説明

ゲームシステム

【課題】プレイヤが、1回のゲームの途中で当該ゲームを続ける意欲を失うことを防止する。
【解決手段】本発明に係るゲームシステム100は、複数のゲーム装置40と、複数のゲーム装置40とネットワークを介して接続されるランキングサーバ10とを備える。各ゲーム装置40は、「イベントモード」でのゲームを実行するたびに、当該ゲーム装置40のプレイヤのレース車両が走行すべきコースとして、所定の複数のコースのうちの何れかを順番に繰り返し指定し、当該ゲームが終了した後に、当該ゲームの結果を含み、所定の複数のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータを生成する。所定の条件が成立した場合は、当該ゲームの終了後に生成したトライアルデータをランキングサーバ10へ送信する。ランキングサーバ10は、各ゲーム装置40からのトライアルデータに基づいて各プレイヤの順位付けを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどのネットワークを利用したゲームシステムが広く知られている。例えば特許文献1には、プレイヤの操作に応じて車両のオブジェクトをゲーム画面上で動作させるドライビングゲームを各々が実行可能な複数のゲーム装置と、各ゲーム装置とインターネットを介して接続されるサーバ装置とを備えるゲームシステムが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたゲームシステムでは、各ゲーム装置のプレイヤが、所定のコースをどれだけ短時間で完走できるかに挑戦する「イベントモード」でゲームを行うと、当該ゲームの終了後、そのゲーム結果(所定のコースを完走するのに要した時間を示すデータ)がサーバ装置へ送信される。そして、サーバ装置は、各ゲーム装置から受信したゲーム結果に基づいて、当該ゲーム装置でゲームを行ったプレイヤの順位付けを行うという具合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−157724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熟練したプレイヤが上記「イベントモード」でゲームを行う場合、自分の過去のレコードタイム(最高記録)を更新するためには、僅かなミスさえも許されない状況下でゲームを行うことになる。例えばスタート直後に僅かなミスを犯してしまい、その後、ゲームを続けてもレコードタイムを更新できないことが判明すると、その熟練したプレイヤは、当該ゲームを続ける意欲を失い、直ちにゲームを止めてしまう。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、プレイヤ(特に熟練したプレイヤ)が、1回のゲームの途中で当該ゲームを続ける意欲を失うことを防止可能なゲームシステムを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0007】
本発明に係るゲームシステム(100)は、複数のゲーム装置(40)と、前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続される第1サーバ装置(10)と、を備え、前記複数のゲーム装置の各々は、前記第1サーバ装置とネットワークを介して通信する第1通信手段(75)と、プレイヤによって操作される操作手段(45、46、47、48等)と、前記操作手段の操作に基づく操作情報に応じて、当該ゲーム装置のプレイヤが操作する車両をゲーム画面上で動作させるとともに、当該車両の動きに応じてゲームの状況を変化させるゲーム制御手段(77)と、を備え、前記ゲーム制御手段(77)は、所定のモードでのゲームを実行するたびに、当該ゲーム装置のプレイヤが操作する車両が当該ゲームにて走行すべきコースとして、所定の複数のコースのうちの何れかを順番に繰り返し指定し、当該ゲームが終了した後に、当該ゲームの結果を含み、前記所定の複数のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータを生成し、所定の条件が成立した場合は、当該ゲームの終了後に生成した前記トライアルデータを前記第1サーバ装置へ送信し、前記第1サーバ装置は、前記複数のゲーム装置とネットワークを介して通信する第2通信手段(12)と、各プレイヤの順位付けを決定するランキング決定手段(16)と、を備え、前記ランキング決定手段(16)は、前記各ゲーム装置から受信した前記トライアルデータに基づいて、各プレイヤの順位付けを決定することを特徴とする。
【0008】
本発明では、プレイヤが操作する車両が、所定の複数のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータに基づいて、当該プレイヤの順位が決定されるので、例えば、あるゲームで指定されたコースを完走するのに要した時間がプレイヤにとって納得のいかないものだったとしても、次回のゲームで指定された別のコースを完走するのに要した時間を十分に短縮することができれば、結果として、全コースを連続して完走するのに要した時間(トライアルデータ)がレコードタイムよりも短くなって、順位が上がることも有り得る。つまり、あるゲームの途中で僅かなミスを犯した場合であっても、次回のゲームで挽回できる可能性があるので、1回のゲームの途中で、プレイヤが当該ゲームを続ける意欲を失うことを防止できるという利点がある。
【0009】
本発明に係るゲームシステムの態様として、前記ゲーム制御手段(77)は、前記ゲームが終了した直後に生成した前記トライアルデータが、今までの前記トライアルデータの中で最短のデータとなった場合は、当該ゲームが終了した直後に生成した前記トライアルデータを前記第1サーバ装置(10)へ送信するとともに、順位付けを要求するランキング要求信号を前記第1サーバ装置へ送信する一方、最短のデータにはならなかった場合は、前記ランキング要求信号のみを前記第1サーバ装置へ送信し、前記第1サーバ装置は、プレイヤごとに前記トライアルデータを記憶する記憶部(14)をさらに備え、前記ランキング決定手段(16)は、前記ゲーム装置から前記トライアルデータおよび前記ランキング要求信号を受信した場合は、その受信した前記トライアルデータを前記記憶部に記録することで前記記憶部の内容を更新し、更新後の前記記憶部に記憶された各プレイヤの前記トライアルデータに基づいて、当該ゲーム装置のプレイヤの順位を決定する一方、前記ゲーム装置から前記ランキング要求信号のみを受信した場合は、前記記憶部の更新は行わずに、そのときの前記記憶部に記憶された各プレイヤの前記トライアルデータに基づいて、当該ゲーム装置のプレイヤの順位を決定する態様であってもよい。
【0010】
この態様では、ゲーム制御手段(77)は、1回のゲームが終了した直後に生成したトライアルデータが最短のデータであるときは、当該生成したトライアルデータおよびランキング要求信号の両方を第1サーバ装置へ送信する一方、当該生成したトライアルデータが最短のデータではないときは、当該生成したトライアルデータは第1サーバ装置へは送信せずに、ランキング要求信号のみを第1サーバ装置へ送信するので、ゲームが終了するたびに、当該ゲームが終了した直後に生成したトライアルデータを、第1サーバ装置へ送信する態様に比べて、ゲーム装置の処理負荷が軽減されるという利点がある。
