説明

ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲーム制御方法

【課題】ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームにおいて、ボールに対する打撃操作を直感的に分かりやすくしたゲームプログラム、ゲーム装置、ゲーム制御方法を提供すること。
【解決手段】第1表示手段53が実行され、ボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とが表示される。打撃強度が選択されると、打撃結果決定手段56は、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばゴルフゲーム等、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームを実現させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームとして、例えばゴルフコース上でゴルフを行うことを模擬したゴルフゲームが知られている。従来のゴルフゲームでは、ボールを打つこと(ボールに打撃を与えることであり、ゴルフでは「ショット」ともいう。)におけるプレイヤの操作は、プレイヤによるコントローラに対する操作に応じてカーソルが移動するバー状のゲージが表示されつつ行われるのが一般的である(特許文献1)。
【0003】
例えば、特許文献1では、従来のゴルフゲームにおいて、プレイヤによる3回の操作入力によってボールを打つ操作が、バー状のゲージ(特許文献1の図11参照)が表示されつつ行われる。特許文献1が開示する操作方法において、1回目の釦入力はショットの開始する操作に対応しており、バー状のゲージ中のカーソルが基準位置からゲージに沿って移動を開始する。2回目の釦入力はショットのパワーを決定する操作に対応しており、第2回目の釦入力が行われた時点の基準位置とカーソルの長さによってショットのパワーが決定される。3回目の釦入力はショットにおける打点位置を決定する操作に対応しており、3回目の釦入力によってカーソルが停止する。つまり、3回目の釦入力によって、基準位置に向かって移動するカーソルを停止させ、カーソルが停止した位置と基準位置との位置関係に基づいてボールが飛んでいく方向が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3511518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のゴルフゲームにおいて、ボールに対するショット操作(つまり、ボールに打撃を与える操作)は、実際のゴルフのショットを模擬した操作として直感的に分かりにくいことが問題である。例えば上述した従来のゴルフゲームにおいて、プレイヤのショット操作は、ショットに使用されるゴルフボールあるいはゴルフクラブとは乖離した標識としてのゲージ(およびゲージ内のカーソル)を見ながら行われることになるため、ボールに対するショット操作として直感的に分かりにくい。この点はゴルフゲームに限らず、静止したボールに対して打撃を与える動作を行う他のスポーツあるいは遊技、例えば、ビリヤード等を模擬したゲームなどに共通の課題である。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームにおいて、ボールに対する打撃操作を直感的に分かりやすくしたゲームプログラム、ゲーム装置、ゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るゲームプログラムは、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのゲームプログラムである。
(1)実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とを表示する第1表示機能。
(2)第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識を表示し、第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによってボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する打撃強度選択機能。
(3)第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、前記打撃強度選択機能によって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する打撃結果決定機能。
【0008】
コンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ホームサーバ等である。また、このゲームプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0009】
このゲームプログラムでは、第1表示機能により、実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とが表示される。これにより、プレイヤは、ボールオブジェクトに対する打撃の操作が完了する時点(第3タイミング)の前に、ボールオブジェクトのどの位置を打撃しようとしているのかを認識することができる。
【0010】
このゲームプログラムでは、打撃強度選択機能により、プレイヤによる第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識が表示される。さらに、打撃強度選択機能により、第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによってボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度(パワー)が選択される。第1標識はプレイヤ所望の強度を選択するためのゲージとして機能し、2回の操作入力を受け入れた時間差に応じて、ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度が選択されることになる。第2タイミングで第1標識はその拡大または伸長を停止して表示されるため、プレイヤは、自らの操作によって選択された強度を視認することができる。
【0011】
このゲームプログラムでは、打撃結果決定機能により、第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識が表示される。打撃結果決定機能ではさらに、第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、上記打撃強度選択機能によって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道が決定される。
【0012】
すなわち、プレイヤによる第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、上記打撃強度選択機能によって選択された強度とに基づいて、打撃結果、すなわち、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道が決定される。そのため、プレイヤは、ゲームにおいて所望の打撃結果を得るため、第1領域と、第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識の外縁の位置との位置関係が所望の関係となるように、その位置関係を注視しつつ、第3操作入力を与える第3タイミングを決定することになる。このとき、第2標識が縮小しながら向かう第1領域はボールオブジェクトに対する打撃位置を示すため、上記位置関係の決定(すなわち、第3タイミングの決定)は、プレイヤがボールオブジェクトにおける打撃位置を視認しながらなされることになる。そのため、プレイヤが第3操作入力を与える操作は、プレイヤがボールオブジェクトのどの位置を打撃するのかを認識しながら上記位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせて行われることになるので、静止したボールに対して打撃を与える操作がプレイヤにとって直感的に分かりやすいものとなる。よって、例えばゴルフゲームやビリヤードゲーム等、静止したボールに対して打撃を与える動作を含むスポーツまたは遊技を模擬したゲームにおいて、より現実世界に近い感覚の打撃操作を実現することができる。
【0013】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(4)上記打撃強度選択機能は、上記第1標識として、上記第1タイミングを起点として上記ボールオブジェクトの中心位置から時間の経過とともに拡大する環状の標識を表示し、上記第2タイミングで、第1標識の外縁をその拡大を停止して表示し、停止したときの第1標識の外縁の大きさによってボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択すること。
【0014】
このゲームプログラムでは、打撃強度選択機能は、第1標識として、第1タイミングを起点としてボールオブジェクトの中心位置から時間の経過とともに拡大する環状の標識が表示される。打撃強度選択機能はさらに、第2タイミングで、第1標識の外縁をその拡大を停止して表示し、停止したときの第1標識の外縁の大きさによってボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度が選択される。そのため、プレイヤは、ボールオブジェクトの中心位置から拡大しゲージとして機能する環状の第1標識を視認しながら第2操作入力を与える第2タイミングを決定することになるので、第1標識がボールオブジェクトの内側の領域に無い場合と比較して、プレイヤの注目がより打撃対象のボールオブジェクトに注がれることになる。このとき、第1標識は拡大しつつボールオブジェクトとオーバラップして表示されることになるため、ボールオブジェクトの大きさに対する第1標識の大きさが比較可能にプレイヤに提示され、プレイヤは、両者の大きさを比較しながら第2タイミングを決定するように強度選択のゲージを設定することもできる。そのため、プレイヤは、ボールオブジェクトに対する打撃強度の選択が直感的に分かりやすいものとなる。
【0015】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項1または2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(5)上記打撃結果決定機能は、上記第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置から離れるに従って、上記打撃強度選択機能によって選択された強度を低減させる。
【0016】
このゲームプログラムでは、第2タイミングで選択した打撃強度がプレイヤの技量によって変動するようにしたものである。すなわち、第2タイミングで選択した打撃強度はプレイヤの所望する理想的な強度であるが、その後のプレイヤ操作に基づく第3タイミングの取り方によっては、その強度が低減してしまうように設定することで、プレイヤの技量が操作結果により影響を与えるようにしたものである。具体的には、第3タイミング、つまりプレイヤによる第3操作入力を受け入れたタイミングにおける第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置から離れるに従って、上記打撃強度選択機能によって選択された強度が低減させられてしまうようにしている。そのため、プレイヤは、第2操作入力によって選択した打撃の強度が低減させられてしまわないように、縮小する第2標識が第1領域の中心位置、もしくは中心位置に極力近い位置に達したタイミングで、第3操作入力を行うように動機付けされる。このとき、第1領域はボールオブジェクトに対する打撃位置を示しているため、タイミング良く第3操作入力を行うことは、ボールオブジェクトを打つという直接的な感覚をプレイヤに対して提供することができる。
【0017】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項1〜3のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(6)上記打撃結果決定機能は、上記第3タイミングにおける上記第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置に合致するときに、打撃後のボールオブジェクトの軌道を、第1領域の上記ボールオブジェクト上の位置に応じた理想的な軌道として設定し、上記第3タイミングにおける上記第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置から離れるに従って、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、上記理想的な軌道に対するずれを大きくする。
【0018】
このゲームプログラムでは、第3タイミングにおける上記第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置に合致するときに、打撃後のボールオブジェクトの軌道が、第1領域の上記ボールオブジェクト上の位置に応じた理想的な軌道として設定される。そして、第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置から離れるに従って、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、理想的な軌道に対するずれが大きくさせられてしまう。そのため、プレイヤは、打撃後のボールオブジェクトの軌道が理想的な軌道に近くなるように、縮小する第2標識が第1領域の中心位置、もしくは中心位置に極力近い位置に達したタイミングで、第3操作入力を行うように動機付けされる。このとき、第1領域はボールオブジェクトに対する打撃位置を示しているため、タイミング良く第3操作入力を行うことは、ボールオブジェクトを打つという直接的な感覚をプレイヤに対して提供することができる。
【0019】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1〜4のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(7)ボールオブジェクトに対する打撃のために、プレイヤの選択入力に基づいて飛距離能力が異なる複数の打撃用具のいずれかを選択する打撃用具選択機能。
(8)選択された打撃用具の飛距離能力が高いほど第1領域の大きさを小さくする第1調整機能。
【0020】
このゲームプログラムでは、打撃用具選択機能により、ボールオブジェクトに対する打撃のために、プレイヤの選択入力に基づいて飛距離能力が異なる複数の打撃用具のいずれかが選択される。このゲームプログラムではさらに、第1調整機能により、選択された打撃用具の飛距離能力が高いほど第1領域の大きさを小さくする。
【0021】
例えば、このゲームプログラムをゴルフゲームに適用させた場合、1W(ドライバー)や5I(5番アイアン)など飛距離能力が異なる複数の打撃用具が選択可能にプレイヤに提示されうる。そして、飛距離能力が5Iよりも高い1Wが選択されたときには、5Iが選択されたときよりも、第1領域の大きさを小さくする。ここで、第1領域が小さくなると、プレイヤが第3操作入力を与えるときに、第1領域と、第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識の外縁の位置との位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より困難になる。例えば、所望のショットを行うために、第3操作入力が与えられた時点で第2標識の外縁の位置が第1領域内に位置するという位置関係が必要である場合には、第1領域の大きさが小さくなると、第2標識が第1領域に入ってからタイミング良く第3操作入力を行うことが、より困難になる。
