説明

ゲームプログラム

【課題】プレイヤーの満足度を向上させることができるゲームプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係るゲームプログラムは、通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムであって、コンピュータを、悪玉キャラクタ又は善玉キャラクタを選択して入力する入力手段、入力手段で悪玉キャラクタが入力された場合に、プレイヤーのキャラクタを悪玉キャラクタとして設定する設定手段、他のプレイヤーが操作する善玉キャラクタとの戦闘や、前記イベントを行うことにより、経験値を蓄積する経験値蓄積手段、レベルが更新されたら、悪玉キャラクタの能力を所定量だけ上げる能力更新手段、として機能させるので、プレイヤーの満足度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲームジャンルの1つとして、RPG(Role Playing Game)が知られている。RPGにおいてプレイヤーの操作する自キャラクタは、仲間となるキャラクタとの出会いや別れ、悪玉キャラクタ(モンスター)との戦いなどを経験することによって成長する。また、プレイヤーは自キャラクタを通してゲームが提供する仮想世界内での各種情報を収集し、収集した情報に従って各種のイベントを実行しその世界の謎や秘密を解き明かしていくと共に、自キャラクタも成長していく。
【0003】
また、情報通信技術、コンピュータ技術の発達によりゲームの世界においても通信媒体、例えば電話回線網を介して他のゲーム装置とのゲームデータの授受を可能とし、他のゲーム機と協同して一つのゲームを実行可能なネットワークRPGも普及してきている。このネットワークゲームでは、それぞれ別個のゲーム機から操作する複数のプレイヤーがそれぞれ独自に異なるキャラクタを操作してゲームを進行している。このため、同一ゲームフィールドでも複数のプレイヤーの操作する複数のキャラクタがゲームを並行して進行できる(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−331166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のRPGにおいては、プレイヤーの対戦する悪玉キャラクタがコンピュータ制御されているので、その戦い方にバリエーションがなく、戦闘シーンが単調なものになっており、プレイヤーの満足度が低かった。また、プレイヤーは、自キャラクタを善玉キャラクタとしてしかゲームに参加することができなかったので、他に選択肢がなく、プレイヤーの満足度が低かった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プレイヤーの満足度を向上させることができるゲームプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
係る目的を達成すべく、本発明は、通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムであって、コンピュータを、悪玉キャラクタ又は善玉キャラクタを選択して入力する入力手段、予め前記悪玉キャラクタの初期設定パラメータを記憶する初期設定パラメータ記憶手段、予め前記悪玉キャラクタの成長の度合いを設定する成長設定パラメータを記憶する成長設定パラメータ記憶手段、前記悪玉キャラクタの経験値を記憶する経験値記憶手段、前記悪玉キャラクタのレベルを記憶するレベル記憶手段、前記入力手段で前記悪玉キャラクタが入力された場合に、前記プレイヤーのキャラクタを前記悪玉キャラクタとして設定する設定手段、該設定手段によって設定された前記悪玉キャラクタの初期能力を前記初期設定パラメータ記憶手段から前記初期設定パラメータを読み出して決定する初期能力決定手段、他のプレイヤーが操作する前記善玉キャラクタとの戦闘や、前記イベントを行うことにより、前記経験値を蓄積する経験値蓄積手段、前記経験値が所定の値になったかどうかを判定する経験値判定手段、前記経験値が所定の値になったら、前記レベル記憶手段に記憶された前記レベルを更新するレベル更新手段、及び前記レベルが更新されたら、前記成長設定パラメータ記憶手段から前記成長設定パラメータを読み出し、前記悪玉キャラクタの能力を所定量だけ上げる能力更新手段、として機能させる構成を採用した。
【0007】
これにより、プレイヤーは自キャラクタを善玉キャラクタにも悪玉キャラクタにも設定することができるので、選択肢が広がり、満足度が向上する。また、対戦相手がコンピュータ制御されたものではなく人間が操作するものであるので、その戦い方のバリエーションが豊富で、プレイヤーの満足度が向上する。さらに、善玉キャラクタだけでなく、悪玉キャラクタのレベルも更新されるので、悪玉キャラクタを操作するプレイヤーも張り合いがある。なお、本発明においては、従来のRPGのモンスターに該当するものを悪玉キャラクタ、モンスターを倒す勇者などに該当するものを善玉キャラクタという。
