説明

ゲームプログラム、及びゲーム装置

【課題】 ゲームにおいて不正データを検出した場合に、正当なプレイヤに生じる違和感や不快感を低減することができるゲームプログラム、及びゲーム装置を提供する。
【解決手段】 ゲームプログラム5aは、制御部30を、ゲームを進行させるゲーム進行手段33、所定のゲームデータについて不正の有無判定を行う不正判定手段37、及び不正データを処理する不正データ処理手段38、として機能させ、不正データ処理手段38は、不正データを、正規の内容を有する所定の修正データに修正し、ゲーム進行手段33は、修正データを使用してゲームを進行可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームで使用される所定のデータの不正をチェックするゲームプログラム、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置を用いてプレイするゲームに関し、当該ゲーム内で使用されるアイテム又はキャラクタ等に関するデータを不正に改変する、いわゆるチート行為が行われることがある。例えば、ゲームに登場するキャラクタのステータス(経験値、体力値など)が、そのゲームにおいて想定されていない不正な値に改変されることがある。そのため、ゲーム装置又はゲームプログラムには、このようなチート行為が施された不正データの有無をチェックする機能を有するものがある(特許文献1乃至3参照)。
【0003】
このうち、特許文献1,3においては、チェックにより不正データを検出した場合には、当該不正データを破棄するなどして使用できないようにし、チェックにより不正が検出されなかった正規データのみを用いてゲームを進行させることが開示されている。また、特許文献2においては、複数のゲーム装置を通信可能に接続して複数のプレイヤによりゲームを進行させるオンラインでのマルチプレイゲームに、不正データを有するゲーム装置を操作するプレイヤが参加しようとした場合、当該プレイヤの参加を禁止させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3619220号公報
【特許文献2】特開2006−81609号公報
【特許文献3】特開2008−272487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように不正データを一律に破棄して使用不能としたり、不正データを有するゲーム装置のオンラインゲームへの参加を一律に禁止したりするのは、他のプレイヤの立場から見て、必ずしも適切な処理とは言い難い。
【0006】
より具体的に説明すると、前者の場合についていえば、近年のマルチプレイゲームでは、プレイヤが直接的に動作を制御するプレイヤキャラクタに、プレイヤが直接的には動作を制御することのできないキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ)を同伴させて、ゲームを進行できるものがある。このようなゲームでは、当該ゲームで設定された仮想空間内に、参加する各プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタが一堂に会する場所(ロビー)が設定され、ここに集合した各キャラクタは、参加している各ゲーム装置のディスプレイにて表示されることとなる。ここで、例えば各キャラクタがロビーに会している状態で、何れかのノンプレイヤキャラクタに関するデータに不正があると判定された場合、上記特許文献1,3に開示された技術によれば、当該不正に係るノンプレイヤキャラクタのデータが破棄等されて使用が禁止される。その結果、各ゲーム装置のディスプレイにて表示されていたキャラクタが、不正の検出によって突然削除され、或いは、表示されているにも拘わらずゲームに参加できない、といった事態になり、当該ゲームに参加している他のプレイヤに違和感を生じさせる可能性がある。
【0007】
また、後者の場合についていえば、正当なプレイヤからすると、不正データの使用は許容できないとしても、それを有するゲーム装置を操作するプレイヤがオンラインゲームに参加することについては支障がないと考える場合もある。従って、そのような場合においても参加を禁止することは、正当なプレイヤの要望に十分に応えられているとは言い難い。
【0008】
そこで本発明は、ゲームにおいて不正データを検出した場合に、より適切な処理を行うことによって、特に、正当なプレイヤに生じる違和感や不快感を低減することができるゲームプログラム、及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るゲームプログラムは、コンピュータを、プレイヤからの操作入力に応じて所定のゲームを進行させるゲーム進行手段、前記ゲームにて使用される所定のゲームデータについて、それが当該ゲームで許容するものとして予め想定された正規データであるか、又は、想定外の不正データであるかの判定を行う不正判定手段、及び前記不正データであると判定した場合に、該不正データを処理する不正データ処理手段、として機能させ、該不正データ処理手段は、前記不正データを、正規の内容を有する所定の修正データに修正し、前記ゲーム進行手段は、前記修正データを使用して前記ゲームを進行可能に構成されている。
【0010】
このような構成とすることにより、不正データを検出した場合に、一律に不正データを使用禁止にしたり、不正データを有するコンピュータのオンラインゲームへの参加を禁止にしたりすることなく、該不正データを正規な内容のデータに修正した上で、この修正データを用いてゲームを進行させることができる。その結果、正当なプレイヤに生じる違和感や不快感を低減することができる。
【0011】
また、コンピュータを、他のコンピュータから前記ゲームデータを受信するゲームデータ受信手段として更に機能させ、前記不正データ処理手段は、受信したゲームデータが不正データであった場合に、該ゲームデータを修正するよう構成されていてもよい。
【0012】
また、コンピュータを、前記ゲームデータを他のコンピュータに送信するゲームデータ送信手段として更に機能させ、前記不正データ処理手段は、送信しようとする前記ゲームデータが不正データであった場合に、該ゲームデータを修正し、前記ゲームデータ送信手段は、前記ゲームデータを修正した修正データを送信可能に構成されていてもよい。
【0013】
また、前記所定のゲームデータは、当該コンピュータを使用するプレイヤによる前記ゲームのプレイ履歴であるプレイヤ履歴情報の少なくとも一部であっていてもよい。
【0014】
また、コンピュータを、前記ゲームが進行する仮想ゲーム空間内でキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段として更に機能させ、前記所定のゲームデータには、前記キャラクタのステータスを示すステータスデータが含まれていてもよい。
【0015】
また、前記不正データ処理手段は、前記不正データが、予め設定された正規の範囲外の数値を含むものであった場合には、当該数値を、前記範囲内の所定の数値に修正するよう構成されていてもよい。
【0016】
また、前記不正データ処理手段は、前記不正データが、予め登録された禁止文字列を含むものであった場合には、当該禁止文字列を、登録された禁止文字列を含まない所定の文字列に修正するよう構成されていてもよい。
【0017】
また、本発明に係るゲームプログラムは、コンピュータを、プレイヤからの操作入力に応じて所定のゲームを進行させるゲーム進行手段、前記ゲームにて使用される所定のゲームデータについて、それが当該ゲームで許容するものとして予め想定された正規データであるか、又は、想定外の不正データであるかの判定を行う不正判定手段、前記不正データであると判定した場合に、該不正データを処理する不正データ処理手段、及びゲームの状況を取得するゲーム状況取得手段、として機能させ、前記不正データ処理手段は、不正データであると判定したときには、前記ゲーム状況取得手段により取得した前記ゲームの状況に応じて、該不正データの処理内容を切り換えるよう構成されている。
