説明

ゲームシステム

【課題】ゲームの進行に応じて協力関係にあるプレイヤの構成を機動的に変更できるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムは,複数の端末装置に対して提供される所定のゲームを実行するためのゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶部51と,前記ゲームの複数のプレイヤの各々を識別するプレイヤ識別情報を当該複数のプレイヤの各々が所属するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶するグループ情報管理部52と,前記複数のプレイヤの各々について前記ゲームのプレイ履歴を記憶するプレイ履歴記憶部53と,前記複数のプレイヤに含まれる第1プレイヤの前記プレイ履歴に少なくとも部分的に基づいて前記グループ情報管理部における当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更するグループ情報更新部56と,を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介してオンラインゲーム用のサーバ装置へアクセスし,複数のプレイヤ間でゲーム進行を共有することができるいわゆるオンラインゲームが知られている。オンラインゲームのプレイヤは,端末装置を用いてオンラインゲーム用のサーバ装置へアクセスすることで,他のプレイヤと協力してゲームを進行させることができる。例えば,同一グループに所属する複数のプレイヤは,互いに協力してゲームで設定されたミッションの攻略を目指したり,相手チームと対戦したりする。
【0003】
このようなオンラインゲームの開示例がある。例えば,特開2011-36712号公報には,プレイヤを複数のチームのいずれかに所属させ,同じチームに所属するプレイヤ同士が協力して他のチームと対戦するオンラインゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-36712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のオンラインゲームにおいては,グループのメンバ構成が硬直的になる傾向がある。例えば,特許文献1のオンラインゲームにおいては,一旦チーム編成を行った後は,相手チームとの対戦を終えるまでチームのメンバが固定されている。
【0006】
一方,グループの管理者が当該グループの構成プレイヤを変更する開示例がある。例えば,特開2002-292144号公報には,グループに所属するプレイヤの中から選定された管理者が特定のプレイヤについて脱退要求を行うことで,その特定のプレイヤをグループから脱退させることができる。しかしながら,他のプレイヤを脱退させるための操作は煩雑である。また,他のプレイヤの脱退要求を行うことは,その要求を行うプレイヤにとって心理的な抵抗が大きい。
【0007】
このように,従来のオンラインゲームにおいては,グループに所属するプレイヤの構成が硬直的になりやすい。そこで,本発明の実際形態によって,ゲームの進行に応じて協力関係にあるプレイヤの構成を機動的に変更できるゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態におけるゲームシステムは,複数の端末装置に対して提供される所定のゲームを実行するためのゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶部と,前記ゲームの複数のプレイヤの各々を識別するプレイヤ識別情報を,当該複数のプレイヤの各々が所属するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶するグループ情報管理部と,前記複数のプレイヤの各々について前記ゲームのプレイ履歴を記憶するプレイ履歴記憶部と,前記複数のプレイヤに含まれる第1プレイヤの前記プレイ履歴に少なくとも部分的に基づいて,前記グループ情報管理部における当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更するグループ情報更新部と,を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態により,ゲームの進行に応じて協力関係にあるプレイヤの構成を機動的に変更できるゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態におけるゲームシステムのアーキテクチャを概略的に示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態におけるゲームシステムの機能を概略的に示すブロック図
