ゲームシステムおよびゲーム機
【課題】複数のゲーム機間でデータを効率的に利用するゲームシステムを提供する。
【解決手段】本発明のゲームシステム1では、携帯型ゲーム機100が、据置型ゲーム機200から送信されるセーブデータを、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される記憶領域に格納する。携帯型ゲーム機100において当該記憶領域が存在しない場合、携帯型ゲーム機100または据置型ゲーム機200が、その記憶領域を生成する。携帯型ゲーム機100または据置型ゲーム機200は、識別情報により特定されるディレクトリを生成して、そのディレクトリにセーブデータを格納する。
【解決手段】本発明のゲームシステム1では、携帯型ゲーム機100が、据置型ゲーム機200から送信されるセーブデータを、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される記憶領域に格納する。携帯型ゲーム機100において当該記憶領域が存在しない場合、携帯型ゲーム機100または据置型ゲーム機200が、その記憶領域を生成する。携帯型ゲーム機100または据置型ゲーム機200は、識別情報により特定されるディレクトリを生成して、そのディレクトリにセーブデータを格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関し、特に複数のゲーム機で構成されるゲームシステムにおいて利用される情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あるターゲットハードウェアのために開発されたソフトウェアを、ターゲットハードウェアとは異なるハードウェアで動作させるエミュレーションと呼ばれる技術が注目されている。エミュレーション技術では、ターゲットハードウェアが備えるハードウェア資源、たとえばCPU(Central Processing Unit)、メモリ、ディスクシステムなどをエミュレータプログラムにより仮想的に実現する。ターゲットハードウェア上で実行されるべきアプリケーションプログラムがこれらハードウェア資源にアクセスするときには、アクセス先のハードウェア資源を実現するエミュレータプログラムが、実際のハードウェアからの応答であるかのようにデータの入出力を行い、これによりアプリケーションプログラムが動作する。
【0003】
ゲーム用のエミュレーション装置は、一般に従来のゲーム機と異なるハードウェア構造をとり、従来のゲーム機で使用されていたゲーム用ROMやROMカートリッジを駆動するROMドライブや、メモリカードなどの外部記憶媒体を装着するスロットを備えていないことがある。一方、近年の技術進歩により、記憶媒体の容量は飛躍的に増加し、近年のエミュレーション装置は、従来のゲーム機で使用されていた記憶媒体よりも大容量の記憶媒体を装備可能に構成されている。そのため、エミュレーション装置では、そのような大容量の外部記憶媒体、もしくは内蔵記憶媒体にゲームプログラムのROMイメージが読み込まれて、ゲームが実行されるようになっている。
【特許文献1】特開2001−314644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は据置型のゲーム機が通常であったが、近年の技術革新により、携帯型のゲーム機も、据置型のゲーム機に遜色ない性能を発揮できるようになってきた。このような状況のもと、据置型のゲーム機と携帯型のゲーム機とが混在する環境において、既存のデータを効率的に利用できるシステムを構築することが理想であるが、それぞれのハードウェア仕様およびソフトウェア仕様が異なっていることから、そのようなシステムの構築に対する障害も多い。そこで、エミュレーション技術や情報処理技術などを利用して、据置型のゲーム機と携帯型のゲーム機とが効率的にデータを利用できるゲームシステムの開発が切望されている。
【0005】
また、ゲーム機のハードウェアは数年ごとにリニューアルされることが多い。新型のゲーム機は、エミュレータプログラムをインストールすることで旧型のゲーム機との互換性を維持できるが、その際、ユーザが旧型のゲーム機でプレイしたセーブデータを、新型のゲーム機においてもそのまま利用できることが好ましい。ユーザに手間をかけさせずに、できるだけ効率的にセーブデータの複製処理を可能とする環境を実現することで、ユーザフレンドリーなゲームシステムをユーザに提供できる。
【0006】
そこで本発明は、データを効率的に利用することのできるゲームシステム、およびそのようなゲームシステムを実現するゲーム機に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のゲームシステムは、第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製し、第2ゲーム機は、第1ゲーム機から送信されるセーブデータを、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される記憶領域に格納する。
【0008】
本発明の別の態様は、ゲーム機である。このゲーム機は、保持するゲームのセーブデータを別の端末装置に複製するゲーム機であって、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される別の端末装置の記憶装置の記憶領域にセーブデータを格納させる。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、ゲームシステムである。このゲームシステムは、第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製するゲームシステムであって、第2ゲーム機でゲームプログラムを実行する場合に、第1ゲーム機においてそのゲームのセーブデータが保持されているか探索し、保持している場合に、そのセーブデータを第2ゲーム機に複製する。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、データを効率的に利用することのできるゲームシステム、およびそのようなゲームシステムを実現するゲーム機に関する技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、実施例にかかるゲームシステム1の構成を示す。ゲームシステム1は、携帯型ゲーム機100と、携帯型ゲーム機100とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル10で接続する据置型ゲーム機200と、据置型ゲーム機200と接続するルータ20と、ネットワーク30を介してルータ20と接続するイメージファイル提供サーバ40とを備える。イメージファイル提供サーバ40は、据置型ゲーム機200に対して、ゲームプログラムのイメージファイルやその他の付随情報などをまとめたパッケージファイルを提供する。携帯型ゲーム機100は、据置型ゲーム機200からイメージファイルを取得してもよく、またイメージファイル提供サーバ40から直接取得してもよい。ゲームプログラムのイメージファイルは、ゲームプログラムが記憶されていた記憶媒体の完全な内容と構造を1つのファイルに格納したデータであり、据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100などにおいてエミュレータプログラムにより実行可能な形式で作成される。イメージファイルとしては、たとえばISO9660形式のCDイメージファイルである「ISOイメージ」などが代表的である。なお、ゲームプログラムを記録したROMをファイル化したものは「ROMイメージ」と呼ばれることもある。
【0013】
本実施例において携帯型ゲーム機100および据置型ゲーム機200は、USBケーブル10により接続されるが、他のケーブルにより接続されてもよく、また両者が無線通信機能を有して無線接続されてもよい。ゲームシステム1において、据置型ゲーム機200は、携帯型ゲーム機100とUSB接続することで、携帯型ゲーム機100の記憶装置に対するホストとしてふるまい、携帯型ゲーム機100の記憶装置に対してデータの読出および書込を制御する機能をもってもよい。
【0014】
据置型ゲーム機200は、ハードディスクなどの大容量記憶装置を有して構成される情報処理装置である。据置型ゲーム機200は、記憶装置にエミュレータプログラム、およびイメージファイル提供サーバ40から提供されるゲームプログラムのイメージファイルを格納する。据置型ゲーム機200は、ROMドライブを有し、ゲーム用ROMをROMドライブに挿入してゲームプログラムを実行することでゲーム装置として単独で動作するが、エミュレータプログラムを起動することで、ゲームプログラムのイメージファイルを実行できるエミュレーション装置としても動作できる。なおエミュレータプログラムは、ネットワーク30を介して取得してもよく、また出荷時にプリインストールされていてもよい。
【0015】
携帯型ゲーム機100は、フラッシュメモリなどの大容量記憶装置を内蔵し、または着脱できる情報処理装置である。携帯型ゲーム機100は、記憶装置にエミュレータプログラム、および据置型ゲーム機200などから供給されるゲームプログラムのイメージファイルを格納する。携帯型ゲーム機100は、単独でゲーム装置として動作するが、エミュレータプログラムを起動することで、ゲームプログラムのイメージファイルを実行できるエミュレーション装置としても動作できる。なおエミュレータプログラムは、据置型ゲーム機200から取得してもよく、またネットワーク30を介して他の機器から取得してもよく、また出荷時にプリインストールされていてもよい。
【0016】
出力装置202は、画像を出力するディスプレイを有して構成される。出力装置202は、音声を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置202は、据置型ゲーム機200に有線ケーブルで接続されてよく、また無線LAN(Local Area Network)などにより無線接続されてもよい。
【0017】
ゲームコントローラ204は、ユーザに据置型ゲーム機200への操作入力を行わせる入力インタフェース装置である。ゲームコントローラ204は、無線により操作入力を送信するものであってもよく、またケーブルで据置型ゲーム機200に接続されるものであってもよい。
【0018】
イメージファイル提供サーバ40は、所定のゲーム機用のゲームプログラムのイメージファイルを含んだパッケージファイルを生成して据置型ゲーム機200および/または携帯型ゲーム機100に提供する。たとえばイメージファイル提供サーバ40は、据置型ゲーム機200にダウンロード可能なゲームタイトルのリストを送信し、ユーザが、所望のゲームタイトルを選択することで、据置型ゲーム機200が、そのイメージファイルをハードディスクなどの記憶装置にダウンロードする。本実施例においてゲームタイトルは、ゲームソフトウェアを特定する情報を意味し、ゲームタイトルとゲームソフトウェア(ゲームプログラム)は、一対一に対応する。据置型ゲーム機200は、エミュレータプログラムを起動して、ダウンロードしたイメージファイルを読み込むことで、あたかも所定のゲーム機であるかのように、ゲームを実行させることが可能となる。
【0019】
同様に、携帯型ゲーム機100は、イメージファイル提供サーバ40から所望のゲームタイトルのイメージファイルをダウンロードし、または据置型ゲーム機200から所望のゲームタイトルのイメージファイルをエクスポートされることで、フラッシュメモリなどの記憶媒体にイメージファイルを保持させる。携帯型ゲーム機100は、エミュレータプログラムを起動して、取得したイメージファイルを読み込むことで、あたかも所定のゲーム機であるかのように、ゲームを実行させることが可能となる。
【0020】
従来の据置型のゲーム機では、ゲームのセーブデータを記録するために、1メガバイト程度の記憶容量をもつメモリカードなどの外部記憶媒体が利用されることが一般であった。しかしながら、現在となってはメモリカードの記憶容量は小さく、代わりにゲーム機は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶媒体を備えるようになっている。そのため、据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100には、従前のゲーム機において利用されていたメモリカードの差込口(スロット)が用意されていないことが多い。一方、従前のゲームプログラムは、従来のゲーム機のハードウェア構造にあわせて、メモリカードからのデータ読出および書込を前提として作成されているため、最新の据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100でゲームプログラムを実行するためには、記憶媒体上に、仮想的なメモリカード(以下、「仮想メモリカード」ともいう)を生成する必要がある。仮想メモリカードは、従前のメモリカードの記憶内容と構造を1つのファイルに格納したイメージファイルであり、据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100などにおいてエミュレータプログラムにより読取可能な形式で作成される。エミュレータプログラムによるゲームプログラムの実行時、仮想メモリカードは、仮想的なスロットに割り当てられる。
【0021】
図2は、据置型ゲーム機200の構成を示す。据置型ゲーム機200は、操作入力受付部210、通信部212、受信部220、処理部230、送信部250、記憶制御部260および記憶部270を備えて構成される。操作入力受付部210は、ゲームコントローラ204よりユーザの操作入力を受け付ける。通信部212は、受信部220および送信部250に接続され、携帯型ゲーム機100およびルータ20との間でデータを送受信する。既述したように通信部212は、携帯型ゲーム機100およびルータ20との間に無線接続を確立してもよく、また有線接続を確立してもよい。
【0022】
受信部220は、ファイル情報取得部222、セーブデータ取得部224およびパッケージファイル取得部226を備える。ファイル情報取得部222は、携帯型ゲーム機100の記憶装置、具体的には携帯型ゲーム機100の記憶装置のディレクトリ構造およびセーブデータファイル名などを取得する。セーブデータ取得部224は、外部の端末装置からセーブデータを取得する。外部の端末装置は、USBケーブル10により接続している携帯型ゲーム機100であってもよく、またメモリカードの外付けアダプタ装置であってもよい。セーブデータは、ユーザのゲーム進行状況を示すデータであり、ゲームタイトルを特定するIDに関連づけられて構成される。パッケージファイル取得部226は、イメージファイル提供サーバ40から、ゲームプログラムのイメージファイルおよびその他の付随情報などをパッケージにしたファイルを取得する。
【0023】
送信部250は、要求送信部252、セーブデータ送信部254およびイメージファイル送信部256を備える。要求送信部252は、処理部230で生成される要求を携帯型ゲーム機100に送信する。セーブデータ送信部254は、携帯型ゲーム機100にセーブデータを送信する。イメージファイル送信部256は、携帯型ゲーム機100にイメージファイルを送信する。
【0024】
