説明

ゲームシステム及びそれに用いられるゲーム情報記憶媒体

【課題】簡単な操作でゲーム空間の状態を変化させることが可能であり、プレイヤが操作
方法に熟練する必要がなく、ゲームプレイに集中できるとともに、熱中度を高められる、
ゲームシステム及びそれに用いられるゲーム情報記憶媒体を提供する。
【解決手段】プレイヤによって把持されるハウジングに変化状態検出手段を備える。変化
状態検出手段はハウジングに加えられた変化の量(例えば、傾き量,運動量,衝撃量等)
と変化方向(例えば、傾き方向,運動方向,衝撃方向等)の少なくとも一方を検出する。
シミュレーションプログラムが変化状態検出手段の出力に基づいて、ハウジングに加えら
れた変化量と変化方向の少なくとも一方に関連させて、ゲーム空間の状態を変化させるよ
うにシミュレートする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はゲームシステム及びそれに用いられるゲーム情報記憶媒体に関し、特に携帯ゲ
ーム装置のハウジング又はビデオゲーム装置のコントローラに加えられる傾き,運動又は
衝撃等の変化量・変化方向を検出して操作情報としてゲーム空間の状態を変化させる、ゲ
ームシステム及びそれに用いられるゲーム情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーム装置における操作は、プレイヤがビデオゲーム機のコントローラ(操作器の
ハウジング)又は携帯型ゲーム装置のハウジングを両手で把持しつつ、方向指示キー(ジ
ョイスティック)やボタン等の操作スイッチを操作することによって行われていた。例え
ば、プレイヤが方向指示キーの上下左右の何れか1つの押点を押圧すると、移動(プレイ
ヤ)キャラクタが上下左右の何れか1つの押圧方向に移動し、動作ボタンを操作すると移
動キャラクタがジャンプ等の動作ボタンに定義付けされた動作をするように、移動キャラ
クタの表示状態が変化する。また、従来のゲーム装置又はゲームソフト(ゲーム情報記憶
媒体)は、プレイヤが操作スイッチを操作してプレイヤの分身である移動(プレイヤ)キ
ャラクタの画面上の動きを変化させるものであるため、ゲーム空間(又は背景画面)をプ
レイヤの操作によって自由に変更できるものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のゲーム操作方法は、プレイヤがゲームソフトの取扱説明書等に示されたゲーム操作
方法を覚えることが必要であり、汎用的な操作スイッチを使用するものであるため、プレ
イヤによる操作スイッチの操作感覚と一致したゲーム空間(又はゲーム画面)の変化を実
現できず、操作感覚と画面の表示状態とが対応しない場合もあった。そのため、プレイヤ
はゲーム操作方法を習得するまでは、ゲームプレイに集中できず、興趣を損なうこともあ
った。また、従来のゲーム装置又はゲームソフトは、プレイヤの操作に応じてゲーム空間
(又は背景画面)を変化させることができず、ゲーム空間の変化に乏しく、面白味に欠け
る場合もあった。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ゲーム空間の状態をプレイヤの操作によって変化
させることが可能な、ゲームシステム及びそれに用いられるゲーム情報記憶媒体を提供す
ることである。この発明の他の目的は、簡単な操作でゲーム空間の状態を変化させること
が可能であり、プレイヤが操作方法に熟練する必要がなく、ゲームプレイに集中できると
ともに、熱中度を高められる、ゲームシステム及びそれに用いられるゲーム情報記憶媒体
を提供することである。この発明のその他の目的は、プレイヤの操作とゲーム空間の状態
の変化を対応させて、操作感覚と対応したゲーム画面の変化を実現し得る、ゲームシステ
ム及びそれ用いられるゲーム情報記憶媒体を提供することである。この発明のさらに他の
目的は、複数のゲーム装置と連動してゲーム空間の状態を変化でき、複数のプレイヤによ
る協力又は対戦によってゲーム空間の変化状態の種類を豊富にでき、ゲームの興趣を高め
られて、仮想現実感を味わうことができる、ゲームシステム及びそれ用いられるゲーム情
報記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明(請求項1に係る発明)は、ゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記
憶手段とゲームプログラムを実行する処理手段とを備えるゲーム装置に対して、処理手段
の処理結果に基づく画像を表示する表示手段が関連的に設けられたゲームシステムである
。そして、プレイヤによって把持されるハウジング、及び変化状態検出手段を備える。変
化状態検出手段は、ハウジングに関連して設けられ、かつハウジングに加えられた変化の
量(例えば、傾き量,運動量,衝撃量等)と変化方向(例えば、傾き方向,運動方向,衝
撃方向等)の少なくとも一方を検出する。ゲームプログラム記憶手段は、ゲーム空間デー
タと、表示制御プロクラムと、シミュレーションプログラムとを記憶する。ゲーム空間デ
ータは、ゲームプレイ可能な空間を表示するための画像データを含む。表示制御プロクラ
ムは、ゲーム空間データに基づいて表示手段にゲーム空間を表示させる。シミュレーショ
ンプログラムは、状態検出手段の出力に基づいて、ハウジングに加えられた変化量と変化
方向の少なくとも一方に関連させて、ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレート
する。
【0006】
ここで、ゲーム空間とは、プレイ可能なゲーム中の世界を意味するものであり、ゲームの
種類又はジャンルによって異なり、表示画面を通じてプレイヤに示されるものである。例
えば、移動(又はプレイヤ)キャラクタがその中を移動するアクションゲームやロールプ
レイングゲームでは背景,迷路その他のマップ、格闘ゲームではリング(それに加えて観
客席やリング上部の空間も含む),レースゲームでは走行可能なコースやコースの周辺の
空間、シューティングゲームではキャラクタの背景となるような宇宙空間等の背景画面(
但し、キャラクタは必須ではなく、キャラクタが存在しないゲーム空間も考えられ得る)
、道具を使用したゲームでは道具の使用を連想させるような画面等がゲーム空間となる。
シミュレートとは、ハウジングに加えられた傾き,運動又は衝撃の量的なものと方向性の
少なくとも一方に基づいて、実空間上に生じる変化をゲーム空間の状態変化として擬似的
に表現するゲーム制御のことである。ゲーム制御には、ゲーム空間そのものの状態変化を
シミュレートする場合と、ゲーム空間の状態が変化することによって他の物体への間接的
な影響をシミュレートする場合を含む。前者は、ハウジングに衝撃が与えられたとき、ゲ
ーム空間にエネルギーが与えられたものと想定してゲーム空間の地形を変形させるように
シミュレートする場合である。後者は、ハウジングが傾けられたとき、ゲーム空間の一例
の迷路板が傾いたものと仮定として、迷路板の上に存在するボールが転がるようにシミュ
レートする場合である。ゲーム空間そのものの状態変化をシミュレートする場合は、地形
変形を引き起こすもののような表示上の変化を引き起こすものの他に、ゲーム空間の温度
上昇等のパラメータが変化するものも考えられる。
【0007】
第2の発明(請求項16に係る発明)は、表示手段が関連的に設けられ、プレイヤによっ
て把持されるハウジングを含む操作手段と、ハウジングに関連して設けられかつハウジン
グに加えられた変化の量と方向の少なくとも一方を検出する変化状態検出手段と、プログ
ラムを処理することによって得られる画像を表示手段に表示させる処理手段とから構成さ
れるゲームシステムに対して、着脱自在に装着されかつゲームプログラムを記憶するゲー
ム情報記憶媒体である。ゲーム情報記憶媒体は、ゲーム空間データと、表示制御プロクラ
ムと、シミュレーションプログラムとを記憶する。ゲーム空間データは、ゲームプレイ可
能な空間を表示するための画像データを含む。表示制御プロクラムは、ゲーム空間データ
に基づいて表示手段にゲーム空間を表示させるものである。シミュレーションプログラム
は、変化状態検出手段の出力に基づいて、ハウジングに加えられた変化量と変化方向の少
なくとも一方に関連させて、ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレートするもの
である。
【0008】
第3の発明(請求項17に係る発明)は、表示手段が一体的に設けられかつプレイヤによ
って把持されるハウジングと、プログラムを処理することによって得られる画像を表示手
段に表示させる処理手段とを含む携帯ゲーム装置に対して、着脱自在に装着されかつゲー
ムプログラムを記憶するゲーム情報記憶媒体であり、ゲーム情報記憶媒体に関連して設け
られ、かつ携帯ゲーム装置のハウジングに加えられた変化の量と方向の少なくとも一方を
検出する変化状態検出手段を備える。ゲーム情報記憶媒体は、ゲーム空間データと、表示
制御プロクラムと、シミュレーションプログラムとを記憶する。ゲーム空間データは、ゲ
ームプレイ可能な空間を表示するための画像データを含む。表示制御プロクラムは、ゲー
ム空間データに基づいて前記表示手段にゲーム空間を表示させるプログラムである。シミ
ュレーションプログラムは、変化状態検出手段の出力に基づいて、ハウジングに加えられ
た変化量と変化方向の少なくとも一方に関連させて、ゲーム空間の状態を変化させるよう
にシミュレートするプログラムである。
【0009】
第4の発明(請求項19に係る発明)は、少なくとも2台のゲーム装置によって構成され
るゲームシステムであって、複数のゲーム装置の連動を行うものである。2台のゲーム装
置は、それぞれゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶手段と、ゲームプログ
ラムを実行する処理手段と、プレイヤによって把持されるハウジングとを備え、処理手段
の処理結果に基づく画像を表示する表示手段が関連的に設けられる。2台のゲーム装置の
少なくとも一方は、ハウジングに関連して設けられ、かつハウジングに加えられた変化量
と変化方向の少なくとも一方を検出する変化状態検出手段を備える。2台のゲーム装置に
接続されかつ相互に関連するデータを相手側のゲーム装置に伝送するデータ伝送手段をさ
らに備える。2台のゲーム装置のそれぞれのゲームプログラム記憶手段は、ゲーム空間デ
ータと、表示制御プロクラムとを記憶する。ゲーム空間データは、ゲームプレイ可能な空
間を表示するための画像データを含む。表示制御プロクラムは、ゲーム空間データに基づ
いて表示手段にゲーム空間を表示させるプログラムである。2台のゲーム装置の少なくと
も他方のゲームプログラム記憶手段は、データ伝送手段を介して伝送される一方のゲーム
装置の変化状態検出手段の出力に基づいて、一方のゲーム装置の前記ハウジングに加えら
れた変化量と変化方向の少なくとも1つに関連させて、他方のゲーム装置の前記ゲーム空
間の状態を変化させるようにシミュレートするシミュレーションプログラムをさらに記憶
する。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ゲーム空間の状態を変化させることが可能な、ゲームシステム及びそ
れ用いられるゲーム情報記憶媒体が得られる。また、この発明によれば、簡単な操作でゲ
ーム空間の状態を変化させることができ、プレイヤが操作方法に熟練する必要がなく、ゲ
ームプレイに集中でき、熱中度を高められる、ゲームシステム及びそれに用いられるゲー
ム情報記憶媒体が得られる。また、この発明によれば、プレイヤの操作とゲーム空間の状
態の変化を対応させて、操作感覚と対応したゲーム画面の変化を実現することができる、
ゲームシステム及びそれ用いられるゲーム情報記憶媒体が得られる。さらに、この発明に
よれば、複数のゲーム装置と連動してゲーム空間の状態を変化でき、複数のプレイヤによ
る協力又は対戦によってゲーム空間の変化状態の種類を豊富にでき、ゲームの興趣を高め
られて、仮想現実感を味わうことができる、ゲームシステムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1実施例)図1図40を参照して、本発明の第1の実施例の携帯型ゲーム装置を説
明する。図1は携帯型ゲーム装置(以下、単に「ゲーム装置」と呼ぶ)の外観図である。
ゲーム装置は、ゲーム装置本体10とゲーム装置本体10に着脱自在なゲームカートリッ
ジ(以下「カートリッジ」と略称する)30とから構成される。カートリッジ30は、ゲ
ーム装置本体10に装着されたときに電気的に接続される。ゲーム装置本体10は、ハウ
ジング11を備え、ハウジング11の内部に後述する図3に示すように回路構成される基
板を含む。ハウジング11の一方主面にはLCD12および操作スイッチ13a〜13e
が設けられ、他方主面にはカートリッジ30を装着するための孔14が形成される。また
側面には必要に応じて他のゲーム装置と通信するための通信ケーブルを接続するコネクタ
15が設けられる。
【0012】
図2は、ゲーム装置とXYZ軸との関係を示した図である。LCD12を上方を向けて操
作スイッチ部が手前になるようにゲーム装置を配置したとき、ゲーム装置の横方向をX軸
(右方向がプラス方向)とし、縦方向をY軸(奥方向がプラス方向)とし、厚み方向をZ
軸(上方向がプラス方向)とする。
【0013】
図3はゲーム装置のブロック図である。ゲーム装置本体10は、基板27を内蔵し、基板
27にはCPU21が実装される。CPU21には、LCDドライバ22と操作スイッチ
13とサウンド発生回路23と通信用インターフェース24と表示用RAM25とワーク
RAM26とが接続される。サウンド発生回路23には、スピーカー16が接続される。
通信用インターフェース24は、コネクタ15および通信ケーブル50を介して他のゲー
ム装置40と接続される。なお、他のゲーム装置40との通信の方法は通信ケーブル50
による方法を図示したが、無線や携帯電話等を使用したものでも良い。
【0014】
カートリッジ30は、基板36を内蔵し、基板36には図16を参照して後述するような
ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶したプログラムROM34と、図19を参照
して後述するようなゲームデータを記憶するバックアップRAM35が実装される。カー
トリッジ30は、これらの記憶手段に加えて、ゲーム装置本体の傾き,運動および衝撃を
検出する検出手段の一例として、X軸方向およびY軸方向の加速度を検出するXY軸加速
度センサ31と、Z軸方向の加速度を検出するZ軸接点スイッチ32を含む。また、カー
トリッジ30は、加速度検出手段のインターフェースであるセンサインターフェース33
を含む。X軸,Y軸,Z軸方向すべての加速度を検出可能な3軸の加速度センサを使用す
る場合、Z軸接点スイッチ32が不要となるが、2軸加速度センサ(XY軸加速度センサ
)の方が安価であり、本実施例ではZ軸方向の加速度検出は高い精度を必要としないので
、構造が簡単で安価なZ軸接点スイッチ32を用いることにする。また、XY軸方向につ
いても高い精度を必要としない場合は、Z軸接点スイッチと同じような構造の検出手段を
XY軸方向の加速度検出に使用しても良い。
【0015】
プログラムROM34に記憶されたゲームプログラムはCPU21によって実行される。
ゲームプログラムの実行の際に必要な一時的なデータがワークRAM26に記憶される。
ゲーム装置の電源をオフしたときにも持続的に記憶すべきゲームデータがバックアップR
AM35に記憶される。CPU21がゲームプログラムを実行して得た表示データが表示
用RAM25に記憶され、LCDドライバ22を介してLCD12に表示される。同様に
、CPU21がゲームプログラムを実行して得たサウンドデータがサウンド発生回路23
に送られてスピーカー16から効果音としてサウンドが発生される。操作スイッチ13は
ゲーム操作をするためのものであるが、本実施例においては操作スイッチ13は補助的な
ものである。プレイヤは、主として、ゲーム装置を傾けたり、運動させたり、衝撃を与え
たりしてゲーム操作をおこなう。このゲーム装置の傾き,運動,衝撃のゲーム操作がXY
軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32によって検出される。これらの加速度検
出手段の出力値を利用して、CPU21がゲームプログラムを実行する。
【0016】
複数のゲーム装置を使用するゲームの場合、CPU21がゲームプログラムを実行して得
たデータは通信用インターフェース24に送られてコネクタ15および通信ケーブル50
を介して他のゲーム装置40に送られる。また、他のゲーム装置40のデータが通信ケー
ブル50,コネクタ15および通信用インターフェース24を介してCPU21に送られ
る。
