説明

ゲームシステム

【課題】ゲームを反復継続的にプレイする際のプレイヤのモチベーションの低下を抑えることが可能なゲームシステムを提供する。
【解決手段】複数回のゲームのプレイ結果に基づいてプレイヤのステイタス、レベル、ランクといった格付けを制御するゲームシステムにおいて、特定範囲に格付けられたプレイヤを対象として、複数回のゲームのプレイ結果と格付けとの関係には影響しない特別ステイタスの発生及び消滅を複数回のゲームのプレイ結果に基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数回に亘って繰り返されるゲームのプレイ結果に基づいてプレイヤの格付けを制御するゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームのプレイ結果に基づいてプレイヤの得点や順位といった成績を決定し、その成績を通算してプレイヤを格付けし、その格付けの結果をプレイヤのステイタス、あるいはレベルといった概念にてゲーム上で提示することにより、プレイヤの強弱やスキルの高低を把握可能としたゲームシステムが周知である(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−117246号公報
【特許文献2】特開2006−094976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したゲームシステムにおいては、ゲームを繰り返しプレイすることが格付けを上昇させるために必要不可欠である。しかし、同じ内容のゲームを反復的にプレイさせる場合、プレイヤのゲーム継続に対するモチベーションが低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、格付けの上昇のためにゲームを反復継続的にプレイすることをプレイヤに要求しつつ、その反復継続的なゲームのプレイに対するプレイヤのモチベーションの低下を抑えることが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステム(1)は、所定の手順に従ってゲームを進行させるゲーム制御手段(15)と、複数回のゲームのプレイ結果に基づいて、プレイヤの格付けを制御する格付け制御手段(16)と、前記格付け制御手段にて特定範囲に格付けられたプレイヤを対象として、前記複数回のゲームのプレイ結果と前記格付け制御手段による格付けとの関係には影響しない特別状態の発生及び消滅を、少なくとも一回のゲームのプレイ結果に基づいて制御する特別状態制御手段(17)と、を備えたものである。
【0007】
本発明のゲームシステムによれば、ゲーム制御手段の制御によってゲームが複数回繰り返され、それらのゲームでのプレイ結果に基づいて格付け制御手段がプレイヤの格付けを制御する。格付けを上昇させるために必要なゲームの回数が多い場合等、プレイヤのモチベーションの低下が懸念される場合には、特定範囲に格付けされたプレイヤに対して特別状態制御手段による特別状態の発生及び消滅の制御を適用することができる。しかも、その特別状態の発生及び消滅に関しては、ゲームを反復継続している間のゲームのプレイ結果と格付けの変動との関係に影響しない。したがって、特定範囲に格付けされているプレイヤに対して、格付けの上昇のためにゲームを反復継続してプレイすることを本来的には要求しつつ、その格付けの変動とは別に、特別状態の発生及び消滅というプレイ要素を提供し、それにより、プレイヤのモチベーションの低下を抑えることが可能である。なお、ここでいうプレイ結果とは、ゲームのプレイ内容等に基づいて算出される得点、ゲームの順位といった、一回のゲームのプレイ内容を原因として、そのプレイ内容を所定の手法、あるいはルールで評価した結果を意味する。プレイ結果には、上述した順位、得点のように定量化されて示されるものに限らず、例えばプレイヤのゲームにおける選択や操作の傾向等の所定のアルゴリズムによる解析結果、ゲーム中に設けられたイベントの成否といった、プレイ内容を原因としてもたらされる各種の情報を含めてよい。また、プレイ結果は、ゲームの終了時点での状態を示すものに限らず、最終的な状態が同じであっても、その状態に至る過程の評価もプレイ結果の少なくとも一部に含まれてよい。
【0008】
本発明の一形態において、前記格付け制御手段は、前記特定範囲を上位階層と当該上位階層を細分した下位階層とに階層化してプレイヤの格付けを制御し、前記特別状態制御手段は、前記上位階層が同一でかつ前記下位階層内で格付けが変化する間に、前記特別状態の発生及び消滅に関する制御を実行してもよい。この場合、プレイヤが、同一の上位階層にとどまりつつ、下位階層における格付けの上昇を意図してゲームを反復継続せざるを得ない状況であっても、特別状態の制御によってモチベーション低下を抑制することができる。
【0009】
さらに、前記特別状態制御手段は、前記上位階層に関して最上位に格付けされているプレイヤを対象として前記特別状態の発生及び消滅を制御してもよい。上位階層に関して最上位に格付けられた場合には、もはや最上の階層からの降格の防止、あるいは下位階層内での格付けの上昇のみを意図して、ゲームを反復継続的にプレイせざるを得ない。このような場合でも、特別状態の制御によってモチベーションの低下を抑えることが可能である。
