説明

ゲーム・ブローカー

【課題】ゲームに関係する新たな装置、方法、記憶媒体、製造物を提供する。
【解決手段】いくつかの実施形態では、ブローカーが複数の顧客からの資金をプールし、該資金を使ってカジノでベットを賭ける。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(詳細な説明)
いくつかの実施形態では、ブローカーはプレーヤーに代わってベットを賭けうる。たとえば、プレーヤーがブローカーにお金を提供しうる。するとブローカーはそのお金を受け取り、カジノ・ゲームにベットを賭けうる。ゲームから払い出しがあれば、ブローカーはその払い出しを受け取り、該払い出しをプレーヤーに提供しうる。ブローカーはプレーヤーから手数料を取りうる。手数料はベットについて提供される額からまたは払い出しから差し引かれてもよい。ブローカーは、該ブローカーがベットを賭けるカジノのような、ハウスまたはカジノからも支払われてもよい。たとえば、カジノは、商売を持ち込むことに対してブローカーに報酬を出しうる。ブローカーは人間、法的主体(たとえば法人)、アルゴリズム、コンピュータ・システム、サーバーおよび/または他の任意の能力のあるエンティティでありうる。ブローカーはカジノのために働いてもよい。ブローカーはカジノであってもよい。ブローカーは、該ブローカーがプレーヤーに代わってベットを賭ける同じカジノのために働いていてもよい。
【0002】
1.複数仲介者
いくつかの実施形態では、一または複数の仲介者がプレーヤーのベットを扱いうる。プレーヤーはお金を第一のブローカーに与えうる。第一のブローカーはそのお金を第二のブローカーに渡しうる。すると第二のブローカーはそのお金(またはそのお金のうち、ブローカー手数料が差し引かれたあとの部分)を使ってベットを賭けうる。次いでベットからの勝ち金は第二のブローカーから第一のブローカーへ、第一のブローカーからプレーヤーへと戻されうる。いくつかの実施形態では、仲介者の数は3、4または5などいくつであってもよい。複数仲介者の使用は、ベットの大規模な集積を許容しうる。たとえば、二次ブローカーが5一次ブローカーからお金を受け取りうる。5一次ブローカーはそれぞれ5プレーヤーからお金を受け取りうる。こうして、二次ブローカーは、ベットを賭けるために25の異なるプレーヤーからのお金をプールしうる。お金をプールすることは、二次ブローカーに制限の高いゲームに賭けることを許容する、あるいは二次ブローカーがカジノに対してよりよいオッズを求めて交渉することを許容するといった利点を提供しうる。
【0003】
1.1 カジノ間の仲介
いくつかの実施形態では、カジノがブローカーの役を務めてもよい。カジノはプレーヤーまたは他のブローカーからお金を受け取りうる。次いでカジノはそのお金を使って他のカジノでベットを賭けうる。カジノはまた、そのお金を前記他のカジノに与えてもよく、次いで該他のカジノが第三のカジノでベットを賭けてもよい。
【0004】
2.プリンシパル/エージェント関係
さまざまな実施形態において、ブローカーは自分で、すなわち自分の金をリスクにさらして、プレーヤーのベットの反対サイドを取ってもよい。よって、たとえば、プレーヤーがベットから$10勝つ場合、ブローカーは$10失いうる。この役割において、ブローカーはプリンシパルの役を務めうる。ブローカーがベットの反対サイドを取る場合でも、ベットの勝者(たとえばプレーヤーまたはブローカー)はカジノ・ゲームの帰結に基づいて決定されうる。たとえば、ブローカーとのプレーヤー・プレースの勝者はやはりカジノにおけるルーレットの回転に基づいて決定されうる。しかしながら、ブローカーは必ずしも実際にカジノでお金をかける必要はない。ブローカーは単にゲームの帰結を見守り、その帰結に基づいてプレーヤーが勝ったかブローカーが勝ったかを決定しうる。こうして、ブローカーはおそらくプレーヤーに対してカジノよりもよいオッズを与えてもよい。たとえば、ルーレットのゲームでプレーヤーが「赤」に賭けた場合、「00」が出たとき、通常はカジノならそのゲームをカジノの勝ちとするところであっても、ブローカーはそのゲームを引き分けとしてもよい。
【0005】
さまざまな実施形態において、ブローカーは仲介者としての役のみを務めて、カジノまたは別の当事者(たとえば別のブローカー)がプレーヤーのベットの反対サイドを取ることを許容してもよい。この役割においては、ブローカーはエージェントの役を務めうる。
【0006】
3.最良レートの発見
ブローカーは、有利なオッズ、有利なハウス・エッジまたはプレーヤーにとって有利な他のメトリックを提供するゲームを見出そうと試みうる。これはブローカーが提供するサービスの一つでありうる。たとえば良いブローカーは進んで多数のカジノを探索し、ゲームにおけるより有利なオッズを提供するなら辺鄙なカジノさえも訪れる。こうして、ブローカーは、プレーヤーが有利なゲームを探して旅して回る労を省きうる。
【0007】
3.1 カジノがオッズをポストする
さまざまな実施形態において、カジノはオッズ、払い出し、ハウス・エッジ、ジャックポット・レベルまたはゲームについての他の任意のメトリックをポストしうる。カジノはそのようなメトリックを新聞または他の刊行物において公表してもよく、そのようなメトリックを(たとえばラジオで)放送してもよく、あるいはそのようなメトリックをネットワークに、たとえばウェブサイトにポストしてもよい。ブローカーは複数のゲームについてのメトリックを受領しうる。ブローカーは複数のカジノからメトリックを受領しうる。ブローカーはそれによりどのゲームが、あるいはどのカジノがプレーヤーにとって有利なメトリックを有しているかを判定しうる。
【0008】
3.2 仲介会社が新聞をスキャンし、人々にカジノを訪れさせ、カジノと関係をもつ
いくつかの実施形態では、ブローカーは一または複数の他の人と一緒に働いてもよい。該他の人はブローカーが有利なゲームまたは他の望ましい特性をもつゲームを見出すのを助けうる。いくつかの実施形態では、会社(firm)が複数ブローカーを用いうる。こうして、該会社は有利なゲームを見出し、次いでそのようなゲーム(およびそのようなゲームについての他の任意の情報)の所在を該会社によって用いられている複数のブローカーに(たとえば全ブローカーに)報告することによって、スケール・メリットを利用しうる。会社は、ブローカーではないが有利な特性をもつゲームについて見つけだす人を用いてもよい。そのような人は次いでそのようなゲームについての情報を報告し、ブローカーたちが顧客に代わってそのようなゲームにベットを賭けることができるようにしうる。いくつかの実施形態では、会社が有利なゲームまたは他の望まれる特性をもつゲームを見出すことを専門にしていてもよい。その際、該会社はゲームについての情報をブローカーにおよび/または仲介会社に売りうる。いくつかの実施形態では、ブローカーまたは別の人物が種々のカジノを訪問し、種々のゲームを観察し、種々のカジノ代表者と話し、プレーヤーと話し、カジノのプロモーションを探して刊行物を読み、あるいは望ましい特性をもつゲームを発見する努力において他の役割を実行しうる。さまざまな実施形態において、ブローカーおよび/またはブローカーを用いるかブローカーと協働するかしている会社はカジノと関係があってもよい。カジノはそのブローカーまたは会社にそのカジノにおけるゲームについての最新情報を提供しうる。ブローカーのほうではカジノに、ベットの形で商売を提供しうる。カジノはブローカーに、該ブローカーがベットを賭けうる専用のゲーム・テーブルまたは専用のゲーム・デバイスを提供するといった特別な恩恵を認めてもよい。
【0009】
3.3 ブローカーは、大量の金のプールを背にしていれば、よりよいオッズを求めてカジノと交渉できる
さまざまな実施形態において、ブローカーは、プレーヤーにとってより有利な特性をもつゲームを求めてカジノと交渉しうる。ブローカーは、自分が代表している顧客のお金の額を、交渉道具として使いうる。たとえば、あるブローカーが顧客のお金として賭けることのできる100万ドルを有していれば、カジノは、そのブローカーがそのカジノにその100万ドルを賭けることを促すために、プレーヤーにとってより有利となるようにゲームのルールを変更するのに前向きになることがありうる。たとえば、ブローカーがカジノと交渉しうることとして、ブラックジャックのゲームで52枚のカードからなるデッキのより少ない数を組み合わせること(たとえば、52枚カードのデッキ6つではなく52枚カードのデッキ2つを組み合わせる)、ルーレットのゲームから「00」のスポットをなくすこと、ジャックポットの大きさを倍にすること、ビデオ・ポーカーでフラッシュに対する払い出しを増やすこと、ブラックジャックのゲームでサレンダーを許容すること、クラップスのゲームでより大きなオッズのベットを許容すること、あるいは既存のゲームのルールに何らかの変更をしてルールをプレーヤーにとってより有利にすることがありうる。顧客のためにベットを賭けることに加えて、ブローカーは顧客のためにより有利な賭け環境を交渉しうるのである。カジノのほうとしては、ゲームのルールをより有利にすることによってより多くの商売を引きつけることができる。
【0010】
4.ベットのプール
いくつかの実施形態では、ブローカーは2顧客から資金を受け取りうる。ブローカーは顧客から受け取った資金を組み合わせ、組み合わされた資金を使って単一のベットを賭けてもよい。顧客資金をプールすることによって、ブローカーは、個々の顧客では利用できないような制限の高いゲームにベットを賭けることができうる。さらに、顧客は「端数ロット(odd lots)」を賭けることができてもよい。たとえば、$10のきざみでベットが受け付けられるゲームにおいて、ブローカーはある顧客からの$17を別の顧客からの$13と
一緒にプールしうる。いくつかの実施形態では、資金がプールされる場合、勝ち金は、提供された資金に比例して割り当てられうる。たとえば、プールの資金のx%を供給した顧客は、勝ち金についてもx%を受け取りうる。いくつかの実施形態では、手数料が提供された資金に比例して配分されてもよい。たとえば、ブローカーが賭けられるベットごとに固定手数料を課す場合、プールの資金のx%を提供したプレーヤーがその固定手数料のx%を課されてもよい。いくつかの実施形態では、プールに資金を寄与する各プレーヤーは、プールのうちの寄与した割合に関わらず、一定の手数料を支払う。たとえば、プールへの各寄与者はブローカーによって賭けられるベットごとに$2支払ってもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは3以上の人からの資金をプールしうる。たとえば、ブローカーは3、4もしくは5人または100人からの資金をプールしうる。たとえば、ブローカーは異なる5プレーヤーから直接受け取った資金を、別のブローカーから受け取った資金と一緒にプールしてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、ブローカーは2プレーヤーからの資金をプールしうる。ブローカーは同じプールを使って複数のベットを賭けてもよい。その際、勝ち金および元金を含めプールに残っているお金はその2プレーヤーに配分し戻されてもよい。そのお金は、各プレーヤーによる当初の寄与の大きさに比例してプレーヤーに配分されうる。配分に先立ち、手数料が差し引かれてもよい。同様に、ブローカーは3以上のプレーヤーからの資金をプールし、複数のベットを賭け、次いで残っている額があればそれを当初寄与された額に比例して配分してもよい。
【0012】
5.反対ポジションの相殺:2顧客がパスするおよびパスしないに賭けている場合にハウスを抜きにする