【図3】本発明の一実施形態に従ってプレイ履歴情報テーブルの構成例を示す図
【図4】プレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けの変更を示す概略図
【図5】本発明の一実施形態に従ってプレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けを管理するグループ識別情報管理テーブルの構成例
【図6】グループ同士の結合を模式的に説明する概略図
【図7】本発明の一実施形態に従ってプレイヤ識別情報,グループ識別情報,及びメタグループ識別情報を管理するメタグループ識別情報管理テーブルの構成例
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下,適宜図面を参照し,本発明の様々な実施形態を説明する。図1は,本発明の一実施形態におけるゲームシステムのアーキテクチャを概略的に示すブロック図である。図1に示すように,本開示の一実施形態において,オンラインゲーム用サーバ装置10(以下,単に「サーバ装置10」ということがある。)は,インターネット等の通信網20を介して,通信機能を備える複数の端末装置30-1,30-2,・・・,30-N(以下,「端末装置30」と総称することがある)と通信可能に接続されている。
【0012】
サーバ装置10は,図示のとおり,CPU11と,メインメモリと,ユーザI/F13と,通信I/F14と,外部メモリ15と,ディスクドライブ16とを含み,これらの各構成要素がバス17を介して互いに電気的に接続されている。CPU11は,外部メモリ15からオペレーティングシステムやオンラインゲームの進行を制御する様々なプログラムをメインメモリ12にロードし,ロードしたプログラムに含まれる指令を実行する。メインメモリ12は,CPU11が実行するプログラムを格納するために用いられ,例えば,DRAMによって構成される。
【0013】
ユーザI/F13は,例えば,オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と,CPU11の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置を含む。通信I/F14は,ハードウェア,ファームウェア,又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され,通信網20を介して端末装置30と通信可能に構成される。
【0014】
外部メモリ15は,例えば磁気ディスクドライブで構成され,端末装置30においてオンラインゲームを実行するためのゲームプログラムやオンラインゲームの進行を制御するための制御用プログラム等の様々なプログラムを記憶する。ゲームプログラムは,例えば,アドビシステムズ社が開発した動画やゲームなどを扱うフォーマットであるAdobe
Flash(登録商標)を用いて作成されている。Adobe Flashにより作成されたゲームプログラムは,SWF形式のファイルとして外部メモリ15に格納されている。ゲームプログラムについては後述する。ディスクドライブ16は,CD-ROM,DVD-ROM,DVD-R等の各種の記憶メディアに格納されたデータを読み込み,又は,これらの記憶メディアにデータを書き込む。例えば,記憶メディアに格納されたゲームプログラム等のデータは,ディスクドライブ16により読み込まれ,外部メモリ15にインストールされる。
【0015】
端末装置30は,携帯電話機,スマートフォン,ゲーム用コンソール,パーソナルコンピューター,タッチパッド,電子書籍リーダー等のサーバ装置10のゲームプログラムを実行可能な任意の情報処理装置である。端末装置30は,例えば,HTML形式のファイルを解釈して画面表示するためのブラウザソフトウェアと,当該ブラウザソフトウェアに組み込まれるプラグインソフト(例えば,アドビシステムズ社から提供されているFlash
Player)を備えており,HTMLファイルに埋め込まれたSWF形式のファイルをサーバ装置10から取得し,当該SWF形式のファイルをブラウザソフトウェア及びプラグインソフトを用いて実行することで,端末装置30のユーザすなわちゲームのプレイヤにゲーム機能を提供することができる。
【0016】
ゲームプログラムは様々な形式でサーバ装置10に格納される。例えば,ゲームプログラムは,様々なアプリケーション実行用プラットフォーム上で実行されるアプリケーションソフトウェアとして提供することができる。プレイヤは,端末装置30を通じて,ゲームアプリケーションを実行又は操作することができる。
【0017】
