説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム方法

【課題】 キャラクタに対する動作設定を迅速に行えるようにする。
【解決手段】 本ゲームでは、打者キャラクタ80の動作の状態を認識可能な状態認識範囲Rが、下部液晶モニタに設定される。そして、状態認識範囲Rの範囲内で移動可能なポインタ91が下部液晶モニタに表示され、ポインタ91の表示領域が認識される。続いて、モニタ接触位置がポインタ91の表示領域の内部に位置した状態で、モニタ接触位置が状態認識範囲Rの範囲内を移動すると、モニタ接触位置の移動に連動してポインタ91が状態認識範囲Rの範囲内で移動させられる。このとき、ポインタ91の位置が認識される。すると、ポインタ91の位置に応じて、打者キャラクタ80の動作の状態が設定される。そして、モニタ接触位置が状態認識範囲Rの範囲内から範囲外に移動すると、設定された打者キャラクタ80の動作の状態で、打者キャラクタ80が動作させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムによって実現されるゲーム装置及びゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々のビデオゲームが提案されている。これらのビデオゲームでは、入力釦を操作することにより、非接触入力式のモニタに表示されたキャラクタが動作するようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、ゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体のモニタと、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラを有している。そして、コントローラには、複数の入力釦が配置されている。また、携帯型のゲーム装置は、ゲーム機本体と、ゲーム機本体に一体に設けられたモニタと、ゲーム機本体に一体に設けられた複数の入力釦とを有している。
【0003】
このようなゲーム装置によって実現可能なビデオゲームの1つに、非接触式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるビデオゲームたとえば野球ゲームがある(非特許文献1を参照)。
【0004】
このような野球ゲームにおいて打者キャラクタを動作させるときには、まず、プレイヤは、入力釦(R1釦又はR2釦)を操作して、打者キャラクタのスイングの状態を強振状態又は普通状態に設定する。ここで、スイングの状態が強振状態に設定された場合は、スイングの状態が普通状態に設定された場合と比較して、ミートカーソルが小さく表示されるものの、バットでボールを打つことができたときには強い打球を放つことができる。そして、モニタに表示された投手キャラクタからボールが投げ出されると、投げ出されたボールがホームベース上に到達する予定位置すなわちボールの着弾点が、モニタに表示される。また、打者キャラクタがボールを捉えることができる範囲を示すミートカーソルが、モニタに表示される。なお、着弾点は、ボールの移動に応じて位置が変化する。
【0005】
次に、プレイヤが入力釦(方向指示釦)を上下左右に連続的に操作すると、ミートカーソルをモニタ上で移動させることができる。そして、着弾点にミートカーソルが重なったときに、プレイヤが所定のタイミングで入力釦(決定釦)を押すことがでれば、ボールをバットで捉えることができる。このときにボールが飛ぶ方向は、決定釦が押されたときのミートカーソルと着弾点との位置関係と、決定釦が押されたときのタイミングとから決定される。また、ボールが飛ぶ強さは、スイングの状態によって決定される。
【非特許文献1】実況パワフルプロ野球11 公式ガイドコンプリートエディション、日本、株式会社コナミメディアエンタテインメント、2004年9月16日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような野球ゲームでは、複数の入力釦を操作することにより、打者キャラクタに投手キャラクタからのボールを打たせるという動作を実行させることができる。たとえば、投手キャラクタがボールを投げ出すまでの間では、R1釦又はR2釦を選択的に押すことにより、打者キャラクタのスイングの状態を強振状態又は普通状態のいずれかに設定することができる。しかしながら、より現実的なスイングの状態をゲームにおいて再現するためには、スイングの状態を多段階に設定できるようにすることが望ましい。
【0007】
このスイング状態の多段階設定は、たとえば、スイングの状態の強弱をR1釦およびR2釦により調節できるようにすることによって実現することができる。具体的には、この設定は、R1釦を押すとスイングの状態が強くなりR2釦を押すとスイングの状態が弱くなるようにすることによって実現できるものと考えられる。このようにスイングの状態を多段階に設定することができるようにした場合、スイングの状態を設定するための段階が多くなればなるほど、R1釦およびR2釦を押す回数が増えることになり、スイングの状態を所望の状態に設定するまでに時間がかかってしまうおそれがある。特に、スイングの状態の設定は、投手キャラクタがボールを投げ出すまでの間といった短時間の間に行われなければならないため、プレイヤがスイングの状態を所望の状態に設定する前に、投手キャラクタからボールが投げ出されてしまうおそれがある。
【0008】
また、投手キャラクタがボールをリリースしてからボールが着弾点に到達するまで間では、方向指示釦を連続的に操作し決定釦を押すことによって、ミートカーソルを着弾点に移動させバットでボールを捉えることができる。しかしながら、投手キャラクタがボールをリリースしてからボールが着弾点に到達するまで間といった短時間の間に、方向指示釦を連続的に操作し決定釦を押さなければならないため、方向指示釦を誤操作してしまったり、この方向指示釦の誤操作によりミートカーソルを所望の位置まで移動させられなかったりするおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、キャラクタに対する動作設定を迅速に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係るゲームプログラムは、接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのゲームプログラムである。
【0011】
(1)接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、入力信号に対応する接触入力式のモニタ上の入力位置を認識する入力位置認識機能。
【0012】
(2)キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲を、接触入力式のモニタに設定する状態認識範囲設定機能。
【0013】
(3)状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体を、接触入力式のモニタに表示する第1表示体表示機能。
【0014】
(4)第1表示体の表示領域を認識する第1表示体領域認識機能。
(5)入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で入力位置が状態認識範囲の範囲内を移動したときに、入力位置の移動に連動して第1表示体を状態認識範囲の範囲内で移動させる第1表示体移動機能。
【0015】
(6)第1表示体の位置を認識する第1表示体位置認識機能。
(7)第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態を設定する状態設定機能。
【0016】
(8)入力位置が状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、状態設定機能において設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタを動作させるキャラクタ動作機能。
【0017】
入力位置認識機能においては、接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、入力信号に対応する接触入力式のモニタ上の入力位置が認識される。状態認識範囲設定機能においては、キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲が、接触入力式のモニタに設定される。第1表示体表示機能においては、状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体が、接触入力式のモニタに表示される。第1表示体領域認識機能においては、第1表示体の表示領域が認識される。第1表示体移動機能においては、入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で入力位置が状態認識範囲の範囲内を移動したときに、入力位置の移動に連動して第1表示体が状態認識範囲の範囲内で移動させられる。第1表示体位置認識機能においては、第1表示体の位置が認識される。状態設定機能においては、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。キャラクタ動作機能においては、入力位置が状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、状態設定機能において設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタが動作させられる。
【0018】
このような機能を有するゲームプログラムでは、キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲が、接触入力式のモニタに設定される。そして、状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体が接触入力式のモニタに表示され、第1表示体の表示領域が認識される。続いて、接触入力式のモニタからの入力信号に対応するモニタ上の入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で、入力位置が状態認識範囲の範囲内を移動すると、入力位置の移動に連動して第1表示体が状態認識範囲の範囲内で移動させられる。このとき、第1表示体の位置が認識される。すると、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。そして、入力位置が状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動すると、設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタが動作させられる。
【0019】
このようなゲームプログラムでは、第1表示体の表示領域の内部に位置する入力位置が状態認識範囲の範囲内で移動することにより、入力位置の移動に連動して第1表示体を状態認識範囲の範囲内で移動させることができる。そして、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態を設定することができる。具体的には、接触入力式のモニタに表示された第1表示体の表示領域の内部に指示手段たとえばタッチペンや指等を接触させて、指示手段を状態認識範囲の範囲内で移動させると、指示手段のモニタ接触位置の移動に連動して、第1表示体を状態認識範囲の範囲内で移動させることができる。そして、移動後の第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態を設定することができる。
【0020】
これにより、プレイヤは、接触入力式のモニタに設定された状態認識範囲内において、接触入力式のモニタに表示された第1表示体を指示手段で移動たとえばスライドさせるだけで、キャラクタの動作の状態を設定することができるので、キャラクタに対する動作設定を迅速に行うことができる。
【0021】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、接触入力式のモニタに表示された移動体の移動状態を変化させることができるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
【0022】
(9)移動体を接触入力式のモニタに表示する移動体表示機能。
