説明

ゲームプレイヤー評価システム

【課題】より十分なゲームプレイヤー評価システムを提供する。
【解決手段】再現されたゲームをプレイヤーに表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップ、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体、ゲームプレイヤー評価手法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、記憶装置、入力装置、出力装置、通信装置などを用いてゲームを行う方法および、ゲーム内容を符号化して記録し、再現する方法が、広く知られている。また、レーティングや平均得点など、勝ち負けや得点などに応じて、プレイヤーの評価を行う方法が、広く知られている。また、特定のゲームの場面、たとえば、特定の麻雀の局面において、麻雀の手牌などから何を選ぶかといった問題に答えることより、プレイヤーの評価を行う方法が、広く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特許公開2008−246132
【特許文献2】 特許公開2004−313402
【特許文献3】 特許公開2008−245762
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらは次のような欠点があった。
イ)評価が、得点や順位などの、表面的な結果から行われるために、プレイヤーの評価として十分でない場合があった。
ロ)評価が、問題作成者の基準軸から行われるために、プレイヤーの評価として十分でない場合があった。本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプレイヤー評価方法は、所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明のプレイヤー評価装置は、所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のプレイヤー評価プログラムは、所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のビジネスモデルは、所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連して所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明には、次のような効果がある。
イ)ゲームプレイヤーの評価を、より十分に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
従来、所定のコンピュータ命令を実行し、所定のプログラムを実行するコンピュータ端末装置が広く知られている。図1は、所定のコンピュータ命令を実行する装置の模式図である。各々のコンピュータ端末は、サーバ・クライアント構成の要素として、データ通信を行ってもよい。各々のコンピュータ端末は、プロセッサ1、記憶装置2、メインメモリ3、リードオンリー・メモリ(ROM)4、一つまたは複数の入力装置5、一つまたは複数の出力装置6、通信インターフェース7、バス8を備えていてもよい。プロセッサ1は、演算処理を行う装置で、機械語と呼ばれる命令を解析し、実行する一つまたは複数の通常プロセッサやマイクロプロセッサがあってもよい。記憶装置2は、番地を付けられた記憶領域の列で、各々の記憶領域には小さな量の情報が格納され、この情報はある場合にはコンピュータに何をすべきかを教える命令であったり、コンピュータが命令を実行する対象となるデータであったりしてもよい。また、記憶装置2は、磁気や光学式のディスクやテープであってもよいし、電源を切ってもデータが消えない不揮発のフラッシュメモリであってもよい。また、記憶装置2は、データの読み書きを行う装置を備えていてもよい。メインメモリ3は、プロセッサ1が直接アクセスすることの出来る記憶装置であって、番地を付けられた記憶領域の列で、各々の記憶領域には小さな量の情報が格納され、この情報はある場合にはコンピュータに何をすべきかを教える命令であったり、コンピュータが命令を実行する対象となるデータであったりしてもよい。リードオンリー・メモリ4は、読み出し専用の記憶装置で、静的情報やプロセッサ1によって使われる静的データや命令を記録してあってもよい。入力装置5は、コンピュータ端末の利用者がコンピュータ端末に情報を伝達する装置であって、コンピュータ端末は、一つまたは複数の入力装置5を備えていてもよい。例えば、入力装置5には、キーボード、マウスなどがある。出力装置6は、コンピュータ端末からコンピュータ端末の利用者に情報を伝達する装置であって、コンピュータ端末は、一つまたは複数の出力装置6を備えていてもよい。例えば、出力装置6には、ディスプレイ、スピーカーなどがある。通信インターフェース7は、コンピュータ端末が他の端末やシステムと通信することができるようにする装置である。例えば、通信インターフェース7には、イーサネット(登録商標)、無線装置などがある。電気、光、赤外線、磁気を利用したものなど、特に方式は問わない。バス8は、導線の束で、コンピュータ端末の各装置を相互に接続し、データを伝達している。以上のような構成において、この発明の原則に沿ったコンピュータ端末は、所定の演算を行なう。コンピュータ端末は、メインメモリ3のような読み取り可能な媒体に含まれるソフトウェア命令を実行するプロセッサ1への応答として、これらの演算を行なってもよい。ソフトウェア命令は、記憶装置2のような他の読み取り可能な媒体から、あるいは通信インターフェース7経由で所定の装置から、メインメモリ3に読み込まれてもよい。プロセッサ1は、メインメモリ3の中のソフトウェア命令によって、この発明の原則に沿った所定のプロセスを引き起こしてもよい。あるいは、この発明の原則に沿ったプロセスを実行するソフトウェア命令の代わりに、あるいはそれと一緒に、配線による電気回路を使ってもよい。したがって、この発明の原則に沿った実装は、ハードウェア電気回路やソフトウェアの特定の組み合わせに限定されるものではない。以上のようにして、本発明の原則に沿った所定のプロセスを、例えば、所定のコンピュータ端末において、実装することができる。
