプレーヤが指定表情を出せたかに応じてゲームを進行させる「顔表情お題」を実現するための情報を格納する(図8参照)。例えば図17に示すように、指定顔表情544a毎に「顔表情お題」を提示するためにゲーム画面に表示する提示テキストデータ544bと、お題をクリアしたときに付与される特典を定義する特典設定544cとを対応づけて格納する。特典設定544cの内容は、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。ステージクリア型のゲームであれば、移動先のステージやスペシャルステージのプレイ権なども設定内容に含めると好適である。
【0135】
また、顔表情お題設定データ544は、「顔表情お題」をクリア・成功したと判定された場合に追加実行される演出内容を定義したお題成功演出データ544dと、失敗判定された場合に追加実行される演出内容を定義したお題失敗演出データ544eとを含む。
【0136】
プレイモード演出内容設定データ546は、プレイモードでの演出内容を定義するデータであって、本実施形態ではゲームプレイ中にゲーム画面の演出表示部47(図2参照)に演出表示させるためのデータを格納する。例えば図18に示すように、標準演出データ547と、特別演出設定データライブラリ548と、多ギャラリー用特別演出データ549とを格納する。
【0137】
標準演出データ547は、どのプレーヤにも等しく適用される演出内容を実現するためのデータである。本実施形態では、ゲームプレイ開始当初から演出表示部47(図2参照)に表示される基本的な演出表示を実現する。
【0138】
特別演出設定データライブラリ548は、顔表情認識部204で認識される顔表情の種類毎に対応づけられた演出設定データが含まれる。具体的には優勢顔表情種類548a別に特別演出設定データ548bを格納する。出現表情基準制御部222は、ゲームプレイ中に認識されたプレーヤの顔表情のうち所定の出現頻度に達した表情を優勢表情と判定し、判定した優勢表情の種類に対応する特別演出設定データ548bに従って標準演出に追加される特別演出表示を実現する(図7参照)。
【0139】
多ギャラリー用特別演出データ549は、ギャラリー数基準制御部221がギャラリーの数に応じて実行する追加演出を実現するためのデータである(図6参照)。
【0140】
アトラクションモード制御データ550は、アトラクションモードでの制御を実行するのに必要な各種パラメータ値を格納する。例えば図12に示すように、来客客層データベース551と、最適化対象者識別データ553と、最適化対象者顔表情554と、自動プレイ曲名履歴555とを含む。
【0141】
来客客層データベース551には、曜日や時間帯、特定期間などの組み合わせで定義される複数の日時条件別に用意された日時条件別来客客層データ552が含まれる。一つの日時条件別来客客層データ552には、その日時条件において装置前方画像に写っていた人物毎に判定した客層を統計処理した統計データが含まれる。来客客層データベース551は、来客客層データベース作成部211により生成・更新される。
【0142】
最適化対象者識別データ553は、本実施形態では、撮影部102により撮影された撮影画像(装置前方画像)の中からアトラクションモードにおける演出内容を制御する基準とする対象人物を識別するためのデータを格納する。初期化状態は誰も設定されていないことを意味する「NULL」である。
本実施形態では、装置前方画像中に複数の人物が写っている場合に、優先客層人物選択部213がそれら複数の人物毎の客層に基づいて何れか一人を選択し、選択した人物の顔特徴値を格納する。但し、登録プレーヤ検出部208によって、装置前方画像に写っている複数の人物中に登録済のプレーヤがいるのが検出された場合には、当該登録プレーヤの顔特徴値が優先して格納される。更には、好感反応者検出部216が好感反応者を検出した場合には、該当人物の顔特徴値が優先して格納される。尚、顔特徴値と対応づけて、該当する人物の顔画像の代表点の画像座標系における座標も格納するとしても良い。
【0143】
最適化対象者顔表情554には、最適化対象者識別データ553に格納される顔特徴値から得られる顔表情の認識結果が格納される。
【0144】
自動プレイ曲名履歴555は、アトラクションモード制御部210により管理され、自動プレイを実行する都度、自動プレイした曲名が時系列に格納・更新される。
【0145】
プレイデータ560は、プレイモードにおける制御に係る各種データを格納する。例えば図19に示すように、お勧め曲リスト561と、プレイ曲名562と、再生タイムカウンタ563と、ギャラリー人数564と、適用演出ID565と、途中退席者照合データ566と、退席復帰フラグ567と、プレーヤ毎に用意されるプレーヤ別データ570とを格納する。
【0146】
お勧め曲リスト561は、選曲処理の過程において生成される。本実施形態では、新曲リスト522(図15参照)をベースにして、プレーヤの客層や嗜好、顔表情などに応じた推薦曲リストの曲が加えられて構成される。
プレイ曲名562は、選曲処理の過程において最終的に選択された曲名でありプレイする曲名を示す。
再生タイムカウンタ563は、プレイする曲の再生開始からの経過時間を格納する。
適用演出ID565は、プレイモード演出内容設定データ546で定義される複数種類の演出のうち現在適用・実行されている演出設定データの識別情報、IDを格納する。
途中退席者照合データ566は、1曲プレイしたのちに途中退席操作をした場合に作成されてプレーヤの顔特徴値を一時的に格納し、途中退席復帰時の本人確認のために利用される。
退席復帰フラグ567は、途中退席したプレーヤが正しく戻ってきたら「1」が格納され、途中退席したプレーヤが制限時間内に戻ってこなかった場合及び初期状態では「0」が格納される。
【0147】
プレーヤ別データ570は、例えば、プレーヤのプレイポジションの識別を示すプレイポジション571と、スコア572と、指定顔表情ポイント573と、指定顔表情種類574と、プレーヤ客層575と、顔表情認識履歴データ576とを含む。本実施形態では2人まで同時プレイ可能なので当該データを2つ図示しているが、同時プレイ可能な人数が2人以外の場合には、その人数に応じて作成される。
【0148】
指定顔表情ポイント573は、「顔表情お題」の実行に伴ってゲームプレイ中に顔表情認識部204により指定顔表情と見なせる顔表情が検出された回数又は時間に応じて加算されたポイントである。1プレイ開始時点の初期値は「0」である。
指定顔表情種類574は、指定顔表情提示制御部226により選択・提示された指定顔表情の種類を格納する。初期値は何れの顔表情も設定されてない意味の「NULL」である。
プレーヤ客層575は、顔表情認識部204によってプレーヤの顔特徴値から判定された客層を示す。