【0010】
本発明の一形態において、前記特別状態制御手段は、前記特別状態が発生していないプレイヤに対して、前記複数回のゲームの少なくとも一部を当該特別状態の発生に関する判断対象のゲームとして設定し、当該判断対象のゲームのプレイ結果に応じて当該特別状態を発生させるべきか否かを制御してもよい。これによれば、格付けの上昇のためにプレイされるゲームを利用して、特別状態を発生させるべきか否かを制御することができる。
【0011】
また、前記特別状態制御手段は、前記特別状態が発生したプレイヤに対して、前記複数回のゲームの少なくとも一部を当該特別状態の消滅に関する判断対象のゲームとして設定し、当該判断対象のゲームのプレイ結果に応じて当該特別状態を消滅させるべきか否かを制御してもよい。これによれば、格付けの上昇のためにプレイされるゲームを利用して、特別状態を消滅させるべきか否かを制御することができる。
【0012】
本発明の一形態において、前記ゲーム制御手段は、複数のプレイヤ間で順位を競うゲームを進行させ、前記特別状態制御手段は、前記ゲームのプレイ結果として、前記複数回のゲームのそれぞれにおける順位を考慮して前記特別状態の発生及び消滅を制御してもよい。これによれば、ゲームにおける順位という単純明快なプレイ結果を利用して特別状態の発生及び消滅を制御することができるので、特別状態の発生や消滅の条件がプレイヤに判り易く、上位の順位を獲得することに対してプレイヤのモチベーションを高めることができる。
【0013】
本発明の一形態において、前記特別状態制御手段は、前記特別状態が発生したプレイヤと、当該特別状態が発生していないプレイヤとの間で、ゲームの演出を差別化してもよい。これによれば、特別状態が発生したときの演出を利用してプレイヤのモチベーションをさらに高めることができる。
【0014】
本発明のコンピュータプログラムは、ゲームシステム(1)に設けられたコンピュータ(10)を、所定の手順に従ってゲームを進行させるゲーム制御手段(15)、複数回のゲームのプレイ結果に基づいて、プレイヤの格付けを制御する格付け制御手段(16)、及び、前記格付け制御手段にて特定範囲に格付けられたプレイヤを対象として、前記複数回のゲームのプレイ結果と前記格付け制御手段による格付けとの関係には影響しない特別状態の発生及び消滅を、少なくとも一回のゲームのプレイ結果に基づいて制御する特別状態制御手段(17)、として機能させるように構成されたものである。本発明のプログラムをコンピュータにて実行することにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、本発明によれば、特定範囲に格付けされたプレイヤを対象として、ゲームを反復継続している間のゲームのプレイ結果と格付けの変動との関係には影響しないように、特別状態の発生及び消滅の制御するものとしたため、格付けの上昇のためにゲームを反復継続してプレイすることをプレイヤに本来的には要求しつつ、その格付けの変動とは別に、特別状態の発生及び消滅というプレイ要素を提供し、それにより、プレイヤのモチベーションの低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
【図2】本発明の一形態に係るゲーム機及びセンターサーバの機能ブロック図。
【図3】ゲームシステムにて実現されるゲームの概略構成を示す図。
【図4】一回のゲームにおける成績処理の一例を示す図。
【図5】ゲームの成績とプレイヤのレベル等との関係を示す図。
【図6】特別ステイタス管理部にて実行される開始時制御ルーチンを示すフローチャート。
【図7】特別ステイタス管理部にて実行される成績処理ルーチンを示すフローチャート。
【図8】特別ステイタスの獲得、維持及び更新と対戦ゲームとの関係の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一形態に係るゲームシステムを図1に示す。そのゲームシステム1においては、複数のゲーム機2と、センターサーバ3とがルータ4を介してネットワーク5にそれぞれ接続されている。センターサーバ3は一台の物理的装置によって構成される例に限らず、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ3が構成されてもよい。さらには、一台のゲーム機2がセンターサーバ3として兼用されてもよい。ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するもので、典型的にはインターネットがネットワーク5として使用される。各ゲーム機2は、ゲームの対価としてプレイ料金を徴収する業務用又は商用のゲーム機として構成されている。ゲーム機2は、店舗6等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。ルータ4は各店舗6及びセンターサーバ3に対応付けて設置され、同一店舗のゲーム機2は共通のルータ4を介してネットワーク5に接続されている。ゲーム機2と店舗6のルータ4との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。
【0019】
