説明

ゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びゲーム装置

【課題】ゲームに新しさを加えて、しかも監視対象物を監視するゲームを単純にプレイできるゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲームプログラム21は、ゲーム機1を、得点を付与する第1の状態と得点を付与しない第2の状態との表示態様を有するキャラクタCとオブジェクトOとからなる監視対象物Wを複数配置したフィールドFを表示するプレイフィールド表示手段11と、プレイヤPの操作を受け付ける操作部5と、操作部5により第2の状態の監視対象物Wを選択することに応じて、選択された監視対象物Wを、第2の状態から第1の状態に変更する第1の状態変更手段12と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象物を監視するゲームのゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、標的にタッチすべき時間内にプレイヤが標的をタッチすることで、当たりの信号を発生させる標的タッチゲーム機が提案されている(例えば、特許文献1)。いわゆるもぐら叩きゲームに代表される標的タッチゲーム機は、ランダムに出没する監視対象物のもぐら(標的)にプレイヤが直接タッチしたり、もぐらの出現位置に対応する操作をボタン等により行ったりすることで、タッチできたもぐらの数の大小によってスコアを競うゲームを行う。
【特許文献1】特開2000−140404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載のような標的タッチゲーム機は、単純に行えるゲームであるため、既に数多くの種類が普及している。そのため、これらのゲームは、新しさに乏しいものであった。
そこで、本発明は、ゲームに新しさを加えて、しかも監視対象物を監視するゲームを単純にプレイできるゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0005】
請求項1の発明は、コンピュータ(1)を、得点を付与する第1の状態と得点を付与しない第2の状態との表示態様を有する監視対象物(W)を複数配置したプレイフィールド(F)を表示するプレイフィールド表示手段(11)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作手段(5)と、前記操作手段により前記第2の状態の前記監視対象物を選択することに応じて、選択された前記監視対象物を、前記第2の状態から前記第1の状態に変更する第1の状態変更手段(12)と、して機能させること、を特徴とするゲームプログラム(21)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲームプログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、プレイ中に継続的に得点を付与する前記第1の状態の前記監視対象物(W)を前記操作手段(5)により選択することに応じて、前記得点を付与する度合いを減らす付与得点減点手段(16)として機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラム(21)において、前記プレイフィールド表示手段(11)を、前記プレイフィールド(F)に、複数の表示態様で前記第2の状態の前記監視対象物(W)を表示するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項4の発明は、請求項3に記載のゲームプログラム(21)において、前記プレイフィールド表示手段(11)を、キャラクタ(C)と前記キャラクタが操作するオブジェクト(O)とを組み合わせた表示態様で前記第2の状態の前記監視対象物(W)を表示するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のゲームプログラム(21)において、前記オブジェクト(O)は、前記第1の状態及び前記第2の状態であるかを前記プレイヤが判定可能な表示態様であり、前記プレイフィールド表示手段(11)を、前記キャラクタ(C)が前記オブジェクトの一部を覆うように配置した表示態様で前記第2の状態の前記監視対象物(W)を表示するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、前記第1の状態の前記監視対象物(W)を、前記第2の状態に変更する第2の状態変更手段(13)と、前記第2の状態変更手段により変更された前記第2の状態の前記監視対象物が、前記操作手段(5)が操作され前記第1の状態変更手段(12)により前記第2の状態から前記第1の状態に変更するまでの時間の長さに応じて、得点を付与する付与得点加点手段(15)と、して機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、前記第1の状態の前記監視対象物(W)を、得点を付与する前記第1の状態に含み、前記第2の状態の表示態様に類似した第3の状態に変更する第3の状態変更手段(14)として機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
