説明

ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法

【課題】複数のオブジェクトそれぞれを容易に設定し選択することができるようにする。
【解決手段】本プログラムでは、画像表示部3に表示された複数のオブジェクト71,73それぞれの表示領域の内部の座標データが、制御部に認識される。そして、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データDが、制御部により算出される。そして、最小の間隔データD_minが、制御部により抽出される。そして、オブジェクト71,73を選択するための選択領域Rが、制御部により設定される。そして、オブジェクト71,73の表示領域の内部の座標データと、選択領域Rの内部の座標データとが一致したか否かが、制御部により判断される。そして、2つの領域の内部の座標データが一致したと制御部により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトが、選択されたオブジェクトとして制御部に認識される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームを実現するためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムに基づいてコンピュータにより制御されるゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力ボタンが配置されている。また、たとえば、携帯型のゲーム装置は、ゲーム機本体と、ゲーム機本体の略中央部に設けられた液晶モニタと、液晶モニタの両側に配置された入力部たとえば複数の入力ボタンとを有している。
【0003】
このようなゲーム装置においては、入力部を操作したりタッチペンを液晶モニタに接触させたりすることによって、各種の命令を指示することができるようになっている。
【0004】
ここでは、たとえば、対戦ゲームやロールプレイングゲーム等が、携帯型のゲーム装置において実行される場合を考える(非特許文献1を参照)。この場合、たとえば、キャラクタに命令を指示するための命令用ボタンが、液晶モニタに表示される。このときに、この命令用ボタンの位置においてタッチペンを液晶モニタに接触させると、命令用ボタンが選択される。すると、命令用ボタンに割り当てられた命令が制御部に認識され、この命令に対応する処理が制御部により実行される。すると、この命令に対応する画像が、液晶モニタに表示される。
【非特許文献1】パワプロクンポケット9、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、ニンテンドーDS版、2006年12月7日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の携帯型のゲーム装置では、ゲーム装置の携帯性を確保するために、ゲーム装置本体の大きさに制限が設けられることが多い。すなわち、ゲーム装置の携帯性を重視すればするほど、液晶モニタの大きさが小さくなってしまう。このため、この液晶モニタに表示できる命令用ボタンの大きさも小さくなってしまい、プレイヤが所望の命令用ボタンを選択しにくいという問題点があった。
【0006】
このような問題点を解決するために、命令用ボタンの認識領域を従来のものより大きな領域に設定することがある。たとえば、命令用ボタンの認識領域を命令用ボタンの表示領域より大きな領域に設定しておけば、手ぶれ等によりプレイヤが所望の命令用ボタンの表示領域から外れた位置で命令用ボタンを選択してしまっても、命令用ボタンを制御部に認識させることができる。
【0007】
しかしながら、複数の命令用ボタンが液晶モニタに表示されるような場合は、状況によっては、隣接する命令用ボタンの認識領域が重なってしまうおそれがある。このため、ゲーム提供者は、命令用ボタンの認識領域が重ならないように、命令用ボタンのレイアウトを事前に設定しておく必要がある。この設定をゲーム提供者は画面ごとに行う必要があるので、ゲーム提供者は、命令用ボタンのレイアウトの設定に多大な労力を要するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明では、複数のボタンそれぞれを容易に設定し選択することができるようにすることを目的とする。一般的には、本発明では、複数のオブジェクトそれぞれを容易に設定し選択することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームを実行可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)画像表示部にオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、制御部に認識させる表示位置認識機能。
(2)複数のオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれを、画像データを用いて画像表示部に表示するオブジェクト表示機能。
(3)画像表示部に表示された複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、制御部に認識させる表示領域認識機能。
(4)複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データを、制御部に算出させる間隔算出機能。
(5)少なくとも1つのオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理を制御部に実行させ、最小の間隔データを制御部に認識させる最小間隔認識機能。
(6)最小の間隔データに基づいて、オブジェクトを選択するための選択領域を、制御部に設定させる選択領域設定機能。
(7)選択領域の内部の座標データを、制御部に認識させる選択領域認識機能。
(8)オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したか否かを、制御部に判断させる領域一致判断機能。
(9)オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとして制御部に認識させるオブジェクト選択機能。
【0010】
このゲームプログラムでは、表示位置認識機能において、画像表示部にオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データが、制御部に認識される。オブジェクト表示機能においては、複数のオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれが、画像データを用いて画像表示部に表示される。表示領域認識機能においては、画像表示部に表示された複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データが、制御部に認識される。間隔算出機能においては、複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データが、制御部により算出される。最小間隔認識機能においては、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理が制御部により実行され、最小の間隔データが制御部に認識される。選択領域設定機能においては、最小の間隔データに基づいて、オブジェクトを選択するための選択領域が、制御部により設定される。選択領域認識機能においては、選択領域の内部の座標データが、制御部に認識される。領域一致判断機能においては、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したか否かが、制御部により判断される。オブジェクト選択機能においては、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトが、選択されたオブジェクトとして制御部に認識される。
【0011】
たとえば、本ゲームプログラムを用いることにより野球ゲームが実行された場合、画像表示部にボタンオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データが、制御部に認識される。そして、複数のボタンオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のボタンオブジェクトそれぞれが、画像データを用いて画像表示部に表示される。ここでは、画像表示部に表示されたボタンオブジェクトを介して、野手ゲームにおける各種の命令が指示される。そして、画像表示部に表示された複数のボタンオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データが、制御部に認識される。そして、複数のボタンオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するボタンオブジェクトの間隔を示す間隔データが、制御部により算出される。そして、少なくとも1つのボタンオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理が制御部により実行され、最小の間隔データが制御部に認識される。そして、最小の間隔データに基づいて、ボタンオブジェクトを選択するための選択領域が、制御部により設定される。そして、選択領域の内部の座標データが、制御部に認識される。そして、ボタンオブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したか否かが、制御部により判断される。そして、ボタンオブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、座標データが一致したボタンオブジェクトが、選択されたボタンオブジェクトとして制御部に認識される。
【0012】
この場合、画像表示部に表示されたボタンオブジェクトの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するボタンオブジェクトの間隔を示す間隔データが、制御部により算出される。そして、最小の間隔データに基づいて、ボタンオブジェクトを選択するための選択領域が、制御部により設定される。そして、選択領域がボタンオブジェクトの表示領域に重なった場合に、選択領域が重なったボタンオブジェクトが選択される。
【0013】
このため、請求項1に係る発明では、プレイヤは、ボタンオブジェクトの内部又はボタンオブジェクトの近傍にタッチペンを位置させるだけで、選択領域によりボタンオブジェクトを容易に選択することができる。また、隣接するボタンオブジェクトが互いに近づいた位置に配置されたとしても、プレイヤは、ボタンオブジェクトの内部又はボタンオブジェクトの近傍にタッチペンを位置させるだけで、選択領域によりボタンオブジェクトを容易に選択することができる。さらに、隣接するボタンオブジェクトが互いに近づいた位置に配置されていたとしても、ゲーム提供者は、ゲーム制作時にボタンオブジェクトのレイアウトを特別に調整する必要がない。すなわち、ゲーム提供者は、ゲーム制作時の労力を低減することができる。
【0014】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データを、制御部に認識させる調整データ認識機能。
【0015】