センターサーバ3は、ゲームシステム1の運営者によって設置され、ネットワーク5を介した各種のサービスを、ゲーム機2又はそのゲーム機2のユーザ(プレイヤ)に対して提供する。一例として、センターサーバ3は、ゲーム機2のゲームプログラムあるいはデータを更新するサービス、ゲーム機2のユーザを認証し、そのユーザのプレイ履歴、セーブデータ等を含んだプレイヤデータをセンターサーバ3上に保管するサービス、ネットワーク5を介してユーザ同士が対戦し、あるいは協力してゲームを進める際のプレイヤ間のマッチングサービス等を提供する。
【0020】
ゲーム機2及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれぞれを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。ネットワーク5がインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ4にネットワーク5上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とセンターサーバ3との間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。
【0021】
図2を参照して、ゲーム機2及びセンターサーバ3の構成をさらに説明する。ゲーム機2には、制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。制御ユニット10には、入力装置11、表示装置12、認証装置13及び記憶装置14が接続されている。入力装置11は、プレイヤの操作を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御ユニット10に出力する。表示装置12は、制御ユニット10からの指示に従ってゲーム画面等を表示する。認証装置13は、ゲームのプレイヤの認証に必要な情報を取得し、その情報を制御ユニット10に出力する。プレイヤの認証に必要な情報は、例えばカード、携帯電話等に搭載されたICチップその他の記憶媒体に対して、IDコードその他の電子的データとして記録することができる。プレイヤの生体情報を認証に利用してもよい。記憶装置14は、例えばハードディスク記憶装置のように不揮発性の記憶媒体を備えた記憶装置である。記憶装置14は、制御ユニット10にて実行されるべきゲームプログラム101及びそのプログラム101が参照するゲームデータ102等の各種のデータを記憶する。
【0022】
記憶装置14のゲームプログラム101を制御ユニット10が読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には論理的装置としてのゲーム制御部15、基本成績管理部16及び特別ステイタス管理部17が設けられる。ゲーム制御部15は、所定の手順に従って対戦ゲーム等の進行を管理する。基本成績管理部16は、ゲームのプレイ結果に基づいてプレイヤの成績を評価し、その評価結果に基づいて、プレイヤのステイタス、レベル、ランクといったプレイヤの格付けに関す情報を更新する。ここでいうプレイ結果は、上述した通りの概念であり、成績は、そのプレイ結果をゲームのルール等に従って順位、得点といった指標で数値化した概念を意味する。ステイタス、レベル及びランクは、いずれもゲームにおけるプレイヤの強弱、あるいはスキルの高低を示す概念として設定されている。ゲーム上において、ステイタスは、階級、称号その他、プレイヤの地位の高低を直感的に認識させる文字列、数値、記号を単独で又は組み合わせることにより、その高低が表現される。具体的には、「ビギナー、アマチュア、プロフェッショナル、マスター、ゴッド」、「ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ」といった用語を使い分けることによりステイタスの高低を表現することができる。レベルは一例として数値によりその高低が表現される。例えば、「レベル1〜レベル99」といった表現によりレベルの高低が表現される。ランクも文字列、数値、記号等を単独で又は組み合わせることによってその高低が表現される。例えば、「Aランク、AAランク、AAAランク」といった用語を使い分けることによりランクの高低も差別化される。
【0023】
特別ステイタス管理部17は、ゲームのプレイ結果に基づいて特別ステイタスを制御する。特別ステイタスは、基本成績管理部16にて管理されるステイタスやレベルといった格付けとは異なる概念であり、本発明における特別状態に相当するものである。特別ステイタスも、上述した基本成績管理部16のステイタスと同様に、文字列、数値、記号等を単独で又は組み合わせることによってゲーム上でその有無が表現される。一例として、「プレミアム」、「スペシャル」といった優越性、あるいは特別性を帯びた語感を持つ文字列、あるいは、特別性を帯びていることを印象付ける要素(例えば特別色、オーラ等の付加的演出)を、ゲーム上でプレイヤ、又はこれに代替するキャラクタ等に付すことにより、そのプレイヤに特別ステイタスが付与されていることを表現することができる。特別ステイタスが付与されていることを示す文字列等は、上述した基本成績管理部16にて制御されるステイタスに加えて、又はこれと置き換えてゲーム上で表現することができる。このように、ゲームの外観上では、特別ステイタスもプレイヤに対する演出の一種として表現されるが、ゲームの制御においては、基本成績管理部16によって制御される格付けに対して上位あるいは下位に位置付けられることなく、独立して制御される概念である。以下では、基本成績管理部16にて管理されるステイタスを基本ステイタスと表現して特別ステイタスと区別することがある。ステイタス等の管理の詳細は後述する。
