説明

ゲームシステム及びこれを構成するジャックポット抽選装置

【課題】ジャックポット抽選に参加するゲーム装置を複数のグループに分け、各グループで互いに独立したジャックポット抽選を行う場合に生じ得るプレイヤーの不公平感を軽減する。
【解決手段】ジャックポット抽選装置は、所定のグルーピング条件に従って4以上のゲーム装置の各々を、複数のグループの少なくとも1つに関連づけるグルーピング処理を行い、複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置の中からジャックポット賞に当選する当選ゲーム装置を決定するためのグループ別ジャックポット抽選処理を行う。この抽選処理では、ジャックポット当選時に払い出されるグループ別累積メダル枚数を増加させた枚数が多いゲーム装置ほど当選頻度が高くなる。所定のグループ変更条件が満たされるたびに上記グルーピング処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のゲーム装置を抽選対象としたジャックポット抽選を実行するジャックポット抽選装置を備えたゲームシステム、及び、これを構成するジャックポット抽選装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のジャックポット抽選装置としては、例えば、ゲームセンタ等に設置される複数のメダルゲーム機(ゲーム装置)から構成されるゲームシステムに利用されるものが知られている(例えば特許文献1)。一般に、メダルゲーム機は、プレイヤーからメダル(ベット対象)を受け取ることを条件にゲーム進行を制御し、そのゲーム結果に応じて所定枚数のメダル(払出対象)をプレイヤーに払い出す。ジャックポット抽選装置を利用したメダルゲーム機の一例について説明すると、プレイヤーから受け取ったメダル(ベット対象)の枚数の一部に相当する枚数を累積して加算し、これを払出量データとしてジャックポット抽選装置の払出量記憶手段に保持する。そして、いずれかのゲーム装置が所定の抽選開始条件が満たすたびにジャックポット抽選装置で抽選を行い、そのゲーム装置あるいはそのゲーム装置でプレイするプレイヤーがジャックポット賞に当選するか又は当選しない(ハズレ)かを決定する。この抽選でジャックポット賞に当選すると、当該所定の抽選開始条件を満たしたゲーム装置のプレイヤーへ上記払出量データの少なくとも一部の量に相当する枚数のメダルを払い出すとともに、当該払出量データを初期値に戻す。
【0003】
ここで、ジャックポット抽選装置は、一般に、独立してゲームを進行するゲーム進行制御手段をそれぞれ備えた複数のゲーム装置から構成されるゲームシステムで利用されることが多い。これは次の理由による。すなわち、個々のゲーム装置が一度にプレイヤーに払い出すことが可能なメダル枚数は、個々のゲーム装置によってある程度制限されることになる。よって、単体のゲーム装置にジャックポット抽選装置を利用する場合、そのジャックポット賞に当選したときのメダル払出枚数の上限は、そのゲーム装置に設定されている最大払出量によって制限される。これに対し、複数のゲーム装置からなるゲームシステムにジャックポット抽選装置を利用した場合、そのジャックポット賞に当選したときのメダル払出枚数の上限は、複数のゲーム装置の最大払出量の総和で決めることができる。この場合、単体のゲーム装置にジャックポット抽選装置を利用する場合に比べて、ジャックポット賞に当選したときのメダル払出枚数を増やすことが可能となる。その結果、ジャックポット賞に当選することで大量のメダルが一度に払い出されるという期待をプレイヤーに抱かせることができ、プレイヤーの興味を引きつけることができる。このような利点があるため、ジャックポット抽選装置は、単体のゲーム装置ではなく、複数のゲーム装置から構成されるゲームシステムで利用されることが多い。
特に、近年では、複数の店舗(ゲーム施設)に設置されているゲーム装置で構成されたゲームシステムも知られており、このようなゲームシステムにもジャックポット抽選装置を利用することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなゲームシステムにおいては、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置の数が多いほど、ジャックポット賞に当選したときに払い出されるメダルの量をより多くすることが可能となるので、メダルの大量獲得に対するプレイヤーの期待感が高まるように思われる。
しかし、ジャックポット賞に当選したときに払い出されるメダルの量が多くなりすぎると、ジャックポット賞に当選したときのメダル払い出しを経済的に負担する者が当選ゲーム装置の店舗運営者である場合、その店舗運営者に対して一時的に過大な経済的負担を強いることになる。これにより、各店舗の安定した店舗運営が困難となる結果、ジャックポット抽選システム自体の運営が困難となるという不具合が生じ得る。
また、ジャックポット賞への当選に対するプレイヤーの期待感が減退するのを抑制する目的で、ジャックポット抽選に参加する各ゲーム装置が適度な頻度(店舗単位で言えば例えば1日に1回程度の頻度、ゲーム装置単位で言えば例えば1〜2ヶ月に1回程度の頻度)でジャックポット賞に当選するように、その当選確率を調整する場合がある。この場合、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置の数が多くなりすぎると、ゲームシステム全体におけるジャックポット賞の当選発生頻度が高くなりすぎるという事態を招く。このような事態が生じると、ジャックポット賞の貴重性が失われ、その当選に対してプレイヤーが感じる魅力(当選者が少ない賞に自分が当選することに対する魅力)が低下してしまい、ジャックポット賞への当選に対するプレイヤーの期待感が薄まってしまうおそれがあるという不具合も生じ得る。
【0005】
このような不具合を解消する方法としては、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置を複数のグループに分け、各グループで互いに独立したジャックポット抽選を行う方法が考えられる。この方法では、各グループに属するゲーム装置の数が規定数以下となるようにグループ分けすることで、グループごとに実行されるジャックポット抽選に参加するゲーム装置の数が多くなりすぎないように調整することができる。
【0006】
ところが、このようにグループ分けをする場合であっても、次のような問題が生じ得る。
ジャックポット抽選においては、通常、ジャックポット賞の払出量データが示す量(以下「ジャックポット貯留枚数」という。)を増加させた量(以下「プール量」という。)が多いゲーム装置ほど、そのジャックポット賞の当選頻度が高くなるように設定される。具体的に説明すると、ジャックポット抽選の方式としては、1回のジャックポット抽選ですべてのゲーム装置を抽選対象とし、各ゲーム装置に割り当てられた当選確率に従っていずれのゲーム装置が当選するか又はいずれのゲーム装置も当選しないハズレかを決定する方式と、1回のジャックポット抽選では1つのゲーム装置を抽選対象とし、所定の当選確率に従ってそのゲーム装置が当選か又はハズレかを決定する方式とがある。前者の方式では、通常、各ゲーム装置の当選確率を、プール量が多いゲーム装置ほど高くなるように設定するので、プール量が多いゲーム装置ほどジャックポット賞の当選頻度が高くなる。また、後者の方式では、通常、プール量が多いゲーム装置ほどジャックポット抽選開始条件を満たす頻度が高くなるように、ジャックポット抽選開始条件を設定する。この場合も、プール量が多いゲーム装置ほどジャックポット賞の当選頻度が高くなる。
【0007】
このような設定の下では、同じグループ内に極端にプール量が多いゲーム装置が存在すると、そのゲーム装置におけるジャックポット賞への当選頻度が他のゲーム装置よりも極端に高くなる。そのため、当該他のゲーム装置でプレイするプレイヤーが、プール量の多いゲーム装置ばかりジャックポット賞に当選している状況を感じて、不公平感を募らせるおそれがある。
逆に、同じグループ内に極端にプール量が多いゲーム装置が存在すると、そのゲーム装置のプール量によってジャックポット貯留枚数の上昇率が大幅に高まる。そのため、他のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中には、自分がジャックポット賞に当選したときに獲得できるメダル量を増してくれるプール量の多いゲーム装置が同じグループ内に存在することを歓迎する者もいる。したがって、プール量の多いゲーム装置が、自分のプレイするゲーム装置の属するグループ内には存在しないのに、他のグループには存在する場合には、そのことを不公平に感じるプレイヤーもいる。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置を複数のグループに分け、各グループで互いに独立したジャックポット抽選を行う場合に生じ得るプレイヤーの不公平感を軽減することができるゲームシステム、及び、これを構成するジャックポット抽選装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段を備えた4つ以上のゲーム装置と、少なくとも2つのゲーム装置がそれぞれ属する複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置を抽選対象としたグループ別ジャックポット抽選を実行するジャックポット抽選装置とを備えたゲームシステムであって、上記ジャックポット抽選装置は、所定のグルーピング条件に従って、上記4以上のゲーム装置の各々を、上記複数のグループの少なくとも1つに関連づけるグルーピング処理を行うグルーピング処理手段と、上記複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置の中からジャックポット賞に当選する当選ゲーム装置を決定するためのグループ別ジャックポット抽選処理を行う抽選手段と、該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したときに該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すべき払出対象の量を含んだ量を示す払出量データを、上記複数のグループごとに記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したとき、該当選ゲーム装置が属するグループに対応した払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、各ゲーム装置で所定の払出量増加条件が満たされるたびに、そのゲーム装置が属するグループに対応した払出量データが示す量を累積的に増加させる払出量増加手段とを有しており、上記抽選手段は、上記払出量増加手段が所定期間内に上記払出量データが示す量を増加させた量が多いゲーム装置ほどジャックポット賞の当選頻度が高くなるように、上記グループ別ジャックポット抽選を実行するものであり、上記グルーピング処理手段は、所定のグループ変更条件が満たされたとき、上記4以上のゲーム装置の少なくとも1つのゲーム装置に関連づけられるグループが変更されるように、上記グルーピング処理を行うことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、ジャックポット抽選に参加する4以上のゲーム装置を複数のグループに分け、各グループで互いに独立したジャックポット抽選を行う。そして、本ゲームシステムによれば、所定のグループ変更条件が満たされたとき、ジャックポット抽選に参加する4以上のゲーム装置の少なくとも1つのゲーム装置に関連づけられるグループが変更される。したがって、所定のグループ変更条件が満たされることで、極端にプール量が多いゲーム装置が存在していたグループからそのゲーム装置が抜けることがある。よって、極端にプール量が多いゲーム装置ばかりジャックポット賞に当選していることを不公平に感じていたプレイヤーにおいてその不公平感を取り除くことができる。一方で、この場合、極端にプール量が多いゲーム装置は別のグループに属することとなり、そのグループにおいては新たに不公平感を抱くプレイヤーが現れるかもしれない。しかし、その後に再び所定のグループ変更条件が満たされることで、極端にプール量が多いゲーム装置は再び別のグループへ移動することがある。極端にプール量が多いゲーム装置が常に同じグループに属する場合には、プレイヤーの不公平感をずっと解消することができないが、本ゲームシステムのように極端にプール量が多いゲーム装置が別のグループへ移動し得る構成を採用することで、不公平感をずっと抱き続けるプレイヤーが居なくなり、ゲームシステム全体としては、プレイヤーの不公平感を軽減することができる。
また、極端にプール量が多いゲーム装置が、自分のプレイするゲーム装置の属するグループ内には存在しないのに他のグループには存在することを不公平に感じているプレイヤーの不公平感についても、同様に軽減することができる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1のゲームシステムにおいて、上記抽選手段が当選ゲーム装置を決定した場合、該当選ゲーム装置と同じグループに属する該当選ゲーム装置を含めた複数のゲーム装置に対し、該複数のゲーム装置のいずれかがジャックポット賞に当選した旨の当選予告演出を行う当選予告演出手段と、上記当選予告演出が行われた後に、該ジャックポット賞の当選結果を報知する当選結果報知手段とを有することを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、ジャックポット賞の当選ゲーム装置が決定した場合、実際には当選していないハズレのゲーム装置に対しても当選予告演出を行うので、当選ゲーム装置のプレイヤーだけでなくハズレのゲーム装置のプレイヤーに対しても、自分がジャックポット賞に当選したかもしれないという期待感を与える。
ここで、上述したようにジャックポット抽選に参加する各ゲーム装置が適度な頻度でジャックポット賞に当選するように当選頻度を調整する場合、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置が多すぎると、当選予告演出が行われる頻度が非常に高くなってしまう。当選予告演出は、上述のとおりハズレのゲーム装置のプレイヤーに対しても行われるため、そのようなハズレのプレイヤーに対し、頻繁に行われる当選予告演出が煩わしいと感じさせてしまう。
