説明

ゲームプログラム、ゲーム制御方法及びゲーム装置

【課題】チームを構成する各キャラクタの能力を他のキャラクタとの関係で、ゲーム中のゲーム空間内での状況を反映させてより変化性、興趣性に富み、臨場感のあるゲーム性の高いゲームを提供する。
【解決手段】チームの各選手キャラクタの能力パラメータを記憶するバッファ14と、チーム内のキャラクタのゲーム空間内での向きを設定する向き設定部106と、他キャラクタの向きが注目キャラクタを向いている他キャラクタを支援キャラクタとする向き判断部107と、支援キャラクタの能力パラメータから注目キャラクタに対する支援値を算出する支援値算出部109と、算出された支援値を用いて注目キャラクタの能力パラメータを調整するパラメータ調整部110と、注目キャラクタを調整された能力パラメータに従って動作させる結果処理部111とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム空間内においてチーム同士で対戦するゲームの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオゲームシステムは数多く提案されている。家庭用の専用機とテレビジョンモニタとからなるシステム、業務用の専用機、パーソナルコンピュータ若しくはワークステーションとディスプレイと音声出力機とからなるシステム等である。これらのシステムは、いずれもプレイヤが操作するためのコントローラと、ゲームプログラムデータの記録された記録媒体と、ゲームプログラムデータに基づいて音声や画像の生成のための制御を行うCPUと、画像を生成するためのプロセッサと、音声を生成するためのプロセッサと、画像を表示するためのCRTモニタと、音声を出力するためのスピーカとで構成されている。この種のゲームを、その種類の点から見ると、種々のものが知られており、その内、CRT画面上に多数のキャラクタを表示させてチーム同士で行う対戦ゲームが知られている。ところで、このような対戦ゲームでは、自己のキャラクタはコントローラからの指示に応じて予めゲームプログラムに従った動作しか行わないため、興趣性やゲーム性の点で不十分であった。特許文献1には、チーム同士で行う対戦ゲームの状況に応じて各キャラクタに適宜意欲を与えることで、各キャラクタの動作をこの意欲によって影響させるようにした、実際のゲームに近い臨場感の高いゲーム装置が提案されている。具体的には、チームの意欲指数やキャップテン適正値を、また得点が入ったときの意欲情報を、チームを構成する各選手キャラクタのゲーム能力に反映させることで、選手キャラクタの元々の能力を調整し、チームで行うゲームに特有の面白味を醸し出している。
【特許文献1】特開平11−342263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1は、チームの意欲指数等のチーム状況に関する意欲情報を、チームを構成する選手キャラクタの全てに、いわば一律に反映するようにしており、個々の選手キャラクタに対応するものではないことから、興趣性やゲーム性の点で一定の限界がある。また、反映の要因はチーム状況を表す意欲情報であり、ゲームに登場している選手キャラクタ間での影響、特にゲーム中の状況を考慮したものでもない点で同様に限界がある。
【0004】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、チームを構成する各キャラクタの能力を他のキャラクタとの関係で、特にゲーム中におけるゲーム空間内での状況を反映するようにして、単純、一律なゲームではなく、より変化性、興趣性に富み、臨場感のあるゲーム性の高いゲームを提供するゲームプログラム、ゲーム制御方法及びゲーム装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、操作部材からの指示を受け付けて表示部に表示されたゲーム空間内で動作する、複数のキャラクタから構成される自己チームを移動体オブジェクトを介在させてコンピュータによって他チームと対戦させるゲームプログラムにおいて、前記自己のチームの各キャラクタの能力パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、前記自己のチーム内のキャラクタであって、前記移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きを設定する向き設定手段、前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致する前記他キャラクタを支援キャラクタとして選定すると共に、前記支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を生成する支援値生成手段、生成された支援値を用いて前記パラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータを調整するパラメータ調整手段、前記注目キャラクタを前記調整された能力パラメータに従って動作させる動作処理手段、として前記コンピュータを機能させるゲームプログラムである。
【0006】
請求項15記載の発明は、操作部材からの指示を受け付けて表示部に表示されたゲーム空間内で動作する、複数のキャラクタから構成される自己チームを移動体オブジェクトを介在させてコンピュータによって他チームと対戦させるゲーム制御方法において、パラメータ記憶手段が、前記自己のチームの各キャラクタの能力パラメータを記憶しており、向き設定手段が、前記自己のチーム内のキャラクタであって、前記移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きを設定し、支援値生成手段が、前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致する前記他キャラクタを支援キャラクタとして選定すると共に、前記支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を生成し、パラメータ調整手段が、生成された支援値を用いて前記パラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータを調整し、動作処理手段が、前記注目キャラクタを前記調整された能力パラメータに従って動作させることを特徴とするものである。
【0007】
請求項16記載の発明は、操作部材からの指示を受け付けて表示部に表示されたゲーム空間内で動作する、複数のキャラクタから構成される自己チームを移動体オブジェクトを介在させてコンピュータによって他チームと対戦させるゲーム装置において、前記自己のチームの各キャラクタの能力パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記自己のチーム内のキャラクタであって、前記移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きを設定する向き設定手段と、前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致する前記他キャラクタを支援キャラクタとして選定すると共に、前記支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を生成する支援値生成手段と、生成された支援値を用いて前記パラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータを調整するパラメータ調整手段と、前記注目キャラクタを前記調整された能力パラメータに従って動作させる動作処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
これらの発明によれば、コンピュータによって、複数のキャラクタから構成される自己チームがボールオブジェクト等の移動体オブジェクトを用いて他チームと行う対戦ゲームの進行が制御される。各キャラクタは表示部に表示されたゲーム空間内に配置され、操作部材からの指示に応じた各種の動作を行う。そして、パラメータ記憶手段によって自己のチームの各キャラクタの能力パラメータが記憶されている。ところで、向き操作手段によって、自己のチーム内のキャラクタであって、移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きが設定される。なお、各キャラクタの向きはコンピュータによって設定されてもよく、あるいは一部のキャラクタ、例えば他キャラクタについては前記操作部材からの指示に応じて設定される態様でもよい。そして、支援値生成手段によって、他キャラクタの向きが該他キャラクタから注目キャラクタへの方向と一致する他キャラクタが支援キャラクタとして選定されると共に支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値が生成され、パラメータ調整手段によって、生成された支援値を用いてパラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータが調整され、動作処理手段によって、注目キャラクタが前記調整された能力パラメータに従って動作させられる。ここで、能力パラメータの調整とは、例えば注目キャラクタの能力が向上することを示し、野球ゲームにおける守備の場合であれば、捕球に向かうための走力が上がる、ボールをキャッチする正確度(エラー回避)が増す、捕球後に塁に向かってボールを投げる投球力(肩力)が上がる等、といった結果をもたらすことになる。
【0009】
