説明

ゲーム制御プログラム及びゲーム装置

【課題】戦闘シーンの特別攻撃に関し、キャラクタの位置取り選択に戦略性を与え、戦闘についてのゲーム性を向上させたゲーム制御プログラム等を提供する。
【解決手段】本発明に係るゲーム制御プログラムは、コンピュータに、プレーヤの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを制御するとともに複数の味方キャラクタを自動制御して敵キャラクタを攻撃するゲームを実行させるためのゲーム制御プログラムであって、キャラクタの位置情報を管理するキャラクタ位置管理手段と、味方キャラクタの位置情報から、プレーヤキャラクタが、少なくとも2の味方キャラクタの間を通過したことを検出する通過検出手段と、通過回数を積算する通過回数積算手段と、プレーヤの操作入力に応じて、通過回数に基づき、敵キャラクタに対して、少なくとも味方キャラクタによる特別攻撃を行わせる特別攻撃手段として、コンピュータを機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御プログラム及びゲーム装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるロールプレイングゲーム等として知られる種類のビデオゲームでは、主人公や味方といったプレーヤキャラクタが敵キャラクタとの戦闘を経ながらゲームストーリ(シナリオ)を進めていくものが多い(例えば特許文献1参照)。プレーヤキャラクタや味方キャラクタは、なるべく攻撃を受けないようにしながらフィールド上を移動しつつ敵キャラクタを攻撃していく。
【0003】
この種類のゲームの戦闘シーンにおいては、プレーヤキャラクタからの攻撃は通常攻撃の他に、プレーヤキャラクタと味方キャラクタとによる特別攻撃(特殊攻撃)を行えるようにすることで、敵キャラクタとの戦闘バリエーションを豊かにしているものも多い(例えば特許文献2参照)。味方キャラクタはコンピュータにより自動制御されており、この味方キャラクタを集合させプレーヤキャラクタと共同攻撃(複数一体攻撃)を行うことで、敵キャラクタにより大きなダメージを与えたり、より広範囲に攻撃を行えるようにして、戦闘シーンにおけるゲーム性を高めている。
【0004】
ところで、一般に特別攻撃は通常攻撃と異なり制限なく行うことはできないようになっている。制限の方法はゲームによるが、例えば、特別攻撃ポイントが設けられていたり、特別攻撃毎に体力ゲージを消費したりするようになっており、特別攻撃を行える回数は制限されている。特別攻撃は敵キャラクタに対し有利に攻撃を行えるものであるので、無制限に特別攻撃を行えてしまうと、容易にゲームを進行させることができ、面白みが損なわれるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−224281号公報
【特許文献2】特開2007−029571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記のような戦闘ゲームにおいて、プレーヤ(遊戯者)はキャラクタを操作してゲームを楽しむ以上、特別攻撃を行う際のプレーヤキャラクタの位置取り(ポジショニング)もまた戦闘時のゲーム性を高めうる一要素である。しかしながら、従来の戦闘ゲームにおいては、この点あまり考慮されておらず、プレーヤキャラクタが特別攻撃を行う際、味方キャラクタの位置に対して自由にプレーヤキャラクタの移動を行うことができるため、戦闘を有利に進めることが容易となり、ゲームの面白みを減らすことになっていた。
【0007】
以上からも、上記のような戦闘ゲームにおいては、戦闘シーンにおける特別攻撃に関し、多くの要素、具体的にはプレーヤキャラクタの位置取りを考慮して戦闘を行わなければならないとなれば、より高度な戦闘戦略が必要とされ、プレーヤの興味をより引き付けることになる。
【0008】
本発明では上記のような問題に鑑みて、戦闘シーンの特別攻撃に関し、キャラクタの位置取り選択に戦略性を与え、戦闘についてのゲーム性を向上させたゲーム制御プログラム、及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【0009】
より具体的には、戦闘ゲームにおいて特別攻撃(複数一体攻撃)を行う際、プレーヤキャラクタの移動の自由度を低くし、その位置取り(ポジショニング)によって、特別攻撃ポイントの積算難易度及び特別攻撃の効果が変化するようにして、戦略的に戦闘を行える面白みを高めたゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明にあっては、コンピュータに、プレーヤの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを制御するとともに複数の味方キャラクタを自動制御して敵キャラクタを攻撃するゲームを実行させるためのゲーム制御プログラムであって、キャラクタの移動が許容されたフィールド上に存在するキャラクタの位置情報を管理するキャラクタ位置管理手段と、前記プレーヤキャラクタが移動した際に、前記キャラクタ位置管理手段により管理されている前記味方キャラクタの位置情報から、前記プレーヤキャラクタが、少なくとも2の前記味方キャラクタの間を通過したことを検出する通過検出手段と、前記通過検出手段により前記通過が検出される毎に、通過回数を積算する通過回数積算手段と、プレーヤの操作入力に応じて、前記通過回数積算手段により積算された前記通過回数に基づき、前記敵キャラクタに対して、少なくとも前記味方キャラクタによる特別攻撃を行わせる特別攻撃手段として、前記コンピュータを機能させることを要旨としている。
【0011】
また上記課題を解決するため、前記ゲーム制御プログラムにおいて、前記プレーヤキャラクタの移動には、移動と攻撃とを択一的に行える通常移動と、移動と攻撃とを同時に行える特別移動とが設けられており、前記通過検出手段は、前記特別移動の場合のみ有効化されるようにすることができる。