【0012】
以上のような構成を用いて、ゲームを行う方法が広く知られている。
【0013】
また、図2のように、所定のゲームアイテムに対応する所定の符号を用いて、ゲームアイテムの組を構成することできることが知られている。同様にして、所定のゲームアイテムの組、配られたゲームアイテムの組、選んだゲームアイテム、捨てたカードなどを記録することができる。また所定のプレイヤーとプレイヤーの所定のアクションも所定の符号を用いて、記録することができる。本発明は、符号化を用いて記録再現可能なゲームに関する。
【0014】
図3は、XML表現を用いて、ゲームの内容を符号化した際のイメージ図である。記録された符号に対応するゲームの内容を呼び出すことで、所定のゲーム内容を復元し、再現して表示するステップを備えた、牌譜再生プログラムなどが広く知られている。
【0015】
本発明は、以上のような、所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップ、とを備える。
【0016】
本発明は、さらに、再現されたゲームをプレイヤーに表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備える。
【0017】
図4は、ゲーム内容を記録し、記録された符号から、ゲーム内容を再現し、再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促し、プレイヤーのアクションを評価する際の、ステップ図である。プレイヤー評価の開始は、ゲーム内容が記録された後、所定のタイミングで行うことができる。
【0018】
以上のような構成により、プレイヤーは、自身の過去のプレイ内容や、別のプレイヤーのプレイ内容など、所定のプレイ内容を、再現しながら、プレイヤーに、アクションの選択を促すことができる。
【0019】
図5は、再現されたゲーム内容を、プレイヤーに表示すると共に、アクションの選択を促す際の、イメージ図である。
【0020】
アクションの選択を促す方法や手段は、特に限定されない。また、選択されたアクションの評価を行う方法や手段は、特に限定されない。
【0021】
評価の方法や手段は、次のようなものが考えられる。
【0022】
イ)評価対象のプレイヤー自身の所定の過去のプレイ内容を再現するステップと、再現された場面で選択されたアクションを比較評価するステップ、とを備える構成により、プレイヤーがどの程度、自身のプレイ内容を再現できるかどうかにより、プレイヤーを評価する。
【0023】
ロ)評価対象のプレイヤーとは別の所定のプレイヤーのプレイ内容を再現するステップと、再現された場面で選択されたアクションを比較評価するステップ、とを備える構成により、たとえば、好成績のプレイヤーと、似ているアクションを選択できるかどうかにより、プレイヤーを評価する。
【0024】
イ)の構成の場合、プレイヤーが、どの程度、自身の選択するアクションに、意識的であるかどうかを、判定することができる。
【0025】
たとえば、従来の評価方法により、同じ平均順位2.4という評価を持つ2人のプレイヤーがいた場合、一方は自身の過去のプレイ内容を100選択分再現することができ、一方は再現することができない場合、多くの選択を再現できるプレイヤーの方が、熟練度が高いと判定することができる。
【0026】
ロ)の構成の場合、プレイヤーが、どの程度、別のプレイヤーが過去に選択したアクションに、似ているかどうかを、判定することができる。たとえば、従来の評価方法により、同じレーティング値2000という評価を持つ2人のプレイヤーがいた場合、一方はレーティング値3000の好成績のプレイヤーと選択が似ていて、一方は似ていない場合、似ているプレイヤーの方が、より好成績をおさめる可能性が高いと推定することもできる。
【0027】
比較評価するステップは、特に限定されないが、次のようなものが考えられる。
【0028】
イ)の構成の場合、比較評価された結果を記録するステップと、記録された結果から統計的に評価するステップを備えることにより、所定のプレイヤーが、どの程度、過去の自身プレイ内容と同じ選択を行うことができるかを、所定の回数、統計的にテストを行うことができる。
【0029】
したがって、たとえば、評価対象のプレイヤーに、過去のプレイ内容を再現して表示を行い、その再現されたゲームに関連して、過去にどのようなアクションを行ったか、過去と同じアクションの選択を促し、過去に選択されたアクションと同じアクションを対象のプレイヤーが選択することができる間、連続的に、時系列順で過去のプレイ内容を再現して表示を行いながら、比較評価の結果を記録することを繰り返すステップを備えることで、何アクション分、選択内容を覚えていることができるプレイヤーであるかどうかを、統計的に平均値として算出することができる。
【0030】
図6は、評価対象のプレイヤーの過去のプレイ内容を再現するステップと、その再現された場面に関連して、過去と同じアクションの選択を促すステップと、選択されたアクションと、記録されている過去のアクションを比較評価するステップと、比較評価された結果を記録するステップと、記録された結果から評価値を算出するステップを用いて、統計的に評価する際のステップ図である。