従って、チームを構成する各キャラクタの能力が、他のキャラクタとの関係で、特にゲーム中におけるゲーム空間内での状況の反映、例えば注目キャラクタの方を向いている支援キャラクタの存在状況によって調整され、単純かつ一律なゲームではなく、より変化性、興趣性に富み、臨場感のあるゲーム性の高いゲームが提供される。なお、他キャラクタの向きが該他キャラクタから注目キャラクタへの方向と一致するとは、注目キャラクタの立場からすると、同じチームの他のキャラクタから見守られており、応援乃至は後押しされているという状況をゲームに反映させたものである。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲームプログラムにおいて、前記支援値生成手段は、前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致しているか否かを前記他キャラクタ毎に判断し、前記向きと前記方向とが一致している全ての他キャラクタを支援キャラクタとして選定する向き判断手段と、前記選定された各支援キャラクタに設定されている能力パラメータの大きさに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を算出する支援値算出手段とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、向き判断手段によって、他キャラクタの向きが該他キャラクタから注目キャラクタへの方向と一致しているか否かが他キャラクタ毎に判断され、前記向きと前記方向とが一致している全ての他キャラクタが支援キャラクタとして選定され、支援値算出手段によって、選定された各支援キャラクタに設定されている能力パラメータの大きさに基づいて注目キャラクタに対する支援値が算出される。これによって、注目キャラクタは、支援キャラクタの能力パラメータの大きさに基づいて算出された支援値によって動作が調整される。従って、ゲームの状況によっては、注目キャラクタが1人の他のキャラクタからのみ支援される場合もあれば、3人あるいは5人といった複数の他のキャラクタから支援を受ける場合もあり、同じようなゲームシーンであっても、各キャラクタの位置や姿勢等によって注目キャラクタの能力向上にバリエーションが生まれ、より変化に富んだゲームが実現される。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のゲームプログラムにおいて、前記向き判断手段は、前記他キャラクタの向きを中心に所定の角度幅を設定すると共に、該角度幅内に前記注目キャラクタが含まれるか否かによって前記一致の有無の判断を行うことを特徴とする。この構成によれば、他キャラクタの向きに所定の角度幅が設定されることで支援キャラクタの対象が増え、支援値の増大化が期待され、調整の効果が顕在化される。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のゲームプログラムにおいて、前記所定の角度幅は、前記他キャラクタの能力パラメータに応じて設定することを特徴とする。この構成によれば、支援対象となる注目キャラクタの能力の増加度合いが支援キャラクタである他キャラクタ自身の能力パラメータに依存するので、趣向性の高いゲームが提供される。すなわち、他キャラクタ自身の能力パラメータの大小によって角度幅が異なり、能力パラメータが大きい場合には注目キャラクタをカバーできるが、能力パラメータが小さい場合には注目キャラクタをカバーできないといった違いが生まれるので、仮に全く同一のゲームシーンであっても、そのシーンを構成する各選手キャラクタ自身の能力によって異なった結果や流れが発生するので、さらに変化に富んだゲームが実現される。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記支援値生成手段は、前記他キャラクタと前記注目キャラクタとの間の前記ゲーム空間内での距離を前記他キャラクタ毎に算出する距離算出手段を備え、前記支援値算出手段は、前記距離が大きいほど前記支援値を小さくすることを特徴とする。この構成によれば、支援対象となる支援キャラクタの増減が注目キャラクタとの距離に依存するので、趣向性の高いゲームが提供される。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のゲームプログラムにおいて、前記支援値算出手段は、前記能力パラメータの大きさを前記距離が大きいほど小さい値に換算すると共に、前記支援値を前記換算された能力パラメータの大きさに応じて算出することを特徴とする。この構成によれば、注目キャラクタとの距離が同一であれば、能力パラメータの大きさが大きいほど大きな支援値が得られる。すなわち、能力パラメータが大きいほど遠くまで、支援値に対して影響を与えることになる。また、他キャラクタの向きは注目キャラクタに向いていても、上記の他キャラクタの能力パラメータが小さいため、あるいは距離が大きいため、更にその両者の要因によって、注目キャラクタに対して影響が及ばない場合(支援値がゼロ)もある。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記向き設定手段は、前記対戦ゲームのルールに従って前記他キャラクタの向きを設定することを特徴とする。この構成によれば、他キャラクタの向きが自動的に設定されるので、支援の度合いがコンピュータに依存する。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のゲームプログラムにおいて、前記キャラクタは、一体で向きが設定される顔部と胴部とを少なくとも有しており、前記向き設定手段は、前記対戦ゲームのルールに従って前記他キャラクタの胴部の正面の法線方向を前記向きとして設定することを特徴とする。この構成によれば、他キャラクタの胴部の向きがそのまま該他キャラクタの向きとして設定されるので処理負担が軽減される。例えば、ゲーム中において、プレイヤが、ある注目キャラクタを支援しようと意図した場合、自分の操作キャラクタをその注目キャラクタに向ける(視線を向ける)必要があるが、この状況を忠実にゲーム上で再現しようとすると、キャラクタに顔部のみの向きを変えることが可能なキャラクタ構成及びコントローラ19への操作が必要となる。しかしながら、従来のゲームにおいては、このような対応はなされていないため、上記仕様のために新たな設計を要することになるが、本請求項によれば、他キャラクタの胴部の正面の法線方向を前記向きとして設定するので、キャラクタ操作に関する新たな設計は不要で、従来の操作をそのまま援用することができる。すなわち、プレイヤがある注目キャラクタを支援しようとする場合には、自分の操作キャラクタをその注目キャラクタの方向に一方、踏み出せれば(移動させることで)、操作キャラクタの全身がその方向を向くことになるので、その結果、胴部の正面の法線方向が注目キャラクタに向くことになる。つまり、新たなキャラクタ操作に基づく処理負荷の増加を招くことなく、単に、一動作のみで他キャラクタの向きが注目キャラクタに向いている状況を実現できる。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記向き設定手段は、前記操作部材からの指示を受け付けて移動される前記他キャラクタの移動方向と一致する方向に前記向きを設定することを特徴とする。この構成によれば、他キャラクタの向きがプレイヤによって設定されるので、支援値の大小がプレイヤに依存される。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記キャラクタは、個別に向きが設定される顔部と胴部とを少なくとも有しており、前記向き設定手段は、前記操作部材の指示を受け付けて変更される前記他キャラクタの顔部の正面方向を前記向きとして設定することを特徴とする。この構成によれば、他キャラクタの顔部の向きが他キャラクタの向きとして設定されるので、他キャラクタの視線内に入ることで支援が受けられるという、いわば後押し的な現実に近い状況が醸し出される。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記支援値生成手段は、能力パラメータが複数ある場合に、各能力パラメータの平均値から前記他キャラクタ毎の支援値を生成することを特徴とする。この構成によれば、支援キャラクタの能力パラメータの平均値に基づいて支援値が生成されるので、支援キャラクタの平均的な能力が支援値に反映される。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記支援値生成手段は、前記支援キャラクタが複数の場合に、各支援キャラクタの支援値の平均値を前記注目キャラクタに対する支援値とすることを特徴とする。この構成によれば、各支援キャラクタの支援値が平均されて注目キャラクタに対する支援値とされるので、各支援キャラクタの平均的な能力が支援値として反映される。なお、平均値には実質的に合計値を含む。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記支援値生成手段で生成された支援値に関する情報を前記表示部の一部に表示する支援状況表示手段として前記コンピュータを機能させるものである。この構成によれば、プレイヤは支援状況の視認が可能となる。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記対戦ゲームは野球ゲームを模擬したものであり、守備側の各キャラクタは、投手、捕手、内野手及び外野手としてグループ分けされており、前記支援値生成手段は、前記注目キャラクタと同一グループに含まれる前記他キャラクタに対する支援値の生成を禁止することを特徴とする。この構成によれば、同一グループ以外のグループからの支援が反映されるので、基本的に左右側となる横からの視線に基づく支援が排除され、いわゆる後押し的な支援が醸し出される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1,15,16記載の発明によれば、チームを構成する各キャラクタの能力を、他のキャラクタとの関係で、特にゲーム中におけるゲーム空間内での状況の反映、例えば注目キャラクタの方を向いている支援キャラクタの存在状況によって調整するため、単純かつ一律なゲームではなく、より変化性、興趣性に富み、臨場感のあるゲーム性の高いゲームを提供することができる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、注目キャラクタの動作を、支援キャラクタの能力パラメータに基づいて算出した支援値によって調整することができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、他キャラクタの向きに所定の角度幅を設定することで支援キャラクタの対象を増やして、支援値の増大化を通じて調整の効果の顕在化を図ることができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、支援対象となる注目キャラクタの能力の増加度合いを支援キャラクタである他キャラクタ自身の能力パラメータに依存させたので、趣向性の高いゲームを提供することができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、支援対象となる支援キャラクタの増減を注目キャラクタとの距離に依存させたので、趣向性の高いゲームを提供することができる。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、能力パラメータが大きいほど遠くまで、支援値に対して影響を与えることができる。
【0029】
請求項7記載の発明によれば、他キャラクタの向きを自動的に設定するので、支援の度合いをコンピュータに依存させることができる。
【0030】
請求項8記載の発明によれば、他キャラクタの胴部の向きをそのまま該他キャラクタの向きとして設定されるので処理負担を軽減することができる。
【0031】