処理部230は、参照要求部231、表示リスト選定部232、変換要求部233、リッピング処理部234、セーブデータ比較部235、記憶状況管理部236、書込制御部237、複製要求部239、表示制御部240およびゲーム実行部248を備えて構成され、携帯型ゲーム機100との間で所望のデータを共用する機能を実現する。記憶部270はハードディスクなどの記憶装置であり、エミュレータプログラム保持部272、ゲームデータ記憶部280および仮想メモリカード記憶部290を有して構成される。なお、エミュレータプログラム保持部272、ゲームデータ記憶部280および仮想メモリカード記憶部290は、同一の記憶部270に形成されてもよいが、異なる記憶部に形成されてもよい。記憶制御部260は、記憶部270に対するデータの読出および書込を制御する。
【0025】
ゲームデータ記憶部280は、複数のゲームデータ282a、282b、282c(以下、総称する場合には「ゲームデータ282」と呼ぶ)を記憶する。ゲームデータ282は、パッケージファイル取得部226で取得したパッケージファイルに含まれるゲームプログラム284と付随情報286を含んで構成される。ゲームプログラム284は、例えばゲームプログラムのROMイメージであり、ゲーム用ROMなどに記憶されていたゲームプログラムのイメージファイルである。付随情報286は、据置型ゲーム機200によるエミュレーション機能の実行時に利用されるデータ群であり、エミュレータ用の設定ファイルや、GUI(Graphical User Interface)により表示するゲームタイトルなどの情報を含んでいる。付随情報286は、ゲーム用ROMから直接取り出した情報であってもよく、またゲームプログラムのイメージファイルから取り出した情報であってもよく、またエミュレーション用に生成された情報であってもよい。仮想メモリカード記憶部290は、複数の仮想メモリカード292a、292b(以下、総称する場合には「仮想メモリカード292」と呼ぶ)を記憶する。仮想メモリカード292は、複数のセーブデータ294a、294b、294cを有することができるが、セーブデータ294が存在しない空の状態の場合もある。
【0026】
仮想メモリカード292は、出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。同様にセーブデータ294も出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。セーブデータ294の存在を表現するためのアイコンは、セーブデータ294中に画像データとして含まれている。据置型ゲーム機200では、ユーザが自由に仮想メモリカード292を作成することができ、また仮想メモリカード292に自由にセーブデータ294を記憶させることができる。そのため仮想メモリカード292には、複数種類のゲームのセーブデータが混在して記憶されることがある。
【0027】
ゲーム実行部248は、エミュレータプログラム保持部272に保持されているエミュレータプログラムを起動し、ゲームプログラム284を実行することで、エミュレーション装置として動作する。このときゲーム実行部248は、付随情報286を読み込むことでエミュレータ機能を実現して、別のゲーム装置であるかのようにふるまうことができる。ゲーム実行部248が、実行するゲームプログラム284のセーブデータ294をロードすることで、ユーザが過去にセーブした時点からゲームをリスタートできる。
【0028】
処理部230の機能は、CPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。
【0029】
図3は、携帯型ゲーム機100の構成を示す。携帯型ゲーム機100は、通信部110、受信部120、処理部130、送信部150、記憶制御部160および記憶部170を備えて構成される。通信部110は、受信部120および送信部150に接続され、据置型ゲーム機200との間でデータを送受信する。既述したように通信部110は、据置型ゲーム機200との間に無線接続を確立してもよく、また有線接続を確立してもよい。
【0030】
受信部120は、要求受付部122、セーブデータ取得部124およびパッケージファイル取得部126を備える。要求受付部122は、据置型ゲーム機200から送信される各種要求を受け付ける。セーブデータ取得部124は、外部の端末装置からセーブデータを取得する。外部の端末装置は、USBケーブル10により接続している据置型ゲーム機200であってもよく、またメモリカードの外付けアダプタ装置であってもよく、また同種の携帯型ゲーム機であってもよい。パッケージファイル取得部126は、据置型ゲーム機200などから、ゲームプログラムのイメージファイルおよびその他の付随情報を取得する。
【0031】
送信部150は、ファイル情報送信部152およびセーブデータ送信部154を備える。ファイル情報送信部152は、記憶部170のファイル情報を送信する。ファイル情報とは、記憶部170のディレクトリ構造およびセーブデータファイル名などを特定する情報である。セーブデータ送信部154は、据置型ゲーム機200にセーブデータを送信する。なお、送信部150はイメージファイル送信部を備えて、据置型ゲーム機200にイメージファイルを送信してもよい。
【0032】
処理部130は、デコード部132およびゲーム実行部134を備えて構成される。記憶部170はフラッシュメモリなどの記憶装置であり、エミュレータプログラム保持部172、ゲームデータ記憶部180および仮想メモリカード記憶部190を有して構成される。記憶部170は、内蔵記憶媒体であってもよいが、着脱自在なリムーバブルメディアであってもよい。なお、エミュレータプログラム保持部172、ゲームデータ記憶部180および仮想メモリカード記憶部190は、同一の記憶部170に形成されてもよいが、異なる記憶部に形成されてもよい。記憶制御部160は、記憶部170に対するデータの読出および書込を制御する。
【0033】
ゲームデータ記憶部180は、複数のゲームデータ182a、182b、182c(以下、総称する場合には「ゲームデータ182」と呼ぶ)を記憶する。ゲームデータ182は、パッケージファイル取得部126で取得したパッケージファイルに含まれるゲームプログラム184と付随情報186を含んで構成される。ゲームプログラム184は、例えばゲームプログラムのROMイメージであり、ゲーム用ROMなどに記憶されたゲームプログラムのイメージファイルである。付随情報186は、携帯型ゲーム機100によるエミュレーション機能の実行時に使用されるデータ群であり、エミュレータ用の設定ファイルや、GUI(Graphical User Interface)により表示するゲームタイトルなどの情報を含んでいる。付随情報186は、ゲーム用ROMから直接取り出した情報であってもよく、またゲームプログラムのイメージファイルから取り出した情報であってもよく、またエミュレーション用に生成された情報であってもよい。同一ゲームタイトルのゲームプログラム184および付随情報186と、ゲームプログラム284および付随情報286は、データ形式は異なっていても構わないが、それぞれの内容は互いに同一のものである。仮想メモリカード記憶部190は、複数の仮想メモリカード192a、192b、192c、192d(以下、総称する場合には「仮想メモリカード192」と呼ぶ)を記憶する。仮想メモリカード192は、複数のセーブデータ194a、194b、194cを有することができるが、セーブデータ194が存在しない空の状態の場合もある。
【0034】
仮想メモリカード192は、携帯型ゲーム機100および出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。同様にセーブデータ194も携帯型ゲーム機100および出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。セーブデータ194の存在を表現するためのアイコンは、セーブデータ194中に画像データとして含まれている。
【0035】
携帯型ゲーム機100において起動されるエミュレータプログラムは、ゲームプログラムの実行時に、そのゲームの仮想メモリカード192にのみアクセスするように構成されている。したがって、ゲームタイトルに対応して、1つ以上の仮想メモリカード192が仮想メモリカード記憶部190内に形成され、仮想メモリカード192には、対応するゲームのセーブデータ194が記憶される。
【0036】
ゲーム実行部134は、エミュレータプログラム保持部172に保持されているエミュレータプログラムを起動し、ゲームプログラム184を実行することで、エミュレーション装置として動作する。このときゲーム実行部134は、付随情報186を読み込むことでエミュレータ機能を実現して、別のゲーム装置であるかのようにふるまうことができる。ゲーム実行部134が、実行するゲームプログラム184のセーブデータ194をロードすることで、ユーザが過去にセーブした時点からゲームをリスタートできる。
【0037】
<ゲームプログラムのイメージファイルを共用するシステム>
本実施例のゲームシステム1は、携帯型ゲーム機100および据置型ゲーム機200の間で、ゲームプログラムのイメージファイルを共用するシステムとして動作する。図1に関連して説明したように、携帯型ゲーム機100と据置型ゲーム機200は、有線または無線によりデータ伝送可能に接続されており、据置型ゲーム機200は、ゲームプログラムのイメージファイルを保持するイメージファイル提供サーバ40にネットワーク30を介して接続されている。以下、図2および図3を参照して、ゲームシステム1のイメージファイル共用機能について説明する。
【0038】
据置型ゲーム機200において、操作入力受付部210がゲームコントローラ204からイメージファイル提供サーバ40への接続指示を受け付けると、通信部212が、イメージファイル提供サーバ40に接続する。イメージファイル提供サーバ40は、ダウンロード可能なゲームタイトルのリストを配信し、ユーザは、出力装置202に表示されたリストから所望のゲームタイトルをゲームコントローラ204により選択することで、ゲームイメージファイルのダウンロード要求が生成される。通信部212は、イメージファイル提供サーバ40からパッケージファイルをダウンロードし、パッケージファイル取得部226に供給する。
【0039】
本実施例において、パッケージファイルは、ゲームソフトウェアの実行プログラムを少なくとも含み、さらにゲームタイトルのIDなどを含んだ付随情報も含む。タイトルIDは、ゲームの品番などであってよく、ゲームタイトルを一意に特定できるものであればよい。パッケージファイル取得部226がパッケージファイルを取得すると、記憶制御部260が、ゲームプログラム284と付随情報286とを対応付けたゲームデータ282としてゲームデータ記憶部280に格納する。このようにして、据置型ゲーム機200は、ゲームプログラムのイメージファイルを保持する。
【0040】
据置型ゲーム機200は、携帯型ゲーム機100にゲームプログラムのイメージファイルを複製することで、イメージファイルを共有することができる。記憶制御部260は、ゲームデータ記憶部280に格納したゲームデータ282を、イメージファイル送信部256に供給する。イメージファイル送信部256は、セーブデータを格納するための携帯型ゲーム機100の記憶部170における記憶領域を特定する機能をもつ。具体的に、イメージファイル送信部256は、ゲームデータ282とともに、仮想メモリカードの作成指示をパッケージ化して通信部212に供給する。仮想メモリカードの作成指示には、ゲームプログラムの種類に応じて作成するべき仮想メモリカードの個数が含まれる。イメージファイル送信部256は、送信対象となるゲームプログラムの付随情報から、作成するべき仮想メモリカードの個数を読み取ることで、仮想メモリカードの作成指示を生成してもよい。イメージファイル送信部256は、携帯型ゲーム機100の記憶部170において、ゲームのタイトルIDにより特定されるディレクトリを作成させる機能をもつ。通信部212が、これらのゲームデータ282および指示情報を、パッケージファイルとして携帯型ゲーム機100に送信する。
【0041】
携帯型ゲーム機100において、パッケージファイル取得部126が、通信部110を介して、パッケージファイルを取得する。パッケージファイル取得部126がパッケージファイルを取得すると、記憶制御部160が、ゲームプログラム184と付随情報186とを対応付けたゲームデータ182としてゲームデータ記憶部180に格納する。これにより、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で、ゲームプログラムのイメージファイルを共用することができる。異なるハードウェアをもつゲーム機が、イメージファイルを共用することで、複数種類のイメージファイルを作成する必要がなく、それぞれのエミュレーション機能を効率的に実現することが可能となる。
【0042】
また、記憶制御部160は、付随情報186に含まれるゲームタイトルのIDと、仮想メモリカードの作成指示に基づいて、ゲームタイトルIDで特定されるディレクトリに仮想メモリカード192を作成する。記憶部170において仮想メモリカード192の記憶階層を定めるディレクトリ構造は、たとえば以下のように定められる。仮想メモリカードの作成指示により、4つの仮想メモリカードを作成する場合、記憶制御部160は、以下に示すディレクトリで、4つの仮想メモリカードを作成する。
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC0.BBB
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC1.BBB
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC2.BBB
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC3.BBB
タイトルIDで特定されるディレクトリの下に、4つの異なる仮想メモリカードが生成され、その仮想メモリカードの中に、セーブデータを格納することが可能となる。異なるゲーム間では、タイトルIDによりディレクトリが分類される。なお、既述したように、作成する仮想メモリカードの個数はゲームタイトルごとに定められる。以上のように、本実施例のゲームシステム1では、ゲームプログラムのイメージファイルを据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で共用できる。このように据置型ゲーム機200は、記憶制御部160によりセーブデータの記憶領域を、ゲームを一意に特定するタイトルIDにより特定される記憶部170のディレクトリに設定させることで、携帯型ゲーム機100の記憶部170のディレクトリ構造を秩序だてて構築することができる。
【0043】
なお据置型ゲーム機200において、ゲームプログラムのイメージファイルは、イメージファイル提供サーバ40から供給されるだけでなく、ROM媒体をリッピングすることで直接生成されてもよい。据置型ゲーム機200はROMドライブを備えて、ROM媒体を駆動してプログラムをメモリにロードすることでも、ゲームプログラムを実行する機能をもつ。そこでリッピング処理部234は、ゲーム用ROMに記録されているデジタルデータをリッピングしてイメージファイルを作成し、ゲームデータ記憶部280にゲームプログラム284として格納してもよい。
【0044】