【0011】
また、この態様では、第1サーバ装置(10)は、ゲーム装置から最短のトライアルデータを受け取ったことを契機として記憶部の更新処理を行うので、ゲームが終了するたびに、当該ゲームが終了した直後に生成されたトライアルデータを受け取って記憶部の更新処理を行う態様に比べて、サーバ装置の処理負荷が軽減されるという利点もある。
【0012】
本発明に係るゲームシステムの具体的な態様として、前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続される第2サーバ装置(20)と、前記第2サーバ装置と通信可能に接続されるとともに、前記トライアルデータを含むゲームデータをプレイヤごとに保存する第3サーバ装置(30)と、をさらに備え、前記複数のゲーム装置の各々は、前記第2サーバ装置と通信する第3通信手段(76)を備え、前記ゲーム制御手段は、前記ゲームを実行するときは、当該ゲーム装置のプレイヤに対応する前記ゲームデータを要求するリクエスト信号を前記第2サーバ装置へ送信し、要求した前記ゲームデータを前記第2サーバ装置から受信した後に前記ゲームを開始し、当該ゲームが終了すると、そのゲーム結果を前記第2サーバ装置へ送信し、前記第2サーバ装置は、前記複数のゲーム装置とネットワークを介して通信する第4通信手段(22)と、前記第3サーバ装置と通信する第5通信手段(24)と、前記第2サーバ装置を統括的に制御する制御部(26)と、を備え、前記制御部(26)は、前記ゲーム装置から前記リクエスト信号を受信したことを検知すると、その受信した前記リクエスト信号を前記第3サーバ装置へ転送し、当該リクエスト信号で要求されている前記ゲームデータを前記第3サーバ装置から受信したことを検知すると、その受信した前記ゲームデータを、前記リクエスト信号を送信してきた前記ゲーム装置へ送信する一方、前記ゲーム装置から前記ゲーム結果を受信したことを検知すると、その受信した前記ゲーム結果を前記第3サーバ装置へ転送し、前記第3サーバ装置は、前記第2サーバ装置と通信する第6通信手段(32)と、プレイヤごとに前記ゲームデータを保存するデータベース部(34)と、前記データベース部に保存された前記ゲームデータの読み出し及び更新を行うデータ管理部(36)と、を備え、前記データ管理部(36)は、前記第2サーバ装置から前記リクエスト信号を受信したことを検知すると、要求された前記ゲームデータを前記データベース部から読み出して、その読み出した前記ゲームデータを前記第2サーバ装置へ送信する一方、前記第2サーバ装置から前記ゲーム結果を受信したことを検知すると、その受信した前記ゲーム結果を前記データベース部へ記録して前記データベース部の内容を更新する態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】ゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【図3】ゲーム装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ランキングサーバの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】フロントサーバの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】データベースサーバの電気的構成を示すブロック図である。
【図7】ゲーム装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】報知画面の一例を示す図である。
【図9】レース中において、表示部に表示されるゲーム映像の一例を示す図である。
【図10】記憶部に保存されたタイムアタックレースの結果を模式的に示す図である。
【図11】トライアルデータ登録処理の具体的な内容を説明するためのフローチャートである。
【図12】ランキング処理の具体的な内容を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<A:実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ゲームシステム100は、複数の店舗(遊技施設)BLと、各店舗BLと通信可能なランキングサーバ10およびフロントサーバ20と、フロントサーバ20と通信可能なデータベースサーバ30とを含んで構成される。
【0015】
各店舗BLは、複数のゲーム装置40とルータ50とを備え、当該店舗BL内の各ゲーム装置40は、ルータ50を経由してWAN(Wide Area Network)と接続されている。WANとして、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を可能とするものが使用される。典型的には、インターネットが使用される。
また、ランキングサーバ10は、ルータ60を経由してWANと接続される。さらに、フロントサーバ20は、ルータ70を経由してWANと接続される。これにより、ネットワーク(WAN)上の各装置(ランキングサーバ10、フロントサーバ20、ゲーム装置40)同士は、ルータ(50、60、70)を介して相互に通信が可能となる。したがって、各ゲーム装置40は、ランキングサーバ10、フロントサーバ20、自店舗BL内の他のゲーム装置40、および、他店舗BL内の各ゲーム装置40と通信可能である。
なお、各サーバ(10,20,30)は機能上の区別であって、物理的には同じサーバ内に構築してもよい。
【0016】
ゲームシステム100で実現されるゲームは、各ゲーム装置40のプレイヤによる操作に応じて、当該プレイヤに割り当てられたオブジェクトが当該ゲーム装置40の画面上で動作することでゲームの状況が変化するタイプのゲームであり、具体的には、カーレースをテーマとしたゲームである。
【0017】
図2は、ある1つのゲーム装置40の外観を示す斜視図である。他のゲーム装置40も同様の構成である。図2に示すように、ゲーム装置40は、プレイヤが着席する座席部41と、座席部41の前方に配置された本体部42と、表示部43とを含んで構成される。
【0018】
座席部41の左側面には、支持台44が連結され、当該支持台44の上面には、シフトレバー45が操作可能に装着されている。本体部42には、操作用ハンドル46、アクセルペダル47、ブレーキペダル48の他、各種の操作用ボタン(不図示)やコイン投入口(不図示)が設けられている。本実施形態において、ゲーム装置40で展開されるゲームにプレイヤが参加するためには、当該ゲーム装置40のコイン投入口にコイン(硬貨)を投入することが要求される。本実施形態では、1枚のコインの消費と引き換えに(つまりは課金を条件に)、1回のゲームが開始される。なお、ゲームを開始するための課金の条件は任意であり、例えば2枚以上のコインの消費と引き換えに、1回のゲームが開始される態様であってもよい。
【0019】