請求項9記載の発明によれば、他キャラクタの向きをプレイヤが設定するので、支援値の大小をプレイヤに依存させることができる。
【0032】
請求項10記載の発明によれば、他キャラクタの顔部の向きを他キャラクタの向きとして設定するので、他キャラクタの視線内に入ることで支援を受け得るという、いわば後押し的な現実に近い状況を醸し出すことができる。
【0033】
請求項11記載の発明によれば、支援キャラクタの能力パラメータの平均値に基づいて支援値を生成するので、支援キャラクタの平均的な能力を支援値に反映することができる。
【0034】
請求項12記載の発明によれば、各支援キャラクタの支援値を平均して注目キャラクタに対する支援値とするので、各支援キャラクタの平均的な能力を支援値として反映させることができる。
【0035】
請求項13記載の発明によれば、支援状況を容易に視認させることができる。
【0036】
請求項14記載の発明によれば、同一グループ以外のグループからの支援を反映することで、基本的に左右側となる横からの視線に基づく支援を排除し、いわゆる後押し的な支援を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1は、本発明に係るゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。以下の説明では、ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明する。しかし、本発明はこの例に限定されず、モニタが一体に構成された業務用ビデオゲーム装置、本発明によるゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0038】
図1に示すゲーム装置は、家庭用ゲーム機(ゲーム機本体)100及び家庭用テレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100は、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填可能な構成を備えている。記録媒体300がゲーム機本体100に装填された状態で、ゲームプログラムが適宜読み出されて対戦ゲームが実行される。
【0039】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。家庭用テレビジョン200はテレビジョンモニタ(モニタ)21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0040】
CPU1は、バスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2は、アドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース13を相互に接続している。
【0041】
描画プロセッサ10は、バッファ14に接続されている。音声プロセッサ11は、バッファ15及び増幅回路22に接続されている。デコーダ12は、バッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続されている。インターフェース13は、メモリ18及びコントローラ19に接続されている。
【0042】
モニタ21は、描画プロセッサ10に接続されている。スピーカ23は、増幅回路22に接続されている。なお、業務用ビデオゲーム装置の場合、モニタ21、増幅回路22及びスピーカ23は、家庭用ゲーム機100を構成する各ブロックとともに1つの筺体に収納される場合がある。
【0043】
また、ビデオゲーム装置が、パーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、モニタ21は、コンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているプログラムデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9及びインターフェース13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0044】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、CPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0045】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離やこの光源に対する傾きに応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0046】
インターフェース回路4は、周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random ccess Memory)で構成される。ROM6にはビデオゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0047】
伸張回路7は、動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理は、デコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、及びイントラ画像の復元処理等を含む。
【0048】
描画プロセッサ10は、所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0049】
バッファ14は、例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアは、モニタ21の表示面上に表示するデータの展開エリアで構成される。非表示エリアは、スケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアとして構成される。
【0050】
ここで、テクスチャデータは、2次元の画像データである。カラーパレットデータは、テクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。CPU1は、記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、これらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに読み出して記録する。
【0051】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0052】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0053】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データは、CPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離等に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0054】
ポリゴン頂点アドレスデータは、バッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0055】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は、各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、モニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている、仮想カメラの視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。すなわち、CPU1は、グラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持されている各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0056】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち、水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0057】
描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、モニタ21の表示画面上には、対応するテクスチャの貼り付けられた多数のポリゴンから構成される物体が表示される。
【0058】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3で座標変換することによって得られる。
【0059】
上記において、ポリゴンデータ記憶部としてのバッファ14の非表示エリアに記憶されているポリゴンデータとしては、ポリゴンの各頂点座標データ、頂点の法線ベクトルデータ、面法線ベクトルデータ、その他ポリゴンの性状を特定するデータを記憶している。そして、仮想3次元空間であるゲーム空間上にキャラクタ(オブジェクト含む)を位置づける場合に該キャラクタを構成する各ポリゴンの各頂点座標データに拡縮処理、移動処理及び回転処理を施すと共に、各ポリゴンの面法線ベクトルデータに対しても同様の処理が施される。この結果、各ポリゴンの面法線ベクトルのゲーム空間内での方向が決定される。ゲーム空間内での特定のポリゴンの面法線ベクトルの方向は、後述するキャラクタの向きを決定する場合に用いられる。
【0060】
音声プロセッサ11は、記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させる。バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0061】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0062】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11は、この音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。そして、メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0063】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は、記録媒体ドライブ17からデータを再生し、さらに、ECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0064】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持するべく、例えば中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0065】