このように、リッピング処理部234は、記憶媒体に記録されているゲームプログラムを、イメージファイルで取り込むリッピング処理を実行する機能を有する。この機能により、据置型ゲーム機200は、イメージファイル提供サーバ40からゲームプログラムのイメージファイルをダウンロードしなくても、自身でゲームプログラムのイメージファイルを作成することで、イメージファイルを取得することが可能となる。このとき、リッピング処理部234は、リッピング処理により取得したゲームプログラムのイメージファイルとともに、そのゲームプログラムに関連する付随情報286も生成する。既述したように、付随情報286は、エミュレータプログラムによるゲームプログラムの実行時に必要な情報であり、ゲーム実行部248およびゲーム実行部134は、付随情報を利用することで、エミュレーション装置として動作することができる。リッピング処理部234は、付随情報286を、ゲーム用ROMから直接生成してもよく、また他のサーバなどから供給されるデータをもとに生成してもよく、これらの様々な経路で取得したデータを組み合わせて生成してもよい。据置型ゲーム機200は、リッピングにより作成したイメージファイルおよび付随情報を携帯型ゲーム機100に複製してもよく、これにより、ゲームプログラムのイメージファイルおよび付随情報を据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で共用することが可能である。
【0045】
以上は、携帯型ゲーム機100の記憶制御部160がゲームプログラムのイメージファイルの複製処理に参加する例を示したが、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100とがUSB接続することで、据置型ゲーム機200の処理部230および記憶制御部260が、記憶部170を外付けの記憶媒体として扱うことが可能となる。このとき、記憶制御部160による処理として説明した動作は、記憶制御部260により実行されるため、複製処理を単純にできる。この場合、記憶制御部260が、記憶部170にゲームプログラムのイメージファイルを格納し、また記憶部170における仮想メモリカード192の作成処理を実行することになる。
【0046】
なお、据置型ゲーム機200から携帯型ゲーム機100に、ゲームプログラムのイメージファイルおよび付随情報を含んだゲームデータを複製する際、据置型ゲーム機200は、データの複製先となる携帯型ゲーム機100を特定した上で、送信するゲームデータに、特定した携帯型ゲーム機100でのみ解読できる暗号を施して、ゲームデータを送信することが好ましい。イメージファイル送信部256は、ゲームデータの送信時に暗号化処理を行う。この暗号化は、DRM(Digital Rights Management)技術によるものであってよく、たとえば複製先との間で暗号化に関する情報をやり取りして定めた形式で行われる。このようにゲームシステム1では、複製先として特定される携帯型ゲーム機100でのみ解読可能な暗号化処理を行うことで、ゲームプログラムのイメージファイルが拡散して複製されないような配慮がなされることが好ましい。
【0047】
<セーブデータを共用するシステム>
本実施例のゲームシステム1は、携帯型ゲーム機100および据置型ゲーム機200の間で、ゲームプログラムだけでなく、セーブデータを共用するシステムとしても動作する。具体的には、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100のいずれか一方から、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の他方に、セーブデータを複製することでセーブデータを共用する。これにより、ユーザは、据置型ゲーム機200および携帯型ゲーム機100のいずれにおいても、同じセーブデータをロードしてゲームを開始することが可能となり、たとえば外出中に携帯型ゲーム機100でプレイしたゲームを、自宅に戻った後に、引き続き据置型ゲーム機200でプレイすることができる。また、自宅の据置型ゲーム機200でプレイしたゲームを、引き続き外で携帯型ゲーム機100によりプレイすることも可能となる。まず、携帯型ゲーム機100から据置型ゲーム機200にセーブデータを複製する場合について説明する。
【0048】
据置型ゲーム機200において、操作入力受付部210から、携帯型ゲーム機100の記憶部170における仮想メモリカード記憶部190の参照指示が供給される。参照要求部231は、参照要求を生成し、要求送信部252が通信部212を介して携帯型ゲーム機100に仮想メモリカードの参照要求を送信する。
【0049】
携帯型ゲーム機100において、要求受付部122が、通信部110を介して仮想メモリカード記憶部190の参照要求を受け付ける。記憶制御部160はファイルシステムの機能を有し、この参照要求を受けると、仮想メモリカード記憶部190の記憶部170におけるディレクトリ構造およびセーブデータファイル名を示すファイル情報を生成する。このファイル情報は、ファイル情報送信部152に供給され、ファイル情報送信部152は、通信部110から据置型ゲーム機200にファイル情報を送信する。
【0050】
据置型ゲーム機200において、ファイル情報取得部222が、通信部212を介してファイル情報を取得し、表示リスト選定部232に供給する。表示リスト選定部232は、出力装置202のディスプレイに一覧表示するセーブデータ、またはセーブデータのフォルダ(仮想メモリカード)を選定する機能をもつ。
【0051】
図4は、表示リスト選定部232により選別され、表示制御部240により出力装置202にて一覧表示される仮想メモリカード192のアイコンを示す画面例である。ここでは携帯型ゲーム機100の記憶部170がリムーバブルメディアとして構成されており、画面例では、携帯型ゲーム機100のリムーバブルメディア内部の情報を表示していることを特定するべく、画面上欄に「携帯型ゲーム機リムーバブルメディア」との表示がなされている。また本実施例のゲームシステム1では、据置型ゲーム機200が複数の携帯型ゲーム機100と接続することができ、画面の表示リストには、「ゲーム機1」、「ゲーム機2」として、接続している携帯型ゲーム機100を特定するアイコンが示される。たとえば、携帯型ゲーム機100を特定するために、それぞれのユーザが携帯型ゲーム機100に与えたニックネームなどの名前が、各アイコンの下に表示されてもよい。また、図4において、「本体メモリカード1」として表示されているのは、据置型ゲーム機200における記憶部270の仮想メモリカード292の1つを示している。「メモリカード1」、「メモリカード2」、「メモリカード3」として示されるアイコンは、携帯型ゲーム機100の記憶部170における仮想メモリカード192を示す。
【0052】
前記したように、携帯型ゲーム機100の仮想メモリカード192は、少なくともゲームプログラムのイメージファイルの数だけ存在し、さらにゲームプログラムによっては複数の仮想メモリカード192が生成されていることもある。そのため、それらの全てを出力装置202に一覧表示すると、膨大な数になることが予想される。
【0053】
さらに、据置型ゲーム機200において所有しているゲームプログラムのセーブデータを複製することには意味があるが、所有していないゲームプログラムのセーブデータを複製することは必ずしも重要でない。所有していないゲームプログラムのセーブデータの利用機会が乏しいためである。そこで、据置型ゲーム機200の処理部230において、記憶状況管理部236が、ゲームデータ記憶部280の記憶状況を管理し、所有しているゲームプログラムを特定する。たとえば記憶状況管理部236は、各ゲームデータ282の付随情報286に含まれるタイトルIDにより、保持しているゲームプログラムを特定してもよい。記憶状況管理部236は、ゲームプログラムのイメージファイルの記憶状況を表示リスト選定部232に通知する。表示リスト選定部232は、携帯型ゲーム機100から送信されるファイル情報に含まれるゲームタイトルIDと、記憶状況管理部236から供給されるイメージファイルの記憶状況を比較して、保持していないゲームプログラムの仮想メモリカード192を、表示対象から除外する。図4の画面例では、ゲームタイトル「ABCテニス」、「XYZサッカー」の仮想メモリカードのアイコンが示されているが、表示リスト選定部232により、「ABCテニス」、「XYZサッカー」のゲームプログラムのイメージファイルがゲームデータ記憶部280にて保持されていることが判定されたため、これらの仮想メモリカード192のアイコンが表示されている。
【0054】
なお記憶状況管理部236は、ゲームデータ記憶部280の記憶状況だけでなく、仮想メモリカード記憶部290の記憶状況を管理することで、保持しているゲームプログラムを特定してもよい。記憶状況管理部236は、セーブデータ294に含まれるタイトルIDにより、保持していることが当然に予想されるゲームプログラムを特定することができる。また記憶状況管理部236は、ROMドライブに挿入されているゲーム用ROMの記録内容を読み出して、そのゲーム用ROMのタイトルIDを特定し、ゲームデータ記憶部280の記憶状況および/または仮想メモリカード記憶部290の記憶状況とあわせて、保持しているゲームプログラムを特定してもよい。このように記憶状況管理部236が、ゲームデータ記憶部280の記憶状況から特定されるタイトルID、仮想メモリカード記憶部290の記憶状況から特定されるタイトルID、およびROMドライブに収容されているゲーム用ROMのタイトルIDのいずれか一つ、または、それらの組合せにより、実行可能なゲームプログラムを特定することで、表示リスト選定部232が、表示価値の高い仮想メモリカード192のアイコンのみを選別することが可能となる。
【0055】
さらに出力装置202に表示する仮想メモリカード192のアイコン数を減らすために、表示リスト選定部232は、セーブデータ194を保持していない仮想メモリカード192のアイコンを表示対象から除外してもよい。ここでは、携帯型ゲーム機100におけるセーブデータを据置型ゲーム機200に複製することを目的としているため、セーブデータが格納されていない携帯型ゲーム機100の仮想メモリカードのアイコンを表示しても、意味がないためである。そこで表示リスト選定部232は、携帯型ゲーム機100から送信されるファイル情報を参照して、仮想メモリカード192にセーブデータ194が存在しているか判定し、セーブデータを保持していない仮想メモリカードのアイコンを、表示対象から除外する。これにより、セーブデータを保持している仮想メモリカードのアイコンだけを表示でき、ユーザがセーブデータを探し出すのにかかる時間を短縮することができる。なお、このような表示対象の除外機能の実行の有無は、ユーザからの指示により選択されてもよい。
【0056】
表示制御部240は、図4に示すように、表示リスト選定部232により選択された仮想メモリカードのアイコンを表示する。ユーザがいずれかのアイコンを選択すると、その仮想メモリカードに保持されているセーブデータのアイコンが階層的に表示される。
【0057】
しかしながら、携帯型ゲーム機100で保持されている仮想メモリカード、および保持されるセーブデータには、携帯型ゲーム機専用の暗号が施されていることがあり、また携帯型ゲーム機100の仮想メモリカードのイメージファイルの形式が据置型ゲーム機200と異なっていることもある。このような場合、据置型ゲーム機200では、その内容を読み取ることができない。また、セーブデータ194のアイコンの画像データは、セーブデータ194に保持されているため、据置型ゲーム機200で、セーブデータ194を読み取ることができない状態では、アイコンを表示することもできない。以下に「ABCテニス」のセーブデータを複製しようとして、図4に示されるアイコンを選択しても、セーブデータのアイコンが表示されない場合の対応方法について説明する。
【0058】
まず変換要求部233が、選択された仮想メモリカードのアイコン「ABCテニス」のセーブデータの取得要求を生成する。要求送信部252は、その取得要求を通信部212を介して携帯型ゲーム機100に送信する。携帯型ゲーム機100において、要求受付部122が取得要求を受け付けると、記憶制御部160にその旨を通知する。記憶制御部160は、「ABCテニス」の仮想メモリカード192を仮想メモリカード記憶部190から読み出し、セーブデータ送信部154が、読み出した仮想メモリカード192を通信部110から送信する。このイメージファイル(仮想メモリカード)には、既述したように携帯型ゲーム機特有の暗号が施されているため、据置型ゲーム機200でデータを解読できない。
【0059】
図5は、イメージファイルの変換処理を問い合わせる画面例である。据置型ゲーム機200において、セーブデータ取得部224が、暗号化されたメモリカードのイメージファイルを取得すると、図5に示す画面が出力装置202のディスプレイに表示される。ユーザが「はい」を選択すると、変換要求部233が、そのイメージファイルのデータ形式の変換を要求する形式変換要求を生成する。要求送信部252は、形式変換要求とともに、取得したイメージファイルを携帯型ゲーム機100に送信する。
【0060】
携帯型ゲーム機100では、要求受付部122が形式変換要求と、デコードする対象となるイメージファイルを受け付け、デコード部132に供給する。デコード部132は、イメージファイルを、据置型ゲーム機200で解読または実行できるデータ形式に変換する。なお、デコードする対象となるイメージファイルは、もともと携帯型ゲーム機100が保持しているため、据置型ゲーム機200は、形式変換要求のみを携帯型ゲーム機100に送信するようにしてもよい。記憶制御部160は、変換したイメージファイルを、新たな仮想メモリカード192として、仮想メモリカード記憶部190にて上書きしてもよい。
【0061】
図6は、「ABCテニス」の仮想メモリカードに含まれていた3つのセーブデータが表示された画面例を示す。これは、図4の画面において、ユーザが「メモリカード1」で特定されるアイコンを選択したときに、この仮想メモリカード192のデータ形式が変換され、出力装置202上に表示できるようになったセーブデータ194のリストに相当する。このように、セーブデータの保存形式が携帯型ゲーム機100と据置型ゲーム機200とで異なる場合であっても、必要な変換処理を施すことで、同一のセーブデータを両者で共用することが可能となる。
【0062】
図7は、複製を希望するセーブデータを選択したときに表示される画面例である。ここでは、据置型ゲーム機200における保存先の選択画面が表示されている。ユーザが保存先を選択すると、複製要求部239が、ユーザにより選択されたセーブデータの複製要求を生成し、要求送信部252が送信する。携帯型ゲーム機100において要求受付部122が複製要求を受け付けると、記憶制御部160が、仮想メモリカード記憶部190から、指定されたセーブデータ194を読出し、セーブデータ送信部154が、セーブデータ194を通信部110を介して据置型ゲーム機200に送信する。このセーブデータ194は、据置型ゲーム機200において解読または実行可能な形式で構成されている。セキュリティを確保するため、送信されるデータにはデジタル署名が付与されることが好ましい。セーブデータ取得部224が、形式変換されたセーブデータを取得すると、記憶制御部260が、仮想メモリカード292に格納する。
【0063】
図8は、同一名のセーブデータが仮想メモリカード292内に存在していたときに表示される画面例である。セーブデータ比較部235は、仮想メモリカード292に書き込もうとするセーブデータ194の名前と、既に書き込まれているセーブデータ294の名前とを比較して、同一であった場合に、表示制御部240から、図8に示すメッセージを出力装置202に表示させる。ユーザは、ゲームコントローラ204により上書きするか否かを決定する。なお、セーブデータ比較部235は、同一名のセーブデータの内容の一部の情報を抽出して、表示制御部240から、それぞれの情報を表示させるようにしてもよい。たとえば、それぞれのセーブデータが作成されたときのプレイ時間を特定する情報や、またはセーブ時のゲームシーンを特定する情報などがセーブデータから読み取られて、図8に示すメッセージに付加されてもよい。これらの情報をメッセージに含めることで、上書きをするか否かの判断指標をユーザに与えることができる。
