ゲーム制御装置、アイテム抽選方法、アイテム抽選プログラム、ゲームシステム
【課題】プレイヤが既に保持しているゲーム上のアイテムと一致するアイテムを新たに取得する可能性を抑制することを可能とするゲーム制御装置、アイテム抽選方法、アイテム抽選プログラム、ゲームシステムを提供すること。
【解決手段】ゲームサーバ20は、通信端末10によるプレイヤIDに対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択する。ゲームサーバ20は、プレイヤIDと、選択したアイテムとを関連付けてデータベースサーバ30に記憶させる。ゲームサーバ20は、プレイヤIDに対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤIDと関連付けてデータベースサーバ30が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、上記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御する。
【解決手段】ゲームサーバ20は、通信端末10によるプレイヤIDに対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択する。ゲームサーバ20は、プレイヤIDと、選択したアイテムとを関連付けてデータベースサーバ30に記憶させる。ゲームサーバ20は、プレイヤIDに対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤIDと関連付けてデータベースサーバ30が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、上記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤによって操作される通信端末から通信を介し、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて実行されるゲームにおけるアイテムの抽選処理の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、あるプレイヤが例えばコンピュータを相手とする対戦により取得したアイテムを、他のプレイヤが保持するアイテムと通信により交換すること等が行われている。このとき、プレイヤが購入するゲームプログラム毎にアイテムの出現確率をランダムに変更させることで、複数のプレイヤが保有するアイテムが同一のものになってしまうことを回避し、アイテム交換の活性化等を図ることを目的とした技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
ところで近年、特定のサービス提供者によるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(Application Programming Interface)などの動作環境を基に作成されるゲーム用アプリケーションによって実行される、いわゆるソーシャルゲーム(Social Game)が普及している。ソーシャルゲームは、不特定多数のプレイヤ間でコミュニケーションをとりながらプレイするオンラインゲームの一種であると言える。しかしながら、ソーシャルゲームでは、従来のオンラインゲームとは異なり、ゲーム用ソフトウエアを搭載した通信機能付きゲーム装置を通してプレイヤ間でゲームを行うものではなく、プレイヤ側でゲーム用ソフトウエアのインストールあるいはダウンロードを行う必要がない。つまり、プレイヤは、ウェブブラウザが搭載された通信端末を備えていれば、ソーシャルゲームを実行できる。そのため、例えばインターネットに接続可能な携帯端末を備えていれば、プレイヤは時間と場所を問わずソーシャルゲームを楽しむことができる。上述したソーシャルゲームでは、従来のオンラインゲームよりも、プレイヤ間の交流を図るためのコミュニケーション機能が充実している点が特徴の1つとなっている。ソーシャルゲームでは、例えば、他のプレイヤ(仲間)との協力プレイのほか、仲間との挨拶や連絡など仲間とコミュニケーションを取ることによる情報交換、仲間との間のゲーム上のアイテムのプレゼントあるいはアイテムの交換が行なわれている。
【0004】
上記ソーシャルゲームでは、ゲーム内で利用可能なアイテムをランダムに入手可能なアイテム抽選機能が設けられている場合がある。このアイテム抽選機能は、慣用的に「ガチャ」と称される場合もある。アイテムの内容はソーシャルゲームの種類にもよるが、例えばデジタルカードゲームの場合にはカードそのもの、あるいはカードの一部である。このアイテム抽選機能には、プレイヤに課金せずにプレイヤがアイテム抽選を実行できる場合(無料抽選)と、プレイヤに対する実質的な課金を条件としてプレイヤがアイテム抽選を実行できる場合(有料抽選)とがある。無料抽選では、アイテムの中で希少価値が高い、いわゆるレアアイテムを取得できる可能性が非常に低くなるように設定されている。一方、有料抽選では、レアアイテムを取得できる確率が相対的に高くなるように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−41561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したソーシャルゲームあるいは従来のオンラインゲームでは、ゲームに応じて用意されている多彩な種類のアイテムを取得したいという要望がプレイヤに存在する。例えば、ソーシャルゲームが野球やサッカーなどの複数のポジションからチームが構成される競技のデジタルカードゲームの場合には、プレイヤには、様々なポジションのプレイヤキャラクタに対応する選手カード(アイテム)を取得したいという要望がある。例えば、野球ゲームのデジタルカードゲームの場合には、4番打者に対応する選手カードだけでなく1番打者に対応する選手カードも入手したいという要望があり、異なる球種を投げる様々なタイプの投手に対応する選手カードを入手したいという要望もある。また、プレイヤにとって、選手カードの入手はコレクションの要素もあり、できるだけ多彩な選手カードを揃えたいという要望もある。
【0007】
ここで、有料抽選によってアイテムの抽選を行った場合に、ランダムにアイテムの選択が行われる構成であると、既にプレイヤが保有しているアイテムと同じアイテムが出現する可能性がある。同じアイテムが出現した場合には、プレイヤは2枚の同じアイテムを保有することとなるが、この新たなアイテムは、プレイヤのチーム編成の変更には何ら寄与せず、また、コレクション上の利益も少ないと考えられる。このような事態が生ずると、プレイヤには、有料抽選を行ったにもかかわらず無料抽選と比較してより多くの利益が得られないこととなり、不満が生ずることになる。このような不満が生ずると、有料抽選を行ってまで新たなアイテムを取得しようという意欲が削がれてしまい、ゲーム全体としての魅力の低下にもつながってしまう。
【0008】
本発明は上述した観点に鑑みてなされたもので、プレイヤが既に保持しているゲーム上のアイテムと一致するアイテムを抽選により新たに取得する可能性を抑制することを可能とするゲーム制御装置、アイテム抽選方法、アイテム抽選プログラム、ゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置であって、以下の手段を備えている。
(1)前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
(2)プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
(3)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0010】
このゲーム制御装置は、特定多数あるいは不特定多数のプレイヤの通信端末の各々と、通信を介してコネクションを確立できる情報処理装置であれば何でもよい。そのようなゲーム制御装置は、例えばネットワーク上に配置された1または複数のサーバ、あるいは大型コンピュータ装置であってよい。また、プレイヤと通信端末は必ずしも1対1で対応する固定的な関係である必要はなく、複数のプレイヤが単一の通信端末を共用する通信端末の使用形態も想定される。したがって、このゲーム制御装置は、ゲームを行うプレイヤを一意に特定可能な情報として、プレイヤID等のプレイヤ識別情報ごとにプレイヤを管理する。
【0011】
なお、ゲーム制御装置は、通信機能を利用しないスタンドアローンの装置(例えば、家庭用ゲーム機)であってもよい。その場合、以下の構成を備えていてもよい。
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0012】
このゲーム制御装置では、例えば、記憶装置において、プレイヤ識別情報に対応するプレイヤが保持するアイテムが記憶させられる。抽選制御手段は、プレイヤ識別情報に対応する抽選に際し、プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、記憶装置を参照して、既にそのプレイヤ識別情報に対応するプレイヤが保持するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が相対的に低くなるようにする。そのため、プレイヤは、既に自分が保有しているアイテムとは別のアイテムを抽選により取得できる可能性が高まる。例えば、野球やサッカーなどの複数のポジションからチームが構成される競技のデジタルカードゲームの場合には、アイテムとして様々なプレイヤキャラクタに対応する選手カードを入手することで、プレイヤはゲームの進行を有利に進めることができるようになりうるため、上記構成が特に好適である。また、既に保有している選手カードと新たに取得する選手カードとが一致し難くなるため(プレイヤ保有している選手カードとだぶる可能性が低くなるため)、プレイヤにとって、自らのコレクションとして多彩な選手カードを増やしていくことが容易となるという利点もある。なお、上記所定条件とはプレイヤの抽選操作に対する対価が満足されることの他、プレイヤが抽選操作を行う時刻が、現実世界またはゲーム内での所定時刻から所定時刻の間であることでもよい(例えば、現実世界での朝8時から8時15分までの間)。また、プレイヤが抽選操作を行う時刻が、ゲーム上のプレイヤの技能レベルが所定レベルに到達した時点から、所定期間(例えば、半日あるいは6時間)の間であることでもよい。
【0013】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(4)前記所定の条件は、プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが所定値であること。
【0014】