【0017】
図4はセンサインターフェース33の詳細ブロック図である。センサインターフェース3
3は、Xカウンタ331,Yカウンタ332,カウント停止回路333,ラッチ334と
335,デコーダ336および汎用I/Oポート337を含む。Xカウンタ331は、X
Y軸加速度センサ31のX軸出力に基づいてクロック信号ファイのパルスをカウントする
。Yカウンタ332は、Y軸出力に基づいてクロック信号ファイのパルスをカウントする
。カウント停止回路333は、XY軸加速度センサ31のX軸出力の立ち下がりに応答し
て、Xカウンタ331にカウント停止信号を送り、Y軸出力の立ち下がりに応答してYカ
ウンタ332にカウント停止信号を送る。ラッチ334,335は、Xカウンタ331,
Yカウンタ332の値をそれぞれ保持する。デコーダ336は、Xカウンタ331とYカ
ウンタ332とラッチ334とラッチ335にスタート/リセット信号を送信する。汎用
I/Oポート337は、拡張ユニットを接続するために用いられる。ラッチ334,33
5はZ軸接点スイッチの出力値(0または1)も保持する。具体的にはラッチ334,3
35の最上位ビットがZ軸接点スイッチの出力値に割り当てられ、残りの下位ビットがX
カウンタまたはYカウンタの値に割り当てられる。汎用I/Oポート337に接続される
拡張ユニットは、例えばゲームに現実感を与えるためにゲームプログラムに連動して振動
するような振動ユニット等がある。
【0018】
図5はセンサインターフェース33がXY軸加速度センサ31の出力から加速度の大きさ
に応じたカウント値を計測する原理を示した図である。本実施例におけるXY軸加速度セ
ンサ31は、波形の1周期(期間1)のうちのデューティー比を変化させることによって
加速度の大きさを表す信号を出力する。この場合、1周期のうちのハイレベル期間(期間
2または期間3)の比率が大きいほど大きな加速度を検出したことを示す。また、XY軸
加速度センサ31は、X軸出力からX軸方向の加速度の大きさを出力し、Y軸出力からY
軸方向の加速度の大きさを出力する。
【0019】
Xカウンタ331は、デコーダ336から出力されるカウントスタート信号がローレベル
になると、X軸出力のローレベルからハイレベルへの立ち上がりを検出した後、カウント
動作を開始する。具体的には、Xカウンタ331はクロック信号ファイが与えられる毎に
そのカウント値を歩進し、カウント停止回路333からのカウント停止信号に応じてカウ
ント動作を停止する。このようにして、Xカウンタ331はカウントスタート信号がロー
レベルになった直後のX軸出力のハイレベルへの立ち上がりからローレベルに立ち下がる
までの期間(期間2)中に、クロック信号ファイをカウントする。Yカウンタ332も同
様に、カウントスタート信号がローレベルになった直後のY軸出力のハイレベルへの立ち
上がりからローレベルへの立ち下がりまでの期間(期間3)中に、クロック信号ファイを
カウントする。このようにして、Xカウンタ331はX軸方向の加速度の大きさに応じた
カウント値を保持し、Yカウンタ332はY軸方向の加速度の大きさに応じたカウント値
を保持する。Xカウンタ331およびYカウンタ332の値はラッチ334またはラッチ
335に保持され、ラッチ334およびラッチ335のデータは、データバスを介してC
PU21に読み出されてゲームプログラムで利用される。
【0020】
Xカウンタ331およびYカウンタ332は、例えば、0から31までカウントし、例え
ば、カウント値15を基準(加速度0)として、カウント値が0のときが−2G(マイナ
ス方向に重力加速度の2倍)、カウント値が31のときが2G(プラス方向に重力加速度
の2倍)であるように設定される。CPU21は、ゲームプログラムに基づいてこれらの
カウント値を読み込むが、このとき、カウント値15を0、カウント値0を−15、カウ
ント値31を16として読み込むので、XY軸加速度センサ31がマイナス方向の加速度
を検出したときはCPUの読み込み値はマイナスであり、プラス方向の加速度を検出した
ときにはCPUの読み込み値はプラスとなる。
【0021】
図6はZ軸接点スイッチ32の構造図である。Z軸接点スイッチ32は導体よりなる球接
点321と接点322と接点323と箱体324から構成される。具体的には、球接点3
21は、箱体324の空間内のほぼ中央部で移動自在に支持される(箱体324の内面底
部には球接点321をほぼ中央に支持するためのくぼみ(324a)が設けられる)。箱
体324の上部には、それぞれの一方端部に半円状の切欠部(322a,323a)を有
する板状の接点322と接点323とが一方端部を対向させた状態で、他方端部が基板3
6に固着される。また、箱体324は、接点322および接点323によって吊り下げら
れた状態で、基板36に固定的に保持される。このような構成によって、カートリッジ3
0がZ軸方向(プラス方向またはマイナス方向)へ勢いよく移動されると、図7に示すよ
うに球接点321が箱体324内でZ軸方向へ移動して接点322と接点323にほぼ同
時に接触して、接点322と接点323が球接点321を介して導通状態となり、Z軸方
向への加速度入力のあったことが検出される。接点322と接点323の導通時間に基づ
いてZ軸方向への加速度の大小が検出されることになる。なお、カートリッジ30が穏や
かに傾けられた場合は、球接点321が箱体324内を移動するが接点322と接点32
3を短絡しないので、加速度を検出しない。
【0022】
図8はゲーム画面の一例である。ゲーム画面には、プレイヤキャラクタの一例のボール6
1と,敵キャラクタ(以下「NPC」と略す)の一例の亀62と,迷路を構成する壁63
や穴64とが表示される。ゲームマップは、LCD12の表示範囲より広い仮想マップで
あるので、LCD12には、ゲームマップの一部領域のみが表示され、プレイヤキャラク
タの移動に伴ってスクロールする。また、LCD12には亀62a〜62cの3匹のみ表
示されているが、ゲームマップ上には他にも多数の亀が存在する。また、ゲームマップに
は、床面と氷面と水中等の地形が存在する。
【0023】
ボール61は、プレイヤがゲーム装置を傾けたり、運動や衝撃を与えるように操作するこ
とによって、その移動量や移動方向が変更され、必要に応じてその形状も変化される。亀
62は、ゲームプログラムによって移動制御(自律移動)されるが、プレイヤがゲーム装
置を傾けたり、運動や衝撃を与えた場合にも移動したり表示変化する。
【0024】
このゲームの概要を説明すると、プレイヤーは壁63によって迷路状になっているゲーム
マップの中でボール61を操作して、NPCである亀62a〜62cをボール61で押し
つぶす。押しつぶされた亀は消滅される。ゲームマップ上の全ての亀を消滅させることに
成功するとゲームクリアとなる。ゲームマップ上にはいくつかの穴64があり、この穴6
4にボール61が落ちると1回のミスとなるか、またはゲームオーバーとなる。
【0025】
図9から図12はゲーム操作の例を示した図である。図9はX軸またはY軸方向のスライ
ド入力を示した図である。X軸方向の移動(スライド)がXY軸加速度センサ31のX軸
出力に基づいて検出され、Y軸方向の移動(スライド)がXY軸加速度センサ31のY軸
出力に基づいて検出される。(X軸またはY軸方向に移動させると、加速度が生じる)。
図10はX軸またはY軸を中心とした傾き入力を示した図である。X軸を中心とした傾き
がXY軸加速度センサ31のY軸出力に基づいて検出され、Y軸を中心として傾きがXY
軸加速度センサ31のX軸出力に基づいて検出される(X軸を中心として傾きが生じると
、重力によってY軸方向に加速度が生じ、Y軸を中心として傾きが生じると、重力によっ
てX軸方向に加速度が生じる)。図11はX軸方向またはY軸方向の衝撃入力を示した図
である。X軸方向の加速度入力がXY軸加速度センサ31のX軸出力から出力されるが、
この出力値が一定値以上の場合、衝撃入力があったとする。また、Y軸方向の加速度入力
がXY軸加速度センサ31のY軸出力から出力されるが、この出力値が一定値以上の場合
、衝撃入力があったとする。図1212はZ軸方向の運動入力(または衝撃入力)を示し
た図である。Z軸方向の運動(または衝撃)がZ軸接点スイッチ32によって検出される

【0026】
図13乃至図15は前述のゲーム操作それぞれについて利用方法の例を示した図である。
図13はスライド入力の利用方法を示した図である(図30を参照して後述するゲームマ
ップ選択処理におけるゲーム画面の一例でもある)。LCD12の表示範囲より大きな仮
想マップの一部領域をLCD12に表示している場合に、スライド入力することによって
、表示領域をスクロールさせる。具体的には、X軸の+方向にスライド入力した場合は、
現在の表示領域からX軸の+方向に移動した領域を表示するようにする。Y軸方向のスラ
イド入力も同様に処理する。スライド入力をこのように処理することによって、あたかも
LCD12を通して広い世界の一部を覗いているような感覚をプレイヤに与えることがで
きる。なお、本実施例においては、このスライド入力は、図30を参照して後述するゲー
ムマップ選択処理において利用するのみであり、ゲームのメインの処理におけるゲームマ
ップのスクロール処理においては、スライド入力は利用しない。ゲームマップのスクロー
ル処理の方法については、図38乃至図40を参照して後述する。
【0027】
図14はX軸またはY軸を中心とした傾き入力の利用方法を示した図である。X軸を中心
とした傾き入力があったときは、ゲーム画面上のゲームキャラクタ(プレイヤキャラクタ
61およびNPC62)がY軸方向に平行移動するような表示をする(X軸を中心として
プラス方向に傾いている場合には、ゲームキャラクタがY軸のマイナス方向に平行移動す
るような表示をする)。また、Y軸を中心とした傾き入力があったときは、ゲーム画面上
のゲームキャラクタ(プレイヤキャラクタ61およびNPC62)がX軸方向に平行移動
するような表示をする(Y軸を中心としてマイナス方向に傾いている場合には、ゲームキ
ャラクタがX軸のマイナス方向に平行移動するような表示をする)。傾き入力をこのよう
に処理することによって、ゲーム空間である迷路板がゲーム装置と同じように傾いて、傾
いた迷路板上をゲームキャラクタが滑っている(転がっている)かのような感覚をプレイ
ヤに与えることができる。なお、ゲームマップには、床面,氷面,水中等のように、ボー
ル61の移動量を変化させる要因となる地形が混在しており、ゲームキャラクタがどこに
存在しているかによって傾き入力に応じた移動量が変化する。例えば、氷面の場合は滑り
やすいので移動量が大きく、水中の場合は移動量が少ないように、ボール61の制御の大
きさを変化させる。
【0028】
図15は衝撃入力またはZ軸方向の運動入力の利用方法を示した図である。X軸方向また
はY軸方向の衝撃入力があったとき、傾き入力の処理(迷路板の傾きによるゲームキャラ
クタの移動)とは異なった処理を行う。例えば、ゲーム空間である水に波を起こす。X軸
のプラス方向の衝撃入力があった場合、X軸のプラス方向に波を発生する。X軸のマイナ
ス方向の衝撃入力があった場合、X軸のマイナス方向に波を発生する。Y軸方向の衝撃入
力についても同様である。また、X軸方向の加速度入力をX軸方向のベクトル成分とし、
Y軸方向の加速度入力をY軸方向のベクトル成分として合成したベクトルの方向に波を発
生しても良い。この波によってゲームキャラクタが流されて移動するような表示をする。
波に流されている間は、ゲームキャラクタが制御不可能であるようにしてもよい。また、
Z軸方向の運動入力(または衝撃入力)があったとき、プレイヤキャラクタであるボール
61がジャンプするように表示変化される。Z軸方向の運動入力をこのように処理するこ
とによって、ゲーム空間である迷路板がゲーム装置と同じようにZ軸方向に運動して、迷
路板上のゲームキャラクタをジャンプさせるかのような感覚をプレイヤに与えることがで
きる。ジャンプしている間は、傾き入力があったときでもボール61が移動しない。また
、Z軸方向の運動入力(または衝撃入力)があったとき、NPCである亀62は裏返る(
裏返っていた亀は表向きに戻る)。亀は裏返ると滑りやすくなり、表向きの場合に比べて
傾き入力があったときの移動量が大きいように移動処理される。
【0029】
図16は、プログラムROM34のメモリマップである。プログラムROM34には、C
PU21によって実行されるゲームプログラムおよびゲームデータが記憶される。プログ
ラムROM34は、具体的には、オブジェクトキャラクタデータ記憶領域34a,マップ
データ記憶領域34b,加速度センサ出力値変換テーブル記憶領域34cおよびゲームプ
ログラム記憶領域34eを含む。オブジェクトキャラクタデータ記憶領域34aには、オ
ブジェクトキャラクタのグラフィックデータが記憶される。オブジェクトキャラクタはい
くつかのポーズを持っているので(例えばNPCである亀の「表向き」と「裏向き」)、
一つのキャラクタ毎にポーズに応じた複数のグラフィックデータが記憶されている。マッ
プデータ記憶領域34bには、ゲームマップ毎のマップデータおよびゲームマップ選択用
マップが記憶されている。ゲームマップ選択用マップは、図30を参照して後述するゲー
ムマップ選択処理においてLCD12に表示される仮想マップのデータである。
【0030】
加速度センサ出力値変換テーブル記憶領域34cには、XY軸加速度センサ31およびZ
軸接点スイッチ32の出力値を変換してゲームプログラムで利用するための変換テーブル
が記憶されている。変換テーブルには、ゲームマップ選択処理用テーブルとプレイヤキャ
ラクタ移動用テーブルとNPC移動用テーブルがある。また、プレイヤーキャラクタ移動
用テーブルには、空中用,床面用,氷面用および水中用のテーブルがあり、プレイヤキャ
ラクタが存在する座標の地形に応じて選択される。NPC移動用テーブルには表向き用と
裏向き用のテーブルがある。NPCである亀は表向きの状態と裏向きの状態があり、この
状態に応じてテーブルが選択される。これらのテーブルの詳細についは、図20から図2
を参照して後述する。
【0031】
ゲームプログラム記憶領域34eには、CPU21によって実行されるゲームプログラム
が記憶される。具体的には、図27を参照して後述するメインプログラム,図28を参照
して後述する0G設定プログラム,図29を参照して後述するニュートラルポジション設
定プログラム,図30を参照して後述するゲームマップ選択プログラム,図31を参照し
て後述するセンサ出力読取プログラム,図32から図36を参照して後述するオブジェク
ト移動プログラム,図37を参照して後述する衝突プログラム,図40を参照して後述す
る画面スクロールプログラムの他、NPC自律移動プログラムやその他のプログラムが記
憶される。
【0032】
図17は、ワークRAM26のメモリマップである。ワークRAM26には、CPU21
がゲームプログラムを実行する際の一時的なデータが記憶される。具体的には、ニュート
ラルポジションデータ記憶領域26a,加速度センサ出力値記憶領域26b,衝撃入力フ
ラグ記憶領域26c,マップ選択画面のカメラ座標記憶領域26e,ゲームマップナンバ
ー記憶領域26fおよびキャラクタデータ記憶領域26gが含まれる。
【0033】
ニュートラルポジションデータ記憶領域26aには、図29を参照して後述するニュート
ラルポジション設定処理において設定されるニュートラルポジションデータ(NPx,N
Py,NPz)が記憶される。これは、ゲームプレイをするときのゲーム装置の基準の傾
きに関するデータである。
【0034】
加速度センサ出力値記憶領域26bには、XY軸加速度センサ31とZ軸接点スイッチ3
2によって検出され、センサインターフェース33を介して図31R>1のセンサ出力読取
処理において読み出される加速度センサ出力値(INx,INy,INz)が記憶される
。衝撃入力フラグ記憶領域26cには、X軸方向の加速度入力をX軸方向のベクトル成分
としY軸方向の加速度入力をY軸方向のベクトル成分として合成したベクトルの大きさが
一定値以上であったときに1となる衝撃入力フラグ(FS)が記憶される。衝撃入力の判
定は、図31のセンサ出力読取処理でおこなわれる。
【0035】
マップ選択画面のカメラ座標記憶領域26eには、図30を参照して後述するゲームマッ
プ選択処理におけるゲームマップ選択用マップのうちLCD12に表示される領域の左上
隅の座標(Cx,Cy)が記憶される。ゲームマップナンバー記憶領域26fには、図3
30を参照して後述するゲーム選択処理において、プレイヤが選択したゲームマップに
対応したナンバーデータ(MN)が記憶される。
【0036】
キャラクタデータ記憶領域26gには、キャラクタ(プレイヤキャラクタおよびNPC)
毎に、移動加速度データ(Ax、Ay,Az),移動加速度の変化量データ(dAx,d
Ay,dAz),速度データ(Vx、Vy,Vz),座標データ(X、Y,Z),前回の
