説明

ゲームシステム及びゲーム管理方法

【課題】仮想的なチームで対戦ゲームを行う際に、各チームの選手キャラクタの対戦行動を規定する選手キャラクタ毎の能力を評価パラメータを利用して調整することで、対戦ゲームをより対等に近いかたちで行わせる。
【解決手段】仮想的なチーム同士で対戦ゲームを行うゲーム装置と、ゲーム管理用のサーバとを備えたゲームシステム。チームを構成する選手キャラクタは対戦ゲームでの対戦行動を規定する基本能力値と、これに相関する基本評価値が予め設定されている。チームの総評価値が閾値内であることを条件に、各選手キャラクタの基本評価値は適宜変更されて裁量評価値とされ得る。各選手キャラクタの基本評価値と裁量評価値との差に基づいて基本能力値を変更する評価パラメータが算出され、対戦ゲームにおいて、選手キャラクタは対戦行動がその基本能力値を評価パラメータで変更された裁量能力値で規定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想的なチーム同士での対戦ゲームをネットワークを介してゲーム装置間で行うようにしたゲームシステム及びゲーム管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想的なチーム同士での対戦ゲームを行うゲーム装置が記載されている。この対戦ゲームは、チームを構成する各選手に相当するゲームキャラクタの能力値などが記録された選手カードをメンバー数と補欠メンバー数だけ利用して行うものである。選手カードは対戦ゲームの終了後にカード発行部から払い出される。ゲームが終了する度に選手カードが1枚ずつ増えるため、次回のゲームのときに選手選出や選手交代の操作がやりやすくなる。このゲーム装置では、プレイフィールド上で選手カードの配置を変えることにより、各選手のポジションやフォーメーションの変更が指示できるようにされており、これによってチームとしての競技レベルが変わることで、より変化に富んだゲームが実現し得るようになされている。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載のカードゲーム装置では、カードゲームを実行するためには、プレイヤは少なくとも所定枚数以上の選手カードを所持している必要がある。また、能力値の高いデータが書き込まれている選手カードを所持しておくことが対戦ゲームを有利に進める上で望まれる。しかし、能力データは選手カード毎に種々のレベルのものであり、さらに、一般的に、選手カードの所有枚数が多い程、能力の高い選手カードを所持する確率が高いことからすれば、選手カードの所持枚数によって対戦ゲームの有利不利が左右されてしまい、これでは選手カードの所有枚数の少ない、すなわち能力値の高い選手カードの所有枚数も少ないプレイヤの当該カードゲームへのプレイ意欲を削ぐものとなる。特に、選手カードの入手が容易でない場合には、この傾向は強い。
【0004】
また、対戦ゲームとして実際のプロ野球選手やサッカー選手等をモデルにし、能力値も対応させた野球やサッカーを模擬したゲームが知られている。野球選手やサッカー選手の場合、実際には、選手は能力の高さに相関した実績を残しており、この実績は典型的には年俸という形で評価、反映されている。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、仮想的にチームを構成する所定枚数の所望のキャラクタカードを用いて行う対戦ゲームにおいて、キャラクタカードの能力値と相関性を有するものとしての年俸に相当する評価値の高低に関わらず、対戦するチーム間の対戦能力をより均一化、すなわち対戦ゲームをより対等に行い得るものにして、本ゲームへのプレイ意欲を促すゲームシステム及びゲーム管理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、仮想的なチーム同士での対戦ゲームをネットワークを介してゲーム装置間で行わせるサーバと、前記ゲーム装置に設けられ、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動に対する指示を受け付けるための操作部と、前記ゲーム装置に設けられ、画像を表示する表示部と、前記ゲーム装置に設けられ、前記対戦ゲームのゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを備えたゲームシステムにおいて、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記チームを構成する所定数のゲームキャラクタのそれぞれに前記対戦ゲームで行わせる仮想的な種々の対戦行動の能力を規定する能力値を基本能力値として、該基本能力値と相関のある基本評価値と関連付けて記憶する記憶手段と、前記ゲーム装置に設けられ、前記チームを構成する各ゲームキャラクタの前記基本評価値に対し、プレイヤからの新たに設定可能な評価値である裁量評価値をゲームキャラクタ毎に前記操作部を介して選択的に受け付ける評価値変更部と、前記ゲーム装置に設けられ、前記チームを構成する全ゲームキャラクタに対して、前記裁量評価値の設定されていないゲームキャラクタの基本評価値と前記裁量評価値の設定されたゲームキャラクタの該裁量評価値とを合計して総評価値を算出する合計手段と、前記ゲーム装置に設けられ、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報を報知する報知手段と、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記総評価値が予め設定された閾値を超えることを禁止する禁止手段と、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、ゲームキャラクタ毎の前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて、該ゲームキャラクタの前記基本能力値に対し、新たな能力値としての裁量能力値を算出する能力値算出手段と、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動を、前記裁量能力値の設定されていないゲームキャラクタに対しては基本能力値に基づいて、前記裁量能力値の設定されたゲームキャラクタに対しては該裁量能力値に基づいて行わせるゲーム制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項22記載の発明は、仮想的なチーム同士での対戦ゲームをネットワークを介してゲーム装置間で行わせるサーバと、前記ゲーム装置に設けられ、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動に対する指示を受け付けるための操作部と、前記ゲーム装置に設けられ、画像を表示する表示部と、前記ゲーム装置に設けられ、前記対戦ゲームのゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを備えると共に、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動を行わせるゲーム制御手段を備えるゲームシステムにおけるゲーム管理方法において、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた記憶手段が、前記チームを構成する予め設定された所定数のゲームキャラクタのそれぞれに前記対戦ゲームで行わせる仮想的な種々の対戦行動の能力を規定する能力値を基本能力値として、該基本能力値と相関のある基本評価値と関連付けて記憶し、前記ゲーム装置に設けられた評価値変更部が、前記チームを構成する各ゲームキャラクタの前記基本評価値に対し、新たに設定可能な評価値である裁量評価値をゲームキャラクタ毎に前記操作部を介して選択的に受け付け、前記ゲーム装置に設けられた合計手段が、前記チームを構成する全ゲームキャラクタに対して、裁量評価値の設定されていないゲームキャラクタの基本評価値と裁量評価値の設定されたゲームキャラクタの該裁量評価値とを合計して総評価値を算出し、前記ゲーム装置に設けられた報知手段が、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報を報知し、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた禁止手段が、前記総評価値が予め設定された閾値を超えることを禁止し、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた能力値算出手段が、ゲームキャラクタ毎の前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて、該ゲームキャラクタの前記基本能力値に対し、新たな能力値としての裁量能力値を算出するものであり、前記ゲーム制御手段は、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動を、前記裁量能力値の設定されていないゲームキャラクタに対しては基本能力値に基づいて、前記裁量能力値の設定されたゲームキャラクタに対しては該裁量能力値に基づいて行わせることを特徴とするものである。
【0008】
これらの発明によれば、複数のゲーム装置がサーバとデータ通信可能に接続されており、各ゲーム装置に仮想的に設定されるチーム同士で対戦ゲームが互いに操作データをネットワークを介して授受しながら実行される。前記ゲーム装置に設けられた操作部を介してプレイヤから、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動に対する指示が受け付けられる。
【0009】
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられたゲーム制御手段により、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動が行われる。前記ゲーム装置に設けられた表示部には、表示制御手段により前記対戦ゲームのゲーム画像が表示される。
【0010】
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた記憶手段には、前記チームを構成する予め設定された所定数のゲームキャラクタのそれぞれに前記対戦ゲームで行わせる仮想的な種々の対戦行動の能力を規定する能力値が基本能力値として、該基本能力値と相関のある基本評価値と関連付けて記憶される。そして、前記ゲーム装置に設けられた評価値変更部により、前記チームを構成する各ゲームキャラクタの前記基本評価値に対し、プレイヤからの新たに設定可能な評価値である裁量評価値がゲームキャラクタ毎に前記操作部を介して選択的に受け付けられると、前記ゲーム装置に設けられた合計手段により、前記チームを構成する全ゲームキャラクタに対して、裁量評価値の設定されていないゲームキャラクタの基本評価値と裁量評価値の設定されたゲームキャラクタの該裁量評価値とが合計された総評価値が算出され、前記ゲーム装置に設けられた報知手段により、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報が報知される。このとき、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた禁止手段により、前記総評価値が予め設定された閾値を超えるか否かが判断され、総評価値が閾値を超えることが禁止、すなわち評価値変更部により設定中のゲームキャラクタの裁量評価値の操作のやり直し等が促される。例えば報知手段によって、変更を行う旨のガイドが音声や表示で行われる。この場合、いずれかのゲームキャラクタの裁量評価値を下げる操作を行うことで、総評価値を閾値に抑えることが可能となる。
【0011】
また、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた能力値算出手段により、ゲームキャラクタ毎の前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて、該ゲームキャラクタの前記基本能力値に対し、新たな能力値としての裁量能力値が算出され。そして、前記ゲーム制御手段により、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動が、前記裁量能力値の設定されていないゲームキャラクタに対しては基本能力値に基づいて、前記裁量能力値の設定されたゲームキャラクタに対しては該裁量能力値に基づいて行わされる。
【0012】
対戦ゲームにおける対戦行動の能力を規定する基本能力値と基本評価値とに間には相関性が設定されている。実際の野球選手の場合を例に考えると、一般的に、野球の能力の高い選手は年俸も高い。能力とは、例えば、野手であれば、走塁についての能力、打撃に関する能力(パワーとかミート力など)、守備の際の能力、投手であれば、球速、コントロール力、変化球の変化の大小、その他をいう。ここに、基本評価値は実施の野球選手の場合の年俸を想定している。従って、年俸の高い、つまり能力値の高いゲームキャラクタを選出して構成したチームは、そうではないチームと対戦した場合、勝敗の結果は容易に予想でき、ゲームとしての趣向性を欠いたものとなる。
【0013】
そこで、本発明にように、能力値と相関する評価値のチーム合計値である総評価値を一定の閾値で頭打ちとなるように制限(禁止)することで、対戦する両チームの、いわばチーム力がより均一化されるので、能力値のさほど高くないゲームキャラクタを多数所有する、すなわちチーム力の低いチームを所有するプレイヤも、能力値の高いゲームキャラクタを多数所有する、すなわちチーム力の高いチームを所有するプレイヤと、より対等に近いかたちで対戦ゲームを楽むしことが可能となる。特に、ゲームキャラクタを対戦ゲームを行う都度、収集していくようなゲームシステムにおいては、対戦ゲーム数を多くこなして確率的に能力値の高いゲームキャラクタを多数収集しておけば強いチームを編成することが可能となることから、対戦ゲーム数の少ないプレイヤ(いわば初心者プレイヤ)は勢い不利となる傾向にあるが、このような場合にあっても、対等に近いかたちで対戦できるのでゲームへの参加の動機、意欲を削ぐことのないものとなる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲームシステムにおいて、前記能力値算出手段は、前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じた評価パラメータを算出し、該評価パラメータを用いて前記基本能力値から前記裁量能力値を算出するものであることを特徴とする。この構成によれば、実際に対戦ゲームで使用される裁量能力値が、評価パラメータで規定されるので、前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて演算する場合に比して、裁量能力値の算出処理が容易となる。例えば、裁量評価値と前記基本評価値との差に応じた評価パラメータを予め算出し、あるいはルックアップテーブル(対照メモリ)に記憶しておけば、評価パラメータが得られる。特に、対戦ゲーム中での対戦行動の能力は、実際のゲームにおいては、意外性や確率論的な側面から種々のパラメータが用いられる場合も少なくなく、評価パラメータもその内の一つとして、能力値の決定処理の際に一括で処理可能となる点で処理の容易化かつ迅速化が期待できる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のゲームシステムにおいて、予め準備された複数のゲームキャラクタの中から前記所定数に達するまで新たなゲームキャラクタの前記記憶手段への登録が受け付け可能な登録手段を備えることを特徴とする。この構成によれば、ゲームキャラクタは予め多数(種類)のものが準備されており、プレイヤによって所望するゲームキャラクタが選出され、自己チームへの登録が行われる。この場合、チーム構成メンバー数である所定数までは登録可能となる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のゲームシステムにおいて、前記登録手段は、初回の対戦ゲームを開始する前に予め準備された複数のゲームキャラクタの中から少なくとも前記対戦ゲームが実行可能な数のゲームキャラクタを前記記憶手段に登録可能にするものであることを特徴とする。この構成によれば、登録手段によって、初回の対戦ゲームが開始される前に少なくとも対戦ゲームが実行可能な数のゲームキャラクタが登録可能になるので、初心者であっても最初に対戦可能な数のゲームキャラクタの登録(初期登録)をするだけで、2回目以降は、そのまま乃至は逐次登録や入れ替えで対戦ゲームを行うことが可能となる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記評価値変更部は、前記裁量評価値の設定を所定値毎に増減させるものであることを特徴とする。この構成によれば、評価値変更部により、前記裁量評価値の設定が所定値毎に増減変更可能となるので、値そのものを入力する場合に比して操作が容易となる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記評価値変更部は、前記裁量評価値の設定を対戦ゲームの実行毎であって該対戦ゲームの開始前に受け付けるものであることを特徴とする。この構成によれば、評価値変更部により、前記裁量評価値の設定が対戦ゲームを実行する毎に可能となる。従って、対戦する相手との関係で、プレイヤは自己チームのゲームキャラクタの裁量能力値を調整できるので、いわば戦略的なチーム編成が可能なゲームシステムが提供できる。