【0149】
顔表情認識履歴データ576は、顔表情認識部204により認識された顔表情の履歴であって、顔表情認識部204により生成・更新される。例えば、顔表情認識時系列データ577にはプレイ対価の支払い検出からプレイ終了後所定時間までの顔表情認識結果をいつの時点かを対応づけて時系列に格納する。また、当該時系列データに記憶された顔表情を統計処理した結果が顔表情統計データ578に格納される。
【0150】
サンプル調査データ580は、装置前方画像に写っている人物の顔特徴値に基づいて判定された客層が予め定められたマーケティング対象客層に該当する場合に、該当した人物の客層判定結果と、顔表情認識結果と、日時とが対応づけて蓄積・格納される。データ構造は、当該調査データの利用形態に応じて適宜設定することができる。
【0151】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における各種処理の流れについて説明する。
図20は、業務用ゲーム装置1300における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する一連の処理の流れは、業務用ゲーム装置1300の処理部200が、システムプログラム501を読み込み実行した後に、ゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。
【0152】
業務用ゲーム装置1300の処理部200は、硬貨投入が検知されるまで、アトラクションモード制御処理を実行する(ステップS2〜S4)。
【0153】
[アトラクションモードの処理の流れ]
図21は、アトラクションモード制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理によって、装置前方にいる人物に向けてアトラクションモードにおける制御パターンが様々に切り換えられ、消費者へより効果的にゲームをアピールできるようになる。
【0154】
具体的には、処理部200は、アトラクションモードの制御パターンが切り換え可能なタイミングであるかを判定する(ステップS10)。例えば、既に実行中の制御パターンが終了したタイミング、自動プレイ曲が終了したタイミングなどを適宜切り換え可能なタイミングに設定すると良い。
【0155】
そして、切り換え可能なタイミングであれば(ステップS10のYES)、処理部200は撮影部102により装置前方画像を撮影し(ステップS12)、撮影された画像内に人が写っている部分を抽出処理し、装置前に人がいるか否かを判定する(ステップS14)。
【0156】
ここで装置前方画像内に人が写っていないと判断される場合には(ステップS14のNO)、処理部200は、アトラクションモード制御データ550の最適化対象者識別データ553を初期化する(ステップS16;図12参照)。次いで、アトラクションモードデータ512(図14参照)から省電力パターンセット516を参照し、当該パターンセットに従って省電力向けのアトラクションモードの制御を開始する(ステップS18)。
【0157】
もし、装置前方画像内に人が写っていると判断された場合には(ステップS14のYES)、処理部200は最適化対象者識別データ553が初期化されたままであれば(ステップS22のYES)、処理部200は写っている人物毎にゲーム装置からの距離を判定する(ステップS24)。
そして、例えば、装置前方画像人物毎の顔画像のサイズが画面サイズに対して所定の近接判定基準比を上回っている場合や、距離センサ1328を用いる場合にはその検出信号から得られる当該人物までの距離が所定の近接判定基準距離に達している場合に、処理部200はプレイポジション付近まで人が接近している近接者有りと判定する。
【0158】
近接者無しと判定した場合(ステップS26のNO)、処理部200は日時条件基準制御処理を実行して、業務用ゲーム装置1300が設置されている場所とその時々の日時条件において主要とみなされる客層向けに最適な内容での制御を開始する(ステップS28;図3参照)。
【0159】
また、接近者有りと判定される場合には(ステップS26のYES)、近接者基準制御処理を実行し、業務用ゲーム装置1300に近づいた人物向けに適当な内容での制御を開始する(ステップS30;図4参照)。
【0160】
また、そもそも最適化対象者識別データ553に誰かの顔特徴値が設定されている場合には(ステップS22のNO)、処理部200は好感反応者基準制御処理を実行し、好感反応者向けに最適な内容での制御を開始する(ステップS32;図5参照)。
【0161】
ではここで、アトラクションモード制御処理内で実行される各制御処理について説明する。
図22は、日時条件基準制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理では先ず、処理部200は装置前方画像に写っている人物毎の客層を判定する(ステップS40)。具体的には、顔が写っている部分(顔画像)を抽出して顔特徴値を算出し、顔特徴値から各々の性別及び年齢を求める。そして、客層設定データ510を参照して、求めた顔特徴値や性別、年齢に対応する客層を判定する。
【0162】
客層を判定したならば、処理部200は、現在日時が適合する日時条件別来客客層データ552を更新し(ステップS42;図12参照)、その結果から主要客層を判定する(ステップS44)。
【0163】
次いで処理部200は、アトラクションモードデータ512から判定した主要客層の何れかに対応する客層別パターンセット514を選択し(ステップS46;図14参照)、更に楽曲ライブラリ520の客層別サブライブラリ526(図15参照)から主要客層の何れかに対応する推薦曲リストを参照し、当該リストの中から自動プレイする曲を選択する(ステップS48)。
そして、ステップS46で選択した客層別パターンセットに従い、ステップS48で選択した曲を自動プレイするようにアトラク2ションモードの制御を開始する(ステップS50)。
【0164】
図23は、近接者基準制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理において、処理部200は先ず、近接者と見なされる人物毎に顔特徴値を算出し、当該顔特徴値をプレーヤ登録データ530の個人認証用顔特徴値534(図16参照)と照合して当該人物が登録プレーヤであるかを判定する(ステップS70)。
【0165】
その結果、近接者の誰もが登録プレーヤに該当しなければ(ステップS72のNO)、処理部200は近接者毎に客層を判定し(ステップS74)、現在の日時や曜日、時間に対応する時間枠が割り当てられた日時条件別来客客層データ552を更新する(ステップS76)。