【0012】
また上記課題を解決するため、前記ゲーム制御プログラムにおいて、前記通過回数積算手段は、前記通常移動が行われた際に、前記通過回数を0にリセットするようにすることができる。
【0013】
また上記課題を解決するため、前記ゲーム制御プログラムにおいて、前記特別攻撃は、前記フィールド上に存在する前記プレーヤキャラクタ及び全ての前記味方キャラクタによって順次繰り返される攻撃であるするようにすることができる。
【0014】
また上記課題を解決するため、前記ゲーム制御プログラムにおいて、前記特別攻撃は、前記フィールド上の前記プレーヤキャラクタ及び前記味方キャラクタのそれぞれによって、隣り合う他の前記プレーヤキャラクタ又は味方キャラクタの位置に移動しながら行われるようにすることができる。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明にあっては、プレーヤの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを制御するとともに複数の味方キャラクタを自動制御して敵キャラクタを攻撃するゲームを実行するためのゲーム装置であって、キャラクタの移動が許容されたフィールド上に存在するキャラクタの位置情報を管理するキャラクタ位置管理手段と、前記プレーヤキャラクタが移動した際に、前記キャラクタ位置管理手段により管理されている前記味方キャラクタの位置情報から、前記プレーヤキャラクタが、少なくとも2の前記味方キャラクタの間を通過したことを検出する通過検出手段と、前記通過検出手段により前記通過が検出される毎に、通過回数を積算する通過回数積算手段と、プレーヤの操作入力に応じて、前記通過回数積算手段により積算された前記通過回数に基づき、前記敵キャラクタに対して、少なくとも前記味方キャラクタによる特別攻撃を行わせる特別攻撃手段とを備えることを要旨としている。
【0016】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、戦闘シーンの特別攻撃に関し、キャラクタの位置取り選択に戦略性を与え、戦闘についてのゲーム性を向上させたゲーム制御プログラム及びゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る戦闘ゲームの一シーンを示す画面例である。
【図3】特別攻撃ポイントの蓄積を示す画面一例である。
【図4】特別攻撃ポイントの蓄積を説明する模式図である。
【図5】特別攻撃開始を示す画面一例である。
【図6】特別攻撃時の各キャラクタ動作の遷移を説明する模式図である。
【図7】複数の特別攻撃ポイントの蓄積を説明する模式図である。
【図8】特別攻撃時の各キャラクタ動作の遷移を説明する模式図である。
【図9】複数の特別攻撃ポイントの蓄積時の位置取りを説明する模式図である。
【図10】特別攻撃を行う際の処理を説明するフローチャートである。
【図11】座標空間よる通過判定を説明する図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。なお、戦闘ゲームに適用した場合について説明するが、他のタイプのゲームにも適用することができる。
【0020】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム装置の構成例を示す図である。図1において、ゲーム装置100は、システムバス101を介して相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、DMA(Direct Memory Access unit)108、情報記憶媒体109、画像処理部110、音声処理部117および操作入力部119から構成される。
【0021】
ここで、CPU102は、ゲーム装置100の制御動作の中枢となり、システムバス101を介して他の構成要素部分と制御信号やデータ信号等の受け渡しを行って全体を統括的に制御する中央演算処理装置であり、RAM104に格納されるゲーム制御プログラム105や操作入力部119からの信号に従ってゲーム制御を行う。すなわち、仮想空間に設定されたワールド座標系にオブジェクトおよび視点を設定するための画像処理情報を導出するとともに、音声処理情報を導出するものである。画像処理情報には、ワールド座標系内に配置される各オブジェクトの配置座標や姿勢を指定するデータ、視点の配置座標や視点方向を指定するデータ等が含まれる。
【0022】
ROM103は、装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を動かすための基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。
【0023】
RAM104は、情報記憶媒体109から読み出したゲーム制御プログラム105を展開し、作業中のデータ(例えば後述の特別攻撃ポイントのカウント情報106等)を一時記録するなどのための領域をCPU102に提供する揮発性メモリである。
【0024】
DMA108は、システムバス101に接続されている周辺機器を対象として割り込み制御やダイレクトメモリアクセス転送制御を行うものであり、CPU102を介さずに各種周辺機器とRAM104との間でシステムバス101を介して直接データのやりとりを実行し、これにより、CPU102のオーバーヘッドを伴わずに、高速・大容量のデータ転送を実現している。
【0025】
情報記憶媒体109は、ゲーム制御プログラム105を記録する媒体である。ゲーム制御プログラム105には、ゲーム進行のアルゴリズムや仮想3次元空間に配置されるオブジェクトを定義するデータ、各オブジェクトにマッピングされるテクスチャデータ等が含まれる。情報記憶媒体109は、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM)、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等により構成することができる。
