説明

ゲーム制御プログラム,ゲーム制御プログラム記録媒体およびゲームシステム

【課題】プレイヤ対プレイヤがプレイできる共通の仮想三次元空間を形成し、コンピュータが設置した宝箱以外に各プレイヤが任意の空間場所に宝箱を設置可能にすることにより、ロールプレイングゲームの興趣性を向上させ、半永久的に遊戯可能なゲームを実現することができるゲーム制御プログラム,その記録媒体およびゲームシステムを提供する。
【解決手段】仮想三次元空間である迷路のダンジョン35a〜35gに、プレイヤのキャラクタ37はプレイヤの操作により移動し、自らが持っているアイテムを入れて宝箱を設置することができる。プレイヤ37が宝箱に遭遇した場合、宝箱を開けると、コンピュータが設置した宝箱か、プレイヤが設置した宝箱かを判定でき、コンピュータが設置した宝箱の場合には内部のアイテムを取得できる。他のプレイヤが設置した宝箱の場合には内蔵のアイテムと自らが持つアイテムを交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールプレイングゲームなどの、アイテムを格納する宝箱からアイテムを獲得するだけでなく、プレイヤ自身もアイテムを入れる事を可能にするゲーム制御プログラム,このゲーム制御プログラムを記憶した記録媒体およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、いわゆるロールプレイングゲームなどで、プログラムによって予めダンジョンなどに宝箱を設置し、その中にアイテムを入れておき、それを発見し入手出来れば、それ以降のゲームが有利に進められるというものであった。
【0003】
これまで、いわゆるロールプレイングゲームにおける宝箱は、あくまで、コンピュータ(宝箱設置側)対プレイヤ(宝箱探し側)のゲームであり、プレイヤから見ると一方的な受動態のゲームであった。この種のロールプレイングゲームの一例として特許文献1が開示されている。
上記ゲームにおいて一度発見した宝箱は、それ以降特別な役目を果たすことはなく、空箱のまま放置されていて、その後のゲーム進行に無関係であった。
【特許文献1】特開2002−219276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題を解決するもので、その目的は、プレイヤ対プレイヤがプレイできる共通の仮想三次元空間を形成し、コンピュータが設置した宝箱以外に各プレイヤが任意の空間場所に宝箱を設置可能にすることにより、ロールプレイングゲームの興趣性を向上させ、半永久的に遊戯可能なゲームを実現することができるゲーム制御プログラム,ゲーム制御プログラム記録媒体およびゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明の請求項1のゲーム制御プログラムは、入力操作部および画面モニタを有する複数のゲーム機コンソール(制御卓)からのプレイヤの操作によりそれぞれのキャラクタが移動可能な共通の仮想三次元空間を有し、この仮想三次元空間内に宝箱を留置しておき、いずれかのゲーム機コンソールのプレイヤがキャラクタを移動操作して宝箱を発見した場合、宝箱を開けてその内部のアイテムを入手可能にするゲームを実行させるための制御プログラムであって、各プレイヤのキャラクタが前記仮想三次元空間内の任意の場所に自らが持っているアイテムを入れて宝箱を設置するための宝箱設置ステップと、前記宝箱設置ステップによって設置された宝箱を他のプレイヤのキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテム内蔵の宝箱に更新するためのアイテム交換ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載のゲーム制御プログラムにおいて前記宝箱が設置される場所はダンジョンであることを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1または2記載のゲーム制御プログラムにおいて前記アイテム交換ステップで宝箱を開けた他のプレイヤのキャラクタがアイテムを持っていない場合、そのキャラクタ対応のゲーム機コンソールのゲームを終了するステップを有することを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載のゲーム制御プログラムにおいて前記アイテム交換ステップで宝箱を設置したキャラクタがその設置した宝箱を開けた場合、内部のアイテムを獲得するステップを有することを特徴とする。