次いで、客層設定データ510の客層優先順510bで示される客層別の優先順位に基づいて近接者の中から制御最適化の対象となる優先客層人物を選択し(ステップS78;図13参照)、最適化対象者識別データ553を優先客層人物とされた人物の顔特徴値に更新し(ステップS80;図12参照)、この顔特徴値に基づく顔表情の認識結果を最適化対象者顔表情554として記憶する(ステップS82)。
【0166】
次に、処理部200は、アトラクションモードデータ512から当該優先客層人物の客層に対応する客層別パターンセット514を選択し(ステップS84;図14参照)、更に楽曲ライブラリ520の客層別サブライブラリ526から優先客層人物の客層に対応する推薦曲リストを参照し、当該リストの中から自動プレイする曲を選択する(ステップS86;図15参照)
そして、処理部200はステップS82で選択した客層別パターンセットに従い、ステップS84で選択した曲を自動プレイするようにアトラクションモードの制御を開始する(ステップS88)。
【0167】
一方、近接者とされる人物内に登録プレーヤが有り(ステップS72のYES)、それが複数である場合には(ステップS90のYES)、処理部200はプレーヤ登録データ530(図16参照)の当該プレーヤに関する個人情報(例えば、年齢性別情報533)に基づいて、何れかの近接者を優先客層人物として選択する(ステップS92)。そして、最適化対象者識別データ553を優先客層人物の顔特徴値で更新するとともに(ステップS94)、この顔特徴値に基づく顔表情の認識結果を最適化対象者顔表情554として記憶する(ステップS96)。
尚、近接者に登録プレーヤが一人しかいない場合には、当該登録プレーヤを優先客層人物と見なす。優先客層人物選択に際しては、年齢は低い程優先順位が高く、同じ年齢ならば性別は男性より女性が優先順位が高くなるよう選択すると好適である。
【0168】
次いで、処理部200は、楽曲ライブラリ520のジャンル別サブライブラリ524を参照し、優先客層人物の好みのジャンルにあたるリストの中から自動プレイする曲を選択する(ステップS98)。尚、優先客層人物の好みのジャンルは、プレーヤ登録データ530の嗜好解析データ538を参照することで判定することができる。
そして、処理部200は登録プレーヤ優先パターンセット518(図14参照)に従い、ステップS96で選択した曲を自動プレイするようにアトラクションモードの制御を開始する(ステップS100)。
つまり、ステップS90からS100により制御内容を更に登録プレーヤ向けに最適化する「登録プレーヤ優先制御」が行われたことになる。
【0169】
図24は、好感反応者基準制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理において、処理部200は先ず撮影部102により装置前方画像を撮影し(ステップS110)、撮影した画像に写っている人物毎に顔特徴値を算出する(ステップS112)。そして、写っている人物毎の顔特徴値を、最適化対象者識別データ553と比較・照合する(ステップS114)。
【0170】
もし照合の結果、撮影した画像内に最適化対象者と同一人物が写っていないと判断される場合には(ステップS116のNO)、処理部200は最適化対象者識別データ553と最適化対象者顔表情554とを初期化して(ステップS118)、好感反応者基準制御処理を終了する。
【0171】
反対に、撮影した画像内に最適化対象者と同一人物が写っていると判断される場合には(ステップS116のYES)、処理部200はステップS112で得た顔特徴値と、最適化対象者顔表情554とを比較する(ステップS120)。その結果、当該同一人物の最新の顔表情の方がより楽しげであったり、喜び度合が増していたり、驚きに満ちていたり、好奇心を示していると判断できる場合には、好感反応を示したと見なす。
【0172】
そして、好感反応を示したと判定した場合(ステップS122のYES)、処理部200は、自動プレイ曲名履歴555及び楽曲ライブラリ520を参照して、直前に自動プレイされた曲、つまり好感反応を示した対象と考えられる曲と同属性の他曲を検索する(ステップS124)。ここで言う「属性」とは、演出内容の分類情報であって、本実施形態ではアーティスト名に相当することとする(図15参照)。勿論、属性に相当するのはアーティスト名に限らず、例えばゲームや映画、ビデオ作品のテーマソングや挿入歌、BGMとして使用されている曲に該当する場合には提携作品のタイトルなどの情報があればこれを属性としてもよい。プレーヤ登録データ530に、プレーヤが購入したゲームタイトルや、ビデオクリップの購入履歴が含まれる場合には提携作品タイトルを属性要素と見なすと、アピール度をより一層高めることができるのでより好適である。
【0173】
さて、もし直前に自動プレイされた曲と同属性の他曲があれば(ステップS126のYES)、処理部200は実行中のアトラクションモードの制御パターンはそのままに、当該他曲の何れかを自動プレイする曲に設定する(ステップS128)。
よって、装置前方にいてアトラクションモードでの制御、特に自動プレイの様子をみて好感反応を示した人物に向けて更なるアピールを効果的に実施できる。
【0174】
図21に戻って、日時条件基準制御処理、近接者基準制御処理、好感反応者基準制御処理の何れかを実行したならば、処理部200は次いで装置前方に複数の人物がいる場合(ステップS130のYES)、それらの人物毎に客層を判定し(ステップS132)、判定した客層の組合せに適合する客層組合せ別パターンセット515を選択して、選択したパターンセットの内容に従った演出表示を開始し(ステップS134)、アトラクションモード制御処理を終了する。
尚、本実施形態では客層組合せ別パターンセット515は客層別パターンセット514より優先度が1ランク下の扱いであって追加的な演出内容を定義する位置づけであるが、客層別パターンセット514と同格の扱いとする場合には、ステップS130〜S134をステップS22の前に移動させる構成としても良い。
【0175】
[プレイモードの処理の流れ]
図20に戻って、アトラクションモード制御が実行されている間に、硬貨投入を検出すると(ステップS4のYES)、処理部200はアトラクションモードの制御を中断して、記憶部500に初期化されたプレイデータ560を生成し、プレイモード制御処理を実行する(ステップS140)。
【0176】
図25は、プレイモード制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では先ず、処理部200はプレイ曲選択処理を実行する(ステップS142)。
【0177】
図26は、プレイ曲選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、お勧め曲リスト561をクリアし(ステップS150;図19参照)、ICカード1332がICカードリーダライター1330に挿入されているかを判定する(ステップS152)。
