説明

ゲームプログラム、およびゲーム装置

【課題】プレイヤが必要なときにのみ攻略情報を提供し、プレイヤがゲームを最後まで進め、ゲームクリアすることのできるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供すること。
【解決手段】攻略動画記憶手段は、ゲーム中の所定の場面の攻略方法を示す攻略動画を表示するための表示用データを当該所定の場面に関連づけて所定の記憶部に記憶する。ゲーム処理手段は、ゲーム処理を実行し、表示処理手段は、ゲーム画像を表示装置に表示させる。動画表示指示手段は、攻略動画の表示を指示するためのユーザからの入力を受け付け、ゲーム場面判定手段は、動画表示指示手段がユーザからの入力を受け付けたときのゲーム中の場面を判定する。そして、動画表示手段は、ゲーム場面判定手段によって判定された場面に関連づけられた攻略動画を所定の記憶部から読出し、表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、およびゲーム装置に関し、より特定的には、ユーザの操作入力に応じてゲーム処理を実行し、ゲームを進行させるゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビデオゲーム装置で行われるビデオゲームには、多くの種類が存在する。その中に、ロールプレイングゲームや、アクションアドベンチャーゲーム、アクションロールプレイングゲームと云われる種類のゲームがある。
【0003】
これらのゲームでは、主に、核となるストーリーやシナリオが予め設定されており、このストーリーやシナリオに沿ってゲームを進めていくのが一般的である。しかし、中には、これらストーリーやシナリオのボリュームが大きく、ゲームをクリアするまでに多大な時間を要するものがあった。また、ゲームの興趣を高めるために、シナリオ中に様々な謎を設けたり、高度なアクション(プレイヤの操作)等を求めたりする場合もある。しかし、これらの謎等の難度が高すぎて、ゲーム進行が途中で行き詰まり、最後までクリアできないという問題があった。そのような問題を解決する手法として、ゲーム中に、ゲームを進めるためのヒントを表示することで、ゲームの難度を下げるというゲーム制御方法が開示されている(例えば、特許文献1)。このゲーム制御方法では、特別なアクションを実行可能な場所の近くで、特別アクションを実行可能なキャラクタがパーティ(プレイヤが操作しているプレイヤキャラクタのグループ)内にいない場合にヒントメッセージを表示している。
【特許文献1】特開2002−200351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような上記特許文献1に開示されたゲーム制御方法においては、以下に示す問題点があった。すなわち、特許文献1に記載されたゲーム制御方法では、条件を満たした場合には必ずヒントが表示されてしまう。そのため、自力で謎を解いて、ゲームを攻略をしたいプレイヤにとっては、自分で考えるより先に謎を解くヒントが表示されてしまう結果、ゲームの興趣性を下げるものとなってしまっていた。また、単なるメッセージの表示では、面白味に欠けるという問題もあった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、プレイヤが必要なときにのみ攻略情報を提供し、プレイヤがゲームを最後まで進め、ゲームクリアすることのできるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。また本発明の別の目的は、ユーザがより楽しめるように攻略情報の提供を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係の一例を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、ユーザの操作入力に応じてゲーム処理を実行し、ゲームを進行させるゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、コンピュータを、攻略動画記憶手段(10、12)と、ゲーム処理手段(S21)と、表示処理手段(S15)と、動画表示指示手段(S16,S17)と、ゲーム場面判定手段(S31,S32)と、動画表示手段(S36)として機能させる。攻略動画記憶手段は、ゲーム中の所定の場面の攻略方法を示す攻略動画を表示するための表示用データを当該所定の場面に関連づけて所定の記憶部に記憶する。ゲーム処理手段は、ゲーム処理を実行する。表示処理手段は、ゲーム画像を表示装置に表示させる。動画表示指示手段は、攻略動画の表示を指示するためのユーザからの入力を受け付ける。ゲーム場面判定手段は、動画表示指示手段がユーザからの入力を受け付けたときのゲーム中の場面を判定する。動画表示手段は、ゲーム場面判定手段によって判定された場面に関連づけられた攻略動画を所定の記憶部から読出し、表示装置に表示させる。
【0008】
第1の発明によれば、ゲーム中の所定の場面において、プレイヤの指示操作に基づいて、その場面の攻略方法を示す動画を再生することができる。これにより、ゲームに行き詰まることを防ぐことができ、ゲームを最後までプレイしてもらうことが可能となる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、動画表示手段は、表示装置の表示領域の一部に、表示処理手段が表示するゲーム画像に重畳して攻略動画を表示する。
【0010】
第2の発明によれば、ゲーム画像と一緒に攻略動画を表示するため、攻略方法をよりプレイヤにわかりやすく提示できる。また、プレイヤに、攻略動画を見ながら操作を行うことを可能とする。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、動画表示手段は、表示処理手段が表示するゲーム画像よりも低画質で攻略動画を表示する。
【0012】
第3の発明によれば、攻略動画の「見栄え」が実際のゲーム画面よりも低くなるため、攻略動画を見ることによってプレイヤがゲームに満足してしまうことを防ぎ、自分で操作してゲームを攻略する等の、ゲームプレイに対するモチベーションを維持させることが可能となる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明において、プログラムは、コンピュータを、接続手段と攻略動画受信手段として更に機能させる。
接続手段は、攻略動画が記憶されている所定のサーバへゲーム装置をネットワーク経由で接続する。攻略動画受信手段は、接続手段を介して所定のサーバから攻略動画を受信する。また、攻略動画記憶手段は、攻略動画受信手段が所定のサーバから受信した攻略動画を所定の記憶部に記憶する。
【0014】
第4の発明によれば、攻略動画を別途配信するようにすることができる。これにより、柔軟な攻略動画の作成や準備が可能となる。また、製品として供給されるゲームプログラムにかかる開発の手間やファイルサイズ等を軽減することができる。
【0015】
第5の発明は、第1の発明において、プログラムは、コンピュータを、所定の時点からゲーム処理が実行されている時までの期間を計測する期間計測手段として更に機能させる。また、動画表示手段は、期間計測手段が計測した期間が所定値を越えているときにのみ攻略動画を表示する。
【0016】
第5の発明によれば、最初から全ての攻略情報を参照できることによるゲームの興趣性の低下を防止することができる。
【0017】
第6の発明は、ユーザの操作入力に応じてゲーム処理を実行し、ゲームを進行させるゲーム装置であって、攻略動画記憶手段(10、12)と、ゲーム処理手段(10)と、表示処理手段(10)と、動画表示指示手段(10)と、ゲーム場面判定手段(10)と、動画表示手段(10)とを備える。攻略動画記憶手段は、ゲーム中の所定の場面の攻略方法を示す攻略動画を表示するための表示用データを当該所定の場面に関連づけて記憶する。ゲーム処理手段は、ゲーム処理を実行する。表示処理手段は、ゲーム画像を表示装置に表示させる。動画表示指示手段は、攻略動画の表示を指示するためのユーザからの入力を受け付ける。ゲーム場面判定手段は、動画表示指示手段がユーザからの入力を受け付けたときのゲーム中の場面を判定する。動画表示手段は、ゲーム場面判定手段によって判定された場面に関連づけられた攻略動画を所定の記憶部から読出し、表示装置に表示させる。
【0018】
第6の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ゲーム中の所定の場面において、プレイヤの指示操作に基づき、その場面の攻略情報を動画を再生できる。これにより、プレイヤがゲームに行き詰まることを防ぐことができ、ゲームに不慣れなプレイヤや、ゲームをプレイするための時間があまり取れないようなプレイヤであっても、最後まで(ゲームクリアやエンディングまで)ゲームをプレイしてもらうことが可能となる。また、攻略情報を「動画」で実例として示すため、実際にどのようにプレイヤキャラクタを動かせばよいのか(操作すればよいのか)をプレイヤにより確実に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【0021】
(ゲームシステムの全体構成)
図1を参照して、本発明の実施形態に係るゲーム装置を含むゲームシステム1について説明する。図1は、ゲームシステム1の外観図である。以下、据置型のゲーム装置を一例にして、本実施形態のゲーム装置およびゲームプログラムについて説明する。図1において、ゲームシステム1は、テレビジョン受像器(以下、単に「テレビ」と記載する)2、ゲーム装置本体3、光ディスク4、コントローラ7、およびマーカ部8を含む。本システムは、コントローラ7を用いたゲーム操作に基づいてゲーム装置本体3でゲーム処理を実行するものである。
【0022】
ゲーム装置本体3には、当該ゲーム装置本体3に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例である光ディスク4が脱着可能に挿入される。光ディスク4には、ゲーム装置本体3において実行されるためのゲームプログラムが記憶されている。ゲーム装置本体3の前面には光ディスク4の挿入口が設けられている。ゲーム装置本体3は、挿入口に挿入された光ディスク4に記憶されたゲームプログラムを読み出して実行することによってゲーム処理を実行する。
【0023】
ゲーム装置本体3には、表示装置の一例であるテレビ2が接続コードを介して接続される。テレビ2には、ゲーム装置本体3において実行されるゲーム処理の結果得られるゲーム画像が表示される。また、テレビ2の画面の周辺(図1では画面の上側)には、マーカ部8が設置される。マーカ部8は、その両端に2つのマーカ8Rおよび8Lを備えている。マーカ8R(マーカ8Lも同様)は、具体的には1以上の赤外LEDであり、テレビ2の前方に向かって赤外光を出力する。マーカ部8はゲーム装置本体3に接続されており、ゲーム装置本体3はマーカ部8が備える各赤外LEDの点灯を制御することが可能である。
【0024】
コントローラ7は、当該コントローラ7自身に対して行われた操作の内容を示す操作データをゲーム装置本体3に与える入力装置である。コントローラ7とゲーム装置本体3とは無線通信によって接続される。本実施形態では、コントローラ7とゲーム装置本体3との間の無線通信には例えばBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)の技術が用いられる。なお、他の実施形態においてはコントローラ7とゲーム装置本体3とは有線で接続されてもよい。
【0025】
(ゲーム装置本体3の内部構成)
次に、図2を参照して、ゲーム装置本体3の内部構成について説明する。図2は、ゲーム装置本体3の構成を示すブロック図である。ゲーム装置本体3は、CPU10、システムLSI11、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV−IC15等を有する。
【0026】
