説明

ゲームプログラム,ゲーム装置

【課題】操作部の操作タイミング,更には,操作タイミングのズレを許容する期間を認識しやすいゲームの実行を制御するゲームプログラム,ゲームプログラムを実行するゲーム装置を提供する。
【解決手段】操作部116と対応付けられたターゲット画像を画面に表示し,操作部116の操作タイミングを遊戯者に指示する手段としてコンピュータを機能させるプログラム131は,指標画像と基準点とで有効時間領域を形成する手段と,有効時間領域を画面上で移動させる手段と,有効時間領域内にターゲット画像が含まれている期間にターゲット画像と対応付けられた操作部116が操作されたか否かを判定する手段としてコンピュータを機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ゲームの実行を制御するゲームプログラム,ゲームプログラムを実行するコンピュータを有するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作部の操作タイミングを表示し,この操作タイミングの表示中に操作部を操作するように遊戯者(ゲームプレーヤ,ユーザとも言う)に対して促すゲーム装置が種々の形態で提供されている。
【0003】
かかるゲーム装置の一つとして,楽曲のリズムに対応して,例えば,表示画面の所定の経路に操作入力標識が表示される。さらに,操作入力指示子が,時間経過とともに移動表示され,遊戯者に対して,操作入力のタイミングを示唆する。遊戯者は,この操作入力指示子と操作入力標識が一致するタイミングで操作入力を行う。これにより,遊戯者は,楽曲リズムに対応した操作入力タイミングの正確さを楽しむことができるものである。(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-151380号公報
【特許文献2】特開2010-172760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなゲーム装置は,移動表示される操作入力指示子と操作入力標識とが互いに重なるタイミングを操作部の操作タイミングとして遊戯者に表示する。
【0006】
すなわち,遊戯者は,移動表示される操作入力指示子と操作入力標識とが互いに重なる表示状態を見て,操作部の操作タイミングと認識し,操作部を適切なタイミングで操作する。
【0007】
しかし,当該ゲームに不慣れな遊戯者であっては,あるいは,表示画面領域が狭い携帯型端末装置でゲームを行う場合は,表示画面において操作入力指示子と操作入力標識が小さく表示されるので,遊戯者は移動表示される操作入力指示子と操作入力標識とが互いに重なる表示状態を見て操作タイミングとして認識することが容易ではない。
【0008】
すなわち,遊戯者は,操作部を適切なタイミングで操作することができないため,表示された操作タイミングに対してずれたタイミングで操作部を操作することが多くなる。
【0009】
また,かかるゲーム装置において,操作タイミングのズレを有効とする期間を設け,この期間内に遊戯者により操作部が操作された場合には,適切な操作タイミングに操作部が操作されたと見なすこともできる。しかし,この期間を遊戯者に視覚的に表示しなければ,遊戯者がその期間を容易に認識することができない。
【0010】
このように,かかるゲーム装置の遊戯者は,操作部の操作タイミング,更には,操作タイミングのズレを有効とする期間を容易に認識することができず,ゲームを十分に楽しむことができなかった。
【0011】
したがって,本発明の目的は,操作部の操作タイミング,更には,操作タイミングのズレを有効とする期間を認識しやすいゲームの実行を制御するゲームプログラム,ゲームプログラムを実行するゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために,本発明の第1の側面は,操作部と対応付けられたターゲット画像を画面に表示し,前記操作部の操作タイミングを遊戯者に指示する手段としてコンピュータを機能させるプログラムにおいて,指標画像と基準点とで有効時間領域を形成する手段と,前記有効時間領域を前記画面上で移動させる手段と,前記有効時間領域内に前記ターゲット画像が含まれている期間に前記ターゲット画像と対応付けられた前記操作部が操作されたか否かを判定する手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0013】
また,前記の発明において,前記基準点から一定距離にターゲット画像を表示し,前記一定距離よりも短い距離の位置に前記指標画像を移動して表示する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0014】
また,前記の発明において,前記有効時間領域に所定の許容時間領域を設定し,前記許容時間領域に前記ターゲット画像が位置する期間に,前記操作部が操作された場合,前記有効時間領域を前記許容時間領域分拡張する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0015】
また,前記の発明において,前記有効時間領域に位置する前記ターゲット画像の表示を変化する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0016】
また,前記の発明において,前記有効時間領域に前記ターゲット画像が位置する期間に,前記操作部が操作された場合,前記基準点から前記有効時間領域に位置する前記ターゲット画像方向への画像を表示する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0017】
また,前記の発明において,前記基準点を中心とする円周のライン上に前記ターゲット画像を表示し,前記円周の内側に位置し,前記基準点を中心とする円周のライン上に前記指標画像を移動表示することを特徴とするゲームプログラムである。
【0018】
前記の目的を達成するために,本発明の第2の側面は,操作部と対応付けられたターゲット画像を画面に表示し,前記操作部の操作タイミングを遊戯者に指示する手段を有するゲーム装置において,指標画像と基準点とで有効時間領域を形成する手段と,前記有効時間領域を前記画面上で移動させる手段と,前記有効時間領域内に前記ターゲット画像が含まれている期間に前記ターゲット画像と対応付けられた前記操作部が操作されたか否かを判定する手段とを有するゲーム装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,遊戯者は,操作部の操作タイミング,更には,操作タイミングのズレを有効とする期間を認識しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態のゲームプログラムを実行するゲーム装置の一例外観図である。
【図2】本実施の形態のゲーム装置の一例機能ブロック図である。
【図3】本発明に従うゲームプログラムの処理の流れを説明する第1のフロー図である。
【図4】本発明に従うゲームプログラムの処理の流れを説明する第2のフロー図である。
【図5】サークルセットの一例を説明する図である。
【図6】ターゲット画像が指標画像の有効時間幅に位置する期間であることを遊戯者に視覚的に認識しやすくするサークルセットを第2の表示例として説明する図である。
【図7】タイミングデータの一例を示す図である。
【図8】ターゲット画像の変化表示判定処理などを説明するタイミングチャートである。