【0178】
もし、ICカード1332が挿入されていなければ(ステップS152のNO)、処理部200は、撮影部102でプレーヤを撮影し(ステップS160)、プレーヤの顔特徴値を算出し、算出した顔特徴値に基づいて登録プレーヤとしての個人認証処理を実行する(ステップS162)。
【0179】
ここで、何れのプレーヤについても個人認証できない場合、すなわち何れのプレーヤも登録プレーヤでは無かった場合には(ステップS164のNO)、処理部200は、ステップS162で求めた顔特徴値からプレーヤ毎に性別・年齢を求めて、求めたそれらの情報からプレーヤ毎の客層を判定する(ステップS166)。そして、プレーヤが複数であれば優先客層人物を選択し(ステップS168のYES→S170)、楽曲ライブラリ520の客層別サブライブラリ526(図15参照)から、優先客層人物と見なされたプレーヤの客層(又はプレーヤが単数の場合にはそのプレーヤ)に対応する客層別推薦曲リストを読み出してお勧め曲リスト561へ追加する(ステップS172)。
【0180】
もし、ステップS164にて、顔特徴値に基づいた個人認証処理の結果、登録プレーヤを認証できた場合には(ステップS164のYES)、処理部200は、当該認証できたプレーヤのプレーヤ登録データ530を参照する(ステップS180;図16参照)。尚、ステップS152においてICカード1332が挿入されているのが検知された場合には(ステップS152のYES)、処理部200は当該ICカードに記憶されている情報に紐付けされるプレーヤ登録データ530を参照する。
【0181】
次いで、処理部200は、プレーヤ登録データ530の嗜好解析データ538からプレーヤの嗜好するジャンルを判定する。そして、楽曲ライブラリ520のジャンル別サブライブラリ524(図15参照)から、プレーヤが嗜好するジャンルに対応する推薦曲リストをお勧め曲リスト561に加える(ステップS182)。更に、処理部200は、新曲リスト522からプレーヤが嗜好するジャンルの新曲を検索し、該当する新曲をお勧め曲リスト561に加える(ステップS184)。
【0182】
次に、処理部200は、プレーヤ画像を撮影し(ステップS190)、ゲーム開始前の状態のプレーヤの顔表情を認識する(ステップS192)。認識結果は、プレイデータ560のプレーヤ別データ570に含まれる顔表情認識履歴データ576の顔表情認識時系列データ577に追加する。更に、処理部200はこれに伴い顔表情別統計データ578を更新する(図19参照)。
【0183】
次いで、処理部200は、表情別サブライブラリ528からステップS192で認識した顔表情に対応する推薦曲リストを検索し、該当する推薦曲リストがあれば(ステップS194のYES)、該当する推薦曲リストをお勧め曲リスト561に加える(ステップS196)。
【0184】
ここまでの処理の流れによって、プレーヤの客層や好み、顔表情から推測される現在の心的状況に適した「お勧め曲リスト」ができたことになるので、処理部200は「お勧め曲リスト」を選曲画面に表示して、プレーヤに今回プレイする曲を選択するように促す(ステップS220)。
【0185】
選曲一覧が表示されている状態で、所定のジャンル変更操作を検出した場合には(ステップS222のYES)、処理部200は当該操作に応じて楽曲ライブラリ520から別のジャンル別サブライブラリ524の推薦曲リストであったり、新曲リスト522を選曲一覧表示する(ステップS224)。そして、所定の選曲決定操作を検出したならば(ステップS226のYES)、選曲一覧表示されているリスト中の選択操作対象の曲名をプレイデータ560のプレイ曲名562に格納し(ステップS228)、プレイ曲選択処理を終了する。
【0186】
図25のフローチャートに戻って、処理部200はゲームを開始させる(ステップS240)。すなわち、プレイ曲の再生を開始してスピーカ1324から放音させる。また、ビデオモニタ1322では、プレイ曲の再生に同期させてタイミングガイド40を表示するとともに、演出表示部47にて標準演出データ547(図18参照)に基づく演出を含むゲーム画面の表示を開始する。また、再生時間の計時もゲーム開始とともに開始され、プレイデータ560(図19参照)の再生タイムカウンタ563に格納されていく。この時、適用演出ID565には、標準演出データ547を示す情報が格納される。
【0187】
ゲームが開始されたならば、処理部200は操作入力部100で検出される操作入力に応じてプレーヤ毎にスコアを更新する(ステップS242)。
そして、ゲーム開始から所定の顔表情認識周期(例えば、20秒毎など)が到来したならば(ステップS244のYES)、プレーヤの顔表情認識と認識結果の記憶とを行う(ステップS246)。具体的には、撮影部102で装置前方画像を撮影し、撮影した画像内から人物の顔が写っている部分を抽出する。次いで、抽出された顔が写っている部分毎に、画面内の位置や、当該部分の面積と画面面積との比率、プレーヤの顔かギャラリーの顔であるかを識別する。この際、距離センサ1328による抽出された顔画像が写っている部分毎の距離測定結果を取得することで識別に利用することとしてもよい。そして、プレーヤの顔が写っている部分(顔画像)別に顔特徴値を算出し、プレーヤ別データ570の顔表情認識履歴データ576を更新する。尚、プレーヤの顔が写っている部分(顔画像)が何れのプレイポジションにいるプレーヤのものであるかは、その顔画像の画面内の相対位置により判定できる。
【0188】
更に、処理部200は、撮影した画像内からプレーヤの顔とギャラリーの顔とを識別したことを利用して、ギャラリー人数をカウントし、ギャラリー人数564を更新する(ステップS248)。そして、プレーヤの顔表情認識結果とギャラリー人数とをパラメータとしてゲーム進行を制御する。本実施形態は音楽ゲームなので、処理部200は演出変更処理を実行し、ゲーム画面の演出表示部47の表示を変更する(ステップS250)。
【0189】
図27は、本実施形態における演出変更処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、ゲーム開始時間から所定時間が経過しているかを判定する(ステップS260)。ここで言う所定時間は、ステップS224の顔表情認識周期が繰り返し訪れて認識結果が十分蓄積されているのに相当する時間を指す。
【0190】
もし、所定時間が経過していない場合には(ステップS260のNO)、処理部200は顔表情認識履歴データ576の顔表情認識時系列データ577を参照して、ゲーム開始前を特定タイミングと見なし、その時認識された顔表情を優勢顔表情と見なし(ステップS262)、演出表示部47で表示する演出はそのままにして演出変更処理を終了する。