図9は、セーブデータの複製中に表示される画面例である。
【0064】
なお、以上の複製処理は、ユーザからの指示により実行されていたが、据置型ゲーム機200は、たとえば自動的に複製処理を行う機能を有してもよい。たとえば携帯型ゲーム機100と据置型ゲーム機200とが接続された時点で、複製要求部239が、携帯型ゲーム機100に保持される全てのセーブデータに対して複製要求を自動的に生成してもよい。なお、効率的にするのであれば、全てのセーブデータではなく、据置型ゲーム機200で保持されるゲームプログラムに対応するセーブデータのみに対する複製要求を自動生成することが好ましい。また、据置型ゲーム機200で扱えないセーブデータについては、変換要求部233が、そのセーブデータについて形式変換要求を生成し、複製要求を発行する前に、形式変換が終わっていることが好ましい。
【0065】
図10は、自動的に実行される複製処理において表示される画面例を示す。セーブデータの自動複製を可能とすることで、ユーザの手を煩わせることなく、セーブデータを共用する環境を実現できる。なお、図10に示すメッセージを表示することなく、記憶制御部260は、発見したセーブデータを仮想メモリカード記憶部290に逐次保存してもよい。
【0066】
図11は、自動的に実行される複製処理において、同一名のセーブデータが発見されたときに表示される画面例を示す。ここでは、図8に示したように、上書きの是非をユーザに問い合わせるメッセージが表示される。このとき、セーブデータ比較部235が、更新日時が新しいセーブデータを判定した場合、それを優先する複製制御処理が実行されてもよい。すなわち、携帯型ゲーム機100に保持されるセーブデータ194の更新日時の方が新しければ、記憶制御部260は、仮想メモリカード292のセーブデータ294を上書きし、一方で携帯型ゲーム機100に保持されるセーブデータ194の更新日時の方が古ければ、仮想メモリカード292のセーブデータ294の上書きは行わない。これにより、最新のセーブデータを残すことが可能となる。
【0067】
また、前記したように、セーブデータに含まれるプレイ時間をもとに、セーブデータ比較部235が、保存するべきセーブデータを決定してもよい。たとえば、同一名のセーブデータが存在する場合に、セーブデータ比較部235は、長いプレイ時間中に作成されたセーブデータを残すようにセーブデータの優先判定をしてもよく、また、ゲームが進んでいるシーンでのセーブデータを残すようにセーブデータの優先判定をしてもよい。いずれの場合であっても、セーブデータ比較部235は、ユーザメリットの高いセーブデータを残すように優先判定を行うことが好ましい。
【0068】
以上は、携帯型ゲーム機100の記憶制御部160がセーブデータの複製処理に参加する例を示したが、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100とがUSB接続することで、据置型ゲーム機200の処理部230および記憶制御部260が、記憶部170を外付けの記憶媒体として扱うことが可能となる。このとき、記憶制御部160による処理として説明した動作は、記憶制御部260により実行されるため、複製処理を単純にできる。この場合、記憶制御部260が、記憶部170にセーブデータを格納することになる。なお、セーブデータのデコード処理については、説明したとおり、携帯型ゲーム機100において実行される。
【0069】
なお、セーブデータを複製するタイミングは、たとえば据置型ゲーム機200において、エミュレータプログラムが起動されて、ゲームプログラム284が実行されるタイミングであってもよい。ゲーム実行部248がゲームプログラム284を実行すると、ファイル情報取得部222がファイル情報を取得する。このとき、実行するゲームプログラムのセーブデータが記憶部170内に存在するかの判断が、セーブデータ特定手段(図示せず)により実行されてもよい。このセーブデータ特定手段は、記憶部170のファイル情報に含まれるタイトルIDと、実行するゲームプログラムのタイトルIDの一致を判断し、一致する場合に、記憶部170に、対応するセーブデータが含まれていることを判定する。このように、記憶部170に、対応するゲームのセーブデータが保持されていることが判定されると、セーブデータ特定手段は、そのセーブデータを記憶部270に複製させてもよい。これにより、ゲームプログラムの実行時に、必要なセーブデータを携帯型ゲーム機100から取得することが可能となる。
【0070】
次に、据置型ゲーム機200から携帯型ゲーム機100にセーブデータ294を複製する場合について説明する。携帯型ゲーム機100では、1つのゲームタイトルに対して1つ以上の仮想メモリカード192が作成されており、仮想メモリカード192には、そのゲームタイトルのセーブデータ194が格納されている。
【0071】
図12は、仮想メモリカード292に格納されているセーブデータ294が表示された画面例を示す。据置型ゲーム機200における仮想メモリカード292には、複数種類のゲームのセーブデータ294が存在している。以下、ユーザが携帯型ゲーム機100に、「本体メモリカード2」で特定される仮想メモリカード292のセーブデータ「XYZサッカー」を複製することを選択する場合について説明する。
【0072】
図13は、複製を希望するセーブデータ294を選択したときに表示される画面例である。ここでは、保存先の選択画面が表示されており、既述したように、携帯型ゲーム機100では、ゲームタイトルごとに仮想メモリカード192が生成されているため、ユーザは、セーブデータ294に応じた仮想メモリカード192を選択しなければならない。ユーザが保存先を選択すると、書込制御部237が、ユーザにより選択されたセーブデータの書込要求を生成し、要求送信部252に供給する。書込要求には、記憶部170の書込先である仮想メモリカード192を特定する情報も含まれる。記憶制御部260は、選択されたセーブデータを仮想メモリカード292から要求送信部252に読み出す。要求送信部252は、セーブデータ294と書込要求とを携帯型ゲーム機100に送信する。
【0073】
携帯型ゲーム機100において要求受付部122が書込要求を受け付け、セーブデータ取得部124がセーブデータ294を取得すると、記憶制御部160が、書込要求により特定される仮想メモリカード192に、セーブデータを書き込む。これにより、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で、セーブデータを共用することが可能となる。なお、このセーブデータのデータ形式が携帯型ゲーム機100で処理できない場合には、据置型ゲーム機200において、携帯型ゲーム機100で解読または実行可能なデータ形式に変換してから送信する。
【0074】
以上のように、ユーザにセーブデータの保存先を選択させることも可能であるが、ゲームシステム1をさらに有用なものとするために、書込制御部237が、セーブデータの保存先を特定してもよい。これにより、ユーザによる保存先の選択行為をなくすことができる。
【0075】
携帯型ゲーム機100に複製するセーブデータが選択されると、書込制御部237は、そのセーブデータのゲームタイトルIDを取得する。既述したように、セーブデータにはゲームタイトルIDが関連づけられているため、書込制御部237は、セーブデータからゲームタイトルIDを抽出できる。
【0076】
続いて、参照要求部231が参照要求を生成し、要求送信部252が通信部212を介して携帯型ゲーム機100に仮想メモリカードの参照要求を送信する。携帯型ゲーム機100において、要求受付部122が、通信部110を介して仮想メモリカード記憶部190の参照要求を受け付けると、記憶制御部160は、仮想メモリカード記憶部190の記憶部170におけるディレクトリ構造およびセーブデータファイル名を示すファイル情報を生成する。このファイル情報は、ファイル情報送信部152に供給され、ファイル情報送信部152は、通信部110から据置型ゲーム機200にファイル情報を送信する。
【0077】
据置型ゲーム機200において、ファイル情報取得部222が、通信部212を介してファイル情報を取得し、書込制御部237に供給する。仮想メモリカード記憶部190のディレクトリ構造には、既述したようにタイトルIDが含まれているため、書込制御部237は、複製するセーブデータのタイトルIDと同一のタイトルIDを含むディレクトリ構造を探索する。これにより書込制御部237は、複製するセーブデータを書き込む仮想メモリカード192を特定することができる。書込制御部237がセーブデータの保存先を自律的に特定することで、セーブデータを容易に共用できるゲームシステム1を実現できる。
【0078】
1つのゲームタイトルに対して複数の仮想メモリカード192が存在している場合、書込制御部237は、それらの中のいずれか1つを、セーブデータの保存先として決定する。たとえば、空容量が最も多い仮想メモリカード192を保存先として決定してもよい。また、ある仮想メモリカード192に同一名のセーブデータが存在している場合には、そのセーブデータを上書きするように、その仮想メモリカード192を決定してもよい。
【0079】
以上は、1つのセーブデータを携帯型ゲーム機100に複製する場合について説明したが、書込制御部237は、複数のセーブデータのそれぞれの保存先を決定することも可能である。ユーザが、仮想メモリカード記憶部290に含まれる複数のセーブデータを複製対象として選択したとき、書込制御部237は、それぞれのゲームタイトルIDと、仮想メモリカード記憶部190のファイル情報とから、それぞれのセーブデータを格納させる記憶領域を特定して、特定した記憶領域にそれぞれのセーブデータを格納させることができる。このように、書込制御部237に保存先の決定機能をもたせることで、複数のセーブデータの保存先を自律的に決定することができ、ユーザが1つのセーブデータを選択して保存先を決定する場合と比較すると、セーブデータの複製に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0080】
なお、セーブデータのタイトルIDを、ディレクトリ構造に含む仮想メモリカード192が存在しない状況も発生しうる。そのような場合、書込制御部237は、セーブデータの保存先となる記憶領域を特定することができない。したがって書込制御部237は、タイトルIDをディレクトリ構造に含む仮想メモリカード192を、記憶制御部160により記憶部170上に作成させる。書込制御部237は、作成した仮想メモリカード192をセーブデータの保存先に決定することで、ユーザにより選択されたセーブデータを適切に記憶部170に格納することができる。
【0081】
なお、既述したように、据置型ゲーム機200から携帯型ゲーム機100にゲームプログラムのイメージファイルをエクスポートするときに、仮想メモリカード192を作成するが、仮想メモリカード192が作成された後、書込制御部237は、そのゲームプログラムのセーブデータが仮想メモリカード292にあるか探索してもよい。書込制御部237は、セーブデータを見つけると、作成された仮想メモリカード192に、そのセーブデータを複製する。これにより、ゲームプログラムのイメージファイルを複製すると同時に、対応するセーブデータの複製も完了することができ、携帯型ゲーム機100のユーザは、すぐにそのゲームを楽しむことができるようになる。
【0082】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例にかかるゲームシステムの構成を示す図である。
【図2】据置型ゲーム機の構成を示す図である。
【図3】携帯型ゲーム機の構成を示す図である。
【図4】一覧表示される仮想メモリカードのアイコンを示す画面例を示す図である。
【図5】イメージファイルの変換処理を問い合わせる画面例を示す図である。
【図6】仮想メモリカードに含まれていた3つのセーブデータが表示された画面例を示す図である。
【図7】複製を希望するセーブデータを選択したときに表示される画面例を示す図である。
【図8】同一名のセーブデータが仮想メモリに存在していたときに表示される画面例を示す図である。
【図9】セーブデータの複製中に表示される画面例を示す図である。
【図10】自動的に実行される複製処理において表示される画面例を示す図である。
【図11】自動的に実行される複製処理において、同一名のセーブデータが発見されたときに表示される画面例を示す図である。
【図12】仮想メモリに格納されているセーブデータが表示された画面例を示す図である。
【図13】複製を希望するセーブデータを選択したときに表示される画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1・・・ゲームシステム、10・・・USBケーブル、20・・・ルータ、30・・・ネットワーク、40・・・イメージファイル提供サーバ、100・・・携帯型ゲーム機、110・・・通信部、120・・・受信部、130・・・処理部、150・・・送信部、160・・・記憶制御部、170・・・記憶部、200・・・据置型ゲーム機、202・・・出力装置、204・・・ゲームコントローラ、210・・・操作入力受付部、212・・・通信部、220・・・受信部、230・・・処理部、250・・・送信部、260・・・記憶制御部、270・・・記憶部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関し、特に複数のゲーム機で構成されるゲームシステムにおいて利用される情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あるターゲットハードウェアのために開発されたソフトウェアを、ターゲットハードウェアとは異なるハードウェアで動作させるエミュレーションと呼ばれる技術が注目されている。エミュレーション技術では、ターゲットハードウェアが備えるハードウェア資源、たとえばCPU(Central Processing Unit)、メモリ、ディスクシステムなどをエミュレータプログラムにより仮想的に実現する。ターゲットハードウェア上で実行されるべきアプリケーションプログラムがこれらハードウェア資源にアクセスするときには、アクセス先のハードウェア資源を実現するエミュレータプログラムが、実際のハードウェアからの応答であるかのようにデータの入出力を行い、これによりアプリケーションプログラムが動作する。
【0003】
ゲーム用のエミュレーション装置は、一般に従来のゲーム機と異なるハードウェア構造をとり、従来のゲーム機で使用されていたゲーム用ROMやROMカートリッジを駆動するROMドライブや、メモリカードなどの外部記憶媒体を装着するスロットを備えていないことがある。一方、近年の技術進歩により、記憶媒体の容量は飛躍的に増加し、近年のエミュレーション装置は、従来のゲーム機で使用されていた記憶媒体よりも大容量の記憶媒体を装備可能に構成されている。そのため、エミュレーション装置では、そのような大容量の外部記憶媒体、もしくは内蔵記憶媒体にゲームプログラムのROMイメージが読み込まれて、ゲームが実行されるようになっている。