表示部43は、ゲームの進行状況および結果などを表示する手段であり、その表示面が、座席部41に着席したプレイヤと向かい合うように、本体部42の上面に設けられている。表示部43は、例えば液晶表示装置で構成される。また、座席部41には、着席したプレイヤの頭部と、表示部43との間にレンズが位置するように設定された3Dメガネ36が、当該座席部41と一体に設けられている。座席部41に着席したプレイヤは、3Dメガネ36のレンズ越しに表示部43に表示された映像を見ることができ、右目に入射される映像と左目に入射される映像との視差によって、表示部43に表示された映像を立体的に認識できる。本実施形態では、プレイヤは、本体部42に設けられた操作用ボタン(不図示)を操作することで、2D表示と3D表示とを切り替えることができる。
【0020】
図3は、ゲーム装置40の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、ゲーム装置40は、表示部43と、操作情報生成部71と、受付部72と、コインセンサ73と、記憶部74と、第1通信部75と、第3通信部76と、制御装置77とを含んで構成される。
操作情報生成部71は、プレイヤによる操作の内容を特定する操作情報を生成する手段である。操作情報生成部71は、前述のシフトレバー45、操作用ハンドル46、アクセルペダル47、ブレーキペダル48(以上は図2参照)、各種の操作用ボタン(不図示)などのプレイヤによって操作される操作手段に接続される。例えばプレイヤが操作用ハンドル46を所定の方向に所定量だけ回転させる操作を行うと、操作情報生成部71は、その操作内容を特定する情報を操作情報として生成して制御装置77へ送信するといった具合である。
【0021】
受付部72は、プレイヤによるID入力を受け付けるとともに、その入力されたIDを制御装置77へ送信する手段である。本実施形態では、各プレイヤは、当該プレイヤを特定可能な情報であるIDが記録された可搬型の媒体を用いてゲームを行うことができる。ここでは、詳細な説明は省略するが、プレイヤは、所定の登録操作を行うことで、IDを取得する。そして、その取得したIDが、可搬型の媒体に書き込まれるといった具合である。本実施形態では、可搬型の媒体としてICカードが採用され、ICカードに記録されたプレイヤのIDを読み取る公知の読取器が受付部72として採用される。
コインセンサ73は、コイン投入口に投入されたコインを検出するための手段である。
【0022】
記憶部74は、各種のデータを記憶するための手段であり、書き換え可能なメモリで構成される。第1通信部75は、有線または無線の通信インターフェイスであり、制御装置77の制御の下、所定のプロトコルに従って、ランキングサーバ10との間で通信を行う手段である。また、第3通信部76は、有線または無線の通信インターフェイスであり、制御装置77の制御の下、所定のプロトコルに従って、フロントサーバ20との間で通信を行う手段である。制御装置77は、コンピュータであって、所定のプログラムに従って各種の制御処理を実行してゲーム装置全体を統括的に制御する。なお、制御装置77は、プログラムが記憶された不揮発性メモリ(ROMやフラッシュメモリ)、あるいはハードディスクなどを含んで構成される。
【0023】
図4は、ランキングサーバ10の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、ランキングサーバ10は、第2通信部12と、記憶部14と、制御装置16とを含んで構成される。第2通信部12は、有線または無線の通信インターフェイスであり、制御装置16の制御の下、所定のプロトコルに従って、ゲーム装置40との間で通信を行う手段である。記憶部14は、後述のトライアルデータをプレイヤごとに記憶する手段である。制御装置16は、コンピュータであって、各種の制御処理を実行してランキングサーバ全体を統括的に制御する。
【0024】
図5は、フロントサーバ20の電気的構成を示すブロック図である。図5に示すように、フロントサーバ20は、第4通信部22と、第5通信部24と、制御装置26とを含んで構成される。第4通信部22は、有線または無線の通信インターフェイスであり、制御装置26の制御の下、所定のプロトコルに従って、ゲーム装置40との間で通信を行う手段である。第5通信部24は、有線または無線の通信インターフェイスであり、制御装置26の制御の下、所定のプロトコルに従って、データベースサーバ30との間で通信を行う手段である。制御装置26は、コンピュータであって、各種の制御処理を実行してフロントサーバ全体を統括的に制御する。
【0025】
図6は、データベースサーバ30の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、データベースサーバ30は、第6通信部32と、データベース部34と、制御装置36とを含んで構成される。第6通信部32は、有線または無線の通信インターフェイスであり、制御装置36の制御の下、所定のプロトコルに従って、フロントサーバ20との間で通信を行う手段である。
データベース部34には、登録を行ったプレイヤごとに、対応するデータが記憶される。データベース部34に記憶されるデータとしては、例えばプレイヤのID、ID登録時に設定した認証用の暗証番号、プレイデータなどがある。プレイデータは、プレイヤが今までにプレイしたゲームの成績、プレイ回数、今までに取得したポイント数、プレイヤが所有しているレース車両の台数、種類および能力レベル値などを示す情報の集合である。本実施形態では、1回のゲームが終わるたびに、その結果に応じた値のポイントがプレイヤに付与される。プレイヤが所有するレース車両の能力レベル値は、当該レース車両で一度もゲームを行っていない初期の状態では所定の値に設定され、プレイを重ねて獲得したポイントの累積値に応じて増大していく。そして、レース車両の能力レベル値が高いほど、ゲームにおいて有利になるという具合である。
制御装置36は、コンピュータであって、各種の制御処理を実行してデータベースサーバ全体を統括的に制御する。
【0026】
次に、プレイヤが、自分のIDが記録されたICカードを用いてカーレースゲームを実行するための手順について説明する。まず、プレイヤは、自分がゲームを行おうとしているゲーム装置40のコイン投入口にコインを投入し、ICカードを受付部72にかざしてIDを入力する。制御装置77は、コイン投入口にコインが投入されたことを示すコイン検出信号をコインセンサ73から受信し、かつ、入力されたIDを受付部72から受信すると、暗証番号の入力を促す画面を表示するように表示部43を制御する。これを見て、プレイヤは、ゲーム装置40の本体部42に設けられた操作ボタン(不図示)を操作することで、ID登録時に予め設定した認証用の暗証番号を入力する。このとき、操作情報生成部71は、プレイヤが入力した暗証番号を示す操作情報を生成して制御装置77へ送信するという具合である。
【0027】
制御装置77は、プレイヤにより入力された暗証番号を認識すると、フロントサーバ20に対して、入力されたIDに対応する正規の暗証番号を要求することを示す暗証番号要求信号を送信するように制御する。当該暗証番号要求信号を受信したフロントサーバ20の制御装置16は、データベースサーバ30に対して、当該暗証番号要求信号を転送する。当該暗証番号要求信号を受信したデータベースサーバ30の制御装置26は、当該IDに対応する正規の暗証番号をデータベース部34から読み出し、その読み出した正規の暗証番号をフロントサーバ20へ送信するように制御する。フロントサーバ20の制御装置16は、データベースサーバ30から正規の暗証番号を受信すると、暗証番号を要求してきたゲーム装置40への応答として、その受信した正規の暗証番号を送信するように制御する。