【0008】
さらに、本発明は、コンピュータを、前記悪玉キャラクタかどうかを判定する悪玉判定手段、ゲーム空間上に悪玉専用の仮想社会を形成する仮想社会形成手段、及び前記悪玉判定手段が前記悪玉キャラクタと判定した場合にのみ、前記仮想社会に入ることを許可する許可手段、として機能させるので、仮想社会内で悪玉キャラクタを操作するプレイヤー同士が情報を交換したり、悪玉キャラクタの装備する武器の取引等を行うことができ、悪玉キャラクタを操作するプレイヤーの満足度が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るゲームプログラムは、通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムであって、コンピュータを、悪玉キャラクタ又は善玉キャラクタを選択して入力する入力手段、予め前記悪玉キャラクタの初期設定パラメータを記憶する初期設定パラメータ記憶手段、予め前記悪玉キャラクタの成長の度合いを設定する成長設定パラメータを記憶する成長設定パラメータ記憶手段、前記悪玉キャラクタの経験値を記憶する経験値記憶手段、前記悪玉キャラクタのレベルを記憶するレベル記憶手段、前記入力手段で前記悪玉キャラクタが入力された場合に、前記プレイヤーのキャラクタを前記悪玉キャラクタとして設定する設定手段、該設定手段によって設定された前記悪玉キャラクタの初期能力を前記初期設定パラメータ記憶手段から前記初期設定パラメータを読み出して決定する初期能力決定手段、他のプレイヤーが操作する前記善玉キャラクタとの戦闘や、前記イベントを行うことにより、前記経験値を蓄積する経験値蓄積手段、前記経験値が所定の値になったかどうかを判定する経験値判定手段、前記経験値が所定の値になったら、前記レベル記憶手段に記憶された前記レベルを更新するレベル更新手段、及び前記レベルが更新されたら、前記成長設定パラメータ記憶手段から前記成長設定パラメータを読み出し、前記悪玉キャラクタの能力を所定量だけ上げる能力更新手段、として機能させるので、プレイヤーの満足度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムであって、コンピュータを、悪玉キャラクタ又は善玉キャラクタを選択して入力する入力手段、予め前記悪玉キャラクタの初期設定パラメータを記憶する初期設定パラメータ記憶手段、予め前記悪玉キャラクタの成長の度合いを設定する成長設定パラメータを記憶する成長設定パラメータ記憶手段、前記悪玉キャラクタの経験値を記憶する経験値記憶手段、前記悪玉キャラクタのレベルを記憶するレベル記憶手段、前記入力手段で前記悪玉キャラクタが入力された場合に、前記プレイヤーのキャラクタを前記悪玉キャラクタとして設定する設定手段、該設定手段によって設定された前記悪玉キャラクタの初期能力を前記初期設定パラメータ記憶手段から前記初期設定パラメータを読み出して決定する初期能力決定手段、他のプレイヤーが操作する前記善玉キャラクタとの戦闘や、前記イベントを行うことにより、前記経験値を蓄積する経験値蓄積手段、前記経験値が所定の値になったかどうかを判定する経験値判定手段、前記経験値が所定の値になったら、前記レベル記憶手段に記憶された前記レベルを更新するレベル更新手段、及び前記レベルが更新されたら、前記成長設定パラメータ記憶手段から前記成長設定パラメータを読み出し、前記悪玉キャラクタの能力を所定量だけ上げる能力更新手段、として機能させる。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るゲームプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。図2は、本発明に係るゲームプログラムを実行するゲーム装置を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、ゲームシステム31は、ゲームソフト会社等のゲームサーバ32と、ゲームソフト会社等に登録された顧客等が所有するゲーム装置1等で構成されている。そして、ゲームサーバ32と各ゲーム装置1はインターネット100により接続されている。なお、ここでは、ゲーム装置1が三つの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、数万のゲーム装置1をネットワークで接続することができる。
【0013】