座標データ(Px、Py,Pz),現在位置ステータス(SP)およびポーズナンバー(
PN)が記憶される。
【0037】
前回の座標(Px,Py,Pz)は、プレイヤキャラクタやNPCが壁等に衝突した場合
に前回の座標に戻すために記憶される。現在位置ステータスデータ(PS)は、プレイヤ
キャラクタが存在する座標の地形に関するデータであり、このデータに基づいて、加速度
センサ出力値変換テーブル(空中,床面,氷面,水面)が選択される。ポーズナンバー(
PN)は、キャラクタの状態(ポーズ)に関するデータ(例えば亀の表向きと裏向き等)
である。
【0038】
図18は、表示用RAM25のメモリマップである。表示用RAM25には、CPU21
がゲームプログラムを実行して得た表示用のデータが一時的に記憶される。表示用RAM
25は、オブジェクトデータ記憶領域25a,スクロールカウンタデータ記憶領域25b
およびマップデータ記憶領域25cを備える。オブジェクトデータ記憶領域25aには、
ゲームに登場する全キャラクタのうちLCD12の表示領域内に存在するキャラクタにつ
いてのデータが記憶される。具体的には、X座標,Y座標,キャラクタIDおよびポーズ
ナンバーが記憶される。
【0039】
スクロールカウンタデータ記憶領域25bには、ゲームマップのうちLCD12に表示さ
れる領域の左上隅の座標が記憶される。マップデータ記憶領域25cには、ゲームマップ
のうちLCD12に表示される領域内のゲームマップデータが記憶される。
【0040】
図19は、バックアップRAM35のメモリマップである。バックアップRAM35には
図28を参照して後述する0G設定処理において設定される0Gポジションデータが記
憶される。この0GポジションデータはXY軸加速度センサ31が誤差を有するためにゲ
ーム装置を水平に保ってもセンサ出力値が0にならないことに対処するためのものであり
、ゲーム装置を水平に保ったときのセンサ出力値が0Gポジションデータとしてバックア
ップRAM35に記憶され、ゲーム処理において、センサ出力値から差し引かれる。
【0041】
図20から図26は、プログラムROM34の加速度センサ出力値変換テーブル記憶領域
34cに記憶される変換テーブルの詳細を示した図である。このテーブルには、XY軸加
速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32のセンサ出力値(INx,INy,INz)
および衝撃入力フラグ(FS)をゲーム処理に利用する際の利用方法や最大値を制限する
等の補正処理のためのデータが記憶される。具体的には利用方法,補正比率,特殊補正条
件および特殊補正数のデータが記憶される。このテーブルは複数記憶されており、ゲーム
マップ選択処理用テーブル,プレイヤキャラクタ移動用テーブルおよびNPC移動用テー
ブルが含まれる。
【0042】
図20のゲームマップ選択処理用テーブルは、図30を参照して後述するゲームマップ選
択処理において参照される。このテーブルによって、XY軸加速度センサの出力値(IN
x,INy)はカメラ座標(Cx,Cy)の変化量の計算をするために利用される。なお
、補正比率は2倍なので、XY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)の2倍だ
けカメラ座標(Cx,Cy)は座標移動する。Z軸接点スイッチ出力値(INz)はマッ
プ決定処理のために利用される。衝撃入力フラグ(FS)は利用しない。
【0043】
図21から図24のプレイヤキャラクタ移動用テーブルは、図33を参照して後述するプ
レイヤキャラクタ移動処理のステップ33における傾き移動処理とステップ34における
衝撃移動処理において参照される。プレイヤキャラクタ移動用テーブルは、空中用,床面
用,氷面用および水中用のテーブルを含む。プレイヤキャラクタが存在する座標の地形(
現在位置ステータス)に応じてこれら複数の変換テーブルのうちいずれか一つが選択され
て参照される。
【0044】
プレイヤキャラクタ移動用テーブルにおいて、XY軸加速度センサ31の出力値X(IN
x)は、プレイヤキャラクタのX移動加速度の変化量(dAx)の計算のために利用され
、出力値Y(INy)は、Y移動加速度の変化量(dAy)の計算のために利用される。
現在位置ステータスが「空中」の場合は、図21を参照して移動加速度の変化量(dAx
,dAy)はゼロである。「床面」の場合は、図22を参照すると補正比率が2倍である
から、XY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)の2倍が移動加速度の変化量
(dAx,dAy)となる。また、特殊補正条件1によりXY軸加速度センサ31の出力
値(INx,INy)が20より大きい場合には移動加速度の変化量(dAx,dAy)
は40に制限される。「氷面」の場合は、図23を参照してXY軸加速度センサ31の出
力値(INx,INy)の3倍が移動加速度の変化量(dAx,dAy)となる(「氷面
」では移動量大きい)。また、特殊補正条件1によりXY軸加速度センサ31の出力値(
INx,INy)が20より大きい場合には移動加速度の変化量(dAx,dAy)は6
0に制限される。「水中」の場合は、図24を参照してXY軸加速度センサ31の出力値
(INx,INy)の1/2倍が移動加速度の変化量(dAx,dAy)となる(「水中
」では移動量小さい)。また、特殊補正条件1によりXY軸加速度センサ31の出力値(
INx,INy)が10より大きい場合には移動加速度の変化量(dAx,dAy)は5
に制限される。
【0045】
プレイヤキャラクタ移動用テーブルにおいて、Z軸接点スイッチ32の出力値(INz)
は、プレイヤキャラクタのZ移動加速度の変化量(dAz)の計算のために利用される。
特殊補正条件はない。
【0046】
プレイヤキャラクタ移動用テーブルにおいて、衝撃入力フラグ(FS)は、X移動加速度
とY移動加速度の変化量(dAx,dAy)に影響を与える。現在位置ステータスが「空
中」および「水中」の場合は図2121および図24を参照して衝撃入力フラグ(FS)
は無視される。現在位置ステータスが「床面」の場合は、図22を参照して、X移動加速
度およびY移動加速度の変化量(dAx,dAy)をそれぞれ3倍する処理がされる。現
在位置ステータスが「氷面」の場合は、図23を参照して、X移動加速度およびY移動加
速度の変化量(dAx,dAy)をそれぞれ5倍する処理がされる。このようにして、衝
撃入力があった場合、「床面」と「氷面」ではX移動加速度およびY移動加速度の変化量
(dAx,dAy)が通常に比べて増加される(高速移動する)。
【0047】
図25および図26のNPC移動用テーブルは、図34を参照して後述するNPC移動処
理のステップ44における傾き移動処理とステップ45における衝撃移動処理において参
照される。NPC移動用テーブルは、表向き用と裏向き用のテーブルを含む。NPCであ
る亀のポーズ(表向きか裏向きか)に応じてこれら2つの変換テーブルのうちいずれか一
つが選択されて参照される。
【0048】
NPC移動用テーブルにおいて、XY軸加速度センサ31の出力値X(INx)は、NP
CのX移動加速度の変化量(dAx)の計算のために利用され、出力値Y(INy)は、
Y移動加速度の変化量(dAy)の計算のために利用される。「表向き」の場合は、図2
を参照すると補正比率が1/2倍であるから、XY軸加速度センサ31の出力値(IN
x,INy)の1/2倍がX移動加速度およびY移動加速度の変化量(dAx,dAy)
となる。また、特殊補正条件1によりXY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy
)が10より小さい場合には移動加速度の変化量(dAx,dAy)は0になる(「表向
き」の場合は少しの傾き入力では亀は踏ん張るので滑らない)。また、特殊補正条件2に
よりXY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)が20より大きい場合には、移
動加速度の変化量(dAx,dAy)は10に制限される。「裏向き」の場合は、図26
を参照してXY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)の2倍がX移動加速度お
よびY移動加速度の変化量(dAx,dAy)となる(「表向き」に比べて「裏向き」の
方が亀は滑りやすいので移動量が大きい)。また、特殊補正条件1によりXY軸加速度セ
ンサ31の出力値(INx,INy)が20より大きい場合には、移動加速度の変化量(
dAx,dAy)は40に制限される。
【0049】
NPC移動用テーブルにおいて、Z軸接点スイッチの出力値(INz)は亀の表裏の逆転
判定に利用される。Z軸接点スイッチ出力値が1になる毎に亀は表裏の状態を繰り返す。
衝撃入力フラグ(FS)はNPC移動処理には利用しない。
【0050】
図27はメインルーチンのフローチャートである。ゲーム装置本体10にカートリッジ3
0を差して、ゲーム装置本体10の電源をONにすると、図27に示すメインルーチンが
開始される。まずステップ11において、初回起動時であるかまたはプレイヤが0G設定
リクエスト(例えば、図1の操作スイッチ13bを押しながら起動)があったか否かが判
断される。初回起動時でなく0G設定リクエストもない場合はステップ13に進む。初回
起動時かまたは0G設定リクエストがあった場合は、ステップ12において、図28を参
照して後述する0G設定処理が行われた後、ステップ14に進む。ステップ14において
図29を参照して後述するニュートラルポジション設定処理が行われた後、ステップ1
7に進む。ここで、ニュートラルポジション設定とは、ゲームプレイする際のゲーム装置
の基準の傾きを設定することであり、お勧めポジション設定とは、ゲーム内容に応じて適
切なニュートラルポジションに関するデータ(プログラムROM34のお勧めポジション
照準目標座標34d)を予めゲームプログラムに記憶させておいて、そのデータに基づい
てニュートラルポジションを設定することである。
【0051】
ステップ17において、図30を参照して後述するゲームマップ選択処理が行われ、複数
のゲームマップのうちのいずれか一つがプレイヤによって選択される。ステップ17の後
、メインループに進む。
【0052】
ステップ19からステップ29までがメインループであり、ゲームオーバーになるかまた
はゲームクリアになるまで繰り返し処理される。ステップ19において、ワークRAM2
6のキャラクタデータ26gの座標(X,Y,Z)およびポーズナンバー(PN)、プロ
グラムROM34のオブジェクトキャラクタデータ34aおよびマップデータ34bに基
づいて表示用RAM25に必要なデータが書込まれ、表示用RAM25に記憶されたデー
タに基づいてLCD12にゲーム画面が表示される。ステップ20において、図31を参
照して後述するセンサ出力読取処理が行われて、XY軸加速度センサ31およびZ軸接点
スイッチ32の出力値がセンサインターフェース33を介して読取られ、補正される。ス
テップ20の後、ステップ21においてニュートラルポジション設定要求があったか否か
が判断され、要求がない場合はステップ23に進み、要求があった場合はステップ22に
進んでニュートラルポジション設定処理が行われ、ニュートラルポジションの再設定がさ
れた後、ステップ19に戻る。これは、一つの操作スイッチ(例えば図1における操作ス
イッチ13e)をニュートラルポジション設定専用の操作スイッチに割り当てておいて、
この操作スイッチ13eを押すことによってゲーム中においても、常にニュートラルポジ
ションの再設定を可能にすることを意味する。
【0053】
ステップ23において、衝撃入力フラグがONであるか否かが判断される。衝撃入力フラ
グがOFFのばあいはステップ26に進む。衝撃入力フラグがONの場合はステップ24
に進み、プレイヤキャラクタの現在座標の地形が水中であるか否かが判断される(現在位
置ステータス(PS)に基づいて判断される)。水中でないと判断されると、ステップ2
6に進む。水中であると判断されるとステップ25において波の発生処理が行われる(前
述の15中段に示すような画面表示となる)。具体的には、センサ出力値X(INx)を
X軸方向のベクトル成分としセンサ出力値Y(INy)をY軸方向のベクトル成分として
合成したベクトルの方向に、合成ベクトルの大きさに応じた波を発生する処理をする。プ
レイヤはあたかも自分がゲーム装置に与えた衝撃がそのままゲーム空間中の環境(水)に
反映されたかのような感覚をプレイヤに与えることができる。ステップ25の後、ステッ
プ26に進む。
【0054】
ステップ26において、図32から図36を参照して後述する各オブジェクト移動処理が
行われ、プレイヤキャラクタおよびNPCの移動処理が行われる。ステップ26の後、ス
テップ27において、図37を参照して後述する衝突処理が行われ、プレイヤキャラクタ
とNPC等との衝突処理が行われる。ステップ27の後、ステップ29において図40
参照して後述する画面スクロール処理が行われる。
【0055】
図28は0G設定処理のフローチャートである。このサブルーチンでは、ゲーム装置(具
体的にはLCD12の表示面)を水平に把持したときのXY軸加速度センサ31の出力値
を0GポジションデータとしてバックアップRAM35に記憶しておく処理を行う。
【0056】
まずステップ121において、「地面と水平にあわせたら操作スイッチを押してください
」という表示がLCD12にされて、ゲーム装置(具体的にはLCD12の表示面)が水
平になるようにプレイヤに要求する。ステップ122において操作スイッチの入力処理が
行われ、ステップ123において、決定のための操作スイッチ(例えば図1における操作
スイッチ13b)が押されたことが判断されると、ステップ124においてZ軸接点スイ
ッチがONか否かが判断される。Z軸接点スイッチがONの場合は、ステップ125にお
いて警告音を発生してステップ121に戻る。Z軸接点スイッチがONになっている場合
は、LCD12の表示面が下方を向いた状態になっているので、プレイヤに再度設定する
ことを要求するものである。ステップ124において、Z軸接点スイッチがOFFである
と判断された場合は、ステップ126において、このときのXY軸加速度センサ31の出
力値がバックアップRAM35に0Gポジションデータとして記憶される。
【0057】
図29は、ニュートラルポジション設定処理のフローチャートである。このサブルーチン
では、ゲームプレイしやすいゲーム装置の把持角度をプレイヤが任意に決定して、そのと
きのXY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32の出力値をニュートラルポジシ
ョンデータとしてワークRAM26に記憶しておく処理を行う。
【0058】
まずステップ141において、「遊びやすい角度にあわせたら操作スイッチを押してくだ
さい」という表示がLCD12にされる。ステップ142において、操作スイッチ入力処
理が行われ、ステップ143において、決定のための操作スイッチ(例えば図1の操作ス
イッチ13b)が押されたことが判断されると、ステップ144において、このときのX
Y軸加速度センサ31の出力値から前述の0Gポジションデータを引く補正がされた後(
ニュートラルポジションデータは水平状態からの傾きに対応したデータとする)、ステッ
プ145において、XY軸加速度センサの出力補正値(ステップ144の計算結果)とZ
軸接点スイッチ32の出力値がワークRAM26のニュートラルポジションデータ記憶領
域26aにニュートラルポジションデータとして記憶される。
【0059】
図30はゲームマップ選択処理のフローチャートである。このサブルーチンでは、ゲーム
プログラムに記憶されている複数のゲームマップのうちからプレイヤーがいずれか一つを
選択する。ゲームマップ選択処理の画面は例えば前述の図13のように表示される。LC
D12にはゲームマップ選択用マップの一部領域が表示される。プレイヤは、X軸方向ま
たはY軸方向にスライド入力することよって表示領域を移動させて、マップアイコン(
13のA,B,C,D)を表示領域内に表示されるようにしてからZ軸方向に運動入力す
る。Z軸方向に運動入力(または衝撃入力)したときに表示領域内に表示されているコー
スアイコンに対応したゲームコースが選択されたことになる。
【0060】
まずステップ171において、カメラ座標(Cx,Cy)が初期化される。その後、ステ
ップ172において、カメラ座標(Cx,Cy)に基づいてゲームマップ選択用マップの
一部領域がLCD12に表示される。ステップ173において、図31を参照して後述す
るセンサ出力読取処理が行われて、XY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32