さまざまな実施形態において、あるブローカーの2顧客が実質的に反対ポジションを取ることを望むことがありうる。たとえば、第一の顧客はルーレットで「赤」に賭けることを望むことがあり、第二の顧客は「黒」に賭けることを望むことがありうる。もう一つの例として、第一の顧客がクラップスで「パスする」に賭けることを望むことがあり、第二の顧客が「パスしない」に賭けることがありうる。カジノ環境では、どちらのベットも勝たない状況がありうるので、そのようなベットは厳密に反対ではないことがありうる。たとえば、ルーレットのゲームにおいて、ボールが「0」か「00」にはいれば、「赤」に対するベットも「黒」に対するベットも勝たない。どちらのベットも勝たないことがあるという事実がハウスに利益を与えている。さまざまな実施形態において、ブローカーは、二つの実質的に反対のベットを取り合わせることによって、ハウスをなしにしてもよい。第一の顧客が第一のポジションを取り、第二の顧客が実質的に反対ポジションを取る場合、ブローカーはその2顧客のベットを互いに取り合わせうる。そしてブローカーはカジノにおけるゲームを観察しうる。ゲームの帰結に依存して、ブローカーは、両顧客ベットについて、第一の顧客または第二の顧客のいずれかに対して報償を与えうる。たとえば、第一の顧客が「赤」に対して$10賭け、第二の顧客が「黒」に対して$10賭けている場合、ブローカーはルーレットのゲームを観察しうる。「赤」になれば、第一の顧客は$20受け取ることができ、第二の顧客は何も受け取れない。これに対し、「黒」になれば、第一の顧客は何も受け取れず、第二の顧客が$20受け取れる。「0」または「00」が出れば、いくつかの可能性がある。ブローカーは各顧客の金をそれぞれの顧客に返してもよい。それによりベットはプッシュまたは引き分けになる。有利なことに、今の場合、顧客は、カジノで賭ける場合と異なり、お金を失っていない。ブローカーは代替的にルーレットの第二のゲームを観察し、該第二のゲームの結果を利用して2顧客のうちの勝者を決定してもよい。「0」または「00」の結果(たとえば最初のゲームでの)に際して、ブローカーは両顧客のベットの一方または両方の一部を保持してもよい。これはブローカーのサービスについての支払いの役を果たしうる。こうして、いくつかの実施形態では、ブローカーは、実質的に反対のベットを互いに取り合わせることによって、ハウスを抜きにしてもよい。ハウスを抜きにすることによって節約される額は顧客に返されてもよいし、あるいはブローカーによって保持されてもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは多数のベットを互いに取り合わせてもよい。たとえば、ブローカーが38顧客を有し、そのそれぞれがルーレットの異なるスペースに$10ドルのベットを賭けることを望んでいることがありうる。こうして、ブローカーはすべてのベットを互いに競わせ、ハウスを抜きにする。自分の数字が出る幸運を得た顧客は他のすべての顧客からのお金を受け取ることになる。
【0013】
さまざまな実施形態において、2顧客が実質的に反対のベットを望むことがありうる。しかしながら、ある顧客は第一の額のお金を賭けることを望みうる一方、別の顧客は第二の額の金をかけることを望みうる。ここで、第二の金額は第一の金額より大きいとする。ブローカーは第一の額を第二の額の一部に対して取り合わせうる。第二の額の残りの部分(たとえば第二の額から第一の額を引いたあとに残る額)はベットとしてカジノに賭けられてもよい。
【0014】
6.監査証跡
6.1
いくつかの実施形態では、生成された、送信された、保存された、取得されたまたは使用されたデータは監査目的のために保存されてもよい。そのようなデータはカジノに対する(たとえば該データを生成するカジノに対する;たとえば該データを使うカジノに対する)監督者に対して、あるいは他の任意の関係者に対して利用可能にされうる。保存されうるデータは、ゲームに対してなされたベットの大きさ、ゲームに対してなされたベットのタイプ、ゲームの間に生起した中間イベント(たとえば、クラップのゲームで最後の一振りより前のさいころ振り)、ゲームにおいて利用可能であった決定オプション(たとえば、ブラックジャックにおけるヒット、スタンド)、ゲームにおいてなされた決定、ゲームの帰結、ゲームの勝者に支払われる額を記述するデータおよびゲームについての他の任意のデータを含みうる。いくつかの実施形態では、ゲームについてのデータは集積されうる。たとえば、あるプレーヤーによって1時間の期間の間にプレイされたすべてのゲームについてのデータが同じ位置に(たとえば同じファイルまたはデータベース項目に)保存されてもよい。集積されたデータは、単一のレポートまたは他の統一された呈示において呈示されうる。たとえば、プレーヤーは、100のスロットマシン・ゲームがプレイされたセッションの間に生起したすべての帰結を記述するプリントされたレシートまたは他の文書を受領しうる。いくつかの実施形態では、データは暗号化され、デジタル署名され、または他の仕方で変換されてもよい。たとえば、さまざまな暗号化手順によって、データが本物であると検証できることが保証されうる。こうして、たとえば、ブローカーがプレーヤーに代わってベットを賭ける場合、ブローカーは、ベットが賭けられたカジノからのデジタル署名をもつデータを呈示しうる。するとプレーヤーは、そのデータが本物であるという少なくともいくばくかの保証をもつことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第一のゲームまたは第一の一連のゲームで生成されたデータは、そのデータが正当(fair)であるという検証を提供するために試験または監査されてもよい。さまざまな実施形態において、そのデータが何らかの統計的分布に従っていることを検証するために試験が実行されうる。該統計的分布は、該データを生成するために使われる一つまたは複数のランダム過程において支配すると一般に考えられている分布でありうる。たとえば、あるデータのセットが一群のルーレット盤のうちの一つで生成された約1万の帰結についてのデータを含みうる。各ルーレット盤は38のスペースをもつ。ある適用可能な統計的分布は、ルーレット盤のそれぞれの可能な帰結はほぼ38の帰結に1回、すなわち1万の帰結のデータ・セットのうちほぼ263回生起するであろうことを予測しうる。こうして、1万の帰結についてのデータの試験は、ルーレット盤の38の可能な帰結のそれぞれがその1万回の帰結のうちほぼ263回生起したことを試験しうる。この試験は、若干の偏差は許容しうる。たとえば、ある帰結が213ないし313回生起することは許容可能と考えられてもよい。しかしながら、帰結が213回から313回までの間にない回数起こったとすると、そのデータは疑わしいと考えられうる。
【0016】
6.2
いくつかの実施形態では、顧客は賭けのための規則を前もって指定しうる。顧客によって指定される規則は、どのゲームがプレイされるか、どのゲーム・デバイスが使われるか、何回ゲームがプレイされるか、どこでゲームがプレイされるかの指定を含みうる。するとブローカーは顧客に、規則が従われたことを証明する監査情報を供給しうる。たとえば、ブローカーは顧客に、各ゲームについて、ベット額、ゲーム・デバイス識別子、時刻、カジノ、帰結および/または位置を示すプリントアウトを提供してもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは顧客に、その顧客のために賭けられているベットを示すビデオを供給しうる。該ビデオは、時間、日付、ベット額、帰結および払い出しのような、そのベットの詳細を記述するテキストを含んでいてもよい。
【0017】
7.ブローカーの顧客たちがリスクを共有する、あるいはブローカーは各ベットを別個に賭ける(そしてどれがどれかを追跡する)必要がある
いくつかの実施形態では、ブローカーは顧客のお金をプールしうる。ブローカーは、そのプールのうち各顧客のシェアを記録しうる(たとえば、顧客がそのプールに寄与した割合に基づいて)。お金がそのプールから各顧客に配分されるとき、各顧客はそのプールの、記録されている割合を受け取りうる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ブローカーは各顧客について別個のベットを賭けうる。たとえば、第一のベットが第一の顧客のために賭けられ、第二のベットが第二の顧客のために賭けられうる。第一のベットからの勝ち金は第一の顧客に行き、第二のベットからの勝ち金は第二の顧客に行きうる。ブローカーは個々の顧客それぞれについて賭けられたベットを追跡しうる。ブローカーはさらに、各顧客それぞれについての勝ち金も追跡しうる。このようにして、ブローカーが種々の顧客に属する資金を混同する可能性が少なくなりうる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ブローカーは賭けられたベットの詳細を履歴帳(log book)に書き入れうる。履歴帳は紙でも電子的なものでもよい。履歴帳は、顧客識別子(たとえば顧客の名前)、ベットの額、ベットの時間、帰結、中間帰結、なされた決定および/または払い出しについての項目を含みうる。さまざまな実施形態において、ブローカーはゲームがプレイされるたびに履歴帳に項目を作りうる。いくつかの実施形態では、ブローカーはゲームの履歴を記録するためにあるプロトコルに従いうる。ゲームが始まる前に、ブローカーは履歴にプレーヤー識別子、ベット額、ゲームおよび時間を入れうる。次いでブローカーはベットを賭けうる。ゲームが終わったとき、ブローカーは同じ履歴に帰結および払い出しの額を入れうる。ブローカー(またはプログラム)は、顧客資金の現時点での勘定を決定するために、定期的に履歴項目を計算または集計しうる。たとえば、顧客が顧客の資金のレベルに基づくある賭け規則を指定したことがありうるので(たとえば、顧客は、該顧客の資金が$1000を超えたら賭けが停止されるべきであると指定したことがありうる)、ブローカーは顧客の資金があるレベルに達したときを知ることを望むことがありうる。
【0020】
さまざまな実施形態において、ブローカーは、ゲーム・デバイス、カジノ・サーバー、ギャンブル・テーブルまたは他のデバイスと同期されることができる履歴記録プログラムを有していてもよい。履歴記録プログラムは、デバイス(たとえばゲーム・デバイス)から自動的にデータを受信でき、それによりブローカーは手動入力のプロセスを免除される。たとえば、ゲーム・デバイスは自動的にゲーム帰結および払い出しをブローカーの履歴記録プログラムに送信して、自動組み込みされるようにしてもよい。さまざまな実施形態において、ブローカーは携帯情報端末、ブラックベリーまたは携帯電話のようなハンドヘルド機器上に履歴記録プログラムを有していてもよい。さまざまな実施形態において、(ブローカーだけでなく)いかなる人物でも、ゲーム・デバイスからデータを受信しうるデバイスを携行しうる。そのようなデータは帰結データ、払い出しデータ、賭けデータ、ゲームにおいてなされた決定についてのデータおよび他の任意のデータを含みうる。
【0021】
さまざまな実施形態において、履歴記録プログラムは、ブローカーが保持するデバイスのようなハンドヘルド機器上で走りうる。さまざまな実施形態において、データはサーバーに(たとえばブローカー・サーバーに)送信され、そこで履歴記録機能が実行されうる。データがサーバーに送信されるのは、ゲーム・デバイスまたは他のカジノ・デバイスから直接、カジノ・サーバーから、あるいはブローカーのハンドヘルド機器からでありうる。
【0022】
さまざまな実施形態において、ブローカーは個々のゲームのレベルで結果を追跡しなくてもよく、その代わり諸ゲームの諸グループにわたる、諸プレイ・セッションにわたる、諸時間期間にわたるなどの結果を追跡してもよい。たとえば、ブローカーは、100ゲームのセッションについて、開始時および終了時の顧客の資金勘定、開始および終了時刻、使われたゲーム・デバイス(またはプレイされたゲーム・テーブル)または他の任意の関係する情報を記録してもよい。
【0023】