【0018】
また、コンピュータを、他のコンピュータがその動作を制御し得る制御権を有するキャラクタについて、自身のコンピュータにて制御権を有することが可能な状態に複製し得る複製データを、前記他のコンピュータから受信する複製データ受信手段、として更に機能させ、前記所定のゲームデータには、前記複製データが含まれ、前記不正データ処理手段は、受信した前記複製データが不正データであった場合に、該複製データによる前記キャラクタの使用を禁止するよう構成されていてもよい。
【0019】
また、コンピュータを、該コンピュータがその動作を制御し得る制御権を有するキャラクタについて、他のコンピュータにて制御権を有することが可能な状態に複製し得る複製データを、他のコンピュータへ送信する複製データ送信手段、として更に機能させ、前記所定のゲームデータには、前記複製データが含まれ、前記不正データ処理手段は、送信しようとする前記複製データが不正データであった場合に、該複製データの送信を禁止するよう構成されていてもよい。
【0020】
また、本発明に係るゲーム装置は、上述した何れかに記載のゲームプログラムを記録したプログラム記憶部、及び、該プログラム記憶部に記憶されたゲームプログラムを実行するコンピュータ、を備えている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ゲームにおいて不正データを検出した場合に、より適切な処理を行うことによって、特に、正当なプレイヤに生じる違和感や不快感を低減することができるゲームプログラム、及びゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲーム装置の内部構成、及び複数のゲーム装置を通信可能に接続するネットワーク構成を示すブロック図である。
【図2】本ゲームにて実行されるマルチプレイゲームシステムの一態様を説明する模式図である。
【図3】本ゲームにおける所定データの「受け渡し」を説明するための模式図である。
【図4】本ゲームシステムの他の態様を説明する模式図である。
【図5】ゲーム装置が備える制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】本ゲームでの不正判定及び不正データ処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】ゲームデータの不正有無を判定するタイミング、判定対象となるゲームデータ、及び不正データの処理方針を示す図表である。
【図8】不正の有無を判定する際、及び不正データを修正する際に参照されるデータベースを模式的に示す不正処理参照表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラム、及びゲーム装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
[ハードウェア及びネットワークの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1の内部構成、及び複数のゲーム装置1を通信可能に接続するネットワーク構成を示すブロック図である。図1に示すようにゲーム装置1は制御部30を備えており、該制御部30にはCPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14、描画処理プロセッサ15、及び音声処理プロセッサ18が含まれている。更にゲーム装置1は、この他にもVRAM(Video-RAM)16、アンプ19、スピーカ20、イヤホン端子21、操作部22、メディアインタフェース23、無線LANモジュール24、及びバス25を備えている。そして、これらのうちCPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM13、ROM14、描画処理プロセッサ15、音声処理プロセッサ18、操作部22、メディアインタフェース23、及び無線LANモジュール24が、バス25によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
【0025】
操作部22は、方向キー及びその他のボタン群(図示せず)を含んでおり、プレイヤの操作を受け付けて、その操作内容に応じた操作信号をCPU11に入力する。また、方向キー及びボタン群が有する各種のボタンは、プレイヤキャラクタの特定の動作を指示するための操作子である。また、操作部22には、これら操作子以外にゲーム機1の電源の入/切を行うための電源スイッチ等が含まれる。
【0026】
メディアインタフェース23は、図示しないメディア装着部にセットされたゲームメディア5にアクセスしてゲームプログラム5a及びゲームデータ5bを読み出す。このうちゲームプログラム5aは、例えば、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが仮想ゲーム空間にて対戦する内容のアクションゲームをゲーム装置1に実行させるものである。また、ゲームデータ5bには、上記ゲームを実行する上で必要なデータとして、キャラクタや背景の画像データ、ステータスなどの情報表示用の画像データ、効果音やBGMなどの音声データ、文字や記号によるメッセージデータ等が含まれている。なお、記憶媒体であるゲームメディア5は、半導体メモリのほか、光ディスクの一種であるUMD(Universal Media Disc)(登録商標)を採用することができ、本実施の形態においては記録内容を上書き可能な記録媒体を採用しているが、ゲームメディア5として上書き不可の記録媒体を採用する場合には、上書き可能な別の記録媒体を制御部30からのアクセスが可能なように備えていればよい。
【0027】
RAM13には、ゲームの進行に応じてゲームメディア5から読み込まれたゲームプログラム5a及びゲームデータ5bを格納するロードエリア、並びに、CPU11がゲームプログラム5aを処理する際に使用するためのワークエリアが設定されている。ROM14には、ディスクローディング機能などのゲーム装置1の基本的機能や、ゲームメディア5に記憶されているゲームプログラム5a及びゲームデータ5bの読み出し処理を制御する基本プログラムが記憶されている。
【0028】
CPU11は、ゲームメディア5に記録されているゲームプログラム5a及びゲームデータ5bの全部または一部を、メディアインタフェース23を通じてRAM13に読み込み、プレイヤによる操作部22の操作に応じてこれを実行し、ゲーム進行を制御する。より具体的には、プレイヤに操作されることによって操作部22から操作信号が入力されると、CPU11は、ゲームプログラム5aに従ってその操作信号に対応する所定のゲーム進行処理を行い、その処理結果を、ゲーム進行を示す画像(以下、「ゲーム画像」)としてディスプレイ2に表示すると共に、ゲーム進行を示す音声信号(以下、「ゲーム音声」)をスピーカ20やイヤホン端子21に出力する。
【0029】
上記ゲーム画像の描画は、CPU11の指示により、描画処理プロセッサ15が行う。即ち、CPU11は、操作部22から入力される操作信号に基づき、ディスプレイ2に表示すべきゲーム画像の内容を決定し、その内容に対して必要な描画データを描画データ生成プロセッサ12に生成させる。そして、その描画データを描画処理プロセッサ15に転送して描画処理を行わせる。描画処理プロセッサ15は、描画データに基づいて1/60秒毎にゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像をVRAM16に書き込む。ディスプレイ2は、半透過型カラー液晶ディスプレイとバックライトLED(Light Emitting Diode)とを有し、VRAM16に書き込まれたゲーム画像を表示する。