【0006】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)を記憶したプログラム記憶媒体である。
【0007】
請求項9の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)を記憶する記憶手段(20)と、前記操作手段(5)と、前記記憶手段に記憶された前記ゲームプログラムを実行する制御手段(10)と、を備えたゲーム装置(1)である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、監視対象物を複数配置したプレイフィールドを表示して、得点を付与しない第2の状態の監視対象物を選択するプレイヤの操作を受け付けることに応じて、その監視対象物を、得点を付与しない第2の状態から得点を付与する第1の状態に変更する。よって、得点を付与しない状態の監視対象物を選択することで、その監視対象物が得点を付与する状態にするという、単純な操作でプレイでき、しかも得点の付与方法が従来の標的タッチゲームとは異なる新しい態様のゲームを提供することができる。
【0009】
(2)本発明は、プレイ中に継続的に得点を付与する第1の状態の監視対象物を選択するプレイヤの操作を受け付けることに応じて、得点を付与する度合いを減らす。よって、選択不要の監視対象物をプレイヤが誤って選択することで、付与される得点の度合いが減るので、プレイヤに、緊張感をもってプレイをさせるゲームを提供できる。
【0010】
(3)本発明は、得点を付与しない第2の状態の監視対象物を複数の表示態様でプレイフィールドに表示するので、第2の状態の監視対象物の表示態様に関して、様々なバリエーションの表示を行うプレイをプレイヤに提供できる。よって、プレイヤに、バリエーションが増えることによる視覚的な楽しみと、バリエーションが増えることによる複雑なプレイとを提供することができる。
【0011】
(4)本発明は、キャラクタと、キャラクタが操作するオブジェクトとを組み合わせた表示態様で第2の状態の監視対象物を表示するので、例えば、部下が仕事をしているかを、上司が、部下と部下が操作しているモニタ画面とを監視してチェックするというシチュエーションのゲームを提供できる。また、キャラクタとオブジェクトとを様々なものを組み合わせることで、様々な態様の監視対象物を監視するゲームを提供できる。
【0012】
(5)本発明は、第1の状態及び前記第2の状態をプレイヤが判定可能な表示態様のオブジェクトをキャラクタが一部を覆うように、キャラクタを配置した表示態様で第2の状態の監視対象物を表示する。よって、キャラクタとオブジェクトとを組み合わせて、しかもオブジェクトの一部を隠すことで、プレイヤがする判定の難易度を高めることができ、プレイの難易度を向上させることができる。
【0013】
(6)本発明は、得点を付与する第1の状態の監視対象物を、得点を付与しない第2の状態に変更し、第2の状態の監視対象物が、プレイヤの操作により第1の状態に変更するまでの時間の長さに応じて、得点を加点して付与する。よって、プレイヤにスピード感のあるプレイを促すことができる。
【0014】
(7)本発明は、得点を付与する第1の状態に含み、第2の状態の表示態様に類似した第3の状態に、第1の状態の監視対象物を変更する。よって、監視対象物を第3の状態にして表示することで、プレイヤを惑わすことができ、プレイヤにより面白味のあるプレイを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ゲームに新しさを加えて、しかも監視対象物を監視するゲームを単純にプレイできるゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びゲーム装置を提供するという目的を、ゲームプログラムが、コンピュータを、得点を付与する第1の状態と得点を付与しない第2の状態との表示態様を有する監視対象物を複数配置したプレイフィールドを表示するプレイフィールド表示手段と、プレイヤの操作を受け付ける操作手段と、操作手段により第2の状態の監視対象物を選択することに応じて、選択された監視対象物を、第2の状態から第1の状態に変更する第1の状態変更手段と、して機能させることによって実現した。