8.顧客についての結果の即時報告。たとえば、ブローカーがPDAを持ち、結果を入力する。PDAを有は結果を自動的に認識してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、顧客のためにプレイされたゲームの結果はゲームがプレイされたあとすぐまたはまもなく、顧客に報告される。ブローカーの履歴記録または会計管理プログラムは、ゲームについてのデータを、該データが受信または入力され次第、顧客に送信しうる。ブローカーはゲーム・デバイス、ゲーム・テーブルまたはカジノ・サーバーを、ゲームについてのデータを顧客デバイスに送信するよう構成してもよい。ブローカーは、ゲームの結果を報告するために顧客に電話してもよい。いくつかの実施形態では、ゲーム・データは、ある種の状況下で顧客に送信されてもよい。たとえば、ゲームが勝ちの帰結につながる場合、そのゲームについてのデータが顧客デバイスに送られうる。顧客はゲーム・データについて注意を喚起されてもよい。たとえば、顧客の携帯電話が自動的に呼び出されてもよいし、あるいは顧客が特定のゲーム結果の生起に際してまたは任意のゲーム結果の生起に際してさえ、テキスト・メッセージを送られてもよい。
【0025】
9.ブローカーにライセンスを与えるプロセス
ブローカーは、著しい信託および責任のある位置にありうる。たとえば、ブローカーは膨大な額の顧客のお金を扱いうる。よって、いくつかの実施形態では、ブローカーについてのライセンス付与プロセスが用意されてもよい。ライセンス付与プロセスは、倫理的かつ責任ある仕方で行動するようブローカーを訓練し、そのように行動しそうもないブローカーを排除することを試みうる。ライセンス付与プロセスは、ブローカーを、その商売の技巧(mechanics)において訓練しうる。ライセンス付与プロセスは、一度きりのプロセスでもよいし、継続的な(on-going)ものであってもよい。たとえば、ブローカーは、ライセンス更新のために定期的に試験を受けることを要求されてもよい。
【0026】
9.1 背景検査
ライセンス付与プロセスは背景検査を含んでいてもよい。候補者の犯罪歴、信用履歴、雇用履歴、学業成績、ビジネスのやり方(business dealings)、ビジネス上のつながり、婚姻歴および他の履歴が調査されうる。その候補者を知っていた、あるいは関わったことのある人が聞き取り調査されることもありうる。たとえば、重罪で有罪になったことのある候補者または犯罪組織と関わりをもったことのある候補者は欠格とされうる。
【0027】
9.2 教育
候補者は教育を受けてもよい。教育は、教室環境から、オンライン・コースから、本から、個人的な教育から、弟子入りからまたは他の任意の仕方に由来しうる。ブローカーは、該ブローカーが複数の顧客のお金を同時に扱いうるときに個々の顧客のお金をどのように追跡するか、ゲーム結果をどのように報告するか、手数料をどのように計算するかおよび他の任意の運用詳細といったさまざまな運用手順を学びうる。ブローカーはまた、常に可能な最も有利なゲームをプレイする責務、手数料を精確に開示しない責務、お金を迅速に返却する責務などといった倫理的な責務をも学びうる。
【0028】
9.3 試験
候補者は試験を受けてもよい。試験は筆記でも、口頭でも、あるいはシミュレーションまたは実際の業務シナリオを含んでいてもよい。試験は、倫理、運用詳細についての候補者の知識およびブローカーであるために大切な他の任意の知識を問うものでありうる。候補者は、ライセンスされるためにある種のスコアを達成することが要求されうる。いくつかの実施形態では、候補者は、ライセンスされるために一連の試験に合格しなければならない。
【0029】
9.4 倫理的な規則
いくつかの実施形態では、ブローカーは自分のお金を使って負のハウス・エッジのあるゲーム(すなわち、プレーヤーにとって正の期待値のあるゲーム)に賭けることを禁止されてもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは、自分のお金を使って負のハウス・エッジのあるゲームに参加することを、そのようなゲームが限定された利用可能性を有する場合に禁止されてもよい。そのような制約がなければ、ブローカーは有利な機会を自分で利用して、そのプロセスにおいて顧客からそのような機会を奪うことになりうる。いくつかの実施形態では、ブローカーはゲームをするために自分のお金を使うことを一切禁止されてもよい。
【0030】
10.ブローカー特権。ブローカーはコンプ・ポイントを保持するか?
いくつかの実施形態では、カジノは、プレイヤーがもたらす商売についてプレーヤーに報いることがありうる。カジノは、コンプ・ポイント(comp points)、無料食事、アップグレードされた部屋または他の任意の恩恵をプレーヤーに提供しうる。いくつかの実施形態では、カジノは、顧客に代わってベットを賭けるブローカーに恩恵を提供してもよい。たとえば、カジノはブローカーにコンプ・ポイントを提供してもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは、カジノからの報酬を自分自身の使用のために保持してもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは報酬を顧客に渡してもよい。ブローカーはまず恩恵を集め、次いでそれを顧客に提供しうる。たとえば、ブローカーはまず、カジノが無料で提供したカジノ・スイートでの一晩を予約しうる。次いでブローカーは顧客に、その晩無料でそのスイートに泊まりに来ることを歓迎すると伝えてもよい。ブローカーはまた、顧客に直接恩恵を渡してもよい。たとえば、カジノが無料の部屋を与える場合、ブローカーは顧客の名前をカジノに提供してもよい。するとカジノは顧客自身がその部屋を予約して、その部屋に無料で泊まることを許容しうる。さまざまな実施形態において、カジノは、ブローカーの顧客のための口座を作成し、そのような口座にブローカーの活動に基づいて報酬を入れてもよい。たとえば、ブローカーはカジノに、顧客のためのコンプ口座を作成させてもよい。カジノは、該ブローカーがそのカジノでベットを賭けるときは常に、コンプ・ポイントをその顧客の口座に与えるよう指示されてもよい。こうして顧客は、カジノを訪れなくてもコンプ・ポイントを受領しうる。さまざまな実施形態において、ブローカーは、該ブローカーがその時点で代表している特定の顧客に依存して、どの顧客口座にポイントを入れるかについての指示を提供しうる。たとえば、ブローカーはカジノに該ブローカーが現在代表している顧客の名前(または口座識別子)を提供しうる。するとカジノは、そのブローカーのゲーム活動に基づいて、適切な口座にポイントを入れうる。いくつかの実施形態では、ブローカーは、遠隔地にいる顧客が償還するのに好適な形で報酬を提供するようカジノと交渉してもよい。たとえば、カジノを訪れる意図が全くない顧客はカジノでの無料の一泊は無価値であることがありうる。このように、ブローカーはカジノに、顧客にとっての報酬の好ましい形について通知しうる。ブローカーはカジノに、お金、改善されたゲーム特性の形での、あるいは顧客に送られることのできる商品の形での報酬を提供するよう通知してもよい。
【0031】
11.ブローカーが使う戦略の指定。パラメータの指定。たとえば、x勝つまたはy負けるまで賭ける。
【0032】
さまざまな実施形態において、顧客が、該顧客のためにブローカーが従う規則を指定してもよい。いくつかの実施形態では、デフォルト規則が用意されていてもよい。顧客が他の規則を指定しない限り、そのような規則が使われる。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のベットを賭ける規則が指定されてもよい。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のゲームをプレイする規則が指定されてもよい。そのような規則は、プレーヤーに代わって行動するゲーム・デバイス、カジノ従業員またはブローカーのようなエンティティが従いうるものである。規則が用意されていれば、個別のゲームそれぞれについてプレーヤーが入力することは不要でありうる。たとえば、プレーヤーは一度規則を指定し、それらの規則を使って自動的に100のゲームがプレイされるのを観戦しうる。規則が用意されていれば、要求されるプレーヤー入力の量が軽減されうる。たとえば、プレーヤーはもはやプレイされる各ゲームに先立ってベット額を入力しなくてもよい。もっとも、プレーヤーはいまだ戦略決定を入力してもよい。ベットを賭けるまたはゲームをプレイする規則は、次のうちの一つまたは複数を含みうる:(a)あらゆるゲームに固定額が賭けられる(たとえばあらゆるゲームに$2);(b)所与のゲームに賭けられるベットの大きさは前のゲームの結果(たとえば勝ち、負け)に依存する;(c)ベットの大きさは負けるたびに倍になるが、勝ったあとには$1(または他の何らかの固定額)である;(d)合計額X勝つまでゲームが反復的に開始される;(e)合計額X負けるまでゲームが反復的に開始される;(f)あらゆるゲームに対して最大可能な額がかけられる;(g)Xペイラインが選択される(たとえばスロットマシン・ゲームで);(h)Xのゲームが同時にプレイされる(たとえば3つのゲームが同時にプレイされる);(i)ゲームとゲームの間にある特定の量の時間が経過すべきである;(j)Xのゲームがプレイされる;(k)X回勝つまでプレイを継続する;(l)X回負けるまでプレイを継続する;(m)特定の帰結が達成されるまで(たとえばボーナス・ラウンドに到達するまで)プレイを継続する;(n)資金またはクレジット残高があるレベルに達するまでプレイを継続する;(o)資金またはクレジット残高があるレベルを通過するまでプレイを継続する;(p)ある時点まで(たとえば4:00まで)プレイを継続する;(q)プレイは進行するが、プレイ中に定期的なポーズを置く(たとえば30分ごとに5分の中断);(r)時間期間Y内にXのゲームが完了される(たとえば1秒に100のゲームが完了される);(s)特定の戦略を使う(たとえば、最適戦略を使う;たとえば、常にロイヤルフラッシュを求める戦略を使う;たとえば、ブラックジャックで基本戦略を使う);(t)特定のプレーヤーによってプレイされるゲームに対してベットが賭けられる(たとえば、ジム・スミスがブラックジャックのゲームに勝つというベットが賭けられる);(u)特定のカテゴリーのプレーヤーによってプレイされるゲームに対してベットが賭けられる(たとえば、最後の5ゲームに連続して勝ったプレーヤーのゲームに対してベットが賭けられる);(v)特定のディーラーとのゲームをプレイする;(w)特定のゲーム・デバイス上でゲームをプレイする;(x)特定のタイプのゲームをプレイする(たとえば、テキサス・ティー[Texas Tea]をプレイする);または他の任意のゲーム規則。いくつかの実施形態では、第一のプレーヤーのためにプレイする規則が第二のプレーヤーを選択する規則を含む。たとえば第二のプレーヤーのゲームに対して第一のプレーヤーが賭けるのである。いくつかの実施形態では、ベットを賭ける対象とするゲームのプレーヤーを選択する規則は、人口統計情報に基づいてプレーヤーを選択する規則;プレーヤーによってプレイされているゲームに基づいてプレーヤーを選択する規則;プレーヤーの過去の帰結に基づいてプレーヤーを選択する規則;プレーヤーが賭けている額に基づいてプレーヤーを選択する規則;プレーヤーによって使用されている戦略に基づいてプレーヤーを選択する規則、およびプレーヤーを選択する他の任意の規則を含みうる。
【0033】
12.ブローカーが使う他の儀式(たとえばさいころに息を吹きかける)
顧客はブローカーがゲーム活動と関連してある儀式を実行することを要求することがありうる。たとえば、顧客は、クラップスのゲームにおいて、さいころを振る前にブローカーが一対のさいころに息を吹きかけることを要求することがある。それに従ってブローカーはその儀式を実行しうる。ブローカーとネットワークを介して対話している顧客は、所望される儀式を述べるテキストを入力してもよく、そのようなテキストをブローカーにネットワークを通じて送信してもよい。いくつかの実施形態では、顧客は、顧客に代わってベットを賭ける際にブローカーが特定のオブジェクト(たとえばお守り)を携行することを要求することがありうる。顧客はブローカーがある時点に(たとえば正時に)賭けることを要求することがありうる。顧客は、ブローカーが特定の機械、特定のテーブルまたは特定のディーラーを使うことを要求することがありうる。さまざまな実施形態において、ブローカーは、顧客の嗜好および儀式を追跡するソフトウェアを利用してもよい。たとえば、ブローカーは顧客の名前をソフトウェア・プログラムに入力し、それによりその顧客がブローカーに、ベットを賭けるときにはウサギの足を携行するよう望んでいることを思い出すことができてもよい。ブローカーは、顧客の好ましい儀式を精確に追跡することによって、顧客との良好な信頼関係を確立しうる。