上記ゲーム制御装置は、プレイヤ識別情報に対応する所定の条件が、上述したようにプレイヤに対して所定の対価を要求する場合に特に好適である。これは以下の理由による。仮にアイテム抽選が、プレイヤに対価を要求しない場合(例えば無料抽選の場合)には、抽選によって既にプレイヤが保持しているアイテムと同じアイテムが出現したとしても、無料抽選であるためにプレイヤに強い不満が生じないとも考えられる。しかし、抽選に際しプレイヤに対して所定の対価を要求する場合(例えば有料抽選の場合)には、折角有料抽選を行ったにもかかわらず、既にプレイヤが保持しているアイテムと同じアイテムが出現することでプレイヤに強い不満が生ずることが予想される。したがって、プレイヤに対して所定の対価を要求する条件のときに上記抽選制御手段を実行することで、例えば有料抽選による抽選結果に対する不満を抑制させることができる。その結果、プレイヤに対して、例えば有料抽選によってアイテムを取得しようとする意識付けをすることができ、ゲームとしての魅力を維持することができる。
また、所定の条件を上述したようにすることで、所定の条件を満足させるか否かをプレイヤに委ねるように設定することできる。すなわち、プレイヤは、無料抽選にするか有料抽選にするか、また、有料抽選にする場合、抽選操作の時点における支払い可能額、あるいは取得ポイント等を参照しながら柔軟に、確率を制御させるか否かを自ら決定することができるようになるので、ゲームとしての自由度が上がり、遊戯の幅を広げることができる。
【0015】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(5)前記抽選制御手段は、前記抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作においてに前記アイテム抽選手段により選択されたアイテム、と一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるようにすること。
【0016】
(1)〜(3)又は(1)〜(4)の構成を備えたゲーム制御装置では、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤと、既に長時間ゲームを行っているプレイヤとの間で不公平が生ずる可能性がある。つまり、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤは、既に取得済みのアイテムの数が少なく、それゆえアイテムの種類も少ないことから、プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足するかどうかの如何に関わらず、新たな抽選によって得られたアイテムが既に保有しているアイテムと一致する可能性は低いと考えられる。
そのため、(1)〜(3)又は(1)〜(4)の構成を備えたゲーム制御装置のアイテム抽選手段によって得られるアイテムは、プレイヤが既に保有しているアイテムと一致し難くなるという条件を満足させようと構成されていることから、比較的出現確率が高いアイテム(つまり、希少価値の高いいわゆるレアアイテムではない、通常アイテム)が選択される可能性が高い。そもそもレアアイテムの出現確率は低く設定されている場合が多く、かつレアアイテムでない通常アイテムであればプレイヤが既に保有しているアイテムと一致し難くなるという条件が満たされる可能性が高いためである。一方、既に長時間ゲームを行っているプレイヤは、既に多彩な通常アイテムを保持していると考えられることから、プレイヤが既に保有しているアイテムと一致し難くなるという条件を満足させようとすると、出現確率が低いレアアイテムが選択される可能性が高い。したがって、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤと、既に長時間ゲームを行っているプレイヤとで、抽選制御手段における所定の条件が同一であるとすれば、実質的に両者の抽選でレアアイテムが出現する確率が相違し、不公平となりうる。
そこで、抽選制御手段において、上述した確率を制御する対象とするアイテムを、プレイヤが保有するアイテムのうち、新たな抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作において取得した(つまり、選択された)アイテムに限定することが好ましい。これにより、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤと、既に長時間ゲームを行っているプレイヤとの間で、レアアイテムが出現する確率に差が生じ難くなるため、プレイヤ間の公平さを確保することができる。
【0017】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(6)前記抽選制御手段は、プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが大きいほど、前記所定期間を長く、あるいは前記所定回数を多くすること。
【0018】
このゲーム制御装置では、前記所定期間を対価の額が大きいほど長く、あるいは前記所定回数を多くする。これにより、プレイヤは実質的に、新たな抽選によって得られるアイテムが既に保有しているアイテムと一致しない確率を自ら調整することが可能となる。つまり、保有しないアイテムを獲得できる可能性を高くすることができる。これにより、ゲームの遊戯性を柔軟に設定することが可能となる。
【0019】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(7)前記アイテム抽選手段では、前記複数のアイテムのうち特定の第1のアイテムが選択される確率が、前記第1のアイテム以外の第2のアイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記複数のアイテムの各々が選択される確率が予め設定されていること。
(8)前記抽選制御手段は、プレイヤ識別情報に対応する前記所定の条件を満足し、かつ当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶手段が記憶するアイテムとして第1のアイテムが含まれている場合には、当該第1のアイテムが選択される確率を、当該第1のアイテムに対して予め設定された確率よりも低くしないこと。
【0020】
このゲーム制御装置では、例えば、第2のアイテムは比較的出現しやすい(つまり、選択されやすい)通常アイテムであり、第1のアイテムは出現し難い(つまり、選択され難い)レアアイテムであってよい。このとき、抽選制御手段では、プレイヤが既に第1のアイテム(レアアイテム)を保有している場合には、新たな抽選によって同一のレアアイテムが出現する確率を低くしないようにする。理由は、同一のレアアイテムを2以上保有する場合であっても、プレイヤは複数枚を保有する同一のレアアイテムについて、他のプレイヤにプレゼントする、他のプレイヤが保持するアイテムと交換する、あるいは他のプレイヤに売却する等の様々な形態の処分方法を採ることができるため、レアアイテムを2以上保有することは必ずしもプレイヤにとって不利益とはならない場合があり得るためである。言い換えれば、レアアイテムについては同一のものを2以上保有しても構わない、あるいは2以上保有することを望むプレイヤを考慮した構成とすることができる。
【0021】
本発明の第2の観点は、プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置、におけるアイテム抽選方法であって、以下の各ステップを備える。
(9)プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップ。
(10)前記通信端末による特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップ。
(11)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップ。
【0022】
アイテム抽選方法は、以下の構成を含むものであってもよい。
プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップ。
特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップ。
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップ。
【0023】
本発明の第3の観点は、プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介し、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報単位で実行されるゲームにおけるアイテムの抽選のために、コンピュータを、以下の手段として機能させるためのプログラムである。
(12)前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
(13)プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
(14)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0024】
コンピュータは、例えばネットワークサーバ、大型計算機等である。また、このゲームプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0025】
本発明の第4の観点は、プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置と、を含むゲームシステムである。
ここで、通信装置は以下の構成を備える。
(15)プレイヤ識別情報に対応した抽選操作の入力を受け入れる操作入力部。
(16)抽選操作の入力があったことを示す第1の信号を前記ゲーム制御装置宛に送信し、抽選結果を含む第2の信号をゲーム制御装置から受信する信号送受信部。
一方、ゲーム制御装置は、以下の構成を備える。
(17)前記第1の信号を受信すると、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
(18)プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
(19)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0026】
ゲームシステムは、プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成されるゲーム制御装置と、を含むものであって、以下の構成を前記通信端末又は前記ゲーム制御装置のいずれか一方が備えていてもよい。
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【発明の効果】
【0027】
本発明のゲーム制御装置、アイテム抽選方法、アイテム抽選プログラム、ゲームシステムによれば、プレイヤが既に保持しているゲーム上のアイテムと一致するアイテムを抽選により新たに取得する可能性を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態のゲームシステムの基本構成を示す図。
【図2】実施形態の通信端末の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態のゲームサーバの構成を示すブロック図。
【図4】実施形態のデータベースサーバの構成を示すブロック図。
【図5】データベースサーバに含まれるプレイヤデータベースの構成例を示す図。