(10)移動体が通過する位置を示す第2表示体を接触入力式のモニタに表示する第2表示体表示機能。
【0023】
(11)第2表示体の表示領域を認識する第2表示体位置認識機能。
(12)入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置と第2表示体の位置関係を判別する位置関係判別機能。
【0024】
(13)位置関係判別機能において入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置すると判別された場合に、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かを判断する時機判断機能。
【0025】
(14)入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、状態設定機能において設定されたキャラクタの動作の状態と位置関係判別機能において判別された位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させる第1状態変更機能。
【0026】
移動体表示機能においては、移動体が接触入力式のモニタに表示される。第2表示体表示機能においては、移動体が通過する位置を示す第2表示体が、接触入力式のモニタに表示される。第2表示体位置認識機能においては、第2表示体の表示領域が認識される。位置関係判別機能においては、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置と第2表示体の位置関係が判別される。時機判断機能においては、位置関係判別機能において入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置すると判別された場合に、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致するか否かが判断される。第1状態変更機能においては、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、状態設定機能において設定されたキャラクタの動作の状態と位置関係判別機能において判別された位置関係とに応じて、移動体の移動状態が変化させられる。
【0027】
このような機能を有するゲームプログラムでは、移動体が接触入力式のモニタに表示される。そして、移動体が通過する位置を示す第2表示体が、接触入力式のモニタに表示される。このとき、第2表示体の表示領域が認識される。続いて、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置と第2表示体の位置関係が判別される。このとき、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置すると判別された場合、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致するか否かが判断される。そして、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、設定されたキャラクタの動作の状態と判別された位置関係とに応じて、移動体の移動状態が変化させられる。
【0028】
このようなゲームプログラムでは、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動して、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した場合に、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると、キャラクタの動作の状態と、入力位置と第2表示体との位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させることができる。具体的には、第1表示体の表示領域の内部に接触させた指示手段たとえばタッチペンや指等を第2表示体の方向に移動させて、指示手段を第2表示体の表示領域の内部に位置させる。このときに、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると、キャラクタの動作の状態と、指示手段のモニタ接触位置と第2表示体との位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させることができる。
【0029】
これにより、プレイヤは、指示手段を第2表示体の表示領域の内部に位置させるだけで、キャラクタの動作の状態と、指示手段のモニタ接触位置と第2表示体との位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させることができるので、キャラクタに対する動作設定を迅速に行うことができる。
【0030】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
【0031】
(15)入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置の軌跡を認識する軌跡認識機能。
【0032】
(16)軌跡認識機能において認識された軌跡が接触入力式のモニタに形成された形成位置を判別する軌跡形成位置判別機能。
【0033】
(17)第1状態変更機能に含まれ、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、軌跡形成位置判別機能において判別された軌跡の形成位置に応じて、移動体の移動状態を変化させる第2状態変更機能。
【0034】
軌跡認識機能においては、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置の軌跡が認識される。軌跡形成位置判別機能においては、軌跡認識機能において認識された軌跡が接触入力式のモニタに形成された形成位置が判別される。第1状態変更機能に含まれる第2状態変更機能においては、、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、軌跡形成位置判別機能において判別された軌跡の形成位置に応じて、移動体の移動状態が変化させられる。
【0035】
このような機能を有するゲームプログラムでは、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置の軌跡が認識される。そして、認識された軌跡が接触入力式のモニタに形成された形成位置が判別される。すると、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、判別された軌跡の形成位置に応じて、移動体の移動状態が変化させられる。
【0036】
このようなゲームプログラムでは、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、軌跡の形成位置を判別することができる。このため、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、判別された軌跡の形成位置に応じて、移動体の移動状態を変化させることができる。
【0037】
具体的には、第1表示体の表示領域の内部に接触させた指示手段たとえばタッチペンや指等を第2表示体の方向に移動させて、指示手段を第2表示体の表示領域の内部に位置させたときに、指示手段の移動により形成された軌道の形成位置を、第1表示体および第2表示体により規定される位置たとえば第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の形成位置に基づいて、判別することができる。このため、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合、設定されたキャラクタの動作の状態や判別された位置関係だけでなく、判別された軌跡の形成位置によっても、移動体の移動状態を変化させることができる。たとえば、指示手段の移動により形成された軌道が、第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の位置に形成された場合には、移動体が進行してきた方向に移動体を逆進させることができる。また、指示手段の移動により形成された軌道が、第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分より上方の位置に形成された場合には、移動体が進行してきた方向の下方に移動体を逆進させることができる。さらに、指示手段の移動により形成された軌道が、第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分より下方の位置に形成された場合には、移動体が進行してきた方向の上方に移動体を逆進させることができる。
【0038】
このように、プレイヤは、指示手段を第1表示体から第2表示体へと移動させることによって、形成された軌道の形成位置に応じて、移動体の移動状態を変化させることができる。これにより、キャラクタに対する動作設定を迅速に行うことができるようにしたときに、移動体の移動状態を軌跡の形成位置によっても変化させることができるようになる。
【0039】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項2又は3に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
【0040】
(18)入力位置が第1表示体から第2表示体に移動しているときに、入力位置の移動方向を認識する移動方向認識機能。
【0041】
(19)移動方向の変化量を算出する変化量算出機能。
(20)変化量算出機能において算出された変化量に応じて、キャラクタへの動作指示を解除する動作指示解除機能。
【0042】
移動方向認識機能においては、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動しているときに、入力位置の移動方向が認識される。変化量算出機能においては、移動方向の変化量が算出される。動作指示解除機能においては、変化量算出機能において算出された変化量に応じて、キャラクタへの動作指示が解除される。
【0043】
このような機能を有するゲームプログラムでは、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動しているときに、入力位置の移動方向が認識される。このとき、移動方向の変化量が算出される。そして、算出された変化量に応じて、キャラクタへの動作指示が解除される。
【0044】
このようなゲームプログラムでは、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動しているときに、移動方向の変化量を算出することができ、算出された変化量に応じてキャラクタへの動作指示を解除することができる。具体的には、第1表示体の表示領域の内部に接触させた指示手段たとえばタッチペンや指等を第2表示体の方向に移動させているときに、連続的に認識される指示手段のモニタ接触位置(入力位置)の位置座標に基づいて、移動方向の変化量たとえば移動方向の変化角度を算出することができる。そして、この変化角度に応じて、動作中のキャラクタへの動作指示を解除することができる。たとえば、変化角度が所定範囲の角度たとえば90度以上180以下の範囲にある場合、キャラクタへの動作指示を解除することができる。これにより、プレイヤは、状況に応じて、キャラクタに対する動作設定を解除することができる。
【0045】
請求項5に係るゲーム装置は、接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームを実現可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、入力位置認識手段と、状態認識範囲設定手段と、第1表示体表示手段と、第1表示体領域認識手段と、第1表示体移動手段と、第1表示体位置認識手段と、状態設定手段と、キャラクタ動作手段とを備えている。
【0046】
