説明

ゲームシステム及びそのコンピュータプログラム並びにゲームシステムの制御方法

【課題】所定の操作タイミングによる操作に加えて新たなゲーム要素を追加するゲームシステムを提供する。
【解決手段】モニタ3と、タッチパネル4と、ゲーム領域A上でオブジェクトOが判定ラインLiに到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータ23を記憶するシーケンスデータ記憶手段22と、を備え、ゲーム領域A上でオブジェクトOを一定方向に案内する複数のレーンLの間に配置可能で、レーンLaに沿って移動するオブジェクトOの移動方向を変更するバーBの複数の候補から選択されたバーBをレーンLa間に配置し、その配置されたバーBにより案内されるオブジェクトOが到達時期に判定ラインLiに到達するか否かを判断し、オブジェクトOが、バーBの一方の設置点にてバーBを移動経路として選択し、バーB上を移動して、接続したレーンLaを他方の設置点から一定方向に移動することを繰り返すように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム領域上で操作基準標識が操作基準部に到達すべき到達時期に応じてプレイヤが操作するゲームシステム及びそのコンピュータプログラム並びにゲームシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のリズムに合わせて操作部を操作するゲーム機が存在する(例えば特許文献1参照)。このようなゲーム機においては、操作時期を指示する対象物が所定の操作位置に移動したときに音楽のリズムに合わせて操作部を操作することにより、その操作タイミングに応じてプレイが評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−155543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような音楽ゲームでは、予め定められた操作タイミングに応じてプレイヤの操作が必要となる。この操作タイミングに応じた操作以外のゲーム要素がないため、ゲームが単調となりがちである。
【0005】
そこで、本発明は所定の操作タイミングによる操作に加えて新たなゲーム要素を追加するゲームシステム及びそのコンピュータプログラム並びにゲームシステムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲーム画面(D)を表示する表示部(3)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作部(4)と、ゲーム領域(A)上で操作基準標識(O)が操作基準部(Li)に到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータ(23)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(22)と、前記ゲーム領域上で前記操作指示標識を一定方向に案内する複数の標識案内部(La)の間に配置可能で、前記標識案内部に沿って移動する操作指示標識の移動方向を変更する経路変更部(B)の複数の候補が、前記ゲーム画面上に提示され、前記操作部からの入力に基づいて、提示された経路変更部の候補のうちいずれかを選択して前記標識案内部間に配置し、その配置された経路変更部により案内される操作指示標識が前記到達時期に操作基準部に到達するか否かを判断する経路判定手段(11)と、前記標識案内部を移動する操作指示標識が、前記経路変更部の一方の設置点にて当該経路変更部を移動経路として選択し、当該経路変更部上を移動して、接続した標識案内部を他方の設置点から前記一定方向に移動することを繰り返すように制御する標識移動制御手段(11)と、備えたことにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明のゲームシステムによれば、標識案内部に沿って操作指示標識が一定方向に移動しつつ、経路変更部の一方の設置点において、経路として経路変更部を選択し経路変更部に沿って移動する。経路変更部を移動する操作指示標識は、経路変更部の他方の設置点に到達するとその標識案内部を一定方向に進む。これを繰り返すことで、操作指示標識は、いわゆる「あみだくじ」のように移動する。操作指示標識を特定の位置に導くように経路変更部を設置させるようにすることで音楽ゲームにパズル要素を付与することができる。従って、プレイヤに新規なプレイ感覚を与えることができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記標識案内部間に設けられた前記経路変更部の候補を配置するための配置領域(a)と、前記経路変更部の候補のうちいずれか一つの経路変更部と、が1対1で対応付けられて記述されたあみだデータ(25)を記憶するあみだデータ記憶手段(22)を備え、前記経路判定手段は、前記配置領域に配置された経路変更部が前記対応付けられた経路変更部と一致する場合に正解とし、前記操作指示標識が前記到達時期に前記操作基準部に到達すると判断してもよい。これによれば、配置領域に対応付けられた経路変更部が配置されたか否かで、プレイヤの配置した経路変更部の正誤、つまり、操作指示標識が到達時期に操作基準部に到達するか否かが判断できる。例えば、標識案内部を色分けし、操作基準部に到達したときの標識案内部の色と到達した操作指示標識の色とが一致するように経路変更部を配置させたり、操作指示標識に数字を付与して数字の順番に操作基準部に到達するように経路変更部を配置させたりすることでパズルゲームを提供し、その正誤を経路変更部の配置で判断することができる。
【0009】
あみだデータ記憶手段を備えた形態において、前記経路判定手段は、前記正解とした場合に、正解をプレイヤに知らせる演出を実行してもよい。これによれば、プレイヤの操作に対して即座にプレイヤに正誤を知らせることができる。正解をプレイヤに知らせる演出として、例えば、配置した経路変更部を点滅させたり光らせたりして知らせたり、正解用の音を出力して知らせたりすることができる。
【0010】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記経路判定手段にて前記到達時期に前記操作基準部に到達すると判断された操作指示標識が移動して、前記到達時期に前記操作基準部に到達する操作タイミングにおける前記操作部からの操作を受け付け、前記到達時期と、前記操作部からの操作とのずれ時間を評価する操作評価手段(11)を備えてもよい。これによれば、到達時期に操作基準部に到達する操作指示標識、つまり、正解となる操作指示標識に対して、操作部からの操作を受け付け、操作タイミングの評価が行われる。経路変更部を配置して正解となった場合に、プレイヤの操作タイミングが評価されるので、経路変更部の配置を正しく行わせるための動機付けとなる。
【0011】