この場合、対戦ゲームの開始前に受け付け可能とされる一方、対戦ゲーム中の設定は禁止される。従って、設定操作のために対戦ゲームが途中で中断されるということがなくなり、また対戦ゲーム中に、あるゲームキャラクタの能力が突然変わってしまうといった不自然さも生じないので、より現実に即した態様で対戦ゲームが可能となる。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記裁量能力値は、対戦行動のための全ての行動、あるいは特定の一部の種類の行動に反映されるものであることを特徴とする。この構成によれば、対戦ゲームにおいては、通常、対戦行動として複数種類の行動が準備されているが、その場合に、能力値の変更によって、対戦行動のための全ての行動、あるいは特定の一部の種類の行動が影響を受ける。例えば、野球の場合を想定すれば、評価値を基本評価値より下げる場合には、打者の打力が落ちるとか、ミート力が下がるとかであり、投手であれば、球速が落ちるとか、コントロールが悪くなる等が考えられ、逆に評価値を基本評価値より上げる場合は、その逆となる。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項3又は4に記載のゲームシステムにおいて、前記予め準備された複数のゲームキャラクタをチームメンバー候補用として記憶する候補記憶手段を備え、前記登録手段は、前記候補記憶手段の複数のゲームキャラクタの中から自己チームのゲームキャラクタとして選択し、前記記憶手段に登録するものであることを特徴とする。この構成によれば、登録手段により、予め準備された候補記憶手段の中から自己チームのゲームキャラクタが選択可能となる。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のゲームシステムにおいて、前記候補記憶手段は、前記予め準備された複数のゲームキャラクタがチーム単位で選択的に格納されていることを特徴とする。この構成によれば、登録手段により、予め準備された候補記憶手段の中からゲームキャラクタがチーム単位で選択可能となり、ゲームキャラクタの選択操作が容易となる。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項3記載のゲームシステムにおいて、前記登録手段は、前記新たなゲームキャラクタとしての追加候補の各ゲームキャラクタを識別情報と対応させて記憶する追加記憶手段と、前記追加候補の各ゲームキャラクタに対応する識別情報が付されたカードが載置可能なカード載置部と、載置されたカードの識別情報を読み取る読み取り手段とを備え、読み取った識別情報に対応するゲームキャラクタを前記追加記憶手段から読み出し、自己チームのゲームキャラクタとして前記記憶手段に登録するものであることを特徴とする。この構成によれば、追加記憶手段に前記新たなゲームキャラクタとしての追加候補の各ゲームキャラクタが識別情報と対応して記憶されており、カード載置部に前記追加候補の各ゲームキャラクタに対応する識別情報が付されたカードが載置されると、読み取り手段により、カード載置部に載置されたカードの識別情報が読み取られ、読み取られた識別情報に対応するゲームキャラクタが前記追加記憶手段から読み出されて、自己チームのゲームキャラクタとして前記記憶手段に登録される。従って、カードを用いてゲームキャラクタの新たな登録が可能となり、ゲームキャラクタが他の態様でも収集可能となる。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のゲームシステムにおいて、前記ゲーム装置は、カードを1枚又は所定枚数ずつ発行するカード発行部を備えることを特徴とする。この構成によれば、カード発行部により、カードが1枚又は所定枚数ずつゲーム装置から発行される。これによって、自己チームを構成するゲームキャラクタを徐々に収集していくことが可能となるので、必要枚数分の多数のカードを一括で購入する等の収集態様に比して本ゲームへ参加する敷居が低く抑えられ、本ゲームへの初参加に際しての障壁が解消されている。そして、対戦ゲームをこなして、十分な枚数のカードが収集されるまでの期間であっても、既にゲームキャラクタを多数収集しているプレイヤと対等に近いかたちで対戦できるので、さらにゲームへの参加の動機、意欲を削ぐことのないものとなる。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項10記載のゲームシステムにおいて、前記カード発行部は、前記対戦ゲームの終了時に、カードを発行するものであることを特徴とする。この構成によれば、カード発行部により、対戦ゲームが終了すると、カードが1枚又は所定枚数ずつゲーム装置から発行されることになる。これによって、自己チームを構成するゲームキャラクタを、ゲームの都度、収集していくことが可能となる。
【0025】
請求項13記載の発明は、請求項3記載のゲームシステムにおいて、自己チームのゲームキャラクタの数が前記所定数を超えるときは、少なくとも該所定数以下となるように既登録のゲームキャラクタのうちから削除を行う削除処理手段を備えることを特徴とする。この構成によれば、削除処理手段により、自己チームのゲームキャラクタの数が前記所定数を超えるときには、該所定数に、あるいはそれ以下となるように既登録のゲームキャラクタのうちから削除が行われる。これにより、自己チームの構成メンバーを所定数の枠内でありながら、入れ替えることが可能となる。
【0026】
請求項14記載の発明は、請求項1記載のゲームシステムにおいて、前記表示部は、前記報知手段を兼用するものであることを特徴とする。この構成によれば、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報が表示部に表示されるので、別個の表示器、音声発生器等の報知部材が不要となり、かつ認識も容易となる。
【0027】
請求項15記載の発明は、請求項14記載のゲームシステムにおいて、前記表示制御手段は、登録済みのゲームキャラクタと該ゲームキャラクタの基本評価値とを対応させて前記表示部に表示するものであることを特徴とする。この構成によれば、表示制御手段により、登録済みのゲームキャラクタと該ゲームキャラクタの基本評価値とが対応して表示部に表示される。従って、ゲームキャラクタと該ゲームキャラクタの基本評価値との対応の認識が容易となる。
【0028】
請求項16記載の発明は、請求項15記載のゲームシステムにおいて、前記表示制御手段は、登録済みのゲームキャラクタの名称及びイメージ画像の少なくとも一方と基本評価値とを対応させて表示するものであることを特徴とする。この構成によれば、表示制御手段により、登録済みのゲームキャラクタの名称やイメージ画像が対応する基本評価値と共に表示される。従って、ゲームキャラクタの名称やイメージ画像が表示されるので、プレイヤの嗜好が反映されやすくなり、所望のチーム構成や、裁量評価値の設定に有益となる。
【0029】
請求項17記載の発明は、請求項14記載のゲームシステムにおいて、前記表示制御手段は、前記総評価値と前記閾値とを対応して表示するものであることを特徴とする。この構成によれば、裁量評価値の変更可能な幅の認識が容易となり、裁量評価値の設定操作も容易となる。
【0030】
請求項18記載の発明は、請求項1〜17のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記ゲーム制御手段は、前記自己チームを構成する前記所定数のゲームキャラクタのうちの、該所定数以下の設定数のゲームキャラクタであるゲーム参加キャラクタに対戦ゲームを行わせるものであることを特徴とする。この構成によれば、ゲーム制御手段により、自己チームを構成する所定数のゲームキャラクタのうちから、該所定数以下の設定数のゲームキャラクタであるゲーム参加キャラクタが選択されて対戦ゲームに出場可能となる。従って、ゲーム参加キャラクタが対戦ゲームの都度、編成可能としたので、1のチームでありながら変化性(所定数から設定数を選出する際の組み合わせ分)のあるチームとして変化に富んだ対戦ゲームが可能となる。
【0031】
請求項19記載の発明は、請求項18記載のゲームシステムにおいて、前記ゲーム参加キャラクタを対戦ゲーム毎に選択する選択部を備えることを特徴とする。この構成によれば、選択部により、ゲーム参加キャラクタが選択されるので、ゲームの都度、プレイヤの所望するチーム編成が可能となる。
【0032】
請求項20記載の発明は、請求項19記載のゲームシステムにおいて、前記選択部は、前記カード載置部に前記設定数のカードを載置し、前記読み取り手段でカードの識別情報を読み取ることで前記ゲーム参加キャラクタを識別するものであることを特徴とする。この構成によれば、カード載置部に前記設定数のカードが載置され、読み取り手段でカードの識別情報が読み取られることで、ゲーム参加キャラクタとして識別される。従って、カードをカード載置部に載置する操作のみでゲーム参加キャラクタの選出が可能となる。
【0033】
請求項21記載の発明は、請求項20記載のゲームシステムにおいて、前記ゲーム制御手段は、対戦ゲーム中での前記カード載置部上のカードの差し替えを、カードの識別情報の読み取り結果から判断したとき、変更前のゲーム参加キャラクタのデータを変更後のゲーム参加キャラクタのデータに置き換えることを特徴とする。この構成によれば、対戦ゲーム中に、カード載置部上で1のカードが別のカードに差し替えられたことが、読み取り手段によるカードの識別情報の読み取り結果から判断されたときには、変更前のゲーム参加キャラクタのデータが変更後のゲーム参加キャラクタのデータに置き換えられる。従って、交代させたいカード載置部のカードを新たなカードと置き換える操作のみで、ゲーム参加キャラクタ、いわば選手の交代が可能となる。
【発明の効果】
【0034】
請求項1、22記載の発明によれば、能力値と相関する評価値のチーム合計値である総評価値を一定の閾値で頭打ちとなるように制限(禁止)することで、対戦する両チームの、いわばチーム力がより均一化されるので、能力値のさほど高くないゲームキャラクタを多数所有する、すなわちチーム力の低いチームを所有するプレイヤも、能力値の高いゲームキャラクタを多数所有する、すなわちチーム力の高いチームを所有するプレイヤと、より対等に近いかたちで対戦ゲームを楽むしことが可能となる。特に、ゲームキャラクタを対戦ゲームを行う都度、収集していくようなゲームシステムにおいては、対戦ゲーム数を多くこなして確率的に能力値の高いゲームキャラクタを多数収集しておけば強いチームを編成することが可能となることから、対戦ゲーム数の少ないプレイヤ(いわば初心者プレイヤ)は勢い不利となる傾向にあるが、このような場合にあっても、対等に近いかたちで対戦できるのでゲームへの参加の動機、意欲を削ぐことのないものとなる。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、実際に対戦ゲームで使用される裁量能力値が、評価パラメータで規定されるので、前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて演算する場合に比して、裁量能力値の算出処理を容易にできる。特に、対戦ゲーム中での対戦行動の能力は、実際のゲームにおいては、意外性や確率論的な側面から種々のパラメータが用いられる場合も少なくなく、評価パラメータもその内の一つとして、能力値の決定処理の際に一括で処理可能となる点で処理の容易化かつ迅速化が期待できる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、ゲームキャラクタは予め多数(種類)のものが準備されており、プレイヤによって所望するゲームキャラクタが選出され、自己チームへの登録が行われる。この場合、チーム構成メンバー数である所定数までは登録可能となる。
【0037】
請求項4記載の発明によれば、初心者であっても最初に対戦可能な数のゲームキャラクタの登録(初期登録)をするだけで、2回目以降は、そのまま乃至は逐次登録や入れ替えで対戦ゲームを行うことができる。
【0038】
請求項5記載の発明によれば、裁量評価値そのものを入力する場合に比して操作を容易にできる。
【0039】
請求項6記載の発明によれば、対戦する相手との関係で、プレイヤは自己チームのゲームキャラクタの裁量能力値を調整できるので、いわば戦略的なチーム編成が可能なゲームシステムが提供できる。従って、設定操作のために対戦ゲームが途中で中断されるということがなくなり、また対戦ゲーム中に、あるゲームキャラクタの能力が突然変わってしまうといった不自然さも生じないので、より現実に即した態様で対戦ゲームが可能となる。
【0040】
請求項7記載の発明によれば、全部あるいは一部の種類の対戦行動に対して裁量能力値が反映されるので、より面白味のある対戦ゲームが提供できる。
【0041】
請求項8記載の発明によれば、予め準備された候補記憶手段の中から自己チームのゲームキャラクタを選択することができる。
【0042】
請求項9記載の発明によれば、予め準備された候補記憶手段の中からゲームキャラクタをチーム単位で選択できるため、ゲームキャラクタの選択操作を容易にできる。
【0043】
請求項10記載の発明によれば、カードを用いてゲームキャラクタの新たな登録が可能となり、ゲームキャラクタを他の態様でも収集できることになる。
【0044】
請求項11記載の発明によれば、カードを1枚又は所定枚数ずつゲーム装置から発行することで、自己チームを構成するゲームキャラクタを徐々に収集することができるようにしたので、必要枚数分の多数のカードを一括で購入する等の収集態様に比して本ゲームへ参加する敷居を低く抑え得て、本ゲームへの初参加に際しての障壁を解消している。そして、対戦ゲームをこなすことを通じて十分な枚数のカードが収集できるまでの期間であっても、既にゲームキャラクタを多数収集しているプレイヤと対等に近いかたちで対戦できるので、さらにゲームへの参加の動機、意欲を削ぐことのないものとできる。
【0045】
請求項12記載の発明によれば、対戦ゲームが終了すると、カードを1枚又は所定枚数ずつゲーム装置から発行するようにしたので、自己チームを構成するゲームキャラクタを、ゲームの都度、収集していくことができる。
【0046】
請求項13記載の発明によれば、自己チームのゲームキャラクタの数が前記所定数を超えるときには、該所定数に、あるいはそれ以下となるように既登録のゲームキャラクタのうちから削除を行い得るようにしたので、自己チームの構成メンバーを所定数の枠内でありながら、入れ替えることが可能となる。
【0047】
請求項14記載の発明によれば、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報を表示部に表示するようにしたので、別個の表示器、音声発生器等の報知部材を不要にでき、かつ認識も容易となる。
【0048】
請求項15記載の発明によれば、登録済みのゲームキャラクタと該ゲームキャラクタの基本評価値とを対応して表示部に表示するようにしたので、ゲームキャラクタと該ゲームキャラクタの基本評価値との対応の認識を容易にすることができる。
【0049】
請求項16記載の発明によれば、ゲームキャラクタの名称やイメージ画像を表示するようにしたのでプレイヤの嗜好を反映しやすくし、所望のチーム構成や、裁量評価値の設定に有益となる。
【0050】
請求項17記載の発明によれば、裁量評価値の変更可能な幅の認識が容易となり、裁量評価値の設定操作も容易となる。
【0051】
請求項18記載の発明によれば、ゲーム参加キャラクタを対戦ゲームの都度、編成し得るようにしたので、1のチームでありながら変化性(所定数から設定数を選出する際の組み合わせ分)のあるチームとして変化に富んだ対戦ゲームを提供できる。
【0052】
請求項19記載の発明によれば、ゲーム参加キャラクタを選択し得るようにしたので、ゲームの都度、プレイヤの所望するチーム編成ができる。
【0053】
請求項20記載の発明によれば、カードをカード載置部に載置する操作のみでゲーム参加キャラクタを選出できる。
【0054】
請求項21記載の発明によれば、交代させたいカード載置部のカードを新たなカードと置き換える操作のみで、ゲーム参加キャラクタ、いわば選手を交代させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
図1は、本発明のゲームシステムに適用されるゲーム装置の第1実施形態を示す外観構成図である。前記ゲーム装置は、所定の立体構造、例えば略直方体形状の筐体1を備え、前面側の略中央に遊技者であるプレイヤが所定形状の選手カードを載置する載置面部20(図2参照)を有するカード載置部2が形成され、その上部にゲーム画像の表示を行うCRT表示器、液晶表示器等のモニタ3が立設され、モニタ3の左右には音声出力や効果音の演出を行うスピーカ41,42が配設されている。また、左右のスピーカ41,42の一方、ここでは右側のスピーカ41の上部にはプレイヤを特定する情報が書き込まれた個人カードの挿入口5が設けられ、左側のスピーカ42の上部には後述する選手カードの発行口6が設けられている。個人カード挿入口5、選手カード発行口6の上部には電飾効果を演出する発光部71,72がそれぞれ配設されている。なお、載置部2の所定位置には、ゲームの開始条件としてのコインの投入をガイドするコイン投入口8が形成されている。また、図では見えていないが、筐体の後部からは、他のゲーム装置AGM、及び後述するサーバ400(図6参照)と接続するための各ネットワーク用の信号線が引き出されている。
【0056】