コントローラ19は、プレイヤが把持可能な形状、例えば棒状の外形を有し、その表面適所に種々の操作部分が設けられている。
【0066】
図2は、コントローラ19の一例を示す外観図である。コントローラ19は、一体型でもよいが、本実施形態では、操作部材19Aと操作部材19Bとから構成されている。操作部材19Aの長尺部の一側面には、先端側から、ボタン192、十字キー193、ボタン194等の操作部材が配設されており、操作部材19Bの一側面には、ジョイスティック195等の操作部材が設けられている。なお、特に区別しない場合には、単に、コントローラ19という。
【0067】
コントローラ19は、プレイヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19は、インターフェース191の他、操作部分としての、押し込み型のボタン192,194、選択的な押し込みによって4方向(十字方向)のいずれかが検出可能な十字キー193、及び360°方向の傾倒方向と角度とが検出可能な操作桿(ジョイスティック)195を備えている。インターフェース191は、例えば、赤外線や電波等による近接通信のための無線信号を送出する回路で構成され、コントローラ19から送出される操作信号を無線信号に変換してインターフェース13に送出する。
【0068】
コントローラ19のボタン192,194及び十字キー193は、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。ボタン192は、後述するように野球ゲームにおける投球指示や打撃指示のコマンドをCPU1に与えるために使用される。十字キー193は、送球や牽制球のための塁指定のコマンドをCPU1に与えるために使用される。ジョイスティック195は、球種の指定、投球コースの指定、打撃位置の指定、野手の動き方向の指定するコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0069】
次に、上記のゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてビデオゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、CPU1は、記録媒体300からゲームプログラムをメインメモリ5へ読み出すように記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータをデコーダ12へ読み出す。読み出された画像データ、音声データ及びプログラムデータは、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0070】
画像データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは、描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。音声データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0071】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラム及びプレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてビデオゲームを進行させる。すなわち、プレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1はゲーム状況の変更の制御、及びこれに基づく画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0072】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3で求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0073】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0074】
図4は、ゲーム装置においてモニタ21に表示されるゲーム画像の一例を示した図である。まず、本ゲーム装置を用いて、仮想的なチーム間で行う野球ゲームの概要について説明する。本発明で実行される野球ゲームは、一般的には2名のプレイヤがそれぞれコントローラ19を把持し、それぞれ操作指示を発することで、攻撃側と守備側とを交互に受け持って、得点を得るための攻撃動作と得点を与えないための守備動作とを所定イニング数だけ実行し、各イニングで得られた得点の合計で勝敗を競う対戦ゲームである。なお、プレイヤの一方をコンピュータによって制御される仮想的なチームのプレイヤに見立て、守備時には守備側の各選手キャラクタ(投手キャラクタや野手キャラクタ)による守備動作を実行させ、攻撃時には攻撃側の各選手キャラクタ(打者キャラクタや走者キャラクタ)の動作を実行させることで、1人のプレイヤがCPU対戦という形で対戦ゲームを行う態様であってもよい。このように、野球ゲームでは、2チームが対戦する。各チームは、少なくとも9名の選手キャラクタで構成されている。投手交代、代打、代走を考慮して更に所定数の選手キャラクタを交代可能に準備していることが臨場感的には好ましい。
【0075】
図4に示すように、野球ゲームは、仮想3次元のゲーム空間として設定された野球場で行う態様とされ、投球前のゲーム画像の基本的な構図としては、ホームベースの直ぐ後ろ、すなわち、通常、守備側の捕手の位置に仮想カメラが設定され、従来と同様の所要の画角(視野枠)を有して投手側に視線が向けられている。なお、守備側の野手キャラクタは、投手キャラクタによる投球前では、野球ルールに従ってそれぞれの守備のための所定のポジションに位置づけされている。
【0076】
そして、投手キャラクタ71がボールオブジェクト72をホームベース上に向けて投げ、打者キャラクタ73が、ボールオブジェクト72をバットオブジェクト74により打ち返す野球ゲームである。野手キャラクタ75,75、…は各ポジションに割り当てられている。ミートカーソル80は、バットオブジェクト74がボールオブジェクト72に当たる領域を示している。モニタ21の適所に表示される支援度マーク90については、後述する。
【0077】
各選手キャラクタは、周知のとおり多数のポリゴンから構成されており、図4の打者キャラクタに例示しているように、大別して、顔部(頭部)731に対応する部分、胴部732に対応する部分、腕部733に対応する部分、及び脚部734に対応する部分から構成されている。なお、本実施形態では、処理の負担を考慮して、後述するように、キャラクタの向きについては、顔部731、胴部732及び脚部734が一体として設定乃至は指示されるように処理される。キャラクタの向き及び移動方向は、例えば胴部732の正面中心部分を形成する所定のポリゴンの面法線ベクトルデータが基準とされ、あるいは頭部の眼に対応する部位を構成するポリゴンの面法線ベクトルが基準される。かかる面法線ベクトルを指示された向き、移動方向に一致させる処理を行うことによって、キャラクタは現実の場合とほぼ同様、移動方向に体全体を向けた状態とすることができる。
【0078】
本実施形態では、守備時においてプレイヤにより投球コース及び球種(例えば直球、各種の変化球)が設定される。球種の設定は、予め複数の球種が設定されており、例えば十字キー193を用いて所望する球種が指定可能にされている。投球開始の指示は、例えばボタン192によって行われる。
【0079】
投球コースの設定は、球種が設定された後、ボールオブジェクト72がホームベース上を通過するまでの間に、ジョイスティック195を傾倒する方向で指定可能にされている。投球コースの設定は、ジョイスティック195の傾倒方向に応じて行われる。
【0080】
一方、攻撃側にあるプレイヤは、コントローラ19のジョイスティック195を操作することでミートカーソル80を画面上で動かし、ボタン192を押下操作することで、打撃を指示する。攻撃側にあるプレイヤは、自分が予想する位置に、または投球後の移動中のボールオブジェクト72を注視しながら、あるいは変化球による軌道変化を予想しながら、かつボールオブジェクト72がホームベース上に到達する時点で、ボタン192を押下することで、ボールオブジェクト72を打ち返すことができる。ボールオブジェクト72が打ち返されると、ボールオブジェクト72とバットオブジェクト74との当たり位置及び当たりタイミングに応じて、CPU1によってボールオブジェクト72の打球速さ及び打球方向が計算され、さらに打者側、守備側の各キャラクタに野球ゲームのルールに従った行動がCPU1から指令され、これによって野球を模擬した展開が実現される。一方、ボールオブジェクト72のホームベース上の通過時点において、ミートカーソル80の位置及び打撃タイミングの少なくとも一方がずれていた場合、空振りとなる。ボタン192が押下されない(打撃指示がない)場合、見送りとなる。
【0081】
また、本発明の特徴部分は、チームを構成する選手がゲームに同時に登場している状態、野球ゲームの守備側において、投手キャラクタ、野手キャラクタを含む選手キャラクタ間で、各選手キャラクタに予め設定されている野球に関する能力が所定の条件下で調整(変動)され得る点にある。より具体的には、1人の注目選手キャラクタに着目すると、該注目選手キャラクタを除く他の選手キャラクタが該注目選手キャラクタの方を向いているか否かによって該注目選手キャラクタの能力を調整するようにしている。例えば、投球までは、選手キャラクタの多くが注目選手キャラクタとして投手キャラクタの方向を向いており、投手キャラクタはこれらの選手キャラクタの能力パラメータの影響を受けて能力が上昇し得る。また、打撃後における守備では、ボールオブジェクト72を捕球しようとする選手キャラクタを注目選手キャラクタとして設定し、この注目選手キャラクタの方向を他の選手キャラクタが向いていると、これらの選手キャラクタの能力パラメータの影響を受けて該注目選手キャラクタの守備能力が向上する。一方、注目選手キャラクタの能力向上に関与しない他選手キャラクタ及びそのための条件も予め設定されており、この結果、注目選手キャラクタの能力の調整(変動)は一律ではなく、変化性に富むようにしている。
【0082】
そして、投手側のプレイヤからの操作が許可、例えば球種の指定操作が許可された時点から、打撃後の一連の処理の終了までを1回のシーケンス(1プレイ)として処理し、各シーケンスの結果に従って、ストライクカウント、ボールカウント、アウトカウント、及び所定イニング数までの野球ゲームが進行する。