【特許文献1】特開2001−314644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は据置型のゲーム機が通常であったが、近年の技術革新により、携帯型のゲーム機も、据置型のゲーム機に遜色ない性能を発揮できるようになってきた。このような状況のもと、据置型のゲーム機と携帯型のゲーム機とが混在する環境において、既存のデータを効率的に利用できるシステムを構築することが理想であるが、それぞれのハードウェア仕様およびソフトウェア仕様が異なっていることから、そのようなシステムの構築に対する障害も多い。そこで、エミュレーション技術や情報処理技術などを利用して、据置型のゲーム機と携帯型のゲーム機とが効率的にデータを利用できるゲームシステムの開発が切望されている。
【0005】
また、ゲーム機のハードウェアは数年ごとにリニューアルされることが多い。新型のゲーム機は、エミュレータプログラムをインストールすることで旧型のゲーム機との互換性を維持できるが、その際、ユーザが旧型のゲーム機でプレイしたセーブデータを、新型のゲーム機においてもそのまま利用できることが好ましい。ユーザに手間をかけさせずに、できるだけ効率的にセーブデータの複製処理を可能とする環境を実現することで、ユーザフレンドリーなゲームシステムをユーザに提供できる。
【0006】
そこで本発明は、データを効率的に利用することのできるゲームシステム、およびそのようなゲームシステムを実現するゲーム機に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のゲームシステムは、第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製し、第2ゲーム機は、第1ゲーム機から送信されるセーブデータを、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される記憶領域に格納する。
【0008】
本発明の別の態様は、ゲーム機である。このゲーム機は、保持するゲームのセーブデータを別の端末装置に複製するゲーム機であって、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される別の端末装置の記憶装置の記憶領域にセーブデータを格納させる。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、ゲームシステムである。このゲームシステムは、第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製するゲームシステムであって、第2ゲーム機でゲームプログラムを実行する場合に、第1ゲーム機においてそのゲームのセーブデータが保持されているか探索し、保持している場合に、そのセーブデータを第2ゲーム機に複製する。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、データを効率的に利用することのできるゲームシステム、およびそのようなゲームシステムを実現するゲーム機に関する技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、実施例にかかるゲームシステム1の構成を示す。ゲームシステム1は、携帯型ゲーム機100と、携帯型ゲーム機100とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル10で接続する据置型ゲーム機200と、据置型ゲーム機200と接続するルータ20と、ネットワーク30を介してルータ20と接続するイメージファイル提供サーバ40とを備える。イメージファイル提供サーバ40は、据置型ゲーム機200に対して、ゲームプログラムのイメージファイルやその他の付随情報などをまとめたパッケージファイルを提供する。携帯型ゲーム機100は、据置型ゲーム機200からイメージファイルを取得してもよく、またイメージファイル提供サーバ40から直接取得してもよい。ゲームプログラムのイメージファイルは、ゲームプログラムが記憶されていた記憶媒体の完全な内容と構造を1つのファイルに格納したデータであり、据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100などにおいてエミュレータプログラムにより実行可能な形式で作成される。イメージファイルとしては、たとえばISO9660形式のCDイメージファイルである「ISOイメージ」などが代表的である。なお、ゲームプログラムを記録したROMをファイル化したものは「ROMイメージ」と呼ばれることもある。
【0013】
本実施例において携帯型ゲーム機100および据置型ゲーム機200は、USBケーブル10により接続されるが、他のケーブルにより接続されてもよく、また両者が無線通信機能を有して無線接続されてもよい。ゲームシステム1において、据置型ゲーム機200は、携帯型ゲーム機100とUSB接続することで、携帯型ゲーム機100の記憶装置に対するホストとしてふるまい、携帯型ゲーム機100の記憶装置に対してデータの読出および書込を制御する機能をもってもよい。
【0014】
据置型ゲーム機200は、ハードディスクなどの大容量記憶装置を有して構成される情報処理装置である。据置型ゲーム機200は、記憶装置にエミュレータプログラム、およびイメージファイル提供サーバ40から提供されるゲームプログラムのイメージファイルを格納する。据置型ゲーム機200は、ROMドライブを有し、ゲーム用ROMをROMドライブに挿入してゲームプログラムを実行することでゲーム装置として単独で動作するが、エミュレータプログラムを起動することで、ゲームプログラムのイメージファイルを実行できるエミュレーション装置としても動作できる。なおエミュレータプログラムは、ネットワーク30を介して取得してもよく、また出荷時にプリインストールされていてもよい。
【0015】
携帯型ゲーム機100は、フラッシュメモリなどの大容量記憶装置を内蔵し、または着脱できる情報処理装置である。携帯型ゲーム機100は、記憶装置にエミュレータプログラム、および据置型ゲーム機200などから供給されるゲームプログラムのイメージファイルを格納する。携帯型ゲーム機100は、単独でゲーム装置として動作するが、エミュレータプログラムを起動することで、ゲームプログラムのイメージファイルを実行できるエミュレーション装置としても動作できる。なおエミュレータプログラムは、据置型ゲーム機200から取得してもよく、またネットワーク30を介して他の機器から取得してもよく、また出荷時にプリインストールされていてもよい。
【0016】
出力装置202は、画像を出力するディスプレイを有して構成される。出力装置202は、音声を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置202は、据置型ゲーム機200に有線ケーブルで接続されてよく、また無線LAN(Local Area Network)などにより無線接続されてもよい。
【0017】
ゲームコントローラ204は、ユーザに据置型ゲーム機200への操作入力を行わせる入力インタフェース装置である。ゲームコントローラ204は、無線により操作入力を送信するものであってもよく、またケーブルで据置型ゲーム機200に接続されるものであってもよい。
【0018】
イメージファイル提供サーバ40は、所定のゲーム機用のゲームプログラムのイメージファイルを含んだパッケージファイルを生成して据置型ゲーム機200および/または携帯型ゲーム機100に提供する。たとえばイメージファイル提供サーバ40は、据置型ゲーム機200にダウンロード可能なゲームタイトルのリストを送信し、ユーザが、所望のゲームタイトルを選択することで、据置型ゲーム機200が、そのイメージファイルをハードディスクなどの記憶装置にダウンロードする。本実施例においてゲームタイトルは、ゲームソフトウェアを特定する情報を意味し、ゲームタイトルとゲームソフトウェア(ゲームプログラム)は、一対一に対応する。据置型ゲーム機200は、エミュレータプログラムを起動して、ダウンロードしたイメージファイルを読み込むことで、あたかも所定のゲーム機であるかのように、ゲームを実行させることが可能となる。
【0019】
同様に、携帯型ゲーム機100は、イメージファイル提供サーバ40から所望のゲームタイトルのイメージファイルをダウンロードし、または据置型ゲーム機200から所望のゲームタイトルのイメージファイルをエクスポートされることで、フラッシュメモリなどの記憶媒体にイメージファイルを保持させる。携帯型ゲーム機100は、エミュレータプログラムを起動して、取得したイメージファイルを読み込むことで、あたかも所定のゲーム機であるかのように、ゲームを実行させることが可能となる。
【0020】
従来の据置型のゲーム機では、ゲームのセーブデータを記録するために、1メガバイト程度の記憶容量をもつメモリカードなどの外部記憶媒体が利用されることが一般であった。しかしながら、現在となってはメモリカードの記憶容量は小さく、代わりにゲーム機は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶媒体を備えるようになっている。そのため、据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100には、従前のゲーム機において利用されていたメモリカードの差込口(スロット)が用意されていないことが多い。一方、従前のゲームプログラムは、従来のゲーム機のハードウェア構造にあわせて、メモリカードからのデータ読出および書込を前提として作成されているため、最新の据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100でゲームプログラムを実行するためには、記憶媒体上に、仮想的なメモリカード(以下、「仮想メモリカード」ともいう)を生成する必要がある。仮想メモリカードは、従前のメモリカードの記憶内容と構造を1つのファイルに格納したイメージファイルであり、据置型ゲーム機200や携帯型ゲーム機100などにおいてエミュレータプログラムにより読取可能な形式で作成される。エミュレータプログラムによるゲームプログラムの実行時、仮想メモリカードは、仮想的なスロットに割り当てられる。
【0021】
図2は、据置型ゲーム機200の構成を示す。据置型ゲーム機200は、操作入力受付部210、通信部212、受信部220、処理部230、送信部250、記憶制御部260および記憶部270を備えて構成される。操作入力受付部210は、ゲームコントローラ204よりユーザの操作入力を受け付ける。通信部212は、受信部220および送信部250に接続され、携帯型ゲーム機100およびルータ20との間でデータを送受信する。既述したように通信部212は、携帯型ゲーム機100およびルータ20との間に無線接続を確立してもよく、また有線接続を確立してもよい。
【0022】
受信部220は、ファイル情報取得部222、セーブデータ取得部224およびパッケージファイル取得部226を備える。ファイル情報取得部222は、携帯型ゲーム機100の記憶装置、具体的には携帯型ゲーム機100の記憶装置のディレクトリ構造およびセーブデータファイル名などを取得する。セーブデータ取得部224は、外部の端末装置からセーブデータを取得する。外部の端末装置は、USBケーブル10により接続している携帯型ゲーム機100であってもよく、またメモリカードの外付けアダプタ装置であってもよい。セーブデータは、ユーザのゲーム進行状況を示すデータであり、ゲームタイトルを特定するIDに関連づけられて構成される。パッケージファイル取得部226は、イメージファイル提供サーバ40から、ゲームプログラムのイメージファイルおよびその他の付随情報などをパッケージにしたファイルを取得する。
【0023】
送信部250は、要求送信部252、セーブデータ送信部254およびイメージファイル送信部256を備える。要求送信部252は、処理部230で生成される要求を携帯型ゲーム機100に送信する。セーブデータ送信部254は、携帯型ゲーム機100にセーブデータを送信する。イメージファイル送信部256は、携帯型ゲーム機100にイメージファイルを送信する。
【0024】
処理部230は、参照要求部231、表示リスト選定部232、変換要求部233、リッピング処理部234、セーブデータ比較部235、記憶状況管理部236、書込制御部237、複製要求部239、表示制御部240およびゲーム実行部248を備えて構成され、携帯型ゲーム機100との間で所望のデータを共用する機能を実現する。記憶部270はハードディスクなどの記憶装置であり、エミュレータプログラム保持部272、ゲームデータ記憶部280および仮想メモリカード記憶部290を有して構成される。なお、エミュレータプログラム保持部272、ゲームデータ記憶部280および仮想メモリカード記憶部290は、同一の記憶部270に形成されてもよいが、異なる記憶部に形成されてもよい。記憶制御部260は、記憶部270に対するデータの読出および書込を制御する。
【0025】
ゲームデータ記憶部280は、複数のゲームデータ282a、282b、282c(以下、総称する場合には「ゲームデータ282」と呼ぶ)を記憶する。ゲームデータ282は、パッケージファイル取得部226で取得したパッケージファイルに含まれるゲームプログラム284と付随情報286を含んで構成される。ゲームプログラム284は、例えばゲームプログラムのROMイメージであり、ゲーム用ROMなどに記憶されていたゲームプログラムのイメージファイルである。付随情報286は、据置型ゲーム機200によるエミュレーション機能の実行時に利用されるデータ群であり、エミュレータ用の設定ファイルや、GUI(Graphical User Interface)により表示するゲームタイトルなどの情報を含んでいる。付随情報286は、ゲーム用ROMから直接取り出した情報であってもよく、またゲームプログラムのイメージファイルから取り出した情報であってもよく、またエミュレーション用に生成された情報であってもよい。仮想メモリカード記憶部290は、複数の仮想メモリカード292a、292b(以下、総称する場合には「仮想メモリカード292」と呼ぶ)を記憶する。仮想メモリカード292は、複数のセーブデータ294a、294b、294cを有することができるが、セーブデータ294が存在しない空の状態の場合もある。
【0026】
仮想メモリカード292は、出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。同様にセーブデータ294も出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。セーブデータ294の存在を表現するためのアイコンは、セーブデータ294中に画像データとして含まれている。据置型ゲーム機200では、ユーザが自由に仮想メモリカード292を作成することができ、また仮想メモリカード292に自由にセーブデータ294を記憶させることができる。そのため仮想メモリカード292には、複数種類のゲームのセーブデータが混在して記憶されることがある。
【0027】
ゲーム実行部248は、エミュレータプログラム保持部272に保持されているエミュレータプログラムを起動し、ゲームプログラム284を実行することで、エミュレーション装置として動作する。このときゲーム実行部248は、付随情報286を読み込むことでエミュレータ機能を実現して、別のゲーム装置であるかのようにふるまうことができる。ゲーム実行部248が、実行するゲームプログラム284のセーブデータ294をロードすることで、ユーザが過去にセーブした時点からゲームをリスタートできる。
【0028】
処理部230の機能は、CPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。
【0029】