【図6】実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図7】トップページを表示する通信端末の表示画面の一例を示す図。
【図8】プレイヤが抽選機能を実行するときの通信端末の表示画面の一例を示す図。
【図9A】抽選機能の実行によって選手カードを引くときの通信端末の表示画面(抽選の演出画面)の一例を示す図。
【図9B】抽選機能の実行によって選手カードを引くときの通信端末の表示画面(抽選の演出画面)の一例を示す図。
【図9C】抽選機能の実行によって選手カードを引くときの通信端末の表示画面(抽選の演出画面)の一例を示す図。
【図10】抽選における選手カードの出現確率のデータ(出現確率の変更前)の一例を示す図。
【図11】抽選における選手カードの出現確率のデータ(出現確率の変更後)の一例を示す図。
【図12】実施形態のゲームサーバの主要な処理の一例を示すフローチャート。
【図13】プレイヤが抽選機能を実行するときの通信端末の表示画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(1)ゲームシステムの構成
図1は、実施形態のゲームシステムのシステム構成例を示している。図1に示すように、このゲームシステムは、例えばインターネットなどの通信網NWに接続可能な通信端末10a,10b,10c,…と、通信網NWに接続されているゲームサーバ20と、データベースサーバ30とによって構成されている。各通信端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のプレイヤによって操作される端末であり、例えば、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータなどの通信端末である。なお、以下の説明において、各通信端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、通信端末10と表記する。このゲームシステムでは、ゲーム用アプリケーションとしてウェブブラウザ上で動作可能なアプリケーションがゲームサーバ20に実装されている。
通信端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるウェブページを表示可能なウェブブラウザを備えており、プレイヤは、通信端末10をウェブページ上で操作してゲームを実行する。データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と例えば有線で接続される。
【0030】
また、図1には図示していないが、ゲームサーバ20とは別に各通信端末10のプレイヤを認証するための認証サーバを設けてもよい。また、多くの通信端末10からのアクセスを受け入れるために複数のゲームサーバ20を設ける場合は、その複数のゲームサーバ20間の負荷を調整するためのロードバランサを設けてもよい。また、ゲームサーバ20は単一のサーバ装置として構成してもよいが、機能を分散させた複数のサーバ装置として構成してもよい。
データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と例えば有線で接続される。
【0031】
(2)通信端末の構成
図2を参照して通信端末10の構成について説明する。
図2に示すように、通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、操作入力部15、表示部16、及び、信号送受信部としての無線通信インタフェース部17を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス18が設けられている。
【0032】
CPU11は、ROM12内のウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、操作入力部15等によってプレイヤに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の適切な指定に基づき、無線通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を無線通信インタフェース部17を介して取得し、そのHTMLデータを解釈する。なお、通信端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてよい。
なお、HTMLデータの取得に当たって、CPU11は、予め登録されたプレイヤID(プレイヤ識別情報)、あるいは操作入力部15を介して入力されるプレイヤIDを含むアクセス要求メッセージを、無線通信インタフェース部17を介してゲームサーバ20へ通知する。
【0033】
ウェブブラウザは、画像処理部14を介して、取得したHTMLデータに基づき、ゲームサーバ20から提供されるウェブページを表示部16に表示する。また、ウェブブラウザは、プレイヤが操作入力部15の操作によってウェブページ上のハイパーリンク(Hyperlink)またはメニューが選択されると、その選択に応じたウェブページを表示するための新たなHTMLデータの送信をゲームサーバ20へ要求する。
【0034】
画像処理部14は、HTMLデータの解析結果としてCPU11から与えられる表示用画像データに基づいて、表示部16にウェブページを表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用画像データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示する。
【0035】
操作入力部15は、プレイヤの操作入力を受け入れるための複数の釦と、各釦の押下入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含みうるが、図2では、方向指示釦と決定釦とを例示している。例えば、方向指示釦は、表示部16に表示されているウェブページをスクロールして表示することをCPU11へ指示するために設けられる。また、決定釦は、例えばウェブページ上で複数のハイパーリンクまたはメニューが表示されるときに、アクティブ表示(例えば強調表示)されている1つのハイパーリンクまたはメニューをプレイヤが選択することをCPU11へ指示するために設けられる。なお、通信端末10を小型の携帯端末によって構成する場合には、これらの釦は、プレイヤが通信端末10を片手で保持したままその親指で操作(クリック)しやすいように、通信端末10の前面に配置されていることが好ましい。
【0036】
(3)ゲームサーバの構成
図3を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
ゲームサーバ20は、例えば階層構造の複数のウェブページからなるゲームのウェブサイトを管理しており、通信端末10に対してゲームのウェブサービスを提供する。図3に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、データベース(DB)アクセス部24、及び、無線通信インタフェース部25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のウェブサーバと同一の構成をとることができる。
【0037】
ROM22には、クライアントである通信端末10のウェブブラウザに対してHTML文書や画像などのオブジェクトの表示(ウェブページの表示)のサービスを提供するアプリケーションプログラムが格納されている。ROM22には、アプリケーションプログラム以外にもCPU21によって参照される各種データが格納されている。
CPU21は、ROM22内のゲームプログラムをRAM23にロードして実行し、無線通信インタフェース部25を介して、各種の処理を行う。
【0038】
例えば、CPU21は、無線通信インタフェース部25を介して、HTMLデータを通信端末10宛に送信する。なお、ゲームサーバ20が通信端末10のプレイヤの認証処理を行う場合には、CPU21はその認証処理を行う。
CPU21は、通信インタフェース部を介して、通信端末10で表示されるウェブページ上でプレイヤにより選択されたハイパーリンクまたはメニューに応じた処理を行う。その処理は、例えば、新たなHTMLデータの送信、または、ゲームサーバ20内の演算処理あるいはデータ処理などを含む。
データベースアクセス部24は、CPU21がデータベースサーバ30に対してデータの読み書きを行うときのインタフェースである。
【0039】
(3−1)ゲームサーバによって実現されるゲームの例
本実施形態のゲームサーバ20によって実現されるゲームのタイプは特に限定されるものではないが、以下では、実施形態の説明の便宜上、ゲームサーバ20によって実現されるゲームの一例としてデジタルカードゲームを採り上げる。
例えばサッカー形式のデジタルカードゲームは、プレイヤがサッカー選手(後述するプレイヤキャラクタ)に対応する選手カードを収集することによって自らのチームを作り上げ、他のプレイヤのチームと単独でサッカーの対戦する、あるいは技能レベルごとのサッカーのリーグ戦を戦うように構成されているゲームである。サッカー形式のデジタルカードゲームには、自らのチームを作り上げていくために選手カードを探索するスカウト機能や、抽選によって選手カードを入手することを可能とする抽選機能、あるいは2枚の選手カードを合成していずれかの選手カードをレベルアップさせる強化機能等が設けられている。
【0040】
抽選機能は、好ましくは、選手カードを抽選箱の中から1枚を取り出す(引く)ような演出を経て実行される。抽選によって出現する選手カードは基本的にランダムであるが、技術能力の際立った選手や人気のある選手の選手カード(いわゆるレアカード)が抽選で出現する確率は非常に低く設定されている。抽選機能には、後述するように、所定量のエールポイントと引き換えに選手カードを引く「エールポイントによる抽選」と、実質的にプレイヤに課金することによってプレイヤにより有利な抽選を行う「コインによる抽選」とがある。
【0041】
プレイヤがゲーム上で保持するものとしてサッカー形式のデジタルカードゲームに用意されているアイテムには、選手カードのほか、パズルカードが含まれる。パズルカードのピースは上記スカウト機能によって入手可能であり、所定数(例えば6枚)の異なる図柄のピースから構成されている。パズルカードを構成するすべての図柄のピースを手に入れることで、プレイヤは1枚の強力な選手カードと交換することが可能となる。
このサッカー形式のデジタルカードゲームにおいて、パズルカードのピースを相手から獲ることを目的としたプレイヤ間の対戦モードが用意されている。この対戦モードでは、あるプレイヤは、欲しい図柄のピースを得る目的で他のプレイヤとの対戦を実行することができ、相手に勝利すれば欲しい図柄のピースを相手から奪うことができる。
【0042】
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、プレイヤによるゲーム上の活動によって逐次消費(つまり、低下)させられるコストである運営コストが設定されており、この運営コストが少なくなると、そのプレイヤのゲーム上の活動が制限されるようになっている。この運営コストは所定時間の間に所定コストだけ回復するようになっているため、プレイヤは、運営コストが少なくなった場合にはゲームを実行せずに待機することになる。
【0043】