本ゲームシステムにおいては、上述したグルーピング処理により、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置の数が多くなりすぎないように調整することができる。よって、当選予告演出を受けるハズレのプレイヤーが感じる当選予告演出の煩わしさを軽減することができる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のゲームシステムにおいて、各ゲーム装置のプレイヤーに対し、そのゲーム装置と同じグループに属する他のゲーム装置を特定するための情報を報知する特定情報報知手段を有することを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいて、プレイヤーは、自分のプレイするゲーム装置と同じグループに属する他のゲーム装置を特定するための情報、具体的には、例えば、ゲーム装置の機種名、ゲーム装置の設置場所(地域名や店舗名)などの情報の報知を受けることができる。したがって、プレイヤーは、自分のプレイするゲーム装置と同じグループに属するゲーム装置が変更されると、その変更後のゲーム装置がどのようなゲーム装置なのかを知ることができる。その結果、常に同じゲーム装置とともにジャックポット抽選を行う場合のマンネリ化を防ぐことができる。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記ジャックポット抽選装置は、所定の中断条件を満たしたとき、上記グループ別ジャックポット抽選を中断する処理中断手段を有し、上記所定のグループ変更条件は、該所定の中断条件を満たすことであることを特徴とするものである。
ジャックポット抽選装置がジャックポット抽選を継続している最中にグループに属するゲーム装置がいきなり変更されると、プレイヤーに違和感を与える等の不具合が生じ得る。そこで、本ゲームシステムにおいては、メンテナンス等によりジャックポット抽選が中断される時期を利用し、その中断の前後でグループに属するゲーム装置が変更されるようにしている。これにより、変更前後にメンテナンス期間等の中断期間が介在することになるので、プレイヤーに違和感を与える等の不具合を軽減できる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記所定のグルーピング条件は、一のグループに属するゲーム装置の数が規定数を越えないという条件を含むことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、一のグループに属するゲーム装置の数が規定数を越えないので、その規定数を適切に設定することで、プレイヤーの不公平感を効果的に軽減することができる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記所定のグルーピング条件は、一のグループに属するゲーム装置の数が予め決められた最低数を下回らないという条件を含むことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、一のグループに属するゲーム装置の数が予め決められた最低数を下回らないので、最低数を適切に設定することで、グループ別ジャックポット抽選に参加するゲーム装置の数が少なすぎてメダルの大量獲得に対するプレイヤーの期待感が減退するような事態を避けることができる。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記グルーピング処理では、上記4以上のゲーム装置の各々を上記複数のグループの少なくとも1つにランダムに関連づけることを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、同じグループに属するゲーム装置にランダム性をもたせることで、同一グループに属するゲーム装置の組み合わせについて多様性を持たせることができる。
【0016】
また、請求項8の発明は、少なくとも2つのゲーム装置がそれぞれ属する複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置を抽選対象としたグループ別ジャックポット抽選を実行するジャックポット抽選装置であって、所定のグルーピング条件に従って、4以上のゲーム装置の各々を、上記複数のグループの少なくとも1つに関連づけるグルーピング処理を行うグルーピング処理手段と、上記複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置の中からジャックポット賞に当選する当選ゲーム装置を決定するためのグループ別ジャックポット抽選処理を行う抽選手段と、該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したときに該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すべき払出対象の量を含んだ量を示す払出量データを、上記複数のグループごとに記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したとき、該当選ゲーム装置が属するグループに対応した払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、各ゲーム装置で所定の払出量増加条件が満たされるたびに、そのゲーム装置が属するグループに対応した払出量データが示す量を累積的に増加させる払出量増加手段とを有しており、上記抽選手段は、上記払出量増加手段が所定期間内に上記払出量データが示す量を増加させた量が多いゲーム装置ほどジャックポット賞の当選確率が高くなるように、上記グループ別ジャックポット抽選を実行するものであり、上記グルーピング処理手段は、所定のグループ変更条件が満たされたとき、上記4以上のゲーム装置の少なくとも1つのゲーム装置に関連づけられるグループが変更されるように、上記グルーピング処理を行うことを特徴とするものである。
このジャックポット抽選装置においては、ゲームシステム全体としてプレイヤーの不公平感を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ジャックポット抽選に参加するゲーム装置を複数のグループに分け、各グループで互いに独立したジャックポット抽選を行う場合に生じ得るプレイヤーの不公平感を軽減することができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係るゲームシステム全体の概略構成図である。
【図2】同ゲームシステムを構成する競馬ゲーム機の一例を示す外観図である。
【図3】同競馬ゲーム機の全体動作を統合的に制御するためのメイン制御部を示す制御ブロック図である。
【図4】同競馬ゲーム機のステーションごとに設けられたステーション制御部を示す制御ブロック図である。
【図5】同ゲームシステムを構成するプッシャーゲーム機におけるステーション部の構成を説明するための説明図である。
【図6】同プッシャーゲーム機のゲーム制御系の主要構成を示すブロック図である。
【図7】同プッシャーゲーム機の表示部に表示されるスロット用ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図8】同プッシャーゲーム機の表示部に表示されるビンゴ用ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図9】同ゲームシステムを構成するスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図10】同スロットマシンの前面パネルの一部を示す詳細正面図である。
【図11】同スロットマシンの主要構成に関わる制御ブロック図である。
【図12】管理サーバの制御ブロック図である。
【図13】店舗サーバの制御ブロック図である。
【図14】グループ別ジャックポット抽選の流れを示すシーケンスフロー図である。
【図15】同ゲームシステムにおける店舗サーバに接続された大型ディスプレイに表示される店舗抽選用スロット画面の例を示す説明図である。
【図16】停止表示した状態における同店舗抽選用スロット画面の例を示す説明図である。
【図17】グループ別ジャックポット演出時期の決定処理を説明するためのシーケンスフロー図である。
【図18】抽選対象となる各ステーション等の表示手段に表示されるジャックポット開始画面の例を示す説明図である。
【図19】抽選対象となる各ステーション等の表示手段に表示されるスロット画面の例を示す説明図である。
【図20】実施形態におけるグルーピング処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態として、ゲーム内容が互いに異なるアーケードゲーム機(業務用ゲーム機)である3種類のメダルゲーム機と、これらと通信可能に接続されたジャックポット抽選装置としての店舗サーバ及び管理サーバとから構成されるゲームシステムの説明をする。
【0020】
〔システム概略〕
まず、本実施形態に係るゲームシステム全体の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るゲームシステム全体の概略構成図である。
このゲームシステムを構成する3種類のメダルゲーム機1000,2000,3000は、ハードウェアが互いに異なる異機種のゲーム機である。これらのメダルゲーム機1000,2000,3000は、本実施形態では同じゲームセンタ等のゲーム施設に設置されており、その店舗の店舗サーバ5000に高速通信ネットワークとしてのLAN(Local Area Network)を介して接続されている。管理サーバ4000は、各店舗の店舗サーバと低速通信ネットワークとしてのWAN(Wide Area Network)を介して接続されている。管理サーバ4000は、各メダルゲーム機1000,2000,3000とデータ通信を行って店舗全体のシステム管理を行う店舗サーバとデータ通信を行って、ゲームシステム全体の管理を行う。なお、本実施形態では、複数店舗に跨ったゲームシステムについて説明するが、単一店舗内のゲームシステムであっても同様である。
【0021】
次に、各メダルゲーム機1000,2000,3000の構成及び動作について、それぞれ説明する。
【0022】
〔競馬ゲーム機1000〕
メダルゲーム機1000は、競馬ゲーム機である。
この競馬ゲーム機1000では、1又は2以上のプレイヤーが本競馬ゲーム機で行われる競馬レースの着順を予想し、予想が当たった場合には、その着順のオッズに応じたメダルの払い出しを受けることができる。
図2は、競馬ゲーム機1000の一例を示す外観図である。
この競馬ゲーム機1000は、中央部分に設けられたフィールド部1002と、このフィールド部1002を取り囲むように設けられたゲーム装置としての複数のステーション1010とを備えている。フィールド部1002には、模型である出馬ゲート1003が載置された競馬場の馬場を模した移動面であるフィールド面1004が設けられ、このフィールド面1004内で複数の図示しない模型馬が移動することでレースが展開される。また、このフィールド部1002の周囲には、レースの実況や歓声等を流す複数のスピーカー1005が配置されている。また、フィールド部1002の上方には、後述するグループ別ジャックポット抽選での払出枚数を示すグループ別累積メダル枚数等を表示するための表示部1006、フィールド部1002を照明する照明装置1007、フィールド部1002を撮像する撮像手段としてのカメラ1009が配置されている。これらの表示部1006、照明装置1007及びカメラ1009は、支持柱1008により支持されている。スピーカー1005及び照明装置1007は、本競馬ゲーム機1000の演出手段として機能する。
【0023】
ステーション1010には、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示するディスプレイ1011と、このディスプレイ1011の表示面に重ね合わされたタッチパネル1012とが設けられている。プレイヤーがゲーム画面の指示に従いディスプレイ1011に表示されたゲーム画面の所定位置に触ると、タッチパネル1012によりその位置が検出され、競馬ゲーム機1000でプレイヤーの操作内容が認識される。また、ステーション1010には、プレイヤーによりメダルが投入されるメダル投入部1013、プレイヤーに対してメダルが払い出されるメダル払出口1014およびゲームを再開する際に必要なデータを記録する磁気カードを挿入するための磁気カード差込口1015が設けられている。
【0024】
競馬ゲーム機1000においては、所定のサイクルに従って実際の中央競馬と同一名称のレースが順次開催される。1年分のレースとして約60のレースが用意されており、レースごとに、メダルをベットするための時間すなわち馬券を購入するための時間、模型馬によりレースが行われる時間、レース結果を表示するための時間が確保される。プレイヤーは、レースごとに着順を予想し、自由に馬券を購入することができる。この馬券の購入は、メダルをベットすることにより行い、購入した馬券がレースの結果と一致していれば、メダルのベット数とオッズに応じた枚数のメダルが配当として払い出される。
【0025】
本実施形態における競馬ゲーム機1000では、フィールド部1002はフィールド面1004を形成し、そのフィールド面1004には、実際の馬場を模した人工芝、出馬ゲート1003等の模型が設けられており、そのフィールド面1004上を移動体である模型馬が移動する。
【0026】
図3は、競馬ゲーム機1000の全体動作を統合的に制御するためのメイン制御部を示す制御ブロック図である。
図4は、ステーション1010ごとに設けられたステーション制御部を示す制御ブロック図である。
【0027】
図3に示すように、フィールド部側に配置されるメイン制御部1100は、メイン制御装置1101と、フィールド部1002における模型馬の移動を制御するための移動制御装置1102と、照明装置1007を制御する照明制御装置1103と、スピーカー1005で流す歓声や実況等を制御する音響制御装置1104と、メイン制御装置1101の処理するデータを一時的に記録するためのSRAM1105およびフラッシュメモリ1106と、ゲームに必要なプログラムおよび各種データベースが格納されたROM1107と、LANを介して店舗サーバ5000等の外部装置とデータ通信を行うための外部通信装置1108とを備える。メイン制御装置1101は、移動制御装置1102、照明制御装置1103、音響制御装置1104、SRAM1105、フラッシュメモリ1106、ROM1107、外部通信装置1108、カメラ1009に、それぞれ接続されている。ROM1107には、各模型馬の移動制御情報である移動制御プログラム、レースで使用する各馬に関する各種データやレースの日程等のデータベースが格納されている。
【0028】
図4に示すように、各ステーション1010に設けられているステーション制御部1200は、ステーション制御装置1201と、メダルの払い出し等を管理するメダル管理装置1202と、プレイヤーの各種データを一時的に記録するRAM1203と、磁気カード差込口1015に差し込まれた磁気カードのプレイヤー識別情報であるIDコード等の磁気情報を読み取る識別情報読出手段としての磁気情報読取装置1204と、磁気カードに各種情報を書き込むための磁気情報書込装置1205とを備える。ステーション制御装置1201は、メダル管理装置1202、RAM1203、磁気情報読取装置1204、磁気情報書込装置1205に、それぞれ接続されている。磁気情報読取装置1204から読み出した各種情報は、個別情報記憶手段として機能するRAM1203に記憶される。また、メダル投入部1013に投入されたメダル枚数に応じたクレジットデータもRAM1203に記憶される。プレイヤーとのメダルのやりとりは、クレジットデータを増減させることで行われる。また、このステーション制御装置1201は、ステーション1010に設けられた図2に示すディスプレイ1011及びタッチパネル1012、メダル投入部1013を介して投入されたメダルを検出する図示しないメダル投入センサや、磁気カード差込口1015に差し込まれた磁気カードを駆動するための図示しない磁気カード駆動装置等の各部にも、それぞれ接続されている。
