説明

ゲームシステム

【課題】投影面が確実に存在する方向にプレイ画面を投影でき、プレイ画面を投影する入力装置を小型、軽量にしてプレイヤの疲労を軽減できるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、コントローラ50が、ゲーム機10とは別の位置に配置され、ゲーム機10に通信可能に接続され、投影方向が照準に一致するように設けられ、スクリーン2に対して一定の投影角度でプレイ画面62を投影するコントローラ側投影機52と、照準を検出する角度検出部51と、引金53とを備え、ゲーム機10が、角度検出部51の出力に基づいて、照準を算出し、記憶部の仮想空間に基づいて、照準が中心のプレイ画面62を生成し、コントローラ側投影機52から投影するプレイ画面生成部31と、引金53の操作に基づいて、コントローラ側投影機52のプレイ画面62の中心が選択されたとしてプレイ進行するプレイ進行部32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ画面を投影する入力装置を備えるゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像投影手段を設けて、実空間の投影面に、仮想空間のゲーム画像を投影し、プレイヤが実空間を移動しながらプレイする携帯型ゲーム装置があった(例えば特許文献1)。
しかし、実空間の移動先に、都合よく仮想空間の投影面が存在するとは限らない。このため、従来の携帯型ゲーム装置は、実現困難と考えられる。
また、従来の携帯型ゲーム装置は、映像投影手段、ゲームを実行する本体、電源等を収容する必要がある。このため、従来の携帯型ゲーム装置は、大型であり、重量が重い。そのため、プレイヤが、携帯型ゲーム装置の投影方向を、投影面に向けてプレイ進行しようとすれば、大変疲労してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−224287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、投影面が確実に存在する方向にプレイ画面を投影でき、プレイ画面を投影する入力装置を小型、軽量にしてプレイヤの疲労を軽減できるゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
・第1の発明は、スクリーン(2)と、ゲーム機(10)と、入力装置(50)とを備え、プレイヤが所定位置に位置した状態でプレイするゲームシステムであって、前記入力装置は、前記ゲーム機とは別の位置に配置され、前記ゲーム機に通信可能に接続され、プレイヤが把持して、前記入力装置の照準を定めて使用するものであり、投影方向が前記照準に一致するように設けられ、前記スクリーンに対して一定の投影角度でプレイ画面(62)を投影する入力装置投影部(52)と、前記照準を検出する検出部(51)と、操作部(53)とを備え、前記ゲーム機は、三次元の仮想空間を記憶する記憶部(20)と、前記検出部の出力に基づいて、前記照準を算出し、前記記憶部の仮想空間に基づいて、前記照準が中心のプレイ画面を生成し、前記入力装置投影部から投影するプレイ画面生成制御部(31)と、前記操作部の操作に基づいて、前記入力装置投影部のプレイ画面の中心が選択されたとしてプレイ進行するプレイ進行制御部(32)とを備えること、を特徴とするゲームシステムである。
・第2の発明は、第1の発明のゲームシステムにおいて、前記ゲーム機は、前記入力装置投影部(52)よりも大きな投影角度を有し、入力装置投影部よりも低い解像度を有し、前記スクリーンにプレイ画面(61)を投影するゲーム機投影部(11)を備え、前記プレイ画面生成制御部(31)は、前記記憶部(20)の仮想空間に基づいて、前記ゲーム機投影部のプレイ画面(61)の一部と、前記入力装置投影部(52)のプレイ画面(62)とが一致するプレイ画面(60)を生成すること、を特徴とするゲームシステムである。
・第3の発明は、第2の発明のゲームシステムにおいて、前記プレイ画面生成制御部(31)は、前記検出部(51)の出力に基づいて、前記入力装置投影部(52)のプレイ画面(62)が前記スクリーン(2)から外れる程度まで、前記入力装置(50)の向きが傾いたと判定した場合には、前記入力装置投影部をオフにすること、を特徴とするゲームシステムである。
・第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のゲームシステムにおいて、前記操作部(53)は、前記仮想空間内を前後方向に移動を操作する移動操作部を備え、前記プレイ進行制御部(32)は、前記移動操作部の操作に基づいて、前記入力装置投影部のプレイ画面の中心方向に、前後方向に移動するようにプレイ進行すること、を特徴とするゲームシステムである。