入力位置認識手段においては、接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、入力信号に対応する接触入力式のモニタ上の入力位置が認識される。状態認識範囲設定手段においては、キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲が、接触入力式のモニタに設定される。第1表示体表示手段においては、状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体が、接触入力式のモニタに表示される。第1表示体領域認識手段においては、第1表示体の表示領域が認識される。第1表示体移動手段においては、入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で入力位置が状態認識範囲の範囲内を移動したときに、入力位置の移動に連動して第1表示体が、状態認識範囲の範囲内で移動させられる。第1表示体位置認識手段においては、第1表示体の位置が認識される。状態設定手段においては、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。キャラクタ動作手段においては、入力位置が状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、状態設定手段において設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタが動作させられる。
【0047】
請求項6に係るゲーム方法は、接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームを実現可能なゲーム方法である。このゲーム方法は、入力位置認識ステップと、状態認識範囲設定ステップと、第1表示体表示ステップと、第1表示体領域認識ステップと、第1表示体移動ステップと、第1表示体位置認識ステップと、状態設定ステップと、キャラクタ動作ステップとを備えている。
【0048】
入力位置認識ステップにおいては、接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、入力信号に対応する接触入力式のモニタ上の入力位置が認識される。状態認識範囲設定ステップにおいては、キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲が、接触入力式のモニタに設定される。第1表示体表示ステップにおいては、状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体が、接触入力式のモニタに表示される。第1表示体領域認識ステップにおいては、第1表示体の表示領域が認識される。第1表示体移動ステップにおいては、入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で入力位置が状態認識範囲の範囲内を移動したときに、入力位置の移動に連動して第1表示体が、状態認識範囲の範囲内で移動させられる。第1表示体位置認識ステップにおいては、第1表示体の位置が認識される。状態設定ステップにおいては、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。キャラクタ動作ステップにおいては、入力位置が状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、状態設定ステップにおいて設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタが動作させられる。
【発明の効果】
【0049】
本発明では、第1表示体の表示領域の内部に位置する入力位置が状態認識範囲の範囲内で移動することにより、入力位置の移動に連動して第1表示体を状態認識範囲の範囲内で移動させることができる。そして、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態を設定することができる。これにより、プレイヤは、接触入力式のモニタに設定された状態認識範囲内において、接触入力式のモニタに表示された第1表示体を指示手段で移動させるだけで、キャラクタの動作の状態を設定することができるので、キャラクタに対する動作設定を迅速に行うことができる。
【0050】
また、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動して、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した場合に、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると、キャラクタの動作の状態と、入力位置と第2表示体との位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させることができる。これにより、プレイヤは、指示手段を第2表示体の表示領域の内部に位置させるだけで、キャラクタの動作の状態と、指示手段のモニタ接触位置と第2表示体との位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させることができるので、キャラクタに対する動作設定を迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1の外観図である。また、図2は、携帯ゲーム機1の一例としての制御ブロック図である。
【0052】
携帯ゲーム機1は、図1に示すように、主に、本体2と、液晶モニタ部3と、入力部4と、カートリッジ装着部5と、通信部23とを有している。本体2は、上部筐体2aと下部筐体2bとを有している。上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。液晶モニタ部3は、上部筐体2aに設けられた第1液晶モニタすなわち上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた第2液晶モニタすなわち下部液晶モニタ3bとからなっている。ここでは、たとえば、上部液晶モニタ3aが非接触入力式のモニタすなわち非タッチパネル式のモニタになっており、下部液晶モニタ3bが接触入力式のモニタすなわちタッチパネル式のモニタになっている。非タッチパネル式のモニタは液晶パネルからなっており、タッチパネル式のモニタは液晶パネルとタッチパネルとからなっている。タッチパネル式のモニタでは、液晶パネルの表示面とタッチパネルのデータ入力面とは、積層一体型に構成されている。入力部4は、下部筐体2bの左側中央部に配置された十字状の方向指示釦4aと、下部筐体2bの左側上部に左右に配置されたセレクト釦4bおよびスタート釦4cと、下部筐体2bの右側中央部に配置された指示釦4dと、下部筐体2bの右側上部に配置された電源釦4eと、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gとからなっている。カートリッジ装着部5は下部筐体2bの下部に設けられている。このカートリッジ装着部5には、たとえばゲーム用カートリッジが装着可能になっている。通信部23は、本体2たとえば上部筐体2aに内蔵されている。この通信部23においては、たとえば、ローカルワイヤレスネットーワーク機能や、ワイヤレスLANによるインターネット接続機能等が提供される。なお、ゲーム機1には、音量調整用釦やイヤホンジャック等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
【0053】
携帯ゲーム機1は、図2に示すように、制御装置10を内部に有している。制御装置10は、マイクロプロセッサを利用したCPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像処理回路14と、サウンド処理回路15と、通信制御回路20とが、バス16を介してそれぞれ接続されている。
【0054】
CPU11は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。ROM12は、ゲーム機1の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。RAM13は、CPU11に対する作業領域を確保する。画像処理回路14は、CPU11からの描画指示に応じて液晶モニタ部3を制御して、上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bの少なくともいずれか一方に所定の画像を表示する。また、画像処理回路14にはタッチ入力検出回路14aが含まれている。タッチパネルに指示手段たとえばタッチペンや指等を直接的に接触させたときに、接触位置の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、接触位置がCPU11に認識される。また、液晶パネルに表示された対象物の位置において、タッチパネルに指示手段を直接的に接触させると、対象物の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、対象物がCPUに認識される。サウンド処理回路15は、CPU11からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ22に出力する。通信制御回路20は、通信部23に含まれており、ゲーム機1を他のゲーム機等にワイヤレスで接続するために用いられる。通信制御回路20は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1をローカルワイヤレスネットーワーク又はワイヤレスLANによるインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。
【0055】
バス16には、制御装置10とは別体の外部記憶装置17が接続される。たとえば、外部記憶装置17には本体2たとえば下部筐体2bに着脱自在に装着されるゲーム用カートリッジ等がある。外部記憶装置17の内部には、記憶媒体としてのROM18と、書き換え可能なユーザ用メモリとしてのメモリ19が設けられる。ROM18には、コンピュータとしてのゲーム機1を機能させるためのゲームプログラムと、ゲームプログラムの実行に必要な各種データとが予め記録されている。この各種データには、各種の画像データ等が含まれている。メモリ19には、たとえばフラッシュメモリのような書き換え可能なメモリが使用される。このメモリ19には、たとえば、ゲームのセーブデータ等が必要に応じて記録される。なお、外部記憶装置17の記憶媒体には、半導体記憶素子に限らず、磁気記憶媒体、光学式記憶媒体、光磁気記憶媒体等の各種の記憶媒体を使用してもよい。なお、バス16と各要素との間には必要に応じてインターフェース回路が介在しているが、ここではそれらの図示は省略した。
【0056】
以上のような構成のゲーム機1では、外部記憶装置17のROM18に記録されたゲームプログラムがロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、プレイヤは様々なジャンルのゲームを液晶モニタ部3上で遊戯することができる。また、通信制御回路20を介して、ワイヤレスネットワークにゲーム機1を接続したり、他のゲーム機と通信ケーブル等を介して接続したりすることで、他のゲーム機との間でデータのやり取りや対戦型のゲームを行うことができる。
【0057】
〔ゲーム装置における各種手段の説明〕
ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。ゲーム機1では、接触入力式のモニタすなわち液晶モニタ部3の下部液晶モニタ3bに表示された打者キャラクタ80に打撃に関する動作を設定することができるようになっている。このゲーム機1では、打者キャラクタ80の動作設定に応じて、投手キャラクタ81から送出されたボールキャラクタ82の移動状態を変化させることができるようになっている。図3は、本発明で主要な役割を果たす打者動作設定システムの各種機能を説明するための機能ブロック図である。
【0058】
入力位置認識手段50は、接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、入力信号に対応する接触入力式のモニタ上の入力位置を認識する機能を備えている。入力位置認識手段50では、接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、入力信号に対応する接触入力式のモニタ上の入力位置が認識される。
【0059】