の出力値が読取られ、補正される。ステップ174において、図20に示すゲームマップ
選択処理用テーブルが参照されて、センサ出力値(INx,INy)に基づいてカメラ座
標(Cx,Cy)が変化される。具体的には、補正比率が2倍であるから、センサー出力
値(INx,INy)の2倍の値だけカメラ座標(Cx,Cy)を変化させる。例えばセ
ンサー出力値(INx)の値が5であるときは、カメラ座標(Cx)が+10される。ス
テップ175において、カメラ座標(Cx,Cy)に基づく表示領域がゲームマップ選択
用マップの範囲外であるか否かが判断され、範囲外でない場合はステップ177に進み、
範囲外である場合は、ステップ176において、ゲームマップ選択用マップの端領域が表
示されるように補正された後、ステップ177に進む。ステップ177において、Z軸接
点スイッチ32がONであるか否かが判断される。Z軸接点スイッチ32がOFFである
と判断されると、ステップ172に戻る。Z軸接点スイッチ32がONであると判断され
ると、ステップ178において、マップアイコン(図13のA,B,C,D)のうちのい
ずれか一つがLCD12の表示領域内に表示されているか否かが判断される。マップアイ
コンが表示領域内に表示されていないことが判断されると、ステップ179において、警
告音を発生してステップ172に戻る。マップアイコンが表示領域内に表示されているこ
とが判断されると、ステップ181において、表示されているマップアイコンに対応した
ゲームマップナンバー(MN)がワークRAM26に記憶される。
【0061】
図31はセンサ出力読取処理のフローチャートである。このサブルーチンでは、XY軸加
速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32の出力値が読取られ、補正される。具体的に
は、センサインターフェース33のラッチ334およびラッチ335のデータから加速度
センサ出力値(INx,INy)およびZ軸接点スイッチ出力値(INz)が読み出され
る。さらに、0Gポジションデータおよびニュートラルポジションデータで補正する処理
がされる。
【0062】
ステップ201において、センサインターフェース33のラッチ334およびラッチ33
5のデータが読み込まれる。ステップ202において、ラッチデータから加速度センサ出
力値(INx,INy)およびZ軸接点スイッチ出力値(INz)が読み出されてワーク
RAM26の加速度センサ出力値記憶領域26bに記憶される。ステップ203において
、衝撃入力があったか否かが判断される。具体的には、加速度センサ出力値X(INx)
をX軸方向のベクトル成分とし、加速度センサ出力値Y(INy)をY軸方向のベクトル
成分として合成したベクトルの大きさが一定値以上か否かが判断される。一定値以上であ
ると判断されると、ステップ204において、衝撃入力フラグ(FS)がONに設定され
た後、ステップ206に進む。合成ベクトルの大きさが一定値より小さいと判断されると
、ステップ205において、衝撃入力フラグ(FS)がOFFに設定された後、ステップ
206に進む。ステップ206において、ステップ202において記憶された加速度セン
サ出力値記憶領域26bのデータからバックアップRAM35に記憶された0Gポジショ
ンデータを引く処理がされる。ステップ206の後、ステップ207において、さらにニ
ュートラルポジションデータで補正した値が、加速度センサ出力記憶領域26bにINx
,INyおよびINzとして再記憶される。
【0063】
ニュートラルポジションデータによる補正は、具体的には、加速度センサ出力値X(IN
x)および加速度センサ出力値Y(INy)については、ニュートラルポジションデータ
(NPx,NPy)の値を引く処理がされる。Z軸接点スイッチ出力値(INz)につい
ては、ニュートラルポジションデータ(NPz)の値が1の場合に、0と1を反転させる
処理がされる。
【0064】
図32から図36はオブジェクト移動処理のフローチャートである。図32は、オブジェ
クト移動処理のメインルーチンのフローチャートである。ステップ261において、図3
を参照して後述するプレイヤキャラクタ移動処理が行われる。ステップ262において
図34を参照して後述するNPC移動処理が行われる。このNPC移動処理はNPCの
数だけ繰り返される。
【0065】
図33は、プレイヤキャラクタ移動処理のフローチャートである。ステップ31において
、プレイヤキャラクタの現在の座標(X,Y,Z)が、前回の座標(Px,Py,Pz)
としてコピーされて記憶される。これは、図37を参照して後述する衝突処理において、
プレイヤキャラクタが壁に衝突したときに前回の座標に戻すために必要である。ステップ
32において、移動加速度の変化量(dAx,dAy,dAz)が初期化された後、ステ
ップ33において、傾き移動処理が行われる。傾き移動処理では、前述の図21から図2
に示す変換テーブルのうちプレイヤキャラクタの現在位置ステータスに応じて適切なも
のを参照して、プレイヤキャラクタのX移動加速度とY移動加速度の変化量を算出する処
理が行われる。この処理によってゲーム装置の傾き(傾き入力)に応じてキャラクタが転
がる(滑る)ように移動加速度の変化量(dAx,dAy)が決定される。さらに、ステ
ップ34において、衝撃移動処理が行われる。衝撃移動処理では、前述の図21から図2
に示す変換テーブルのうち適切なものを参照して、プレイヤキャラクタのX移動加速度
とY移動加速度の変化量を増加させる処理が行われる。この処理によって、衝撃入力がさ
れたときに、プレイヤキャラクタがダッシュ(高速移動)するように移動加速度の変化量
(dAx,dAy)を増加する処理がされる。ステップ35において、図35を参照して
後述するジャンプ移動処理が行われる。ステップ35の後、ステップ36において、前述
図27のフローチャートにおけるステップ25において波発生処理がされたか否かが判
断される。波が発生していないことが判断されると、ステップ38に進む。波が発生した
ことが判断されると、ステップ37において、図36を参照して後述する波移動処理が行
われた後、ステップ38に進む。ステップ38において、ステップ33からステップ37
までの傾き移動処理,衝撃移動処理,ジャンプ処理,波移動処理で計算された移動加速度
の変化量(dAx,dAy,dAz)に基づいて移動加速度(Ax,Ay,Az)が計算
され、移動加速度(Ax,Ay,Az)に基づいて速度(Vx,Vy,Vz)が計算され
る。ステップ39において、速度(Vx,Vy,Vz)に基づいて座標(X,Y,Z)が
計算される。
【0066】
図34はNPC移動処理のフローチャートである。ステップ41において、現在の座標(
X,Y,Z)が前回の座標(Px,Py,Pz)にコピーして記憶される。ステップ42
において、移動加速度の変化量(dAx,dAy,dAz)が初期化される。ステップ4
3において、ゲームプログラムに基づくNPCの自律移動処理が行われる。具体的には例
えば亀は乱数値に基づいて移動加速度の変化量(dAx,dAy,dAz)が決定される
。ステップ43の後、ステップ44において、傾き移動処理が行われる。傾き移動処理で
は、前述の図25または図26に示す変換テーブルのうちNPCのポーズナンバーに応じ
て適切なものを参照して、NPCのX移動加速度とY移動加速度の変化量を算出する処理
が行われる。さらに、ステップ45において、衝撃移動処理が行われるが、本実施例の場
合は、NPCは衝撃入力による影響を受けない。ステッ45の後、ステップ46において
、前述の図27のフローチャートにおけるステップ25において波発生処理がされたか否
かが判断される。波が発生していないことが判断されると、ステップ48に進む。波が発
生したことが判断されると、ステップ47において、図36を参照して後述する波移動処
理が行われた後、ステップ48に進む。ステップ48において、ステップ43からステッ
プ47までの自律移動処理、傾き移動処理,衝撃移動処理,波移動処理で計算された移動
加速度の変化量(dAx,dAy,dAz)に基づいて移動加速度(Ax,Ay,Az)
が計算され、移動加速度(Ax,Ay,Az)に基づいて速度(Vx,Vy,Vz)が計
算される。ステップ49において、速度(Vx,Vy,Vz)に基づいて座標(X,Y,
Z)が計算される。ステップ51において、Z軸接点スイッチ出力値(INz)が1か否
かが判断される。Z軸接点スイッチ出力値(INz)が0の場合はNPC移動処理サブル
ーチンを終了する。Z軸接点スイッチ出力値(INz)が1の場合は、ステップ52にお
いて表向きと裏向きの反転処理をする。具体的には、ワークRAM26のキャラクタデー
タのポーズナンバー(PN)を変化させる。
【0067】
図35はジャンプ処理のフローチャートである。このサブルーチンでは、Z軸方向の運動
入力があったとき、プレイヤキャラクタをジャンプさせる処理がされ、Z軸方向の運動入
力がなくてかつプレイヤキャラクタが「空中」にいるときに降下させる処理がされる。
【0068】
ステップ351において、Z軸接点スイッチ出力値(INz)が1か否かが判断される。
Z軸接点スイッチ出力値(INz)が1の場合には、ステップ352において、現在位置
ステータス(PS)が「空中」に設定された後、ステップ353において、Z移動加速度
の変化量(dAz)が1にされる。ステップ351において、Z軸接点スイッチ出力値(
INz)が0であると判断されると、ステップ354において、プレイヤキャラクタが「
空中」にいるか否かが判断され、「空中」にいない場合はジャンプ処理を終了する。ステ
ップ354において、空中」にいる場合は、ステップ355において、Z移動加速度の変
化量(dAz)が−1にされた後、ジャンプ処理を終了する。
【0069】
図36は波移動処理のフローチャートである。このサブルーチンでは、プレイヤの衝撃入
力により発生した波によるプレイヤキャラクタやNPCの移動加速度の変化量を計算する
処理がされる。ステップ361において、現在位置ステータスが読み込まれ、ステップ3
62において、波の影響を受ける位置か否か(すなわち「水中」か否か)が判断される。
波の影響を受けない位置であると判断されると、波移動処理を終了する。波の影響を受け
る位置であると判断されると、ステップ363において、波の影響によるX移動加速度の
変化量とY移動加速度の変化量が計算されて、傾き移動処理および衝撃移動処理において
計算されたX移動加速度の変化量とY移動加速度の変化量に加算される。
【0070】
図37は衝突処理のフローチャートである。ステップ271からステップ275において
NPC衝突判定処理が行われる。このNPC衝突判定処理はNPCの数だけ繰り返される
。ステップ271において、NPCが壁と衝突したか否かが判断される。衝突したと判断
されるとステップ273に進む。壁と衝突していないと判断されるとステップ272に進
み、別のNPCと衝突したか否かが判断される。別のNPCと衝突したと判断されるとス
テップ273に進む。別のNPCと衝突していないと判断されるとステップ275に進む
。壁または別のNPCに衝突したと判定された場合は、ステップ273において、衝突音
が発生された後、ステップ274において、NPCの座標(X,Y,Z)を前回の座標(
Px,Py,Pz)に戻す処理が行われた後、ステップ275に進む。
【0071】
ステップ275において、NPCの現在位置ステータスが検出されてワークRAM26に
記憶される。ステップ275の後、ステップ276において、プレイヤキャラクタが壁と
衝突したか否かが判断される。壁に衝突していないと判断された場合には、ステップ27
9に進む。壁に衝突したと判断された場合には、ステップ277において、衝突音が発生
された後、ステップ278において、プレイヤキャラクタの座標(X,Y,Z)を前回の
座標(Px,Py,Pz)に戻す処理がされた後、ステップ279に進む。ステップ27
9において、プレイヤキャラクタの現在位置ステータスが検出されてワークRAM26に
記憶される。ステップ279の後、ステップ281において、プレイヤキャラクタがNP
Cと衝突したか否かが判断される。NPCと衝突したと判断されると、ステップ282に
おいて、NPCを消滅する処理がされる。ステップ282の後、ステップ283において
、すべてのNPCが消滅したか否かが判断される。すべてのNPCが消滅したことが判断
されるとステップ284においてゲームクリア処理が行われる。ステップ281において
、NPCと衝突してないと判断された場合およびステップ283においてすべてのNPC
が消滅していないと判断された場合にはステップ285に進む。ステップ285において
、プレイヤキャラクタが穴に落ちたか否かが判断される。穴に落ちたと判断された場合は
、ステップ286においてゲームオーバー処理が行われる。穴に落ちていないと判断され
た場合は、衝突処理を終了する。
【0072】
図38および図39は画面スクロールを示す画面の一例である。画面にはプレイヤキャラ
クタであるボール61,NPCである亀62a〜62c,迷路を構成する壁63および穴
64が表示されている。点線65は画面スクロールの限界を示すものである(点線65は
実際にはLCD12には表示されない)。前述のようにゲームマップはLCD12の表示
領域より大きな仮想マップであり、LCD12にはゲームマップのうちプレイヤキャラク
タ61の周辺の一部領域が表示される。プレイヤがゲーム装置を傾ける等してプレイヤキ
ャラクタ61が点線65より外側領域に移動しようとすると、画面をスクロールしてLC
D12に表示されるゲームマップ表示領域を移動させ、さらにプレイヤキャラクタ61お
よびNPC62をスクロールした分だけ画面の中央方向に移動表示する。この画面スクロ
ールによって、より広いゲームマップ上でのゲームを楽しむことができる。
【0073】
例えば、図38に示すようにプレイヤキャラクタが点線65を超えて左側の領域に移動し
ようとすると、ゲームマップの表示領域を左にスクロールさせ、プレイヤキャラクタ61
およびNPC62をスクロールさせた分だけ右に移動表示させる(図39)。なお、傾き
入力の大きさに応じてスクロールする速度を変化させても良い。
【0074】
図40は、画面スクロール処理のフローチャートである。ステップ291におて、プレイ
ヤキャラクタがスクロールエリアをX軸のマイナス方向に外れたか否かが判断される。こ
こで、スクロールエリアとは、図38における点線65で囲まれる領域のことである。X
軸のマイナス方向に外れていないことが判断されるとステップ294に進む。X軸のマイ
ナス方向に外れたことが判断されると、ステップ292において、LCD12に現在表示
されている領域がゲームマップの左端領域か否かが判断される。左端領域であると判断さ
れた場合は、ステップ294に進む。左端領域でないと判断された場合は、ステップ29
3において、表示用RAM25に記憶されたスクロールカウンタX座標(SCx)を一定
量減らす処理がされた後、ステップ294に進む。ステップ294において、プレイヤキ
ャラクタがスクロールエリアをX軸のプラス方向に外れたか否かが判断される。X軸のプ
ラス方向に外れていないことが判断されると、ステップ297に進む。X軸のプラス方向
に外れたことが判断されると、ステップ295において、LCD12に現在表示されてい
る領域がゲームマップの右端領域か否かが判断される。右端領域であることが判断される
とステップ297に進む。右端領域でないと判断された場合は、ステップ296において
、スクロールカウンタX座標(SCx)を一定量増やす処理がされた後、ステップ297
に進む。
【0075】
ステップ297において、プレイヤキャラクタがスクロールエリアをY軸のマイナス方向
に外れたか否かが判断される。Y軸のマイナス方向に外れていないことが判断されると、
ステップ301に進む。Y軸のマイナス方向に外れたことが判断されると、ステップ29
8において、LCD12に現在表示されている領域がゲームマップの上端領域か否かが判
断される。上端領域であることが判断されるとステップ301に進む。上端領域でないと
判断された場合は、ステップ299において、スクロールカウンタY座標(SCy)を一
定量減らす処理がされた後、ステップ301に進む。ステップ301において、プレイヤ
キャラクタがスクロールエリアをY軸のプラス方向に外れたか否かが判断される。Y軸の
プラス方向に外れていないことが判断されると、画面スクロール処理を終了する。Y軸の
プラス方向に外れたことが判断されると、ステップ302において、LCD12に現在表
示されている領域がゲームマップの下端領域か否かが判断される。下端領域であることが
判断されると、画面スクロール処理を終了する。下端領域でないと判断された場合は、ス
テップ303において、スクロールカウンタY座標(SCy)を一定量増やす処理がされ
た後、画面スクロール処理を終了する。
【0076】
(第2実施例)次に、図41図49を参照して、本発明の第2の実施例のゲーム装置を
