説明

ゲームプログラムおよびゲーム装置

【課題】プレイヤの自由度を高めるとともに、初心者でもプレイが容易なゲームプログラムおよびゲーム装置を提供する。
【解決手段】ビデオゲームにおいて、目的の地点Bまでのルートとして、メインルートMRと、該メインルートの途中で分岐するサブルートSRとの2種類のルートが設けられており、プレイヤキャラクタPCが前記サブルートの入口に近づくと、該入口をハイライト表示させることで、サブルートの探索を容易にさせるゲームプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元仮想空間中でキャラクタを操作するビデオゲームのゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なジャンルのビデオゲームにおいて、三次元仮想空間中でプレイヤキャラクタを操作して遊ぶものが存在している。たとえば、特許文献1に示すようなゲームが知られている。
【0003】
こうしたゲームでは、特許文献1のように、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇し、戦闘を行いつつ、ゲームのストーリーを進める仕組みになっているものが多かった。また、最近では、敵キャラクタと戦闘を行いつつ進むという方法だけでなく、敵キャラクタと遭遇しないように物陰に身を隠しながら進む方法や、敵の存在しない別のルートを探りつつ進む方法など、ゲームの攻略に複数の方法の選択を認めるシステムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004‐267247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような複数の方法の選択を認めるシステムを採用する場合、プレイヤの自由度が高くなる反面、例えば初心者のプレイヤなどは、今ここでどの方法が使えるのか認識できず迷ってしまい、結局、自由度の高さを楽しむことができない、といった不都合が生じている。
【0006】
そこで本発明は、プレイヤの自由度を高めるとともに、初心者でもプレイが容易なゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるゲームプログラムは、入力手段(3)を有するコンピュータ(1)に、前記入力手段から入力される指令に基づいて仮想三次元空間内でプレイヤキャラクタ(PC)を操作させることにより、該仮想三次元空間の第1の座標位置(A)から第2の座標位置(B)まで該プレイヤキャラクタを移動させることでゲームを実行させる、ゲームプログラム(70)において、前記仮想三次元空間内に、前記第1の座標位置から前記第2の座標位置までに至るメインルート(MR)と、該メインルートとはルートの全部または一部が異なる少なくとも1つのサブルート(SR)と、を設定するとともに、前記メインルートのうち前記サブルートへの分岐となる位置(22A)に標識オブジェクト(25)を設置する手順と、前記仮想三次元空間のうち前記メインルートに、少なくとも1個の物体オブジェクト(OB)と、少なくとも1体の敵キャラクタ(NPC)と、を配置する手順と、前記敵キャラクタを、予め定められた行動ルールに基づいて前記メインルート内で行動するように制御するとともに、該敵キャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記プレイヤキャラクタと、の相互関係が所定の条件を満たす場合には、該敵キャラクタを前記プレイヤキャラクタに向けて攻撃するように行動させる手順と、前記入力手段から入力される指令に基づいて、前記仮想三次元空間内で前記プレイヤキャラクタを行動制御するとともに、該プレイヤキャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記入力手段から入力された指令と、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、該プレイヤキャラクタを前記物体オブジェクトに対して身を隠すように行動させる手順と、前記プレイヤキャラクタと、前記標識オブジェクトと、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、前記標識オブジェクトの表示態様をハイライト表示にする手順と、前記プレイヤキャラクタが前記標識オブジェクトにアクセスした場合に、該プレイヤキャラクタを前記サブルートに移動させる手順と、を実行させることを特徴とする。
【0008】