【0029】
また、図3及び図4に示すように、各ステーション1010のステーション制御装置1201は、ゲーム機本体側のメイン制御装置1101に接続されており、これらの間で必要なデータ通信が可能となっている。
【0030】
メイン制御部1100のメイン制御装置1101は、レースを開催するとき、実際の競馬レースをリアルに再現するため、各馬のパラメータなどの各種データに応じて、レースごとに、各模型馬の移動制御内容が変更される。そして、その移動制御内容はレース開始前には決定され、その移動制御内容に従って模型馬を移動制御する。具体的には、メイン制御部1100のメイン制御装置1101は、レース開始前に、そのレースに出走する馬の各種パラメータ、馬場の状態などのデータをROM1107から読み出し、そのレースの着順を決定する。尚、プレイヤーへのメダルの払い出しに関わる着順は、1着と2着だけなので、出走する馬のすべての着順を決定する必要はなく、少なくとも1着と2着の馬だけを決定すればよい。この場合、他の馬は、各種パラメータに従って1着と2着にならないように移動制御する。メイン制御装置1101で決定された着順データ、各馬のパラメータ等は、移動制御装置1102に送られる。
【0031】
メイン制御装置1101からのデータを受け取った移動制御装置1102は、図示しないROMに記録されている移動制御プログラムを実行し、各馬ごとに移動制御を行う。移動制御プログラムを実行する移動制御装置1102は、各馬のパラメータ等から各馬の移動パターンを算出し、その移動パターンに従って各模型馬1060が移動するように、各制御チップ1022に制御命令を送信する。具体的には、各馬の移動パターンに従って各模型馬1060が移動するような磁界を発生させるために、各磁界発生用基板の制御チップそれぞれに制御命令を送信する。制御命令を受けた各制御チップ1022は、各模型馬1060の移動予定経路に沿って各模型馬1060の永久磁石のS極を引っ張る磁力を順次発生させるように各コイルに流す電流を制御する。これにより、各模型馬1060を移動予定経路に沿って移動させることができる。その結果、移動制御装置1102により移動制御された各模型馬1060が、プレイフィールドでレースを展開する。
【0032】
〔プッシャーゲーム機2000〕
次に、メダルゲーム機2000について説明する。
メダルゲーム機2000は、プッシャーゲーム機である。
図5は、本プッシャーゲーム機2000におけるステーション部STの構成を説明するための説明図である。
本プッシャーゲーム機2000は、図示しないセンター抽選装置を囲うように4つのサテライト部SAが設けられている。各サテライト部SAは、それぞれゲーム装置としての4つのステーション部STを備えており、各プレイヤーは各ステーション部STでそれぞれゲームをプレイすることになる。また、各サテライト部SAは、サテライト抽選装置2001をそれぞれ1つずつ備えており、そのサテライト抽選装置2001の周りに各ステーション部STが並んで配置されている。
【0033】
ステーション部STは、主に、メダル投入機構(投入部)2100と、プレイフィールド2500と、図示しないステーション制御部と、表示部2700とを有する。ステーション部STにおいて、上部手前側にはメダル投入機構2100が配置され、上部奥側には表示手段としての表示部2700が配置され、上部中央にはプレイフィールド2500が配置される。ここで、「手前側」とはプレイヤーがゲームする際に位置する側を意味し、「奥側」とはプレイヤーがゲームする際に位置する側と反対側を意味し、「中央」とは上述した「手前側」と「奥側」との間の領域を意味する。
【0034】
メダル投入機構2100は、プレイヤーがゲームする際にメダルMをプッシャーゲーム機2000へ投入するための機構である。メダル投入機構2100へ投入されたメダルMは、ステーション部STの筐体内部における図示しないメダル搬送経路を介してリフトアップホッパまで搬送され、リフトアップホッパにおいて一時的に貯留される。リフトアップホッパは、メダルMを蓄積するためのメダル貯留部と、メダルMを所定の高さまでリフトアップするためのリフトアップ部と、リフトアップされたメダルMを所定のタイミングで排出するためのメダル排出部(排出部)とを有する。また、メダル排出部の排出口には、排出されたメダルMをプレイフィールド2500まで導くためのメダル排出経路2400が左右に揺動可能に設けられている。リフトアップ部の上端は、プレイフィールド2500よりも上に配置される。これに伴い、リフトアップ部の上端に設けられたメダル排出部もプレイフィールド2500よりも上に配置される。したがって、プレイフィールド2500下に設けられたメダル貯留部に一時蓄積されたメダルMは、リフトアップ部によりプレイフィールド2500よりも上に持ち上げられた後、メダル排出部からメダル排出経路2400を介してプレイフィールド2500へ射出される。
【0035】
プレイフィールド2500内には、主に、メダルMを貯留するメダル載置台としてのメインテーブル2501と、メインテーブル2501上に載置されたメダル押出部材としてのプッシャー部2510とが設けられている。プッシャー部2510は、メダルMを貯留する上面(これをサブテーブルという。)と、サブテーブルから落下したメダルMがスライドする傾斜テーブルと、メインテーブル2501に貯留されたメダルMを押進する押進壁とを有する。また、プッシャー部2510は、プレイフィールド2500におけるメインテーブル2501上にスライド可能に設けられており、一定の周期又は任意の周期で前後にスライド運動する。プッシャー部2510の一部(奥側)は、表示部2700下方に設けられた後述する収納部に収納される。プッシャー部2510は、この収納部から出入するようにスライドすることで、前後に往復運動する。
【0036】
サブテーブルには、表示部2700の枠部材が摺動可能に当接されている。したがって、プッシャー部2510が収納部へ収納される方向へ移動した際、その枠部材によってサブテーブル上のメダルMが押進される。この押進により、サブテーブル上の一部のメダルMが傾斜テーブルへ落下する。サブテーブルから落下したメダルMの一部は、傾斜テーブルに設けられたメダル通過口としての開口部(これを「チャッカー」という。)に進入する。また、残りのメダルMは、そのままメインテーブル2501まで落下し、メインテーブル2501に貯留される。
【0037】
メインテーブル2501上のメダルMは、サブテーブル上のメダルMと同様に、プッシャー部2510のスライド運動により押進される。すなわち、メインテーブル2501上にはプッシャー部2510が隙間無く載置されているため、プッシャー部2510が収納部から搬出する方向へ移動した際、プッシャー部2510の前面の押進壁によってメインテーブル2501上のメダルMが押進される。この押進により、メインテーブル2501上の一部のメダルMが落下する。落下したメダルMのうち、プレイヤー側の端(これを「前端」という。)からメダル落下溝へ落下したメダルMはプレイヤーに払い出され、他のメダルM、例えばメインテーブル2501の両サイド(これを「サイド端」という。)から落下したメダルMはステーション部ST内の所定の貯留部にストックされる。
【0038】
この他、ステーション部STは、図5に示すように、少なくとも一方のサイドにボール投入機構2800を有する。ボール投入機構2800は、後述する異形物としての球状物体であるボールB1,B2をプレイフィールド2500へ投入するための構成であり、ボール投入スロープ2801とボール投入位置抽選機構2810とを有する。なお、ボールB1,B2は、後述するビンゴゲームを実行するための抽選用物体である。
【0039】
ボール投入スロープ2801は、後述するボールキャリア2520から投入されたボールB1,B2をボール投入位置抽選機構2810まで重力により導くための構成である。したがって、下りのスロープである。また、ボール投入位置抽選機構2810は、ボールB1,B2が投入されるプレイフィールド2500上の位置を抽選するための構成である。このように、後述するボールキャリア2520からステーション部STへ投入されたボールB1,B2は、ボール投入スロープ2801及びボール投入位置抽選機構2810を介して、プレイフィールド2500に投入される。
【0040】
また、ステーション部STは、図5に示すように、少なくとも一方のサイドにボール運搬機構2900を有する。ボール運搬機構2900は、プレイフィールド2500におけるメインテーブル2501からその手前側に設けられたメダル落下溝へボールB1,B2が落下したとき、そのボールB1,B2をサテライト抽選装置2001へ運搬するための構成であり、図示しないボール搬送経路と、ボール運搬部2910と、ボール運搬部走行スロープ2901とを有する。ボール搬送経路は、メインテーブル2501の前端下方に設けられ、その前端から落下したボールB1,B2をボール運搬部2910まで導く。ボール運搬部2910は、ボール搬送経路を介して受け取ったボールB1,B2をサテライト抽選装置2001へ運搬するための構成であり、ステーション部STの制御部の制御に従ってボール運搬部走行スロープ2901を走行する。なお、サテライト抽選装置2001へ運搬されたボールB1,B2は、ボールキャリア2520へ受け渡される。
【0041】
また、ステーション部STは、メダル払出機構2030を有し、このメダル払出機構を駆動することで、メインテーブル2501の前端からメダル落下溝へ落下したメダルMと同数のメダルMが、メダル投入機構2100の貯留部2101へ排出される。
【0042】
次に、本プッシャーゲーム機2000の制御系について説明する。
図6は、本プッシャーゲーム機2000のゲーム制御系の主要構成を示すブロック図である。なお、このブロック図は、説明の便宜上、ゲーム進行に応じて各部を駆動させるための駆動制御系等の構成については省略されている。
本プッシャーゲーム機2000におけるゲーム制御系の構成は、主に、ステーション部STの制御部2600と、サテライト抽選装置2001の制御部2610と、センター抽選装置2002の制御部2620とから構成される。ステーション部STの制御部2600は、主に後述のスロットゲーム及びビンゴゲームの全体的な進行制御を担い、サテライト抽選装置2001の制御部2610は、主にビンゴゲームの物理抽選の制御やボールB1,B2の搬送制御を担い、センター抽選装置2002の制御部2620は、主に後述する単体ジャックポット抽選の制御と、本プッシャーゲーム機2000の全体制御を担う。
【0043】
ステーション部STの制御部2600は、主に、制御装置2601と、ROM2602と、RAM2603と、通信装置2604とから構成される。制御装置2601は、ROM2602に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM2602は、ステーション部STの制御部2600で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM2603は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。通信装置2604は、サテライト抽選装置2001の制御部2610との間でデータ通信を行うためのものである。なお、図示していないが、ステーション部STには、各種演出のためのスピーカーや照明装置等の演出手段が設けられており、制御装置2601は、これらの演出手段を制御して、各種演出を行う。
【0044】
サテライト抽選装置2001の制御部2610は、主に、制御装置2611と、ROM2612と、RAM2613と、ステーション側通信装置2614と、センター側通信装置2615とから構成される。制御装置2611は、ROM2612に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM2612は、サテライト抽選装置2001の制御部2610で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM2613は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。ステーション側通信装置2614は、当該サテライト部SAに属する各ステーション部STの制御部2600との間でデータ通信を行うためのものである。センター側通信装置2615は、センター抽選装置2002の制御部2620との間でデータ通信を行うためのものである。なお、図示していないが、サテライト部SAには、各種演出のためのスピーカーや照明装置等の演出手段が設けられており、制御装置2611は、これらの演出手段を制御して、各種演出を行う。
【0045】
センター抽選装置2002の制御部2620は、主に、制御装置2621と、ROM2622と、RAM2623と、通信装置2624と、外部通信装置2625とから構成される。制御装置2621は、ROM2622に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM2622は、センター抽選装置2002の制御部2620で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM2623は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。通信装置2624は、各サテライト部SAの制御部2610との間でデータ通信を行うためのものである。外部通信装置2625は、LANを介して店舗サーバ5000等の外部装置とデータ通信を行うためのものである。なお、図示していないが、センター抽選装置2002には、各種演出のためのスピーカーや照明装置等の演出手段が設けられており、制御装置2621は、これらの演出手段を制御して、各種演出を行う。
【0046】
以上の構成において、本プッシャーゲーム機2000では、プッシャーゲームのほか、図7に示すようなスロット用ゲーム画面を表示部2700に表示してスロットゲームを実行するとともに、図8に示すようなビンゴ用ゲーム画面を表示部2700に表示してビンゴゲームを実行する。本プッシャーゲーム機2000では、センター抽選装置2002を用いた単体ジャックポット抽選も行う。なお、表示部2700には、後述する単体抽選での払出枚数を示す単体累積メダル枚数と、後述するグループ別ジャックポット抽選での払出枚数を示すグループ別累積メダル枚数も表示される。
【0047】
スロットゲームは、主にステーション部STにおける制御部2600がデジタル的に抽選するデジタル抽選ゲームである。このスロットゲームの開始条件は、プッシャー部2510の傾斜テーブルに設けられたチャッカーの何れかにメダルMが進入することである。表示部2700には、後述のビンゴゲームが進行していない期間に、図7に示すようなスロット用ゲーム画面が表示され、チャッカーの何れかにメダルMが進入してスロット抽選開始条件が満たされると、制御部2600は、3つのダイス状スロットDSを回転させる表示制御を行う。スロットゲームにおけるデジタル抽選では、制御部が所定の抽選プログラムを実行し、生成した乱数を所定の当選テーブルに照らしていずれかの役に当選したか又はハズレたかを決定する。その後、制御部2600は、当選役が決定した場合には表示部2700にその当選役に係る図柄の組み合わせが停止表示するように、3つのダイス状スロットDSの回転を停止させる表示制御を行う。