【図9】図8に示す経過時間が基準時間の前の(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内に至ったタイミングを示した図である。
【図10】変化表示されたターゲット画像を示す図である
【図11】第1の成功表示処理を示す図である。
【図12】許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像を新たに表示する処理を説明する図である。
【図13】許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像を新たに表示した図である。
【図14】第2の実施の形態の表示画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に図面に従い,本発明の実施の形態例を説明する。なお,実施の形態例は,本発明の理解のためのものであり,本発明の技術的範囲が,これに限定されるものではない。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は,本実施の形態のゲームプログラムを実行するゲーム装置の一例外観図である。ゲーム装置100は,上側の表示ディスプレイ101と,下側の表示ディスプレイ102と,表示ディスプレイ101の左右にスピーカ103と,表示ディスプレイ102の左側に十字ボタン104と,表示ディスプレイ102の右側に操作ボタン105a,105b,105x,105yとを有する。なお,表示ディスプレイ101,102は,例えば液晶ディスプレイである。
【0023】
図2は,本実施の形態のゲーム装置の一例機能ブロック図である。ゲーム装置100において,バス線BLを介して,ゲーム装置100全体を制御するCPU111,プログラムデータなどを一時的に記憶するRAM112,BIOS(Basic Input/Output System)などの制御プログラムや制御データを記録するROM113,インターネットや他のゲーム装置とネットワーク接続する処理を実行するネットワーク接続部114,外部記録媒体130と接続するコネクタ115,操作部116,楽曲データを再生しスピーカ103を用いて音声出力する再生部117,画像を表示ディスプレイ101に表示する処理を制御する表示コントローラ118が接続されている。なお,図2では,表示ディスプレイ102のブロックの記載を省略している。
【0024】
操作部116は,図1の十字ボタン104,操作ボタン105a,105b,105x,105yから構成され,遊戯者からの操作を受け付ける。
【0025】
外部記録媒体130は,本実施の形態のゲームプログラム131と,ゲーム実行時の画像表示タイミングデータなどが記録されたタイミングデータ132と,ゲーム音楽の楽曲データ133と,ゲーム実行時に表示する画像のデータなどを有する画像データ134とを記録する。なお,ゲームプログラム131内にタイミングデータ132そのものを含ませてもよい。
【0026】
また,ゲームプログラム131,タイミングデータ132,楽曲データ133,画像データ134を,ネットワーク接続部114を介してCPU111は,インターネットからゲーム装置100内のRAM112にダウンロードしてもよい。
【0027】
ゲームプログラム131は,画像生成手段111a,判定手段111b,制御手段111c,計時手段111dとしてCPU111(コンピュータ)を機能させる。
【0028】
かかるゲーム装置100により,本発明に従うゲームプログラム131が実行される。
【0029】
図3,図4は,本発明に従うゲームプログラム131の処理の流れを説明するフロー図である。
【0030】
図3のステップS101:制御手段111cは,ステージ開始処理を実行する。具体的には,CPU111は,ROM113に記録されたBIOSプログラムを呼び出し,BIOSプログラムは,コネクタ115を介して外部記録媒体130にアクセスし,ゲームプログラム131をRAM112に記憶(展開)する。
【0031】
その結果,CPU111は,ゲームプログラム131の実行に伴い,画像生成手段111a,判定手段111b,制御手段111c,計時手段111dとして機能する。
【0032】
制御手段111cは,ゲームの進行に合わせて,タイミングデータ132,画像データ134を外部記録媒体130から読み出し,RAM112に記憶する。さらに,制御手段111cは,ゲームの進行に合わせて,楽曲データ133を外部記録媒体130から読み出し再生部117に出力し,再生部117に楽曲データ133の音声出力を指示する。同時に,制御手段111cは,計時手段111dを動作させて,計時処理を開始する。
【0033】
ステップS102:制御手段111cは,通常プレイ処理を実行する。具体的には,制御手段111cは,画像生成手段111aにサークルセットの表示画像を生成させ,表示コントローラ118を介して表示ディスプレイ101に表示させる。以下の説明において,画像生成手段111aが,この表示画像を生成して表示コントローラ118を介して表示ディスプレイ101に表示する処理を,画像生成手段111aが画像を表示する処理として説明する。
【0034】
図5は,サークルセットの一例を説明する図である。図5のサークルセットは,例えば,図1の表示ディスプレイ101に表示される。
【0035】
画像生成手段111aは,表示画面内に位置する基準点Cを示す基準画像1を中心とする所定のライン2の上に少なくとも1つのターゲット画像3a(3b)を表示する。基準画像1は,円周のライン2の中心である基準点を示すものであり,この基準点は,円状の基準画像1の中心でもある。このターゲット画像は,操作部116と対応付けられている。この対応付けの詳細については,図3のステップS105で説明する。
【0036】
ターゲット画像3a,3bは,円周で示されるライン2上に表示される操作入力標識である。ターゲット画像の表示位置は,図7で説明するように,楽曲のリズムに対応するタイミングデータ132に基づいて決定される。
【0037】
バリアサークル4は,円周2のラインの内側に位置し,かつ,円周2の中心(基準点)を中心とする円周ラインである。バリアサークル4は,ライン2とは異なるラインである。
【0038】
画像生成手段111aは,所定の有効時間幅AE(指標画像5の両端によって示される幅)を示す指標画像5をバリアサークル4上に(ライン2に沿って)移動表示させる。指標画像5は,操作入力指示子であり,指標画像5とターゲット画像3a(3b)は重ならない。
【0039】
指標画像5の移動速度は,再生中のゲーム音楽のBPM(Beats Per Minute )に基づき制御手段111cにより決定される。このBPMは,音楽の演奏テンポを示すものであり,例えば,タイミングデータ132または楽曲データ133に記録されている。この移動速度は,例えば,再生中のゲーム音楽の4小節に相当する時間が経過すると,指標画像5がバリアサークル4上を一周する速度である。
【0040】
画像生成手段111aは,指標画像5の有効時間幅AEとターゲット画像3a(3b)との位置関係により,操作部116の操作タイミングを遊戯者に対して示唆表示する。より詳しく説明すると,画像生成手段111aは,基準画像1(基準点)と,指標画像5の有効時間幅AEとターゲット画像3a(3b)との位置関係により,この操作タイミングを遊戯者に対して示唆表示する。前記した位置関係とは,基準画像1とターゲット画像3a(3b)との間に,指標画像5の有効時間幅AEが位置する関係である。この操作タイミングは,移動表示される指標画像5がターゲット画像3a(3b)の近傍を通過するタイミング,すなわち,ターゲット画像が基準点C(基準画像1)と指標画像5で形成される有効時間領域E,すなわち基準点Cと有効時間幅AEとを結ぶ領域の延長線上の領域に位置する期間である。