説明する。第2の実施例のゲーム装置の外観図,XYZ軸定義図、ブロック図,センサイ
ンターフェースの計測原理図,Z軸接点スイッチの構造図は、第1の実施例における図1
図7と共通であり、説明を省略する。
【0077】
図41は、本実施例のゲーム画面の一例を示した図である。このゲームは、プレイヤがゲ
ーム装置に衝撃を与えることによってゲーム空間の地形を隆起させることにより、ゲーム
キャラクタの移動を制御して楽しむゲームである。
【0078】
図41(a)に示すように、ゲームキャラクタである亀81と地形隆起キャラクタ82が
ゲーム画面に表示される。図41(b)に示すように、亀81はゲームプログラムによっ
て自立的に移動する。図41(b)に示す状態において、ゲーム装置にZ軸方向の衝撃入
力を与えると、図41(c)に示すように、地形隆起キャラクタ82は隆起して高く大き
く表示され、それによって亀81は滑る移動制御をされる(前進していた亀82が地形隆
起によって後退する)。このような処理をすることによって、ゲーム装置にZ軸方向の衝
撃を与えたときにゲーム空間である地形がエネルギーを与えられて地形が隆起するかのよ
うな感覚をプレイヤーに与えることができる。
【0079】
図42はZ軸方向の衝撃入力による地形隆起処理を示すゲーム画面の一例である。図42
(a)において、外枠12’はゲーム空間全体を示しており、内枠12はLCD12に表
示される表示領域を示している。ゲーム空間はLCD12の表示領域より大きな世界であ
り、LCD12にはゲーム空間の一部領域が表示される。ゲーム空間には地形隆起キャラ
クタ82が12個存在し(82a〜82l)、亀キャラクタ81が3匹存在する(81a
〜81c)。このうち、LCD12には4個の地形隆起キャラクタ(82a,82b,8
2e,82f)と1匹の亀キャラクタ(82a)が表示されている。
【0080】
図42(a)に示す状態において、ゲーム装置にZ軸方向の衝撃入力を与えると、図42
(b)に示すように、12個の地形隆起キャラクタ(82a〜82l,ゲーム空間全体の
地形隆起キャラクタ)は1段階隆起して高く大きく表示される。このとき、地形が隆起し
た地点に存在する亀キャラクタ(81aおよび81b)は地形の隆起によって滑って移動
する表示がされる。
【0081】
図42(b)に示す状態において、Aボタン(操作スイッチ13b)を操作しつつZ軸方
向の衝撃入力を与えると、LCD12に表示されている4個の地形隆起キャラクタ(82
a,82b,82e,82f)のみさらに1段階隆起して高く大きく表示される。このと
きも同様に、地形が隆起した地点に存在する亀キャラクタ(81a)は地形の隆起によっ
て滑って移動する表示がされる。このように処理することによって、Aボタンを押しつつ
Z軸方向の衝撃入力を与えた場合には、LCD12に表示された領域に限定したゲーム空
間に衝撃によるエネルギーが与えられたかのような感覚をプレイヤに与えることができる

【0082】
なお、図示しないが、図42(b)に示す状態において、Bボタン(操作スイッチ13c
)を操作しつつZ軸方向の衝撃入力を与えると、LCD12に表示されていない8個の地
形隆起キャラクタ(82c,82d,82g,82h,82i〜82l)のみ1段階隆起
して高く大きく表示される。このときも同様に、地形が隆起した地点に存在する亀キャラ
クタ(81b,81c)は地形の隆起によって滑って移動する表示がされる。このように
処理することによって、Bボタンを押しつつZ軸方向の衝撃入力を与えた場合には、LC
D12に表示されていない領域に限定してゲーム空間に衝撃によるエネルギーが与えられ
たかのような感覚をプレイヤに与えることができる。
【0083】
図43は、ゲーム空間の表示領域のスクロール処理を示すゲーム画面の一例である。ゲー
ム装置をスライド入力(第1の実施例における図9を参照)をすることによってゲーム空
間の表示領域がスクロールする。例えば、図43(a)では、LCD12に地形隆起キャ
ラクタ82a,82b,82e,82fおよび亀キャラクタ81aが表示されている。こ
の状態において、ゲーム装置をY軸のマイナス方向にスライドさせると、ゲーム空間の表
示領域は下方にスクロールして、図43(b)に示すように、地形キャラクタ82e,8
2fおよび亀キャラクタ81aが表示されることになる。
【0084】
また、図43(b)に示す状態において、ゲーム装置をX軸のプラス方向にスライドさせ
ると、ゲーム空間の表示領域は右方にスクロールして、図43(c)に示すように、地形
キャラクタ82fおよび亀キャラクタ81aが表示されることになる。このような処理を
することによって、プレイヤはLCD12より大きなゲーム空間でゲームを楽しむことが
できる。また、前述のように、AボタンやBボタンによって表示領域の内外に限定してゲ
ーム空間に影響を与える(地形を隆起させる)ことができるので、複雑なゲームを楽しむ
ことができる。
【0085】
図44は、XY軸方向の衝撃入力による温度上昇画面制御を示す図である。亀キャラクタ
81a〜81cは、前述のようにゲームプログラムによって自立的な移動をするが、この
自律移動は、温度が上昇することによって活発になる(具体的には移動量が増加する)。
図44(a)に示す状態において、XY軸方向の衝撃入力(第1の実施例における図11
を参照)をすると、温度パラメータが上昇し、亀キャラクタ81a〜81cが活発に移動
する表示がされる。このような処理をすることによって、ゲーム装置にXY軸方向の衝撃
を与えたときにゲーム空間にエネルギーが与えられて温度が上昇するかのような感覚をプ
レイヤーに与えることができる。
【0086】
以下、図45および図46を参照して、メモリに記憶されるデータを説明する。図45
、プログラムROM34のメモリマップである。プログラムROM34には、CPU21
によって実行されるゲームプログラムおよびゲームデータが記憶される。プログラムRO
M34は、具体的には、オブジェクトキャラクタデータ記憶領域342a,マップデータ
記憶領域342b,地形隆起ポイントデータ記憶領域342c,スクロールの限界値デー
タ記憶領域342d,加速度センサ出力値変換テーブル記憶領域342eおよびゲームプ
ログラム記憶領域342fを含む。オブジェクトキャラクタデータ記憶領域342aおよ
びマップデータ記憶領域342bには、オブジェクトキャラクタおよびゲームマップのグ
ラフィックデータが記憶される。地形隆起ポイントデータ記憶領域342cには、前述の
図42に示されるような地形隆起キャラクタ(82a〜82l)のそれぞれについてゲー
ム空間における位置データ(X座標およびY座標;Px1〜Px12,Py1〜Py12
)が記憶される。スクロールの限界値データ記憶領域342dには、ゲーム空間をスクロ
ール表示する際に、ゲーム空間の上下左右端になった場合にスクロールをしないようにす
るためにスクロールの限界値を示すデータ(SCxmax,SCymax)が記憶される

【0087】
加速度センサ出力値変換テーブル記憶領域342dには、XY軸加速度センサ31および
Z軸接点スイッチ32の出力値を変換してゲームプログラムで利用するための変換テーブ
ルが記憶されている。具体的には、前述の第1実施例の変換テーブル(図20から図26
R>6)と同様のデータが記憶されており、センサ出力値X(INx)およびセンサ出力値
Y(INy)が、後述の図48を参照して後述する視界移動処理において、スクロールカ
ウンタX座標(SCx)およびY座標(SCy)の変化量の計算に利用されることが定義
されている。これによってゲーム装置をスライド入力(第1の実施例における図9を参照
)をすることによってゲーム空間の表示領域がスクロールし、視界が移動する処理がされ
ることになる。また、Z軸接点スイッチ出力値(INz)は地形の隆起判定に利用される
ことが定義され、衝撃入力フラグ(FS)は温度上昇の判定に利用されることが定義され
ている。
【0088】
ゲームプログラム記憶領域342fには、CPU21によって実行されるゲームプログラ
ムが記憶される。具体的には、図47を参照して後述するメインプログラム,第1の実施
例における図31と同様のセンサ出力読取プログラム,図48を参照して後述する視界移
動プログラム,図49を参照して後述する地形隆起プログラム,温度上昇プログラム,亀
キャラクタ制御プログラムやその他のプログラムが記憶される。
【0089】
図46はワークRAM26のメモリマップである。ワークRAM26には、CPU21が
ゲームプログラムを実行する際の一時的なデータが記憶される。具体的には、加速度セン
サ出力値記憶領域262a,衝撃入力フラグ記憶領域262b,地形隆起データ記憶領域
262c,温度データ記憶領域262dおよびキャラクタデータ記憶領域262eが含ま
れる。
【0090】
加速度センサ出力値記憶領域262aおよび衝撃入力フラグ記憶領域262bに記憶され
るデータは第1の実施例と同様であるので説明を省略する。地形隆起データ記憶領域26
2cには、それぞれの地形隆起ポイントについての高さデータが記憶される。高さデータ
は、図49を参照して後述する地形隆起処理においてZ軸方向の衝撃入力に応じて変更さ
れる。このデータに基づいてそれぞれの地形隆起ポイントについて地形隆起キャラクタの
表示状態が決定される。例えば、高さデータが1の場合には図42(a)の82aのよう
に表示され、高さデータが2の場合には図42(b)の82aのように表示され、高さデ
ータが3の場合には図42(c)の82aのように地形隆起キャラクタが表示される。
【0091】
温度データ記憶領域には、ゲーム空間の温度データが記憶される。温度データは、温度上
昇処理(図47に示すメインプログラムのステップ64)においてXY軸方向の衝撃入力
に応じて変更される。このデータは亀キャラクタ制御処理(自律移動,図47に示すメイ
ンプログラムのステップ65)に影響を与える。キャラクタデータ記憶領域262eには
、亀キャラクタの数だけ、座標データ(X、Y,Z)および前回の座標データ(Px、P
y,Pz)が記憶される。表示用RAMのメモリマップは第1の実施例における図18
同様であるので説明を省略する。
【0092】
以下、図47図49を参照して、ゲームプログラムの処理の流れを説明する。図47
メインルーチンのフローチャートである。ゲーム装置本体10にカートリッジ30を差し
て、ゲーム装置本体10の電源をONにすると、図47に示すメインルーチンが開始され
る。第2の実施例においても、第1の実施例と同じように、0Gポジション設定処理やニ
ュートラルポジションの設定処理をおこなっても良いが、説明を簡単にするため省略する
ことにする。
【0093】
まずステップ61において、第1の実施例における図31と同様のセンサ出力読取処理が
行われて、XY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32の出力値がセンサインタ
ーフェース33を介して読取られる(0Gポジションデータおよびニュートラルポジショ
ンデータによる補正は省略)。ステップ61の後、ステップ62において、図48を参照
して後述する視界移動処理(ゲーム空間の表示領域のスクロール処理)が行われる。ステ
ップ62の後、ステップ63において、図49を参照して後述する地形隆起処理が行われ
る。ステップ63の後、ステップ64において、温度上昇処理が行われる。温度上昇処理
では、まずXY軸方向の衝撃入力があったか否かが判定され、XY軸方向の衝撃入力があ
った場合には、温度パラメータ(T)を1増加する処理がされる。ステップ64の後、ス
テップ65において、亀キャラクタ制御処理が行われる。亀キャラクタ制御処理では、ま
ず自律移動による亀キャラクタの移動処理が行われる。具体的には、例えば、乱数値によ
って亀キャラクタの移動量を計算する処理が行われる。なお、温度(T)が高いときには
亀キャラクタの自立移動量が大きくなるように制御される。この後、地形隆起による亀キ
ャラクタの移動処理が行われる。具体的には、亀キャラクタの下の地形が隆起した場合に
、亀キャラクタを滑らせて移動させる処理がされる。なお、亀キャラクタ制御処理は亀キ
ャラクタの数だけ繰り返される。
【0094】
ステップ65の後、ステップ66において、前述の視界移動処理,地形隆起処理,亀キャ
ラクタ制御処理の処理結果に基づいて、ゲーム空間のスクロール表示および地形隆起オブ
ジェクトや亀キャラクタの表示処理がされる。なお、地形隆起処理によって地形隆起ポイ
ントの高さが増加された場合には、地形隆起キャラクタを高く大きく表示するとともに、
地形が隆起していることを連想させるような音を発生するとより効果的である。ステップ
66の後、ステップ67において、ゲームオーバーか否かが判断される。例えば、所定時
間を過ぎた場合にゲームオーバーにする等ゲーム内容に応じた適当な条件によってゲーム
オーバーの判定がされる。ステップ67において、ゲームオーバーであると判定されると
メインルーチンを終了する。ステップ67において、ゲームオーバーでないと判定される
と、ステップ61に戻る。
【0095】
図48は視界移動処理のフローチャートである。まず、ステップ621において、変換テ
ーブルを参照して、スクロールカウンタX座標(SCx)およびY座標(SCy)の変更
処理が行われる。ステップ621の後、ステップ622〜ステップ629において、ゲー
ム空間の端を超えてスクロールしようとしているか否かが判断されて、ゲーム空間の端を
超えてスクロールしようとしている場合には、スクロールカウンタの値(SCx、SCy
)を適正な値にする処理が行われる。
【0096】
ステップ622において、スクロールカウンタX座標(SCx)がスクロール限界値X座
標(SCxmax)を超えているか否かが判断され、超えていないと判断された場合には
、ステップ624に進む。ステップ622において、超えていると判断された場合には、
ステップ623に進み、スクロールカウンタX座標(SCx)の値がスクロール限界値X
座標(SCxmax)に設定された後、ステップ624に進む。
【0097】
ステップ624において、スクロールカウンタX座標(SCx)が0より小さいか否かが
判断され、0以上であると判断された場合は、ステップ626に進む。ステップ624に
おいて、0より小さいと判断された場合は、ステップ625に進み、スクロールカウンタ
X座標(SCx)の値が0に設定された後、ステップ626に進む。
【0098】
ステップ626において、スクロールカウンタY座標(SCy)がスクロール限界値Y座
標(SCymax)を超えているか否かが判断され、超えていないとと判断された場合は
、ステップ628に進む。ステップ626において、超えていると判断された場合は、ス
テップ627に進み、スクロールカウンタY座標(SCy)の値がスクロール限界値Y座
標(SCymax)に設定された後、ステップ628に進む。
【0099】
ステップ628において、スクロールカウンタY座標(SCy)が0より小さいか否かが
判断され、0以上であると判断された場合は、視界移動処理を終了する。ステップ628
において、0より小さいと判断された場合は、ステップ629に進み、スクロールカウン
タY座標(SCy)の値が0に設定された後、視界移動処理を終了する。
【0100】
図49は地形隆起処理のフローチャートである。まず、ステップ631において、Z軸接
点スイッチの出力があったか否か(すなわち、Z軸方向の衝撃入力があったか否か)が判
断され、Z軸接点スイッチの出力がなかったと判断された場合は、地形隆起処理を終了す
る。Z軸接点スイッチの出力があったと判断された場合は、ステップ632に進む。ステ
ップ632において、Aボタン(操作スイッチ13b)が押されているか否かが判断され
、Aボタンが押されていると判断された場合は、ステップ633に進み、LCDに表示さ
れている領域内の地形隆起ポイントの高さ(H)をそれぞれ1増加させる処理がされる。
ステップ633の後、地形隆起処理を終了する。
【0101】
ステップ632において、Aボタンが押されていないことが判断されると、ステップ63
4に進み、Bボタン(操作スイッチ13c)が押されているか否かが判断される。Bボタ
ンが押されていることが判断されると、ステップ635に進み、LCDに表示されている
領域外の地形隆起ポイントの高さ(H)をそれぞれ1増加させる処理がされる。ステップ
635の後、地形隆起処理を終了する。ステップ634において、Bボタンが押されてい
ないことが判断されると、ステップ636において、全地形隆起ポイントの高さ(H)を
それぞれ1増加させる処理がされた後、地形隆起処理を終了する。
【0102】
(第3実施例)次に、図50図59を参照して、本発明の第3の実施例を説明する。こ
のゲームは、ゲーム装置をフライパンや包丁であるかのように動かして仮想的な料理を楽
しむゲームである。
【0103】
図50図53は、ゲーム画面の一例である。図50において、ゲーム画面には、プレイ