図2は、カード載置部2の構成を示す斜視図の一例である。カード載置部2は、上面側が所定形状、ここでは四角形の形状をなし、水平かつ平面状とされている。本ゲーム装置は、本実施形態では、野球ゲームを想定しており、従ってカード載置部2には野球場のフィールドを模擬した絵が描画されている。なお、キャラクタカードとしての選手カード9は、図3(a)に示すように、所定形状を有するものが採用可能であり、本実施形態では、長方形をしたものを採用している。カード載置部2には、左右方向に所定間隔でカードを載置するための載置面部20が複数枚、本実施形態では10枚の選手カード9が載置可能なように準備されている。野球ゲームでは少なくとも9枚あれば1チームが形成できるが、本実施形態では、交代選手用のキャラクタカードを載置するべく、計10枚分を載置可能としている。なお、後述するように、1チームを構成する所定の登録メンバー数として、本実施形態では25名(25枚)を想定している。載置面部20は選手カード9の幅寸法方向に対応する、10枚分の長尺を有して形成されており、左右側には、選手カード9を載置位置から一の方向、例えば前後方向にスライドを容易に案内するための補助材としてのガイド部材、例えば選手カード9の幅寸法だけ離間してスライド方向(ここでは前後方向)に伸びた一対の突条体21が形成されている。突条体21の前後方向の寸法は選手カード9のスライド幅に対応して設定されている。なお、載置面部20は、後述するように新規乃至は追加の選手カード9を自己チームのメンバーとして登録する際にも利用される。また、載置面部20は、後述するように選手カード9を対戦ゲームに参加するメンバーとして設定する際にも利用される。
【0057】
図3は、選手カードの構成及び載置面部との関係を説明するための図で、(a)は選手カードの構成と載置面部との関係を示す斜視図、(b)は選手カードの裏面の表記内容を示す図である。図3(a)においては、説明の便宜上、選手カード9を載置面部20から浮かして表現している。図3(a)に示すように、載置面部20は、中央部201と前後方向のスライド部202とから構成されている。中央部201は選手カード9と同一寸法を有し、スライド部202は中央部201に対して前後方向に所要寸法を有する。例えば選手カードの長手方向の長さの略半分の寸法としてもよい。スライド部202は、後述するように選手カード9を、矢印で示す範囲内において、中央部201に対してずらして(スライドして)載置することで、選手カード9に対応するモニタ3に表示されるキャラクタの、後述する行動の態様に変化を与えるものである。選手カード9は、表面に、実際のプロ野球選手乃至は仮想的な選手のイメージ写真が、裏面に、視認可能な選手の顔写真のイメージと名前等の選手情報、及び視認不可にされた選手識別データが印刷されている。
【0058】
図3(b)に示すように、選手カード9の裏面に印刷されたマークは、載置面部20上での選手カード9の載置位置を検出する位置検出用マーク91と、選手カード9に対応した選手キャラクタの識別用のデータである選手識別データを表すキャラクタマーク92を含む。選手識別データとしては、識別番号を利用可能である。ここでは説明の便宜上、選手カード9の表面を6列×10行のエリアに区分けし、その周囲を位置検出用マーク91として用い、その内側の4列×8行のエリアをキャラクタマーク92としているが、実際には、必要なデータが格納可能な行列数を用いたエリアに区分けされている。なお、選手識別データの記録方法は種々の態様が採用可能である。
【0059】
位置検出用マーク91は4辺の内の隣接する2辺の全エリアに、残りの2辺における行列方向の交互のエリアに、所定の材料が塗布等されている。このように、連続する部分と、交互する部分とを設けることで、前後逆向きの誤載置を検知して正しい向きでの位置検出を確実にしている。
【0060】
キャラクタマーク92は、外周より1エリア分内側の各エリアを各1ビットとして前記所定の材料を塗布等することで選手識別データを形成している。全てのゲーム装置内には、予め準備された選手キャラクタの全選手に対し、選手識別データに対応して、選手のキャラクタデータ(モニタ3に表示される選手キャラクタの画像データ、選手キャラクタを評価するデータとしての評価値、本実施形態では年俸、及び能力値を表す選手パラメータ(内容に応じて野手パラメータ、投手パラメータ、打者パラメータのように使い分ける))がそれぞれキャラクタデータ記憶部332(図6参照)に予め格納されており、ゲームの際には、選手カード9の読み取りによって特定された選手識別データに対する画像データ及び選手パラメータの照合処理を経て、キャラクタデータ記憶部332から読み出されて用いられる。上記において、年俸としては、実際のプロ野球選手に対応させた選手カード9を使用する態様では、該選手の実際の年俸が基本評価値として扱われ、能力値は選手の成績(実績)、性格等を考慮して設定された値が基本能力値として扱われる。
【0061】
また、キャラクタデータ記憶部332に予め格納された選手カード9に対応する全選手キャラクタの内、所定数分の選手キャラクタについては、後述するように、選手カード9に代えて選択的に野球ゲームに登場させ得るように、該当する選手キャラクタについてフラグを付す等して、この識別標識を内蔵キャラクタデータ記憶部333(図6参照)に予め格納している。なお、代用可能な選手キャラクタは、選手カード9に対応する選手キャラクタ以外にも準備されたものを含むものとしてもよく、このような選手キャラクタについては、内蔵キャラクタデータ記憶部333に選手パラメータも含めて記憶されている。あるいは、選手キャラクタ単位ではなく、チーム単位での所定人数分(例えば25人の全メンバーに対して、例えば少なくとも10名分、あるいはそれ以上の所定のメンバー数)の選手キャラクタを予め代用可能なチームとして、所用チーム数分だけ選択可能に格納(準備)していてもよい。なお、この内蔵されている選手キャラクタを代用するに際しては、後述するタッチパネル10を介して選択され、受付部303を介して選択内容が受け付けられるようになっている。代用として選択された後の選手キャラクタは、使用される選手カード9の選手キャラクタと、ゲーム中において同等に取り扱われるようにしている。
【0062】
上記においては、選手カード9を所有しないプレイヤが、例えば最初にこの対戦ゲームを行う場合に、代用選手毎の選択ではなく、チームを選択させ得るための態様を考慮して、キャラクタデータ記憶部332、内蔵キャラクタデータ記憶部333の各選手を現実の野球チームの所属に対応させるべくチーム毎にレジスタで識別させておき、プレイヤが当初に、チーム選択モードでのチームリスト画面等において選択したチームのメンバーを一括的に纏めて自己チームを作成するようにしてもよい。
【0063】
また、前述の塗布のための材料は、視認可能な材料でもよいが、本実施形態では、後述する赤外光を検知する手段を利用することから、視認不可の、例えば赤外光に反応する材料を用いている。一例として、選手カード9は赤外光を吸収する材料で形成され、あるいは裏面を吸収材料でコーティングし、これに対してマークが表記されている。また、カード載置部2の少なくとも載置面部20は赤外光に対して透過性を有するものが採用されている。
【0064】
キャラクタデータ記憶部332には、選手キャラクタを特定する選手識別データに対応してイメージ画像、選手パラメータ、その他のデータ(能力値、評価値としての年棒など)が記憶されている。選手パラメータとしては、以下のような、能力(スキルを含む)のデータが記憶されている。能力の種類としては、例えば打者用の場合、共通項目としての、「弾道」、「ミート」、「パワー」、「走力」、「肩力」、「守備力」、「エラー回避値」、「メインポジション」等の野手パラメータが含まれ、さらにキャラクタ個々に応じて特殊能力項目としての、「威圧感」、「対左投手ミート補正」、「対左投手パワー補正」、「チャンス補正」、「スイングタイミング」、「アベレッジヒッター」、「パワーヒッター」、「チャンスメーカー」、「サヨナラ男」、「逆境」、「流し打ち」、「広角打法」、「内野安打」、「バント」、「満塁男」、「代打男」、「三振男」、「初球打ち」、「固め打ち」、「連打」、「4番バッター」、「アベックアーチ」、「粘り男」、「守備職人」、「盗塁」、「体当たり」、「走塁」、「ホームスライディング」、「送球」、「ブロック」、「ムードメーカー」、「タイムリーエラー」、「初回先頭打者本塁打男」、「捕手リードレベル」、「レーザービーム(返球の素早さ)」、「タックル(力強さ、元気度を表す)」等の野手パラメータが含まれる。なお、本発明の特徴となる能力の変更については、本実施形態では、上記各能力のうち、「ミート」、「パワー」、「走力」、「肩力」、「守備力」の種類が対象となる。
【0065】
また、投手用の場合、共通項目としての、「球速」、「スライダー変化」、「カーブ変化」、「フォーク変化」、「シンカー変化」、「シュート変化」(これらを変化球レベルという)、「コントロール」、「ストレート球威」、「投球体格」、「先発調整力」、「疲労回復力」等の投手パラメータが含まれ、さらにキャラクタ個々に応じて特殊能力項目としての、「威圧感」、「対左打者補正」、「ピンチ」、「打たれ強さ」、「ランナー」、「立ち上がり」、「尻上がり」、「寸前」、「リリース」、「ボールの伸び」、「勝負運」、「牽制」、「打球反応」、「短気」、「四球」、「危険失投率」、「クイック」、「接戦」、「責任感」、「力配分」、「球速安定」、「ポーカーフェイス」等の投手パラメータが含まれる。なお、本発明の特徴となる能力の変更については、本実施形態では、上記各能力のうち、「球速」、「スライダー変化」、「カーブ変化」、「フォーク変化」、「シンカー変化」、「シュート変化」、「コントロール」、「疲労回復力」の種類が対象となる。
【0066】
内蔵キャラクタデータ記憶部333についても同様である。これらの野手パラメータ及び投手パラメータは、ここでは全ての選手キャラクタに対して設定される。また、これらの各選手パラメータはその能力値乃至は傾向値(プラス方向、マイナス方向)の有無が、所要段階のレベル、例えば10段階(この場合、最低レベル「1」からマックスレベル「10」)、とか更には20段階で規定されている。なお、能力値、傾向値の種類に応じて段階数を適宜設定する態様でもよい。
【0067】
図4は、ゲーム装置の側面断面図である。図4において、モニタ3の管面上には透明な薄層状の感圧素子であるタッチパネル10が積ねられた状態で配置されている。このタッチパネル10は公知の物が採用可能であり、モニタ3の画面に表示される選択などを促すボタンのアドレスと押圧位置とからいずれのボタンが指示されたかが検出し得るようにしている。また、このタッチパネル10は、後述するストライクゾーンを仮想的に表した領域画像内の任意の位置を押圧した際の当該押圧位置を検出するものである。すなわちタッチパネル10から検出された押圧位置座標を表示画面上の座標に置き換え、これと領域画像の表示座標とを対比することで、領域画像内のいずれの位置が押圧されたかを特定するようにしている。
【0068】
また、筐体1の内部であって載置面部20の下方には撮像部11が配設されている。撮像部11は、載置面部20に置かれた選手カード9の載置位置の検出用及び選手カード9の裏面の情報の読取用として機能し、撮像動作を制御すると共に撮像画像の処理を行う撮像画像処理部111の収納筐体と、その上部に取り付けられた撮像手段(CCDカメラ等のデジタル撮像器)としてのイメージセンサ112と、赤外光を発生する光源113とで構成されている。イメージセンサ112は載置面部20に置かれた選手カード9の裏面のマーク91,92を撮像するべく、全ての載置面部20が視界に含まれるように画角が設定されている。なお、図では見えていないが、本実施形態ではイメージセンサ112は左右方向(図4では紙面奥行き方向)に所定台数並設、例えば2台配置され、各イメージセンサ112が右半分の5つの載置面部20、左半分の5つの載置面部20を含む視野として設定されている。
【0069】
光源113は、光源支持部材113aに支持されてカード載置部2の前後方向斜め下方位置に設けられ、この斜め下方方向から載置面部20に向けて所定波長域の、ここでは赤外線(遠赤外線含む)の光を発光し、この赤外光を載置面部20に照射、すなわち載置面2に配置される選手カード9の裏面に照射するもので、全ての載置面部20を均等に照射するべく、左右方向に亘り、所要の間隔を置いて乃至は略連続的に配列されている。また、より均等照射を図るために、載置面部20の前側と後側とに配置されていると共に、撮像の障害とならないようにイメージセンサ112の画角外に取付けられている。イメージセンサ112は、多数の光電変換素子が例えばマトリクス状に配列されているもので、光源113からの赤外線が載置面部20上の選手カード9の裏面で反射した、マーク91,92を表す赤外光の光像を各光電変換素子で周期的に受光、すなわち受光量に応じたレベルの電気信号に変換するもので、図略の光電変換素子の前面にはこの赤外光のみを好ましくは透過させる図略のフィルタが配置されている。撮像画像処理部111は、周期的に撮像された撮像画像を内部の図略のメモリへ転送する(取り込む)処理を行うと共に、該メモリに展開された撮像画像から前記位置検出用マーク91をメモリのアドレスとして抽出し、その形状を、例えばパターン認識技術等を利用するなどして特定することで、選手カード9の載置面部20上のカード載置位置を算出する。また、撮像画像処理部111は、撮像画像中の前記位置検出用マーク91の検出画素アドレスの情報を利用して前記キャラクタマーク92の選手識別データを、例えば行列方向の各エリアのビット情報として読み取る。
【0070】
筐体1内部には、本ゲーム装置の各部に所要レベルの電源供給を行うための電源部12、ゲーム処理を統括的に実行させるための制御基板類が内装された制御基板部13が配置されている。
【0071】
図5は、制御基板部に内蔵される制御部と各部とのハードウェアを示すブロック図である。なお、図において、制御部300と各部との間のインターフェースや制御指示を受けて各部を駆動させる駆動信号を生成する部分は常套手段のものとして必要に応じて省略している。
【0072】
通信部130はネットワークを介して他のゲーム装置AGMと接続され、他のゲーム装置AGMとの間でゲームデータの送受信を行うものである。本ゲーム装置は、店舗(遊技場)に所要台数設置されていることを想定しており、他のゲーム装置AGMとしては同一店舗内及び他の店舗内に設置された態様を含む。なお、本ゲーム装置は、複数の店舗に設置されている態様では、異なる店舗間で通信部130を介して対戦可能とされる。また、通信部130はサーバ400とネットワークを介して通信可能に接続されており、個人カードがゲーム装置に挿入された際には、プレイヤの個人認証の他、当該個人カードの情報から対応するプレイヤのゲーム履歴に関するデータのうちのゲーム処理に必要なデータ、例えば後述する過去のゲームにおける所定の履歴データ等が当該ゲーム装置及び対戦中の相手側のゲーム装置に必要に応じて転送され、ゲーム終了時には、今回のゲームの結果を取り込んで履歴を更新し、更新データを管理するようにしている。また、サーバ400は各ゲーム装置から受信したデータを元に種々の所定の処理を実行し、その結果を当該ゲーム装置などに送信するものである。
【0073】
タッチパネル10及び撮像部11は操作部10Aを構成する。また、ゲーム許可条件としてのコイン投入口8の内部には、投入コインの真贋及び必要な枚数の計測を行うコインセンサ81が設けられている。投入されたコインは筐体内部の図略の金庫(ボックス)に収納される。個人カード受付部51は個人カード挿入口5の内部に設けられ、挿入されたカードから、前記サーバ400内の図略のプレイヤ情報記憶部を介してプレイヤが会員であるか否かの照合を行わせるためのもので、ゲーム終了後に個人カード挿入口5から返却するようにしている。なお、個人認証の方法としては、個人カード以外の方法、例えば単なるパスワードによる方式も採用可能である。
【0074】
選手カード発行部60は、内部の図略のカード収納部に多種類の選手カード9が多数積層状態で収容されており、ゲーム終了毎に、このカード収納部から所定枚数、ここでは1枚の選手カード9をピックアップ部で選手カード発行口6まで搬出し、プレイヤに提供(贈呈)するものである。これにより、プレイヤが選手カードを収集する(取得していく)仕組みを形成し、かつプレイに対する喚起を図っている。なお、ゲーム結果に応じて発行枚数を可変式としてもよい。選手カード9は、本実施形態では、種類的にランダムに積層されており、ピックアップ部で最上位の選手カードから順次1枚ずつ搬出することで、無作為に異種類の選手カード9をプレイヤに提供することができる。さらに、選手パラメータの能力値を高低で区分けしておき、各区分け別に複数のカード収納部に収納しておき、ゲーム結果の勝者と判定されたプレイヤに能力値の高い方の選手カードを(すなわち、敗者と判定されたプレイヤに能力値の低い方の選手カードを)搬出する態様としてもよい。これにより、能力値の高い選手カードの取得意欲を付与できる。また、勝者には敗者より多い枚数の選手カードを付与する態様としてもよい。
【0075】
ROM330は、本ゲームを稼働するためのゲームプログラム、モニタ3に表示される全ての画像データ、ゲーム空間内で3次元画像を生成するための描画処理プログラムを格納すると共に、ゲームの進行乃至はゲーム結果を決定するために必要なパラメータ類や判定のための要素となる種々のデータをテーブル形式で格納している。これらは、ROM330の基本データ記憶部331(図6参照)に格納されている。特に、本実施形態では野球ゲームを想定している関係上、現実の野球のルールに沿うように守備側、攻撃側の処理を実行する制御プログラムが作成され、基本データ記憶部331に格納されていると共に、本ゲームにキャラクタとして登場予定の全ての選手の野手パラメータ、投手パラメータ及び選手キャラクタの画像データが選手識別データに対応付けられて格納されている(キャラクタデータ記憶部332、内蔵キャラクタデータ記憶部333)。