【0028】
制御装置77は、フロントサーバ20から正規の暗証番号を受信すると、その受信した正規の暗証番号と、プレイヤにより入力された暗証番号が一致しているか否かを判定する。制御装置77は、プレイヤにより入力された暗証番号が正規の暗証番号と一致すれば、正当なプレイヤであることを認証する。
【0029】
制御装置77は、正当なプレイヤであることを認証すると、フロントサーバ20に対して、当該プレイヤのIDに対応するプレイデータを要求することを示すプレイデータ要求信号を送信するように制御する。当該プレイデータ要求信号を受信したフロントサーバ20の制御装置16は、データベースサーバ30に対して、当該プレイデータ要求信号を転送する。当該プレイデータ要求信号を受信したデータベースサーバ30の制御装置26は、当該プレイヤのIDに対応するプレイデータをデータベース部34から読み出し、その読み出したプレイデータをフロントサーバ20へ送信するように制御する。フロントサーバ20の制御装置16は、当該プレイヤのIDに対応するプレイデータをデータベースサーバ30から受信すると、プレイデータ要求信号を送信してきたゲーム装置40への応答として、その受信したプレイデータを送信するように制御する。ゲーム装置40の制御装置77は、フロントサーバ20からプレイデータを受信すると、その受信したプレイデータを、入力されたプレイヤのIDと対応付けて記憶部74に保存するという具合である。
【0030】
プレイヤの認証と、プレイデータの読み出しが終わると、制御装置77は、ゲームのモードを選択することを促す画面を表示するように表示部43を制御する。本実施形態では、「1位でゴール」「レース中に20台を抜く」などといった様々なミッションに挑戦する「チャレンジモード」、同じ店舗BL内の2以上のプレイヤ同士が対戦する「店内対戦モード」、全店舗BL内のプレイヤのうちレベルが比較的近いプレイヤ同士が1対1で対戦する「全国対戦モード」、プレイヤが選択した1つのコースを走行してタイムを競い、そのコースごとにランキング表示される「タイムアタックモード」、および、指定された複数コースをどれだけ短時間で完走できるかに挑戦する態様のレース(「タイムアタックレース」と呼ぶ)を行う「イベントモード」の5つのモードのうちの何れかを選択することを促す画面が表示部43に表示される。なお、本実施形態では、「イベントモード」は、所定のイベント(「タイムアタックイベント」と呼ぶ)が開催される時期においてのみ選択可能となる。表示部43の表示画面を見て、プレイヤは、本体部42に設けられた操作用ハンドル46を操作することで、何れかひとつのモードを選択する。このとき、操作情報生成部71は、プレイヤの操作内容を特定する操作情報(ここではプレイヤがどのモードを選択したのかを示す情報)を生成して制御装置77へ送信するという具合である。そして、制御装置77は、プレイヤが選択したモードに応じて、ゲームの進行を制御する。
【0031】
ここでは、「イベントモード」が選択された場合を想定して、ゲーム装置40の動作を説明する。図7は、「イベントモード」が選択されたときのゲーム装置40の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図7を参照しながら、具体的に説明する。最初のステップS101では、制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤが「イベントモード」を選択したことを検知すると、当該プレイヤのレース車両が今回のタイムアタックレースで走行すべきコースとして、所定の複数のコースのうちの何れかを指定する。本実施形態では、タイムアタックレースで使われるコースとして、予め3種類のコース(それぞれを「第1のコース」、「第2のコース」、「第3のコース」と呼ぶ)が用意されており、制御装置77は、タイムアタックレースを実行するたびに、当該ゲーム装置40のプレイヤのレース車両が走行すべきコースとして、3種類のコースのうちの何れかを順番に繰り返し指定する。より具体的には、制御装置77は、プレイヤが1回目のタイムアタックレースを行うときは第1のコースを指定し、当該プレイヤが2回目のタイムアタックレースを行うときは第2のコースを指定し、当該プレイヤが3回目のタイムアタックレースを行うときは第3のコースを指定する。そして、制御装置77は、当該プレイヤが4回目以降のタイムアタックレースを行うときは再び第1のコースから順番に指定していくという具合である。
【0032】
制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤのレース車両が今回のゲームで走行すべきコースを指定した後、それを当該プレイヤに知らせる報知画面を表示するように表示部43を制御する。図8は、表示部43に表示される報知画面の一例であり、指定したコースの他、タイムアタックイベントのルール説明も表示される。図8に示すように、予め用意された3種類のコース(指定コース)の各々は、コースを示す情報と、進行方向を示す情報と、路面状態を示す情報とを含んで構成される。例えば3種類のコースのうちの1つである「サーキット/順走/ドライ」に着目すると、「サーキット」はコースを示す情報であり、「順走」は進行方向を示す情報であり、「ドライ」は路面状態を示す情報である。ここでは、「サーキット/順走/ドライ」が第1のコース、「首都高/逆走/ウェット」が第2のコース、「市街地/順走/ドライ」が第3のコースにそれぞれ対応する。図8の態様では、今回のタイムアタックレースで走行すべきコースとして第1のコース(「サーキット/順走/ドライ」)が指定されている。
また、本実施形態では、連続する3種類のコース(第1のコース、第2のコース、第3のコース)の合計タイムに基づいて、プレイヤの順位付けが行われる。さらに、イベントの結果により特別なボーナス(勲章ボーナス)が付与され、イベント参加回数により専用チャレンジが解禁されるが、ここでは詳細な説明を省略する。なお、プレイヤは、アクセルペダル47を操作することで、報知画面をスキップすることもできる。
【0033】
ステップS101の後、制御装置77は、次のステップS102に進み、記憶部74に保存されたプレイデータを参照しながら、当該ゲーム装置40のプレイヤに対して、今回のタイムアタックレースで使用するレース車両を選択することを促す車セレクト画面を表示するように表示部43を制御する。本実施形態では、ID登録を行ったプレイヤが、最初にゲームを行う場合(過去のプレイ回数が0回の場合)は、19種類のレース車両の中から、自分の好きなレース車両を選択することを促す画面が車セレクト画面として表示される。一方、過去のプレイ回数が1回以上の場合は、最初に自分が選択したレース車両やゲーム中に新しく手に入れたレース車両の中から何れかを選択することを促す画面が車セレクト画面として表示されるといった具合である。車セレクト画面を見て、プレイヤは、本体部42に設けられた操作用ボタン(不図示)を操作することで、今回のタイムアタックレースで使用するレース車両を選択する。このとき、操作情報生成部71は、プレイヤの操作内容を特定する操作情報(ここではプレイヤが選択したレース車両を示す情報)を生成して制御装置77へ送信するという具合である。制御装置77は、受信した操作情報に基づいて、今回のタイムアタックレースでプレイヤが使用するレース車両を決定し、次のステップS103へ進む。