・第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明のゲームシステムにおいて、前記スクリーン(2)は、プレイヤを囲うように円筒状、又は球面状に配置されていること、を特徴とするゲームシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
・第1の発明は、入力装置の照準が中心であるプレイ画面を、入力装置投影部から投影し、操作部の操作に基づいて、プレイ画面の中心が選択されたとしてプレイ進行する。このため、常に、プレイヤの狙った照準の方向が、中心になるようにプレイ画面を生成できる。これにより、従来のような入力装置に発光素子を設けスクリーン側にフォトセンサ等を設ける構造にしなくても、照準を正確に判定できる。
また、本発明は、スクリーンを備え、プレイヤが所定位置に位置した状態でプレイするので、スクリーンが確実に存在する方向に、プレイ画面を投影できる。
また、本発明は、入力装置が、ゲーム機とは別の位置に配置されゲーム機に通信可能に接続されているので、入力装置を小型、軽量にできるため、プレイヤが把持しやすく、また、プレイヤの疲労を軽減できる。
・第2の発明は、ゲーム機投影部のプレイ画面の一部が、入力装置投影部のプレイ画面に一致するので、入力装置がスクリーンに向けられなくても、プレイ画面を投影できる。ここで、入力装置投影部のみしか備えていない場合には、プレイヤは、プレイ画面を確認するために、常に入力装置をスクリーンに向ける必要がある。本発明では、この必要がなく、プレイヤの疲労をさらに軽減できる。
また、本発明は、ゲーム機投影部が、入力装置投影部よりも大きな投影角度を有する。このため、入力装置投影部よりも大きなプレイ画面を投影でき、迫力を向上できる。また、ゲーム機投影部が、入力装置投影部よりも低い解像度を有する。つまり、プレイヤが入力装置をスクリーンに向けた場合に、低解像度のゲーム機投影部のプレイ画面に、高解像度の入力装置投影部のプレイ画面が重なるように構成されている。このため、ゲーム機投影部を低コストにでき、かつ、実際にプレイヤがプレイ進行する画面は、高解像度で表示できるので、プレイの品質を維持できる。
・第3の発明は、入力装置投影部のプレイ画面がスクリーンから外れる程度まで、入力装置が傾いたと判定した場合には、入力装置投影部をオフにするので、例えば、プレイヤが入力装置を下に向けて操作しない場合には、入力装置投影部からの不要な投影を抑制できる。
・第4の発明は、移動操作部の操作に基づいて、プレイ画面の中心方向に、前後方向に移動するので、プレイヤは、移動したい方向に入力装置投影部を向けて、移動操作部の操作をすることにより、仮想空間内を左右、前後に自由に移動でき、かつ、その操作が簡単である。
・第5の発明は、スクリーンがプレイヤを囲うように配置されているので、例えば、左右や背後から敵から来るようなプレイを進行でき、迫力を向上できる。また、スクリーンが円筒面状又は球面状であるので、高品質な投影画像を投影できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態のゲームシステム1の上面図(図1(a))、手前側Y1から見た斜視図(図1(b))である。
【図2】実施形態のゲームシステム1のブロック図である。
【図3】実施形態のコントローラ50の外観図である。
【図4】実施形態のゲームシステム1の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態のプレイ画面60を示す図である。
【図6】実施形態のプレイ画面60を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態のゲームシステム1の上面図(図1(a))、手前側Y1から見た斜視図(図1(b))である。
ゲームシステム1は、ゲームセンタ等の店舗に設置される大型の装置であり、プレイヤが仮想空間内移動しながらモンスタM(敵)と戦うガンシューティングゲームを行う装置である。
ゲームシステム1は、スクリーン2、ゲーム機10、コントローラ50を備える。
スクリーン2は、半径が例えば2m以上の半円筒面の大型のスクリーン2である。スクリーン2は、半円筒状であり、半円筒の中心軸が鉛直方向Zになるように配置される。プレイヤは、半円筒の中心軸上に位置し、スクリーン2に囲まれた状態で、プレイするようになっている。