図2に示すように、ゲーム装置1は、大別して、ゲーム装置1の主たる機能を有するゲーム装置本体2と、ゲーム装置本体2に対する操作指示のための入力を行う入力装置(例えば、キーパッドやコントローラなどが含まれる)3を備える。更に、ゲームの途中経過データやゲーム環境設定データなどのゲームデータを保存するメモリカード5をゲーム装置本体2に着脱自在に装着可能である。また、ゲーム装置本体2には、ゲーム装置本体2からの映像信号や音声信号に基づいてゲーム内容に応じた映像表示やサウンド出力を行う出力装置(例えばモニタディスプレイ及びスピーカを含む)6が接続されてゲームを実行可能に構成される。また、ゲーム装置本体2には、後述するゲームに関する処理を実現するためのプログラムや画像データ、サウンドデータなどを格納するCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )4が装着される。
【0014】
ゲーム装置本体2は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理ユニット)やROM(Read Only Memory;リードオンリーメモリ)を内蔵した主制御部11、RAM(Random Access Memory;ランダムアクセスメモリ)12、インタフェース部13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、CD−ROM4を着脱自在に搭載して内容をアクセスするCD−ROMドライブ16、通信媒体(ネットワーク)100を介して他のゲーム機との間のデータ通信等を行う通信インタフェース17、HDD(Hard Disk Drive;ハードディスクドライブ)18、以上の各構成要素を相互に接続するバス19を備えている。
【0015】
主制御部11は、発振器やタイマカウンタ(共に図示せず)を備えており、発振器から所定期間ごとに出力されるタイミング信号に基づいてクロック信号を生成し、このクロック信号をタイマカウンタにより計数することにより時間の計時を行う。RAM12は、主制御部11のCPUがプログラムを実行するために使用する主記憶装置であり、CPUが実行するプログラムやその実行のために必要となるデータが格納される。またRAM12は、プログラム実行時におけるワークエリアとしても使用される。
【0016】
インタフェース部13は、入力装置3およびメモリカード5を着脱自在に接続することができるように構成されている。このインタフェース部13は、バス19に接続された各部(主に、主制御部11)と入力装置3またはメモリカード5との間のデータ転送を制御する。
【0017】
サウンド処理部14は、ゲームのBGM(Back Ground Music)や効果音などの音声データを再生するための処理を行う回路である。このサウンド処理部14は、主制御部11からの命令に従い、RAM12に記憶されたデータに基づいて音声信号を生成し、これを出力装置6に供給する。
【0018】
グラフィック処理部15は、フレームバッファ(図示せず)を備え、主制御部11からの命令に応じた画像をフレームバッファ上に描画する。また、グラフィック処理部15は、フレームバッファに描画された画像データに所定の同期信号を付加してビデオ信号を生成し、これを出力装置6に供給する。
【0019】
CD−ROMドライブ16は、記録媒体であるCD−ROM4に格納されたデータを読み取る読取装置である。ゲーム装置1は、ゲーム装置本体2に、CD−ROM4に記録されたゲームプログラムに従った制御を実行させることにより、ゲームに関する制御を実現する。
【0020】
通信インタフェース17は、ネットワーク100に接続されている他の通信可能装置、例えば他のゲーム装置との間で各種データ交換や連動ゲームを行う際の通信制御を司る。例えば、通信インタフェース17は、ゲーム装置本体2と通信ネットワーク100との間の情報(プログラムやデータ)の授受を制御する。通信インタフェース17および通信回線99を介して外部の通信ネットワーク100からダウンロードされたゲームプログラムおよびデータは、HDD18に格納することができる。HDD18は、主制御部11のCPUがプログラムを実行するために使用する補助記憶装置である。HDD18には、通信インタフェース17を用いてダウンロードした情報やCD−ROM4から読み取った情報など、様々なデータやプログラムを格納することができる。
【0021】
CD−ROM4には、上述したように、ゲームに関する処理を実現するためのプログラムや画像データ、サウンドデータなどが格納されている。このゲームプログラムには、本実施形態に係る方法をゲーム装置1に実行させるプログラムが含まれている。CD−ROM4に格納されたゲームソフトウェアは、CD−ROMドライブ16を起動して必要なゲームプログラム及びゲームデータを読み込ませ、主制御部11を読み込ませたプログラムに従って動作させる。このゲームソフトウェアは、HDD18にプレインストールされる。そして主制御部11からの命令に従い、RAM12に記憶されたデータに基づいて音声信号を生成し、これを出力装置6に供給する。なお、ゲーム装置1は、ゲームソフトウェアをHDD18に記憶することもできる。