【0034】
ステップS103では、制御装置77は、ミッションモードとして、オートマチックモード(AT)およびマニュアルモード(MT)のうちの何れかを選択することを促すAT/MT選択画面を表示するように表示部43を制御する。AT/MT選択画面を見て、当該ゲーム装置40のプレイヤは、本体部42に設けられた操作用ボタン(不図示)を操作することで、オートマチックモード(AT)およびマニュアルモード(MT)のうちの何れかを選択する。このとき、操作情報生成部71は、プレイヤの操作内容を特定する操作情報(プレイヤが選択したミッションモードを示す情報)を生成して制御装置77へ送信するという具合である。制御装置77は、受信した操作情報に基づいて、今回のタイムアタックレースでプレイヤが使用するレース車両のミッションモードを決定し、次のステップS104へ進む。
【0035】
ステップS104では、制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤに対して、自分が選択したレース車両の能力レベル値を所定の複数のパラメータ(項目)に割り振ることで当該レース車両の仕様を調整するセッティングを行うことを促すセッティング画面を表示するように表示部43を制御する。本実施形態では、グリップとパワーの2種類のパラメータが採用されているが、これに限らず、パラメータの種類や数は任意である。レース車両の能力レベル値を、グリップよりもパワーに多く配分した場合は、パワーに重点を置いた仕様となる。例えば能力レベル値が50であって、そのうちの30をパワーに割り振り、残りの20をグリップに割り振るような場合である。また、レース車両の能力レベル値を、パワーよりもグリップに多く配分した場合は、カーブでのコーナリングの安定性に重点を置いた仕様になる。例えば能力レベル値が50であって、そのうちの20をパワーに割り振り、残りの30をグリップに割り振るような場合である。
【0036】
ただし、能力レベル値の割り振りが極端に偏ることを防止するために、本実施形態では、一方のみ(例えばパワーのみ)に割り振られる量が所定量(ここでは「5」)を超えると、そのパラメータへの能力レベル値の割り振りが一時的に禁止され、他方のパラメータ(グリップ)への能力レベル値の割り振りのみが許容される。その後、他方のパラメータ(グリップ)に割り振られる量が所定量(ここでは「5」)に到達すると、それまで能力レベル値の割り振りが禁止されていた一方のパラメータ(パワー)への能力レベル値の割り振りが再び許容されるように設定されている。セッティング画面を見て、当該ゲーム装置40のプレイヤは、本体部42に設けられた操作用ボタン(不図示)を操作することで、自分の選んだレース車両のセッティングを行う。このとき、操作情報生成部71は、プレイヤの操作内容を特定した操作情報(ここではプレイヤが行ったセッティングの内容を示す情報)を生成して制御装置77へ送信するという具合である。制御装置77は、受信した操作情報に基づいて、今回のタイムアタックレースでプレイヤが使用するレース車両の仕様を決定する。
【0037】
ステップS104の後、制御装置77は、タイムアタックレースを開始するように制御する(ステップS105)。制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤの操作情報に基づいて、当該プレイヤのレース車両をゲーム画面上で動作させるとともに、当該レース車両の動きに応じてゲームの状況を変化させるように制御する。図9は、レース中において、表示部43に表示されるゲーム映像の一例を示す図である。図9に示すように、表示部43には、ゲーム装置40のプレイヤによって操作されるオブジェクトであるレース車両の映像101が、コース映像102と重ね合わされて表示される。コース映像102は、プレイヤが選択したレース車両の映像101を基準として一定範囲が描画されるように制御される。また、その描画範囲に含まれる他のレース車両の映像もコース映像102内に表示され得る。なお、カーレースゲームにおけるレース車両の制御は、周知のカーレースゲームと同様である。
【0038】
図9に示すように、コース映像102には、タコメータ(回転速度計)103、スピードメータ104、ダメージメータ105、位置関係表示用オブジェクト106などが適宜に表示される。ダメージメータ105は、当該ゲーム装置40のプレイヤのレース車両が、他のレース車両やコースの外壁などに衝突することで受けたダメージの程度を示すダメージデータを示すものである。制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤが操作するレース車両の走行中に当該レース車両が受けたダメージの程度を示すダメージデータを管理し、そのダメージデータが基準値を超えると、ダメージメータ105の表示が上限値を超えるように表示部43を制御するとともに、レース車両がクラッシュする映像を表示するように表示部43を制御する。レース車両がクラッシュすると、当該レース車両は、クラッシュ映像が表示されている期間、走行不能となる。
【0039】
タイムアタックレースが終了すると(図7のステップS106の結果が肯定の場合)、制御装置77は、記憶部74に保存したプレイデータを参照しながら、当該ゲーム装置40のプレイヤが行ったタイムアタックレースの回数が、今回のタイムアタックレースを含めて3回以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
【0040】
ステップS107の結果が肯定の場合、制御装置77は、今回のタイムアタックレースの結果を含み、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータを生成する(ステップS108)。より具体的には以下のとおりである。いま、プレイヤが、3回目のタイムアタックレースを終えた場面を想定する。制御装置77は、3回目のタイムアタックレースが終了すると、当該3回目のタイムアタックレースの結果と、記憶部74に保存されている1回目および2回目の各々のタイムアタックレースの結果とを合計することでトライアルデータを生成する。前述したように、1回目のタイムアタックレースでは第1のコースが指定され、2回目のタイムアタックレースでは第2のコースが指定され、3回目のタイムアタックレースでは第3のコースが指定される。したがって、第1のタイムアタックレースの結果とは第1のコースを完走するのに要した時間を示すデータであり、第2のタイムアタックレースの結果とは第2のコースを完走するのに要した時間を示すデータであり、第3のタイムアタックレースの結果とは第3のコースを完走するのに要した時間を示すデータである。したがって、これらのデータの合計は、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すデータになるという具合である。
【0041】
