説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】キャラクタの位置を詳細に設定できるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、複数のキャラクタ70のうちのいずれか1つのキャラクタ70aに対応する領域RTの内部のいずれか座標データと、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタ70aの移動先を示す第2位置座標データとが、一致するか否かが、制御部1により判別される。そして、領域RTの内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部1により判別された場合に、第2位置座標データが、複数のキャラクタ70のうちのいずれか1つのキャラクタ70aの位置を示す第1位置座標データとして、制御部1に認識される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームを実現するためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムにより実現されるゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムにより実現されるゲームをコンピュータにより制御するゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力装置たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。
【0003】
このようなゲーム装置によって実現されるゲームの1つとして、たとえば、野球ゲームが知られている(非特許文献1を参照)。このような野球ゲームでは、プレイヤが野手キャラクタに対して守備位置の変更を指示することができるようになっている。たとえば、内野の全ての野手キャラクタおよび外野の全ての野手キャラクタに対して、守備位置の変更を同時に指示することができる。
【0004】
具体的には、プレイヤが内野の守備シフトの変更を指示したときには、内野の全ての野手キャラクタがプレイヤに指示されたシフトをとるように、内野の全ての野手キャラクタの守備位置が一斉に変更される。同様に、プレイヤが外野の守備シフトの変更を指示したときには、外野の全ての野手キャラクタがプレイヤに指示されたシフトをとるように、外野の全ての野手キャラクタの守備位置が一斉に変更される。なお、ここで設定可能な内野用の守備シフトには、通常シフト、バントシフト、前進守備シフト、および後退守備シフトの4種類のシフトが用意されている。また、外野用の守備シフトには、通常シフト、前進守備シフト、および後退守備シフトの3種類のシフトが用意されている。
【非特許文献1】実況パワフルプロ野球13 決定版、コナミデジタルエンタテインメント、PS2版、2006年7月13日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の野球ゲームでは、プレイヤが内野の守備シフトの変更を指示したときには、内野の全ての野手キャラクタの守備位置が一斉に変更されるようになっていた。また、プレイヤが外野の守備シフトの変更を指示したときには、外野の全ての野手キャラクタの守備位置が一斉に変更されるようになっていた。このため、プレイヤは、出塁状況や打者キャラクタの打撃力等に応じて、野手キャラクタの守備位置を瞬時に設定することができていた。特にプレイヤが初心者であるような場合、複数の守備シフトが予め用意されているので、初心者のプレイヤは野手キャラクタの守備位置を容易に変更することができていた。
【0006】
しかしながら、従来の野球ゲームでは、野手キャラクタの守備位置を大まかに変更することはできるものの、野手キャラクタの守備位置を細かく変更することができないという問題点があった。このため、従来の守備シフトに基づいた野手キャラクタの守備位置の変更方法では、状況によっては、様々な攻撃のバリエーションに対応することができない場面が生じてきた。
【0007】
本発明の目的は、キャラクタの位置を詳細に設定することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係るゲームプログラムは、モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームを実行するコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)複数のキャラクタを画像表示部に表示する第1キャラクタ表示機能。
(2)複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データを制御部に認識させるキャラクタ位置認識機能。
(3)複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタに対応する領域の内部の座標データを制御部に認識させる内部領域認識機能。
(4)複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データを制御部に認識させる移動先認識機能。
(5)領域の内部のいずれかの座標データと第2位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第1位置判別機能。
(6)領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データを第1位置座標データとして制御部に再認識させる位置データ更新機能。
(7)再認識された第1位置座標データが示す位置において、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを画像表示部に表示する第2キャラクタ表示機能。
【0009】
このゲームプログラムでは、第1キャラクタ表示機能において、複数のキャラクタが画像表示部に表示される。キャラクタ位置認識機能においては、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データが、制御部に認識される。内部領域認識機能においては、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタに対応する領域の内部の座標データが、制御部に認識される。移動先認識機能においては、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データが、制御部に認識される。第1位置判別機能においては、領域の内部のいずれかの座標データと第2位置座標データとが一致するか否かが、制御部により判別される。位置データ更新機能においては、領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データが、第1位置座標データとして制御部に再認識される。第2キャラクタ表示機能においては、再認識された第1位置座標データが示す位置において、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタが画像表示部に表示される。
【0010】
たとえば、本ゲームプログラムを野球ゲームに適用した場合、複数の野手キャラクタが、画像表示部に表示される。そして、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタの位置を示す第1位置座標データが、制御部に認識される。そして、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタに対応する守備領域の内部の座標データが、制御部に認識される。そして、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタの移動先を示す第2位置座標データが、制御部に認識される。そして、守備領域の内部のいずれかの座標データと第2位置座標データとが一致するか否かが、制御部により判別される。そして、守備領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データが、第1位置座標データとして制御部に再認識される。そして、再認識された第1位置座標データが示す位置において、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタが画像表示部に表示される。
【0011】