スクリーン2は、半透明な部材であり、奥側Y2(背面側)、手前側Y1のいずれからプレイ画面が投影されても、プレイ画面60を手前側Y1から観察できるようになっている。
【0010】
図2は、実施形態のゲームシステム1のブロック図である。
図3は、実施形態のコントローラ50の外観図である。
ゲーム機10は、ゲーム機側投影機11(ゲーム機投影装置)、記憶部20、制御部30を備える。
ゲーム機側投影機11は、スクリーン2の奥側Y2から、ゲーム機側プレイ画面61を投影するプロジェクタである。ゲーム機側投影機11は、ゲーム機10本体に電気ケーブル(図示せず)によって接続されている。ゲーム機側投影機11は、スクリーン2の全体にプレイ画面を投影する。このため、ゲーム機側投影機11は、特殊なレンズを用いて画面を拡大している。そのため、ゲーム機側投影機11は、後述するコントローラ側投影機52よりも投影角度が大きいが、コントローラ側投影機52よりも解像度が低い。
【0011】
記憶部20は、ゲームシステム1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部20は、ゲームプログラム21を備える。
ゲームプログラム21は、このシューティングゲームを進行するためのプログラムである。ゲームプログラム21は、ゲーム空間である三次元の仮想空間情報21aが組み込まれている。
【0012】
制御部30は、ゲームシステム1を統括的に制御するための制御装置であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部30は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部30は、プレイ画面生成部31、プレイ進行部32を備える。
プレイ画面生成部31は、ゲーム機側投影機11、コントローラ側投影機52(後述する)の制御、及び仮想空間情報21aに基づいて、これらから投影するプレイ画面に関する制御を行う制御部である。プレイ画面生成部31は、プレイヤが仮想空間内を移動したときに、プレイヤの視点からの仮想空間内の映像を、プレイ画面60として生成する。
プレイ進行部32は、ゲームの進行を統括的に制御するための制御部である。プレイ進行部32は、仮想空間内をプレイヤが移動するようなプレイを進行する。つまり、このゲームは、プレイヤが仮想空間内を移動する経路を、ゲーム機10側が決定するようになっている。
【0013】
コントローラ50は、プレイするためにプレイが操作する入力装置である。
図3に示すように、コントローラ50とゲーム機10とは、通信可能に電気ケーブル40で接続されている。このため、コントローラ50は、ゲームを進行するための制御装置、記憶装置が必要なく、小型、軽量にできる。このため、プレイヤが把持しやすく、また、プレイヤの疲労を軽減できる。また、実施形態では、ゲーム機10から電力を供給するようにしている。このため、コントローラ50内部は、電池等の電源を内部に設ける必要がなく、さらに小型、軽量にできる。
【0014】
コントローラ50は、ケース50a、角度検出部51、コントローラ側投影機52(入力装置投影部)、引金53(操作部)を備える。
ケース50aは、コントローラ50の筐体である。ケース50aは、銃を模した形状である。プレイヤは、銃を持つようにケース50aを把持して、銃口が向いている方向を、照準として定めて使用する。
角度検出部51は、銃口の左右方向X及び鉛直方向Zの向きを検出することにより、照準を検出する角速度センサである。
【0015】
コントローラ側投影機52は、ケース50a内部に収容された小型のプロジェクタである。コントローラ側投影機52は、スクリーン2に対して、手前側Y1からコントローラ側プレイ画面62を投影する。コントローラ側投影機52は、投影方向の中心が、銃口の向き照準に一致するように設けられ、スクリーン2に対して一定の投影角度でコントローラ側プレイ画面62(プレイ画面)を投影する。つまり、コントローラ側投影機52は、コントローラ50が向いている方向にコントローラ側プレイ画面62に投影する。コントローラ側投影機52は、ゲーム機側投影機11よりも投影角度が小さい。このため、コントローラ側投影機52は、ゲーム機側投影機11よりも解像度が高い。
また、前述した通り、スクリーン2は、円筒状でありプレイヤが円筒のほぼ中央に位置する。このため、コントローラ側投影機52は、投影距離をほとんど一定にできるため、高品質なプレイ画面を投影できる。
【0016】
引金53は、照準を定めて、仮想空間内で弾を発射する場合に、プレイヤが操作するレバーである。引金53は、電気接点を備えるスイッチを備えており、操作情報をゲーム機10に出力する。