【0024】
センターサーバ3には、制御ユニット20と、記憶装置21とが設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。制御ユニット20には、キーボード等の入力装置と、モニタ等の出力装置とが接続されるが、それらの図示は省略した。記憶装置21は、制御ユニット20にて実行されるべきサーバプログラム201及びそのプログラム201が参照する各種のデータを記憶する。記憶装置21には、制御ユニット20が参照すべきデータの一種として、プレイヤデータ群202及び成績集計データ203が記録されている。プレイヤデータ群202は、プレイヤ毎のプレイ履歴、レベル等をプレイヤ毎にユニークなID(以下、プレイヤIDと呼ぶ。)と対応付けて記述したプレイヤデータの集合である。成績集計データ203は、特定の対戦ゲームにおけるプレイヤの成績を集計したデータであり、例えばプレイヤのランキング等が集計データ203内に保持される。
【0025】
記憶装置21のサーバプログラム201を制御ユニット20が読み取って実行することにより、制御ユニット20の内部には論理的装置としてのマッチング部22及びデータ管理部23が設けられる。マッチング部22は、ゲーム機2からのマッチング要求に応答して複数のプレイヤ同士をマッチングするサービスを提供する。データ管理部23は、ゲーム機2からの要求に従ってプレイヤデータの更新、提供、成績集計データの操作といったデータ管理に必要な各種の処理を実行する。図示した論理的装置の他にも、ゲーム機2の制御ユニット10及びセンターサーバ3の制御ユニット20には、必要に応じて各種の論理的装置が設けられてよい。
【0026】
図3は、ゲームシステム1によって実現されるゲームの概略構成を示している。ゲームシステム1においては、各ゲーム機2の制御ユニット10のゲーム制御部15により、ゲームルーチンが実行される。ゲームルーチンは、複数のプレイヤのマッチング、マッチングされたプレイヤ間での対戦ゲーム、及び対戦ゲームのプレイ結果に対する評価を1セットとして、プレイヤの指示に基づいて適宜に繰り返される。また、毎回の対戦ゲームのプレイ結果に基づいて、基本成績管理部16による基本成績管理、及び特別ステイタス管理部17による特別ステイタス管理がそれぞれ行われる。基本成績管理では、ステイタス管理、レベル管理及びランク管理が行われる。ステイタス管理ではプレイヤのステイタスが制御される。ステイタスは最下位のステイタス1から最上位のステイタスNまでN段階(但し、Nは2以上の自然数)に区分されている。ゲームを最初に始める際のステイタスは1である。レベル管理では各ステイタスにおけるプレイヤのレベルが制御される。一例として、最上位のステイタスNは、プレイヤの通算成績に応じてレベル1からレベルZまでのZ段階のレベルに区分されている。最初にステイタスNに達した時のレベルは1である。他のステイタスに対しても、同様に複数のレベルに区分されてよい。ランク管理では、レベルに応じてプレイヤのランクが制御される。一例として、レベルY〜レベルZまでがAAAランク、レベルX未満がAランク、レベルX以上、レベルY未満がAAランクに位置付けられる。プレイヤのステイタス及びレベルは、対戦ゲームにおける通算成績が高いほどステイタスもレベルも高くなるように制御される。すなわち、ステイタス及びレベルは、プレイヤがゲームルーチンを繰り返して良好な成績を重ねるに従って上昇するように成績評価の結果と関連付けて制御される。そのため、ステイタス及びレベルは、プレイヤのゲームにおける強弱、あるいはスキルの高低を示す指標として機能する。ランクに関しても同様である。本形態では、ランク及び基本ステイタスの組み合わせがプレイヤの上位階層の格付けに、レベルがプレイヤの下位階層の格付けにそれぞれ相当する。
【0027】
一方、特別ステイタス管理では、基本成績管理におけるステイタス、レベル及びランクの制御とは異なる特別ステイタスの獲得、維持及び更新が、ゲームルーチンにおけるプレイ結果の評価に基づいて制御される。ただし、特別ステイタス管理は、基本成績管理にて特定範囲に格付けされているプレイヤのみを対象として適用される。例えば、最上位のステイタスNでかつAAAランクを獲得したプレイヤに対してのみ、特別ステイタス管理が適用される。つまり、ステイタスNでかつAAAランクが格付けにおける特定範囲として設定されている。ステイタスNのプレイヤが一回又は複数回の対戦ゲームにて所定の成績を収めると、そのプレイヤがステイタスNに重ねて特別ステイタスを獲得する。特別ステイタスの獲得後は、その特別ステイタスを維持するために、所定回数の対戦ゲームで所定の成績を収めることがプレイヤに要求される。所定の成績を収めることができれば特別ステイタスが更新される。更新後は、再びプレイヤに対して特別ステイタスの維持が要求される。特別ステイタスを維持する過程で所定の消滅条件が成立した場合には特別ステイタスが消滅する。この場合、プレイヤが再び特別ステイタスの獲得に必要な成績を収めることができれば、特別ステイタスが改めて付与される。