よって、このゲームプログラムによれば、飛距離能力が高い打撃用具が選択されるほど所望の打撃結果を得ることが困難になる。よって、プレイヤは、打撃によるボールオブジェクトの飛距離と打撃の精度の両者を勘案しながら打撃用具を選択することになり、より現実世界のスポーツまたは遊技に近い状況を実現することができる。
【0022】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項5に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(9)上記第1調整機能は、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態が良好でないほど第1領域の大きさを小さくすること。
【0023】
このゲームプログラムでは、第1調整機能により、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態が良好でないほど第1領域の大きさを小さくする。
前述したように、第1領域が小さくなると、プレイヤが第3操作入力を与えるときに、第1領域と、第2標識の外縁の位置との位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より困難になる。つまり、このゲームプログラムによれば、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態が良好でないほど所望の打撃結果を得ることが困難となって、より現実世界のスポーツまたは遊技に近い状況を実現することができる。
【0024】
請求項7に係るゲームプログラムは、請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(10)第2タイミングと第3タイミングの間にプレイヤによる移動指示入力を受け入れて、当該移動指示入力に応じた方向に第1領域を移動させて表示する第2調整機能。
(11)上記打撃結果決定機能は、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定すること。
【0025】
このゲームプログラムでは、第2調整機能により、第2タイミングと第3タイミングの間にプレイヤによる移動指示入力を受け入れて、当該移動指示入力に応じた方向に第1領域が移動させられて表示される。さらに、打撃結果決定機能によって、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道が決定される。
【0026】
このゲームプログラムでは、第2タイミングにおいて打撃強度が選択された後、第3操作入力を受け入れるまでの限られた期間内に、打撃位置を示すための第1領域を移動させるための移動指示入力を受け入れる。これにより、プレイヤは、打撃の操作の確定以前(つまり、第3操作入力を与える前)に、ボールオブジェクトに対する所望の打撃位置を決定する機会が与えられる。なお、第1領域が移動させられると、第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識も連動して移動させられることになる。そして、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道が決定される。例えば、このゲームプログラムをゴルフゲームに適用させた場合、第3タイミングにおける第1領域の中心がボールオブジェクトの中心に対して、左側にあれば打撃後のボールオブジェクトの弾道はスライス系の弾道となり、右側にあれば打撃後のボールオブジェクトの弾道はフック系の弾道となり、上側にあればトップスピン系の弾道となり、下側にあればバックスピン系の弾道となる。
【0027】
このゲームプログラムによれば、プレイヤは、移動指示入力によって、ボールオブジェクト上で第1領域を所望の位置に移動させて、ボールオブジェクトに対する打撃位置を予め指定することが可能になる。これにより、プレイヤにとって、打撃後のボールオブジェクトの弾道をコントロールするに当たってのボールオブジェクトに対する直接的な操作感覚が得られることになる。また、打撃後のボールオブジェクトを所望の弾道とするためには、第2タイミングから第3タイミング(つまり、第3操作入力のタイミング)までの限られた期間内に、移動指示入力を適切に行う技量がプレイヤに要求され、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0028】
請求項8に係るゲームプログラムは、請求項1〜6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(12)第2タイミングと第3タイミングの間に、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向に応じた方向に第1領域を移動させて表示する第1エフェクト機能。
(13)第2タイミングと第3タイミングの間にプレイヤによる移動指示入力を受け入れて、当該移動指示入力に応じた方向に上記第1領域を移動させて表示する第2調整機能。
(14)上記打撃結果決定機能は、第1エフェクト機能と第2調整機能とによって定まる、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定すること。
【0029】
このゲームプログラムでは、第1エフェクト機能によって、第2タイミングと第3タイミングの間に、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向に応じた方向に第1領域が移動して表示される。ここで、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向と、第1領域の移動方向との関係は適宜設定されうるが、例えば、ボールオブジェクトが置かれた平面が左方向および右方向に行くにつれて下向きに傾斜している場合には、第1領域の移動方向をそれぞれ左方向および右方向としてもよい。また、例えば、ボールオブジェクトが置かれた平面が前方(画面奥行き方向)に行くにつれて上向きおよび下向きに傾斜している場合には、第1領域の移動方向をそれぞれ下方向および上方向としてもよい。
【0030】
第1エフェクト機能は、例えば以下のように機能する。仮に、第2タイミング以前に第1領域がボールオブジェクトの中心位置に存在する場合を想定する。ここで、プレイヤは、ボールが回転無く真っ直ぐ飛ぶ所望のショットを打ちたい場合には、適切なタイミングで第3操作入力を与えることでそれを実現できる。しかしながら、ボールオブジェクトが置かれた平面が左方向に行くにつれて下向きに傾斜している場合には、第1エフェクト機能によって、第2タイミングの後、第1領域が例えば左方向に移動しうる。この場合、プレイヤが適切なタイミングで第3操作入力を与えたとしても、打撃位置はボールオブジェクトの中心位置から左方向にずれるため、打撃後のボールオブジェクトの弾道はスライス系の弾道となる。つまり、第1エフェクト効果によって、プレイヤは、ボールが回転無く真っ直ぐ飛ぶ所望のショットを打つことができない。このように、第1エフェクト機能によって、地面が傾斜していると所望のショットを打つことが困難になる現実世界のスポーツまたは遊技が、ゲーム空間において模擬されるようになっている。
【0031】
一方、このゲームプログラムでは、第2タイミングにおいて打撃強度が選択された後、第3操作入力を受け入れるまでの期間内に、打撃位置を示すための第1領域を移動させるための移動指示入力を受け入れる。これにより、プレイヤには、打撃の操作の確定以前(つまり、第3操作入力を与える前)に、第1エフェクト機能によって移動する第1領域を、ボールオブジェクト上の所望の位置に移動させる補正の機会が与えられる。そして、打撃結果決定機能により、第1エフェクト機能と第2調整機能とによって定まる、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道が決定される。
【0032】
例えば、第1エフェクト機能によって第2タイミング後に第1領域がボールオブジェクトの中心位置から左方向に移動する場合、プレイヤは第1領域の移動を認識しうる。そして、プレイヤがボールオブジェクトの中心位置での打撃を望むときには、第3操作入力を与える前に、第1エフェクト機能による第1領域の移動を打ち消すような移動指示入力を与えることで、第1領域をボールオブジェクトの中心に戻す(補正する)ことができる。
【0033】
上述したように、このゲームプログラムでは、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜がボールオブジェクト上の打撃位置(つまり、第1領域)の変化に反映されて表示されるため、傾斜による影響がプレイヤに視覚的に分かりやすい形で表現される。また、プレイヤは、第3操作入力を与えるまでの限られた期間内に、ボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜に応じて移動する第1領域に対してさらに、第1領域をボールオブジェクトの所望の位置に移動させうる。そのため、プレイヤには、比較的短期間に、例えばボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜による影響を打ち消す操作を行う技量が要求され、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0034】
請求項9に係るゲームプログラムは、請求項8に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(15)上記第1エフェクト機能は、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度に応じて第1領域の移動速度を変更すること。
【0035】
このゲームプログラムでは、第1エフェクト機能により、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度に応じて第1領域の移動速度が変更される。第1エフェクト機能は例えば、ボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度が大きいほど、第1領域の移動速度を速くする。第1領域の移動速度が速くなると、プレイヤは、第3操作入力を与えるまでの限られた期間内に、ボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜に応じて高い移動速度で移動する第1領域を素早く認識し、第1領域をボールオブジェクトの所望の位置に移動させるための移動指示入力を素早く、かつ正確に与えることが要求される。すなわち、ボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度が大きいほど、第1領域の移動速度が速くなり、打撃後にボールオブジェクトの所望の弾道を得ることが難しくなる。
このゲームプログラムによれば、ボールが置かれた平面が傾斜しているほど所望のショットを打つことが困難である現実世界のスポーツまたは遊技をゲームにおいて模擬することができる。
【0036】
請求項10に係るゲームプログラムは、請求項1〜9のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(16)ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データを記憶装置に記憶させるキャラクタ能力記憶機能。
(17)特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する上記能力データを参照し、その能力データに応じて、上記第1領域の大きさ、および上記第2標識の縮小速度のうち少なくともいずれかを調整する第3調整機能。
【0037】
このゲームプログラムでは、キャラクタ能力記憶機能によって、ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データが記憶装置に記憶させられる。このゲームプログラムでは例えば、複数のキャラクタのうちいずれかがプレイヤにより選択され、選択されたキャラクタとプレイヤを関連付けてゲームを進行させうる。そして、第3調整機能によって、特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する能力データが参照され、その能力データに応じて、第1領域の大きさ、および第2標識の縮小速度のうち少なくともいずれかが調整される。
【0038】
例えば、能力データが高い能力を示す場合、第1領域がより大きくさせられるか、または第2標識の縮小速度が遅くさせられる。ここで、第1領域が大きくなると、プレイヤが第3操作入力を与えるときに、第1領域と、第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識の外縁の位置との位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より容易になる。よって、高い能力を持つキャラクタの場合には、所望の打撃結果を得ることが容易になる。また、第2標識の縮小速度が遅くなると同様に、上記位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より容易になる。よって、高い能力を持つキャラクタの場合には、所望の打撃結果を得ることが容易になる。
したがって、このゲームプログラムによれば、キャラクタの能力に応じた打撃結果の優劣を設定することができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0039】
請求項11に係るゲームプログラムは、請求項9に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(18)ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データを記憶装置に記憶させるキャラクタ能力記憶機能。
(19)上記第1エフェクト機能は、特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する能力データを参照し、その能力データに応じて第1領域の移動速度を変更すること。
【0040】
このゲームプログラムでは、キャラクタ能力記憶機能によって、ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データが記憶装置に記憶させられる。また、第1エフェクト機能によって、特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する能力データを参照し、その能力データに応じて第1領域の移動速度が変更させられる。例えば、能力データが高い能力を示す場合、第1領域の移動速度が遅くなる。第1領域の移動速度が遅くなると、第3操作入力を与える前に、第1エフェクト機能による第1領域の移動を打ち消すような移動指示入力を与えることが容易になる。つまり、第1エフェクト機能による第1領域の移動をプレイヤが認識してから第3操作入力を与えるまでの時間がより長く確保されるため、第1領域をボールオブジェクト上の所望の位置に制御することが容易となり、ボールオブジェクトの所望の弾道が得られやすくなる。
したがって、このゲームプログラムによれば、キャラクタの能力に応じた打撃結果の優劣を設定することができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0041】