【0191】
もし、所定時間が経過している場合には(ステップS260のYES)、処理部200は顔表情認識履歴データ576の顔表情別統計データ578を参照して、現在までの統計結果から最も出現率の高い顔表情を「優勢顔表情」とする(ステップS266)。
そして、優勢顔表情の頻度が所定の演出切換基準値に達した場合(ステップS268のYES)、処理部200は、所定の出現頻度条件を満たしたと判断し、特別演出設定データライブラリ548(図18参照)からステップS266で判定した優勢顔表情に対応する特別演出設定データを選択し、演出表示部47で表示する内容として現在適用中の標準演出に加える(ステップS270;図7参照)。つまり、演出表示部47では選択された特別演出設定データに従った演出要素が追加表示される。適用演出ID565には、標準演出データ547の識別情報に加えて、ステップS270で選択された特別演出設定データの識別情報が格納される。
【0192】
更に、処理部200は、ギャラリー人数564が所定の基準値に達している場合には(ステップS272のYES)、多ギャラリー用特別演出データ549を参照して、演出表示部47で表示する内容として更に特別な演出を追加し(ステップS274;図6参照)、演出変更処理を終了する。
尚、多ギャラリー用特別演出データ549がギャラリー人数に応じて複数種類用意されている場合には、ステップS272でギャラリー人数に応じたデータを選択する構成とすると良い。
【0193】
図25に戻って、次に処理部200はプレイ曲が終了したかを判定する。
まだプレイが継続中で(ステップS300のNO)、且つ再生タイムカウンタ563からサビ部分の開始タイミング(楽曲ライブラリ520の該当曲のサビ部分タイミング(図15参照))より所定時間前に一致していると判断される場合には(ステップS302のYES)、処理部200は指定顔表情種類574を再設定する(ステップS304;図19参照)。
【0194】
具体的には、指定顔表情種類574を初期化して既存の設定をクリアした後、乱数発生を用いた抽選処理などを実行して新たな指定顔表情の種類を設定する。次いで、処理部200は、顔表情お題設定データ544(図17参照)からステップS304で新たに設定した指定顔表情の種類に対応する提示テキストデータ544bを参照して、ゲーム画面に「顔表情お題」の提示を開始する(ステップS306)。
【0195】
顔表情お題の提示後、サビ部分のプレイにさしかかると(ステップS310のYES)、処理部200は、プレーヤを撮影してプレーヤの顔表情を認識し(ステップS312)、「顔表情お題」をクリアしたかを判定する。具体的には、ステップS312で認識した顔表情が指定顔表情に該当し、且つゲーム開始時点に認識された顔表情(顔表情顔表情認識時系列データ577から参照可)とステップS312で認識した顔表情とを比較して、前者よりも後者が指定顔表情の度合が高い場合に、「顔表情お題」をクリア・成功したと判定する(図8参照)。なお、度合を比較せずに、ステップS312で認識した顔表情の度合をもとに「顔表情お題」をクリアしたかを判定することとしてもよい。
【0196】
そして、クリアしたと判定された場合には(ステップS318のYES)、処理部200は該当するプレーヤの指定顔表情ポイント573を所定値加算してゲームの進行に影響を与え(ステップS320;図19参照)、お題成功演出データ544dを参照して成功を称賛するような専用の演出表示を追加する(ステップS322)。反対に失敗したと判定された場合には(ステップS318のNO)、処理部200はお題失敗演出データ544eを参照して失敗時専用の演出表示を追加する(ステップS324)。そして、サビ部分が終了すると(ステップS326のYES)、「顔表情お題」の提示を終了する(ステップS328)。
尚、本実施形態ではステップS318〜S324は1曲プレイする中で一回のみ実行されるものとするが、お題成功演出データ544dやお題失敗演出データ544eの実行時間が短い場合(例えば、数秒程度の場合)には、サビ部分の終了まで複数回実行可能な構成としても良い。
【0197】
ステップS300において、1曲分のプレイが終了したと判定される場合には(ステップS300のYES)、処理部200は指定顔表情ポイント573のポイント数に応じて所定関数でボーナスポイントを算出し(ステップS330)、ゲーム画面にて算出されたボーナスポイントがスコアにどんどん加算されてゆく演出表示を実行する(ステップS332)。加算は、プレーヤ別データ570のスコア572に対して、つまりプレーヤ別に行うとしても良いし、協力プレイの場合には同時にプレイしたプレーヤのスコア572の合算値にボーナスポイントを加算するようにしても良い。
【0198】
そして、ボーナスポイント加算後のプレーヤのスコア572の合計が、所定の景品払出抽選発動基準値にゲーム開始から初めて到達した場合(ステップS334のYES)、処理部200は景品払出処理を実行する(ステップS336)。
【0199】
図28は、景品払出処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、顔表情別統計データ578を参照して、所定の顔表情種類(例えば、喜び、楽しいなど)の頻度が基準値を上回っているかを判定する(ステップS340;図19参照)。プレーヤが複数の場合には、プレーヤ毎に客層を判定し、所定の客層優先順位にしたがって何れかのプレーヤを選択し、当該プレーヤの顔表情別統計データ578を参照するものとする。
【0200】
もし、基準値を上回っていなければ(ステップS340のNO)、今回の抽選に適用される当選確率を標準値に設定し(ステップS342)、基準値を上回っている場合には(ステップS340のYES)、当選確率を標準値よりも高くなるように、つまり当選し易くなるように設定する(ステップS344)。そして、処理部200は、適用される当選確率でもって抽選処理を実行し(ステップS346)、当選すれば(ステップS348のYES)、景品の払い出し制御を行う(ステップS350)。
【0201】
次に、処理部200は、プレーヤの様子を撮影し(ステップS352)、プレーヤ毎の顔特徴値を算出し、客層設定データ510に照らして客層を判定する(ステップS354)。そして、判定したプレーヤの客層が、マーケティング対象客層に合致する場合には(ステップS356のYES)、払い出された景品を取り出した後のプレーヤの様子を撮影し(ステップS358)、撮影した画像から景品を手にしたプレーヤの顔表情を認識し(ステップS360)、プレーヤの客層と顔表情認識結果と日時とを対応づけてサンプル調査データ580に追加・更新する(ステップS362)。サンプル調査データ580に蓄積されたそれらの情報は、用意した景品に対する満足度調査に利用することができる。