本発明の請求項5のゲーム制御プログラム記録媒体は請求項1から4記載のゲーム制御プログラムの何れかを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
本発明の請求項6のゲームシステムは、入力操作部および画面モニタを有する複数のゲーム機コンソールと、前記複数のゲーム機コンソールに接続されたゲーム機本体とからなり、前記複数のゲーム機コンソールからのプレイヤの操作によりそれぞれのキャラクタが移動可能な共通の仮想三次元空間を有し、この仮想三次元空間内に宝箱を留置しておき、いずれかのゲーム機コンソールのプレイヤがキャラクタを移動操作して宝箱を発見した場合、宝箱を開けてその内部のアイテムを入手可能にするゲーム制御手段を有するゲームシステムであって、各プレイヤのキャラクタが前記仮想三次元空間内の任意場所に自らが持っているアイテムを入れて宝箱を設置するための宝箱設置ステップと、前記宝箱設置ステップによって設置された宝箱を他のプレイヤのキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテムを内蔵の宝箱に更新するためのアイテム交換ステップとからなるゲーム制御プログラムをメモリ部に有し、前記メモリ部より前記宝箱設置ステップを読み出し、各プレイヤのキャラクタが自らが持つアイテムを入れて新たに宝箱を前記仮想三次元空間内の任意位置に設置した場合、その任意位置にアイテムが入った宝箱を設置する宝箱設置手段と、前記メモリ部より前記アイテム交換ステップを読み出し、前記宝箱設置手段によって設置された宝箱を他のキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテムが内蔵した宝箱に更新するアイテム交換手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、ロールプレイングゲームの興趣性を向上させ、半永久的に遊戯可能なゲームを実現することができる。また、各ゲーム機コンソールからの各プレイヤの思考が反映されるので、宝箱の設置場所等がパターン化することはなく、一旦アイテムを取り出せば空になるコンピュータが設置した宝箱とは異なる趣向のゲームを各プレイヤが展開できる。また、各プレイヤが一度宝箱を設置すると、その中身が変わっているか知りたくなる心理が働き、リピート性の高いゲームシステムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
図1は本発明によるゲームシステムの概略を示す図である。
この例は同一店舗内のゲームシステム1を示すもので、ゲーム機本体2と、LAN接続などでローカル接続されている多数のゲーム機コンソール(制御卓)3a〜3eより構成されている。入力装置は通常のボタン,カーソル装置の他、タッチペンやジョイスティックなどが用いられる。ゲーム機コンソール3a〜3eの台数分、プレイヤのゲームへの参加が可能となる。各ゲーム機コンソールからいずれのタイミングでも、ダンジョン宝箱探索シーケンスを有するロールプレイングゲームを開始することができ、各ゲーム機コンソールで更新されたデータはゲーム機本体2で蓄積管理される。蓄積管理されたデータは、他のゲーム機コンソールに送信され、画像処理されてモニタ画面の宝箱表示などに反映される。
【0008】
図2は、店単位で構成されるゲームシステムをさらに大規模ゲームシステムに拡大した例を示す図である。
店舗A〜店舗Cには図1に示すゲームシステム4a〜4cが設置され、これらは電話回線や光通信回線を利用した一般公衆回線6を介してサーバ装置5と通信することができる。店舗Aのゲームシステム4aの一つのゲーム機コンソールのプレイヤの操作や処理結果のデータは店舗Aのゲーム機本体に蓄積され、その蓄積されたデータはサーバ装置5に送信される。サーバ装置5では、各店舗からのゲームに関する宝箱およびダンジョンの情報などを蓄積し管理する。各店舗から送られたデータは他の店舗B,Cのゲーム機本体に送信される。
