説明

ゲームソフトレンタル管理システム

【課題】ゲームソフトレンタル管理システムにおいて、ゲームソフトの貸与又は譲渡の対価とレンタル許諾料とを分離させ、ゲームソフトの破損、紛失、盗難等の場合に、商品の再度の調達を容易とし、また、レンタル店でのレンタル許諾料の変更を可能とし、ユーザーの需要に対して柔軟に対応させ、ユーザーの利便性を高くすることにある。
【解決手段】メーカー側端末機とレンタル側端末機とに接続した取次サーバーは、メーカー側端末機から発信されたゲームソフトの商品情報を受信した場合に、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカー側端末機に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報をレンタル店側端末機に発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲームソフトレンタル管理システムに係り、特にゲームソフトのレンタルを効率良く管理してユーザーの利便性を高くするゲームソフトレンタル管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームソフトのレンタルにあっては、ゲームソフトを、メーカーからレンタル仲介者に、そして、レンタル仲介者からレンタル店に、順次に、一定期間貸与している。この場合に、レンタル店は、レンタル仲介者からゲームソフトの貸与を受ける対価として、一定の初期費用と、レンタルの売り上げに応じた分配金を、レンタル仲介者に支払っている。また、このレンタル仲介者は、メーカーからゲームソフトの貸与を受ける対価として、上記の初期費用の一部と、上記の分配金の一部とを、メーカーに支払っている。そして、ゲームソフトの貸与期間が終了したならば、レンタル店は、ゲームソフトを、メーカーに返却したり、あるいは、販売のために購入している。
【0003】
このようなゲームソフトのレンタルシステムには、使用者に固有の識別番号に基づいて使用者のレンタル履歴を管理し、書き込み可能媒体に新しいデータを書き込む前に、この書き込み可能媒体に残された前のデータを保管するライブラリー装置を設けたものがある。
【特許文献1】特開平8−255194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来、ゲームソフトのレンタルシステムにあっては、レンタル店において、ゲームソフトの破損、紛失、盗難等の場合に、貸与又は譲渡の対価とレンタル許諾料とが一体不可分であることから、商品の再度の調達が面倒であるとともに、レンタル店でのレンタル許諾料の変更ができないことから、ユーザーの需要に対して柔軟に対応することができなく、ユーザーの利便性が低いという不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、メーカー側入力手段により入力されたゲームソフトの商品情報を発信するメーカー側端末機を設け、ゲームソフトがユーザーにレンタルされた際にレンタル側入力手段により入力されたレンタル情報を発信するレンタル店側端末機を設け、前記メーカー側端末機と前記レンタル店側端末機とに電気通信回線を介して接続する取次サーバーを設け、この取次サーバーは、前記メーカー側端末機から発信されたゲームソフトの商品情報を受信した場合に、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とを前記メーカー側端末機に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報を前記レンタル店側端末機に発信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明のゲームソフトレンタル管理システムは、取次サーバーが、メーカー側端末機から発信されたゲームソフトの商品情報を受信した場合に、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカー側端末機に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報をレンタル店側端末機に発信することにより、ゲームソフトの貸与又は譲渡の対価とレンタル許諾料とを分離させ、ゲームソフトの破損、紛失、盗難等の場合に、商品の再度の調達を容易とし、また、レンタル店でのレンタル許諾料の変更を可能とし、ユーザーの需要に対して柔軟に対応させ、ユーザーの利便性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明は、ゲームソフトの貸与又は譲渡の対価と許諾料とを分