【0041】
判定手段111bは,基準点Cと有効時間幅AEで構成される有効時間領域Eの範囲内にターゲット画像が位置する期間に,操作部116が操作されたか否かを判定する。
【0042】
本発明に従うゲームプログラムは,この期間内に,遊戯者が操作部116を操作した場合に,基準点Cと有効時間幅AEで構成される有効時間領域Eの範囲内に位置するターゲット画像を消去するなどして,遊戯者にこの期間内に操作部116を操作したことを表示する(成功表示処理)。このようすることで,本発明に従うゲームプログラムは,音楽のリズムに従ったボタン操作を遊戯者に実行させ,ゲーム実行を楽しませる。
【0043】
ターゲット画像は,タイミングデータ132に基づき,ゲームの進行と共にライン2上の様々な位置に順次表示される。また,指標画像5は,ゲームの進行と共にバリアサークル4上を繰り返し周回する。
【0044】
以上説明したように,ゲーム装置100は,操作部116と対応付けられたターゲット画像を画面に表示し,操作部116の操作タイミングを遊戯者に指示する。
【0045】
ゲーム装置100の制御手段111cは,指標画像5と基準点Cとで有効時間領域Eを形成する。そして,ゲーム装置100の画像生成手段111aは,指標画像5の移動により有効時間領域Eを画面上で移動させる。
【0046】
ゲーム装置100の画像生成手段111aは,基準点Cから一定距離にターゲット画像3a(3b)を表示し,この一定距離よりも短い距離の位置に指標画像5を移動して表示する。具体的には,基準点Cから一定距離にターゲット画像3a(3b)を表示し,この一定距離よりも短い距離の位置に指標画像5を移動して表示する。
【0047】
また,ゲーム装置100の判定手段111bは,有効時間領域E内に前記したターゲット画像が含まれている期間に,このターゲット画像と対応付けられた操作部116が操作されたか否かを判定する。この期間は,指標画像5の有効時間幅AEにターゲット画像が位置する期間に対応する。
【0048】
なお,符号AR,ALで示す時間幅は,制御手段111cにより設定された所定の許容時間幅を示すものであり,詳細については,ステップS109で説明する。
【0049】
ところで,図5に示すサークルセットを携帯型ゲーム装置の表示画面に表示すると,この表示画面の領域は狭いため,指標画像5が小さく表示されることになる。そこで,このように狭い表示画面であっても,ターゲット画像が指標画像5の有効時間幅AEで示される有効なタイミングに位置する期間であることを遊戯者に視覚的により認識しやすくすることが望まれる。
【0050】
図6は,ターゲット画像が基準点Cから指標画像5の有効時間幅AEによって示される有効時間領域Eに位置する期間であることを遊戯者に視覚的に認識しやすくするサークルセットを第2の表示例として説明する図である。図6のサークルセットにおける指標画像5は,図5のサークルセットの指標画像5に対応している。
【0051】
画像生成手段111aは,図5のサークルセットに加えて,指標画像5の有効時間幅AEの中心を示す三角形状のセンター指示画像6と,指標画像5を遊戯者にとってより認識しやすくするために基準画像1と指標画像5との間にガイド画像7を表示する。
【0052】
なお,このような画像の表示において,画像生成手段111aは,画像データ134に記録された,前記した各画像に対応する画像データを読み出し,図5,または,図6に示した表示画像を生成し,表示画面の特定の位置に表示するように,表示コントローラ118に指示する。表示コントローラ118は,この指示に基づき,各画像を表示ディスプレイ101に表示する。
【0053】
以下の説明では,図6に示したサークルセットに基づき,本実施の形態のゲームプログラム131の動作を説明する。
【0054】
ここで,サークルセットの表示処理の詳細について説明する。
【0055】
図7は,タイミングデータ132の一例を示す図である。図7のテーブルに示すタイミング欄には,再生中のゲーム音楽(本演奏)に係るタイミング(時間情報ともいう)が記録され,このタイミングは,ゲーム音楽の開始,すなわちゲーム開始を示す開始時間からの時間T(k)(kは0以上の整数)を示す。時間T(k+1)と時間T(k)との差は,例えば0.20690秒(T(k+1)-T(k)=0.20690秒)であるとする。すなわち,時間T(k)は,0.20690秒刻みで記録されているとする。時間T(8n)〜時間T(8n+7)に対応する(nは0以上の整数)時間,例えば時間T00〜T07は,再生されるゲーム音楽の1小節に対応する。なお,1小節単位で記録された時間T(k)の個数は例示であり,再生する音楽に応じて,予め定められる。
【0056】
制御手段111cは,例えば再生されるゲーム音楽の4小節で指標画像5がバリアサークル4を1周するように,指標画像5の移動速度を決定する。画像生成手段111aは,この移動速度に基づき,指標画像5を移動表示する。
【0057】
ターゲット画像識別子欄には,タイミング欄に記録された時間T(k)に対応するターゲット画像の識別子,例えば“A”,“B”が記録される。
【0058】
画像生成手段111aは,計時手段111dがゲーム開始から計時している経過時間Tpからオフセット時間Tfを進めた時間内において,図7のターゲット画像識別子欄にターゲット画像識別子(“A”,“B”)が記録されている場合には,このターゲット画像識別子のターゲット画像を,このターゲット画像識別子に対応して図7のタイミング欄に記録されている時間T(k)に対応するライン2上の位置に表示する。以下,このターゲット画像識別子に対応して図7のタイミング欄に記録されている時間T(k)を基準時間と呼び,経過時間Tpからオフセット時間Tfを進めた時間を表示判定時間Tdと呼ぶ。
【0059】
ここで,オフセット時間Tfは,ゲーム音楽の2小節分に相当する時間である。また,ターゲット画像識別子“A”に対応するターゲット画像は,図6のターゲット画像3aに示すように,円形画像の中に“A”が表示された画像であり,ターゲット画像識別子“B”に対応するターゲット画像は,図6のターゲット画像3bに示すように,円形画像の中に“B”が表示された画像である。
【0060】
図6の例で説明すると,図6の表示開始タイミングにおいて,経過時間Tpは,図7の時間T00であるとする。この場合,経過時間Tpから表示判定時間Tdの間に,図7のターゲット画像識別子欄には,ターゲット画像識別子“A”,“B”が記録され,このターゲット画像識別子の基準時間は時間T08,T15である。
【0061】
画像生成手段111aは,図6に示すように,このターゲット画像識別子に対応するターゲット画像を,時間T08,T15に対応するライン2上の位置に表示する。
【0062】
このターゲット画像の表示位置と時間T(k)との関係について説明する。図7において,ゲーム音楽の4小節分を構成する開始時間から終了時間までの間に,タイミング欄に記録されている時間T(k)の総数で,ライン2の長さ(円周長)を等分する。そして,等分されたライン2の区切りを示す位置に対応して時間T(k)を割り当てる。図7の例では,ゲーム音楽における4小節分を構成する開始時間T00から終了時間T31までの間に,タイミング欄に記録されている時間T(k)の総数32で,ライン2の円周長を等分し,32等分されたライン2の区切りを示す位置に対応して時間T00〜T31を割り当ている。