【0076】
RAM340は処理途中のデータを一時的に保管するためのワークエリアを備えてなるもので、さらにROM330から読み出された各種データ、撮像部11で得られた各選手カード9の種類に対応した能力等の各種パラメータをゲーム中保管するためのもので、必要に応じて読み出されてゲームへの反映を可能にしている。
【0077】
ビデオRAM31は、モニタ3の表示画素に対応するメモリ容量を少なくとも有するもので、表示画像の形成用として用いられる。また、描画処理部3021は、制御部300からの描画命令を受けてビデオRAM31への表示画像の展開を担うハードウェア回路部である。
【0078】
電源部BAは、電源回路と電源回路を駆動させる電源スイッチとからなり、電源スイッチがオンされて電源が投入されると、制御部300を可動させ、ゲーム装置のモニタ3にデモンストレーション画像を表示させると共に、ゲームの受付けを可能な状態(個人カード投入待機、コイン投入待機など)とするものである。
【0079】
図6は、ゲーム装置及びサーバの機能を説明するブロック図である。制御部300は、ゲームプログラム及び操作部10Aへの入力操作に基づいて、本ゲームの進行を統括的に制御するゲーム進行処理部301、モニタ3へのゲーム画像の表示を制御する画像表示制御部302、操作部10Aからの入力操作情報を受け付ける受付部303、受付部303での操作に応じてキャラクタデータ記憶部332、内蔵キャラクタデータ記憶部333あるいは選手カード9からの新規のチームメンバーとしての選手キャラクタの登録に関する処理を行う登録処理部304、チームの登録メンバー数が所定数(本実施形態では25人)を越える場合に、25人以下とするために、既登録の選手キャラクタに対して選択的に登録の削除処理を行う削除処理部305、登録メンバー中の所望する選手キャラクタに対して元々設定されている基本評価値を所望の裁量評価値に変更する処理を行う評価値変更部306、変更無しの選手キャラクタの基本評価値と変更有りの選手キャラクタの裁量評価値とを合計して総評価値を算出する合計処理部307と、総評価値と予め設定された閾値との大小を比較し、総評価値が閾値を超えた場合に、そのような裁量評価値の設定を禁止するなど指示を出す総評価値判別部308と、モニタ3に表示される、後述の「コース指示」のボタンが選択された場合の、投球位置やスイング位置の指示に基づいてマーク画像の位置や形状を設定する設定部309、サーバ400から配信された、後述の算出後の評価パラメータを用いて選手パラメータの変更対象となる裁量能力値を算出し、算出後の選手パラメータを前記設定部309に供する能力値算出部310、受付部303で受け付けた内容に基づいて投手キャラクタが投球する際の投球データ、あるいは打者がスイングする際のバッティングデータを作成する行動設定部311、他のゲーム装置AGMとの間で投球データ、あるいはバッティングデータの交換、及びセンターモニタCMに必要なデータの送受信を通信部130を介して行わせ、また必要に応じてサーバ400との間でデータ交換を行うための通信処理部312、行動設定部311及び他のゲーム装置AGMから受信したデータに基づいて打撃結果を決定する打撃結果設定部313、対戦する相手プレイヤの過去のゲーム履歴から、投球位置、スイング位置についての指定位置の傾向に関するデータを求める頻度算出部314、ゲーム状況を管理し、対戦結果に影響を与えるゲーム状況を判断するための状況判断部315、打撃結果設定部313での決定内容、操作部10Aからの入力操作内容、及び自己キャラクタが投手の場合には投手パラメータを、打者の場合には野手パラメータを用いて、あるいは入力操作無しで、それぞれ実行される1つのシーケンスを制御する単位シーケンス実行部316、選手カード9の発行を行わせるための選手カード発行処理部317、本ゲーム装置を用いて内部のコンピュータと対決する、いわゆるCPU対戦を実行するべく、相手側の処理を代行する相手側作戦設定部318、及び確率処理に利用される擬似乱数を発生する乱数発生部319を備える。
【0080】
画像表示制御部302は、ゲーム進行に従った所要の画像、例えば野球場、攻撃側、守備側の各選手キャラクタ(少なくとも投手キャラクタ、打者キャラクタ)、ボールキャラクタ、バットキャラクタ、後述するストライクゾーンを仮想的に表す領域画像、後述する位置指定した結果生成される後述の第1、第2のマーク画像等の対戦ゲーム中での各種の画像をモニタ3に表示させるもので、ビデオRAM31等を備える。さらに、画像表示制御部302は、選手キャラクタを登録するための登録画面(削除画面)、既登録選手を一覧表示すると共に所望する選手キャラクタの基本評価値を変更する、後述の裁量モード画面等を表示する。
【0081】
本実施形態では、ゲーム装置を操作する遊技者であるプレイヤから行動の指示を与えられる自己キャラクタ(守備側のシーケンスであれば投手キャラクタ、攻撃側のシーケンスであれば打者キャラクタである)、相手プレイヤ(他のゲーム装置又は内部のCPUプレイヤ)から指示を与えられる相手キャラクタ(自己キャラクタと対戦する側の打者キャラクタか投手キャラクタとなる)が、投手と打者の関係になって対決する1打席分の行動(以下、1つのシーケンスという)を実行させ、このシーケンスを野球ルールに従って3アウトカウント分、9イニング分の合計27回(連続して)実行させることで、最終的な得点の多少で優劣、すなわちゲーム結果を競う野球ゲームを想定している。但し、本実施形態では、ゲーム上で実行するのは、打者1人に対して1球の対決でゲームが進行するようにしている。
【0082】
投手キャラクタ、打者キャラクタ、必要に応じて他の選手キャラクタ及び野球場を模擬した背景画等は3次元描画が可能なように、それを構成する所要数のポリゴンで構成されており、描画処理部3021(図5)は画像表示制御部302からの描画指示に基づいて、3次元空間上での位置から擬似3次元空間上での位置への変換のための計算、光源計算処理等を行なうと共に、上記計算結果に基づいてビデオRAM31に対して描画すべき画像データの書き込み処理、例えば、ポリゴンで指定されるビデオRAM31のエリアに対するテクスチャデータの書き込み(貼り付け)処理を行う。
【0083】
ここで、画像表示制御部302の動作と描画処理部3021の動作の関係を説明する。画像表示制御部302は、ROM330に記録されているオペレーティングシステム(OS)に基づいて、ROM330から画像データ及び制御プログラムデータ、ゲームプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ及び制御プログラムデータ等の一部若しくは全部は、RAM340上に保持される。以降、画像表示制御部302は、RAM340上に記憶されている制御プログラムのうちの描画処理部分、各種データ(表示物体のポリゴンやテクスチャ等その他の文字画像を含む画像データ、音声データ)、並びに検出部からの検出信号等に基づいて画像表示処理を進行する。すなわち、画像表示制御部302は、ゲーム進行に基づいて、適宜、描画や音声出力のためのタスクとしてのコマンドを生成する。描画処理部3021は、上記コマンドに基づいて、視点位置の計算、視点位置に対する3次元空間上(勿論、2次元空間上においても同様である)におけるキャラクタの位置等の計算、光源計算等、音声データの生成、加工処理を行う。続いて、上記計算結果に基づいて、ビデオRAM31に描画すべき画像データの書き込み処理等を行なう。ビデオRAM31に書き込まれた画像データは、(インターフェースを介してD/Aコンバータに供給されてアナログ映像信号にされた後に)モニタ3に供給され、その管面上に画像として表示される。同様に、音声データや効果音データも、ROM330からRAM340を介して出力され(インターフェースを介してD/Aコンバータに供給されてアナログ音声信号に変換された後に、アンプを介して)スピーカ41,42から音声として出力される。
【0084】
描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは、多角形の2次元画像であり、本実施形態においては、三角形若しくは四角形が用いられる。ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ROM330から読み出されたポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャデータの記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータの記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ並びにテクスチャの輝度を示す輝度データとからなる。1つのキャラクタ(またはオブジェクト)は多数のポリゴンで構成される。画像表示制御部302は、各ポリゴンの3次元空間上の座標データをRAM340に記憶する。そして、モニタ3の画面上でキャラクタ等を動かす場合、次のような処理が行われる。
【0085】
画像表示制御部302は、RAM340内に一時保持している各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて、順次、各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを求める。このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データの内、水平及び垂直方向の座標データが、RAM340の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして、描画処理部3021に供給される。描画処理部3021は、3個若しくは4個のポリゴン頂点アドレスデータによって示される三角形若しくは四角形の表示エリア上に、予め割り当てられているテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。これによって、モニタ3の表示面上には、多数のポリゴンにテクスチャデータの貼り付けられたキャラクタ(またはオブジェクト)が表示される。
【0086】
受付部303は、操作部10Aから、すなわちタッチパネル10からのプレイヤによる押圧情報、撮像部11からのプレイヤ操作による選手カードの載置位置情報、及び選手カード9の裏面の選手識別データを受け付けるものである。撮像部11からの受付処理としては、対戦ゲーム開始に伴う、載置された選手カード9(ゲーム参加メンバー、交代メンバーなど)の情報や位置の読み取り処理と、ゲーム開始前に行われる新規な選手カードの自己チームへの登録処理とがある。
【0087】
ROM330内には、基本データの一部として、対戦の際の複数の項目が選択可能に設定されている。項目としては、本実施形態では、「サイン(采配)」、「代打・代走」、「コース指示」、及びいずれも選択しない場合の「スキップ」があり、画像表示制御部302は、各シーケンスの開始に対応して、図17に示すように、各項目をボタンの形式で表示する。
【0088】
「サイン」項目としては、守備側に対して、「盗塁警戒」、「エンドラン警戒」、「バントシフト」、「ゲッツーシフト」、「長打シフト」の5つ細目が用意されており、攻撃側に対して、「バント」、「送りバント」、「ヒット&ラン」、「盗塁(重盗)」、「二盗」、「三盗」、「スクイズ」の7つ細目が用意されており、「サイン」項目が選択されたときは、画面上にこれら細目の内容が各ボタンの形態で選択可能に表示される。なお、その他の細目を採用し、また追加する態様としてもよい。「代打・代走」項目は、交代する選手カード9が載置されている載置面部20に交代予定の新たな選手カード9を載置することで実行される。選手カード9が交換された時は、撮像部11で新たに読み取られた選手識別データに対応する選手パラメータがROM330から読み出されてゲームに利用される。
【0089】
「コース指示」項目は、プレイヤが投手側のときは投球位置の指示操作を可能にし、打者側のときはスイング位置の指示操作を可能にするものである。
【0090】
位置の指示操作は、ゲーム空間内で、ホームベース上の例えばストライクゾーンを仮想的に示す所定形状、代表的には四角形の領域画像(以下、便宜上、ストライクゾーン画像SZという)が、画像表示制御部302によって好ましくは半透明処化理されて表示されており、このストライクゾーン画像SZ内の所望の位置を、モニタ3に重畳して配設されたタッチパネル10への押圧で行われる。
【0091】
画像表示制御部302は、図18で「コース指示」ボタンが押下された場合に、自己キャラクタが守備側であれば、図19に示す投球位置の指定のためのスライクゾーン画像SZを表示し、攻撃側であれば、図20に示すスイング位置指定のためのスライクゾーン画像SZを表示し、更に、位置を指定する毎に、その指定位置を確認するための図19、図20及び図21〜図23に示す画面の表示を行う。
【0092】
登録処理部304は、登録モードにおいて、キャラクタデータ記憶部332や内蔵キャラクタデータ記憶部333内の選手キャラクタのリストをモニタ3に一覧表示して所望する選手キャラクタを所要数だけ自己チームのメンバーとしてタッチパネル10を用いて登録する処理と、新たに入手した選手カード9であって、そのうちの所望する登録カード9を所望の載置面部20に載置することで自己チームのメンバーとして撮像部11を用いて登録する処理とを実行するものである。かかる処理を行うことで、自己チームのメンバー数を定員(本実施形態では25名)まで増やすことができる。
【0093】
削除処理部305は、登録モードにおいて新たな選手キャラクタの登録時に、既にメンバー数が定員に達している場合には、既登録の選手キャラクタの内から25名(あるいは25名以下)になるまで、例えば新たに2名追加する場合であれば、既登録のうちから2名を指定することに応じて、その削除処理を行うものである。
【0094】
評価値変更部306は、図17に示す裁量モード画面において行われる。ここでは、評価値として年俸を想定している。図17の画面100は、画面100の適所、ここでは上半部には、後述のメンバー一覧画面102の内から年俸を変更する候補である所定数分の選手キャラクタのイメージ画像、名称及び基本年俸(基本評価値)と変更後の新年俸(裁量評価値)とが対応付けされて横方向に並べた選択選手画面101と、画面100の他の適所、ここでは下半部の右側には自己チーム(球団)のメンバー一覧を示すメンバー一覧画面102と、画面100の他の適所、ここでは下半部左側に選択選手画面101の所定人数のうちのいずれか1名の選手キャラクタ(選択選手画面101で「交渉中」と表示されている選手)であって、現に新年俸を決めるために必要な選手キャラクタの年俸に関するデータを表示する個別画面103と、年俸のアップ、ダウンを指定する(すなわち裁量評価値を設定する)裁量ボタン104と、チームの総年俸(総評価値)についての上限値(閾値)、ここでは20億円の表示と、個別画面103で裁量ボタン104によるアップ、ダウンの操作を行う毎に自己チームの各選手キャラクタの年俸の総計を計算し、その総年俸を表示する総年俸画面105とで構成されている。裁量ボタン104はアップ、ダウンそれぞれ数値入力する態様でもよいが、本実施形態では、入力操作の容易さ等を考慮して、単位値、例えば1000万円単位で増減変更できるようにしている。
【0095】
合計処理部307は、図17における個別画面103で裁量ボタン104をアップ、ダウン操作する毎に自己チームの総年俸を計算するものである。総評価値判定部308は、自己チームの総年俸、すなわち新年俸(裁量評価値)の設定をしていない(あるいはしない)選手キャラクタの基本年俸と新年俸が設定された選手キャラクタの新年俸との合計値である総年俸が前記閾値を超えたか否かを判断するものである。総年俸が閾値以下であれば、裁量ボタン104の操作結果が受け付けられ、一方、総年俸が閾値を越えた場合には、裁量ボタン104の操作結果は受け付けられないか、または適正な新年俸設定への再操作を促す警告等の表示が行われる、いずれにしても次のステップへの移行が禁止され、結果的に適正な再入力操作を待つようにしている。
【0096】
図17の例では、現在22名がチームメンバーとして登録されており、その内の10名が選択選手画面101に新年俸設定対象者として抽出され、表示されている。そのうち、選手「□□□×」、選手「△△△○」、選手「××××」は未更改、つまり未だ基本年俸のままであり、選手「×××◎」は個別画面103で変更中であり、図示の例では、2億2000万円から3億9000万円に増やされている。その他の選手は変更されて新年俸とされている。例えば、選手「○○○◎」は新年俸が基本年俸に対して増やされており、他方、選手「□□□△」は新年俸が基本年俸より減らされている。さらに、年俸の変更操作後の総年俸は閾値に一致している。
【0097】
次に、サーバ400について説明する。サーバ400は、サーバ400の動作を統括制御する制御部410、所定の処理プログラムが格納されたROM420及び処理途中のデータを格納するRAM430を備える。制御部410は、各ゲーム装置との間でデータの送受信を行う通信処理部411、受信したデータからキャラクタデータ記憶部332に格納されている基本能力値を裁量能力値に変換するための評価パラメータを算出する評価パラメータ算出部412を備える。
【0098】