【0202】
サンプル調査データ580を更新したならば、図25のフローチャートに戻ってプレイモード制御処理を終了する。
【0203】
図20に戻って、プレイモード制御処理を終了したならば、処理部200はプレイ継続条件を満たしているかを判定する(ステップS380)。例えば、スコアが所定の継続許可基準値を超えている場合にもう1曲プレイできるルールであれば、継続許可基準値を超えている場合に肯定判定する。また、硬貨投入額が複数回分の対価に相当する場合にも、肯定判定するとしても良く、その他適宜設定できる。
【0204】
そして、プレイ継続条件を満たすと肯定判定した場合には(ステップS380のYES)、処理部200は退席するか否かをプレーヤに問いかける選択画面をビデオモニタ1322に表示させる(ステップS382)。ここで途中退席をする旨の選択操作を検出したならば(ステップS384のYES)、処理部200は更に途中退席処理を実行する(ステップS386)。
【0205】
図29は、途中退席処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理において、処理部200は先ず、プレーヤを撮影してプレーヤの顔特徴値を算出し、その顔特徴値をプレイデータ560の途中退席者照合データ566に格納する(ステップS400;図19参照)。そして、操作入力をホールド状態にして、一時的な操作入力が不可能な状態とする(ステップS402)。ホールド状態においては、ビデオモニタ1322にその旨テキスト表示して周知すると良い。
【0206】
ホールド状態を開始したならば、処理部200はホールド状態保持タイマのカウントダウンを開始する(ステップS404)。当該タイマは、処理部200のシステムクロックを用いた計時機能により実現され、例えば、3分程度を上限としてカウントダウンをする。
【0207】
もし、ホールド状態保持タイマが「0」に達していなければ(ステップS406のNO)、処理部200は、装置前方画像を撮影し(ステップS408)、撮影した画像でプレイポジションに人が写っているかを判定する(ステップS410)。そして、もしプレイポジションに人が写っていれば(ステップS410のYES)、処理部200は、当該プレイポジションにいると見なされた人の顔特徴値を算出し、途中退席者照合データ566と照合する(ステップS412)。照合の結果、プレイポジションにいると見なされた人が途中退席したプレーヤと同一人物と認められる場合には(ステップS414のYES)、退席復帰フラグ567(図19参照)を「1(正常復帰)」に設定して(ステップS416)、操作入力のホールド状態を解除し(ステップS420)、途中退席処理を終了する。
【0208】
一方、ホールド状態保持タイマが「0」に達した場合には(ステップS406のYES)、処理部200は、退席復帰フラグ567を「0(復帰無し)」に設定して(ステップS418)、操作入力のホールド状態を解除し(ステップS420)、途中退席処理を終了する。
【0209】
図20のフローチャートに戻って、処理部200は、退席復帰フラグ567が「1」である場合には、途中退席したプレーヤが戻ってきたと見なして(ステップS440のYES)、お勧め曲リスト561に従って次にプレイする曲を選択するための選曲画面を表示する(ステップS442)。
そして、選曲画面が表示されている状態で、所定のジャンル変更操作を検出した場合には(ステップS446のYES)、処理部200は当該操作に応じて楽曲ライブラリ520から別のジャンル別サブライブラリ524の推薦曲リストであったり、新曲リスト522を選曲画面で表示する(ステップS448)。
そして、所定の選曲操作を検出したならば(ステップS450のYES)、選曲画面で表示されているリスト中の選択操作対象の曲名をプレイデータ560のプレイ曲名562に格納し(ステップS452)、プレイ曲選択処理を終了する。そして、ステップS140に移行する。
【0210】
もし、退席復帰フラグ567が「0」である場合には(ステップS440のNO)、処理部200は途中退席したプレーヤが戻ってこなかったと見なして、ステップS2に移行する。
【0211】
ステップS380において、プレイ継続条件を満たさないと判定した場合には(ステップS380のNO)、処理部200は、プレーヤの様子を撮影し(ステップS470)、プレーヤ毎の顔特徴値を算出し、客層設定データ510に照らして客層を判定する(ステップS472;図13参照)。
【0212】
そして、判定したプレーヤの客層がマーケティング対象客層に合致する場合には(ステップS474のYES)、ゲーム終了直後の当該プレーヤの様子を撮影して(ステップS476)、プレイ終了時のプレーヤの顔表情を認識し(ステップS478)、マーケティング対象客層に合致するプレーヤの客層と、ゲーム開始前の顔表情と、ステップS478で認識した顔表情と、日時とを対応づけてサンプル調査データ580に追加・更新する(ステップS480)。サンプル調査データ580に蓄積されたこれらの情報は、ゲームに対する満足度調査に利用することができる。
【0213】
尚、ステップS480でサンプル調査データ580に加えられる顔認識結果の情報は、ゲーム進行中の認識結果、具体的には顔表情認識時系列データ577を適宜含めることができる。また、ステップS474において、マルチプレイで一緒にプレイするプレーヤのうち何れか一人でもマーケティング対象客層に該当する場合には、肯定判定することとし、その他のプレーヤがマーケティング対象客層に該当しなくとも、ステップS480にて全プレーヤの客層と顔表情認識結果を纏めてサンプル調査データに加える構成としても良い。
【0214】
次に、処理部200は今回プレイしたプレーヤについてマーケティング対象客層に合致するか否かに係わらず、プレーヤ登録されているかを判定する。そして、プレーヤ登録されていないプレーヤについては(ステップS482のNO)、所定のプレーヤ登録処理を行って新規にプレーヤ登録する(ステップS484)。
【0215】
次いで、処理部200は今回のゲームプレイ結果を反映させるように各プレーヤのプレーヤ登録データ530を更新し(ステップS486)、ステップS2に移行する。
【0216】
[効果]
以上、本実施形態によれば、アトラクションモードの制御に関して次のような効果が得られる。すなわち、イメージセンサモジュール1326によりプレイポジションを含む装置前方にいる人物を撮影し、その人物の顔特徴値を求め、顔特徴値から当該人物の客層を判定することができる。そして、業務用ゲーム装置1300の前方にいる人物の客層向けにアピール度を高めたアトラクションモードの制御を実現することができるので、従来よりも集客効果を高めることができる。
【0217】