【0063】
図6を参照して具体的に説明すると,ライン2を4等分する区切りの位置に時間T00,T08,T16,T24を割り当てている。そして,時間T00〜T08,時間T08〜T16,時間T16〜T24,時間T24〜時間T00に対応するライン2の長さを8等分し,8等分された区切りを示す位置に対応して,それぞれ時間T01〜T07,時間T9〜T15,時間T17〜T23,時間T25〜T31を割り当てる。すなわち,32等分されたライン2の区切りを示す位置に対応して時間T00〜T31を割り当ている。
【0064】
画像生成手段111aは,経過時間Tpから表示判定時間Tdにおいて,図7のターゲット画像識別子欄にターゲット画像識別子が記録されている場合には,このターゲット画像識別子に対応するターゲット画像を,このターゲット画像識別子の基準時間に対応するライン2上の位置に表示する。
【0065】
図7の例では,経過時間Tp(時間T00)から表示判定時間Td(時間T15)において,ターゲット画像識別子“A”,“B”が記録されている。従って,画像生成手段111aは,図6に示すように,このターゲット画像識別子“A”,“B”の基準時間T08,時間T15に対応する,ライン2の位置にターゲット画像3a,3bを表示する。
【0066】
そして,画像生成手段111aは,ゲーム音楽の4小節分の開始時間に対応する位置,図6においては図面上側(時間T00)に対応する位置に指標画像5を表示し,センター指示画像6を指標画像5の中心に表示する。さらに,ガイド画像7を表示する。
【0067】
指標画像5が開始位置に表示されると,以後,画像生成手段111aは,ゲーム音楽の4小節が終了するまでに,バリアサークル4上を1周するように,指標画像5を所定の方向(矢印AD方向)に移動表示する。このとき,画像生成手段111aは,センター指示画像6,ガイド画像7を指標画像5の移動表示と共に移動表示する。
なお,本実施例では,遊戯者に分かりやすくするためにターゲット画像識別子の配置する座標を全て基準点Cと等間隔,すなわち基準点Cを中心とした円周2のライン上としたが,必ずしも基準点とターゲット画像識別子との距離は一定である必要はなく,基準点と有効時間幅とで構成される有効時間領域のエリア内であれば,遊戯者に認識できる範囲で遠近の幅を設けることも可能である。
【0068】
次に,図3のS103に移る。
【0069】
S103:判定手段111bは,ターゲット画像の変化表示を実行するか否かを判定する。
【0070】
図8は,ターゲット画像の変化表示判定処理などを説明するタイミングチャートである。図面の横軸は,時間を示す。図8(A)は,ターゲット画像の変化表示判定処理などを説明するタイミングチャート,図8(B)は,図8(A)の詳細を説明するタイミングチャートである。
【0071】
前記したように,画像生成手段111aは,時間経過に伴い,指標画像5を所定方向にライン2に沿って移動表示する(図10参照)。このとき,図8においては,経過時間を示す符号Tpが図面右側に移動する。
【0072】
ここで,判定手段111bは,経過時間Tpが,変化表示処理対象となるターゲット画像の基準時間Trの前後(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内にあるか否かを判定する。図8においては,ターゲット画像の基準時間Trの前とは,この基準時間Trを基準にして左側であり,ターゲット画像の基準時間Trの後とは,この基準時間Trを基準にして右側である。
【0073】
図8において,変化表示処理対象となるターゲット画像3aの基準時間Trは,時間T08であるので,判定手段111bは,経過時間Tpが時間Ta1〜時間Ta2にあるか否かを判定する。なお,時間Tc,時間Tgについては図4のステップS106,S107で説明し,時間Tb1,Tb2については図4のステップS109,S110で説明する。
【0074】
経過時間Tpが,変化表示処理に係るターゲット画像の基準時間Trの前後(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内にある場合には,図3のステップS104に移り,ない場合には,図3のステップS105に移る。ここでは,経過時間Tpが,基準時間Trの前後(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内にないとする。
【0075】
ステップS105:制御手段111cは,操作部116が遊戯者により操作されたか否かを判定する。具体的には,遊戯者が操作部116を操作すると,操作部116は,操作されたボタンの情報(以下,操作ボタン情報と呼ぶ)をCPU111に出力する。操作ボタン情報としては,操作されたボタンの種類を示す識別子,例えば十字ボタン,A,B,X,Yボタンの識別子がある。制御手段111cは,操作部116からの操作ボタン情報を取得する。
【0076】
操作部116が遊戯者により操作されると,図4のステップS106に移り,操作部116が遊戯者により操作されないと,図3のステップS102に戻る。ここでは,操作部116が遊戯者により操作されないとして,ステップS102に移る。
【0077】
画像生成手段111aは,ターゲット画像の変化表示を実行しない場合(ステップS103/NO),さらに,操作部116が遊戯者により操作されない場合(ステップS105/NO),ステップS102,S103,S105の処理を繰り返し行い,指標画像5をライン2に沿って所定方向に移動させる(ステップS102)。
【0078】
この時間経過により,図7に示すように,経過時間Tp'から表示判定時間Td'の間に,時間T08のターゲット画像識別子“A”,時間T15の画像識別子“B”の他に時間T18のターゲット画像識別子“A”が含まれることになる。そこで,画像生成手段111aは,この時間T18のターゲット画像識別子“A”のターゲット画像3a'を,ターゲット画像識別子“A”の基準時間T18に対応するライン2上の位置に新たに表示する(図9参照)。
【0079】
さて,時間経過により,図8に示す経過時間Tpが基準時間T08の前の(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内に至る。
【0080】
図9は,図8に示す経過時間Tpが基準時間T08の前の(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内に至ったタイミングを示した図である。この時間経過により,図3のステップS103がYESになり,ステップS104に移る。
【0081】
ステップS104:画像生成手段111aは,少なくとも操作部116の操作タイミングを遊戯者に対して表示している間,指標画像5の有効時間幅AEに位置するターゲット画像を変化表示する。
【0082】
換言すれば,画像生成手段111aは,有効時間領域(図5,図6参照)に位置するターゲット画像の表示を変化させる。
【0083】
具体的には,判定手段111bが,図8に示した経過時間Tpが,変化表示処理対象となるターゲット画像の基準時間Trの前後(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内にあると判定すると(ステップS103/YES),変化表示処理対象となるターゲット画像の基準時間Trの前後(Tc+Tg+Tb1+Tb2)期間内で,このターゲット画像を変化表示する。図9の例では,変化表示処理対象となるターゲット画像の基準時間Trは,図8に示した時間T08である。