図2は,サーバ装置10の機能を説明するブロック図である。図2に示されるサーバ装置10の機能は,図1に示したサーバ装置10の各構成要素によって実現される。図2に示すように,サーバ装置10は,ゲームプログラム記憶部51と,グループ情報管理部52と,プレイ履歴記憶部53と,認証部54と,課金処理部55と,グループ情報更新部56と,を含むことができる。
【0018】
ゲームプログラム記憶部51は,端末装置30で実行又は操作可能な様々なゲームを実行又は操作するためのゲームプログラムを記憶する。このゲームプログラムは,例えば,ActionScript,JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語や,Objective-C,Java(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語で作成することができる。これらのゲームプログラムは,端末装置30に実装されたプラットフォーム上で実行又は操作される。また,ゲームプログラム記憶部51に記憶されるゲームプログラムは,HTML5等のマークアップ言語で作成されたウェブページをCSS3等のスタイルシートで修飾したものであってもよい。このようなマークアップ言語で作成されたウェブページは,端末装置30に実装されたブラウザソフトウェアにより実行又は操作される。ゲームプログラム記憶部51には,任意の数のゲームプログラムを格納することができ,端末装置30によって選択されたゲームを実行又は操作するためのゲームプログラムは,CPU11の制御に従って,通信I/F14を介して任意の数の端末装置30に提供される。
【0019】
端末装置30は,このゲームを実行又は操作することにより,アクションゲーム,ロールプレイングゲーム,野球対戦ゲーム,カードゲーム等の様々なゲームをプレイすることができる。ゲームプログラムによって実現されるゲームは,本明細書において明示されたものに限られない。ゲームが実行されると,例えば,プログラムにより指示されたアニメーションや操作用アイコンが端末装置30の画面に表示される。プレイヤは,端末装置30の入力インタフェース(例えば,タッチスクリーンやボタン)を用いてゲームを進行させるための指示を入力することができる。プレイヤから入力された指示は,端末装置30のブラウザやNgCore(商標)等のプラットフォームの機能を通じてサーバ装置10に伝達される。端末装置30は,ゲームで用いられる各種のパラメータを示す情報(ゲームポイントの獲得数や獲得したアイテムに関する情報等)やステータスを示す情報(達成したミッションを特定する情報等)を適宜サーバ装置10に送信する。ゲームプログラム記憶部51は,複数の端末装置30から受信した指示,パラメータを示す情報,ステータスを示す情報等に基づいて,プレイヤの各々についてゲームの進行を管理する。これにより,プレイヤは,サーバ装置10が保持しているゲームの進行に関する情報に基づいて,中断したゲームを中断直前の状態から再開することができる。
【0020】
グループ情報管理部52は,ゲームプログラム記憶部51に記憶されているゲームプログラムごとに(つまり個々のゲームごとに),当該ゲームに登録されたプレイヤを複数のグループに編成し,この編成に従って,プレイヤとグループとの対応を管理する。例えば,ゲームプログラム記憶部51のゲームプログラムにより実現されるゲームの一つが端末装置30で初めて実行されるときに,当該端末装置30のユーザを当該ゲームのプレイヤとして登録し,その登録されたプレイヤを一つ又は複数のグループに所属させることができる。具体的には,グループ情報管理部52は,特定のゲームのプレイヤとして登録されるプレイヤに対して所定の規則に従ってプレイヤ識別情報を割り当て,当該プレイヤ識別情報を,当該プレイヤが所属するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶することができる。
【0021】
特定のゲームにおいて同じグループに所属するプレイヤ同士は,そのゲームを協力して進行させることができる。例えば,敵キャラクタを倒すことによりゲームを進行させるように設計されているゲーム(例えばロールプレイングゲーム)においては,同じグループに所属するプレイヤ同士が協力して敵キャラクタとの戦闘に挑むことができる。また,対戦ゲームにおいては,同じグループに所属するプレイヤ同士が協力して対戦相手のグループと対戦することができる。敵キャラクタとの勝敗を決するアルゴリズムは,例えば,戦闘に臨むグループに所属する各プレイヤの属性を示すパラメータ(攻撃力,防御力,ライフ,気力等の様々な方法で表現される)と当該敵キャラクタの同種のパラメータとを比較し,敵キャラクタよりも属性が優れている場合にプレイヤ側の勝率が高くなるように定めることができる。グループに所属する複数のプレイヤが協力して敵キャラクタと対戦する場合には,例えば,属性を示すパラメータをグループに所属するプレイヤ全員について合計した合計値と,敵キャラクタの対応する属性のパラメータとを比較することにより勝敗判定を行うことができる。