請求項12に係るゲーム装置は、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームの進行を制御するものであって、以下の各手段を備える。
(20)実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とを表示する第1表示手段。
(21)第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識を表示し、上記第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによって上記ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する打撃強度選択手段。
(22)第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、上記第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、上記打撃強度選択手段によって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する打撃結果決定手段。
【0042】
請求項13に係るゲーム制御方法は、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームの進行を制御するゲーム装置における方法であって、以下の各ステップを備える。
(23)実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とを表示する第1表示ステップ。
(24)第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識を表示し、上記第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによって上記ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する打撃強度選択ステップ。
(25)第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、上記第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、上記打撃強度選択ステップによって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する打撃結果決定ステップ。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームにおいて、ボールに対する打撃操作を直感的に分かりやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施形態のゲーム装置の基本構成を示す図。
【図2】第1の実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態のゲーム装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図4】プレイヤがショット操作を行う状況において、第1の実施形態のゲーム装置の上部液晶モニタと下部液晶モニタに表示される画像を示す図。
【図5A】第1の実施形態のゲーム装置において、ゲーム空間での視点を変更してゲーム空間を表示させた例を示す図。
【図5B】第1の実施形態のゲーム装置において、ゲーム空間での視点を変更してゲーム空間を表示させた例を示す図。
【図6A】第1の実施形態のゲーム装置において、ライ状態が比較的良好である場合の表示画面の表示例を示す図。
【図6B】第1の実施形態のゲーム装置において、ライ状態が良好でない場合の表示画面の表示例を示す図。
【図7】第1の実施形態のゲーム装置において、クラブの選択に応じた下画面の表示の変化態様を示す図。
【図8】第1の実施形態のゲーム装置において、ボールオブジェクトの中心から環状に外縁が拡大するパワーゲージが表示される下画面を示す図。
【図9A】第1の実施形態のゲーム装置において、インパクトエリアの中心に向かって外縁が縮小するインパクトサークルが表示される下画面を示す図。
【図9B】第1の実施形態のゲーム装置において、インパクトエリアの中心に向かって外縁が縮小するインパクトサークルが表示される下画面を示す図。
【図10】第1の実施形態のゲーム装置において、ボールオブジェクトの接地状態が異なる場合のインパクトエリアの表示例を示す図。
【図11】第1の実施形態のゲーム装置において、プレイヤによる移動指示入力に応じてボールオブジェクトの中心からインパクトエリアが移動する例を示す図。
【図12】第1の実施形態のゲーム装置において、プレイヤによる第3操作入力が行われた直後の表示画面の一例を示す図。
【図13A】第1の実施形態におけるゴルフゲームの主要な処理フローの一例を示す図。
【図13B】第1の実施形態におけるゴルフゲームの主要な処理フローの一例を示す図。
【図14】第2の実施形態のゲーム装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図15】第2の実施形態のゲーム装置において、ショット操作の際に、第1エフェクト手段が実行されるときの下画面の変化の一例を示す図。
【図16】第2の実施形態のゲーム装置において、ショット操作の際に、第2調整手段によってインパクトエリアが補正されるときの下画面の変化の一例を示す図。
【図17】第3の実施形態のゲーム装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図18】第3の実施形態のゲーム装置において、複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データの一例として、プレイヤキャラクタ能力データベースを示す図。
【図19】実施形態におけるパワーゲージの表示態様の変形例を示す図。
【図20】実施形態におけるパワーゲージの表示態様の変形例を示す図。
【図21】実施形態における第2標識の表示態様の変形例を示す図。
【図22】実施形態における第2標識の表示態様の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(1)第1の実施形態
(1−1)ゲーム装置の構成と動作
図1は、本発明のゲーム装置の一実施形態として携帯型ゲーム装置(以下、単に「ゲーム装置」という。)1の外観を示している。図2は、本実施形態のゲーム装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のゲーム装置1は、上部筐体2aと下部筐体2bを含む本体部2を備え、上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。本実施形態のゲーム装置1の表示装置3には、上部筐体2aに設けられた上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた下部液晶モニタ3bとが含まれる。
入力部4は、プレイヤの操作入力を受け入れるための複数の釦を含む。図1に示す釦の筐体に対する配置例によれば、この複数の釦は下部筐体2bに設けられており、下部液晶モニタ3bよりも左側に配置された十字状の方向指示釦4aおよび電源釦4e、下部液晶モニタ3bよりも右側に配置されたセレクト釦4b、スタート釦4cおよび複数の指示釦4d、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gを含む。
記憶媒体装着部5(図1では不図示)は、下部筐体2bの下部に設けられている。この記憶媒体装着部5には、記憶媒体17が装着可能になっている。記憶媒体17は、例えばフラッシュメモリを内蔵したカード型記憶媒体、光ディスク等のディスク状記憶媒体などである。
【0046】
図2を参照すると、本実施形態のゲーム装置1は主として、表示装置3、入力部4、記憶媒体装着部5および制御装置10、さらに記憶媒体装着部5により本体部2に装着可能な外部記憶媒体17を備える。本実施形態のゲーム装置1では、入力部4、制御装置10、および、記憶媒体装着部5を介して記憶媒体17がバス16を介して信号を転送可能に接続される。
【0047】
制御装置10は主に、ゲームプログラムの実行や、ゲームプログラムの実行に伴う信号転送処理およびデータ処理を行うために設けられている。制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理回路14およびサウンド処理回路15を含む。CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈し、その命令に応じた各種のデータ処理を行う。
【0048】
画像処理回路14は、主に、画像データの生成加工処理を行う。例えば、画像処理回路14は、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を行う。また、画像処理回路14は、ゲーム空間としての仮想3次元空間に配置され、テクスチャマッピングが施されたポリゴンからなるデータ(例えばキャラクタやオブジェクト等のデータ)を、Zバッファ法等によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを見たレンダリング画像を得る演算を行う。
また、画像処理回路14は、描画すべき画像データをフレーム毎にバッファリングする機能(いわゆるVRAMとしての機能)を備える。
【0049】
記憶媒体17には、例えば、ゲームプログラムや、ゲームプログラムで使用される各種データの他、フィールド、キャラクタやオブジェクト等の2次元及び3次元データを格納するために設けられている。記憶媒体17から読み出されたキャラクタやオブジェクト等の2次元及び/又は3次元データを含む各種データは、RAM13に一時的に格納される。また、RAM13にはゲームの進行に必要なデータが格納され、CPU11によって逐次更新・削除・追加される。
【0050】
表示装置3は、主に、画像処理回路14によって得られる画像データや、記憶媒体17から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。表示装置3は、例えば、入力した画像データに基づいて、画像を上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bに表示する。各モニタは例えばLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、画像データに基づき、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを駆動することで画像が表示される。
【0051】
サウンド処理回路15は、主に、記憶媒体17から読み出される音声データ、及び/又は自ら生成した音声データを、音声としてスピーカ22から出力するために設けられている。サウンド処理回路15には、例えば圧縮音声データをデコードするデコード回路、デコードした音声信号を増幅する増幅回路などが含まれうる。
【0052】
入力部4は、プレイヤの操作に伴う種々の入力を受け入れるための入力装置であり、プレイヤの操作に応じた入力信号をCPU11へ送出する。
入力部4の各釦には、記憶媒体17からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り当てられている。例えば、複数の指示釦4dのいずれかには、ゲームにおけるプレイヤキャラクタに対する所望の操作を指示する機能、ゲーム中で行われるプレイヤキャラクタの動作のタイミングを決定する機能、あるいは複数の選択肢の中から選択されたものを確定する機能などが割り当てられうる。方向指示釦4aは例えば、モニタ上に表示されるオブジェクトや表示領域を所望の方向に移動させる機能などが割り当てられうる。L釦4fおよびR釦4gは、複数の選択肢を順に表示する機能などが割り当てられうる。
なお、図1に示した入力部4の各釦の配置、各釦に対する機能の割り当ては一例に過ぎず、制御装置10がゲームプログラムに基づくゲーム全体の進行を制御するための所要の入力を受け入れることが可能であるならば、その配置および割り当てられる機能は問わない。
【0053】
(1−2)ゲーム装置における各機能の概要
本実施形態のゲーム装置1において実行されるゲームは、ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を含むスポーツまたは遊技(例えば、ゴルフ、ビリヤード等)を模擬したものである。例えば、ゴルフでは、上記目標位置はピンとなる。
以下では、一例としてゴルフを模擬したゴルフゲームをゲーム装置1が実行する場合ゲーム装置1で実現される機能について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のゲーム装置1において制御装置10で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
なお、以下の説明では、ゴルフゲームをゲーム装置1が実行する場合において、プレイヤキャラクタによってボールオブジェクトに対して打撃を与えるための一連の操作を、適宜「ショット操作」と表記する。
【0054】
ゲーム空間設定手段51は、各ホールのゴルフコース(以下、単に「コース」という。)を形成するためのオブジェクト(例えば、フェアウェイやラフ、バンカー、グリーンを形成するためのオブジェクト)、コース上の様々なオブジェクト(例えば木などのオブジェクト)、プレイヤを模擬したプレイヤキャラクタ、ボールを模擬したボールオブジェクト、クラブ(打撃用具)を模擬したクラブオブジェクト等を、3次元直交座標系に基づく仮想3次元空間であるゲーム空間に設定する機能を備えている。
ゲームプログラムが記録媒体17からRAM13にロードされてCPU11により実行されると、オブジェクトやキャラクタを含む各種のデータが、記録媒体17からRAM13へ転送される。ゲーム空間設定手段51は、RAM13内のオブジェクトのデータを基に、オブジェクトをゲーム空間内に配置する処理を行う。このとき、ゲーム空間設定手段51は、プレイ対象のホールが変化すると、新たなホールのコースの環境を形成するための様々なオブジェクトをゲーム空間に配置するために、そのオブジェクトのデータが、記録媒体17からRAM13へ転送される。
【0055】
ゲーム進行手段52は、ゴルフプレイの進行の管理、プレイヤのホールごとのスコアおよびトータルスコアの管理、プレイの状況あるいはプレイヤの入力部4に対する入力に応じた表示処理等を行う機能を備えている。
ゲーム進行手段52と後述する第1表示手段53とが協働することで実現される表示画面の一例について、図4を参照して説明する。図4は一例として、ティーグラウンド上にてプレイヤキャラクタがティーショットを打つ状況において、上部液晶モニタ3aの表示画面(以下、「上画面」という。)と、下部液晶モニタ3bの表示画面(以下、「下画面」という。)とに表示される画像を示す図である。
図4の上画面では、ゲーム空間設定手段51によりゲーム空間に配置されたオブジェクトを、ボールオブジェクト102を打とうとするプレイヤキャラクタ100の後方位置にある視点から、コースの進行方向に向かってゲーム空間を見た画像が、ゲーム進行手段52によって表示されている。
ゲーム進行手段52は、図4の上画面で示すように、プレイの進行状況やコース環境をプレイヤに報知する目的で、様々な表示領域を上画面および下画面において設定しうる。図4に示す例では、上画面においてコース表示領域110、飛距離表示領域112、ピン情報表示領域114、風情報表示領域116、および残ヤード数表示領域118が表示されている。また、下画面においてホール情報表示領域214、トータルスコア表示領域216、およびプレイヤ情報表示領域218が表示されている。
【0056】