【0048】
本実施形態では、デジタル抽選の役として、プレイフィールド2500へ3枚のメダルを供給する小当たり役A、プレイフィールド2500へ8枚のメダルを供給する小当たり役B、プレイフィールド2500へボールB1を供給するボール供給役、プレイフィールド2500へ30枚のメダルを供給する通常ボーナス役、プレイフィールド2500へ30枚のメダルを供給するとともに以後のデジタル抽選で当選確率が高めに設定された当選テーブルを用いる確変ボーナス役、サテライト抽選装置2001へボールB1を直接供給する直接サテライト役、センター抽選装置2002へボールB1を直接供給する直接センター役などが用意されている。各役の当選確率はこの順に低くなるように設定されている。なお、どのような役を用意し、各役をどのような当選確率に設定するかは任意である。例えば、メダルMをプレイヤーへ直接払い出すなど、種々の利益をプレイヤーへ与えるように構成しても良い。そして、これらの役に当選すると、ステーション部STの制御装置2601は、スピーカーや照明装置等を制御して、当選を盛り上げるための個別演出を行う。
【0049】
ビンゴゲームは、2種類のボールB1,B2とサテライト抽選装置2001とを用いた物理抽選により進行する物理抽選ゲームであり、サテライト抽選装置2001の制御部2610とステーション部STの制御部2600とによって進行する。なお、ビンゴゲームにおいて、サテライト抽選装置2001の制御部2610は主にビンゴゲームの当選ビンゴ数字を決定する抽選を制御し、そのサテライト抽選装置2001を含むサテライト部SAに属する各ステーション部STの制御部2600が主にビンゴゲームの演出やビンゴ成立の判定等の制御を担当する。本実施形態では、サテライト抽選装置2001でボールB1,B2を移動させることにより、互いに異なる複数のビンゴ数字(抽選対象)の中から1つの当選ビンゴ数字(当選対象)を選択するという物理抽選を行う。本実施形態の物理抽選では、「1」〜「9」のビンゴ数字の中から1つの当選ビンゴ数字を選択する。そして、これらの「1」〜「9」のビンゴ数字がマトリクス状に配列されたビンゴカードの配列情報を、例えばステーション部STの制御部2600で各ステーション部STごとに個別に生成する。その後、「1」〜「9」のビンゴ数字の画像(抽選対象画像)がその配列情報に従って配列されたビンゴカード画像BCが図8に示すように各ステーション部STの表示部2700に表示される。そして、ビンゴが成立したりしたときには、ステーション部STの制御装置2601やサテライト部SAの制御装置2611は、それぞれのスピーカーや照明装置等を制御して、ビンゴ成立を盛り上げるための個別演出を行う。
【0050】
単体ジャックポット抽選は、上述したビンゴゲームにおけるサテライト抽選装置2001での物理抽選でセンター抽選装置2002での単体ジャックポット抽選開始の権利が割り当てられた入賞スポットにボールB1,B2が入るか、上述したスロットゲームで直接センター役に当選するかのいずれかの単体ジャックポット抽選の開始条件を満たすと、センター抽選装置2002における制御部2620の制御装置2621は、ROM2622に記憶されている単体ジャックポット実行プログラムを実行し、単体ジャックポット抽選を開始する。そして、センター抽選装置2002において、ボールB1を移動させることにより、単体ジャックポット賞かハズレ(単体ジャックポット賞以外の賞に当選する場合を含む。)かを決定するという物理抽選を行う。そして、単体ジャックポット賞が当選すると、センター抽選装置2002の制御装置2621は、スピーカーや照明装置等を制御して、単体ジャックポット賞の当選を盛り上げるための個別演出を行う。
【0051】
また、単体ジャックポット賞が当選すると、制御装置2621は、RAM2623から払出量データである単体JP貯留枚数データを読み出し、そのデータのカウント値が示す枚数分のメダルMを、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド2500へ供給するための処理を行う。このとき、制御装置2621からステーション部STにおける制御部2600の制御装置2601へメダル供給命令を出力し、制御装置2601の制御の下で通常のメダル供給処理と同様の方法でメダルMをプレイフィールド2500へ供給するようにしてもよい。ただし、単体ジャックポット賞に入賞したときに供給されるメダル枚数は、単体JP貯留枚数データを初期値(例えば500枚)へリセットした時から、すべてのステーション部STへのメダル投入枚数の一部に相当する枚数(例えば0.03枚)を累積的に加算したものであるため、大量である。よって、通常のメダル供給処理とは別に、独自のメダル供給機構を用いた処理としてもよい。この場合、単体ジャックポット賞に入賞したときの演出としても好適である。また、単体ジャックポット賞が当選すると、制御装置2621は、RAM2623に記憶されている単体JP貯留枚数データを初期値にリセットする。
【0052】
〔スロットマシン3000〕
次に、メダルゲーム機3000について説明する。
メダルゲーム機3000は、ゲーム装置としてのスロットマシンである。
図9は、本実施形態に係るスロットマシン3000の外観を示す斜視図である。
このスロットマシン3000は、箱型の筺体3002、この筺体3002の前面側に開閉自在に取り付けられた前面パネル3003などを有する。前面パネル3003には、後述の変動表示ユニットの一部を表示するための表示窓3004、メダル投入口3005、開始操作装置としてのスタートボタン3006、ダイス表示窓3007、クレジット清算ボタン3008、スピーカー3009、メダル払出ロ3010aを有するメダル受皿3010、演出パネル3011、カウント表示部3014、BET操作部3015などが設けられている。スピーカー3009及び演出パネル3011は、本スロットマシン3000の演出手段として機能する。また、演出パネル3011には、後述するグループ別ジャックポット抽選での払出枚数を示すグループ別累積メダル枚数等の各種情報が表示される。
【0053】
筺体3002の内部には、外周面上に複数種の図柄がプリントされた3個の変動表示部としてのリールが組み込まれている。3つのリール(以下、順に「左リール」、「中リール」、「右リール」という。)は、それぞれ、ステッピングモータで構成された図示しないリール駆動モータによって回転駆動するようになっている。また、これらには、「白7」、「青7」、「緑7」、「赤7」、「チェリー」、「ブランク」等の複数種の図柄が所定の順序でプリントされている。なお、本実施形態において、「ブランク」の図柄は、いずれの役も構成しない図柄である。また、CPUやROMその他種々の電子部品によって電子回路が形成されたメイン制御回路基板、メダルを多数枚収容可能なメダルホッパを持つメダル払出装置、内部スピーカーなども組み込まれている。
【0054】
図10は、前面パネル3003の一部を示す詳細正面図である。
各リールの所定の回転位置における約3コマ分の図柄は、表示窓3004を通してプレイヤーに視認されるようになっている。この表示窓3004には、すべてのリールにまたがるように5本の入賞ラインILが描かれている。これらの入賞ラインIL上に予め定められた賞群に対応する役に係る図柄の組み合わせが揃う(以下、単に「役が揃う」という。)と、メダル受皿3010にメダルが払い出されたり、特別ゲームを行うことができる特別ゲーム期間に移行したりというゲーム価値がプレイヤーに付与される。なお、本実施形態にかかるスロットマシン3000では、5本の入賞ラインILを設けているが、入賞ライン数をこれより少なくあるいは多くしてもよい。また、入賞ラインは、プレイヤーにより視認できるものでなく、スロットマシンの停止制御を行う後述のCPU17aが認識できるものであればよい。
カウント表示部3014は、クレジット表示器3014a、ボーナスカウント表示部3014b、メダル払出枚数表示器3014cなどを備えている。
また、BET操作部3015は、1BETボタン3015a、マックスBETボタン3015bの2つのボタンから構成されている。
【0055】
図11は、本スロットマシン3000の主要構成に関わる制御ブロック図である。
本スロットマシン3000のメイン制御部3100は、制御装置3101と、3つのリールの駆動制御を行うリール制御装置3102と、ゲームに必要な各種プログラムおよび各種データベース等が記憶された記憶装置3103と、カウント表示部3014の表示制御を行う表示制御装置3104と、演出パネル3011等の照明を制御する照明制御装置3105と、スピーカー3009から出力する音を制御する音響制御装置3106と、LANを介して店舗サーバ5000等の外部装置とデータ通信を行うための外部通信装置3107とを備える。メイン制御装置1101は、これらの装置のほか、メダル投入センサ3022、BET操作部3015、メダル払出装置3018などにも接続されている。
【0056】
次に、本スロットマシン3000のゲームの流れについて説明する。
ゲームを行う前に、まず、プレイヤーは、その準備として、メダルをメダル投入口3005に投入する必要がある。プレイヤーによってメダルがメダル投入口3005に投入されると、このメダルは図示しない通路を通ってメダルホッパに落ちる。この通路には、規定よりも小さいメダルを落とし込んでメダル払出ロ3010aに戻すための落下口、メダルの通過を阻止してメダル払出ロ3010aに戻したり許可したりするためのメダルブロックソレノイド、通過したメダルを1つずつ検知するためのフォトセンサ等で構成されたメダル投入センサ3022などが設けられている。メダルを検知したメダル投入センサ3022から出力されるメダル検知信号は、メイン制御部3100の制御装置3101に送られる。これを受けて、制御装置3101は、表示制御装置3104により、クレジット表示器3014aに表示カウント値を1つ増加させるための制御を行うとともに、記憶装置3103に格納されたクレジット枚数データを1つ増加させる。通常は、複数枚のメダルを一度に投入して、クレジット枚数をある程度多くしておく。そして、プレイヤーがBET操作部3015を操作してベット操作を行うと、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されたクレジット枚数データをベット枚数分だけ減らすとともに、クレジット表示器3014aの表示カウント値をベット枚数分だけ減らすための制御を行う。また、制御装置3101は、ベット枚数に応じて有効になった入賞ラインILを認識する。なお、有効な入賞ラインIL上に役が揃わないと、有効でない入賞ラインIL上で役が揃っても入賞とはならない。
【0057】
プレイヤーによりスタートボタン3006が操作されると、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されている開始命令受付プログラムを実行することで、開始命令受付手段として機能し、そのスタートボタン3006からの変動表示開始命令を受け付ける。この変動表示開始命令を受け付けた制御装置3101は、まず、リール制御装置3102により、すべてのリールの回転駆動を開始させる。また、変動表示開始命令を受け付けた制御装置3101は、記憶装置3103に格納されている賞群抽選プログラムを実行することで、複数の賞群の中からいずれかの賞群が選択される当選又はいずれの賞群も選択されないハズレを決定する内部抽選を行う手段として機能し、内部抽選を行う。この内部抽選は、乱数発生回路から送られてくる乱数のデータを、記憶装置3103に記憶されている賞群抽選テーブルに照らし合わせて行う。この賞群抽選テーブルは、各乱数と、賞群のいずれか又はハズレとを関連付けたものである。このように関連付けられることで、いずれかの賞群がそれぞれ所定の確率で当選したり、ハズレが所定確率で発生したりする。
【0058】
回転駆動を開始したリールの回転位置は、図示しないリール位置センサによってそれぞれ検知される。そして、リール制御装置3102は、各リール位置センサからの出力信号に基づいて、リールの回転速度を演算していく。リールの回転速度が安定化したら、リール制御装置3102は、各リール位置センサからの出力信号に基づいて、各リール上の各図柄の位置を認識することができる。そして、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されている停止制御プログラムを実行し、上記内部抽選の抽選結果に基づいて、入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示するように、リール制御装置3102によってリールの停止制御を行う。具体的には、内部抽選によりいずれかの賞群が当選した場合、その当選した賞群に対応する役に係る図柄の組み合わせが入賞ラインIL上に停止表示するように停止制御を行う。一方、内部抽選によりいずれの賞群も選択されずにハズレた場合には、いずれの賞群にも対応しない図柄の組み合わせを入賞ラインIL上に停止表示するように停止制御を行う。
【0059】
通常ゲームにおいては、その通常ゲームに対応する賞群抽選テーブルを用いて内部抽選を行う。この通常ゲームの内部抽選で当選し得る賞群には、「チェリー−ANY(図柄を問わない)−ANY(図柄を問わず)」からなるチェリー役に対応するチェリー賞、「ANY7(「7」の色を問わない)−ANY7(「7」の色を問わない)−ANY7(「7」の色を問わない)」であって複数色の「7」からなるANY7役に対応するANY7賞、「白7−白7−白7」とからなる白7役に対応する白7賞、「青7−青7−青7」とからなる青7役に対応する青7賞、「緑7−緑7−緑7」とからなる緑7役に対応する緑7賞、「赤7−赤7−赤7」とからなる赤7役に対応する赤7賞などのメダル払出賞がある。内部抽選によりメダル払出賞のいずれかが当選してこれに対応する役が入賞ラインIL上に揃うと、制御装置3101は、カウント表示部3014のメダル払出枚数表示器3014cに、入賞した賞に対応するメダル払出枚数を表示させる。そして、制御装置3101は、入賞した賞に応じた枚数のメダル払出処理を行う。具体的には、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されたクレジット枚数データをこのメダル払出枚数の分だけ増加させるともに、クレジット表示器3014aのメダルクレジットをこのメダル払出枚数の分だけ増加させる制御を行う。メダルクレジットの上限値を越えた場合には、越えた分については、メダル払出装置3018により、メダル払出ロ3010aからメダル受皿3010へメダルを払い出す。なお、上記賞群の記載順にしたがって払い出されるメダル枚数が多い。
【0060】
〔ジャックポットシステム〕
次に、本ゲームシステムで実行されるグループ別ジャックポット抽選について説明する。
本実施形態におけるゲームシステムにおいては、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000を店舗単位で複数のグループに分け、グループごとに互いに独立したジャックポット抽選(グループ別ジャックポット抽選)を実行する。それぞれのグループで行われるグループ別ジャックポット抽選の処理は、いずれのグループでも同様であるので、以下、一のグループで実行されるジャックポット抽選についてのみ説明し、他のグループについての説明は省略する。