【0030】
また、CPU11は、ゲームの進行に応じて、スピーカ20から出力すべき効果音やBGM等の音声を決定し、その音声を発音するための音声データをRAM13から読み出して音声処理プロセッサ18に入力する。即ち、CPU11は、ゲームの進行に伴って発音イベントが発生すると、その発音イベントに応じた音声データ(ゲームメディア5からロードされた音声データ)をRAM13から読み出して音声処理プロセッサ18に入力する。音声処理プロセッサ18は、DSP(Digital Signal Processor)で構成されており、CPU11によって入力された音声データに対して所定の効果(例えば、リバーブ、コーラスなど)を付与したのちアナログ信号に変換して、アンプ19に出力する。アンプ19は、音声処理プロセッサ18から入力された音声信号を増幅したのち、スピーカ20及びイヤホン端子21に出力する。
【0031】
無線LANモジュール24は、通信規格IEEE802.11b(使用周波数帯2.4GHz、通信速度11Mbps)に準拠した無線LANによって他のゲーム装置1とデータ通信を行い、アドホックモードのネットワークNWを構成するための通信モジュールである。従って、図1に示すように、各ゲーム装置1はこのネットワークNWを介して互いに通信することができ、後述するように所定のゲームデータを送受信したり、同期してマルチプレイゲームを進行したりすることができるようになっている。
【0032】
[ゲームシステム]
次に、ゲーム装置1がゲームプログラム5aを実行することによってプレイすることができるゲームシステムの概要について説明する。図2は、ゲームシステムの一態様を説明する模式図であり、複数のゲーム装置1を操作する各プレイヤ同士が、お互いの存在を認識した上で、共同してゲームを進行させるマルチプレイゲームのシステムを説明する模式図である。なお、本実施の形態では、プレイヤがプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間内で行動させ、モンスター等の敵キャラクタを討伐する内容のミッションを遂行する、いわゆるハンティングアクションゲームを例示する。また、以下の説明では2機のゲーム装置1がマルチプレイゲームに参加する場合について例示するが、3機以上のゲーム装置1が参加する場合も同様である。
【0033】
図2に示すように、本ゲームでは、ゲーム装置1毎にプレイヤキャラクタC1が設定されており、更に、プレイヤの裁量により、プレイヤキャラクタC1に同伴して補助的にゲームに参加する同伴キャラクタC2を設定できるようになっている。また、本ゲームでは、プレイヤを紹介する情報が記載されたプレイヤカードC3が設定されている。該プレイヤカードC3は、ゲーム装置1のディスプレイ2にてカードの形態で表示することができる仮想的なものであり、そこには、プレイヤが本ゲームをプレイした履歴(プレイ時間、完遂したミッション名など)や、プレイヤ自身を紹介する編集可能な情報(名前、自己紹介文など)を含むプレイヤデータが表示されている。
【0034】
なお、上記プレイヤキャラクタC1とは、プレイヤが操作部22を操作することによって、仮想ゲーム空間内での動作を直接的に制御することができるキャラクタであり、本ゲームではこのプレイヤキャラクタC1がハンターとなる。また、同伴キャラクタC2及び敵キャラクタとは、プレイヤによる操作部22の操作によっては直接的に動作を制御することができず、状況に応じてCPU11がその動作を制御するノンプレイヤキャラクタである。
【0035】
同伴キャラクタC2について更に付言すると、同伴キャラクタC2は、プレイヤが登録することによってゲーム装置1毎に設定することのできるノンプレイヤキャラクタであり、プレイヤが登録した同伴キャラクタC2は、そのゲーム装置1のみが制御権を有することとなる。なお、ここでいう、同伴キャラクタC2に関する「制御権」とは、同伴キャラクタC2に対し、ゲームの進行に応じて制御部30がその動作を制御することのできる権限を意味している。そして、この同伴キャラクタC2は、プレイヤキャラクタC1に同伴してミッションに参加することなどにより成長し、同伴キャラクタC2に予め定められている正規の範囲内で、ステータスデータに含まれるパラメータ(経験値など)が変化する。
【0036】
また、同伴キャラクタC2に関するデータ(ステータスデータを含む)は、プレイヤがゲームを行った履歴を示すプレイヤ履歴情報の一部であり、同伴キャラクタC2を登録(設定)することにより、当該データは登録したゲーム装置1のRAM13に記録される。そして、その後のプレイヤによる所定の操作によって、ゲームメディア5又はその他のアクセス可能な記録媒体に記録(セーブ)される。
【0037】
本ゲームでは、ゲーム装置1を操作して所定のモード(以下、「マルチプレイモード」とも称する)に設定することにより、同モードに設定された他のゲーム装置1との間に、無線LANモジュール24により互いに通信可能なネットワークNWが構築される。そして、このネットワークNWを介して、各ゲーム装置1を操作するプレイヤ同士が共同して同一のミッションを同期的に進行させる、マルチプレイゲームをプレイすることができる。
【0038】
より具体的に説明すると、マルチプレイモードに設定された各ゲーム装置1のプレイヤキャラクタC1及び同伴キャラクタC2は、仮想ゲーム空間内に設定されたロビー(集会場)Lに集められる。ロビーLに集まった各キャラクタC1,C2は、他のプレイヤが操作するものも含めて、全て、各ゲーム装置1のディスプレイ2(図2の例でいえば、ゲーム装置1A,1Bのディスプレイ2A,2B)に表示される。そして、最初のキャラクタC1,C2がロビーLに入ってから所定の時間が経過した場合、参加可能な最大数のキャラクタが集まった場合、又は、その他の所定の条件を満たすことにより、ロビーLに集まった全キャラクタC1,C2が共同して共通の仮想ゲーム空間内で遂行するミッションが開始される。
【0039】
なお、ゲーム装置1は、複数の同伴キャラクタC2を登録することができ、登録した同伴キャラクタC2の夫々に対して上述した制御権を有することとなる。また、プレイヤは、登録された同伴キャラクタC2を示すリストから、ミッションに同伴させる同伴キャラクタC2を選択(決定)することができる。このように、ミッションに同伴させる同伴キャラクタC2を選択することで、図2に示すように、選択した同伴キャラクタC2がロビーLに表示される。また、図2ではプレイヤキャラクタC1が1体の同伴キャラクタC2を選択している状態を示しているが、本実施の形態では1機のゲーム装置1に対して2体まで同伴キャラクタC2を選択することができる。従って、2体の同伴キャラクタC2を選択した場合には、ロビーLには、プレイヤキャラクタC1に対して2体の同伴キャラクタC2が表示されることになる。
【0040】
ここで、マルチプレイゲームでの各キャラクタC1の動作をプレイヤの操作に応じて制御することができる操作権は、各キャラクタC1が設定された元のゲーム装置1のみが所有している。即ち、図2の例でいえば、ゲーム装置1Aにて設定されたキャラクタC1−Aの操作権はゲーム装置1Aが有し、ゲーム装置1Bにて設定されたキャラクタC1−Bの操作権はゲーム装置1Bが有している。従って、例えばゲーム装置1Aのディスプレイ2AにはキャラクタC1−Bも表示されるが、ゲーム装置1Aによりこれを操作することはできず、ゲーム装置1Bのみが操作できる。そして、ゲーム装置1Bにて操作し、キャラクタC1−Bを動作させた場合、その動作態様は、ゲーム装置1Bだけでなくゲーム装置1Aのディスプレイ2Aにも表示される。