図3は、携帯型ゲーム機100の構成を示す。携帯型ゲーム機100は、通信部110、受信部120、処理部130、送信部150、記憶制御部160および記憶部170を備えて構成される。通信部110は、受信部120および送信部150に接続され、据置型ゲーム機200との間でデータを送受信する。既述したように通信部110は、据置型ゲーム機200との間に無線接続を確立してもよく、また有線接続を確立してもよい。
【0030】
受信部120は、要求受付部122、セーブデータ取得部124およびパッケージファイル取得部126を備える。要求受付部122は、据置型ゲーム機200から送信される各種要求を受け付ける。セーブデータ取得部124は、外部の端末装置からセーブデータを取得する。外部の端末装置は、USBケーブル10により接続している据置型ゲーム機200であってもよく、またメモリカードの外付けアダプタ装置であってもよく、また同種の携帯型ゲーム機であってもよい。パッケージファイル取得部126は、据置型ゲーム機200などから、ゲームプログラムのイメージファイルおよびその他の付随情報を取得する。
【0031】
送信部150は、ファイル情報送信部152およびセーブデータ送信部154を備える。ファイル情報送信部152は、記憶部170のファイル情報を送信する。ファイル情報とは、記憶部170のディレクトリ構造およびセーブデータファイル名などを特定する情報である。セーブデータ送信部154は、据置型ゲーム機200にセーブデータを送信する。なお、送信部150はイメージファイル送信部を備えて、据置型ゲーム機200にイメージファイルを送信してもよい。
【0032】
処理部130は、デコード部132およびゲーム実行部134を備えて構成される。記憶部170はフラッシュメモリなどの記憶装置であり、エミュレータプログラム保持部172、ゲームデータ記憶部180および仮想メモリカード記憶部190を有して構成される。記憶部170は、内蔵記憶媒体であってもよいが、着脱自在なリムーバブルメディアであってもよい。なお、エミュレータプログラム保持部172、ゲームデータ記憶部180および仮想メモリカード記憶部190は、同一の記憶部170に形成されてもよいが、異なる記憶部に形成されてもよい。記憶制御部160は、記憶部170に対するデータの読出および書込を制御する。
【0033】
ゲームデータ記憶部180は、複数のゲームデータ182a、182b、182c(以下、総称する場合には「ゲームデータ182」と呼ぶ)を記憶する。ゲームデータ182は、パッケージファイル取得部126で取得したパッケージファイルに含まれるゲームプログラム184と付随情報186を含んで構成される。ゲームプログラム184は、例えばゲームプログラムのROMイメージであり、ゲーム用ROMなどに記憶されたゲームプログラムのイメージファイルである。付随情報186は、携帯型ゲーム機100によるエミュレーション機能の実行時に使用されるデータ群であり、エミュレータ用の設定ファイルや、GUI(Graphical User Interface)により表示するゲームタイトルなどの情報を含んでいる。付随情報186は、ゲーム用ROMから直接取り出した情報であってもよく、またゲームプログラムのイメージファイルから取り出した情報であってもよく、またエミュレーション用に生成された情報であってもよい。同一ゲームタイトルのゲームプログラム184および付随情報186と、ゲームプログラム284および付随情報286は、データ形式は異なっていても構わないが、それぞれの内容は互いに同一のものである。仮想メモリカード記憶部190は、複数の仮想メモリカード192a、192b、192c、192d(以下、総称する場合には「仮想メモリカード192」と呼ぶ)を記憶する。仮想メモリカード192は、複数のセーブデータ194a、194b、194cを有することができるが、セーブデータ194が存在しない空の状態の場合もある。
【0034】
仮想メモリカード192は、携帯型ゲーム機100および出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。同様にセーブデータ194も携帯型ゲーム機100および出力装置202のメニュー画面などにおいて、アイコンとして視覚的に表示される対象である。セーブデータ194の存在を表現するためのアイコンは、セーブデータ194中に画像データとして含まれている。
【0035】
携帯型ゲーム機100において起動されるエミュレータプログラムは、ゲームプログラムの実行時に、そのゲームの仮想メモリカード192にのみアクセスするように構成されている。したがって、ゲームタイトルに対応して、1つ以上の仮想メモリカード192が仮想メモリカード記憶部190内に形成され、仮想メモリカード192には、対応するゲームのセーブデータ194が記憶される。
【0036】
ゲーム実行部134は、エミュレータプログラム保持部172に保持されているエミュレータプログラムを起動し、ゲームプログラム184を実行することで、エミュレーション装置として動作する。このときゲーム実行部134は、付随情報186を読み込むことでエミュレータ機能を実現して、別のゲーム装置であるかのようにふるまうことができる。ゲーム実行部134が、実行するゲームプログラム184のセーブデータ194をロードすることで、ユーザが過去にセーブした時点からゲームをリスタートできる。
【0037】
<ゲームプログラムのイメージファイルを共用するシステム>
本実施例のゲームシステム1は、携帯型ゲーム機100および据置型ゲーム機200の間で、ゲームプログラムのイメージファイルを共用するシステムとして動作する。図1に関連して説明したように、携帯型ゲーム機100と据置型ゲーム機200は、有線または無線によりデータ伝送可能に接続されており、据置型ゲーム機200は、ゲームプログラムのイメージファイルを保持するイメージファイル提供サーバ40にネットワーク30を介して接続されている。以下、図2および図3を参照して、ゲームシステム1のイメージファイル共用機能について説明する。
【0038】
据置型ゲーム機200において、操作入力受付部210がゲームコントローラ204からイメージファイル提供サーバ40への接続指示を受け付けると、通信部212が、イメージファイル提供サーバ40に接続する。イメージファイル提供サーバ40は、ダウンロード可能なゲームタイトルのリストを配信し、ユーザは、出力装置202に表示されたリストから所望のゲームタイトルをゲームコントローラ204により選択することで、ゲームイメージファイルのダウンロード要求が生成される。通信部212は、イメージファイル提供サーバ40からパッケージファイルをダウンロードし、パッケージファイル取得部226に供給する。
【0039】
本実施例において、パッケージファイルは、ゲームソフトウェアの実行プログラムを少なくとも含み、さらにゲームタイトルのIDなどを含んだ付随情報も含む。タイトルIDは、ゲームの品番などであってよく、ゲームタイトルを一意に特定できるものであればよい。パッケージファイル取得部226がパッケージファイルを取得すると、記憶制御部260が、ゲームプログラム284と付随情報286とを対応付けたゲームデータ282としてゲームデータ記憶部280に格納する。このようにして、据置型ゲーム機200は、ゲームプログラムのイメージファイルを保持する。
【0040】
据置型ゲーム機200は、携帯型ゲーム機100にゲームプログラムのイメージファイルを複製することで、イメージファイルを共有することができる。記憶制御部260は、ゲームデータ記憶部280に格納したゲームデータ282を、イメージファイル送信部256に供給する。イメージファイル送信部256は、セーブデータを格納するための携帯型ゲーム機100の記憶部170における記憶領域を特定する機能をもつ。具体的に、イメージファイル送信部256は、ゲームデータ282とともに、仮想メモリカードの作成指示をパッケージ化して通信部212に供給する。仮想メモリカードの作成指示には、ゲームプログラムの種類に応じて作成するべき仮想メモリカードの個数が含まれる。イメージファイル送信部256は、送信対象となるゲームプログラムの付随情報から、作成するべき仮想メモリカードの個数を読み取ることで、仮想メモリカードの作成指示を生成してもよい。イメージファイル送信部256は、携帯型ゲーム機100の記憶部170において、ゲームのタイトルIDにより特定されるディレクトリを作成させる機能をもつ。通信部212が、これらのゲームデータ282および指示情報を、パッケージファイルとして携帯型ゲーム機100に送信する。
【0041】
携帯型ゲーム機100において、パッケージファイル取得部126が、通信部110を介して、パッケージファイルを取得する。パッケージファイル取得部126がパッケージファイルを取得すると、記憶制御部160が、ゲームプログラム184と付随情報186とを対応付けたゲームデータ182としてゲームデータ記憶部180に格納する。これにより、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で、ゲームプログラムのイメージファイルを共用することができる。異なるハードウェアをもつゲーム機が、イメージファイルを共用することで、複数種類のイメージファイルを作成する必要がなく、それぞれのエミュレーション機能を効率的に実現することが可能となる。
【0042】
また、記憶制御部160は、付随情報186に含まれるゲームタイトルのIDと、仮想メモリカードの作成指示に基づいて、ゲームタイトルIDで特定されるディレクトリに仮想メモリカード192を作成する。記憶部170において仮想メモリカード192の記憶階層を定めるディレクトリ構造は、たとえば以下のように定められる。仮想メモリカードの作成指示により、4つの仮想メモリカードを作成する場合、記憶制御部160は、以下に示すディレクトリで、4つの仮想メモリカードを作成する。
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC0.BBB
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC1.BBB
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC2.BBB
・・・/SAVEDATA/タイトルID/VMC3.BBB
タイトルIDで特定されるディレクトリの下に、4つの異なる仮想メモリカードが生成され、その仮想メモリカードの中に、セーブデータを格納することが可能となる。異なるゲーム間では、タイトルIDによりディレクトリが分類される。なお、既述したように、作成する仮想メモリカードの個数はゲームタイトルごとに定められる。以上のように、本実施例のゲームシステム1では、ゲームプログラムのイメージファイルを据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で共用できる。このように据置型ゲーム機200は、記憶制御部160によりセーブデータの記憶領域を、ゲームを一意に特定するタイトルIDにより特定される記憶部170のディレクトリに設定させることで、携帯型ゲーム機100の記憶部170のディレクトリ構造を秩序だてて構築することができる。
【0043】
なお据置型ゲーム機200において、ゲームプログラムのイメージファイルは、イメージファイル提供サーバ40から供給されるだけでなく、ROM媒体をリッピングすることで直接生成されてもよい。据置型ゲーム機200はROMドライブを備えて、ROM媒体を駆動してプログラムをメモリにロードすることでも、ゲームプログラムを実行する機能をもつ。そこでリッピング処理部234は、ゲーム用ROMに記録されているデジタルデータをリッピングしてイメージファイルを作成し、ゲームデータ記憶部280にゲームプログラム284として格納してもよい。
【0044】
このように、リッピング処理部234は、記憶媒体に記録されているゲームプログラムを、イメージファイルで取り込むリッピング処理を実行する機能を有する。この機能により、据置型ゲーム機200は、イメージファイル提供サーバ40からゲームプログラムのイメージファイルをダウンロードしなくても、自身でゲームプログラムのイメージファイルを作成することで、イメージファイルを取得することが可能となる。このとき、リッピング処理部234は、リッピング処理により取得したゲームプログラムのイメージファイルとともに、そのゲームプログラムに関連する付随情報286も生成する。既述したように、付随情報286は、エミュレータプログラムによるゲームプログラムの実行時に必要な情報であり、ゲーム実行部248およびゲーム実行部134は、付随情報を利用することで、エミュレーション装置として動作することができる。リッピング処理部234は、付随情報286を、ゲーム用ROMから直接生成してもよく、また他のサーバなどから供給されるデータをもとに生成してもよく、これらの様々な経路で取得したデータを組み合わせて生成してもよい。据置型ゲーム機200は、リッピングにより作成したイメージファイルおよび付随情報を携帯型ゲーム機100に複製してもよく、これにより、ゲームプログラムのイメージファイルおよび付随情報を据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で共用することが可能である。
【0045】
以上は、携帯型ゲーム機100の記憶制御部160がゲームプログラムのイメージファイルの複製処理に参加する例を示したが、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100とがUSB接続することで、据置型ゲーム機200の処理部230および記憶制御部260が、記憶部170を外付けの記憶媒体として扱うことが可能となる。このとき、記憶制御部160による処理として説明した動作は、記憶制御部260により実行されるため、複製処理を単純にできる。この場合、記憶制御部260が、記憶部170にゲームプログラムのイメージファイルを格納し、また記憶部170における仮想メモリカード192の作成処理を実行することになる。
【0046】
なお、据置型ゲーム機200から携帯型ゲーム機100に、ゲームプログラムのイメージファイルおよび付随情報を含んだゲームデータを複製する際、据置型ゲーム機200は、データの複製先となる携帯型ゲーム機100を特定した上で、送信するゲームデータに、特定した携帯型ゲーム機100でのみ解読できる暗号を施して、ゲームデータを送信することが好ましい。イメージファイル送信部256は、ゲームデータの送信時に暗号化処理を行う。この暗号化は、DRM(Digital Rights Management)技術によるものであってよく、たとえば複製先との間で暗号化に関する情報をやり取りして定めた形式で行われる。このようにゲームシステム1では、複製先として特定される携帯型ゲーム機100でのみ解読可能な暗号化処理を行うことで、ゲームプログラムのイメージファイルが拡散して複製されないような配慮がなされることが好ましい。
【0047】
<セーブデータを共用するシステム>
本実施例のゲームシステム1は、携帯型ゲーム機100および据置型ゲーム機200の間で、ゲームプログラムだけでなく、セーブデータを共用するシステムとしても動作する。具体的には、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100のいずれか一方から、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の他方に、セーブデータを複製することでセーブデータを共用する。これにより、ユーザは、据置型ゲーム機200および携帯型ゲーム機100のいずれにおいても、同じセーブデータをロードしてゲームを開始することが可能となり、たとえば外出中に携帯型ゲーム機100でプレイしたゲームを、自宅に戻った後に、引き続き据置型ゲーム機200でプレイすることができる。また、自宅の据置型ゲーム機200でプレイしたゲームを、引き続き外で携帯型ゲーム機100によりプレイすることも可能となる。まず、携帯型ゲーム機100から据置型ゲーム機200にセーブデータを複製する場合について説明する。