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、プレイヤ間の対戦結果はゲームサーバ20によって決定されて即座に通信端末10上に表示され、プレイヤ側での通信端末に対する複雑な釦操作は不要であるため、ソーシャルゲームとして好適である。
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、後述するように、プレイヤは自らの仲間を登録することができるようになっている。仲間は何人でも登録することができる。仲間のプレイヤ間では、メッセージの交換、ゲーム上のアイテムのプレゼントあるいはアイテムの交換、相手のプレイヤにエールを送る(応援する)等、ネットワーク上の交流を図ることを可能とするネットワークサービスが提供される。プレイヤは、仲間のプレイヤにエールを送ることで一定量のエールポイントを得ることができ、所定量のエールポイントと引き換えに選手カードを引く「エールポイントによる抽選」を、無料抽選として行うことができるように構成されている。
【0044】
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、実質的にプレイヤに課金することによって実現する機能(以下、「有料機能」という。)が設けられている。そのような機能の一例は、例えば「コインによる抽選」である。ここで「コイン」は、例えばクレジットカードによる支払い等の方法で、このデジタルカードゲームをネットワーク上で提供するサービス提供者に対して予め金銭を支払うことで入手できる、ゲーム上で利用可能な仮想通貨である。「コインによる抽選」は、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と比較して、レアカードが抽選で出現する確率を高くなる、あるいは、後述するように、既にプレイヤが保持している選手カードと同じ選手カードを抽選で引く確率が低くなる等の利点がある。
【0045】
(4)データベースサーバの構成
データベースサーバ30は、大容量のハードディスク装置やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の形態の装置等、汎用ストレージで実現できる。データベースサーバ30内の各データベースは、ゲームサーバ20のデータベースアクセス部24を介してCPU21からのデータの読み書きが可能となるように構成されている。
図4に、データベースサーバ30の構成の一例を示す。図4に示すように、データベースサーバ30は、プレイヤデータベース31と、ゲーム結果データベース32とを備える。
【0046】
図5に、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームにおいて適用されるプレイヤデータベース31の一例を示す。この例では、プレイヤデータベース31は、プレイヤID(プレイヤ識別情報)ごとに、表示名/表示画像、技能レベル、運営コスト、エールポイント、所持コイン、仲間、保有アイテム、及びキャラクタデータの各項目についての情報を含む。プレイヤデータベース31に含まれる情報は、ゲームサーバ20によって逐次更新されうる。
【0047】
以下の説明では、プレイヤデータベース31に含まれるプレイヤID、あるいはプレイヤを特定する表示名(後述する)ごとのデータを総称して「プレイヤデータ」という。プレイヤデータを構成する各項目のデータは、以下のとおりである。
「表示名/表示画像」は、ゲームの実行時に通信端末10にプレイヤを特定するために表示される表示名及び表示画像である。表示名はプレイヤによって予め指定される所定長以下のテキストであり、表示画像は例えばプレイヤによって予め選択されるアバタ画像である。表示名は、ゲームサーバ20によって提供されるネットワーク環境(あるいはゲームコミュニティ)上でプレイヤを特定する名称である。
「技能レベル」は、ゲーム上のプレイヤの技能レベルを意味し、例えばLv1(レベル1)からLv10(レベル10)までの範囲のレベル値である。
「運営コスト」は、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームにおいて、プレイヤIDに対応するプレイヤによるゲーム上の活動を行う上で必要となるコストである。運営コストは、他のプレイヤとの対戦等のゲーム上の活動によって低減し、時間が経過すると回復(増加)する値である。「運営コスト」の単位はP(ポイント)である。
「エールポイント」は、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームのエール機能に基づいてプレイヤが取得したポイントである。
「所持コイン」は、プレイヤIDに対応するプレイヤがゲーム上で有料機能を利用するときに必要となるゲーム上の仮想通貨(コイン)の所持額である。所持コインは、プレイヤがゲーム上で有料機能を利用したときに消費(低減)し、プレイヤが、サービス提供者等に所定の方法で実際の金銭を支払うことでその支払額に応じて増加する。
「仲間」は、対象とするプレイヤIDの仲間である他のプレイヤIDのデータである。
「保有アイテム」は、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームの場合には、対象となるプレイヤIDに対応するプレイヤが保持する選手カードとパズルカードのピースについての画像を含むデータである。
【0048】
「キャラクタデータ」は、ゲームについてのプレイヤキャラクタの情報を含む。プレイヤキャラクタは、ゲームの性質によって多様な情報を含みうるが、サッカー形式のデジタルカードゲームの場合を例に挙げれば、選手カードに1対1で対応するゲーム上の選手を意味する。プレイヤキャラクタの情報は、プレイヤキャラクタ(選手)の能力値(能力パラメータ)が項目ごとに記述された情報である。例えば、図5に示すように、項目として「走力」,「キック力」,「守備力」等の各々の各能力値が含まれてもよい。なお、プレイヤがプレイヤIDを取得した時点では、キャラクタデータは所定のデフォルトのデータを含むものとなっている。
【0049】
図4に戻り、ゲーム結果データベース32は、ゲームサーバ20からのアクセスに基づき、ゲームサーバ20によって実行されたゲーム結果に関する情報を記憶、更新する。ゲーム結果に関する情報は、ゲームの性質によって多様な情報を含みうる。サッカー形式のデジタルカードゲームの場合を例に挙げれば、ゲーム結果に関する情報は、異なるプレイヤID同士の対戦の結果(スコア等)、特定の技能レベルの複数のプレイヤIDの間のリーグ戦の結果(スコア、ランキング等)などを含む。
【0050】
(5)ゲーム制御装置における各機能の概要
本実施形態では、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によってゲーム制御装置が構成されている。以下では、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームが適用される場合を例として、本実施形態のゲーム制御装置で実現される機能について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。なお、図6の機能ブロック図において、登録手段51、対戦実行手段53、及びプレイヤデータ管理手段54の技能レベル管理手段542については本発明に必須の構成ではないが、本発明を実施する上で好ましい構成である。
【0051】
登録手段51は、例えば通信端末10に提供するウェブページ上での通信端末10への適切な操作入力に基づいてプレイヤの要求を認識し、登録処理を行う機能を備える。この場合の登録手段51の機能は、例えば以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10から登録要求メッセージを受信する。登録要求メッセージは、ゲームサーバ20から提供されるウェブページ上での通信端末10に対する所定の操作(例えば、所定のメニューの選択操作、テキスト入力等)によって自動的に生成されるように、ウェブページが構成されていてもよい。登録要求メッセージには、送信元の通信端末10を特定するための情報(例えばIPアドレス、メールアドレス等)が含まれていてもよく、あるいは、プレイヤが既に同一のサービス提供者による他のゲームを利用している場合には、そのプレイヤIDが含まれていてもよい。
CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにプレイヤIDが含まれていない場合には、プレイヤIDを新規に発行してそのプレイヤIDの登録処理を行った後、登録処理が完了した旨のメッセージを通信端末10へ送信する。CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにプレイヤIDが含まれている場合には、そのプレイヤIDの登録処理を行った後、登録処理が完了したことを示す登録完了メッセージを通信端末10へ送信する。
登録が完了すると、CPU21は、所定のデフォルトのデータ(登録時点では、仲間や保有アイテムはなく、キャラクタデータとして所定の初期値が記述されている。)が記述された新規のプレイヤIDについてのプレイヤデータを、プレイヤデータベース31に格納する。
【0052】
登録手段51はまた、プレイヤIDに基づく申請を契機として当該プレイヤIDを他のプレイヤIDと関係付けて登録する機能を備えてもよい。すなわち、登録手段51は、プレイヤIDに基づく申請を契機として、他のプレイヤIDを「仲間」として登録する。なお、以下の説明では、プレイヤIDが仲間の関係にあることと、対応するプレイヤが仲間の関係にあることとは、同義である。
この場合の登録手段51の機能は例えば、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、無線通信インタフェース部25を介して、あるプレイヤIDに対応するプレイヤの通信端末10から、仲間になりたいプレイヤID(あるいは、対応する表示名)を指定した申請メッセージ(申請)を受け付ける。この申請メッセージの送信は、プレイヤの通信端末10に提供されるウェブページの機能として予め設定されている。CPU21は、申請メッセージを受け付けると、申請メッセージに含まれるプレイヤIDに基づくアクセスがあったタイミングで、そのプレイヤIDに対応する通信端末10宛に、他のプレイヤIDに基づく申請を承認するか否かを返信することを要求するためのウェブページを表示させるHTMLデータを送信する。その申請を承認することが返信されれば、CPU21は、両者を仲間として登録する。具体的には、CPU21は、プレイヤデータベース31内の対応する2つのプレイヤIDのプレイヤデータの「仲間」の箇所(図5参照)にデータを書き込む。
【0053】
ゲーム進行手段52は、プレイヤによる通信端末10に対する操作に応じた通信端末10におけるウェブページを通して、プレイヤの通信端末10で表示されるゲームを進行させる機能を備える。
ゲーム進行手段52の機能は、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはメニューの選択に応じたウェブページを表示するためのHTMLデータを、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。CPU21は、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはメニューの選択に応じて新たなHTMLデータを逐次送信し、これにより、通信端末10で表示されるウェブページが逐次切り替わることで、プレイヤがゲームの進行を認識する。