この場合、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタに対応する守備領域の内部のいずれかの座標データと、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタの移動先を示す第2位置座標データとが一致するか否かが、制御部により判別される。そして、守備領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データが示す位置において、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタが画像表示部に表示される。これにより、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタに対応する守備領域の内部においてのみ、複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタが移動し、この野手キャラクタの守備位置を設定することができる。また、各野手キャラクタの守備位置を細かく設定することができ、様々な攻撃のバリエーションに対応可能な守備シフトを設定することができる。一般的に表現すると、キャラクタの位置を詳細に設定することができる。
【0012】
なお、以下では、「複数の野手キャラクタのうちのいずれか1つの野手キャラクタ」という文言を、「対象野手キャラクタ」という文言で表現するものとする。
【0013】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(8)複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタとは異なるキャラクタの位置を示す第3位置座標データを制御部に認識させる他キャラクタ位置認識機能。
(9)第2位置座標データと第3位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第2位置判別機能。
【0014】
このゲームプログラムでは、他キャラクタ位置認識機能において、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタとは異なるキャラクタの位置を示す第3位置座標データが、制御部に認識される。第2位置判別機能においては、第2位置座標データと第3位置座標データとが一致するか否かが、制御部により判別される。ここでは、位置データ更新機能において、上記領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別され、第2位置座標データと第3位置座標データとが一致しないと制御部に判別された場合に、第2位置座標データが第1位置座標データとして制御部に再認識される、
たとえば、本ゲームプログラムを野球ゲームに適用した場合、対象野手キャラクタとは異なる他の野手キャラクタの位置を示す第3位置座標データが、制御部に認識される。そして、対象野手キャラクタの第2位置座標データと他の野手キャラクタの第3位置座標データとが一致するか否かが、制御部により判別される。そして、守備領域の内部の座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致すると制御部により判別され、対象野手キャラクタの第2位置座標データと他の野手キャラクタの第3位置座標データとが一致しないと制御部に判別された場合に、第2位置座標データが第1位置座標データとして制御部に再認識される。
【0015】
この場合、対象野手キャラクタの移動先が他の野手キャラクタの位置ではない場合に、対象野手キャラクタが守備領域の内部において移動する。このため、対象野手キャラクタと他の野手キャラクタとは異なる場所に位置することになる。このように、対象野手キャラクタと他の野手キャラクタとが同じ守備位置に配置されないようにすることができる。一般的に表現すると、対象キャラクタと他のキャラクタとが同じ位置に配置されないようにすることができる。
【0016】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(11)複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタの情報を、記憶部に格納された情報データに基づいて、画像表示部に表示する情報表示機能。
【0017】
このゲームプログラムでは、情報表示機能において、複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタの情報が、記憶部に格納された情報データに基づいて、画像表示部に表示される。
【0018】
たとえば、本ゲームプログラムを野球ゲームに適用した場合、複数の野手キャラクタのうちの少なくともいずれか1つの野手キャラクタの情報が、記憶部に格納された情報データに基づいて、画像表示部に表示される。ここでは、対象野手キャラクタを含む野手キャラクタおよび打者キャラクタの情報が、画像表示部に表示される。たとえば、対象野手キャラクタの守備に関する能力情報や、打者キャラクタの打撃に関する能力情報が、画像表示部に表示される。なお、この場合、記憶部に格納された各選手キャラクタの能力情報データが制御部に参照され、この能力情報データに基づいて各選手キャラクタの能力情報が、画像表示部に表示される。
【0019】
この場合、対象野手キャラクタの守備に関する能力情報や、打者キャラクタの打撃に関する能力情報が、画像表示部に表示される。これにより、プレイヤは、対象野手キャラクタの守備能力や打者キャラクタの打撃能力等を参考にしながら、対象野手キャラクタの守備位置を設定することができる。一般的に表現すると、キャラクタの情報を参考にしながら、キャラクタの位置を詳細に設定することができる。
【0020】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(12)複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの能力を示す能力データを制御部に認識させる能力データ認識機能。
(13)能力データに基づいて複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタが位置する領域の範囲を変更する処理を制御部に実行させる領域変更機能。
【0021】
このゲームプログラムでは、能力データ認識機能において、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの能力を示す能力データが、制御部に認識される。領域変更機能においては、能力データに基づいて複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタが位置する領域の範囲を変更する処理が、制御部により実行される。ここでは、内部領域認識機能において、変更された領域の内部の座標データが、制御部に認識される。
【0022】
たとえば、本ゲームプログラムを野球ゲームに適用した場合、対象野手キャラクタの能力を示す能力データが、制御部に認識される。そして、この能力データに基づいて対象野手キャラクタが位置する守備領域の範囲を変更する処理が、制御部により実行される。そして、変更された守備領域の内部の座標データが、制御部に認識される。
【0023】
この場合、対象野手キャラクタの能力データに基づいて、対象野手キャラクタが位置する守備領域の範囲が変更される。すなわち、対象野手キャラクタの能力に応じて、対象野手キャラクタ用の守備領域の範囲が変更される。これにより、たとえば、対象野手キャラクタの守備能力が相対的に高ければ、守備領域(守備範囲)を広くしたり、対象野手キャラクタの守備能力が相対的に低ければ、守備領域(守備範囲)を狭くしたりすることができる。
【0024】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(14)複数のキャラクタそれぞれが位置する領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データを制御部に認識させる領域区画機能。
【0025】
このゲームプログラムでは、領域区画機能において、複数のキャラクタそれぞれが位置する領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データが、制御部に認識される。ここでは、内部領域認識機能において、所定の間隔の座標データが、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタが位置する領域の内部の座標データとして、制御部に認識される。
【0026】
たとえば、本ゲームプログラムを野球ゲームに適用した場合、複数の野手キャラクタそれぞれが位置する守備領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データが、制御部に認識される。そして、所定の間隔の座標データが、対象野手キャラクタが位置する守備領域の内部の座標データとして、制御部に認識される。
【0027】