この手段では、指示手段たとえばタッチペンや指等が下部液晶モニタ3bに接触しているときに、下部液晶モニタ3bのタッチパネルからの入力信号がCPU11に発行され認識される。すると、下部液晶モニタ3bのタッチパネルにおける指示手段の接触位置がCPU11に認識される。具体的には、指示手段が下部液晶モニタ3bのタッチパネルに接触している位置を示す位置座標データが、タッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、CPU11に認識される。
【0060】
キャラクタ表示手段51は、キャラクタを接触入力式のモニタに表示する機能を備えている。キャラクタ表示手段51では、キャラクタが接触入力式のモニタに表示される。
【0061】
この手段では、キャラクタたとえば打者キャラクタ80および投手キャラクタ81が下部液晶モニタ3bに表示される。打者キャラクタ80にはバットキャラクタ90が含まれている。ここでは、打者キャラクタ80に対応する(バット用画像データを含む)打者用画像データおよび投手キャラクタ81に対応する投手用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13に格納される。そして、打者用画像データを下部液晶モニタ3bに表示するための打者用座標データおよび投手用画像データを下部液晶モニタ3bに表示するための投手用座標データが、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13に格納される。このときに、打者用画像データと打者用座標データとがCPU11に認識される。そして、投手用画像データと投手用座標データとがCPU11に認識される。すると、RAM13に格納された打者用画像データおよび投手用画像データが、CPU11からの指示に基づいて、画像処理回路14を介して下部液晶モニタ3bに供給される。そして、打者用画像データおよび投手用画像データが、打者用座標データおよび投手用座標データに基づいて、下部液晶モニタ3bの所定の位置に表示される。
【0062】
状態認識範囲設定手段52は、キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲Rを、接触入力式のモニタに設定する機能を備えている。状態認識範囲設定手段52では、キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲Rが、接触入力式のモニタに設定される。
【0063】
この手段では、打者キャラクタ80の動作の状態を認識可能な状態認識範囲Rが、下部液晶モニタ3bに設定される。ここでは、状態認識範囲Rが、バットキャラクタ90が下部液晶モニタ3bの表示された部分(バットキャラクタ表示部)に設定されている。具体的には、バットキャラクタ表示部の一端側から他端側までの範囲内の内部座標データがCPU11に認識され、この内部座標データに対応する範囲が、状態認識範囲RとしてCPU11により下部液晶モニタ3bに設定される。
【0064】
第1表示体表示手段53は、状態認識範囲Rの範囲内で移動可能な第1表示体を、接触入力式のモニタに表示する機能を備えている。第1表示体表示手段53では、状態認識範囲Rの範囲内で移動可能な第1表示体が、接触入力式のモニタに表示される。
【0065】
この手段では、状態認識範囲Rの範囲内で移動可能な第1表示体が、下部液晶モニタ3bに表示される。ここでは、第1表示体に対応する第1表示体用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13に格納される。このときに、第1表示体用画像データがCPU11に認識される。すると、RAM13に格納された第1表示体用画像データが、CPU11からの指示に基づいて、画像処理回路14を介して下部液晶モニタ3bに供給され、CPU11により下部液晶モニタ3bに設定された状態認識範囲Rの範囲内に表示される。この第1表示体用画像データは、CPU11に制御され、状態認識範囲Rの範囲内において移動可能になっている。
【0066】
第1表示体領域認識手段54は、第1表示体の表示領域を認識する機能を備えている。第1表示体領域認識手段54では、第1表示体の表示領域が認識される。
【0067】
この手段では、状態認識範囲Rの範囲内に表示された第1表示体用画像データの表示領域が、CPU11に認識される。具体的には、下部液晶モニタ3bの状態認識範囲Rの範囲内に表示された第1表示体用画像データの表示領域の内部座標データが、CPU11に認識される。第1表示体用画像データが状態認識範囲Rの範囲内において移動した場合には、第1表示体用画像データの表示領域の内部座標データが、CPU11に連続的に認識される。
【0068】
第1表示体移動手段55は、入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で入力位置が状態認識範囲Rの範囲内を移動したときに、入力位置の移動に連動して第1表示体を状態認識範囲Rの範囲内で移動させる機能を備えている。第1表示体移動手段55では、入力位置が第1表示体の表示領域の内部に位置した状態で入力位置が状態認識範囲Rの範囲内を移動したときに、入力位置の移動に連動して第1表示体が状態認識範囲Rの範囲内で移動させられる。
【0069】
この手段では、指示手段を下部液晶モニタ3bに表示された第1表示体用画像データの表示領域の内部に接触させ状態認識範囲Rの範囲内で移動させると、入力位置認識手段50において指示手段のモニタ接触位置がCPU11に連続的に認識される。すると、指示手段のモニタ接触位置の移動に連動して、第1表示体用画像データが状態認識範囲Rの範囲内でCPU11により連続的に移動させられる。具体的には、指示手段の位置座標データが下部液晶モニタ3bに表示された第1表示体用画像データの内部座標データのいずれか1つに一致した状態で、指示手段の位置座標データが状態認識範囲Rの範囲内で移動すると、入力位置認識手段50において指示手段の位置座標データがCPU11に連続的に認識される。すると、CPU11に連続的に認識される指示手段の位置座標データの移動量に基づいて、第1表示体用画像データが状態認識範囲Rの範囲内でCPU11により連続的に移動させられる。
【0070】
第1表示体位置認識手段56は、第1表示体の位置を認識する機能を備えている。第1表示体位置認識手段56では、第1表示体の位置が認識される。
【0071】
この手段では、第1表示体用画像データの位置がCPU11に認識される。具体的には、第1表示体用画像データの位置座標データがCPU11に認識される。たとえば、第1表示体用画像データが状態認識範囲Rの範囲内でCPU11により連続的に移動させられるような場合は、移動中および移動後の第1表示体用画像データの位置座標データが、CPU11に認識される。なお、第1表示体用画像データの位置座標データとしては、たとえば、第1表示体用画像データの重心位置の座標データが用いられる。
【0072】
状態設定手段は、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態を設定する機能を備えている。状態設定手段では、第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。
【0073】
この手段では、第1表示体位置認識手段56において第1表示体の位置が認識されると、この第1表示体の位置に応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。具体的には、第1表示体位置認識手段56において第1表示体用画像データの位置座標データがCPU11に認識されると、第1表示体用画像データの位置座標データに応じて、キャラクタの動作の状態が設定される。
【0074】
たとえば、本野球ゲームでは、打者キャラクタ80の動作の状態たとえばスイングの状態が、打者キャラクタ80がバットをボールに当てにいくだけの最小スイングパワーの状態に対応する弱振状態から、打者キャラクタ80が最大スイングパワーでバットを振る状態に対応する強振状態までの間で、多段階に設定可能になっている。ここでは、状態認識範囲Rたとえばバットキャラクタ表示部の一端側から他端側までの範囲が複数に区分されており、この区分された範囲(区分範囲)それぞれに異なるキャラクタの動作の状態たとえばスイングの状態が対応づけられている。たとえば、スイングの状態が6段階に設定され、この6段階のスイングの状態を、バント状態、第1および第2の弱振状態、普通状態、第1および第2の強振状態とした場合、スイング状態は、バント状態、第1弱振状態、第2弱振状態、普通状態、第2強振状態、および第1強振状態の順に、バットキャラクタ表示部の一端側から他端側までの間の6つの区分領域に対応づけられる。そして、第1表示体用画像データの位置座標データがCPU11に認識されたときに、第1表示体用画像データの位置座標データが区分領域内の内部座標データのいずれか1つに一致すると、区分領域に対応するキャラクタの動作の状態たとえばバント状態、第1および第2の弱振状態、普通状態、第1および第2の強振状態のいずれか1つがCPU11に認識されCPU11により設定される。
【0075】
なお、スイングの状態を規定する状態規定データたとえばバント状態、第1弱振状態、第2弱振状態、普通状態、第2強振状態、および第1強振状態を規定する状態規定データは、外部記憶装置17たとえばROM18に予め格納されており、ゲームプログラムのロード時に、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13に格納される。このときに状態規定データがCPU11に認識される。そして、第1表示体用画像データの位置座標データがCPU11に認識されたときに、第1表示体用画像データの位置座標データが含まれる区分領域に対応するキャラクタの動作の状態が、状態規定データに基づいてCPU11に認識される。このようにして、キャラクタの動作の状態が、第1表示体用画像データの位置座標データに応じて設定される。
【0076】
キャラクタ動作手段58は、入力位置が状態認識範囲Rの範囲内から範囲外に移動したときに、状態設定手段において設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタを動作させる機能を備えている。キャラクタ動作手段58では、入力位置が状態認識範囲Rの範囲内から範囲外に移動したときに、状態設定手段において設定されたキャラクタの動作の状態で、キャラクタが動作させられる。
【0077】
この手段では、指示手段を下部液晶モニタ3bに設定された状態認識範囲Rの範囲内から範囲外に移動させると、状態設定手段において設定された動作の状態で、打者キャラクタ80がCPU11により動作させられる。具体的には、指示手段を下部液晶モニタ3bに設定された状態認識範囲Rの範囲内から範囲外に移動させると、指示手段のモニタ接触位置に対応する状態認識範囲Rの範囲外の座標データがCPU11に認識される。すると、CPU11に認識された動作の状態で、打者キャラクタ80を動作させるための動作開始命令がCPU11から発行される。これにより、RAM13に格納された打者用画像データが、画像処理回路14を介して下部液晶モニタ3bに連続的に供給され、打者キャラクタ80が動作する状態が下部液晶モニタ3bに表示される。
【0078】
移動体表示手段59は、移動体を接触入力式のモニタに表示する機能を備えている。移動体表示手段59では、移動体が接触入力式のモニタに表示される。
【0079】
この手段では、移動体たとえば投手キャラクタ81から投げ出されたボールキャラクタ82が、下部液晶モニタ3bに表示される。ここでは、ボールキャラクタ82に対応するボール用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13に格納される。このときに、ボール用画像データがCPU11に認識される。そして、投手キャラクタ81からボールキャラクタ82が投げ出されたときに、RAM13に格納されたボール用画像データが、CPU11からの指示に基づいて、画像処理回路14を介して下部液晶モニタ3bに供給され、下部液晶モニタ3bに表示される。
【0080】
第2表示体表示手段60は、移動体が通過する位置を示す第2表示体を接触入力式のモニタに表示する機能を備えている。第2表示体表示手段60では、移動体が通過する位置を示す第2表示体が接触入力式のモニタに表示される。
【0081】