また、ゲーム進行手段51では、ゲームサーバ20のCPU21が、ゲームの開始に先立って、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10からアクセス要求メッセージを受けると、所定の認証処理の後、その通信端末10からアクセス要求メッセージに含まれるプレイヤIDを認識する。そして、CPU21は、各通信端末10に表示されるゲームの進行を、プレイヤID単位で管理する。
【0054】
図7は、ゲーム進行手段52によって実行されるプレイヤの通信端末10上の表示の一例であって、サッカー形式のデジタルカードゲームにおけるトップページを示す。トップページは、個々のプレイヤIDに応じたウェブページで構成される。図7に例示されるトップページは、プレイヤデータ表示領域、選手画像表示領域及び基本メニュー表示領域を含む。プレイヤデータ表示領域は、対象となるプレイヤIDのプレイヤデータに含まれる、技能レベル、運営コスト、エールポイント、選手カード、仲間の各項目のデータ(図5参照)がCPU21によって読み出された結果として表示される領域である。選手画像表示領域は、対象となるプレイヤIDのプレイヤデータに含まれる所定位置の選手カード(例えば、エースストライカーに相当するプレイヤキャラクタの選手カード、あるいはプレイヤデータ内で最初に順序付けられたプレイヤキャラクタに対応する選手カード)の画像データがCPU21によって読み出された結果として表示される領域である。基本メニュー表示領域は、サッカー形式のデジタルカードゲームに設けられる複数の機能(スカウト機能、ポジション機能、強化機能、抽選機能、対戦機能)に対応した基本メニューとして、「スカウト」、「ポジション」、「強化」、「抽選」、「試合」の各メニューが配置される領域である。ゲーム進行手段52では、CPU21が、プレイヤによる通信端末10に対する基本メニューの選択操作を受信し、選択されたメニューに応じた新たなウェブページを表示するためのHTMLデータを、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。新たなウェブページには、選択された基本メニューに対応する機能についてさらに具体的なゲーム実行内容の指示を行うためのメニューが用意される。
【0055】
なお、通信端末10におけるメニューの選択操作は、例えば、操作入力部15の方向指示釦を操作して所望のメニューを選択した後に決定釦を押下する(つまり、クリックする)操作であってよい。操作入力部15が選択操作の入力を受け入れると、通信端末10の無線通信インタフェース部17は、メニューの選択結果を含む信号(メッセージ)をゲームサーバ20宛に送信する。
【0056】
ゲーム進行手段52において行われるゲームの進行のための処理は、ゲームの性質によって任意に設定されうるものであるが、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームの場合には、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはメニューの選択に応じた複数の機能(スカウト機能、ポジション機能、強化機能、抽選機能、対戦機能)の少なくともいずれかを実行する処理が含まれる。なお、対戦機能については、後述する対戦実行手段53によって実質的に行われる。スカウト機能、強化機能、抽選機能については既に説明したとおりであり、以下の説明では各機能について言及しない。ポジション機能は、プレイヤの指示の下、プレイヤキャラクタのポジションの入れ替え、控えのプレイヤキャラクタとの交替等を実行する機能である。
【0057】
図6に示すように、ゲーム進行手段52は、アイテム抽選手段521と抽選制御手段522を含む。アイテム抽選手段521と抽選制御手段522は、「抽選」のメニューが選択された(つまり、抽選操作が行われた)ときに協働して実行されうる。
【0058】
アイテム抽選手段521は、通信端末10によるプレイヤIDに対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数の選手カード(アイテム)の中からいずれかの選手カードを選択する機能を備える。選手カードの選択方法は、様々な方法を採りうる。例えば、抽選対象となる複数の選手カードから抽選の都度、ランダムに1つの選手カードを選択する方法を採ることができる。この方法では実質的に、各選手カードが選択される確率(出現確率)は同一である。また、抽選対象となる複数の選手カードの各々についてそれぞれ出現確率、あるいは出現確率の範囲を予め決めておき、その出現確率に従って1つの選手カードを選択する方法を採ることができる。この方法では、抽選対象となる複数の選手カードのうち出現しやすい選手カードと出現し難い選手カードを予め決定することができるため、ゲーム上でレアカードを設定するのに有効な方法である。
【0059】
アイテム抽選手段521の機能は、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、通信端末10から、特定のプレイヤIDに関連付けられた抽選操作の入力があったことを示す第1の信号を受信することで、そのプレイヤIDに対応した抽選操作が行われたことを認識する。そしてCPU21は、予め決められた抽選対象となる複数の選手カードの中から1つの選手カードを選択する処理を行う。このとき、抽選対象となる複数の選手カードの各々についてそれぞれ出現確率、あるいは出現確率の範囲を予め決めておく場合には、選手カードごとの出現確率のデータをROM22に記憶させておく。そしてCPU21は、ROM22から読み出した出現確率のデータに基づいて選手カードの選択処理を実行する。
【0060】
アイテム抽選手段521はさらに、プレイヤの抽選操作を案内するための表示、および/または、プレイヤに対して抽選結果を通知するための表示を、プレイヤの通信端末10に実行させる機能を備える。この機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、上記表示を行うためのHTMLデータ(第2の信号)を、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。通信端末10は、このHTMLデータを無線通信インタフェース部17を介して受信する。
【0061】
図8は、プレイヤの抽選操作を案内するための表示の一例である。図8の表示例は、図7の表示例においてプレイヤが「抽選」のメニューの選択操作を行った後の表示例を示している。ここでは、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と、実質的に有料抽選となる「コインによる抽選」の2つの抽選のメニューがプレイヤに提示される。実質的に有料抽選となる「コインによる抽選」では、「エールポイントによる抽選」と比較して、プレイヤが既に保持している選手カードと同じ選手カードが出現しにくくなるという利点がプレイヤにテキストで提示されている。
【0062】
図9A〜図9Cは、プレイヤに対して抽選結果を通知するための表示の一例である。図9A〜図9Cの表示例は、図8の表示例においてプレイヤが、例えば「エールポイントによる抽選」について「抽選する」というメニューを選択した場合に、プレイヤに提示される表示例を順に示したものである。図9A〜図9Cの表示例は、抽選の結果としてプレイヤが引いた選手カードが封筒の中から飛び出てくるような演出がなされる一例である。プレイヤが、「エールポイントによる抽選」について「抽選する」というメニューを選択したことを認識すると、CPU21は極めて短時間で抽選を実行して抽選結果を通信端末10へ通知する。しかし、プレイヤが「抽選する」というメニューを選択した後に直ちに抽選結果を表示することはゲームの興趣性に乏しいため、図9A〜図9Cに示す演出表示を行うことが好ましい。具体的には、図9Aでは、プレイヤが箱から引いてきた、1枚の選手カードを含む封筒の表示がなされる。図9Bでは、図9Aに示す封筒の封が切られて封筒の中から選手カード(抽選によって選択された選手カード)が上方に出現する状態の表示がなされる。図9Cでは、封筒の中から出現した選手カードの全体を表示するとともに、例えば「ABC選手のカードをゲット!」といったテキストも表示する。このような演出表示を行うことで、自ら選手カードを箱の中から引いてきたというようなプレイヤの擬似体験を、通信端末10の表示画面を通して実現することができる。
【0063】
抽選制御手段522は、プレイヤIDに対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤIDと関連付けてプレイヤデータベース31が記憶する選手カード(つまり、既にプレイヤが保持している選手カード)と一致する選手カードが選択される確率が、所定の条件を満足しない場合に当該選手カードが選択される確率よりも低くなるように、アイテム抽選手段521を制御する機能を備える。ここで、「プレイヤIDに対応する所定の条件」は任意に設定してよいが、プレイヤIDに基づく抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが所定値である、という条件が好ましい。
【0064】
図8に示した例では、有料抽選に相当する「コインによる抽選」について「抽選する」というメニューが選択されることで、抽選制御手段522の機能が実行される。この場合、
「プレイヤIDに対応する所定の条件」は、プレイヤが支払うコインが300コイン(所定値)であるという条件に相当するが、コインの額の所定値は任意に設定可能であることは言うまでもない。また、ここでは、コインというゲーム上で利用可能な仮想通貨の所定量の支払いを条件としているが、所定の手続きを経ることによって直接的に、実際の金銭を所定量支払うことを条件としてもよい。また、エールポイントを所定量消費することを条件としてもよいが、この場合に消費されるエールポイントの量は、「エールポイントによる抽選」で設定される量(図8の例では、200P)よりも相当大きくすることが好ましい(例えば500P)。
なお、図8において、無料抽選に相当する「エールポイントによる抽選」は、プレイヤがコインを支払わずに抽選できるため、「プレイヤIDに対応する所定の条件」を満足しない抽選の一例である。
【0065】
抽選制御手段522の機能は、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、「コインによる抽選」について「抽選する」というメニューが選択されたことを認識すると、ROM22から、抽選対象となる複数の選手カードの各々についてそれぞれ出現確率、あるいは出現確率の範囲を示すデータ(出現確率のデータ)を読み出す。さらにCPU21は、プレイヤデータベース31にアクセスして、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが既に保持している選手カードを読み出す。次にCPU21は、ROM22から読み出した出現確率のデータを、プレイヤが保持している選手カードと一致する選手カードが選択される確率が、「エールポイントによる抽選」の場合に当該選手カードが選択される確率よりも低くなるように、変更する。この場合、前述したアイテム抽選手段521は、抽選制御手段522によって変更された出現確率のデータに基づいて抽選処理(選手カードの選択処理)を実行する。