ヤキャラクタ91とキッチン92とコンロ93とフライパン94と机95とまな板96が
表示される。Aボタン(操作スイッチ13b)を押すと、図51および図52を参照して
後述するフライパン空間処理が開始する。また、Bボタン(操作スイッチ13c)を押す
と、図53を参照して後述する包丁空間処理が開始する。
【0104】
図51および図52は、フライパン空間処理のゲーム画面の一例である。フライパン空間
処理では、ゲーム装置をフライパンのように操作して、目玉焼きを調理するゲームをする
図51(a)において、ゲーム画面には、フライパン94と卵97が表示されている。
図51(a)に示す状態において、ゲーム装置をY軸を中心にマイナス方向に傾けると、
図51(b)に示すように、卵97はフライパンの左方へ移動表示される。また、図51
(b)に示す状態において、ゲーム装置をX軸を中心としてプラス方向に傾けると、卵9
7はフライパンの下方へ移動表示される。このように処理することによって、ゲーム装置
をあたかもフライパンのように操作して、卵がフライパンの傾きによって移動しているか
のような感覚をプレイヤに与えることができる。
【0105】
図52(a)に示す状態において、ゲーム装置のZ軸方向に衝撃入力を与えると、図52
(b)に示すように、卵97はフライパン94から離れて上方にジャンプしているような
表示がされ、その後、図52(c)または(d)に示すように、卵97は着地する表示が
される。このとき、図52(a)に示すように、Z軸方向に衝撃入力をした時の卵97の
位置がフライパン94の端の方である場合には、卵97はフライパン94からはみだして
ジャンプし着地する(図52(c))こととなり、失敗となる。なお、図52(b)に示
す状態において、ゲーム装置をスライド移動させることによって、卵97とフライパン9
4との相対的な位置関係を修正して、卵97をフライパン94の中に着地させることが可
能である(図52(d))。このように処理することによって、ゲーム装置をあたかもフ
ライパンのように操作して、ジャンプした卵をフライパンで受け止めるかのような感覚を
プレイヤに与えることができる。
【0106】
図53は包丁空間処理のゲーム画面の一例である。包丁空間処理では、ゲーム装置を包丁
のように操作して、キャベツを千切りするゲームをする。図53(a)において、ゲーム
画面には、包丁98とキャベツ99が表示されている。図53(a)に示す状態において
、ゲーム装置をX軸のプラス方向にスライド移動させると、図53(b)に示すように、
包丁98に対してキャベツ99が左に移動する表示がされる(包丁98は常にゲーム画面
の中央に表示されるため、キャベツ99が相対的に左に移動する表示がされる)。このよ
うに処理することによって、ゲーム装置をあたかも包丁のように操作して、キャベツと包
丁との位置関係を調節してキャベツを切断する位置を調節しているかのような感覚をプレ
イヤに与えることができる。
【0107】
さらに、図53(b)に示す状態において、ゲーム装置を上下に運動(Z軸方向の運動入
力)させると、キャベツ99が包丁98によって千切りされる表示がされる。この際、キ
ャベツが切断される音を発生させるとより効果的である。
【0108】
以下、図54を参照して、メモリに記憶されるデータを説明する。なお、プログラムRO
M34には、第1実施例のプログラムROM(図16)と略同様のプログラムが記憶され
るが、加速度センサ出力値変換テーブル記憶領域には、フライパン用テーブルと卵ジャン
プ時用テーブルと包丁用テーブルが記憶され、ゲームプログラム記憶領域には、メインプ
ログラム,センサ出力読み取りプログラム,フライパン空間プログラム,卵ジャンププロ
グラム、包丁空間プログラムおよびその他のプログラムが記憶される。なお、加速度セン
サ出力値変換テーブルのフライパン用テーブルは、図56を参照して後述するフライパン
空間プログラムで参照され、卵ジャンプ時用テーブルは、図58を参照して後述する卵ジ
ャンププログラムで参照され、包丁用テーブルは、図5757を参照して後述する包丁空
間プログラムで参照される。
【0109】
フライパン用テーブルには、XY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)は卵の
XおよびY座標(Ex,Ey)の変化量の計算に利用されることが定義される。これによ
って、ゲーム装置を傾き入力(第1の実施例における図10を参照)したときに卵の表示
位置が変更され、フライパンの上を卵が滑るように表示制御される。また、座標Z軸接点
スイッチ32の出力値(INz)は、卵のジャンプ判定に利用され、衝撃入力フラグ(F
S)は利用されないことが定義される。
【0110】
卵ジャンプ時用テーブルには、XY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)は卵
のXおよびY座標(Ex,Ey)の変化量の計算に利用されることが定義される。これに
よって、卵がジャンプしている間にゲーム装置をスライド入力(第1の実施例における
を参照)したときに卵の表示位置が変更され、フライパンと卵の相対位置が変更される
ように表示制御される。なお、卵ジャンプ時用テーブルにおいて補正比率はマイナス値が
定義される。なぜなら、本実施例では、フライパンはゲーム画面に固定的に表示され、卵
がフライパンに対して相対的に移動するように表示されるため、ゲーム装置のスライド移
動の方向とは逆の方向に卵を移動表示する必要があるためである。また、Z軸接点スイッ
チ32の出力値(INz)および衝撃入力フラグ(FS)は利用されない。
【0111】
包丁用テーブルには、XY軸加速度センサ31の出力値(INx,INy)はキャベツの
XおよびY座標(CAx,CAy)の変化量の計算に利用されることが定義されている。
これによって、ゲーム装置をスライド入力したときにキャベツの表示位置が変更され、キ
ャベツと包丁の相対位置が変更されるように表示制御される。なお、包丁用テーブルは卵
ジャンプ時用テーブルと同様に補正比率はマイナス値が定義される。なぜなら、本実施例
では、包丁はゲーム画面に固定的に表示され、キャベツが包丁に対して相対的に移動する
ように表示されるため、ゲーム装置のスライド移動の方向とは逆の方向にキャベツを移動
表示する必要があるためである。また、Z軸接点スイッチ32の出力値(INz)は、キ
ャベツの切断処理の判定に利用され、衝撃入力フラグ(FS)は利用されないことが定義
される。
【0112】
図54はワークRAM26のメモリマップである。ワークRAM26には、CPU21が
ゲームプログラムを実行する際の一時的なデータが記憶される。具体的には、加速度セン
サ出力値記憶領域263a,衝撃入力フラグ記憶領域263b,卵データ記憶領域263
cおよびキャベツデータ記憶領域263dが含まれる。
【0113】
加速度センサ出力値記憶領域263aおよび衝撃入力フラグ記憶領域263bに記憶され
るデータは第1の実施例と同様であるので説明を省略する。卵データ記憶領域263cに
は、卵のX座標(Ex),Y座標(Ey),高さ(Eh)および焼け具合(Ef)のデー
タが記憶される。キャベツデータ記憶領域263dには、キャベツのX座標(CAx),
Y座標(CAy)および切断割合(CAc)のデータが記憶される。表示用RAMのメモ
リマップは第1の実施例における図18と同様であるので説明を省略する。
【0114】
以下、図55図59を参照して、ゲームプログラムの処理の流れを説明する。図55
メインルーチンのフローチャートである。ゲーム装置本体10にカートリッジ30を差し
て、ゲーム装置本体10の電源をONにすると、図55に示すメインルーチンが開始され
る。第3の実施例においても、第1の実施例と同じように、0Gポジション設定処理やニ
ュートラルポジションの設定処理をおこなっても良いが、説明を簡単にするため省略する
ことにする。
【0115】
まずステップ71において、第1の実施例における図31と同様のセンサ出力読取処理が
行われて、XY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32の出力値がセンサインタ
ーフェース33を介して読取られる(0Gポジションデータおよびニュートラルポジショ
ンデータによる補正は省略)。ステップ71の後、ステップ72において、Aボタン(操
作スイッチ13b)が押されているか否かが判断される。ステップ72において、Aボタ
ンが押されていることが判断されると、ステップ73に進み、図57を参照して後述する
包丁空間処理が行われた後、ステップ76に進む。
【0116】
ステップ72において、Aボタンが押されていないことが判断されると、ステップ74に
進み、Bボタン(操作スイッチ13c)が押されているか否かが判断される。ステップ7
4において、Bボタンが押されていないことが判断されると、ステップ76に進む。ステ
ップ74において、Bボタンが押されていることが判断されると、ステップ75に進み、
図56を参照して後述するフライパン空間処理が行われた後、ステップ76に進む。
【0117】
ステップ76において、ゲームオーバーか否かが判断される。具体的には、例えば、所定
時間を過ぎた場合にゲームオーバーにする等ゲーム内容に応じた適当な条件によってゲー
ムオーバーの判定がされる。ステップ76において、ゲームオーバーでないと判断される
と、ステップ71に戻る。ステップ76において、ゲームオーバーであると判断されると
、メインルーチンを終了する。
【0118】
図56はフライパン空間処理のフローチャートである。まず、ステップ771において、
フライパン用テーブルを参照して、卵X座標(Ex)および卵Y座標(Ey)の変更処理
が行われる。ステップ771の後、ステップ772において、図58を参照して後述する
卵ジャンプ処理が行われる。ステップ772の後、ステップ773において、卵焼け具合
(Ef)を1増加させる処理がおこなわれる。ステップ773の後、ステップ774にお
いて、卵焼け具合(Ef)が100以上になったか否かが判断される。卵焼け具合(Ef
)が100より小さいことが判断されると、フライパン空間処理を終了する。卵焼け具合
(Ef)が100以上になったことが判断されると、ステップ775に進み、卵成功処理
が行なわれる。卵成功処理では、例えば、卵の調理が完成した画面が表示され、得点が加
算される処理が行われる。ステップ775の後、フライパン空間処理を終了する。
【0119】
図57は包丁空間処理のフローチャートである。まず、ステップ741において、包丁用
テーブルを参照して、キャベツX座標(CAx)およびキャベツY座標(CAy)の変更
処理が行われる。ステップ741の後、ステップ742において、図59を参照して後述
するキャベツ切断処理が行われる。ステップ742の後、ステップ743において、キャ
ベツ切断割合(CAc)が100以上になったか否かが判断される。キャベツ切断割合(
CAc)が100より小さいことが判断されると、包丁空間処理を終了する。キャベツ切
断割合(CAc)が100以上になったことが判断されると、ステップ744に進み、キ
ャベツ成功処理が行なわれる。キャベツ成功処理では、例えば、キャベツの切断が完成し
た画面が表示され、得点が加算される処理が行われる。ステップ744の後、包丁空間処
理を終了する。
【0120】
図58は卵ジャンプ処理のフローチャートである。まず、ステップ772aにおいて、Z
軸接点スイッチの出力があったか否か(すなわち、Z軸方向の衝撃入力があったか否か)
が判断される。ステップ772aにおいて、Z軸接点スイッチの出力がなかったことが判
断されると、卵ジャンプ処理を終了する。ステップ772aにおいて、Z軸接点スイッチ
の出力があったことが判断されると、ステップ772bにおいて、卵がジャンプしている
表示が行われる。ステップ772bの後、ステップ772cにおいて、卵の高さ(Eh)
がCH(所定値)に設定される。ステップ772cの後、ステップ772dにおいて、第
1の実施例における図31と同様のセンサ出力読取処理が行われて、XY軸加速度センサ
31およびZ軸接点スイッチ32の出力値がセンサインターフェース33を介して読取ら
れる(0Gポジションデータおよびニュートラルポジションデータによる補正は省略)。
ステップ772dの後、ステップ772eにおいて、卵ジャンプ時用テーブルを参照して
、卵X座標(Ex)および卵Y座標(Ey)の変更処理が行われる。ステップ772eの
後、ステップ772fにおいて、卵の高さ(Eh)を1減少させる処理が行われる。ステ
ップ772fの後、ステップ772gにおいて、卵のX座標(Ex),Y座標(Ey),
高さ(Eh)に基づいて表示処理が行われる。ステップ772gの後、ステップ772h
において、卵が着地したか否か、すなわち卵の高さ(Eh)が0になったか否かが判断さ
れる。ステップ772hにおいて、卵が着地していないことが判断されると、ステップ7
72dに戻る。ステップ772hにおいて、卵が着地したことが判断されると、ステップ
772iにおいて、卵の着地位置がフライパン内か否かが判断され、フライパン内である
と判断された場合にはステップ772jにおいて、ジャンプ成功処理が行われた後、卵ジ
ャンプ処理を終了する。ジャンプ成功処理では、例えば「成功」と表示しつつ成功の音楽
を発生し、得点を加算する処理が行われる。ステップ772iにおいて、卵の着地位置が
フライパンの外であると判断された場合には、ステップ772kにおいて、ジャンプ失敗
処理が行われた後、卵ジャンプ処理を終了する。ジャンプ失敗処理では、例えば「失敗」
と表示しつつ失敗の音楽を発生し、卵焼け具合(Ef)を0にする処理が行われる(卵の
調理をやり直させるようにする)。
【0121】
図59はキャベツ切断処理のフローチャートである。まず、ステップ742aにおいて、
Z軸接点スイッチの出力があったか否か(すなわち、Z軸方向の運動入力があったか否か
)が判断される。ステップ742aにおいて、Z軸接点スイッチの出力がなかったことが
判断されると、キャベツ切断処理を終了する。ステップ742aにおいて、Z軸接点スイ
ッチの出力があったことが判断されると、ステップ742bにおいて、包丁の下にキャベ
ツがあるか否かが判断される。ステップ742bにおいて、包丁の下にキャベツがないこ
とが判断されると、キャベツ切断処理を終了する。ステップ742bにおいて、包丁の下
にキャベツがあることが判断されると、ステップ742cにおいて、表示処理(キャベツ
が一定量切断される表示)がされる。ステップ742cの後、ステップ742dにおいて
、キャベツの切断割合(CAc)を1増加する処理がされた後、キャベツ切断処理を終了
する。
【0122】
(第4実施例)次に、図60図66を参照して、本発明の第4の実施例を説明する。
60はゲーム空間の概念図および複数のゲーム装置のゲーム画面の一例を示した図である
。このゲームは、複数のゲーム装置で通信することによってゲーム空間を共有して、第1
の実施例と同様のゲームを複数のプレイヤでおこなって対戦(または協力)を楽しむゲー
ムである。ゲーム空間である迷路板は複数のゲーム装置10および40に共通であり、ゲ
ーム装置10のゲーム画像とゲーム装置40のゲーム画像は同じゲーム空間データに基づ
いている(ただし、それぞれのゲーム装置で視界が異なる)。第1のゲーム装置10のL
CDには1点鎖線で示される範囲12が表示され、第2のゲーム装置40のLCDには点
線で示される範囲42が表示される。第1の実施例と同様に、ゲーム装置の傾きに応じて
、ゲーム空間である迷路板が傾いたことがシミュレートされるが、本実施例の場合は、ゲ
ーム装置10の傾きとゲーム装置40の傾きを合成した値によって迷路板の傾きがシミュ
レートされる(一方のゲーム装置の傾きのみによって迷路版の傾きをシミュレートしても
よい)。ゲーム装置10のプレイヤは自分のボール61aを操作するためにゲーム装置1
0を傾けて迷路板の傾きを操作しようとするが、一方でゲーム装置40のプレイヤは自分
のボール61bを操作するためにゲーム装置40を傾けて迷路板の傾きを操作しようとす
るので、お互いに自分の思う通りには迷路板の傾きを操作することができず、より複雑な
ゲームを楽しむことができる。なお、本実施例においては、通信ケーブル50を用いて2
つのゲーム装置間の通信をおこなうこととするが、無線や携帯電話等の通信手段を利用し
ても良い。
【0123】
第4の実施例のプログラムROMには、第1の実施例のプログラムROM(図16)と略
同様のデータが記憶されるが、ゲームプログラム記憶領域には、第1の実施例の場合に追
加して、図63および図64を参照して後述するマップ確認プログラムおよび図65およ
図66を参照して後述する通信割込プログラムがさらに記憶される。
【0124】
ゲームプログラム記憶領域に記憶されるプログラムのうち、メインプログラムとマップ確
認プログラムと通信割込プログラムは、ゲーム装置10とゲーム装置40とで異なったプ