この場合、対象野手キャラクタが位置する守備領域の内部の座標データが、所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データを用いて規定される。これにより、たとえば、格子状に分割された守備領域(守備範囲)における1格子に、対象野手キャラクタを配置することができる。また、対象野手キャラクタを格子単位で移動させることができる。
【0028】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項5に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(15)複数のキャラクタそれぞれが位置する領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点を基準点にする矩形状の画像を、画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示機能。
【0029】
このゲームプログラムでは、画像表示機能において、複数のキャラクタそれぞれが位置する領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点を基準点にする矩形状の画像が、画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0030】
たとえば、本ゲームプログラムを野球ゲームに適用した場合、複数の野手キャラクタそれぞれが位置する守備領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点を基準点にするマス目画像が、マス目用の画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0031】
この場合、マス目画像が、野手キャラクタが位置する守備領域の内部に表示される。これにより、プレイヤは、対象野手キャラクタを移動させたときに、マス目画像が示すマス目を参考にして、対象野手キャラクタの移動量等を、容易に把握することができる。また、プレイヤは、ある野手キャラクタと他の野手キャラクタとの位置関係等を、容易に把握することができる。
【0032】
請求項7に係るゲーム装置は、モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、複数のキャラクタを画像表示部に表示する第1キャラクタ表示手段と、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データを制御部に認識させるキャラクタ位置認識手段と、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタが位置する領域の内部の座標データを制御部に認識させる内部領域認識手段と、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データを制御部に認識させる移動先認識手段と、領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第1位置判別手段と、領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データを第1位置座標データとして制御部に再認識させる位置データ更新手段と、再認識された第1位置座標データが示す位置において、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを画像表示部に表示する第2キャラクタ表示手段と、を備えている。
【0033】
請求項8に係るゲーム制御方法は、モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、複数のキャラクタを画像表示部に表示する第1キャラクタ表示ステップと、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データを制御部に認識させるキャラクタ位置認識ステップと、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタが位置する領域の内部の座標データを制御部に認識させる内部領域認識ステップと、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データを制御部に認識させる移動先認識ステップと、領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第1位置判別ステップと、領域の内部の座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データを第1位置座標データとして制御部に再認識させる位置データ更新ステップと、再認識された第1位置座標データが示す位置において、複数のキャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタを画像表示部に表示する第2キャラクタ表示ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0034】
本発明では、対象キャラクタに対応する領域の内部のいずれかの座標データと、対象キャラクタの移動先を示す第2位置座標データとが一致するか否かが、制御部により判別される。そして、領域内部のいずれかの座標データと第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、第2位置座標データが示す位置に対象キャラクタが画像表示部に表示される。これにより、対象キャラクタに対応する領域の内部においてのみ、対象キャラクタを移動させることができる。このため、各キャラクタの位置を細かく設定することができ、様々な事象のバリエーションに対応可能な位置に全キャラクタを配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置を対象として説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0036】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5、通信部23とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0037】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0038】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0039】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0040】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0041】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカ13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカ13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカ13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカ13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカ13から出力することができる。
【0042】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0043】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0044】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0045】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0046】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0047】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0048】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0049】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0050】