操作評価手段が設けられた形態において、前記操作評価手段は、前記経路判定手段にて前記到達時期に前記操作基準部に到達しないと判断された操作指示標識の操作評価を実行しなくてもよい。これによれば、不正解となった場合には、操作指示標識が操作基準部に到達するタイミングと到達時期とが一致しないため、プレイヤの操作タイミングの評価を行わない。ゲームにめりはりをもたせ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0012】
標識案内部間に配置領域が設けられる形態において、前記経路変更部を規定する、前記標識案内部間で前記操作指示標識が移動する経路と、その経路が前記配置領域に占める位置と、が記述された経路変更部データ(24)を記憶する経路変更部データ記憶手段(22)を備えてもよい。これによれば、配置領域に占める経路を規定することで、経路変更部の配置の自由度を小さくし、一つの配置領域に対して正解となる経路変更部を一つに設定することができる。
【0013】
本発明のコンピュータプログラム(21)は、ゲーム画面(D)を表示する表示部(3)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作部(4)と、ゲーム領域(A)上で操作基準標識(O)が操作基準部(Li)に到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータ(23)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(22)と、を備えたゲームシステム(1)のコンピュータを、前記ゲーム領域上で前記操作指示標識を一定方向に案内する複数の標識案内部(La)の間に配置可能で、前記標識案内部に沿って移動する操作指示標識の移動方向を変更する経路変更部(B)の複数の候補が、前記ゲーム画面上に提示され、前記操作部からの入力に基づいて、提示された経路変更部の候補のうちいずれかを選択して前記標識案内部間に配置し、その配置された経路変更部により案内される操作指示標識が前記到達時期に操作基準部(Li)に到達するか否かを判断する経路判定手段(11)、及び、前記標識案内部を移動する操作指示標識が、前記経路変更部の一方の設置点にて当該経路変更部を移動経路として選択し、当該経路変更部上を移動して、接続した標識案内部を他方の設置点から前記一定方向に移動することを繰り返すように制御する標識移動制御手段(11)、として機能させるように構成されたものである。
【0014】
本発明のプログラムをゲームシステムのコンピュータにて実行することにより、そのゲームシステムを本発明のゲームシステムとして機能させることができる。
【0015】
本発明のゲームシステムの制御方法は、ゲーム画面(D)を表示する表示部(3)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作部(4)と、ゲーム領域(A)上で操作基準標識(O)が操作基準部(Li)に到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータ(23)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(22)と、を備えたゲームシステム(1)のコンピュータに、前記ゲーム領域上で前記操作指示標識を一定方向に案内する複数の標識案内部(La)の間に配置可能で、前記標識案内部に沿って移動する操作指示標識の移動方向を変更する経路変更部(B)の複数の候補が、前記ゲーム画面上に提示され、前記操作部からの入力に基づいて、提示された経路変更部の候補のうちいずれかを選択して前記標識案内部間に配置し、その配置された経路変更部により案内される操作指示標識が前記到達時期に操作基準部(Li)に到達するか否かを判断する経路判定工程、及び、前記標識案内部を移動する操作指示標識が、前記経路変更部の一方の設置点にて当該経路変更部を移動経路として選択し、当該経路変更部上を移動して、接続した標識案内部を他方の設置点から前記一定方向に移動することを繰り返すように制御する標識移動制御工程、を実行させるものである。
【0016】
本発明の制御方法をゲームシステムのコンピュータにて実行することにより、そのゲームシステムを本発明のゲームシステムとして機能させることができる。
【0017】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、標識案内部に沿って操作指示標識が一定方向に移動しつつ、経路変更部の一方の設置点において、経路として経路変更部を選択し経路変更部に沿って移動する。経路変更部を移動する操作指示標識は、経路変更部の他方の設置点に到達するとその標識案内部を一定方向に進む。これを繰り返すことで、操作指示標識は、いわゆる「あみだくじ」のように移動する。操作指示標識を特定の位置に導くように経路変更部を設置させるようにすることで音楽ゲームにパズル要素を付与することができる。従って、プレイヤに新規なプレイ感覚を与えることができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたゲーム機の概略図。
【図2】ゲーム機の機能ブロック図。
【図3A】ゲーム画面の一例を示す図。
【図3B】図3Aに続くゲーム画面を示す図。
【図3C】図3Bに続くゲーム画面を示す図。
【図3D】図3Cに続くゲーム画面を示す図。
【図4】シーケンスデータの構造の一例を示す図。
【図5】ゲーム制御部が実行するシーケンス処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】ゲーム制御部が実行するあみだゲーム処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】変形例に係るゲーム画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたゲーム機の概略図である。ゲーム機1は商業施設に設置される商用のゲーム機で、音楽に合わせた一人もしくは複数人のプレイヤPの操作タイミングを評価する音楽ゲームとして構成されている。ゲーム機1は、筐体2と、筐体2の上面にプレイヤP側に傾けられて配置されるモニタ3とを備えている。モニタ3の表面には、透明なタッチパネル4が重ね合わされている。タッチパネル4は、プレイヤPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。なお、モニタ3が表示部として、タッチパネル4が操作部としてそれぞれ機能する。その他にも、ゲーム機1には、選択あるいは決定をするためのボタン、電源スイッチ、電源ランプといった商用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0021】