【0083】
次に、上記のように構成されたビデオゲーム装置を用いて野球ゲームを行う場合のゲーム装置の主要な機能について説明する。図3は、図1に示すゲーム装置のうち、本発明が関連する部分の機能ブロック図である。
【0084】
CPU1は、メインメモリ5(プログラム記憶部51)に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、コントローラ19から受信された操作信号をデジタル信号として受け付ける取得部101、野球ゲームの全体進行を野球ルール(ゲームプログラムの一部)に基づいて制御するゲーム進行制御部102、ゲーム進行に沿った各種ゲーム画像をモニタ21に表示する画像表示制御部103として機能する。
【0085】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、守備側の主に投球に関して、コントローラ19からの指示に従って球種、投球コースの設定及び投球開始動作を行わせる投球処理部104、攻撃側の主に打撃に関して、コントローラ19からの指示に従ってミート位置の(ミートカーソル80の位置指定)の設定、打撃動作を行わせる攻撃処理部105を備えると共に、打者キャラクタ73による打撃指示に基づいて打撃結果を算出処理し、かつバットオブジェクト74がボールオブジェクト72に当たった(空振り、見送りではない)場合に、ボールオブジェクト72の打球速さ、打球方向を例えば力学的に算出する処理、それに伴う守備側の各選手キャラクタ及び走者がいる場合の走塁処理を野球のルールに従って演出する処理を実行する結果処理部111として機能する。
【0086】
なお、時計部112は計時動作を行うものである。通信処理部113は、本ゲーム装置がネットワークを介して他のゲーム装置とゲーム情報の授受を行う場合の処理を行うものである。通信処理部113は、2人のプレイヤがそれぞれのゲーム装置及びコントローラ19を操作し、互いに操作情報を送受することで、同一ゲーム空間内で同一の対戦ゲームを実行する態様で用いられる。
【0087】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、守備側の選手キャラクタであって、移動体オブジェクトであるボールオブジェクト72と関わる、すなわちボールオブジェクト72を支配し乃至は最も支配可能性の高い選手キャラクタを注目選手キャラクタとして設定し、この注目選手キャラクタ以外の他の選手キャラクタのゲーム空間内での向きを設定する向き設定部106と、前記他の選手キャラクタの向きが、該他の選手キャラクタから注目選手キャラクタへの方向と一致しているか否かを他の選手キャラクタ毎に判断する向き判断部107と、他の選手キャラクタから注目選手キャラクタまでのゲーム空間内での距離を他の選手キャラクタ毎に算出する距離算出部108と、向き判断部107による判断が肯定された他の選手キャラクタを支援キャラクタと設定し、かつ距離算出部108で算出された距離の大小に応じて支援キャラクタに設定されている能力パラメータの高低に応じて注目選手キャラクタに対する支援を行うための支援値を算出する支援値算出部109と、算出された支援値を用いて、注目選手キャラクタの能力パラメータを増加するように設定するパラメータ調整部110として機能する。ここに、向き判断部107と、距離算出部108と、支援値算出部109とで支援値生成手段を構成している。
【0088】
CPU1は、記憶媒体300から取り込まれた各種画像データを記憶する画像記憶部141、野球ゲームに登場する、自己プレイヤ側のチーム乃至は両チームの各選手キャラクタのゲームに関する能力を示す能力パラメータを含むデータを記憶する選手データ記憶部142を有するバッファ14と接続されている。各選手キャラクタは能力パラメータで規定される能力で行動する。例えば、「パワー」について、最大値255に対して、値128が設定されていると、攻撃時に打者となった場合のスイング速度が最大の半分とされ、従って打球の速度も飛距離も影響を受けることとなる。
【0089】
表1は、選手キャラクタに予め設定された能力の種類とパラメータ値との関係の一例を示すものである。
【0090】
【表1】

【0091】
表1において、縦方向は能力の種類を示し、横方向はパラメータの大きさ(高低)を示している。G〜Aは、ランク区分を表したものである。例えば、「走力」パラメータでは、“1〜3”をGランク(極めて遅い)とし、順次パラメータが大きくなるに従ってランクが上がり、最大“14〜15”でAランク(極めて速い)とされる。表1に示す「ミート」、「パワー」は打撃に関する能力であるが、「走力」、「肩力」、「守備力」、「エラー回避」は守備に関する能力である。「走力」は走者の場合の他、守備において打球に追う際の素早さを表す。「肩力」は守備において返球の速さや遠投性を表す。「守備力」は守備範囲の広さを表す。「エラー回避」は守備におけるエラー発生確率を表す。なお、表1では示していないが、その他の種類、例えば、投手キャラクタに関して投球時の「制球力」、「球速」、「変化球の曲がり」という能力も適宜採用されている。
【0092】
投球処理部104は、コントローラ19からの指示信号を取得部101で受け付けて球種設定、投球コース設定及び投球開始指示を行う他、投手キャラクタ71の投じたボールオブジェクト72が、投手キャラクタ72の能力パラメータを用いてホームベース上を通過するまでの軌道の計算を行うと共に、計算された軌道に従ってボールオブジェクト72のゲーム空間上で経時方向に順次(フレーム周期毎の)位置情報を設定するようにして移動処理を行うものである。画像表示制御部103は、軌道計算で得られたフレーム周期毎の位置情報に基づいてボールオブジェクト72をモニタ21上に表示する。
【0093】
打撃処理部105は、コントローラ19からの指示信号を取得部101で受け付けて打者キャラクタ73に対して打撃動作を指示、すなわちバットオブジェクト74がミート位置(領域)を仮想的に通過するようなスイング動作を打者キャラクタ73の能力パラメータを用いて処理するものである。
【0094】
結果処理部111は、ボールオブジェクト72にバットオブジェクト74が当たったか否かを判断し、当たったと判断した場合、打球速さを、打撃指定時のミートカーソル80に対するボールオブジェクト72の通過位置との関係より算出するようにすればよい。打球の軌道計算は、通常の運動方程式に倣った乃至は近似式を使用してもよい。この場合、図略の乱数発生器を設け、この乱数発生器で生成される乱数を用いて、設定された投球位置に対する位置ぶれや指定された打撃位置に対する位置ぶれの少なくとも一方を付加する態様としてもよい。例えば乱数値に応じてぶれ量、ぶれ方向が対応するように設定されていてもよい。なお、投球位置に対する位置ぶれは、能力の種類のうちの「制球力」として反映される。
【0095】
そして、結果処理部111は、打撃されたボールオブジェクト72の軌道の計算を行うと共に、計算された軌道に従ってボールオブジェクト72のゲーム空間上での位置情報を順次(フレーム周期毎の)設定するようにして移動処理を行うものである。そして、画像表示制御部103は、軌道計算で得られた各フレーム周期毎の位置情報に基づいてボールオブジェクト72を野球場を構成するグラウンド、各塁、外野フェンス等の各オブジェクトの座標位置情報と対応させてモニタ21上に表示する。打球速さは、本実施形態では、ボールオブジェクト72が棒状のバットオブジェクト74に直角に当たったか、カーソル中心からのずれ量、及び選手パラメータである「ミート」、「パワー」その他の各パラメータを反映して算出される。打球方向は、本実施形態では、上下方向にはミートカーソル80の中心からの上下方向へのずれ量が反映され、左右方向には、振り遅れや振り急ぎが反映されて算出される。
【0096】
また、結果処理部111による打撃結果処理としては、さらに、打撃に伴う、守備側の各選手キャラクタの動き(打球を追う処理、捕球処理、返球処理、中継処理等)、及び走者がいる場合の走塁処理を野球のルールに従って実行させ、かつ画像表示制御部103に演出表示を指示する処理を行う。
【0097】
向き設定部106は、注目選手キャラクタ以外の他の選手キャラクタのゲーム空間内での向きを設定するもので、打撃前、打撃後においてそれぞれ対応する処理を実行する。打撃前では、守備側は野球ルールに従った所定のポジションに配置されて(位置付けられて)いる。図5は、打撃前における守備側の選手キャラクタの各配置を概略的に示す平面図である。図5において、野球場は、ダイヤモンドを境に内側の内野領域701と外側の外野領域球702とから構成されている。投手キャラクタ71は投手マウンドに、捕手キャラクタ76はホームベースの後ろに、他の野手である選手キャラクタ75,75…は、内野の「一塁手(ファースト)」「二塁手(セカンド)」「遊撃手(ショート)」「三塁手(サード)」と、外野の「レフト」「センター」「ライト」に割り当てられている(位置づけされている)。
【0098】
打撃前では、各選手キャラクタの位置、向きはゲーム進行制御部102で予めデフォルトとして設定されている。なお、各選手キャラクタに対して乱数器を用いて乱数を発生させ、乱数値に応じてデフォルトに対して位置及び向きの少なくとも一方を不作為に変動させてもよく、あるいは打席に立つ打者キャラクタ73の能力パラメータに応じて野球のルールに従った、例えば「パワー」の能力パラメータが高い場合、デフォルトに対して多少後ろ寄りというように、所定の位置変動を行わせてもよい。図5の例では、投手キャラクタ71及び他の選手キャラクタはほぼ捕手キャラクタ76の方を向いている。また、「二塁手」「遊撃手」及び「レフト」「センター」「ライト」の各選手キャラクタ75は投手キャラクタ71の方をほぼ向いている。選手キャラクタの向きは、前記したように、胴部732の正面側中心に割り付けられた所定のポリゴンの面法線ベクトルデータを用いることで得ることができる。なお、面法線ベクトルデータは、3次元のうち、処理の負担軽減の点から水平面上の2次元データのみで処理するようにしてもよい。
【0099】
向き判断部107は、注目選手キャラクタの選定と、注目選手キャラクを除く残りの(他の)選手キャラクタの向きが、注目選手キャラクタの方を向いているか否かの判断とを行うのである。まず、注目選手キャラクタは、打撃前では、投手キャラクタ71とされ、打撃後から捕球するまで、さらには必要に応じて返球してアウト、ヒットが確定するまでの間(1シーケンス終了時点)は、ボールオブジェクト72の支配予測に従ってそれぞれ決定される。
【0100】