ログラムとなっている。これは、ゲーム装置10を親機とし、ゲーム装置40を子機とし
て通信処理を行うためであるが、詳細については、図61図66を参照して後述する。
【0125】
第4の実施例のワークRAMには、第1の実施例のワークRAM17と略同様のデータが
記憶されるが、第1の実施例の場合に追加して、合成データ記憶領域をさらに含む。合成
データ記憶領域には、ゲーム装置10のXY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ
32の出力値と、ゲーム装置40のXY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32
の出力値を合成した値がそれぞれ記憶される。表示用RAMおよびバックアップRAMの
メモリマップは第1の実施例における図18R>8および図19と同様であるので説明を省
略する。
【0126】
以下、図61図66を参照して、ゲームプログラムの処理の流れを説明する。図61
ゲーム装置10で実行されるメインルーチンのフローチャートである。本実施例において
は、説明を簡単にするために、0G設定処理,ニュートラルポジション設定処理および衝
撃入力による波発生処理を省略しているが、第1の実施例と同様に、これらの処理を追加
しても良い。
【0127】
まず、ステップ81pにおいて、第1の実施例における図30と同様のゲームマップ選択
処理が行われる。ステップ81pの後、ステップ82pにおいて、図63を参照して後述
する親機マップ確認処理が行われる。ステップ82pの後、ステップ83pに進む。
【0128】
ステップ83pからステップ85pまでがメインループであり、ゲームオーバーになるか
またはゲームクリアになるまで繰り返し処理される。ステップ83pにおいて、ワークR
AM26のデータに基づいて表示用RAM25に必要なデータが書込まれ、表示用RAM
25に記憶されたデータに基づいてLCD12にゲーム画面が表示される。ステップ84
pにおいて、第1の実施例における図32から図36と同様の各オブジェクト移動処理が
行われ(波移動処理は省略)、プレイヤキャラクタおよびNPCの移動処理が行われる。
ステップ84pの後、ステップ85pにおいて、第1の実施例における図37と同様の衝
突処理が行われ、プレイヤキャラクタとNPC等との衝突処理が行われる。ステップ85
pの後、ステップ86pにおいて第1の実施例における図40と同様の画面スクロール処
理が行われる。
【0129】
図62はゲーム装置40で実行されるメインルーチンのフローチャートである。本実施例
においては、説明を簡単にするために、0G設定処理,ニュートラルポジション設定処理
および衝撃入力による波発生処理を省略しているが、第1の実施例と同様にこれらの処理
を追加しても良い。
【0130】
まず、ステップ81cにおいて、第1の実施例における図30と同様のゲームマップ選択
処理が行われる。ステップ81cの後、ステップ82cにおいて、図64を参照して後述
する子機マップ確認処理が行われる。ステップ82cの後、ステップ83cに進む。
【0131】
ステップ83cからステップ88cまでがメインループであり、ゲームオーバーになるか
またはゲームクリアになるまで繰り返し処理される。まず、ステップ83cにおいて、ワ
ークRAM26のデータに基づいて表示用RAM25に必要なデータが書込まれ、表示用
RAM25に記憶されたデータに基づいてLCD12にゲーム画面が表示される。ステッ
プ83cの後、ステップ84cにおいて、第1の実施例における図31と同様のセンサ出
力読取処理が行われて、XY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32の出力値が
センサインターフェース33を介して読取られる(0Gポジションデータおよびニュート
ラルポジションデータによる補正は省略)。ステップ84cの後、ステップ85cにおい
て、割込信号および先のステップ84cにおいて読込まれてワークRAM26に記憶され
た加速度センサ出力値データ(INx,INy,INz)がゲーム装置10に送信される
。ゲーム装置10側では、この割込信号を受けて、図65を参照して後述する親機通信割
込処理が開始される。ステップ85cの後、ステップ86cにおいて、第1の実施例にお
ける図32から図36と同様の各オブジェクト移動処理が行われ(波移動処理は省略)、
プレイヤキャラクタおよびNPCの移動処理が行われる。ステップ86cの後、ステップ
87cにおいて、第1の実施例における図37と同様の衝突処理が行われ、プレイヤキャ
ラクタとNPC等との衝突処理が行われる。ステップ87cの後、ステップ88cにおい
て第1の実施例における図40と同様の画面スクロール処理が行われる。
【0132】
図63は、ゲーム装置10で実行される親機マップ確認処理のフローチャートである。ま
ず、ステップ87p1において、自身のワークRAM26に記憶されたマップナンバーデ
ータがゲーム装置40に送信される。ステップ87p1の後、ステップ87p2において
、データの受信がおこなわれる。具体的には、図64を参照して後述する子機マップ確認
処理のステップ87c3においてゲーム装置40から送信されるマップナンバーデータを
受信する。ステップ87p3において、データが受信されたことが判断されると、ステッ
プ87p4において、自身のマップナンバーデータと先のステップ87p2において受信
したゲーム装置40のマップナンバーデータが一致するか否かが判断される。ステップ8
7p4において、マップナンバーデータが一致することが判断されると、親機マップ確認
処理を終了する。ステップ87p4において、マップナンバーデータが一致しないことが
判断されると、図61のメインルーチンのステップ81pのゲームマップ選択処理に戻る

【0133】
図64は、ゲーム装置40で実行される子機マップ確認処理のフローチャートである。ま
ず、ステップ87c1において、データの受信が行われる。具体的には、前述の図63
親機マップ確認処理のステップ87p1においてゲーム装置10から送信されるマップナ
ンバーデータを受信する。ステップ87c2においてデータが受信したことが判断される
と、ステップ87c3において、自身のワークRAM26に記憶されたマップナンバーデ
ータがゲーム装置10に送信される。ステップ87c3の後、ステップ87c4において
、自身のマップナンバーデータと先のステップ87c1において受信したゲーム装置10
のマップナンバーデータが一致するか否かが判断される。ステップ87c4において、マ
ップナンバーデータが一致することが判断されると、子機マップ確認処理を終了する。ス
テップ87c4において、マップナンバーデータが一致しないことが判断されると、図6
のメインルーチンのステップ81cのゲームマップ選択処理に戻る。
【0134】
図65は、ゲーム装置10で実行される親機通信割込み処理のフローチャートである。こ
の処理は、前述の図62に示すゲーム装置40のメインルーチンのステップ85cにおい
て送信される割込信号によって処理が開始される。まず、ステップ91pにおいて、デー
タの受信を行う。具体的には、前述の図62に示すゲーム装置40のメインルーチンのス
テップ85cにおいて送信されるゲーム装置40の加速度センサ出力値を受信する。ステ
ップ91pの後、ステップ92pにおいて、第1の実施例における図31と同様のセンサ
出力読取処理が行われて、XY軸加速度センサ31およびZ軸接点スイッチ32の出力値
がセンサインターフェース33を介して読取られる(0Gポジションデータおよびニュー
トラルポジションデータによる補正は省略)。ステップ92pの後、ステップ93pにお
いて、先のステップ91pで受信したゲーム装置40の加速度センサ出力値と先のステッ
プ92pで読取ったゲーム装置10の加速度センサ出力値を合成する。ここで、合成とは
、単に加算する計算処理をおこなっても良いし、例えば2つの値に重みをつけて加算する
等、より複雑な計算式により2つの値から合成値を算出しても良い。ステップ93pの後
、ステップ94pにおいて、割込信号および先のステップ93pで計算された合成データ
がゲーム装置40に送信される。
【0135】
図66は、ゲーム装置40で実行される子機通信割込み処理のフローチャートである。こ
の処理は、図65の親機通信割込み処理のステップ94pにおいて送信される割込信号に
応じて処理が開始される。ステップ91cにおいてゲーム装置10から合成データを受信
して終了する。
【0136】
上述の実施例は、携帯型ゲーム装置が検出手段を備えるものであったが、図67に示すよ
うに家庭用ゲーム機,パソコンまたは業務用ゲーム機等のコントローラが検出手段を備え
るようにしてもよい。この場合には、プレイヤはコントローラを傾けたり、運動や衝撃を
与えることによってテレビジョン受信機等の表示装置に表示されるゲーム空間の制御をお
こなう。例えば、図6868に示すように、コントローラを傾けることによって表示装置
に表示されたゲーム空間である板が傾く表示がされ、かつ、板の上のボールが転がること
がシミュレートされる。コントローラを右に傾けると板が右に傾いてボールが右に転がり
、コントローラを左に傾けると板が左に傾いてボールが左に転がることがシミュレートさ
れる。
【0137】
上述の実施例では、カートリッジに加速度センサを設けたが、携帯型ゲーム装置本体側に
加速度センサを設けても良い。携帯型ゲーム装置本体側に加速度センサを設けた場合、カ
ートリッジ毎に加速度センサを備える必要がなくコストを削減できる。また、ゲーム装置
に用いる情報記憶媒体は、カートリッジに限るものではなく、PCカードのようなICカ
ードであっても良い。
【0138】
上述の第1の実施例では、ニュートラルポジションデータはワークRAM26に記憶して
ゲームプレイ毎に設定するようにしたが、バックアップRAM35に記憶して次回のゲー
ムプレイにおいても同じデータが利用可能にしても良い。
【0139】
上述の第1の実施例では、ニュートラルポジションはプレイヤが決定するようにしたが、
予めゲームプログラムにニュートラルポジションデータを記憶しておいてこれを利用する
ようにしても良い。また、複数のニュートラルポジションデータを記憶しておいて、プレ
イヤがいずれか一つを選択するようにしても良い。
【0140】
上述の第1の実施例では、ゲームキャラクタは、プレイヤキャラクタ(ボール)と敵キャ
ラクタ(亀)のみであったが、これらに加えて、プレイヤキャラクタを助ける味方キャラ
クタや中立的なキャラクタ等のNPC(ノンプレイヤーキャラクタ)を登場させても良い
。これらのNPCは、ゲームプログラムに基づいて自律移動されるが(自律移動しないN
PCがあっても良い)、プレイヤによる操作(傾き,運動または衝撃入力)に応じて移動
や変形等させても良い。
【0141】
上述の第1の実施例では、ゲーム空間の制御は加速度センサの出力のみに基づいているが
、操作スイッチに基づいてゲーム空間を制御する部分があってもよい。例えば、ピンボー
ルゲームにおいて、ゲーム装置を傾けたり揺らしたりすることによってゲーム空間である
ピンボール台を制御しつつ、操作スイッチを押した場合にフリッパーが動作するようなゲ
ームが考えられる。また、いわゆる「落ちゲー」といわれる、落下する物体を積み上げて
、積み上げ状態に応じて得点を計算するようなゲームにおいて、ゲーム装置を傾けたり揺
らしたりすることによってゲーム空間を制御しつつ、操作スイッチで物体の向きを変えた
り、衝撃入力で物体を高速移動させたり、Z軸方向の運動入力によって物体を変形させた
りするようなゲームが考えられる。
【0142】
上述の第1の実施例では、ゲームキャラクタはゲーム装置の傾き(すなわち、ゲーム空間
である迷路板の傾き)に応じて移動することとしたが、ゲーム装置の運動または衝撃に応
じて移動するようにしてもよい。例えば、ゲーム装置をスライド移動させたときに、迷路
板の壁が同じように移動したことがシミュレートされて、壁に接しているゲームキャラク
タが壁に押されたかのように移動するような表示制御をおこなうことが考えられる。
【0143】
上述の第1の実施例では、プレイヤキャラクタ(ボール)自体を移動表示したが、プレイ
ヤキャラクタは固定的に表示し、ゲーム空間をスクロール表示してプレイヤキャラクタが
ゲーム空間を相対的に移動している表示処理としてもよい。
【0144】
上述の第4の実施例は、2人のプレイヤが迷路板を傾けるという同一の制御を行うもので
あったが、2人のプレイヤが別々の制御を担当するようにしても良い。例えば、一人のプ
レイヤはゲーム装置を傾けることによって迷路板を傾ける制御をし、他方のプレイヤはゲ
ーム装置にZ軸方向の運動入力をしてゲームキャラクタをジャンプさせたり、XY軸方向
の衝撃入力をして波を発生する制御をする等のゲームが考えられる。
【0145】
上述の第4の実施例は、メインプログラム,マップ確認プログラムおよび通信割り込みプ
ログラムについて、ゲーム装置10には親機用のプログラムが記憶され、ゲーム装置40
には子機用のプログラムが記憶されていたが、ゲーム装置10およびゲーム装置40のそ
れぞれに親機用のプログラムと子機用のプログラムの両方を記憶しておいて、ゲーム開始
に先立って、どちらを親機とし子機とするかを設定し、設定に従ってプログラムを選択す
るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の一実施例の携帯型ゲーム装置の外観図である。
【図2】XYZ軸の定義を示した図である。
【図3】携帯型ゲーム装置のブロック図である。
【図4】センサインターフェースのブロック図である。
【図5】加速度センサの出力を計測する原理を示した図である。
【図6】Z軸接点スイッチの構造を示した図である。
【図7】Z軸接点スイッチがZ軸方向の運動入力(または衝撃入力)を検出する場合の図である。
【図8】第1の実施例のゲーム画面の一例である。
【図9】スライド入力を示した図である。
【図10】傾き入力を示した図である。
【図11】X軸方向またはY軸方向の衝撃入力を示した図である。
【図12】Z軸方向の運動入力(衝撃入力)を示した図である。
【図13】スライド入力の利用方法を示した図である。
【図14】傾き入力の利用方法を示した図である。
【図15】衝撃入力の利用方法を示した図である。
【図16】第1の実施例のプログラムROMのメモリマップである。
【図17】第1の実施例のワークRAMのメモリマップである。
【図18】第1の実施例の表示用RAMのメモリマップである。
【図19】第1の実施例のバックアップRAMのメモリマップである。
【図20】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図21】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図22】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図23】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図24】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図25】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図26】第1の実施例の加速度センサ出力変換テーブルである。
【図27】第1の実施例のメインルーチンのフローチャートである。
【図28】第1の実施例の0G設定処理のフローチャートである。
【図29】第1の実施例のニュートラルポジション設定処理のフローチャートである。
【図30】第1の実施例のゲームマップ選択処理のフローチャートである。
【図31】第1の実施例のセンサ出力読取処理のフローチャートである。
【図32】第1の実施例の各オブジェクト移動処理のフローチャートである。
【図33】第1の実施例のプレイヤキャラクタ移動処理のフローチャートである。
【図34】第1の実施例のNPC移動処理のフローチャートである。
【図35】第1の実施例のジャンプ移動処理のフローチャートである。
【図36】第1の実施例の波移動処理のフローチャートである。
【図37】第1の実施例の衝突処理のフローチャートである。
【図38】第1の実施例の画面スクロールの説明図(スクロール前)である。
【図39】第1の実施例の画面スクロールの説明図(スクロール後)である。
【図40】第1の実施例の画面スクロール処理のフローチャートである。
【図41】第2の実施例のゲーム画面の一例である。
【図42】第2の実施例のゲーム画面(地形隆起処理)の一例である。
【図43】第2の実施例のゲーム画面(視界移動処理)の一例である。
【図44】第2の実施例のゲーム画面(温度上昇処理)の一例である。
【図45】第2の実施例のプログラムROMのメモリマップである。
【図46】第2の実施例のワークRAMのメモリマップである。