図2にゲーム機1の機能ブロック図を示す。ゲーム機1は、コンピュータとしての制御ユニット10を備えている。制御ユニット10は、ゲーム制御部11と、そのゲーム制御部11からの出力に従って動作する表示制御部12及び音声出力制御部13とを備えている。ゲーム制御部11は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。ゲーム制御部11には、プレイヤの操作を受け付けるタッチパネル4が接続されている。表示制御部12は、ゲーム制御部11から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ3に出力することにより、モニタ3上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部13は、ゲーム制御部11から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、スピーカ5に出力することにより、スピーカ5から所定の音声(楽音等を含む。)を再生させる。
【0022】
また、ゲーム制御部11には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、EEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置、あるいは磁気記憶装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。外部記憶装置20の記憶媒体は、ゲーム機1に対して着脱可能であってもよい。
【0023】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21とゲームデータ22とが記録されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部11はその内部記憶装置に記録されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機1として動作するために必要な各種の初期設定を実行し、続いて外部記録装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。そのゲームプログラム21の実行により、ゲーム制御部11には、シーケンス処理部14及び操作評価部15が生成される。シーケンス処理部14及び操作評価部15は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組合せによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部14は、プレイヤPが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤPに操作を指示し、あるいはプレイヤPの操作に応じて効果音を発生させるといった音楽ゲームの進行に必要な処理を実行する。操作評価部15は、プレイヤPの操作を評価し、かつその評価結果に応じた音出力の指示といった処理を実行する。なお、ゲームプログラム21の実行により、ゲーム制御部11には上記以外にも各種の論理的装置が生成されてよい。
【0024】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、シーケンスデータ23、パネルデータ24、あみだデータ25及び効果音データ26が含まれている。シーケンスデータ23は、プレイヤPに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データに対して最低一個のシーケンスデータ23が用意される。一曲に対して難易度を変更する等して複数種類のシーケンスデータ23が用意されてもよい。パネルデータ24には、経路変更部としてのバーBの形状、パネルPaが配置されるべき配置領域aの大きさ、その配置領域aに占めるバーBの位置座標、パネルPaの大きさ、形状等が記録されている。一個のパネルPaに対して一個のパネルデータ24が用意され、各パネルデータ24にはそれぞれに識別可能なコードが付されて記録されている。あみだデータ25には、あみだゲームにおける出現位置に出現するオブジェクトOの配置座標と、そのあみだゲームで使用されるパネルPaのコードと、正解時のパネルPaの配置される位置座標(配置領域a)、一部不正解時のパネルPaの配置により正解となるオブジェクトOと、不正解となるオブジェクトOの対応関係等の情報が記憶されている。一つのあみだゲームに対して一個のあみだデータ25が用意される。各あみだデータ25にもそれぞれに識別可能なコードが付されて記録されている。効果音データ26には、プレイヤPの操作に応答してスピーカ5から出力させるべき複数種類の効果音が、効果音ごとにユニークなコードと対応付けて記録されている。その他、ゲームデータ22には、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ5から再生出力させるために必要な楽曲データや、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクトO、アイコン等をモニタ3上に表示させるための画像データ等が含まれている。
【0025】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。図3Aにモニタ3のゲーム画面Dの一例を示す。音楽ゲームの実行中、モニタ3のゲーム画面Dには、タッチパネル4への操作をプレイヤPに案内するためのゲーム領域Aが示される。ゲーム領域Aには、4本の標識案内部としてのレーンLa1、La2、La3、La4(特に区別しない場合は参照符号をLaで代表する。)と、各レーンに対応するオブジェクトO1、O2、O3、O4(特に区別しない場合は参照符号をOで代表する。)とが1対1に対応付けられて設けられている。例えば、対応付けられているレーンLaとオブジェクトOとを同色で色づけし、各組ごとに異なる色で区別する。なお、図3Aでは、各オブジェクトOと各レーンLaとを網かけの種類で区別し、対応するオブジェクトOとレーンLaとは同じ網かけが使用されている。各レーンLaの下端部には操作基準部としての判定ラインLiが表示される。
【0026】
判定ラインLiは、レーンLaの並び方向に直線的に横断するように表示される。なお、判定ラインLiが必ずしも直線的であることを要しない。判定ラインLiは各レーンLaの下端部の定位置に表示されるものであれば、その形態は問わない。音楽ゲームの実行中、つまり、楽曲の再生の進行中においては、各レーンLaには、オブジェクトOがシーケンスデータ23に従って表示される。なお、レーンLaの表示形態は一例であり、レーンLaはオブジェクトOが通過する領域として存在すれば足りる。
【0027】
音楽ゲームの実行中、オブジェクトOは、曲中の適当な時期にレーンLaの上方の出現位置APに出現し、レーンLaに沿って下方に移動する。各オブジェクトOは互いに等速度で移動する。プレイヤPが、オブジェクトOの判定ラインLiへの到達に合わせて、そのオブジェクトOに触れるようにタッチパネル4をタッチ操作すると、その操作タイミングが評価される。操作タイミングの評価には、プレイヤPがタッチパネル4に触れた時刻と、オブジェクトO2が判定ラインL1と一致した時刻との間のずれ時間が求められ、そのずれ時間に基づいてプレイヤPの操作が評価される。このずれ時間が小さいほどプレイヤPの操作が高く評価される。