【0084】
変化表示として,例えば,ターゲット画像を拡大表示する,ターゲット画像の色を変える,ターゲット画像を点滅表示する,ターゲット画像に装飾表示を行うなど様々な手法があるが,「このタイミングでは入力が有効である」という旨が遊戯者に理解できるような強調をする表示の変化を示すものであればどのようなものであってもよい。
【0085】
図10は,変化表示されたターゲット画像3aを示す図である。このようにターゲット画像が拡大されて変化表示されることにより,遊戯者は,操作部116を操作する期間に至ることを視覚的に明確に認識することができる。なお,矢印ARと矢印ALで挟まれる幅が有効時間幅AEである。
【0086】
時間経過と共に,図3のステップS102,S104,S105が繰り返し実行され,図10に示すように,変化表示されたターゲット画像の近傍を指標画像5が通過している間に,遊戯者が操作部116を操作する(ステップS105/YES)。
【0087】
制御手段111cは,この操作により操作部116から取得した操作ボタン情報に基づき,この変化表示されたターゲット画像の識別子が,操作ボタン情報の操作ボタン識別子と一致するか否かを判定する。例えば,図10に示すように,変化表示されたターゲット画像の識別子が“A”の場合に,操作ボタン情報のボタン識別子が“A”の場合には,一致すると判定し,操作ボタン情報のボタン識別子が“A”以外の場合には,一致しないと判定する。一致する場合には,図4のステップS106に移り,一致しない場合には,図3のステップS102に移る。
【0088】
このように,ターゲット画像3aは,制御手段111cにより,操作部116の操作ボタンA105aと対応付けられており,ターゲット画像3bは,制御手段111cにより,操作部116の操作ボタンB105bと対応付けられている。
【0089】
なお,一致しない場合には,制御手段111cは,操作ミスとして操作ミス回数をカウントする。以下の説明においては,一致するものとする。
【0090】
ステップS106:判定手段111bは,ターゲット画像の基準時間の有効期間内に操作が行われたか否かを判定する。
【0091】
具体的には,判定手段111bは,図8に示した経過時間Tpが,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの前後(Tc+Tg)期間内,すなわち経過時間Tpが時間Tg1〜時間Tg2にあるか否かを判定する。以下,この基準時間Trの前後(Tc)期間,(Tg)期間を有効期間と呼ぶ。指標画像5の有効時間幅AEは,変化表示されているターゲット画像の基準時間の有効期間(Tc+Tg)に対応している。なお,この説明から明らかなように,ステップS104において,変化表示処理として拡大表示処理を実行する場合,ステップS106において,判定手段111bは,ターゲット画像が拡大表示処理されていないものとして判定を実行している。以下に説明するステップS109においても同様である。
【0092】
判定手段111bは,経過時間Tpが,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの有効期間(Tc+Tg)内にある場合(図4のステップS106/YES),ステップS107に移り,ない場合には,ステップS109に移る。ここでは,経過時間Tpが,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの有効期間(Tc+Tg)内にあるとする。
【0093】
ステップS107:画像生成手段111aは,成功表示処理を実行する。成功表示処理には,2パターンがある。この成功処理は,遊戯者が,操作タイミングに合わせて操作部116を操作することによりターゲット画像をヒットしたことを示すものある。
【0094】
判定手段111bが,図8に示す経過時間Tpが,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの有効期間(Tc)内にあると判定した場合(以下,クール判定と呼ぶ),すなわち,この基準時間Trが時間Tc1〜時間Tc2にあると判定した場合には,第1の成功表示処理を実行する。
【0095】
図11は,第1の成功表示処理を示す図である。ここでは,画像生成手段111aは,ターゲット画像3aを消去して,符号S1に示すように,遊戯者が最適なタイミングで操作部116を操作したとして,目立つように成功表示を行う。また,クール判定の場合,制御手段111cは,その判定回数を記録する。
【0096】
一方,判定手段111bが,図8に示す経過時間Tpが,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの有効期間(Tg)内にあると判定した場合(以下,グッド判定と呼ぶ),すなわち,この基準時間Trが時間Tg1〜時間Tc1または時間Tc2〜時間Tg2にあると判定した場合には,第2の成功表示処理を実行する。ここでは,画像生成手段111aは,ターゲット画像3aを消去して,遊戯者が適切なタイミングで操作部116を操作したとして,図11に示した成功表示よりも目立たない成功表示を行う。また,グッド判定の場合,制御手段111cは,その判定回数を記録する。
【0097】
さらに,有効時間幅AEにターゲット画像が位置する期間に,操作部116が操作された場合(判定手段111bがクール判定,グッド判定をした場合),画像生成手段111aは,基準画像1から有効時間幅AEに位置するターゲット画像方向に向けてライン画像8(図11参照)を表示する。このライン画像の表示により,遊戯者は,ターゲット画像をヒットしたことを視覚的に認識することができる。
【0098】
また,上記ライン画像は基準画像1よりターゲット画像に向けて伸長表示する表現としても良い。このような手法で,あたかも基準点からターゲット画像に向けて光線を発射したような演出と,例えば指標画像の有効領域以外の部分でそれが遮られるような演出を行なうことにより,入力したタイミングの成功/失敗をより視覚的に遊戯者に認識させることができる。他にも,例えば輝点の画像を基準点位置よりターゲット画像方向に向けて移動表示させたり,基準画像1とターゲット画像とを結ぶ線分を表示するなどしても良い。
【0099】
以上,図11で説明したように,ターゲット画像3aが指標画像5の有効時間幅AE内に位置する期間,換言すれば,基準画像1とターゲット画像3aとの間に指標画像5の有効時間幅AEが位置している表示状態により,操作部116の操作タイミングを遊戯者に対して示唆表示している。
【0100】
さて,指標画像5の有効時間幅AEにターゲット画像が位置しない場合には(図4のステップS106/NO),ステップS109に移る。
【0101】
ステップS109:判定手段111bは,ターゲット画像の基準時間の許容期間内に操作が行われたか否かを判定する。
【0102】
図8のタイミングチャートを用いてこの判定を説明する。判定手段111bは,経過時間Tpが,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの前後(Tb1+Tb2)期間内にあるか否かを判定する。すなわち,判定手段111bは,経過時間Tpが,時間Ta1〜時間Tg1(有効期間の左側“-2”,“-1”)または時間Tg2〜時間Ta2(有効期間の左側“+1”,“+2”)にあるか否かを判定する。以下,この基準時間の前後Tb1期間,Tb2期間を許容期間と呼ぶ。
【0103】