【0041】
また、上述したように各同伴キャラクタC2の制御権は、それが登録されたゲーム装置1に属している。即ち、図2の例でいえば、同伴キャラクタC2−Aの制御権はゲーム装置1Aのみが有し、同伴キャラクタC2−Bの制御権はゲーム装置1Bのみが有している。従って、例えばゲーム装置1Aのディスプレイ2Aには同伴キャラクタC2−Bも表示されるが、ゲーム装置1Aによりこの同伴キャラクタC2−Bの動作を制御することはできず、ゲーム装置1Bのみがそのような動作制御を行うことができる。なお、ゲームの進行に伴って同伴キャラクタC2−A,C2−Bが動作した場合は、ゲーム装置1A,1Bの双方にて、その動作態様がディスプレイ2A,2Bに表示される。
【0042】
このように、あるゲーム装置1が操作権を有するキャラクタC1や制御権を有する同伴キャラクタC2を他のゲーム装置1にて表示するために、各ゲーム装置1間では、各キャラクタC1,C2のステータスを示す上述のステータスデータが送受信される。このステータスデータには、プレイヤによりキャラクタC1,C2に設定された名称、装備している武器及び防具、これまでのプレイ履歴に応じて取得される経験値、レベル、攻撃力などが含まれている。従って、他のゲーム装置1からステータスデータを受け取ることにより(各ゲーム装置1のRAM13に一時的に記録することにより)、例えば、各キャラクタC1,C2を、全てのゲーム装置1において同一の外観で表示することができる。なお、例えばゲーム装置1Aが操作権を有するプレイヤキャラクタC1−Aについては、マルチプレイゲームが終了した時点でゲーム装置1BのRAM13からそのデータが消去されるため、該ゲーム装置1Bのディスプレイ2Bに表示されなくなる。また、ゲーム装置1Aが制御権を有する同伴キャラクタC2−Aについても、マルチプレイゲームが終了した時点でゲーム装置1BのRAM13からそのデータが消去されるため、該ゲーム装置1Bのディスプレイ2Bに表示されなくなる。
【0043】
一方、プレイヤカードC3については、該プレイヤカードC3が設定された元のゲーム装置1のみが所有権及び編集権を有することとされている。ここでいう、プレイヤカードC3に関する「所有権」とは、ゲーム装置1がオフラインの状態であってもプレイヤカードC3を閲覧できるようにそのデータを所有する(即ち、ゲーム装置1にゲームメディア5又は他のアクセス可能な記録媒体に記録(セーブ)する)ことのできる権利を意味し、「編集権」とは、プレイヤカードC3の表示内容(即ち、記録(セーブ)したプレイヤカードC3の内容を示すデータ)を編集することのできる権利を意味する。図2の例でいえば、ゲーム装置1Aにて設定されたプレイヤカードC3−Aの所有権及び編集権はゲーム装置1Aが有し、ゲーム装置1Bにて設定されたプレイヤカードC3−Bの所有権及び編集権はゲーム装置1Bが有する。
【0044】
なお、後述の「受け渡し」又は「配信」が行われると、他のゲーム装置1のプレイヤカードC3を、自機のゲーム装置1にて表示することは可能である。また、自機のゲーム装置1はそのプレイヤカードC3に関するデータ(プレイヤデータ)をセーブすることが可能であり、セーブすることにより、その後にオフラインになってもそのプレイヤカードC3を閲覧することができる。但し、オンライン及びオフラインにかかわらず、その内容(例えば、プレイヤの名称など)を編集できるのは、その編集権を有するゲーム装置1(上記の例でいえば他のゲーム装置1)のみである。
【0045】
なお、プレイヤカードC3に関するデータも、プレイヤがゲームを行った履歴を示すプレイヤ履歴情報の一部であり、プレイヤカードC3を設定又は編集することにより、当該データはゲーム装置1のRAM13に記録される。そして、その後のプレイヤによる所定の操作によって、ゲームメディア5又はその他のアクセス可能な記録媒体に記録(セーブ)される。
【0046】
ところで、本ゲームでは、マルチプレイゲームに参加している複数のゲーム装置1間で、同伴キャラクタC2及びプレイヤカードC3を、相互に「受け渡し」することができるようになっている。即ち、複数のプレイヤがマルチプレイゲームに参加し、各キャラクタC1,C2がロビーLに集まっている状態で、同伴キャラクタC2の複製を他のゲーム装置1(その同伴キャラクタC2について制御権を有していないゲーム装置)に対して「受け渡し」することができ、プレイヤカードC3の複製についても他のゲーム装置1(そのプレイヤカードC3について所有権及び編集権を有していないゲーム装置)に対して「受け渡し」をすることができる。
【0047】
図3は、上記「受け渡し」を説明するための模式図である。図3に示すように、ゲーム装置1Aにて所定の操作をすることにより、該ゲーム装置1Aが制御権を有する同伴キャラクタC2−Aの複製データが生成され、マルチプレイゲームに参加している他の全てのゲーム装置1(図3ではゲーム装置1B)に対して送信される。なお、参加している他の全てのゲーム装置1に対して送信せず、プレイヤが所定の操作によって指定したプレイヤ(ゲーム装置1)だけに送信するようにしてもよい。ゲーム装置1Bにてプレイヤによりこれを受け取る旨の操作がされると、該ゲーム装置1Bにて複製データが受信される。ゲーム装置1Bは、受信した複製データに係る同伴キャラクタC2−Aの制御権を有することとなり、ミッションに同伴させることのできる同伴キャラクタC2として登録される。従って、ゲーム装置1Bにおいて、ミッションに同伴させる同伴キャラクタC2としてこの同伴キャラクタC2−Aが選択されると、図3に示すように、ディスプレイ2Bにて、この同伴キャラクタC2−Aをオリジナルと同じ外観で表示でき、且つ、図示しないがマルチプレイゲームに参加している他のゲーム装置1のディスプレイ2にも同様に表示されることとなる。
【0048】
即ち、同伴キャラクタC2−Aの複製データとは、これを受信したゲーム装置1BがRAM13等の記録媒体に当該複製データを記録することにより、ゲーム装置1Aが制御権を有するものと同一の同伴キャラクタC2−Aを、ゲーム装置1A,1B間がオフラインになっても、自機(ゲーム装置1B)にて表示できるのに加え、ミッションに同伴させた場合には、ゲームの進行に応じて当該同伴キャラクタC2−Aの動作を制御できるキャラクタとして複製可能とするデータである。なお、この複製データには、上述した同伴キャラクタC2のステータスを示すステータスデータも含まれる。
【0049】
また、同伴キャラクタC2に関する複製データは、これを受信したゲーム装置1のプレイヤ履歴情報の一部として扱われる。従って、「受け渡し」により受信した複製データに係る同伴キャラクタC2を同伴してミッションを遂行した場合、当該同伴キャラクタC2を成長させることができ、そのステータスデータ(経験値等)は、予め定められた正規の範囲内で変化する。そして、RAM13等の記録媒体に記録した複製データ(ステータスデータを含む)を、プレイヤが所定の操作により、ゲームメディア5又は他のアクセス可能な記録媒体に記録(セーブ)することで、ゲーム装置1の電源がOFFになった後も当該複製データを保持し続けることができる。
【0050】