【0016】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、本実施形態に係るゲーム機1の全体構成を示す図である。ゲーム機1は、例えば、ゲームセンタ等に設置される大型の業務用ゲーム装置であり、複数のミニゲームを複数のプレイヤPで行うことができるビデオゲーム機である。ゲーム機1は、ミニゲームの1つであって、プレイヤPの操作によって、禅室を模したプレイフィールド内(図3参照)のキャラクタである部下に仕事をさせるように、サボっている部下を見つけて注意することで、所定の制限時間の間に所定の仕事量を行うとゲームクリアとなる「サボる部下を見つけるゲーム」を行うビデオゲーム機である。
【0017】
ゲーム機1は、筐体2と、表示部3と、音声出力部4と、操作部5と、台座7と、コイン投入口8とを備える。
筐体2は、ゲーム機1のケースである。
表示部3は、ディスプレイ等に代表され、プレイを表示する画面である。表示部3は、プレイヤPが見ながらプレイができるように、プレイヤPの視認可能な位置に配置されている。表示部3には、プレイ開始前は、例えば、ゲーム機1のゲーム内容等を示すデモンストレーション画面が表示され、プレイ中は、プレイに応じた内容の画像が表示される。
音声出力部4は、スピーカ等に代表され、効果音等を出力する装置である。音声出力部4は、表示部3の下方に左右に計2つ配置されている。音声出力部4は、プレイ中にプレイに応じた効果音や音楽を出力し、臨場感溢れるプレイを演出する。
【0018】
操作部5(操作手段)は、プレイヤPの腰の位置付近の高さであり、音声出力部4の下方かつプレイヤPが操作しやすい位置の台座7の上に配置されている。操作部5は、プレイヤPの左右の手による操作入力を受け付ける。操作部5は、3人のプレイヤP(Pa,Pb,Pc)の各々が表示部3に対向して直立して、表示部3を見ながら操作できるように、プレイヤPの左右方向(図中X方向)の左側から右側に向かって順番に、3つの操作部5(5a,5b,5c)が、均等な間隔で配置されている。プレイヤPaは操作部5aを、プレイヤPbは操作部5bを、プレイヤPcは操作部5cを、それぞれ独立して操作する。なお、操作部5a,5b,5cは、同様の構成を有する。操作部5は、色の異なる4つのボタンが、プレイヤPから見て左右方向と手前奥方向(図中Y方向)とに配置されている。
【0019】
コイン投入口8は、台座7の上側奥方(図中Y2方向)に設けられている。コイン投入口8は、プレイヤPにより所定のコインが投入される。
所定のコイン投入により、プレイヤPが複数のミニゲームから1つのミニゲームを操作部5を用いて選択することで、ゲーム機1は、選択されたミニゲームのプレイを開始する。なお、例えば、コイン投入口8に代わってプリペイドカード等によって、プレイ料金の支払いを実現できるものを用いてもよい。
【0020】
次に、ゲーム機1の機能ブロックについて説明する。
図2は、本実施形態に係るゲーム機1の機能ブロックを示す図である。
ゲーム機1は、図1で説明した表示部3、音声出力部4、操作部5、コイン投入口8の他、制御部10及び記憶部20を備えており、その各々がバスライン9を介して接続されている。バスライン9は、ゲーム機1内でアドレス信号やデータを伝送するラインである。
制御部10は、プレイフィールド表示手段11、第1の状態変更手段12、第2の状態変更手段13、第3の状態変更手段14、付与得点加点手段15及び付与得点減点手段16を備える。
制御部10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機1の全体を制御するものである。制御部10は、後述する記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0021】
プレイフィールド表示手段11は、フィールドF(図3参照)の表示部3への表示に関する処理を行う制御部である。
第1の状態変更手段12は、操作部5の操作を受け付けた第2の態様の監視対象物W(図3参照)を第1の態様に変更する処理をする制御部である。
第2の状態変更手段13は、監視対象物Wを第2の態様に変更する処理をする制御部である。
第3の状態変更手段14は、監視対象物Wを第3の態様に変更する処理をする制御部である。
付与得点加点手段15は、第2の態様の監視対象物Wを第1の態様に変更するまでの時間の長さに応じて得点を付与する処理をする制御部である。
付与得点減点手段16は、操作の失敗により得点を付与される得点の減点処理をする制御部である。
これらの各制御手段の処理の詳細は、後述する。
【0022】
記憶部20は、制御部10で実行される「サボる部下を見つけるゲーム」のゲームプログラム21、その他のプログラム25及びパラメータ等を記憶する一時記憶領域29を備える。ゲームプログラム21は、操作部5の操作に対応する処理を格納した操作対応テーブル22を含む。その他のプログラム25は、ゲームプログラム21を除く、その他の複数のミニゲームのゲームプログラムや複数のミニゲームを選択する画面を表示等するためのプログラム、デモンストレーション画面を表示等するプログラムを含む。一時記憶領域29は、ゲームプログラム21やその他のプログラム25等の各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するためのローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0023】