また本発明によるゲーム装置は、入力手段を有するコンピュータからなり、前記入力手段から入力される指令に基づいて仮想三次元空間内でプレイヤキャラクタを操作させることにより、該仮想三次元空間の第1の座標位置から第2の座標位置まで該プレイヤキャラクタを移動させることでゲームを実行させる、ゲーム装置において、前記仮想三次元空間内に、前記第1の座標位置から前記第2の座標位置までに至るメインルートと、該メインルートとはルートの全部または一部が異なる少なくとも1つのサブルートと、を設定するルート設定手段(53)と、前記メインルートのうち前記サブルートへの分岐となる位置に標識オブジェクトと、前記メインルートに少なくとも1個の物体オブジェクトを配置するオブジェクト配置手段(54)と、前記プレイヤキャラクタを前記仮想三次元空間内で行動可能に配置するとともに、前記メインルートに少なくとも1体の敵キャラクタを配置するキャラクタ配置手段(55,56)と、前記敵キャラクタを、予め定められた行動ルールに基づいて前記メインルート内で行動するように制御するとともに、該敵キャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記プレイヤキャラクタと、の相互関係が所定の条件を満たす場合には、該敵キャラクタを前記プレイヤキャラクタに向けて攻撃するように行動させる敵キャラクタ制御手段(56)と、前記入力手段から入力される指令に基づいて、前記仮想三次元空間内で前記プレイヤキャラクタを行動制御するとともに、該プレイヤキャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記入力手段から入力された指令と、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、該プレイヤキャラクタを前記物体オブジェクトに対して身を隠すように行動させるプレイヤキャラクタ制御手段(55)と、前記プレイヤキャラクタと、前記標識オブジェクトと、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、前記標識オブジェクトの表示態様をハイライト表示にする標識オブジェクト制御手段(54)と、を備え、前記プレイヤキャラクタ制御手段は、前記プレイヤキャラクタが前記標識オブジェクトにアクセスした場合に、該プレイヤキャラクタを前記サブルートに移動させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレイヤキャラクタ(PC)がアクセス可能な標識オブジェクト(25)に近づくと、該標識オブジェクトがハイライト表示されるので、アクセス可能な箇所がすぐにわかり、初心者であってもサブルート(SR)の探索が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ゲーム装置の一例を示す図。
【図2】各制御部の一例を示したブロック図。
【図3】ゲームプログラムによる制御手順の一例を示したフローチャート。
【図4】仮想三次元空間中に形成するゲーム世界の一例を示した概念図。
【図5】メモリ部へロードするマップデータの分割例を示した図。
【図6】敵キャラクタとプレイヤキャラクタと物体オブジェクトとの相互関係を示した図。
【図7】プレイヤキャラクタのポーズの変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図に従って説明する。コンピュータであるゲーム装置1は、図1に示すように、いわゆる据え置き型の家庭用ビデオゲーム機となっている。ゲーム装置1は、本体2を有し、本体2には入力手段であるコントローラ3がケーブル等で接続されている。また、本体2にはテレビ等の画像出力装置である液晶モニタ5がケーブル等で接続され設けられている。本体2の内部には、図示しない演算装置や記憶装置などが内蔵されており、記憶媒体としての光学メディア7が、本体2に設けられたドライブ4に対して読取可能な形で装着されている。なお、図1で例示したゲーム装置1は本発明によるゲーム装置の一例にすぎず、本発明のゲーム装置は、図1で示す以外のものでも構わない。例えば、本発明のゲーム装置は、一般的なパーソナルコンピュータで構成されてもよいし、またバッテリーで駆動する携帯型ゲーム機や、スマートフォン、携帯型マルチメディアプレイヤー、携帯電話機、PDAなどで構成されてもよい。あるいは、ゲーム装置は、アーケードゲーム機などで構成されることも可能である。
【0012】