【0028】
上記の説明から明らかなように、特別ステイタスは、基本成績管理における基本ステイタス、あるいはレベルに対して上位又は下位の関係になく、基本ステイタスあるいはレベルとは併存する概念として用意されている。ステイタスNは複数のレベルに区分されているため、ステイタスNを獲得しているプレイヤは、同一のステイタスN内でレベル及びランクを向上させるべく対戦ゲームを繰り返しプレイする必要がある。その対戦ゲームを繰り返す間に、特別ステイタスの獲得、維持及び更新というプレイ形態が別途提供されている。ステイタスNにおけるレベル向上のみを目的として対戦ゲームを繰り返す場合には、ステイタスの変動が生じないため、対戦ゲームの反復継続に対してプレイヤのモチベーションが低下するおそれがある。そのモチベーションの低下を抑える手段として、特別ステイタス管理が設けられている。
【0029】
ゲームルーチンにおける対戦ゲームは、複数のプレイヤが対戦する形態であれば適宜に設定してよい。例えば、麻雀、トランプ等のボードゲームを対戦ゲームとして採用することができる。また、対戦ゲームの評価と、基本成績管理におけるレベル等との関連付けも適宜に設定してよい。一例として、図4に示すように、4人のプレイヤにて対戦ゲームが実行され、その結果としてプレイヤ間で1位〜4位の順位が決定された場合の成績評価を説明する。なお、プレイヤの順位付けは、対戦ゲームの種類、内容等に応じて適宜に定めてよい。対戦ゲームとして麻雀を実行する場合には、終局時点での得点によって順位を定めればよい。
【0030】
図4の例では、対戦ゲームの順位に応じてプレイヤ間でシンボルSBが移動する。4位のプレイヤが保持するシンボルSBが1位及び2位のプレイヤに所定数ずつ移動し、3位のプレイヤが保持するシンボルSBが1位のプレイヤに所定数移動する。このような操作を対戦ゲーム毎に繰り返すことにより、対戦ゲームで上位を獲得した回数が多いプレイヤほど、シンボルSBの所有数が増加する。そして、プレイヤが所有するシンボル数(累計シンボル数)が多いほどレベルが上昇するように、累計シンボル数に応じてレベルを変化させる。一つのステイタス内の最高レベルまでプレイヤが上昇した後は、所定の昇格条件をプレイヤに課し、一又は複数回の対戦ゲームの通算成績がその昇格条件を満たすとプレイヤを次のステイタスへと昇格させる、といったように、対戦ゲームのプレイ結果の指標としての成績と基本成績管理とを関連付ける。
【0031】
ステイタスNにおけるレベル、ランク及び累計シンボル数の相互の関係の具体例を図5に示す。累計シンボル数がN2未満ではレベル1、N2以上N3未満ならばレベル2といったように累計シンボル数Nに応じてレベルが設定されている。ランクA、AA、AAAはレベルによって区分されている。なお、通算成績によっては、ステイタスやレベルを降格させてもよい。ステイタスに応じてシンボルSBの種類や価値を変更してもよいし、少なくとも一部のステイタスにおいては、シンボル数に代えて、又は加えて、対戦ゲームでの他の成績を考慮してレベルを昇降させてもよい。例えば、対戦ゲームにおけるゲーム内容や得点を利用してプレイヤの経験値を演算し、その経験値が高まるほどレベル及びステイタスが上昇するような制御を実行してもよい。
【0032】
以上に説明したレベル、基本ステイタス、特別ステイタス、累計シンボル数等の情報はプレイヤIDと対応付けてプレイヤデータに保持される。そのプレイヤデータは、センターサーバ3の記憶装置21にプレイヤデータ群202の一部として保存される。プレイヤがゲーム機2の認証装置13に自らの認証情報を読み取らせ、かつ入力装置11を介してプレイヤデータのダウンロードを指示すると、センターサーバ3からゲーム機2にプレイヤデータが送信されて記憶装置14に保存される。記憶装置14に保存されたプレイヤデータは、制御ユニット10に適宜に読み込まれて参照される。
【0033】
次に、上述した基本成績管理及び特別ステイタス管理を実現するためのゲーム機2の制御ユニット10の処理を説明する。プレイヤが、ネットワークを利用した対戦ゲームの開始をゲーム機2の入力装置11を介して制御ユニット10に指示すると、その制御ユニット10からセンターサーバ3に対してマッチング要求が送られる。マッチング要求を受けたセンターサーバ3は、プレイヤIDに対応するプレイヤデータのステイタス、レベル、ランク等を参照して所定人数(上記の例では4人)のプレイヤをマッチングし、マッチング結果をゲーム機2に返信する。ゲーム機2の制御ユニット10は、マッチング結果に従って、対戦相手となるプレイヤのゲーム機2間における通信環境を構築し、その環境が確立すると、マッチングされたプレイヤのゲーム機2のそれぞれの制御ユニット10にてゲームの進行制御が開始される。
【0034】