【0028】
以上、シーケンスデータ23に合わせて出現するオブジェクトOが判定ラインLiに到達するタイミングでタッチ操作することにより操作タイミングが評価される音楽ゲームが通常ゲームとして実行される。それに加えて、ゲーム機1では、レーンLa間に経路変更部としてのバーBを配置してオブジェクトOの移動する方向を変更することにより、判定ラインLiに到達する場所及び時間が変化するあみだゲームが実行される。以下、あみだゲームの概要について説明する。
【0029】
図3Aに示すように、あみだゲームにおいては、ゲーム領域A外に提示されたパネルPa1、Pa2、Pa3(特に区別する必要がない場合には参照符号Paで代表する。)にそれぞれバーB1、B2、B3(特に区別する必要がない場合には参照符号Bで代表する。)が表示され、そのパネルPaをレーンLa間に表示される配置領域a1、a2、a3(特に区別する必要がない場合には参照符号aで代表する。)に配置することでバーBをレーンLaに設置する。パネルPaと配置領域aの大きさは一致するように表示される。プレイヤPの考慮時間に配慮し、配置領域aへのパネルPaの配置は所定期間内に行われるようにする。例えば、配置するための所定期間(配置期間)として、楽曲の2小節分を配置期間とし、3小節目からオブジェクトOが移動し始めるようにしてもよい。なお、パネルPaはゲーム領域A外に提示される必要はなく、ゲーム領域A内に提示されていてもよい。パネルPaがゲーム画面D内に表示され、プレイヤPが認識できればよい。
【0030】
あみだゲームでは、各オブジェクトOは出現位置APに同時に出現する(図3A)。このとき、レーンLaとオブジェクトOとの色は互いに対応していない状態で出現する。プレイヤPは、配置期間内に、オブジェクトOの色がレーンLaの色と一致する状態で判定ラインLiに到達するようにオブジェクトOを移動させるため、配置領域aごとに配置するパネルPaを選択して配置する(図3B)。これにより、パネルPaに表示されたバーBがレーンLa間に設置され、オブジェクトOがあみだくじのようにして移動する(図3C)。ここでいうあみだくじのような移動とは、各レーンLaに対し、一定方向(本形態の場合、レーンLaに沿って上から下へ移動する。)に移動するオブジェクトOがあって、オブジェクトOがバーBの設置点へ到達したときにバーBの経路を選択することにより、移動経路が変更されてそのまま移動し、そのバーBが設置された他のレーンLaの設置点に到達したときに到達したバーBを再び一定方向に進んでいくように移動することを繰り返して判定ラインLiまで移動することをいう。図3BのオブジェクトO1で説明すると、オブジェクトO1は、まずレーンLa1を下方向に進み、レーンLa1とバーB1との分岐点でバーB1を選択し、バーB1に沿って移動する。そしてレーンLa2に到達すると、レーンLa2を下方向に進む。次のバーB2との分岐点まで進むと、バーB2を選択し、バーB2に沿って移動する。そしてレーンLa3に到達すると、レーンLa3を下方向に進む。再び、分岐点となるバーB3に到達すると、バーB3を選択し、バーB3に沿って移動する。そしてレーンLa4に到達すると、レーンLa4を下方向に進んで、オブジェクトO1と同色のレーンLa4の判定ラインLiに到達する。
【0031】
設置したパネルPaが正解、つまり、全てのオブジェクトOの色が判定ラインLiの色と一致するように判定ラインLiに到達するようにパネルPaを配置した場合、シーケンスデータ23に合わせた判定ラインLiでの操作が可能となる(図3D)。設置したパネルPaが不正解の場合、バーBの長さがそれぞれ異なること及び正解の経路と異なる経路をオブジェクトOが移動することからオブジェクトOがシーケンスデータ23と合わない状態かつそれぞれの色が一致しない状態で判定ラインLiに到達する。この場合は、オブジェクトOが判定ラインLiに到達するタイミングで不正解用の効果音データ26が出力される。このとき出力される効果音データ26は、正解時に出力されるべき効果音データ26でもよいし、任意に設定してよい。
【0032】
次に、図4を参照してシーケンスデータ23の詳細を説明する。図4に示したように、シーケンスデータ23は、条件定義部23aと、シーケンス部23bとを含んでいる。条件定義部23aには、音楽のテンポ(一例としてBPM)、プレイヤPがタッチパネル4を操作したときに発生させる効果音を指定する情報、上述した操作のずれ時間と評価との対応関係を指定する情報といった、楽曲ごとに異なるゲームの実行条件等を指定する情報が記述される。
【0033】
一方、シーケンス部23bには、ゲーム領域A上でオブジェクトOが判定ラインLiに到達すべき到達時期が楽曲中の時刻と対応付けて記述されている。この到達時期に到達すべきオブジェクトOが到達した場合に操作タイミングの評価が可能となる。図4にその一部を例示したように、シーケンス部23bには、到達時期と、操作すべきレーンLaとが対応付けられて記述された複数のレコードの集合として構成されている。各レコードにおいて、到達時期は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られてそれぞれ記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分したときのその拍の先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の2小節目の1拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を到達時期として指定する場合には、“02,1,025”と記述される。
【0034】
図4の例では、1小節目の2拍目の開始時点(000)でレーンLa1で判定ラインLiに到達したオブジェクトOをタッチ操作し、1小節目の3拍目の開始時点(000)でレーンLa2で判定ラインLiに到達したオブジェクトOをタッチ操作し、以降、シーケンスデータ23に記述された到達時期に指定されたレーンLaに到達するオブジェクトOをタッチ操作する。なお、図4では条件定義部23aがシーケンスデータ23の先頭のみに設けられているが、シーケンス部23bの途中の適宜の位置にも、条件定義部23aと同様に楽曲のテンポを指定する情報、あるいはタッチパネル4を操作したときに発生させるべき効果音を指定する情報等を含んだ条件設定部(不図示)が含まれてもよい。そのような条件設定情報をシーケンス部23bに含めることにより、曲中でのテンポの変更、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。
【0035】