このゲームプログラムでは、調整データ認識機能において、オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データが、制御部に認識される。選択領域設定機能においては、この調整データを用いて最小の間隔データを調整することにより、選択領域を規定するための規定データが算出される。そして、この規定データに基づいて、選択領域が制御部により設定される。
【0016】
たとえば、本ゲームプログラムを用いることにより野球ゲームが実行された場合、ボタンオブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データが、制御部に認識される。そして、この調整データを用いて最小の間隔データを調整することにより、選択領域を規定するための規定データが算出される。そして、この規定データに基づいて、選択領域が制御部により設定される。なお、ここでは、ボタンオブジェクトを選択することにより、野球ゲームにおける各種の命令が指示される。
【0017】
この場合、たとえば、調整データを用いて最小の間隔データを調整することにより、選択領域用の規定データが算出される。ここで、この規定データが最小の間隔データより小さな値に設定されると、ボタンオブジェクトが隣接していたとしも、プレイヤは、ボタンオブジェクトの内部又はボタンオブジェクトの近傍にタッチペンを位置させるだけで、選択領域により1つのボタンオブジェクトだけを確実に選択することができる。すなわち、プレイヤが所望するボタンオブジェクトを選択領域により確実に選択することができる。すなわち、選択領域がボタンオブジェクトに重なったときの誤認識を、防止することができる。
【0018】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データを、制御部に認識させる調整データ認識機能。
【0019】
このゲームプログラムでは、調整データ認識機能において、オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データが、制御部に認識される。選択領域設定機能においては、最小の間隔データから調整データを減算する処理が、制御部により実行される。これにより、選択領域を規定するための規定データが算出される。そして、この規定データに基づいて、選択領域が制御部により設定される。
【0020】
たとえば、本ゲームプログラムを用いることにより野球ゲームが実行された場合、ボタンオブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データが、制御部に認識される。そして、この最小の間隔データから調整データを減算する処理が、制御部により実行される。これにより、選択領域を規定するための規定データが算出される。そして、この規定データに基づいて、選択領域が制御部により設定される。
【0021】
この場合、最小の間隔データから調整データを減算することにより、選択領域用の規定データが算出される。これにより、規定データは、最小の間隔データより小さな値になる。このため、ボタンオブジェクトが隣接していたとしも、規定データに基づいて規定される選択領域を用いれば、プレイヤは所望するボタンオブジェクトだけを確実に選択することができる。すなわち、選択領域がボタンオブジェクトに重なったときの誤認識を、防止することができる。
【0022】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項3に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(11)オブジェクトが静止しているか否かを制御部に判断させる移動状態判断機能。
【0023】
このゲームプログラムでは、移動状態判断機能において、オブジェクトが静止しているか否かが、制御部により判断される。調整データ認識機能においては、オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データ、およびオブジェクトが移動している場合に対応する第1調整データより小さい第2調整データのいずれか一方のデータが、調整データとして制御部に認識される。
【0024】
たとえば、本ゲームプログラムを用いることにより野球ゲームが実行された場合、ボタンやキャラクタ等のオブジェクトが静止しているか否かが、制御部により判断される。そして、オブジェクトが静止している場合には、第1調整データが調整データとして制御部に認識される。一方で、オブジェクトが移動している場合には、第2調整データが調整データとして制御部に認識される。ここでは、第2調整データが、第1調整データより小さくなるように設定されている。
【0025】
この場合、オブジェクトが静止している場合とオブジェクトが移動している場合とにおいて、異なる調整データ(第1調整データ>第2調整データ)が設定される。一般的には、オブジェクトが静止している場合よりも、オブジェクトが移動している場合の方が、オブジェクトを選択しにくい。このため、ここでは、オブジェクトが静止している場合の選択領域よりも、オブジェクトが移動している場合の選択領域の方が大きくなるように、選択領域が設定される。これにより、オブジェクトが静止していても、オブジェクトが移動していても、プレイヤが所望するボタンオブジェクトを容易に選択することができる。
【0026】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(12)オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための1未満の値を有する調整データを、制御部に認識させる調整データ認識機能。
【0027】
このゲームプログラムでは、調整データ認識機能において、オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための1未満の値を有する調整データが、制御部に認識される。選択領域設定機能においては、最小の間隔データに調整データを乗算する処理が、制御部により実行される。これにより、選択領域を規定するための規定データが算出される。そして、この規定データに基づいて選択領域が制御部により設定される。
【0028】
この場合、最小の間隔データに1未満の値を有する調整データを乗算することにより、選択領域用の規定データが算出される。これにより、規定データは、最小の間隔データより小さな値になる。このため、ボタンオブジェクトが隣接していたとしも、規定データに基づいて規定される選択領域を用いれば、プレイヤが所望するボタンオブジェクトだけを確実に選択することができる。すなわち、選択領域をボタンオブジェクトに重ねたときの誤認識を、防止することができる。
【0029】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項5に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(13)オブジェクトが静止しているか否かを制御部に判断させる移動状態判断機能。
【0030】
このゲームプログラムでは、移動状態判断機能において、オブジェクトが静止しているか否かが、制御部により判断される。調整データ認識機能においては、オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データ、および第1調整データより大きいオブジェクトが移動している場合に対応する第2調整データのいずれか一方のデータが、調整データとして制御部に認識される。
【0031】
たとえば、本ゲームプログラムを用いることにより野球ゲームが実行された場合、ボタンやキャラクタ等のオブジェクトが静止しているか否かが、制御部により判断される。そして、オブジェクトが静止している場合には、第1調整データが調整データとして制御部に認識される。一方で、オブジェクトが移動している場合には、第2調整データが調整データとして制御部に認識される。ここでは、第2調整データが、第1調整データより大きくなるように設定されている。
【0032】
この場合、オブジェクトが静止している場合とオブジェクトが移動している場合とにおいて、異なる調整データ(第1調整データ<第2調整データ<1)が設定される。一般的には、オブジェクトが静止している場合よりも、オブジェクトが移動している場合の方が、オブジェクトを選択しにくい。このため、ここでは、オブジェクトが静止している場合の選択領域よりも、オブジェクトが移動している場合の選択領域の方が大きくなるように、選択領域が設定されている。これにより、オブジェクトが静止していても、オブジェクトが移動していても、プレイヤが所望するボタンオブジェクトを容易に選択することができる。
【0033】
請求項7に係るゲームプログラムは、請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(14)入力手段からの入力信号に基づいて、指示手段が示す指示位置を制御部に認識させる指示位置認識機能。
【0034】
このゲームプログラムでは、指示位置認識機能において、指示手段が示す指示位置が、入力手段からの入力信号に基づいて、制御部に認識される。選択領域設定機能においては、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データのうちの最小の間隔データに基づいて、指示位置を基点とした選択領域が、制御部により設定される。
【0035】
たとえば、本ゲームプログラムを用いることにより野球ゲームが実行された場合、タッチペンやポインティング装置等のような指示手段が示す指示位置が、入力手段からの入力信号に基づいて、制御部に認識される。そして、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データのうちの最小の間隔データに基づいて、指示位置を基点とした選択領域が、制御部により設定される。
【0036】
この場合、上記の最小の間隔データに基づいて、指示手段による指示位置を基点とした選択領域を設定することができる。たとえば、上記の最小の間隔データに基づいて、指示手段による指示位置を中心とした円形領域を、選択領域として設定した場合、プレイヤは、指示位置を周りに形成された円形領域をオブジェクトに重ねるだけで、所望するオブジェクトを容易に選択することができる。
【0037】
請求項8に係るゲーム装置は、複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、画像表示部にオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、制御部に認識させる表示位置認識手段と、複数のオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれを、画像データを用いて画像表示部に表示するオブジェクト表示手段と、画像表示部に表示された複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、制御部に認識させる表示領域認識手段と、複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データを制御部に算出させる間隔算出手段と、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理を制御部に実行させ、最小の間隔データを制御部に認識させる最小間隔認識手段と、最小の間隔データに基づいて、オブジェクトを選択するための選択領域を、制御部に設定させる選択領域設定手段と、選択領域の内部の座標データを、制御部に認識させる選択領域認識手段と、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと選択領域の内部の座標データとが一致したか否かを、制御部に判断させる領域一致判断手段と、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとして制御部に認識させるオブジェクト選択手段と、を備えている。