【0034】
13.優良顧客は特別な待遇を得る。たとえば、ブローカーは、優遇される顧客にブラックジャックにおいて「フリー・エース」スペシャルを与える。ブローカーは良好なゲームについてのニュースレターをもつ。
【0035】
いくつかの実施形態では、ブローカーは限定された利用可能性のゲーム機会へのアクセスを得ることがありうる。たとえば、プロモーションはプレーヤーに、1ゲームのみについて、ブラックジャックにおけるフリー・エースを受け取ることを許容することがありうる。そのような機会はプレーヤーにとって格別有利でありうる。プレーヤーに正の期待値を提供することさえありうる。機会は限定された利用可能性を有しうるので、ブローカーは、そのような機会を利用するためにすべての顧客のためにベットを賭けることはできないことがありうる。いくつかの実施形態では、どの顧客がその限定された機会に参加できるかを決定するために、ブローカーはさまざまなプロトコルまたはアルゴリズムを使用しうる。いくつかの実施形態では、ブローカーは、そのブローカーを使っている長い経歴がある顧客のような、そのブローカーに膨大な金額を預けている顧客、そのブローカーに大きな額の手数料を支払った顧客といった優遇顧客に、あるいは他のジャンルの優遇顧客に優先を与えてもよい。それほど優遇されない顧客がそもそも参加する前に、優遇顧客が機会を使い果たしてしまうことがありうる。いくつかの実施形態では、優遇顧客が有利な機会に対して不釣り合いなほどより大きなチャンスを受け取りうるが、それほど優遇されない顧客の参加するチャンスを得うる。たとえば、ブローカーは有利なゲームにベットを賭けうる。そのベットは優遇顧客からの$80とそれほど優遇されない顧客からの$20からなる。いくつかの実施形態では、ブローカーはすべての顧客が、現在預けている資金の額に比例して、有利な機会に参加することを許容しうる。たとえば、第一の顧客がそのブローカーに$1000与えており、第二の顧客がそのブローカーに$3000与えている場合、ブローカーは、第一の顧客からの$25と第二の顧客からの$75を使って$100のベットを有利なゲームに賭けうる。いくつかの実施形態では、ブローカーはすべての顧客が等しく機会に参加することを許容しうる。さまざまな実施形態において、ブローカーは有利な機会に参加する一または複数の顧客をランダムに選択しうる。さまざまな実施形態において、ブローカーは自分の顧客の間で有利なゲームに参加する機会を順繰りにしてもよい。ブローカーがさまざまな顧客に有利なゲーム機会に参加することを許容する仕方は、倫理的な規則によって、規制機関の規則によって、あるいは法令によって指定されてもよい。
【0036】
14.ブローカーが支払いを得る仕方
14.1 各ベットの歩合
ブローカーは顧客のために賭けられた各ベットの何らかの割合を支払われてもよい。たとえば、顧客は賭けられた各ベットの0.4%を支払ってもよい。
【0037】
14.2 単位時間当たりの固定レート
ブローカーは単位時間当たりの固定額を支払われてもよい。たとえば、ブローカーは、ベットを賭けるのに1時間当たり$15支払われてもよい。ブローカーは各顧客から別個の支払いを受領してもよい(たとえば、ブローカーが代わりにベットを賭けている各顧客が、1時間当たり$15支払ってもよい)。ブローカーは、何らかの1時間ごとのレートに等しい、全顧客からの組み合わされた支払いを受け取ってもよい。たとえば、ブローカーは1時間当たりの$15というレートを有しうるが、そのブローカーが3顧客に代わって賭けている場合、各顧客はブローカーに$5支払えばよい。顧客はまた、それぞれがそのブローカーに(たとえば共通のプールに)託している金額に比例して支払ってもよい。
【0038】
14.3 賭けられるベット当たりの固定レート
さまざまな実施形態において、ブローカーは賭けられるベット当たりの固定の支払いを受け取ってもよい。たとえば、顧客はブローカーに、賭けられるベット当たり5セントを支払ってもよい。いくつかの実施形態では、顧客はグループとして、ブローカーの固定レートを支払ってもよい。たとえば、3顧客のそれぞれがブローカーの固定レートの3分の1を引き受けてもよい。
【0039】
14.4 勝ち金の歩合
さまざまな実施形態において、ブローカーは、顧客の勝ち金の歩合を保持してもよい。たとえば、ブローカーは顧客の勝ち金の5%を保持してもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーは、顧客に勝ち金がなければ、何も得られなくてもよい。このようにして支払われるブローカーは、ある数のベットを賭けることを要求されてもよい。さらに、該ブローカーはあるサイズのベットをある数賭けることを要求されてもよい。たとえば、ブローカーは$10のベットを100賭けなければならない。このようにして、ブローカーは、自分が支払いを受けることができるよう顧客が勝っているときにやめることが防止される。
【0040】
14.5 良好なレートを見出すためまたは何らかの指数を打ち負かすためのボーナス
いくつかの実施形態では、ブローカーは有利なゲームを見出す能力に基づいて支払われてもよい。ブローカーは、並外れて有利であると見なされるゲームに賭けられる各ベットについて何らかの額(たとえば1セント)支払われてもよい。有利なゲームは、ある基準ゲームを基準として定義されてもよい。基準ゲームは特定のルールのセットを有しうる。他のゲームのルールがより低いハウス・エッジに、あるいは他の何らかのプレーヤーの恩恵につながる場合、該他のゲームは有利であると考えうる。いくつかの実施形態では、ブローカーは、あるゲームと基準ゲームとの間のハウス・エッジの差に基づいて支払われてもよい。たとえば、ゲームは、5%のハウス・エッジを有することがありえ、基準ゲームは7%のハウス・エッジを有することがありうる。その際、ブローカーは2%の差に基づいて支払われてもよい。たとえば、ブローカーは1ポイント(たとえば1パーセント)の差について5セント受け取ってもよい。
【0041】
14.6 ブローカーがあるハウス・エッジを保証する。ブローカーが保証したよりも有利なハウス・エッジを見出すことができれば、ブローカーはその差を保持できる。
【0042】
さまざまな実施形態において、ブローカーは顧客にあるゲームについてのあるハウス・エッジを保証してもよい。たとえば、ブローカーは顧客に、あるゲームが5%のハウス・エッジがあることを保証しうる。そのブローカーがよりよいハウス・エッジ(たとえば4%)のゲームを見出せば、そのブローカーは、顧客によって平均して節約された額に相当する支払いを受け取りうる。たとえば、顧客が4%のハウス・エッジのゲームに$1賭けている場合、ブローカーは、その顧客が5%のハウス・エッジのゲームに$1のベットを賭けるシナリオに対して、その顧客に平均して1セント節約させたことになる。したがって、ブローカーはその1セントを手数料として集金してもよい。
【0043】
14.7 プールにある資金の歩合。たとえばブローカーは平均資産の1日当たり1%を保持する。
【0044】
さまざまな実施形態において、ブローカーは、賭けている顧客のお金すべてのある割合を手数料として保持してもよい。該手数料はさまざまな時点で計算されうる。該手数料は、顧客が最初にお金を提供するとき、残っている顧客のお金が返金されるとき、あるいはその間の何らかの時点において、計算されうる。該手数料は、毎日など定期的に、課金または評価されてもよい。たとえば、ブローカーは顧客に、その顧客のお金の額を1日の終わりに計算して、1日当たり該顧客のお金の1%を課金しうる。こうして、たとえば、顧客はブローカーに1日のはじめに賭けるべき$1000を託しうる。その日の終わりに、その顧客は$800が残っていることがありうる。ブローカーは顧客に残っているお金の1%、すなわち$8を課しうる。
【0045】
15.システム
いくつかの実施形態に基づくシステムは、顧客デバイス、ブローカー・デバイス、カジノ・サーバーおよびネットワークを含みうる。本システムはさらに、一つまたは複数のゲーム・デバイス、一つまたは複数のゲーム・テーブルおよび一つまたは複数のゲーム・サーバーを含みうる。顧客デバイスはたとえばパーソナル・コンピュータであってもよいし、あるいは他の任意のコンピューティング・デバイスであってもよい。ブローカー・デバイスはサーバー、パーソナル・コンピュータ、ハンドヘルド機器または他の任意のコンピューティング・デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、顧客の金融機関およびブローカーの金融機関をも含みうる。いくつかの実施形態では、顧客は、顧客デバイスを使って、ブローカーに該顧客に代わって一つまたは複数のベットを賭けてもらうことへの関心を示しうる。顧客は、賭けられるベットの数、ベットのサイズ、用いられる戦略などを含むベットが賭けられる仕方を指定してもよい。顧客はブローカーに与えられる金額を指定してもよい。顧客は顧客の金融機関(たとえば、その顧客の銀行;たとえば、その顧客のクレジットカード会社)に前記金額をブローカーおよび/または該ブローカーの金融機関に送金することを許可してもよい。顧客はまた、顧客デバイスを使って、ブローカーにお金を提供することに関わる規約や条件を読みうる。顧客はデジタル署名を加えるか、チェックボックスにチェックするかまたは他の仕方でその規約や条件への同意を示しうる。顧客の要求は、顧客デバイスとネットワークを介して(たとえばインターネットを介して)通信していてもよいブローカー・デバイスにおいて受領されうる。ブローカーの金融機関は顧客の資金をブローカーの金融機関から受領しうる。すると、ブローカーはブローカー金融機関から顧客資金を受領しうる。ブローカーはまた、顧客から直接資金を受領してもよい。
【0046】
ブローカーは、ブローカー・デバイスを介してカジノ・サーバーと対話しうる。ブローカー・デバイスそのものがブローカーであってもよい。たとえば、ブローカー・デバイスが、ゲームを選択し、顧客に代わってベットを賭けるアルゴリズムを実行してもよい。ブローカー・デバイスは、賭け情報をカジノ・サーバーに通信しうる。たとえば、ブローカー・デバイスはプレイすべきゲームおよび賭けるべき額についての情報を通信しうる。するとカジノ・サーバーはそのようなゲームを実施しうる。たとえば、カジノ・サーバーは、乱数を発生させ、発生した乱数に基づいて帰結を決定し、該帰結に基づいて払い出しを決定し、ブローカーに関連する口座に払い出しをクレジットすることによってスロットマシン・ゲームを実施しうる。カジノ・サーバーはまた、ブローカーから受信された指定に従ってゲームを実施するためのカジノ従業員に対する指令をも提供しうる。たとえば、カジノ従業員は物理的にルーレット盤を回し、その帰結をカジノ・サーバーに報告しうる。いくつかの実施形態では、カジノ・サーバーはゲーム・デバイスにゲームを実施するよう指示してもよい。たとえば、ブローカーがスロットマシン・ゲームで賭ける要求をした場合、カジノ・サーバーはスロットマシンに帰結を生成し、その結果をカジノ・サーバーに報告するよう指令してもよい。いくつかの実施形態では、ブローカーはカジノ・サーバーと対話しなくてもよい。むしろ、顧客デバイスから顧客の指令を受領したブローカー・デバイスから、人間のブローカーが顧客の指令を受領してもよい。ブローカーは次いでカジノを訪問し、顧客に代わって自分でベットを賭ける。ブローカーは、顧客が勝ったまたは負けた額があればそれも含めて、ゲームまたはゲーム・セッションの結果をブローカー・デバイスに入力しうる。ブローカー・デバイスはそのような情報を顧客デバイスに通信してもよい。顧客デバイスにおいて、顧客は該情報を閲覧しうる。ブローカーは残った顧客資金をブローカーの金融機関に預けてもよい。ブローカーはまた、そのような資金を顧客金融機関に、あるいは顧客に直接に渡してもよい。顧客資金を受領したのち、ブローカー金融機関はそのような資金を顧客金融機関に、あるいは顧客に直接送金してもよい。
【0047】