図6は、ゲームの進行制御の一部として、対戦ゲームの開始時に制御ユニット10が実行する開始時制御ルーチンを示している。なお、図6のルーチンは、制御ユニット10の特別ステイタス管理部17が担当する処理である。開始時制御ルーチンにおいて、制御ユニット10は、まずステップS1で自機のプレイヤに対応するプレイヤデータにて、特別ステイタスフラグに1がセットされているか否かを判別する。特別ステイタスフラグは、自機のプレイヤが特別ステイタスを獲得しているか否かを判別するためにプレイヤデータに含まれる情報である。特別ステイタスを獲得している場合には、特別ステイタスフラグの値に1がセットされる。ステップS1にて特別ステイタスフラグに1がセットされていない場合、制御ユニット10はステップS2に進み、特別ステイタスの獲得戦の条件が充足されているか否かを判別する。獲得戦の条件は、一例として、自機のプレイヤが最上位のステイタスNでランクAAAであることが第1の条件とされ、かつ、対戦相手の全てのプレイヤもステイタスNでAAAランクであること、又は特別ステイタスを獲得しているプレイヤが対戦相手に一人でもいることが第2の条件とされる。第1の条件及び第2の条件の双方が満たされた場合に、特別ステイタス獲得戦の条件が充足されたと判別される。
【0035】
ステップS2で獲得戦の条件が充足されていない場合、制御ユニット10はステップS3に進み、通常対戦用の演出をゲーム制御部15に指示し、その後、開始時制御ルーチンを終了する。一方、ステップS2にて獲得戦条件が充足されている場合、制御ユニット10はステップS4に進み、獲得戦フラグに1をセットする。獲得戦フラグは、今回の対戦ゲームが、自機のプレイヤにとって特別ステイタスの獲得戦として位置付けられるものか否かを判別するためのフラグであり、獲得戦であればフラグの値に1がセットされる。続くステップS5にて、制御ユニット10はゲーム制御部15に対して獲得戦用演出を指示し、その後、今回のルーチンを終了する。
【0036】
ステップS1にて特別ステイタスフラグに1がセットされている場合、制御ユニット10はステップS6に進み、特別ステイタスの維持条件に関する達成状況を判別する。すなわち、図3を参照して説明したように、特別ステイタスは一旦獲得すると、これを維持するために所定回数の対戦ゲームで所定の成績を収めることがプレイヤに要求される。プレイヤデータには、その特別ステイタスの維持に関連した成績の達成状況を示す情報が保持されている。ステップS6では、プレイヤデータ内の情報に基づいて特別ステイタス維持条件の達成状況を判別する。続くステップS7において、制御ユニット10は特別ステイタスの維持戦用演出をゲーム制御部15に対して指示し、その後に今回のルーチンを終了する。
【0037】
図6のルーチンが終了すると、ゲーム制御部15は所定の手順に従って対戦ゲームを開始する。対戦ゲームが終了するまでの制御は、対戦ゲームの種類に応じて公知のゲームシステムと同様に行えばよく、ここでは説明を省略する。ただし、対戦ゲームの実行時において、ゲーム制御部15は、図6のステップS3、S5又はS7の指示に従って対戦ゲームにおけるゲーム画面等の演出を切り替える。例えば、ステップS5にて獲得戦用演出が指示された場合には、自機の表示装置12に表示されるゲーム画面上に、特別ステイタスの獲得戦であることをプレイヤに認識させるような演出を実行する。また、ステップS7にて維持戦用演出が指示された場合には、自機の表示装置12に表示されるゲーム画面上に、特別ステイタスの維持戦であること、及びその維持条件の達成状況をプレイヤに認識させるような演出を実行する。一方、ステップS3にて通常対戦用演出が指示された場合には、特別ステイタスの獲得あるいは獲得とは関連付けられていない通常の対戦用ゲーム画面を表示するといった演出を実行する。したがって、特別ステイタスの獲得戦あるいは維持戦に該当するプレイヤのゲーム機2では獲得戦等に対応した特別の演出が施され、その他のプレイヤのゲーム機2では通常の演出が施される。そのため、特別ステイタスを獲得しているプレイヤのゲーム機2と、特別ステイタスを獲得していないプレイヤのゲーム機2との間では、それらのプレイヤが同一のゲームで対戦しているにも拘わらず、ゲーム上での演出が差別化される。
【0038】
次に、対戦ゲームが終了すると、ゲーム制御部15にてプレイ結果が判別され、そのプレイ結果が基本成績管理部16及び特別ステイタス管理部17に提供されて成績処理が実行される。基本成績管理部16では、プレイ結果に基づいてプレイヤ間の順位を判別し、シンボルの移動といった基本成績管理に含まれている基本ステイタス、レベルの管理に必要な情報を取得してそれらの状態を更新する。これらの処理は、マッチングされた全てのプレイヤのゲーム機2のそれぞれ実行される。さらに、ステイタスNでランクAAAに格付けられているプレイヤのゲーム機2のみにおいては、特別ステイタス管理部17による制御も実行される。以下では、制御ユニット10が特別ステイタス管理部17を利用して実行する特別ステイタスの獲得、維持及び更新に関連した制御を説明する。
【0039】
対戦ゲームのプレイ結果が確定すると、制御ユニット10は図7の成績処理ルーチンを開始する。まず、制御ユニット10(特別ステイタス管理部17)は、ステップS11にて獲得戦フラグに1がセットされているか否かを判別する。1がセットされている場合、制御ユニット10はステップS12に進み、プレイ結果に基づいて特別ステイタスの獲得に必要な成績の達成状況を更新する。例えば、獲得戦と位置付けられた対戦ゲームにて1位を所定回数獲得した場合に特別ステイタスを獲得するものとして獲得条件が定められている場合には、その1位の獲得回数がプレイ結果に基づいて更新される。