さらにシーケンス部23bには、あみだゲームの開始及び終了を指定するあみだゲーム指示部23cが含まれる。図4に一例を示したように、あみだゲーム指示部23cにおいては、あみだゲームの開始を示す文字列“start_amida”と到達時期を対応付けたレコードが先頭に、あみだゲームの終了を示す文字列“end_amida”と到達時期とを対応付けたレコードが末尾に配置され、それらのレコード間に、あみだゲームの構成を記述したあみだデータ25の指定を示す文字列“play_amidadata_02”と、あみだゲームの対象として操作されるべきレーンLaを示す情報と到達時期とを対応付けたレコードが配置されている。図4の例では、楽曲中の3小節目の第1拍の“000”から3小節目の第3拍の“060”までがあみだゲームの時期であり、その間に、そのあみだゲームで使用する識別コード02のあみだデータ25と、各レーンLaでの操作を指定するレコードとが配置されている。
【0036】
次に、ゲーム機1にて音楽ゲームが実行される際のゲーム制御部11の処理を説明する。ゲーム制御部11は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤPからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えばゲームでプレイする楽曲、あるいは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作を含む。それらの指示を受け付ける手順は、公知の音楽ゲーム等と同様でよい。
【0037】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部11は、プレイヤPが選択した曲に対応する楽曲データを読み取って音声出力制御部13に出力することにより、スピーカ5から楽曲の再生を開始させる。ゲーム制御部11は、楽曲の再生に同期して、プレイヤPの選択に対応したシーケンスデータ23を読み取って画像データを参照しつつゲーム領域Aの描画に必要な画像データを生成して表示制御部12に出力することにより、モニタ3上にゲーム領域Aを表示させる。さらに、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部11は、ゲーム領域Aの表示等に必要な処理として、図5に示すシーケンス処理ルーチンを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図5のルーチンはシーケンス処理部14が担当し、さらにその一部を操作評価部15が担当する。
【0038】
図5のシーケンス処理ルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部14は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。例えば、楽曲の再生開始時点を基準として、ゲーム制御部11の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から現在時刻が取得される。続くステップS2において、シーケンス処理部14は、シーケンスデータ23から、ゲーム領域Aの表示範囲に相当する時間長に存在する到達時期のデータを取得する。表示範囲の一例として、現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲に設定される。シーケンス処理部14は、ステップS3にて取得したシーケンスデータ23にあみだゲームが指示されているか否かを判断する。具体的には、取得したデータにあみだゲーム指示部23cが含まれているか否かを判断する。
【0039】
ステップS3において、あみだゲームが指示されていない場合、シーケンス処理部14は、ステップS4に進んで各レーンLaに表示すべき全てのオブジェクトOのゲーム領域A内における座標を演算する。その演算は、一例として以下のように行われる。上記所定時間内に含まれている到達時期に対応付けられたレーンLaの指定に基づいて、オブジェクトOを各レーンLaのいずれに配置すべきかを判別する。また、各到達時期と現在時刻との時間差に応じて、判定ラインLiからの時間軸方向(つまり、オブジェクトOの移動方向)における各オブジェクトOの位置を判別する。これにより、各オブジェクトOを指定されたレーンLa内にて判定ラインLiから時間軸に沿って配置するために必要な各オブジェクトOの座標を取得することができる。
【0040】
シーケンス処理部14は、次のステップS5に進んで、ステップS4で演算されたオブジェクトOの座標に基づいて、ゲーム領域Aを描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、演算された座標にオブジェクトOが配置されるように画像データを生成する。オブジェクトOの画像はゲームデータ22の画像データから取得すればよい。続くステップS6にて、シーケンス処理部14は、表示制御部12に画像データを出力する。これにより、モニタ3にゲーム領域Aが表示される。そして、シーケンス処理部14は、ステップS7にてステップS2で取得した到達時期におけるプレイヤPの操作タイミングの評価処理を操作評価部15に実行させる。操作タイミング評価については、上述したように、プレイヤPが実際にタッチパネル4を操作した時刻とそのオブジェクトOの到達時期とのずれ時間を求め、そのずれ時間に基づいてプレイヤPの操作を評価する。このずれ時間が小さいほどプレイヤPの操作が高く評価され、一方、操作タイミングがずれた場合には低い評価となる。プレイヤPの不操作や操作ミスの場合には、失敗判定となる。なお、ステップS7の操作評価に関する処理は、公知の音楽ゲームと同様でよい。ステップS7の後、シーケンス処理部14は今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。
【0041】
一方で、ステップS3であみだゲームが指示されている場合には、シーケンス処理部14は、ステップS8に進み、あみだゲームを実行するあみだゲーム処理を実行して、今回の処理を終了する。あみだゲーム処理については後述する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、ゲーム領域Aに各レーンLaにシーケンスデータ23に合わせてオブジェクトOが出現する。オブジェクトOが判定ラインLiと一致するとき、つまり、到達時期に合わせたタイミングでプレイヤPがタッチ操作することにより、操作タイミングが評価される。一方、あみだゲームが指示されたときには、後述するあみだゲームが実行される。
【0042】