【0066】
以下、出現確率のデータの変更例を、図10及び図11を参照して具体的に説明する。
図10及び図11は共に、抽選における選手カードの出現確率のデータの一例を示しており、図10は出現確率の変更前のデータを、図11は出現確率の変更後のデータをそれぞれ示す。例えば、図10は「エールポイントによる抽選」で参照される出現確率のデータであり、図11は「コインによる抽選」で参照される出現確率のデータである。なお、この例は、図5に例示したように、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが「PL001」の選手カードを既に保有している場合の変更例である。
【0067】
図10に示すように、「PL001」,「PL002」,「PL004」の選手カードは通常カード(通常アイテム)であり、出現確率の範囲(0.2〜0.3)は比較的高く設定されている。一方、「PL003」の選手カードはレアカードであり、出現確率の範囲(0.01〜0.05)は低く設定されている。なお、抽選の処理を行う都度、各選手カードの出現確率は、設定されている出現確率の範囲内でランダムに決定されてよい。ここで、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが「PL001」の選手カードを既に保有しているため、図11に示す変更後の出現確率のデータでは、「PL001」の選手カードの出現確率が低下させられる(0.2〜0.3→0.05〜0.1)。これによって、プレイヤが既に保有している「PL001」の選手カードは、抽選によって出現しにくくなる。なお、図11に示すように、「PL001」の選手カードの出現確率の低下に応じて、プレイヤが保有していない他の通常カードの出現確率が相対的に増加させられてもよい(0.2〜0.3→0.25〜0.35)。
【0068】
対戦実行手段53は、プレイヤIDに対応するプレイヤ間の対戦を、敗北したプレイヤが保持するアイテムが勝利したプレイヤに移されるようにして実行する機能を備える。なお、以下の説明では、「プレイヤ間の対戦」と、プレイヤが保持する選手カードに対応するプレイヤキャラクタ間での対戦を意味する「プレイヤキャラクタ間の対戦」とは同義である。
【0069】
対戦実行手段53の機能は例えば、以下のとおり実現される。あるプレイヤIDに対応するプレイヤの通信端末10のトップページ上で「試合」のメニューの選択操作がなされ、その選択結果を受信すると、ゲームサーバ20のCPU21は、そのプレイヤIDの対戦相手を、プレイヤデータベース31に含まれる他のプレイヤIDの中からランダムに決定する。このとき、対戦するプレイヤID同士の技能レベルが同一であることが好ましい。
対戦相手が決定すると、CPU21は通信端末10宛に、対戦相手を通知するウェブページを表示するためのHTMLデータを送信する。対戦の実行に当たって、CPU21は、データベースアクセス部24を介してデータベースサーバ30のプレイヤデータベース31にアクセスし、対戦相手となる2つのプレイヤIDに対応付けられたキャラクタデータを読み出す。そして、CPU21は、読み出したキャラクタデータに基づいて、プレイヤキャラクタ間の対戦を実行する。
【0070】
対戦の勝敗の決定方法は、プレイヤキャラクタの能力値がその勝敗に影響を与える方法である限り如何なる方法を採ることができる。例えば、対戦相手となる2つのプレイヤIDに対応付けられたプレイヤキャラクタの能力値を比較し、より大きな能力値のプレイヤキャラクタが、高い確率(例えば、60〜90%の範囲内の所定の確率)をもって勝利するように設定してよい。この勝率は、能力値の差が大きいほど高い確率としてもよい。このとき、図5に示したように、能力値の項目が複数存在する場合には、所定の重み付け(例えば、図5の例では、「走力」を0.3、「キック力」を0.3、「守備力」を0.4の重み付けにする等)をもって総合的な能力値を算出し、この総合的な能力値を比較対象とすることができる。
【0071】
CPU21は、対戦相手となる2つのプレイヤIDに対応付けられたプレイヤキャラクタの対戦の対戦結果を決定すると、その対戦結果を含むウェブページを表示させるためのHTMLデータを、対戦相手の2つのプレイヤIDのプレイヤの通信端末10宛に送信する。そして、通信端末10は、ゲームサーバ20から受信したHTMLデータを解釈して対戦結果を含む画像を表示部16に表示する。対戦結果を決定した後、CPU21は、データベースアクセス部24を介して、対戦結果の詳細をゲーム結果データベース32に書き込む処理を行う。
図7に例示するトップページ上でプレイヤが「試合」のメニューを選択する操作が行われてから、対戦結果を含むウェブページが表示されるまでの時間は極めて短時間(例えば数秒)であるため、プレイヤは、簡易な操作のみで極めて短期間で対戦結果を知ることができる。
【0072】
プレイヤデータ管理手段54は、プレイヤデータベース31のプレイヤデータの更新を行なう機能であり、アイテム記憶手段541及び技能レベル管理手段542を含む。
アイテム記憶手段541は、プレイヤIDと、当該プレイヤIDに対応するプレイヤがゲーム上で利用可能に保持するアイテムとを関連付けてプレイヤデータベース31に記憶させる機能を備える。アイテム記憶手段541の機能は例えば、以下のように実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、プレイヤデータベース31にアクセスし、プレイヤIDに対応するプレイヤがゲーム上で利用可能に保持するアイテム(例えば、選手カード、パズルカードのピース)を記憶、更新する。プレイヤデータ管理手段54によってアイテムを記憶あるいは更新する契機は、例えば、プレイヤがゲーム上で新規の選手カードを入手したときや、プレイヤが入手した所定数のパズルカードのピースを1枚の選手カードに変換するときなどである。
【0073】
技能レベル管理手段542は、各プレイヤIDを、ゲーム上の複数の技能レベルのいずれかに属するように管理する機能を備える。技能レベル管理手段542では、プレイヤのゲームの進行状況、あるいはプレイヤのプレイヤキャラクタの能力値の増加に応じて、プレイヤIDを複数の技能レベルのいずれかに区分けする。例えば、技能レベル管理手段542は、ゲームの開始時点では技能レベルはLv1に設定され、プレイヤキャラクタの能力値の増加するにつれて技能レベルを上昇させるようにする。
技能レベル管理手段542の機能は、例えば以下のようにして実現される。プレイヤキャラクタの能力値のデータ(つまり、キャラクタデータ;図5参照)は例えば強化機能によって更新されうるが、ゲームサーバ20のCPU21は、その能力値を参照して、所定の閾値と比較することで、対応するプレイヤIDの技能レベルを上昇させるか否か決定する。技能レベルを上昇させる場合には、CPU21は、対応するプレイヤIDのプレイヤデータに含まれる技能レベルの項目を更新する。
【0074】
プレイヤデータ管理手段54は、プレイヤデータに含まれる運営コスト、エールポイント及び所持コインを管理する機能を備える。運営コスト、エールポイント及び所持コインの管理は、運営コスト、エールポイント及び所持コインをプレイヤIDごとに更新することを含む。
このプレイヤデータ管理手段54の機能は、例えば以下のようにして実現される。プレイヤIDに与えられる運営コストの最大値は固定値であるとする。そして、ゲームサーバ20のCPU21は、特定のプレイヤIDについてゲーム上の活動(あるいは実行)に伴ってコストを消費した場合には、プレイヤデータベース31にアクセスして、そのプレイヤIDのプレイヤデータの運営コストを消費したコストの分だけ低減するようにして更新する。ここで、ゲーム上の個々の活動と、消費するコスト(以下、消費コスト)との関係は既知であるとする。例えば、ゲーム上の個々の活動と消費コストの関係を記述したデータベースがROM22に格納されており、CPU21はコストの算出に当たって、ROM22内のデータベースを参照するようにすればよい。また、CPU21は、プレイヤIDの運営コストの値を所定時間で所定量(例えば、1分で1P)だけ回復(つまり、増加)させるようにする。
さらにCPU21は、プレイヤデータの運営コストを逐次モニタしており、運営コストの残量が少ない場合には、ゲーム上の新たな活動を制限する。例えば、運営コストの値が、対戦による消費コストよりも小さい場合には、プレイヤは新たな対戦を行うことができず、運営コストが十分に回復するまで対戦の実行を待つ必要がある。
【0075】
また、CPU21は、特定のプレイヤがエールポイントを取得した場合、あるいは「エールポイントによる抽選」によって選手カードを引くことでエールポイントを消費した場合には、プレイヤデータベース31にアクセスして、対応するプレイヤIDのプレイヤデータのエールポイントを更新する。さらにCPU21は、コインの消費を必要とする有料機能(例えば、前述した「コインによる抽選」)を実行する場合には、プレイヤデータベース31にアクセスして、対応するプレイヤIDのプレイヤデータの所持コインを更新(減額)する。
【0076】
(6)本実施形態のゲーム制御装置の主要な処理のフロー
次に、本実施形態のゲーム制御装置により行われる主要な処理のフローの一例について、図12のフローチャートを参照して説明する。図12は、プレイヤのメニュー選択操作に応じて行われる抽選処理を示すフローチャートである。図12に示す一連の処理は主として、ゲームサーバ20のアイテム抽選手段521及び抽選制御手段522によって実行される。
【0077】
先ず、図7に例示したように、通信端末10がトップページを表示する表示状態において、「抽選」のメニューの選択操作がなされると(ステップS10:YES)、選択操作を行ったプレイヤのプレイヤIDとその選択結果と含む信号(第1の信号)をゲームサーバ20が受信する。第1の信号の受信に応じて、ゲームサーバ20は、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と、実質的に有料抽選である「コインによる抽選」のいずれを選択するかについて、プレイヤの抽選操作を案内するための表示(図8参照)を行うためのHTMLデータを送信する。図8において、「エールポイントによる抽選」が選択されると(ステップS20:NO)、ステップS30〜S50の処理は行わない。図8において、「コインによる抽選」が選択されると(ステップS20:YES)、プレイヤデータ管理手段54は、対応するプレイヤIDのプレイヤデータの所持コインを更新(減額)する、所持コインの精算処理を行う(ステップS30)。この精算処理が適切になされた場合には、抽選制御手段522が抽選の制御を実行するための所定の条件を満足したとみなしてよい。抽選制御手段522は、プレイヤデータベース31を参照し、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが既に保持している選手カードを検索する(ステップS40)。さらに抽選制御手段522は、ROM22から出現確率のデータを読み出し、そのデータを、ステップS40の検索結果(プレイヤが保持している選手カード)と一致する選手カードが選択される確率が低くなるように変更する(ステップS50)。