次に、ゲームプログラム70を実行するゲーム装置1について、図2に基づき、その機能面から説明する。ゲーム装置1は、図2に示すように、演算装置としての主制御部50、記憶装置としてのメモリ部51とドライブ4、コントローラ3からの信号を入力する入力制御部52、演算装置からなり仮想三次元空間を設定する三次元空間設定部53、該仮想三次元空間内にオブジェクトを配置し描画される際の表示態様等を制御するオブジェクト制御部54、三次元オブジェクトからなるプレイヤキャラクタを前記仮想三次元空間内で行動可能に配置するとともに、該プレイヤキャラクタの行動を制御するプレイヤキャラクタ制御部55、三次元オブジェクトからなる敵キャラクタを前記仮想三次元空間内で行動可能に配置するとともに、該敵キャラクタの行動を制御する敵キャラクタ制御部56、上述した仮想三次元空間を仮想カメラで撮影した映像で描画し液晶モニタ5に表示出力させる画像出力制御部57、ゲームプログラム70に基づくゲーム進行を制御するゲーム進行制御部58を備えている。
【0013】
以上のように構成されたゲーム装置1において実行されるゲームプログラム70について、その実行手順を説明する。まずゲーム装置1は、プレイヤによる起動操作をうけ、光学メディア7に格納されたゲームプログラム70をドライブ4を介して読み込んで実行することにより、図3に示すようにゲーム進行処理(ST01)を、ゲーム進行制御部58により実行する。例えば、ここで進行処理されるゲームの内容は一人称シューティングゲーム(カメラ位置がプレイヤキャラクタの目の位置にあるもの)であるとする。なお、一人称シューティングゲームは一例に過ぎず、本発明が適用されるゲームは、擬似一人称シューティングゲーム(カメラ位置がプレイヤキャラクタの目の位置ではなく、プレイヤキャラクタの肩や頭など目の近傍にあるもの)、三人称シューティングゲーム(カメラ位置がプレイヤキャラクタの後方や側方にあり、プレイヤキャラクタの全身ないしは上半身が表示されるもの)、その他のシューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、アドベンチャーゲームなど、その他のジャンルのゲームであってもよい。本例で示す一人称シューティングゲームでは、図4に示すように、仮想三次元空間中に設定されたゲーム世界の中で、プレイヤキャラクタが第1地点Aから第2地点Bまで移動することがゲーム目的となっている。なお、ゲーム中のその他の内容やゲーム進行の具体的内容については周知の一人称シューティングゲーム等と同様のものとし、個々の説明を省略する。
【0014】
次に図3に示すように、プレイヤキャラクタPCが第1地点Aに配置される(ST02)。なお、ゲーム進行制御部58はプレイヤキャラクタPCが第2地点Bに到達したかどうかを常時判断(ST03)しており、ここでプレイヤキャラクタPCが第2地点Bに到達したと判断されればゲーム目的のクリアとなる。そして、第2地点Bにまだ到達していない場合、プレイヤはコントローラ3を介してプレイヤキャラクタPCの操作を行う(ST04)。なお、仮想三次元空間のゲーム世界では、図4に示すように、第1地点Aから第2地点Bまでは、建物の部屋21を通過するメインルートMR(図4実線矢印)が設定されており、当該部屋21の天井裏等に相当する位置にはエアダクト22が設けられている。そして、エアダクト22を通るルートとしてサブルートSR(図4破線矢印)が設定されている。部屋21やエアダクト22などの設備、構造物、物体は、仮想三次元空間中ではCGによるオブジェクトで構成されている。ただし、これらの座標データやCGデータ等は必ずしも全体が一体としてメモリ部51にロードされているわけではなく、後述のように必要に応じて必要な部分が入替式でロードされている。すなわち、プレイヤキャラクタPCが第1地点Aに配置される際には、図5に示すように、第1地点Aから第2地点B方向へメインルートMRを進んだ所定位置(図5中の境界C)までの第1領域AR1に関するマップデータがメモリ部51にロードされる。マップデータとは、仮想三次元空間中のある領域に含まれる背景、オブジェクト、プレイヤキャラクタPC、敵キャラクタNPC等に関するデータのことを指す。
【0015】
また、プレイヤキャラクタPCが第1地点Aから境界Cの手前の所定位置まで到達すると、図5に示すように境界Cより先の領域(図5中の境界Cから境界Dまでの領域)である第2領域AR2に関するマップデータのロードを開始し、プレイヤキャラクタPCが第2領域AR2に進入した時点でロードが完了するようにロード開始位置を調整しておく。同様に、プレイヤキャラクタPCが境界Dの手前の所定位置まで到達すると、境界Dから第2地点Bまでの領域である第3領域AR3に関するマップデータのロードを開始し、プレイヤキャラクタPCが第3領域AR3に進入した時点でロードが完了するようにロード開始位置を調整しておく。更に、サブルートSRであるエアダクト22内の領域、つまり図5の第4領域AR4に関するマップデータは、プレイヤキャラクタPCがサブルートSRに至る梯子23(図4と図5参照)を登り始めた時点でロードを開始し、プレイヤキャラクタPCが第4領域AR4(つまりサブルートSR)に進入した時点でロードが完了するように梯子23を登る速度等を調整しておく。また、プレイヤキャラクタPCがエアダクト22を移動して第3領域AR3側の出口22Bの手前の所定位置まで到達すると、当該第3領域AR3に関するマップデータのロードを開始し、プレイヤキャラクタPCが出口22Bから梯子26で降りる時点でロードが完了するようにロード開始位置を調整しておく。