【0022】
プレイ履歴記憶部53は,グループ情報管理部52に記憶されているプレイヤ識別情報で特定されるプレイヤによるプレイ履歴をゲームごとに管理することができる。プレイ履歴記憶部53は,例えば,当該プレイヤが当該ゲームをプレイするためにログインした回数,当該プレイヤが当該ゲームにおいて獲得したゲームポイントの総数,当該ユーザがゲームアイテムを購入するために費やした金額(つまり当該ユーザへの課金額),当該ユーザが他のユーザへ送信したメッセージの数等のプレイ履歴を,外部メモリ15のプレイ履歴情報テーブルに格納することができる。図3は,プレイ履歴情報テーブルの一例を示す。プレイ履歴は,本明細書や図3に明示的に開示したものに限られず,特定のプレイヤの特定のゲームにおけるアクティビティ(ゲームへの参加の活発さ)に関連する任意の情報を含むことができる。プレイ履歴は,所定の期間ごとに管理することができる。例えば,特定のユーザのログイン回数を,1日ごと,1週間ごと,1月ごと等の所定期間ごとに管理することができる。プレイ履歴については,さらに詳しく後述する。
【0023】
認証部54は,端末装置30で特定のゲームをプレイするために,端末装置30からサーバ装置10へのアクセスがなされたときに,そのアクセス要求を行ったプレイヤの認証処理を行う。このアクセス要求は,例えば,端末装置30においてゲーム用のアプリケーションソフトウェアを起動した場合に自動的にサーバ装置10に送信されてもよい。ゲームプログラムがHTMLファイルに埋め込まれて提供される場合には,当該HTMLファイルの取得要求に基づいて認証処理を行ってもよい。アクセス要求には,例えば,プレイヤを識別するための識別情報やパスワードが含まれる。認証部54は,アクセス要求に含まれる認証情報及び/又はパスワードを,事前に登録されている認証情報及び/又はパスワードと照合し,当該プレイヤの認証を行う。認証が成功した場合には,当該プレイヤは,当該ゲームにログインしてゲームをプレイすることができる。プレイ履歴記憶部53は,認証部54によりアクセスが許可された回数をプレイ履歴の一つであるログイン回数として管理することができる。
【0024】
課金処理部55は,プレイヤへの課金額の決定や決定された課金額の管理を行う。例えば,課金処理部55は,仮想の武器や防具等のいわゆるバーチャルアイテムの購入要求をプレイヤから受け付けて,その購入要求に応じてプレイヤへの課金額を決定することができる。課金処理部55によるユーザへの課金処理は,バーチャルアイテムの購入以外のユーザからのサービス要求に対してなされてもよい。プレイ履歴記憶部53は,課金処理部55により決定された課金額をプレイ履歴の一つとして管理することができる。
【0025】
グループ情報更新部56は,プレイ履歴記憶部53が管理するプレイ履歴に少なくとも部分的に基づいて,グループ情報管理部52におけるプレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けを変更することができる。例えば,グループ情報更新部56は,特定のグループからの特定のプレイヤを離脱させ,特定のグループへ特定のプレイヤを加入させ,特定のグループにおける特定のプレイヤのメンバシップを所定期間停止し,又は特定のプレイヤによるゲーム進行への関与を制限することにより,当該特定のプレイヤのプレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けを変更することができる。
【0026】
一例として,グループ情報更新部56は,プレイ履歴記憶部53のプレイ履歴を参照し,特定のゲームにおけるアクティビティが低い非アクティブプレイヤを特定し,当該非アクティブプレイヤを現在のグループから除外し,そのプレイヤ識別情報を別のグループのグループ識別情報と対応づけることができる。例えば,その非アクティブプレイヤのみが構成メンバとなっているグループのグループ識別情報が新たに生成され,当該非アクティブプレイヤのプレイヤ識別情報はそのグループ識別情報と対応づけられる。一実施形態においては,非アクティブプレイヤは,現在のグループにおけるメンバシップを所定期間停止される。例えば,この所定期間経過後に元の所属グループに構成メンバの空きがあれば(グループの構成メンバ数が上限に達していなければ),その非アクティブプレイヤを当該グループへ復帰させてもよい。
【0027】