【0078】
続いて、アイテム抽選手段521は、抽選制御手段522によって変更された出現確率のデータに基づいて抽選処理(選手カードの選択処理)を実行する(ステップS60)。さらにアイテム抽選手段521は、例えば図9A〜図9Cに示す演出表示を行うためのHTMLデータを、プレイヤIDに対応する通信端末10宛に送信する(ステップS70)。なお、「エールポイントによる抽選」が選択された場合には(ステップS20:NO)、ステップS60における抽選処理は、ROM22から読み出された出現確率のデータを変更せずにそのまま参照して行われる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態のゲーム制御装置によれば、ゲーム上で規定する所定の条件(図8の例では、「コインによる抽選」を選択して所定量のコインを消費すること)を満足する場合に、既にプレイヤが保有している選手カード(アイテム)と一致する選手カードが抽選で出現する確率が低くなる。つまり、プレイヤにとってみれば、既に自分が保有しているアイテムとは別のアイテムを抽選により取得できる可能性が高まる。これにより、例えば上述したサッカー形式のデジタルカードゲームの場合には、様々なプレイヤキャラクタに対応する選手カードを入手することで、ゲームの進行をプレイヤに有利に進めることができるようになる。また、既に保有している選手カードと新たに取得する選手カードとが一致し難くなるため、自らのコレクションとして多彩な選手カードを増やしていくことが容易であるという利点もある。なお、図8に示すように、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と実質的に有料抽選である「コインによる抽選」のいずれかを選択可能にプレイヤに提示させることで、プレイヤは、抽選操作の時点におけるコインの支払い可能額(残高)等を参照しながら柔軟に、出現確率を制御させるか否かを決定することができるようになり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0080】
(7)変形例
以下、上述した本実施形態の変形例について説明する。
(7−1)変形例1
本実施形態のゲーム制御装置において、抽選制御手段522は、抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作においてアイテム抽選手段521により選択された選手カード(アイテム)、と一致する選手カードが選択される確率が、所定の条件を満足しない場合(すなわち、無料抽選である「エールポイントによる抽選」の場合)に当該選手カードが選択される確率よりも低くなるようにする機能を備えていてもよい。つまり、確率を制御する対象(プレイヤの保有カードとのだぶりを発生し難くする対象)とする選手カードを、プレイヤが保有する選手カードのうち、新たな抽選操作がなされた時点を基準として、当該基準の直近を含む過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作において取得した選手カードに限定する。確率を制御する選手カードを新たな抽選のタイミングを基準に一定の範囲に限定することで、ゲームの開始時期の相違に起因するプレイヤ間の不公平が生じ難くなる。
【0081】
この抽選制御手段522の機能は以下のようにして実現できる。例えば、確率を制御する対象とする選手カードを過去の所定期間の間に取得した選手カードに限定する場合には、以下のようにする。ゲームサーバ20のCPU21は、抽選によって新たな選手カードを取得する度に、取得した選手カードと、取得日時とを関連付けてプレイヤデータベース31に記憶させるようにする。そして、CPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、その抽選の日時から過去の所定期間の間の取得日時と関連付けられた選手カードのみを読み出すようにする。
【0082】
また、確率を制御する対象とする選手カードを過去の所定回数の抽選操作の間に取得した選手カードに限定する場合には、以下のようにする。ゲームサーバ20のCPU21は、抽選によって新たな選手カードを取得する度に、取得した選手カードを順に、上記所定回数に応じたサイズのFIFO(First In First Out)構造のキューに格納するようにする。このようなキューは、プレイヤデータベース31内に設けてもよい。そして、CPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、上記キューに格納されている選手カードのみを読み出すようにする。
【0083】
なお、抽選制御手段522は、プレイヤIDに基づく抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが大きいほど、前記所定期間を長く、あるいは前記所定回数を多くするようにしてもよい。これによりプレイヤは、実質的に、新たな抽選によって得られる選手カードが、既に保有している選手カードと一致しない確率を自ら調整することが可能となる。
【0084】
これは、例えば以下のようにして実現できる。ゲームサーバ20のCPU21は、図7のトップページの表示例において「抽選」のメニューが選択されたことを認識した後、抽選操作の対価の額に応じた複数の選択メニューを含む画像を表示するためのHTMLデータを通信端末10宛に送信する。このHTMLデータによって表示される例を図13に示す。図13に示す例では、「コインによる抽選」には、過去1週間、及び過去2週間に取得した選手カードと同じ選手カードが出現しにくくなる2つの抽選メニューが含まれる。図13の例では、過去1週間の場合には200コイン、過去2週間の場合には350コインが必要となる。つまり、プレイヤがより多くのコインを消費することで、過去のより長い期間内に取得した選手カードと同じ選手カードが出現しにくいようにすることができるように構成されている。
【0085】
ここで、「コインによる抽選」の2つのメニューのいずれかが選択されたことを認識すると、CPU21は、その選択結果に応じて、上述した所定期間あるいは所定回数を調整する。例えば、所定期間を調整する場合には以下のようにする。CPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、その抽選の日時から例えば過去の1週間または2週間の取得日時と関連付けられた選手カードのみを読み出すようにする。また、所定回数を調整する場合には、その回数に応じてCPU21が、プレイヤデータベース31に設けた上記キューの読み取り範囲を調整するようにすればよい。
【0086】
(7−2)変形例2
図10において、選手カードの出現確率のデータを例示したように、抽選対象となる複数の選手カードのうちレアカード(第1のアイテム)が選択される確率が、レアカード以外の通常カード(第2のアイテム)が選択される確率よりも低くなるように、複数のアイテムの各々が選択される確率が予め設定されている場合には、抽選制御手段522は、以下の機能を備えていてもよい。すなわち、抽選制御手段522は、プレイヤIDに対応する所定の条件を満足し、かつ当該プレイヤIDのプレイヤが既にレアカード(第1のアイテム)を保有している場合には、当該レアカードが選択される確率を、当該レアカードに対して予め設定された確率よりも低くしないようにする機能を備える。つまり、レアカードについては、プレイヤの保有カードとのだぶりを許容するという構成である。これは、プレイヤは複数枚を保有する同一のレアカードについては、他のプレイヤにプレゼントする、他のプレイヤが保持する選手カードと交換する、あるいは他のプレイヤに売却する等の様々な形態の処分方法を採ることができるため、レアカードを2以上保有することは必ずしもプレイヤにとって不利益とはならない場合があり得るためである。
【0087】
この抽選制御手段522の機能は、以下のようにして実現できる。先ず、プレイヤデータベース31では、すべての選手カードをカード種別(レアカードまたは通常カード)と関連付けて管理するようにする。カード種別は、各々の選手カードに設定されている出現確率が所定の閾値よりも大きいか否かによって予め決定しておいてもよい。そして、ゲームサーバ20のCPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、通常カードのみを読み出すようにする。これによって、プレイヤが保持している選手カードのうちレアカードについては、出現確率の制御の対象から除外されるようになる。なお、この処理は、変形例1と組み合わせて実行できることは言うまでもない。
【0088】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0089】
上述した実施形態では、ネットワーク上のゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によって、アイテム抽選手段521、抽選制御手段522、及びアイテム記憶手段541の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。これらのすべての手段を通信端末10によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を通信端末10によって実現する構成としてもよい。通信端末10とゲームサーバ20とでは実質的に同一のハードウエア構成を採ることができるため、上記実施形態に記載したようにして通信端末10によっても各機能を実現できる。例えば、抽選対象となる複数のアイテムの内容や、プレイヤIDと、抽選によって選択されたアイテムとを関連付けたデータは、通信端末10内のROM12、RAM13、あるいは図示しないHDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置に記憶されてもよい。抽選制御手段522の機能は、通信端末10内の記憶装置を参照してCPU11によって、ゲームサーバ20のCPU21と同様にして実現できる。
また、通信端末10及びゲームサーバ20を用いたサーバクライアントシステムに限らず、ゲーム制御装置としてのゲーム機(例えば、家庭用ゲーム機)が上記各手段を備えた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…通信端末
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…画像処理部
15…操作入力部
16…表示部
17…無線通信インタフェース部
18…バス
20…ゲームサーバ
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…データベースアクセス部
25…通信インタフェース部
26…バス
30…データベースサーバ
31…プレイヤデータベース
32…ゲーム結果データベース
51…登録手段
52…ゲーム進行手段
521…アイテム抽選手段
522…抽選制御手段
53…対戦実行手段
54…プレイヤデータ管理手段
541…アイテム記憶手段