【0022】
入力装置3には、ゲームに関する様々な指示をゲーム装置本体2に入力するためにプレイヤーによって操作されるコントローラが含まれる。コントローラには、移動情報等を入力するための十字キーや、各種の指令をゲーム装置本体2に指示入力するための操作キー(例えば、○ボタン、△ボタン、□ボタン、×ボタン、スタートボタン、セレクトボタン)が設けられている。入力装置3は、操作に応じた指令信号をインタフェース部13を介してゲーム装置本体2に送る。
【0023】
メモリカード5は、例えばフラッシュメモリ等で構成され、ゲーム装置本体2によって制御されてゲームデータを記憶する補助記憶装置となる。メモリカード5へのデータの書き込み、およびメモリカード5からのデータの読み込みは、インタフェース部13を介して主制御部11が制御する。
【0024】
出力装置6は、ゲーム装置本体2からの映像信号や音声信号に基づいてゲーム画像を表示し、音声を出力する。本実施形態では、スピーカ内蔵のモニタ装置例えばテレビジョン(TV)セットが出力装置6として用意されている。このモニタ装置は、画像表示用の表示画面61および音声出力用のスピーカ62を備えている。また出力装置6は、グラフィック処理部15からのビデオ信号に応答して画像を表示画面61に表示すると共に、サウンド処理部14からのサウンド信号に応答してスピーカ62から音声を出力する。従って、出力装置6は、表示装置および音声出力装置の双方として機能する。
【0025】
主制御部11は、ROMに格納されている基本ソフトウェアやCD−ROMドライブ16によってCD−ROM4から読み出されてRAM12に格納されるゲームソフトウェアに基づいてゲーム装置本体2の動作を制御する。例えば、CPU12は、CD−ROM4からグラフィックデータを読み出してグラフィック処理部15に転送し、グラフィック処理部15に画像の生成を指示する。この指示に応答して、グラフィック処理部15は、グラフィックデータを利用してビデオ信号を生成する。このビデオ信号は、出力装置6に送られる。これにより、出力装置6の表示画面上に画像が表示される。
【0026】
以上の構成を備える本実施の形態例のゲーム装置においては、更にネットワーク100を介して他のゲーム装置と通信することが可能に構成されており、複数のプレイヤーがネットワーク100を介して一つのゲームに参加することの可能なネットワークゲームが可能に構成されている。この場合には、ゲームプログラムはCD−ROM4より読み出すのみでなく、ネットワークに接続されている他の通信機器(ゲームサーバ32)よりダウンロードすることも可能に構成されている。
【0027】
なお、本発明に係るゲームプログラムを機能させるコンピュータとして、例えば家庭用ゲーム機としてのゲーム装置1を一例として説明したが、該ゲーム装置1は、ゲーム専用の装置でなく、一般的な音楽や映像の記録媒体の再生なども可能な装置であってもよく、これに限らず、コンピュータとして、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機など、ゲームプログラムを機能させることのできるものであれば何れのものでもよい。
【0028】
また、図2では、ゲーム装置1の構成について説明したが、ゲームシステム31を構成するゲームサーバ32も同様な構成とすることができ、CPUや記憶手段やインタフェースを具備し、CPUによりゲームプログラムを実行したり、記憶手段によりゲームプログラムやデータを記憶したり、インタフェースによりデータの授受を行うことができる。
【0029】
次に、本発明に係るゲームプログラムの動作について説明する。
図3は、本発明に係るゲームプログラムの動作を示すフローチャートである。この処理は、記憶手段に記憶されたゲームプログラムをゲームサーバ32やゲーム装置本体2が実行することにより実施されるものである。
【0030】
本願発明においては、まず、ゲームサーバ32又はゲーム装置1等の記憶手段に、予め悪玉キャラクタの初期設定パラメータ、悪玉キャラクタの成長の度合いを設定する成長設定パラメータ、悪玉キャラクタの経験値、悪玉キャラクタのレベルを記憶しておく。
【0031】
初期設定パラメータとは、悪玉キャラクタの初期の攻撃力や守備力などを数値データにしたものである。例えば、初期の攻撃力を「50」、守備力を「10」などと設定する。成長設定パラメータとは、悪玉キャラクタのレベルが一つ上がると攻撃力や守備力などをどれだけ上げるかを数値データにしたものである。例えば、レベル1から2に上がった時には、攻撃力を「2」、守備力を「1」上げると設定することができる。もしくは、レベルがいくつの時にどれだけの攻撃力や守備力にするかを規定したものでも良い。例えば、レベル2の時に、攻撃力「52」、守備力「11」を設定することができる。経験値は、初期の段階では、「ゼロ」であり、善玉キャラクタと戦闘したり、イベントをクリアすることにより増えていくものである。レベルは、初期の段階では、「1」であり、所定の経験値を得た時に一つずつ増えていくものである。