ハウス・エッジ(House edge)
「ハウス・エッジ」または「ハウス・アドバンテージ」とは、プレーヤーによる単位ベット当たりに平均してハウスが保持すると期待される額を指しうる。状況に依存して、ハウス・エッジは割合として、ドル値として、小数として、あるいは他の任意の適用可能な形で表現されうる。たとえば、5%のハウス・エッジは、ハウスが、プレーヤーによる1ドルのベット当たり平均して5セント保持すると期待されることを示しうる。注意しておくべきは、ハウス・エッジについて述べることは、ハウスが各ゲームについてプレーヤーのベットのうちから必ず述べられた額を保持するということは含意しないということである。むしろハウス・エッジは、期待値または平均を指している。たとえば、$2勝つ確率が45%で勝ち金なしの確率が55%のゲームにあるプレーヤーが$1賭けるとする。ハウス・エッジは(0.55*($1−$0)+0.45*($1−$2))/$1=10%と計算されうる。よって、ハウスはプレーヤーが賭けた1ドル当たり10セント勝つことを期待しうる。
【0048】

プレーヤーが受け取ることのできる恩恵
カジノにおいてプレーヤーに提供されうる恩恵は次のものを含みうる:(a)資金;(b)ゲームのチップまたはゲームのクレジット;(c)増やされた勝つオッズ;(d)より高い払い出し(たとえばジャックポットが増やされうる);(e)賭けるコスト軽減(プレーヤーは、通常$10かかるはずの賭けを$5でする機会を与えられてもよい);(f)無料ゲーム(たとえば、スロットマシンを無料で回す;たとえば、ビデオ・ポーカーの無料ゲーム);(g)ボーナス・ラウンドにはいる無料の機会;(h)ゲームにおいて与えられるヒント(たとえば、ビデオ・ポーカーのゲームにおいて、プレーヤーはヒントを受け取りうる);(i)音楽、ソフトウェア、着メロ、ビデオ、漫画、映画予告編、アニメーション、テレビのパイロット・エピソード、ニュースクリップまたは他のシーケンスの無料または割引された提供;(j)任意の物品;(k)任意のサービス;(l)キャッシュレスのゲーム・チケット;(m)ショーのチケット;(n)映画のチケット;(o)サービス・ポイント(コンプ・ポイント)(complimentary (comp) point);(p)商品券;(q)ギフト券;(r)無料食事券;(s)ホテルの部屋の無料または割引された宿泊;および他の恩恵。
【0049】

ゲーム・デバイス
「ゲーム・デバイス」は、プレーヤーがゲーム、コンテストまたは他の試みに参加することを許容し、プレーヤーがお金または他の代価をリスクに置くことを許容するいかなる機械、物品またはデバイスであってもよい。ゲーム・デバイスの例は、クラスIIゲーム・デバイス、クラスIIIゲーム・デバイス、ビデオ・ビンゴ機、インスタント・ビンゴ機、ビデオ・ポーカー機(たとえば、Action GamingのTriple Play(商標) Draw Poker)、ビデオ・スロットマシン(たとえばWMSのJackpot Party Classic機)、機械式のスロットマシン(たとえばIGTのCleopatra(登録商標)スロット)、電気機械式スロットマシン、ビデオ・ブラックジャック機、ビデオ・キーノ(keno)機およびマルチゲーム機を含みうる。ゲーム・デバイスは、ゲームのためにも使用または適応されることのできるゲーム以外の関係した用途を持つデバイスを含みうる。たとえば、パーソナル・コンピュータは、ゲームを実施するためのソフトウェアを走らせうるし、プレーヤーからお金を集め、プレーヤーにお金を支払う目的でプレーヤーからたとえばクレジットカード番号を受け取りうるので、ゲーム・デバイスをなしうる。ゲーム・デバイスは、モバイル・ゲーム・デバイス(たとえばネヴァダ法(Nevada bill)AB471によって定義されるようなモバイル・デバイス)またはゲームをするために使える任意のモバイル・デバイスを含みうる。ゲーム・デバイスは携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ラップトップ・コンピュータ、ブラックベリー(登録商標)などを含みうる。
【0050】

下記は実施態様であって、請求項ではない。
【0051】
A.
第一の顧客から第一の額の資金を受領する段階と;
第二の顧客から第二の額の資金を受領する段階と;
前記第一の額の資金および前記第二の額の資金を使って資金のプールを生成する段階と;
前記プールの一部を使って第一のベットを賭ける段階と;
前記第一のベットからの勝ち金を前記プールに入れる段階と;
前記プールから手数料を差し引く段階と;
前記プールに勝ち金を入れたのち、前記プールからの資金を前記第一の顧客および前記第二の顧客に配分する段階とを有する、
方法。
【0052】
B.第一のベットを賭ける段階が、前記プールの一部を使って第一のベットを確率のゲーム(a game of chance)に賭けることを含む、実施態様A記載の方法。
【0053】
C.第一のベットを賭ける段階が、前記プールの一部を使って第一のベットをカジノ環境において賭けることを含む、実施態様A記載の方法。
【0054】
D.配分する段階が、前記プールに勝ち金を入れたのち、前記プールからの資金を前記第一の顧客および前記第二の顧客に配分することにおいて、前記第一の顧客に配分される資金と前記第二の顧客に配分される資金との比が資金の前記第一の額と資金の前記第二の額との比と同じであることを含む、実施態様A記載の方法。
【0055】
E.
第三の顧客から第三の額の資金を受領する段階と;
前記第三の額の資金を前記プールに入れる段階とをさらに含む、
実施態様A記載の方法。
【0056】
F.
顧客から資金を受領する段階と;
顧客から、プレイするゲームのタイプに関する指示を受領する段階と;
前記ゲーム・タイプの第一のゲームについての第一の情報を受領する段階と;
前記ゲーム・タイプの第二のゲームについての第二の情報を受領する段階と;
前記第一の情報および前記第二の情報に基づいて、前記第一のゲームが前記第二のゲームよりプレーヤーにとってより有利であることを判定する段階と;
前記資金を使って前記第一のゲームにベットを賭ける段階と;
前記第一のゲームから受領される払い出しを決定する段階と;
前記クライアントに、該クライアントから受領された資金および前記第一のゲームから受領される払い出しに基づいた額のお金を提供する段階とを有する、
方法。
【0057】
G.前記第一のゲームがより有利であることを判定する段階が、前記第一の情報および前記第二の情報に基づいて前記第一のゲームが前記第二のゲームより低いハウス・エッジを有することを判定することを含む、実施態様F記載の方法。
【0058】
H.指示を受領する段階が、前記顧客から:(a)ブラックジャック;(b)スロットマシン;(c)ビデオ・ポーカー;(d)クラップス;(e)ルーレット;(f)ポーカー;(g)キーノ;(h)パイ・ゴウ・ポーカー(pai gow poker)のうちの一つをプレイする指示を受領することを含む、実施態様F記載の方法。
【0059】
I.前記第一のゲームが第一のカジノに位置しており、前記第二のゲームが第二のカジノに位置している、実施態様F記載の方法。
【0060】
J.前記第一のゲームがより有利であることを判定する段階が、前記第一の情報および前記第二の情報に基づいて前記第一のゲームが前記第二のゲームより高いジャックポットを有することを判定することを含む、実施態様F記載の方法。
【0061】
K.
第一の顧客から第一の額のお金を受領する段階と;
第二の顧客から第二の額のお金を受領する段階と;
前記第一の顧客から、第一のタイプのベットをあるゲームにおいて賭ける指示を受領する段階と;
前記第二の顧客から、第二のタイプのベットを前記ゲームにおいて賭ける指示を受領する段階と;
前記ゲームについてのいかなるベットを賭けることもなく前記ゲームの帰結を決定する段階と;
前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第一の額のお金および前記第二の額のお金の両方の一部を前記第一の顧客に提供する段階とを有する、
方法。
【0062】
L.提供する段階が、前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第一の額のお金および前記第二の額のお金の両方を前記第一の顧客に提供することを含む、実施態様K記載の方法。
【0063】
M.前記第一の顧客からの前記指示および前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第一のタイプのベットが前記ゲームに賭けられていたとしたら前記第一の顧客が勝っていたであろうことを判定することをさらに含む、実施態様K記載の方法。
【0064】
N.前記第二の顧客からの前記指示および前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第二のタイプのベットが前記ゲームに賭けられていたとしたら前記第二の顧客が負けていたであろうことを判定することをさらに含む、実施態様M記載の方法。
【0065】
O.前記第一の額のお金から手数料の額を差し引くことをさらに含む、実施態様K記載の方法。
【0066】
P.前記ゲームのハウス・エッジを判別し、該ハウス・エッジに基づいて前記手数料の額を決定することを更に含む、実施態様O記載の方法。
【0067】