CPU1は、打撃後は、ボールオブジェクト72を支配する可能性の高い選手を注目選手キャラクタとして選定し、コントローラ19からの指示をこの選定した注目選手キャラクタに対して適用する。支配予測処理は、例えば、ボールオブジェクト72がセンター方向への飛球であれば、「センター」の選手キャラクタ75を選定し、セカンドゴロであれば「二塁手」の選手キャラクタ75を選定し、キャッチャーフライであれば、捕手キャラクタ76を選定する。また、支配予測処理は、ボールオブジェクト72を補足した選手キャラクタ75から所定の塁に返球される場合、返球処理後は、この返球されてきたボールオブジェクト72をキャッチする選手キャラクタを次に選定する。このように、注目選手キャラクタは1回のシーケンス内で、投手キャラクタ71の他は、1人の選手キャラクタの場合もあれば、複数の選手キャラクタに順次移行する場合も考えられる。
【0101】
注目選手キャラクタを除く他の選手キャラクタの向きは、前記面法線ベクトルの一方向ではなく、本実施形態では、ベクトル方向を中心にして、ある角度範囲を持たせている。図5に示すように、各選手キャラクタ71,75,76には所定形状、例えば扇状(円弧状)のマーク(以下、関連度マークという)70が対応して付記されている。なお、関連度マーク70は説明の便宜上示したものであって、ゲーム中において表示してもよいが、本実施形態では表示しないようにしている。また、扇状の関連度マークの大きさについても、後述の表2に基づくものであることから各選手キャラクタによって大小様々であるが(例えば、表2のケースにおける捕手の影響は自分以外の全員に及ぶので、扇状の関連度マークはマウンド全体を覆う大きさとなる)、そのまま図5及び後述の図6に反映させると、複数の扇が重畳し煩雑になって見難いため、各選手キャラクタの近傍にのみ示している。実際には、これらの関連度マーク70の角度幅及び長さ(円弧の半径)は、それぞれ所定の乃至は全部の選手パラメータの内容に応じて設定されている。本実施形態では、角度幅は、「守備力」の能力パラメータの大きさあるいはランクで決定され、長さは、全能力パラメータの平均値乃至はランクの平均値で決定される。ランクの平均値は、ランクAを“7”、ランクGを“1”と置換して算出すればよい。ランクの平均値を採用する場合、各能力パラメータの数値スケール(能力の種類によって最大値15、最大値255というように異なるものがあるため)の差が吸収できる。
【0102】
向き判断部107は、注目選手キャラクタが決定されると、他の選手キャラクタの関連度マーク70の角度幅内に注目選手キャラクタが入っているかどうかの判断を、他の選手キャラクタのそれぞれについて実行する。
【0103】
距離算出部108は、他の選手キャラクタから注目選手キャラクタまでのゲーム空間内での距離を他の選手キャラクタ毎に算出する。算出距離は、支援値算出部109での処理に用いられる。
【0104】
支援値算出部109は、まず、向き判断部107による判断が肯定された他の選手キャラクタを支援選手キャラクタとして設定し、次に、距離算出部108で算出された距離の大小に応じて支援選手キャラクタに設定されている能力パラメータの高低に応じて、本実施形態では前述の関連度マーク70の長さに応じて、注目選手キャラクタに対する支援を行うための支援値を算出するものである。距離の大小に関しては、距離が所定距離未満であれば支援ありとし、所定距離以上であれば支援なしというようにしてもよいし、段階的に影響度を設定する態様としてもよい。
【0105】
本実施形態では、距離として、ポジション(投手、捕手、内野手、外野手という4つのグループ)間の距離との関係で概略的に設定している。表2は、この関係を示すものである。
【0106】
【表2】

【0107】
表2において、距離との関係に基づく、支援のための影響度は、例えば、投手の場合、捕手と内野手とが影響を及ぼすポジションとされ、それ以上に遠い外野手は除かれている。そして、捕手と内野手とでは、捕手の方が近いとして影響度が大きくされている。また、内野手は投手と捕手とが影響を及ぼすポジションとされ、それ以上に遠い外野手は除かれている。そして、投手と捕手とでは、投手の方が近いとして影響度が大きくされている。
【0108】
また、外野手は投手、捕手及び内野手の全てから影響を及ぼすポジションとされている。そして、影響度は距離の近い順とされている。例えば、「ライト」はファースト及びセカンド>ショート>投手>サード>捕手というような概略の距離順になっている。
【0109】
このように、本実施形態では、距離の算出は、ゲーム中にその都度実際に算出する方式に代えて、演算の負担軽減を考慮して、実際の野球における各守備位置に照らして予め距離の算出を行い、その結果を、表2のようにグループ化された(デフォルト)ポジション間での距離に概ね対応するものとして扱う態様としている。この方法は、打撃前において特に有効であるが、打撃後においても、守備範囲が大きく変化することもないことから、本実施形態では、表2を採用している。距離算出部108は、注目選手キャラクタと同一のポジションに区分された選手キャラクタか否かを判断し、判断が肯定された場合には、距離算出の対象から除外し、支援値の算出を禁止している。
【0110】
また、影響度は、例えば「ライト」では、ファースト及びセカンド>ショート>投手>サード>捕手に対応して、一例として、100%,80%,60%,40%,20%のように設定すればよい。
【0111】
パラメータ調整部110は、支援値算出部109によって得られた、支援選手キャラクタ、表1に基づく各支援選手キャラクタの関連度マーク70の長さ、表2に基づく各支援選手キャラクタの影響度を相乗的に計算し、かつ求めた各支援選手キャラクタの各支援値を支援選手キャラクタの全員分について総和して、注目選手キャラクタに対する支援値とする。支援値は、注目選手キャラクタの能力パラメータに関与、例えば乗算用の係数とし、あるいは加算値として調整するものである。支援値の効果は、注目選手キャラクタの能力パラメータを所定範囲、例えば最大で50%程度まで増大させるようにしている。例えば、キャッチャーフライが発生して注目選手キャラクタとして捕手キャラクタが選定された場合、デフォルトの「守備力」「エラー回避」の確率が例えば最大で50%程度までアップするようにしている。
【0112】
なお、この実施形態では、注目選手キャラクタの能力パラメータはデフォルト値に対して大きくなるようにしているが、総和された支援値に対して閾値を設け、閾値未満ではデフォルト値を減小させる方向に関与させ、閾値を超えるとデフォルト値を増加させる方向に関与させるようにしてもよい。このように、支援値は、他の選手キャラクタの能力パラメータが大きく左右することから、チーム構成員の選手キャラクタのうち、どの選手キャラクタをゲームに登場させるかという点でもゲーム性が存する。
【0113】
図6は、打撃後における守備側のある時点での配置の一例を示す概略平面図である。支援値算出部109は、図6では、打撃結果としてセカンドゴロが打たれたことを想定している。向き判定部106は、注目選手キャラクタとして「セカンド」を選定し、それ以外の選手キャラクタの向きを得て関連度マーク70を作成し、この関連度マーク70の情報から支援選手キャラクタを選定する。表2から、支援選手キャラクタは投手キャラクタ71及び捕手キャラクタ76となる。従って、「セカンド」は、投手キャラクタ71及び捕手キャラクタ76の関連度マーク70の長さ、表2の影響度から得られる支援値によって、本来有しているデフォルトの能力パラメータが増大することになる。この結果、「セカンド」は、打球処理において、関連する能力である「走力」「守備力「エラー回避」」「肩力」の各能力パラメータがアップする、すなわち打球を追う動作、捕球動作、返球動作の向上によって打者キャラクタ73を、例えば一塁でアウトにする確率を結果的に向上させることができる。
【0114】
図7は、CPU1のゲームプログラムによって実行される対戦ゲームの「全体処理」を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、CPU1は、ゲーム開始のための初期設定を行う。例えば両プレイヤによって選出された対戦チーム及びその選手リストのモニタ21への表示等である。次いで、ゲーム空間の画像、各キャラクタ、各オブジェクト等の画像データが読み出されてモニタ21に表示される(ステップS3)。
【0115】
この状態で、シーケンスが開始され(ステップS5)、次いで対戦処理が実行されて(ステップS7)、結果処理の終了を受けて、1シーケンスの終了処理が行われる(ステップS9)。そして、このシーケンスの結果が三振であったか否かが判定され(ステップS11)、三振でなければ、次の投球に対するシーケンスを実行するべく、ステップS5に戻る。一方、三振であれば、3アウトか否かが判断され(ステップS13)、3アウトでなければ、次の打順の打者キャラクタが設定されて(ステップS15)、次シーケンスに移行する(ステップS5)。一方、ステップS13で、3アウトであれば、ゲームセットか否かが判断され(ステップS17)。ゲームセットでなければ、攻守の入れ替え処理が実行され(ステップS19)、一方、ゲームセットであれば、ゲーム終了処理が実行される(ステップS21)。
【0116】
図8、図9は、CPU1がゲームプログラムに基づいて実行する「対戦処理」のフローチャートである。まず、守備側の投球前における各選手キャラクタのポジション(守備位置)の設定が行われる(ステップS31)。次いで、図10、図11を用いて後述する「投球前処理」として投手キャラクタ71に対する支援値の算出が行われた後、守備側のプレイヤが操作するコントローラ19からの操作指示内容に基づいて球種、投球コースの指定及び投球開始指示が行われることで、投球処理が実行される(ステップS33)。次いで、打者側のプレイヤが操作するコントローラ19からの操作指示内容に基づいてミート位置、打撃指示が行われることで、打撃処理が実行される(ステップS35)。なお、ミート位置の指定は、投球コースの指定や投球開始指示前とする態様であってもよい。そして、打撃処理が終了すると、打球に関する打撃処理が開始される(ステップS37)。打撃処理は、前述したように、打球処理と守備側の各選手キャラクタの移動、行動を含む動作処理である。選手の動作は、基本的には野球ルールに従ってCPU1によって制御される。なお、行動とは、例えば捕球動作や投球動作などである。
【0117】
一方、打撃されたボールオブジェクト72の上下左右の各方向及び打球速度と各選手キャラクタの位置情報とから最も捕球する可能性の高い選手キャラクタが注目選手キャラクタとして選定される(ステップS39)。例えば、投手キャラクタ71の直ぐ左側を抜けたゴロであれば、「セカンド」の選手キャラクタ75が注目選手キャラクタとされ、また、「センター」方向への飛球であれば、「センター」の選手キャラクタ75が注目選手キャラクタとされる。なお、この注目選手キャラクタの選定は、CPU1が上記のようにして自動的に行ってもよいし、プレイヤがコントローラ19を用いて指定可能な態様では、コントローラ19の操作によって指定された選手キャラクタが注目選手キャラクタとされる態様でもよい。あるいは、CPU1によって注目選手キャラクタの動作をプレイヤに受け渡すような態様であってもよい。