【0026】
画像処理部110は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示部116で表示する画像を生成するものであって、本実施形態では、画像デコーダ111、GPU(Graphic Processing Unit)112、ディスプレイコントローラ115等の半導体デバイスを備えている。ここで、画像デコーダ111は、情報記憶媒体109から読み出され、RAM104の所定領域に一時記憶されたJPEGあるいはMPEG方式等で圧縮符号化された静止画あるいは動画等のデータを復号する処理を行う。
【0027】
GPU112は、CPU102からのコマンドに応じて、3次元コンピュータグラフィクス(3DCG)の画面データを生成するための画像生成アルゴリズムを実行し、ジオメトリ処理やテクスチャマッピング等を行って生成した画像をその画像記録領域に描画記録する処理を行う。GPU112の画像記録領域としては、表示部116において表示される画像データを記録するフレームバッファ113や、その他の画像データを記録する補助画像記憶領域114等の複数の領域に区画されている。
【0028】
ディスプレイコントローラ115は、フレームバッファ113に描画された画像データをフレーム時間毎に読み出して、画像データに対応した輝度信号と色信号を含む映像信号を生成して表示部116に出力する。
【0029】
音声処理部117は、スピーカ118で出力する効果音やBGM等の音声を生成する半導体デバイスであって、具体的には、図示省略のサウンドバッファおよびSPU等を備え、SPUがサウンドバッファから読み出した音データを合成してスピーカ118に出力する。なお、業務用ゲーム装置の場合は表示部116およびスピーカ118は筐体内に設けられるが、家庭用ゲーム装置の場合は外部のテレビ受像機等のものが使用される。
【0030】
操作入力部119は、ゲーム進行に対する各種の操作をプレーヤから受け付け、操作信号の入力を行うものである。例えば、仮想空間内のオブジェクトに対する攻撃においては、操作入力部119から攻撃を行う技やタイミングなどを指定するための操作信号が入力され、操作入力部119に入力された信号はシステムバス101を介してCPU102に送信される。操作入力部119は、ボタン、レバー、ジョイスティック、キーボード、マウス等により構成される。
【0031】
<動作>
(特別攻撃の動作1)
まず具体的に、一実施形態における戦闘シーンの画面例等を示す図面を参照しながら、本発明に係る戦闘ゲームの戦闘シーンにおいて、プレーヤが操作するプレーヤキャラクタの戦闘動作を説明する。戦闘では、特別攻撃(特殊攻撃、複数一体攻撃などともいう)が行われる。特別攻撃は、プレーヤキャラクタと味方キャラクタとが共同して攻撃を行うことで、敵キャラクタにより大きなダメージを与えたり、より広範囲に攻撃を行えることができる特別な攻撃方法である。上述したように、特別攻撃は制限なく行うことはできない。詳細は後述するが、本実施形態においては特別攻撃ポイントが設けられ、少なくともポイントが1以上蓄積されている場合、特別攻撃を行うことができるものとする。プレーヤは、操作入力部119からのコントローラ操作によって、ゲーム上のプレーヤキャラクタの各種動作を操作し、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタに特別攻撃の動作を行わせる。
【0032】
本発明に係る特別攻撃を実行するにあっては、(1)特別攻撃ポイントの蓄積、(2)特別攻撃開始という段階を経る必要がある。つまり、特別攻撃を行う場合、まず特別攻撃ポイントを蓄積し、ポイント蓄積後(その他の動作を行うことなしに)、実際の特別攻撃を開始するという流れとなる。詳細は後述する。
【0033】
なお、特別攻撃の他に攻撃の種類として通常攻撃がある。通常攻撃とは、特段の制限なく通常にキャラクタが行える攻撃のことである。制限がない分、特別攻撃に比べ、その攻撃効果(ダメージ度や攻撃範囲等)は低い。本発明は、特別攻撃に関するものであるので、通常攻撃についてこれ以上の説明は省略する。
【0034】
図2〜7は、特別攻撃の動作の流れを説明する図である。順に説明していく。図2は、本発明に係る戦闘ゲームの一シーンを示す画面例である。画面上、キャラA10、キャラB11、キャラC12と名付けられた複数の味方キャラクタ、及び複数の敵キャラクタ20〜22が表示されている。キャラA10、キャラB11、キャラC12はいずれも味方キャラクタであり、プレーヤは自身が操作する味方キャラクタをプレーヤキャラクタとしてこの中から1つ選択でき、また操作対象を都度変更できる。プレーヤキャラクタ以外の味方キャラクタは、コンピュータにより自動制御されている。ここでは、プレーヤはキャラA10を操作可能なプレーヤキャラクタとして選択しているとする。
【0035】
図3は、特別攻撃ポイントの蓄積を示す画面一例である。上述したとおり、特別攻撃を行うためには、少なくとも特別攻撃ポイントが1以上累積されている必要があるので、プレーヤキャラクタは特別攻撃を行うために、まず特別攻撃ポイントを蓄積する動作を行う。画面上、特別攻撃ポイントは、RESONANCE(レゾナンス)30として表示され、プレーヤキャラクタが味方キャラクタの間を通過する毎に1つ蓄積される。画面上には、プレーヤキャラクタの移動先を決定(指定)するための移動先40a(コントローラ操作に応じて移動するカーソル等で示される)、移動線40、特別攻撃ポイントを蓄積するための移動可能範囲線41が表示されている。プレーヤはコントローラ操作によって、プレーヤキャラクタの移動先40aを決定する。移動先40aを決定すると、プレーヤキャラクタであるキャラA10は、移動先40aとキャラA10とを結ぶ移動線40に沿って指定された位置(移動先)まで移動動作を行う。