図6を参照してシーケンス処理部14が実行するあみだゲーム処理ルーチンを説明する。図6のあみだゲーム処理ルーチンが実行されると、シーケンス処理部14は、まず、ステップS11にてあみだゲーム指示部23cで指定されたあみだデータ25を取得する。あみだデータ25には、あみだゲームにおける出現位置に出現する各オブジェクトOの配置座標と、そのあみだゲームで使用されるパネルPaのコードと、正解時のパネルPaの配置される位置座標(配置領域a)、一部不正解時のパネルPaの配置により正解となるオブジェクトOと、不正解となるオブジェクトOの対応関係等の情報が記憶され、今回のあみだゲームにて実行される問題を構成するための情報となる。また、あみだデータ25を読み取って、画像データを参照しつつゲーム領域Aの出現位置APに出現する各オブジェクトOや、パネルデータ24を参照して各パネルPa、各レーンLa間に位置する各配置領域aの描画に必要な画像データを生成して表示制御部12に出力することにより、あみだゲームの開始に必要な情報をゲーム領域Aに提示する(図3A)。
【0043】
シーケンス処理部14は、次のステップS12に進んでプレイヤPがパネルPaを配置したか否かを判断する。パネルPaが配置領域aに配置されるようにプレイヤPが操作すると、配置領域aの所定の位置座標にバーBが設置されるように表示される。このとき、パネルPaは、パネルデータPaで記述されている配置領域と同一の大きさの配置領域aであれば対応付けられていない配置領域aでも配置が可能である。全てのパネルPaを配置領域aに配置していない場合、シーケンス処理部14はステップS18に進んで、プレイヤPに与えられた配置期間がタイムアウトしていないか否かを判断する。この配置期間として、例えば、楽曲の2小節分の長さの時間が与えられる。タイムアウトしていない場合は、シーケンス処理部14はステップS12に戻ってプレイヤPの操作を待つ。
【0044】
一方、ステップS12にてパネルPaが全て配置された場合、あるいは、ステップS18にてタイムアウトした場合、シーケンス処理部14は、ステップS13に進んで配置されたパネルPaが正解しているか否かを判断する。ここで正解とは、各配置領域aと対応付けられたパネルPaを候補の中から選ぶことをいう。ひとつの配置領域aに対して、正解のパネルPaが対応付けられて指定されている。この対応付けは、出現位置APに出現した各オブジェクトOが、そのオブジェクトOと同一の色(図3における網かけ)のレーンLaの判定ラインLi上に到達するように行われる。この正解か否かの判断は、配置領域aとパネルPaとの組合せが対応付けられたものか否かで判断されるため、オブジェクトOの判定ラインLiまでの移動を待たずにパネルPaをプレイヤPが配置した時点で正解か否かが判断できる。
【0045】
例えば、図3Aを例に説明すると、配置領域a1とパネルPa1とが、配置領域a2とパネルPa2とが、配置領域a3とパネルPa3とがそれぞれ対応付けられているので、図3BのようにプレイヤPが各パネルPaを各配置領域aに配置した場合、ステップS13では正解と判断される。一方で、パネルPa2とパネルPa3とを入れ替えて、プレイヤPが配置領域a2にパネルPa3を、配置領域a3にパネルPa2を配置した場合には、不正解と判断される。なお、この組合せで配置された場合、オブジェクトO2のみが正しいレーンLa1に到達することになる。また、プレイヤPがパネルPaを配置しなかった状態、あるいは一部のパネルPaを配置しただけの状態でステップS18にてタイムアウトした場合は、その状態で、オブジェクトOがあみだくじのようにして移動することになる。プレイヤPがパネルPaを対応付けられた配置領域aに配置した時点で、つまり、正解となるパネルPaを配置領域aに配置した時点でプレイヤPに正誤を知らせるような演出をしてもよい。正誤をプレイヤに知らせる演出として、例えば、配置した経路変更部を点滅させたり光らせたりして知らせたり、正解用あるいは不正解用の音を出力して知らせたりすることができる。
【0046】
ステップS13でパネルPaの配置が正解している場合、シーケンス処理部14は、ステップS14に進んでゲームデータ22を参照して正解用の効果音データ26を取得する。そして、ステップS15に進んでシーケンス処理部14は、判定ラインLiに到達するオブジェクトOに対するシーケンスデータ23に合わせた操作を許可する。一方、ステップS13でパネルPaの配置が不正解の場合、シーケンス処理部14はステップS16に進んでゲームデータ22を参照して不正解用の効果音データ26を取得する。不正解の場合、オブジェクトOはシーケンスデータ23に記述された到達時期と異なるタイミングで判定ラインLiに到達する。そして、ステップS17に進んでシーケンス処理部14は、判定ラインLiに到達するオブジェクトOが不正解の場合に操作を不許可とする。上述した図3BでパネルPa2とパネルPa3を入れ替えた場合のように、不正解ではあるけれども一部のオブジェクトO(オブジェクトO2)が正解することがあるため、このように一部正解のオブジェクトOの操作を許可し、その他のオブジェクトOの操作を不許可とする。なお、全て不正解の場合と同様に、一部正解であっても操作を不許可としてもよい。
【0047】
シーケンス処理部14は、続くステップS19で、パネルPaが設置され、各レーンLaに各バーBが設置された状態でオブジェクトOが移動する経路の表示に必要な座標を取得する。バーBが配置されれば各オブジェクトOの移動経路は確定し、また各オブジェクトOは一定速度かつ互いに同速度で移動するため、ゲーム領域A上でオブジェクトOの移動表示に必要な座標を取得することができる。次のステップS20でシーケンス処理部14は、ステップS19のオブジェクトOの座標に基づいて、描画に必要な画像データを生成し、表示制御部12に出力する。具体的には、演算された座標にオブジェクトOが配置されるように画像データを生成する。それとともにその画像データを表示制御部12に出力する。これにより、モニタ3にオブジェクトOの移動が表示される(図3C)。
【0048】
次のステップS21にてシーケンス処理部14は、判定ラインLiに到達するオブジェクトOが正解のオブジェクトOか否かを判断する。正解のオブジェクトOとは、ステップS13で正解と判断された場合の各オブジェクトO、あるいは、不正解であった場合でも、一部正解のオブジェクトOが存在する場合の正解のオブジェクトOのことである。これらのオブジェクトOの場合には、シーケンス処理部14はステップS22へ進んでそのオブジェクトOに対するプレイヤPの操作タイミングを評価して今回の処理を終了する。操作評価に関する処理としては、上述したステップS7と同様でよいので説明を省略する。一方、不正解のオブジェクトOの場合には、シーケンス処理部14はステップS23へ進み、オブジェクトOが判定ラインLiに到達するタイミングでステップS16にて取得した不正解用の効果音データ26を音声出力制御部13に出力して今回の処理を終了する。このとき、プレイヤPがオブジェクトOにタッチ操作しても、操作評価は行われない。
【0049】