【0118】
次いで、注目選手キャラクタ以外の他の選手キャラクタの各能力パラメータから関連度マーク70が他の全ての選手キャラクタについて生成される(ステップS41)。関連度マークは、選手キャラクタの向きを基準にした角度幅及び関連度に対応する長さから構成されている。具体的には、角度幅は「守備力」の能力パラメータから設定され、長さは各能力パラメータの平均値から設定される。関連度マークの全体形状は、本実施形態では扇形になるものとしている。なお、ここで、注目選手キャラクタ及び他の選手キャラクタを問わず、全ての選手キャラクタの向きはボールオブジェクト72に向いている。現実世界の野球でも同じであるが、特に打撃後においては、全てのプレイはボールオブジェクト72にからむため、その位置を認識する必要があるためである。
【0119】
次いで、他の選手キャラクタに設定された関連度マーク内に注目選手キャラクタが入っているか否かの判断が各選手キャラクタについて行われる(ステップS43)。この判断は、ゲーム空間内での角度幅及び注目選手キャラクタの位置情報から判断される。この判断が否定された場合には、本フローを抜け、一方、この判断が肯定された場合には、該他の選手キャラクタと注目選手キャラクタとの距離が注目選手キャラクタに影響を及ぼすものであるか否かの判断が行われる(ステップS45)。この判断が否定された場合には、本フローを抜け、一方、この判断が肯定された場合には、該他の選手キャラクタが支援選手キャラクタとして選定され、さらに関連度マーク70の長さが、表2の影響度を係数として支援度として算出され、設定される(ステップS47)。
【0120】
次いで、他の選手キャラクタの全てについての処理が終了したか否かが判断され(ステップS49)、他の選手キャラクタとして残りの選手キャラクタがいれば、次の他の選手キャラクタが設定されて(ステップS51)、ステップS43〜S47が繰り返され、支援選手キャラクタの選定及び支援値の設定が行われる。例えば、支援選手キャラクタが2人いる場合にはその2人の支援値の合計が、また5人いる場合にはその5人の支援値の合計が最終的な支援値として設定される。一方、全ての他の選手キャラクタについての処理が終了したのであれば、ステップS53に進む。
【0121】
ステップS53では、各支援選手キャラクタの支援値の総和が算出され、算出された総和値が、注目選手キャラクタに対する支援値として設定される。選定された支援選手キャラクタ及び設定された支援値は、バッファ14の選手データ記憶部142の所定の記憶領域である支援情報記憶部等に書き込まれる。
【0122】
続いて、1シーケンスが終了したか否かが判断され(ステップS55)、1シーケンスが終了していなければ、ステップS39に戻って、次の注目選手キャラクタの選定が行われ、前述同様、ステップS41〜S53が繰り返し実行される。一方、1シーケンスが終了すれば、支援値がリセットされて(ステップS57)、本フローを終了する。
【0123】
図10、図11は、CPU1がゲームプログラムに基づいて実行する「投球前処理」のフローチャートである。まず、投手キャラクタを注目選手キャラクタに設定する処理が行われ(ステップS71)、次いで、表2に従って、他の選手キャラクタとして選定された捕手、内野手の各選手キャラクタについての関連度マークの生成処理が実行される(ステップS73)。次いで、他の選手キャラクタに設定された角度幅内に投手キャラクタ71が入っているか否かの判断が各選手キャラクタについて行われる(ステップS75)。
【0124】
続いて、ステップS77〜S83において、ステップS47〜S53と同様の処理が実行される。この後、投球済みか否かが判断され(ステップS85)、投球済みであると、投手キャラクタ71に設定された支援値がリセットされる(ステップS87)。
【0125】
図12は、CPU1がゲームプログラムに基づいて実行する「支援値調整処理」のフローチャートである。まず、支援値が存在するか否かが判断され(ステップS101;ステップS55)、存在しなければ、支援値はリセットされたとして、注目選手キャラクタに対してデフォルトの能力パラメータが設定され(ステップS103)、デフォルトでの動作、すなわち移動及び行動処理が制御される(ステップS107)。一方、支援値が存在していると、注目選手キャラクタに対して、そのデフォルトの能力パラメータに支援値が加味されて(ステップS105)、通常よりゲーム能力のアップした状態で動作、すなわち移動や行動処理が制御される(ステップS107)。
【0126】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0127】
(1)画像表示制御部103は、図4に示す支援度マーク90の表示処理を行う。支援度マーク90は、注目選手キャラクタが現在、他の選手キャラクタから支援を受けている状態か否かを報知するものである。すなわち、支援度マークは支援値が所定の閾値以上であれば図4のように表示され、閾値未満では表示を禁止するようになっている。これにより、プレイヤは支援状況を認識することが可能となる。あるいは支援値を段階的に複数区分し、区分毎に報知の形態、例えば異なる色、サイズ、形状で表示するようにしてもよい。これにより支援状況をより詳細に報知することができる。また、CPU1が注目選手キャラクタを自動的に選定する態様では、選定状態をプレイヤに視認容易とするべく、所定のマークを注目選手キャラクタの所定位置に対応して表示するようにしてもよい。
【0128】
(2)本発明は、野球ゲームで説明したが、これに限定されず、所定のポジション(フォーメーション)が予め設定されているようなチーム間での対戦ゲーム、例えばサッカー、ラグビー、バレーボール、テニスや卓球のダブルスにも同様に適用でき、さらにはポジションの設定のない、チーム間での対戦ゲーム、例えばドッジボールにも同様に適用可能である。移動体オブジェクト72としてはボールの他、競技に採用される移動体(例えばバドミントンのシャトル)を模擬したものであればよい。
【0129】
(3)本発明は、1台のゲーム装置(1台のモニタ21)で、2個のコントローラ19を用いて行うゲーム形態や、対戦相手チームがコンピュータによって各選手キャラクタを制御するコンピュータ対戦ゲームの形態に適用できる。また、各プレイヤが各ゲーム装置を用いて、互いに通信手段を介してゲーム情報を授受することで、遠隔的な対戦ゲームにも適用可能である。すなわち、野球ゲームで説明すれば、18名のプレイヤが共通のゲーム空間内で、各選手キャラクタの動作に対する操作指示を受け持ち、操作指示情報をネットワークを介して前ゲーム装置間で送受する(アドホック通信方式)ことで、実現可能である。この態様では、全ての選手キャラクタの動作及び向きがプレイヤ操作に依存することになり、各プレイヤがチーム内のどのポジションの選手キャラクタを受け持つかによってゲーム進行やゲーム結果に影響し得ることから、より面白味のある対戦ゲームが提供できる。
【0130】
(4)図10、図11の「投球前処理」では、距離算出部108は、表2に基づいて予めポジションが設定されている態様では、表2のポジション区分を距離に相当するものとして扱ったが、投球前であっても、各ポジションは打者キャラクタの能力パラメータ、イニング、アウトカウント等によって微調整されるようにしてもよい。この場合、投球前においても、打撃後と同様、表2を用いることなく、各選手キャラクタの位置から支援選手キャラクタの選定及び関連度マーク70の情報を算出する態様としてもよい。なお、逆に、打撃後であっても、表2を用いて、支援選手キャラクタの選定及び関連度マーク情報を算出する態様としてもよい。かかる処理は、他の選手キャラクタの向きに対しても同様に適用可能である。
【0131】
(5)注目選手キャラクタの対象は、投手キャラクタ、ボールオブジェクト71を捕球する選手キャラクタの他、捕球されたボールオブジェクトを所定の塁に返球する(例えばバックホーム)際に中継の有無が判断され、中継する場合の中継選手キャラクタも対象となる。
【0132】
(6)注目選手キャラクタ以外の選手に対して設定される関連度マーク70の角度幅は「守備力」の能力パラメータに限定されず、他の又は複数の所定の能力を採用してもよい。あるいは、投球、捕球、中継のようなゲーム状況に応じて、該ゲーム状況に応じた能力を採用するような可変式としてもよい。あるいは、角度幅の設定は各選手キャラクタ間で一定であってもよい。
【0133】
(7)支援値は全での能力パラメータの平均値を算出ベースとしたが、これに限定されず、所定の能力のみに着目する等種々の方法が採用可能である。さらには、前述のようにゲーム状況に応じて、該ゲーム状況に応じた能力を採用するような可変式としてもよい。
【0134】
(8)本実施形態では1シーケンスの終了毎に支援情報(支援値)をリセットする態様としたが、図3に示す時計部112からの経時情報に基づいて、1シーケンス期間内であっても、支援情報の書込時点から所定時間が経過すると、支援情報を消去するようにしてもよい。これによれば、書込時点から所定時間までは支援情報が使用し得る一方、所定時間経過後は、書き込まれた支援情報は無効とされる。また、時計部112を用いて支援値を有効状態から無効状態に切り替えるようにしたが、1シーケンス内での経時に従って支援値が連続的乃至は複数段階で漸次減少する態様としてもよい。
【0135】
(9)本実施形態では、選手キャラクタの向きを胴部732を基本に設定するようにしたが、胴部732と顔部731とが個別に操作可能な、より臨場感の高い態様においては、顔部731の中心部位、好ましくは眼の部位を構成する所定のポリゴンの面法線ベクトルを採用してもよい。
【0136】
(10)本実施形態では、他キャラクタを支援選手キャラクタとして設定し、この支援選手キャラクタの向き、方向が注目選手キャラクタをカバーしていれば、その注目選手キャラクタの能力向上に寄与するものとしたが、常に能力向上とするのではなく、逆に能力を低下させるようなバリエーションを含めるようにしてもよい。すなわち、所定のある他選手キャラクタのみについては、その向き、方向が注目選手キャラクタをカバーした場合、その注目選手キャラクタの能力パラメータが低下するように設定してもよい。その場合の条件として、以下のケースが採用可能である。すなわち、(i)1チーム内の全選手のお互いの相性を相性パラメータとしてメモリ内にテーブルで準備しておき、その相性パラメータがマイナスの場合には、上記設定を行う(相性の良い場合をプラスの数値、悪い場合をマイナスの数値とし、絶対値が大きいほど、その相性の良否関係が大きくなるものとする)。(ii)1ゲーム毎に、ついていないアンラッキー選手をCPU1でランダムに設定し、そのアンラッキー選手の向き、方向が注目選手キャラクタをカバーすれば、マイナスの影響を注目選手キャラクタに与えるようにする。上記形態によれば、注目選手キャラクタをカバーする選手が多ければ多いほど能力が向上するとは限らず、さらに変化に富んだゲームを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明に係るゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】コントローラの一例を示す外観図である。