【0017】
次に、ゲームシステム1の動作について説明する。
図4は、実施形態のゲームシステム1の動作を示すフローチャートである。
図5、図6は、実施形態のプレイ画面60を示す図である。
最初に、ステップS(以下「S」という)1において、プレイヤがゲーム機10のコイン投入口にコインを投入すると、制御部30が処理を開始する。なお、プレイ開始時には、プレイヤにスクリーン2の中央を射撃させて、コントローラ50の向きの基準を初期化させる。
S2において、プレイ画面生成部31は、仮想空間情報21aに基づいて、スクリーン2全体に投影可能なゲーム機側プレイ画面61を生成する。
S3において、プレイ画面生成部31は、ゲーム機側投影機11からゲーム機側プレイ画面61をスクリーン2に投影する。なお、ゲーム機側プレイ画面61は、解像度が低いため、画像が荒いものになっている。このため、プレイヤは、プレイ画面内の物体の輪郭を把握できる程度である。
【0018】
S4において、プレイ画面生成部31は、角度検出部51の出力に基づいて、コントローラ50の向きを判定して、照準を算出する。この算出は、S1で初期化した位置から、コントローラ50の角度検出部51の出力に基づいて算出するものであり、その算出精度が低くなる。つまり、この処理では、コントローラ50のスクリーン2に対する向きを、ある程度判定できればよい。
【0019】
S5において、プレイ画面生成部31は、S4の判定結果に基づいて、コントローラ50の鉛直方向Zにおける傾きが、規定角度以上か否かを判定する。規定角度とは、コントローラ側投影機52のコントローラ側プレイ画面62がスクリーン2から外れる程度まで、コントローラ50が傾いた角度である。
プレイ画面生成部31は、鉛直方向Zにおける傾きが、規定角度以上と判定した場合には(S5:YES)、S6に進み、一方、規定角度以下と判定した場合には(S5:NO)、S5aに進む。
【0020】
S5aにおいて、プレイ画面生成部31は、コントローラ側投影機52がオフであった場合には引き続きオフを維持し、またコントローラ側投影機52がオンの場合にはオフにする。これにより、コントローラ側プレイ画面62がスクリーン2外に投影される程度まで、コントローラ50の向きが傾いた場合には、コントローラ側投影機52がオフにされる。その後、制御部30は、S11に進む。
これにより、例えば、プレイヤが銃を下ろすようにコントローラ50を下に向けた場合には、コントローラ側投影機52からの不要な投影を抑制できる。
【0021】
S6において、プレイ画面生成部31は、仮想空間情報21aに基づいて、コントローラ側投影機52が投影するコントローラ側プレイ画面62を生成する。
図5に示すように、コントローラ側プレイ画面62の中心は、常に、照準62aが中心である。また、コントローラ側投影機52は、ゲーム機側投影機11よりも投影角度が狭い。このため、ゲーム機側投影機11のゲーム機側プレイ画面61の一部が、コントローラ側投影機52のコントローラ側プレイ画面62に一致するようになっている。
【0022】
ここで、プレイ中には、ゲーム機10は、コントローラ50がスクリーン2に向けられなくても、常に、ゲーム機側プレイ画面61を投影する。このため、プレイヤは、プレイ画面を確認するために、コントローラ50をスクリーン2に向ける必要はない。これにより、ゲームシステム1は、プレイヤの疲労を軽減できる。
【0023】
S7において、プレイ画面生成部31は、コントローラ側投影機52からコントローラ側プレイ画面62を投影する。
図5に示すように、これにより、ゲーム機側プレイ画面61にコントローラ側プレイ画面62が重ね合わされる。コントローラ側プレイ画面62は、高解像度であるので、プレイヤは、実際に視線が向いているエリアでは、高画質でプレイを楽しむことができる。
また、ゲーム機側プレイ画面61は、輪郭程度しか認識できない荒いものである。このため、ゲーム機側プレイ画面61にコントローラ側プレイ画面62が重ね合わせられ、また、両者の画像が完全に一致しなくても、プレイヤは、コントローラ側プレイ画面62の表示を高品位に観察できる。このため、S4でのコントローラ50の向きの検出精度は、低くてもよいわけである。
なお、コントローラ側プレイ画面62を、より高品位にするために、ゲーム機側プレイ画面61の輝度を、コントローラ側プレイ画面62よりも下げてもよい。
【0024】
図6(a)に示す場面で、プレイヤがモンスタMに照準62aを合わせる場合を説明する。