この手段では、移動体たとえばボールキャラクタ82が通過する予定位置を示す第2表示体が、下部液晶モニタ3bに表示される。ここでは、第2表示体に対応する第2表示体用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13に格納される。このときに、第2表示体用画像データがCPU11に認識される。そして、投手キャラクタ81からボールが投げ出されると、下部液晶モニタ3bに表示された打者キャラクタ80の左側又は右側(ホームベース上方)をボールキャラクタ82が通過する予定位置を示す位置座標が、CPU11により計算される。そして、この位置座標を含む位置座標データに基づいて、RAM13に格納された第2表示体用画像データが、CPU11からの指示に基づいて、画像処理回路14を介して下部液晶モニタ3bに供給され、下部液晶モニタ3bに表示される。この第2表示体用画像データは、CPU11に制御され、下部液晶モニタ3bに表示された打者キャラクタ80の左側又は右側(ホームベース上方)において、ボールキャラクタ82の軌道の変化に連動して移動可能になっている。
【0082】
第2表示体位置認識手段61は、第2表示体の表示領域を認識する機能を備えている。第2表示体位置認識手段61では、第2表示体の表示領域が認識される。
【0083】
この手段では、第2表示体用画像データの表示領域が、CPU11に認識される。具体的には、下部液晶モニタ3bに表示された第2表示体用画像データの表示領域の内部座標データが、CPU11に認識される。第2表示体用画像データが下部液晶モニタ上を移動した場合には、第2表示体用画像データの表示領域の内部座標データが、CPU11に連続的に認識される。
【0084】
位置関係判別手段62は、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置と第2表示体の位置関係を判別する機能を備えている。位置関係判別手段62では、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置と第2表示体の位置関係が判別される。
【0085】
この手段では、指示手段を下部液晶モニタ3bに接触させた状態で、指示手段を下部液晶モニタ3bに表示された第1表示体用画像データから第2表示体用画像データへと移動させたときに、入力位置認識手段50においてCPU11に認識された指示手段の位置座標データと、第2表示体位置認識手段61においてCPU11に認識された第2表示体用画像データの表示領域の内部座標データとに基づいて、指示手段のモニタ接触位置と第2表示体用画像データの表示位置との位置関係がCPU11により判別される。たとえば、指示手段の位置座標データが、第2表示体用画像データの表示領域の内部座標データに含まれるか否かが、CPU11により判別される。また、指示手段の位置座標データが、第2表示体用画像データの表示領域の内部座標データに含まれる場合は、指示手段の位置座標データと第2表示体用画像データの表示領域の中心位置を示す中心座標データとに基づいて、第2表示体用画像データの表示領域の中心位置に対する指示手段のモニタ接触位置の配置状態と、第2表示体用画像データの表示領域の中心位置と指示手段のモニタ接触位置との距離とがCPU11により判別される。
【0086】
時機判断手段63は、位置関係判別手段62において入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置すると判別された場合に、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かを判断する機能を備えている。時機判断手段63では、位置関係判別手段62において入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置すると判別された場合に、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かが判断される。
【0087】
この手段では、位置関係判別手段62において指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置すると判別された場合に、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が第2表示体用画像データの表示位置に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かが判断される。具体的には、指示手段の位置座標データが第2表示体用画像データの表示領域の内部座標データに含まれるとCPU11により判別された場合に、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置した時機(t1)と、ボールキャラクタ82が第2表示体用画像データの表示位置に到達した時機(t2)との差(|t1−t2|)が、所定時間の範囲内であるか否かが判断される。なお、ここで用いられる所定時間は、ゲームプログラムにおいて既定の値に設定されている。この既定の値は、ゲームプログラムのロード時に、外部記憶装置17たとえばROM18から制御装置10たとえばRAM13に供給され、RAM13においてCPU11に認識される。
【0088】
軌跡認識手段64は、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置の軌跡を認識する機能を備えている。軌跡認識手段64では、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動したときに、入力位置の軌跡が認識される。
【0089】
この手段では、指示手段を下部液晶モニタ3bに接触させた状態で、指示手段を第1表示体用画像データから第2表示体用画像データへと移動させると、指示手段の位置座標データがCPU11に連続的に認識される。この指示手段の位置座標データに基づいて、指示手段を下部液晶モニタ3b上で接触移動させたときに下部液晶モニタ3b上に形成される軌跡が、CPU11に認識される。そして、指示手段の位置座標データがCPU11に認識された状態では、軌跡の形成位置がCPU11に認識される。
【0090】
軌跡表示手段65は、軌跡認識手段64において認識された軌跡を接触入力式のモニタに表示する機能を備えている。軌跡表示手段65では、軌跡認識手段64において認識された軌跡が、接触入力式のモニタに表示される。
【0091】
この手段では、軌跡認識手段64において認識された軌跡が、下部液晶モニタ3bに表示される。具体的には、CPU11に連続的に認識される指示手段の位置座標データに基づいて、位置座標データを結ぶ線分が連続的に下部液晶モニタ3bに表示される。言い換えると、タッチペンの移動経路を示す軌跡が、指示手段のモニタ接触位置に追随するように、下部液晶モニタ3bに表示される。
【0092】
軌跡形成位置判別手段66は、軌跡認識機能において認識された軌跡が接触入力式のモニタに形成された形成位置を判別する機能を備えている。軌跡形成位置判別手段66では、軌跡認識機能において認識された軌跡が接触入力式のモニタに形成された形成位置が判別される。
【0093】
この手段では、軌跡認識機能においてCPU11に認識された軌跡が下部液晶モニタ3bに形成された形成位置が、CPU11により判別される。具体的には、指示手段の位置座標データに基づいてCPU11に認識された軌跡の形成位置が、たとえば第1表示体用画像データの位置座標データおよび第2表示体用画像データの位置座標データにより規定される位置を基準としてCPU11に認識される。第1表示体用画像データの位置座標データおよび第2表示体用画像データの位置座標データにより規定される位置は、たとえば第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の形成位置となっている。第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の形成位置は、第1表示体用画像データの位置座標データと第2表示体用画像データの位置座標データとに基づいてCPU11により計算される。そして、第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の形成位置と軌跡の形成位置との位置関係が、CPU11により判別される。たとえば、第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の形成位置と軌跡の形成位置との離間距離が、CPU11に計算され、CPU11に判別される。
【0094】
第1状態変更手段67は、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、状態設定手段において設定されたキャラクタの動作の状態と位置関係判別手段62において判別された位置関係とに応じて、移動体の移動状態を変化させる機能を備えている。第1状態変更手段67では、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、状態設定手段において設定されたキャラクタの動作の状態と位置関係判別手段62において判別された位置関係とに応じて、移動体の移動状態が変化させられる。
【0095】
この手段では、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が第2表示体用画像データの表示位置に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するとCPU11に判断された場合に、打者キャラクタ80の動作の状態と指示手段のモニタ接触位置および第2表示体用画像データの表示位置の位置関係とに応じて、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。具体的には、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置した時機(t1)と、ボールキャラクタ82が第2表示体用画像データの表示位置に到達した時機(t2)との差の絶対値(|t1−t2|)が、所定時間の絶対値の値より小さいとCPU11に判断された場合に、打者キャラクタ80の動作の状態と、第2表示体画像データの表示領域の中心位置に対する指示手段のモニタ接触位置の配置状態と、指示手段のモニタ接触位置と第2表示体用画像データの表示領域の中心位置との距離とに応じて、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。
【0096】
ここで、たとえば、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の中心位置に位置するとCPU11により判別された場合、打者キャラクタ80がボールキャラクタ82をジャストミートしたとCPU11に判断される。すると、投手キャラクタ81から第2表示体へと移動してきたボールキャラクタ82の移動方向が、CPU11からの命令に基づいて反転させられる。そして、ボールキャラクタ82が、投手キャラクタ81側(フィールド側)にCPU11によりたとえばライナー状態で移動させられる。このようにして、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。
【0097】
第1状態変更手段67には、第2状態変更手段68が含まれている。
第2状態変更手段68は、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、軌跡形成位置判別機能において判別された軌跡の形成位置に応じて、移動体の移動状態を変化させる機能を備えている。第2状態変更手段68では、入力位置が第2表示体の表示領域の内部に位置した時機が、移動体が第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、軌跡形成位置判別機能において判別された軌跡の形成位置において判別された位置関係に応じて、移動体の移動状態が変化させられる。
【0098】
この手段では、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が第2表示体用画像データの表示位置に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するとCPU11に判断された場合に、軌跡の形成位置に応じて、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。具体的には、指示手段のモニタ接触位置が第2表示体用画像データの表示領域の内部に位置した時機(t1)と、ボールキャラクタ82が第2表示体用画像データの表示位置に到達した時機(t2)との差の絶対値(|t1−t2|)が、所定時間の絶対値の値より小さいとCPU11に判断された場合に、第1表示体と第2表示体とを結ぶ線分の形成位置と軌跡の形成位置との位置関係に応じて、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。ここで用いられる所定の時間間隔は、ゲームプログラムにおいて予め設定されている。