通信部23は、通信制御回路24および通信インターフェース25を有している。通信制御回路24および通信インターフェース25は、ゲーム機をサーバや他のゲーム機等に接続するために用いられる。通信制御回路20および通信インターフェース21は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20および通信インターフェース21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機をインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。また、通信制御回路20および通信インターフェース21は、インターネットを介してゲーム機をサーバや他のゲーム機に接続するための接続信号を制御し発信する。
【0051】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データを画像や音声としてテレビジョンモニタ20やスピーカ13に出力するためのコマンドを発行する。
【0052】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0053】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカ13から音声として出力される。
【0054】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機では、テレビジョンモニタ20に表示された野手キャラクタの位置を変更可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0055】
領域設定手段50は、複数の領域を設定する処理をCPU7に実行させる機能を備えている。領域設定手段50では、複数の領域を設定する処理が、CPU7により実行される。
【0056】
領域区画手段51は、複数の領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データをCPU7に認識させる機能を備えている。領域区画手段51では、複数の領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データが、CPU7に認識される。
【0057】
領域画像表示手段52は、複数の領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点を基準点にする矩形状の画像を、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。領域画像表示手段52では、複数の領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点を基準点にする矩形状の画像が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0058】
第1キャラクタ表示手段53は、複数のキャラクタをテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。詳細には、第1キャラクタ表示手段53は、複数の領域それぞれに野手キャラクタを配置する処理をCPU7に実行させ、複数の領域それぞれの内部に野手キャラクタを表示する機能を備えている。より詳細には、第1キャラクタ表示手段53は、複数の領域それぞれの内部におけるいずれか1つの座標データが示す位置に野手キャラクタを配置する処理をCPU7に実行させ、複数の領域それぞれの内部に野手キャラクタを表示する機能を備えている。
【0059】
第1キャラクタ表示手段53では、複数のキャラクタが、テレビジョンモニタ20に表示される。詳細には、第1キャラクタ表示手段53では、複数の領域それぞれに野手キャラクタを配置する処理がCPU7により実行され、野手キャラクタが複数の領域それぞれの内部に表示される。より詳細には、第1キャラクタ表示手段53では、複数の領域それぞれの内部におけるいずれか1つの座標データが示す位置に野手キャラクタを配置する処理がCPU7により実行され、野手キャラクタが複数の領域それぞれの内部に表示される。
【0060】
キャラクタ選択手段54は、複数の野手キャラクタの中からいずれか1つのキャラクタ(対象野手キャラクタ)を選択する処理をCPU7に実行させる機能を備えている。キャラクタ選択手段54では、複数の野手キャラクタの中からいずれか1つのキャラクタ(対象野手キャラクタ)を選択する処理が、CPU7により実行される。
【0061】
キャラクタ位置認識手段55は、対象野手キャラクタの位置を示す第1位置座標データをCPU7に認識させる機能を備えている。キャラクタ位置認識手段55では、対象野手キャラクタの位置を示す第1位置座標データが、CPU7に認識される。
【0062】
能力データ認識手段56は、対象野手キャラクタの能力を示す能力データをCPU7に認識させる機能を備えている。能力データ認識手段56では、対象野手キャラクタの能力を示す能力データが、CPU7に認識される。
【0063】
対象領域認識手段57は、対象野手キャラクタが配置された領域(対象領域)をCPU7に認識させる機能を備えている。対象領域認識手段57では、対象領域がCPU7に認識される。
【0064】
領域変更手段58は、対象野手キャラクタの能力データに基づいて対象領域を変更する処理をCPU7に実行させる機能を備えている。領域変更手段58では、対象野手キャラクタの能力データに基づいて対象領域を変更する処理が、CPU7により実行される。
【0065】
内部領域認識手段59は、対象領域の内部の座標データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、内部領域認識手段59は、領域変更手段58において変更された対象領域の内部の座標データをCPU7に認識させる機能を備えている。より詳細には、内部領域認識手段59は、領域変更手段58において変更された対象領域の内部の所定の間隔の座標データを、CPU7に認識させる機能を備えている。
【0066】
内部領域認識手段59では、対象領域の内部の座標データが、CPU7に認識される。詳細には、内部領域認識手段59では、領域変更手段58において変更された対象領域の内部の座標データが、CPU7に認識される。より詳細には、内部領域認識手段59では、領域変更手段58において変更された対象領域の内部の所定の間隔の座標データが、CPU7に認識される。
【0067】
他キャラクタ位置認識手段60は、対象野手キャラクタとは異なる野手キャラクタの位置を示す第3位置座標データをCPU7に認識させる機能を備えている。他キャラクタ位置認識手段60では、対象野手キャラクタとは異なる野手キャラクタの位置を示す第3位置座標データが、CPU7に認識される。
【0068】
情報表示手段61は、複数の野手キャラクタのうちの少なくともいずれか1つの野手キャラクタの情報を、RAM12に格納された情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。情報表示手段61では、複数の野手キャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタの情報が、RAM12に格納された情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0069】
移動先認識手段62は、対象野手キャラクタを移動させるための移動命令がCPU7から発行されたときに、対象野手キャラクタの移動先を示す第2位置座標データをCPU7に認識させる機能を備えている。移動先認識手段62では、対象野手キャラクタを移動させるための移動命令がCPU7から発行されたときに、対象野手キャラクタの移動先を示す第2位置座標データが、CPU7に認識される。
【0070】
第1位置判別手段63は、対象領域の内部のいずれかの座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致するか否かをCPU7に判別させる機能を備えている。第1位置判別手段63では、対象領域の内部のいずれかの座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致するか否かが、CPU7により判別される。
【0071】
第2位置判別手段64は、対象野手キャラクタの第2位置座標データと他の野手キャラクタの第3位置座標データとが一致するか否かをCPU7に判別させる機能を備えている。第2位置判別手段64では、対象野手キャラクタの第2位置座標データと他の野手キャラクタの第3位置座標データとが一致するか否かが、CPU7により判別される。
【0072】