また、例えばプレイヤが、4回目のタイムアタックレースを終えた場合は、制御装置77は、当該4回目のタイムアタックレースの結果と、記憶部74に保存されている前回(3回目)および前々回(2回目)のタイムアタックレースの結果とを合計することでトライアルデータを生成する。前述したように、4回目のタイムアタックレースでは再び第1のコースが指定されるので、4回目のタイムアタックレースの結果とは、第1のコースを完走するのに要した時間を示すデータである。前回(3回目)のタイムアタックレースの結果は、第3のコースを完走するのに要した時間を示すデータであり、前々回(2回目)のタイムアタックレースの結果は、第2のコースを完走するのに要した時間を示すデータであるので、4回目、3回目および2回目の各々のタイムアタックレースの結果の合計は、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すデータになる。5回目以降のタイムアタックレースが終了した場合についても同様であり、タイムアタックレースが終了するたびに、当該終了したタイムアタックレースの結果を含み、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータが生成されるという具合である。
【0042】
一方、ステップS107の結果が否定の場合、つまりは、当該ゲーム装置40のプレイヤが行ったタイムアタックレースの回数が、今回のタイムアタックレースを含めて3回未満(1回または2回)であった場合は、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を算出することは不可能(トライアルデータを生成することは不可能)なので、後述のステップS113へ進む。
【0043】
上記ステップS108の後、制御装置77は、今回のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが、今までのトライアルデータの中で最短のデータであるか否かを判定する(ステップS109)。より具体的には以下のとおりである。いま、プレイヤが、4回目のタイムアタックレースを終えた場面を想定する。制御装置77は、4回目のタイムアタックレースが終了すると、当該終了したタイムアタックレースの結果を記憶部74へ書き込むとともに、記憶部74に保存されたタイムアタックレースの結果に基づいて、当該終了したタイムアタックレースの結果を含み、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータを生成する。
【0044】
図10は、記憶部74に保存されたタイムアタックレースの結果を模式的に示す図である。図10においては、説明の便宜上、1回目のタイムアタックレースの結果を示すデータ(第1のコースを完走するのに要した時間を示すデータ)を(1)、2回目のタイムアタックレースの結果を示すデータ(第2のコースを完走するのに要した時間を示すデータ)を(2)、3回目のタイムアタックレースの結果を示すデータ(第3のコースを完走するのに要した時間を示すデータ)を(3)、4回目のタイムアタックレースの結果を示すデータ(第1のコースを完走するのに要した時間を示すデータ)を(4)とそれぞれ表記する。
【0045】
図10からも理解されるように、4回目のタイムアタックレースが終了した直後において生成されるトライアルデータは、(4)と(3)と(2)との合計である。図10の態様では、制御装置77は、4回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータ((4)+(3)+(2))と、3回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータ((1)+(2)+(3))とを比較する。そして、制御装置77は、4回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが、3回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータよりも短い時間を示すものであった場合は、4回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが最短のデータであると判定する。一方、4回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが、3回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータよりも長い時間を示すものであった場合は、4回目のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータは最短のデータではないと判定するという具合である。
【0046】
上記ステップS109の結果が肯定の場合、つまり、今回のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが最短のデータであると判定した場合、制御装置77は、当該生成したトライアルデータと、当該ゲーム装置40のプレイヤの順位付けを要求するランキング要求信号とをランキングサーバ10へ送信する(ステップS110)。一方、上記ステップS109の結果が否定の場合、つまり、今回のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが最短のデータではないと判定した場合、制御装置77は、当該生成したトライアルデータをランキングサーバ10へ送信することはせずに、ランキング要求信号のみをランキングサーバ10へ送信する(ステップS111)。
【0047】
ランキングサーバ10は、各ゲーム装置40からトライアルデータを受信すると、受信したトライアルデータを記憶部14に登録するトライアルデータ登録処理を実行する。図11は、ランキングサーバ10が実行するトライアルデータ登録処理の内容を示すフローチャートである。以下、図11を参照しながら、トライアルデータ登録処理の具体的な内容を説明する。
【0048】
図11に示すように、ランキングサーバ10の制御装置16は、まずトライアルデータを受信したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の結果が肯定の場合、制御装置16は、受信したトライアルデータを記憶部14に記録することで記憶部14の内容を更新する(ステップS202)。より具体的には、制御装置16は、記憶部14に記憶された各プレイヤのトライアルデータのうち、トライアルデータを送信してきたゲーム装置40のプレイヤに対応するトライアルデータを、受信したトライアルデータに更新する。つまり、記憶部14には、各プレイヤの最短のトライアルデータが記憶されるという具合である。以上で、1回のトライアルデータ登録処理が終了する。上述したトライアルデータ登録処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0049】
また、ランキングサーバ10は、各ゲーム装置40からランキング要求信号を受信すると、当該ランキング要求信号を送信してきたゲーム装置40のプレイヤの順位付けを決定するランキング処理を実行する。図12は、ランキングサーバ10が実行するランキング処理の内容を示すフローチャートである。以下、図12を参照しながら、ランキング処理の具体的な内容を説明する。
【0050】