通信処理部411は、個人認証データ及び使用されるゲーム装置を特定するデータから認証されたプレイヤのチームを構成する選手キャラクタを通信部130を介して取得し、取得データに基づいて処理されたデータ、例えば評価パラメータを通信部130を介して当該ゲーム装置に送信する。送受信号内には、ゲーム装置を特定するための、現にゲーム装置の利用者の個人カード情報を、あるいはゲーム装置を識別するために予めゲーム装置毎に設定されている識別情報を含めればよい。
【0099】
通信処理部411は、対戦ゲームを開始せんとするプレイヤの認証データ、該プレイヤのチームを構成する全ての選手キャラクタの基本評価値及び裁量評価値を受信し、評価パラメータ算出部412で算出された各選手キャラクタについての評価パラメータをRAM430に格納すると共に、該ゲーム装置に配信(送信)する。
【0100】
評価パラメータ算出部412は、チームを構成する全ての選手キャラクタに対して、各選手キャラクタの基本評価値及び裁量評価値を用いて、該選手キャラクタの能力パラメータのうち、変更対象として予め設定されている前述の能力パラメータの基本能力値を裁量能力値に変更するための評価パラメータを算出する。評価パラメータ算出部412は、本実施形態では、基本評価値と裁量評価値との差(比率でもよい)を求め、この差(比率)に応じた一次関数で、あるいは所定の曲線に従って評価パラメータを算出する。後者の所定の曲線とは、例えば、(裁量評価値―基本評価値)の値が正の場合には差分に応じて比較的緩やかな勾配で評価パラメータが、例えば係数1に比して増大していき、一方、前記差が負の場合には、差分に応じてより急峻な勾配で評価パラメータが、係数1に比して減少していき、差分がある程度大きくなると、それ以上では評価パラメータの減少も略横ばいになるようにしている。なお、基本評価値が変更されていない選手キャラクタについては評価パラメータは係数1としてはそのまま扱えばよい。
【0101】
能力値算出部310は、サーバ400から送信され、RAM340に格納された評価パラメータを用いて、ゲームでの選手キャラクタの選手パラメータのうちの所定の基本能力値を裁量能力値に変換し、変換後の裁量能力値を選手キャラクタと対応づけてRAM340の所定領域に更新的に書き込ませるものである。この場合、選手キャラクタ毎に裁量有無フラグ等を利用して、基本評価値の変更の有無(すなわち、基本能力値を採用するか、裁量能力値を採用するか)を識別させるようにしてもよい。そして、設定部309は、ゲーム中に、使用している選手キャラクタの能力値を参照する際には、選手キャラクタに対して常にこのRAM340内の、変更されていない選手キャラクタに対しては基本能力値を、変換された選手キャラクタに対しては変更後の裁量能力値を読み出して、選手キャラクタのゲーム内での行動能力を規定する。例えば基本能力値に評価パラメータを係数として乗算してもよい。あるいは、評価パラメータの他の態様としては、基本能力値に対して値1や値2…のように加減算で増減するための値としてもよい。
【0102】
なお、変換値が設定される対象を、選手カード9のみに限定してもよく、あるいは内蔵キャラクタデータ記憶部333内の内蔵キャラクタに対しても同様に適用する態様としてもよい。内蔵キャラクタを対象とする態様では、選手カード9を、野球ゲームが行えるに必要な種類、枚数を取得していない場合であっても、元々の能力値が変換されることで意外性が発揮されて、代用の内蔵キャラクタでも対戦ゲームを十分対等に近い形で対戦できる(さほど不利にならない)という利点がある。
【0103】
設定部309は、図18で「コース指示」ボタンが押下されたときに実行されるもので、図19、図20に示すストライクゾーン画像SZに対して、モニタ3上で、タッチパネル10を介してプレイヤが押圧操作した位置を決定する。すなわち、プレイヤが守備側のときの位置指定はストライクゾーン画像SZ内でのボールキャラクタの通過位置の指示であり、攻撃側のときの指定位置はストライクゾーン画像SZ内での打者キャラクタが振るバットを模擬したバットキャラクタの通過位置、つまりスイング位置の指示である。
【0104】
また、設定部309は、プレイヤによって指示された位置を基準にした所定形状の図形、本実施形態では指定位置を中心とした所定半径を有する円形の図形を作成し、画像表示制御部302はこれをマーク画像MG1(第1のマーク画像)としてモニタ3に表示する。また、対戦相手としての相手のプレイヤが操作している他のゲーム装置でも同様にストライクゾーン画像SZに対して位置指定操作を行っており、指定された位置データが、後述するように通信部130を介して受信されており、設定部309は、同様にして所定半径を有する円形の図形を作成し、画像表示制御部302はこれをマーク画像MG2(第2のマーク画像)として、図21〜図23に示すようにマーク画像MG1と併記表示する。なお、画像表示制御部302は、マーク画像MG1,MG2の併記表示を、マーク画像MG1の位置指示が終了(確定)した後に行うようにして、相手の指示位置を予測する(相手の手を読み合う)ゲームを実効あらしめている。
【0105】
マーク画像MG1,MG2の円図形は、一重円でもよいが、本実施形態では二重円を採用している。すなわち、二重円は内側の中心円部R11と外側の環部R12とからなり、識別容易のために互いに異なる表示形態、代表的には異なる色で表示している。
【0106】
設定部309は、マーク画像MG1の中心円部R11の直径及び環部R12の幅を、さらにマーク画像MG2の中心円部R21の直径及び環部R22の幅を以下のパラメータ(能力値)を用いてそれぞれ設定する。パラメータとして、投手に関しては、中心円部R11の直径に対して「球速」、「威圧感」、「対左打者補正」、「ボールの伸び」等の球威に関する要素が、環部R12の幅に対して「コントロール」、「四球」、「危険失投率」、「クイック」等の制球力に関する要素が投手パラメータのうちから選択されて用いられ、打者に関しては、中心円部R11の直径に対して「パワー」、「弾道」、「威圧感」、「パワーヒッター」、「サヨナラ」、「逆境」、「固め打ち」、「タックル」、「4番打者」等のパワーに関する要素が、環部R12の幅に対して「ミート」、「対左投手ミート」、「チャンス」、「流し打ち」、「広角打法」、「内野安打」、「バント」、「満塁」、「初球」、「連打」、「粘り」等のミートに関する要素が野手パラメータのうちから選択されて用いられる。もちろん、上記パラメータ以外の要素(パラメータ)を採用し、また追加してもよい。このとき、裁量評価値が設定された選手キャラクタに関しては評価パラメータを用いて変更された裁量能力値が用いられることになる。
【0107】
従って、投手キャラクタの場合、球威に関する要素のパラメータ値の合計が高いほど、中心円部R11(R21)の半径は小さくなり、制球力に関する要素のパラメータ値の合計が高いほど、環部R12(R22)の半径は小さく、逆に、打者キャラクタの場合には、パワーに関する要素のパラメータ値の合計が高いほど、中心円部R11(R21)の半径は大きくなり、ミートに関する要素のパラメータ値の合計が高いほど、環部R12(R22)の半径は大きくなる。これによって、投手側では能力の高いほど、マーク画像は小さくなって、打者のスイング位置と重なりにくいようにしている(投手側に有利)一方、打者側では能力の高いほど、マーク画像は大きくなって、投手の投球位置と重なりやすいようにしている(打者側に有利)。
【0108】
各パラメータはゲーム状況と無関係に適用されるものや、ゲーム状況(シーケンス)と関連するものもあり、後者の場合には、該当するものが用いられる。例えば、プレイヤが守備側であって、対戦する打者が左打者であるゲーム状況(シーケンス)になった場合、投手に対して「対左打者」パラメータが採用されることとなり、このとき「対左打者」パラメータが「1」であれば、その分、マーク画像MG1の中心円部R11の半径が小さく設定される。また、プレイヤが攻撃側であって、ゲーム状況(シーケンス)が満塁であった場合、打者に対して「満塁」パラメータが採用されることとなり、このとき、打者キャラクタの「満塁」パラメータが「1」であれば、その分、マーク画像MG1の環部R12の幅が大きく設定され、逆にパラメータが「0」であれば、環部R12の幅は、このパラメータによっては変更されない。
【0109】
マーク画像MG2の中心円部R21の直径及び環部R22の幅の設定は、ゲーム開始に際して、また、相手キャラクタに選手交代があった際に通信部130を介して選手カード9の選手識別データが受信されるので、この選手識別データに対応する選手パラメータをROM330から呼び出して用いるようにしている。マーク画像MG1、MG2の中心円部R11、P21の半径の大きさと、環部R12、R22の幅の大きさは、両マーク画像MG1,MG2の重なり度合いに影響を与えることとなる。すなわち、マーク画像MG1,MG2が全く重ならない場合、環部R12,R22同士のみが重なる場合、環部R12,R22のいずれかの中心円部R11(又はR21)と環部R12(又はR22)とが重なる場合、及び中心円部R11,R21が重なる場合とがあり、これらの各重なり度合いが打撃結果に反映される。この説明は、図7、図8及び図9を用いて後述する。
【0110】
能力値算出部310は、サーバ400から送信され、RAM340に格納された評価パラメータを用いて、ゲームに使用される選手カード9の選手パラメータの所定の基本能力値を変換し、変換後の裁量能力値を選手キャラクタと対応づけてRAM340の所定領域に更新的に書き込ませるものである。そして、設定部309は、ゲーム中に、使用している選手キャラクタの能力値を参照する際には、選手キャラクタに対して常にこのRAM340内の、未変換の選手キャラクタに対しては基本能力値を、変換した選手キャラクタに対して、変換対象の能力値については変換後の裁量能力値が、変換対象にない能力値については基本能力値がそれぞれ格納された領域から該当する能力値を前述のフラグを利用する等して読み出して使用するようにしている。
【0111】
行動設定部311は、図18に示す選択項目に従って、操作部10Aからの入力操作情報及び選手のパラメータの一部から打撃結果を決定するために必要な情報、すなわち相手側のゲーム装置へ送信するためのデータを作成するものである。ここで、操作部10Aから入力される情報のうち、撮像部11からのカード載置位置情報は、選手キャラクタの行動が、如何なる態様で行われるかを仮想的に設定するべく、行動態様について複数のレベルが設定された属性の当該レベルの決定に反映される。
【0112】
この属性のレベルは、投手であれば投球を全力乃至はセーブして行う時の(投球パワー)レベルであり、打者であればバットを振るパワーの(スイングパワー)レベルである。すなわち、属性のレベルとして、投手の場合、選手カード9が載置面の中央位置より前側であれば、より全力投球にして球速をより増す一方、被ミート率をより低くし、かつスタミナの消耗量をより大きくし、後側であれば、球速をよりセーブする(下げる)一方、被ミート率をより高くし、かつスタミナの消耗量をより小さくする。スタミナの消耗量は、予め管理されており、攻撃側でベンチにいる状況を想定し、その間に増加するようにしている。なお、投手の場合は投球パワーの大小によって予め設定された量ずつ減少する。
【0113】
打者の場合、選手カード9が載置面の中央位置より前側であれば、パワーをより上げてバットをより強振させる一方、ミート率の値をより下げ、後側であれば、パワーをよりセーブしてバットの強振をよりなくさせる一方、ミート率の値をより上げる。打者の場合のパワーの増減は、打球の飛距離とスピードの高低に反映し、打球の弾道、すなわち打球の垂直角度の高低に反映し、かつヒット率に反映するようにしている。
【0114】
また、行動設定部311は、図18で「サイン」(采配)ボタンが選択され、さらに守備側、攻撃側で、いずれかの細目が選択されると、この選択内容を受付部303で受け付けて、その選択内容を采配選択結果として確定する。なお、この采配選択結果は、後述する単位シーケンス実行部316によって、実際の野球を模擬して(すなわち、野球ルールの制御プログラムに従って)、野手の守備位置の変更処理、走者の走塁処理に反映される。
【0115】
行動設定部311は、送信用のデータとして、本実施形態では、投球データとしては、「リリースタイミング」、「球種」、「選択した采配項目」、「投球位置」、「属性レベル(全力〜セーブ)」を、打撃データとしては、「スイングタイミング」、「選択した采配項目」、「スイング位置」、「属性レベル(強振〜ミート)」を生成する。投球データの、「リリースタイミング」は投手パラメータ中の「リリース」(ベストなリリースタイミング)に対するずれ量が乱数発生部319を利用してランダム処理により設定され、「球種」は投手パラメータ中の各種の変化球のうちから、采配情報及び属性レベルを考慮して設定され、「投球位置」、「スイング位置」は図18の画面で「コース指示」ボタンが選択されない場合には、投手と打者の両パラメータに基づいて、CPUにて設定される。打撃データの、「スイングタイミング」は野手パラメータ中の「スイングタイミング」(ベストなスイングタイミング)に対するずれ量が乱数発生部319を利用してランダム処理により設定される。なお、受付部303又は行動設定部311(操作判断手段に相当)は、所定の受付期間内に「コース指示」の他、全ての項目の選択が行われなかったと判断した場合、各行動設定部311によって各ゲーム装置が所有する投手パラメータ、打者パラメータの能力値が換算値で変換されて得られた新たな能力値に、それぞれの乱数発生部319での擬似乱数を利用した所定のルールに従って投球内容、スイング内容を設定し、この結果を作戦データとして相手のゲーム装置に送信するようにしている。
【0116】
通信処理部312は、操作部10Aからの選択、指示内容に基づいて設定部304、能力値算出部310、行動設定部311で設定した所定の情報を、互いに他方のゲーム装置に送信するものである。なお、能力算出部310で得られた変換後の能力値は、サーバ400から他のゲーム装置に、変換値が送信されていることから、必ずしも送信しなくてもよく、他のゲーム装置側でサーバ400から受信した変換値を用いて能力値変換処理を施す態様としてもよい。また、通信処理部312は送受データの受け渡し部にそれぞれ、あるいは少なくとも受信側にバッファを備えており、送受データは送信用、受信用バッファを介して行われる。このように、各ゲーム装置は互いに相手側となるゲーム装置からのデータを受け取ることで、互いに同一の情報を持つことができる。
【0117】
打撃結果設定部313は、打撃の結果を決定するものである。この打撃結果設定部313は、本実施形態では、「コース指示」ボタンが選択された場合と、それ以外とで異なる方法で打撃結果を設定する。すなわち、「コース指示」ボタンが選択されていない場合には、投手パラメータ、打者パラメータ、及び互いに交換したデータから、例えば、打者キャラクタがヒットを打つ確率(ヒットレート確率)を所定の演算式を利用して算出し、かつ確率の高さに応じて(ヒッティング判定処理を行って)、空振り三振か、バットキャラクタに当たった際の弾道(打球の強さ)を決定する処理を行う。この時、スタミナ消耗量も係数的に用いられる。
【0118】
一方、「コース指示」ボタンが選択された場合には、打撃結果設定部313によって、「コース指示」に対応したヒッティング判定処理が行われる。ヒッティング判定処理は、後述するように、マーク画像MG1,MG2の重なり度合いに基づいて、ヒッティングレベルを決定すると共に、当たり具合(%)を決定することで行われる。
【0119】
図7は、マーク画像の中心円部R11と外側の環部R12との重なり度合いを示す図であり、図8は、重なり度合いに対するヒッティングレベルを決定するフローチャートである。図7(a)は、マーク画像MG1,MG2の環部R12,R22同士が接した状態、図7(b)は、マーク画像MG1の中心円部R11の外周にマーク画像MG2の環部R22の外周が接した状態、図7(c)は、マーク画像MG1,MG2の中心円部R11,R21同士が接した状態を示している。図7において、マーク画像MG1,MG2の中心から環部R12,R22の外周までの半径をLa、Lbとし、一方(ここではマーク画像MG1)の中心円部R11の半径をLcとし、他方(ここではマーク画像MG2)の中心円部R21の半径をLdとしている。
【0120】
図8において、先ず、マーク画像MG1,MG2の中心間距離が(La+Lb)より大きいか否かが判断され(ステップS1)、大きければ、重なりは無いので、打撃結果として空振り三振が設定される(ステップS3)。一方、中心間距離が(La+Lb)と同じか小さければ、次に、中心間距離が(Lb+Lc)より大きいか否かが判断され、大きければ、図7(a)と図7(b)の間の場合であるので、打撃結果としてレベル1のヒッティング処理が設定される。一方、中心間距離が(Lb+Lc)と同じか小さければ、次に、中心間距離が(Lc+Ld)より大きいか否かが判断され、大きければ、図7(b)と図7(c)の間の場合であるので、打撃結果としてレベル1より打者に有利となる、例えば打球の速いレベル2のヒッティング処理が設定される。一方、中心間距離が(Lc+Ld)と同じか小さければ、次に、中心間距離が略零の所定値より大きいか否かが判断され、大きければ、少なくとも図7(c)より重なりがあるので、打撃結果としてレベル2より打者に有利となる、例えば打球の速いレベル3のヒッティング処理が設定される。一方、中心間距離がほぼ零の所定値以下(すなわち中心が略一致)であれば、打撃結果としてレベル3より打者に有利な、代表的にはホームランが設定される。
【0121】