CPU10は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムを実行することによってゲーム処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。CPU10は、システムLSI11に接続される。システムLSI11には、CPU10の他、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14およびAV−IC15が接続される。システムLSI11は、それに接続される各構成要素間のデータ転送の制御、表示すべき画像の生成、外部装置からのデータの取得等の処理を行う。システムLSIの内部構成について後述する。揮発性の外部メインメモリ12は、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC13は、ゲーム装置本体3の起動用のプログラムが組み込まれるROM(いわゆるブートROM)と、時間をカウントするクロック回路(RTC:Real Time Clock)とを有する。ディスクドライブ14は、光ディスク4からプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、後述する内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12に読み出したデータを書き込む。
【0027】
また、システムLSI11には、入出力プロセッサ11a、GPU(Graphics Processor Unit)11b、DSP(Digital Signal Processor)11c、VRAM11d、および内部メインメモリ11eが設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素11a〜11eは内部バスによって互いに接続される。
【0028】
GPU11bは、描画手段の一部を形成し、CPU10からのグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。より具体的には、GPU11bは、当該グラフィクスコマンドに従って3Dグラフィックスの表示に必要な計算処理、例えば、レンダリングの前処理にあたる3D座標から2D座標への座標変換などの処理や、テクスチャの張り込みなどの最終的なレンダリング処理を行うことで、ゲーム画像データを生成する。ここで、CPU10は、グラフィクスコマンドに加えて、ゲーム画像データの生成に必要な画像生成プログラムをGPU11bに与える。VRAM11dは、GPU11bがグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPU11bは、VRAM11dに記憶されたデータを用いて画像データを作成する。
【0029】
DSP11cは、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ11eや外部メインメモリ12に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。また、内部メインメモリ11eは、外部メインメモリ12と同様に、プログラムや各種データを記憶したり、CPU10のワーク領域やバッファ領域としても用いられる。
【0030】
上述のように生成された画像データおよび音声データは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、読み出した画像データをAVコネクタ16を介してテレビ2に出力するとともに、読み出した音声データを、テレビ2に内蔵されるスピーカ2aに出力する。これによって、画像がテレビ2に表示されるとともに音がスピーカ2aから出力される。
【0031】
入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)11aは、それに接続される構成要素との間でデータの送受信を実行したり、外部装置からのデータのダウンロードを実行したりする。入出力プロセッサ11aは、フラッシュメモリ17、無線通信モジュール18、無線コントローラモジュール19、拡張コネクタ20、および外部メモリカード用コネクタ21に接続される。無線通信モジュール18にはアンテナ22が接続され、無線コントローラモジュール19にはアンテナ23が接続される。
【0032】
入出力プロセッサ11aは、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに接続し、ネットワークに接続される他のゲーム装置や各種サーバと通信することができる。入出力プロセッサ11aは、定期的にフラッシュメモリ17にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータの有無を検出し、当該データが有る場合には、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ11aは、他のゲーム装置から送信されてくるデータやダウンロードサーバからダウンロードしたデータを、ネットワーク、アンテナ22および無線通信モジュール18を介して受信し、受信したデータをフラッシュメモリ17に記憶する。CPU10はゲームプログラムを実行することにより、フラッシュメモリ17に記憶されたデータを読み出してゲームプログラムで利用する。フラッシュメモリ17には、ゲーム装置本体3と他のゲーム装置や各種サーバとの間で送受信されるデータの他、ゲーム装置本体3を利用してプレイしたゲームのセーブデータ(ゲームの結果データまたは途中データ)が記憶されてもよい。
【0033】
また、入出力プロセッサ11aは、コントローラ7から送信される操作データをアンテナ23および無線コントローラモジュール19を介して受信し、内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。
【0034】
さらに、入出力プロセッサ11aには、拡張コネクタ20および外部メモリカード用コネクタ21が接続される。拡張コネクタ20は、USBやSCSIのようなインターフェースのためのコネクタであり、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、他のコントローラのような周辺機器を接続したり、有線の通信用コネクタを接続することによって無線通信モジュール18に替えてネットワークとの通信を行ったりすることができる。外部メモリカード用コネクタ21は、メモリカードのような外部記憶媒体を接続するためのコネクタである。例えば、入出力プロセッサ11aは、拡張コネクタ20や外部メモリカード用コネクタ21を介して、外部記憶媒体にアクセスし、データを保存したり、データを読み出したりすることができる。
【0035】
ゲーム装置本体3には、電源ボタン24、リセットボタン25、およびイジェクトボタン26が設けられる。電源ボタン24およびリセットボタン25は、システムLSI11に接続される。電源ボタン24がオンにされると、ゲーム装置本体3の各構成要素に対して、図示しないACアダプタを経て電源が供給される。また、一旦電源がオンにされた状態で、再度電源ボタン24を押すと、低電力スタンバイモードへの移行が行われる。この状態でも、ゲーム装置本体3への通電は行われているため、インターネット等のネットワークに常時接続しておくことができる。なお、一旦電源がオンにされた状態で、電源をオフにしたいときは、電源ボタン24を所定時間以上長押しすることで、電源をオフとすることが可能である。リセットボタン25が押されると、システムLSI11は、ゲーム装置本体3の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン26は、ディスクドライブ14に接続される。イジェクトボタン26が押されると、ディスクドライブ14から光ディスク4が排出される。
【0036】
次に、図3および図4を参照して、コントローラ7について説明する。なお、図3は、コントローラ7の上面後方から見た斜視図である。図4は、コントローラ7を下面前方から見た斜視図である。
【0037】
図3および図4において、コントローラ7は、ハウジング71と、当該ハウジング71の表面に設けられた複数個の操作ボタンで構成される操作部72とを備える。本実施例のハウジング71は、その前後方向を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさであり、例えばプラスチック成型によって形成されている。
【0038】
ハウジング71上面の中央前面側に、十字キー72aが設けられる。この十字キー72aは、十字型の4方向プッシュスイッチであり、4つの方向(前後左右)に対応する操作部分が十字の突出片にそれぞれ90°間隔で配置される。プレイヤが十字キー72aのいずれかの操作部分を押下することによって前後左右いずれかの方向を選択される。例えばプレイヤが十字キー72aを操作することによって、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタ等の移動方向を指示したり、複数の選択肢から選択指示したりすることができる。
【0039】
なお、十字キー72aは、上述したプレイヤの方向入力操作に応じて操作信号を出力する操作部であるが、他の態様の操作部でもかまわない。例えば、十字方向に4つのプッシュスイッチを配設し、プレイヤによって押下されたプッシュスイッチに応じて操作信号を出力する操作部を設けてもかまわない。さらに、上記4つのプッシュスイッチとは別に、上記十字方向が交わる位置にセンタスイッチを配設し、4つのプッシュスイッチとセンタスイッチとを複合した操作部を設けてもかまわない。また、ハウジング71上面から突出した傾倒可能なスティック(いわゆる、ジョイスティック)を倒すことによって、傾倒方向に応じて操作信号を出力する操作部を上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。さらに、水平移動可能な円盤状部材をスライドさせることによって、当該スライド方向に応じた操作信号を出力する操作部を、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。また、タッチパッドを、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。
【0040】
ハウジング71上面の十字キー72aより後面側に、複数の操作ボタン72b〜72gが設けられる。操作ボタン72b〜72gは、プレイヤがボタン頭部を押下することによって、それぞれの操作ボタン72b〜72gに割り当てられた操作信号を出力する操作部である。例えば、操作ボタン72b〜72dには、1番ボタン、2番ボタン、およびAボタン等としての機能が割り当てられる。また、操作ボタン72e〜72gには、マイナスボタン、ホームボタン、およびプラスボタン等としての機能が割り当てられる。これら操作ボタン72a〜72gは、ゲーム装置本体3が実行するゲームプログラムに応じてそれぞれの操作機能が割り当てられる。なお、図3に示した配置例では、操作ボタン72b〜72dは、ハウジング71上面の中央前後方向に沿って並設されている。また、操作ボタン72e〜72gは、ハウジング71上面の左右方向に沿って操作ボタン72bおよび72dの間に並設されている。そして、操作ボタン72fは、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0041】
また、ハウジング71上面の十字キー72aより前面側に、操作ボタン72hが設けられる。操作ボタン72hは、遠隔からゲーム装置本体3本体の電源をオン/オフする電源スイッチである。この操作ボタン72hも、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0042】
また、ハウジング71上面の操作ボタン72cより後面側に、複数のLED702が設けられる。ここで、コントローラ7は、他のコントローラ7と区別するためにコントローラ種別(番号)が設けられている。例えば、LED702は、コントローラ7に現在設定されている上記コントローラ種別をプレイヤに通知するために用いられる。具体的には、コントローラ7から通信ユニット6へ送信データを送信する際、上記コントローラ種別に応じて複数のLED702のうち、種別に対応するLEDが点灯する。
【0043】
また、ハウジング71上面には、操作ボタン72bおよび操作ボタン72e〜72gの間に後述するスピーカ(図5のスピーカ706)からの音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。
【0044】