コース表示領域110は、プレイ対象のコース全体を平面視にて表示する領域であり、プレイヤが適切なクラブ選択、および所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。コース表示領域110には、プレイヤキャラクタの現在位置とピンの位置について視認可能に表示されうる。
【0057】
飛距離表示領域112は、プレイヤによって選択されたクラブによって到達しうる最大の飛距離がヤード表示で表示される領域であり、プレイヤが適切なクラブ選択、および所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。図4に示した例では、クラブとして1W(ドライバー)が選択されており、その最大の飛距離が230ヤードであることが示されている。また、ゲーム進行手段52では、入力部4に対する所定の操作を受け付けることで、プレイヤがボールオブジェクトが飛んでいくことを希望する方向(コース全体を平面視で見たときの面をX−Y平面としたときのX−Y平面上の方向であり、以下、「目標方向」という。)を設定できる機能を備えており、図4では、設定された目標方向における最大の飛距離の位置にポインタオブジェクト120が表示される例が示されている。
【0058】
ピン情報表示領域114は、ピンが配置されている方向、およびプレイヤキャラクタの位置とピンの位置の高さの違いを表示する領域であり、プレイヤが適切なクラブ選択、および所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。プレイ対象のコースが設定されると、そのコースにおけるピンのゲーム空間上の3次元座標が設定される。このピンの3次元座標とプレイヤキャラクタの現在位置の3次元座標とに基づいて、ピンが配置されている方向、およびプレイヤキャラクタの位置とピンの位置の高さの違いが算出される。図4に示す例では、プレイヤキャラクタの位置よりも約11m上方にピンが配置されていることが分かる。また、ピン情報表示領域114には、ピンの方向を示すための旗のマークが表示されており、画面の水平方向の位置によってピンが配置されている方向を示している。
【0059】
風情報表示領域116は、風向きおよび風速を表示する領域であり、プレイヤが適切なクラブ選択、および所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。図4に示す例では、コース上において約2mの向かい風が吹いていることを示している。なお、風向きおよび風速は、CPU11によってランダムに設定されうる。
【0060】
残ヤード数表示領域118は、プレイ対象のホールにおいてピンまでの残ヤード数を表示するための領域であり、プレイヤが適切なクラブ選択、および所望のショット操作を行うための補助情報を提供する。ゲーム進行手段52において、CPU11は、プレイの進行中、ボールオブジェクトの位置のゲーム空間上の3次元座標を管理しており、このボールオブジェクトの位置の座標と、既に設定されているピンの位置のゲーム空間上の3次元座標とに基づいて、残ヤード数を算出する。
【0061】
ホール情報表示領域214は、プレイ中のホールについての情報(図4の例では、9番目でパー4のホールであることを示す情報)と、そのホールにおいてプレイヤキャラクタが何打目のショットを打とうとしているのかについての情報(図4の例では、1打目を示す情報)とが表示される。また、トータルスコア表示領域216は、1番ホールから現在までのトータルスコアについての情報が表示される。これらの情報は、ゲーム進行手段52によって管理されており、ゲームの進行に応じて逐次更新される。
【0062】
プレイヤ情報表示領域218は、プレイヤキャラクタに予め関連付けられた画像や固有のID等が表示される領域であり、ショット操作を行うプレイヤを識別するために提供されうる。
【0063】
ゲーム進行手段52は、ショット操作を行う前に、入力部4に対する所定の操作を受け付けて、視点を変更してゲーム空間を表示する機能を備えてもよい。図5Aおよび図5Bにその表示画面の例を示す。図5Aは、図4の表示状態から、例えば入力部4のセレクト釦4bをプレイヤが1回押下した場合に表示される表示画面の一例を示し、図5は、セレクト釦4bをプレイヤがさらに1回押下した場合に表示される表示画面の一例を示す。図5A、図5B共に、ショット操作を行う前に選択されたクラブによって到達しうる最大の飛距離の位置にあるポインタオブジェクト120と、その周辺のゲーム空間とが表示される。これにより、プレイヤは、コース表示領域110よりも詳細なコースの状況が得られ、適切なクラブ選択、および所望のショット操作を行うためのさらなる補助情報が得られることになる。
【0064】
第1表示手段53は、実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置(インパクトの位置)を示すためのインパクトエリアIA(第1領域)とを表示する機能を備えている。図4に示す例では、第1表示手段53によって、下画面において、ボールオブジェクト202と、ショット操作によって得られるボールオブジェクト202に対する打撃位置を示すインパクトエリアIAとが示されている。図4の例では、インパクトエリアIAは、ボールオブジェクト202の中心位置にある。本実施形態のゲーム装置では、プレイヤが下画面を見ながらショット操作を行うことが予定されており、ボールに対して打撃を与えるという直接的な感覚をプレイヤに提供するために、図4に示すように、ボールオブジェクト202が下画面内において比較的大きな領域を占めるようにして表示されることが好ましい。
【0065】
図4の下画面において、第1表示手段53は、ボールオブジェクト202の下方に、ボールオブジェクト202が置かれた接地状態を示す芝オブジェクト230を表示することが好ましい。この芝オブジェクト230はボールオブジェクト202の接地状態(いわゆる「ライの状態」であり、フェアウェイ、ラフなどの地面の状態を示す。)に応じて変化させることが好ましい。これにより、ボールオブジェクトの接地状態が視覚的にプレイヤに分かりやすくなり、適切なクラブ選択を補助する情報となりうる。さらに、第1表示手段53は好ましくは、ボールオブジェクト202の接地状態に応じた指数(接地状態指数)を表す接地状態指数表示領域212を下画面に表示することが好ましい。接地状態指数は、最も接地状態の良い状態(例えば、ボールオブジェクトがフェアウェイ上にある状態)を100%としてボールオブジェクトが置かれた接地状態を100分率で表しており、ボールオブジェクトがラフに置かれている場合には、その程度に応じて例えば30〜90%の間の値が表示されうる。このような接地状態指数は、コースを構成する複数のオブジェクトの各々(またはオブジェクトを構成するポリゴンごと)に予め関連付けられている。接地状態指数を表示させることで、プレイヤは、芝オブジェクト230による情報だけでなく、ショット操作を行うに当たって、より詳細な補助情報を与えられることになる。例えば、芝オブジェクト230がラフを示す同一のオブジェクトが表示されている場合でも、接地状態指数に応じて、プレイヤはクラブの選択またはショット操作を調整することができる。
【0066】
図6A、図6Bに、ライ状態が異なる場合の表示画面の表示例を示す。図6Aはライ状態が比較的良好である場合、図6Bはライ状態が良好でない場合を、それぞれ示している。図6Aの下画面を参照すると、芝の深さが比較的浅い芝オブジェクト230が表示され、接地状態指数が87〜93%と表示されている。一方、図6Bの下画面を参照すると、芝の深さが深い芝オブジェクト230が表示され、接地状態指数が46〜63%であり図6Aの場合よりも低い値が表示されている。図6Aと図6Bから、ショット操作を開始する時点において、ボールオブジェクトの接地状態が視覚的にプレイヤに分かりやすく提供されることが分かる。
【0067】
打撃用具選択手段54は、打撃用具としてのクラブをプレイヤが選択するための機能を備える。打撃用具選択手段54は、クラブの複数の選択肢をプレイヤに対して提示するために、例えば入力部4のL釦4fおよびR釦4gに対する操作に応じて順に異なるクラブを下画面の選択クラブ表示領域210に表示させる。選択クラブ表示領域210に表示されているクラブが現在選択されているクラブを意味する。クラブが選択された状態で、例えばセレクト釦4bを押下することで、図5Aおよび図5Bに例示したように、そのクラブによって到達しうる最大の飛距離の位置にあるポインタオブジェクト120と、その周辺のゲーム空間とが表示されるようにすることが好ましい。これにより、クラブの選択が適切か否かについてプレイヤがより正確に判断することができる。なお、クラブ選択に応じて、上画面の飛距離表示領域112の表示が、選択したクラブに応じたものに変更されうる。
図7に、クラブの選択に応じて下画面の選択クラブ表示領域210の表示が変化する例を示す。図7(a)は、5Iが選択された状態を例示し、図7(b)は、3Wが選択された状態を例示する。選択されたクラブのデータはRAM13内に一時的に格納される。
【0068】
打撃強度選択手段55は、第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長するパワーゲージ(第1標識)を表示し、第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、パワーゲージをその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときのパワーゲージの大きさまたは長さによってボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する機能を備える。
パワーゲージの形態、およびその拡大または伸長の方向および形態は、特に限定するものではないが、ここでは、好ましいパワーゲージの形態および拡大方向として、下画面に表示されるボールオブジェクトの中心から環状に外縁が拡大するものについて、図8を参照して説明する。なお、図8では、インパクトエリアIAがボールオブジェクトの中心に配置されている場合を示している。
【0069】
このゲーム装置において、ショット操作は、入力部4に対する3回の操作入力(第1、第2および第3操作入力)を含み、各操作入力は例えば、入力部4内の所定の釦(例えば、指示釦4dのいずれかの釦)に対する押下操作入力であってよい。この場合、打撃強度選択手段55では、2回の押下操作入力により打撃強度の選択処理が実行される。
プレイヤによって入力部4に対し第1操作入力が与えられると、打撃強度選択手段55では、CPU11がその第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として、図8(a)に示すように、ボールオブジェクトの中心位置から時間の経過とともに環状のパワーゲージPGが拡大を開始させる。
【0070】
環状のパワーゲージPGがさらに拡大し、プレイヤによって入力部4に対し第2操作入力が与えられると、打撃強度選択手段55では、CPU11がその第2操作入力を受け入れた第2タイミングにおいて、図8(b)に示すようにその拡大を停止し、パワーゲージPGの外縁を表示する(図8(c))。ここで、図8(a)に示すように、ボールオブジェクトの中心からその外縁までのラインが表示され、そのライン上に飛距離(すなわち、所望の強度)の目安が表示されることが好ましい。図8(a)では、ボールオブジェクトの外縁上に選択されたクラブで到達しうる最大の飛距離(図に示す例では、200y)と、中間位置にハーフパワー目盛り222(図に示す例では、90y)と、ピンまで到達可能であればピンまでの距離の位置にピンを示す旗のマーク220とが表示される。旗のマーク220が表示されることによって、プレイヤは、ピンまでの飛距離を考慮して第2操作入力を与えるタイミングを決定することができる。ハーフパワー目盛り222を設定するのは、ボールオブジェクトの中心からパワーゲージの外縁までの距離と、飛距離とが比例関係に必ずしもないことから、プレイヤがより適切に所望の飛距離を得られるための打撃強度を選択できるようにすることを補助するためである。
図8(c)に示すように、プレイヤにより第2操作入力が与えられた第2タイミングの時点で、パワーゲージPGの外縁が残留して表示されるため、プレイヤは自身が選択した打撃強度を認識することができる。
なお、環状のパワーゲージPGがボールオブジェクトの外縁に達するタイミングを過ぎてから第2操作入力が与えられた場合には、操作の開始に戻って、つまり第1操作入力から再度やり直させるように設定してよい。
【0071】
図8では、プレイヤは、ボールオブジェクト内で拡大するパワーゲージPGを視認しながら第2操作入力を与える第2タイミングを決定することになるので、パワーゲージPGがボールオブジェクトの内側の領域に無い場合と比較して(例えば従来のバー形状によるショット操作の方法と比較して)、プレイヤの注目がより打撃対象のボールオブジェクトに注がれることになる。このとき、パワーゲージPGは拡大しつつボールオブジェクトとオーバラップして表示されることになるため、ボールオブジェクトの大きさに対するパワーゲージPGの大きさが比較可能にプレイヤに提示され、プレイヤは、両者の大きさを比較しながら第2タイミングを決定するように、強度選択のための目安となる目盛り(ゲージ)が上述したように設定される。そのため、プレイヤは、ボールオブジェクトに対する打撃強度の選択が直感的に分かりやすいものとなる。
【0072】
打撃結果決定手段56は、第2タイミングの後、インパクトエリアIA(第1領域)の外側から時間の経過とともにインパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルIC(第2標識)を表示し、第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置とインパクトエリアIAとの位置関係に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する機能を備える。打撃結果決定手段56は、ショット操作に含まれる3回の操作入力のうち3回目の操作入力を受け入れて、プレイヤによる打撃タイミングを評価する。
【0073】
打撃結果決定手段56の機能が実現されることによる、下画面の表示の変化について、図9Aおよび図9Bを参照して説明する。
第2タイミングによって打撃強度が選択されるとその後に、図9A(a)に示すように、インパクトエリアIA(第1領域)の外側から時間の経過とともにインパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルIC(第2標識)が出現して表示される。インパクトサークルICの縮小開始位置は、インパクトエリアIAの外側であれば特に限定するものではないが、インパクトエリアIAに到達するまでの時間を確保し、プレイヤに適切な操作を行うための余裕を与えるために、ボールオブジェクトの外縁あるいはその外側(下画面の外でもよい。)を縮小開始位置とすることが好ましい。図9A(a)では、下画面の外からインパクトサークルICが縮小していく場合が想定されている。
【0074】
図9A(b)では、インパクトサークルICは、図9A(a)の場合よりもさらに縮小し、ボールオブジェクトの領域内に含まれている。打撃結果決定手段56は、図9A(a)および図9A(b)に示すように、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの外側に在る状態で、第3操作入力(3回目の押下操作)が行われたときには打撃タイミングを低評価として、プレイヤ所望のショットが得られないようにする(ミスショット)。つまり、打撃結果決定手段56は、打撃後のボールオブジェクトの軌道を、第1領域の上記ボールオブジェクト上の位置に応じた理想的な軌道からのずれが大きくなるように設定する。
【0075】