【0031】
図7は、イ)の場合の、プレイヤー評価のイメージ図である。
【0032】
ロ)の構成の場合も同様に、比較評価された結果を記録するステップと、記録された結果から統計的に評価するステップを備えることにより、所定のプレイヤーが、どの程度、所定の別のプレイヤーのプレイ内容と似ているかを、所定の回数、統計的にテストを行うことができる。プレイ内容が似ているかどうかの判定は、たとえば、プレイヤーの選択内容を、多次元ベクトルとして扱うことにより、ベクトル空間法を用いて、プレイヤーの類似度を算出することができる。
【0033】
なお、評価値を算出する際の、ロジックは、特に限定されない。平均値、ベクトル空間法、ベイズ推定、統計的手法などを用いてもよい。
【0034】
図8は、評価対象のプレイヤーとは別の所定のプレイヤーのプレイ内容を再現するステップと、再現されたゲームに関連して、選択されたアクションを比較評価するステップと、比較評価された結果を記録するステップと、記録された結果から評価値を算出するステップを用いて、統計的に評価する際のステップ図である。
【0035】
比較評価するステップは、類似度を評価するステップであってもよい。また、比較評価された結果を記録するステップは、類似度を評価した結果を記録するステップであってもよい。記録された結果から評価値を算出するステップは、類似度を評価した結果を記録した結果から、統計的に類似度を算出するステップであってもよい。
【0036】
図9は、ロ)の場合の、プレイヤー評価のイメージ図である。
【0037】
以上のような構成により、本発明は、従来のプレイヤー評価では、十分行うことができなかった評価を行うことができる。
【0038】
たとえば、自動的、無意識的にアクションの選択をし、自身の選択についてあまり把握していないプレイヤーと対戦するよりは、プレイ内容を意識的に選択し、自身の選択について深く把握しているプレイヤーと対戦する方が、ゲームをより楽しめる場合がある。
【0039】
また、たとえば、対戦しているプレイヤーと、似ているプレイヤーがいると判定されている場合、似ているプレイヤーと比較しながら、対戦することもできるため、従来とは違った角度から、ゲームをより楽しめる場合がある。
【0040】
また、点数や順位など表面的な結果以外の、どれだけ自身の選択を把握しているか、という意識的、心理的な評価軸がコンピューターゲーム内に生れ、ゲームをより楽しめる場合がある。
【0041】
また、たとえば、問題作成者が設定した特定の条件下での選択に対する評価といった、限定的な評価ではなく、記憶装置内の、所定のプレイヤーのプレイ内容と、統計的に比較判定することにより、より客観的な評価、より十分な評価を行うことができる。
【0042】
これらの点は、従来のゲームのプレイヤー評価では、行うことができなかった点であるかもしれない。
【0043】
なお、本発明が適用可能なゲームとしては、カードゲーム、麻雀、トランプ、花札などが含まれるが、特に限定されない。手札、手牌、駒など、手持ちのアイテムを用いて行うゲームなど、符号化を用いて記録再現可能なゲームに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明により、従来のプレイヤー評価方法では、十分評価できなかった面を新たに評価するビジネスモデルを構築することができる。たとえば、本発明によるプレイヤー評価に基づいて、ゲームサービスを提供したり、熟練度や段位認定を行うビジネスが可能となる。本発明により、よりゲーム性を高めたゲームを創出し、産業上の利用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】 所定のプログラムを実行するコンピュータ装置の模式図である。
【図2】 カードの符号化のイメージ図である。
【図3】 ゲーム内容の符号化のイメージ図である。
【図4】 アクションを比較評価するステップ図である。
【図5】 アクションの選択を促す際の、イメージ図である。
【図6】 統計的に評価する際のステップ図である。
【図7】 統計的に評価する際のステップ図である。
【図8】 プレイヤー評価のイメージ図である。
【図9】 プレイヤー評価のイメージ図である。
【符号の説明】
【0046】
(1) プロセッサ
(2) 記憶装置
(3) メインメモリ
(4) ROM
(5) 入力装置
(6) 出力装置
(7) 通信インターフェース
(8) バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えるプレイヤー評価方法。
【請求項2】
所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えるプレイヤー評価装置。
【請求項3】
所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えるプレイヤー評価プログラム。
【請求項4】
所定のゲームの内容を記録するステップと、所定の記録されたゲームの内容を再現して表示するステップと、所定の再現されたゲームに関連してプレイヤーに所定のアクションの選択を促すステップと、所定の選択されたアクションの評価を行うステップ、とを備えるビジネスモデル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−284473(P2010−284473A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158250(P2009−158250)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(300065372)
【Fターム(参考)】