【0038】
請求項9に係るゲーム制御方法は、複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、画像表示部にオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、制御部に認識させる表示位置認識ステップと、複数のオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれを、画像データを用いて画像表示部に表示するオブジェクト表示ステップと、画像表示部に表示された複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、制御部に認識させる表示領域認識ステップと、複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データを、制御部に算出させる間隔算出ステップと、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理を制御部に実行させ、最小の間隔データを制御部に認識させる最小間隔認識ステップと、最小の間隔データに基づいて、オブジェクトを選択するための選択領域を、制御部に設定させる選択領域設定ステップと、選択領域の内部の座標データを、制御部に認識させる選択領域認識ステップと、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと選択領域の内部の座標データとが一致したか否かを、制御部に判断させる領域一致判断ステップと、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとして制御部に認識させるオブジェクト選択ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0039】
本発明では、プレイヤは、選択領域がボタンオブジェクトに重なるように入力するだけで、所望するボタンオブジェクトを容易に選択することができる。また、隣接するボタンオブジェクトが互いに近づいた位置に配置されている場合でも、プレイヤは、選択領域がオブジェクトに重なるように入力するだけで、所望するボタンオブジェクトを容易に選択することができる。さらに、隣接するボタンオブジェクトが互いに近づいていたとしても、ゲーム提供者は、ボタンオブジェクトのレイアウトを特別に調整する必要がなくなり、ゲーム制作時に必要となる労力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1の外観図である。また、図2は、携帯ゲーム機1の一例としての制御ブロック図である。
【0041】
携帯ゲーム機1は、図1に示すように、主に、本体2と、液晶モニタ部3と、入力部4と、カートリッジ装着部5と、通信部23とを有している。
【0042】
本体2は、上部筐体2aと下部筐体2bとを有している。上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。液晶モニタ部3は、上部筐体2aに設けられた第1液晶モニタすなわち上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた第2液晶モニタすなわち下部液晶モニタ3bとからなっている。ここでは、たとえば、上部液晶モニタ3aが非接触入力式のモニタすなわち非タッチパネル式のモニタになっており、下部液晶モニタ3bが接触入力式のモニタすなわちタッチパネル式のモニタになっている。非タッチパネル式のモニタは液晶パネルからなっており、タッチパネル式のモニタは液晶パネルとタッチパネルとからなっている。タッチパネル式のモニタでは、液晶パネルの表示面とタッチパネルのデータ入力面とは、積層一体型に構成されている。
【0043】
なお、液晶モニタ部3の下部液晶モニタ3b(タッチパネル式のモニタ)は、接触入力式のモニタになっている。このため、この下部液晶モニタ3bに指示手段たとえばタッチペンや指等を接触させることにより、各種の入力に関する指示をすることができる。このように、液晶モニタ部3の下部液晶モニタ3bは、後述する入力部4と同様に、入力手段の1つになっている。すなわち、本実施形態では、液晶モニタ部3の下部液晶モニタ3bおよび入力部4が、入力手段となっている。
【0044】
入力部4は、下部筐体2bの左側中央部に配置された十字状の方向指示釦4aと、下部筐体2bの左側上部に左右に配置されたセレクト釦4bおよびスタート釦4cと、下部筐体2bの右側中央部に配置された指示釦4dと、下部筐体2bの右側上部に配置された電源釦4eと、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gとからなっている。
【0045】
カートリッジ装着部5は下部筐体2bの下部に設けられている。このカートリッジ装着部5には、たとえばゲーム用カートリッジが装着可能になっている。通信部23は、本体2たとえば上部筐体2aに内蔵されている。この通信部23においては、たとえば、ローカルワイヤレスネットーワーク機能や、ワイヤレスLANによるインターネット接続機能等が提供される。
【0046】
なお、携帯ゲーム機1には、音量調整用釦やイヤホンジャック等も設けられている。しかしながら、ここでは、これらの説明については省略する。
【0047】
携帯ゲーム機1は、図2に示すように、制御装置10を内部に有している。制御装置10は、マイクロプロセッサを利用したCPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像処理回路14と、サウンド処理回路15とを有している。これらは、バス16を介してそれぞれが接続されている。
【0048】
CPU11は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。ROM12は、ゲーム機1の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。RAM13は、CPU11に対する作業領域を確保する。画像処理回路14は、CPU11からの描画指示に応じて液晶モニタ部3を制御して、上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bの少なくともいずれか一方に所定の画像を表示する。
【0049】
また、画像処理回路14にはタッチ入力検出回路14aが含まれている。タッチパネルに指示手段たとえばタッチペンや指等を直接的に接触させたときに、接触位置の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、接触位置がCPU11に認識される。また、液晶パネルに表示された対象物の位置において、タッチパネルに指示手段を直接的に接触させると、対象物の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、対象物がCPU11に認識される。
【0050】
サウンド処理回路15は、CPU11からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ22に出力する。通信制御回路20および通信インターフェイス21は、通信部23に含まれており、ゲーム機1を他のゲーム機等にワイヤレスで接続するために用いられる。通信制御回路20および通信インターフェイス21は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20および通信インターフェイス21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1をローカルワイヤレスネットーワーク又はワイヤレスLANによるインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。
【0051】
バス16には、制御装置10とは別体の外部記憶装置17が接続される。たとえば、外部記憶装置17には本体2たとえば下部筐体2bに着脱自在に装着されるゲーム用カートリッジ等がある。外部記憶装置17の内部には、記憶媒体としてのROM18と、書き換え可能なユーザ用メモリとしてのメモリ19が設けられる。ROM18には、コンピュータとしてのゲーム機1を機能させるためのゲームプログラムと、ゲームプログラムの実行に必要な各種データとが予め記録されている。この各種データには、各種の画像データ等が含まれている。メモリ19には、たとえばフラッシュメモリのような書き換え可能なメモリが使用される。このメモリ19には、たとえば、ゲームのセーブデータ等が必要に応じて記録される。
【0052】
なお、外部記憶装置17の記憶媒体には、半導体記憶素子に限らず、磁気記憶媒体、光学式記憶媒体、光磁気記憶媒体等の各種の記憶媒体を使用してもよい。なお、バス16と各要素との間には必要に応じてインターフェイス回路が介在しているが、ここではそれらの図示は省略した。
【0053】
以上のような構成のゲーム機1では、外部記憶装置17のROM18に記録されたゲームプログラムがロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、プレイヤは様々なジャンルのゲームを液晶モニタ部3上で遊戯することができる。また、通信制御回路20を介して、ワイヤレスネットワークにゲーム機1を接続したり、他のゲーム機と通信ケーブル等を介して接続したりすることで、他のゲーム機との間でデータのやり取りや対戦型のゲームを行うことができる。
【0054】
〔ゲーム装置における各種手段の説明〕
ゲーム機1において実行されるゲームには、たとえば野球ゲームがある。ゲーム機1では、複数のオブジェクトが、液晶モニタ部3の下部液晶モニタ3bに表示できるようになっている。図3は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0055】
表示位置認識手段50は、下部液晶モニタ3bにオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、CPU11に認識させる機能を備えている。
【0056】
この手段では、下部液晶モニタ3bにオブジェクトを表示する表示位置を示す座標データが、CPU11に認識される。たとえば、各オブジェクトの表示位置を示す座標データは、野球ゲームプログラムがROM12からロードされたときに、RAM13に格納されている。そして、オブジェクトの表示命令がCPU11から発行されたときに、まず、RAM13に格納された上記の座標データが、CPU11に認識される。
【0057】
オブジェクト表示手段51は、複数のオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれを、画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示する機能を備えている。
【0058】