【0048】
据置型ゲーム機200において、操作入力受付部210から、携帯型ゲーム機100の記憶部170における仮想メモリカード記憶部190の参照指示が供給される。参照要求部231は、参照要求を生成し、要求送信部252が通信部212を介して携帯型ゲーム機100に仮想メモリカードの参照要求を送信する。
【0049】
携帯型ゲーム機100において、要求受付部122が、通信部110を介して仮想メモリカード記憶部190の参照要求を受け付ける。記憶制御部160はファイルシステムの機能を有し、この参照要求を受けると、仮想メモリカード記憶部190の記憶部170におけるディレクトリ構造およびセーブデータファイル名を示すファイル情報を生成する。このファイル情報は、ファイル情報送信部152に供給され、ファイル情報送信部152は、通信部110から据置型ゲーム機200にファイル情報を送信する。
【0050】
据置型ゲーム機200において、ファイル情報取得部222が、通信部212を介してファイル情報を取得し、表示リスト選定部232に供給する。表示リスト選定部232は、出力装置202のディスプレイに一覧表示するセーブデータ、またはセーブデータのフォルダ(仮想メモリカード)を選定する機能をもつ。
【0051】
図4は、表示リスト選定部232により選別され、表示制御部240により出力装置202にて一覧表示される仮想メモリカード192のアイコンを示す画面例である。ここでは携帯型ゲーム機100の記憶部170がリムーバブルメディアとして構成されており、画面例では、携帯型ゲーム機100のリムーバブルメディア内部の情報を表示していることを特定するべく、画面上欄に「携帯型ゲーム機リムーバブルメディア」との表示がなされている。また本実施例のゲームシステム1では、据置型ゲーム機200が複数の携帯型ゲーム機100と接続することができ、画面の表示リストには、「ゲーム機1」、「ゲーム機2」として、接続している携帯型ゲーム機100を特定するアイコンが示される。たとえば、携帯型ゲーム機100を特定するために、それぞれのユーザが携帯型ゲーム機100に与えたニックネームなどの名前が、各アイコンの下に表示されてもよい。また、図4において、「本体メモリカード1」として表示されているのは、据置型ゲーム機200における記憶部270の仮想メモリカード292の1つを示している。「メモリカード1」、「メモリカード2」、「メモリカード3」として示されるアイコンは、携帯型ゲーム機100の記憶部170における仮想メモリカード192を示す。
【0052】
前記したように、携帯型ゲーム機100の仮想メモリカード192は、少なくともゲームプログラムのイメージファイルの数だけ存在し、さらにゲームプログラムによっては複数の仮想メモリカード192が生成されていることもある。そのため、それらの全てを出力装置202に一覧表示すると、膨大な数になることが予想される。
【0053】
さらに、据置型ゲーム機200において所有しているゲームプログラムのセーブデータを複製することには意味があるが、所有していないゲームプログラムのセーブデータを複製することは必ずしも重要でない。所有していないゲームプログラムのセーブデータの利用機会が乏しいためである。そこで、据置型ゲーム機200の処理部230において、記憶状況管理部236が、ゲームデータ記憶部280の記憶状況を管理し、所有しているゲームプログラムを特定する。たとえば記憶状況管理部236は、各ゲームデータ282の付随情報286に含まれるタイトルIDにより、保持しているゲームプログラムを特定してもよい。記憶状況管理部236は、ゲームプログラムのイメージファイルの記憶状況を表示リスト選定部232に通知する。表示リスト選定部232は、携帯型ゲーム機100から送信されるファイル情報に含まれるゲームタイトルIDと、記憶状況管理部236から供給されるイメージファイルの記憶状況を比較して、保持していないゲームプログラムの仮想メモリカード192を、表示対象から除外する。図4の画面例では、ゲームタイトル「ABCテニス」、「XYZサッカー」の仮想メモリカードのアイコンが示されているが、表示リスト選定部232により、「ABCテニス」、「XYZサッカー」のゲームプログラムのイメージファイルがゲームデータ記憶部280にて保持されていることが判定されたため、これらの仮想メモリカード192のアイコンが表示されている。
【0054】
なお記憶状況管理部236は、ゲームデータ記憶部280の記憶状況だけでなく、仮想メモリカード記憶部290の記憶状況を管理することで、保持しているゲームプログラムを特定してもよい。記憶状況管理部236は、セーブデータ294に含まれるタイトルIDにより、保持していることが当然に予想されるゲームプログラムを特定することができる。また記憶状況管理部236は、ROMドライブに挿入されているゲーム用ROMの記録内容を読み出して、そのゲーム用ROMのタイトルIDを特定し、ゲームデータ記憶部280の記憶状況および/または仮想メモリカード記憶部290の記憶状況とあわせて、保持しているゲームプログラムを特定してもよい。このように記憶状況管理部236が、ゲームデータ記憶部280の記憶状況から特定されるタイトルID、仮想メモリカード記憶部290の記憶状況から特定されるタイトルID、およびROMドライブに収容されているゲーム用ROMのタイトルIDのいずれか一つ、または、それらの組合せにより、実行可能なゲームプログラムを特定することで、表示リスト選定部232が、表示価値の高い仮想メモリカード192のアイコンのみを選別することが可能となる。
【0055】
さらに出力装置202に表示する仮想メモリカード192のアイコン数を減らすために、表示リスト選定部232は、セーブデータ194を保持していない仮想メモリカード192のアイコンを表示対象から除外してもよい。ここでは、携帯型ゲーム機100におけるセーブデータを据置型ゲーム機200に複製することを目的としているため、セーブデータが格納されていない携帯型ゲーム機100の仮想メモリカードのアイコンを表示しても、意味がないためである。そこで表示リスト選定部232は、携帯型ゲーム機100から送信されるファイル情報を参照して、仮想メモリカード192にセーブデータ194が存在しているか判定し、セーブデータを保持していない仮想メモリカードのアイコンを、表示対象から除外する。これにより、セーブデータを保持している仮想メモリカードのアイコンだけを表示でき、ユーザがセーブデータを探し出すのにかかる時間を短縮することができる。なお、このような表示対象の除外機能の実行の有無は、ユーザからの指示により選択されてもよい。
【0056】
表示制御部240は、図4に示すように、表示リスト選定部232により選択された仮想メモリカードのアイコンを表示する。ユーザがいずれかのアイコンを選択すると、その仮想メモリカードに保持されているセーブデータのアイコンが階層的に表示される。
【0057】
しかしながら、携帯型ゲーム機100で保持されている仮想メモリカード、および保持されるセーブデータには、携帯型ゲーム機専用の暗号が施されていることがあり、また携帯型ゲーム機100の仮想メモリカードのイメージファイルの形式が据置型ゲーム機200と異なっていることもある。このような場合、据置型ゲーム機200では、その内容を読み取ることができない。また、セーブデータ194のアイコンの画像データは、セーブデータ194に保持されているため、据置型ゲーム機200で、セーブデータ194を読み取ることができない状態では、アイコンを表示することもできない。以下に「ABCテニス」のセーブデータを複製しようとして、図4に示されるアイコンを選択しても、セーブデータのアイコンが表示されない場合の対応方法について説明する。
【0058】
まず変換要求部233が、選択された仮想メモリカードのアイコン「ABCテニス」のセーブデータの取得要求を生成する。要求送信部252は、その取得要求を通信部212を介して携帯型ゲーム機100に送信する。携帯型ゲーム機100において、要求受付部122が取得要求を受け付けると、記憶制御部160にその旨を通知する。記憶制御部160は、「ABCテニス」の仮想メモリカード192を仮想メモリカード記憶部190から読み出し、セーブデータ送信部154が、読み出した仮想メモリカード192を通信部110から送信する。このイメージファイル(仮想メモリカード)には、既述したように携帯型ゲーム機特有の暗号が施されているため、据置型ゲーム機200でデータを解読できない。
【0059】
図5は、イメージファイルの変換処理を問い合わせる画面例である。据置型ゲーム機200において、セーブデータ取得部224が、暗号化されたメモリカードのイメージファイルを取得すると、図5に示す画面が出力装置202のディスプレイに表示される。ユーザが「はい」を選択すると、変換要求部233が、そのイメージファイルのデータ形式の変換を要求する形式変換要求を生成する。要求送信部252は、形式変換要求とともに、取得したイメージファイルを携帯型ゲーム機100に送信する。
【0060】
携帯型ゲーム機100では、要求受付部122が形式変換要求と、デコードする対象となるイメージファイルを受け付け、デコード部132に供給する。デコード部132は、イメージファイルを、据置型ゲーム機200で解読または実行できるデータ形式に変換する。なお、デコードする対象となるイメージファイルは、もともと携帯型ゲーム機100が保持しているため、据置型ゲーム機200は、形式変換要求のみを携帯型ゲーム機100に送信するようにしてもよい。記憶制御部160は、変換したイメージファイルを、新たな仮想メモリカード192として、仮想メモリカード記憶部190にて上書きしてもよい。
【0061】
図6は、「ABCテニス」の仮想メモリカードに含まれていた3つのセーブデータが表示された画面例を示す。これは、図4の画面において、ユーザが「メモリカード1」で特定されるアイコンを選択したときに、この仮想メモリカード192のデータ形式が変換され、出力装置202上に表示できるようになったセーブデータ194のリストに相当する。このように、セーブデータの保存形式が携帯型ゲーム機100と据置型ゲーム機200とで異なる場合であっても、必要な変換処理を施すことで、同一のセーブデータを両者で共用することが可能となる。
【0062】
図7は、複製を希望するセーブデータを選択したときに表示される画面例である。ここでは、据置型ゲーム機200における保存先の選択画面が表示されている。ユーザが保存先を選択すると、複製要求部239が、ユーザにより選択されたセーブデータの複製要求を生成し、要求送信部252が送信する。携帯型ゲーム機100において要求受付部122が複製要求を受け付けると、記憶制御部160が、仮想メモリカード記憶部190から、指定されたセーブデータ194を読出し、セーブデータ送信部154が、セーブデータ194を通信部110を介して据置型ゲーム機200に送信する。このセーブデータ194は、据置型ゲーム機200において解読または実行可能な形式で構成されている。セキュリティを確保するため、送信されるデータにはデジタル署名が付与されることが好ましい。セーブデータ取得部224が、形式変換されたセーブデータを取得すると、記憶制御部260が、仮想メモリカード292に格納する。
【0063】
図8は、同一名のセーブデータが仮想メモリカード292内に存在していたときに表示される画面例である。セーブデータ比較部235は、仮想メモリカード292に書き込もうとするセーブデータ194の名前と、既に書き込まれているセーブデータ294の名前とを比較して、同一であった場合に、表示制御部240から、図8に示すメッセージを出力装置202に表示させる。ユーザは、ゲームコントローラ204により上書きするか否かを決定する。なお、セーブデータ比較部235は、同一名のセーブデータの内容の一部の情報を抽出して、表示制御部240から、それぞれの情報を表示させるようにしてもよい。たとえば、それぞれのセーブデータが作成されたときのプレイ時間を特定する情報や、またはセーブ時のゲームシーンを特定する情報などがセーブデータから読み取られて、図8に示すメッセージに付加されてもよい。これらの情報をメッセージに含めることで、上書きをするか否かの判断指標をユーザに与えることができる。
図9は、セーブデータの複製中に表示される画面例である。
【0064】
なお、以上の複製処理は、ユーザからの指示により実行されていたが、据置型ゲーム機200は、たとえば自動的に複製処理を行う機能を有してもよい。たとえば携帯型ゲーム機100と据置型ゲーム機200とが接続された時点で、複製要求部239が、携帯型ゲーム機100に保持される全てのセーブデータに対して複製要求を自動的に生成してもよい。なお、効率的にするのであれば、全てのセーブデータではなく、据置型ゲーム機200で保持されるゲームプログラムに対応するセーブデータのみに対する複製要求を自動生成することが好ましい。また、据置型ゲーム機200で扱えないセーブデータについては、変換要求部233が、そのセーブデータについて形式変換要求を生成し、複製要求を発行する前に、形式変換が終わっていることが好ましい。
【0065】
図10は、自動的に実行される複製処理において表示される画面例を示す。セーブデータの自動複製を可能とすることで、ユーザの手を煩わせることなく、セーブデータを共用する環境を実現できる。なお、図10に示すメッセージを表示することなく、記憶制御部260は、発見したセーブデータを仮想メモリカード記憶部290に逐次保存してもよい。
【0066】
図11は、自動的に実行される複製処理において、同一名のセーブデータが発見されたときに表示される画面例を示す。ここでは、図8に示したように、上書きの是非をユーザに問い合わせるメッセージが表示される。このとき、セーブデータ比較部235が、更新日時が新しいセーブデータを判定した場合、それを優先する複製制御処理が実行されてもよい。すなわち、携帯型ゲーム機100に保持されるセーブデータ194の更新日時の方が新しければ、記憶制御部260は、仮想メモリカード292のセーブデータ294を上書きし、一方で携帯型ゲーム機100に保持されるセーブデータ194の更新日時の方が古ければ、仮想メモリカード292のセーブデータ294の上書きは行わない。これにより、最新のセーブデータを残すことが可能となる。
【0067】
また、前記したように、セーブデータに含まれるプレイ時間をもとに、セーブデータ比較部235が、保存するべきセーブデータを決定してもよい。たとえば、同一名のセーブデータが存在する場合に、セーブデータ比較部235は、長いプレイ時間中に作成されたセーブデータを残すようにセーブデータの優先判定をしてもよく、また、ゲームが進んでいるシーンでのセーブデータを残すようにセーブデータの優先判定をしてもよい。いずれの場合であっても、セーブデータ比較部235は、ユーザメリットの高いセーブデータを残すように優先判定を行うことが好ましい。
【0068】
以上は、携帯型ゲーム機100の記憶制御部160がセーブデータの複製処理に参加する例を示したが、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100とがUSB接続することで、据置型ゲーム機200の処理部230および記憶制御部260が、記憶部170を外付けの記憶媒体として扱うことが可能となる。このとき、記憶制御部160による処理として説明した動作は、記憶制御部260により実行されるため、複製処理を単純にできる。この場合、記憶制御部260が、記憶部170にセーブデータを格納することになる。なお、セーブデータのデコード処理については、説明したとおり、携帯型ゲーム機100において実行される。