図12に示すように、ランキングサーバ10の制御装置16は、まずランキング要求信号をゲーム装置40から受信したか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の結果が肯定の場合、制御装置16は、記憶部14に記憶された各プレイヤのトライアルデータに基づいて、ランキング要求信号の両方を送信してきたゲーム装置40のプレイヤの順位を決定する(ステップS302)。トライアルデータが示す時間(3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間)が短いほど、当該プレイヤの順位は上位になるという具合である。
【0051】
上記ステップS302の後、制御装置16は、ステップS302で決定したプレイヤの順位を示す情報(「ランキング結果」と呼ぶ)を、ランキング要求信号を送信してきたゲーム装置40へ送信する(ステップS303)。以上で、1回のランキング処理が終了する。上述したランキング処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0052】
再び、図7に戻って、ゲーム装置40の具体的な動作を説明する。ゲーム装置40の制御装置77は、前述のステップS110でトライアルデータおよびランキング要求信号の両方をランキングサーバ10へ送信した後、あるいは、前述のステップS111でランキング要求信号のみをランキングサーバ10へ送信した後、ランキングサーバ10からランキング結果を受信したか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112の結果が肯定の場合、つまり、ランキングサーバ10からランキング結果を受信した場合は、制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤの順位、付与されるべきポイント数、タイムアタックレース終了時点でのレース車両の能力レベル値などを表示するように表示部43を制御する(ステップS113)。また、制御装置77は、ゲームの結果を当該ゲーム装置40のプレイヤのIDとともにフロントサーバ20へ送信する。フロントサーバ20の制御装置26は、ゲーム装置40から受信したIDとゲーム結果をデータベースサーバ30へ送信するように制御する。そして、データベースサーバ30の制御部36は、フロントサーバ20から受信したIDとゲーム結果とをデータベース部34に記録するように制御する。これにより、データベース部34のデータが更新されていくという具合である。
【0053】
ステップS113の後、制御装置77は、当該ゲーム装置40のプレイヤにゲームの継続を希望するか否かを問い合わせる(ステップS114)。より具体的には、制御装置77は、ゲームの継続を希望する場合は所定期間内(例えば10秒以内)に所定枚数のコインを投入することを促す画面を表示するように、表示部43を制御する。これを見て、プレイヤは、自分の意思に応じた操作を行うという具合である。例えばゲームの継続を希望する場合は、プレイヤは、コイン投入口に1枚のコインを投入する。制御装置77は、所定期間内に、コイン投入口に1枚のコインが投入されたことを示すコイン検出信号をコインセンサから受信すると、プレイヤがゲームの継続を希望したことを検知する。
【0054】
ステップS114の結果が否定の場合、つまり、プレイヤがゲームの継続を希望しなかった場合は、そのままゲーム終了となる。一方、ステップS114の結果が肯定の場合、つまり、プレイヤがゲームの継続を希望した場合は、制御装置77は、再び「イベントモード」でゲームを実行するように制御する。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態では、プレイヤが操作するレース車両が、3種類のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータに基づいて、当該プレイヤの順位が決定されるので、例えば、1回のゲーム(タイムアタックレース)で指定されたコースを完走するのに要した時間がプレイヤにとって納得のいかないものだったとしても、次回のゲームで指定された別のコースを完走するのに要した時間を十分に短縮することができれば、結果として、全コースを連続して完走するのに要した時間(トライアルデータ)が過去のレコードタイムよりも短くなって、順位が上がることも有り得る。つまり、あるゲームの途中で僅かなミスを犯した場合であっても、次回のゲームで挽回できる可能性があるので、1回のゲームの途中で、プレイヤが当該ゲームを続ける意欲を失うことを防止できるという利点がある。
【0056】
また、本実施形態では、ゲーム装置40の制御装置77は、1回のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが最短のデータであるときは、当該生成したトライアルデータおよびランキング要求信号の両方をランキングサーバ10へ送信する一方、当該生成したトライアルデータが最短のデータではないときは、当該生成したトライアルデータはランキングサーバ10へは送信せずに、ランキング要求信号のみをランキングサーバ10へ送信するので、タイムアタックレースが終了するたびに、当該タイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータを、ランキングサーバ10へ送信する態様に比べて、ゲーム装置40の処理負荷が軽減されるという利点がある。
【0057】
さらに、本実施形態では、ランキングサーバ10は、ゲーム装置40から最短のトライアルデータを受け取ったことを契機として記憶部14の更新処理を行うので、タイムアタックレースが終了するたびに、当該タイムアタックレースが終了した直後に生成されるトライアルデータを受け取って記憶部14の更新処理を行う態様に比べて、ランキングサーバ10の処理負荷が軽減されるという利点もある。
【0058】
<B:変形例>
以上の実施形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
【0059】
(1)変形例1
上述の実施形態では、3種類のコースを連続して完走するのに要した時間を示すデータをトライアルデータとして採用しているが、これに限らず、例えば2種類または4種類以上のコースを連続して完走するのに要した時間を示すデータをトライアルデータとして採用することもできる。要するに、上述のトライアルデータは、所定の複数のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すデータであればよく、コースの種類および数は任意に設定可能である。
【0060】
(2)変形例2
上述の実施形態では、ゲーム装置40の制御装置77は、1回のタイムアタックレースが終了した直後に生成したトライアルデータが最短のデータであるときは、当該生成したトライアルデータをランキングサーバ10へ送信する一方、当該生成したトライアルデータが最短のデータではないときは、当該生成したトライアルデータはランキングサーバ10へは送信しないが、これに限らず、例えば制御装置77は、タイムアタックレースが終了するたびに、当該タイムアタックレースの終了直後に生成するトライアルデータをランキングサーバ10へ送信する態様(変形例2の態様)であってもよい。ただし、上述の実施形態によれば、上記変形例2の態様に比べてゲーム装置40の処理負荷が軽減されるという利点がある。