この手段では、複数のオブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれが、画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される。たとえば、オブジェクトの表示命令がCPU11から発行されたときに、RAM13に格納されたオブジェクトの表示位置を示す座標データがCPU11に認識されると、これら座標データに基づいて、複数のオブジェクトそれぞれが下部液晶モニタ3bに表示される。
【0059】
具体的には、オブジェクトの表示位置にオブジェクトを配置する命令がCPU11から発行される。これにより、複数のオブジェクトそれぞれが、各画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される。
【0060】
より具体的には、各オブジェクトの重心位置が、下部液晶モニタ3bにおける各オブジェクトの表示位置に一致するように、各オブジェクトを配置する命令がCPU11から発行される。これにより、複数のオブジェクトそれぞれが、各画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される。
【0061】
表示領域認識手段52は、下部液晶モニタ3bに表示された複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、CPU11に認識させる機能を備えている。
【0062】
この手段では、下部液晶モニタ3bに表示された複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。たとえば、各オブジェクトが下部液晶モニタ3bに表示されると、下部液晶モニタ3bに表示された各オブジェクトの表示領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。
【0063】
ここでは、下部液晶モニタ3bの中心位置を原点とした座標系における、各オブジェクトの表示領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。なお、ここでCPU11に認識される各オブジェクトの表示領域の内部の座標データには、各オブジェクトの表示位置に対応する座標データも含まれている。
【0064】
間隔算出手段53は、複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データを、CPU11に算出させる機能を備えている。
【0065】
この手段では、複数のオブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データが、CPU11により算出される。
【0066】
たとえば、各オブジェクトが矩形であり、複数のオブジェクトが上下左右に平行に下部液晶モニタ3bに表示されている場合、まず、隣接するオブジェクトの表示位置を結ぶ線分の長さを計算する処理が、各オブジェクトの表示位置を示す座標データに基づいて、CPU11により実行される。また、各オブジェクトの長辺の半分の長さと短辺の半分の長さが、各オブジェクトの表示領域の内部の座標データに基づいて、CPU11により算出される。次に、隣接するオブジェクトの表示位置を結ぶ線分の長さから、対応する各オブジェクトの一辺の半分の長さを減算する処理が、CPU11により実行される。すると、この処理結果が、互いに隣接するオブジェクトの間隔を示す間隔データとしてCPU11に認識される。
【0067】
最小間隔認識手段54は、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理をCPU11に実行させ、この最小の間隔データをCPU11に認識させる機能を備えている。
【0068】
この手段では、少なくとも1つのオブジェクトの間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理がCPU11により実行され、この最小の間隔データがCPU11に認識される。たとえば、オブジェクトの間隔データが1つである場合は、この間隔データが、最小の間隔データとしてCPU11により抽出され、CPU11に認識される。また、オブジェクトの間隔データが2つ以上である場合は、複数の間隔データの中から最小の間隔データを検索する処理が、CPU11により実行される。そして、ここでCPU11により検索された最小の間隔データが、CPU11に認識される。
【0069】
指示位置認識手段55は、入力手段からの入力信号に基づいて、指示手段が示す指示位置をCPU11に認識させる機能を備えている。
【0070】
この手段では、入力手段からの入力信号に基づいて、指示手段が示す指示位置が、CPU11に認識される。たとえば、入力手段が下部液晶モニタ3bであり、指示手段がタッチペンである場合、タッチペンが下部液晶モニタ3bに接触したときに、タッチペンの接触位置を示す入力信号が、タッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給される。そして、この入力信号に基づいて、タッチペンの接触位置を示す座標データが、CPU11に認識される。
【0071】
移動状態判断手段56は、オブジェクトが静止しているか否かをCPU11に判断させる機能を備えている。
【0072】
この手段では、オブジェクトが静止しているか否かが、CPU11により判断される。たとえば、タッチペンが下部液晶モニタ3bに接触したときのフレーム(nフレーム:nは自然数)におけるオブジェクトの表示位置を示す座標データ(第n座標データ)が、タッチペンが下部液晶モニタ3bに接触したときのフレームより1フレーム前のフレーム((n−1)フレーム:nは自然数)におけるオブジェクトの表示位置を示す座標データ(第(n−1)座標データ)に一致するか否かが、CPU11により判断される。
【0073】
ここでは、オブジェクトの表示位置を示す第n座標データが、オブジェクトの表示位置を示す第(n−1)座標データに一致した場合に、オブジェクトが静止していると判断される。一方で、オブジェクトの表示位置を示す第n座標データが、オブジェクトの表示位置を示す第(n−1)座標データに一致しなかった場合に、オブジェクトが移動していると判断される。なお、オブジェクトが下部液晶モニタ3bに最初に表示されたときには(n=1のときには)、オブジェクトが静止していると判断される。
【0074】
調整データ認識手段57は、オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データを、CPU11に認識させる機能を備えている。詳細には、調整データ認識手段57は、オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データ、およびオブジェクトが移動している場合に対応する第1調整データより小さい第2調整データのいずれか一方のデータを、調整データとしてCPU11に認識させる機能を備えている。
【0075】
この手段では、オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データ、およびオブジェクトが移動している場合に対応する第1調整データより小さい第2調整データのいずれか一方のデータが、調整データとしてCPU11に認識される。
【0076】
たとえば、オブジェクトが静止していると判断された場合、オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データが、調整データとしてCPU11に認識される。一方で、オブジェクトが移動していると判断された場合、オブジェクトが移動している場合に対応する第2調整データが、調整データとしてCPU11に認識される。ここでは、第2調整データが、第1調整データより小さいデータとなっている。
【0077】
なお、第1調整データおよび第2調整データは、野球ゲームプログラムがROM12からロードされたときに、RAM13に格納されている。判断結果と第1調整データおよび第2調整データとの対応関係は、ゲームプログラムにおいて規定されている。
【0078】
選択領域設定手段58は、最小の間隔データに基づいて、オブジェクトを選択するための選択領域を、CPU11に設定させる機能を備えている。また、選択領域設定手段58は、最小の間隔データに基づいて、指示位置を基点とした選択領域が、CPU11により設定される機能を備えている。詳細には、選択領域設定手段58は、調整データを用いて最小の間隔データを調整することにより、選択領域を規定するための規定データを算出し、規定データに基づいて指示位置を基点とした選択領域をCPU11に設定させる機能を備えている。より詳細には、選択領域設定手段58は、最小の間隔データから調整データを減算する処理をCPU11に実行させることにより、選択領域を規定するための規定データを算出し、規定データに基づいて指示位置を基点とした選択領域をCPU11に設定させる機能を備えている。
【0079】
この手段では、最小の間隔データから調整データを減算する処理をCPU11に実行させることにより、選択領域を規定するための規定データが算出される。そして、この規定データに基づいて、指示位置を基点とした選択領域が、CPU11により設定される。たとえば、まず、最小の間隔データから調整データを減算する処理が、CPU11により実行される。この処理結果が、円状の選択領域の直径の大きさを示す直径データ(規定データ)としてCPU11に認識される。次に、タッチペンの接触位置を中心として、直径データ(規定データ)が示す直径の大きさを有する円形領域が、選択領域としてCPU11に認識される。このように円形領域を定義することにより、選択領域が設定される。
【0080】
選択領域認識手段59は、選択領域の内部の座標データを、CPU11に認識させる機能を備えている。
【0081】
この手段では、選択領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。たとえば、選択領域が上記のように円状に設定された場合、この円状の選択領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。
【0082】
領域一致判断手段60は、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したか否かを、CPU11に判断させる機能を備えている。
【0083】
この手段では、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したか否かが、CPU11により判断される。たとえば、下部液晶モニタ3bに表示されたオブジェクトの表示領域の内部の少なくとも1つの座標データと、タッチペンの接触位置を基準として定義された選択領域の内部の少なくとも1つの座標データとが一致したか否かが、CPU11により判断される。
【0084】
オブジェクト選択手段61は、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したとCPU11により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとしてCPU11に認識させる機能を備えている。
【0085】