なお、ゲーム装置1Bが受け取る同伴キャラクタC2−Aは、オリジナルの同伴キャラクタC2−Aの複製であるため、「受け渡し」を行ったゲーム装置1Aが元々制御権を有していたオリジナルの同伴キャラクタC2−Aは、存在しなくなるわけではない(データが消去されるわけではない)。即ち、ゲーム装置1Aが制御権を有するオリジナルの同伴キャラクタC2−Aと、ゲーム装置1Bが制御権を有する複製された同伴キャラクタC2−Aとが、同時に併存することとなる。なお、「受け渡し」を行ったゲーム装置1Aのオリジナルの同伴キャラクタC2−Aを削除(即ち、RAM13等の記録媒体からそのデータを消去)することで、ゲーム装置1Bが受け取った複製に係る同伴キャラクタC2−Aと併存させなくても消去してもよい。また、図3を参照した上述の説明では、マルチプレイゲームに参加するプレイヤキャラクタC1に同伴している同伴キャラクタC2を対象に、「受け渡し」する場合を例示したが、これに限られない。即ち、既に説明したように本実施の形態に係るゲーム装置1では、1機のゲーム装置1には複数の同伴キャラクタC2を登録することができる。従って、ミッションに同伴すべく選択した同伴キャラクタC2以外に、リストに登録された他の同伴キャラクタC2についても、他のゲーム装置1へ「受け渡し」する対象とすることができる。
【0051】
プレイヤカードC3の「受け渡し」についても同様であり、図3に示すように、ゲーム装置1Aにて所定の操作をすることにより、該ゲーム装置1Aが所有権及び編集権を有するプレイヤカードC3−Aの複製データが生成され、マルチプレイゲームに参加している他の全てのゲーム装置1(図3ではゲーム装置1B)に対して送信される。なお、参加している他の全てのゲーム装置1に対して送信しなくても、プレイヤが所定の操作によって指定したプレイヤだけに送信するようにしてもよい。ゲーム装置1Bにてプレイヤによりこれを受け取る旨の操作がされると、該ゲーム装置1Bにて複製データが受信される。そして、ゲーム装置1Bは、受信した複製データに係るプレイヤカードC3−Aの所有権を有することとなる。
【0052】
このように、プレイヤカードC3の複製データとは、これを受信したゲーム装置1BがRAM13等の記録媒体に当該複製データを記録することにより、ゲーム装置1Aが所有権及び編集権を有するものと同一のプレイヤカードC3−Aを、ゲーム装置1A,1B間がオフラインになっても、自機(ゲーム装置1B)が所有権を有することで自機のディスプレイ2にて表示させることができるように複製可能とするデータである。なお、この複製データには、上述したプレイヤカードC3の内容を示すプレイヤデータも含まれる。また、プレイヤカードC3については、これを受け取ったゲーム装置1はその所有権を有することとなるが、編集権は有しない。従って、上述した例でいえば、ゲーム装置1Bは、「受け渡し」により受け取ったプレイヤカードC3−Aを閲覧することは可能であるが、その内容を編集することはできない。また、RAM13等の記録媒体に記録した複製データを、ゲームメディア5又は他のアクセス可能な記録媒体に記録(セーブ)することで、ゲーム装置1の電源がOFFになった後も当該複製データを保持し続けることができる点は、上述した同伴キャラクタC2の場合と同様である。
【0053】
また、この場合も、「受け渡し」を行ったゲーム装置1Aが元々所有権を有していたオリジナルのプレイヤカードC3−Aは存在しなくなるわけではなく、ゲーム装置1Aが所有権を有するオリジナルのプレイヤカードC3−Aと、ゲーム装置1Bが所有権を有する複製されたプレイヤカードC3−Aとが、同時に併存することとなる。なお、「受け渡し」を行ったゲーム装置1AのオリジナルのプレイヤカードC3−Aを削除(即ち、RAM13等の記録媒体からそのデータを消去)することで、ゲーム装置1Bが受け取った複製に係るプレイヤカードC3−Aと併存させなくてもよい。
【0054】
図4は、ゲームシステムの他の態様を説明する模式図である。ゲーム装置1は、無線LANモジュール24を用いて、他のゲーム装置1との間で所謂「すれちがい通信(登録商標)」を行うことができる。即ち、ゲーム装置1に備えられた所定のモードを起動し、ゲーム装置1の電源を入れた状態にしておくことで、ゲーム装置1は「すれちがい通信(登録商標)」が可能な状態となる。この状態で、例えばプレイヤが該ゲーム装置1を携帯し、同モードが起動された他のゲーム装置1の近傍を通ると、プレイヤが更なる操作をしなくても、双方のゲーム装置1間で自動的に通信が行われる。本ゲームでは、この通信により、同伴キャラクタC2又はプレイヤカードC3の「配信」を行うことができるようになっている。
【0055】
この「配信」は、リストに登録されている同伴キャラクタC2又はプレイヤカードC3の複製データを他のゲーム装置1との間で送受信でき、受信したゲーム装置1が同伴キャラクタC2の制御権を新たに有し、プレイヤカードC3の所有権を新たに有する点では、上記「受け渡し」と同様である。但し、「配信」は、プレイヤが他のプレイヤを認識せずとも実行されるため、複製データを受信するに際してプレイヤの操作は必要ない。
【0056】
[制御部の機能的構成]
図5は、上述したようなゲームシステムを実現するために、ゲーム装置1が備える制御部30の機能的な構成を示すブロック図である。制御部30は、ゲームメディア5から読み込んだゲームプログラム5a及びゲームデータ5bを実行することにより、以下に説明するような機能を備える。即ち、図5に示すように制御部30は、ゲーム空間生成手段31、キャラクタ制御手段32、ゲーム進行手段33、ステータスデータ送受信手段34、プレイヤデータ送受信手段35、複製データ送受信手段36、不正判定手段37、及び不正データ処理手段38などの機能を備えている。なお、上記ステータスデータ送受信手段34、プレイヤデータ送受信手段35、及び複製データ送受信手段36は、ゲーム装置1におけるゲームデータ送受信手段を構成している。
【0057】
ゲーム空間生成手段31は、プレイヤキャラクタC1が行動する仮想ゲーム空間(ロビーLを含む)を生成するものである。キャラクタ制御手段32は、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタC1、同伴キャラクタC2、及び敵キャラクタを含む様々のキャラクタの動作を制御する。例えば、プレイヤによる操作部22の操作に応じて、対戦時におけるプレイヤキャラクタC1の移動、攻撃、及び防御を含む各種動作を制御し、また、ゲームの進行に応じて、同伴キャラクタC2及び敵キャラクタによる移動、攻撃、及び防御等の各種の動作も制御する。
【0058】
ゲーム進行手段33は、本ゲーム全般の進行を制御するものである。例えば、マルチプレイゲームにおいて、プレイヤによる操作部22の操作に応じてミッションを開始及び進行させ、プレイヤキャラクタC1の存在地点に応じて、敵キャラクタを仮想ゲーム空間内に出現させ、ディスプレイ2に表示させる。また、プレイヤキャラクタC1及び同伴キャラクタC2と敵キャラクタとの対戦において、一方の攻撃により他方が受けたダメージを管理するなど、本ゲームの進行に必要な様々の制御を実行する。なお、本ゲームの進行においては、様々のゲームデータを使用するが、ゲーム進行手段33は、当該ゲームデータとして後述する正規データだけでなく、不正データを修正した修正データも使用してゲームを進行可能になっている。
【0059】
ステータスデータ送受信手段34は、キャラクタC1,C2に設定された名称、装備している武器及び防具、これまでのプレイ履歴に応じて取得される経験値、レベル、攻撃力などを含むステータスデータを、他のゲーム装置1との間で送信及び受信する。プレイヤデータ送受信手段35は、プレイヤが本ゲームをプレイした履歴(プレイ時間、完遂したミッション名など)や、プレイヤ自身を紹介する編集可能な情報(名前、自己紹介文など)を含むプレイヤデータを、他のゲーム装置1との間で送受信する。上述したように、マルチプレイゲームに参加しているゲーム装置1は、受信したステータスデータに基づき、他のゲーム装置1が操作権を有するキャラクタC1や制御権を有する同伴キャラクタC2を、自身のディスプレイ2に表示することができる。また、受信したプレイヤデータに基づき、他のゲーム装置1が所有権及び編集権を有するプレイヤカードC3を、自身のディスプレイ2に表示することができる。