図9A(c)では、インパクトサークルICは、図9A(b)の場合よりもさらに縮小し、インパクトエリアIAの領域内に含まれている。打撃結果決定手段56は、図9A(c)に示すように、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの内側に在る状態で、第3操作入力(3回目の押下操作)が行われたときには打撃タイミングをOK評価として、プレイヤ所望の比較的良好なショットが得られるようにする。つまり、打撃結果決定手段56は、打撃後のボールオブジェクトの軌道を、第1領域の上記ボールオブジェクト上の位置に応じた理想的な軌道からのずれが小さくなるように設定する。
【0076】
図9B(d)では、インパクトサークルICは、図9A(c)の場合よりもさらに縮小し、インパクトエリアIAの中心に位置する。打撃結果決定手段56は、図9B(d)に示すように、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心に在る状態で、第3操作入力(3回目の押下操作)が行われたときには打撃タイミングを最高の評価として、プレイヤ所望のベストショットが得られるようにする。つまり、打撃結果決定手段56は、打撃後のボールオブジェクトの軌道を、第1領域の上記ボールオブジェクト上の位置に応じた理想的な軌道に設定する。なお、このとき、打撃強度は、打撃強度選択手段55によって選択された強度(図8(c)でプレイヤが選択した強度)が採用されている。
【0077】
一方、図9A(c)から図9B(d)にかけて、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの内側に在る状態であっても、インパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置から離れるほど、ボールオブジェクトに対する打撃の強度は、図8(c)でプレイヤが選択した強度がより低減されるよう設定している。つまり、打撃結果決定手段56は、上記第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置から離れるに従って、打撃強度選択手段55によって選択された強度を低減させるようにしている。
また、上述したように、打撃結果決定手段56は、プレイヤによる第3操作入力を受け入れたタイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置に合致するときに(図9B(d)の状態)、打撃後のボールオブジェクトの軌道を、インパクトエリアIAのボールオブジェクト上の位置(図9の例では、ボールオブジェクトの中心)に応じた理想的な軌道として設定する。また、第3操作入力を受け入れたタイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置から離れるに従って、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、上記理想的な軌道に対するずれを大きくする。つまり、第3タイミングの時点で図9A(c),図9A(b),図9A(a)の状態である順に理想的な軌道に対するずれを大きくする。
そのため、プレイヤは、打撃後のボールオブジェクトの軌道が理想的な軌道に近くなるように、縮小するインパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心位置、もしくは中心位置に極力近い位置に達したタイミングで、第3操作入力を行うように動機付けされることになる。
【0078】
図9B(e)では最終的に、インパクトサークルICは消滅する。この状態で第3操作入力(3回目の押下操作)が行われたときには、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの外側に在る状態と同様にプレイヤ所望のショットが得られないようにするか(ミスショット)、または1回目の押下操作(つまり、打撃強度の選択操作)からやり直させるように設定してもよい(すなわち、図8における打撃の強度選択も含め、プレイヤの操作は何もなされなかったものとする)。
【0079】
上述したように、本実施形態では、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置から離れるほど、打撃強度選択手段55によって選択された強度が低減させられるか、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、理想的な軌道からのずれが大きくなっていくが、強度の低減の程度、あるいは理想的な軌道からのずれの程度は、様々な態様を採ることができる。例えば、強度の低減の程度、あるいは理想的な軌道からのずれの程度は、インパクトエリアIAの中心位置から第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置までの距離に必ずしも比例する必要はない。例えば、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIA内に在るときには(例えば図9A(c)の位置)、強度の低減の程度、あるいは理想的な軌道からのずれの程度の変化を小さくし、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAより外に在るときには(例えば図9A(b)の位置)、強度の低減の程度、あるいは理想的な軌道からのずれの程度を、インパクトエリアIA内に在るときよりも相当大きくしてもよい。このようにした場合には、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの内側に在るか否かという位置関係に基づいて、概ねショットの良し悪しが決定されうる。
【0080】
図9Aおよび図9Bを参照した上記説明では、プレイヤの第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置とインパクトエリアIAとの位置関係に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する一例を説明した。上記の例では、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置にあるという位置関係がベストショット(理想的な軌道)を得るための条件としたが、その他の位置関係をベストショットを得るための条件としてもよい。例えば、第3操作入力が行われたときに縮小するインパクトサークルICの外縁がインパクトエリアIAの外縁と一致するときにベストショット(理想的な軌道)を得るための条件とし、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの外側か内側かを問わず両者の外縁の距離が離隔するほど、理想的な軌道に対する打撃後のボールオブジェクトの軌道のずれ量が大きくなるように設定してもよい。
【0081】
打撃結果決定手段56では、CPU11は、プレイヤの目標方向、選択されているクラブの種類と、第2操作入力によって選択されたプレイヤ所望の打撃強度と、第3タイミングにおけるインパクトサークルICとインパクトエリアIAの位置関係(つまり、打撃タイミングの評価結果)と基づいて、ショット後のボールオブジェクトの弾道、すなわち、ボールオブジェクトの放出位置から最終到達点に至るまでの放物線状の弾道を公知の演算式により算出する。
このとき、ボールオブジェクトの初速は、以下の式(E1)に従って算出される。また、ボールオブジェクトの放出角度は、コース平面上の目標方向と、選択されているクラブの所定のロフト角によって定められる。なお、ランダムに設定されうる風向きおよび風速は、弾道を算出する上で適宜考慮されうる。
【0082】
ボールオブジェクトの初速S=S0×k1×k2 ・・・(E1)
【0083】
なお、式(E1)において、
S0:クラブの種類ごとに予め設定されている基準速度、
k1:第2操作入力によって選択されたプレイヤ所望の打撃強度を正規化した値(例えば、0≦k1≦1.0である。)、
k2:第3タイミングでインパクトサークルICがインパクトエリアIAの内側に在る状態での、インパクトサークルICの外縁の位置とインパクトエリアIAの中心位置との距離に応じた係数(例えば、0.7≦k2≦1.0である。)、
である。
この式(E1)において、k1は、第2操作入力(つまり、打撃強度選択手段55)によって選択された強度が最大である場合を1としたときの値である。k2は、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置であるときの値を1とし、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAが外縁に在るときの値を例えば、0.7とする。つまり、式(E1)によれば、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置から離れるに従って、第2操作入力によって選択された強度を低減させるようになっていることが分かる。
また、式(E1)では、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置であるときのk1の値が1となり、このときの理想的な軌道は、クラブの基準速度と、プレイヤの第2操作入力によって選択された打撃の強度とで決定されるボールオブジェクトの初速、およびプレイヤの目標方向、クラブのロフト角によって定まる。
【0084】
例えば、1W(ドライバー)に対して基準速度S0が100に設定され、打撃強度として最大値(k1=1.0)が選択された場合を想定する。この場合、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心に在る状態で第3操作入力が行われたとき(プレイヤ所望のベストショットが得られたとき)には、係数k2=1.0と決定し、算出されるボールオブジェクトの初速は100となる。この初速、目標方向および1Wのロフト角によって理想的な軌道が決定される。なお、図4の上画面で飛距離表示領域112が示す飛距離の値は、係数k1=1.0であり、かつ係数k2=1.0であるときに得られる理想的な弾道の最大飛距離としてよい。一方、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心ではないがインパクトエリアIA内に在る状態で第3操作入力が行われたときには、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁とインパクトエリアIAの中心の間の距離に応じて、0.7≦k2≦1.0を満たす係数k2を決定し、算出されるボールオブジェクトの初速は70〜100となる。なお、これは一例に過ぎず、k1およびk2の取りうる範囲は任意に設定しうる。
【0085】
前述したように、打撃結果決定手段56では、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIAの中心位置から離れるほど、打撃強度選択手段55によって選択された強度が低減させられるか、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、理想的な軌道からのずれが大きくなっていくが、このときの強度の低減の程度、あるいは理想的な軌道からのずれの程度は、軌道を算出する上で以下のようにして設定することができる。
例えば、打撃強度選択手段55によって選択された強度の低減の程度を調整するには、CPU11が軌道を算出するに当たって上記k2の値を調整すればよい。これによって、ボールオブジェクトの初速が減少させられ、打撃後のボールオブジェクトの軌道が理想的な軌道と比較して飛距離が短いものとなる。また、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、理想的な軌道からのずれの程度を調整するには、例えば、コースを平面視で見た場合のボールオブジェクトの放出方向の、プレイヤの目標方向からのずれの量(角度)を調整すればよい。これにより、打撃後のボールオブジェクトの軌道がプレイヤ所望の方向とは乖離するようになる。
【0086】
打撃結果決定手段56が実行されると、プレイヤは、所望のショットを得るため、インパクトエリアIAと、インパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルICの外縁の位置との位置関係が所望の関係となるように、その位置関係を注視しつつ、第3操作入力を与える第3タイミングを決定することになる。このとき、インパクトエリアIAはボールオブジェクトに対する打撃位置を示すため、上記位置関係の決定(すなわち、第3タイミングの決定)は、プレイヤがボールオブジェクトにおける打撃位置を視認しながらなされることになる。そのため、プレイヤが第3操作入力を与える操作は、プレイヤがボールオブジェクトのどの位置を打撃するのかを認識しながら上記位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせて行われることになるので、静止したボールに対して打撃を与える操作がプレイヤにとって直感的に分かりやすいものとなる。よって、ゴルフゲームにおいて、より現実世界のゴルフに近い感覚のショット操作を実現することができる。
【0087】
本実施形態のゲーム装置では好ましくは、第1調整手段57を有する。第1調整手段57は、打撃用具選択手段54によって選択された打撃用具としてのクラブの飛距離能力が高いほどインパクトエリアIAの大きさを小さくする機能を備える。プレイ中にどのクラブが選択されているかについてのデータはRAM13内に格納されており、第1調整手段57では、RAM13内のそのデータをCPU11が参照して、インパクトエリアIAの大きさを決定する。このとき、CPU11は、参照したクラブの飛距離能力が高いほどインパクトエリアIAの大きさを小さくするように制御する。
【0088】
例えば、飛距離能力が5I(5番アイアン)よりも高い1W(ドライバー)が選択されたときには、5Iが選択されたときよりも、インパクトエリアIAの大きさを小さくする。ここで、インパクトエリアIAが小さくなると、プレイヤが第3操作入力を与えるときに、インパクトエリアIAと、インパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルICの外縁の位置との位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より困難になる。本実施形態の一例では、第3操作入力が与えられた時点でインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIA内に位置するか否かに応じてショットの良し悪しが決定されるため、インパクトエリアIAの大きさが小さくなると、インパクトサークルICがインパクトエリアIAに入ってからタイミング良く第3操作入力を行うことが、より困難になる。
よって、第1調整手段57を設けることで、飛距離能力が高いクラブが選択されるほど所望のショットを得ることが困難になる。よって、プレイヤは、打撃によるボールオブジェクトの飛距離と打撃の精度の両者を勘案しながらクラブを選択することになり、より現実世界のゴルフに近い状況を実現することができる。
【0089】
なお、第1調整手段57は、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態が良好でないほどインパクトエリアIAの大きさを小さくすることが好ましい。前述したように、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態指数は、コースを構成する複数のオブジェクトの各々(またはオブジェクトを構成するポリゴンごと)に予め関連付けられており、CPU11は、その接地状態指数を参照してインパクトエリアIAの大きさを決定する。このとき、CPU11は、参照した接地状態指数が小さいほど(つまり、接地状態が良好でないほど)インパクトエリアIAの大きさを小さくするように制御する。図10に、ボールオブジェクトの接地状態(いわゆる「ライ」)が異なる場合のインパクトエリアIAの表示例を示す。図10では、(a)に接地状態が良好である場合にインパクトエリアIAが大きくなり、(b)に接地状態が良好でない場合にインパクトエリアIAが小さくなる場合が示されている。