上述の処理によれば、あみだゲームが指示された場合に、プレイヤPへの問題として各レーンLaと色が異なった状態で出現位置APに表示される各オブジェクトOと、判定ラインLiに到達したときのレーンLaの色とが一致するようにパネルPaを配置させ、プレイヤPが配置した経路であみだくじのようにオブジェクトOを移動させる。プレイヤPが配置したパネルPaが正解か否かはパネルPa配置の時点で正誤が判断され、その判断に基づいて、判定ラインLiに到達したときのオブジェクトOの操作評価の許可又は不許可を決定する。従って、オブジェクトOの移動を予測してパネルPaを配置するというパズル要素が強い音楽ゲームを実行することができ、プレイヤPに新規なプレイ感覚を与え、ゲームの興趣を高めることができる。
【0050】
以上の形態において、ゲーム機1の外部記憶装置20が、シーケンスデータ記憶手段、あみだデータ記憶手段、経路変更部記憶手段として機能する。また、制御ユニット10がシーケンス処理部14に図6のあみだゲーム処理ルーチンのステップS13を実行させることにより経路判定手段として機能し、同様にステップS19を実行させることにより標識移動制御手段として機能し、同様にステップS21〜ステップS23を実行させることにより操作評価手段として機能する。
【0051】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、判定ラインLiの到達時にそのレーンLaと同色のオブジェクトOが到達するように各パネルPaを各配置領域aに配置するようにした音楽ゲームで説明したが、これに限られない。例えば、オブジェクトOに1、2、3、4、…等の数字を付与し、その順に判定ラインLiに到達することで正解とするようなゲームとしてもよい。この場合にも、各オブジェクトOを互いに同速度かつ等速度としておけば、短い経路のオブジェクトOから順に判定ラインLiに到達する。あみだデータ25に、出現位置APに対する数字の付与されたオブジェクトOの並び順、及び、正解となるパネルPaの配置等を記録しておくことで、上述の形態と同様の処理で実行することができる。従って、プレイヤPは、「1」の数字が付与されたオブジェクトOから順に判定ラインLiに到達するように予測しながらパネルPaを配置することになり、パズル要素が付加された音楽ゲームを提供することができる。
【0052】
また、本形態においては、パネルPaの配置が正解した場合に、判定ラインLiに到達したオブジェクトOの操作タイミングの評価をしているが、これに限られない。例えば、パネルPaの配置が正解か否かを判断するのみの「あみだパズル」として音楽ゲームに組み込んでもよい。本変形例では、図6のあみだゲーム処理ルーチンにおいて、ステップS13にてシーケンス処理部14が配置されたパネルPaが正解しているか否かを判断した後、正解又は不正解に応じて効果音データ26を取得する(ステップS14、ステップS16にそれぞれ相当)。このとき取得する効果音データ26は、パネルPa配置時の正誤を知らせる効果音及びオブジェクトOが判定ラインLiに到達したときの効果音が含まれる。正誤を知らせる効果音は、パネルPaが配置された後、プレイヤPに正誤がすぐにわかるように出力される。そして、各オブジェクトOの判定ラインLiの到達に合わせて、取得した効果音データ26を音声出力制御部13に出力し、スピーカ4から正解音又は失敗音を再生させる。なお、配置されたパネルPaの正誤を知らせるため、ゲーム領域A上でパネルPaを光らせる等の演出を行うようにしてもよい。
【0053】
図6のあみだゲーム処理ルーチンで、ステップS15、ステップS17、ステップS21〜ステップS23の処理を省略し、ステップS20の処理の後に、効果音出力処理を加えたものが本変形例となる。本変形例によれば、プレイヤPが配置したパネルPaの正誤を判断し、その判断に応じた効果音をオブジェクトOの判定ラインLiへの到達に合わせて出力する。到達時期における操作タイミングの評価がなくなるが、あみだパズルとしてプレイされ、例えば、パズルとしての難度が高く、オブジェクトOが複雑な動きをする場合や、難度の低い初級モードで操作タイミングの評価をしない場合等に本変形例を適用することができる。本変形例においては、シーケンスデータ23に到達時期の情報が記述されていなくともよく、正解及び不正解時のオブジェクトOの判定ラインLiの到達時期がパネルPaの配置の組合せに対応付けられてあみだデータ25に記述されていてもよい。
【0054】
本形態の音楽ゲームを複数のレーンを有し、レーンに沿って移動するオブジェクトが到達時期を知らせるようなタイプの既存の音楽ゲームにも適用してもよい。変形例として、ギターコントローラと使用したギター音楽ゲームで説明する。図7にギター音楽ゲームのゲーム画面Dの一例を示す。本ゲームでは、ゲーム領域Aに複数のレーンLaO、LaB、LaY、LaR、LaGが表示され、下端部に判定ラインLiが表示される。各レーンLaには、オブジェクトOがレーンLaに沿って移動し、判定ラインLiに到達することで操作タイミングをプレイヤPに知らせる。プレイヤPはギターコントローラにて各レーンLaに対応するボタンを押しながらオブジェクトOが知らせる操作タイミングでピッキングレバーを操作する。なお、ゲーム画面Dには、キャラクタCが提示され、現在の演奏法に応じた姿勢が表示されている。このようなギター音楽ゲームにおいても、各レーンLa間に配置領域aを配置し、パネルPaをゲーム画面Dに提示し、図6のあみだゲーム処理ルーチンを実行することにより、あみだゲームを適用することができる。図7においては、レーンLaに奥行があるように表示されているが、パネルPaの形状は配置に際し、配置領域aに一致するように形状が変化するように表示させてもよい。このようなギター音楽ゲームの他、キーボードやドラム等の各種楽器による音楽ゲームや、一般のゲームコントローラで行われるレーンLaに沿ってオブジェクトOが移動する各種音楽ゲームにも適用できる。
【0055】
本形態においては、配置領域aに配置したパネルPaとの対応関係から正誤を判別したがこれに限られない。例えば、ゲーム画面Dに提示されたバーBの候補(バーBのみの情報を有するパネルPa)からレーンLa間の適宜の位置に配置してもよい。この場合、正解となる経路であっても、設置したバーBの長さにより到達のタイミングが異なってくるので、経路が正解していれば到達時期に判定ラインLiに到達するようにオブジェクトOの速度を調整するようにしてもよい。あみだゲーム処理としては、例えば、ステップS13で、パネルPaの正誤の判別の代わりにプレイヤPの設置したバーBにより各オブジェクトOがどのレーンLaの判定ラインLiに到達するかを判断する。その結果、正解していれば各オブジェクトOの速度を調整した上でステップS14に進み、不正解であれば、ステップS16に進むようにすればよい。
【0056】
配置領域aとパネルPaとは同数である必要はなく、複数の配置領域aに対してそれよりも少ない数のパネルPaを配置させるようにしてもよいし、パネルPaを複数提示して、配置領域aに配置するパネルPaを選択させるようにしてもよい。パネルPaには、配置領域aに対してバーBの位置関係も規定されているがこれに限られず、バーBのみの情報を有するパネルPaであってもよい。この場合には、上述の変形例のような使用が考えられる。