【0036】
図4は、特別攻撃ポイントの蓄積を説明する模式図である。図3に対応するように特別攻撃ポイントの蓄積をより簡易に説明する図であり、図3の画面例を上方位置から見た模式図である。プレーヤはコントローラ操作によって移動先40aを決定する。プレーヤは、基本的にキャラA10の移動先40aをフィールド上の全領域の範囲の中から決定できる。ここで、フィールド上の全領域の範囲において、特別攻撃ポイントを蓄積するために移動先40aとして決定可能な位置範囲は、プレーヤキャラクタから見た左右において、図に示されるように味方キャラクタであるキャラB11とキャラC12との間の位置範囲である。また、上下(奥行き)においては、移動可能範囲線41と移動可能なフィールド領域の奥行きまでの間の位置範囲である。プレーヤキャラクタであるキャラA10の移動先が決定されると、キャラA10は移動線40に沿って指定された位置(移動先)まで移動動作を行う。そして、プレーヤキャラクタが味方キャラクタの間、つまり移動可能範囲線41上を通過した場合(特別攻撃ポイントが蓄積される条件)、特別攻撃ポイントであるRESONANCE(レゾナンス)30が1つ蓄積される。一方、プレーヤキャラクタが移動可能範囲線41上を通過せず、例えば、移動可能範囲線41手前の位置で停止した場合や、移動線40がキャラB11とキャラC12の間に挟まれないようなフィールド上の領域に移動した場合など、RESONANCE(レゾナンス)30は蓄積されない。
【0037】
図5は、特別攻撃開始を示す画面一例である。これまでの説明によれば、特別攻撃ポイントであるRESONANCE(レゾナンス)30は、1つ蓄積されている。画面上示されるように、RESONANCE(レゾナンス)30が1以上蓄積されると、プレーヤキャラクタであるキャラA10、味方キャラクタであるキャラB11とキャラC12は、共同攻撃である特別攻撃を行うことができる状態になる。そしてプレーヤのコントローラ操作によって、特別攻撃の対象とする一又は複数の敵キャラクタを選択(ターゲッティングという)し、実際の特別攻撃を開始することができる。なお攻撃対象は、図に示されるように、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタを頂点として形成する図形の内部に位置する敵キャラクタ20から選択できるとしてもよい。また、特定の敵キャラクタを選択しないで、図形内部に位置する全ての敵キャラクタに対して特別攻撃を行えるようにしてもよい。
【0038】
図6は、特別攻撃時の各キャラクタ動作の遷移を説明する模式図である。特別攻撃時においては、各キャラクタは移動しながら敵キャラクタに対して攻撃を行う。図6(a)は、特別攻撃時の各キャラクタの位置を示す。プレーヤキャラクタは特別攻撃ポイント蓄積時に味方キャラクタの間を通過しているので、特別攻撃時のプレーヤキャラクタ及び味方キャラクタの位置関係としては、図5に示されるように、キャラA10、キャラB11、キャラC12が、各キャラクタを頂点とする図形(ここでは三角形)を形成し、敵キャラクタ20を囲むように位置している。
【0039】
次に図6(b)は、各キャラクタが移動しながら敵キャラクタに対して特別攻撃(例えば一斉攻撃)を行っている図を示す。プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタは、移動しながら、ターゲッティングされた敵キャラクタに対して、例えば銃などの武器を用いて一斉射撃を行っている。
【0040】
図6(c)は、特別攻撃終了時の各キャラクタの位置を示す。このように、各キャラクタは特別攻撃開始時における各キャラクタを頂点とする図形の辺上を移動しながら、ターゲッティングされた敵キャラクタに対して特別攻撃を行う。各キャラクタの移動は図形の辺を踏襲するようにして行われ、特別攻撃終了時には各キャラクタは隣り合うキャラクタのあった位置まで移動するのである。ここで、このような移動と攻撃を同時に行う移動を特別移動ということにする。そして特別攻撃を図形一辺分の特別移動をもって行うと、特別攻撃ポイントは1つ消費するようになっている。なお、特別移動に対し、移動と攻撃を択一的に行える移動を通常移動という。これは通常時、プレーヤキャラクタを含む味方キャラクタがフィールド上を移動しているときに行われる移動タイプである。
【0041】
移動先40aが決定されて、移動線40に沿って指定された位置(移動先)までキャラA10が移動する場合も、特別移動となる。これに対し、移動先40を決定せずにコントローラ操作によって任意に移動する場合は通常移動となる。即ち、特別移動では、特別攻撃開始時における各キャラクタを頂点とする図形の辺上、または移動線40に沿うというように、移動中に移動経路をプレーヤが変更できないようになっている。また、特別移動は所定の条件が成立した場合のみ行うことができ、条件として例えば、敵キャラクタに与えたダメージの累積値が所定の値に達するごとに1回の特別移動ができるようになっている。さらに、プレーヤキャラクタが味方キャラクタの間、つまり移動可能範囲線41上を通過する際、通常移動での通過の場合では特別攻撃ポイントは蓄積されず、特別移動での通過の場合のみ特別攻撃ポイントは蓄積される(通過検出手段は、前記特別移動の場合のみ有効化される)とし、特別攻撃ポイントを蓄積するためには様々な条件とのトレードオフをプレーヤが判断しなければならないようにすることで、戦闘についてのゲーム性をより向上させることができる。
【0042】