【図3】図1に示すゲーム装置のうち、本発明が関連する部分の機能ブロック図である。
【図4】ゲーム装置においてモニタに表示されるゲーム画像の一例を示した図である。
【図5】打撃前における守備側の選手キャラクタの各配置を概略的に示す平面図である。
【図6】打撃後における守備側のある時点での配置の一例を示す概略平面図である。
【図7】CPUのゲームプログラムによって実行される対戦ゲームの「全体処理」を示すフローチャートである。
【図8】CPUがゲームプログラムに基づいて実行する「対戦処理」のフローチャートである。
【図9】CPUがゲームプログラムに基づいて実行する「対戦処理」のフローチャートである。
【図10】CPUがゲームプログラムに基づいて実行する「投球前処理」のフローチャートである。
【図11】CPUがゲームプログラムに基づいて実行する「投球前処理」のフローチャートである。
【図12】CPUがゲームプログラムに基づいて実行する「支援値調整処理」のフローチャートである。
【符号の説明】
【0138】
1 CPU1
101 取得部
102 ゲーム進行制御
103 画像表示制御部(支援状況表示手段)
104 投球処理部(動作処理手段)
105 打撃処理部(動作処理手段)
106 向き設定部(向き設定手段)
107 向き判断部(向き判断手段、支援値生成手段)
108 距離算出部(距離算出手段、支援値生成手段)
109 支援値算出部(支援値算出手段、支援値生成手段)
110 パラメータ調整部(パラメータ調整手段)
111 結果処理部(動作処理手段)
112 時計部
113 通信処理部
14 バッファ(パラメータ記憶手段)
142 選手データ記憶部
19 コントローラ(操作部材)
21 モニタ
70 関連度マーク
71 投手キャラクタ(キャラクタ)
72 ボールオブジェクト(移動体オブジェクト)
75 選手キャラクタ(キャラクタ)
76 捕手キャラクタ(キャラクタ)
90 支援度マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材からの指示を受け付けて表示部に表示されたゲーム空間内で動作する、複数のキャラクタから構成される自己チームを移動体オブジェクトを介在させてコンピュータによって他チームと対戦させるゲームプログラムにおいて、
前記自己のチームの各キャラクタの能力パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
前記自己のチーム内のキャラクタであって、前記移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きを設定する向き設定手段、
前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致する前記他キャラクタを支援キャラクタとして選定すると共に、前記支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を生成する支援値生成手段、
生成された支援値を用いて前記パラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータを調整するパラメータ調整手段、
前記注目キャラクタを前記調整された能力パラメータに従って動作させる動作処理手段、として前記コンピュータを機能させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記支援値生成手段は、前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致しているか否かを前記他キャラクタ毎に判断し、前記向きと前記方向とが一致している全ての他キャラクタを支援キャラクタとして選定する向き判断手段と、
前記選定された各支援キャラクタに設定されている能力パラメータの大きさに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を算出する支援値算出手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記向き判断手段は、前記他キャラクタの向きを中心に所定の角度幅を設定すると共に、該角度幅内に前記注目キャラクタが含まれるか否かによって前記一致の有無の判断を行うことを特徴とする請求項2記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所定の角度幅は、前記他キャラクタの能力パラメータに応じて設定することを特徴とする請求項3記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記支援値生成手段は、前記他キャラクタと前記注目キャラクタとの間の前記ゲーム空間内での距離を前記他キャラクタ毎に算出する距離算出手段を備え、前記支援値算出手段は、前記距離が大きいほど前記支援値を小さくすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記支援値算出手段は、前記能力パラメータの大きさを前記距離が大きいほど小さい値に換算すると共に、前記支援値を前記換算された能力パラメータの大きさに応じて算出することを特徴とする請求項5記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記向き設定手段は、前記対戦ゲームのルールに従って前記他キャラクタの向きを設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記キャラクタは、一体で向きが設定される顔部と胴部とを少なくとも有しており、
前記向き設定手段は、前記対戦ゲームのルールに従って前記他キャラクタの胴部の正面の法線方向を前記向きとして設定することを特徴とする請求項7記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記向き設定手段は、前記操作部材からの指示を受け付けて移動される前記他キャラクタの移動方向と一致する方向に前記向きを設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記キャラクタは、個別に向きが設定される顔部と胴部とを少なくとも有しており、
前記向き設定手段は、前記操作部材の指示を受け付けて変更される前記他キャラクタの顔部の正面方向を前記向きとして設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記支援値生成手段は、能力パラメータが複数ある場合に、各能力パラメータの平均値から前記他キャラクタ毎の支援値を生成することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記支援値生成手段は、前記支援キャラクタが複数の場合に、各支援キャラクタの支援値の平均値を前記注目キャラクタに対する支援値とすることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記支援値生成手段で生成された支援値に関する情報を前記表示部の一部に表示する支援状況表示手段として前記コンピュータを機能させる請求項1〜12のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記対戦ゲームは野球ゲームを模擬したものであり、守備側の各キャラクタは、投手、捕手、内野手及び外野手としてグループ分けされており、
前記支援値生成手段は、前記注目キャラクタと同一グループに含まれる前記他キャラクタに対する支援値の生成を禁止することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項15】
操作部材からの指示を受け付けて表示部に表示されたゲーム空間内で動作する、複数のキャラクタから構成される自己チームを移動体オブジェクトを介在させてコンピュータによって他チームと対戦させるゲーム制御方法において、
パラメータ記憶手段が、前記自己のチームの各キャラクタの能力パラメータを記憶しており、
向き設定手段が、前記自己のチーム内のキャラクタであって、前記移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きを設定し、
支援値生成手段が、前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致する前記他キャラクタを支援キャラクタとして選定すると共に、前記支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を生成し、
パラメータ調整手段が、生成された支援値を用いて前記パラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータを調整し、
動作処理手段が、前記注目キャラクタを前記調整された能力パラメータに従って動作させることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項16】
操作部材からの指示を受け付けて表示部に表示されたゲーム空間内で動作する、複数のキャラクタから構成される自己チームを移動体オブジェクトを介在させてコンピュータによって他チームと対戦させるゲーム装置において、
前記自己のチームの各キャラクタの能力パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記自己のチーム内のキャラクタであって、前記移動体オブジェクトと関わる注目キャラクタ及び他キャラクタの前記ゲーム空間内での向きを設定する向き設定手段と、
前記他キャラクタの向きが該他キャラクタから前記注目キャラクタへの方向と一致する前記他キャラクタを支援キャラクタとして選定すると共に、前記支援キャラクタに設定されている能力パラメータに基づいて前記注目キャラクタに対する支援値を生成する支援値生成手段と、
生成された支援値を用いて前記パラメータ記憶手段に記憶されている注目キャラクタの能力パラメータを調整するパラメータ調整手段と、
前記注目キャラクタを前記調整された能力パラメータに従って動作させる動作処理手段とを備えたことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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