【0060】
複製データ送受信手段36は、同伴キャラクタC2及びプレイヤカードC3の複製データを生成し、これを他のゲーム装置1との間で送受信する。上述したように、複製データの送受信は、図3を参照して説明した「受け渡し」、及び図4を参照して説明した「配信」の何れの態様においても実行される。そして、複製データを受信したゲーム装置1は、複製された同伴キャラクタC2の制御権を新たに有することができ、或いは、複製されたプレイヤカードC3の所有権を新たに有することができる。
【0061】
不正判定手段37は、本ゲームにて使用される所定のゲームデータについて、それが本ゲームで許容するものとして予め想定(設定)された正規データであるか、又は想定外(設定外)の不正データであるかの判定(チェック)を行う。不正データ処理手段38は、不正判定手段37によって所定のゲームデータが不正データであると判定された場合に、該不正データを適宜処理する。処理の内容としては、後述するように、不正データを、正規の内容を有する所定の修正データに修正する処理、不正な複製データの送信を禁止する処理、及び、受信した不正な複製データの使用(即ち、同伴キャラクタC2又はプレイヤカードC3の使用)を禁止する処理(具体的には、受信した複製データの消去)、などがある。
【0062】
[不正判定及び不正データ処理]
次に、不正判定及び不正データ処理の態様について説明する。図6は、本ゲームでの不正判定及び不正データ処理の動作の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、本ゲームでは、まず、所定の不正判定タイミングであるか否かを判定する(ステップS1)。
そして、不正判定タイミングではないと判定した場合(ステップS1:NO)はこのステップS1を繰り返し、不正判定タイミングであると判定した場合(ステップS1:YES)は、対象となるデータについて不正有無の判定を実行する(ステップS2)。
【0063】
なお、上記不正判定タイミングは、本ゲームにおいて様々の場面が設定されており、また、不正判定の対象データも、不正判定タイミングに応じて設定されているが、これらの詳細は図7を参照して後述する。また、不正判定の方法については、本ゲームにおいては特に限定されず、公知の不正判定方法を適宜採用することができる。
【0064】
次に、不正判定の結果、不正データであると判定した場合(ステップS3:YES)は、当該不定データに対し、修正や使用禁止など、図8を参照して後に詳述する所定の処理を実行し(ステップS4)、一連の処理を終了する。また、不正データではない(正規データである)と判定した場合(ステップS3:NO)も、一連の処理を終了する。なお、一連の処理を終了した後は、再びステップS1からの処理を実行する。
【0065】
以下では、上述した動作フローの説明で言及した不正判定タイミング、判定対象データ、及び不正データ処理のそれぞれについて更に説明する。はじめに、判定タイミングと、不正データのおおまかな処理方針とについて説明し、次いで、不正データに対する具体的な修正処理の内容について説明する。
【0066】
図7は、不正判定手段37により、ゲームデータの不正有無を判定するタイミング、判定対象となるゲームデータ、及び不正データの処理方針を示す図表である。図7の上側の図表に示すように、マルチプレイゲームにおいては、(1)仮想ゲーム空間内のロビーLへ自身のゲーム装置1(自機)が入室したタイミングで、自機のデータ(入室させた同伴キャラクタC2のステータスデータ)をチェックする。ここで不正有りと判定した場合には、自機が有するその不正データに対して修正を行う。
【0067】
また、(2)自機がロビーLに入室した直後には、自機を含む全ゲーム装置1のデータ(入室済みの同伴キャラクタC2のステータスデータ)をチェックする。即ち、ロビーLに入室することにより、既に入室している他のゲーム装置1から、各同伴キャラクタC2のステータスデータが送られてくるため、これらもチェックする。そして、不正有りと判定した不正データについては、自機が受信したデータに対して修正を行う。(3)自機がロビーLに滞在している期間中に新規に他のゲーム装置1が入室してきたときには、新規に入室したゲーム装置1から、ロビーLに入室させた同伴キャラクタC2のステータスデータが送られてくるので、このデータをチェックする。そして、不正有りと判定した場合には、自機が受信したそのデータに対して修正を行う。
【0068】
また、(4)自機がロビーLに滞在している期間中は、所定時間が経過する毎(例えば、2秒毎)に、他のゲーム装置1から送られてくるデータ(入室済みの同伴キャラクタC2のステータスデータ)をチェックする。そして、不正有りと判定した場合には、自機が受信したそのデータに対して修正を行う。(5)ロビーLから出てミッションを開始するときには、自機を含む全ゲーム装置1のデータ(既に受信している全ての同伴キャラクタC2のステータスデータ)をチェックする。そして、不正有りと判定した場合には、自機が有する不正データに対して修正を行う。
【0069】
図7の下側の図表に示すように、上述した「受け渡し」及び「配信」を行う際には、(6)送信する側のゲーム装置1にて、複製データを送信する直前のタイミングで、送信しようとする複製データをチェックする。そして、不正有りと判定した複製データについては、その送信を禁止する。また、(7)受信する側のゲーム装置1においても、複製データを受信した直後のタイミングで、受信した複製データをチェックする。そして、不正有りと判定した場合には、該複製データの使用、即ち、該複製データによる同伴キャラクタC2又はプレイヤカードC3の使用を禁止する。
【0070】
なお、本実施の形態に係るゲーム装置1では、「受け渡し」によって他のプレイヤのプレイヤカードC3に関する複製データを受信し、そのプレイヤのゲーム装置1とその後再び通信すると、複製データの内容が、当該ゲーム装置1にて登録されているオリジナルのプレイヤカードC3に関するプレイヤデータの内容に自動更新される。そして、自動更新のために送受信される新たな複製データの不正判定も行うが、このときに不正有りと判定した場合には、当該複製データを修正してもよいし、又は、送信側のゲーム装置1において当該複製データの送信を禁止し、受信側のゲーム装置1において当該複製データの使用を禁止するようにしてもよい。
【0071】
図8は、不正判定手段37により不正の有無を判定する際、及び不正データを修正する際に参照されるデータベースを模式的に示す不正処理参照表であり、該不正処理判定表は、ゲームデータ5bに予め記録されている。図8に示すように、上述した各タイミングで不正の有無がチェックされる、同伴キャラクタC2に関するステータスデータ及び複製データの項目としては、「名称」、「コメント」、「武器」、「防具」、「経験値」、「レベル」、「攻撃力」などがある。なお、「コメント」とは、同伴キャラクタC2が発言する内容を示す、文字列から成るデータである。
【0072】
そして、これらの項目が正規データか否かを判定する基準として、「名称」及び「コメント」については、「禁止文字列を含まないこと」という条件が設定されている。禁止文字列としては、図8に示すように、予め該当する文字列(文字列01,文字列02・・・など)が登録されている。従って、これらの禁止文字列のうち少なくとも1つを含む場合、不正データと判定される。
【0073】