位置データ更新手段65は、対象領域の内部のいずれか座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致するとCPU7により判別された場合に、対象野手キャラクタの第2位置座標データを対象野手キャラクタの第1位置座標データとしてCPU7に再認識させる機能を備えている。詳細には、位置データ更新手段65は、対象領域の内部の座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致するとCPU7により判別され、対象野手キャラクタの第2位置座標データと他の野手キャラクタの第3位置座標データとが一致しないとCPU7に判別された場合に、対象野手キャラクタの第2位置座標データを対象野手キャラクタの第1位置座標データとしてCPU7に再認識させる機能を備えている。
【0073】
位置データ更新手段65では、対象領域の内部のいずれか座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致するとCPU7により判別された場合に、対象野手キャラクタの第2位置座標データが、対象野手キャラクタの第1位置座標データとしてCPU7に再認識される。詳細には、位置データ更新手段65では、対象領域の内部の座標データと対象野手キャラクタの第2位置座標データとが一致するとCPU7により判別され、対象野手キャラクタの第2位置座標データと他の野手キャラクタの第3位置座標データとが一致しないとCPU7に判別された場合に、対象野手キャラクタの第2位置座標データが、対象野手キャラクタの第1位置座標データとしてCPU7に再認識される。
【0074】
第2キャラクタ表示手段66は、再認識された対象野手キャラクタの第1位置座標データが示す位置において、対象野手キャラクタをテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。第2キャラクタ表示手段66では、再認識された対象野手キャラクタの第1位置座標データが示す位置において、対象野手キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示される。
【0075】
データ格納手段67は、複数の野手キャラクタそれぞれの第1位置座標データをRAM12に格納する機能を備えている。データ格納手段67では、複数の野手キャラクタそれぞれの第1位置座標データが、RAM12に格納される。
【0076】
〔野球ゲームにおける守備位置変更システムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおける守備位置変更システムについて説明する。また、図7および図8に示すフローについても同時に説明する。なお、図7は野球ゲームの全体概要を説明するためのフローであり、図8は守備位置変更システムを説明するためのフローである。
【0077】
まず、ゲーム機の電源が投入されゲーム機が起動されると、野球ゲームプログラムが、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される。このときには、野球ゲームを実行する上で必要となる各種の基本ゲームデータも、同時に、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される(S1)。
【0078】
たとえば、基本ゲームデータには3次元ゲーム空間用の画像データが含まれており、RAM12に格納された、3次元ゲーム空間用の画像データ、たとえば、スタジアム用の画像データ、ボール用の画像データ、および選手キャラクタ用の画像データ等が、CPU7に認識される。また、基本ゲームデータには、3次元ゲーム空間用の画像データを3次元ゲーム空間に配置するための位置座標データが含まれており、この位置座標データがCPU7に認識される。
【0079】
続いて、RAM12に格納された野球ゲームプログラムが、基本ゲームデータに基づいて、CPU7により実行される(S2)。すると、野球ゲームの起動画面がテレビジョンモニタ20に表示される。すると、野球ゲームを実行するための各種の設定画面がテレビジョンモニタ20に表示される。ここでは、たとえば、チームの選択および選手キャラクタの選択等を行うための選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される。この選択画面において、コントローラ17が操作されることにより、チームの選択および選手キャラクタの選択等が行われる。
【0080】
続いて、野球ゲームにおいて試合を開始するための命令(試合開始命令)がCPU7から発行される(S3)。すなわち、試合イベントが開始される。すると、RAM12に格納された3次元ゲーム空間用の画像データが、CPU7に認識される。すると、この3次元ゲーム空間用の画像データを、ゲーム空間における位置座標データが示す位置に配置する命令が、CPU7から発行され、各種の画像がテレビジョンモニタ20に表示される(S4)。
【0081】
たとえば、スタジアム用の画像データ等が、CPU7に認識される。すると、スタジアム用の画像データを用いて、スタジアム画像がテレビジョンモニタ20に表示される。具体的には、ゲーム空間において、スタジアム用の位置座標データが示す位置に、スタジアム用の画像データを配置する命令をCPU7に発行させることにより、スタジアム画像がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0082】
また、プレイヤより命令が指示されるチーム(自チーム)、および他のプレイヤ又はAIプログラム(Artificial Intelligence プログラム)により命令が指示されるチーム(敵チーム)のいずれか一方の選手キャラクタが守備位置に配置された状態が、選手キャラクタ用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。また、味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタのいずれか他方の選手キャラクタが打席位置に配置された状態が、選手キャラクタ用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、選手キャラクタ用の位置座標データが示す位置に選手キャラクタ用の画像データを配置する命令がCPU7から発行されたときに、選手キャラクタ用の画像がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0083】
続いて、自チームおよび敵チームのいずれか一方のチームの攻撃イベントを実行するための命令(攻撃イベント実行命令)がCPU7から発行される(S5)。言い替えると、自チームおよび敵チームのいずれか他方のチームの守備イベントを実行するための命令(守備イベント実行命令)がCPU7から発行される。これにより、自チームおよび敵チームのいずれか一方のチームの攻撃イベント、および自チームおよび敵チームのいずれか他方のチームの守備イベントが、実行される。このときに、プレイヤ又は他のプレイヤ(AIプログラムを含む)が選手キャラクタに対して指示した命令が、CPU7に認識される。すると、CPU7に認識された各命令に応じて、各チームの選手キャラクタが、投球動作、打撃動作、守備動作、および走塁動作等の少なくともいずれか1つの動作を行う状態が、各画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0084】
そして、チームごとに所定の回数たとえば9回分の攻撃イベント又は守備イベントが終了すると、試合を終了するための命令(試合終了命令)がCPU7から発行される。すると、試合結果をRAM12に保存する処理が、CPU7により実行される。すなわち、試合終了命令が発行されたか否かがCPU7により判断され(S6)、試合終了命令が発行された場合(S6でYes)、試合を終了するための処理たとえば試合結果をRAM12に保存する処理が、CPU7により実行される(S7)。一方で、試合終了命令が発行されていない場合(S6でNo)、ステップ4(S4)の処理が再実行される。
【0085】
以下には、野球ゲームにおいて、守備位置変更システムが実行された場合の例を示す。守備位置変更システムは、試合イベントが実行される前の各種条件の設定時又は試合イベント時に実行される。以下には、試合イベント中に守備位置変更システムが実行された場合の例を示す。
【0086】
ステップ3(S3)において試合イベントが実行され、自チームの守備イベントが実行されているときに、コントローラ17の所定のボタンたとえばL1ボタン17L1が押されると、守備イベントを中断する命令がCPU7から発行される(S30)。そして、守備イベントがサスペンド状態になると、守備位置変更システムが起動される(S31)。守備位置変更システムが起動されると、図3に示すように、守備位置を変更するためのメニュー画面が、テレビジョンモニタ20に表示される。このメニュー画面において、コントローラ17の所定のボタンたとえばセレクトボタン17fが押されると、図4に示すように、守備位置設定画面が、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0087】