【0016】
なお、上述したマップデータをロードする際の領域AR1,AR2,AR3,AR4等の設定は、使用されるデータの種類により区切る方法で実施した。例えば、第1領域AR1では、第1地点Aでのイベント、チュートリアル、梯子23やカバー25などに関するデータが必要であり、第2領域AR2では、物体オブジェクトOB、敵キャラクタNPC、プレイヤキャラクタPCの戦闘やステルスなどに関するデータが必要であり、第3領域AR3では、第2地点Bでのイベント、梯子26などに関するデータが必要であり、第4領域AR4では、エアダクト22に関するデータが必要である。ただし、各領域の取り方は一例にすぎず、これ以外の方法で領域の設定を行うことも可能である。
【0017】
引き続き図3に示すように、プレイヤがコントローラ3から指示を入力し、プレイヤキャラクタ制御部55は予め設定されたモーションを適用しつつプレイヤキャラクタPCに移動等の行動を行わせる(ST04)。そして、プレイヤキャラクタPCが図5の第2領域AR2に進入すると、敵キャラクタ制御部56は、部屋21に敵キャラクタNPCを配置してその行動を制御する。敵キャラクタNPCは、プレイヤからの操作ではなく敵キャラクタ制御部56によりプログラムのみによって行動が制御される、いわゆるノンプレイヤヤラクタである。敵キャラクタNPCは、敵キャラクタ制御部56により制御されて、図4に示すように、部屋21の中で歩きまわっている。敵キャラクタNPCの行動はいわゆるAI(人口知能)というプログラムで定められている。敵キャラクタ制御部56は、該敵キャラクタNPCとプレイヤキャラクタPCとの相互関係を常に監視している(図3のST05)。例えば、図6に示すように、敵キャラクタNPCの前方でかつゲーム世界中のスケールで半径3m以内(この3mという数字は一例に過ぎない)で、かつ当該敵キャラクタNPCとプレイヤキャラクタPCとの間を遮るオブジェクトが存在しない場合には、該敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCの存在(図6の黒丸で表示)に気がついたものと判定し、該敵キャラクタNPCにプレイヤキャラクタに向けた攻撃行動(例えば銃による射撃の開始など)を開始させる。この場合、プレイヤキャラクタPCは敵キャラクタNPCとの戦闘(図3のST06)に入る。例えば、銃などでの攻撃や、格闘による攻撃などを行い、戦闘でプレイヤキャラクタPCが敗北すればゲームオーバーとなる(図3のST07)。プレイヤキャラクタPCが戦闘で勝利すれば、引き続き目的地である第2地点Bを目指して進むこととなる(図3のST03)。
【0018】
あるいは、プレイヤがプレイヤキャラクタPCを操作し、キャビネットや机などの物体オブジェクトOBの近傍へ移動させ、コントローラ3の特定のボタンを押す(あるいは当該オブジェクトに押し付ける方向へレバーを倒すなど)と、プレイヤキャラクタ制御部55は、図7に示すように、プレイヤキャラクタPCをしゃがませるなどのモーションをとらせて、当該物体オブジェクトOBへ身を隠すポーズをとらせるように制御する(このモードをステルスと呼ぶことにする。)。ステルスとなる際には、カメラ視点は、一人称から三人称へと移動させるように制御してもよく、このようにカメラ視点を自動で変更することにより、初心者であっても、敵キャラクタNPCから効果的に身を隠すための操作が容易になる。また、基本的にステルス中は、三人称でカメラを制御しつつ、プレイヤキャラクタPCにステルス中からの狙撃などを行わせる場合には、一人称(または擬似一人称)にカメラ視点を切り替えて操作性を向上させることも有効である。
【0019】
ステルス中は、図6に示すように、上述した敵キャラクタ制御部56による監視(ST05)において、敵キャラクタNPCの前方でかつゲーム世界中のスケールで半径3m以内にプレイヤキャラクタPC(図6の白丸で表示)が存在していても、当該敵キャラクタNPCとプレイヤキャラクタPCとの間を遮る形で物体オブジェクトOBが存在することとなるので、該敵キャラクタNPCはプレイヤキャラクタPCの存在に気がつかないものと判定される。よって、プレイヤキャラクタPCは、暫くの間、当該物体オブジェクトOBに身を隠して敵キャラクタNPCが遠方へ行くのを待った後、身を隠す状態から通常の状態(身を隠す前の状態)に復帰し、さらに第2地点Bへ移動を進めることができる。このように、敵キャラクタNPCと戦闘を行うことなく第2地点Bへ移動する選択肢も可能である。初心者にとっては、戦闘で敗北してゲームオーバーとなるリスクが低下し、ゲームのクリアが容易になる。