一方、ハウジング71下面には、凹部が形成されている。後述で明らかとなるが、ハウジング71下面の凹部は、プレイヤがコントローラ7の前面をマーカ8Lおよび8Rに向けて片手で把持したときに、当該プレイヤの人差し指や中指が位置するような位置に形成される。そして、上記凹部の傾斜面には、操作ボタン72iが設けられる。操作ボタン72iは、例えばBボタンとして機能する操作部である。
【0045】
また、ハウジング71前面には、撮像情報演算部74の一部を構成する撮像素子743が設けられる。ここで、撮像情報演算部74は、コントローラ7が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い場所を判別してその場所の重心位置やサイズなどを検出するためのシステムであり、例えば、最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期であるため比較的高速なコントローラ7の動きでも追跡して解析することができる。この撮像情報演算部74の詳細な構成については、後述する。また、ハウジング70の後面には、コネクタ73が設けられている。コネクタ73は、例えばエッジコネクタであり、例えば接続ケーブルと嵌合して接続するために利用される。
【0046】
ここで、以下の説明を具体的にするために、コントローラ7に対して設定する座標系について定義する。図3および図4に示すように、互いに直交するxyz軸をコントローラ7に対して定義する。具体的には、コントローラ7の前後方向となるハウジング71の長手方向をz軸とし、コントローラ7の前面(撮像情報演算部74が設けられている面)方向をz軸正方向とする。また、コントローラ7の上下方向をy軸とし、ハウジング71の上面(操作ボタン72a等が設けられた面)方向をy軸正方向とする。さらに、コントローラ7の左右方向をx軸とし、ハウジング71の左側面(図3では表されずに図4で表されている側面)方向をx軸正方向とする。
【0047】
次に、図5および図6を参照して、コントローラ7の内部構造について説明する。なお、図5は、コントローラ7の上ハウジング(ハウジング71の一部)を外した状態を後面側から見た斜視図である。図6は、コントローラ7の下ハウジング(ハウジング71の一部)を外した状態を前面側から見た斜視図である。ここで、図6に示す基板700は、図5に示す基板700の裏面から見た斜視図となっている。
【0048】
図5において、ハウジング71の内部には基板700が固設されており、当該基板700の上主面上に操作ボタン72a〜72h、加速度センサ701、LED702、およびアンテナ754等が設けられる。そして、これらは、基板700等に形成された配線(図示せず)によってマイコン751等(図6、図7参照)に接続される。マイコン751は本願発明のボタンデータ発生手段の一例として、操作ボタン72a等の種類に応じた操作ボタンデータを発生させるように機能する。この仕組みは公知技術であるが、例えばキートップ下側に配置されたタクトスイッチなどのスイッチ機構による配線の接触/切断をマイコン751が検出することによって実現されている。より具体的には、操作ボタンが例えば押されると配線が接触して通電するので、この通電がどの操作ボタンにつながっている配線で発生したかをマイコン751が検出し、操作ボタンの種類に応じた信号を発生させている。
【0049】
また、コントローラ7は、図示しない無線モジュール753(図7参照)およびアンテナ754によって、ワイヤレスコントローラとして機能する。なお、ハウジング71内部には図示しない水晶振動子が設けられており、後述するマイコン751の基本クロックを生成する。また、基板700の上主面上に、スピーカ706およびアンプ708が設けられる。また、加速度センサ701は、操作ボタン72dの左側の基板700上(つまり、基板700の中央部ではなく周辺部)に設けられる。したがって、加速度センサ701は、コントローラ7の長手方向を軸とした回転に応じて、重力加速度の方向変化に加え、遠心力による成分の含まれる加速度を検出することができるので、所定の演算により、検出される加速度データからコントローラ7の回転を良好な感度でゲーム装置本体3等が判定することができる。
【0050】
一方、図6において、基板700の下主面上の前端縁に撮像情報演算部74が設けられる。撮像情報演算部74は、コントローラ7の前方から順に赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744によって構成されており、それぞれ基板700の下主面に取り付けられる。また、基板700の下主面上の後端縁にコネクタ73が取り付けられる。さらに、基板700の下主面上にサウンドIC707およびマイコン751が設けられている。サウンドIC707は、基板700等に形成された配線によってマイコン751およびアンプ708と接続され、ゲーム装置本体3から送信されたサウンドデータに応じてアンプ708を介してスピーカ706に音声信号を出力する。
【0051】
そして、基板700の下主面上には、バイブレータ704が取り付けられる。バイブレータ704は、例えば振動モータやソレノイドである。バイブレータ704は、基板700等に形成された配線によってマイコン751と接続され、ゲーム装置本体3から送信された振動データに応じてその作動をオン/オフする。バイブレータ704が作動することによってコントローラ7に振動が発生するので、それを把持しているプレイヤの手にその振動が伝達され、いわゆる振動対応ゲームが実現できる。ここで、バイブレータ704は、ハウジング71のやや前方寄りに配置されるため、プレイヤが把持している状態において、ハウジング71が大きく振動することになり、振動を感じやすくなる。
【0052】
次に、図7を参照して、コントローラ7の内部構成について説明する。なお、図7は、コントローラ7の構成を示すブロック図である。
【0053】
図7において、コントローラ7は、上述した操作部72、撮像情報演算部74、加速度センサ701、バイブレータ704、スピーカ706、サウンドIC707、およびアンプ708の他に、その内部に通信部75を備えている。
【0054】
撮像情報演算部74は、赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を含んでいる。赤外線フィルタ741は、コントローラ7の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ742は、赤外線フィルタ741を透過した赤外線を集光して撮像素子743へ出射する。撮像素子743は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDのような固体撮像素子であり、レンズ742が集光した赤外線を撮像する。したがって、撮像素子743は、赤外線フィルタ741を通過した赤外線だけを撮像して画像データを生成する。撮像素子743で生成された画像データは、画像処理回路744で処理される。具体的には、画像処理回路744は、撮像素子743から得られた画像データを処理して高輝度部分を検知し、それらの位置座標や面積を検出した結果を示す処理結果データを通信部75へ出力する。なお、これらの撮像情報演算部74は、コントローラ7のハウジング71に固設されており、ハウジング71自体の方向を変えることによってその撮像方向を変更することができる。後述により明らかとなるが、この撮像情報演算部74から出力される処理結果データに基づいて、コントローラ7の位置や動きに応じた信号を得ることができる。
【0055】
コントローラ7は、3軸(x、y、z軸)の加速度センサ701を備えていることが好ましい。この3軸の加速度センサ701は、3方向、すなわち、上下方向、左右方向、および前後方向で直線加速度を検知する。また、他の実施形態においては、ゲーム処理に用いる制御信号の種類によっては、上下および左右方向(または他の対になった方向)のそれぞれに沿った直線加速度のみを検知する2軸の加速度検出手段を使用してもよい。例えば、この3軸または2軸の加速度センサ701は、アナログ・デバイセズ株式会社(Analog Devices, Inc.)またはSTマイクロエレクトロニクス社(STMicroelectronics N.V.)から入手可能であるタイプのものでもよい。加速度センサ701は、シリコン微細加工されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電子機械システム)の技術に基づいた静電容量式(静電容量結合式)であってもよい。しかしながら、既存の加速度検出手段の技術(例えば、圧電方式や圧電抵抗方式)あるいは将来開発される他の適切な技術を用いて3軸または2軸の加速度センサ701が提供されてもよい。
【0056】
当業者には公知であるように、加速度センサ701に用いられるような加速度検出手段は、加速度センサの持つ各軸に対応する直線に沿った加速度(直線加速度)のみを検知することができる。つまり、加速度センサ701からの直接の出力は、その2軸または3軸のそれぞれに沿った直線加速度(静的または動的)を示す信号である。このため、加速度センサ701は、非直線状(例えば、円弧状)の経路に沿った動き、回転、回転運動、角変位、傾斜、位置、または姿勢等の物理特性を直接検知することはできない。
【0057】
しかしながら、加速度センサ701から出力される加速度の信号に基づいて、ゲーム装置のプロセッサ(例えばCPU10)またはコントローラのプロセッサ(例えばマイコン751)などのコンピュータが処理を行うことによって、コントローラ7に関するさらなる情報を推測または算出(判定)することができることは、当業者であれば本明細書の説明から容易に理解できるであろう。例えば、加速度センサを搭載するコントローラが静的な状態であることを前提としてコンピュータ側で処理する場合(すなわち、加速度センサによって検出される加速度が重力加速度のみであるとして処理する場合)、コントローラが現実に静的な状態であれば、検出された加速度に基づいてコントローラの姿勢が重力方向に対して傾いているか否か又はどの程度傾いているかを知ることができる。具体的には、加速度センサの検出軸が鉛直下方向を向いている状態を基準としたとき、1G(重力加速度)がかかっているか否かだけで傾いているか否かを知ることができるし、その大きさによってどの程度傾いているかも知ることができる。また、多軸の加速度センサの場合には、さらに各軸の加速度の信号に対して処理を施すことによって、各軸が重力方向に対してどの程度傾いているかをより詳細に知ることができる。この場合において、、加速度センサ701からの出力に基づいて、プロセッサがコントローラ7の傾き角度のデータを算出する処理をおこなってもよいが、当該傾き角度のデータを算出する処理をおこなうことなく、加速度センサ701からの出力に基づいて、おおよその傾き具合を推定するような処理としてもよい。このように、加速度センサ701をプロセッサと組み合わせて用いることによって、コントローラ7の傾き、姿勢または位置を判定することができる。一方、加速度センサが動的な状態であることを前提とする場合には、重力加速度成分に加えて加速度センサの動きに応じた加速度を検出するので、重力加速度成分を所定の処理により除去すれば、動き方向などを知ることができる。具体的には、、加速度センサ701を備えるコントローラ7がユーザの手で動的に加速されて動かされる場合に、加速度センサ701によって生成される加速度信号を処理することによって、コントローラ7のさまざまな動きおよび/または位置を算出することができる。なお、加速度センサが動的な状態であることを前提とする場合であっても、加速度センサの動きに応じた加速度を所定の処理により除去すれば、重力方向対する傾きを知ることが可能である。他の実施例では、加速度センサ701は、信号をマイコン751に出力する前に内蔵の加速度検出手段から出力される加速度信号に対して所望の処理を行うための、組込み式の信号処理装置または他の種類の専用の処理装置を備えていてもよい。例えば、組込み式または専用の処理装置は、加速度センサが静的な加速度(例えば、重力加速度)を検出するためのものである場合、検知された加速度信号をそれに相当する傾斜角(あるいは、他の好ましいパラメータ)に変換するものであってもよい。
【0058】