また、「武器」については、本ゲームにて使用することが許可されているものが、数値で表されるID(101,102・・・など)により登録されている。従って、このIDが正規データであり、登録された何れとも一致しないID(即ち、正規の範囲外の数値のID)は不正データと判定される。同様に、「防具」についても、本ゲームにて使用することが許可されているものが、数値で表されるID(201,202・・・など)により登録されている。従って、このIDが正規データであり、登録された何れとも一致しないIDは不正データと判定される。
【0074】
「経験値」については、本ゲームにて予め設定された正規の数値範囲(0〜6000など)が登録されており、この数値範囲外の経験値は不正データと判定される。「レベル」についても、本ゲームにて予め設定された正規の数値範囲(1〜20など)が登録されており、この数値範囲外のレベルは不正データと判定される。更に、「攻撃力」についても、本ゲームにて予め設定された正規の数値範囲(0〜350など)が登録されており、この数値範囲外の攻撃力は不正データと判定される。なお、「攻撃力」については、上記正規の数値範囲内で、更にレベルに応じた正規の数値が登録されている。例えば、レベル1の攻撃力は10、レベル2の攻撃力は50、などのように、レベル毎に正規の値が登録されている。また、「攻撃力」は、装備している武器に応じて、レベルに応じて設定されている正規の値よりも高い値に設定されるようになっている。
【0075】
一方、上述した各タイミングで不正の有無がチェックされる、プレイヤカードC3に関するプレイヤデータ及び複製データの項目としては、「名称」及び「自己紹介文」などがある。いずれも、上述した同伴キャラクタC2の「名称」及び「コメント」の場合と同様に、「禁止文字列を含まないこと」という条件が、正規データか否かを判定する基準として設定されている。従って、これらの禁止文字列のうち少なくとも1つを含む場合、不正データと判定される。
【0076】
次に、図7に示した不正データの処理方針に従って、不正データ処理手段38が実行する修正処理について具体的に説明する。図8に示すように、同伴キャラクタC2の「名称」に不正があると判定された場合は、予め設定された、禁止文字列を使用しない名称用の基準文字列(例えば、「サブキャラクタ」)に置換する。また、「コメント」に不正があると判定された場合は、予め設定された、禁止文字列を使用しないコメント用の基準文字列(例えば、複数のアスタリスクから成る文字列)に置換する。なお、プレイヤカードC3内の「名称」及び「自己紹介文」に不正があると判定された場合も、上述した夫々と同様の置換処理を行う。
【0077】
一方、「武器」に不正があると判定された場合は、正規データの範囲内で予め設定された基準武器(例えば、攻撃力に対する付加値が最も小さい武器)に置換する。「防具」に不正があると判定された場合は、「防具なし」の状態に置換する。「経験値」や「レベル」に不正があると判定された場合は、正規データの範囲内で最も小さい数値に置換する。そして、「攻撃力」に不正があると判定された場合は、同伴キャラクタC2のレベルに応じた数値に置換する。
【0078】
本ゲームにおいては、正規データだけでなく、上記のように修正して得られた修正データを用いてゲームを進行することが可能である。例えば、「攻撃力」が異常に高く改変された不正な同伴キャラクタC2がロビーLに入室してきた場合であっても、レベルに応じた数値に修正された上で、ミッションの遂行に参加することとなる。従って、ミッションの進行中に敵キャラクタと対戦する場合、敵キャラクタへの攻撃によって与えることのできるダメージは、不正な攻撃力に基づくダメージ量ではなく、修正された攻撃力に基づくダメージ量となる。
【0079】
なお、各ゲーム装置1にて他のゲーム装置1から受信したゲームデータ(不正データがある場合はこれを含む)は、一旦、RAM13のロードエリアにて記憶され、不正データを修正した修正データは、RAM13のロードエリアにて不正データに上書きされる。そして、プレイヤによってセーブ操作がされると、そのゲーム装置1では、RAM13に記憶されていた正規データ又は修正データに係るゲームデータが、ゲームメディア5又は他のアクセス可能な記録媒体に記憶(セーブ)されるようになっている。
【0080】
以上に説明したように、本ゲームでは、マルチプレイゲームに参加した複数のゲーム装置1が、互いに送受信するゲーム進行に用いられる同伴キャラクタC2のデータ(即ち、図7の(1)〜(5)のタイミングで送受信するステータスデータ及びプレイヤデータ)については、不正有りと判定した場合であっても、これを破棄などせずに正規な範囲のデータ(修正データ)に修正することとしている。そして、参加している各ゲーム装置1は、正規データに加えて、修正データも用いてマルチプレイゲームを進行することができるようになっている。
【0081】
そのため、新たに入室しようとする同伴キャラクタC2のステータスデータに不正がある場合でも、その入室を禁止せずに、修正されたステータスデータを有する同伴キャラクタC2としてゲームに参加させることができる。また、一旦ロビーLに入室した同伴キャラクタC2のステータスデータが、その後、不正データに改変された場合であっても、該同伴キャラクタC2が唐突にロビーLから削除されたり、ロビーLに存在するにもかかわらずミッションに参加できないといった事態にならず、修正されたステータスデータを有する同伴キャラクタC2として、ゲームに参加し続けることができる。これにより、不正データへの改変行為によって、ゲームの進行に影響を与える参加キャラクタ数の変更が生じるのを防止することができる。
【0082】
「本実施の形態では、不正判定の対象として同伴キャラクタC2及びプレイヤカードC3に関するデータを例示したが、これに限られず、他のキャラクタ(例:プレイヤキャラクタ)やアイテムに関するデータについて不正判定し、不正データであった場合に上述したのと同様の処理を施すこととしてもよい。また、敵キャラクタ等のプレイヤに関連しないデータであってもよい。さらに、「受け渡し」時の複製データ等のゲーム進行に用いられないデータであってもよい。
【0083】
また、不正データの修正処理についても、図8に示す態様に限られない。例えば、「コメント」や「自己紹介文」に不正があった場合、これを空欄表示するように修正してもよいし、「防具」に不正があった場合、不正なプレイヤにとってより不利になる、ダメージを受けやすいものに置換することとしてもよい。」また、数値を修正する場合、予め定められた一の修正データに修正する態様に限定されない。即ち、不正データとして判定されないような正規の範囲内のデータに修正すればよく、例えば、正規の範囲内でランダムに修正データの内容を決定してもよいし、プレイヤキャラクタC1のステータス(ゲーム上のレベルなど)に基づいて決定するようにしてもよい。
【0084】
また、本ゲームは、例えばゲーム装置1AのプレイヤカードC3−Aに含まれるプレイヤキャラクタC1−Aに関する情報に基づき、ゲーム装置1Bにて、該プレイヤキャラクタC1−Aの外観を模した新たなキャラクタを同伴キャラクタC3として生成し、登録できるようにしてもよい。そして、この場合、ゲーム装置1A,1B間で送受信されるゲームデータに対し、上述したような不正判定及び不正データ処理を適用することができる。
【0085】
更に、本実施の形態では、制御権を含めて同伴キャラクタC2の複製データを「受け渡し」又は「配信」する場合、所有権を含めてプレイヤカードC3の複製データを「受け渡し」又は「配信」する場合については、不正有りと判定した複製データの送信及び使用を禁止することとしている。このように、ゲーム進行への影響がないと考えられる、同伴キャラクタC2及びプレイヤカードC3の「受け渡し」及び「配信」においては、実質的にこれらを達成できないようにしている。従って、不正な複製データの「受け渡し」及び「配信」により、不正な同伴キャラクタC2及びプレイヤカードC3が、正当なゲーム装置1にて動作し又は表示され、そのプレイヤが不快に思うのをより防止することができる。