なお、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000を複数グループに分けるグルーピング処理の詳細については後述する。
【0061】
図12は、本グループに属する複数の店舗の各店舗サーバ5000とともにグループ別ジャックポット抽選の進行制御を行う管理サーバ4000の制御ブロック図である。
この管理サーバ4000は、主に、制御装置4001、記憶装置4002、外部通信装置4003から構成されている。記憶装置4002は、各種の制御プログラムを記憶しており、また、本グループにおける払出量データであるグループ別累積メダル枚数データを記憶する。また、記憶装置4002には、本グループに属する店舗ごとの店舗内累積メダル枚数データも記憶している。この店舗内累積メダル枚数データは、店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000で消費されたメダル枚数の一部(グループ別累積メダル枚数データとして集計される枚数と同じ。)を示すものである。外部通信装置4003は、WANを介して各店舗の店舗サーバ5000等の外部装置とデータ通信を行うためのものである。
【0062】
図13は、店舗内のシステムを管理するとともに、管理サーバ4000及び当該店舗の各メダルゲーム機との間でデータ通信を行うための店舗サーバ5000の制御ブロック図である。
この店舗サーバ5000は、主に、制御装置5001、記憶装置5002、外部通信装置5003、店舗内通信装置5004から構成されている。記憶装置5002は、各種の制御プログラムを記憶している。また、記憶装置5002は、当該店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000で消費されたメダルの一部である店舗内累積メダル枚数データを記憶しており、また、管理サーバ4000から送られてくるグループ別累積メダル枚数データも記憶している。外部通信装置5003は、WANを介して管理サーバ4000等の外部装置とデータ通信を行うためのものである。外部通信装置5003は、LANを介して各メダルゲーム機1000,2000,3000等とデータ通信を行うためのものである。
【0063】
図14は、本実施形態におけるグループ別ジャックポット抽選の流れを示すシーケンスフロー図である。なお、図14では、説明上、メダルゲーム機及び店舗サーバについてはそれぞれ1つずつ表示している。
本グループに属する店舗において、各メダルゲーム機1000,2000,3000でプレイヤーがメダルを消費すると、その消費分を示すデータが、そのプレイヤーのプレイするゲーム装置(競馬ゲーム機1000のステーション1010、プッシャーゲーム機2000のステーション部ST、スロットマシン3000)を識別するためのゲーム装置識別情報としてのゲーム機IDとともに、その店舗の店舗サーバ5000に送られる。なお、上記競馬ゲーム機1000のようなプレイヤー識別情報を管理する機能が各ゲーム装置に備わっていれば、ゲーム機IDに代えて、プレイヤー識別情報を用いてもよい。
【0064】
店舗サーバ5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機1000,2000,3000から送られてくるデータに基づき、この店舗サーバ5000に接続された店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000でプレイヤーが消費したメダルの一部(例えば0.01枚)を、店舗内累積メダル枚数データとして記憶装置5002に累積的に記憶する。そして、制御装置5001は、記憶装置5002内の店舗内累積メダル枚数データを所定のタイミング(例えば10分ごと)で管理サーバ4000へ送信する。なお、ここで送信する店舗内累積メダル枚数データは、前回の送信時点から今回の送信時点までの間に累積的に記憶された分である。
【0065】
管理サーバ4000は、本グループに属する店舗の各店舗サーバ5000から送られてくる店舗内累積メダル枚数データを受信するたびに、そのデータが示す分のメダル枚数を記憶装置4002内のグループ別累積メダル枚数データに累積的に加算していく。これにより、本グループに属する店舗の全メダルゲーム機で消費されたメダル枚数の一部(例えば0.01枚)がグループ別累積メダル枚数データとして集計される。なお、本実施形態では、グループ別累積メダル枚数データの初期値を例えば1000枚とし、この初期値にプレイヤーが消費したメダル枚数の一部を累積的に加算していく。
また、管理サーバ4000は、本グループに属する店舗の各店舗サーバ5000から送られてくる店舗内累積メダル枚数データを受信するたびに、そのデータが示す分のメダル枚数の一部(グループ別累積メダル枚数データとして集計される枚数と同じ。)を、記憶装置4002内における対応する店舗についての店舗内累積メダル枚数データに累積的に加算していく。したがって、この店舗内累積メダル枚数データは、グループ別累積メダル枚数データに累積された店舗ごとのメダル枚数(プール量)を示すものである。
【0066】
本実施形態では、上述したプッシャーゲーム機2000でも、単体ジャックポット抽選を行うが、この単体ジャックポット抽選の累積メダル枚数データは、そのプッシャーゲーム機2000で消費されたメダル枚数のみから計算されるものである。一方、管理サーバ4000で管理運営するグループ別ジャックポット抽選の累積メダル枚数データは、本グループに属する全メダルゲーム機で消費されたメダル枚数から計算されるものである。よって、ジャックポット抽選で当選したときにその当選者に払い出されるメダル枚数を多くすることができる。
【0067】
具体的な処理の流れについて説明すると、管理サーバ4000の制御装置4001は、各店舗サーバ5000から所定のタイミング(例えば10分ごと)で送信される店舗内累積メダル枚数データを受信することにより、まず、対応する店舗の店舗内累積メダル枚数データへの累積加算処理を行うとともに、グループ別累積メダル枚数データへの累積加算処理を行う。その後、この時点において記憶装置4002に記憶されているグループ別累積メダル枚数データを、先ほど受信した店舗内累積メダル枚数データの送信元である店舗サーバ5000に送信する。これを受信した店舗サーバ5000は、そのグループ別累積メダル枚数データを各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信する。そして、これを受けた各メダルゲーム機1000,2000,3000では、それぞれのグループ別累積メダル枚数の表示を受信したグループ別累積メダル枚数データに基づいて更新する。本実施形態では、グループ別累積メダル枚数を各メダルゲーム機において個別に表示する場合であるが、店舗内にグループ別累積メダル枚数を表示する表示装置を設け、各メダルゲーム機では個別表示しないように構成してもよい。
【0068】
本実施形態におけるグループ別ジャックポット抽選では、本グループに属する店舗の各ゲーム装置1010,ST,3000のいずれかが所定の抽選開始条件を満たすたびに、その抽選開始条件を満たしたゲーム装置がグループ別ジャックポット賞に当選するか否かを決定するという処理を行う。ここで、本実施形態において、グループ別ジャックポット抽選の開始条件は、所定枚数(例えば100枚)のメダルがベットされることであるが、これに限らず、他の公知の抽選開始条件を広く採用できる。具体的には、例えば、ベット操作がなされること、メダル投入センサーが投入されたメダルを検知すること、スロットマシンのシンボル表示の変動を開始させるための信号がONになること、メダル払出枚数が所定枚数(10枚)を超えることなどが挙げられる。また、グループ別ジャックポット抽選の開始条件やグループ別ジャックポット賞の当選確率は、本グループに属するゲーム装置間で異なるようにしてもよい。グループ別ジャックポット抽選の開始条件をゲーム装置間で異ならせる場合でも、同じ種類のゲーム装置については同じ抽選開始条件に設定することが望ましい。グループ別ジャックポット賞の当選確率をゲーム装置間で異ならせる場合、各ゲーム装置の当選確率は、そのゲーム装置で設定されている抽選開始条件に応じて異なるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、グループごとに独立したジャックポット抽選を実行するので、グループ間においても、グループ別ジャックポット抽選の開始条件やグループ別ジャックポット賞の当選確率を異ならせても良い。
【0069】
具体的な処理の流れについて説明すると、本グループに属する店舗の店舗サーバ5000の制御装置5001は、各ゲーム装置1010,ST,3000からメダル消費データ及びゲーム機IDを受信すると、そのゲーム機IDに関連づけてメダル消費データが示す分のメダル枚数を記憶装置5002内の個別カウントデータに累積的に加算していく。そして、この個別カウントデータが示すメダル枚数が100枚を越えると、制御装置5001は、その個別カウントデータから100枚分のメダル枚数を減算する処理を行うとともに、グループ別ジャックポット抽選プログラムを実行してグループ別ジャックポット抽選を行う。このグループ別ジャックポット抽選では、生成した乱数を所定の当選テーブルに照らしてグループ別ジャックポット賞に当選したか否かを決定する。
【0070】
本実施形態のグループ別ジャックポット抽選で、いずれかのゲーム装置1010,ST,3000の当選が決定すると、まず、本グループ内における複数の店舗の中からグループ別ジャックポット賞の当選が出る店舗を決定するための店舗抽選を行っているかのような演出を行う店舗抽選演出を行う。本実施形態においては、すでにグループ別ジャックポット賞の当選ゲーム装置(あるいはそのゲーム装置でプレイするプレイヤーである当選者。以下、当選者という場合もある。)は決定されているので、この店舗抽選演出では抽選処理を行うわけではなく、単に抽選を行っているかのような演出を行うだけである。言い換えると、この店舗抽選演出は、どの店舗にグループ別ジャックポット賞の当選者が出たのかを告知するための演出とも言える。
【0071】
本実施形態の店舗抽選演出では、いずれかのゲーム装置1010,ST,3000の当選が決定すると、まず、店舗サーバ5000の制御装置5001は、その当選の旨を示す当選データを、その当選したゲーム装置1010,ST,3000のゲーム機IDとともに、管理サーバ4000へ送信する。この当選データを受信した管理サーバ4000の制御装置4001は、店舗抽選演出を行う店舗を選択するための店舗選択処理を実行する。本実施形態における店舗選択処理では、当選データを送信した店舗サーバ5000の店舗が属するグループにおける残りの店舗を選択する。
ここで、本実施形態では、本ゲームシステムを構成する全店舗を、互いに独立したジャックポット抽選(グループ別ジャックポット抽選)を行う複数のグループに分けるので、店舗抽選演出がなされる店舗数は、本ゲームシステムを構成する全店舗で店舗抽選演出を行う場合に比べてずっと少ない。店舗抽選演出がなされる店舗の数が多すぎると、見かけ上の抽選対象の数(店舗数)が多くなる結果、店舗抽選演出が起こっているのに店舗内のどのゲーム装置も当選しないという事象が起こる頻度が高くなり、各店舗のプレイヤーは、自分の店舗が当選する確率(見かけ上の当選確率)が低いことを実感し、当選への期待感が小さくなってしまい、店舗抽選演出による盛り上がりに欠けるおそれがある。よって、本実施形態のように当選者が出た店舗と同一グループ内の店舗だけに限って店舗抽選演出を行うことで、自分の店舗が当選する見かけ上の当選確率が高いことを実感させ、当選への期待感が高まるようにし、店舗抽選演出が盛り上げることができる。なお、店舗選択処理における店舗の選択条件や選択する店舗数は、適宜設定することができる。したがって、店舗選択処理において、当選者が出た店舗と同一グループ内の店舗の一部だけを選択してもよい。ただし、グループ別ジャックポット賞の当選者が居る店舗は必ず選択されるようにする必要がある。
【0072】
管理サーバ4000の制御装置4001は、店舗選択処理により店舗抽選演出を行う店舗を選択したら、選択した店舗すなわち当選者が出た店舗と同一グループ内の店舗すべての店舗サーバ5000へ、店舗演出命令を出力する。そして、この店舗演出命令を受信した店舗サーバ5000では、店舗抽選演出処理が実行される。この店舗抽選演出処理は、店舗サーバ5000に接続された図示しない大型ディスプレイに図15に示すような店舗抽選用スロット画面を表示する。この店舗抽選用スロット画面の下部には、今回のグループ別ジャックポット賞に当選することにより払い出されるメダル枚数(グループ別累積メダル枚数)が表示されている。また、この店舗抽選用スロット画面には、店舗選択処理で選択された店舗の名前と地域がそれぞれ表示されたフレームが画面上から画面下へ向けて所定の順序で移動するような映像が表示される。すなわち、本実施形態においては、大型ディスプレイが、当該グループに属する店舗の各ゲーム装置のプレイヤーに対し、自分のゲーム装置と同じグループに属する他のゲーム装置を特定するための情報である店舗名や地域名を報知する特定情報報知手段として機能する。そして、最終的には、図16に示すように、グループ別ジャックポット賞の当選者が居る店舗(店舗A)のフレームが停止表示される。これにより、店舗抽選演出が行われた店舗の大型ディスプレイを見たプレイヤーは、店舗Aでプレイしているプレイヤーの中からグループ別ジャックポット賞の当選者が出ることを知ることができる。その結果、店舗Aでプレイしているプレイヤーは、自分が当選したかもしれないと更に期待感を高めることになる。
【0073】
なお、ここでは、店舗抽選演出処理として、店舗サーバ5000に接続された大型ディスプレイに店舗抽選用スロット画面を表示する処理について説明したが、他の処理方法を採用してもよい。例えば、各メダルゲーム機1000,2000,3000の表示手段を利用して上記のような店舗抽選用スロット画面を表示する処理方法や、音声アナウンスにより店舗抽選演出を行う処理方法などであってもよい。
【0074】
このようにして店舗抽選演出が終了したら、グループ別ジャックポット賞の当選者が居る店舗(店舗A)の店舗サーバ5000は、次に、これに接続された店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000でプレイするプレイヤーの中からグループ別ジャックポット賞の当選者を決定するための当選者決定抽選を行っているかのような演出を行うグループ別ジャックポット演出処理を行う。本実施形態においては、すでにグループ別ジャックポット賞の当選者は決定されているので、このグループ別ジャックポット演出処理では抽選処理を行うわけではなく、単に抽選を行っているかのような演出を行うだけである。言い換えると、このグループ別ジャックポット演出処理による演出は、どのプレイヤー(あるいはどのゲーム装置)がグループ別ジャックポット賞に当選したかを告知するための当選予告演出とも言える。このグループ別ジャックポット演出処理により、その店舗内からグループ別ジャックポット抽選の当選者が出たことを知らせ、自分が当選者かも知れないという期待感を起こさせたり、だれが当選したのかという興味を沸かせたりして、店舗全体でプレイヤーやギャラリー等の注目を集めることができる。