他の実施形態の例では、コントローラ7の動きを検出する動きセンサとして、回転素子または振動素子などを内蔵したジャイロセンサを用いてもよい。この実施形態で使用されるMEMSジャイロセンサの一例として、アナログ・デバイセズ株式会社から入手可能なものがある。加速度センサ701と異なり、ジャイロセンサは、それが内蔵する少なくとも一つのジャイロ素子の軸を中心とした回転(または角速度)を直接検知することができる。このように、ジャイロセンサと加速度センサとは基本的に異なるので、個々の用途のためにいずれの装置が選択されるかによって、これらの装置からの出力信号に対して行う処理を適宜変更する必要がある。
【0059】
具体的には、加速度センサの代わりにジャイロセンサを用いて傾きや姿勢を算出する場合には、大幅な変更を行う。すなわち、ジャイロセンサを用いる場合、検出開始の状態において傾きの値を初期化する。そして、当該ジャイロセンサから出力される角速度データを積分する。次に、初期化された傾きの値からの傾きの変化量を算出する。この場合、算出される傾きは、角度に対応する値が算出されることになる。一方、加速度センサによって傾きを算出する場合には、重力加速度のそれぞれの軸に関する成分の値を、所定の基準と比較することによって傾きを算出するので、算出される傾きはベクトルで表すことが可能であり、初期化を行わずとも、加速度検出手段を用いて検出される絶対的な方向を検出することが可能である。また、傾きとして算出される値の性質は、ジャイロセンサが用いられる場合には角度であるのに対して、加速度センサが用いられる場合にはベクトルであるという違いがある。したがって、加速度センサに代えてジャイロセンサが用いられる場合、当該傾きのデータに対して、2つのデバイスの違いを考慮した所定の変換を行う必要がある。加速度検出手段とジャイロセンサとの基本的な差異と同様にジャイロセンサの特性は当業者に公知であるので、本明細書ではさらなる詳細を省略する。ジャイロセンサは、回転を直接検知できることによる利点を有する一方、一般的には、加速度センサは、本実施形態で用いるようなコントローラに適用される場合、ジャイロセンサに比べて費用効率が良いという利点を有する。
【0060】
通信部75は、マイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)751、メモリ752、無線モジュール753、およびアンテナ754を含んでいる。マイコン751は、処理の際にメモリ752を記憶領域として用いながら、送信データを無線送信する無線モジュール753を制御する。また、マイコン751は、アンテナ754を介して無線モジュール753が受信したゲーム装置本体3からのデータに応じて、サウンドIC707およびバイブレータ704の動作を制御する。サウンドIC707は、通信部75を介してゲーム装置本体3から送信されたサウンドデータ等を処理する。また、マイコン751は、通信部75を介してゲーム装置本体3から送信された振動データ(例えば、バイブレータ704をONまたはOFFする信号)等に応じて、バイブレータ704を作動させる。
【0061】
コントローラ7に設けられた操作部72からの操作信号(キーデータ)、加速度センサ701からの加速度信号(x、y、およびz軸方向加速度データ;以下、単に加速度データと記載する)、および撮像情報演算部74からの処理結果データは、マイコン751に出力される。マイコン751は、入力した各データ(キーデータ、加速度データ、処理結果データ)を通信ユニット6へ送信する送信データとして一時的にメモリ752に格納する。ここで、通信部75から通信ユニット6への無線送信は、所定の周期毎に行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として行われることが一般的であるので、それよりも短い周期で送信を行うことが必要となる。具体的には、ゲームの処理単位は16.7ms(1/60秒)であり、ブルートゥース(Bluetooth;登録商標)で構成される通信部75の送信間隔は例えば5msである。マイコン751は、通信ユニット6への送信タイミングが到来すると、メモリ752に格納されている送信データを一連の操作情報として出力し、無線モジュール753へ出力する。そして、無線モジュール753は、例えばブルートゥース(登録商標)の技術に基づいて、所定周波数の搬送波を用いて操作情報で変調し、その電波信号をアンテナ754から放射する。つまり、コントローラ7に設けられた操作部72からのキーデータ、加速度センサ701からの加速度データ、および撮像情報演算部74からの処理結果データが無線モジュール753で電波信号に変調されてコントローラ7から送信される。そして、ゲーム装置本体3の通信ユニット6でその電波信号を受信し、ゲーム装置本体3で当該電波信号を復調や復号することによって、一連の操作情報(キーデータ、加速度データ、および処理結果データ)を取得する。そして、ゲーム装置本体3のCPU10は、取得した操作情報とゲームプログラムとに基づいて、ゲーム処理を行う。なお、ブルートゥース(登録商標)の技術を用いて通信部75を構成する場合、通信部75は、他のデバイスから無線送信された送信データを受信する機能も備えることができる。
【0062】
次に、図8〜図16を用いて、本実施形態が想定しているゲーム処理の概要について説明する。図8〜図16は、本実施形態が想定するゲームの画面の一例である。本実施形態で想定しているゲームは、アクションアドベンチャーゲームである。本ゲームでは、プレイヤが3次元仮想空間内でプレイヤキャラクタを操作し、ゲームの開発者が予め設定した所定のストーリー・シナリオに沿ってゲームが進められる。また、当該仮想空間内の各所には、数々の「謎(仕掛け)」が設けられている。プレイヤは、これらの数々の「謎」を解いていくことで、ゲームを進めることができる。
【0063】
図8は、本ゲームのタイトルメニューを示す図である。図8のタイトルメニューでは、「ゲーム」、「ダイジェスト」、「シーンメニュー」の3つの項目が表示されている。「ゲーム」は、通常通りにゲームをプレイするための項目である。「ダイジェスト」は、ゲームの中核となる内容(ストーリー展開、シナリオ展開)を最初から最後までダイジェストで見ることができる項目である。また、本ゲームは、シナリオの進行具合に応じて、あらかじめ「シーン」という単位で区切られている。そして、「シーンメニュー」は、所定の「シーン」を選び、そこからゲームをプレイすることができる項目である。プレイヤは、この3つの項目の中から所望する項目を選択できる。
【0064】
まず、上記タイトルメニューから、「ゲーム」を選んだときの処理概要について説明する。プレイヤがタイトルメニューから「ゲーム」を選ぶと、図9に示すようなスタートメニューが表示される。このメニューでは、「スタート」「ロード」の2つの項目が表示されている。プレイヤが「スタート」を選んだ場合は、ゲームを最初から始めることができる。一方、「ロード」を選んだ場合は、後述するユーザセーブデータを読み込むことで、以前プレイした続きからプレイ可能である。
【0065】
図10は、「スタート」あるいは「ロード」のいずれかによって開始された、ゲーム画面の一例である。図10においては、テレビ2に3次元仮想ゲーム空間が表示され、更にその中にプレイヤキャラクタ101が表示されている。また、画面右上にはヒントボタン102が表示されている。プレイヤは、この画面で、コントローラ7を介してプレイヤキャラクタ101を操作し、ゲームを進めていくことができる。
【0066】
プレイヤがゲームを進めていくと、上述したような、ゲーム中に設定されている「謎」に遭遇する。図11は、当該「謎」が設定されている場面の一例である。図11においては、扉103の開け方が「謎」として設定されている。すなわち、プレイヤは、何らかの「謎」を解かなければ、扉103を開くことができず、先に進むことができない。ここで、この「謎」の答え、すなわち、扉103の開け方として、所定の場所の床にあるスイッチを押すことで扉103を開くことができるとする。
【0067】
図11の場面において、プレイヤが扉103の開け方がわからないため、ヒントボタン102を押したとする。すると、図12に示すように、画面の領域のうち、右上の一部の領域に一回り小さいウィンドウ104が表示され、扉103の開け方を示す動画(以下、攻略ムービーと呼ぶ)が再生される。図12では、プレイヤキャラクタ101が、扉103を開けるための床のスイッチ105の上まで移動する様子と、そのスイッチ105に乗る様子(スイッチ105を押す動作)が攻略ムービーとして再生される。この攻略ムービーを見ることで、プレイヤは、扉103の開け方がわかる。そのため、プレイヤが、攻略ムービーで示されたように、床のスイッチ105までプレイヤキャラクタ101を移動させ、そのスイッチの上に乗ることで、扉103を開くことができ、ゲームを先に進めることが可能となる。
【0068】
このように、プレイヤが謎の解き方等がわからずに、ゲームを先に進めることができないときに、ヒントボタンを押すことで、その場面に応じた謎の解き方等を示す攻略ムービーが再生される。これにより、ゲームに行き詰まることなく、最後までゲームを進め、ゲームをクリアすることができる。また、謎の解き方等が、攻略ムービーで実例として示される(謎の解き方が実演される)ことで、例えば、文字情報のみでヒント等を示す場合に比べ、よりプレイヤにとって理解しやすく提示することができる。また、それ自体を楽しめる形で攻略情報を提示することができる。また、ヒントボタンを押さない限りは、謎の解き方は再生されないため、ユーザの意思に関わらず謎の解き方を示すヒント等を表示する場合に比べ、自力で謎を解きたいプレイヤに対するゲームの興趣性を下げることもない。
【0069】
次に、図8のタイトルメニューから「ダイジェスト」を選んだときの処理概要について説明する。「ダイジェスト」が選ばれたときは、予め設定されているダイジェスト用のムービーの再生が行われる。図13は、「ダイジェスト」が選ばれたときのゲーム画面の一例である。図13では、ダイジェスト用のムービーがムービー領域110に表示され、その下に、現在の場面を示すシーン名111が表示されている。当該ダイジェスト用のムービーは、例えば、ゲームの開発者が実際にゲームをプレイしたゲーム画面を録画した「プレイ動画」や、ゲーム中に適宜挿入される「イベントムービー」等で構成されている。ここで、例えば、ゲームのシナリオ進行として、「森」→「洞窟」→「塔」→「神殿」の順番で進んでいくように設定されている場合を想定する。この場合は、ダイジェストムービーの内容も、「森」の場面から始まり、「洞窟」→「塔」→「神殿」へとゲームが進行していく様子がダイジェストで再生される。そして、このダイジェスト用ムービーを見ることで、プレイヤは、ゲームの核となるストーリーやシナリオ、ゲーム展開を把握することができる。
【0070】
更に、ダイジェスト用ムービーの再生中に、プレイヤが所定のボタン、例えば操作ボタン72dを押すことにより、そのときに再生している場面からゲームをプレイすることが可能である。例えば、ダイジェスト用ムービーの再生開始から15分経過したとき、ゲーム中のステージの一つである「神殿」のプレイ動画が再生されているとする。このときに、プレイヤが操作ボタン72dを押せば、図14に示すように、この場面からゲームをプレイするか否かについての問い合わせメッセージ112が表示される。このメッセージに対して、プレイヤが肯定の旨の応答を返すと、予め設定されているダイジェスト用のセーブデータ(以下、ダイジェストセーブデータと呼ぶ)が読み込まれる。このダイジェストセーブデータは、後述するような、ゲーム中の各シーンに対応して予め設定されているセーブデータである。図14の場合は、神殿の手前までゲームが進んでいることを想定して、予め設定されているセーブデータが読み込まれる。そのため、プレイヤキャラクタのレベルや各種ステータス(HP等のパラメータ)は、ゲーム開始直後の状態と比べて、ある程度上昇している状態である。また、所持アイテムについても、普通にプレイして、神殿までゲームを進めたならば所持しているであろうアイテムが、所持アイテムとして設定されている。つまり、神殿を攻略する準備が整っている状態が設定されているセーブデータである。そして、このようなダイジェストセーブデータを読み込むことで、「神殿」の場面からゲームを開始することが可能となる。但し、本ゲームでは、このようにしてゲームを開始した場合は、ゲームのセーブを行うことはできないようにする。つまり、ユーザが自ら攻略したゲームのデータ以外を保存できないようにすることで、自力で攻略を行うユーザの興趣を下げることのないようにする。以下、このような、ダイジェストムービー再生途中でゲームを始め、セーブができない状態でゲームをプレイすることを、「ダイジェストモード」でのゲームプレイと呼ぶ。ただし、興趣性の維持を目的としない場合においては、ダイジェストモードでのセーブを可能としても構わない。