他の店舗B,Cのゲームシステム4b,4cのゲーム機コンソールでプレイが行われていれば、そのゲーム機コンソールにそのデータが送られ、図1と同様、画像処理されてモニタ画面の宝箱表示などに反映される。
【0009】
図3は、ゲーム機本体の回路の実施の形態を示す回路ブロック図である。
ゲーム機本体2は、通信制御装置10,CPU11,迷路内情報記憶部12,プログラム記憶部13および迷路マップ記憶部14を含んでいる。
通信制御装置10はCPU11からのデータを各ゲーム機コンソール3a〜3eに送信し、各ゲーム機コンソール3a〜3eからのデータを受信するもので、各ゲーム機コンソールに対し、送受信データが競合した場合には、通信規則に従って順番に送受信を行うものである。
プログラム記憶部13はゲーム機全体の制御を行うとともにロールプレイングゲームの制御プログラムを格納するROMである。また、迷路マップ記憶部14は同じくROMであり、ロールプレイングゲームの仮想三次元空間を構成するダンジョンとそれらを結ぶ通路よりなる迷路マップデータやコンピュータが設定する宝箱に関するデータなどを格納するものである。
【0010】
迷路内情報記憶部12はRAMなどにより構成され、上記迷路中で各ゲーム機コンソールで操作されて設定されたデータを格納する部分で、あるゲーム機コンソールで任意の場所に宝箱が設置された場合、その宝箱に関するデータや内蔵アイテムのデータが格納される。さらにキャラクタの状態を示すデータ,所持アイテム,体力ゲージデータなどが格納される。迷路内情報記憶部12は、あるゲーム機コンソール3a〜3eにて、キャラクタの状態を示すデータ,所持アイテム,宝箱の設置状態に変化があった場合は、通信制御装置10を介して、速やかにDATAの書き替えが行われる。CPU11は、プログラム記憶部13から制御プログラムを読み出すことによりゲーム全体に対する管理や送受信制御の指令を行うものである。各ゲーム機コンソールからゲーム開始の情報が送られてくると、ゲームに関する迷路マップや迷路内情報を送信する。
【0011】
図4は、各コンソールの回路の実施の形態を示す回路ブロック図である。
ゲーム機コンソール3a〜3eは通信制御装置20,CPU21,プログラム記憶部22,音声出力装置23,スピーカ24,入力処理装置25,タッチパネル26,画像処理装置27,液晶表示部(画面モニタ)28,迷路表示情報記憶部29,コイン投入部30およびコイン関連装置31より構成されている。
コイン投入部30はコイン関連装置31に接続され、コイン関連装置31では投入したコインが収容され、その情報が入力処理装置25に送られる。タッチパネル26はタッチペンや指によりゲームに対し操作指示を行うもので、操作指示によって発生した信号は入力処理装置25に送られ入力指示位置に対する入力内容を認識する処理が行われる。入力処理装置25の処理データはCPU21に送出される。
【0012】
音声出力装置23はCPU21からの指令により、BGMなどの音楽信号や音声などの出力処理を行ない、スピーカ24から待ち合わせ時やゲーム中に音楽や音声などを出力させる。
通信制御装置20はCPU21からのデータをゲーム機本体2に送信し、ゲーム機本体2からのデータを受信する。
プログラム記憶部22は、コンソール全体の制御を行うとともにロールプレイングゲームの制御プログラムを格納するROMである。制御プログラムはタッチパネルやコイン関連装置31からの入力,液晶表示部28やスピーカへの出力を処理する入出力処理ステップ,ゲーム機本体との通信を行う通信制御ステップ,ロールプレイングゲームのプログラムや迷路表示情報などを読み込んでゲーム進行を処理するゲーム実行ステップ,各キャラクタが仮想三次元空間内の任意の場所に達し、プレイヤが宝箱設置の操作をしたとき自らが持っているアイテムを入れた宝箱を設置する宝箱設置ステップおよび宝箱設置ステップによって設置された宝箱を他のキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換する操作をしたとき、交換したアイテム内蔵の宝箱に更新するアイテム交換ステップを含んでいる。
【0013】