この手段では、オブジェクトの表示領域の内部の座標データと、選択領域の内部の座標データとが一致したとCPU11により判断された場合に、座標データが一致したオブジェクトが、タッチペンにより選択されたオブジェクトとしてCPU11に認識される。たとえば、下部液晶モニタ3bに表示されたオブジェクトの表示領域の内部の少なくとも1つの座標データと、タッチペンの接触位置を基準として定義された選択領域の内部の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU11により判断された場合に、選択領域がオブジェクトの表示領域に重なったものと判定される。そして、座標データが一致したオブジェクトが、タッチペンにより選択されたオブジェクトとしてCPU11に認識される。
【0086】
〔野球ゲームにおけるオブジェクト選択システムの処理フローと説明〕
次に、たとえば野球ゲームにおけるオブジェクト選択システムの具体的な内容について説明する。また、図14に示すオブジェクト選択システムに関するフローについても同時に説明する。
【0087】
以下では、オブジェクトがボタンである場合の例と、オブジェクトが選手キャラクタである場合の例とを示す。
1.オブジェクトがボタンである場合
たとえば、野球ゲームにおいて、プレイヤが攻撃時の操作や守備時の操作等を練習するための操作練習モードが選択されると、図4に示すような練習選択画面70が、下部液晶モニタ3bに表示される。この練習選択画面70には、複数のボタンオブジェクト71(71a,71b,71c,71d,71e,71f)が配置されている。ここでは、複数のボタンオブジェクト71が、練習形態を指示するための5つのボタンオブジェクト(打撃練習ボタン71a、投球練習ボタン71b、守備練習ボタン71c、総合攻撃練習ボタン71d、総合守備練習ボタン71e)、および練習形態の詳細を設定するためのボタンオブジェクト(オプションボタン)71f等から構成されている。
【0088】
操作練習モードが選択されると、たとえば、上記の複数のボタンオブジェクト71を下部液晶モニタ3bに表示するための表示命令が、CPU11から発行される(S1)。すると、複数のボタンオブジェクト71それぞれを下部液晶モニタ3bに表示する表示位置H(H1,H2,H3,H4,H5,H6)を示す座標データが、CPU11に認識される(S2)。なお、ボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す座標データは、予めゲームプログラムおいて規定されており、RAM13に格納されている。
【0089】
そして、複数のボタンオブジェクト71(71a,71b,71c,71d,71e,71f)それぞれの表示位置Hを示す座標データがCPU11に認識されると、これら座標データが示す各ボタンオブジェクト71a,71b,71c,71d,71e,71fの表示位置Hに各ボタンオブジェクトを配置する命令が、CPU11から発行される。すると、各ボタンオブジェクト71a,71b,71c,71d,71e,71fが、各ボタンオブジェクト用の画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される(S3)。具体的には、各ボタンオブジェクト71a,71b,71c,71d,71e,71fの重心位置が、下部液晶モニタ3bにおける各ボタンオブジェクトの表示位置Hに一致するように、各ボタンオブジェクト71a,71b,71c,71d,71e,71fが、画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される。なお、各ボタンオブジェクト71a,71b,71c,71d,71e,71fに対応する画像データは、RAM13に格納されている。
【0090】
続いて、下部液晶モニタ3bに表示された複数のボタンオブジェクト71それぞれの表示領域の内部の座標データが、CPU11に認識される(S4)。具体的には、下部液晶モニタ3bにおいて画像を表示可能な矩形範囲の中央位置(重心位置)を原点とした座標系において、各ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。なお、ここでCPU11に認識される各ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データには、各ボタンオブジェクト71の表示位置Hに対応する座標データも含まれている。
【0091】
続いて、各ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データがCPU11に認識されると、各ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接するボタンオブジェクト71の間隔を示す間隔データD(D11,D12,D13,D14,D21,D22)が、CPU11により算出される(S5)。
【0092】
ここでは、たとえば、各ボタンオブジェクト71が、矩形状に形成されている。そして、複数のボタンオブジェクト71が、水平方向に2行および上下方向に3列に配置されている。この場合、図5に示すように、まず、隣接するボタンオブジェクト(71a−71b,71b−71c,71d−71e,71e−71f,71a−71d,71b−71e,71c−71f)の表示位置Hを結ぶ線分S(S11,S12,S13,S14,S21,S22,S23)の長さを計算する処理が、各ボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す座標データに基づいて、CPU11により実行される。
【0093】
そして、各ボタンオブジェクト71の長辺方向の長さLC(LC1,LC2,LC3,LC4,LC5,LC6)および短辺方向の長さLT(LT1,LT2,LT3,LT4)を算出する処理が、CPU11により実行される。たとえば、各ボタンオブジェクト71の表示領域の重心位置を通る水平方向のx座標の最大値からx座標の最小値を減算する処理をCPU11に実行させることにより、各ボタンオブジェクト71の長辺方向の長さLCが算出される。また、各ボタンオブジェクト71の表示領域の重心位置を通る垂直方向のy座標の最大値からy座標の最小値を減算する処理をCPU11に実行させることにより、各ボタンオブジェクト71の短辺方向の長さLTが算出される。そして、ボタンオブジェクト71の長辺方向の長さLCおよびボタンオブジェクト71の短辺方向の長さLTに数値「0.5」を乗じる処理をCPU11に実行させることにより、ボタンオブジェクト71の長辺の半分の長さおよびボタンオブジェクト71の短辺の半分長さ(ボタンオブジェクトの一辺の半分の長さ,LC/2,LT/2)が算出される。
【0094】
そして、隣接するボタンオブジェクト71の表示位置Hを結ぶ線分の長さSから、対応する各ボタンオブジェクト71の一辺の半分の長さ(ボタンオブジェクトの長辺の半分の長さLC/2又はボタンオブジェクトの短辺の半分長さLT/2)を減算する処理が、CPU11により実行される。このようにして、互いに隣接するボタンオブジェクト71の間隔を示す間隔データD11,D12,D13,D14,D21,D22が算出され、これらの間隔データD11,D12,D13,D14,D21,D2がCPU11に認識される。
【0095】
すると、CPU11に認識された複数の間隔データD11,D12,D13,D14,D21,D22の中から最小データを抽出する処理がCPU11により実行され、この処理により抽出されたデータが最小の間隔データD_minとしてCPU11に認識される。ここでは、たとえば、間隔データD11(=D12,D13,D14)が、最小の間隔データD_minとしてCPU11に認識される(S6)。
【0096】
なお、ここでは、隣接するボタンオブジェクト71の表示位置Hを結ぶ線分の長さSから、対応する各ボタンオブジェクトの一辺の半分の長さ(LC/2,LT/2)を減算することにより、互いに隣接するボタンオブジェクト71の間隔データDが算出される場合の例を示した。しかしながら、ボタンオブジェクト71の間隔データDは、上記の形態に限定されず、どのように算出しても良い。たとえば、図6に示すように、互いに対向するボタンオブジェクト71それぞれの最外周に位置する座標データに基づいて、ボタンオブジェクト71の間隔データDを算出する処理を、CPU11に実行させるようにしても良い。図6では、オブジェクト71c,71e,71fは省略している。
【0097】
続いて、図7に示すように、複数のボタンオブジェクト71が下部液晶モニタ3bに表示された状態において(図7では、オブジェクト71c,71e,71fは省略)、プレイヤが、所望のボタンオブジェクト71aを選択するために下部液晶モニタ3bにタッチペンTを接触させると、下部液晶モニタ3bに接触したタッチペンTの接触位置SPを示す入力信号が、タッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給される。そして、この入力信号に基づいて、タッチペンTの接触位置SPを示す座標データが、CPU11に認識される(S7)。
【0098】
そして、タッチペンTの接触位置SPを示す座標データがCPU11に認識されると、各ボタンオブジェクト71が静止しているか否かが、CPU11により判断される(S8)。ここでは、たとえば、タッチペンTが下部液晶モニタ3bに接触した時点のフレーム(nフレーム:nは自然数)におけるボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す座標データ(第n座標データ)が、1フレーム前のフレーム((n−1)フレーム:nは自然数)におけるボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す座標データ(第(n−1)座標データ)に一致するか否かが、CPU11により判断される。
【0099】
そして、ボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す第n座標データが、ボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す第(n−1)座標データに一致した場合、ボタンオブジェクト71は静止していると判断される(S8でYes)。この場合には、判断結果を識別するための結果識別パラメータKPに数値「0」を代入する処理が、CPU11により実行される。一方で、ボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す第n座標データが、ボタンオブジェクト71の表示位置Hを示す第(n−1)座標データに一致しなかった場合に、ボタンオブジェクト71は移動していると判断される(S8でNo)。この場合には、判断結果を識別するための結果識別パラメータKPに数値「1」を代入する処理が、CPU11により実行される。
【0100】
なお、ボタンオブジェクト71が下部液晶モニタ3bに最初に表示されたときには(n=1のときには)、ボタンオブジェクト71が静止していると判断されるように設定されている。すなわち、この場合は、判断結果を識別するための結果識別パラメータKPに数値「0」を代入する処理が、CPU11により実行される。
【0101】
続いて、ボタンオブジェクト71を選択するための選択領域Rを調整するための調整データMDが、CPU11に認識される(S9,S10)。ここでは、たとえば、ボタンオブジェクト71が静止している場合に対応する第1調整データMD1、およびボタンオブジェクト71が移動した場合に対応する第2調整データMD2のいずれか一方のデータが、調整データMDとしてCPU11に認識される。
【0102】