【0071】
ここで、ユーザセーブデータとダイジェストセーブデータの違いについて説明する。上記タイトルメニューから「ゲーム」を選んだときに「ロード」できるユーザセーブデータは、プレイヤがゲーム中にセーブの指示を出すことによって生成、記憶されるものである。これに対し、当該ダイジェストセーブデータは、上記のようにゲームの進行具合を想定して予め設定され、ゲームプログラムの一部としてゲームディスク4内に記憶されているデータである点で、ユーザセーブデータとは異なるデータである。上述のように、ダイジェストモードではセーブができないので、ユーザセーブデータはユーザが始めからゲームをプレイし、自ら攻略をしたもののみが記憶される。
【0072】
このように、ダイジェスト用ムービーを視聴することでプレイヤはゲーム内容を一通り把握することができ、更に、ダイジェスト用ムービーの再生中に、自分でプレイしたい場面があれば、その場面からゲームを開始することができる。これにより、ゲーム内容の全体像を把握しつつ、プレイヤが所望する場面があれば、そこからプレイすることが可能となり、より手軽にゲームを楽しむことが可能となる。また、上述のように、「ダイジェストモード」ではゲーム中のセーブができないようにするため、自力でゲームをクリアしたいプレイヤや、ゲームをやり込みたいプレイヤのゲームに対する興趣性を損ねることを防ぐこともできる。つまり、手軽にゲームをプレイしたいプレイヤやゲームのための時間があまり取れないプレイヤは、「ダイジェスト」(または後述の「シーンメニュー」)を選ぶことでゲームを手軽に楽しむことができる。一方、じっくりとゲームを楽しみたいプレイヤは、「ゲーム」を選ぶことで、例えば「ダイジェスト」の中では出てこないような、隠しイベントやサブストーリー(ゲームの中核ではないような要素)まで含めて、ゲームを隅々まで楽しむことができる。また、自らが攻略をしたゲームのデータをセーブデータとして残すことができる。
【0073】
次に、図8のタイトルメニューから「シーンメニュー」を選んだときの処理概要を説明する。図15は、「シーンメニュー」を選んだ場合の画面の一例である。図15では、画面の略左半分にシーン名の一覧151が表示されている(なお、この一覧151は、全てのシーン名を一度に表示しきれないため、スクロール可能に構成されている)。上述のように、「シーン」は、本ゲームのシナリオを区切ったものである。例えば、本ゲームのシナリオにおいて「洞窟」という場面があり、その構造が1階、地下1階、地下2階と設定されているとする。この場合、ゲーム中において、1階を攻略して地下1階に降りるところまでを「シーン1」、地下1階を攻略して地下2階に降りるところまでを「シーン2」、地下2Fを攻略して洞窟の最深部に待ち受けているボスキャラクタの居場所の手前までを「シーン3」、そして、ボスキャラクタとの戦いを「シーン4」というように区切って設定することが考えられる。
【0074】
また、上述したダイジェストセーブデータは、それぞれのシーンに対応づけられている。また、このダイジェストセーブデータは、各シーンの最初の部分から始まることを想定して設定されている。上記洞窟の例を取ると、「シーン1」に対応するダイジェストセーブデータは、洞窟の入り口から始まるようなセーブデータである。また、「シーン2」に対応するダイジェストセーブデータは、洞窟の地下1階に降りたところから始まるようなセーブデータである。「シーン3」に対応するダイジェストセーブデータは、洞窟の地下2階に降りたところから始まるようなセーブデータであり、「シーン4」に対応するダイジェストセーブデータは、ボスキャラクタの居場所に入る直前から始まるようなセーブデータである。そして、このようなダイジェストセーブデータをロードすることで、プレイヤはゲーム内の所望のシーンの冒頭部分からゲームを開始できる。
【0075】
図15において、所望のシーン名にカーソル合わせると、そのシーンの内容を示す動画152が、当該シーン名の右側に再生される。この動画152の内容は、カーソルが合わせられたシーンの一部が流れる内容である。そして、プレイヤが所望のシーンを選び、ゲーム開始の指示を入力(例えば、操作ボタン72dを押す)すれば、図16に示すような、選んだシーンからゲームをプレイするか否かについての問い合わせメッセージ161が表示される。このメッセージに対して、プレイヤが肯定の旨の応答を返すと、選択されたシーンに対応する上記ダイジェストセーブデータがロードされ、そのシーンの冒頭部分から上記ダイジェストモードにてゲームを開始することが可能となる。上記のように、当該ダイジェストセーブデータは、そのシーンまでゲームが進行していることを想定してデータが設定されているため、プレイヤキャラクタのレベルや所持アイテムも、各シーンに応じた設定がなされている。そのため、初期状態(ゲーム開始直後の状態)のプレイヤキャラクタでプレイするような場合に比べ、違和感なく、かつ、ゲームに行き詰まることなくゲームをプレイすることが可能である。
【0076】
次に、ゲーム装置本体3によって実行されるゲーム処理の詳細を説明する。まず、ゲーム処理の際に外部メインメモリ12に記憶されるデータについて説明する。図17は、ゲーム装置本体3の外部メインメモリ12のメモリマップを示す図である。図17において、外部メインメモリ12は、プログラム記憶領域121、データ記憶領域124、および作業領域132を含む。プログラム記憶領域121およびデータ記憶領域124のデータは、光ディスク16に記憶され、ゲームプログラム実行時には外部メインメモリ12に転送されて記憶される。また、ここでは説明の便宜上、各データをテーブルデータの形式で説明するが、これらのデータは、実際にテーブルデータの形式で記憶されている必要はなく、このテーブルに相当する内容の処理が記憶されていればよい。
【0077】
プログラム記憶領域121は、CPU10によって実行されるゲームプログラムを記憶し、このゲームプログラムは、ゲームメインプログラム122、ムービー再生プログラム123などによって構成される。ゲームメインプログラム122は、後述する図25のフローチャートの処理に対応するプログラムである。ムービー再生プログラム123は、圧縮・符号化された動画や音声などのデータを復号し、再生するためのプログラムである。上述した攻略ムービーやダイジェストムービーといった動画ファイルを再生するために用いられる。
【0078】
データ記憶領域124には、ゲームメインデータ125、謎テーブル126、攻略ムービー127、ダイジェストムービー128、ダイジェストムービー対応テーブル129、ダイジェストセーブデータ130、シーンテーブル131などのデータが記憶される。
【0079】
ゲームメインデータ125は、図8のタイトルメニューで「ゲーム」が選ばれることによって実行されるゲーム処理に必要なデータでが記憶される。例えば、ゲームに登場するプレイヤキャラクタ101や相手キャラクタ等に関するデータ(位置データや各種パラメータ等)や仮想ゲーム空間に関するデータ(地形データ等)や画像データ、音声データ等である。
【0080】
謎テーブル126は、ゲーム中に設定されている「謎」の発生場所やその内容、各「謎」とその解法を示す上記攻略ムービーとの対応付けを示すデータである。図18は、謎テーブル126のデータ構成の一例を示す図である。謎テーブル126は、場所1261と謎番号1265と謎内容1266と攻略ムービー名1267とシーン番号1268とを有する構造になっている。
【0081】
場所1261は、謎が設定されている仮想ゲーム空間内の場所(領域)を示すためのデータである。場所1261は、更に、地方名1262、拠点名1263、詳細場所名1264とを有している。図18の例では、○○地方(地方名1262)の○○村(拠点名1263)の村長の家(詳細場所名1264)で謎1が発生するとして定義されている。謎番号1265は、各「謎」を識別するための番号であり、謎内容1266は、その「謎」の具体的な内容を示すデータである。例えば、所定のスイッチを押さなければ扉が開かない、所定の敵を倒さなければ結界が解除されない、等の内容が定義されている。攻略ムービー名1267は、それぞれの「謎」に対応する攻略ムービーの名前である。シーン番号1268は、その「謎」が設定されているシーンを識別するための番号である。後述のシーンテーブル131のシーン番号1311に対応している。
【0082】
図17に戻り、攻略ムービー127には、上述したような攻略ムービーが格納される。図19は、攻略ムービー127のデータ構成の一例を示す図である。攻略ムービー名1271は、各攻略ムービーを識別するための名前であり、上記謎テーブル126の攻略ムービー名1267に対応する。ムービー内容1272は、具体的なムービー内容である。例えば、MPEG2等の所定の規格で圧縮・符号化された映像・音声データである。
【0083】
図17に戻り、ダイジェストムービー128は、図8で示したタイトルメニューから「ダイジェスト」が選ばれたときに再生されるムービーである。図20は、ダイジェストムービーの一例の構成を概念的に示した図である。なお、図20における時間表記は、「時:分:秒」で表している。図20で示されるダイジェストムービーでは、再生開始〜0:01:00までは、ゲーム開始直後から○○村に着くまでの道のりをダイジェスト化した映像が再生されることが示されている。また、0:01:00〜0:02:00までは、○○村で謎1を解く様子を示す映像が再生されることが示されている。0:02:00〜0:03:30までは、○○村でおこるイベントの映像(イベントムービー)が再生される。このような、ゲーム中の各場面の再生される順番は、開発者が予め設定したストーリー・シナリオの流れに沿ったものとなっている。
【0084】
図17に戻り、ダイジェストムービー対応テーブル129は、上記ダイジェストムービーにおける映像の再生位置と次に説明するダイジェストセーブデータ130との対応付けを定義したテーブルである。つまり、ダイジェストムービー再生中の、どの場面でスタートが押されたら、どのダイジェストセーブデータ130を読み込むのか、を定義したテーブルである。図21は、ダイジェストムービー対応テーブル129のデータ構成の一例を示す図である。ダイジェストムービー対応テーブル129は、再生時間自1291と再生時間至1292と、ダイジェストセーブデータ名1293とで構成される。
【0085】
再生時間自1291および再生時間至1292は、ダイジェストムービー中における再生開始からの経過時間の範囲を示すためのデータである。例えば、再生時間自1291が「0:01:00」、再生時間至1292が「0:02:00」と定義されているときは、ダイジェストムービーの再生開始から1分経過後2分経過前までの範囲であることを示している。ダイジェストセーブデータ名1293は、上記再生時間自1291および再生時間至1292で定義される時間の範囲内にゲームプレイ指示がなされたときに読み込むダイジェストセーブデータを指定するためのデータである。なお、ここでは、再生開始からの経過時間を用いてダイジェストムービー内の範囲の定義を行っているが、これに限らず、再生動画のフレーム番号を用いて上記範囲を定義するように構成しても良い。
【0086】
図17に戻り、ダイジェストセーブデータ130は、上述のように、ゲームの進行度合いに応じて予め用意されているセーブデータである。図22は、ダイジェストセーブデータ130のデータ構成の一例を示す図である。ダイジェストセーブデータ名1301は、各ダイジェストセーブデータを一意に識別するための名前であり、上記ダイジェストムービー対応テーブル129のダイジェストセーブデータ名1293に対応している。データ内容1302は、その具体的なセーブデータの内容である。各シーンに応じて、プレイヤキャラクタのレベルや所持アイテム、仮想ゲーム空間内における現在地やどのイベントやシーンまでクリアしたか、等のデータが含まれている。
【0087】