以下のセクションIないしXは、本願の解釈のガイドを与えるものである。
【0068】

I.用語
用語「プロダクト」は、明示的に他の指定がない限り、任意の機械、製造物および/または物質の組成物を意味する。
【0069】
用語「プロセス」は、明示的に他の指定がない限り、任意の過程(process)、アルゴリズム、方法などを含む。
【0070】
各プロセス(方法、アルゴリズムまたは他の仕方で呼ばれても)は、本来的に一つまたは複数の段階を含み、よってプロセスの「段階」または「諸段階」へのあらゆる言及は、単に用語「プロセス」または同様の用語が言及されていることにおいて、本来的に先行記述を有することになる。したがって、請求項においてプロセスの「段階」または「諸段階」への任意の言及は、十分な先行詞の裏付けを有している。
【0071】
用語「発明」などは、明示的に他の指定がない限り、「本願において開示される一つまたは複数の発明」を意味する。
【0072】
用語「ある実施形態」「実施形態」「諸実施形態」「該実施形態」「該諸実施形態」「一つまたは複数の実施形態」「いくつかの実施形態」「ある種の実施形態」「一つの実施形態」「別の実施形態」などは、明示的に他の指定がない限り、「開示されている発明(単数または複数)の一つまたは複数の実施形態(ただし全部ではない)」を意味する。
【0073】
発明の「変形」という用語は、明示的に他の指定がない限り、本発明のある実施形態を意味する。
【0074】
実施形態を記述する際の「もう一つの実施形態」への言及は、明示的に他の指定がない限り、言及される実施形態が他の実施形態(たとえば、その言及される実施形態より前に記述された実施形態)と排反であることは含意しない。
【0075】
用語「含む」「有する」およびそれらの変形は、明示的に他の指定がない限り、「それに限られることなく含む」を意味する。
【0076】
用語「ある」「その」は、明示的に他の指定がない限り、「一つまたは複数の」を意味する。
【0077】
用語「複数」は、明示的に他の指定がない限り、「二つ以上」を意味する。
【0078】
用語「ここにおいて」は、明示的に他の指定がない限り、「参照によって組み込まれうるあらゆるものを含めて本願において」を意味する。
【0079】
句「の少なくとも一つ」は、そのような句が複数の事物(列挙されたリストの事物のような)を修飾するときは、明示的に他の指定がない限り、それらの事物の一つまたは複数の任意の組み合わせを意味する。たとえば、句「装置、自動車および車輪の少なくとも一つ」は、(i)装置、(ii)自動車、(iii)車輪、(iv)装置および自動車、(v)装置および車輪、(vi)自動車および車輪または(vii)装置、自動車および車輪のいずれかを意味する。句「の少なくとも一つ」は、そのような句が複数の事物を修飾するときは、該複数の事物の「それぞれの一つ」を意味するのではない。
【0080】
「1」「2」などの数詞は、何かの量を示す基数として使われるときは(たとえば1装置、2装置)、その数詞によって示される量を意味するのであって、少なくともその数詞によって示される量、を意味するのではない。たとえば、「1装置」は「少なくとも一つの装置」を意味するのではなく、したがって「1装置」という句はたとえば2つの装置はカバーしない。
【0081】
句「に基づく」は、明示的に他の指定がない限り、「のみに基づく」を意味するのではない。換言すれば、「に基づく」は「のみに基づく」および「少なくとも…に基づく」の両方を記述する。句「少なくとも…に基づく」は句「少なくとも部分的に…に基づく」と等価である。
【0082】
用語「表す」および同様の用語は、明示的に他の指定がない限り、排他的ではない。たとえば、「表す」は、明示的に他の指定がない限り、「…のみを表す」を意味するのではない。換言すれば、「データはクレジットカード番号を表す」は「データはクレジットカード番号のみを表す」および「データはクレジットカード番号を表し、該データは何か別のものも表す」の両方を記述する。
【0083】
用語「ここで」は、ここにおいて、先に明示的に記載された何かの意図される結果、目的または帰結のみを表現する節または他の語群に先行するためのみに使われる。よって、用語「ここで」が請求項において使われるとき、用語「ここで」が修飾する節または他の語は、当該請求項の個別的なさらなる限定を確立するものではなく、当該請求項の意味または範囲を他の仕方で制約するものでもない。
【0084】
用語「たとえば」または同様の用語は「例を挙げれば」を意味し、よってそれが説明する用語や句を限定するものではない。たとえば、「コンピュータはインターネットを通じてデータ(たとえば命令、データ構造)を送る」という文において、「たとえば」は「命令」がコンピュータがインターネットを通じて送りうる「データ」の例であることを説明し、「データ構造」がコンピュータがインターネットを通じて送りうる「データ」の例であることを説明する。しかしながら、「命令」も「データ構造」も単に「データ」の例であり、「命令」および「データ構造」以外の他のものも「データ」でありうる。
【0085】
用語「それぞれ」および同様の用語は、「個々に考えて」を意味する。よって、二つ以上の事物が「それぞれの」特性を有する場合、そのような事物の一つ一つが自分の特性を有する。それらの特性は互いに異なっていてもよいが、異なっている必要はない。たとえば、「二つの機械の一つ一つはそれぞれの機能を有する」は、第一のそのような機械はある機能を有し、第二のそのような機械もある機能を有することを意味する。第一の機械の機能は第二の機械の機能と同じであってもなくてもよい。
【0086】
「すなわち」および同様の用語は「つまり」を意味し、よってそれが説明する用語または句を限定する。たとえば、「コンピュータはインターネットを通じてデータ(すなわち命令)を送る」という文において、用語「すなわち」は「命令」が、コンピュータがインターネットを通じて送る「データ」であることを説明する。
【0087】
いかなる所与の数値範囲も、その範囲内の整数および小数を含む。たとえば、範囲「1ないし10」は、具体的に1から10までの間の整数(たとえば1,2,3,4,...,9)および非整数(たとえば1.1,1.2,...,1.9)を含むものと解釈される。
【0088】
二つ以上の用語または句が同義である(たとえば、それらの用語または句が同義であるという明示的な陳述ゆえに)場合、一つのそのような用語/句の事例は、別のそのような用語/句の事例が異なる意味を有さなければならないことは意味しない。たとえば、陳述によって「含む」の意味が「それに限られることなく含む」と同義であるとされているとき、「それに限られることなく含む」という句を使っているというだけの理由で「含む」という用語が「それに限られることなく含む」以外の何かを意味しているということにはならない。
【0089】

II.決定
用語「決定する」およびその文法的な変形(たとえば、価格を決定する、値を決定する、ある条件を満たすオブジェクトを決定する)は、きわめて広義に使われる。用語「決定する」は多様な行動を包含し、したがって「決定する」は、計算する、算出する、処理する、導出する、調査する、見つけ出す(たとえば表、データベースまたは他のデータ構造中で見つけ出す)、見きわめるなどを含むことができる。また、「決定する」は、受け取る「たとえば情報を受け取る」、アクセスする(たとえばメモリ中のデータにアクセスする)などを含むことができる。また、「決定する」は、解決する、選択する、選ぶ、確立するなどを含むことができる。
【0090】
用語「決定する」は、確実性や絶対的な精確さは含意しない。よって、「決定する」は推定する、外挿する、予測する、予想するなどを含むことができる。
【0091】
用語「決定する」は、数学的な処理が実行されなければならないことを含意せず、数値的な方法が使われなければならないことを含意せず、アルゴリズムやプロセスが使われることを含意しない。
【0092】
用語「決定する」は、何らかの特定の装置が使われなければならないことは含意しない。たとえば、決定することは、必ずしもコンピュータが実行する必要はない。
【0093】

III.文の形
第一の請求項の限定がある特徴1つとある特徴2つ以上とをカバーし(たとえば、「少なくとも一つの装置」のような限定は1つの装置および2つ以上の装置をカバーする)、第一の請求項を引用する第二の請求項において、第二の請求項が前記のような限定を示す定冠詞のような用語を使う場合(たとえば「その装置」)、これは第一の請求項がその特徴一つのみをカバーすることを含意せず、第二の請求項がその特徴一つのみをカバーすることを含意しない(たとえば「その装置」は1つの装置および2つ以上の装置の両方をカバーできる)。
【0094】
序数(「第一の」「第二の」「第三の」などといった)が用語の前の修飾語として使われるとき、その序数は(明示的に他の指定がない限り)その特定の機能を別の機能から区別するなど、単に特定の機能を指示するために使われる。たとえば、「第一の装置」は、単にたとえば「第二の装置」から区別するためにそのように名付けられることがある。よって、序数「第一の」および「第二の」を用語「装置」の前で使っているというだけのことが、二つの装置の間の何らかの他の関係を示すものではないし、同様に一方または両方の装置の他のいかなる特性を示すものでもない。たとえば、序数「第一の」および「第二の」を用語「装置」の前で使っているというだけのことが、(1)いずれかの装置が順序や位置において他のいずれかの装置より前または後に来るということを示すものではなく;(2)いずれかの装置が時間的に他のいずれかの装置より前または後に生起または作用することを示すものではなく;(3)いずれかの装置が他のいずれかの装置より重要性や品質などにおいて上または下にランク付けされることを示すものではない。さらに、単に序数を使っているということが、該序数で同定される特徴に対する数値的限定を定義するものではない。たとえば、序数「第一の」および「第二の」を用語「装置」の前で使っているというだけのことが、3つ以上の装置があってはならないことを示すものではない。
【0095】
ここにおいて単一の装置、物品または他のプロダクトが記載されるとき、記載される該単一の装置/物品に代わって代替的に該単一の装置/物品の二つ以上が使われてもよい(該二つ以上は協働してもしなくてもよい)。したがって、ある装置が有すると記載されている機能性は、代替的に二つ以上の装置/物品が有していてもよい(該二つ以上は協働してもしなくてもよい)。
【0096】
同様に、ここにおいて二つ以上の装置、物品または他のプロダクトが記載されるとき(該二つ以上が協働してもしなくても)、記載される該二つ以上の装置または物品の代わりに代替的に単一の装置/物品が使われてもよい。たとえば、複数のコンピュータ・ベースの装置は単一のコンピュータ・ベースの装置で置き換えられてもよい。したがって、二つ以上の装置または物品が有すると記載されているさまざまな機能性は、代替的に単一の装置/物品が有していてもよい。
【0097】
記載される単一の装置の機能性および/または特徴は、代替的に、記載はされているがそのような機能性/特徴を有すると明示的に記載されていない一つまたは複数の他の装置によって具現されてもよい。よって、他の実施形態は記載されている装置自身を含む必要はなく、そうした他の実施形態においてそのような機能性/特徴を有することになる該一つまたは他の装置を含むことができる。
【0098】