【0057】
本形態においては、商用のゲーム機1で説明したがこれに限られない。例えば、家庭用の据置型ゲーム機や携帯型ゲーム機、ゲーム機能を有する携帯電話、ネットワークを利用して実現されるゲームシステム等であってもよい。プレイヤPの操作を受け付ける操作部についてもタッチパネル4に限られない。例えば、各種操作ボタンを有するコントローラ等であってもよい。このような場合においては、操作すべきオブジェクトOの指定は自動で行われるようにしてもよい。音声入力操作や、視線による操作を実現する入力装置によってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 ゲーム機(ゲームシステム)
3 モニタ(表示部)
4 タッチパネル(操作部)
10 制御ユニット
11 ゲーム制御部(経路判定手段、標識移動制御手段、操作評価手段)
21 ゲームプログラム
22 ゲームデータ(シーケンスデータ記憶手段、あみだデータ記憶手段、経路変更部記憶手段)
A ゲーム領域
a 配置領域
D ゲーム画面
La レーン(標識案内部)
Li 判定ライン(操作基準部)
O オブジェクト(操作指示標識)
B バー(経路変更部)
P プレイヤ
Pa パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面を表示する表示部と、
プレイヤの操作を受け付ける操作部と、
ゲーム領域上で操作基準標識が操作基準部に到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記ゲーム領域上で前記操作指示標識を一定方向に案内する複数の標識案内部の間に配置可能で、前記標識案内部に沿って移動する操作指示標識の移動方向を変更する経路変更部の複数の候補が、前記ゲーム画面上に提示され、前記操作部からの入力に基づいて、提示された経路変更部の候補のうちいずれかを選択して前記標識案内部間に配置し、その配置された経路変更部により案内される操作指示標識が前記到達時期に前記操作基準部に到達するか否かを判断する経路判定手段と、
前記標識案内部を移動する操作指示標識が、前記経路変更部の一方の設置点にて当該経路変更部を移動経路として選択し、当該経路変更部上を移動して、接続した標識案内部を他方の設置点から前記一定方向に移動することを繰り返すように制御する標識移動制御手段と、
備えたゲームシステム。
【請求項2】
前記標識案内部間に設けられた前記経路変更部の候補を配置するための配置領域と、前記経路変更部の候補のうちいずれか一つの経路変更部と、が1対1で対応付けられて記述されたあみだデータを記憶するあみだデータ記憶手段を備え、
前記経路判定手段は、前記配置領域に配置された経路変更部が前記対応付けられた経路変更部と一致する場合に正解とし、前記操作指示標識が前記到達時期に前記操作基準部に到達すると判断する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記経路判定手段は、前記正解とした場合に、正解をプレイヤに知らせる演出を実行する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記経路判定手段にて前記到達時期に前記操作基準部に到達すると判断された操作指示標識が移動して、前記到達時期に前記操作基準部に到達する操作タイミングにおける前記操作部からの操作を受け付け、前記到達時期と、前記操作部からの操作とのずれ時間を評価する操作評価手段を備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記操作評価手段は、前記経路判定手段にて前記到達時期に前記操作基準部に到達しないと判断された操作指示標識の操作評価を実行しない請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記経路変更部を規定する、前記標識案内部間で前記操作指示標識が移動する経路と、その経路が前記配置領域に占める位置と、が記述された経路変更部データを記憶する経路変更部データ記憶手段を備えた請求項2〜5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
ゲーム画面を表示する表示部と、プレイヤの操作を受け付ける操作部と、ゲーム領域上で操作基準標識が操作基準部に到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムのコンピュータを、
前記ゲーム領域上で前記操作指示標識を一定方向に案内する複数の標識案内部の間に配置可能で、前記標識案内部に沿って移動する操作指示標識の移動方向を変更する経路変更部の複数の候補が、前記ゲーム画面上に提示され、前記操作部からの入力に基づいて、提示された経路変更部の候補のうちいずれかを選択して前記標識案内部間に配置し、その配置された経路変更部により案内される操作指示標識が前記到達時期に操作基準部に到達するか否かを判断する経路判定手段、及び、前記標識案内部を移動する操作指示標識が、前記経路変更部の一方の設置点にて当該経路変更部を移動経路として選択し、当該経路変更部上を移動して、接続した標識案内部を他方の設置点から前記一定方向に移動することを繰り返すように制御する標識移動制御手段、として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。
【請求項8】
ゲーム画面を表示する表示部と、プレイヤの操作を受け付ける操作部と、ゲーム領域上で操作基準標識が操作基準部に到達すべき到達時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムのコンピュータに、
前記ゲーム領域上で前記操作指示標識を一定方向に案内する複数の標識案内部の間に配置可能で、前記標識案内部に沿って移動する操作指示標識の移動方向を変更する経路変更部の複数の候補が、前記ゲーム画面上に提示され、前記操作部からの入力に基づいて、提示された経路変更部の候補のうちいずれかを選択して前記標識案内部間に配置し、その配置された経路変更部により案内される操作指示標識が前記到達時期に操作基準部に到達するか否かを判断する経路判定工程、及び、前記標識案内部を移動する操作指示標識が、前記経路変更部の一方の設置点にて当該経路変更部を移動経路として選択し、当該経路変更部上を移動して、接続した標識案内部を他方の設置点から前記一定方向に移動することを繰り返すように制御する標識移動制御工程、を実行させるゲームシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−189073(P2011−189073A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59606(P2010−59606)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】