【0020】
一方、プレイヤがプレイヤキャラクタPCを操作し、エアダクト22の入口22A付近に到達する。例えば、図4では、プレイヤキャラクタPCが入口22Aに至る梯子23を登る。エアダクト22の入口22A付近には、オブジェクトとして構成されたカバー25が取り付けられている。オブジェクト制御部54は、プレイヤキャラクタPCの位置とエアダクト22の入口22Aの位置との相対位置関係を監視しており、当該相対位置がゲーム世界中のスケールで半径3m以内(この3mという数字は一例に過ぎない)となれば、前記カバー25を光らせるあるいは黄色や赤など周囲の色と区別容易な目立つ色で表示することによるハイライト表示を実行する。プレイヤはこのハイライト表示を目視することで、当該オブジェクトがアクセス可能なものであるとのヒントを得るので、たとえばこのカバー25の近傍へ行き、コントローラ3の特定のボタンを押す(あるいは特定のレバー操作を行う)ことで、このカバー25を取り除いて該カバー25の先にあるエアダクト22に潜り込む動作を実行させる。エアダクト22は上記メインルートMRに対してサブルートSRとなっており、サブルートSRの途上には敵キャラクタNPCは存在しない。なお、ハイライト表示はアクセス可能なものである梯子23などの別のオブジェクトについて行ってもよい。また、ハイライト表示を行うかどうかの条件である、プレイヤキャラクタPCとエアダクト22の入口22Aの位置との相対位置関係については、上述の条件以外でもよく、例えばプレイヤキャラクタPCが入口22Aが属する領域である第1領域AR1に存在していることを条件にハイライト表示を行うようにしてもよい。
【0021】
その後は、コントローラ3による所定の操作によりプレイヤキャラクタPCはエアダクト22の中を進み(例えば一人称のカメラ視点で進み)、第2地点Bの近傍の出口22Bに到達しメインルートMRに復帰する。このサブルートSRをとるという選択肢により、エアダクト22内の移動では、敵キャラクタNPCとの戦闘が発生する可能性がないので、初心者でも比較的簡単に第2地点Bへの移動ができる。なお、上の例では、エアダクト22がサブルートSRであったが、その他にもサブルートとして屋根裏部屋や、壁裏隙間など、さまざまな態様のものが可能である。また、上記の例ではメインルート1つに対してサブルートが1つだけ設けられている例が示されたが、メインルート1つに対してサブルートが複数設けられていてもよい。さらには、メインルート自体が複数設けられてもよい。
【0022】
なお、キャラクタのステータス情報、ゲームプレイの難易度情報、またはゲームプレイ時間や回数等の条件に基づいて、サブルートへの移動可否を判定してもよい。この場合、サブルートへの移動不可と判定されるときは、サブルートへの移動ができないので、サブルートのマップデータの読み込みが行われず、またカバー55(入口22A)等の標識オブジェクトとプレイヤキャラクタとの相対位置の監視もなされない。さらに、プレイヤキャラクタが標識オブジェクト近傍に移動して操作をしてもサブルートへ進入する動作は生じないようになる。あるいは、キャラクタのステータス情報、ゲームプレイの難易度情報、またはゲームプレイ時間や回数等の条件に基づいて、(サブルートへの移動は可能だが)標識オブジェクトのハイライト表示の可否を判定してもよい。上記条件が満たされた場合、キャラクタがオブジェクトの近傍に到達してもオブジェクトのハイライト表示がなされないので、サブルート探索は難しくなる。熟練したプレイヤの場合は、ハイライト表示によるヒントが示されるよりもヒントの無いほうがゲームを楽しむことができることもある。
【0023】
上記の実施形態のように、敵との戦闘、ステルス、サブルート探索と、複数の選択肢が提供され、ユーザーの自由度が高くなるものの、例えば初心者のプレイヤなどでも、今ここでどの方法が使えるのかの認識が容易な構成となっている。つまり、敵が攻撃してくれば戦闘を選択することとなり、オブジェクトの近傍で操作すれば身を隠すポーズをとるので直観的な操作が可能であり、アクセス可能なオブジェクトに近づくとハイライト表示されるので、サブルートの探索も容易にできる。
【符号の説明】
【0024】
1 ゲーム装置、2 本体、3 コントローラ、5 液晶モニタ、PC プレイヤキャラクタ、NPC 敵キャラクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段を有するコンピュータに、