【0075】
このグループ別ジャックポット演出は、店舗内の全メダルゲーム機1000,2000,3000で同時に行う必要があるが、各メダルゲーム機1000,2000,3000でのゲーム進行との関係で、その演出を行う時期(グループ別ジャックポット演出時期)を調整する必要がある。なぜなら、各メダルゲーム機1000,2000,3000は、それぞれ独自にゲームを進行しており、その進行状況によってはそのゲーム進行をグループ別ジャックポット演出で妨げることがプレイヤーの楽しみを大きく低下させて好ましくない場合があるからである。
【0076】
例えば、競馬ゲーム機1000では、フィールド部1002を用いたレース再現中に、突然、グループ別ジャックポット演出が始まると、その競馬ゲーム機本来のゲームの盛り上がりを著しく低下させてしまい、好ましくない。また、例えば、プッシャーゲーム機2000では、ビンゴゲームの物理抽選や単体ジャックポット抽選のように大量のメダル払い出しが期待できるような抽選の最中に、突然、グループ別ジャックポット演出が始まると、そのプッシャーゲーム機本来のゲームの盛り上がりを著しく低下させてしまい、好ましくない。また、例えば、スロットマシン3000では、緑7賞や赤7賞等の大量のメダル払い出しが決定したときの当選演出の最中に、突然、グループ別ジャックポット演出が始まると、プレイヤーの喜びを著しく低下させてしまい、好ましくない。
【0077】
一方で、それぞれのメダルゲーム機1000,2000,3000には、それぞれのゲーム進行をグループ別ジャックポット演出で妨げても、そのメダルゲーム機本来の楽しさを低下させる等の悪影響が少ない時期も存在する。例えば、競馬ゲーム機1000では、プレイヤーによるメダルをベットのための時期すなわち馬券を購入するための時期であれば、悪影響が少なく、グループ別ジャックポット演出を開始させるのに適している。また、例えば、プッシャーゲーム機2000では、大量のメダル払い出しが期待できる抽選の最中やその当選演出の最中を除いた時期であれば、悪影響が少なく、グループ別ジャックポット演出を開始させるのに適している。また、例えば、スロットマシン3000では、1回のスロットゲームを終了してから次のスロットゲームを開始するまでの間、具体的には、前回のスロットゲームにおけるハズレが決定した後や当選演出が終了した後から、次のスロットゲームのスタートボタン3006が操作される前までの時期であれば、悪影響が少なく、グループ別ジャックポット演出を開始させるのに適している。
本実施形態の各メダルゲーム機1000,2000,3000では、ここに例示したゲーム進行状況がグループ別ジャックポット演出を行い得る状況として、予め設定されている。
【0078】
図17は、グループ別ジャックポット演出時期の決定処理を説明するためのシーケンスフロー図である。
店舗演出命令を受信した店舗サーバ5000は、まず、全メダルゲーム機1000,2000,3000に対し、LANを通じて、ゲーム進行状況がグループ別ジャックポット演出を行い得る状況になる時期を問い合わせる。この問い合わせに対し、各メダルゲーム機1000,2000,3000の制御装置1101,2621,3101は、それ単体で又は他の制御装置1201,2601,2611と協働して、時期予測プログラムを実行して、それぞれのゲーム進行状況が予め決められている上述した設定状況になる時期を予測するための処理を行う。そして、各メダルゲーム機1000,2000,3000の制御装置1101,2621,3101は、予測した時期を示すグループ別演出可能時期情報を、外部通信装置1108,2625,3107から店舗サーバ5000へ返信する。店舗サーバ5000の制御装置5001は、グループ別演出時期決定手段として機能し、各メダルゲーム機1000,2000,3000から送られてくるグループ別演出可能時期情報に基づいてグループ別ジャックポット演出を行うグループ別演出時期を決定する。具体的には、各グループ別演出可能時期情報に基づき、全メダルゲーム機1000,2000,3000のグループ別演出可能時期が互いに重複する最も早い時期を特定し、これをグループ別演出時期として決定する。そして、決定したグループ別演出時期の情報を各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信する。これを受信した各メダルゲーム機では、その決定したグループ別演出時期に、自らのゲーム進行状況がグループ別ジャックポット演出を行い得る予め決められた上述の設定状況となるように、ゲーム進行を制御する。なお、具体的な制御の方法は、上述した設定状況を各メダルゲーム機1000,2000,3000に記憶しておいて、この記憶されている設定状況の情報を読み出してゲーム進行制御を行うか、あるいは、上述した設定状況を予めゲーム進行制御用のプログラムに組み込んでおき、そのプログラムの内容に従ってゲーム進行制御を行う。
【0079】
なお、店舗サーバ5000の制御装置5001が決定したグループ別演出時期にちょうど上述の設定状況となるようにするには、個々のメダルゲーム機1000,2000,3000でゲーム進行の微調整を行う必要が生じることがある。
この微調整の方法としては、競馬ゲーム機1000では、例えば、各レース終了後に実行するレース再現ムービーの再生処理において、レース再現ムービーの再生時間を短くしたり長くしたりする方法が挙げられる。具体的には、レース再現ムービーの再現開始時をレースの中盤とするか終盤とするか等によって再生時間を短くしたり長くしたりすることができる。
また、プッシャーゲーム機2000では、例えば、各ステーション部STで行われるスロットゲームにおいて、3つのダイス状スロットDSの回転を開始してから停止させるまでの時間を長くしたり短くしたりする表示制御によって微調整を行う方法が挙げられる。具体的には、例えば3つのダイス状スロットDSの回転を開始してから停止させるまでの映像の再生速度を長くしたり短くしたりするようにしてもよい。この場合、映像自体の編集が必要ないので、表示処理が容易である。
また、スロットマシン3000では、例えば、3つのリールの回転を開始してからこれらを停止させるまでの時間を長くしたり短くしたりする駆動制御によって微調整を行う方法が挙げられる。
【0080】
なお、微調整の方法は、上述したものに限らず、各メダルゲーム機1000,2000,3000のゲーム内容等に応じて適宜決定される。
特に、デジタル抽選を行うゲーム機であれば、上記プッシャーゲーム機2000のようにその抽選演出用の映像を表示する時間を長くしたり短くしたりする方法が有効である。
【0081】
なお、グループ別演出時期の決定方法はこれに限らない。
例えば、店舗サーバ5000の制御装置5001を演出タイミング決定手段として機能させ、各メダルゲーム機1000,2000,3000にグループ別演出可能時期を問い合わせるようなことをせずに、所定のグループ別演出時期決定条件に従ってグループ別演出時期を決定する。そして、決定したグループ別演出時期を各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信し、各メダルゲーム機において、その決定したグループ別演出時期に、自らのゲーム進行状況がグループ別ジャックポット演出を行い得る予め決められた上述の設定状況となるように、ゲーム進行の制御を行わせるようにしてもよい。この方法は、本ゲームシステムを構成するメダルゲーム機がゲーム進行状況のコントロールの自由度が高いものである場合に特に有効である。
【0082】
店舗サーバ5000が決定したグループ別演出時期が到来すると、図14に示すように、店舗サーバ5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機1000,2000,3000でプレイしているプレイヤーを認識するためのプレイヤー在席確認処理を行う。具体的には、全メダルゲーム機1000,2000,3000に対し、LANを通じて、プレイヤーの在席確認を問い合わせる。この問い合わせを受けたメダルゲーム機1000,2000,3000では、それぞれのゲーム内容に応じたプレイヤー在席確認処理を行う。
【0083】
競馬ゲーム機1000は、複数のステーションそれぞれでプレイヤーがプレイできるので、各ステーションごとにゲームをプレイしているプレイヤーが存在するか否かを確認する処理を行う。この確認方法としては、例えば、磁気カード差込口1015に挿入された磁気カードからプレイヤー識別情報であるIDコードを読み出した時期に基づいて各ステーションにプレイヤーが存在するかどうかを確認する方法が挙げられる。
具体的には、ステーション制御装置1201は、プレイヤーが磁気カード差込口1015に磁気カードを差し込んだタイミングやその後の所定のタイミングで磁気情報読取装置1204が磁気カードからIDコードを読み出した時期を特定するための判断情報としての識別情報読出時期情報をRAM1203に記憶する。この識別情報読出時期情報は、IDコードを読み出した時期を示すデータ(時刻データ)そのものであってもよいし、フラグ情報であってもよい。フラグ情報を用いる場合は、例えば一定時間経過するなどの条件を満たすと消えるようなフラグ情報を利用することができる。その後、プレイヤー在席確認の問い合わせを受けたら、ステーション制御装置1201は、判断情報検知手段として機能し、RAM1203に記憶されている識別情報読出時期情報に基づいて、IDコードを読み出した直近の時期から現時点までの経過時間が予め決められた一定時間(規定期間)を経過していないかどうかを判断する。識別情報読出時期情報がIDコードを読み出した時期を示すデータ(時刻データ)そのものである場合には、そのデータが示す時刻と現時点の時刻との差分が予め決められた時間よりも小さいかどうかによって判断すればよい。また、識別情報読出時期情報がフラグ情報である場合には、例えば、フラグ情報の生存時間を上述した予め決められた一定時間(規定期間)に設定しておき、フラグ情報が立っていること(生存していること)を確認することで判断すればよい。なお、IDコードを読み出した直近の時期から現時点までの経過時間やフラグ情報の生存時間は、ゲームの操作入力がある都度、その入力のあった時間からのものに更新するようにしても良い。このように識別情報読出時期情報に基づいた確認方法は、プレイヤー識別情報を記憶した識別情報記憶媒体から読み出したプレイヤー識別情報に対応する個別情報に応じてゲームの進行制御を行うゲーム装置において利用することができる。
【0084】
また、プッシャーゲーム機2000も、複数のステーション部それぞれでプレイヤーがプレイできるので、各ステーション部ごとにゲームをプレイしているプレイヤーが存在するか否かを確認する処理を行う。この確認方法としては、例えば、メダル投入機構2100の貯留部2101上にメダルが存在するステーション部にはプレイヤーが存在すると判断する方法が挙げられる。具体的には、貯留部2101上のメダルの存在を検知する判断情報検知手段としてのセンサを設け、そのセンサが貯留部2101上にメダルが存在すると判断したら、ゲームをプレイしているプレイヤーが存在すると判断する。この確認方法は、プレイヤーがゲームプレイに使用するメダルを貯留しておく貯留部を備えたゲーム装置において利用することができる。
【0085】
また、スロットマシン3000は、プレイヤー1人でプレイするものなので、そのスロットマシン3000でゲームをプレイしているプレイヤーが存在するか否かを確認する処理を行う。この確認方法としては、例えば、記憶装置3103に1以上のクレジット枚数データが記憶されている場合にはプレイヤーが存在すると判断する方法が挙げられる。この確認方法は、プレイヤーが使用するメダルをクレジットデータとして記憶しておくゲーム装置において利用することができる。
【0086】
なお、プレイヤー在席確認の方法は、上記の例に限らず、他のあらゆる方法を採用することができる。
例えば、上述したメダルゲーム機1000,2000,3000のように、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、ゲーム進行手段が進行制御するゲームの結果に基づき、受け付けたベット対象の量に応じた量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段として機能する、ステーション制御部1200、ステーション部STの制御部2600、メイン制御部3100を備えたものであれば、次のような方法を採用できる。すなわち、ベット対象受付手段がベット対象(メダル等)を受け付けた時期を特定するための受付時期情報を検知して記憶しておき、この受付時期情報に基づいてベット対象を受け付けた直近の時期からプレイヤー在席確認の問い合わせを受けた時点までの経過時間が予め決められた一定時間(規定期間)を経過していないかどうかを判断する。この判断において、経過していないと判断した場合にはプレイヤーがプレイしている可能性が高いので、経過していないとした判断結果はプレイヤーがプレイしていると判断するための有力な判断材料となる。なお、受付時期情報としては、上述した識別情報読出時期情報の場合と同様に、時期を示すデータ(時刻データ)そのものであってもよいし、フラグ情報であってもよい。この場合も、例えば一定時間経過するなどの条件を満たすと消えるようなフラグ情報を利用することができる。
【0087】
また、例えば、上述した競馬ゲーム機1000やスロットマシン3000のように、クレジットデータを記憶するクレジットデータ記憶手段としてのRAM1203及び記憶装置3103と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段、及び、受け付けたベット対象の量に応じた分のクレジットデータをクレジットデータ記憶手段に記憶されているクレジットデータから減少させるとともに、ゲームの結果に基づいてベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に応じた量に相当する分のクレジットデータを増加させるクレジット処理を行うクレジット処理手段として機能する、ステーション制御部1200及びメイン制御部3100を備えたものであれば、次のような方法を採用できる。すなわち、クレジットデータが変動した時期を特定するためのクレジット変動時期情報を検知して記憶しておき、このクレジット変動時期情報に基づいて、クレジットデータが変動した直近の時期から、プレイヤー在席確認の問い合わせを受けた時点までの経過時間が予め決められた一定時間(規定期間)を経過していないかどうかを判断する。この判断において、経過していないと判断した場合にはプレイヤーがプレイしている可能性が高いので、経過していないとした判断結果はプレイヤーがプレイしていると判断するための有力な判断材料となる。なお、クレジット変動時期情報としては、上述した識別情報読出時期情報の場合と同様に、時期を示すデータ(時刻データ)そのものであってもよいし、フラグ情報であってもよい。この場合も、例えば一定時間経過するなどの条件を満たすと消えるようなフラグ情報を利用することができる。