IV.開示される例および用語論は限定するものではない
タイトル(本願の第一頁の最初に述べられている)も要約(本願の末尾に述べられている)も開示される発明の範囲をいかなる仕方であれ限定するものと解釈されるべきではない。本願に要約が含められているのは、150語を超えない要約が37 C.F.R.〔連邦規則集〕§1.72(b)で要求されているからにすぎない。
【0099】
本願のタイトルおよび本願に設けられているセクションの見出しは単に便宜上のものであって、本開示をいかなる仕方であれ限定するものと解釈すべきではない。
【0100】
数多くの実施形態が、あくまでも例示の目的で、本願において記載されており、呈示されている。記載されている実施形態は、いかなる意味であれ限定するものではなく、限定するように意図されていない。本願に開示の発明は、本開示からすぐ明白であるように、数多くの実施形態に幅広く適用可能である。当業者は開示される発明は、構造的、論理的、ソフトウェア上および電気的な修正といったさまざまな修正および変更とともに実施されてもよいことを認識するであろう。開示される発明の個別的な特徴が一つまたは複数の特定の実施形態および/または図面を参照して記載されていることがあるが、明示的に他の指定がない限り、そのような特徴はその一つまたは複数の個別的な実施形態またはその記載が参照する図面における使用に限定されないことは理解しておくべきである。
【0101】
本願に記載される方法ステップまたはプロダクト要素のいかなる実施形態も、本明細書において明示的にそのように述べられているか請求項において明示的に言及されている場合を除き、ここにおいて特許請求される発明を構成せず、ここにおいて特許請求される発明に本質的でもなく、ここにおいて特許請求される発明と同一の広がりをもつものでもない。
【0102】
付属の請求項の前提部は特許請求される発明の目的、恩恵および可能な使用のみを記載し、特許請求される発明を限定するものではない。
【0103】
本開示は本発明のすべての実施形態を一字一句記載したものではない。また、本開示は、すべての実施形態に存在しなければならない本発明の特徴のリストではない。
【0104】
互いに通信していると記載される装置は、明示的に他の指定がない限り、互いと連続的に通信している必要はない。逆に、そのような装置は必要に応じてまたは望ましいときに互いに対して送信するだけでよく、ほとんどの時間は実際にデータを交換することを控えていてもよい。たとえば、インターネットを介して他の機械と通信している機械は、長い時間にわたって(たとえば一時に数週間にわたって)該他の機械にデータを送信しないことがありうる。さらに、互いと通信する装置は、直接的に、あるいは一つまたは複数の仲介者を通じて間接的に通信しうる。
【0105】
いくつかのコンポーネントおよび特徴を有する実施形態の記載は、そのようなコンポーネント/特徴のすべてが要求されることは含意せず、それどころかそのようなコンポーネント/特徴のどれも要求されることを含意しない。逆に、本発明の可能な実施形態の幅広い多様性を例示するために、多様な任意的なコンポーネントが記載されている。明示的に他の指定がない限り、どのコンポーネント/特徴も本質的でも要求されるものでもない。
【0106】
プロセス・ステップ、アルゴリズムなどは特定の逐次順で記載されたり、あるいは特許請求されたりすることがあるが、そのようなプロセスは異なる順序で機能するよう構成されてもよい。換言すれば、明示的に記載または特許請求されうるステップのいかなるシーケンスも順序も、必ずしも該ステップがその順に実行されるという要求を示すものではない。ここにおいて記載される諸プロセスの諸ステップは、可能ないかなる順序で実行されてもよい。さらに、いくつかのステップは、(たとえばあるステップが別のステップのあとに記載されているゆえに)非同時的に生起するように記載または暗示されていても、同時的に実行されてもよい。さらに、図面の描写によるプロセスの例示は、例示されるプロセスがそれに対する他の変形および修正を排除することを含意せず、例示されているプロセスやそのステップのいずれかが本発明に必要であることは含意せず、例示されているプロセスが好ましいことを含意しない。
【0107】
プロセスは複数のステップを含むものとして記載されることがあるが、それは該ステップのすべてまたはいずれかが好ましい、本質的である、あるいは要求されることを含意するものではない。記載される発明の範囲内のさまざまな他の実施形態は、記載されるステップの一部または全部を省略した他のプロセスを含む。明示的に他の指定がない限り、どのステップも本質的でもなく、要求されるものでもない。
【0108】
プロセスは単独で、あるいは他のプロダクトや方法への言及なしに記載されることがあるが、ある実施形態では、該プロセスは他のプロダクトまたは方法と相互作用してもよい。たとえば、そのような相互作用は、一つのビジネスモデルを別のビジネスモデルにリンクすることを含みうる。そのような相互作用は、当該プロセスの柔軟性または望ましさを高めるために提供されうる。
【0109】
プロダクトは複数のコンポーネント、側面、性質、特性および/または特徴を含むものとして記載されることがあるが、それは該複数のいずれかまたは全部が好ましい、本質的である、あるいは要求されることを示すものではない。記載される発明の範囲内のさまざまな他の実施形態は、記載される複数の一部または全部を省略した他のプロダクトを含む。
【0110】
(番号付けされていてもいなくてもよい)項目の列挙されたリストは、明示的に他の指定がない限り、それらの項目のいずれかまたは全部が排反であることを含意しない。同様に、(番号付けされていてもいなくてもよい)列挙された項目のリストは、明示的に他の指定がない限り、それらの項目のいずれかまたは全部が何らかのカテゴリーを網羅していることを含意するものではない。たとえば、「コンピュータ、ラップトップ、PDA」という列挙されたリストは、そのリストの三つの項目のうちのいずれかまたは全部が排反であることは含意せず、そのリストの三つの項目のうちのいずれかまたは全部が何らかのカテゴリーを網羅していることを含意するものではない。
【0111】
(番号付けされていてもいなくてもよい)項目の列挙されたリストは、それらの項目のいずれかまたは全部が互いに等価であり、容易に互いの代替とされることは含意しない。
【0112】
すべての実施形態は例示的なものであり、場合次第で、本発明またはいずれかの実施形態が作成または実行されたことを含意しない。
【0113】

V.コンピューティング
当業者には、ここにおいて記載されているさまざまなプロセスが、たとえば適切にプログラムされた汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータおよびコンピューティング装置によって実装されうることはすぐ明らかであろう。典型的には、プロセッサ(たとえば一つまたは複数のマイクロプロセッサ、一つまたは複数のマイクロコントローラ、一つまたは複数のデジタル信号プロセッサ)が命令を受領し(たとえばメモリまたは同様の装置から)、それらの命令を実行し、それによりそれらの命令によって定義されている一つまたは複数のプロセスを実行する。命令は、たとえば一つまたは複数のコンピュータ・プログラム、一つまたは複数のスクリプトにおいて、具現されうる。
【0114】
「プロセッサ」は、一つまたは複数のマイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、コンピューティング装置、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサもしくは同様の装置またはそれらの任意の組み合わせを意味し、アーキテクチャ(たとえば、チップレベルのマイクロプロセシング/マルチコア、RISC、CISC、インターロックされたパイプライン段のないマイクロプロセッサ[Microprocessor without Interlocked Pipeline Stages]、パイプライン化構成、同時マルチスレッディング)には関わりない。
【0115】
よって、あるプロセスの記載は、該プロセスを実行する装置の記載でもある。該プロセスを実行する装置は、たとえばプロセッサおよび該プロセスを実行するのに適切な入力装置および出力装置を含むことができる。
【0116】
さらに、そのような方法を実装するプログラム(他のタイプのデータとともに)は、多様な媒体(たとえばコンピュータ可読媒体)を使っていくつもの仕方で記憶および送信されうる。いくつかの実施形態では、ハード結線された回路またはカスタム・ハードウェアが、さまざまな実施形態のプロセスを実装できるソフトウェア命令の一部または全部の代わりに、あるいはそれと組み合わせて使用されうる。よって、ソフトウェアのみの代わりに、ハードウェアおよびソフトウェアのさまざまな組み合わせが使用されうる。
【0117】
用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ、プロセッサまたは同様の装置によって読まれうるデータ(たとえば命令、データ構造)を提供することに参加する任意の媒体、複数の該媒体または異なる媒体の組み合わせを指す。そのような媒体は、これに限られないが不揮発性媒体、揮発性媒体および伝送媒体を含む多くの形を取りうる。不揮発性媒体はたとえば光ディスクまたは磁気ディスクおよび他の持続性メモリを含む。揮発性媒体は、典型的にメイン・メモリをなす動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)を含む。伝送媒体は同軸ケーブル、銅線および光ファイバーを含み、プロセッサに結合されたシステム・バスをなすワイヤを含む。伝送媒体は音響波、光波ならびに電波(RF)および赤外線(IR)データ通信の際に生成されるような電磁放射を含むか伝達するかしてもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形は、たとえば、フロッピー(登録商標)・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光学的媒体、パンチカード、紙テープ、穿孔パターンをもつ他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEEPROM、他の任意のメモリ・チップまたはカートリッジ、のちに述べる搬送波またはコンピュータが読むことのできる他の任意の媒体を含む。
【0118】
さまざまな形のコンピュータ可読媒体が、プロセッサにデータ(たとえば命令のシーケンス)を運ぶことに関わりうる。たとえば、データは(i)RAMからプロセッサに送達されたり;(ii)無線伝送媒体を通じて運ばれたり;(iii)イーサネット(登録商標)(またはIEEE802.3)、SAP、ATP、ブルートゥース(商標)およびTCP/IP、TDMA、CDMAおよび3Gのような多数のフォーマット、規格またはプロトコルに従ってフォーマットおよび/または伝送されたり;および/または(iv)当技術分野において周知の多様な方法のうちの任意の方法でプライバシー(privacy)を保証したり欺瞞を防止したりするために暗号化されたりしうる。
【0119】
こうして、プロセスの記載は、該プロセスを実行するためのプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体の記載でもある。コンピュータ可読媒体は、本方法を実行するために適切なそれらのプログラム要素を(任意の適切なフォーマットで)記憶できる。
【0120】
プロセスにおけるさまざまなステップの記載が記載されるステップのすべてが要求されることを示すのではなかったのとちょうど同じように、装置の実施形態は、記載されるプロセスの一部(必ずしもすべてではない)を実行するよう動作可能なコンピュータ/コンピューティング装置を含む。
【0121】
同様に、プロセスにおけるさまざまなステップの記載が記載されるすべてのステップが要求されることを示すのではなかったのとちょうど同じように、プログラムまたはデータ構造を記憶するコンピュータ可読媒体の実施形態は、実行されるとプロセッサに記載されるプロセスの一部(必ずしもすべてではない)を実行させることのできるプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体を含む。
【0122】
データベースが記載されるところでは、当業者は(i)記載されるものに代わる代替的なデータベース構造が容易に用いられうること;および(ii)データベース以外の他のメモリ構造が容易に用いられうることを理解するであろう。ここにおいて呈示されるいかなる見本データベースのいかなる例示または記載も、記憶された情報表現のための例示的な構成である。たとえば図面または他所で例示されている表によって示唆されるもののほかに、いかなる数の他の配置が用いられてもよい。同様に、データベースのいかなる例示される項目も例示的な情報を表すのみであり、当業者は項目の数および内容がここにおいて記載されているものとは異なっていてもよいことを理解するであろう。さらに、データベースを表とする記載があったとしても、ここにおいて記載されるデータ・タイプを記憶し、操作するために他のフォーマット(リレーショナルデータベース、オブジェクト・ベースのモデルおよび/または分散データベース)が使われることができる。同様に、データベースのオブジェクト・メソッドまたは挙動が、ここに記載されるさまざまなプロセスを実装するために使うことができる。さらに、既知の仕方で、データベースは、そのようなデータベース中のデータにアクセスする装置にローカルに記憶されていてもよく、あるいは該装置からリモートに記憶されていてもよい。
【0123】
さまざまな実施形態は、一つまたは複数の装置と通信している(たとえば通信ネットワークを介して)コンピュータを含むネットワーク環境で機能するよう構成されることができる。該コンピュータは、前記装置と直接または間接に、任意の有線または無線媒体を介して通信しうる(該媒体はたとえば、インターネット、LAN、WANまたはイーサネット(登録商標)、トークンリング、電話線、ケーブル線、電波チャネル、光通信線、商業的なオンラインサービス・プロバイダー、掲示板システム、衛星通信リンク、上記の任意のものの組み合わせ)。前記装置のそれぞれは、それ自身が、前記コンピュータと通信するよう適応されたインテル(登録商標)ペンティアム(登録商標)またはCENTRINO(登録商標)プロセッサのようなコンピュータまたは他のコンピューティング装置を含んでいてもよい。前記コンピュータと通信している装置の数およびタイプは任意である。
【0124】
ある実施形態では、サーバー・コンピュータまたは中央化された機関は必要なかったり、あるいは望ましくなかったりすることがありうる。たとえば、本発明は、ある実施形態では、中央機関なしで一つまたは複数の装置上で実施されてもよい。ある実施形態では、ここにおいてサーバー・コンピュータによって実行されると記載されている任意の機能またはサーバー・コンピュータ上に記憶されると記載されているデータが代わりに一つまたは複数のそのような装置によって実行され、そのような装置上に記憶されてもよい。
【0125】
プロセスが記載されるところでは、ある実施形態では、該プロセスは、いかなるユーザー介入もなしに動作しうる。別の実施形態では、該プロセスは何らかの人間の介入を含む(たとえば、あるステップが人間の支援により、あるいは人間の支援を得て実行される)。
【0126】