記憶部20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部20、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0024】
次に、表示部3に表示されるプレイ画面30(表示画面)に沿って、1人のプレイヤPがプレイをする場合の「サボる部下を見つけるゲーム」のプレイ内容について説明しながら、制御部10の処理について説明する。
図3は、本実施形態に係るプレイ画面30の例を示す図である。
図4は、本実施形態に係る監視対象物Wの表示態様の例を示す図である。
【0025】
(プレイ画面30の構成)
図3に示すように、プレイ画面30は、左方に配置された得点表示部31と、得点表示部の右方に配置されたプレイフィールド表示部32とから構成される。なお、複数人(例えば、3人)でプレイをする場合には、表示部3の上下方向にこのプレイ画面30を3つ並べて表示する。そして、プレイヤP(Pa,Pb,Pc)は、プレイヤP(Pa,Pb,Pc)に対応する所定のプレイ画面30を見ながらプレイをする。
【0026】
得点表示部31は、プレイヤPの得点を表示する。プレイフィールド表示部32は、禅室をモチーフにしたフィールドF(プレイフィールド)を表示する。
フィールドFは、実際にゲームが行われる主領域である。フィールドFは、上司の視線で仕事をしている部下を見た禅室内の風景を表している。フィールドFは、所定の位置に座って仕事をしている複数の部下のキャラクタC(C1〜C5)と、キャラクタCが操作をしておりキャラクタCに対向して設けられたモニタ画面のオブジェクトO(O1〜O5)とを組み合わせた監視対象物W(W1〜W5)を配置している。
【0027】
フィールドFは、警策の画像である警策33と、文字表示部34とを配置している。警策33は、操作部5(図1)の操作を受け付けた制御部10により、キャラクタCの中心で停止するように、フィールドFを左右方向に移動する。警策33は、操作部5の操作を受け付けた制御部10により、キャラクタCをたたくような態様で表示される。文字表示部34は、警策33によるキャラクタCをたたく操作を受け付けた制御部10により、警策33の背面に表示され、所定時間が経過した後に消滅する。その際、制御部10は、たたく音を音声出力部4から出力してもよい。プレイフィールド表示部32の右上方には、プレイ時間表示部35が設けられており、プレイ時間を表示する。プレイ時間表示部35に表示されたプレイ時間は、プレイ開始と同時にカウントダウンされ、プレイ時間が0になると、制御部10は、プレイを終了する。
【0028】
(得点付与方法)
得点表示部31は、プレイヤPの得点を表示するスコア部38と、得点に関する理由を表示するコメント部39とを備える。制御部10は、キャラクタCがサボることなく仕事をする状態(第1の状態)を維持することで、仕事をしている時間に対応して得点を付与する。つまり、キャラクタCが仕事をする状態を維持して、プレイ時間が経過するに従って、スコア部38の得点は増えていく。また、制御部10は、キャラクタCが仕事をサボる状態(第2の状態)の場合には、得点を付与しない。つまり、キャラクタCが仕事をサボっている状態では、プレイ時間が経過しても、スコア部38の得点は増えない。そして、操作部5の操作により、仕事をサボるキャラクタCを警策33でたたくことで、制御部10(第1の状態変更手段12)は、仕事をサボる状態から仕事をする状態に変化させる。すなわち、このゲームは、キャラクタCの仕事量が、得点としてスコア部38に加算されるように演出している。そして、制御部10は、スコア部38の得点が所定の得点以上であれば、ノルマをクリアしたとしてゲームクリアの処理を行い、所定の得点未満であれば、ノルマをクリアしなかったとしてゲームオーバーの処理を行う。
【0029】
キャラクタCが仕事をサボり始めてから、所定の時間内に警策33がそのキャラクタCをたたくことで、制御部10(付与得点加点手段15)は、キャラクタCがサボり始めてから警策33でたたかれるまでの時間に対応した得点を加点する。加点された得点は、加点の理由と共にコメント部39に表示される。また、その際には、制御部10(第1の状態変更手段12)は、キャラクタCを、仕事をサボる状態(第2の状態)から、仕事をする状態(第1の状態)に変化させる。
キャラクタCが仕事している際に、操作部5の操作により警策33がそのキャラクタCをたたくことで、制御部10(付与得点減点手段16)仕事の時間に対応して付与される単位時間あたりの得点が減点される。減点された得点は、減点の理由と共にコメント部39に表示される。
【0030】
このように、ゲーム機1は、仕事をサボる状態の監視対象物Wが警策33でたたかれるまでの時間の長さに応じて、得点を加点して付与するので、プレイヤPにスピード感のあるプレイを促すことができる。