【0088】
また、例えば、上述した競馬ゲーム機1000やスロットマシン3000のように、プレイヤーのゲーム操作を受け付けるゲーム操作受付手段として機能する、タッチパネル1012及びスタートボタン3006やBET操作部3015等を備え、その操作に応じてゲームの進行制御を行うものであれば、次のような方法を採用できる。すなわち、ゲーム操作受付手段がゲーム操作を受け付けた時期を特定するためのゲーム操作時期情報を検知して記憶しておき、このゲーム操作時期情報に基づいて、ゲーム操作を受け付けた直近の時期から、プレイヤー在席確認の問い合わせを受けた時点までの経過時間が予め決められた一定時間(規定期間)を経過していないかどうかを判断する。この判断において、経過していないと判断した場合にはプレイヤーがプレイしている可能性が高いので、経過していないとした判断結果はプレイヤーがプレイしていると判断するための有力な判断材料となる。なお、ゲーム操作時期情報としては、上述した識別情報読出時期情報の場合と同様に、時期を示すデータ(時刻データ)そのものであってもよいし、フラグ情報であってもよい。この場合も、例えば一定時間経過するなどの条件を満たすと消えるようなフラグ情報を利用することができる。
さらにその他の例として、プッシャーゲーム機等で、スロットやその他のミニ抽選装置を作動させる権利を、メダルが所定入賞口に入ることで得ることができ、その権利を消費するまで保留して累積していく(ストック)タイプのゲーム機があるが、それらのゲーム機においては、ストックが残っている状態ではプレイヤーがプレイしていると判断するようにしてもよい。
【0089】
また、例えば、上述したメダルゲーム機1000,2000,3000では、プレイヤーがゲームプレイをする際にプレイヤーが位置する場所がほぼ固定されている。このようなゲーム装置であれば、次のような方法を採用できる。すなわち、当該場所にプレイヤーが存在するか否かを検知する赤外線センサやタッチセンサ等の存在検知手段を設け、プレイヤー在席確認の問い合わせを受けたときに、この存在検知手段がプレイヤーが存在していることを検知しているか否かを判断する。この判断において、検知していると判断した場合にはプレイヤーがプレイしている可能性が高いので、期間内であるとした判断結果はプレイヤーがプレイしていると判断するための有力な判断材料となる。
【0090】
なお、上述したプレイヤーの在席確認方法は、互いに組み合わせて、各方法による判断結果を総合して、最終的にプレイヤーがプレイしているどうかを判断することが、判断精度を高める上で有効である。なお、この最終的な判断を各ゲーム装置側で行い、その最終的な判断結果を店舗サーバ5000へ送信するようにしてもよいが、最終的な判断は店舗サーバ5000や管理サーバ4000で行うようにしてもよい。本実施形態では、最終的な判断を各ゲーム装置側で行い、その最終的な判断結果を店舗サーバ5000へ送信する場合について説明する。
【0091】
各メダルゲーム機1000,2000,3000は、プレイヤーの在席確認処理を行ったら、その判断結果である在席確認情報を外部通信装置1108,2625,3107から店舗サーバ5000へ返信する。店舗サーバ5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機1000,2000,3000から送られてくる在席確認情報に基づいて特定される、プレイヤーがプレイしているステーション若しくはステーション部又はスロットマシン(以下「ステーション等」という。)を認識する。そして、制御装置5001は、プレイヤー数特定手段として機能し、当選予告演出の対象となるメダルゲーム機1000,2000,3000でプレイしているプレイヤー数を特定する。
【0092】
このとき、プレイヤー数が規定数(例えば10人)に満たない場合、制御装置5001は、今回の当選者のジャックポット賞への当選の権利を破棄する処理を行う。これにより、後述のグループ別ジャックポット演出は行われず、ジャックポット賞の当選報知も行われず、かつ、ジャックポット払出処理も行わない。すなわち、ジャックポット賞の当選がなかったものとして取り扱われる。
【0093】
一方、プレイヤー数が規定数(例えば10人)に達している場合、店舗サーバ5000の制御装置5001は、ジャックポット賞の当選結果を各メダルゲーム機1000,2000,3000に通知するとともに、グループ別演出制御命令を各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信する。これにより、店舗サーバ5000に接続された各メダルゲーム機1000,2000,3000の演出手段を利用したグループ別ジャックポット演出が行われる。ただし、本実施形態においては、プレイヤーの在席確認処理の結果を利用し、プレイヤーがプレイしているステーション等についてのみグループ別ジャックポット演出を行う。もちろん、プレイヤーがプレイしているか否かに関わらず、すべてのステーション等でグループ別ジャックポット演出を行うようにしてもよい。
【0094】
本実施形態では、ジャックポット賞の当選が決定した後、固定枚数の大当たり(ビッグボーナス賞)、固定枚数の中当たり(ミドルボーナス賞)、固定枚数の小当たり(スモールボーナス賞)の当選者を決定するための処理を実行するようにしてもよい。この場合、ジャックポット抽選の当選が決定した後であって、グループ別ジャックポット演出を行う前の所定のタイミングで、ジャックポット賞の当選者が居る店舗のメダルゲーム機1000,2000,3000でプレイするプレイヤー(ジャックポット賞の当選者を除く。)の中から、各賞の当選者を決定するための抽選処理を行う。
【0095】
次に、グループ別ジャックポット演出について説明する。
店舗サーバ5000からグループ別演出制御命令を受けた各メダルゲーム機1000,2000,3000では、その抽選対象に係るステーション等の各表示手段であるディスプレイ1011、表示部2700、演出パネル3011には、図18に示すようなグループ別ジャックポット抽選が開始される旨のジャックポット開始画面が同時期に表示される。なお、本実施形態においては、グループ別ジャックポット抽選の対象ではないステーション等、すなわち、プレイヤーがゲームをプレイしていないと判断されたステーション等については、このジャックポット開始画面は表示されないが、すべてのステーション等でジャックポット開始画面を表示するようにすれば、それを見たプレイヤーが自分もジャックポット抽選に参加しようと直ちにゲーム機の前についたり、メダルを投入したりするという効果は見込むことができる。
【0096】
ここで、本実施形態では、グループ別ジャックポット抽選の対象ではないステーション等については、グループ別ジャックポット演出中でも、そのメダルゲーム機のゲームをプレイヤーがプレイすることができる。そのため、グループ別ジャックポット演出中に、グループ別ジャックポット抽選の対象ではないステーション等でのゲーム進行に応じた個別演出が行われる可能性がある。グループ別ジャックポット演出中に、その演出とは関係ない個別演出が行われると、その個別演出によりグループ別ジャックポット演出が妨げられ、グループ別ジャックポット演出の良さを低下させてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、グループ別ジャックポット抽選の対象ではないステーション等については、グループ別ジャックポット演出中は、そのゲーム進行に応じた個別演出を行わない、あるいは目立たないように音量や光量等を控えめに演出するように制御する。
【0097】
また、各メダルゲーム機1000,2000,3000の制御装置1101,2621,3101は、それ単体で又は他の制御装置1201,2601,2611と協働して、当選予告演出手段を構成し、グループ別演出プログラムを実行することによりグループ別ジャックポット演出処理を行う。詳しくは、各メダルゲーム機1000,2000,3000のスピーカーや照明装置等の演出手段に、グループ別ジャックポット演出の一部を担う演出を行わせることで、店舗サーバ5000に接続された全メダルゲーム機1000,2000,3000が互いに連携した単一のグループ別演出を行う。具体的には、例えば、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000で、店舗サーバ5000から発せられる同期信号もしくはスタート信号により、同じタイミングで青色と赤色の照明を交互に発するようにしたり、同じタイミングでいずれかのメダルゲーム機でプレイするプレイヤーがグループ別ジャックポット賞に当選した旨を知らせる同じ音楽や効果音を出力したりする。
【0098】
なお、本実施形態では、各メダルゲーム機1000,2000,3000の演出手段は、互いに異なるハードウェアで構成されているため、全く同じ演出を行うということはできない。よって、あえて各メダルゲーム機1000,2000,3000で互いに異なる演出を行わせて、全体として統一感のある演出を行うようにしてもよい。例えば、音楽や効果音について、競馬ゲーム機1000は低音パートを担当し、プッシャーゲーム機2000は中音パートを担当し、スロットマシン3000は高音パートを担当するというようにしてもよい。
また、各メダルゲーム機1000,2000,3000の演出手段が行う演出が互いに同期して全体として統一感のある演出となるものであれば、グループ別ジャックポット演出の具体的な方法としては、様々な演出方法が考えられる。
【0099】
このようにしてグループ別ジャックポット演出が開始されることで、当該店舗内にいるプレイヤーやギャラリーは、その店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000でプレイするプレイヤーの誰かがグループ別ジャックポット賞に当選したことを知る。これにより、プレイヤーは自分がジャックポット賞に入賞したかもしれないという大きな期待感を抱いて、その抽選結果の報知を待つことになる。
【0100】
グループ別ジャックポット演出が開始された後、各表示手段1011,2700,3011には、図18に示したジャックポット開始画面に続いて、図19に示すようなスロット画面が表示される。そして、スロット画面の3つのリール画像が変動表示を開始した後、各表示手段1011,2700,3011には、それぞれ対応するステーション等について当選した賞又はハズレに応じたシンボルが停止表示するように、3つのリール画像の停止表示制御がなされる。具体的には、本実施形態には、上述したように、ジャックポット賞に当選しているステーション等の表示手段1011,2700,3011には、グループ別ジャックポット賞に対応するシンボルの組み合わせがスロット画面に停止表示されるように停止表示制御がなされる。
【0101】
なお、ジャックポット開始画面やスロット画面は、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000で全く同じ画面である必要はなく、例えば、これらの画面が表示されるハードウェアに応じて適宜改変したものであったり、各メダルゲーム機1000,2000,3000のゲーム内容に応じてアレンジしたものであったりしてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、スロット画面上のリール画像の変動表示は、店舗サーバ5000に接続された全メダルゲーム機1000,2000,3000で一斉に開始するが、3つのリール画像の停止表示の完了タイミングは、互いに異なるようになっている。具体的には、グループ別ジャックポット賞に当選したゲーム機の停止表示の完了タイミングを最も遅くするのが好ましい。
【0103】
また、本実施形態では、スロット画面上のリール画像の変動表示が開始されてから、停止表示が完了するまでの間も、グループ別ジャックポット演出(当選予告演出)が継続される。例えば、スロット画面上のリール画像の変動表示が開始した後、各メダルゲーム機1000,2000,3000のグループ別ジャックポット演出の対象となっている対応するステーション等の照明が互いに異なる期間のみ点灯するようにして、照明が点灯しているステーション等が順次切り替わるように演出する。そして、各ステーション等におけるリール画像の停止表示が完了するタイミングで、そのステーション等の照明が点灯するように、抽選演出を行う。
【0104】
以上のようにしてグループ別ジャックポット演出を終えたら、ジャックポット賞に当選したステーション等でプレイするプレイヤーに対して、そのジャックポット賞に応じた枚数のメダル払出処理が行われる。このメダル払い出しについては、そのメダルゲーム機1000,2000,3000のメダル払出手段を利用してもよいし、店舗の従業員により払い出すアテンダントペイとしてもよい。
【0105】
次に、本発明の特徴部分であるグルーピング処理について説明する。
図20は、本実施形態におけるグルーピング処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るゲームシステムは、1日に1回ずつ、2時間程度の管理サーバ4000等のメンテナンス期間が設けられている。このメンテナンス期間中は、グループ別ジャックポット抽選に関わる管理サーバ4000内の処理や管理サーバ4000との間のデータ通信が禁止される。具体的には、管理サーバ4000の制御装置4001は、例えば毎日午前3時が到来するという所定の中断条件が満たされるたびに、各店舗サーバ5000の制御装置5001とともに処理中断手段として機能する。これにより、制御装置4001は、まず、各店舗サーバ5000に対して処理中断命令を出力するとともに、自己の動作をメンテナンスモードに切り替え、メンテナンス作業に入る。処理中断命令を受信した各店舗サーバ5000の制御装置5001は、これに接続された図示しない大型ディスプレイにメンテナンス期間中であることを知らせる画面を表示させ、グループ別ジャックポット抽選に関わる処理を中断する処理を行う。このメンテナンス期間中、各店舗サーバ5000の制御装置5001は、少なくともグループ別ジャックポット抽選は行わないので、メンテナンス期間中にジャックポット賞の当選が決定されることはない。
【0106】
メンテナンス作業が異常なく終了して午前5時が到来すると、メンテナンス期間が終了する(S1)。これにより、管理サーバ4000の制御装置4001は、グルーピング処理手段として機能し、まず、グルーピング処理を実行する(S2)。このグルーピング処理は、本ゲームシステムを構成するすべてのメダルゲーム機1000,2000,3000を、店舗単位で、複数のグループに分ける処理である。本実施形態においては、一のグループに属する店舗の数(ゲーム装置の数)が例えば10店舗(規定数)を越えないというグルーピング条件に従って、グルーピング処理を行う。なお、グループごとに実行される各グループ別ジャックポット抽選のグループ別累積メダル枚数データが低くなり過ぎないように、グルーピング条件として、一のグループに属する店舗の数(ゲーム装置の数)が予め決められた最低数(例えば3店舗)を下回らないという条件を追加してもよい。
【0107】