以上のように、本発明に係る特別攻撃を実行するときは、(1)特別攻撃ポイントの蓄積、(2)特別攻撃開始という段階を経る。(1)特別攻撃ポイントの蓄積においては、プレーヤキャラクタは味方キャラクタの間を通過する移動を行い、特別攻撃ポイントを蓄積する必要がある。このとき、プレーヤはコントローラ操作によって、プレーヤキャラクタの移動先を決定する。特別攻撃ポイントが蓄積されると、(2)特別攻撃開始が可能な状態に遷移する。プレーヤキャラクタと味方キャラクタは、特別攻撃を行うため、プレーヤのコントローラ操作によって、特別攻撃の対象とする一又は複数の敵キャラクタを選択(ターゲッティング)し、実際の特別攻撃を開始する。ここで特別攻撃は、特別攻撃開始時に各キャラクタの位置に基づき形成される図形の辺上を移動しながら、ターゲッティングされた敵キャラクタに対して一斉に特別攻撃を行うものである。そして特別攻撃は、各キャラクタが隣り合うキャラクタの位置まで移動するまで行われる。
【0043】
ところでこのような特別攻撃を行う場合、プレーヤキャラクタ(又は味方キャラクタ)の位置取りが戦闘戦略上重要となってくる。特別攻撃は、各キャラクタの位置に基づき形成される図形の辺上を移動しながら、ターゲッティングされた敵キャラクタに対して一斉に攻撃を行う。よって図形の一辺の長さが長くなるようにプレーヤキャラクタの移動先を決定する方が有利である。1の特別攻撃ポイントにつき、特別攻撃を図形一辺分の特別移動をもって行うので、図形の一辺の長さを長く取るほど、長い時間特別攻撃を行えるからである(敵キャラクタに対しより大きなダメージ)。従って、プレーヤにとってはコントローラ操作によって、何処にプレーヤキャラクタの移動先を決定するかが戦闘戦略上重要であるといえる。
【0044】
但し、単純に図形の一辺の長さを長く取れば良いわけではない。本発明に係る特別攻撃においては、プレーヤキャラクタは、特別攻撃ポイントを複数蓄積し、特別攻撃を図形の複数辺分の特別移動をもって行うことが可能である。この場合、複数の特別攻撃ポイント蓄積の後、最終的に特別攻撃を行う際に形成される図形において、最も効果的な特別攻撃を行えるよう考慮する必要があるからである。続いてこの点について詳しく説明を行う。
【0045】
(特別攻撃の動作2)
続いて、プレーヤキャラクタが特別攻撃ポイントを複数蓄積し、特別攻撃を図形の複数辺分の特別移動をもって行う場合について説明を行う。上述したように、特別攻撃を図形一辺分の特別移動をもって行うと、特別攻撃ポイントは1つ消費されるが、特別攻撃ポイントが複数蓄積されていれば、特別攻撃を図形複数辺分の特別移動をもって行うことができるようになる。よって、特別攻撃ポイントを多く蓄積するほど、より長い時間(より多くの回数)特別攻撃を行えるので、敵キャラクタに対しより大きなダメージ等を与えることができる。以下、詳しく説明する。
【0046】
図7は、複数の特別攻撃ポイントの蓄積を説明する模式図である。複数の特別攻撃ポイントの蓄積を簡易に説明する図であり、同時に各キャラクタの移動に係る位置取りの遷移を説明する図である。また例えば、図3の画面例を上方位置から見た模式図として捉えることもできる。なお、本実施形態において望ましくは、前提(ルール)として、特別攻撃ポイントを複数蓄積する際、連続して同一の味方キャラクタを移動させて特別攻撃ポイントを蓄積できないものとする。また、プレーヤキャラクタは移動中、敵キャラクタから攻撃を受けうるものとする。勿論、連続して同一の味方キャラクタを移動させて特別攻撃ポイントを蓄積可能とすることもできる。但しこの場合、同一キャラクタが味方キャラクタ間を何度も単純往復しさえすれば容易に特別攻撃ポイントを蓄積できてしまい、ゲーム性が損なわれる可能性がある。また、プレーヤキャラクタが移動中、敵キャラクタから攻撃を受けうるとしているのも同様な理由による。図面を参照して具体的に説明していく。
【0047】
図7(a)において、プレーヤキャラクタであるキャラA10が特別攻撃ポイントを蓄積すべく、移動線40を移動先Aに決定し移動を行う。この動作は上述したとおりである。
【0048】
次に図7(b)において、プレーヤキャラクタであるキャラB11が更なる特別攻撃ポイントを蓄積すべく、移動線40を移動先Bに決定し移動を行う。移動開始前である、この図の時点での特別攻撃ポイントは「1」である。ここで上記の前提から、連続して同一の味方キャラクタであるキャラA10を移動させて特別攻撃ポイントを蓄積することができないので、プレーヤは操作対象のプレーヤキャラクタをキャラB11、キャラC12のいずれか選択する(切替える)必要がある。ここではキャラB11が選択されたものとしている。
【0049】
次に図7(c)において、プレーヤキャラクタであるキャラC12が更なる特別攻撃ポイントを蓄積すべく、移動線40を移動先Cに決定し移動を行う。移動開始前である、この図の時点での特別攻撃ポイントは「2」である。ここでプレーヤは操作対象のプレーヤキャラクタをキャラA10、キャラC12のいずれかから選択できるが、ここではキャラC12が選択されたものとしている。
【0050】
次に図7(d)において、この図の時点での特別攻撃ポイントは「3」蓄積されており、プレーヤキャラクタであるキャラC12、味方キャラクタであるキャラA10とキャラB11は、既に特別攻撃を行える状態になっている。プレーヤのコントローラ操作によって、特別攻撃対象の敵キャラクタ20を選択(ターゲッティング)し、実際の特別攻撃を開始することができる。上述したように、敵キャラクタは味方キャラクタで形成される図形領域内(図中の斜線領域)から選択されるとして戦略的な移動をプレーヤに要求してもよいし、図形領域に関わらず選択されるとしてもよい。
【0051】
図8は、特別攻撃時の各キャラクタ動作の遷移を説明する模式図である。複数の特別攻撃ポイントによる特別攻撃時においては、各キャラクタは移動(特別移動)しながら、敵キャラクタに対して連続的に複数回の特別攻撃を行う。ここでは特別攻撃ポイントは「3」蓄積されているので、各キャラクタは図形の辺上を3辺分移動しながら、ターゲッティングされた敵キャラクタに対して特別攻撃を行うのである。