迷路表示情報記憶部29はRAMにより構成され、宝箱の表示データ(イメージデータ)や各種アイテムの表示データが格納され、さらにキャラクタの表示データや体力ゲージデータの表示データなどが格納されている。また、プレイヤの操作によって設置された宝箱の種類,位置,アイテムの種類やその他の更新データが格納される。プレイヤが宝箱を設置するための操作をした場合、宝箱の種類,位置,アイテムの種類のデータが迷路表示情報記憶部29に格納され、その操作データに基づき宝箱の表示データ,アイテムの表示データが読み出されて画像処理装置27により処理され、迷路中の操作したダンジョンなどに宝箱が表示される。
CPU21はプログラム記憶部22から制御プログラムを読み出すことによりコンソールに対しゲーム全体を管理し実行するゲーム制御手段の他に、各キャラクタが自らが持つアイテムを入れて新たに宝箱を仮想三次元空間内の任意位置に設置した場合、その任意位置にアイテムが入った宝箱を設置する宝箱設置機能部および宝箱設置機能部によって設置された宝箱を他のキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテムが内蔵した宝箱に更新するアイテム交換機能部を有する。さらにゲームに関する情報について送信制御装置20を介してゲーム機本体2と送受信する。
【0014】
つぎに図5,図6を用いてゲーム制御プログラムのゲーム内容について説明する。
この図はロールプレイングゲームにおいて形成される迷路中のダンジョンおよび通路のイメージ図である。
ゲーム内では、この様なダンジョンが構成されており、各ゲーム機コンソールのプレイヤはタッチパネルを操作することにより自らのキャラクタを通路34およびダンジョン35a〜35fを移動させることができ、ダンジョン内の宝箱を探すことかできる。なお、液晶表示部にはこの画面全体は表示されず、プレイヤは迷路の全体像を見ることができず、自らがいるダンジョン付近のみが表示される。
【0015】
一つのダンジョン内を複数のプレイヤで遊戯することができ、この例では2人のプレイヤがプレイを行っており、キャラクタ37および38である。各ダンジョン内には、あらかじめコンピュータが設置した宝箱と、プレイヤが設置した宝箱が存在する。
ダンジョンの構成は、システムの容量が許す限り広く設計することが可能であり、また、2階建て、3階建てなど複数階の構成にしても良い。この場合、各階への移動は、階段等を設置し、それで移動する。
ダンジョンに一度設置した宝箱は、プレイヤ本人がゲームオーバになっても消滅せず、一定期間、ゲーム機本体またはサーバ装置に記録される。
例えば、1週間後にプレイヤが再プレイを行い、自分の設置した宝箱を見に行くと、何人かの他のプレイヤに発見され、アイテムが入れ替わっていることを確認する遊びも可能である。また、この時にアイテム入れ替えのログノートを作成することにより、その入れ替わりの推移を確認することができる。
【0016】
ついで、実際に画面で見えるプレイヤのゲーム画面について説明する。
プレイヤはタッチペンを操作しキャラクタをダンジョンの中を移動させながら宝箱を探していく。宝箱を見つけた場合は、宝箱をダブルクリックなどの操作をすることにより内部のアイテムを獲得する。獲得したアイテムは、迷路表示情報記憶部29内よりそのイメージが読み出され、アイテムボックス46に獲得したアイテム43a〜43cが液晶表示部28に表示される。獲得したアイテムを用いることにより、後述する戦闘を有利に進めることができる。
ダンジョンを移動しモンスターと遭遇した場合には、戦闘を行うこととなる。この時にダメージを負うと、体力が減少し画面右下に表示される体力ゲージ45の体力レベルが下がる。体力ゲーム45が0になるとゲームオーバとなる。
戦闘画面は、リアルタイムでも、ターン方式いずれを用いても良い。ロールプレイングゲームにおける戦闘方法は何通りも存在するが、周知の事実であるため、その説明は省略する。
【0017】
宝箱について説明する。
宝箱は、2種類存在し、コンピュータが設置した宝箱とプレイヤのキャラクタが設置した宝箱がある。宝箱の設置は、例えば任意のダンジョンに達したとき、プレイヤが各種の操作できるダイヤログを開き、その中からは「宝箱の設置」を選択するとともに自らが持っているアイテムの中から内蔵させるアイテムを選択し、決定ボタンを操作することにより行うことができる。この操作により迷路表示情報記憶部29にはそのデータが記憶され、設置した宝箱が画面に表示される。