【0099】
たとえば、第1表示体用画像データの位置座標データと第2表示体用画像データの位置座標データとから求められる線分の形成位置に、軌跡の形成位置が形成された場合、CPU11からの指示に基づいて、打者キャラクタ80に水平スイングをさせることができる。そして、投手キャラクタ81から第2表示体へと移動してきたボールキャラクタ82の移動方向が、CPU11からの命令に基づいて反転させられる。そして、ボールキャラクタ82が、投手キャラクタ81側(フィールド側)にCPU11によりたとえばライナー状態で移動させられる。このようにして、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。一方で、第1表示体用画像データの位置座標データと第2表示体用画像データの位置座標データとから求められる線分の形成位置の上方又は下方に、軌跡の形成位置が形成された場合、CPU11からの指示に基づいて、打者キャラクタ80にダウンスイング又はアッパースイングをさせることができる。そして、投手キャラクタ81から第2表示体へと移動してきたボールキャラクタ82の移動方向が、CPU11からの命令に基づいて反転させられる。そして、ボールキャラクタ82が、投手キャラクタ81側(フィールド側)にCPU11によりたとえばライナー状態、ゴロ状態、又はフライ状態で移動させられる。このようにして、ボールキャラクタ82の移動状態がCPU11により変化させられる。
【0100】
移動方向認識手段69は、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動しているときに、入力位置の移動方向を認識する機能を備えている。移動方向認識手段69では、入力位置が第1表示体から第2表示体に移動しているときに、入力位置の移動方向が認識される。
【0101】
この手段では、指示手段を下部液晶モニタ3bに接触させた状態で、指示手段を第1表示体用画像データから第2表示体用画像データへと移動させているときに、指示手段の位置座標データがCPU11に連続的に認識される。この指示手段の位置座標データに含まれる隣接する2つの位置座標を用いることにより、指示手段の移動方向ベクトルがCPU11により連続的に計算される。これにより、指示手段の移動方向がCPU11に連続的に認識される。
【0102】
変化量算出手段70は、移動方向の変化量を算出する機能を備えている。変化量算出手段70では、移動方向の変化量が算出される。
【0103】
この手段では、指示手段の移動方向の変化量がCPU11により算出される。具体的には、移動方向の変化量たとえば2つの移動方向ベクトルがなす角度は、逆三角関数(x=arccos(y))に基づいて計算される。この逆三角関数におけるパラメータyは、連続的に計算された2つの移動方向ベクトルを用いることで、CPU11により計算される。このように、パラメータyがCPU11により計算されることにより、2つの移動方向ベクトルがなす角度xが、CPU11により求められる。
【0104】
動作指示解除手段71は、変化量算出手段70において算出された変化量に応じて、キャラクタへの動作指示を解除する機能を備えている。動作指示解除手段71では、変化量算出手段70において算出された変化量に応じて、キャラクタへの動作指示が解除される。
【0105】
この手段では、変化量算出手段70においてCPU11により算出された変化量に応じて、キャラクタへの動作指示が解除される。具体的には、CPU11により求められた角度xがたとえば90度以上180以下の範囲にある場合、キャラクタへの動作指示がCPU11により解除される。
【0106】
〔野球ゲームにおける打者動作設定システムの概要説明〕
本実施形態の野球ゲームの打者動作設定システムの概要について説明する。打者動作設定システムは、打者キャラクタ80に打撃に関する動作設定を行うためのものである。この打者動作設定システムは、主に、上記の各種手段によって実現される。
【0107】
本野球ゲームでは、接触入力式のモニタすなわち液晶モニタ部3の下部液晶モニタ3b(タッチパネル式のモニタ)に表示された打者キャラクタ80に打撃に関する動作設定を行うことができるようになっている。そして、打者キャラクタ80の打撃に関する動作設定に応じて、投手キャラクタ81から送出されたボールキャラクタ(移動体)82の移動状態を変化させることができるようになっている。すなわち、打者キャラクタ80が、投手キャラクタ81から送出されたボールキャラクタ82を打ち返すことができるようになっている。
【0108】
図4は、本野球ゲームにおいて、攻撃時の初期画面である。この画面は、下部液晶モニタ3bに表示される。
【0109】
下部液晶モニタ3bの上部には、投手キャラクタ81が表示されている。下部液晶モニタ3bの下部中央には、ホームベースキャラクタ83が表示されており、下部液晶モニタ3bの下部右側には、打者キャラクタ80が表示されている。下部液晶モニタ3bの中央部下方すなわちホームベースキャラクタ83の上方には、ストライクゾーン84を示す矩形枠が表示されている。また、図5に示すように、投手キャラクタ81からボールが投げ出されたときには、ボールキャラクタ82が、投手キャラクタ81と打者キャラクタ80との間において、下部液晶モニタ3bに表示される。このときに、打者キャラクタ80の近傍すなわち打者キャラクタ80の左側近傍をボールが通過する予定位置を示す着弾点(第2表示体)85が、下部液晶モニタ3bに表示される。着弾点85は、X字印を内部に含む丸記号で下部液晶モニタ3bに表示されており、丸記号が表示された表示領域が、制御部たとえばCPU11に認識されている。着弾点85は、投手キャラクタ81からボールが投げ出されたときに、下部液晶モニタ3bに表示されるようになっている。この着弾点85は、投手キャラクタ81から投げ出されたボールキャラクタ82の軌道の変化に連動して、下部液晶モニタ3bにおいて移動するようになっている。
【0110】
打者キャラクタ80には、バットキャラクタ90が含まれている。図6に示すように、下部液晶モニタ3bに表示されたバットキャラクタ90の一端側(グリップ側)90aから他端側(先端側)90bまでの間の範囲(状態認識範囲)Rには、打者キャラクタ80の動作の状態を設定するためのポインタ(第1表示体)91が表示されている。このポインタ91は丸記号で下部液晶モニタ3bに表示されており、丸記号が表示された表示領域が、制御部たとえばCPU11に認識されている。また、ポインタ91は、バットキャラクタ90のグリップ側から先端側までの間の範囲(状態認識範囲)Rで移動自在になっている。たとえば、指示手段たとえばタッチペンをポインタ91の表示領域の内部に接触させた状態で、タッチペンをバットキャラクタ90の長手方向に移動させることにより、ポインタ91をバットキャラクタ90のグリップ側から先端側までの間の範囲(状態認識範囲)Rで移動させることができる。そして、状態認識範囲Rにおいてポインタ91を位置決めした位置に応じて、打者キャラクタ80の動作の状態を設定することができるようになっている。
【0111】
状態認識範囲Rは、たとえば6つの区分領域R0,R1,R2,R3,R4,R5に分割されている。各区分領域R0,R1,R2,R3,R4,R5には、打者キャラクタ80の異なる動作の状態たとえば異なるスイングの状態が対応づけられている。ここでは、スイングの状態として、バント状態、第1弱振状態、第2弱振状態、普通状態、第2強振状態、および第1強振状態が用意されている。各状態は、バント状態、第1弱振状態、第2弱振状態、普通状態、第2強振状態、および第1強振状態の順に、バットキャラクタ90のグリップ側からバットの先端側までの間の6つの区分領域R0,R1,R2,R3,R4,R5それぞれに対応づけられている。そして、状態認識範囲Rにおいてポインタ91を位置決めしたときに、ポインタ91が含まれる区分領域に対応する状態が、打者キャラクタ80に設定される。すると、打者キャラクタ80を所望のスイングの状態で動作させることができるようになる。たとえば、グリップの位置R0にポインタ91を位置決めすると、打者キャラクタ80にバント動作をさせることができる。また、第1弱振状態、第2弱振状態、普通状態、第2強振状態、および第1強振状態の順に、打者キャラクタ80に早いスイング動作をさせることができる。すなわち、バットキャラクタ90の先端R5側にポインタ91を位置決めすればするほど、打者キャラクタ80を、下部液晶モニタ3bにおいて早いスイングの状態で動作させることができる。ここで、打者キャラクタ80を下部液晶モニタ3bにおいて動作させるときの描画スピードは、打者キャラクタ80ごとに、ゲームプログラムにおいて予め設定されている。なお、スイングの状態は、打者キャラクタ80の動作に対してだけでなく、後述するように、打者キャラクタ80がボールキャラクタ82を捉えた後のボールキャラクタ82の移動状態に対しても、影響を与える。
【0112】
このようにスイングの状態を打者キャラクタ80に設定した後に、図7に示すようにタッチペンを状態認識範囲Rの範囲内から範囲外へと移動させると、設定されたスイングの状態で、打者キャラクタ80を動作させることができる。たとえば、ポインタ91をタッチペンにより状態認識範囲Rの範囲内で移動させて、ポインタ91を状態認識範囲Rの中央(バットキャラクタ90のグリップ側と先端側との間の範囲の中央)の区分領域R3に位置させた場合、打者キャラクタ80に普通状態のスイングをさせるための設定を行うことができる。そして、タッチペンを状態認識範囲Rの範囲内から範囲外へと移動させることにより、打者キャラクタ80に普通状態のスイングスピードでスイングさせることができる。また、ポインタ91をバットキャラクタ90のグリップ近傍の区分領域R1に位置させた後に、タッチペンを状態認識範囲Rの範囲内から範囲外へと移動させることにより、打者キャラクタ80に第1弱振状態すなわち最も遅いスイングスピードでスイングさせることができる。同様に、ポインタ91をバットキャラクタ90の先端部近傍の区分領域R5に位置させた後に、タッチペンを状態認識範囲Rの範囲内から範囲外へと移動させることにより、打者キャラクタ80に第1強振状態すなわち最も遅いスイングスピードでスイングさせることができる。さらに、ポインタ91をバットキャラクタ90のグリップ部の区分領域R0に位置させた後に、タッチペンを状態認識範囲Rの範囲内から範囲外へと移動させることにより、打者キャラクタ80にバント動作をさせることができる。
【0113】
このようにタッチペンを状態認識範囲Rの範囲内から範囲外へと移動させた後、図7に示すように、タッチペンを下部液晶モニタ3bに接触させた状態でポインタ91から着弾点85に向けて移動させると、タッチペンのモニタ接触位置に追随するように、タッチペンの移動経路を示す移動軌跡92が下部液晶モニタ3bに表示される。そして、タッチペンのモニタ接触位置が着弾点85の表示領域の内部に位置した場合、タッチペンの移動軌跡92が形成された位置が、制御部たとえばCPU11に認識される。この移動軌跡92の形成位置に基づいて、スイングする打者キャラクタ80の動作の状態が下部液晶モニタ3bに表示される。たとえば、移動軌跡92aがポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分の位置に形成された場合、略水平にスイングする打者キャラクタ80の動作の状態が、下部液晶モニタ3bに表示される。また、移動軌跡92bがポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分より下方に形成された場合、アッパースイングする打者キャラクタ80の動作の状態が、下部液晶モニタ3bに表示される。さらに、移動軌跡92cがポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分より上方に形成された場合、ダウンスイングする打者キャラクタ80の動作の状態が、下部液晶モニタ3bに表示される。ここでは、移動軌跡92がポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分の位置から離れれば離れるほど、アッパースイングやダウンスイングする打者キャラクタ80の動作の程度たとえばアッパースイングやダウンスイングの程度が大きくなるようになっている。