離させ、ゲームソフトの破損、紛失、盗難等の場合に、再度の調達を容易とし、また、レンタル店でのレンタル許諾料の変更を可能とし、ユーザーの需要に対して柔軟に対応させ、ユーザーの利便性を高くする目的を、取次サーバーが、メーカー側端末機から発信されたゲームソフトの商品情報を受信したときに、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカー側端末機に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報をレンタル店側端末機に発信して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
【実施例】
【0008】
図1〜図3は、この発明の実施例を示すものである。
【0009】
図1、図2において、2はゲームソフトレンタル管理システムである。このゲームソフトレンタル管理システム2は、取次サーバー4と、この取次サーバー4に電気通信回線(インターネット)6・6を介して接続するメーカー側端末機8とレンタル店側端末機10とを備えている。
【0010】
取次サーバー4は、メーカー側端末機8からの情報信号とレンタル店側端末機10からの情報信号とを取り次ぐ機能を有し、サーバー側送受信手段4Aとサーバー側制御手段4Bと情報取次手段4Cとを備えている。
【0011】
メーカー側端末機8は、メーカーM内に設置され、メーカー側入力手段8Aとメーカー側送受信手段8Bとメーカー側制御手段8Cと商品データ蓄積手段8Dとを備え、メーカー側入力手段8Aにより入力されたゲームソフトの商品情報を発信するものである。なお、このメーカー側端末機8においては、レンタル用のゲームソフトの解禁時期(例えば、2ヶ月目、3ヶ月目、5ヶ月目…)の情報を、取次サーバー4に発信する。
【0012】
レンタル店側端末機10は、レンタル店R内に設置され、レンタル側入力手段10Aとレンタル側送受信手段10Bとレンタル側制御手段10Cとを備え、ゲームソフトがユーザーにレンタルされた際にレンタル側入力手段10Aにより入力されたレンタル情報を発信するものである。
【0013】
前記取次サーバー4は、メーカー側端末機8から発信されたゲームソフトの商品情報を受信した場合に、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカ側端末機8に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報をレンタル店側端末機10に発信するものである。
【0014】
取次サーバ4は、ユーザーUにレンタルされたゲームソフトのレンタル情報を、レンタル店側端末機10から受信して管理するものである。
【0015】
また、取次サーバ4は、レンタル店側端末機10が発信した商品再調達情報を受信し、そして、メーカー側端末機8に前記商品の調達情報を発信するものである。
【0016】
更に、取次サーバ4は、レンタル店側端末機10が発信したレンタル情報を受信し、そして、このレンタル情報に基づいてレンタル許諾料の変更を行い、この変更情報をレンタル店側端末機10に発信するものである。
【0017】
また、取次サーバー4には、商品をメーカーM側からレンタル店Rに搬送させる物流搬送店Tの搬送側側端末機12が接続している。
【0018】
次に、この実施例の作用を、図3のシーケンス図に基づいて説明する。
【0019】
メーカーMのメーカー側端末機8において、メーカー側入力手段8Aによりゲームソフトの商品情報が入力されると(S102)、このゲームソフトの商品情報を取次サーバー4に発信する(S104)。
【0020】
この取次サーバー4においては、メーカー側端末機8から発信されたゲームソフトの商品情報を受信し、そして、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカー側端末機8に発信し(S106)、これに対し、メーカー側端末機8からの承諾情報の発信があった場合に(S108)、このメーカー側端末機8を介してゲームソフトを貸与又は譲渡する契約とゲームソフトのレンタル許諾とを別々に取り交わす(S110)。
【0021】
そして、この取次サーバー4は、レンタル店Rのレンタル店側端末機10に、ゲームソフトの契約締結(レンタル許可)情報を発信する(S112)。
【0022】
この契約締結情報におけるゲームソフトのレンタル料金等は、以下のように設定される。
【0023】