また、ゲーム機1は、仕事をしている状態の監視対象物Wが警策33でたたかれることで、仕事の時間に対応して付与される単位時間あたりの得点が減点されるので、プレイヤPに対して緊張感をもってプレイをさせることができる。
【0031】
(監視対象物Wの種類)
図4は、キャラクタCとオブジェクトOとの組み合わせによる監視対象物Wの表示態様を示す図である。図4に示す監視対象物Wは、プレイフィールド表示手段11によりフィールドFの所定の位置に表示される。
図4に示すように、監視対象物Wは、キャラクタCとキャラクタCが一部覆っているオブジェクトOとから構成されている。オブジェクトOは、キャラクタCが一部隠している状態であるので、プレイヤPから視認しにくい状態である。そして、この監視対象物Wの表示態様により、プレイヤPは、仕事をしている状態であるか、仕事をサボっている状態であるかを判断する。そして、プレイヤPは、操作部5を操作して、全てのキャラクタCが仕事をしている状態にして、仕事量に対応する得点を稼ぐのである。
【0032】
図4(a)は、仕事をしている状態(第1の状態)を示す。
図4(a)の場面では、オブジェクトOに含まれる画面40に、表計算画面41が表示されているので、このキャラクタCは、仕事をしている。
【0033】
図4(b)、(c)、(d)は、仕事をサボっている状態(第2の状態)を示す。
図4(b)の場面では、オブジェクトOに含まれる画面40に表計算画面41が表示されている。しかし、キャラクタCから「zzz・・・」と書かれた居眠りマーク42が表示されている。よって、このキャラクタCは、仕事をサボって居眠りをしている。
図4(c)の場面では、オブジェクトOに含まれる画面40に、旅行サイト等の他サイト画面43が表示されている。このキャラクタCは、仕事をサボって旅行サイトを見ながら旅行の計画を立てている。
図4(d)の場面では、オブジェクトOに含まれる画面40に、ゲーム画面44が表示されている。このキャラクタCは、仕事をサボってゲームを楽しんでいる。
【0034】
図4(e)、(f)は、仕事をサボっている状態に類似するが、仕事をしている状態(第3の状態)を示す。
図4(e)は、オブジェクトOに含まれる画面40が表示されている。しかし、画面40には、何も表示されていない。キャラクタCは、これからゲーム画面44等の他のサボりの画面を立ち上げるかもしれないが、表計算画面41等の仕事の画面を立ち上げるのかもしれない。あるいは、仕事について熟考中かもしれない。よって、オブジェクトOの状態が、仕事をサボっている状態に類似するが、仕事をしている状態である。
図4(f)は、オブジェクトOに含まれる画面40に表計算画面41が表示されている。そして、キャラクタCは、首をかしげているが、居眠りマーク42が表示されていない。このキャラクタCは、居眠りの前段階なのかもしれないが、考え事をしていて首をかしげているのかもしれない。よって、キャラクタCの状態が、仕事をサボっている状態に類似するが、仕事をしている状態である。
【0035】
このように、ゲーム機1は、得点を付与しない第2の状態の監視対象物Wを、キャラクタCとオブジェクトOとを組み合わせることで、複数の表示態様で表示するので、様々なバリエーションの第2の状態の監視対象物Wを表示できる。よって、プレイヤPに、バリエーションが増えることによる視覚的な楽しみを提供でき、バリエーションが増えることによる複雑なプレイを提供することができる。しかも、ゲーム機1は、オブジェクトOの一部を隠して表示することで、プレイヤPによる判定に、困難性を加えることができ、プレイの難易度を向上させることができる。
また、得点を付与する第1の状態に含み、第2の状態の表示態様に類似した第3の状態の監視対象物Wを表示することで、プレイヤPを惑わすことができ、プレイヤPにより面白味のあるプレイを提供できる。
【0036】
(警策33の操作)
次に、操作部5の操作と、警策33との関係について説明する。
図5は、本実施形態に係る操作部5の操作と警策33との関係を示す図である。
図5(a)は、操作部5を表し、直径50mm程度の凸型の4つのボタン5L,5R,5U,5Dを有する。操作部5には、プレイヤPの操作する位置から左右方向にボタン5L,5Rが、奥手前方向にボタン5U,5Dが設けられている。ボタン5L及び5Rは、警策33が移動する方向(左右)を決定するためのボタンである。また、ボタン5U及び5Dは、警策33でたたくタイミングを決定するためのボタンである。
以上のボタン5L,5R,5U,5Dと、処理内容との対応付けは、図5(b)に示す操作対応テーブル22に記憶されている。
【0037】
次に、上述したゲーム機1のゲーム処理について説明する。
図6は、本実施形態に係るゲーム処理のフローチャートである。
まず、ステップS1では、制御部10は、開始処理を行う。具体的には、一時記憶領域29をクリアして、制限時間の設定を行う。