より具体的には、業務用ゲーム装置1300が設定されている環境における日時条件毎の客層の傾向を把握し、主要な客層向けの演出内容に変更できるので集客効果を高めることができる。
【0218】
また、業務用ゲーム装置1300に近接した人物を検出した場合には、当該近接した人物(近接者)向けの演出内容を実現できるので、集客効果をより一層高めることができる。しかも、近接者が複数の場合には近接者の顔特徴値から各々の客層を判定し、所定の客層優先順位に基づいて優先客層人物を選定し、この優先客層人物の興味を惹きやすいように演出内容を変更し、より効果的なアピールを実現できる。
【0219】
近接者については更に、顔特徴値から登録プレーヤであるかを認識し、もし登録プレーヤであればその個人情報に基づいて演出内容を当該人物が興味を惹きやすい内容とすることもできる。
【0220】
また、イメージセンサモジュール1326で撮影される範囲内の人物毎の顔表情を認識し、その変化からアトラクションモードの演出を見て好感する反応を示した人物を検出できる。そして、好感反応した人物が検出できた場合に、現在の演出内容に関連性がある他の演出を続けざまに実行することで、当該好感反応した人物へ更なるアピールを実現できる。
【0221】
プレイモードの制御に関しては次のような効果が得られる。
すなわち、プレイポジションにいるプレーヤを撮影し、プレーヤの顔表情を認識し、その認識結果に応じてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御することができる。プレーヤの顔表情の認識結果をゲームの進行や演出の制御に反映させることで従来にない新しいゲームの面白さを加えることができる。
【0222】
より具体的には、プレイ曲のサビ部分が演奏中のタイミングでプレーヤがどのような顔表情をしているかを「顔表情お題」というルールを用いてゲーム演出の制御に利用できる。こうした面白さは従来のゲームには無かった。
【0223】
更には、「顔表情お題」の成功/失敗の判定に関連しては、サビ前とサビ中の異なるタイミングで認識されたプレーヤの顔表情を比較し、どのように顔表情が変化したかに応じて判定処理することで、顔表情の変化を用いたゲーム演出の変更制御ができるようになった。勿論、顔表情の変化を利用する形態は「顔表情お題」に関して限定されるものではなく、例えばロールプレイングゲームや、アクションゲームなどでは特定のイベント開始前とイベント中或いはイベント終了後の顔表情の変化を利用する形態とすることもできる。
【0224】
また、本実施形態によれば、出現頻度条件を満たした顔表情の種類に応じてゲーム演出の制御を行うことができる。よって、ゲームプレイを通じたプレーヤの主たる顔表情(往々にしてゲームに対するプレーヤの感情が現れる)に応じた演出を選択すると言った使い方ができる。その時選択される演出内容の設定によっては、不機嫌なプレーヤを和ませたり、といった事も可能になるであろう。
【0225】
また、プレーヤ以外の人物、いわゆるギャラリーの数を判定し、そのギャラリー数に応じてゲーム演出を変化させることができるので、ゲームをより一層盛り上げることができる。
【0226】
そして、マーケティングに関する情報収集に関しては次のような効果が得られる。
すなわち、プレーヤの様子を撮影して、撮影した画像からプレーヤの客層を判定するとともにプレーヤの顔表情を認識し、客層の判定結果と顔表情の認識結果とをサンプル調査データとして内部蓄積、又はサーバシステム等に送信して外部蓄積させることができる。蓄積されたサンプル調査データを適宜解析することにより、例えば客層別のゲームに対する顧客満足度の判定など様々なマーケティング調査が可能となる。
【0227】
しかも、マーケティング調査対象としたい客層に該当するプレーヤの表情認識結果を選択的にサンプリングすることができる上に、蓄積される顔表情は、ゲーム開始前、ゲーム進行中およびゲーム終了時のうちの少なくとも何れか2つのタイミングにおけるプレーヤの顔表情を含むので、ゲームに対する満足度調査に適したサンプリングが可能となる。
但し、マルチプレイの場合には、プレーヤを別々に扱うのではなく纏めて調査対象として扱う構成も可能であり、その場合は単独プレイにおける調査データと、マルチプレイにおける調査データとを得られるようになる。
【0228】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用可能な実施形態が上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜、構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0229】
例えば、上記実施形態ではスタンドアローンで機能する業務用ゲーム装置1300にて本発明を実現する形態を例示したがこれに限らない。
例えば、図30に示すように、複数の業務用ゲーム装置1300(1300a,1300b,・・・,1300n)が通信回線1を介してサーバシステム1100に接続しているゲームシステム1390として本発明を実現する構成としても良い。この場合、各業務用ゲーム装置1300には、ゲームプログラム502に代えて専用のクライアントソフトを実行させ、ゲーム画面の生成は業務用ゲーム装置1300で実行させる。その一方で、プレーヤ登録データ530やサンプル調査データ580をサーバシステム1100で管理する構成とし、登録プレーヤの検出やプレーヤの個人情報の取得、サンプル調査データ580の更新が必要な処理では適宜サーバシステム1100にアクセスして必要な情報をデータ通信する構成としても良い。
【0230】
またゲームシステム1390とした構成では、顔表情認識部204の機能を業務用ゲーム装置1300毎に専用のチップを搭載することで実現するのではなく、サーバシステム1100の利用により実現するとしても良い。例えば、業務用ゲーム装置1300には顔認証チップ1356は搭載せず、イメージセンサモジュール1326で撮影した装置前方画像やプレーヤ画像をサーバシステム1100に送信し、サーバシステム1100に搭載された顔認識チップや顔認識プログラムによって顔特徴値を算出したり顔表情を認識し、それらの結果をサーバシステム1100から受信して利用する形態としても良い。
【0231】
またゲーム装置そのものの形態としては、業務用を目的とした業務用ゲーム装置1300に限らない。例えば、据え置き型の家庭用ゲーム装置や、携帯型ゲーム装置として実現しても良い。更には“ゲーム装置”とされる電子機器(コンピュータ)に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機(スマートフォン)や情報端末装置、コンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤ、パソコン、カーナビと言った電子機器も、プログラムを実行可能なコンピュータを内蔵している、或いはコンピュータそのものと言えるため、ゲーム装置とすることができる。