図17に戻り、シーンテーブル131は、ゲーム中の各シーンについて定義したテーブルである。主に、図15で示したような「シーンメニュー」画面において用いられるデータである。図23は、シーンテーブル131のデータ構成の一例を示す図である。シーンテーブル131は、シーン番号1311、開始点1312、終了点1313、ダイジェストセーブデータ名1314、紹介ムービー1315の集合で構成される。シーン番号1311は、各シーンを識別するための番号である。開始点1312、終了点1313は、ゲーム中(シナリオ中)の各シーンの範囲を示すためのデータである。図23の例では、ゲーム開始から謎1をクリアするまでが、1つのシーン(シーン番号は”001”)として定義されている。ダイジェストセーブデータ名1314は、上記ダイジェストセーブデータ130のダイジェストセーブデータ名1301に対応するものである。紹介ムービー1315は、各シーンの内容を紹介するためのムービーデータである(図15の動画122に相当)。各シーンの冒頭の部分をムービーデータとして格納している。
【0088】
図17に戻り、作業領域132は、ゲーム処理中に一時的に用いられる各種データ、フラグ等が格納される領域である。具体的には、作業領域132には、進行情報133等が格納される。進行情報133は、現在プレイ中のプレイヤのゲームの進行具合に関するデータであり、謎番号134、シーン番号135等が含まれている。謎番号134は、プレイヤキャラクタが現在位置している仮想空間内の場所やゲーム中の場面が、上述したような「謎」のある場所であるか否か、および、「謎」のある場所であれば、どの「謎」の場所にいるのかを示すためのデータである。上記謎テーブル126の謎番号1265に対応している。また、上記ヒントボタン102が押されたときは、当該データが参照されることで、各「謎」に対応する攻略ムービーが検索される。シーン番号135は、上記シーンテーブル131のシーン番号1311に対応するデータであり、プレイヤが現在、どのシーンをプレイしているのかを示すデータである。その他、作業領域132には、ゲーム処理中に一時的に用いられる各種データ、フラグ等が格納される。
【0089】
次に、フラッシュメモリ17に記憶されるデータについて説明する。図24は、図2に示したフラッシュメモリ17のメモリマップを示す図である。上述のように、フラッシュメモリ17は不揮発的なメモリであるため、以下に説明するデータは、ゲーム装置本体3の電源がオフとされても、消去されずに記憶され続ける。図24において、フラッシュメモリ17は、ユーザセーブデータ171等を含む。なお、これらのデータは、ゲームプログラム実行時には上記外部メインメモリ12に転送されて記憶されてもよい。
【0090】
ユーザセーブデータ171は、ゲームの進行状況などを示すデータである。上記タイトルメニューから「ゲーム」が選ばれて開始されたゲーム処理において、プレイヤによるセーブの指示等によって、当該セーブデータが生成、あるいは更新される。当該ユーザセーブデータ171に含まれる進行情報172は、上記作業領域132の進行情報133がユーザセーブデータ171の一部として記憶されたものである。
【0091】
次に、図25〜図29を参照して、ゲーム装置本体3によって実行されるゲーム処理について説明する。ゲーム装置本体3の電源が投入されると、ゲーム装置本体3のCPU10は、ROM/RTC13に記憶されている起動プログラムを実行し、これによってメインメモリ33等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムがメインメモリ33に読み込まれ、CPU10によって当該ゲームプログラムの実行が開始される。図25に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われるゲーム処理を示すフローチャートである。
【0092】
図25において、ゲームプログラムの実行が開始されると、まず、タイトルメニュー(図8参照)が表示される。そして、プレイヤからの入力(メニュー項目の選択)が受け付けられる(ステップS1)。プレイヤからの入力が受け付けられると、次に、どの項目が選択されたかの判定が行われる。まず、「ゲーム」が選択されたか否かが判定される(ステップS2)。その結果、「ゲーム」が選択されていれば(ステップS2でYES)、後述するゲームメイン処理(ステップS3)が実行される。
【0093】
一方、「ゲーム」が選択されていないと判定されたときは(ステップS2でNO)、次に「ダイジェスト」が選択されたか否かの判定が行われる(ステップS4)。その結果、「ダイジェスト」が選択されていれば(ステップS4でYES)、後述するダイジェスト処理(ステップS5)が実行される。
【0094】
一方、ステップS4の判定の結果、「ダイジェスト」が選択されていないと判定されたときは(ステップS4でNO)、次に「シーンメニュー」が選択されたか否かの判定が行われる(ステップS6)。その結果、「シーンメニュー」が選択されていれば(ステップS6でYES)、後述するシーンメニュー処理(ステップS7)が実行される。
【0095】
一方、「シーンメニュー」も選択されていないと判定されたとき(ステップS6でNO)、また、上記ステップS3、S5、S7の処理が行われた後、本ゲーム処理を終了するか否かの判定が実行される(ステップS8)。YESの場合、本実施形態にかかるゲーム処理を終了し、NOの場合、ステップS1に戻って、ゲーム処理を繰り返す。
【0096】
次に、上記ステップS3で示したゲームメイン処理の詳細を説明する。図26は、上記ステップS3で示したゲームメイン処理の詳細を示すフローチャートである。図26において、まず、図9で示したようなスタートメニューが表示され、プレイヤからの入力が受け付けられる(ステップS11)。
【0097】
次に、当該スタートメニューから、プレイヤが「ロード」を選択したか否かが判定される(ステップS12)。その結果、プレイヤが「ロード」を選択したと判定されたときは(ステップS12でYES)、プレイヤの操作に基づき、所定のユーザセーブデータの読み込みが行われる(ステップS13)。その後、ゲームが開始され、ゲーム画面の表示が行われる(ステップS15)。
【0098】
一方、ステップS12の判定で、プレイヤが「ロード」を選択していないと判定されたときは(ステップS12でNO)、次に、スタートメニューから、プレイヤが「スタート」を選択したか否かが判定される(ステップS14)。当該判定の結果、プレイヤが「スタート」を選択したと判定されたときは(ステップS14でYES)、ユーザセーブデータの読み込みは行わずにステップS15の処理が行われる。すなわち、予め設定された初期状態にてゲームが開始され、ゲーム画面が表示される。その結果、図10に示したような、ヒントボタン102を含むゲーム画面が表示される。一方、プレイヤが「スタート」を選択していないと判定されたときは(ステップS14でNO)、ステップS11に戻って処理が繰り返される。
【0099】
ゲームが開始されれば、プレイヤからの入力(操作)の受け付けが開始される(ステップS16)。プレイヤからの入力があれば、その入力内容が、ヒントボタン102を押す操作であるか否かが判定される(ステップS17)。その結果、ヒントボタン102が押す操作と判定されたときは(ステップS17でYES)、後述する攻略ムービー再生処理が実行される(ステップS20)。一方、ヒントボタン102が押されていないと判定されたときは(ステップS17でNO)、次に、プレイヤからの入力内容がゲームをセーブするための操作であるか否かが判定される(ステップS18)。当該判定の結果、ゲームのセーブのための操作であると判定されたときは(ステップS18でYES)、セーブ処理が実行される(ステップS19)。セーブ処理では、進行情報133等に基づいてユーザセーブデータ171を作成、あるいは更新するための処理が実行される。一方、ステップS18の判定の結果、ゲームのセーブのための操作でもないと判定されたときは(ステップS18でNO)、プレイヤの入力内容に基づいて、その他のゲーム処理が行われる(ステップS21)。この処理では、攻略ムービー再生処理以外のゲーム処理、例えば、プレイヤの入力に基づくプレイヤキャラクタ101の移動や攻撃など、通常のゲーム進行にかかる各種処理が実行される。この際、プレイヤが現在、どのシーンをプレイしているかを示すために、進行情報133のシーン番号135が、適宜更新される。また、プレイヤキャラクタ101が仮想ゲーム空間内の「謎」のある場面まで移動すれば(移動したか否かは、場所1261およびシーン番号1268に基づいて判定される)、その謎に対応する謎番号1265が謎テーブル126から読み出され、進行情報133の謎番号134にコピーされる。また、「謎」のある場面から離れたときは、NULL値を謎番号134に設定する処理が実行される。これにより、進行情報133の謎番号134に「NULL」が設定されているか否かで、プレイヤが、現在「謎」に直面しているか否かが判定できることになる。なお、その他の各種ゲーム処理(移動や戦闘、会話等に関する処理)については、本発明の内容と直接関連しないため、説明は省略する。
【0100】
次に、上記ステップS18で示した攻略ムービー再生処理の詳細を、図27のフローチャートを用いて説明する。図27において、まず、プレイヤが、「謎」のある場面に来ているのか否かを判定する処理が行われる。具体的には、上記作業領域132内の進行情報133から、謎番号134が読み出される(ステップS31)。そして、当該謎番号134が「NULL」であるか否かが判定される(ステップS32)。その結果、「NULL」と判定されたとき(ステップS32でYES)、すなわち、「謎」のある場面にプレイヤキャラクタが来ていないときは、ヒントの無い旨を表示するための処理が行われ(ステップS33)、攻略ムービー処理が終了する。他の実施形態としては、フレーム毎に謎番号の判定を行い、謎番号134が「NULL」である場合には、ヒントボタン102の表示を行わないようにしてもよい。
【0101】
一方、ステップS32の判定の結果、「NULL」ではないと判定されたときは(ステップS32でNO)、何らかの「謎」がある場面にプレイヤキャラクタが来ていることになる。そのため、謎番号134に設定されている値に基づいて、謎テーブル126から攻略ムービー名1267を検索する処理が実行される(ステップS34)。具体的には、まず、謎テーブル126へのアクセスが行われ、進行情報133の謎番号134の値に対応する謎番号1265が検索される。そして、当該検索された謎番号1265の攻略ムービー名1267が取得される。
【0102】
次に、当該攻略ムービー名1267に基づいて、攻略ムービー127からムービー内容1272が読み込まれる(ステップS35)。次に、攻略ムービー再生用のウィンドウ104(図12参照)を生成し、当該ウィンドウ内で、当該ムービー内容1272を再生するための処理が実行される。すなわち、攻略ムービーが再生されることになる(ステップS36)。
【0103】
続いて、ムービー内容1272の再生が終了したか否かが判定される(ステップS37)。その結果、再生が終了していないときは(ステップS37でNO)、ステップS36に戻り、ムービー内容1272の再生処理が続けられる。ムービー内容1272の再生が終了すれば(ステップS37でYES)、攻略ムービー再生処理は終了する。
【0104】
図26に戻り、ステップS20またはS21の処理が行われた後、ゲームメイン処理を終了するか否かの判定が実行される(ステップS22)。YESの場合、ゲームメイン処理を終了し、NOの場合、ステップS15に戻って、処理を繰り返す。以上で、ゲームメイン処理は終了する。
【0105】
次に、上記ステップS5で示したダイジェスト処理の詳細を、図28のフローチャートを用いて説明する。図28において、まず、外部メインメモリ12からのダイジェストムービー128の読み込みが実行される(ステップS41)。
【0106】
次に、図13で上述したようなダイジェスト用の画面を生成し、ダイジェストムービーの再生処理が実行される(ステップS42)。同時に、プレイヤからの入力の受付も開始される。
【0107】
次に、ダイジェスト用ムービーの再生中に、プレイヤが所定のボタン、例えば操作ボタン72dを押したか否かが判定される(ステップS43)。以下、この入力のことを、ダイジェストスタートの指示と呼び、ダイジェスト用ムービーの再生中にゲームを途中から始めることをダイジェストスタートと呼ぶ。当該判定の結果、ダイジェストスタートの指示がなければ(ステップS43でNO)、続いて、ダイジェストムービーの再生が終了したか否かが判定される(ステップS44)。ダイジェストムービーの再生がまだ終了していないときは(ステップS44でNO)、ステップS42の処理に戻り、ダイジェストムービーの再生を続ける。
【0108】