前述したように、インパクトエリアIAが小さくなると、プレイヤが第3操作入力を与えるときに、インパクトエリアIAと、インパクトサークルICの外縁の位置との位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より困難になる。したがって、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態が良好でないほど所望のショットを得ることが困難となって、より現実世界のゴルフに近い状況を実現することができる。
【0090】
本実施形態のゲーム装置では好ましくは、第2調整手段58を有する。第2調整手段58は、第2タイミングと第3タイミングの間にプレイヤによる移動指示入力を受け入れて、移動指示入力に応じた方向にインパクトエリアIAを移動させて表示する機能を備える。第2調整手段58では、CPU11が、プレイヤによる第2操作入力が与えられる第2タイミングから、つまり、パワーゲージPGが拡大を停止して所望の打撃強度が選択されてから、プレイヤが第3操作入力を与えるまでの間に、入力部4(例えば、方向指示釦4a)に対する操作に伴う移動指示入力の受け入れを許可する。このとき、CPU11は、例えば方向指示釦4aによって指示される方向と同一方向に、インパクトエリアIAをボールオブジェクト上で移動させて表示させる。また、ここで、CPU11は、インパクトエリアIAの移動とともに、インパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルICも連動して移動させて表示させる。プレイヤによる移動指示入力に応じてボールオブジェクトの中心から左方向にインパクトエリアIAが移動する例を図11に示す。
【0091】
第2調整手段58が設けられた場合には、打撃結果決定手段56は、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおけるインパクトエリアIAの中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を算出する。すなわち、CPU11は、式(E1)によって算出されたボールオブジェクトの初速と、コース平面上の目標方向とクラブの所定のロフト角によって定められる放出角度とに加えて、ボールオブジェクトの中心に対するインパクトエリアIAの中心の相対的な位置によって定まるボールオブジェクトの回転運動を考慮して、ボールオブジェクトの軌道を算出する。その結果、例えば、第3タイミングにおけるインパクトエリアIAの中心がボールオブジェクトの中心に対して、左側にあれば打撃後のボールオブジェクトの弾道はスライス系の弾道となり、右側にあれば打撃後のボールオブジェクトの弾道はフック系の弾道となり、上側にあればトップスピン系の弾道となり、下側にあればバックスピン系の弾道となる。
【0092】
第2調整手段58では、第2タイミングにおいてプレイヤにより打撃強度が選択された後、第3操作入力を受け入れるまでの限られた期間内に、打撃位置を示すためのインパクトエリアIAを移動させるための移動指示入力を受け入れる。これにより、プレイヤは、打撃の操作の確定以前(つまり、第3操作入力を与える前)の期間に、ボールオブジェクトに対する所望の打撃位置を決定する機会が与えられることになる。つまり、移動指示入力を与える前にインパクトエリアIAがボールオブジェクトの中心位置に存在すると想定した場合、この期間中にプレイヤがインパクトエリアIAをボールオブジェクトの中心位置から移動させることでボールオブジェクトに回転を加えさせ、第3操作入力によって決定されるボールオブジェクトの弾道を所望の弾道に補正することができるようになる。
【0093】
この第2調整手段58によれば、プレイヤにとって、打撃後のボールオブジェクトの弾道をコントロールするに当たってのボールオブジェクトに対する直接的な操作感覚が得られることになる。また、打撃後のボールオブジェクトを所望の弾道とするためには、第2タイミングから第3タイミング(つまり、第3操作入力のタイミング)までの限られた期間内に、移動指示入力を適切に行う技量がプレイヤに要求され、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0094】
以上、本実施形態の制御装置10で主要な役割を果たす機能について述べてきたが、プレイヤによる第3操作入力が行われた直後(第3タイミングの直後)の表示画面の一例を図12に示す。図12に示す表示画面の例では、上画面においてショット後のボールオブジェクトの弾道が表示されるとともに、下画面では、第3タイミングの時点におけるインパクトサークルICの外縁が、その縮小を停止して表示される。これにより、プレイヤは、第3タイミングの時点におけるインパクトサークルICの外縁の位置とインパクトエリアIAとの位置関係と、その位置関係によるショットの結果とに基づいて、自ら行った第3操作入力のタイミングが適切であったか否かを認識し、その後のプレイに反映させることができる。
【0095】
(1−3)ゴルフゲームの主要な処理のフロー
次に、本実施形態におけるゴルフゲームの主要な処理フローの一例について、図13A及び図13Bのフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、ゲーム開始後にプレイヤがショット操作を行う場合の処理のフローについて示している。
【0096】
ここでは先ず、ゲームプログラムの他、各オブジェクト等の各種データが記録媒体17からRAM13にロードされ、RAM13に格納される(ステップS100)。ロードされたゲームプログラムをCPU11が解釈すると先ず、ゲーム空間設定手段51が実行される。ゲーム空間設定手段51は、ゲーム進行手段52によって指定されるホール(例えば、最初は第1ホール)のコースを形成するためのオブジェクト、プレイヤを模擬したプレイヤキャラクタ等を、ゲーム空間に設定する(ステップS102)。
【0097】
次に、プレイ開始命令がゲーム進行手段52から発行されると(ステップS104)、ゲーム進行手段52および第1表示手段53の表示処理が実行される。これにより、例えば図4に示したように、表示装置3の上部液晶モニタ3a(上画面)および下部液晶モニタ3b(下画面)でのショット操作の表示が開始される(ステップS106)。すなわち、ゲーム進行手段52は、ゲーム空間に配置されたオブジェクトを、ボールオブジェクト102を打とうとするプレイヤキャラクタ100の後方位置にある視点から、コースの進行方向に向かってゲーム空間を見た画像を上画面に表示する。第1表示手段53は、ボールオブジェクト202と、ショット操作によって得られるボールオブジェクト202に対する打撃位置を示すインパクトエリアIA(第1領域)とを下画面に表示する。このとき、プレイの進行状況やコース環境をプレイヤに報知する目的で、様々な表示領域が上画面および下画面において設定されうる。ボールオブジェクト202とインパクトエリアIAが表示されると、プレイヤのショット操作の第1操作入力を受け入れる準備が整う。
また、ボールオブジェクト202とインパクトエリアIAが表示されると、打撃用具選択手段54が実行されうる。打撃用具選択手段54では、CPU11が、例えば入力部4のL釦4fおよびR釦4gに対する操作に応じて順に異なるクラブを下画面の選択クラブ表示領域210に表示される。いずれのクラブが選択されたかについてのデータは、RAM13内に一時的に格納される。
【0098】
ここで、プレイヤによる所定の第1操作入力、例えば指示釦4dの押下操作が行われると(ステップS108)、図8に示したように、打撃強度選択手段55が実行される。すなわち、打撃強度選択手段55は、第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として、ボールオブジェクトの中心から時間の経過とともに拡大する環状のパワーゲージPG(第1標識)の表示を開始する(ステップS110)。さらに、打撃強度選択手段55は、拡大するパワーゲージPGがボールオブジェクトの外縁に達するタイミングを過ぎていない限り(ステップS113のNO)、第2操作入力を受け入れたか否か(例えば指示釦4dの押下操作が有ったか否か)を逐次検出している(ステップS112)。そして、パワーゲージPGがボールオブジェクトの外縁に達するタイミングを過ぎる前に第2操作入力を受け入れた場合には(ステップS112のYES)、第2操作入力を受け入れた第2タイミングにおいて、パワーゲージPGの拡大を停止し、パワーゲージPGの外縁を表示する(ステップS114)。このとき、パワーゲージPGの外縁が残留して表示されることは、プレイヤ自身が選択した打撃強度を認識することができる点で好ましい。
第2操作入力が行われないままパワーゲージPGがボールオブジェクトの外縁に達するタイミングを過ぎた場合には(ステップS113のYES)、ステップS108に戻り、ショット操作を最初からやり直すように設定されている。
【0099】
上記環状のパワーゲージPGを採用する場合、プレイヤは、ボールオブジェクト内で拡大するパワーゲージPGを視認しながら第2操作入力を与える第2タイミングを決定することになるので、パワーゲージがボールオブジェクトの外側の領域に在る場合と比較して、プレイヤの注目がより打撃対象のボールオブジェクトに注がれることになる。このとき、パワーゲージPGは拡大しつつボールオブジェクトとオーバラップして表示されることになるため、ボールオブジェクトの大きさに対するパワーゲージPGの大きさが比較可能にプレイヤに提示され、プレイヤが両者の大きさを比較しながら第2タイミングを決定するように目盛りを設定することもできる。そのため、プレイヤは、ボールオブジェクトに対する打撃強度の選択が直感的に分かりやすいものとなる。
【0100】
打撃強度が選択された後、打撃結果決定手段56が実行される。打撃結果決定手段56の実行によって、インパクトエリアIA(第1領域)の外側から時間の経過とともにインパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルIC(第2標識)が表示される(ステップS116)。この時点で、第1調整手段57により、インパクトエリアIAの大きさが、選択されているクラブ、および/またはボールオブジェクトの接地状態に応じて調整されて表示されるようにしてもよい。打撃結果決定手段56では、
縮小するインパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心に到達しない限り(ステップS119のNO)、第3操作入力を受け入れたか否か(例えば指示釦4dの押下操作が有ったか否か)を逐次検出している(ステップS118)。そして、第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおいてインパクトサークルICの縮小を停止して表示する(ステップS120)。第3操作入力が行われないままインパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心に到達した場合には(ステップS119のYES)、ステップS108に戻り、ショット操作を最初からやり直すように設定されている。
なお、ステップS112からステップS118までの間に、プレイヤによる移動指示入力に応じて第2調整手段58が実行され、インパクトエリアIAを移動して表示するようにしてもよい。
【0101】
打撃結果決定手段56はさらに、第3タイミングにおけるインパクトサークルICの外縁の位置とインパクトエリアIAとの位置関係に基づいて、ボールオブジェクトに対する打撃タイミングを評価する(ステップS122)。打撃タイミングの評価の後、打撃後のボールオブジェクトのゲーム空間における軌道が算出され、上画面に表示される(ステップS124)。打撃タイミングの評価は、例えば、第3タイミングにおいてインパクトサークルICがインパクトエリアIAの内側に在るか否かに基づいてショットの良し悪しが決定されるようにしてなされてよい。打撃タイミングの評価結果は、打撃後のボールオブジェクトの軌道に反映される。
【0102】
すなわち、インパクトサークルICがインパクトエリアIAの外側に在る状態で、第3操作入力が行われたときには打撃タイミングが低評価となり、プレイヤ所望のショットが得られない(ミスショット)。つまり、打撃結果決定手段56は、例えば、打撃後のボールオブジェクトの理想的な軌道に対してボールオブジェクトの打撃後の軌道のずれを大きくする、および/または、打撃強度選択手段55により選択された強度を大きく低減させる。
インパクトサークルICがインパクトエリアIAの内側に在る状態で、第3操作入力が行われたときには打撃タイミングはOK評価となり、プレイヤ所望の比較的良好なショットが得られようにする。つまり、打撃結果決定手段56は、例えば、理想的な軌道に対してボールオブジェクトの打撃後の軌道のずれを小さくする、および/または、打撃強度選択手段55により選択された強度を、インパクトサークルICの外縁の位置とインパクトエリアIAの中心位置の距離に応じて低減させる。
インパクトサークルICがインパクトエリアIAの中心に在る状態で、第3操作入力が行われたときには打撃タイミングが最高の評価となり、プレイヤ所望のベストショットが得られようにする。つまり、打撃結果決定手段56は、例えば、理想的な軌道に対してボールオブジェクトの打撃後の軌道のずれが無いようにする。このときの打撃の強度は、打撃強度選択手段55により選択されたものとなる。
【0103】
ステップS118の第3操作入力を与えるに当たって、プレイヤは、所望のショットを得るため、インパクトエリアIAと、インパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルICの外縁の位置との位置関係が所望の関係となるように、その位置関係を注視しつつ、タイミングを決定することになる。このとき、インパクトエリアIAはボールオブジェクトに対する打撃位置を示すため、上記位置関係の決定(すなわち、第3タイミングの決定)は、プレイヤがボールオブジェクトにおける打撃位置を視認しながらなされることになる。そのため、プレイヤが第3操作入力を与える操作は、プレイヤがボールオブジェクトのどの位置を打撃するのかを認識しながら上記位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせて行われることになるので、静止したボールに対して打撃を与える操作がプレイヤにとって直感的に分かりやすいものとなる。よって、ゴルフゲームにおいて、より現実世界のゴルフに近い感覚のショット操作を実現することができる。
【0104】
(2)第2の実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態では、特記しない限り、ゲーム装置の構成及び動作、ゲーム装置によって実行される各手段、ゴルフゲームの主要な処理のフローは、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0105】
図14は、本実施形態の制御装置10で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図14に示す機能ブロック図は、図3に示したものと比較すると、第1エフェクト手段59が追加された点で異なる。
第1エフェクト手段59は、第2タイミング(第2操作入力が与えられたタイミング)と第3タイミング(第3操作入力が与えられたタイミング)の間に、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面(すなわち、地面)の傾斜方向に応じた方向にインパクトエリアIAを移動させて表示する機能を備える。