具体的には、ボタンオブジェクト71が静止していると判断された場合(結果識別パラメータKPの値が「0」である場合、S8でYes)、ボタンオブジェクト71が静止している場合に対応する第1調整データMD1が、調整データMDとしてCPU11に認識される(S9)。一方で、ボタンオブジェクト71が移動したと判断された場合(結果識別パラメータKPの値が「1」である場合、S8でNo)、ボタンオブジェクト71が移動した場合に対応する第2調整データMD2が、調整データMDとしてCPU11に認識される(S10)。ここでは、第2調整データMD2が、0より大きく第1調整データMD1より小さいデータとなるように、所定の値に設定されている。また、第1調整データMD1は、最小の間隔データD_minより小さいデータとなるように、所定の値に設定されている。これにより、ボタンオブジェクト71が移動した場合の選択領域Rが、ボタンオブジェクト71が静止している場合の選択領域Rよりも大きくなるように、選択領域Rを設定することができる。
【0103】
なお、第1調整データMD1および第2調整データMD2は、野球ゲームプログラムがROM12からロードされたときに、RAM13に格納される。また、判断結果(結果識別パラメータKP)と第1調整データMD1および第2調整データMD2との対応関係は、図8に示すように、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0104】
続いて、CPU11により抽出された最小の間隔データD_minに基づいて、ボタンオブジェクト71を選択するための選択領域Rが、CPU11により設定される(S11)。ここでは、たとえば、調整データMDを用いて最小の間隔データD_minを調整することにより、選択領域Rを規定するための規定データRKが算出される。そして、この規定データRKに基づいて、接触位置SPを基点とした選択領域Rが、CPU11により設定される。
【0105】
具体的には、まず、最小の間隔データD_minから調整データMDを減算する処理が、CPU11により実行される。この処理結果(D_min−MD)が、円状の選択領域Rの直径の大きさを示す直径データRK(規定データ)としてCPU11に認識される。次に、図9に示すような、タッチペンTの接触位置SPを中心とした、直径データRK(=D_min−MD)が示す大きさの直径を有する円形領域が、選択領域RとしてCPU11に認識される。このようにして、タッチペンTが下部液晶モニタ3bに接触した接触位置SPに基づいて、円状の選択領域RがCPU11により設定される。
【0106】
すると、選択領域Rの内部の座標データが、CPU11に認識される(S12)。たとえば、選択領域Rが上記のように円状に設定された場合、この円状の選択領域Rの内部の座標データが、CPU11に認識される。
【0107】
続いて、ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データと、円状の選択領域Rの内部の座標データとが一致したか否かが、CPU11により判断される(S13)。たとえば、下部液晶モニタ3bに表示されたボタンオブジェクト71の表示領域の内部の少なくとも1つの座標データと、タッチペンTの接触位置SPを基準として定義された円状の選択領域Rの内部の少なくとも1つの座標データとが一致したか否かが、CPU11により判断される。
【0108】
そして、ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データと、選択領域Rの内部の座標データとが一致したとCPU11により判断された場合(S13でYes)、座標データが一致したボタンオブジェクト71が、タッチペンTにより選択されたボタンオブジェクト71としてCPU11に認識される(S14)。たとえば、下部液晶モニタ3bに表示されたボタンオブジェクト71の表示領域の内部の少なくとも1つの座標データと、タッチペンTの接触位置SP(SP’)を基準として定義された選択領域R(R’)の内部の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU11により判断された場合、選択領域R(R’)がボタンオブジェクト71の表示領域に重なったものと判定される(図9の斜線部分を参照)。すると、座標データが一致したボタンオブジェクト71(71a)が、タッチペンTにより選択されたオブジェクトとしてCPU11に認識される。
【0109】
一方で、ボタンオブジェクト71の表示領域の内部の座標データと、選択領域Rの内部の座標データとが一致したとCPU11により判断されなかった場合(S13でNo)、ボタンオブジェクト71がタッチペンTにより選択されない。この場合は、ステップ7(S7)の処理がCPU11により再実行される。
【0110】
なお、前記実施形態にはボタンオブジェクト71が移動しない場合の例が示されているが、上記の判断処理(ステップ8の処理)は機能している。この判断処理を機能させておけば、たとえば、画面が切り替わってボタンオブジェクト71のレイアウトが変更されるようなことがあったときに、第1調整データMD1より小さい第2調整データMD2をCPU11に認識させることができる。これにより、プレイヤが、レイアウトが変更されたボタンオブジェクト71をタッチペンTで選択しようとしたときにレイアウトの変更に追随することができなくても、選択領域が、上記の選択領域R(ステップ8でNoである場合の選択領域)より大きな領域に設定されるので、ボタンオブジェクト71を容易に選択することができる。
【0111】

2.オブジェクトが選手キャラクタである場合
オブジェクトが選手キャラクタである場合においても、野球ゲームにおいて選択されるモードの部分を除けば、基本的には、上記のオブジェクトがボタンである場合において実行される処理と同じ処理が実行される。このため、上述したオブジェクトがボタンである場合の処理と同じ処理が実行される部分については、詳細な説明が省略されている。また、上述したオブジェクトがボタンである場合の処理と同じ処理が実行されるステップSについては、記号Sに「’(ダッシュ)」が付されている。
【0112】
なお、ここでは、オブジェクト選択システムに関するフローを示す図が省略されている。しかしながら、図14に示されたボタンという文言を、野手又は野手キャラクタという文言に置き換えることにより、図14をオブジェクトが選手キャラクタである場合のフローとして代用することができる。
【0113】
以下に、オブジェクトが選手キャラクタである場合に、オブジェクト選択システムが機能する例を示す。
【0114】
たとえば、野球ゲームにおいて、対戦モードが選択されると、図10に示すような対戦画面72が、下部液晶モニタ3bに表示される。このときには、たとえば、複数の野手キャラクタ用のオブジェクト73(以下、野手キャラクタ)を下部液晶モニタ3bに表示するための表示命令が、CPU11から発行される。すると、複数の野手キャラクタ73(73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i)それぞれを下部液晶モニタ3bに表示する表示位置を示す初期座標データが、CPU11に認識される。なお、野手キャラクタの表示位置を示す初期座標データは、予めゲームプログラムおいて規定されており、RAM13に格納されている。
【0115】
そして、複数の野手キャラクタそれぞれの表示位置を示す初期座標データがCPU11に認識されると、これら初期座標データが示す各野手キャラクタの表示位置に各野手キャラクタを配置する命令が、CPU11から発行される。すると、複数の野手キャラクタそれぞれが、画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される。なお、図10には、外野の野手キャラクタ73g,73h,73iを除く野手キャラクタ73a,73b,73c,73d,73e,73fが表示されている。
【0116】
この状態において、打者キャラクタによりボールBが打ち返された場合、打ち返されたボールBの方向に動作する野手キャラクタ73を下部液晶モニタ3bに表示するための表示命令が、CPU11から発行される(S1’)。すると、複数の野手キャラクタ73それぞれを下部液晶モニタ3bに表示する表示位置を示す座標データが、CPU11に認識される(S2’)。なお、野手キャラクタ73の表示位置を示す座標データは、ボールBの位置座標データに基づいて、1フレームごとにCPU11により算出されRAM13に格納される。また、ボールBの位置座標データは、ゲームプログラムにおいて予め規定されたボールBの軌道方程式に基づいて、CPU11により算出される。
【0117】
そして、複数の野手キャラクタ73それぞれの表示位置を示す座標データがCPU11に連続的に認識されると、これら座標データが示す各野手キャラクタの表示位置に各野手キャラクタ73を配置する命令が、CPU11から発行される。すると、打ち返されたボールBの方向に動作する各野手キャラクタ73の動画が、画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される((S3’、図11を参照)。以下では、野手キャラクタ73の表示領域が円状に形成されているものとして、説明を行う。このため、図11には、野手キャラクタ73の表示領域を円で表現した図が示されている。
【0118】
なお、複数の野手キャラクタ73それぞれの表示位置を示す座標データは、野手キャラクタ73の初期位置からボールBの落下位置に向かう直線を算出する処理をCPU11に実行させることにより、この直線上を移動する野手キャラクタ73の動画が、画像データを用いて下部液晶モニタ3bに表示される。
【0119】
続いて、下部液晶モニタ3bに表示された複数の野手キャラクタ73それぞれの表示領域の内部の座標データが、1フレームごとにRAM13に格納されCPU11に認識される(S4’)。なお、ここでCPU11に認識される各野手キャラクタ73の表示領域の内部の座標データには、各野手キャラクタ73の表示位置(円の中心)に対応する座標データも含まれている。
【0120】
続いて、各野手キャラクタ73の表示領域の内部の座標データに基づいて、互いに隣接する野手キャラクタ73の間隔を示す間隔データが、1フレームごとにCPU11により算出される(S5’)。たとえば、図12に示すように、隣接する野手キャラクタ73の最外周に位置する座標データに基づいて、野手キャラクタ73の間隔データD(D31,D32,D33)を算出する処理が、CPU11により実行される。
【0121】
なお、ここでは、隣接する野手キャラクタ73の最外周に位置する座標データに基づいて、野手キャラクタ73の間隔データD(D31,D32,D33)を算出される場合の例が示されている。しかしながら、野手キャラクタ73の間隔データD(D31,D32,D33)を算出する形態は、どのようにしても良い。
【0122】
たとえば、まず、複数の野手キャラクタ73g,73h,73iのうちの2つの野手キャラクタ(73gと73h、73hと73i、73gと73i)の距離データが、CPU11により算出される。ここでは、表示位置H7および表示位置H8を結ぶ距離データ、表示位置H8および表示位置H9を結ぶ距離データ、表示位置H9および表示位置H7を結ぶ距離データが、CPU11により算出される。そして、各距離データから、野手キャラクタの表示領域を規定する半径の値を減算する処理をCPU11に実行させることにより、野手キャラクタ73の間隔データD(D31,D32,D33)を算出することができる。これにより、野手キャラクタの形状が複雑な形状であっても、野手キャラクタを選択可能な領域を円形で評価することで、上記のように野手キャラクタの間隔データDを容易に算出することができる。