グループ情報更新部56は,例えば,所定期間(例えば1週間)におけるログイン回数が3回以下のプレイヤを非アクティブユーザと判断することができ,他の実施態様においては,所定期間(例えば1月)に1度も課金処理の対象とならなかったプレイヤを非アクティブプレイヤと判断することができる。
【0028】
また,他の一例として,グループ情報更新部56は,アクティビティが高いアクティブプレイヤを特定し,当該アクティブプレイヤを優先的に現在のグループに残し,相対的にアクティビティが低いプレイヤを現在のグループから除外することもできる。例えば,所定期間のログイン回数が多いプレイヤ順に優先的に現在のグループに残し,相対的にログイン数の少ないプレイヤを除外し,他のグループに属するか又はいずれのグループに属していないプレイヤのうち,除外されたプレイヤよりログイン数の多いプレイヤを現在のグループに参加させることができる。同様に,課金額の大きいプレイヤを優先的に現在のグループに残し,相対的に課金額の少ないプレイヤを現在のグループから除外することもできる。これにより,よりアクティブにプレイするプレイヤが現在のグループに残ることができるので,各プレイヤに対してよりアクティブにゲームをプレイするよう促すことができる。
【0029】
さらに,他の一例として,グループ情報更新部56は,例えば,プレイヤのゲーム内通貨の所持金額,プレイヤのゲーム内バトルを行った数(勝利数、敗北数),プレイヤのゲーム内のミッションを完了した回数,プレイヤのゲーム内の仲間数,プレイヤのゲーム内アイテム所持数,プレイヤのレベル,攻撃力及び/又は防御力,並びにプレイヤのゲーム内コメント数のいずれか一つ又は複数を基準として,ゲーム内におけるアクティビティが高いアクティブプレイヤを特定することができる。これらのパラメータは,プレイ履歴記憶部53にプレイ履歴として記憶されてもよい。このようなゲーム内においてアクティビティが高いプレイヤは,グループ情報更新部56の制御により,優先的に現在のグループに残ることができる。逆に,相対的にゲーム内におけるアクティビティが低いプレイヤは現在のグループから除外される。これにより,ログイン回数や課金数等のゲームシステムの運用面に関する側面よりもゲームのプレイ内容の側面に着目してプレイヤのアクティブさが評価され,このようなゲーム内でのアクティビティが高いプレイヤを現在のグループに残すことができる。これにより,プレイヤはよりアクティブにゲームをプレイすることにより現在のグループに残ることができるので,各プレイヤに対してゲームに単に参加するだけでなくゲーム開始後においてもよりアクティブにゲームをプレイするよう促すことができる。
【0030】
グループ情報更新部56によるプレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けの変更について,図4及び図5を参照して説明する。図4は,本開示の一実施形態に従って,プレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けの変更を示す概略図である。図5は,プレイヤ識別情報とグループ識別情報との対応付けを管理するグループ識別情報管理テーブルの構成例である。グループ識別情報管理テーブルは,例えば,外部メモリ15に格納される。図4(a)に示すように,一例において,プレイヤA,B,Cは,所定のゲームプログラムを初めてダウンロードした直後に,自らのみを構成メンバとするグループ1,2,3にそれぞれ所属するように初期編成がなされる。この場合,グループ情報管理部52は,図5(a)に示すように,プレイヤAを識別するプレイヤ識別情報「000001」をグループ1を識別するグループ識別情報「100001」と対応付け,プレイヤBを識別するプレイヤ識別情報「000002」をグループ2を識別するグループ識別情報「100002」と対応付け,プレイヤCを識別するプレイヤ識別情報「000003」をグループ3を識別するグループ識別情報「100003」と対応付けて記憶する。
【0031】
次に,図4(b)に示すように,例えば,プレイヤAがプレイヤB及びプレイヤCをグループ1に招待し,プレイヤB及びプレイヤCがこの招待を応諾することにより,プレイヤAに加えてプレイヤB及びプレイヤCをグループ1の構成メンバとすることができる。このグループ編成の変更を反映させるために,グループ情報管理部52は,図5(b)に示すように,プレイヤA,B,Cをそれぞれ識別する3つのプレイヤ識別情報を,グループ1を識別するグループ識別情報「100001」と対応づけて記憶する。このようなグループの再編成は,サーバ装置10の不図示のマッチングモジュールにより自動的に行われてもよい。マッチングモジュールは,例えば,プレイヤの様々な属性(レベル,性別,年齢等)に基づいて所定のアルゴリズムに従ってプレイヤ同士をマッチングさせることができる。