プレイが継続する限り(S11:NO)、S2からの処理が繰り返される。このため、プレイヤがコントローラ50の向きを変えて、モンスタMに照準62aを合わせようとすると、プレイ画面生成部31は、コントローラ50の向きに合わせて、コントローラ側プレイ画面62を継続して更新する。これによって、図6(a)から図6(b)まで、画面が滑らかにつながって更新される。
このため、プレイヤは、モンスタMがコントローラ側プレイ画面62内に存在すれば、モンスタMが移動しても、追跡できる。
一方、図5に示すように、モンスタMがプレイ画面外であって、かつ、ゲーム機側プレイ画面61内に存在する場合であっても、ゲーム機側プレイ画面61は、不明瞭ではあるが、モンスタMの存在を確認できる。このため、プレイヤは、モンスタMがコントローラ側プレイ画面62内に含まれるように、コントローラ50の向きを変えれば、モンスタMを捉えることができる。なお、プレイ画面生成部31は、モンスタMが不明瞭でも確認しやすいように、点滅させたり、目立つ色彩にしてもよい。
【0025】
S8において、プレイ進行部32は、引金53が操作されたか否かを判定する。プレイ進行部32は、引金53が操作されたと判定した場合には(S8:YES)、S9に進み、一方、引金53が操作されていないと判定した場合には(S8:NO)、S11に進む。
【0026】
S9において、プレイ進行部32は、コントローラ側プレイ画面62を確認して、引金53が操作されたときに、つまり、コントローラ側プレイ画面62の中心が選択されたときに、コントローラ側プレイ画面62の中央にモンスタMがいるか否かを判定する。
【0027】
この場合、プレイ進行部32は、コントローラ50の向きに関わらず、コントローラ側プレイ画面62の中央にモンスタMがいるか否かのみを判定する。このため、コントローラ50の正確な向きを判定する必要がなく、モンスタMに照準60aが合っているかを判定できる。
例えば、従来のガンシューティングゲームは、コントローラの向きを判定するために、コントローラ50に赤外線発光ダイオードを設けて、モニタの周囲にフォトセンサを設けていた。このため、構造が複雑であり、照準を判定する処理が複雑であった。
これに対して、実施形態のゲームシステム1は、これらのセンサ等が不要であり構造が簡単であり、かつ、処理が簡単である。
【0028】
プレイ進行部32は、中央にモンスタMがいると判定した場合には(S9:YES)、S10に進み、一方、中央にモンスタMがいないと判定した場合には(S9:NO)、S11に進む。
S10において、プレイ進行部32は、命中として処理してプレイを進行する。つまり、プレイ進行部32は、モンスタMの体力を奪ったり、プレイヤに得点を与える。
【0029】
S11において、プレイ進行部32は、プレイ時間が終了したこと等によって、プレイ終了するか否を判定する。プレイ進行部32は、プレイ終了すると判定した場合には(S11:YES)、S12に進み、一方、プレイ終了しないと判定した場合には(S11:NO)、つまりプレイを継続すると判定した場合には、S2からの処理を繰り返す。
S12において、制御部30は、一連の処理を終了する。
【0030】
以上説明したように、実施形態のゲームシステム1は、プレイヤが所定位置に位置した状態でプレイするので、スクリーン2が確実に存在する方向に、コントローラ側プレイ画面62を投影できる。
また、ゲームシステム1は、ゲーム機側投影機11を備えるので、コントローラ50がスクリーン2に向けられなくても、ゲーム機側プレイ画面61を投影でき、プレイ時の疲労をさらに軽減できる。
さらに、ゲームシステム1は、スクリーン2がプレイヤを囲うように配置されているので、例えば、左右から敵が来るようなプレイを進行でき、迫力を向上できる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0032】
(変形形態)
(1)実施形態において、コントローラは、操作部として引金のみを備える例を説明したが、これに限定されない。例えば、仮想空間内を前後方向に移動を操作する移動レバーを設けて、制御部が、移動レバーの操作に基づいて、コントローラ側プレイ画面の中心方向に、前後方向に移動するように、プレイ進行してもよい。
これにより、プレイヤは、移動したい方向に入力装置を向けて、移動操作部の操作をすることにより、仮想空間内を自由に移動でき、かつ、その操作が簡単である。また、例えば、射程距離が短いときには、モンスタに近づいて射撃するようなゲームを提供できる。
【0033】
(2)実施形態において、スクリーンは、半円筒状である例を示したが、これに限定されない。例えば、スクリーンは、円筒状にして、プレイヤが円筒内部に位置して、プレイできるようにしてもよい。これにより、左右に加え背後から敵が来るようなプレイを進行でき、迫力を一層向上できる。