例えば、レンタル料金は、初回やその以降によって設定され、そして、メーカーロイヤリティと取次サーバーとレンタル店Rとに振り分けられ、この結果として、レンタル店Rのコスト回収回転数が求められる。また、レンタル店コスト(初期)は、メディア貸与料とレンタル許諾料とギャランティ(初回レンタル料金)とが設定される。更に、レンタル店収入(ランニング)は、2回目以降のレンタル料金の収入の割合と延長料金の割合とに振り分けられる。更にまた、メーカー収入(初期)は、メディア貸与料とレンタル許諾料とギャランティ(初回レンタル料金)とが設定される。また、メーカー収入(ランニング)は、2回目以降のレンタル料金の割合と追加マニュアルの販売で設定される。
【0024】
そして、レンタル店側端末機10は、ゲームソフトの契約締結情報を受信し、承諾情報を発信すると(S114)、ゲームソフトをユーザーUにレンタル許可させる(S116)。
【0025】
そして、取次サーバー4は、レンタル店側端末機10から商品としてのゲームソフトを公衆に貸与する許諾の対価として、例えば、許諾期間中、毎月一定額のレンタル許諾料の徴収情報を、レンタル店側端末機10に発信する(S118)。
【0026】
また、このとき、取次サーバー4は、メーカーMのゲームソフトをレンタル店Rに搬送させる物流準備情報を、物流搬送店Tの搬送側端末機12に発信する(S120)。
【0027】
レンタル店Rでは、ユーザーUがゲームソフトをレンタルすると(S122)、レンタル料金を受け取る(S124)。
【0028】
そして、レンタル店側端末機10は、レンタル店RがゲームソフトをユーザーUにレンタルした場合に、レンタル側入力手段10Aで入力されたレンタル情報及びその際にユーザーUが支払ったレンタル料金情報を、取次サーバー4に発信する(S126)。
【0029】
そして、取次サーバー4は、これらの各情報を管理する(S128)。
【0030】
また、レンタル店側端末機10は、レンタル店Rの初期費用(レンタル店コスト)及びランニングロイヤリティ(レンタル店収入)の回収代行・監査等の情報(S130)、統計資料等の情報(S132)等の各情報を、取次サーバー4に発信する。
【0031】
そして、この取次サーバー4は、受信したレンタル店Rの初期費用(レンタル店コスト)及びランニングロイヤリティ(レンタル店収入)の回収代行・監査等の情報(S134)、統計資料等の情報(S136)等の各情報を、メーカー側端末機8に発信する。
【0032】
また、取次サーバー4は、ゲームソフトが毀損等し、レンタル店側端末機10から発信された商品再調達情報を受信した場合に(S138)、その商品の再調達情報の管理を行い(S140)、そして、その商品の調達情報をメーカー側端末機8に発信する(S142)。これにより、取次サーバー4は、レンタル店Rで、特定のゲームソフトが毀損、紛失、盗難等があった場合に、貸与又は譲渡の対価とレンタルの許諾料とを分離させ、貸与又は譲渡の対価のみの支払いで、前記特定のゲームソフトに対する商品の再調達をさせることができる。
【0033】
更に、取次サーバー4は、レンタル店側端末機10から受信したレンタル情報により、例えば、ゲームソフトのレンタル回数に応じてレンタル許諾料を変更し(S144)、つまり、人気のあるゲームソフトのレンタル料金を人気のないゲームソフトの料金よりも高く設定したり、あるいは、レンタル許諾料を不要、又は、レンタル許諾料を割り引く変更情報を、レンタル店側端末機10に発信し(S146)、ユーザーUの需要に柔軟に対応させ、ユーザーUの利便性を高くすることができる。
【0034】
この結果、この実施例においては、メーカー側端末機8とレンタル店側端末機10とに電気通信回線6・6を介して接続する取次サーバー4を設け、この取次サーバー4は、メーカー側端末機8から発信されたゲームソフトの商品情報を受信したときに、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカー側端末機8に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報をレンタル店側端末機10に発信することにより、ゲームソフトの貸与又は譲渡の対価とレンタル許諾料とを分離させ、ゲームソフトの破損、紛失、盗難等の場合に、商品の再度の調達を容易とし、また、レンタル店Rでのレンタル許諾料の変更を可能とし、ユーザーUの需要に対して柔軟に対応させ、ゲームソフトのレンタルを効率良く管理し、ユーザーUの利便性を高くし、ユーザーUの選択肢を広げる環境を提供することができる。
【0035】