【0106】
第1エフェクト手段59では、CPU11が、第2タイミングと第3タイミングの間に、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向に応じた方向にインパクトエリアIAを移動させて表示させる。ここで、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向と、インパクトエリアIAの移動方向との関係は適宜設定されうる。例えば、ボールオブジェクトが置かれた平面が左方向および右方向に行くにつれて下向きに傾斜している場合には、インパクトエリアIAの移動方向をそれぞれ左方向および右方向としてもよい。また、例えば、ボールオブジェクトが置かれた平面が前方(画面奥行き方向)に行くにつれて上向きおよび下向きに傾斜している場合には、インパクトエリアIAの移動方向をそれぞれ下方向および上方向としてもよい。以下では、この移動方法を例として説明する。
【0107】
ショット操作の際に、第1エフェクト手段59が実行されるときの下画面の変化の一例について、図15を参照して説明する。図15では、第2タイミング以前にインパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置に存在する場合を想定する。第2タイミングの後のある時刻t0において、インパクトサークルICが出現し、この時点におけるインパクトエリアIAの中心位置は、ボールオブジェクト202の中心位置CTRと一致している。ここで、ボールオブジェクトが置かれた平面が右方向に行くにつれて下向きに傾斜し、かつ前方(画面奥行き方向)に行くにつれて上向きに傾斜している場合には、第1エフェクト手段59が実行されることで、時刻t0以降にインパクトエリアIAが右斜め下方向に移動する。すなわち、時刻t0以降、時刻t1,t2,t3と経過するにつれて、図15に示すようにインパクトエリアIAが右斜め下方向に移動し、それに伴って、インパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルICもインパクトサークルICに追従して縮小しながら同一方向に移動する。図15には、インパクトエリアIAの移動における速度ベクトルをV1としている。
【0108】
このようにボールオブジェクトが置かれた平面が傾斜していると、第1エフェクト手段59によってインパクトエリアIAがその傾斜方向に応じた方向に移動させられる。そのため、プレイヤは、ボールが回転無く真っ直ぐ飛ぶ所望のショットを打ちたい場合であっても、ボールオブジェクトに対する打撃位置が右斜め下の位置になり、この状態のまま打撃してしまうと(つまり、第3操作入力を行うと)、ボールオブジェクトに回転が掛かった意図しない弾道のショットを打つことになってしまう。このように、第1エフェクト手段59が実行されることで、地面が傾斜していると所望のショットを打つことが困難になる現実世界のゴルフが、ゲーム空間において模擬されるようになっている。
【0109】
一方、本実施形態のゲーム装置では、第2調整手段58が、第2タイミングにおいて打撃強度が選択された後、第3操作入力を受け入れるまでの期間内に、インパクトエリアIAを移動させるための移動指示入力を受け入れ可能としている。これにより、プレイヤには、第3操作入力を行う前に、第1エフェクト手段59によって移動するインパクトエリアIAを、ボールオブジェクト上の所望の位置に移動させる補正の機会が与えられる。すなわち、具体的な補正方法は後述するが、インパクトエリアIAの位置がボールオブジェクトに対して右斜め下の位置にある状態のままで打撃することは、ボールオブジェクトの右斜め下を叩くことに相当するので、結果的にボールオブジェクトの飛翔にスピンがかかってしまうことから、これを回避するには、プレイヤは、インパクトエリアIAの位置を移動指示入力(例えば、図1の方向指示釦4aの押下操作)によって、ボールオブジェクトの中心に戻した上で打撃するように(つまり、第3操作入力を行うように)調整すればよいのである。そして、打撃結果決定手段56は、第1エフェクト手段59と第2調整手段58とによって定まる、ボールオブジェクトの中心に対する第3タイミングにおけるインパクトエリアIAの中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道が決定される。
【0110】
ショット操作の際に、第2調整手段58によってインパクトエリアIAが補正されるときの下画面の変化の一例について、図16を参照して説明する。なお、図16では、図15と同様に、ボールオブジェクトが置かれた平面が右方向に行くにつれて下向きに傾斜し、かつ前方(画面奥行き方向)に行くにつれて上向きに傾斜している場合を例にしている。
また、図15と同様に、第2タイミング以前にインパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置に存在している。第2タイミングの後のある時刻t0において、インパクトサークルICが出現し、この時点におけるインパクトエリアIAの中心位置は、ボールオブジェクト202の中心位置CTRと一致している。時刻t0から時刻t1にかけて、ボールオブジェクトが置かれた傾斜方向に応じてインパクトエリアIAが右斜め下方向に移動し、この移動がプレイヤに認識されうる。
【0111】
プレイヤは、第3操作入力を行う前に、第2調整手段58によって、所定の移動指示入力に応じてインパクトエリアIAを移動させることができる。すなわち、第2調整手段58では、CPU11が、プレイヤによる第2操作入力が与えられる第2タイミングから、プレイヤが第3操作入力を与えるまでの間に、入力部4(例えば、方向指示釦4a)に対する操作に伴う移動指示入力の受け入れを許可する。このとき、CPU11は、例えば方向指示釦4aによって指示される方向と同一方向に、インパクトエリアIAをボールオブジェクト上で移動させる。
【0112】
ここで、ボールオブジェクト202の中心位置がプレイヤ所望の打撃位置であるとする。インパクトエリアIAが右斜め下方向に移動したことを認識したプレイヤは、その移動を妨げる方向、すなわち、左斜め上方向にインパクトエリアIAが移動するように移動指示入力を与えることができる。例えば、図16では、移動指示入力として方向指示釦4aを左斜め上方向に押下し続けると、時刻t2では、時刻t1のときよりもインパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置CTRに向かって戻り、時刻t3では、時刻t2のときよりもさらに、インパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置CTRに向かって戻るようになる。図16に示すように、インパクトエリアIAが時刻t1〜t3にかけてインパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置CTRに向かって戻されるにつれて、インパクトエリアIAに向かって外縁が縮小するインパクトサークルICもインパクトサークルICに追従して縮小しながら同一方向に移動する。
【0113】
なお、移動指示入力として方向指示釦4aを左斜め上方向に押下し続けるときに生ずる速度ベクトルを図16ではV2として表している。打撃結果決定手段56では、CPU11が、第1エフェクト手段59によって生ずる速度ベクトルV1と、第2調整手段58によって生ずる速度ベクトルV2とを合成した速度ベクトルでインパクトエリアIAを移動させる。V1とV2のスカラ量(速度)はV2>V1に設定されており、ここでは、(V2−V1)のスカラ量(速度)の速度ベクトルにてインパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置CTRに向かって戻される。つまり、本実施形態のゲーム装置では、適切な移動指示入力を継続して与え続けることで、インパクトエリアIAを所望の位置に補正することができるように設定されている。
なお、多くの状況においてプレイヤは、ボールオブジェクト202の中心位置CTRでの打撃を望むと考えられるので、移動指示入力によってインパクトエリアIAを移動させる(つまり、戻す)ときの目標位置として、ボールオブジェクト202の中心位置CTRを視認可能に表示させることが好ましい。この表示態様としては、点の表示、または各図で示してきたように十字マークの表示などが考えられる。
【0114】
また、上述した例では、インパクトエリアIAをボールオブジェクト202の中心位置CTRに向かって戻す場合について説明したが、プレイヤは、所望のショットに応じた所望の位置に向かってインパクトエリアIAを移動させるように移動指示入力を行うことができる。例えば、図16において、プレイヤがバックスピン系の弾道のショットを打ちたい場合には、移動指示入力として方向指示釦4aを左方向に押下し、第3操作入力を行う時点でインパクトエリアIAがボールオブジェクト202の中心位置CTRの真下に位置させるようにすればよい。
【0115】
上述したように、本実施形態のゲーム装置では、第1エフェクト手段59によって、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜がボールオブジェクト上の打撃位置であるインパクトエリアIAに反映されて表示されるため、現実世界のゴルフの地面の傾斜による影響を視覚的に分かりやすい形で模擬することができる。また、プレイヤは、第3操作入力を与えるまでの限られた期間内に、第2調整手段58によって、ボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜に応じて移動するインパクトエリアIAに対してさらに、インパクトエリアIAをボールオブジェクトの所望の位置に移動させうる。そのため、プレイヤには、比較的短期間に、例えばボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜による影響を打ち消す操作を行う技量等が要求され、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0116】
また、第1エフェクト手段59では、CPU11が、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度に応じてインパクトエリアIAの移動速度を変更するようにしてもよい。
すなわち、第1エフェクト手段59は例えば、ボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度が大きいほど、インパクトエリアIAの移動速度が速くする。このとき、第1エフェクト手段59の実行によって生ずるインパクトエリアIAの速度ベクトルV1を、プレイヤの移動指示入力によって生ずるインパクトエリアIAの速度ベクトルV2を超えない範囲で、上記傾斜角度に応じてそのスカラ値を変化させる。インパクトエリアIAの移動速度が速くなると、プレイヤは、第3操作入力を与えるまでの限られた期間内に、ボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜に応じて高い移動速度で移動するインパクトエリアIAを素早く認識し、インパクトエリアIAをボールオブジェクトの所望の位置に移動させるための移動指示入力を素早く、かつ正確に与えることが要求される。すなわち、ボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度が大きいほど、インパクトエリアIAの移動速度が速くなり、打撃後にボールオブジェクトの所望の弾道を得ることが難しくなる。そのため、ボールが置かれた平面が傾斜しているほど所望のショットを打つことが困難である現実世界のゴルフをゲームにおいて模擬することができる。
【0117】
(3)第3の実施形態
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態では、特記しない限り、ゲーム装置の構成及び動作、ゲーム装置によって実行される各手段、ゴルフゲームの主要な処理のフローは、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0118】
図17は、本実施形態の制御装置10で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図17に示す機能ブロック図は、図14に示したものと比較すると、キャラクタ能力記憶手段60および第3調整手段61が追加された点で異なる。
【0119】
キャラクタ能力記憶手段60は、ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データをRAM13に記憶させる機能を備える。
図18に、複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データの一例として、プレイヤキャラクタ能力データベースを示す。このデータベースでは、複数のプレイヤキャラクタの各々が固有のID(図18では、ID001,ID002,…)によって管理されており、各プレイヤキャラクタの能力を示す指標値が記述されている。ここでは一例として、総合能力(総合的なプレイ能力)、飛距離能力(ボールオブジェクトを長く飛ばすことができる能力)、コントロール能力(目標方向にボールオブジェクトを正確に飛ばすことができる能力)等を挙げているが、どのような能力をデータとして定義するかについては任意に設定しうる。なお、図18では、各能力の指標値について、100を最高の能力とした値で示しており、高い値であるほど能力が高いことを意味している。このようなデータベースは、ゲームプログラムがRAM13にロードされるとともにRAM13に記憶される。そして、プレイヤによる入力部4に対する所定の操作に応じて、用意された複数のキャラクタのうちいずれかが選択され、選択されたキャラクタとプレイヤを関連付けてゲームを進行させうる。
【0120】
第3調整手段61は、特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する能力データを参照し、その能力データに応じて、インパクトエリアIAの大きさ、およびインパクトサークルICの縮小速度のうち少なくともいずれかを調整する機能を備える。
第3調整手段61では、CPU11がRAM13内のプレイヤキャラクタ能力データベースにアクセスして、選択されているプレイヤキャラクタの能力データ(上記指標値)を参照し、能力データに応じてインパクトエリアIAの大きさ、およびインパクトサークルICの縮小速度のうち少なくともいずれかを変更して表示させる。
【0121】
第3調整手段61は例えば、図18のID002のプレイヤキャラクタのように能力データが高い能力を示す場合、低い能力を示すプレイヤキャラクタよりもインパクトエリアIAをより大きくするか、またはインパクトサークルICの縮小速度を遅くする。
ここで、インパクトエリアIAが大きくなると、プレイヤが第3操作入力を与えるときに、インパクトエリアIAと、インパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小するインパクトサークルICの外縁の位置との位置関係が所望の関係となるようにタイミングを合わせることが、より容易になる。例えば、第3操作入力が与えられた時点でインパクトサークルICの外縁の位置がインパクトエリアIA内に位置するか否かに応じてショットの良し悪しが決定される場合には、インパクトエリアIAの大きさが大きくなると、インパクトサークルICがインパクトエリアIAに入ってからタイミング良く第3操作入力を行うことが、より容易になる。
また、インパクトサークルICの縮小速度が遅くなると、インパクトサークルICが出現してから、インパクトエリアIAとの間で所望の位置関係となるまでの間に十分な時間的余裕が生ずるため、インパクトサークルICがインパクトエリアIAに入ってからタイミング良く第3操作入力を行うことが、より容易になる。