守備位置設定画面では、投手キャラクタと捕手キャラクタとを除く7人の野手キャラクタ70(ショートの野手キャラクタは70aと表記)および打者キャラクタ71が、フィールド領域FRに表示される。また、守備位置設定画面では、フィールド領域FRの左方すなわち画面の左部に野手キャラクタ70を選択するための複数の野手選択アイコンが表示されている。さらに、守備位置設定画面では、フィールド領域FRの上方すなわち画面の上部に他のシフトをプレビューするための選択アイコンが表示されている。
【0088】
まず、複数の領域を全体領域すなわちフィールド領域FRの内部に設定する処理が、CPU7より実行される(S32)。たとえば、図5に示すように、7つの領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7をフィールド領域FRの内部に設定する処理が、CPU7より実行される。7つの領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は、7人の野手キャラクタ70それぞれの守備領域に対応している。また、ここでは、セカンドの領域R2およびショートの領域R3が、一部重なっている。このため、セカンドの野手キャラクタ70は、ショートの領域R3の一部(重合部分)に位置することができ、ショートの野手キャラクタ70aは、セカンドの領域R2の一部(重合部分)に位置することができる。
【0089】
続いて、複数の基準点が、フィールド領域FRの内部に規定される。たとえば、複数の基準点が、互いに一定の間隔を隔てた状態で、フィールド領域FRの内部に規定される。具体的には、基準点が、x方向およびy方向に互いに一定の間隔を隔てた状態で、フィールド領域FRの内部に規定される。ここでは、ホームベース位置からピッチャープレート位置へと伸びる方向の軸をx方向軸とし、ホームベース位置においてx方向軸に直交する方向の軸をy方向軸としている。なお、複数の基準点をフィールド領域FRの内部に規定するときに必要となる座標データは、RAM12に格納されている。この座標データをCPU7に認識させることにより、複数の基準点がフィールド領域FRの内部に設定される(S33)。
【0090】
このようにして、複数の基準点がフィールド領域FRの内部に設定されると、図6に示すように、基準点の位置に、矩形状の画像たとえばマス目が表示される(S34)。具体的には、基準点の位置にマス目用の画像データを配置する命令がCPU7から発行される。すると、マス目が、マス目用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。このマス目は、各領域ごとに異なる色属性を有している。すなわち、7つのマス目用の画像データそれぞれは、異なる色属性データを有している。また、7つのマス目用の画像データそれぞれは、画像の明度を2段階に変更するための明度データを有している。初期状態では、1段目の明度すなわち暗い方の明度で、マス目用の画像がテレビジョンモニタ20に表示されている。ここでは、マス目が表示される場合の例を示すが、マス目を表示しないようにしても良い。
【0091】
なお、ここでは、ある基準点を中心として、この基準点とこの基準点を取り囲む8つの基準点それぞれとの中点を互いに結ぶことにより形成される矩形状の領域たとえば正方形の領域が、1つのマス目に対応する領域である。この領域を、以下では区画領域と記述する。
【0092】
続いて、7つの領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7それぞれの内部におけるいずれか1つの座標データが示す位置に、野手キャラクタ70を配置する処理が、CPU7により実行される。すると、対応する領域の内部に位置する各野手キャラクタ70が、野手キャラクタ用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S35)。具体的には、各領域内部における所定の位置に野手キャラクタ用の画像データを配置する命令が、CPU7から発行される。すると、各領域の内部に位置した野手キャラクタ70が、テレビジョンモニタ20に表示される。なお、上記の各領域内部における所定の位置を示す座標データは、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、RAM12に格納されている。また、7つの領域それぞれの内部の座標データは、上記の複数の基準点の座標データに対応している。
【0093】
続いて、7人の野手キャラクタ70および打者キャラクタ71のうちの少なくともいずれか1つのキャラクタの情報が、RAM12に格納された情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される(S36)。ここでは、たとえば、図4に示すように、打者キャラクタの情報80が、RAM12に格納された情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される。具体的には、打者キャラクタの能力情報80が、テレビジョンモニタ20に表示される。プレイヤは、この情報を参考にして、野手キャラクタ70の守備位置を設定することができる。
【0094】
続いて、複数の野手キャラクタ70の中からいずれか1つのキャラクタ(対象野手キャラクタ70a)を選択する処理が、CPU7により実行される(S37)。たとえば、コントローラ17の上方向キー17Uおよび下方向キー17Dを操作すると、図4の守備位置画面の左部に表示された複数の野手選択アイコンが、順に選択状態になる。すると、選択状態になった野手選択アイコンに対応する領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7の明度が上がる。具体的には、選択状態になった野手選択アイコンに対応する領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7の、マス目用の画像データの明度が、1段目の明度から2段目の明度へと変更される。これにより、選択された野手選択アイコンに対応する領域が、ハイライトされた状態になる。これにより、プレイヤは、選択された対象野手キャラクタが位置する守備領域(対象領域)を、守備領域の明暗によって視認することができる。
【0095】
ここで、野手選択アイコンが選択状態であるときに、セレクトボタン17fが操作されると、選択状態のアイコンに関連付けられた野手キャラクタ70が、対象野手キャラクタ70aとしてCPU7に認識される。なお、ここでは、各野手選択アイコンと野手キャラクタ70との対応関係は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。このため、野手選択アイコンが選択されたときには、ゲームプログラムにおいて予め規定された、野手選択アイコンに対応する野手キャラクタ70が、CPU7に認識される。
【0096】
なお、ここでは、ショートの野手キャラクタ70aが対象野手キャラクタとして選択されたものとして、以下の説明を行う。このため、後述する対象領域RTは、ショートの野手キャラクタ70aが位置する領域R3となる。
【0097】
続いて、選択された対象野手キャラクタ70aの位置を示す第1位置座標データが、CPU7に認識される(S38)。たとえば、初期状態の対象野手キャラクタ70aの位置はゲームプログラムにおいて予め規定された初期位置であるので、この初期位置を示す座標データが、対象野手キャラクタ70aの第1位置座標データとしてCPU7に認識される。すると、対象野手キャラクタ70aが配置された領域RT(領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7のいずれか1つ)が、CPU7に認識される(S39)。ここでは、たとえば、対象野手キャラクタ70aの第1位置座標データを含む領域R3が、対象領域RTとしてCPU7に認識される。なお、上記の初期位置を示す座標データは、上記の複数の基準点の座標データのいずれか1つの座標データに対応している。
【0098】
なお、野手キャラクタと野手キャラクタが位置する領域(野手キャラクタに対応する領域)との対応関係は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。このため、選択された対象野手キャラクタ70aの位置がCPU7に認識されると、対象野手キャラクタ70aが配置された対象領域RTが、上記の対応関係に基づいてCPU7に認識される。
【0099】
続いて、対象野手キャラクタ70aの守備能力を示す守備能力データが、CPU7に認識される(S40)。対象野手キャラクタ用の守備能力データはRAM12に格納されており、この守備能力データがCPU7に認識される。