コンピュータが設置した宝箱からは単純にアイテムを獲得することができる。プレイヤが設置した宝箱ではその内蔵のアイテムと自らが持っているアイテムとの交換になる。宝箱の蓋を開けた場合は、必ず交換しなければならない。アイテムを持っていない状態で開けた場合はゲームオーバとなる。アイテムを交換した情報およびその交換されたアイテムのデータは迷路表示情報記憶部29に格納される。
宝箱を設置するプレイヤは、設置した宝箱に、何かのアイテムを入れる必要があるが、その宝箱を設置したプレイヤだけはアイテムの交換が必要なく、単純に獲得することができる。宝箱を開けるまで、コンピュータが設置した宝箱か、プレイヤが設置した宝箱かの種類は分からず、開けた段階でその区別の表示がなされる。
【0018】
この様に、コンピュータが設置する宝箱だけでなく、プレイヤ全員が宝箱を設置可能にすることにより、仮想三次元空間の様々な場所に種々のアイテムを設置することができ、多くのプレイヤの思考が反映されるゲームシステムを提供できる。
ゲームの種類は、アイテムを集めボスキャラを倒すゲームであってもよいし、単純にアイテムを集めるのみのゲームであっても良い。
【0019】
つぎに本発明によるゲーム制御プログラムの流れを図7および図8により説明する。
なお、以下に説明する各ステップ(S001〜0020)はこのゲームを進行させるための手順のひとつ1つを説明するためのステップであり、ゲーム制御プログラムをプログラム記憶部12,13より読み込み、CPU11,21が実行処理する、入出力処理ステップ,通信制御ステップ,ゲーム実行ステップ,宝箱設置ステップ,アイテム交換ステップなどとは異なる意味で用いるものである。上記プログラム記憶部12,13に記憶されている入出力処理ステップ〜アイテム交換ステップは、各機能を実現するルーチンであり、多数のルーチンの集まりがゲーム制御プログラムを構成する。
【0020】
CPU21はコイン投入があるか否かを入出力処理装置25からの情報により入出力処理ステップで監視しており(ステップ(以下「S」という)001)、コイン投入情報があった場合はキャラクタの体力を100に設定する(S002)。
ついで通信制御ステップでゲーム機本体2の迷路マップ記憶部14から仮想三次元空間のマップを取得しゲーム実行ステップで液晶表示部に迷路マップを表示する。
【0021】
プレイヤはタッチパネルなどの操作部により自らのキャラクタを迷路中で移動させる(S003)。これによりゲームを進行させることができる。そしてキャラクタが迷路中を進行中、プレイヤが宝箱設置の操作をした否かを監視している(S004)。プレイヤが宝箱設置の操作をした場合、つぎにキャラクタがアイテムを持っているか否かを判定する(S005)。多数アイテムを持っていれば、プレイヤが選択するアイテムを内蔵させた宝箱を設置する(S006)。これにより迷路表示情報記憶部29より宝箱表示データおよび選択したアイテム表示データを読み出され上記宝箱が迷路中に表示される。上記宝箱設置の一連の処理S004〜S006は宝箱設置ステップによって実行される。
一方、宝箱設置の操作がされない場合、およびアイテムを所有していなかった場合は、その任意位置に宝箱を設置することはない。
【0022】
つぎにゲーム実行ステップでは敵に遭遇したか否かの監視が行われている(S007)。敵に遭遇した場合は、プレイヤの操作により戦闘を開始する(S015)。プレイヤがタッチパネルを操作して敵に攻撃をかけるか、または敵から攻撃を受けることとなる。戦闘中、キャラクタはダメージを受けたか否かの監視が行われる(S016)。ダメージを受けた場合には現在の体力からダメージ分を減少する演算を行い、その結果が体力ゲージに反映される(S017)。ダメージ有無の判断のつぎは、体力があるか否かを判定する。すなわち体力ゲージが0になったかを判定する(S018)。体力が0になった場合にはゲームオーバとしてゲームを終了する(S019)。自らの体力がある場合、敵についても体力があるか否かの判定を行う(S020)。敵の体力が0になった場合は敵を倒したとして再度、ステップS003に戻り冒険を続行する。敵に体力が残っている場合はS015に戻り戦闘を継続する。