【0123】
続いて、間隔データD31,D32,D33の中から最小の間隔データD_minを抽出する処理がCPU11により実行され、この処理により抽出されたデータが最小の間隔データD_minとしてCPU11に認識される(S6’)。ここでは、たとえば、間隔データD32が、最小の間隔データD_minとしてCPU11に認識される。
【0124】
続いて、動作中の複数の野手キャラクタ73が下部液晶モニタ3bに表示された状態において、プレイヤが、所望の野手キャラクタ73を選択するために下部液晶モニタ3bにタッチペンTを接触させると、下部液晶モニタ3bに接触したタッチペンTの接触位置SPを示す入力信号が、タッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給される。そして、この入力信号に基づいて、タッチペンTの接触位置SPを示す座標データが、CPU11に認識される(S7’)。なお、上記の所望の野手キャラクタ73とは、プレイヤが捕球指示をする野手キャラクタに対応している。
【0125】
そして、タッチペンTの接触位置SPを示す座標データがCPU11に認識されると、タッチペンTの接触位置SPに最も近い野手キャラクタ73(73h)が静止しているか否かが、CPU11により判断される(S8’)。
【0126】
具体的には、タッチペンTの接触位置SPに最も近い野手キャラクタ73は、次のようにして選択される。まず、タッチペンTの接触位置SPと複数の野手キャラクタ73それぞれの表示位置H(H7,H8,H9)との距離データを算出する処理を、CPU11に実行させる。次に、ここで算出された距離データのなかから、最小の値を有する距離データが、CPU11により検出される。そして、この最小の距離データが示す位置の野手キャラクタ73が、タッチペンTの接触位置SPに最も近い野手キャラクタとしてCPU11に認識される。図12では、センターの野手キャラクタ73hが、タッチペンTの接触位置SPに最も近い野手キャラクタとしてCPU11に認識される。なお、ここでは、野手キャラクタ73を識別するための識別データをCPU11に認識させることにより、野手キャラクタの認識が行われる。
【0127】
そして、タッチペンTの接触位置SPに最も近い野手キャラクタ73(73h)が静止していると判断された場合(S8’でYes)、判断結果を識別するための結果識別パラメータKPに数値「0」を代入する処理が、CPU11により実行される。たとえば、捕手キャラクタ73bが選択された場合が、この場合に対応する。一方で、タッチペンTの接触位置SPに最も近い野手キャラクタ73(73h)が移動したと判断された場合(S8’でNo)、判断結果を識別するための結果識別パラメータKPに数値「1」を代入する処理が、CPU11により実行される。なお、野手キャラクタ73が下部液晶モニタ3bに最初に表示されたときには(n=1のときには)、野手キャラクタ73が静止していると判断されるように設定されている。
【0128】
続いて、野手キャラクタ73を選択するための選択領域Rを調整するための調整データMDが、CPU11に認識される(S9’,S10’))。ここでは、たとえば、野手キャラクタ73が静止している場合に対応する第1調整データMD1、および野手キャラクタ73が移動した場合に対応する第2調整データMD2のいずれか一方のデータが、調整データMDとしてCPU11に認識される。
【0129】
具体的には、野手キャラクタ73が静止していると判断された場合(結果識別パラメータKPの値が「0」である場合、S8’でYes)、野手キャラクタ73が静止している場合に対応する第1調整データMD1が、調整データMDとしてCPU11に認識される(S9’)。一方で、野手キャラクタ73が移動したと判断された場合(結果識別パラメータKPの値が「1」である場合、S8’でNo)、野手キャラクタ73が移動した場合に対応する第2調整データMD2が、調整データMDとしてCPU11に認識される(S10’)。ここでは、第2調整データMD2が、0より大きく第1調整データMD1より小さいデータとなるように、所定の値に設定されている。また、第1調整データMD1は、最小の間隔データD_minより小さいデータとなるように、所定の値に設定されている。これにより、ボタンオブジェクト71が移動した場合の選択領域Rが、ボタンオブジェクト71が静止している場合の選択領域Rよりも大きくなるように、選択領域Rを設定することができる。
【0130】
なお、判断結果(結果識別パラメータKP)と第1調整データMD1および第2調整データMD2との対応関係は、図8に示すように、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0131】
続いて、CPU11により抽出された最小の間隔データD_minに基づいて、野手キャラクタ73を選択するための選択領域Rが、CPU11により設定される(S11’)。具体的には、最小の間隔データD_minから調整データMDを減算することにより、円状の選択領域Rの直径の大きさを示す直径データRK(=D_min−MD、規定データ)が算出される。そして、図13に示すような、タッチペンTの接触位置SPを中心とした、直径データRK(規定データ)の大きさが示す直径を有する円形領域が、選択領域RとしてCPU11に認識される。このように、タッチペンTが下部液晶モニタ3bに接触した接触位置SPに基づいて、円状の選択領域RがCPU11により設定される。
【0132】
すると、選択領域Rの内部の座標データが、CPU11に認識される(S12’)。たとえば、選択領域Rが上記のように円状に設定された場合、この円状の選択領域Rの内部の座標データが、CPU11に認識される。
【0133】
続いて、野手キャラクタ73の表示領域の内部の座標データと、円状の選択領域Rの内部の座標データとが一致したか否かが、CPU11により判断される(S13’)。たとえば、下部液晶モニタ3bに表示された野手キャラクタ73の表示領域の内部の少なくとも1つの座標データと、タッチペンTの接触位置SPを基準として定義された円状の選択領域Rの内部の少なくとも1つの座標データとが一致したか否かが、CPU11により判断される。
【0134】
そして、野手キャラクタ73の表示領域の内部の座標データと、選択領域Rの内部の座標データとが一致したとCPU11により判断された場合(S13’でYes)、座標データが一致した野手キャラクタ73が、タッチペンTにより選択された野手キャラクタとしてCPU11に認識される(S14)。具体的には、下部液晶モニタ3bに表示された野手キャラクタ73(73h)の表示領域の内部の少なくとも1つの座標データと、タッチペンTの接触位置SPを基準として定義された選択領域Rの内部の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU11により判断された場合に、選択領域Rが野手キャラクタ73(73h)の表示領域に重なったものと判定される(図13の斜線部分を参照)。すると、座標データが一致した野手キャラクタ73(73h)が、タッチペンTにより選択されたオブジェクトとしてCPU11に認識される。
【0135】
そして、野手キャラクタ73の表示領域の内部の座標データと、選択領域Rの内部の座標データとが一致したとCPU11により判断されなかった場合(S13’でNo)、
野手キャラクタ73がタッチペンTにより選択されない。この場合は、ステップ7(S7’)の処理がCPU11により再実行される。
【0136】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1を用いた場合の例を示したが、コンピュータたとえばゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体として構成されたゲーム装置、モニタがゲーム装置本体に一体に構成された業務用ゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0137】
(b)本発明には、前述したようなゲームを実行するためのプログラム、ゲームを実行するためのプログラム方法およびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【0138】
(c)前記実施形態では、最小の間隔データD_minから調整データMDを減算する処理をCPU11に実行させることにより、選択領域Rを規定するための規定データRKが算出されるようになっていた。しかしながら、規定データRKの算出形態は、前記実施形態に限定されず、どのようにしても良い。
【0139】
たとえば、まず、調整データ認識手段57において制御部に認識される調整データMDを、オブジェクトを選択するための選択領域Rを調整するための1未満の値を有するデータにする。次に、選択領域設定手段58において、最小の間隔データD_minに1未満の調整データMDを乗算する処理を、制御部に実行させる。これにより、選択領域Rを規定するための規定データRKが算出され、この規定データRKに基づいた選択領域Rが設定される。たとえば、規定データRKが直径データである場合、この直径データに基づいて円形の選択領域Rを設定することができる。
【0140】
この場合も、調整データ認識機能では、オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データMD1、およびオブジェクトが移動した場合に対応する第2調整データMD2のいずれか一方のデータが、調整データMDとして制御部に認識される。しかしながら、この場合は、第1調整データMD1が、0より大きく第2調整データMD2より小さいデータとなるように設定される。また、第2調整データMD2が、1より小さいデータとなるように設定される。
【0141】
(d)前記実施形態では、入力手段が下部液晶モニタ3bである場合の例を示したが、選択領域Rの基点を入力することができれば、入力手段は、どのようなものでも良い。たとえば、入力部4の各種釦、マウス、およびポインタ機能を有するコントローラ等を、入力手段として利用することもできる。
【0142】
(e)前記実施形態では、選択領域Rの最大設定範囲が設定されるようにはなっていない。しかしながら、選択領域Rの最大設定範囲を定義しても良い。選択領域Rの最大設定範囲は、様々な検討を行った結果、オブジェクトとの比較において、以下のように設定することが望ましいことが判明した。たとえば、オブジェクトが長方形でありオブジェクトの長辺の長さがL1である場合、選択領域Rの直径がとり得る最大値を略L1/2に規定しておくことにより、選択領域Rの最大設定範囲が、この直径により設定される。これにより、隣接するオブジェクトの間隔が非常に大きい場合であっても、オブジェクトを違和感なく、且つ比較的容易に選択することができる。
【0143】
ここでは、オブジェクトを長方形の場合の例を示したが、オブジェクトの形状が他の形状であっても、オブジェクトの代表的な長さ(代表長さ)に基づいて、選択領域Rの直径がとり得る最大値を規定することにより、選択領域Rの最大設定範囲を設定することができる。たとえば、オブジェクトが円形である場合は、オブジェクトの直径(代表長さ)の略1/2を、選択領域Rの直径がとり得る最大値にすることにより、選択領域Rの最大設定範囲を設定することができる。また、外周に凹凸が見られるようなオブジェクトの場合は、その外周に外接するような円を想定し、その円の直径の略1/2の長さを、選択領域Rの直径がとり得る最大値にすることにより、選択領域Rの最大設定範囲を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機の外観図。