前記入力手段から入力される指令に基づいて仮想三次元空間内でプレイヤキャラクタを操作させることにより、該仮想三次元空間の第1の座標位置から第2の座標位置まで該プレイヤキャラクタを移動させることでゲームを実行させる、ゲームプログラムにおいて、
前記仮想三次元空間内に、前記第1の座標位置から前記第2の座標位置までに至るメインルートと、該メインルートとはルートの全部または一部が異なる少なくとも1つのサブルートと、を設定するとともに、前記メインルートのうち前記サブルートへの分岐となる位置に標識オブジェクトを設置する手順と、
前記仮想三次元空間のうち前記メインルートに、少なくとも1個の物体オブジェクトと、少なくとも1体の敵キャラクタと、を配置する手順と、
前記敵キャラクタを、予め定められた行動ルールに基づいて前記メインルート内で行動するように制御するとともに、該敵キャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記プレイヤキャラクタと、の相互関係が所定の条件を満たす場合には、該敵キャラクタを前記プレイヤキャラクタに向けて攻撃するように行動させる手順と、
前記入力手段から入力される指令に基づいて、前記仮想三次元空間内で前記プレイヤキャラクタを行動制御するとともに、該プレイヤキャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記入力手段から入力された指令と、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、該プレイヤキャラクタを前記物体オブジェクトに対して身を隠すように行動させる手順と、
前記プレイヤキャラクタと、前記標識オブジェクトと、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、前記標識オブジェクトの表示態様をハイライト表示にする手順と、
前記プレイヤキャラクタが前記標識オブジェクトにアクセスした場合に、該プレイヤキャラクタを前記サブルートに移動させる手順と、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
入力手段を有するコンピュータからなり、
前記入力手段から入力される指令に基づいて仮想三次元空間内でプレイヤキャラクタを操作させることにより、該仮想三次元空間の第1の座標位置から第2の座標位置まで該プレイヤキャラクタを移動させることでゲームを実行させる、ゲーム装置において、
前記仮想三次元空間内に、前記第1の座標位置から前記第2の座標位置までに至るメインルートと、該メインルートとはルートの全部または一部が異なる少なくとも1つのサブルートと、を設定するルート設定手段と、
前記メインルートのうち前記サブルートへの分岐となる位置に標識オブジェクトと、前記メインルートに少なくとも1個の物体オブジェクトを配置するオブジェクト配置手段と、
前記プレイヤキャラクタを前記仮想三次元空間内で行動可能に配置するとともに、前記メインルートに少なくとも1体の敵キャラクタを配置するキャラクタ配置手段と、
前記敵キャラクタを、予め定められた行動ルールに基づいて前記メインルート内で行動するように制御するとともに、該敵キャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記プレイヤキャラクタと、の相互関係が所定の条件を満たす場合には、該敵キャラクタを前記プレイヤキャラクタに向けて攻撃するように行動させる敵キャラクタ制御手段と、
前記入力手段から入力される指令に基づいて、前記仮想三次元空間内で前記プレイヤキャラクタを行動制御するとともに、該プレイヤキャラクタと、前記物体オブジェクトと、前記入力手段から入力された指令と、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、該プレイヤキャラクタを前記物体オブジェクトに対して身を隠すように行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタと、前記標識オブジェクトと、の関係に基づき、該関係が所定の条件を満たす場合には、前記標識オブジェクトの表示態様をハイライト表示にする標識オブジェクト制御手段と、を備え、
前記プレイヤキャラクタ制御手段は、前記プレイヤキャラクタが前記標識オブジェクトにアクセスした場合に、該プレイヤキャラクタを前記サブルートに移動させる、
ことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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