【0032】
続いて、図3に示すように、プレイヤーが悪玉キャラクタ又は善玉キャラクタを選択して入力手段(入力装置)3から入力する(S101−YES)。この入力は、ゲーム開始時やID取得時に選択画面を出してプレイヤーに入力を促すこともできるし、ゲームの途中のイベント等でプレイヤーの選択したストーリーに応じて選択されるものでもあってよい。例えば、善玉キャラクタとしてプレーしていたが、味方を裏切った場合に、悪玉キャラクタになる場合等である。
【0033】
入力手段3で悪玉キャラクタが入力された場合には、設定手段が、プレイヤーのキャラクタを悪玉キャラクタとして設定する(S102)。この設定は、ゲームサーバ32又はゲーム装置1の記憶手段に記憶され、次回からのプレー時にも読み出される。
【0034】
次に、初期能力決定手段が、設定手段によって設定された悪玉キャラクタの初期能力を決定する(S103)。この時、初期設定パラメータ記憶手段から初期設定パラメータを読み出して、それに応じて、初期能力を決定する。初期設定パラメータに記載された通りではなく、ランダムな数値を演算に用いて、キャラクタ毎に異なった特徴ある初期能力を決定することもできる。
【0035】
プレイヤーは、所定の初期能力を有する悪玉キャラクタを用いて、他のプレイヤーが操作する善玉キャラクタとの戦闘や、イベントを行うことにより、経験値を蓄積する(S104)。必ずしも善玉キャラクタを倒す必要はなく、善玉キャラクタに与えたダメージの数値に応じて経験値がたまるようにしてもいい。自身の悪玉キャラクタが善玉キャラクタに倒されても、所定時間経過後、ゾンビのように生き返り、再びプレーを続けることができる。悪玉キャラクタを操作する他のプレイヤーと共同して善玉キャラクタを倒したり、イベントに参加することもできる。イベントは、例えば、悪玉キャラクタを操作するプレイヤー10人と善玉キャラクタを操作するプレイヤー10人とで、ゲーム空間上の宝探しを行い、その宝の種類に応じた経験値が入るというゲームイベント等を想定できる。
【0036】
経験値判定手段が、経験値が所定の値になったかどうかを判定し(S105)、経験値が所定の値になったら(S105−YES)、レベル更新手段が、悪玉キャラクタのレベルを更新する(S106)。ゲームの初期には、レベル1からスタートし、経験を重ねるごとにレベルを一つずつ上げていく。レベル毎に所定の経験値が設定されており、その経験値に達したら、該当するレベルになるように設定されている。例えば、経験値「1000」になったら、レベル10になるように設定する。
【0037】
レベルが更新されたら、能力更新手段が、悪玉キャラクタの能力を所定量だけ上げる(S107)。能力は、成長設定パラメータ記憶手段から成長設定パラメータを読み出し、それに応じて設定される。能力の上昇は、成長設定パラメータに従うのみではなく、ランダムな数値を演算に用いたり、倒した善玉キャラクタの数やその種類等に応じて、キャラクタ毎に異なる能力になるようにすることもできる。
【0038】
プレイヤーは、初期にはレベル1の悪玉キャラクタからスタートし、レベルを上げるごとに、より強い悪玉キャラクタに進化していき、そのキャラクタのゲーム画面上の画像も変更される。また、悪玉キャラクタも武器や防具を装備でき、それらもゲーム画面上の画像に反映される。なお、ゲーム途中のイベントで悪玉キャラクタに変身する場合には、必ずしもレベル1から始める必要はない。
【0039】
レベルが所定値以上になると、悪玉キャラクタをボスキャラクタに変身させることもできる。ボスキャラクタとは、洞窟などのダンジョンの最奥部にいる強大な力を持つモンスターである。ボスキャラクタは、悪玉キャラクタとして経験を積んで、所定のレベルに達した後になることができる。レベルが所定の値以上になったら、成長設定パラメータ記憶手段から成長設定パラメータ(ボスキャラクタの設定もある)を読み出し、それに応じて能力が設定される。そして、洞窟などのダンジョンに配置され、他のプレイヤーの操作する善玉キャラクタとの対戦や、イベントを行う。ボスキャラクタとして経験値をためると、さらに強いボスキャラクタへと変身していくことができる。
【0040】