【0061】
(3)変形例3
上述の実施形態では、ランキングサーバ10は、ゲーム装置40から最短のトライアルデータを受け取ったことを契機として記憶部14の更新処理を行っているが、これに限らず、例えばランキングサーバ10は、タイムアタックレースが終了するたびに、当該タイムアタックレースが終了した直後に生成されたトライアルデータを受け取って記憶部14の更新処理を行う態様(変形例3の態様)であってもよい。ただし、上述の実施形態によれば、上記変形例3の態様に比べてランキングサーバ10の処理負荷が軽減されるという利点がある。
【符号の説明】
【0062】
10……ランキングサーバ、12……第2通信部、14……記憶部、16……制御装置、20……フロントサーバ、22……第4通信部、24……第5通信部、26……制御装置、30……データベースサーバ、32……第6通信部、34……データベース部、36……制御装置、40……ゲーム装置、41……座席部、42……本体部、43……表示部、44……支持台、45……シフトレバー、46……操作用ハンドル、47……アクセルペダル、48……ブレーキペダル、49……3Dメガネ、50,60,70……ルータ、71……
操作情報生成部、72……受付部、73……コインセンサ、74……記憶部、75……第1通信部、76……第3通信部、77……制御装置、100……ゲームシステム、101……レース車両の映像、102……コース映像、103……タコメータ、104……スピードメータ、105……ダメージメータ、106a……第1オブジェクト、106b……第2オブジェクト。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム装置と、
前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続される第1サーバ装置と、を備え、
前記複数のゲーム装置の各々は、
前記第1サーバ装置とネットワークを介して通信する第1通信手段と、
プレイヤによって操作される操作手段と、
前記操作手段の操作に基づく操作情報に応じて、当該ゲーム装置のプレイヤが操作する車両をゲーム画面上で動作させるとともに、当該車両の動きに応じてゲームの状況を変化させるゲーム制御手段と、を備え、
前記ゲーム制御手段は、
所定のモードでのゲームを実行するたびに、当該ゲーム装置のプレイヤが操作する車両が当該ゲームにて走行すべきコースとして、所定の複数のコースのうちの何れかを順番に繰り返し指定し、当該ゲームが終了した後に、当該ゲームの結果を含み、前記所定の複数のコースを連続して走り終えるのに要した時間を示すトライアルデータを生成し、所定の条件が成立した場合は、当該ゲームの終了後に生成した前記トライアルデータを前記第1サーバ装置へ送信し、
前記第1サーバ装置は、
前記複数のゲーム装置とネットワークを介して通信する第2通信手段と、
各プレイヤの順位付けを決定するランキング決定手段と、を備え、
前記ランキング決定手段は、
前記各ゲーム装置から受信した前記トライアルデータに基づいて、各プレイヤの順位付けを決定する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム制御手段は、
前記ゲームが終了した直後に生成した前記トライアルデータが、今までの前記トライアルデータの中で最短のデータとなった場合は、当該ゲームが終了した直後に生成した前記トライアルデータを前記第1サーバ装置へ送信するとともに、順位付けを要求するランキング要求信号を前記第1サーバ装置へ送信する一方、最短のデータにはならなかった場合は、前記ランキング要求信号のみを前記第1サーバ装置へ送信し、
前記第1サーバ装置は、
プレイヤごとに前記トライアルデータを記憶する記憶部をさらに備え、
前記ランキング決定手段は、
前記ゲーム装置から前記トライアルデータおよび前記ランキング要求信号を受信した場合は、その受信した前記トライアルデータを前記記憶部に記録することで前記記憶部の内容を更新し、更新後の前記記憶部に記憶された各プレイヤの前記トライアルデータに基づいて、当該ゲーム装置のプレイヤの順位を決定する一方、
前記ゲーム装置から前記ランキング要求信号のみを受信した場合は、前記記憶部の更新は行わずに、そのときの前記記憶部に記憶された各プレイヤの前記トライアルデータに基づいて、当該ゲーム装置のプレイヤの順位を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続される第2サーバ装置と、
前記第2サーバ装置と通信可能に接続されるとともに、前記トライアルデータを含むゲームデータをプレイヤごとに保存する第3サーバ装置と、をさらに備え、
前記複数のゲーム装置の各々は、
前記第2サーバ装置と通信する第3通信手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、
前記ゲームを実行するときは、当該ゲーム装置のプレイヤに対応する前記ゲームデータを要求するリクエスト信号を前記第2サーバ装置へ送信し、要求した前記ゲームデータを前記第2サーバ装置から受信した後に前記ゲームを開始し、当該ゲームが終了すると、そのゲーム結果を前記第2サーバ装置へ送信し、
前記第2サーバ装置は、
前記複数のゲーム装置とネットワークを介して通信する第4通信手段と、
前記第3サーバ装置と通信する第5通信手段と、
前記第2サーバ装置を統括的に制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ゲーム装置から前記リクエスト信号を受信したことを検知すると、その受信した前記リクエスト信号を前記第3サーバ装置へ転送し、当該リクエスト信号で要求されている前記ゲームデータを前記第3サーバ装置から受信したことを検知すると、その受信した前記ゲームデータを、前記リクエスト信号を送信してきた前記ゲーム装置へ送信する一方、
前記ゲーム装置から前記ゲーム結果を受信したことを検知すると、その受信した前記ゲーム結果を前記第3サーバ装置へ転送し、
前記第3サーバ装置は、
前記第2サーバ装置と通信する第6通信手段と、
プレイヤごとに前記ゲームデータを保存するデータベース部と、
前記データベース部に保存された前記ゲームデータの読み出し及び更新を行うデータ管理部と、を備え、
前記データ管理部は、
前記第2サーバ装置から前記リクエスト信号を受信したことを検知すると、要求された前記ゲームデータを前記データベース部から読み出して、その読み出した前記ゲームデータを前記第2サーバ装置へ送信する一方、前記第2サーバ装置から前記ゲーム結果を受信したことを検知すると、その受信した前記ゲーム結果を前記データベース部へ記録して前記データベース部の内容を更新する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−90720(P2012−90720A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239644(P2010−239644)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】