【0052】
図8(a)は、特別攻撃時の各キャラクタの位置を示す。図8(b)は、各キャラクタが移動しながら敵キャラクタに対して1回目の特別攻撃を行っている図を示す。プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタは、移動しながら図形枠内の敵キャラクタに対して、例えば銃などの武器を用いて一斉射撃を行っている。図8(c)は、特別攻撃ポイントを1つ分消費した時点での各キャラクタの位置を示す。図8(d)は、各キャラクタが移動しながら敵キャラクタに対して2回目の特別攻撃を行っている図を示す。図8(e)は、特別攻撃ポイントを2つ分消費した時点での各キャラクタの位置を示す。図8(f)は、各キャラクタが移動しながら敵キャラクタに対して3回目の特別攻撃を行っている図を示す。図8(g)は、特別攻撃ポイントを3つ分消費した時点での各キャラクタの位置を示す。この時点で、特別攻撃ポイントは「0」であるので特別攻撃は終了する。このように特別攻撃ポイントが複数蓄積されている場合、各キャラクタは図形の辺上を移動しながら、特別攻撃ポイント分だけターゲッティングされた敵キャラクタに対して連続的に特別攻撃を行う。
【0053】
ここで、複数の特別攻撃ポイントの蓄積時における味方キャラクタの位置取りについて言及しておく。図9は、複数の特別攻撃ポイントの蓄積時の位置取りを説明する模式図である。図7と対比的に示される図であり、各キャラクタの移動に係る位置取りの遷移を説明する図である。図9(a)〜(d)では、上述したように、プレーヤキャラクタが特別攻撃ポイントを蓄積すべく、移動線40を移動先に決定し移動を行っている様子が示されている。図9(d)の時点において、特別攻撃ポイントは「3」蓄積されており、プレーヤキャラクタであるキャラC12、味方キャラクタであるキャラA10とキャラB11は、既に特別攻撃を行える状態になっている。ここで図7(d)と対比すると、味方キャラクタで形成される図形領域内(図中の斜線領域)の面積が大きくなっている。特別攻撃の対象となる敵キャラクタを、味方キャラクタで形成される図形領域内から選択されるとした場合、図形領域内の面積が大きいほど、効果的に特別攻撃を行うことができる。例えば、領域内の一の敵キャラクタを攻撃する場合には、敵キャラクタ選択の範囲を広げることができる。また、領域内の複数の敵キャラクタを攻撃できる場合には、攻撃できる敵キャラクタの数が増えるからである。また、図形の一辺の長さを長くなるように、プレーヤキャラクタの移動先を決定する方が有利である。1の特別攻撃ポイントにつき、特別攻撃を図形一辺分の特別移動をもって行うので、図形の一辺の長さを長く取るほど、長い時間(多くの回数)特別攻撃を行えるからである。
【0054】
以上、特別攻撃の動作を説明してきたが、特別攻撃を行う場合(特に複数の特別攻撃ポイント蓄積時)、戦闘戦略上いくつかポイントを挙げることができる。プレーヤは、本発明に係る戦闘ゲームにおいて特別攻撃を行う場合、例えば以下の点を考慮しながら戦闘を行うことで、面白みを持って戦略的にゲームを進行することができる。
・複数の特別攻撃ポイントを蓄積するほどより大きなダメージを敵キャラクタに対して与えることができるといえる。
・特別攻撃ポイント蓄積時において、プレーヤキャラクタの位置取りは重要である。プレーヤがいずれの味方キャラクタを操作対象のプレーヤキャラクタとして選択するか、またその選択された味方キャラクタについて、移動線40を何処に決定するかによって、特別攻撃を行う際の図形領域内の面積が異なってくるからである。また、図形の一辺の長さを長く取るほど、長い時間(多くの回数)特別攻撃を行える。
・但し、必ずしも自由に移動線40を決定することはできない。プレーヤキャラクタは移動中、敵キャラクタから攻撃を受ける可能性があるため、例えば敵キャラクタが密集している付近への移動はダメージリスクを伴う。
・また、特別攻撃ポイントを常に多く蓄積すれば有利であるとはいえない。弱い敵キャラクタに対しては、必要以上に強力な攻撃は不必要であるからである。例えば、特別攻撃ポイント1回分の特別攻撃で倒せる弱い敵キャラクタに対して、それ以上の特別攻撃ポイントを蓄積して特別攻撃を行うことは無駄であり、特別攻撃ポイントを必要以上に蓄積するには、上記移動中のダメージリスクを伴う。
【0055】
<情報処理>
これまで説明してきたように本発明に係る特別攻撃を実行するにあっては、(1)特別攻撃ポイントの蓄積、(2)特別攻撃開始という段階を経る必要であった。つまり、特別攻撃を行う場合、まず特別攻撃ポイントを蓄積し、ポイント蓄積後(その他の動作を行うことなしに)、実際の特別攻撃を開始するという流れとなる。以下、(1)特別攻撃ポイントの蓄積、及び、(2)特別攻撃開始の情報処理について説明する。
【0056】
図10は、特別攻撃を行う際の処理を説明するフローチャートである。プレーヤの操作入力部119からのコントローラ操作によって、プレーヤキャラクタが特別攻撃ポイントを蓄積する動作を行うよう命令が行われると、プレーヤキャラクタを含む味方キャラクタの位置情報が取得される(S1)。キャラクタの位置情報は、キャラクタの移動が許容されたフィールド上において存在する全キャラクタ(味方キャラクタ及び敵キャラクタ)の位置座標として管理されている(キャラクタ位置管理手段)。
【0057】
次にプレーヤキャラクタの移動可能範囲が決定される(S2)。特別攻撃ポイントを蓄積するため、移動先40aとして決定可能な位置範囲は、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタの位置情報に基づき決定され、上述の移動線40及び移動可能範囲線41が表示される(図4参照)。プレーヤはコントローラ操作によって、プレーヤキャラクタの移動先を決定する。移動先が決定されると、プレーヤキャラクタが指定された位置(移動先)まで移動線40に沿って移動するよう動作制御がなされる(S3)。