具体的に説明すると、管理サーバ4000の記憶装置4002には、グループ別ジャックポット抽選の管理用データが記憶されている。この管理用データには、各店舗サーバを特定するための店舗IDが、それぞれの店舗サーバ5000の記憶装置5002に記憶されている店舗内累積メダル枚数データに関連付けられた状態で記憶されている。グルーピング処理を実行する制御装置4001は、まず、管理用データ内の各店舗IDに対して複数あるグループIDのいずれかをランダムに割り当てる処理を行う。各グループIDは、互いに独立したグループ別ジャックポット抽選を行うそれぞれのグループを特定するためのものである。すなわち、本ゲームシステムにおいては、上述したように、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000を店舗単位で複数のグループに分け、グループごとに互いに独立したグループ別ジャックポット抽選を実行する。
【0108】
このようにしてグルーピング処理を終えたら、次に、管理サーバ4000の制御装置4001は、グループごとに実行される各グループ別ジャックポット抽選で使用するグループ別累積メダル枚数データを生成する。具体的には、制御装置4001は、まず、最初のグループIDに関連付けられた店舗内累積メダル枚数データを記憶装置4002内から読み出し(S3)、これらのデータに基づいて、当該グループに属する全店舗の店舗内累積メダル枚数の合計を算出し、その算出値を示すグループ別累積メダル枚数データを生成する(S4)。生成したグループ別累積メダル枚数データは、当該グループIDに関連づけた状態で、記憶装置4002内に記憶される。このようにして、すべてのグループについてのグループ別累積メダル枚数データを生成し、これをそれぞれのグループIDに関連づけた状態で記憶装置4002内に記憶する。
【0109】
その後、管理サーバ4000の制御装置4001は、本ゲームシステムを構成する各店舗サーバ5000からのグループ別ジャックポット抽選への参加受付処理を開始する(S5)。そして、各店舗サーバ5000から参加申込要求が送信されてくると(S6)、その応答として、送信元の店舗サーバ5000の店舗が所属するグループIDと、当該グループIDに関連づけられたグループ別累積メダル枚数データとを送信する(S7)。これにより、この応答を受け取った店舗サーバ5000は、上述したグループ別ジャックポット抽選を開始する。
【0110】
ここで、グループ別ジャックポット抽選でジャックポット賞の当選が決まり、そのメダルメダル払出処理が行われたら、当選者が出た店舗の店舗サーバ5000から管理サーバ4000へメダル払出完了通知が送信される。この通知を受けることで、管理サーバ4000の制御装置4001は、本グループのグループIDに関連付けられいる店舗内累積メダル枚数データを所定枚数(例えばゼロ)にリセットする。その後、リセット後の各店舗内累積メダル枚数データに基づいて当該グループのグループ別累積メダル枚数を再計算し、グループ別累積メダル枚数データを生成する。これにより、当該グループのグループ別累積メダル枚数データは、初期値(例えば1000枚)に戻される。その後、当該グループに属する店舗でメダルが消費されると、その一部がこの初期値に対して累積的に加算されていき、グループのグループ別累積メダル枚数データが増大していく。
【0111】
本実施形態においては、次のメンテナンス期間が到来するまでは参加受付を行い(S8)、次のメンテナンス期間が到来したらメンテナンス作業を行う。そして、そのメンテナンス期間終了後に、再びグルーピング処理(S2)が行われ、グループ間での店舗の入れ替えが生じる。このように、グループ間での店舗の入れ替えが生じることで、次のような効果が期待できる。
例えば、極端に店舗内累積メダル枚数(プール量)が多い店舗(ここでは店舗Aとする。)が属するグループにおいては、そのグループに属する他の店舗と比較すると、店舗Aのゲーム装置は、グループ別ジャックポット抽選の開始条件(所定枚数のメダルがベットされること)を満たす頻度が極端に高い。そのため、ジャックポット賞の当選者が出る割合も、店舗Aでは、他の店舗と比較して相対的に高くなる。このような状況は、店舗抽選演出において店舗Aが当選する演出ばかりなされることにより、店舗Aと同一のグループに属する他の店舗でプレイするプレイヤーにも知られるところとなる。その結果、当該他の店舗でプレイするプレイヤーは、店舗Aでプレイするプレイヤーとの関係で、不公平感を抱くおそれがあり、グループ別ジャックポット抽選のゲーム性を低下させる要因となり得る。グループ間での店舗の入れ替えが無い場合、このような不公平感はずっと解消することができないが、本実施形態では、店舗Aと一緒のグループに属することになる他の店舗は定期的なグルーピング処理により流動的なものとなるので、常に店舗Aと同じグループとなる店舗は理論的には存在しなくなる。その結果、本ゲームシステムにおいては、不公平感をずっと抱き続けるプレイヤーが居なくなり、ゲームシステム全体としては、プレイヤーの不公平感を軽減し、グループ別ジャックポット抽選のゲーム性が低下するのを避けることができる。
一方で、例えば、極端に店舗内累積メダル枚数(プール量)が多い店舗Aが属するグループにおいては、他の店舗のプレイヤーが、その店舗Aが同じグループに属することで、自分がグループ別ジャックポット抽選で当選したときのメダル獲得数が増えるのであるから、これを歓迎すると考える者もいる。このようなプレイヤーにとっては、自分のプレイする店舗が属しているグループ内に店舗Aのような極端に店舗内累積メダル枚数(プール量)が多い店舗が存在しないことに対して不公平に感じていることが起こり得る。この不公平感が解消されない場合、そのプレイヤーにとってはグループ別ジャックポット抽選のゲーム性が低下してしまう。グループ間での店舗の入れ替えが無い場合、このような不公平感はずっと解消することができないが、本実施形態では、上述したとおり、店舗Aが属するグループは定期的なグルーピング処理により流動的なものとなるので、いつまでも店舗Aと同じグループにならないような店舗は理論的には存在しなくなる。その結果、本ゲームシステムにおいては、不公平感をずっと抱き続けるプレイヤーが居なくなり、ゲームシステム全体としては、プレイヤーの不公平感を軽減し、グループ別ジャックポット抽選のゲーム性が低下するのを避けることができる。
【0112】
なお、本実施形態においては、グルーピング条件として、様々な条件を付加することができる。例えば、グルーピング条件として、店舗間におけるメダル単価の差が所定範囲内となるという条件を付加すれば、この所定範囲を越えるようなメダル単価の差が生じ得る店舗同士が同じグループに属することがなくなる。
また、本実施形態のゲームシステムに適用可能なメダルゲーム機は、上述した種類のものに限らず、またメダルゲーム機である必要もない。
また、本実施形態の店舗サーバ5000は、本ジャックポットシステムに参加しているメダルゲーム機1000,2000,3000のみが接続された本ゲームシステム専用の装置であるが、本ジャックポットシステムに参加していない他のゲーム機も接続された一般の店舗サーバであってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1000 競馬ゲーム機
1010 ステーション
1011 ディスプレイ 1101 メイン制御装置
1108,2625,3107,4003,5003 外部通信装置
1201 ステーション制御装置
2000 プッシャーゲーム機
2001 サテライト抽選装置
2002 センター抽選装置
2500 プレイフィールド
2601,2611,2621 制御装置
2700 表示部
3000 スロットマシン
3011 演出パネル
3101 制御装置
4000 管理サーバ
4001 制御装置
5000 店舗サーバ
5001 制御装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0114】
【特許文献1】特開2007−215653号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段を備えた4つ以上のゲーム装置と、
少なくとも2つのゲーム装置がそれぞれ属する複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置を抽選対象としたグループ別ジャックポット抽選を実行するジャックポット抽選装置とを備えたゲームシステムであって、
上記ジャックポット抽選装置は、
所定のグルーピング条件に従って、上記4以上のゲーム装置の各々を、上記複数のグループの少なくとも1つに関連づけるグルーピング処理を行うグルーピング処理手段と、
上記複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置の中からジャックポット賞に当選する当選ゲーム装置を決定するためのグループ別ジャックポット抽選処理を行う抽選手段と、
該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したときに該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すべき払出対象の量を含んだ量を示す払出量データを、上記複数のグループごとに記憶する払出量記憶手段と、
該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したとき、該当選ゲーム装置が属するグループに対応した払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、
各ゲーム装置で所定の払出量増加条件が満たされるたびに、そのゲーム装置が属するグループに対応した払出量データが示す量を累積的に増加させる払出量増加手段とを有しており、
上記抽選手段は、上記払出量増加手段が所定期間内に上記払出量データが示す量を増加させた量が多いゲーム装置ほどジャックポット賞の当選頻度が高くなるように、上記グループ別ジャックポット抽選を実行するものであり、
上記グルーピング処理手段は、所定のグループ変更条件が満たされたとき、上記4以上のゲーム装置の少なくとも1つのゲーム装置に関連づけられるグループが変更されるように、上記グルーピング処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1のゲームシステムにおいて、
上記抽選手段が当選ゲーム装置を決定した場合、該当選ゲーム装置と同じグループに属する該当選ゲーム装置を含めた複数のゲーム装置に対し、該複数のゲーム装置のいずれかがジャックポット賞に当選した旨の当選予告演出を行う当選予告演出手段と、
上記当選予告演出が行われた後に、該ジャックポット賞の当選結果を報知する当選結果報知手段とを有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2のゲームシステムにおいて、
各ゲーム装置のプレイヤーに対し、そのゲーム装置と同じグループに属する他のゲーム装置を特定するための情報を報知する特定情報報知手段を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記ジャックポット抽選装置は、所定の中断条件を満たしたとき、上記グループ別ジャックポット抽選を中断する処理中断手段を有し、
上記所定のグループ変更条件は、該所定の中断条件を満たすことであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記所定のグルーピング条件は、一のグループに属するゲーム装置の数が規定数を越えないという条件を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記所定のグルーピング条件は、一のグループに属するゲーム装置の数が予め決められた最低数を下回らないという条件を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記グルーピング処理では、上記4以上のゲーム装置の各々を上記複数のグループの少なくとも1つにランダムに関連づけることを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
少なくとも2つのゲーム装置がそれぞれ属する複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置を抽選対象としたグループ別ジャックポット抽選を実行するジャックポット抽選装置であって、
所定のグルーピング条件に従って、4以上のゲーム装置の各々を、上記複数のグループの少なくとも1つに関連づけるグルーピング処理を行うグルーピング処理手段と、
上記複数のグループごとに、そのグループに属するゲーム装置の中からジャックポット賞に当選する当選ゲーム装置を決定するためのグループ別ジャックポット抽選処理を行う抽選手段と、
該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したときに該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すべき払出対象の量を含んだ量を示す払出量データを、上記複数のグループごとに記憶する払出量記憶手段と、
該抽選手段が当選ゲーム装置を決定したとき、該当選ゲーム装置が属するグループに対応した払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を該当選ゲーム装置のプレイヤーに対して払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、
各ゲーム装置で所定の払出量増加条件が満たされるたびに、そのゲーム装置が属するグループに対応した払出量データが示す量を累積的に増加させる払出量増加手段とを有しており、
上記抽選手段は、上記払出量増加手段が所定期間内に上記払出量データが示す量を増加させた量が多いゲーム装置ほどジャックポット賞の当選頻度が高くなるように、上記グループ別ジャックポット抽選を実行するものであり、
上記グルーピング処理手段は、所定のグループ変更条件が満たされたとき、上記4以上のゲーム装置の少なくとも1つのゲーム装置に関連づけられるグループが変更されるように、上記グルーピング処理を行うことを特徴とするジャックポット抽選装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図17】
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【図20】
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【図7】
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【図8】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−179059(P2010−179059A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27891(P2009−27891)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【特許番号】特許第4515522号(P4515522)
【特許公報発行日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】