一方、ダイジェストスタートの指示があれば(ステップS43でYES)、次に、ダイジェストスタートをしてもよいか否かを確認するため、図14で示したような問い合わせ画面が表示され、プレイヤからの入力が受け付けられる(ステップS45)。このとき、ダイジェストムービーの再生は、一時停止される。この画面に対してプレイヤが入力を行えば、その入力内容が、「ダイジェストスタート」を指示する内容(例えば、図14の画面で「YES」を選択)であるか否かが判定される(ステップS46)。当該判定の結果、「ダイジェストスタート」を指示する内容でないときは(ステップS46でNO)、ステップS42の処理に戻り、ダイジェストムービーの再生が続けられる。一方、「ダイジェストスタート」を指示する内容であるときは(ステップS46でYES)、ダイジェストムービーの現在の再生位置が検出される(ステップS47)。ここでは、ダイジェストムービーの再生開始からの経過時間が取得され、これに基づいてダイジェストムービーの現在の再生位置が検出される。
【0109】
次に、検出された再生位置に対応するダイジェストセーブデータが検索されて読み込まれる(ステップS48)。具体的には、ダイジェストムービー対応テーブル129がアクセスされ、上記取得された経過時間(すなわち、現在の再生位置)が、再生時間自1291以上であり、再生時間至1292未満となるダイジェストセーブデータ名1293が検索される。図21の例では、例えば、再生開始から4分経過したところでダイジェストスタートを行ったとすれば、「ダイジェストセーブデータ04」が検索される。そして、当該ダイジェストセーブデータ名1293に基づいて、ダイジェストセーブデータ130からデータ内容1302が作業領域132の進行情報133の一部として読み込まれる。
【0110】
次に、読み込まれたダイジェストセーブデータに基づいて、上述したようなダイジェストモードでのゲーム処理が開始される(ステップS49)。すなわち、セーブすることはできない状態でゲーム処理が実行される。つまり、ダイジェストモードにおいては、ゲーム中にセーブの操作を行っても何も実行されずにセーブができない旨を表示したり、またはセーブをするための表示を行わずにユーザにセーブの操作を行わせないようにしたりする。
【0111】
次に、当該ダイジェストモードでのゲームの終了が指示されたか否かが判定される(ステップS50)。終了の指示がないときは(ステップS50でNO)、ステップS39の処理に戻り、ダイジェストモードでのゲーム処理を続行する。終了が指示されたときは(ステップS50でYES)、ダイジェスト処理が終了する。
【0112】
次に、上記ステップS7で示したシーンメニュー処理の詳細を、図29のフローチャートを用いて説明する。図29において、まず、外部メインメモリ12から、シーンテーブル131が読み込まれる(ステップS61)。
【0113】
次に、当該シーンテーブル131に基づき、ゲーム中のシーンを一覧表示できる画面(図15参照)が生成される(ステップS62)。そして、当該一覧画面が表示され、ユーザの入力が受け付けられる(ステップS63)。このとき、最初に一覧画面を表示する際には、カーソルが一番上のシーン001に合わせられている状態で表示する。更に、カーソルが合わせられているシーンの冒頭部分を紹介する紹介ムービー1315が読出され、再生が行われる。
【0114】
一覧画面に対するユーザからの入力が行われると、その入力内容が、いずれかのシーンを選択した旨の入力であるか否かが判定される(ステップS64)。その結果、いずれのシーンも選択されていないときは(ステップS64でNO)、続いて、シーンメニューを終了するための指示が入力されたか否かが判定される(ステップS65)。その結果、終了の指示がなければ(ステップS65でNO)、ステップS63の処理に戻り、終了が指示されていれば(ステップS65でYES)、シーンメニュー処理は終了する。
【0115】
一方、ステップS64の判定で、いずれかのシーンが選択されていれば(ステップS64でYES)、次に、図16で示したような問い合わせ画面が表示され、プレイヤからの入力が受け付けられる(ステップS66)。この問い合わせ画面に対してプレイヤが入力を行えば、その入力内容が「ゲーム開始」を指示する内容(例えば、図16の画面で「YES」を選択)であるか否かが判定される(ステップS67)。当該判定の結果、「ゲーム開始」を指示する内容でないときは(ステップS67でNO)、ステップS63の処理に戻り、一覧画面の表示を行う。一方、「ゲーム開始」を指示する内容であるときは(ステップS67でYES)、シーンテーブル131から、選択されたシーンに対応するダイジェストセーブデータ名1314が取得される。そして、当該ダイジェストセーブデータ名1314に基づいて、ダイジェストセーブデータ130からデータ内容1302が検索され、作業領域132の進行情報133の一部として読み込まれる(ステップS68)。
【0116】
次に、上記ステップS49の処理と同様に、読み込まれたダイジェストセーブデータに基づいて、上記ダイジェストモードでのゲーム処理が開始される(ステップS69)。
【0117】
次に、当該ダイジェストモードでのゲームの終了が指示されたか否かが判定される(ステップS70)。終了の指示がないときは(ステップS70でNO)、ステップS59の処理に戻り、ダイジェストモードでのゲーム処理を続行する。終了が指示されたときは(ステップS70でYES)、シーンメニュー処理が終了する。
【0118】
このように、本実施形態では、ゲーム中に設けられた「謎」の解き方がわからないときでも、プレイヤが所望するならその解き方を示す動画をその場面で見ることができる。そのため、「謎」が解けずにゲームに行き詰まることや、謎が解けない事によるゲームクリアへのモチベーションの低下を防ぐことができる。これにより、ゲームに不慣れなプレイヤや、ゲームをプレイするための時間があまり取れないようなプレイヤであっても、最後までゲームがプレイでき、クリアすることが可能となる。また、「謎」の解き方を「動画」という形で、実際に解いていく実例を示すため、実際にどのようにプレイヤキャラクタを動かせばよいのか(操作すればよいのか)をプレイヤにより確実に伝えることができる。そのため、例えば、文字情報のみによるヒントを与えても、まだ謎の解き方がわからないようなプレイヤでも、ゲームに行き詰まることを防ぎ、最後までゲームをプレイしてもらうことが可能となる。
【0119】
また、ダイジェストムービーによって、ゲーム(のシナリオやストーリー)の大体の内容を把握することができ、なおかつ、ダイジェストムービー中の所望の場面からゲームをプレイすることが可能である。これにより、ダイジェストの途中からゲームを始めても、そこまでのストーリー等の流れは把握できるため、途中までの話の展開がわからないというような事を防ぎ、違和感なくゲームをプレイすることができる。これにより、ボリュームの大きなゲームをプレイするための時間があまり取れないようなプレイヤであっても、より手軽にこのような大ボリュームのゲームを楽しむことができる。また、ダイジェストムービーの途中、あるいは「シーンメニュー」によって途中からゲームを開始した際も、各シーンに応じてプレイヤキャラクタのパラメータ等が予め設定されているダイジェストセーブデータを読み込んでプレイするため、ゲーム進行に詰まることなく楽しむことが可能となる。
【0120】
なお、上記攻略ムービーについて、その画質を通常のゲーム画面よりも低くなるように設定しても良い。例えば、通常のゲーム画面のフレームレートは60fpsにしておき、攻略ムービーのフレームレートは15fpsにしてもよい。また、攻略ムービーの解像度を粗めに設定して作成しておくようにしてもよい。つまり、攻略ムービーの「見栄え」を実際のゲーム画面よりも低くなるように設定してもよい。これにより、謎が解かれる場面を攻略ムービーで見ることによってプレイヤが満足しきってしまうことを防ぎ、謎を解く場面を良い画質で見たい場合は、自分で操作してプレイしなければならない等の、ゲームプレイに対するモチベーションをプレイヤに維持させることが可能となる。
【0121】
また、攻略ムービーの再生中は、ゲーム処理を一時停止してもよいし、攻略ムービー再生中もプレイヤキャラクタを操作可能にしてもよい。また、ゲーム処理を一時停止する場合、攻略ムービーを全画面で表示するようにしてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、「謎」が設定されている場面においてヒントボタン102を押したときに攻略ムービーが再生されていた。このような、「謎」が設定されている特定の領域に限らずに、ヒントボタンが押された時点での仮想ゲーム空間内の位置に最も近い位置に設定されている「謎」に対応する攻略ムービーを再生するようにしてもよい。
【0123】
更には、動画を再生することに限らず、攻略ムービー内でのプレイヤキャラクタと同等の動きを行うような操作データを予め設定しておき、攻略ムービー再生用のウィンドウ内で、当該データに基づいてプレイヤキャラクタを動かすことで、攻略ムービーとしてもよい。動画ファイルを再生する場合に比べ、ファイルサイズを軽減することができる。
【0124】
また、攻略ムービーの内容についても、所定の謎(仕掛け)の解き方に限らず、ゲームを進めるために役立つ内容(ゲームの攻略情報)を示す動画であってもよい。例えば、所定の弱点を攻撃しないと倒せないように設定されているボスキャラとの戦い方を示す動画でもよい。また、例えば、足場となる岩が点在している谷の越え方として、どの岩をどの順番に足場にしてジャンプ操作を行えば良いかを示す動画であってもよい。つまり、ゲーム進行が行き詰まってしまうことを防ぐことができるような、ゲームの攻略情報を示す攻略ムービーであればどのようなものであってもよい。このような攻略情報を、実際のプレイヤキャラクタの動きで示すことで、プレイヤがゲームに行き詰まることを防ぐことができる。その結果、ゲームに不慣れなプレイヤやゲームプレイのためにあまり時間を割けないようなプレイヤであっても、スムーズにゲームを進めることができ、ボリュームが大きなゲームであっても最後までプレイを継続し、ゲームをクリアすることが可能となる。
【0125】
また、ダイジェストセーブデータについては、最初からは(ゲーム購入直後からすぐには)使用できないような設定を行っても良い。例えば、購入直後はダイジェストセーブデータは使えないが、プレイ時間に応じて上記複数のダイジェストセーブデータが徐々に使用可能になっていくようにしても良い。この場合、ゲームが出荷される時の設定として、ダイジェストセーブデータは使用不可の状態に設定しておく。そして、ゲームを購入したプレイヤのゲーム装置本体3のフラッシュメモリ17に、当該ゲームのプレイ時間の累計を記憶しておく。そして、当該ゲームの起動時にフラッシュメモリ17からプレイ時間の累計を読出し、プレイ時間の累計値が所定値を越えていれば、ダイジェストセーブデータを使用可能に設定するようにすればよい。これにより、最初からゲームの終盤部分がプレイできてしまうことによるゲームの興趣性の低下を防ぐことが可能となり、途中でゲームが進めなくなってユーザがあきらめそうになった頃に、ダイジェストセーブデータが利用できることで再びやる気を起こすことができるようになる。また、プレイ時間を基準にすることに限らず、ゲーム発売日、あるいはゲームの初回起動日の日付を基準として、所定の期間が経過すればダイジェストセーブデータが使用可能になるように設定してもよい。これにより、各プレイヤのプレイ時間に関わらずにダイジェストセーブデータを選択することが可能となるため、例えば、最初は自力でゲームをクリアするつもりであったプレイヤが、その後、途中でゲームを進めることを止めてしまった場合であっても、所定の期間が経過していれば、選択できるようになったダイジェストセーブデータを用いることで、ゲームを最後まで進めることが可能となる。また、発売日直後等には自力のみでクリアをしたいユーザが大半であると想定できるので、クリアしたユーザが増えてくる時期になってからダイジェストセーブデータを利用できるようにすることによって、自力でクリアしたいユーザの興趣を損なわないようにすることができる。
【0126】
また、上記図8で示したタイトルメニューから「ダイジェスト」を選んだ場合の処理に関しても、最初からは「ダイジェスト」が選べないように構成しても良い。上記のような所定期間が経過して初めて、図8で示したタイトルメニューから「ダイジェスト」が選べるように構成しても良い。