【0100】
続いて、対象野手キャラクタ70aの守備能力データに基づいて対象領域RTを変更する処理が、CPU7により実行される(S41)。たとえば、対象野手キャラクタ70aの守備能力データの値に応じて、対象領域RTがCPU7により変更される。具体的には、対象野手キャラクタ70aの守備能力データの値が第1基準値より大きい場合、初期の対象領域RTが第1倍率で拡大される。ここでは、たとえば、第1倍率が、守備能力データの値を第1基準値で除算した値となっている。一方で、対象野手キャラクタ70aの守備能力データの値が第2基準値より小さい場合、初期の対象領域RTが第2倍率で縮小される。ここでは、たとえば、第2倍率が、第2基準値を守備能力データの値で除算した値となっている。また、対象野手キャラクタ70aの守備能力データの値が第2基準値以上で第1基準値以下である場合、初期の対象領域RTが維持される。すなわち、この場合の倍率は1.0である。
【0101】
なお、守備能力データの比較対象となる、第1基準値および第2基準値は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、RAM12に格納されている。ここでは、第1基準値は、第2基準値より大きな値となっている(第1基準値>第2基準値)。
【0102】
ここで、対象領域RTを変更する意味を説明しておく。現実世界の野球では、一般的に、野手の守備能力が高ければ野手の守備範囲は広くなり、野手の守備能力が低ければ野手の守備範囲は狭くなる。ここでは、このような現実世界における野手の事象を、ゲームの世界においても再現することができるようにしている。
【0103】
続いて、対象領域RTの内部の座標データが、CPU7に認識される(S42)。たとえば、対象領域RTが変更されなかった場合には、初期の対象領域RTの内部の座標データが、CPU7に認識される。一方で、対象領域RTが変更された場合には、変更後の対象領域RTの内部の座標データが、CPU7に認識される。
【0104】
続いて、対象野手キャラクタ70aとは異なる野手キャラクタ70の位置を示す第3位置座標データが、CPU7に認識される(S43)。たとえば、対象野手キャラクタ70a以外の6人の野手キャラクタ70の位置を示す第3位置座標データが、CPU7に認識される。すなわち、6つの第3位置座標データが、CPU7に認識される。
【0105】
この状態で、対象野手キャラクタ70aを移動させるための移動命令がCPU7から発行されると(S44)、対象野手キャラクタ70aの移動先を示す第2位置座標データが、CPU7に認識される(S45)。たとえば、コントローラ17の上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、および右方向キー17Rのいずれかのボタンが押されると、対象野手キャラクタ70aを移動させるための信号が、コントローラ17から発行され、CPU7に認識される。すると、この信号に対応する命令、すなわち対象野手キャラクタ70aをコントローラ17の操作方向に移動させるための命令が、CPU7から発行される。すると、対象野手キャラクタ70aがコントローラ17の操作方向に移動し、移動後の対象野手キャラクタ70aの位置を示す第2位置座標データが、CPU7に認識される。
【0106】
なお、ここでは、コントローラ17の上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、および右方向キー17Rのいずれかのボタンが1回押されると、対象野手キャラクタ70aはコントローラ17の操作方向に1マス移動するようになっている。言い換えると、コントローラ17の上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、および右方向キー17Rのいずれかのボタンが1回押されると、対象野手キャラクタ70aは、コントローラ17の操作方向の隣接点(基準点)に移動するようになっている。
【0107】
続いて、対象領域RTの内部のいずれかの座標データと対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データとが一致するか否かが、CPU7により判別される(S46)。そして、対象領域RTの内部のいずれかの座標データと対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データとが一致するとCPU7により判別された場合(S46でYes)、対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データと他の6人の野手キャラクタ70の第3位置座標データとが一致するか否かが、CPU7により判別される(S47)。そして、対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データと他の6人の野手キャラクタ70それぞれの第3位置座標データとが一致しないとCPU7に判別された場合(S47でNo)、対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データが、対象野手キャラクタ70aの第1位置座標データとしてCPU7に再認識される(S48)。
【0108】
一方で、対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データと他の6人の野手キャラクタ70のいずれか1人の野手キャラクタ70の第3位置座標データとが一致するとCPU7に判別された場合(S47でYes)、対象野手キャラクタ70aの第1位置座標データがCPU7に再認識される(S49)。すなわち、対象野手キャラクタ70aの移動は行われない。これは、2人の野手キャラクタ70が同じ場所に配置されることを回避するための処理である。なお、対象領域RTの内部のいずれかの座標データと対象野手キャラクタ70aの第2位置座標データとが一致しないとCPU7により判別された場合(S46でNo)、対象野手キャラクタ70aの第1位置座標データがCPU7に再認識される(S49)。これは、対象野手キャラクタ70aが対象領域RTの外部に配置されることを回避するための処理である。
【0109】
続いて、再認識された対象野手キャラクタ70aの第1位置座標データが示す位置において、対象野手キャラクタ70aがテレビジョンモニタ20に表示される(S50)。たとえば、コントローラ17の操作方向に移動した後の対象野手キャラクタ70aが、対象野手キャラクタ用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0110】
続いて、コントローラ17を操作することにより、図4の守備位置画面の左部に表示された「OK」アイコンが選択されると、複数の野手キャラクタ70それぞれの第1位置座標データが、RAM12に格納される。そして、サスペンド状態の守備イベントを再開する命令がCPU7から発行される(S51)。すると、複数の野手キャラクタ70それぞれの第1位置座標データに基づいて、各野手キャラクタ70が第1位置座標データに対応する位置に配置された状態が、各野手キャラクタ用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0111】
以上のことから、本発明では、野手キャラクタ70を、対応する守備領域の内部においてのみ、移動させることができる。また、各野手キャラクタ70の守備位置を、対応する守備領域の内部において、細かく設定することができる。これにより、様々な攻撃のバリエーションに対応可能な守備シフトを設定することができる。また、2人の野手キャラクタ70が同じ位置に配置されないようにすることができる。さらに、打者キャラクタの打撃能力を参考にしながら、野手キャラクタ70の守備位置を設定することができる。
【0112】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。また、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、携帯型コンピュータ、携帯型ゲーム装置などにも同様に適用することができる。
【0113】
(b)本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【0114】
(c)前記実施形態では、位置変更システムが野球ゲームに適用される場合の例を示したが、キャラクタの位置を変更するゲームであれば、位置変更システムを適用する対象は、どのようなゲームでも良い。たとえば、サッカーゲームやバレーボールゲーム等において位置変更システムを実行すれば、サッカー選手キャラクタやバレーボール選手キャラクタ等の守備位置を変更し設定することができる。この場合も、上記に示した効果と同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ゲーム装置の機能ブロック図。