判定手段111bが,指標画像5の許容時間幅にターゲット画像が位置すると判定した場合(図4のステップS109/YES),ステップS110に移る。
【0104】
ステップS110:制御手段111cは,有効時間幅AEを前記した許容時間幅分拡張する。すなわち,制御手段111cは,前記した許容時間幅を有効時間幅AEとする。また,画像生成手段111aは,許容時間幅にターゲット画像が位置する期間に,操作部が116操作された場合,この許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像を新たに表示する。
【0105】
すなわち,制御手段111cは,有効時間領域(図5,図6参照)に所定の許容時間領域を設定し,この許容時間領域にターゲット画像が位置する期間に,操作部116が操作された場合,この有効時間領域を許容時間領域分拡張する。
【0106】
例えば,遊戯者が,図12に示す表示状態で,操作部116を操作するとする。図12において,矢印Aer,Aelで挟まれる幅と,矢印ALで示す幅が,許容時間幅を示す。この操作タイミングは,操作タイミング期間よりもわずかながら早く,指標画像5の許容時間幅(矢印Aer,Aelで挟まれる範囲)にターゲット画像が位置する。この場合(ステップS109/YES),画像生成手段111aは,矢印Aer,Aelで挟まれる許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像を新たに表示する。
【0107】
図13は,許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像を新たに表示した図である。指標画像5rが,許容時間幅AR(矢印Aer,Aelで挟まれる幅)に相当する有効時間幅を示す新たに表示された指標画像である。なお,図13では,図12に示した状態からある時間が経過し,指標画像5が移動しているとする。
【0108】
前記の例では,図8の基準時間Trの前の許容期間(Tb1+Tb2)の間に,操作部116が操作されている。以下,操作部116が操作されたタイミングに対応する前記した基準時間Trの許容期間を,追加有効期間と呼ぶ。図12の例では,基準時間Trの前の許容期間(Tb1+Tb2)の間に,操作部116が操作されたので,追加有効期間は,基準時間Trの前の許容期間(Tb1+Tb2)である。
【0109】
以後,基準時間Trの有効期間に追加有効期間が付加された状態で,ステップS106の判定が行われることになる。すなわち,以後のステップS106において,判定手段111bは,追加有効期間を含めた有効期間に基づき判定処理を実行する。
【0110】
なお,ステップS110において,画像生成手段111aは,基準画像1からターゲット画像3aに向けてライン画像を伸張表示しても良い。この場合,ライン画像は,バリアサークル4まで伸張表示する。
【0111】
以後,新たに表示された指標画像5rが示す有効時間幅にターゲット画像が位置する期間に,操作部116が操作された場合には,ターゲットをヒットとして評価する(バッド評価)。
【0112】
判定手段111bが,指標画像5の許容時間幅にターゲット画像が位置しないと判定した場合には(図4のステップS109/NO),ステップS111に移る。
【0113】
ステップS111:画像生成手段111aは,失敗表示処理を実行する。画像生成手段111aは,失敗表示処理としてターゲット画像を目立たなく表示する。遊戯者は,この表示によりターゲット画像のヒットに失敗したことを認識できる。
【0114】
ステップS107,S110,S111の処理の後は,ステップS108に移る。
【0115】
ステップS108:制御手段111cは,ゲームオーバか否かを判定する。具体的には,経過時間Tpが,図7に示したタイミング指定欄の末尾に記録された時間に到達したか否か,すなわち1曲のゲーム音楽の再生が終了したか,または,カウントした操作ミス回数が所定の回数を超えたか否かを判定する。
【0116】
ゲームオーバでない場合(ステップS108/NO),図3のステップS102に戻る。以後,指標画像5がライン2に沿って移動すると共に,ゲームオーバ(ステップS108/YES)になるまで,ステップS102以降の処理を繰り返し行う。
【0117】
その結果,ライン2上の様々な位置にターゲット画像3が表示され,指標画像5がライン2に沿って1回以上周回する。なお,サークルセットを図1の表示ディスプレイ101上の同位置に連続して表示するのではなく,指標画像5が1周または複数回周回する毎に,サークルセットを異なる位置に表示するようにしてもよい。この場合,異なるライン2の中心座標(基準画像1の中心座標),ライン2の半径を図7のタイミングデータに記録してもよい。例えば,図7のターゲット画像識別子に対応して前記した中心座標,半径を記録する。画像生成手段111aは,この中心座標と半径とを有するライン2上にターゲット画像を表示する。
【0118】
ここで,図13に示したように,許容時間幅ARに相当する有効時間幅を示す指標画像5rを新たに表示された表示している状態(許容時間幅を有効時間幅としている状態)における,図4のステップ106の判定処理について説明する。
【0119】
ここで,例えば,図13に示した状態から,指標画像5が矢印AD方向に移動して,ターゲット画像3bが変化表示され,遊戯者が操作部116を操作するとする。
【0120】
この場合,判定手段111bは,ステップS106において,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの追加有効期間内に操作部116が操作されたか否かを判定する。判定手段111bは,図13の例では,ターゲット画像3bの基準時間T15(基準時間T15については図8参照)の前の追加有効期間内に操作部116が操作されたか否かを判定する。
【0121】
このとき,判定手段111bが,ステップS106において,変化表示されているターゲット画像の基準時間Trの追加有効期間内に操作部116が操作されたと判定(バッド判定と呼ぶ)した場合(ステップS106/YES),ステップS107の成功表示処理において,画像生成手段111aは,例えば変化表示されているターゲット画像を消去して,「バッド」などの文字を表示ディスプレイ101に表示する。
【0122】
ステップS109,S110で説明したように,指標画像5の有効時間幅AEにターゲット画像が位置する期間よりも僅かながら早い/遅いタイミングで操作部116を操作すると,指標画像5の有効時間幅AEに指標画像5の進行方向と同じ方向/逆方向に向けて指標画像が付加される。
【0123】
そして,図13に示すように,この付加された状態が,遊戯者に容易に認識できるように表示される。その結果,遊戯者は,この操作タイミングのズレを容易に認識することができる。さらに,遊戯者が,このように僅かにずれたタイミングで操作部116を操作しても,操作ミスとしてカウントされないので初心者の遊戯者にとって好ましい。
【0124】
他にも,段階的に許容時間幅を付加することができる。具体的には,ステップS109において,判定手段111bは,操作部116が操作されたタイミングに対応する前記した基準時間Trの許容期間が期間Tb1または期間Tb2か判定する。この期間Tb1は,図8(B)に示す時間Tb3〜Tg1または時間Tg2〜Tb4であり,この期間Tb2は,図8(B)に示す時間Ta1〜Tb3または時間Tb4〜Ta2である。そして,判定した何れかの期間を追加有効期間とし,他方,他の期間をそのまま許容期間とする。