【0127】
また、ダイジェストセーブデータについては、光ディスク4には記憶せずに、ネットワーク経由で配信するようにしてもよい。この場合は、ダイジェストセーブデータを記憶し、配信するためのサーバを設けておく。そして、ゲーム装置本体3の無線通信モジュール18を介して、例えばインターネット経由でゲーム装置本体3から上記サーバに接続できるようにする。そして、当該サーバから上記ダイジェストセーブデータをダウンロードし、フラッシュメモリ17に記憶するようにしてもよい。あるいは、フラッシュメモリ17には記憶しないようにして、ネットワークに接続したときだけ、ダイジェストセーブデータを利用可能にするようにしてもよい。例えば、図8で示したようなタイトルメニューから「シーンメニュー」を選ぶと、自動的にゲーム装置本体3がネットワークに接続されるように構成する。そして、上記サーバからダイジェストセーブデータを取得して、当該ダイジェストセーブデータに基づいて図15に示したような画面を表示するようにしても良い。この場合も、最初からゲームの終盤部分がプレイできてしまうことによるゲームの興趣性の低下を防ぐことが可能となる。
【0128】
また、サーバからダイジェストセーブデータを配信するようにした場合、その配信時期についても、ゲームの発売日から所定の期間経過してから、ダイジェストセーブデータを順次配信していくようにしてもよい。これにより、各プレイヤのプレイ時間に関わらずにダイジェストセーブデータを配信することが可能となるため、例えば、最初は自力でゲームをクリアするつもりであったプレイヤが、その後、途中でゲームを進めることを止めてしまった場合であっても、所定の期間が経過していれば、サーバからダイジェストセーブデータをダウンロードすることで、ゲームを最後まで進めることが可能となる。また、発売日から所定期間が経過するとダイジェストセーブデータが配信されるため、ゲームを最後まで進めやすくすることができる。
【0129】
また、ダイジェストセーブデータについては、プレイヤが少なくとも1度はゲームをクリアするまでは、利用できないようにしてもよい。これにより、自力でゲームをクリアしたいプレイヤにとってのゲームの興趣性が低下することを防ぐことができる。また、上述したような所定の期間が経過するまでは、ゲームをクリアすることをダイジェストセーブデータが利用可能となる条件として設定し、上述の所定の期間が経過した後は、ゲームをクリアしていなくても、ダイジェストセーブデータを利用可能とするようにしてもよい。そのようにすることで、自力でクリアしたユーザに対する特典として、いつでもダイジェストを見ることができ、かつプレイしたいシーンをプレイすることができるようになる。
【0130】
また、上記ダイジェストセーブデータに限らず、上述した「攻略ムービー」についても、同様にネットワーク経由で配信するようにしてもよい。この場合も、プレイ時間等を基準とした所定期間が経過したことを条件として、「攻略ムービー」がダウンロードできるようにしてもよい。これにより、ゲームに行き詰まったために一旦ゲームをクリアすることを諦めたプレイヤに対して、再度ゲームをプレイしてもらうことが可能となる。
【0131】
更に、プレイヤのゲームプレイの操作履歴をフラッシュメモリ17等に記憶しておき、これに基づいて各プレイヤが各自の「攻略ムービー」を自作できるようにしてもよい。そして、これら各プレイヤが作成した「攻略ムービー」をサーバにアップロードできるようにしてもよい。そして、例えば、上記ヒントボタン102が押された際の処理として、当該サーバに接続して、いろんなプレイヤが作成した「攻略ムービー」を視聴できるようにしてもよい。これにより、例えば、ゲーム中のある場面の攻略方法として複数の方法があるような場合に、高度な操作が求められる攻略方法や、比較的簡単な操作で攻略できる方法等、複数の攻略方法を視聴させることが可能となる。そして、各プレイヤに、自分のゲームプレイの腕前等に合った攻略方法の情報を提供することが可能となる。その結果、ゲームの行き詰まりを、より確実に防ぐことができる。更に、「攻略ムービー」を自作してアップロード可能にすることで、自分のゲーム攻略の腕前を他人に披露するという楽しみ方をプレイヤに提供することができ、ゲームの楽しみの幅を広げることが可能となる。
【0132】
更には、各プレイヤが「攻略ムービー」を自作する際に、様々な動画編集を可能とするようにしてもよい(例えば、プレイヤのコメント等の文字も一緒に表示されるように動画内に埋め込む等)。これにより、単なる「攻略ムービー」に加え、各プレイヤの個性を反映した「攻略ムービー」を生成し、アップロードすることが可能となる。その結果、各プレイヤの個性が反映された様々な「攻略ムービー」を視聴することができ、ゲームの興趣性をより高めることが可能となる。
【0133】
また、ゲーム装置は、上記実施形態に限定されず、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明にかかるゲームプログラムおよびゲーム装置は、プレイヤにゲームに行き詰まらずに最後までプレイさせることができ、据置型ゲーム装置や携帯型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ等におけるゲーム処理に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステム1を説明するための外観図
【図2】図1のゲーム装置本体3の機能ブロック図
【図3】図1のコントローラ7の上面後方から見た斜視図
【図4】図3のコントローラ7を下面前方から見た斜視図
【図5】図3のコントローラ7の上ハウジングを外した状態を示す斜視図
【図6】図3のコントローラ7の下ハウジングを外した状態を示す斜視図
【図7】図3のコントローラ7の構成を示すブロック図
【図8】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図9】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図10】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図11】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図12】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図13】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図14】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図15】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図16】本実施形態が想定するゲームの画面の一例
【図17】ゲーム装置本体3の外部メインメモリ12のメモリマップを示す図
【図18】謎テーブル126のデータ構成の一例を示す図
【図19】攻略ムービー127のデータ構成の一例を示す図
【図20】ダイジェストムービーの一例の構成を時系列で概念的に示した図
【図21】ダイジェストムービー対応テーブル129のデータ構成の一例を示す図
【図22】ダイジェストセーブデータ130のデータ構成の一例を示す図
【図23】シーンテーブル131のデータ構成の一例を示す図
【図24】図2に示したフラッシュメモリ17のメモリマップを示す図
【図25】本発明の実施形態に係るゲーム処理を示すフローチャート
【図26】図25のステップS3で示したゲームメイン処理の詳細を示したフローチャート
【図27】図26のステップS18で示した攻略ムービー再生処理の詳細を示したフローチャート
【図28】図25のステップS5で示したダイジェスト処理の詳細を示したフローチャート
【図29】図25のステップS7で示したシーンメニュー処理の詳細を示したフローチャート
【符号の説明】
【0136】
1…ゲームシステム
2…モニタ
2a…スピーカ
3…ゲーム装置
4…光ディスク
7…コントローラ
10…CPU
11…システムLSI
11a…入出力プロセッサ
11b…GPU
11c…DSP
11d…VRAM
11e…内部メインメモリ
12…外部メインメモリ
13…ROM/RTC
14…ディスクドライブ
15…AV−IC
16…AVコネクタ
17…フラッシュメモリ
18…無線通信モジュール
19…無線コントローラモジュール
20…拡張コネクタ
21…外部メモリカード用コネクタ
22…アンテナ
23…アンテナ
24…電源ボタン
25…リセットボタン
26…イジェクトボタン
71…ハウジング
72…操作部
73…コネクタ
74…撮像情報演算部
741…赤外線フィルタ
742…レンズ
743…撮像素子
744…画像処理回路
75…通信部
751…マイコン
752…メモリ
753…無線モジュール
754…アンテナ
700…基板
701…加速度センサ
702…LED
703…水晶振動子
704…バイブレータ
707…サウンドIC
708…アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作入力に応じてゲーム処理を実行し、ゲームを進行させるゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ゲーム中の所定の場面の攻略方法を示す攻略動画を表示するための表示用データを当該所定の場面に関連づけて所定の記憶部に記憶する攻略動画記憶手段と、
前記ゲーム処理を実行するゲーム処理手段と、
ゲーム画像を表示装置に表示させる表示処理手段と、
前記攻略動画の表示を指示するためのユーザからの入力を受け付ける動画表示指示手段と、
前記動画表示指示手段がユーザからの入力を受け付けたときの前記ゲーム中の場面を判定するゲーム場面判定手段と、
前記ゲーム場面判定手段によって判定された場面に関連づけられた前記攻略動画を前記所定の記憶部から読出し、前記表示装置に表示させる動画表示手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記動画表示手段は、前記表示装置の表示領域の一部に、前記表示処理手段が表示するゲーム画像に重畳して前記攻略動画を表示する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記動画表示手段は、前記表示処理手段が表示するゲーム画像よりも低画質で前記攻略動画を表示する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記攻略動画が記憶されている所定のサーバにネットワークを経由して接続するための接続手段と、
前記接続手段を介して前記所定のサーバから前記攻略動画を受信する攻略動画受信手段として更に機能させ、
前記攻略動画記憶手段は、前記攻略動画受信手段が前記所定のサーバから受信した攻略動画を所定の記憶部に記憶する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、前記コンピュータを、所定の時点から前記ゲーム処理が実行されている時までの期間を計測する期間計測手段として更に機能させ、
前記動画表示手段は、前記期間計測手段が計測した期間が所定値を越えているときにのみ前記攻略動画を表示する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
ユーザの操作入力に応じてゲーム処理を実行し、ゲームを進行させるゲーム装置であって、
前記ゲーム中の所定の場面の攻略方法を示す攻略動画を表示するための表示用データを当該所定の場面に関連づけて記憶する攻略動画記憶手段と、
前記ゲーム処理を実行するゲーム処理手段と、
ゲーム画像を表示装置に表示させる表示処理手段と、
前記攻略動画の表示を指示するためのユーザからの入力を受け付ける動画表示指示手段と、
前記動画表示指示手段がユーザからの入力を受け付けたときの前記ゲーム中の場面を判定するゲーム場面判定手段と、
前記ゲーム場面判定手段によって判定された場面に関連づけられた前記攻略動画を前記所定の記憶部から読出し、前記表示装置に表示させる動画表示手段とを備える、ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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