【0114】
また、図8に示すように、タッチペンを下部液晶モニタ3bに接触させた状態でポインタ91から着弾点85に向けて移動させているときには、タッチペンのモニタ接触位置の移動方向ベクトルa1,a2が、制御部たとえばCPU11により計算されている。そして、この移動方向ベクトルa1,a2,(a2,a3)に基づいて、移動方向の変化量たとえば変化角度α1(α2)がCPU11により算出されている。ここで算出された変化角度に応じて、打者キャラクタ80への打撃に関する動作設定を解除することができるようになっている。たとえば、隣接する3つのモニタ接触位置の位置座標A1(x1,y1),A2(x2,y2),A3(x3,y3),(A1(x1,y1),A2(x2,y2),A3’(x4,y4))を用いることにより移動方向ベクトルa1,a2,(a2,a3)が連続的に算出され、連続する2つの移動方向ベクトルがなす変化角度α1(α2)を逆三角関数を用いて算出することができる。このようにして算出される変化角度が、たとえば90度以上180以下の範囲にある場合(α2の場合)、キャラクタへの打撃に関する動作設定が解除される。これにより、打者キャラクタ80にバットを寸止めさせたり、打者キャラクタ80にフェイントのためのスイングをさせたりすることができる。また、タッチペンを誤って移動させてしまったり、タッチペンの移動タイミングを誤ってしまったりしたときに、スイング中の打者キャラクタの動作を中止することができる。一方で、変化角度が、たとえば90度未満の範囲にある場合(α1の場合)、キャラクタへの打撃に関する動作設定が維持される。
【0115】
タッチペンのモニタ接触位置100を着弾点85の表示領域の内部に所定のタイミングで位置させることができると(図9を参照)、ボールキャラクタ82をバットにより打ち返すことができる。タッチペンのモニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置した場合、モニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が着弾点85に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かが判断される。そして、モニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が着弾点85に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合、打者キャラクタ80の動作の状態、タッチペンの移動軌跡92の形成位置、およびタッチペンのモニタ接触位置100と着弾点85との位置関係に応じて、ボールキャラクタ82の移動状態が変化するようになっている。たとえば、投手キャラクタ81から着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82の移動方向が、着弾点85からフィールド側へと変化する。
【0116】
たとえば、打者キャラクタ80の動作の状態たとえばスイングの状態が異なると、ボールキャラクタ82の移動状態たとえばボールキャラクタ82の移動速度が変化するようになっている。ここでは、ボールキャラクタ82の移動速度は、ゲームプログラムにおいて予め多段階たとえば6段階に設定されている。6段階に設定された移動速度のそれぞれは、遅いものから順番に、バント状態、第1弱振状態、第2弱振状態、普通状態、第2強振状態、および第1強振状態に関連付けられている。これにより、打者キャラクタ80によりボールキャラクタ82が打ち返されたときには、打者キャラクタ80に設定されたスイングの状態に対応する移動速度で、ボールキャラクタ82はフィールドを移動する。なお、スイングの状態が普通状態から第1強振状態までのいずれかの状態に設定されている場合、打者キャラクタ80が強振してボールを強く捉えることになり、打ち返されたボールキャラクタ82の移動速度は早くなるようになっている。一方で、スイングの状態が第1弱振状態および第2弱振状態までのいずれかの状態に設定されている場合、打者キャラクタ80が弱振してボールを弱く捉えることになり、打ち返されたボールキャラクタ82の移動速度は遅くなるようになっている。ここで、打者キャラクタ80が弱振してボールを弱く捉えるという動作は、打者キャラクタ80がバットをボールを当てにいくといった動作を含んでいる。
【0117】
たとえば、タッチペンの移動軌跡92の形成位置が異なると、ボールキャラクタ82の移動状態たとえばボールキャラクタ82の移動形態が変化するようになっている。移動軌跡92aがポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分の位置に形成された場合は、打者キャラクタ80がバットをほぼ水平にスイングしたことになるので、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、ライナー状態でフィールド側に打ち返される傾向が強くなる。なお、ポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分は、線分の直交方向に所定幅たとえば上下8ドットの幅を有している。また、タッチペンの移動軌跡92bの形成位置がポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分より下方に形成された場合、打者キャラクタ80がアッパースイングしたことになるので、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、ライナー状態又はフライ状態でフィールド側に打ち返される傾向が強くなる。さらに、タッチペンの移動軌跡92cの形成位置がポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分より上方に形成された場合、打者キャラクタ80がダウンスイングしたことになるので、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、ゴロの状態でフィールド側に打ち返される傾向が強くなる。
【0118】
たとえば、タッチペンのモニタ接触位置100と着弾点85との位置関係が異なると、ボールキャラクタ82の移動形態が変化するようになっている。タッチペンのモニタ接触位置100と着弾点85との位置関係は、着弾点85の中心位置85aに対するモニタ接触位置100の配置状態、およびモニタ接触位置100と着弾点85の中心位置85aとの距離rに基づいて、制御部たとえばCPU11に認識される。たとえば、図9に示すように、モニタ接触位置100aが着弾点85の中心位置85aに位置する場合、打者キャラクタ80がボールをジャストミートしたことになるので、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82がヒット性のライナー状態又はゴロ状態で打ち返される。また、モニタ接触位置100bと着弾点85の中心位置85aとの距離が所定の距離未満たとえば着弾点85の表示領域の半径未満になるような位置に、モニタ接触位置100bが位置する場合、モニタ接触位置100bが着弾点85の中心位置85aから離れていても、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、ヒット性のライナー状態又はゴロ状態で打ち返される。一方で、モニタ接触位置100cと着弾点85の中心位置85aとの距離が所定の距離以上たとえば着弾点85の表示領域の半径以上になるような位置に、モニタ接触位置100cが位置する場合、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、凡打性のフライ状態又はゴロ状態で打ち返される。たとえば、モニタ接触位置100cが着弾点85の中心位置85aを基準として着弾点85の中心位置85aの上方に位置する場合、バットがボールの上側を捉えたことになるので、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、凡打性のゴロ状態で打ち返される。そして、モニタ接触位置100c’が、着弾点85の中心位置85aを基準として着弾点85の中心位置85aの下方に位置する場合、バットがボールの下側を捉えたことになるので、着弾点85に進向してきたボールキャラクタ82は、凡打性のフライ状態で打ち返される。
【0119】
〔野球ゲームにおける打者動作設定システムに関する処理フロー〕
本実施形態の野球ゲームの打者動作設定システムに関する処理フローを、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
【0120】
プレイヤが指揮するチームの攻撃時には、まず、打者キャラクタ80と投手キャラクタ81とが下部液晶モニタ3bに表示される(S1)。このときに、バットキャラクタ90のグリップ側から先端側までの間の範囲が、打者キャラクタ80の動作の状態を認識可能な状態認識範囲Rとして、下部液晶モニタ3bに設定される(S2)。そして、状態認識範囲Rの範囲内で移動可能なポインタ91が下部液晶モニタ3bに表示され、ポインタ91の表示領域がCPU11に認識される(S3)。
【0121】
次に、ポインタ91の表示領域の内部にタッチペンを位置させた状態でタッチペンのモニタ接触位置が状態認識範囲Rの範囲内で移動すると、タッチペンのモニタ接触位置の移動に連動してポインタ91が状態認識範囲Rの範囲内で移動する(S4)。このときに、ポインタ91が状態認識範囲Rに位置する位置がCPU11に認識される(S5)。すると、ポインタ91が状態認識範囲Rに位置する位置に応じて、打者キャラクタ80のスイングの状態が設定される(S6)。
【0122】
続いて、投手キャラクタ81からボールが送出されると(S7)、ボールキャラクタ82が下部液晶モニタ3bに表示される(S8)。同時に、ボールキャラクタ82が通過する予想位置を示す着弾点85が、下部液晶モニタ3bに表示される(S9)。そして、ボールキャラクタ82の移動に連動して着弾点85が移動し、このときの着弾点85の表示領域がCPU11に認識される(S10)。
【0123】
続いて、モニタ接触位置が状態認識範囲Rの範囲内から範囲外に移動すると(S11)、設定されたスイングの状態で、打者キャラクタ80が動作を開始しはじめる(S12)。そして、タッチペンによりモニタ接触位置をポインタ91から着弾点85に向けて移動させると、モニタ接触位置の移動経路を示す軌跡92が、CPU11に認識され下部液晶モニタ3bに表示される(S13)。このときに、モニタ接触位置の移動方向がCPU11により計算され(S14)、移動方向の変化角度がCPU11により算出される(S15)。そして、変化角度が所定の範囲内たとえば90度以上180度以下の範囲内にあるか否かがCPU11により判断される(S16)。変化角度が所定の範囲たとえば90度以上180度以下の範囲にあると判断された場合(S16でYes)、打者キャラクタ80への動作設定がCPU11により解除される(S17)。すなわち、動作中の打者キャラクタ80は動作を中止する。具体的には、打者キャラクタ80がハーフスイングをしたことになる。一方で、変化角度が所定の範囲たとえば90度以上180度以下の範囲にないと判断された場合(S16でNo)、打者キャラクタ80の動作設定は維持される(S18)。
【0124】
続いて、タッチペンのモニタ接触位置100と着弾点85との位置関係がCPU11により判別される。ここでは、タッチペンのモニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置するか否かがCPU11により判断される(S19)。タッチペンのモニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置するとCPU11により判断された場合(S19でYes)、軌跡92の形成位置が、ポインタ91と着弾点85とを結ぶ線分の位置を基準にして、CPU11に認識される(S20)。また、着弾点85の中心位置85aに対するモニタ接触位置100の配置状態がCPU11に認識され(S21)、モニタ接触位置100と着弾点85の中心座標との距離がCPU11により計算される(S22)。そして、タッチペンのモニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が着弾点85に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かがCPU11により判断される(S23)。タッチペンのモニタ接触位置100が着弾点85の表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が着弾点85に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するとCPU11に判断された場合(S23でYes)、キャラクタの動作の状態、タッチペンのモニタ接触位置100と着弾点85との位置関係、および軌跡92の形成位置とに応じて、上記のようにボールキャラクタ82の移動状態が変化させられる(S24)。すなわち、打者キャラクタ80は、上記のようなボールキャラクタ82の移動状態で、ボールキャラクタ82を打ち返すことができる。