【0125】
例えば,判定手段111bが,操作部116が操作されたタイミングに対応する基準時間Trの許容期間が期間Tb1と判定した場合,この期間Tb1を追加有効期間とする。そして,画像生成手段111aは,この追加有効期間に対応する許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像を新たに表示する。
【0126】
図8,図12の例において,操作部116が操作されたタイミングに対応する基準時間T08の許容期間が,基準時間T08の前の期間Tb1(有効期間の左側“-1”)であるとする(図8(B)参照)。この場合,基準時間T08の前の期間Tb1が追加有効期間である。そのため,画像生成手段111aは,この追加有効期間に対応する許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像5r1を新たに表示する。符号5r2に示す部分は,バリアサークル4の黒で表示される。
【0127】
一方,判定手段111bが,操作部116が操作されたタイミングに対応する基準時間Trの許容期間が期間Tb2と判定した場合,この期間Tb2を追加有効期間とする。そして,画像生成手段111aは,追加有効期間に対応する許容時間幅を有効時間幅とする。
【0128】
図8,図12の例において,操作部116が操作されたタイミングに対応する基準時間T08の許容期間が,基準時間T08の前の期間Tb2(有効期間の左側“-2”)であるとする(図8(B)参照)。この場合,基準時間T08の前の期間Tb2が追加有効期間である。そのため,画像生成手段111aは,この追加有効期間に対応する許容時間幅に相当する有効時間幅を示す指標画像5r2を新たに表示する。符号5r1に示す部分は,バリアサークル4の黒で表示される。この場合,有効時間幅が,櫛状に表示される。
【0129】
このように段階的に許容時間幅を付加することにより,遊戯者は,操作タイミングのズレを認識しやすくなる。
【0130】
さて,制御手段111cは,クール判定された回数に応じて加算されるポイント,および,グッド判定された回数に応じて加算されるポイントの合計ポイントが所定のポイント値を越えると,ゲームの難易度(以下,レベルと呼ぶ)をアップさせる処理を行う。レベルがアップすると,画像生成手段111aは,新たに表示した指標画像5rを消去する。また,制御手段111cは,追加有効期間を無効にする。
【0131】
前記した合計ポイントが所定のポイント値を越えるということは,ゲームに慣れてきたこと(ゲームの習熟度が高まった)を意味する。この場合には,新たに表示した指標画像5rを消去することにより,遊戯者のゲーム習熟度にあわせることができる。
【0132】
なお,ゲームの進行が進むにつれて,様々なターゲット画像を表示するようにしてもよい。
【0133】
例えば,ターゲット画像としてボーナスターゲット画像を表示してもよい。画像生成手段111aは,図7に示したタイミング欄に記録された時間T160〜時間T191,この時間におけるターゲット画像識別子欄に記録されたターゲット画像の識別子に基づき,ボーナスターゲット画像を有するサークルセットを表示する。画像生成手段111aは,ターゲット画像識別子が“E”の場合は,ボーナスターゲット画像を,ターゲット画像識別子“E”の基準時間に対応するライン2上の位置に表示する。
【0134】
判定手段111bが,指標画像5の有効時間幅AEに,ボーナスターゲット画像が位置する期間に,操作部116の操作ボタン105a,105b,105x,105yの何れかが操作されたと判定した場合には(図3のステップS106/YES),画像生成手段111aは,クール判定がされたときの成功表示処理よりも派手に成功表示処理を行う。また,その判定回数を記録する。なお,前記した期間に,操作部116の操作ボタン105a,105b,105x,105yを操作しなくても,制御手段111cは,操作ミスとして操作ミス回数をカウントしない。
【0135】
ターゲット画像としてスペシャルターゲット画像を表示してもよい。このスペシャルターゲット画像は,指標画像5が1周する間に,判定手段111bにより全てクール判定が行われた場合に,画像生成手段111aが,最後のターゲット画像として表示するターゲット画像である。判定手段111bが,指標画像5の有効時間幅に,スペシャルターゲット画像が位置する期間に,操作部116が操作されたと判定した場合には(図3のステップS106/YES),画像生成手段111aは,クール判定がされたときの成功表示処理よりも派手に成功表示処理を行う。また,その判定回数を記録する。なお,失敗した場合には,制御手段111cは,レベルを下げる処理を実行する。
【0136】
さて,ゲームオーバの場合(図4のステップS108/YES),1曲のゲーム音楽の再生が終了した場合,または,カウントした操作ミス回数が所定の回数を超えた場合には,ステップS112に移る。
【0137】
ステップS112:画像生成手段111aは,スコア表示処理を行う。1曲のゲーム音楽の再生が終了した場合には,画像生成手段111aは,表示ディスプレイ101に,例えば,ランク(SS/S/A/B/C/D)と,スコアと,獲得した仮想通貨のポイント数と,現在所持している仮想通貨の総ポイント数を表示する。また,画像生成手段111aは,クール判定,グッド判定の回数,バッド判定の回数,操作ミスの回数を数値で表示し,各回数の割合を円グラフで表示する。なお,画像生成手段111aは,ボーナスターゲット画像3h,スペシャルターゲット画像3b’をヒットした回数を表示してもよい。一方,カウントした操作ミス回数が所定の回数を超えた場合,獲得した仮想通貨のポイント数と,現在所持している仮想通貨の総ポイント数を表示する。
【0138】
なお,前記したレベルアップとしては,ターゲット画像に表示される文字の種類を増やす,すなわち操作対象となるボタンの種類を増やす手法がある。例えば,レベルアップすると,ターゲット画像に“A”,“B”に加えて“X”,“Y”を表示する。この場合,図7のターゲット画像識別子欄に識別子として“X”,“Y”を記録する。
【0139】
このとき,ステップS105において,変化表示されたターゲット画像の識別子が“X”の場合に,ターゲット画像の識別子“X”と操作ボタン情報が示す操作されたボタンの種類を示すボタン識別子とが一致するか否かを判定することになる。
【0140】
他にも,レベルアップに伴い,ライン2上におけるターゲット画像の配置密度を増やしても良い。例えば,ターゲット画像3aとターゲット画像3bとが密接するように配置する。このようにターゲット画像を配置することで,遊戯者は,短期間の間に素早くボタン操作をしなければならない。このように,ライン2上におけるターゲット画像の配置密度を増やすと,ある基準時間の期間(Tc+Tg+Tb1+Tb2)と連続する次の基準時間の期間(Tc+Tg+Tb1+Tb2)が互いに重なることがある。すなわち,画像生成手段111aが,2つ以上のターゲット画像を同時に変化表示することがある。
【0141】
この場合,判定手段111bは,先に変化表示されたターゲット画像の画像識別子に基づき,図3のステップ105の判定処理を実行し,さらに,この画像識別子の基準時間に基づき,図4のステップS106,ステップS109の判定処理を実行する。密接して表示されるターゲット画像3a,3bが同時に変化表示されるとする。この場合,判定手段111bは,先に変化表示されたターゲット画像3aの画像識別子“A”に基づき,図3のステップS105の判定処理を実行する。この判定処理では,図1の操作ボタンA105aが操作された場合に(ステップS105/YES),図4のステップS106の処理に移る。このステップS106では,図7の時間T171をターゲット画像識別子“A”の基準時間として,判定処理を実行する。なお,ステップS109でもステップS106と同様である。