また、ゲーム空間上に悪玉キャラクタしか入れない仮想社会を形成することもできる。具体的には、悪玉判定手段が悪玉キャラクタかどうかを判定し、悪玉キャラクタと判定された場合にのみ、仮想社会形成手段により形成された悪玉専用の仮想社会に入ることが許可される。仮想社会とは、例えば、ゲーム空間上に形成された村や森や洞窟のようなものである。そして、例えば、その村の中では、酒場や武器屋などがあり、他の悪玉キャラクタを操作するプレイヤーと情報交換をしたり、武器や防具の売買等を行うことができる。仮想社会は、悪玉プレイヤーがその仮想社会に近づいたときに出現するようにしてもいいし、善玉プレイヤーにも見えるように予め形成されていても良い。仮想社会には、悪玉キャラクタが善玉キャラクタと戦闘をしたりイベントを行う、経験値蓄積中に入ることができる。なお、この仮想社会の外では、悪玉キャラクタを操作するプレイヤーと善玉キャラクタを操作するプレイヤーが情報交換することもできる。また、善玉キャラクタ及び悪玉キャラクタの両方が入ることのできる村などの仮想社会を形成することもできる。
【0041】
悪玉キャラクタのレベルが上がり、能力を所定量だけ上げた後は、再び戦闘などを行って経験値を蓄積する状態に戻る。そして、プレイヤーがゲームを終える時には、ゲームの進行状況、悪玉キャラクタのレベル、所持品等の情報を記憶手段に記憶(セーブ)し、ゲームを終了させる。次回からは、ゲーム開始時に善玉か悪玉かを選択する入力画面等は出ずに、ゲームを終えた時点からゲームをスタートすることができる。
【0042】
また、プレイヤーが入力手段(入力装置)3から善玉キャラクタを選択して入力した場合には(S101−NO)、プレイヤーのキャラクタは善玉キャラクタとして設定され(S108)、その善玉キャラクタを操作して、悪玉キャラクタを倒してゲームを進行することができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るゲームプログラムは、通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るゲームプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。
【図2】本発明に係るゲームプログラムを実行するゲーム装置を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るゲームプログラムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1・・・・・・ゲーム装置
2・・・・・・ゲーム装置本体
3・・・・・・入力装置
4・・・・・・CD−ROM
5・・・・・・メモリカード
6・・・・・・出力装置
11・・・・・主制御部
12・・・・・RAM
13・・・・・インタフェース部
14・・・・・サウンド処理部
15・・・・・グラフィック処理部
16・・・・・CD−ROMドライブ
17・・・・・通信インタフェース
18・・・・・HDD
19・・・・・バス
31・・・・・ゲームシステム
32・・・・・ゲームサーバ
99・・・・・通信回線
100・・・・インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信媒体を介して複数のプレイヤーが戦闘やイベントに参加するRPGのゲームプログラムであって、
コンピュータを、
悪玉キャラクタ又は善玉キャラクタを選択して入力する入力手段、
予め前記悪玉キャラクタの初期設定パラメータを記憶する初期設定パラメータ記憶手段、
予め前記悪玉キャラクタの成長の度合いを設定する成長設定パラメータを記憶する成長設定パラメータ記憶手段、
前記悪玉キャラクタの経験値を記憶する経験値記憶手段、
前記悪玉キャラクタのレベルを記憶するレベル記憶手段、
前記入力手段で前記悪玉キャラクタが入力された場合に、前記プレイヤーのキャラクタを前記悪玉キャラクタとして設定する設定手段、
該設定手段によって設定された前記悪玉キャラクタの初期能力を前記初期設定パラメータ記憶手段から前記初期設定パラメータを読み出して決定する初期能力決定手段、
他のプレイヤーが操作する前記善玉キャラクタとの戦闘や、前記イベントを行うことにより、前記経験値を蓄積する経験値蓄積手段、
前記経験値が所定の値になったかどうかを判定する経験値判定手段、
前記経験値が所定の値になったら、前記レベル記憶手段に記憶された前記レベルを更新するレベル更新手段、及び
前記レベルが更新されたら、前記成長設定パラメータ記憶手段から前記成長設定パラメータを読み出し、前記悪玉キャラクタの能力を所定量だけ上げる能力更新手段、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
前記悪玉キャラクタかどうかを判定する悪玉判定手段、
ゲーム空間上に悪玉専用の仮想社会を形成する仮想社会形成手段、及び
前記悪玉判定手段が前記悪玉キャラクタと判定した場合にのみ、前記仮想社会に入ることを許可する許可手段、
として機能させる請求項1記載のゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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