また、打撃結果設定部313は、「コース指示」が選択された、図8で決定したヒッティングのレベル値と、各レベルにおけるマーク画像MG1,MG2の重なり度合いに応じた当たり具合(%)とから打撃結果を決定する処理を行う。
【0122】
ここで、図7を用いて、各レベルにおけるマーク画像MG1,MG2の重なり度合いに応じた当たり具合(%)について説明する。レベル1、すなわち図7(a)から図7(b)のように、環部R12,R22のみが重なる態様では、中心間距離をLoとしたとき、100×((La+Lb)−Lo)/((Lo―(Lc+Ld))で重なり度合いに応じたパーセント値を算出することができる。すなわち図7(a)の状態が0%であり、図7(b)の状態が100%である。これは、マーク画像MG1,MG2の形状が同一であれば、環部R12が他方の中心円部R21に接するときには、同時に環部R22が他方の中心円部R11に接するので、これを100%として処理するようにして、マーク画像MG1,MG2の形状が異なる場合に、例えば一方の環部R12が他方の中心円部R21に接したときに、環部R22は他方の中心円部R11に接していないことになるので、この場合には、100%未満となるようにしている。
【0123】
レベル2、すなわち図7(b)から図7(c)のように、環部R12,R22の少なくとも一方が他方の中心円部R21,R11と重なる態様では、La>Lb、かつ中心間距離をLoとしたとき、100×((La+Ld)−Lo)/(La―Lc)で重なり度合いに応じたパーセント値を算出することができる。すなわち図8(b)の状態が0%であり、図7(c)の状態が100%である。
【0124】
レベル3、すなわち図7(c)から、互いの基準位置が一致するような重なりの態様では、中心間距離をLoとしたとき、100×((Lc+Ld)−Lo)/(Lc+Ld)で重なり度合いに応じたパーセント値を算出することができる。すなわち図7(b)の状態が0%であり、図7(c)の状態が100%である。
【0125】
このように、各レベル1,2,3は、投球されたボールキャラクタに対してスイングされたバットキャラクタが真芯で捉える度合いをパーセントで示しているものであるが、更に各レベル内において、マーク画像の重なり度合いに応じて、前記真芯で捉える度合いを連続的に、乃至は(レベル1,2,3の3段階に比して更に)多段的に設定して臨場感を醸し出すようにしている。例えば、レベルをバットに当たってからの弾道(打球の速さ)を決めるパワー率(0〜100%)を示すもので、例えば、レベル1は20〜40%、レベル2は50〜70%、レベル3は80〜100%と定めておき、ここで、レベル1でマーク画像の重なり度合いが50%であったとすると、弾道の速さは30%と設定される。すなわち、ヒットされたボールキャラクタに対して当該キャラクタの有する打撃パワーの30%の弾道(打球の速さ)が与えられる。このようにレベルを分けることで、全体が比例的ではなく、段階的に打球の強さが反映されることとなる。
【0126】
図9は、ヒッティング判定処理の一例を示すフローチャートである(図15のステップS123の詳細)。図において、図18の画面で「コース指示」ボタンが選択されたか否かが判定され、選択されていない場合は、ステップS23に進んで、通常のヒットレート計算が実行される。すなわち、前述したように、投手パラメータ及び打者パラメータの変換後の能力値、及び互いに交換等したデータから、打者キャラクタがヒットを打つ確率を所定の演算式を利用して算出し、算出した確率(ヒットレート)が所定の値以上か否かを判定し(ステップS25)、所定の値に達していれば、ヒットレートに従ったヒッティング処理がRAM340内のバッテフィングワーク内にセットされ(ステップS27)、所定の値に達していなければ、空振り三振の処理がRAM340内のバッテフィングワーク内にセットされる(ステップS29)。
【0127】
一方、図18の画面で「コース指示」ボタンが選択されていると、ヒッティングレベルの判定(ステップS31)、当たり具合(%)の判定(ステップS33)が実行された後、ヒッティングレベルがレベル1以上か否かが判断される(ステップS35)。ヒッティングレベルがレベル1に達しなければ、空振り三振の処理がRAM340内のバッテフィングワーク内にセットされ(ステップS29)、ヒッティングレベルがレベル1以上であれば、当たり情報、ヒッティングレベル、当たり具合(%)の各情報がRAM340内のバッテフィングワーク内にセットされる(ステップS37)。
【0128】
頻度算出部314は、「コース指示」ボタンが選択された場合に機能するもので、図18,図19に示すように、ストライクゾーン画像SZの領域を縦横方向に9個のエリアに仕切り、それぞれのエリアに対して、過去履歴からの位置指示の頻度の高さに応じた、予め設定された表示形態、ここでは頻度が高い程、赤味のある色となるように、所定段階に分けて、かつ好ましくは半透明化処理を施して表示される。この場合、エリアの個数が9個であるので、頻度範囲の率は所定幅ずつ、例えば0〜10%、11〜20%、21以上の3段階、あるいは、31%以上を含めた4段階としてもよい。あるいは頻度の順位でガイドするものでもよいし、所定値以上の頻度を有するエリアについてだけ他のエリアと異なる表示形態で表示するようにしてもよい。位置指定の頻度情報は、センターサーバに格納されている当該プレイヤの過去のゲームにおける全ての(あるいは最近側の所定ゲーム数分の)指定位置データをエリア単位で集計し、全体数との比率を算出することで求められる。また、全てのエリアに代えて、所定の方向について、例えば高め、真ん中、低めの3つの高さ方向の位置に対する、位置指示の頻度を、前述のような予め設定された表示形態で所定段階に分けて表示するようにしてもよい。
【0129】
ゲーム状況判断部315は、ゲーム状況を管理するゲーム管理機能を有するもので、ゲーム開始に際して互いに使用する各選手カード9の選手パラメータの交換、選手キャラクタの交代時に当該選手の選手パラメータの送受信を行わせ、さらに、シーケンスの実行数、すなわち野球であればイニング数とアウトカウント数や、直前までの各シーケンスの実行結果からゲームの状況(得点、ピンチ、チャンス等)を判断するもので、この結果が、予め設定された特別な状況(例えば最終回など)、注目するべく状況(満塁など)にある場合には、打撃結果設定部313で決定される打撃結果、すなわちヒット、アウトを決定する処理にも反映されるようにしている。「コース指示」ボタンが選択されている場合には、これらをパラメータとして、マーク画像の例えば環部R12,R22の幅の設定に用いるようにしておけばよい。これにより、ゲームをより興趣に富んだものとすることができる。また、ゲーム状況判断部315は、「コース指示」項目が選択された場合に、投球位置やスイング位置のデータをプレイヤと関連付けて履歴データとして、センターサーバに伝送する。
【0130】
なお、画像表示制御部302は、投手側の表示画像と打者側との表示画像を同一のもの(仮想カメラの視点及び視線方向が一致)としてもよいが、本実施形態では、同一の事象を、それぞれに好ましい異なる視点位置から描画するようにし、それぞれのプレイヤに対するゲーム進行の視認性の向上を図っている。
【0131】
単位シーケンス実行部316は、投手による投球からバッティング、さらにはバッティング結果に応じた一連の動作までの投手キャラクタ、野手キャラクタ、打者キャラクタ、走者キャラクタの動き、及びボールを模擬したボールキャラクタの動きを逐次算出し、その逐次の算出結果を逐一画像表示制御部302に導くものである。
【0132】
単位シーケンス実行部316は前処理部3161と後続処理部3162とからなる。前処理部3161は、行動設定部311での決定内容及びその際に用いたパラメータを用いて、モニタ3に表示された投手キャラクタによるボールキャラクタの投球動作前に処理結果を得るもので、プレイヤが投手側であるときは、投球位置、球速(投手パラメータ中の「球速」や「リリース」データなどを使用)、球種、投球されたボールの軌道、ホームベース上での通過位置の各データを演算し、プレイヤが打者側であるときは、バットスイング軌道、バットに当たるか否かの結果、及びバットに当たるとの結果を得たときの、バットに当たった瞬間の「打球速度」、「打球角度」及び「打球速度減衰率」のパラメータを演算する。各演算のうち、投球されたボールキャラクタ、バットスイングの軌道計算については、一般的な力学や空気抵抗を加味したものとしてもよいし、実際の運動に近い形のシミュレーション演算を利用してゲーム処理に要求される速度での処理で求めるものでもよい。
【0133】
後続処理部3162は、投球動作後に行わせる行動に対する処理であって、モニタ3上で、ボールキャラクタや走者キャラクタの動きから野手キャラクタに自然な守備動作を行わせ、ボールキャラクタや野手キャラクタの動きから走者キャラクタに自然な走塁動作を行わせ(以上は野球ルールに即した制御プログラムによる)、及びバットキャラクタとの当たり時のデータを元にボールキャラクタを移動させるための演算を実行する。更に、後続処理部3162は、ボールキャラクタのホームベース上の通過位置とバットキャラクタのスイング位置とのずれ量や、両者のタイミングのずれ量に従って前処理部3161で得た「打球速度」、「打球角度」及び「打球速度減衰率」の各パラメータを用いて、打撃後の打球速度、打球角度の算出を行う。この場合、「打球速度」、「打球角度」に対して乱数発生部319等を用いて打球の軌道にばらつきを与えることで、よりリアルさを醸し出すことができる。
【0134】
後続処理部3162は、上記の演算を所定の周期で繰り返し実行し、その結果を画像表示制御部302に導くことで、モニタ3上でボールキャラクタ、投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタ及び走者キャラクタの動きを動画的に表示して、よりリアルなシーケンス処理を実現している。
【0135】
選手カード発行処理部317は、ゲーム終了を受けて、筐体1内部の選手カード収納部から所定の枚数、ここでは1枚だけ選手カードを選手カード発行口6に発行させる指示を行うものである。これにより、プレイヤはゲームを行う毎に、選手カードの枚数、種類を収集できる。
【0136】
相手側作戦設定部318は、ROM330内に、コンピュータで制御される、1チームを構成するに充分な数の選手キャラクタの画像及びそれらの各パラメータ(投手パラメータ、野手パラメータ)を備えた野球チームが予め準備されており、当該ゲーム装置1台のみで、プレイヤとの間でのCPU対戦を実現するためのもので、「コース指示」項目、「サイン」項目の選択処理、属性のレベル、打撃結果、シーケンスの実行処理を担うものである。この相手側作戦設定部318は、基本的には、相手プレイヤが存在することを仮想したように、設定部309、能力値算出部310、行動設定部311、打撃結果設定部313、頻度算出部314、ゲーム状況判断部315、単位シーケンス実行部316を自己装置内で同等に機能させ、かつ1つのモニタ上に画像表示させる処理を行うためのものである。なお、能力値算出部310はコンピュータ側の選手キャラクタには適用されず、専らコンピュータからみて相手となるプレイヤ側の選手キャラクタに対する能力値変換用に供される。
【0137】
乱数発生部319は、上記したように、予め所定のルールに従った擬似乱数を発生するもので、確率で結果が規定されている内容、ここでは「リリースタイミング」「スイングタイミング」を設定する確率に対して擬似乱数を利用して確率処理を実行させるためのものである。乱数発生部319は、次のゲームの開始までに、またはゲーム開始時に、あるいは各シーケンスの開始時点で、ゲーム進行処理部301によって初期化されるようにしている。これにより、2台のゲーム装置間でゲームの対決を行うに当たっては、通信処理部312で互いのデータを交換する結果、同一の条件のもとで、すなわち同一のデータを利用して確率処理をすることとなるので、双方の乱数発生部319は常に一致した擬似乱数を発生し、従って各シーケンスにおける処理結果を両ゲーム装置間で、常に一致させることができる。このことは、後述する単位シーケンス実行部316で、擬似乱数を用いて確率処理の演算を行う場合にも同様であり、通信処理部312でデータの交換をすることなしに、両ゲーム装置間で、常に処理内容を一致させることができる。これによって、両ゲーム装置のモニタ3に同一のゲーム進行画像を表示させることができる。
【0138】
図18は、プレイヤが打者側のときのシーケンス開始時のゲーム画像であり、図19は、プレイヤが投手側のときの投球位置の指示をガイドするゲーム画像であり、図20は、プレイヤが打者側のときのスイング位置の指示をガイドするゲーム画像であり、図21は、プレイヤが打者側のときの投球位置とスイング位置が重なった状態の対決時のゲーム画像であり、図22は、プレイヤが投手側のときの投球位置とスイング位置が重なった状態の対決時のゲーム画像であり、図23は、プレイヤが打者側のときの投球位置とスイング位置が重なっていない状態(空振り)の対決時のゲーム画像である。図19〜図23に示すように、モニタ3の画面にはゲーム画像の表示の他、画面の上側に対戦相手(チーム名)及びゲーム進行に関する内容(得点、イニング等)が表示され、その量側に対戦する打者と投手のデータが表示されている。また、画面の下側には、チームの構成メンバー表が表示されている。そして、画面の中央位置には、ストライクゾーン画像SZが表示されており、本実施形態では、このストライクゾーン画像SZが縦横方向に9エリアに仕切られて、各エリアに対して識別可能な表示形態で、位置指定に関する相手の設定頻度が示され、かつ自己側のマーク画像MG1(図19、図20)、及び両者のマーク画像MG1,MG2(図21〜図23)が併記表示されている。
【0139】
図10は、本ゲームの全体の流れを示すフローチャートである。まず、コインが投入されたか否かがコインセンサ81で検出され、かつ個人カードから個人認証処理が行われると(ステップS41)、野球ゲームの開始を許可する受付信号が生成されてサーバ400に送信され、ゲーム前処理が実行される(ステップS43)。このゲーム前処理が終了すると、さらに撮像部11によって載置面部20に選手カード9が所要枚数(ここでは10枚)が置かれたかが検知され、各選手カード9の選手識別データの読み取りが行われる(ステップS45)。続いて、ゲームが開始されて、対戦相手との間で互いのデータの交換を行い、次いで1人の打者キャラクタとの対決を行う1つのシーケンスの実行処理に移行する(ステップS47)。このシーケンスが終了する毎に、ゲーム終了か否かが判断され(ステップS49)、残りアウトカウントや残りイニングがあるときは、次の打者キャラクタとの対戦を行うためのシーケンスが設定されて(ステップS51)、ステップS45に戻る。ステップS49でゲーム終了であれば、ゲーム終了処理(ステップS53)、例えばモニタ3上に優劣(勝敗)の提示等が行われた後、新たな選手カード9を1枚だけ発行する指示を発し(ステップS55)、かつサーバ400に対戦ゲームの終了を示すゲーム終了信号を送信して、本フローを終了する。なお、上記において、ゲーム開始時における対戦相手との間での互いのデータの交換においては、後述するように、データ送信を行った後、受信処理を行うようにして、両者間の同期を取っている。
【0140】
図11は、図10のゲーム前処理を示すフローチャートである。まず、登録モード、すなわち新規に追加する選手キャラクタの有無が判断され(ステップS431)、登録モードであれば、今回の新規追加により、規定人数(25名)を越えることとなるか否かの判断が行われる(ステップS432)。なお、登録モードでは、ROM330内からの追加の態様と選手カード9による追加の態様とがあり、ここでは両者を含む。ROM330からの新規追加の場合には、内蔵キャラクタデータ記憶部333に格納されている選手キャラクタから行われ、この新規の追加によって規定人数を超えることになるのであれば、その旨のガイド表示が行われ、これに対応する形で、削除対象の選手キャラクタの特定操作が受け付けられると、該選手キャラクタの削除処理が行われる(ステップS433)。一方、新規追加によっても規定人数以内であれば、新規登録処理が行われる(ステップS434)。新規登録が選手カード9からの態様の場合には、選手カード9の選手識別データからキャラクタデータ記憶部332に記憶されている対応する選手キャラクタについての格納データに関連させてチームメンバーを示す旨の、例えばフラグが付される。
【0141】
次いで、裁量モードが選択されたか否かが判断され(ステップS435)、裁量モードでなければ、本フローを終了する。一方、裁量モードであれば、図17に示す裁量モード画面100が表示され、選択された選手キャラクタに対して年俸変更の入力が受け付けられる(ステップS436)。続いて、全選手キャラクタに対して、年俸変更が行われていない選手キャラクタの基本年俸と年俸変更が行われた選手キャラクタの裁量年俸(新年俸)との合計処理が行われ(ステップS437)、この総年俸と所定の閾値との大小比較が行われる(ステップS438)。
【0142】
総年俸が所定の閾値を超えた場合には、その旨の警告表示が行われ、現選択中の選手キャラクタの変更中の年俸を、総年俸が閾値内に収まるように裁量104(ダウンボタン)で減額修正し(ステップS439)、閾値内に収まれば(ステップS440)、ステップS441に進む。
【0143】