【0069】
なお、セーブデータを複製するタイミングは、たとえば据置型ゲーム機200において、エミュレータプログラムが起動されて、ゲームプログラム284が実行されるタイミングであってもよい。ゲーム実行部248がゲームプログラム284を実行すると、ファイル情報取得部222がファイル情報を取得する。このとき、実行するゲームプログラムのセーブデータが記憶部170内に存在するかの判断が、セーブデータ特定手段(図示せず)により実行されてもよい。このセーブデータ特定手段は、記憶部170のファイル情報に含まれるタイトルIDと、実行するゲームプログラムのタイトルIDの一致を判断し、一致する場合に、記憶部170に、対応するセーブデータが含まれていることを判定する。このように、記憶部170に、対応するゲームのセーブデータが保持されていることが判定されると、セーブデータ特定手段は、そのセーブデータを記憶部270に複製させてもよい。これにより、ゲームプログラムの実行時に、必要なセーブデータを携帯型ゲーム機100から取得することが可能となる。
【0070】
次に、据置型ゲーム機200から携帯型ゲーム機100にセーブデータ294を複製する場合について説明する。携帯型ゲーム機100では、1つのゲームタイトルに対して1つ以上の仮想メモリカード192が作成されており、仮想メモリカード192には、そのゲームタイトルのセーブデータ194が格納されている。
【0071】
図12は、仮想メモリカード292に格納されているセーブデータ294が表示された画面例を示す。据置型ゲーム機200における仮想メモリカード292には、複数種類のゲームのセーブデータ294が存在している。以下、ユーザが携帯型ゲーム機100に、「本体メモリカード2」で特定される仮想メモリカード292のセーブデータ「XYZサッカー」を複製することを選択する場合について説明する。
【0072】
図13は、複製を希望するセーブデータ294を選択したときに表示される画面例である。ここでは、保存先の選択画面が表示されており、既述したように、携帯型ゲーム機100では、ゲームタイトルごとに仮想メモリカード192が生成されているため、ユーザは、セーブデータ294に応じた仮想メモリカード192を選択しなければならない。ユーザが保存先を選択すると、書込制御部237が、ユーザにより選択されたセーブデータの書込要求を生成し、要求送信部252に供給する。書込要求には、記憶部170の書込先である仮想メモリカード192を特定する情報も含まれる。記憶制御部260は、選択されたセーブデータを仮想メモリカード292から要求送信部252に読み出す。要求送信部252は、セーブデータ294と書込要求とを携帯型ゲーム機100に送信する。
【0073】
携帯型ゲーム機100において要求受付部122が書込要求を受け付け、セーブデータ取得部124がセーブデータ294を取得すると、記憶制御部160が、書込要求により特定される仮想メモリカード192に、セーブデータを書き込む。これにより、据置型ゲーム機200と携帯型ゲーム機100の間で、セーブデータを共用することが可能となる。なお、このセーブデータのデータ形式が携帯型ゲーム機100で処理できない場合には、据置型ゲーム機200において、携帯型ゲーム機100で解読または実行可能なデータ形式に変換してから送信する。
【0074】
以上のように、ユーザにセーブデータの保存先を選択させることも可能であるが、ゲームシステム1をさらに有用なものとするために、書込制御部237が、セーブデータの保存先を特定してもよい。これにより、ユーザによる保存先の選択行為をなくすことができる。
【0075】
携帯型ゲーム機100に複製するセーブデータが選択されると、書込制御部237は、そのセーブデータのゲームタイトルIDを取得する。既述したように、セーブデータにはゲームタイトルIDが関連づけられているため、書込制御部237は、セーブデータからゲームタイトルIDを抽出できる。
【0076】
続いて、参照要求部231が参照要求を生成し、要求送信部252が通信部212を介して携帯型ゲーム機100に仮想メモリカードの参照要求を送信する。携帯型ゲーム機100において、要求受付部122が、通信部110を介して仮想メモリカード記憶部190の参照要求を受け付けると、記憶制御部160は、仮想メモリカード記憶部190の記憶部170におけるディレクトリ構造およびセーブデータファイル名を示すファイル情報を生成する。このファイル情報は、ファイル情報送信部152に供給され、ファイル情報送信部152は、通信部110から据置型ゲーム機200にファイル情報を送信する。
【0077】
据置型ゲーム機200において、ファイル情報取得部222が、通信部212を介してファイル情報を取得し、書込制御部237に供給する。仮想メモリカード記憶部190のディレクトリ構造には、既述したようにタイトルIDが含まれているため、書込制御部237は、複製するセーブデータのタイトルIDと同一のタイトルIDを含むディレクトリ構造を探索する。これにより書込制御部237は、複製するセーブデータを書き込む仮想メモリカード192を特定することができる。書込制御部237がセーブデータの保存先を自律的に特定することで、セーブデータを容易に共用できるゲームシステム1を実現できる。
【0078】
1つのゲームタイトルに対して複数の仮想メモリカード192が存在している場合、書込制御部237は、それらの中のいずれか1つを、セーブデータの保存先として決定する。たとえば、空容量が最も多い仮想メモリカード192を保存先として決定してもよい。また、ある仮想メモリカード192に同一名のセーブデータが存在している場合には、そのセーブデータを上書きするように、その仮想メモリカード192を決定してもよい。
【0079】
以上は、1つのセーブデータを携帯型ゲーム機100に複製する場合について説明したが、書込制御部237は、複数のセーブデータのそれぞれの保存先を決定することも可能である。ユーザが、仮想メモリカード記憶部290に含まれる複数のセーブデータを複製対象として選択したとき、書込制御部237は、それぞれのゲームタイトルIDと、仮想メモリカード記憶部190のファイル情報とから、それぞれのセーブデータを格納させる記憶領域を特定して、特定した記憶領域にそれぞれのセーブデータを格納させることができる。このように、書込制御部237に保存先の決定機能をもたせることで、複数のセーブデータの保存先を自律的に決定することができ、ユーザが1つのセーブデータを選択して保存先を決定する場合と比較すると、セーブデータの複製に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0080】
なお、セーブデータのタイトルIDを、ディレクトリ構造に含む仮想メモリカード192が存在しない状況も発生しうる。そのような場合、書込制御部237は、セーブデータの保存先となる記憶領域を特定することができない。したがって書込制御部237は、タイトルIDをディレクトリ構造に含む仮想メモリカード192を、記憶制御部160により記憶部170上に作成させる。書込制御部237は、作成した仮想メモリカード192をセーブデータの保存先に決定することで、ユーザにより選択されたセーブデータを適切に記憶部170に格納することができる。
【0081】
なお、既述したように、据置型ゲーム機200から携帯型ゲーム機100にゲームプログラムのイメージファイルをエクスポートするときに、仮想メモリカード192を作成するが、仮想メモリカード192が作成された後、書込制御部237は、そのゲームプログラムのセーブデータが仮想メモリカード292にあるか探索してもよい。書込制御部237は、セーブデータを見つけると、作成された仮想メモリカード192に、そのセーブデータを複製する。これにより、ゲームプログラムのイメージファイルを複製すると同時に、対応するセーブデータの複製も完了することができ、携帯型ゲーム機100のユーザは、すぐにそのゲームを楽しむことができるようになる。
【0082】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例にかかるゲームシステムの構成を示す図である。
【図2】据置型ゲーム機の構成を示す図である。
【図3】携帯型ゲーム機の構成を示す図である。
【図4】一覧表示される仮想メモリカードのアイコンを示す画面例を示す図である。
【図5】イメージファイルの変換処理を問い合わせる画面例を示す図である。
【図6】仮想メモリカードに含まれていた3つのセーブデータが表示された画面例を示す図である。
【図7】複製を希望するセーブデータを選択したときに表示される画面例を示す図である。
【図8】同一名のセーブデータが仮想メモリに存在していたときに表示される画面例を示す図である。
【図9】セーブデータの複製中に表示される画面例を示す図である。
【図10】自動的に実行される複製処理において表示される画面例を示す図である。
【図11】自動的に実行される複製処理において、同一名のセーブデータが発見されたときに表示される画面例を示す図である。
【図12】仮想メモリに格納されているセーブデータが表示された画面例を示す図である。
【図13】複製を希望するセーブデータを選択したときに表示される画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1・・・ゲームシステム、10・・・USBケーブル、20・・・ルータ、30・・・ネットワーク、40・・・イメージファイル提供サーバ、100・・・携帯型ゲーム機、110・・・通信部、120・・・受信部、130・・・処理部、150・・・送信部、160・・・記憶制御部、170・・・記憶部、200・・・据置型ゲーム機、202・・・出力装置、204・・・ゲームコントローラ、210・・・操作入力受付部、212・・・通信部、220・・・受信部、230・・・処理部、250・・・送信部、260・・・記憶制御部、270・・・記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製するゲームシステムであって、
前記第2ゲーム機は、前記第1ゲーム機から送信されるセーブデータを、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される記憶領域に格納することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記第2ゲーム機において当該記憶領域が存在しない場合、前記第1ゲーム機または前記第2ゲーム機が、その記憶領域を生成することを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記第1ゲーム機または前記第2ゲーム機は、前記識別情報により特定されるディレクトリを生成して、そのディレクトリにセーブデータを格納することを特徴とする請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
複数種類のセーブデータをまとめて複製するとき、前記第1ゲーム機または前記第2ゲーム機は、それぞれのセーブデータを格納する記憶領域を特定して、特定した記憶領域にそれぞれのセーブデータを格納することを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
保持するゲームのセーブデータを別の端末装置に複製するゲーム機であって、
ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される別の端末装置の記憶装置の記憶領域に、セーブデータを格納させることを特徴とするゲーム機。
【請求項6】
別の端末装置の記憶装置において、前記識別情報により特定されるディレクトリを生成して、そのディレクトリにセーブデータを格納させることを特徴とする請求項5に記載のゲーム機。
【請求項7】
複数種類のセーブデータをまとめて複製するとき、それぞれのセーブデータを格納させる記憶領域を特定して、特定した記憶領域にそれぞれのセーブデータを格納させることを特徴とする請求項6に記載のゲーム機。
【請求項8】
第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製するゲームシステムであって、
前記第2ゲーム機でゲームプログラムを実行する場合に、前記第1ゲーム機においてそのゲームのセーブデータが保持されているか探索し、保持している場合に、そのセーブデータを第2ゲーム機に複製することを特徴とするゲームシステム。
【請求項1】
第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製するゲームシステムであって、
前記第2ゲーム機は、前記第1ゲーム機から送信されるセーブデータを、ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される記憶領域に格納することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記第2ゲーム機において当該記憶領域が存在しない場合、前記第1ゲーム機または前記第2ゲーム機が、その記憶領域を生成することを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記第1ゲーム機または前記第2ゲーム機は、前記識別情報により特定されるディレクトリを生成して、そのディレクトリにセーブデータを格納することを特徴とする請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
複数種類のセーブデータをまとめて複製するとき、前記第1ゲーム機または前記第2ゲーム機は、それぞれのセーブデータを格納する記憶領域を特定して、特定した記憶領域にそれぞれのセーブデータを格納することを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
保持するゲームのセーブデータを別の端末装置に複製するゲーム機であって、
ゲームを一意に特定する識別情報にしたがって特定される別の端末装置の記憶装置の記憶領域に、セーブデータを格納させることを特徴とするゲーム機。
【請求項6】
別の端末装置の記憶装置において、前記識別情報により特定されるディレクトリを生成して、そのディレクトリにセーブデータを格納させることを特徴とする請求項5に記載のゲーム機。
【請求項7】
複数種類のセーブデータをまとめて複製するとき、それぞれのセーブデータを格納させる記憶領域を特定して、特定した記憶領域にそれぞれのセーブデータを格納させることを特徴とする請求項6に記載のゲーム機。
【請求項8】
第1ゲーム機で保持するゲームのセーブデータを第2ゲーム機に複製するゲームシステムであって、
前記第2ゲーム機でゲームプログラムを実行する場合に、前記第1ゲーム機においてそのゲームのセーブデータが保持されているか探索し、保持している場合に、そのセーブデータを第2ゲーム機に複製することを特徴とするゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−264136(P2008−264136A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109899(P2007−109899)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]