【0086】
なお、不正判定を行うタイミングについては、図7に示すタイミングに限られず、このうち一部を削除してもよいし、別のタイミングを追加してもよい。また、上述した説明では、同伴キャラクタC2の「受け渡し」及び「配信」において、その同伴キャラクタC2の制御権を伴って受け渡されること、プレイヤカードC3の「受け渡し」及び「配信」において、そのプレイヤカードC3の所有権を伴って受け渡されること、について言及した。しかしながら、本発明の具体的な実施態様はこれに限られない。
【0087】
例えば、「受け渡し」又は「配信」されるゲームデータについて、送信側のゲーム装置1が操作権を有している場合に、受信側のゲーム装置1ではゲームデータの操作権を有することとする他、制御権、所有権、編集権の何れか一又は複数を有することとなるようにしてもよい。また、送信側のゲーム装置1がゲームデータの制御権を有している場合に、受信側のゲーム装置が同じくゲームデータの制御権を有することとする他、操作権、所有権、編集権の何れか一又は複数を有することとなるようにしてもよい。結局、受信側のゲーム装置1が獲得する権利は、送信側のゲーム装置1がそのゲームデータに対して有していた権利と同一又はその一部である態様に限定されず、送信側のゲーム装置1がそのゲームデータに対して有していなかった権利を、受信側のゲーム装置1が新たに取得できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ゲームにおいて不正データを検出した場合に、より適切な処理を行うことによって、特に、正当なプレイヤに生じる違和感や不快感を低減することができるゲームプログラム、及びゲーム装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 ゲーム装置
5a ゲームプログラム
5b ゲームデータ
30 制御部
31 ゲーム空間生成手段
32 キャラクタ制御手段
33 ゲーム進行手段
34 ステータスデータ送受信手段
35 プレイヤデータ送受信手段
36 複製データ送受信手段
37 不正判定手段
38 不正データ処理手段
C1 プレイヤキャラクタ
C2 同伴キャラクタ
C3 プレイヤカード
L ロビー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プレイヤからの操作入力に応じて所定のゲームを進行させるゲーム進行手段、
前記ゲームにて使用される所定のゲームデータについて、それが当該ゲームで許容するものとして予め想定された正規データであるか、又は、想定外の不正データであるかの判定を行う不正判定手段、及び
前記不正データであると判定した場合に、該不正データを処理する不正データ処理手段、として機能させ、
該不正データ処理手段は、前記不正データを、正規の内容を有する所定の修正データに修正し、前記ゲーム進行手段は、前記修正データを使用して前記ゲームを進行可能に構成されていることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、他のコンピュータから前記ゲームデータを受信するゲームデータ受信手段として更に機能させ、
前記不正データ処理手段は、受信したゲームデータが不正データであった場合に、該ゲームデータを修正するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、前記ゲームデータを他のコンピュータに送信するゲームデータ送信手段として更に機能させ、
前記不正データ処理手段は、送信しようとする前記ゲームデータが不正データであった場合に、該ゲームデータを修正し、
前記ゲームデータ送信手段は、前記ゲームデータを修正した修正データを送信可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所定のゲームデータは、当該コンピュータを使用するプレイヤによる前記ゲームのプレイ履歴であるプレイヤ履歴情報の少なくとも一部であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、前記ゲームが進行する仮想ゲーム空間内でキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段として更に機能させ、
前記所定のゲームデータには、前記キャラクタのステータスを示すステータスデータが含まれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記不正データ処理手段は、前記不正データが、予め設定された正規の範囲外の数値を含むものであった場合には、当該数値を、前記範囲内の所定の数値に修正するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記不正データ処理手段は、前記不正データが、予め登録された禁止文字列を含むものであった場合には、当該禁止文字列を、登録された禁止文字列を含まない所定の文字列に修正するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
プレイヤからの操作入力に応じて所定のゲームを進行させるゲーム進行手段、
前記ゲームにて使用される所定のゲームデータについて、それが当該ゲームで許容するものとして予め想定された正規データであるか、又は、想定外の不正データであるかの判定を行う不正判定手段、
前記不正データであると判定した場合に、該不正データを処理する不正データ処理手段、及び
ゲームの状況を取得するゲーム状況取得手段、として機能させ、
前記不正データ処理手段は、不正データであると判定したときには、前記ゲーム状況取得手段により取得した前記ゲームの状況に応じて、該不正データの処理内容を切り換えることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
他のコンピュータがその動作を制御し得る制御権を有するキャラクタについて、自身のコンピュータにて制御権を有することが可能な状態に複製し得る複製データを、前記他のコンピュータから受信する複製データ受信手段、として更に機能させ、
前記所定のゲームデータには、前記複製データが含まれ、
前記不正データ処理手段は、受信した前記複製データが不正データであった場合に、該複製データによる前記キャラクタの使用を禁止するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
該コンピュータがその動作を制御し得る制御権を有するキャラクタについて、他のコンピュータにて制御権を有することが可能な状態に複製し得る複製データを、他のコンピュータへ送信する複製データ送信手段、として更に機能させ、
前記所定のゲームデータには、前記複製データが含まれ、
前記不正データ処理手段は、送信しようとする前記複製データが不正データであった場合に、該複製データの送信を禁止するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載のゲームプログラムを記録したプログラム記憶部、及び、該プログラム記憶部に記憶されたゲームプログラムを実行するコンピュータ、を備えることを特徴とするゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−115461(P2012−115461A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267730(P2010−267730)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】