【0032】
グループ情報更新部56は,定期的にプレイヤのプレイ履歴を監視し,非アクティブプレイヤを特定することができる。例えば,プレイヤCが非アクティブプレイヤと判断された場合には,図4(c)に示すように,プレイヤCをグループ1から除外することができる。この場合,グループ情報更新部56は,図5(C)に示すように,グループ1を識別するグループ識別情報をプレイヤA及びプレイヤBのそれぞれを識別するプレイヤ識別情報と対応付けて記憶し,プレイヤCのプレイヤ識別情報をグループ1とは別のグループ4を識別するグループ識別情報「100004」と対応づけて記憶する。これにより,プレイヤCはグループ1から除外される。この後,プレイヤAは,別のプレイヤ(例えば不図示のプレイヤD)をグループ1に招待することができる。
【0033】
以上説明したように,本開示の実施形態によれば,プレイ履歴記憶部53に記憶された各プレイヤのプレイ履歴に基づいて,ゲームへ活発に参加していない非アクティブプレイヤを所属グループから除外することができる。特に,ゲームへのアクセス回数や仮想アイテムの購入頻度が少ないプレイヤを非アクティブプレイヤとして特定することができる。グループを構成するプレイヤ数に上限が設定されている場合であっても,当該非アクティブプレイヤを除外してできた空席に新たなプレイヤを加入させることができ,その新たなプレイヤと協力してゲームを進行させることができる。このように,本開示のオンラインゲーム用サーバ装置の実施形態により,グループに所属するプレイヤの構成をプレイヤのプレイ状況に基づいて変更することで,ゲームの進行に応じて協力関係にあるプレイヤの構成を機動的に変更できる。
【0034】
続いて,図6及び図7を参照して,複数のグループを結合して新たなグループを作る例を説明する。複数のグループ同士が結合して作成されるプレイヤのより大規模な集合を本明細書においてメタグループと称することがあり,このメタグループを識別する情報をメタグループ識別情報ということがある。図6は,グループ同士の結合を模式的に説明する概略図であり,図7は,プレイヤ識別情報,グループ識別情報,及びメタグループ識別情報を管理するメタグループ識別情報管理テーブルの構成例である。メタグループ識別情報管理テーブルは,例えば,外部メモリ15に格納される。図6(a)に示すように,まず,グループ1にはプレイヤA,B,Cの3人のプレイヤが所属しており,グループ2にはプレイヤD,Eの2名のプレイヤが所属している。グループ情報管理部52は,図7(a)に示すように,これらのグループ1,2のグループ識別情報と各グループに所属するプレイヤの各々のプレイヤ識別情報とを対応付けて記憶している。
【0035】
一実施形態においては,このグループ1とグループ2とを結合することができる。例えば,図6(b)に示すように,グループ1とグループ2とを結合して,グループ1の所属プレイヤ全員及びグループ2の所属プレイヤ全員を所属プレイヤとするメタグループ1を生成することができる。これにより,メタグループ1に所属するプレイヤ全員が協力してゲームを進行することができ,例えば,メタグループに所属するプレイヤ全員分のパラメータの合計値を用いて,敵キャラクタと戦闘を行うことができるようになる。
【0036】
メタグループ1を生成する場合,グループ情報管理部52は,例えば不図示のメタグループ識別情報生成部の制御により,図7(b)に示すように,メタグループ1を識別するメタグループ識別情報「200001」とメタグループ1に所属するプレイヤの各々のプレイヤ識別情報とを対応づけて記憶することができる。この場合,メタグループ1に所属する各プレイヤは,元々所属していたグループに所属すると同時に,そのグループを含むメタグループにも所属することになる。例えば,グループ1とグループ2との結合後に,プレイヤAは,グループ1に所属するとともにメタグループ1にも所属することになる。プレイヤAを識別するプレイヤ識別情報は,グループ1を識別するグループ識別情報及びメタグループ1を識別するメタグループ識別情報の両方と対応づけてグループ情報管理部52に記憶される。
【0037】
メタグループ識別情報生成部は,定期的に各グループを構成するメンバのプレイ履歴を参照して,各メンバのプレイ履歴を基に各グループのアクティビティを集計し,アクティブグループ及び非アクティブグループを特定することができる。例えば,各グループを構成する各メンバのログイン回数の合計値又は課金処理部55により決定された課金額の合計値を基に,そのグループがアクティブグループであるか又は非アクティブグループであるかを判断する。例えば,図6(a)において,グループ1がアクティブグループと判断され,また,グループ2が非アクティブグループと判断された場合には,図6(b)に示すように,グループ1及びグループ2を一つのメタグループ1として構成することができる。このようにアクティブグループと非アクティブグループとを組み合わせることにより,アクティビティの高いグループがアクティビティの低いグループをゲームにおいて牽引するようにゲーム進行を行うことができる。他の実施態様においては,アクティブグループ同士又は非アクティブグループ同士を組合わせてメタグループを生成することもできる。