【図3】守備位置を変更するためのメニュー画面を示す図。
【図4】守備位置設定画面を示す図。
【図5】フィールド領域の設定位置を示す図。
【図6】マス目の表示形態を説明するための図。
【図7】ゲームの全体概要を説明するためのフロー。
【図8】守備位置変更システムを説明するためのフロー。
【符号の説明】
【0116】
1 制御部
2 記憶部
3 画像表示部
4 音声出力部
5 操作入力部
7 CPU
12 RAM
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
23 通信部
50 領域設定手段
51 領域区画手段
52 領域画像表示手段
53 第1キャラクタ表示手段
54 キャラクタ選択手段
55 キャラクタ位置認識手段
56 能力データ認識手段
57 対象領域認識手段
58 領域変更手段
59 内部領域認識手段
60 他キャラクタ位置認識手段
61 情報表示手段
62 移動先認識手段
63 第1位置判別手段
64 第2位置判別手段
65 位置データ更新手段
65 位置データ更新手段
66 第2キャラクタ表示手段
67 データ格納手段
70 野手キャラクタ
70a 対象野手キャラクタ
80 打者キャラクタの能力情報
FR フィールド領域
RT 対象領域
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームを実行可能なコンピュータに、
複数の前記キャラクタを画像表示部に表示する第1キャラクタ表示機能と、
複数の前記キャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データを制御部に認識させるキャラクタ位置認識機能と、
前記いずれか1つのキャラクタに対応する領域の内部の座標データを制御部に認識させる内部領域認識機能と、
前記いずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、前記いずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データを制御部に認識させる移動先認識機能と、
前記領域の内部のいずれかの座標データと前記第2位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第1位置判別機能と、
前記領域の内部の座標データと前記第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、前記第2位置座標データを前記第1位置座標データとして制御部に再認識させる位置データ更新機能と、
再認識された前記第1位置座標データが示す位置において、前記いずれか1つのキャラクタを画像表示部に表示する第2キャラクタ表示機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記いずれか1つのキャラクタとは異なるキャラクタの位置を示す第3位置座標データを制御部に認識させる他キャラクタ位置認識機能と、
前記第2位置座標データと前記第3位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第2位置判別機能と、
を実現させ、
前記位置データ更新機能では、前記領域の内部の座標データと前記第2位置座標データとが一致すると制御部により判別され、前記第2位置座標データと前記第3位置座標データとが一致しないと制御部に判別された場合に、前記第2位置座標データが前記第1位置座標データとして制御部に再認識される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
複数の前記キャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタの情報を、記憶部に格納された情報データに基づいて、画像表示部に表示する情報表示機能、
をさらに実現させるための請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記いずれか1つのキャラクタの能力を示す能力データを制御部に認識させる能力データ認識機能と、
前記能力データに基づいて前記いずれか1つのキャラクタが位置する前記領域の範囲を変更する処理を制御部に実行させる領域変更機能と、
をさらに実現させ、
前記内部領域認識機能では、変更された前記領域の内部の座標データが制御部に認識される、
請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
複数の前記キャラクタそれぞれが位置する領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点の位置を示す座標データを制御部に認識させる領域区画機能、
をさらに実現させ、
前記内部領域認識機能では、前記所定の間隔の座標データが、前記いずれか1つのキャラクタが位置する領域の内部の座標データとして、制御部に認識される、
請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
複数の前記キャラクタそれぞれが位置する領域の内部において所定の間隔を隔てて配置された点を基準点にする矩形状の画像を、画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示機能、
をさらに実現させるための請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームを実行可能なゲーム装置であって、
複数の前記キャラクタを画像表示部に表示する第1キャラクタ表示手段と、
複数の前記キャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データを制御部に認識させるキャラクタ位置認識手段と、
前記いずれか1つのキャラクタが位置する領域の内部の座標データを制御部に認識させる内部領域認識手段と、
前記いずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、前記いずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データを制御部に認識させる移動先認識手段と、
前記領域の内部の座標データと前記第2位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第1位置判別手段と、
前記領域の内部の座標データと前記第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、前記第2位置座標データを前記第1位置座標データとして制御部に再認識させる位置データ更新手段と、
再認識された前記第1位置座標データが示す位置において、前記いずれか1つのキャラクタを画像表示部に表示する第2キャラクタ表示手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項8】
モニタに表示されたキャラクタの位置を変更可能なゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
複数の前記キャラクタを画像表示部に表示する第1キャラクタ表示ステップと、
複数の前記キャラクタのうちのいずれか1つのキャラクタの位置を示す第1位置座標データを制御部に認識させるキャラクタ位置認識ステップと、
前記いずれか1つのキャラクタが位置する領域の内部の座標データを制御部に認識させる内部領域認識ステップと、
前記いずれか1つのキャラクタを移動させるための移動命令が制御部から発行されたときに、前記いずれか1つのキャラクタの移動先を示す第2位置座標データを制御部に認識させる移動先認識ステップと、
前記領域の内部の座標データと前記第2位置座標データとが一致するか否かを制御部に判別させる第1位置判別ステップと、
前記領域の内部の座標データと前記第2位置座標データとが一致すると制御部により判別された場合に、前記第2位置座標データを前記第1位置座標データとして制御部に再認識させる位置データ更新ステップと、
再認識された前記第1位置座標データが示す位置において、前記いずれか1つのキャラクタを画像表示部に表示する第2キャラクタ表示ステップと、
を備えるゲームゲーム制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−245985(P2008−245985A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92005(P2007−92005)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】