【図2】前記携帯ゲーム機の制御に関する内容を説明するための制御ブロック図。
【図3】野球ゲームにおいて機能する手段を説明するための機能ブロック図。
【図4】練習選択画面を説明するための図。
【図5】計算に用いられるデータを説明するための図。
【図6】間隔データの他の算出形態を説明するための図。
【図7】タッチペンの接触位置とボタンとの位置関係を示す図。
【図8】判断結果と調整データとの対応関係を示す図。
【図9】選択領域により選択されるボタンを示す図。
【図10】対戦画面を説明するための図。
【図11】画面に表示された野手キャラクタとボールとを示す図。
【図12】計算に用いられるデータを説明するための図。
【図13】選択領域により選択される野手キャラクタを示す図。
【図14】本野球ゲームにおけるオブジェクト選択システムを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0145】
1 携帯ゲーム機
3 液晶モニタ
3a 上部液晶モニタ(非タッチパネル式のモニタ)
3b 下部液晶モニタ(タッチパネル式のモニタ)
4 入力部
10 制御装置
11 CPU
13 RAM
50 表示位置認識手段
51 オブジェクト表示手段
52 表示領域認識手段
53 間隔算出手段
54 最小間隔認識手段
55 指示位置認識手段
56 移動状態判断手段
57 調整データ認識手段
58 選択領域設定手段
59 選択領域認識手段
60 領域一致判断手段
61 オブジェクト選択手段
T タッチペン(指示手段)
SP 接触位置(指示位置)
71 ボタンオブジェクト,
73 野手キャラクタ用のオブジェクト
H 表示位置
D 間隔データ
D_min 最小の間隔データ
R 選択領域
MD1 第1調整データ
MD2 第2調整データ
MD 調整データ
RK 規定データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームを実行可能なコンピュータに、
画像表示部に前記オブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、制御部に認識させる表示位置認識機能と、
複数の前記オブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数の前記オブジェクトそれぞれを、画像データを用いて画像表示部に表示するオブジェクト表示機能と、
画像表示部に表示された複数の前記オブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、制御部に認識させる表示領域認識機能と、
複数の前記オブジェクトそれぞれの表示領域の内部の前記座標データに基づいて、互いに隣接する前記オブジェクトの間隔を示す間隔データを、制御部に算出させる間隔算出機能と、
少なくとも1つの前記オブジェクトの前記間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理を制御部に実行させ、前記最小の間隔データを制御部に認識させる最小間隔認識機能と、
前記最小の間隔データに基づいて、前記オブジェクトを選択するための選択領域を、制御部に設定させる選択領域設定機能と、
前記選択領域の内部の座標データを、制御部に認識させる選択領域認識機能と、
前記オブジェクトの表示領域の内部の前記座標データと、前記選択領域の内部の前記座標データとが一致したか否かを、制御部に判断させる領域一致判断機能と、
前記オブジェクトの表示領域の内部の前記座標データと、前記選択領域の内部の前記座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、前記座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとして制御部に認識させるオブジェクト選択機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データを、制御部に認識させる調整データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記選択領域設定機能では、前記調整データを用いて前記最小の間隔データを調整することにより、前記選択領域を規定するための規定データを算出し、前記規定データに基づいて前記選択領域が制御部により設定される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための調整データを、制御部に認識させる調整データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記選択領域設定機能では、前記最小の間隔データから前記調整データを減算する処理を制御部に実行させることにより、前記選択領域を規定するための規定データを算出し、前記規定データに基づいて前記選択領域が制御部により設定される、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記オブジェクトが静止しているか否かを制御部に判断させる移動状態判断機能、
をさらに実現させ、
前記調整データ認識機能では、前記オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データ、および前記オブジェクトが移動している場合に対応する前記第1調整データより小さい第2調整データのいずれか一方のデータが、前記調整データとして制御部に認識される、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記オブジェクトを選択するための選択領域を調整するための1未満の値を有する調整データを、制御部に認識させる調整データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記選択領域設定機能では、前記最小の間隔データに前記調整データを乗算する処理を制御部に実行させることにより、前記選択領域を規定するための規定データを算出し、前記規定データに基づいて前記選択領域が制御部により設定される、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記オブジェクトが静止しているか否かを制御部に判断させる移動状態判断機能、
をさらに実現させ、
前記調整データ認識機能では、前記オブジェクトが静止している場合に対応する第1調整データ、および前記第1調整データより大きい前記オブジェクトが移動している場合に対応する第2調整データのいずれか一方のデータが、前記調整データとして制御部に認識される、
請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
入力手段からの入力信号に基づいて、指示手段が示す指示位置を制御部に認識させる指示位置認識機能、
をさらに実現させ、
前記選択領域設定機能では、前記最小の間隔データに基づいて、前記指示位置を基点とした前記選択領域が、制御部により設定される、
請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項8】
複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームを実行可能なゲーム装置であって、
画像表示部に前記オブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、制御部に認識させる表示位置認識手段と、
複数の前記オブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数の前記オブジェクトそれぞれを、画像データを用いて画像表示部に表示するオブジェクト表示手段と、
画像表示部に表示された複数の前記オブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、制御部に認識させる表示領域認識手段と、
複数の前記オブジェクトそれぞれの表示領域の内部の前記座標データに基づいて、互いに隣接する前記オブジェクトの間隔を示す間隔データを、制御部に算出させる間隔算出手段と、
少なくとも1つの前記オブジェクトの前記間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理を制御部に実行させ、前記最小の間隔データを制御部に認識させる最小間隔認識手段と、
前記最小の間隔データに基づいて、前記オブジェクトを選択するための選択領域を、制御部に設定させる選択領域設定手段と、
前記選択領域の内部の座標データを、制御部に認識させる選択領域認識手段と、
前記オブジェクトの表示領域の内部の前記座標データと、前記選択領域の内部の前記座標データとが一致したか否かを、制御部に判断させる領域一致判断手段と、
前記オブジェクトの表示領域の内部の前記座標データと、前記選択領域の内部の前記座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、前記座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとして制御部に認識させるオブジェクト選択手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項9】
複数のオブジェクトを画像表示部に表示するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
画像表示部に前記オブジェクトを表示する表示位置を示す座標データを、制御部に認識させる表示位置認識ステップと、
複数の前記オブジェクトそれぞれの表示位置を示す座標データに基づいて、複数の前記オブジェクトそれぞれを、画像データを用いて画像表示部に表示するオブジェクト表示ステップと、
画像表示部に表示された複数の前記オブジェクトそれぞれの表示領域の内部の座標データを、制御部に認識させる表示領域認識ステップと、
複数の前記オブジェクトそれぞれの表示領域の内部の前記座標データに基づいて、互いに隣接する前記オブジェクトの間隔を示す間隔データを、制御部に算出させる間隔算出ステップと、
少なくとも1つの前記オブジェクトの前記間隔データに基づいて、最小の間隔データを抽出する処理を制御部に実行させ、前記最小の間隔データを制御部に認識させる最小間隔認識ステップと、
前記最小の間隔データに基づいて、前記オブジェクトを選択するための選択領域を、制御部に設定させる選択領域設定ステップと、
前記選択領域の内部の座標データを、制御部に認識させる選択領域認識ステップと、
前記オブジェクトの表示領域の内部の前記座標データと、前記選択領域の内部の前記座標データとが一致したか否かを、制御部に判断させる領域一致判断ステップと、
前記オブジェクトの表示領域の内部の前記座標データと、前記選択領域の内部の前記座標データとが一致したと制御部により判断された場合に、前記座標データが一致したオブジェクトを、選択されたオブジェクトとして制御部に認識させるオブジェクト選択ステップと、
を備えるゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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