【0058】
ここで、取得されているプレーヤキャラクタ及び味方キャラクタの位置情報に基づき、プレーヤキャラクタが味方キャラクタ間を通過したか否か判定がなされる(S4)。図11は、座標空間よる通過判定を説明する図の一例である。実際のゲームは3Dの座標空間で構成されるが、ここでは説明簡略化の為2Dの座標空間を用いて説明する。キャラクタの移動が許容された移動可能領域であるフィールド50において、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタの位置情報が取得されている。例えば、プレーヤキャラクタの位置座標はA(a1,a2)、味方キャラクタの位置座標はB(b1,b2)、C(c1,c2)である。上述したように、プレーヤキャラクタが指定された位置(移動先)まで移動するように動作制御がなされるが、移動後のプレーヤキャラクタの位置座標が領域α内に位置している場合、プレーヤキャラクタが味方キャラクタ間を通過したと判定される(通過検出手段)。また移動後のプレーヤキャラクタの位置座標が領域β又は領域γ内に位置している場合、プレーヤキャラクタが味方キャラクタ間を通過していないと判定される。なお、移動後のプレーヤキャラクタの位置座標が領域β内に位置している場合とは、例えば、プレーヤキャラクタの移動線40に沿った移動中に移動キャンセルがなされた場合等がある。また、移動後のプレーヤキャラクタの位置座標が領域γ内に位置している場合とは、上述したように、キャラA10は移動先40aをフィールド上の全領域の範囲の中から決定できるところ、例えば、移動線40がキャラB11とキャラC12の間に挟まれないようなフィールド上の領域(領域γ)に移動した場合等がある。
【0059】
プレーヤキャラクタが味方キャラクタ間を通過したと判定されると、特別攻撃ポイントが1つ積算される(S5)。つまり、プレーヤキャラクタが味方キャラクタ間を通過した回数が積算される(通過回数積算手段)。通過回数は特別攻撃ポイントのカウント情報106として、メモリ(RAM104)に一時記憶される。この時点で、特別攻撃ポイントが1以上蓄積されているので、プレーヤキャラクタ、味方キャラクタは、特別攻撃を行うことができる状態になる。従って、プレーヤにより特別攻撃の操作がなされれば(S6)、敵キャラクタのターゲッティング後、特別攻撃が実行される(S7)。具体的には、上述したように、特別攻撃ポイント(上記通過回数)に基づくポイント回数(通過回数)分だけ、敵キャラクタに対して、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタによる特別攻撃が行われる(特別攻撃手段)。特別攻撃を終えると、特別攻撃ポイントはカウント0にリセットされる(S8)。即ち、メモリ(RAM104)の特別攻撃ポイントのカウント情報106はリセットされる。
【0060】
一方、特別攻撃ポイントが1つ積算されてから(S5)、プレーヤにより特別攻撃の操作がなされるまでは(S6)、プレーヤキャラクタ、味方キャラクタは、プレーヤの指示を待機している状態にある。ここで、プレーヤにより通常移動の操作がなされると(S9)、特別攻撃ポイントはカウント0にリセットされる(S8)。これはキャラクタの位置を修正できないようにして、複数の特別攻撃ポイント蓄積の困難性を高める為である(その見返りとして、複数の特別攻撃ポイントを消費する効果の高い特別攻撃を行える)。つまり、プレーヤは効果の高い特別攻撃を行えるよう最終的に特別攻撃を行う位置を考慮しながら、位置取りを行わなくてはならなくなり、戦略的にゲームを行える面白みを高めることができる。
【0061】
更に特別攻撃ポイントを蓄積すべく、プレーヤによってプレーヤキャラクタが特別攻撃ポイントを蓄積する動作を行うよう命令が行われると(S10)、特別攻撃ポイントの蓄積可能上限が確認される(S11)。無限に特別攻撃ポイントを蓄積できる訳でなく、例えば3回、6回など、所定の特別攻撃ポイントの蓄積可能上限回数を定めることができる。特別攻撃ポイントの蓄積可能上限内であれば、プレーヤキャラクタの選択後、再びプレーヤキャラクタの移動による特別攻撃ポイントの蓄積が進行される(S1〜)。一方、特別攻撃ポイントの蓄積可能上限を超えていれば、その旨を通知する表示を行えばよい。
【0062】
なお、特別攻撃が実行される際(S7)、特別攻撃ポイント1回分の消費(各キャラクタの位置に基づき形成される図形の一辺分の特別移動)毎に、特別攻撃ポイントを1ずつ減算し、特別攻撃ポイントが0の時点で処理を終了するようにしてもよいし(S8は省略される)、プレーヤが任意のタイミングで行う操作に応じて、特別攻撃ポイントを残存させた状態で終了するようにしてもよい。情報処理上はいかようにも構成可能である。
【0063】
また、上記のキャラクタ位置管理手段、通過検出手段、通過回数積算手段、特別攻撃手段等の各種機能手段は、実際にはCPU102が実行するゲーム制御プログラム105によりコンピュータに実現させるものである。
【0064】
以上、本発明に係る戦闘ゲームの戦闘シーンにおいて、プレーヤが操作するキャラクタの特別攻撃の動作に伴う処理について説明を行ったが、上記の説明はあくまで一例でありこれに限定されない。例えば、位置情報算出方法、通過回数カウント方法、各種数値例、画面の表示方法等は、他の方法によっても実現されうる。
【0065】
<総括>
以上、本発明に係る戦闘ゲームの戦闘シーンにおいて特別攻撃を行う場合、プレーヤキャラクタの移動の自由度を低くし、その位置取り(ポジショニング)によって、特別攻撃ポイントの積算難易度及び特別攻撃の効果が変化するようにして、戦略的に戦闘を行えるようゲームの面白みを高めた。例えば、特別攻撃ポイントの蓄積を行う際のプレーヤキャラクタ及び味方キャラクタの位置取りによっては、プレーヤキャラクタのダメージリスクが変化したり、特別攻撃時の攻撃効果が変化するようになっている。戦闘ゲームにおいて特別攻撃はプレーヤにとって最も魅力的な攻撃方法の一つであるから、このように特別攻撃ポイントの蓄積に伴う移動の自由度と、ダメージリスクや特別攻撃の効果とをトレードオフの関係にすることで特別攻撃をより戦略的に行えるようにしている。