【0232】
また、上記実施形態では音楽ゲームを実行する例を示したが、ゲームジャンルは音楽ゲームに限らず、シューティングゲームや格闘ゲーム、アクションゲームなどその他のジャンルでも構わない。更には、ビデオゲームに限るものでもなく、例えばメダルゲーム、パチンコなどその他のゲームにも利用することができる。
【符号の説明】
【0233】
2…プレーヤ
4…ギャラリー
40…タイミングガイド
47…演出表示部
100…操作入力部
102…撮影部
104…ICカード読取部
106…対価支払検出部
108…距離測定部
200…処理部
202…ゲーム制御部
204…顔表情認識部
205…プレーヤ/ギャラリー識別部
206…客層判定部
208…登録プレーヤ検出部
210…アトラクションモード制御部
211…来客客層データベース作成部
212…日時条件基準制御部
213…優先客層人物選択部
214…登録プレーヤ優先制御部
215…客層組合せ別制御部
216…好感反応者検出部
217…好感反応者検出時制御部
220…プレイモード制御部
221…ギャラリー数基準制御部
222…出現表情基準制御部
224…顔表情お題題制御部
226…指定顔表情提示制御部
228…指定顔表情適否基準制御部
230…特定タイミング顔表情基準制御部
232…顔表情変化基準制御部
234…景品払出抽選部
246…調査対象判定部
248…調査データ記憶制御部
249…プレーヤ登録管理部
400…景品払出部
500…記憶部
501…システムプログラム
502…ゲームプログラム
510…客層設定データ
512…アトラクションモードデータ
514…客層別パターンセット
515…客層組合せ別パターンセット
516…省電力パターンセット
518…登録プレーヤ優先パターンセットセット
520…楽曲ライブラリ
526…客層別サブライブラリ
528…表情別サブライブラリ
530…プレーヤ登録データ
532…プレーヤID
533…年齢性別情報
534…個人認証用顔特徴値
536…プレイ履歴データ
538…嗜好解析データ
544…お題設定データ
546…プレイモード演出内容設定データ
547…標準演出データ
548…特別演出設定データライブラリ
549…多ギャラリー用特別演出データ
550…アトラクションモード制御データ
551…来客客層データベース
552…日時条件別来客客層データ
553…最適化対象者識別データ
554…最適化対象者顔表情
560…プレイデータ
561…お勧め曲リスト
565…適用演出ID
566…途中退席者照合データ
570…プレーヤ別データ
572…スコア
573…指定顔表情ポイント
574…指定顔表情種類
575…プレーヤ客層
576…顔表情認識履歴データ
577…顔表情認識時系列データ
578…顔表情統計データ
580…サンプル調査データ
1300…業務用ゲーム装置
1301…ゲーム装置本体
1304…操作台
1306…操作入力装置
1322…ビデオモニタ
1326…イメージセンサモジュール
1328…距離センサ
1342…景品払出装置
1350…制御ユニット
1351…CPU
1352…ICメモリ
1353…通信装置
1356…顔認識チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともプレイポジションにいるプレーヤを撮影範囲に含むように配置された撮影部と、
前記撮影部により撮影された撮影画像に基づいて前記プレーヤの顔表情を認識する顔表情認識部と、
前記顔表情認識部の認識結果を用いてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御するゲーム制御部と、
を備えたゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム制御部は、前記顔表情認識部の認識結果に基づき、ゲーム進行に応じて定められた所与のタイミングにおけるプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する特定タイミング顔表情基準制御手段を有する、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム制御部は、前記顔表情認識部の認識結果に基づき、第1のタイミングにおけるプレーヤの顔表情と、当該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおけるプレーヤの顔表情との差違を用いてゲーム演出を制御する顔表情変化基準制御手段を有する、
請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム制御部は、前記顔表情認識部の認識結果に基づき、ゲーム進行中に所与の出現頻度条件を満たしたプレーヤの顔表情を用いてゲーム演出を制御する出現顔表情基準制御手段を有する、
請求項1〜3の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記撮影部により撮影された撮影画像に含まれる前記プレーヤ以外の人物の数を判定するギャラリー数判定部を更に備え、
前記ゲーム制御部は、前記ギャラリー数判定部の判定結果を用いてゲーム演出を制御するギャラリー数基準制御手段を有する、
請求項1〜4の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
プレーヤに指定顔表情を提示する顔表情提示部を更に備え、
前記ゲーム制御部は、前記指定顔表情と前記顔表情認識部の認識結果との適否に応じてゲーム進行を制御する指定顔表情適否基準進行制御手段を有する、
請求項1〜5の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
少なくともプレイポジションにいるプレーヤを撮影範囲に含むように配置された撮影部を備えて、所定のゲームを実行可能に構成されたコンピュータシステムを、
前記撮影部により撮影された撮影画像に基づいて前記プレーヤの顔表情を認識する顔表情認識部、
前記顔表情認識部の認識結果を用いてゲーム進行及び/又はゲーム演出を制御するゲーム制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−17587(P2013−17587A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152032(P2011−152032)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】