【0122】
よって、高い能力を持つキャラクタの場合には、所望の打撃結果を得ることが容易になる。逆に、図18のID004のプレイヤキャラクタのように能力データが低い能力を示す場合には、所望の打撃結果を得ることが困難になる。したがって、第3調整手段61が実行されることで、キャラクタの能力に応じた打撃結果の優劣を設定することができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0123】
本実施形態において、第1エフェクト手段59は、第2の実施形態と同様に、第2タイミングと第3タイミングの間に、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向に応じた方向にインパクトエリアIAを移動させて表示する機能を備えるが、さらに、特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する能力データを参照し、その能力データに応じてインパクトエリアIAの移動速度を変更するようにしてもよい。この場合、第1エフェクト手段59では、CPU11が、RAM13内のプレイヤキャラクタ能力データベースにアクセスして、選択されているプレイヤキャラクタの能力データ(上記指標値)を参照し、能力データに応じてインパクトエリアIAをその移動速度を変更して表示させる。
【0124】
例えば、図18のID002のプレイヤキャラクタのように能力データが高い能力を示す場合、ボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜に伴うインパクトエリアIAの移動速度が遅くなる。インパクトエリアIAの移動速度が遅くなると、第3操作入力を与える前に、第1エフェクト手段59によるインパクトエリアIAの移動を打ち消すような移動指示入力を与えることが容易になる。つまり、再度図16を参照すると、第1エフェクト手段59による速度ベクトルV1のスカラ値が小さくなるため、移動指示入力による速度ベクトルV2によって速度ベクトルV1を打ち消し、インパクトエリアIAをボールオブジェクト202上の所望の位置に移動させることが容易になる。そのため、プレイヤにとって、第3操作入力を与えるまでに、インパクトエリアIAをボールオブジェクト上の所望の位置に制御することが容易になり、ボールオブジェクトの所望の弾道が得られやすい。逆に、図18のID004のプレイヤキャラクタのように能力データが低い能力を示す場合には、ボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜に伴うインパクトエリアIAの移動速度を速くする。これにより、インパクトエリアIAをボールオブジェクト上の所望の位置に制御することが困難になり、ボールオブジェクトの所望の弾道が得られにくくなる。
したがって、プレイヤキャラクタの能力データに応じて第1エフェクト手段59によるインパクトエリアIAの移動速度を変化させることで、キャラクタの能力に応じた打撃結果の優劣を設定することができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0125】
[変形例]
次に、上述した各実施形態に適用しうる変形例について説明する。
上述した実施形態では、図8を参照して、打撃強度選択手段55が、第1タイミング(第1操作入力を受け入れたタイミング)を起点としてボールオブジェクトの中心位置から時間の経過とともに拡大する環状のパワーゲージを表示させる例について説明したが、これに限定されない。打撃強度の選択処理は、第3操作入力に応じて処理を行う打撃結果決定手段56による処理とは直接的な関連がないので、別個に設定しうる。そのため、パワーゲージの形態、およびその拡大または伸長態様は、様々な形で改変可能である。そのような変形例に係るパワーゲージの表示態様を図19および図20に示す。
【0126】
図19は、パワーゲージとしてボールオブジェクトと関連付けることなく、例えば下画面の最下部にバー状のゲージを設けた表示例である。この例では、第1操作入力に応じてバー状のパワーゲージPGが左端からその伸長を開始する(図19(a))。そして、第2操作入力を受け入れた第2タイミングにおいて、図19(b)に示すようにその伸長を停止し、パワーゲージPGの先端を表示する(図19(c))。
図20は、パワーゲージとして、線形のゲージをボールオブジェクトの周縁に沿って設けた表示例である。この例では、第1操作入力に応じて線形のパワーゲージPGが、ボールオブジェクトの最も高い位置(12時の位置)から反時計回りにその伸長を開始する(図20(a))。そして、第2操作入力を受け入れた第2タイミングにおいて、図20(b)に示すようにその伸長を停止し、パワーゲージPGの先端を表示する(図20(c))。
【0127】
また、上述した実施形態では、例えば図9A,図9Bを参照して、打撃結果決定手段56が、インパクトエリアIAの外側から時間の経過とともにインパクトエリアIAの中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識として、円形のインパクトサークルICを表示させる例について説明したが、これに限られない。第2標識は円形に限らず、様々な形態を採ることができる。そのような変形例に係る第2標識の表示態様を図21および図22に示す。
図21は、第2標識としてインパクトサークルICに代えて矩形(正方形、菱形等)の標識が縮小する例を示す。図22は、第2標識としてインパクトサークルICに代えて多角形(図の例では六角形)の標識が縮小する例を示す。いずれの場合でも、第2標識は、インパクトエリアIA(第1領域)と相似形とすることが、第2標識と第1領域の適切な位置関係をプレイヤが認識しやすくなるという点で好ましい。
【0128】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。例えば、本実施形態のゲーム装置は上画面と下画面の2つの表示画面が設けられ、一方にゲーム空間を所定の視点から見た画像、他方にショット操作のための画像を表示するようにしたが、これに限られない。ゲーム空間を所定の視点から見た画像とショット操作のための画像とを単一の表示画面に同時に表示することは、単一の表示画面を適切に分割すること等によって実現できる。
【符号の説明】
【0129】
1…ゲーム装置
3…表示装置
4…入力部
5…記憶媒体装着部
10…制御装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…画像処理回路
15…サウンド処理回路
16…バス
17…記憶媒体
22…スピーカ
51…ゲーム空間設定手段
52…ゲーム進行手段
53…第1表示手段
54…打撃用具選択手段
55…打撃強度選択手段
56…打撃結果決定手段
57…第1調整手段
58…第2調整手段
59…第1エフェクト手段
60…キャラクタ能力記憶手段
61…第3調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームを実現可能なコンピュータに、
実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とを表示する第1表示機能と、
第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識を表示し、前記第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによって前記ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する打撃強度選択機能と、
第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、前記第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、前記打撃強度選択機能によって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する打撃結果決定機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記打撃強度選択機能は、前記第1標識として、前記第1タイミングを起点として前記ボールオブジェクトの中心位置から時間の経過とともに拡大する環状の標識を表示し、前記第2タイミングで、第1標識の外縁をその拡大を停止して表示し、停止したときの第1標識の外縁の大きさによって前記ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する、
請求項1に記載されたゲームプログラム。
【請求項3】
前記打撃結果決定機能は、前記第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置から離れるに従って、前記打撃強度選択機能によって選択された強度を低減させる、
請求項1または2に記載されたゲームプログラム。
【請求項4】
前記打撃結果決定機能は、前記第3タイミングにおける前記第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置に合致するときに、打撃後のボールオブジェクトの軌道を、第1領域の前記ボールオブジェクト上の位置に応じた理想的な軌道として設定し、前記第3タイミングにおける前記第2標識の外縁の位置が第1領域の中心位置から離れるに従って、打撃後のボールオブジェクトの軌道の、前記理想的な軌道に対するずれを大きくする、
請求項1〜3のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項5】
ボールオブジェクトに対する打撃のために、プレイヤの選択入力に基づいて飛距離能力が異なる複数の打撃用具のいずれかを選択する打撃用具選択機能と、
選択された前記打撃用具の飛距離能力が高いほど前記第1領域の大きさを小さくする第1調整機能と、をさらに備えた、
請求項1〜4のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1調整機能は、ゲーム空間におけるボールオブジェクトの接地状態が良好でないほど前記第1領域の大きさを小さくする、
請求項5に記載されたゲームプログラム。
【請求項7】
前記第2タイミングと前記第3タイミングの間にプレイヤによる移動指示入力を受け入れて、当該移動指示入力に応じた方向に前記第1領域を移動させて表示する第2調整機能、をさらに備え、
前記打撃結果決定機能は、前記ボールオブジェクトの中心に対する前記第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する、
請求項1〜6のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項8】
前記第2タイミングと前記第3タイミングの間に、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の傾斜方向に応じた方向に前記第1領域を移動させて表示する第1エフェクト機能と、
前記第2タイミングと前記第3タイミングの間にプレイヤによる移動指示入力を受け入れて、当該移動指示入力に応じた方向に前記第1領域を移動させて表示する第2調整機能と、をさらに備え、
前記打撃結果決定機能は、第1エフェクト機能と第2調整機能とによって定まる、前記ボールオブジェクトの中心に対する前記第3タイミングにおける第1領域の中心の相対的な位置に基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する、
請求項1〜6のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項9】
前記第1エフェクト機能は、ゲーム空間においてボールオブジェクトが置かれた平面の水平面に対する傾斜角度に応じて前記第1領域の移動速度を変更する、
請求項8に記載されたゲームプログラム。
【請求項10】
ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データを記憶装置に記憶させるキャラクタ能力記憶機能と、
特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する前記能力データを参照し、その能力データに応じて、前記第1領域の大きさ、および前記第2標識の縮小速度のうち少なくともいずれかを調整する第3調整機能と、をさらに備えた、
請求項1〜9のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項11】
ボールオブジェクトに対する打撃を行う複数のキャラクタの各々の能力を示す能力データを記憶装置に記憶させるキャラクタ能力記憶機能と、
前記第1エフェクト機能は、特定のキャラクタがボールオブジェクトの打撃を行うに当たって当該キャラクタに対応する前記能力データを参照し、その能力データに応じて前記第1領域の移動速度を変更する、
請求項9に記載されたゲームプログラム。
【請求項12】
ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とを表示する第1表示手段と、
第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識を表示し、前記第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによって前記ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する打撃強度選択手段と、
第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、前記第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、前記打撃強度選択手段によって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する打撃結果決定手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項13】
ゲーム空間において静止したボールに対して、当該ボールを目標位置に移動させるための打撃を与える動作を画像表示部に表示するゲームの進行を制御するゲーム装置におけるゲーム制御方法であって、
実質的に円形形状のボールオブジェクトと、ボールオブジェクトに対する打撃位置を示すための第1領域とを表示する第1表示ステップと、
第1操作入力を受け入れた第1タイミングを起点として所定位置から時間の経過とともに拡大または伸長する第1標識を表示し、前記第1操作入力に続く第2操作入力を受け入れた第2タイミングで、第1標識をその拡大または伸長を停止して表示し、停止したときの第1標識の大きさまたは長さによって前記ボールオブジェクトに対する打撃のプレイヤ所望の強度を選択する打撃強度選択ステップと、
第2タイミングの後、第1領域の外側から時間の経過とともに第1領域の中心位置に向かって外縁が縮小する第2標識を表示し、前記第2操作入力に続く第3操作入力を受け入れた第3タイミングにおける第2標識の外縁の位置と第1領域との位置関係と、前記打撃強度選択ステップによって選択された強度とに基づいて、ゲーム空間における打撃後のボールオブジェクトの軌道を決定する打撃結果決定ステップと、
を備えたゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−65776(P2012−65776A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212017(P2010−212017)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】