【0038】
2つのグループの結合は,所定の条件(ゲームが所定の段階まで進んだ場合,ゲーム開始から所定時間経過した場合等)が成就した場合に,自動的に(プレイヤの操作無しで)実行されてもよい。また,いずれかのグループに所属するプレイヤ(例えば,グループ1のプレイヤA)が他のグループに所属するプレイヤ(例えば,グループ2のプレイヤD,E)の少なくとも一人にグループ同士の結合を打診し,その打診を受けたプレイヤが応諾することにより,2つのグループの結合を実行してもよい。結合されるグループの数は2つに限られず任意であって,例えば3つ以上のグループを結合することができる。
【0039】
上述の通り,メタグループ1に所属する各プレイヤは,元々所属していたグループに所属すると同時にそのグループを含むメタグループにも所属することになるので、図3を参照して説明した実施形態と同様に、プレイ履歴記憶部53に記憶された各プレイヤのプレイ履歴に基づいて,メタグループ1の所属プレイヤのうちゲームへ活発に参加していない非アクティブプレイヤを所属グループから除外することができる。上述のように,ゲームへのアクセス回数や仮想アイテムの購入頻度が少ないプレイヤを非アクティブプレイヤとして特定することができる。これにより,グループを構成するプレイヤ数に上限が設定されている場合であっても,当該非アクティブプレイヤを除外してできた空席に新たなプレイヤを加入させることができ,その新たなプレイヤと協力してゲームを進行させることができる。
【0040】
一実施形態においては,メタグループを構成する一又は複数のグループのうちから選択されたグループをメタグループから除外することもできる。例えば,2つのアクティブグループで構成されるメタグループについて,ゲームに活発に参加していないプレイヤが多い非アクティブグループを所属メタグループから除外することができる。特に,ゲームへのアクセス回数や仮想アイテムの購入頻度が少ないプレイヤが多いグループを,非アクティブグループとして特定することができる。これにより,メタグループを構成するメンバ数に上限が設定されている場合であっても、当該非アクティブグループを除外してできた空席に新たなグループを加入させることができ、その新たなグループと協力してゲームを進行させることができる。
【0041】
このように,本開示の一実施形態においては,グループ同士を結合してメタグループを生成することにより,同じメタグループに所属するプレイヤと協力してゲームを進めることができる。したがって,本開示の一実施形態においては,グループ同士を結合させることにより,ゲームの進行に応じて協力関係にあるプレイヤの構成を機動的に変更できる。
【0042】
本明細書で説明される処理及び手順は,実施形態中で明示的に説明されたもの以外にも,ソフトウェア,ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。より具体的には,本明細書で説明される処理及び手順は,集積回路,揮発性メモリ,不揮発性メモリ,磁気ディスク,光ストレージ等の媒体に,当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また,本明細書で説明される処理及び手順は,それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し,各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0043】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置,ソフトウェア,コンポーネント,モジュールによって実行される旨が説明されたとしても,そのような処理または手順は複数の装置,複数のソフトウェア,複数のコンポーネント,及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また,本明細書中で説明されるデータ,テーブル,又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても,そのようなデータ,テーブル,又はデータベースは,単一の装置に備えられた複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納され得る。さらに,本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は,それらをより少ない構成要素に統合して,またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置に対して提供される所定のゲームを実行するためのゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶部と,