即ち、この実施例において、ユーザーUには、ゲームソフトのレンタル料金の相場による価格変動、在庫の有無による不安定な供給の中古品に頼ることなく、常に、ゲームソフトを安定した安価な価格でレンタルすることができ、メーカーMには、中古価格よりも割安感・安定感のあるレンタル料金の設定により、ユーザーUを中古市場からレンタル市場に誘導し、新作ゲームソフトの販売への影響を排除するとともに、レンタル店Rへの販売という新しい市場を創設し、新規のユーザーの創出を図ることができ、レンタル法人には、メーカーとの協力体制により、新たなビジネスの可能性を見出し、また、予めゲームソフトのレンタルの開始時期を知ることにより、中古ソフトの過剰な在庫積み増しのおそれを低減することができる。
【0036】
なお、この発明は、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは、勿論である。
【0037】
例えば、個体識別可能なICタグをレンタル商品に埋め込むことにより、個々の商品の正確なレンタル回数を把握可能とし、また、商品の毀損等にも正確に対応させることができ、レンタル用又は販売用の商品と分けなくても、商品の管理を可能とすることができる。
【0038】
また、取次サーバーには、販促物の情報や追加マニュアルの販売情報を、管理させることも可能である。
【0039】
更に、取次サーバーでは、レンタル店でレンタルされたゲームソフトの総数をチェックし、その情報をメーカー側端末機に発信し、メーカーにレンタル情報を把握させることも可能である。
【0040】
更にまた、取次サーバーでは、ゲームソフトのレンタル回数によってレンタル許諾料を変更し、これにより、例えば、古いソフトの料金を新しいソフトの料金よりも低く設定し、古いゲームソフトの需要を拡大することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
取次サーバーが、メーカー側端末機から発信されたゲームソフトの商品情報を受信したときに、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とをメーカー側端末機に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報をレンタル店側端末機に発信することを、電気通信回線を利用した他のシステムにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ゲームソフトレンタル管理システムの構成図である。
【図2】ゲームソフトレンタル管理システムの流れ図である。
【図3】ゲームソフトレンタル管理システムのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0043】
2 ゲームソフトレンタル管理システム
4 取次サーバー
6 電気通信回線
8 メーカー側端末機
10 レンタル側端末機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メーカー側入力手段により入力されたゲームソフトの商品情報を発信するメーカー側端末機を設け、ゲームソフトがユーザーにレンタルされた際にレンタル側入力手段により入力されたレンタル情報を発信するレンタル店側端末機を設け、前記メーカー側端末機と前記レンタル店側端末機とに電気通信回線を介して接続する取次サーバーを設け、この取次サーバーは、前記メーカー側端末機から発信されたゲームソフトの商品情報を受信した場合に、ゲームソフトを貸与又は譲渡する契約情報とゲームソフトのレンタル許諾情報とを前記メーカー側端末機に発信し、そして、ゲームソフトをユーザーにレンタル許可させる契約締結情報を前記レンタル店側端末機に発信することを特徴とするゲームソフトレンタル管理システム。
【請求項2】
前記取次サーバは、ユーザーにレンタルされたゲームソフトのレンタル情報を、前記レンタル店側端末機から受信して管理することを特徴とする請求項1に記載のゲームソフトレンタル管理システム。
【請求項3】
前記取次サーバは、前記レンタル店側端末機が発信した商品再調達情報を受信し、そして、前記メーカー側端末機に前記商品の調達情報を発信することを特徴とする請求項1に記載のゲームソフトレンタル管理システム。
【請求項4】
前記取次サーバは、前記レンタル店側端末機が発信したレンタル情報を受信し、そして、このレンタル情報に基づいてレンタル許諾料の変更を行い、この変更情報を前記レンタル店側端末機に発信することを特徴とする請求項1に記載のゲームソフトレンタル管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−344124(P2006−344124A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170877(P2005−170877)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(595000427)株式会社光栄 (12)