VI.継続出願
本開示は、いくつかの実施形態および/または発明を実施できるようにする記載を当業者に提供する。これらの実施形態および/または発明の一部は本願において特許請求されないこともあるが、それにもかかわらず本願の優先権の恩恵を主張する一つまたは複数の子出願において特許請求されることがある。
【0127】
出願人は、本願において開示され、実施できるよう記載されているが特許請求されなかった事項について特許を求めるために追加的な出願を出すことを意図している。
【0128】

VII.米国特許法第112条第6項
請求項において、句「…ための手段」または句「…ためのステップ」を含む当該請求項の限定は、米国特許法第112条第6項がその限定に適用されることを意味している。
【0129】
請求項において、句「…ための手段」または句「…ためのステップ」を含まない当該請求項の限定は、その限定が機能を実行するための構造、材料または作用の記載なしに機能を記載するものであるかどうかに関わりなく、米国特許法第112条第6項がその限定に適用されないことを意味している。たとえば、請求項において、当該請求項または他の請求項の一つまたは複数のステップを言及するのに句「ステップ」または句「諸ステップ」を単に使っているということが米国特許法第112条第6項がそのステップにあてはまるということを意味することはない。
【0130】
米国特許法第112条第6項に基づく指定された機能を実行するための手段またはステップに関し、明細書において記載されている対応する構造、材料または作用およびその等価物は、前記指定された機能のほかに追加的な機能を実行してもよい。
【0131】
コンピュータ、プロセッサ、コンピューティング装置および同様なプロダクトは、多様な機能を実行できる構造である。そのようなプロダクトは、そのプロダクトのメモリ装置内またはそのプロダクトがアクセスするメモリ装置内に記憶されたプログラムのような一つまたは複数のプログラムを実行することによって指定された機能を実行するよう動作可能であることができる。明示的に他の指定がない限り、そのようなプログラムは、本願において開示されているかもしれない何らかの特定のアルゴリズムのような特定のアルゴリズムに基づいている必要はない。特定の機能がさまざまなアルゴリズムを介して実装されうることは当業者には周知であり、多数の種々のアルゴリズムのうちのどれかはその特定の機能を実行するための単なる設計上の選択にすぎない。
【0132】
したがって、米国特許法第112条第6項に基づく特定の機能を実行するための手段またはステップに関し、特定の機能に対応する構造は、その特定の機能を実行するためにプログラムされる任意のプロダクトを含む。そのような構造は、その機能を実行するプログラムされたプロダクトを含み、そのようなプロダクトが(i)その機能を実行するための開示されているアルゴリズム、(ii)開示されているアルゴリズムと同様のアルゴリズムあるいは(iii)その機能を実行するための異なるアルゴリズムのいずれでプログラムされているかに関わりない。
【0133】
方法である機能を実行する手段が記載されるところでは、この方法を実行するための一つの構造は、その機能を実行するようプログラムされたおよび/または適切なハードウェアをもって構成された、コンピューティング装置(たとえば汎用コンピュータ)を含む。
【0134】
そのような構造はまた、当業者が理解するであろう他のアルゴリズムを介してその機能を実行するようプログラムされたおよび/または適切なハードウェアをもって構成された、コンピューティング装置(たとえば汎用コンピュータ)を含む。
【0135】

VIII.ディスクレーマー
個別的な実施形態への数多くの言及は、追加的な実施形態、異なる実施形態のディスクレーマーや否認を示すものではない。同様に、どれもが特定の特徴を含んでいる諸実施形態の記載への言及は、その特定の特徴を含んでいない実施形態のディスクレーマーや否認を示すものではない。本願における明確なディスクレーマーまたは否認は、句「含まない」によって、あるいは句「実行できない」によって示される。
【0136】

IX.参照による組み込み
ここにおいて言及されている任意の特許、特許出願または他の文書は、本開示の一部として本特許出願に参照により組み込まれるが、それは米国特許法第112条第1項に基づく書かれた記載および米国特許法第112条第1項に基づく実施可能要件の目的のためのみであり、本願がそのような参照による組み込みなしでも理解できる意味を提供し損なうことがなく、そのような言辞についての理解可能な意味が提供されることを許容するであろう場合には、いかなる仕方であれ本願のいかなる言辞も限定し、定義し、または他の仕方で解釈するために使われるべきではない。
【0137】
いかなる参照による組み込みも、本願において明示的に他の指定がされない限り、それ自身では、いかなる組み込まれる特許、特許出願またはその他の文書に含まれるいかなる陳述、意見、議論または特徴付けについても、いかなる支持、承認または黙認をも含意するものではない。
【0138】

X.出願経過
本願(請求項を含む)を解釈する際、当業者は本願の出願経過を参照すべきであるが、本願に関係すると考えられる他の特許出願があるかどうかに関わりなく、また本願と優先権主張を共有する他の特許出願があるかどうかに関わりなく、他のいかなる特許や特許出願の出願経過をも参照すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2顧客から、該顧客のためにベットを賭けるために使われる複数の資金を受領し;
前記受領された複数の資金から資金のプールを生成し;
前記プールから手数料を差し引き;
前記顧客に有利な少なくとも一つのパラメータを求めてカジノ環境と交渉し;
前記プールの一部を使ってベットを賭け;
前記ベットを賭けることから生じた勝ち金を前記プールに加え;
前記勝ち金を前記プールに加えたのち、前記プールからの資金を前記顧客に配分することを含む、方法。
【請求項2】
前記パラメータが:
ゲームについての払い出し、オッズ、ハウス・エッジ、ジャックポット・レベル、コミッションおよびメトリックのうちの少なくとも一つを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ベットを賭けることがさらに:
確率のゲームに前記ベットを賭けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記確率のゲームが:
ブラックジャックのゲーム、スロットマシン、ビデオ・ポーカー・ゲーム、クラップスのゲーム、ルーレット・ゲーム、ポーカー・ゲーム、キーノのゲームおよびパイ・ゴウ・ポーカーのゲームのうちの少なくとも一つを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記顧客から前記ベットを確率のゲームに賭ける指示を受領し、該確率のゲームはあるゲーム・タイプであり;
該ゲーム・タイプの第一のゲームについて第一の情報を取得し;
該ゲーム・タイプの第二のゲームについて第二の情報を取得し;
前記第一の情報および前記第二の情報に基づいて、前記第一のゲームが、前記第二のゲームによって提供される帰結よりもより有利な帰結を前記顧客に提供することを判定し;
前記第一のゲームに前記ベットを賭けることをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第一のゲームがより有利な帰結を提供することを判定することがさらに:
前記第一の情報および前記第二の情報に基づいて、前記第一のゲームが、前記第二のゲームよりも低いハウス・エッジをもつことを判定することを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第一のゲームがより有利な帰結を提供することを判定することがさらに:
前記第一の情報および前記第二の情報に基づいて、前記第一のゲームが、前記第二のゲームよりも高い払い出しを提供することを判定することを含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記第一のゲームは第一のカジノに位置しており、前記第二のゲームは第二のカジノに位置している、請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記の受領された複数の資金の間の比を計算することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記プールからの資金を配分することがさらに:
資金を前記比に従って前記顧客に配分することを含む、
請求項5記載の方法。
【請求項11】
プロセッサと;
メモリとを有する装置であって、該メモリは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに、
少なくとも2顧客から、該顧客のためにベットを賭けるために使われる複数の資金を受領し;
前記受領された複数の資金から資金のプールを生成し;
前記プールから手数料を差し引き;
前記顧客に有利な少なくとも一つのパラメータを求めてカジノ環境と交渉し;
前記プールの一部を使ってベットを賭け;
前記ベットを賭けることから生じた勝ち金を前記プールに加え;
前記勝ち金を前記プールに加えたのち、前記プールからの資金を前記顧客に配分することを含む、
方法を実行するよう指令する命令を記憶している、装置。
【請求項12】
記憶媒体を有する製造物であって、該記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
少なくとも2顧客から、該顧客のためにベットを賭けるために使われる複数の資金を受領し;
前記受領された複数の資金から資金のプールを生成し;
前記プールから手数料を差し引き;
前記顧客に有利な少なくとも一つのパラメータを求めてカジノ環境と交渉し;
前記プールの一部を使ってベットを賭け;
前記ベットを賭けることから生じた勝ち金を前記プールに加え;
前記勝ち金を前記プールに加えたのち、前記プールからの資金を前記顧客に配分することを含む、
方法を実行するよう指令する命令を記憶している、製造物。
【請求項13】
第一の顧客から第一の額のお金を受領し;
第二の顧客から第二の額のお金を受領し;
前記第一の顧客から確率のゲームに、ある第一のポジションを含む第一のベットを賭ける指示を受領し;
前記第二の顧客から前記確率のゲームに、前記第一のポジションと反対の第二のポジションを含む第二のベットを賭ける指示を受領し;
前記第一のベットと前記第二のベットを一緒に取り合わせ;
前記ゲームにベットを賭けることなく、前記ゲームの帰結を判別し;
前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第一の額のお金および前記第二の額のお金両方の一部を前記第一の顧客に提供することを含む、方法。
【請求項14】
前記ゲームの前記帰結を判別することがさらに:
前記第一のベットが前記確率のゲームに賭けられていたら前記第一の顧客が勝っていたであろうことを判別することを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ゲームの前記帰結を判別することがさらに:
前記第二のベットが前記確率のゲームに賭けられていたら前記第二の顧客が負けていたであろうことを判別することを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記第一の額のお金および前記第二の額のお金から手数料を差し引くことをさらに含む、
請求項13記載の方法。
【請求項17】
プロセッサと;
メモリとを有する装置であって、該メモリは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに、
第一の顧客から第一の額のお金を受領し;
第二の顧客から第二の額のお金を受領し;
前記第一の顧客から確率のゲームに、ある第一のポジションを含む第一のベットを賭ける指示を受領し;
前記第二の顧客から前記確率のゲームに、前記第一のポジションと反対の第二のポジションを含む第二のベットを賭ける指示を受領し;
前記第一のベットと前記第二のベットを一緒に取り合わせ;
前記ゲームにベットを賭けることなく、前記ゲームの帰結を判別し;
前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第一の額のお金および前記第二の額のお金両方の一部を前記第一の顧客に提供することを含む、
方法を実行するよう指令する命令を記憶している、装置。
【請求項18】
記憶媒体を有する製造物であって、該記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
第一の顧客から第一の額のお金を受領し;
第二の顧客から第二の額のお金を受領し;
前記第一の顧客から確率のゲームに、ある第一のポジションを含む第一のベットを賭ける指示を受領し;
前記第二の顧客から前記確率のゲームに、前記第一のポジションと反対の第二のポジションを含む第二のベットを賭ける指示を受領し;
前記第一のベットと前記第二のベットを一緒に取り合わせ;
前記ゲームにベットを賭けることなく、前記ゲームの帰結を判別し;
前記ゲームの前記帰結に基づいて、前記第一の額のお金および前記第二の額のお金両方の一部を前記第一の顧客に提供することを含む、
方法を実行するよう指令する命令を記憶している、製造物。

【公開番号】特開2009−181565(P2009−181565A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−74688(P2008−74688)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.着メロ
2.EEPROM
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)
【Fターム(参考)】