ステップS2では、制御部10は、監視対象物Wの態様、つまり、プレイ開始時の監視対象物WであるキャラクタC及びオブジェクトOの態様を決定する。監視対象物Wの態様は、制御部10がランダムに決定してよい。
ステップS3では、制御部10(プレイフィールド表示手段11)は、フィールドFを含むプレイ画面30を表示する。以降の処理において、プレイフィールド表示手段11は、プレイ画面30を表示するが、記載を適宜省略する。
【0038】
ステップS4では、制御部10は、ステップS1の開始処理において設定した制限時間を経過したか否かを判断する。制限時間を経過した場合(ステップS4:YES)には、制御部10は、ステップS5にて終了処理を行った後、本処理を終了する。終了処理とは、ゲームクリアかゲームオーバーかのプレイ結果を表示部3に表示することをいう。制限時間を経過していない場合(ステップS4:NO)には、制御部10は、処理をステップS6に移す。
【0039】
ステップS6では、制御部10(第2の状態変更手段13、第3の状態変更手段14)は、監視対象物Wの表示態様を変更する。図3に示すキャラクタC1〜C5やオブジェクトO1〜O5のうちいずれのものを変更するかは、制御部10がランダムに決定してよい。そして、制御部10は、第1の状態の監視対象物Wの数に応じて、単位時間あたりに所定の得点を、プレイ時間の経過に応じて付与する。
【0040】
ステップS7では、制御部10は、操作部5からの操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けた場合(ステップS7:YES)には、制御部10は、処理をステップS8に移す。他方、操作を受け付けていない場合(ステップS7:NO)には、制御部10は、処理をステップS4に移す。
ステップS8では、制御部10は、操作情報を決定する。具体的には、制御部10は、操作部5から受け付けた操作に対して、操作対応テーブル22に基づき処理内容を抽出し、複数の操作を受け付けた場合には、抽出した処理内容を組み合わせて操作情報を決定する。
【0041】
ステップS9では、制御部10は、警策33でたたく操作を受け付けたか否かを判断する。警策33でたたく操作を受け付けた場合(ステップS9:YES)には、制御部10は、処理をステップS11に移す。他方、警策33でたたく操作を受け付けていない場合(ステップS9:NO)には、制御部10は、処理をステップS10に移す。
ステップS10では、制御部10は、操作情報に基づき警策33を移動させる。その後、制御部10は、処理をステップS7に移す。
【0042】
ステップS11では、制御部10は、警策33でたたく操作は適切か否かを判断する。適切か否かは、仕事をサボっている第2の状態であるキャラクタCに対して警策33でたたいたか否かにより判断し、仕事をサボっているキャラクタCに対して警策33でたたいた場合には、操作が適切であると判断する。逆に、仕事をしている第1の状態(第3の状態を含む)であるキャラクタCに対して警策33でたたいた場合には、操作が不適切であると判断する。操作が適切である場合(ステップS11:YES)には、制御部10は、処理をステップS12に移す。他方、操作が適切ではない場合(ステップS11:NO)には、制御部10は、処理をステップS14に移す。
【0043】
ステップS12では、制御部10(付与得点加点手段15)は、変更時間、つまり、仕事をサボっているキャラクタCに対して警策33が選択されるまでの時間に応じて、加点処理を行う。制御部10は、例えば、変更時間が短いほど加点される得点が大きくなるように、得点を付与する。
ステップS13では、制御部10(第1の状態変更手段12)は、選択された監視対象物Wの態様を第2の状態から第1の状態に変更する。その後、制御部10は、処理をステップS4に移す。
【0044】
このように、制御部10は、得点を付与しない第2の状態の監視対象物Wを選択するプレイヤPの操作を受け付けることに応じて、その監視対象物Wを、得点を付与しない第2の状態から得点を付与する第1の状態に変更する。よって、得点を付与しない状態の監視対象物Wを選択することで、その監視対象物Wが得点を付与する状態にするという、単純な操作でプレイでき、新しい態様のゲームをプレイヤPに提供できる。
【0045】
他方、ステップS14では、制御部10(付与得点減点手段16)は、得点付与度合いの減少処理を行う。例えば、仕事をしているキャラクタCに対して警策33が選択された場合には、そのキャラクタCは、仕事のやる気をなくして作業する仕事量が減るため、制御部10は、所定の時間内は仕事をしていても今までの半分の得点しか付与しないように制御する。その後、制御部10は、処理をステップS4に移す。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0047】
(変形形態)
(1)本実施形態において、業務用のビデオゲーム機を例に示して説明したが、これに限定されない。例えば、家庭用のゲーム機でもよいし、パーソナルコンピュータにより実現してもよい。