【0066】
即ち本発明によれば、戦闘シーンの特別攻撃に関し、キャラクタの位置取り選択に戦略性を与え、戦闘についてのゲーム性を向上させたゲーム制御プログラム及びゲーム装置を提供することが可能となる。
【0067】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタは合計3体の場合の例を用いて説明を行ったが、これ以上のキャラクタが登場する戦闘ゲームにおいても同様に適用可能である。この場合、例えば、プレーヤキャラクタが、少なくとも他の2の味方キャラクタの間を通過したときに、特別攻撃ポイントをカウントする等の構成で実現できる。
【0068】
また、本実施形態においては、特別攻撃は、1体のプレーヤキャラクタ及び2体の味方キャラクタの3体(全員)で行うとの説明を行ったが、特別攻撃への参加キャラクタはこれに限られない。例えば、特別攻撃はプレーヤキャラクタが含まれずに、2体の味方キャラクタのみで互いの位置を入れ替えながら特別攻撃を行ってもよいし、3体の味方キャラクタのみで上記実施形態と同様に各キャラクタが隣り合うキャラクタの位置まで移動するまで行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 キャラA
11 キャラB
12 キャラC
20−22 敵キャラ
30 RESONANCE
40 移動線
41 移動可能範囲線
50 フィールド
100 ゲーム装置
101 システムバス
102 CPU
103 ROM
104 RAM
105 ゲーム制御プログラム
106 特別攻撃ポイントのカウント情報
108 DMA
109 情報記憶媒体
110 画像処理部
111 画像デコーダ
112 GPU
113 フレームバッファ
114 補助画像記憶領域
115 ディスプレイコントローラ
116 表示部
117 音声処理部
118 スピーカ
119 操作入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、プレーヤの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを制御するとともに複数の味方キャラクタを自動制御して敵キャラクタを攻撃するゲームを実行させるためのゲーム制御プログラムであって、
キャラクタの移動が許容されたフィールド上に存在するキャラクタの位置情報を管理するキャラクタ位置管理手段と、
前記プレーヤキャラクタが移動した際に、前記キャラクタ位置管理手段により管理されている前記味方キャラクタの位置情報から、前記プレーヤキャラクタが、少なくとも2の前記味方キャラクタの間を通過したことを検出する通過検出手段と、
前記通過検出手段により前記通過が検出される毎に、通過回数を積算する通過回数積算手段と、
プレーヤの操作入力に応じて、前記通過回数積算手段により積算された前記通過回数に基づき、前記敵キャラクタに対して、少なくとも前記味方キャラクタによる特別攻撃を行わせる特別攻撃手段として、
前記コンピュータを機能させるためのゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記プレーヤキャラクタの移動には、移動と攻撃とを択一的に行える通常移動と、移動と攻撃とを同時に行える特別移動とが設けられており、
前記通過検出手段は、前記特別移動の場合のみ有効化されることを特徴とする請求項1記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記通過回数積算手段は、前記通常移動が行われた際に、前記通過回数を0にリセットすることを特徴とする請求項2記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記特別攻撃は、前記フィールド上に存在する前記プレーヤキャラクタ及び全ての前記味方キャラクタによって順次繰り返される攻撃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記特別攻撃は、前記フィールド上の前記プレーヤキャラクタ及び前記味方キャラクタのそれぞれによって、隣り合う他の前記プレーヤキャラクタ又は味方キャラクタの位置に移動しながら行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項6】
プレーヤの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを制御するとともに複数の味方キャラクタを自動制御して敵キャラクタを攻撃するゲームを実行するためのゲーム装置であって、
キャラクタの移動が許容されたフィールド上に存在するキャラクタの位置情報を管理するキャラクタ位置管理手段と、
前記プレーヤキャラクタが移動した際に、前記キャラクタ位置管理手段により管理されている前記味方キャラクタの位置情報から、前記プレーヤキャラクタが、少なくとも2の前記味方キャラクタの間を通過したことを検出する通過検出手段と、
前記通過検出手段により前記通過が検出される毎に、通過回数を積算する通過回数積算手段と、
プレーヤの操作入力に応じて、前記通過回数積算手段により積算された前記通過回数に基づき、前記敵キャラクタに対して、少なくとも前記味方キャラクタによる特別攻撃を行わせる特別攻撃手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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