【0142】
なお,操作ミス回数が所定の値を超えた場合には,レベルダウンをしてもよい。このレベルダウンの手法としては,ターゲット画像に表示される文字の種類を減らす手法がある。例えば,レベルダウンすると,ターゲット画像に“A”のみを表示する(“B”については表示しない)。
【0143】
以上説明した上記実施の形態によれば,指標画像の有効時間幅とターゲット画像との位置関係により操作部の操作タイミングを遊戯者に対して表示している。この操作タイミングは,移動表示される指標画像がターゲット画像の近傍を通過するタイミングである。この表示においては,指標画像とターゲット画像とは互いに重なり合わない。
【0144】
このような操作タイミング表示により,たとえ,表示画面領域が狭い携帯型ゲーム装置の表示画面であっても,遊技者は,操作タイミングを認識しやすい。また,指標画像が移動経路に沿って広がっているので,遊戯者は有効な操作タイミングを容易に認識することができる。そのため,遊戯者は,操作部を適切なタイミングで操作することが容易になる。
【0145】
また,ゲーム画面をサークルセットとして構成し,指標画像を周回移動させることで,遊戯者は,操作部の操作タイミングを認識しやすくなり,さらに,長時間ゲームをしていても目が疲れにくくなる。
【0146】
さらに,上記実施の形態によれば,操作タイミングがズレると,このズレに応じて指標画像が広く表示される。そのため,遊戯者は,操作タイミングのズレを許容する期間を容易に認識することができる。その結果,遊技者は,適切なタイミングよりも早くボタン操作をするのか,または,適切なタイミングよりも遅れてボタン操作をするのか,すなわち,自己の操作タイミングのズレ傾向を認識しこのズレ傾向を是正できることから,ゲームの習熟度が早くなる。
【0147】
(第2の実施の形態)
図14は,第2の実施の形態の表示画面を説明する図である。図14に示すように,ライン20,バリアサークル40を直線とする。また,画像生成手段111aは,指標画像50を,バリアサークル40上を例えば図面右方向に移動表示する。なお,基準点画像10,ターゲット画像30a,30b,センター指示画像60,ガイド画像70は,第1の実施の形態で説明した基準点画像1,ターゲット画像3a,3b,センター指示画像6,ガイド画像7に対応する。
【0148】
このように,ライン,指標画像が移動するバリアサークルを円周だけでなく,直線状にしてもよい。また,円弧状にしてもよい。
【0149】
(他の実施の形態)
本発明に従うゲームプログラムを実行するコンピュータを有する装置としては,例えば,家庭用ゲーム装置,業務用ゲーム装置,スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。
【0150】
家庭用ゲーム装置の場合は,図1のゲーム装置100の表示ディスプレイ101,スピーカ103は,家庭用ゲーム装置に含まれない構成になる。
【0151】
また,スマートフォンの場合には,操作部116をタッチパネルに表示されるソフトウェアボタンとして機能させる。このとき,ソフトウェアボタンとして,図1の操作ボタン105a,105b,105x,105yをタッチパネルに表示させればよい。
【符号の説明】
【0152】
100…ゲーム装置,101,102…表示ディスプレイ,103…スピーカ,104…十字ボタン,105a,105b,105x,105y…操作ボタン,111…CPU,111a…画像生成手段,111b…判定手段,111c…制御手段,111d…計時手段,112…RAM,113…ROM,114…ネットワーク接続部,115…コネクタ,116…操作部,117…再生部,118…表示コントローラ,130…外部記録媒体,131…ゲームプログラム,132…タイミングデータ,133…楽曲データ,134…画像データ,1…基準画像,2…ライン,3a,30a,3b,30b,3a’…ターゲット画像,4,40…バリアサークル,5,50…指標画像,6,60…センター指示画像,7,70…ガイド画像,8…ライン画像。






【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と対応付けられたターゲット画像を画面に表示し,前記操作部の操作タイミングを遊戯者に指示する手段としてコンピュータを機能させるプログラムにおいて,
指標画像と基準点とで有効時間領域を形成する手段と,
前記有効時間領域を前記画面上で移動させる手段と,
前記有効時間領域内に前記ターゲット画像が含まれている期間に前記ターゲット画像と対応付けられた前記操作部が操作されたか否かを判定する手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項2】
請求項1において,
前記基準点から一定距離にターゲット画像を表示し,前記一定距離よりも短い距離の位置に前記指標画像を移動して表示する手段としてコンピュータを機能させる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1乃至2において,
前記有効時間領域に所定の許容時間領域を設定し,前記許容時間領域に前記ターゲット画像が位置する期間に,前記操作部が操作された場合,前記有効時間領域を前記許容時間領域分拡張する手段としてコンピュータを機能させる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかにおいて,
前記有効時間領域に位置する前記ターゲット画像の表示を変化する手段としてコンピュータを機能させる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4において,
前記有効時間領域に前記ターゲット画像が位置する期間に,前記操作部が操作された場合,前記基準点から前記有効時間領域に位置する前記ターゲット画像方向への画像を表示する手段としてコンピュータを機能させる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れかにおいて,
前記基準点を中心とする円周のライン上に前記ターゲット画像を表示し,前記円周の内側に位置し,前記基準点を中心とする円周のライン上に前記指標画像を移動表示する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
操作部と対応付けられたターゲット画像を画面に表示し,前記操作部の操作タイミングを遊戯者に指示する手段を有するゲーム装置において,
指標画像と基準点とで有効時間領域を形成する手段と,
前記有効時間領域を前記画面上で移動させる手段と,
前記有効時間領域内に前記ターゲット画像が含まれている期間に前記ターゲット画像と対応付けられた前記操作部が操作されたか否かを判定する手段とを有するゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−59425(P2013−59425A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198910(P2011−198910)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】