【0040】
続くステップS13にて、制御ユニット10は特別ステイタスの獲得条件が充足されたか否かをステップS12で更新された状況に基づいて判別する。充足されている場合、制御ユニット10はステップS14に進み、特別ステイタスフラグに1をセットする。その後、制御ユニット10はステップS15に進み、特別ステイタスを獲得したことをプレイヤに識別させるための演出を実行する。ステップS13にて獲得条件が充足されていなければ、ステップS14及びステップS15はスキップされる。
【0041】
ステップS11にて獲得戦フラグに1がセットされていない場合、制御ユニット10はステップS21に進み、特別ステイタスフラグに1がセットされているか否かを判別する。1がセットされている場合、制御ユニット10はステップS22に進み、プレイ結果に基づいて特別ステイタスの維持条件に関する達成状況を更新する。続くステップS23にて、制御ユニット10は、特別ステイタスの消滅条件が充足されたか否かを判別する。消滅条件は対戦ゲームと関連付けて適宜に設定してよい。消滅条件が充足されていない場合、制御ユニット10はステップS24に進み、特別ステイタスの更新条件が充足されたか否かを判別する。例えば、上述したように、維持対戦と位置付けられた所定回数の対戦ゲームで所定の成績を収めた場合には更新条件が充足されたと判断される。更新条件が充足されていれば、制御ユニット10はステップS25に進み、特別ステイタスの更新に成功したことをプレイヤに識別させるための演出を実行する。ステップS24にて更新条件が充足されていなければステップS25はスキップされる。ステップS23にて消滅条件が充足されている場合、制御ユニット10はステップS26に進み、特別ステイタスフラグの値を0にリセットし、続くステップS27にて特別ステイタスが消滅したことをプレイヤに識別させるための演出を実行する。ステップS21にて特別ステイタスフラグに1がセットされていない場合、制御ユニット10はステップS22〜27をスキップする。以上の処理を経て制御ユニット10はステップS28に進み、ステップS11〜S27の処理結果に応じてプレイヤデータを更新し、その後、今回の成績処理ルーチンを終了する。
【0042】
図8は、上述した特別ステイタス管理における獲得戦、維持対戦、及び更新の一例を示している。この例では、獲得戦としての条件を満たす対戦ゲームにてプレイヤが1位をX回獲得すると、特別ステイタスが与えられる。特別ステイタス獲得後は、連続するY回の対戦ゲームが維持対戦として位置付けられる。それらの維持対戦で1位を獲得した回数がカウントされる。Y回の維持対戦が終了すると、1位の獲得回数に相当する回数の対戦ゲームが特別ステイタスの更新に関する最終的な対戦として設定される。その最終的な対戦内でプレイヤが1回でも1位を獲得すると特別ステイタスの更新条件が満たされて、特別ステイタスが更新される。その後は、再びY回の維持対戦が続く。Y回の維持対戦又はそれに続く最終的な更新の対戦にて消滅条件が満たされると特別ステイタスが消滅する。その場合、プレイヤは再び獲得戦で1位をX回獲得する必要がある。
【0043】
図8に示した対戦は、いずれも図3のゲームルーチンにて実現される対戦ゲームそのものである。また、特別ステイタスの獲得、維持及び更新に関しても、それらの条件が満たされたか否かはいずれ対戦ゲームの順位によって定まる。その順位は、図4にも例示したように、基本成績管理にて基本ステイタスやレベルの管理に利用される情報である。このように、本形態では、ゲームルーチンで実行される対戦ゲームとその対戦ゲームのプレイ結果とを利用して特別ステイタスの獲得、維持及び更新が制御される。よって、基本成績管理によるプレイヤの基本ステイタスやレベルに影響を与えることなく、特別ステイタスの獲得や消滅に関するプレイ形態を提供してゲームの興趣を高めることが可能である。なお、特別ステイタスの獲得、維持及び更新の制御は、対戦ゲームにおけるプレイヤの順位に基づくものに限らず、順位に代えて、又は加えて順位以外の他の要素を考慮して実行されてもよい。例えば、対戦ゲームにおけるプレイヤのプレイの傾向(例えば、麻雀等のボードゲームにおける打ち方)を所定のアルゴリズムによって解析し、その解析結果をプレイ結果の少なくとも一部として、特別ステイタス等の特別状態の制御に反映させてもよい。すなわち、上記の形態では、プレイヤの格付け、及び特別状態を、プレイヤのゲームにおける成績に基づいて制御したが、本発明では成績のみに基づく制御に限定されず、ゲームのプレイ内容を原因として、そのプレイ内容を所定の手法、あるいはルールで評価した各種の結果に基づいて格付け、及び特別状態を制御してよい。本発明は、特別状態の発生及び消滅を、複数回のゲームのプレイ結果に基づいて制御する例に限らない。例えば、図8の例において、変数XやYを1に設定することにより、特定の一回のゲームのプレイ結果に基づいて、特別状態の発生又は消滅を制御してもよい。
【0044】