【0048】
(2)本実施形態において、キャラクタであるサラリーマンの部下が、オブジェクトである画面に対向して仕事をしている表示態様の監視対象物の例を示したが、これに限定されない。例えば、同じ部下でも、オブジェクトである部品を組み立てる仕事をしている表示態様の監視対象物でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係るゲーム機の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るゲーム機の機能ブロックを示す図である。
【図3】本実施形態に係るプレイ画面の例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る監視対象物の表示態様の例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る操作部の操作と警策との関係を示す図である。
【図6】本実施形態に係るゲーム処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 ゲーム装置
3 表示部
5,5a,5b,5c 操作部
10 制御部
11 プレイフィールド表示手段
12 第1の状態変更手段
13 第2の状態変更手段
14 第3の状態変更手段
15 付与得点加点手段
16 付与得点減点手段
20 記憶部
21 ゲームプログラム
22 操作対応テーブル
33 警策
C,C1〜C5 キャラクタ
F フィールド
O,O1〜O5 オブジェクト
P,Pa,Pb,Pc プレイヤ
W,W1〜W5 監視対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
得点を付与する第1の状態と得点を付与しない第2の状態との表示態様を有する監視対象物を複数配置したプレイフィールドを表示するプレイフィールド表示手段と、
プレイヤの操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段により前記第2の状態の前記監視対象物を選択することに応じて、選択された前記監視対象物を、前記第2の状態から前記第1の状態に変更する第1の状態変更手段と、
して機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、プレイ中に継続的に得点を付与する前記第1の状態の前記監視対象物を前記操作手段により選択することに応じて、前記得点を付与する度合いを減らす付与得点減点手段として機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、
前記プレイフィールド表示手段を、前記プレイフィールドに、複数の表示態様で前記第2の状態の前記監視対象物を表示するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームプログラムにおいて、
前記プレイフィールド表示手段を、キャラクタと前記キャラクタが操作するオブジェクトとを組み合わせた表示態様で前記第2の状態の前記監視対象物を表示するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
前記オブジェクトは、前記第1の状態及び前記第2の状態であるかを前記プレイヤが判定可能な表示態様であり、
前記プレイフィールド表示手段を、前記キャラクタが前記オブジェクトの一部を覆うように配置した表示態様で前記第2の状態の前記監視対象物を表示するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記第1の状態の前記監視対象物を、前記第2の状態に変更する第2の状態変更手段と、
前記第2の状態変更手段により変更された前記第2の状態の前記監視対象物が、前記操作手段が操作され前記第1の状態変更手段により前記第2の状態から前記第1の状態に変更するまでの時間の長さに応じて、得点を付与する付与得点加点手段と、
して機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記第1の状態の前記監視対象物を、得点を付与する前記第1の状態に含み、前記第2の状態の表示態様に類似した第3の状態に変更する第3の状態変更手段として機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶媒体。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶手段と、
前記操作手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ゲームプログラムを実行する制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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