【0125】
一方で、タッチペンのモニタ接触位置が着弾点85の表示領域の内部に位置しないとCPU11により判断された場合(S19でNo)、ストライクカウントがスリーカウントであるか否かがCPU11により判断される(S25)。ストライクのカウントがスリーカウントでないとCPU11に判断された場合(S25でNo)、S4が再度実行される。ストライクのカウントがスリーカウントであるとCPU11に判断された場合(S25でYes)、アウトカウントがスリーアウトであるか否かがCPU11により判断される(S26)。アウトカウントがスリーアウトであるとCPU11に判断された場合(S26でYes)、攻撃は終了し、打者動作設定システムも一旦終了する。アウトカウントがスリーアウトでないとCPU11に判断された場合(S26でNo)、S1が再度実行される。また、タッチペンのモニタ接触位置が着弾点85の表示領域の内部に位置した時機が、ボールキャラクタ82が着弾点85に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致しないとCPU11に判断された場合(S23でNo)、S4が再度実行される。
【0126】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、複数のモニタそれぞれが別体として構成されたゲーム装置、複数のモニタがゲーム装置本体に一体に構成された業務用ゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0127】
(b) 前記実施形態では、野球ゲームを用いた場合の例を示したが、本発明に採用されるゲームは、前記実施形態に限定されず、他のゲームであっても良い。たとえば、剣術アクションゲームの場合、剣の部分に状態認識範囲を設定することにより、剣を振るキャラクタのスイングパワーの強弱を多段階に設定することができる。この場合も、モニタ接触位置が状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、設定されたスイングパワーで、剣を振るキャラクタを動作させることができる。
【0128】
(c) 本発明には、前述したようなゲームを実行するためのプログラム、ゲームを実行するためのプログラム方法およびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機の外観図。
【図2】前記携帯ゲーム機の一例としての制御ブロック図。
【図3】前記携帯ゲーム機の一例としての機能ブロック図。
【図4】野球ゲームにおける攻撃中の画面を説明するための図(投球前)。
【図5】野球ゲームにおける攻撃中の画面を説明するための図(投球後)。
【図6】状態認識範囲およびポインタの設定方法を説明するための図
【図7】モニタに形成される軌跡および軌跡の形成位置を説明するための図。
【図8】モニタ接触位置の移動方向および移動方向の変化角度を説明するための図。
【図9】モニタ接触位置と着弾点との位置関係を説明するための図。
【図10A】打者動作設定システムに関する各種処理概要を説明するためのフローチャート1。
【図10B】打者動作設定システムに関する各種処理概要を説明するためのフローチャート2。
【符号の説明】
【0130】
1 携帯ゲーム機
3 液晶モニタ
3a 上部液晶モニタ(非タッチパネル式のモニタ)
3b 下部液晶モニタ(タッチパネル式のモニタ)
4 入力部
10 制御装置
50 入力位置認識手段
51 キャラクタ表示手段
52 状態認識範囲設定手段
53 第1表示体表示手段
54 第1表示体領域認識手段
55 第1表示体移動手段
56 第1表示体位置認識手段
57 状態設定手段
58 キャラクタ動作手段
59 移動体表示手段
60 第2表示体表示手段
61 第2表示体位置認識手段
62 位置関係判別手段
63 時機判断手段
64 軌跡認識手段
65 軌跡表示手段
66 軌跡形成位置判別手段
67 第1状態変更手段
68 第2状態変更手段
69 移動方向認識手段
70 変化量算出手段
71 動作指示解除手段
80 打者キャラクタ(キャラクタ)
82 ボールキャラクタ(移動体)
85 着弾点(第2表示体)
91 ポインタ(第1表示体)
92 モニタ接触位置の軌跡
100 モニタ接触位置(入力位置)
a1,a2,a3 移動方向ベクトル
α1,α2 移動方向の変化量
t1 モニタ接触位置が着弾点の表示領域内に位置した時機
t2 ボールキャラクタが着弾点に到達した時機
R 状態認識範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームを実現可能なコンピュータに、
前記接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、前記入力信号に対応する前記接触入力式のモニタ上の入力位置を認識する入力位置認識機能と、
前記キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲を、前記接触入力式のモニタに設定する状態認識範囲設定機能と、
前記状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体を、前記接触入力式のモニタに表示する第1表示体表示機能と、
前記第1表示体の表示領域を認識する第1表示体領域認識機能と、
前記入力位置が前記第1表示体の前記表示領域の内部に位置した状態で前記入力位置が前記状態認識範囲の範囲内を移動したときに、前記入力位置の移動に連動して前記第1表示体を前記状態認識範囲の範囲内で移動させる第1表示体移動機能と、
前記第1表示体の位置を認識する第1表示体位置認識機能と、
前記第1表示体の位置に応じて、前記キャラクタの動作の状態を設定する状態設定機能と、
前記入力位置が前記状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、前記状態設定機能において設定された前記キャラクタの動作の状態で、前記キャラクタを動作させるキャラクタ動作機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記接触入力式のモニタに表示された移動体の移動状態を変化させることができるゲームを実現可能な前記コンピュータに、
前記移動体を前記接触入力式のモニタに表示する移動体表示機能と、
前記移動体が通過する位置を示す第2表示体を前記接触入力式のモニタに表示する第2表示体表示機能と、
前記第2表示体の表示領域を認識する第2表示体位置認識機能と、
前記入力位置が前記第1表示体から前記第2表示体に移動したときに、前記入力位置と前記第2表示体の位置関係を判別する位置関係判別機能と、
前記位置関係判別機能において前記入力位置が前記第2表示体の前記表示領域の内部に位置すると判別された場合に、前記入力位置が前記第2表示体の前記表示領域の内部に位置した時機が、前記移動体が前記第2表示体に到達した時機に、所定時間の範囲内で一致するか否かを判断する時機判断機能と、
前記入力位置が前記第2表示体の前記表示領域の内部に位置した時機が、前記移動体が前記第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、前記状態設定機能において設定された前記キャラクタの動作の状態と前記位置関係判別機能において判別された前記位置関係とに応じて、前記移動体の移動状態を変化させる第1状態変更機能と、
をさらに実現させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記入力位置が前記第1表示体から前記第2表示体に移動したときに、前記入力位置の軌跡を認識する軌跡認識機能と、
前記軌跡認識機能において認識された前記軌跡が前記接触入力式のモニタに形成された形成位置を判別する軌跡形成位置判別機能と、
前記第1状態変更機能に含まれ、前記入力位置が前記第2表示体の前記表示領域の内部に位置した時機が、前記移動体が前記第2表示体に到達した時機に所定時間の範囲内で一致すると判断された場合に、前記軌跡形成位置判別機能において判別された前記軌跡の形成位置に応じて、前記移動体の移動状態を変化させる第2状態変更機能と
をさらに実現させるための請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記入力位置が前記第1表示体から前記第2表示体に移動しているときに、入力位置の移動方向を認識する移動方向認識機能と、
前記移動方向の変化量を算出する変化量算出機能と、
前記変化量算出機能において算出された前記変化量に応じて、前記キャラクタへの動作指示を解除する動作指示解除機能と、
をさらに実現させるための請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームを実現可能なゲーム装置であって、
前記接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、前記入力信号に対応する前記接触入力式のモニタ上の入力位置を認識する入力位置認識手段と、
前記キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲を、前記接触入力式のモニタに設定する状態認識範囲設定手段と、
前記状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体を、前記接触入力式のモニタに表示する第1表示体表示手段と、
前記第1表示体の表示領域を認識する第1表示体領域認識手段と、
前記入力位置が前記第1表示体の前記表示領域の内部に位置した状態で前記入力位置が前記状態認識範囲の範囲内を移動したときに、前記入力位置の移動に連動して前記第1表示体を前記状態認識範囲の範囲内で移動させる第1表示体移動手段と、
前記第1表示体の位置を認識する第1表示体位置認識手段と、
前記第1表示体の位置に応じて、前記キャラクタの動作の状態を設定する状態設定手段と、
前記入力位置が前記状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、前記状態設定手段において設定された前記キャラクタの動作の状態で、前記キャラクタを動作させるキャラクタ動作手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項6】
接触入力式のモニタに表示されたキャラクタを動作させることができるゲームを実現可能なゲーム方法であって、
前記接触入力式のモニタからの入力信号に基づいて、前記入力信号に対応する前記接触入力式のモニタ上の入力位置を認識する入力位置認識ステップと、
前記キャラクタの動作の状態を認識可能な状態認識範囲を、前記接触入力式のモニタに設定する状態認識範囲設定ステップと、
前記状態認識範囲の範囲内で移動可能な第1表示体を、前記接触入力式のモニタに表示する第1表示体表示ステップと、
前記第1表示体の表示領域を認識する第1表示体領域認識ステップと、
前記入力位置が前記第1表示体の前記表示領域の内部に位置した状態で前記入力位置が前記状態認識範囲の範囲内を移動したときに、前記入力位置の移動に連動して前記第1表示体を前記状態認識範囲の範囲内で移動させる第1表示体移動ステップと、
前記第1表示体の位置を認識する第1表示体位置認識ステップと、
前記第1表示体の位置に応じて、前記キャラクタの動作の状態を設定する状態設定ステップと、
前記入力位置が前記状態認識範囲の範囲内から範囲外に移動したときに、前記状態設定ステップにおいて設定された前記キャラクタの動作の状態で、前記キャラクタを動作させるキャラクタ動作ステップと、
を備えるゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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