以上の形態においては、ゲーム機2の制御ユニット10のゲーム制御部15がゲーム制御手段に、基本成績管理部16が格付け制御手段に、特別ステイタス管理部17が特別状態制御手段としてそれぞれ機能する。ただし、本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の形態にて実施してよい。例えば、上記の形態では、プレイヤを基本ステイタス、レベル及びランクによって格付けし、基本ステイタスとランクとの組み合わせによってプレイヤの上位階層の格付けが、レベルによって下位階層の格付けがそれぞれ決定されている。しかしながら、プレイヤの格付けは単一階層内で行われてもよいし、さらに多段に階層化されて格付けが設定されてもよい。特別状態の制御が適用される格付けの特定範囲を、最上位のステイタスNでかつランクAAAとしているが、これに限らず、適宜の範囲を特定範囲として設定してよい。複数のステイタスにおいて、特別ステイタスの発生等の制御を適用することも可能である。特別状態はステイタスの一種として表現される例に限らず、ゲーム上でプレイヤが識別可能な状態であれば、適宜に変更可能である。特別状態を発生させるための条件、これを維持するための条件、あるいは消滅させるための条件はゲームのプレイ結果に関連付けられている限りにおいて適宜に設定してよい。本発明はネットワークを通じた対戦ゲームをプレイ可能とする例に限らず、複数回のゲームのプレイ結果に基づいてプレイヤを格付けすることが可能である限り、適宜の構成のゲームシステムに適用可能である。対戦相手の一部又は全部がコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ゲームシステム
2 ゲーム機
10 制御ユニット(コンピュータ)
15 ゲーム制御部(ゲーム制御手段)
16 基本成績管理部(格付け制御手段)
17 特別ステイタス管理部(特別状態制御手段)
101 ゲームプログラム
102 ゲームデータ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の手順に従ってゲームを進行させるゲーム制御手段と、
複数回のゲームのプレイ結果に基づいて、プレイヤの格付けを制御する格付け制御手段と、
前記格付け制御手段にて特定範囲に格付けられたプレイヤを対象として、前記複数回のゲームのプレイ結果と前記格付け制御手段による格付けとの関係には影響しない特別状態の発生及び消滅を、少なくとも一回のゲームのプレイ結果に基づいて制御する特別状態制御手段と、
を備えたゲームシステム。
【請求項2】
前記格付け制御手段は、前記特定範囲を上位階層と当該上位階層を細分した下位階層とに階層化してプレイヤの格付けを制御し、
前記特別状態制御手段は、前記上位階層が同一でかつ前記下位階層内で格付けが変化する間に、前記特別状態の発生及び消滅に関する制御を実行する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記特別状態制御手段は、前記上位階層に関して最上位に格付けされているプレイヤを対象として前記特別状態の発生及び消滅を制御する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記特別状態制御手段は、前記特別状態が発生していないプレイヤに対して、前記複数回のゲームの少なくとも一部を当該特別状態の発生に関する判断対象のゲームとして設定し、当該判断対象のゲームのプレイ結果に応じて当該特別状態を発生させるべきか否かを制御する請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記特別状態制御手段は、前記特別状態が発生したプレイヤに対して、前記複数回のゲームの少なくとも一部を当該特別状態の消滅に関する判断対象のゲームとして設定し、当該判断対象のゲームのプレイ結果に応じて当該特別状態を消滅させるべきか否かを制御する請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム制御手段は、複数のプレイヤ間で順位を競うゲームを進行させ、
前記特別状態制御手段は、前記ゲームのプレイ結果として、前記複数回のゲームのそれぞれにおける順位を考慮して前記特別状態の発生及び消滅を制御する請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記特別状態制御手段は、前記特別状態が発生したプレイヤと、当該特別状態が発生していないプレイヤとの間で、ゲームの演出を差別化する請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
ゲームシステムに設けられたコンピュータを、
所定の手順に従ってゲームを進行させるゲーム制御手段、
複数回のゲームのプレイ結果に基づいて、プレイヤの格付けを制御する格付け制御手段、及び、
前記格付け制御手段にて特定範囲に格付けられたプレイヤを対象として、前記複数回のゲームのプレイ結果と前記格付け制御手段による格付けとの関係には影響しない特別状態の発生及び消滅を、少なくとも一回のゲームのプレイ結果に基づいて制御する特別状態制御手段、
として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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