【図47】第2の実施例のメインルーチンのフローチャートである。
【図48】第2の実施例の視界移動処理のフローチャートである。
【図49】第2の実施例の地形隆起処理のフローチャートである。
【図50】第3の実施例のゲーム画面の一例である。
【図51】第3の実施例のゲーム画面(フライパン空間処理)の一例である。
【図52】第3の実施例のゲーム画面(フライパン空間処理)の一例である。
【図53】第3の実施例のゲーム画面(包丁空間処理)の一例である。
【図54】第3の実施例のワークRAMのメモリマップである。
【図55】第3の実施例のメインルーチンのフローチャートである。
【図56】第3の実施例のフライパン空間処理のフローチャートである。
【図57】第3の実施例の包丁空間処理のフローチャートである。
【図58】第3の実施例の卵ジャンプ処理のフローチャートである。
【図59】第3の実施例のキャベツ切断処理のフローチャートである。
【図60】第4の実施例のゲーム画面の一例である。
【図61】第4の実施例のゲーム装置10のメインルーチンのフローチャートである。
【図62】第4の実施例のゲーム装置40のメインルーチンのフローチャートである。
【図63】第4の実施例の親機マップ確認処理のフローチャートである。
【図64】第4の実施例の子機マップ確認処理のフローチャートである。
【図65】第4の実施例の親機通信割込み処理のフローチャートである。
【図66】第4の実施例の子機通信割込み処理のフローチャートである。
【図67】本発明を家庭用ゲーム装置のコントローラに適用した場合の例である。
【図68】本発明を家庭用ゲーム装置のコントローラに適用した場合の画面例である。
【符号の説明】
【0147】
10:ゲーム装置本体
12:LCD
13:操作スイッチ
21:CPU
25:表示用RAM
26:ワークRAM
30:ゲームカートリッジ
31:XY軸加速度センサ
32:Z軸接点スイッチ
33:センサインタフェース
34:プログラムROM
35:バックアップRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶手段とゲームプログラムを実行する
処理手段とを備えるゲーム装置に対して、処理手段の処理結果に基づく画像を表示する表
示手段が関連的に設けられたゲームシステムであって、
プレイヤによって把持されるハウジング、および
前記ハウジングに関連して設けられ、かつハウジングに加えられた変化の量と方向の少
なくとも一方を検出する変化状態検出手段を備え、
前記ゲームプログラム記憶手段は、
ゲームプレイ可能な空間を表示するための画像データを含むゲーム空間データと、
前記ゲーム空間データに基づいて前記表示手段にゲーム空間を表示させるための表示
制御プロクラムと、
前記変化状態検出手段の出力に基づいて、前記ハウジングに加えられた変化量と変化
方向の少なくとも一方に関連させて、前記ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレ
ートするシミュレーションプログラムとを記憶したことを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項2】
前記変化状態検出手段は、変化量と変化方向として、前記ハウジングに加えられた傾き
の傾き量と傾き方向の少なくとも一方を検出するものであり、
前記シミュレーションプログラムは、前記ハウジングに加えられた傾き量と傾き方向の
少なくとも一方に関連させて、前記ゲーム空間が傾けられた状態となるようにシミュレー
トすることを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記変化状態検出手段は、変化量と変化方向として、前記ハウジングに加えられた運動
の運動量と運動方向の少なくとも一方を検出するものであり、
前記シミュレーションプログラムは、前記ハウジングに加えられた運動量と運動方向の
少なくとも一方に関連する運動状態になるように、前記ゲーム空間をシミュレートするこ
とを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記変化状態検出手段は、変化量と変化方向として、前記ハウジングに加えられた衝撃
の衝撃量と衝撃方向の少なくとも一方を検出するものであり、
前記シミュレーションプログラムは、前記ハウジングに加えられた衝撃量と衝撃方向の
少なくとも一方に関連させて、前記ゲーム空間が衝撃を加えられた状態となるようにシミ
ュレートすることを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記変化状態検出手段は、前記ハウジングに加えられた変化の量と方向の両方を検出す
るものであり、
前記シミュレーションプログラムは、前記ハウジングに加えられた変化量と変化方向の
両方に関連させて、前記ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレートすることを特
徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記ゲーム装置のハウジングであり、
前記ゲーム装置は、前記表示手段が前記ハウジングの一方主面に一体的に設けられた携
帯ゲーム装置である、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ゲームプログラム記憶手段は、カートリッジに収納され、かつ前記携帯ゲーム装置
の前記ハウジングに対して着脱自在に装着され、
前記変化状態検出手段は、前記カートリッジに収納され、当該カートリッジが前記携帯
ゲーム装置の前記ハウジングに装着されたとき、携帯ゲーム装置のハウジングに加えられ
た変化量と変化方向の少なくとも一方を検出する、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記変化状態検出手段は、前記携帯ゲーム機のハウジングに加えられる変化状態によっ
て道具として操作したことを検出するものであり、
前記ゲームプログラム記憶手段は、前記ゲーム空間上を移動可能な移動キャラクタを表
示するためのキャラクタデータ記憶部を含み、
前記ゲーム空間データは、前記ゲーム空間上に表示される前記移動キャラクタの動きを
制御する機能を有する道具を連想させる表示を行うための画像データであり、
前記ゲームプログラム記憶手段は、前記キャラクタデータ記憶部に記憶されている移動
キャラクタを読み出し、前記変化状態検出手段の出力に基づいて、前記ハウジングに加え
られた変化量と変化方向の少なくとも一方に関連させて、移動キャラクタの表示状態が前
記道具によって制御されているように処理するキャラクタ制御プログラムを含む、請求項
7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲームプログラム記憶手段は、前記ゲーム空間上を移動可能な移動キャラクタを表
示するためのキャラクタデータ記憶部を含み、
前記ゲームプログラム記憶手段は、前記キャラクタデータ記憶部に記憶されている移動
キャラクタを読み出し、前記変化状態検出手段の出力に基づいて、前記ハウジングに加え
られた変化量と変化方向の少なくとも一方に関連させて、移動キャラクタの表示状態を変
化させるように制御するキャラクタ制御プログラムを含む、請求項1に記載のゲームシス
テム。
【請求項10】
前記ゲームプログラム記憶手段は、プレイヤの操作とは無関係にゲーム空間上を予め定
められたプログラムに従って第1の動きをするノンプレイヤキャラクタを表示するための
ノンプレイヤキャラクタデータ記憶部とを含み、
前記シミュレーションプログラムは、
前記変化状態検出手段によって変化量と変化方向のいずれの変化状態が検出されない
とき、前記ノンプレイヤキャラクタがプログラムによって予め定められた第1の動きをす
るように制御し、
前記変化状態検出手段によって変化量と変化方向の少なくとも一方の変化状態が検出
されたないとき前記ノンプレイヤキャラクタが第1の動きに加えて変化状態検出手段の出
力に基づく変化量と変化方向の少なくとも一方に関連した第2の動きをするように制御す
ることを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記ゲームプログラム記憶手段は、前記ゲーム空間上を移動可能な移動キャラクタを表
示するためのキャラクタデータ記憶部を含み、
前記ゲーム空間データは、前記移動キャラクタがゲーム空間上を移動するときに、移動
キャラクタの動きが他の領域よりも異なるように定められた特定領域を表示するためのデ
ータを含み、
前記シミュレーションプログラムは、前記変化状態検出手段の出力に基づいて前記ハウ
ジングに加えられた変化量と変化方向の少なくとも一方に関連させて、前記移動キャラク
タの表示状態を制御し、移動キャラクタが前記特定領域に存在するときに、移動キャラク
タの動きを他の領域に存在していたときとは異ならせるように表示制御することを特徴と
する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記ゲーム空間データは、前記表示手段によって表示可能な表示領域よりも大きなゲー
ム空間を表示するための空間データを含み、
前記表示制御プログラムは、前記ゲーム空間のうちの表示領域の範囲内にある一部のゲ
ーム空間の画像データを前記表示手段に表示させるものであり、
前記シミュレーションプログラムは、前記変化状態検出手段の出力の変化量と変化方向
の少なくとも一方に基づいて表示領域内に存在するゲーム空間のみの状態を変化させるよ
うにシミュレートすることを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記変化状態検出手段は、変化量として前記ハウジングの移動量を検出し、かつ変化方
向として移動方向を検出するものであり、
前記ゲーム空間データは、前記表示手段の表示領域よりも大きなゲーム空間を表示する
ための空間データを含み、
前記表示制御プログラムは、表示領域に対応するゲーム空間の一部の空間領域を前記表
示手段に表示させ、前記ハウジングの移動に応じて、ゲーム空間の表示領域を移動方向へ
移動量に相当する領域だけ徐々に移動させることを特徴とする、請求項1に記載のゲーム
システム。
【請求項14】
前記ゲーム装置は、プレイヤによって操作される操作手段を前記ハウジングの一方主面
に備え、
前記シミュレーションプログラムは、前記変化状態検出手段の検出出力と前記操作手段
の操作状態に基づいて、ゲーム空間の状態をシミュレートするように変化させることを特
徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項15】
前記ゲームプログラム記憶手段は、前記シミュレーションプログラムに基づく前記ゲー
ム空間の状態に対応した音を発生する音発生プログラムを含む、請求項1に記載のゲーム
システム。
【請求項16】
表示手段が関連的に設けられ、プレイヤによって把持されるハウジングを含む操作手段
と、ハウジングに関連して設けられかつハウジングに加えられた変化の量と方向の少なく
とも一方を検出する変化状態検出手段と、プログラムを処理することによって得られる画
像を表示手段に表示させる処理手段とから構成されるゲームシステムに対して、着脱自在
に装着されかつゲームプログラムを記憶するゲーム情報記憶媒体であって、
ゲームプレイ可能な空間を表示するための画像データを含むゲーム空間データと、
前記ゲーム空間データに基づいて前記表示手段にゲーム空間を表示させるための表示制
御プログラムと、
前記変化状態検出手段の出力に基づいて、前記ハウジングに加えられた変化量と変化方
向の少なくとも一方に関連させて、前記ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレー
トするシミュレーションプログラムとを記憶したことを特徴とする、ゲーム情報記憶媒体

【請求項17】
表示手段が一体的に設けられかつプレイヤによって把持されるハウジングと、プログラ
ムを処理することによって得られる画像を表示手段に表示させる処理手段とを含む携帯ゲ
ーム装置に対して、着脱自在に装着されかつゲームプログラムを記憶するゲーム情報記憶
媒体であって、
前記ゲーム情報記憶媒体に関連して設けられ、かつ前記携帯ゲーム装置のハウジングに
加えられた変化の量と方向の少なくとも一方を検出する変化状態検出手段を備え、
ゲームプレイ可能な空間を表示するための画像データを含むゲーム空間データと、
前記ゲーム空間データに基づいて前記表示手段にゲーム空間を表示させるための表示制
御プロクラムと、
前記変化状態記検出手段の出力に基づいて、前記ハウジングに加えられた変化量と変化
方向の少なくとも一方に関連させて、前記ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレ
ートするシミュレーションプログラムとを記憶したことを特徴とする、ゲーム情報記憶媒
体。
【請求項18】
前記変化状態検出手段は、前記ハウジングに加えられた変化の量と方向の両方を検出す
るものであり、
前記シミュレーションプログラムは、前記ハウジングに加えられた変化量と変化方向の
両方に関連させて、前記ゲーム空間の状態を変化させるようにシミュレートすることを特
徴とする、請求項17に記載のゲーム情報記憶媒体。
【請求項19】
少なくとも2台のゲーム装置によって構成されるゲームシステムであって、
前記2台のゲーム装置は、それぞれゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶
手段と、ゲームプログラムを実行する処理手段と、プレイヤによって把持されるハウジン
グとを備え、処理手段の処理結果に基づく画像を表示する表示手段が関連的に設けられ、
前記2台のゲーム装置の少なくとも一方は、前記ハウジングに関連して設けられ、かつ
ハウジングに加えられた変化量と変化方向の少なくとも一方を検出する変化状態検出手段
を備え、
前記2台のゲーム装置に接続されかつ相互に関連するデータを相手側のゲーム装置に伝
送するデータ伝送手段をさらに備え、
前記2台のゲーム装置のそれぞれの前記ゲームプログラム記憶手段は、
ゲームプレイ可能な空間を表示するための画像データを含むゲーム空間デー
タと、
前記ゲーム空間データに基づいて前記表示手段にゲーム空間を表示させるための表示
制御プロクラムとを記憶し、
前記2台のゲーム装置の少なくとも他方の前記ゲームプログラム記憶手段は、
前記データ伝送手段を介して伝送される前記一方のゲーム装置の前記変化状態検出手段の
出力に基づいて、一方のゲーム装置の前記ハウジングに加えられた変化量と変化方向の少
なくとも1つに関連させて、他方のゲーム装置の前記ゲーム空間の状態を変化させるよう
にシミュレートするシミュレーションプログラムをさらに記憶したことを特徴とする、ゲ
ームシステム。
【請求項20】
前記変化状態検出手段は、2台のゲーム装置のそれぞれに備えられ、
前記2台のゲーム装置のそれぞれの前記ゲームプログラム記憶手段は、一方のゲーム装
置の前記変化状態検出手段の出力に基づいて、一方のゲーム装置の前記ハウジングに加え
られた変化量と変化方向の少なくとも1つに関連させて、他方のゲーム装置の前記ゲーム
空間の状態を変化させるようにシミュレートするシミュレーションプログラムを記憶した
ことを特徴とする、請求項19に記載のゲームシステム。
【請求項21】
前記一方のゲーム装置の前記ゲームプログラム記憶手段に記憶されるゲーム空間データ
と、前記他方のゲーム装置の前記ゲームプログラム記憶手段に記憶されるゲーム空間デー
タとは、同一のゲーム空間データに選ばれ、
前記一方のゲーム装置の前記シミュレーションプログラムは、当該ゲーム空間制御プロ
グラムによってシミュレートされる他方のゲーム空間の状態に対応して、前記一方のゲー
ム装置の前記ゲーム空間の状態を変化させ、
前記他方のゲーム装置の前記シミュレーションプログラムは、当該ゲーム空間制御プロ
グラムによってシミュレートされる一方のゲーム空間の状態に対応して、前記他方のゲー
ム装置の前記ゲーム空間の状態を変化させることを特徴とする、請求項19に記載のゲー
ムシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【公開番号】特開2008−68135(P2008−68135A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314938(P2007−314938)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【分割の表示】特願2007−293897(P2007−293897)の分割
【原出願日】平成12年6月9日(2000.6.9)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】