前記ゲームの複数のプレイヤの各々を識別するプレイヤ識別情報を,当該複数のプレイヤの各々が所属するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶するグループ情報管理部と,
前記複数のプレイヤの各々について前記ゲームのプレイ履歴を記憶するプレイ履歴記憶部と,
前記複数のプレイヤに含まれる第1プレイヤの前記プレイ履歴に少なくとも部分的に基づいて,前記グループ情報管理部における当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更するグループ情報更新部と,
を備えるゲームシステム。
【請求項2】
前記プレイ履歴は、前記複数のプレイヤのゲームに対するアクティビティを示す情報を含み,
前記グループ情報更新部は、前記第1プレイヤのアクティビティに基づいて,当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記プレイ履歴は,前記ゲームプログラムにより提供されるゲームへのログイン回数を含み,
前記グループ情報更新部は,前記第1プレイヤの所定期間におけるログイン回数に基づいて,当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記プレイ履歴は,前記複数のプレイヤの各々への課金額を含み,
前記グループ情報更新部は,所定期間における前記第1プレイヤへの課金額に基づいて,当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記グループ情報更新部は,前記プレイ履歴記憶部に記憶された前記第1プレイヤのプレイ履歴を参照し,当該第1プレイヤのプレイヤ識別情報を,前記プレイ履歴の参照時点において対応づけられているグループ識別情報とは異なるグループ識別情報と対応づけて前記グループ情報管理部に記憶する請求項1から4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記グループ情報更新部は,前記第1プレイヤのプレイヤ識別情報を,当該第1プレイヤのみが所属するグループを識別するグループ識別情報と対応づけて前記グループ情報管理部に記憶する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
複数の端末装置に対して提供される所定のゲームを実行するためのゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶部と,
前記ゲームのプレイヤを複数のグループのいずれか一つに所属させ,当該プレイヤを識別するプレイヤ識別情報と当該プレイヤが所属するグループを識別するグループ識別情報とを対応づけて記憶するグループ情報管理部と,
前記複数のグループに含まれる第1及び第2のグループを結合して第1のメタグループを生成し,前記第1及び第2のグループに所属するプレイヤの各々のプレイヤ識別情報を,第1のメタグループを識別するメタグループ識別情報と対応づけて記憶するメタグループ情報生成部と,
を備えるゲームシステム。
【請求項8】
複数の端末装置に対して提供される所定のゲームを実行するためのゲームプログラムを記憶するゲームプログラム記憶部と,
前記ゲームの複数のプレイヤの各々を識別するプレイヤ識別情報を,当該複数のプレイヤの各々が所属するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶するグループ情報管理部と,
前記複数のプレイヤの各々について前記ゲームのプレイ履歴を記憶するプレイ履歴記憶部と,
前記複数のプレイヤに含まれる第1プレイヤの前記プレイ履歴に少なくとも部分的に基づいて,前記グループ情報管理部における当該第1プレイヤを識別する前記プレイヤ識別情報と前記グループ識別情報との対応付けを変更するグループ情報更新部と,
を備えるゲーム用サーバ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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