一方、ステップS438で、閾値以下であれば、更なる変更の有無が、すなわち年俸変更を所望する他の選手キャラクタの有無が判断される(ステップS441)。すなわち年俸変更を行う他の選手キャラクタの指定の操作が有ると、ステップS436に戻って、同様な処理が繰り返される。そして、所望する全ての選手キャラクタについての年俸変更操作が終了すると(ステップS441でYES)、評価パラメータの算出のために、チームの全選手キャラクタの基本年俸、裁量年俸の各データがサーバ400に送信されて(ステップS442)、本フローが終了する。全選手キャラクタの選手パラメータをサーバ側でも持っている態様では、ステップS442のデータのみ送信すれば足り、そうでない態様では、チームの全選手キャラクタの能力パラメータも併せて送信される。
【0144】
図12は、サーバでの評価パラメータの算出処理を示すフローチャートである。この図12では、先ず、各ゲーム装置からの、評価パラメータの算出に必要なデータ及び評価パラメータ算出要求の有無が判断され(ステップ#1)、評価パラメータ算出要求があれば、受信したデータを用いて該チームの各選手キャラクタについて変更対象となる選手能力の値を変更するための評価パラメータが選手キャラクタ毎に算出される(ステップ#3)。次いで、算出された選手キャラクタ毎の評価パラメータが、対戦相手が決まっているときは、対戦予定の各ゲーム装置に送信され(ステップ#5)、さらに該チームの選手キャラクタ毎に評価パラメータがRAM430内で更新されて、ステップ#1に戻る。なお、対戦相手が未だ決まっていない場合には、対戦相手(相手のゲーム装置AGM)が決まった際に、自己チームの各評価パラメータがサーバ400を介して、あるいはサーバ400から相手のゲーム装置AGMに互いに送信される。
【0145】
図13は、図18に示す画面に対する選択処理を説明するフローチャートである。この図18は、1つのシーケンスの開始を示す画面で、次の打者が打席に向かう準備をしている。画面内には、「サイン」、「代打・代走」、「コース指示」及び「スキップ」の4つのボタンが表示されている。受付部303はいずれかのボタンが選択されたことを受け付けると(ステップS61)、選択内容を対戦相手中の他のゲーム装置に送信する(ステップS63)と共に、当該他のゲーム装置から相手のプレイヤが選択した内容の受信が行われる(ステップS65)。この選択内容の送受信処理は、互いに選択に要する時間に差があることから、早く選択した方から送信処理を実行すればよい。すなわち、対戦相手との間での互いの選択内容に関するデータの交換においては、後述する図15のステップS117、ステップS119に示す、データ送信を行った後、受信処理を行うようにして、両者間の同期を取っている。
【0146】
相手側の選択内容の受信が終了すると、次に、ステップ判定処理が実行される(ステップS67)。すなわち、「サイン」、「代打・代走」、「コース指示」には、優先順位が設定されており、本実施形態では、1つの項目以上は選択できないようにしている。まず、自分か相手プレイヤが選手交代(代打・代走)の選択を行ったか否かが判断され(ステップS69)、選択されていれば、選手交代モードに移行して、画面が選手交代をガイドするような所定の画面に切り替わる(ステップS71)。選手交代が選択されていなければ、自分か相手プレイヤが「コース指示」の選択を行ったか否かが判断され(ステップS73)、選択されていれば、「コース指示」モードに移行して、図19(または図20)に、さらには図21(または図22)、あるいは図23の画面に移行する処理が行われる(ステップS75)。「コース指示」が選択されていなければ、自分か相手プレイヤが「サイン」の選択を行ったか否かが判断され(ステップS77)、選択されていれば、「サイン」モードに移行して、画面に各種のサインの内容を示すボタンの表示を行って、選択を促すための所定の画面に切り替わる(ステップS79)。また、「スキップ」が選択され、あるいは所定時間経過してもいずれのボタンも選択されなければ(ステップS77でNO)、コンピュータ(行動設定部311、打撃結果設定部313)によって設定される投球内容、スイング内容のもとでのシーケンス処理及びそのための画面表示が行われる(ステップS81)。上記において、「スキップ」が選択され、あるいは所定時間経過してもいずれのボタンも選択されない場合には、入力操作なしのデータが後述する図16の送受信処理によって実行される。
【0147】
互いにゲームをしている自分及び相手プレイヤが、図18の画面に対して同じ項目(ボタン)を選択する保証はなく、このように互いが異なるボタンを選択した場合を想定して、以下のような優先順位を予め設定している。すなわち、いずれか一方のプレイヤが「代打・代走」ボタンを押せば、他方のプレイヤが異なるボタンを押しても、「選手交代」モードに移行する。また、いずれか一方のプレイヤが「コース指示」ボタンを押せば、他方のプレイヤが「サイン」か「スキップ」ボタンを押しても、「コース指示」モードに移行する。そして、いずれか一方のプレイヤが「サイン」ボタンを押せば、他方のプレイヤが異なるボタンである「スキップ」を押しても、「サイン」モードに移行する。
【0148】
図14は、図13のステップS75で選択された「コース指示」モードの処理手順を示すフローチャートである。ここでは、自己プレイヤが攻撃側であり、相手プレイヤが守備側である場合について説明する。なお、自己プレイヤが守備側(すなわち相手プレイヤが攻撃側)の場合には、「バッター側」と「ピッチャー側」とを置き換えるだけの処理であるので説明は省略する。
【0149】
「コース指示」モードに移行すると、打者キャラクタのマーク画像MG1のサイズ、すなわち中心円部R11の半径及び環部R12の幅が変換された能力値を用いて設定されると共に、相手キャラクタである投手キャラクタのマーク画像MG2のサイズ、すなわち中心円部R21の半径及び環部R22の幅が、相手キャラクタ側の変換された能力値を用いて設定される(ステップS91)。次いで、ストライクゾーン画像SZの適所、例えば中央に自己側、つまり打者側のみのマーク画像MG1の表示が行われる(ステップS93)。自己プレイヤはこのマーク画像MG1を視認しながら、ストライクゾーン画像SZの適所に対してタッチパネル10を押すことが可能となる。自己プレイヤがストライクゾーン画像SZの所望する位置を指定位置として押圧すると、当該押圧位置にマーク画像MG1の中心を移動する処理が行われる(ステップS95)。なお、マーク画像MG1の指示位置への移動操作は、マーク画像MG1を押圧したままドラッグする方法によっても実現可能である。自己プレイヤは、指定位置が決定すると、図20に示す決定ボタンを押すことで、当該スイング位置の確定が行われる(ステップS97)。
【0150】
続いて、確定したスイング位置の情報を通信部130を介して相手のゲーム装置に送信すると共に(ステップS99)、当該相手のゲーム装置で指定した投球位置の情報の受信を行う(ステップS101)。
【0151】
このように、自己側のゲーム装置は、該ゲーム装置内の保有データに基づいて相手キャラクタである投手パラメータ及びゲーム状況を参照してマーク画像MG2の中心円部R21、環部R22を演算して設定し、相手プレイヤが相手のゲーム装置で指定した投球位置の情報を受信して画像表示制御部302に送るので、自己側のゲーム装置のモニタ3にマーク画像MG1,MG2を併記表示することが可能となる。マーク画像MG2のモニタ3への表示は本フローチャート中では行われず、例えば対戦時点、図15のステップS123において表示される。一方、図19、図20に示すように、ストライクゾーン画像SZ中には、相手の設定頻度を示す画像は表示される。このように、少なくとも、自己側でスイング位置を決定(確定)した後に、互いの情報を交換して相手側が指定した投球位置をモニタ3に表示するようにしているので、相手の設定頻度情報のみから、予測乃至は相手の手の内を推し量りながらのスイング位置の指定をすることとなって、高いゲーム性が維持されることとなる。
【0152】
一方、投手側となる相手プレイヤが操作している相手ゲーム装置においては、投手キャラクタのマーク画像MG1(相手プレイヤのゲーム装置の立場からはマーク画像MG1となる)のサイズ、すなわち中心円部R11の半径及び環部R12の幅が変換された能力値を用いて設定されると共に、相手プレイヤから見れば相手側となる自己プレイヤ側のキャラクタである打者キャラクタのマーク画像MG2のサイズ、すなわち中心円部R21の半径及び環部R22の幅が、相手キャラクタ側の変換された能力値を用いて設定される(ステップ#91)。次いで、ストライクゾーン画像SZの適所、例えば中央に投手側のみのマーク画像MG1の表示が行われる(ステップ#93)。相手プレイヤはこのマーク画像MG1を視認しながら、マーク画像MG1の適所に対してタッチパネル10を押すことが可能となる。相手プレイヤがストライクゾーン画像SZの所望する位置を指定位置として押圧すると、当該押圧位置にマーク画像MG1の中心を移動する処理が行われる(ステップ#95)。相手プレイヤは、指定位置が決定すると、図18に示す決定ボタンを押すことで、当該投球位置の確定が行われる(ステップ#97)。
【0153】
続いて、確定した投球位置の情報を通信部130を介して自己側のゲーム装置に送信すると共に(ステップ#99)、当該自己側のゲーム装置で指定したスイング位置の情報の受信を行う(ステップ#101)。すなわち、対戦相手との間での互いの指定内容に関するデータの交換においては、後述するように、データ送信を行った後、受信処理を行うようにして、両者間の同期を取っている。なお、ステップS99,S101(ステップ#99,#101)の送受信処理は、図15のステップS117,S119(ステップ#117,#119)で纏めて行うようにしてもよい。また、本実施形態では、図13において、「スキップ」が選択され、あるいは所定時間経過してもいずれのボタンも選択されない場合には、互いにCPUによってデータ(投球位置に関するデータ、スイング位置に関するデータ、)が作成され、データ作成の終了を受けて、図15の送受信処理によって実行される。
【0154】
このように、相手側のゲーム装置は、打者パラメータ及びゲーム状況を参照してマーク画像MG2の中心円部R21、環部R22を設定し、自己プレイヤがゲーム装置で指定したスイング位置の情報を受信して、他のゲーム装置側の画像表示制御部302に送るので、相手側のゲーム装置のモニタ3にマーク画像MG1,MG2を併記表示することが可能となる。また、相手側は投球位置を決定した後に、互いの情報を交換して自己側で指定したスイング位置をモニタ3に表示するようにしているので、予測乃至は相手の手の内を推し量りながらの投球位置の指定をすることとなって、高いゲーム性が維持されることとなる。
【0155】
図15は、図10のステップS47に示すシーケンス実行処理に含まれる、打席フローの手順を示すフローチャートである。まず、プレイヤが打者側である場合について説明する。なお、プレイヤが投手側の場合も基本的には同一であるので、打者の場合と異なる手順の部分についてのみ説明する。
【0156】
先ず、直前のシーケンスで実行された投球、打撃処理(ワーク)に関するデータの初期化が行われ(ステップS111)、次いで「サイン」項目等に対するプレイヤによる選択結果等をそれぞれ受け付ける処理が行われる(ステップS113)。このプレイヤ入力の受付処理には、選手カード9の載置面部20上での位置データも含まれる。なお、全ての項目に対して選択等がされず、かつ選手カード9の載置面部20上での位置データの変更もなかった(直前のシーケンスにおける位置データと照合することで判断可能)場合、選択等の操作無しとする操作結果として受け付ける。なお、「スキップ」ボタン(図17)が押された場合も同様である。
【0157】
プレイヤ入力の受付があった場合には、次に、相手のゲーム装置に送信するためのデータである打撃データが生成される(ステップS115)。この打撃データの相手側のゲーム装置への送信が行われる(ステップS117)と共に、相手側のゲーム装置から送信される投球データの受信が行われる(ステップS119)。この送受信動作は、打撃フローの開始時点から、プレイヤが作戦を決定するに要する適宜な所定の時間経過時に行うよう設定しておくことで、両ゲーム装置でほぼ同じ時間帯で互いの送信が行われる。
【0158】
図16は、データの送受信に関する一例を示す詳細なフローチャートである。なお、各ゲーム装置は、通信処理部307によって、互いに割り込み処理により受信バッファへのデータ受信が可能にされており、一方、データ作成後には、互いに直ちに他方のゲーム装置に作成したデータを送信する態様としている。通信処理部312は、自己のゲーム装置からのデータ送信処理(ステップS141でYES)が終了すると、周期的に、例えば1/60秒という単位時間毎に、受信バッファに受信データの取り込みのためのアクセスに行うようにしており(ステップS143)、これにより、データ送信後に受信バッファから受信データの装置内への読み取りを行うようにしている(ステップS145,S147)。このアクセス及びデータの取り込みは、以下のように行うようにしている。すなわち、予め授受するべきデータに対して、例えば先頭に所定のコードデータ等を含ませる等のルール化しておき、アクセス毎にこのコードデータの有無を判断し、コードデータが有れば、受信バッファ内のデータを相手側のゲーム装置からのデータとして自己のゲーム装置内に読み取るようにしている。この結果、両ゲーム装置の打撃結果設定部313は、常に同時に、自己側のデータと相手のデータを処理可能に入手することができる。
【0159】
また、例えば図13のコース指示モードが選択された場合において、相手側のゲーム装置に対して入力操作が行われなかった場合には、予め設定された入力受付時間経過時点で相手側のゲーム装置から、そのCPUで自動生成された投球又はスイング位置に関するデータの送信が行われるから、自己のゲーム装置は、ステップS143、ステップS145でNOを繰り返しながら、最終的に、受信バッファに受信された相手側のゲーム装置からの送信データを読み取って、前述したようにして対戦データの作成、ヒッティング判定が行われる。相手側のゲーム装置は、データ送信後に受信バッファへのアクセスが可能となって(許可されて)、送信されてきたスイング又は投球位置に関するデータを入手する。自己のゲーム装置に対して入力操作が行われなかった場合も同様に処理が行われる。なお、図13において、「スキップ」が選択され、あるいは入力受付時間経過してもいずれのボタンも選択されない場合には、互いにCPUによってデータ(投球データ、打撃データ)が作成され、データ作成の終了を受けて、図16の送受信処理によって実行され、また、例えばコース指示モードが選択されたにも拘わらず、両方のゲーム装置に対して入力操作が行われなかった場合には、互いにCPUによってデータ(投球位置に関するデータ、スイング位置に関するデータ、)が作成され、データ作成の終了を受けて、図16の送受信処理によって実行され、前述したようにして対戦データの作成、ヒッティング判定が行われる。
【0160】
予め設定された入力受付期間経過時点で各ゲーム装置から送信が行われ、次いで、それぞれ受信バッファで受信された互いに他方のゲーム装置からの送信データを読み取ればよい。
【0161】
そして、このように、お互いのゲーム装置で操作入力があった場合、少なくとも一方に対してなかった場合にも、データ交換処理を行うことで、各ゲーム装置は、同一の投球データ及びバッティングデータ(打撃データ)を有することになる。しかも、両方で同じデータを持つことで両者の画像表示に遅れが生じることがなくなり、両者で違和感のない、またプレイヤにとって通信による優劣のないゲーム環境を提供することができる。
【0162】
次いで、受信した投球データをRAM340のワークエリアに保管し(ステップS121)、投球データ及び打撃データ等を用いて打撃結果設定部313によるヒッティング判定が行われる(ステップS123)。このヒッティング判定では、通常モード(「サイン(采配)」項目のみ選択される場合を含む)のための処理が行われる。
【0163】
ステップS125では、投球データを用いて投球軌道計算が実行され、次いで、この投球軌道計算で得たホームベース上の通過位置である「バッティングポイント」のワークエリアへのセット(保管)が行われる(ステップS127)。続いて、投球軌道計算で得られた結果に従って、モニタ3上で投球動作及び投球処理である「投球」の画像の表示が行われ(ステップS129)、続いて計算で得られた打撃結果となるスイングタイミング、打球方向、打球速度に従って、モニタ3上で打撃動作及び打球処理である「バッティング」の画像の表示が行われる(ステップS131)。次いで、打撃結果を受けて、野手キャラクタの移動、走者キャラクタの移動、ボールキャラクタの移動が逐次計算され、モニタ3上に画像として表示される(ステップS133)。
【0164】
なお、プレイヤが投手側の場合には、ステップ#111からステップ#133の処理が、ステップS111からステップS133の各処理と同期を取りながら実行される。なお、ステップ#117では、投球データの送信が行われ、ステップ#119では打撃データの受信が行われる。このようにして、互いのゲーム装置間でのデータの送受信(データ交換)の期間はゲームが一時的に停止され、データ送受信処理が終了する度にゲーム処理が再開されて、ゲームの進行が図られている。
【0165】
なお、本発明は、以下の態様を採用することができる。
【0166】
(1)本実施形態では、選手パラメータに基づいてマーク画像MG1,MG2の重なり度合いをゲーム結果に反映させる方式を採用しているが、本発明はこれに限定されず、選手キャラクタの選手パラメータ内の種々の能力値の大小が対戦結果に反映される、すなわち能力値の高い選手キャラクタの方が能力値の低い選手キャラクタよりも確率的に有利となるような対戦結果の決定方式であれば、その方式を問わない。
【0167】