また、スクリーンは、球面状でもよい。この場合には、プレイヤが鉛直方向にコントローラを傾けても、入力装置のプレイ画像を、高品質に投影できる。
【0034】
(3)実施形態において、コントローラ側投影機は、その投影角度内のプレイ画面を全て投影する例を説明したが、これに限定されない。例えば、プレイ画面生成部がモンスタの映像だけを生成して、コントローラ側投影機がモンスタの映像だけを投影してもよい。これにより、プレイ画面生成部は、コントローラ側プレイ画面の画像処理を簡単に行うことができる。
【0035】
(4)実施形態において、コントローラのスクリーンに対する向きを、角度検出部を利用して算出する例を示したが、これに限定されない。例えば、従来のように、コントローラに赤外線発光ダイオードを設けて、モニタの周囲に赤外線発光ダイオードの発光を検出する複数のフォトセンサを設けてもよい。この場合であっても、コントローラのスクリーンに対する向きを、ある程度判定できればよいので、検出精度を下げることができるため、処理を簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1…ゲームシステム 2…スクリーン 10…ゲーム機 11…ゲーム機側投影機 20…記憶部 21…ゲームプログラム 21a…仮想空間情報 30…制御部 31…プレイ画面生成部 32…プレイ進行部 50…コントローラ 51…角度検出部 52…コントローラ側投影機 53…引金 61…ゲーム機側プレイ画面 62…コントローラ側プレイ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンと、ゲーム機と、入力装置とを備え、プレイヤが所定位置に位置した状態でプレイするゲームシステムであって、
前記入力装置は、
前記ゲーム機とは別の位置に配置され、前記ゲーム機に通信可能に接続され、
プレイヤが把持して、前記入力装置の照準を定めて使用するものであり、
投影方向が前記照準に一致するように設けられ、前記スクリーンに対して一定の投影角度でプレイ画面を投影する入力装置投影部と、
前記照準を検出する検出部と、
操作部とを備え、
前記ゲーム機は、
三次元の仮想空間を記憶する記憶部と、
前記検出部の出力に基づいて、前記照準を算出し、前記記憶部の仮想空間に基づいて、前記照準が中心のプレイ画面を生成し、前記入力装置投影部から投影するプレイ画面生成制御部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記入力装置投影部のプレイ画面の中心が選択されたとしてプレイ進行するプレイ進行制御部とを備えること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記ゲーム機は、前記入力装置投影部よりも大きな投影角度を有し、入力装置投影部よりも低い解像度を有し、前記スクリーンにプレイ画面を投影するゲーム機投影部を備え、
前記プレイ画面生成制御部は、前記記憶部の仮想空間に基づいて、前記ゲーム機投影部のプレイ画面の一部が、前記入力装置投影部のプレイ画面に一致するように画像を生成すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記プレイ画面生成制御部は、前記検出部の出力に基づいて、前記入力装置投影部のプレイ画面が前記スクリーンから外れる程度まで、前記入力装置の向きが傾いたと判定した場合には、前記入力装置投影部をオフにすること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記操作部は、前記仮想空間内を前後方向に移動を操作する移動操作部を備え、
前記プレイ進行制御部は、前記移動操作部の操作に基づいて、前記入力装置投影部のプレイ画面の中心方向に、前後方向に移動するようにプレイ進行すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記スクリーンは、プレイヤを囲うように円筒状、又は球面状に配置されていること、
を特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−17548(P2013−17548A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151405(P2011−151405)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】