【0023】
S007の判定において、敵に遭遇していない場合は、宝箱を発見したか否かの判定を行う(S008)。宝箱を発見した場合は、プレイヤが宝箱の蓋を開く操作をしたか否かを監視する(S009)。宝箱を開けた場合、つぎにキャラクタが設置した宝箱であるか、コンピュータが設置した宝箱であるかを判定する(S010)。すなわち、所有権が発生する宝箱であるか否かを判定する。所有権が発生する場合、すなわちコンピュータが設置した宝箱である場合は、内蔵のアイテムを獲得し(S011)、S003の冒険続行に移行する。
なお、S008の宝箱を発見していない場合,およびS009の宝箱を開けていない場合も同様にS003の冒険続行に移行する。
【0024】
一方、キャラクタが設置した宝箱である場合は、自らが設置した宝箱か、他のキャラクタが設置した宝箱かを判断する(S012)。自らが設置した宝箱である場合にはアイテムを獲得し(S013)、他のキャラクタが設置した宝箱である場合には、自らが持っているアイテムと内蔵のアイテムとを交換する(S014)。これら操作の後は、S003に移行し冒険を続行する。上記アイテム交換の一連のS008〜S014はアイテム交換ステップによって実行される。
【0025】
図8は、各コンソールとゲーム機本体の通信の手順を説明するための図で、宝箱設置動作時の手順、図9は迷路内情報更新時の手順である。
図8において、宝箱設置のデータをゲーム機コンソールからゲーム機本体に送る場合の通信プロトコルは、先ずゲーム機コンソールからゲーム機本体に対し送信要求信号を送信し、ゲーム機本体は受信準備ができていれば、送信許可信号を送出する。これにより、コンソールで設置された宝箱の種類,設置位置の情報およびアイテム種類の情報がゲーム機本体に送信され、ゲーム機本体では正常に受信を完了すると、ゲーム機コンソールに対し受信完了信号を送信する。図9はゲーム機本体からコンソールに送信する場合で、各信号の送信手順は図8と全く同様である。上記通信は通信制御ステップを読み込み実行するCPU11,21の通信制御手段により行われる。
【0026】
以上の実施の形態は業務用ゲーム機のシステム構成を示したものであるが、各店舗を各家庭に置き換え、パソコンを利用したコンシューマゲーム機をゲーム機コンソールとし、ネットワークを通じてゲーム機本体と通信する構成でも実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
ゲームセンタやイベント会場に設置される、ロールプレイングゲームなどの、アイテムを格納する宝箱からアイテムを獲得するだけでなく、プレイヤ自身もアイテムを入れた宝箱の設置を可能にする業務用などのゲームシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明によるゲームシステムの概略を示す図である。
【図2】店単位で構成されるゲームシステムをさらに大規模ゲームシステムに拡大した例を示す図である。
【図3】ゲーム機本体の回路の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【図4】各コンソール部の回路の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【図5】ダンジョンが各層に配置された仮想三次元空間の一例を説明するための図である。
【図6】宝箱があるダンジョンに移動したプレイヤの操作を説明するための図である。
【図7】本発明によるゲームシステムのゲームの流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】各コンソール部とゲーム機本体の通信の手順を説明するための図で、宝箱設置動作時の手順である。
【図9】各コンソール部とゲーム機本体の通信の手順を説明するための図で、迷路内情報更新時の手順である。
【符号の説明】
【0029】
1 ゲームシステム
2 ゲーム機本体
3,3a〜3e ゲーム機コンソール
4a〜4c 店舗
5 サーバ装置
6 一般公衆回線
10 通信制御装置
11,21 中央処理装置(CPU)
12 迷路内情報記憶部