(2)操作部としてはタッチパネル109に代えて、ポインテフィングデバイスとしての、いわゆるマウスやジョイスティック等を用いてもよい。
【0168】
(3)本実施形態では、野球ゲームを想定し、選手の年俸を評価値として採用したが、年俸に限定されず、選手能力とある程度の相関を有する別次元での評価内容を数値化したものであれば種々のものが採用可能である。例えば、野球ゲームにおいて、年俸に代えて、実際の、あるいはゲームでの選手カード9の使用頻度から得られる選手の人気度を数値化した評価値であってもよい。また、選手キャラクタに称号やランクを付与するゲームなどでは係る称号やランクを数値化して評価値として用いることも可能である。
【0169】
(4)本実施形態では、裁量能力値が設定可能な対象の能力を所定の数種類に限定したが、全ての能力を対象としてもよく、あるいは逆に打者キャラクタ、投手キャラクタについて、それぞれ代表的な1つ、又は2つ程度の少数種類に絞ってもよい。これらの場合には、裁量能力値の変化のゲームへの反映が顕在化され易くなり、ゲームとしての面白みが増す。さらに、どの能力を対象とするかは、予めあるいは対戦ゲーム毎にプレイヤに選択させる態様としてもよい。このようにすれば、プレイヤはより監督的らしいものとなり得、チーム編成自体についても面白みが増す。
【0170】
(5)本実施形態では、野球を模擬した投手側(防御側)と打者側(攻撃側)のロールプレイングゲームで説明したが、本発明は、野球ゲームに限定されず、表示器に表示された、自己側キャラクタと相手側キャラクタとの間で互いの攻防をチームとして行う対戦ゲームであればよく、例えばサッカーを模擬した対戦ゲームでもよく、更にはボール等のゲーム媒体を介することなく行うチーム(団体競技)ゲーム、更には、対戦自体は個人戦となる団体戦ゲームにも適用可能である。
【0171】
(6)本実施形態では、総年俸が閾値を超える場合に、モニタ3にその旨の表示を行わせたが、表示に代えて音声で報知する態様としても良い。また、評価値の総和には平均値を含めてもよい。ただし、平均値を採用する態様では、規定人数のチームと規定人数に達しないチーム間での裁量幅は、合計値を採用する場合に比べるとより均等になる。
【0172】
(7)本実施形態では、自己チームメンバーの選択において、ゲーム装置に予め格納されている選手キャラクタを選択可能としたが、全ても選手カードを介して補充していく態様としてもよい。
【0173】
(8)本実施形態では、評価パラメータ算出部412をサーバ40に設けたが、各ゲーム端末装置に設ける態様とすることもできる。この場合、ゲーム装置は、基本評価値、裁量評価値等を用いてゲーム装置内の評価パラメータ算出部で評価パラメータの算出を行う。算出された評価パラメータはサーバ40を介さず、対戦決定時点で、直接対戦相手のゲーム装置に適時送信し、かつ対戦相手のゲーム装置からも受信するようにすればよい。そして、対戦ゲームが終了した時点で、それぞれのゲーム装置は、個々で設定した評価パラメータ、裁量評価値をゲーム結果と共にプレイヤと対応付けてサーバ40に送信し、格納すればよい。このようにしても、本対戦ゲームの実行及び管理は可能であり、かつサーバの処理負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】本発明のゲームシステムに適用されるゲーム装置の第1実施形態を示す外観構成図である。
【図2】カード載置部の構成を示す斜視図の一例である。
【図3】選手カードの構成及び載置面との関係を説明するための図で,(a)は選手カードの構成と載置面との関係を示す斜視図、(b)は選手カードの裏面の表記内容を示す図である。
【図4】ゲーム装置の側面断面図である。
【図5】制御基板部に内蔵される制御部と各部とのハードウェアを示すブロック図である。
【図6】ゲーム装置及びサーバの機能を説明するブロック図である。
【図7】マーク画像の中心円部R11と外側の環部R12との重なり度合いを示す図である。
【図8】重なり度合いに対するヒッティングレベルを決定するフローチャートである。
【図9】ヒッティング判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本ゲームの全体の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10のゲーム前処理を示すフローチャートである。
【図12】サーバでの評価パラメータ野算出処理を示すフローチャートである。
【図13】図18に示す画面に対する選択処理を説明するフローチャートである。
【図14】ステップS75の「コース指示」モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図15】ステップS45に示すシーケンス実行処理に含まれる、打席フローの手順を示すフローチャートである。
【図16】データの送受信に関する一例を示す詳細なフローチャートである。
【図17】裁量モード(年俸交渉)画面を示す図である。
【図18】プレイヤが打者側のときのシーケンス開始時のゲーム画像である。
【図19】プレイヤが投手側のときの投球位置の指示をガイドするゲーム画像である。
【図20】プレイヤが打者側のときのスイング位置の指示をガイドするゲーム画像である。
【図21】プレイヤが打者側のときの投球位置とスイング位置が重なった状態のゲーム画像である。
【図22】プレイヤが投手側のときの投球位置とスイング位置が重なった状態のゲーム画像である。
【図23】プレイヤが打者側のときの投球位置とスイング位置が重なっていない状態のゲーム画像である。
【符号の説明】
【0175】
1 筐体
2 カード載置部
20 載置面部
3 モニタ(表示部、報知手段)
130 通信部
300 制御部(ゲーム制御手段)
301 ゲーム進行処理部(ゲーム制御手段)
302 画像表示制御部(表示制御手段)
303 受付部(操作部)
304 登録処理部(登録手段)
305 削除処理部(削除処理手段)
306 評価値変更部
307 合計処理部(合計手段)
308 総評価値判定部(禁止手段)
309 設定部(ゲーム制御手段)
310 能力値算出部(能力値算出手段)
314 選手カード発行処理部
332 キャラクタデータ記憶部(記憶手段、候補記憶手段)
333 内蔵キャラクタデータ記憶部(候補記憶手段、追加記憶手段)
340 RAM(記憶手段)
400 サーバ
412 評価パラメータ算出部(能力値算出手段)
6 選手カード発行口(カード発行部)
60 選手カード発行部(カード発行部)
9 選手カード
10 タッチパネル
11 撮像部(読み取り手段、選択部)
10A 操作部(ゲーム操作部、登録手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想的なチーム同士での対戦ゲームをネットワークを介してゲーム装置間で行わせるサーバと、前記ゲーム装置に設けられ、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動に対する指示を受け付けるための操作部と、前記ゲーム装置に設けられ、画像を表示する表示部と、前記ゲーム装置に設けられ、前記対戦ゲームのゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを備えたゲームシステムにおいて、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記チームを構成する予め設定された所定数のゲームキャラクタのそれぞれに前記対戦ゲームで行わせる仮想的な種々の対戦行動の能力を規定する能力値を基本能力値として、該基本能力値と相関のある基本評価値と関連付けて記憶する記憶手段と、
前記ゲーム装置に設けられ、前記チームを構成する各ゲームキャラクタの前記基本評価値に対し、新たに設定可能な評価値である裁量評価値をゲームキャラクタ毎に前記操作部を介して選択的に受け付ける評価値変更部と、
前記ゲーム装置に設けられ、前記チームを構成する全ゲームキャラクタに対して、前記裁量評価値の設定されていないゲームキャラクタの基本評価値と前記裁量評価値の設定されたゲームキャラクタの該裁量評価値とを合計して総評価値を算出する合計手段と、
前記ゲーム装置に設けられ、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報を報知する報知手段と、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記総評価値が予め設定された閾値を超えることを禁止する禁止手段と、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、ゲームキャラクタ毎の前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて、該ゲームキャラクタの前記基本能力値に対し、新たな能力値としての裁量能力値を算出する能力値算出手段と、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動を、前記裁量能力値の設定されていないゲームキャラクタに対しては基本能力値に基づいて、前記裁量能力値の設定されたゲームキャラクタに対しては該裁量能力値に基づいて行わせるゲーム制御手段とを備えたことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記能力値算出手段は、前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じた評価パラメータを算出し、該評価パラメータを用いて前記基本能力値から前記裁量能力値を算出するものであることを特徴とする請求項1記載のゲームシステム。
【請求項3】
予め準備された複数のゲームキャラクタの中から前記所定数に達するまで新たなゲームキャラクタの前記記憶手段への登録が受け付け可能な登録手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記登録手段は、初回の対戦ゲームを開始する前に予め準備された複数のゲームキャラクタの中から少なくとも前記対戦ゲームが実行可能な数のゲームキャラクタを前記記憶手段に登録可能にするものであることを特徴とする請求項3記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記評価値変更部は、前記裁量評価値の設定を所定値毎に増減させるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記評価値変更部は、前記裁量評価値の設定を対戦ゲームの実行毎であって該対戦ゲームの開始前に受け付けるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記裁量能力値は、対戦行動のための全ての行動、あるいは特定の一部の種類の行動に反映されるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記予め準備された複数のゲームキャラクタをチームメンバー候補用として記憶する候補記憶手段を備え、前記登録手段は、前記候補記憶手段の複数のゲームキャラクタの中から自己チームのゲームキャラクタとして選択し、前記記憶手段に登録するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記候補記憶手段は、前記予め準備された複数のゲームキャラクタがチーム単位で選択可能に格納されていることを特徴とする請求項8記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記登録手段は、前記新たなゲームキャラクタとしての追加候補の各ゲームキャラクタを識別情報と対応させて記憶する追加記憶手段と、
前記追加候補の各ゲームキャラクタに対応する識別情報が付されたカードが載置可能なカード載置部と、
載置されたカードの識別情報を読み取る読み取り手段とを備え、
読み取った識別情報に対応するゲームキャラクタを前記追加記憶手段から読み出し、自己チームのゲームキャラクタとして前記記憶手段に登録するものであることを特徴とする請求項3記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記ゲーム装置は、カードを1枚又は所定枚数ずつ発行するカード発行部を備えることを特徴とする請求項10記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記カード発行部は、前記対戦ゲームの終了時に、カードを発行するものであることを特徴とする請求項11記載のゲームシステム。
【請求項13】
自己チームのゲームキャラクタの数が前記所定数を超えるときは、少なくとも該所定数以下となるように既登録のゲームキャラクタのうちから削除を行う削除処理手段を備えることを特徴とする請求項3記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記表示部は、前記報知手段を兼用するものであることを特徴とする請求項1記載のゲームシステム。
【請求項15】
前記表示制御手段は、登録済みのゲームキャラクタと該ゲームキャラクタの基本評価値とを対応させて前記表示部に表示するものであることを特徴とする請求項14記載のゲームシステム。
【請求項16】
前記表示制御手段は、登録済みのゲームキャラクタの名称及びイメージ画像の少なくとも一方と基本評価値とを対応させて表示するものであることを特徴とする請求項15記載のゲームシステム。
【請求項17】
前記表示制御手段は、前記総評価値と前記閾値とを対応して表示するものであることを特徴とする請求項14記載のゲームシステム。
【請求項18】
前記ゲーム制御手段は、前記自己チームを構成する前記所定数のゲームキャラクタのうちの、該所定数以下の設定数のゲームキャラクタであるゲーム参加キャラクタに対戦ゲームを行わせるものであることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項19】
前記ゲーム参加キャラクタを対戦ゲーム毎に選択する選択部を備えることを特徴とする請求項18記載のゲームシステム。
【請求項20】
前記選択部は、前記カード載置部に前記設定数のカードを載置し、前記読み取り手段でカードの識別情報を読み取ることで前記ゲーム参加キャラクタを識別するものであることを特徴とする請求項19記載のゲームシステム。
【請求項21】
前記ゲーム制御手段は、対戦ゲーム中での前記カード載置部上のカードの差し替えを、カードの識別情報の読み取り結果から判断したとき、変更前のゲーム参加キャラクタのデータを変更後のゲーム参加キャラクタのデータに置き換えることを特徴とする請求項20記載のゲームシステム。
【請求項22】
仮想的なチーム同士での対戦ゲームをネットワークを介してゲーム装置間で行わせるサーバと、前記ゲーム装置に設けられ、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動に対する指示を受け付けるための操作部と、前記ゲーム装置に設けられ、画像を表示する表示部と、前記ゲーム装置に設けられ、前記対戦ゲームのゲーム画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを備えると共に、前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられ、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動を行わせるゲーム制御手段を備えるゲームシステムにおけるゲーム管理方法において、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた記憶手段が、前記チームを構成する予め設定された所定数のゲームキャラクタのそれぞれに前記対戦ゲームで行わせる仮想的な種々の対戦行動の能力を規定する能力値を基本能力値として、該基本能力値と相関のある基本評価値と関連付けて記憶し、
前記ゲーム装置に設けられた評価値変更部が、前記チームを構成する各ゲームキャラクタの前記基本評価値に対し、新たに設定可能な評価値である裁量評価値をゲームキャラクタ毎に前記操作部を介して選択的に受け付け、
前記ゲーム装置に設けられた合計手段が、前記チームを構成する全ゲームキャラクタに対して、裁量評価値の設定されていないゲームキャラクタの基本評価値と裁量評価値の設定されたゲームキャラクタの該裁量評価値とを合計して総評価値を算出し、
前記ゲーム装置に設けられた報知手段が、前記ゲームキャラクタ毎の基本評価値、裁量評価値、及び前記総評価値に関する情報を報知し、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた禁止手段が、前記総評価値が予め設定された閾値を超えることを禁止し、
前記ゲーム装置及び前記サーバの一方に設けられた能力値算出手段が、ゲームキャラクタ毎の前記裁量評価値と前記基本評価値との差に応じて、該ゲームキャラクタの前記基本能力値に対し、新たな能力値としての裁量能力値を算出するものであり、
前記ゲーム制御手段は、前記操作部を介して受け付けられた指示に従って、自己のチームを構成するゲームキャラクタへのゲーム中での仮想的な種々の対戦行動を、前記裁量能力値の設定されていないゲームキャラクタに対しては基本能力値に基づいて、前記裁量能力値の設定されたゲームキャラクタに対しては該裁量能力値に基づいて行わせることを特徴とするゲーム管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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