13,22 プログラム記憶部
14 迷路マップ記憶部
23 音声出力装置
24 スピーカ
25 入力処理装置
26 タッチパネル
27 画像処理装置
28 液晶表示部
29 迷路表示情報記憶部
30 コイン投入部
31 コイン関連装置
35a〜35f,41 ダンジョン
36a〜36d,42 宝箱
37,38,40 プレイヤ
43a〜44c アイテム
45 体力ゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作部および画面モニタを有する複数のゲーム機コンソール(制御卓)からのプレイヤの操作によりそれぞれのキャラクタが移動可能な共通の仮想三次元空間を有し、この仮想三次元空間内に宝箱を留置しておき、いずれかのゲーム機コンソールのプレイヤがキャラクタを移動操作して宝箱を発見した場合、宝箱を開けてその内部のアイテムを入手可能にするゲームを実行させるための制御プログラムであって、
各プレイヤのキャラクタが前記仮想三次元空間内の任意の場所に自らが持っているアイテムを入れて宝箱を設置するための宝箱設置ステップと、
前記宝箱設置ステップによって設置された宝箱を他のプレイヤのキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテム内蔵の宝箱に更新するためのアイテム交換ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記宝箱が設置される場所はダンジョンであることを特徴とする請求項1記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記アイテム交換ステップで宝箱を開けた他のプレイヤのキャラクタがアイテムを持っていない場合、そのキャラクタ対応のゲーム機コンソールのゲームを終了するステップを有することを特徴とする請求項1または2記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記アイテム交換ステップで宝箱を設置したキャラクタがその設置した宝箱を開けた場合、内部のアイテムを獲得するステップを有することを特徴とする請求項1,2または3記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記請求項1から4記載のゲーム制御プログラムの何れかを記録した、コンピュータ読み取り可能なゲーム制御プログラム記録媒体。
【請求項6】
入力操作部および画面モニタを有する複数のゲーム機コンソールと、前記複数のゲーム機コンソールに接続されたゲーム機本体とからなり、前記複数のゲーム機コンソールからのプレイヤの操作によりそれぞれのキャラクタが移動可能な共通の仮想三次元空間を有し、この仮想三次元空間内に宝箱を留置しておき、いずれかのゲーム機コンソールのプレイヤがキャラクタを移動操作して宝箱を発見した場合、宝箱を開けてその内部のアイテムを入手可能にするゲーム制御手段を有するゲームシステムであって、
各プレイヤのキャラクタが前記仮想三次元空間内の任意場所に自らが持っているアイテムを入れて宝箱を設置するための宝箱設置ステップと、前記宝箱設置ステップによって設置された宝箱を他のプレイヤのキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテムを内蔵の宝箱に更新するためのアイテム交換ステップとからなるゲーム制御プログラムをメモリ部に有し、
前記メモリ部より前記宝箱設置ステップを読み出し、各プレイヤのキャラクタが自らが持つアイテムを入れて新たに宝箱を前記仮想三次元空間内の任意位置に設置した場合、その任意位置にアイテムが入った宝箱を設置する宝箱設置手段と、
前記メモリ部より前記アイテム交換ステップを読み出し、前記宝箱設置手段によって設置された宝箱を他のキャラクタが発見し、その宝箱を開けて自らが持っているアイテムと交換した場合、交換したアイテムが内蔵した宝箱に更新するアイテム交換手段と、
を備えたことを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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