542…技能レベル管理手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤによって操作される通信端末から通信を介し、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて実行されるゲームにおけるアイテムの抽選処理の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、あるプレイヤが例えばコンピュータを相手とする対戦により取得したアイテムを、他のプレイヤが保持するアイテムと通信により交換すること等が行われている。このとき、プレイヤが購入するゲームプログラム毎にアイテムの出現確率をランダムに変更させることで、複数のプレイヤが保有するアイテムが同一のものになってしまうことを回避し、アイテム交換の活性化等を図ることを目的とした技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
ところで近年、特定のサービス提供者によるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(Application Programming Interface)などの動作環境を基に作成されるゲーム用アプリケーションによって実行される、いわゆるソーシャルゲーム(Social Game)が普及している。ソーシャルゲームは、不特定多数のプレイヤ間でコミュニケーションをとりながらプレイするオンラインゲームの一種であると言える。しかしながら、ソーシャルゲームでは、従来のオンラインゲームとは異なり、ゲーム用ソフトウエアを搭載した通信機能付きゲーム装置を通してプレイヤ間でゲームを行うものではなく、プレイヤ側でゲーム用ソフトウエアのインストールあるいはダウンロードを行う必要がない。つまり、プレイヤは、ウェブブラウザが搭載された通信端末を備えていれば、ソーシャルゲームを実行できる。そのため、例えばインターネットに接続可能な携帯端末を備えていれば、プレイヤは時間と場所を問わずソーシャルゲームを楽しむことができる。上述したソーシャルゲームでは、従来のオンラインゲームよりも、プレイヤ間の交流を図るためのコミュニケーション機能が充実している点が特徴の1つとなっている。ソーシャルゲームでは、例えば、他のプレイヤ(仲間)との協力プレイのほか、仲間との挨拶や連絡など仲間とコミュニケーションを取ることによる情報交換、仲間との間のゲーム上のアイテムのプレゼントあるいはアイテムの交換が行なわれている。
【0004】
上記ソーシャルゲームでは、ゲーム内で利用可能なアイテムをランダムに入手可能なアイテム抽選機能が設けられている場合がある。このアイテム抽選機能は、慣用的に「ガチャ」と称される場合もある。アイテムの内容はソーシャルゲームの種類にもよるが、例えばデジタルカードゲームの場合にはカードそのもの、あるいはカードの一部である。このアイテム抽選機能には、プレイヤに課金せずにプレイヤがアイテム抽選を実行できる場合(無料抽選)と、プレイヤに対する実質的な課金を条件としてプレイヤがアイテム抽選を実行できる場合(有料抽選)とがある。無料抽選では、アイテムの中で希少価値が高い、いわゆるレアアイテムを取得できる可能性が非常に低くなるように設定されている。一方、有料抽選では、レアアイテムを取得できる確率が相対的に高くなるように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−41561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したソーシャルゲームあるいは従来のオンラインゲームでは、ゲームに応じて用意されている多彩な種類のアイテムを取得したいという要望がプレイヤに存在する。例えば、ソーシャルゲームが野球やサッカーなどの複数のポジションからチームが構成される競技のデジタルカードゲームの場合には、プレイヤには、様々なポジションのプレイヤキャラクタに対応する選手カード(アイテム)を取得したいという要望がある。例えば、野球ゲームのデジタルカードゲームの場合には、4番打者に対応する選手カードだけでなく1番打者に対応する選手カードも入手したいという要望があり、異なる球種を投げる様々なタイプの投手に対応する選手カードを入手したいという要望もある。また、プレイヤにとって、選手カードの入手はコレクションの要素もあり、できるだけ多彩な選手カードを揃えたいという要望もある。
【0007】
ここで、有料抽選によってアイテムの抽選を行った場合に、ランダムにアイテムの選択が行われる構成であると、既にプレイヤが保有しているアイテムと同じアイテムが出現する可能性がある。同じアイテムが出現した場合には、プレイヤは2枚の同じアイテムを保有することとなるが、この新たなアイテムは、プレイヤのチーム編成の変更には何ら寄与せず、また、コレクション上の利益も少ないと考えられる。このような事態が生ずると、プレイヤには、有料抽選を行ったにもかかわらず無料抽選と比較してより多くの利益が得られないこととなり、不満が生ずることになる。このような不満が生ずると、有料抽選を行ってまで新たなアイテムを取得しようという意欲が削がれてしまい、ゲーム全体としての魅力の低下にもつながってしまう。
【0008】
本発明は上述した観点に鑑みてなされたもので、プレイヤが既に保持しているゲーム上のアイテムと一致するアイテムを抽選により新たに取得する可能性を抑制することを可能とするゲーム制御装置、アイテム抽選方法、アイテム抽選プログラム、ゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置であって、以下の手段を備えている。
(1)前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
(2)プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
(3)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0010】
このゲーム制御装置は、特定多数あるいは不特定多数のプレイヤの通信端末の各々と、通信を介してコネクションを確立できる情報処理装置であれば何でもよい。そのようなゲーム制御装置は、例えばネットワーク上に配置された1または複数のサーバ、あるいは大型コンピュータ装置であってよい。また、プレイヤと通信端末は必ずしも1対1で対応する固定的な関係である必要はなく、複数のプレイヤが単一の通信端末を共用する通信端末の使用形態も想定される。したがって、このゲーム制御装置は、ゲームを行うプレイヤを一意に特定可能な情報として、プレイヤID等のプレイヤ識別情報ごとにプレイヤを管理する。
【0011】
なお、ゲーム制御装置は、通信機能を利用しないスタンドアローンの装置(例えば、家庭用ゲーム機)であってもよい。その場合、以下の構成を備えていてもよい。
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0012】
このゲーム制御装置では、例えば、記憶装置において、プレイヤ識別情報に対応するプレイヤが保持するアイテムが記憶させられる。抽選制御手段は、プレイヤ識別情報に対応する抽選に際し、プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、記憶装置を参照して、既にそのプレイヤ識別情報に対応するプレイヤが保持するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が相対的に低くなるようにする。そのため、プレイヤは、既に自分が保有しているアイテムとは別のアイテムを抽選により取得できる可能性が高まる。例えば、野球やサッカーなどの複数のポジションからチームが構成される競技のデジタルカードゲームの場合には、アイテムとして様々なプレイヤキャラクタに対応する選手カードを入手することで、プレイヤはゲームの進行を有利に進めることができるようになりうるため、上記構成が特に好適である。また、既に保有している選手カードと新たに取得する選手カードとが一致し難くなるため(プレイヤ保有している選手カードとだぶる可能性が低くなるため)、プレイヤにとって、自らのコレクションとして多彩な選手カードを増やしていくことが容易となるという利点もある。なお、上記所定条件とはプレイヤの抽選操作に対する対価が満足されることの他、プレイヤが抽選操作を行う時刻が、現実世界またはゲーム内での所定時刻から所定時刻の間であることでもよい(例えば、現実世界での朝8時から8時15分までの間)。また、プレイヤが抽選操作を行う時刻が、ゲーム上のプレイヤの技能レベルが所定レベルに到達した時点から、所定期間(例えば、半日あるいは6時間)の間であることでもよい。
【0013】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(4)前記所定の条件は、プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが所定値であること。
【0014】
上記ゲーム制御装置は、プレイヤ識別情報に対応する所定の条件が、上述したようにプレイヤに対して所定の対価を要求する場合に特に好適である。これは以下の理由による。仮にアイテム抽選が、プレイヤに対価を要求しない場合(例えば無料抽選の場合)には、抽選によって既にプレイヤが保持しているアイテムと同じアイテムが出現したとしても、無料抽選であるためにプレイヤに強い不満が生じないとも考えられる。しかし、抽選に際しプレイヤに対して所定の対価を要求する場合(例えば有料抽選の場合)には、折角有料抽選を行ったにもかかわらず、既にプレイヤが保持しているアイテムと同じアイテムが出現することでプレイヤに強い不満が生ずることが予想される。したがって、プレイヤに対して所定の対価を要求する条件のときに上記抽選制御手段を実行することで、例えば有料抽選による抽選結果に対する不満を抑制させることができる。その結果、プレイヤに対して、例えば有料抽選によってアイテムを取得しようとする意識付けをすることができ、ゲームとしての魅力を維持することができる。
また、所定の条件を上述したようにすることで、所定の条件を満足させるか否かをプレイヤに委ねるように設定することできる。すなわち、プレイヤは、無料抽選にするか有料抽選にするか、また、有料抽選にする場合、抽選操作の時点における支払い可能額、あるいは取得ポイント等を参照しながら柔軟に、確率を制御させるか否かを自ら決定することができるようになるので、ゲームとしての自由度が上がり、遊戯の幅を広げることができる。
【0015】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(5)前記抽選制御手段は、前記抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作においてに前記アイテム抽選手段により選択されたアイテム、と一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるようにすること。
【0016】
(1)〜(3)又は(1)〜(4)の構成を備えたゲーム制御装置では、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤと、既に長時間ゲームを行っているプレイヤとの間で不公平が生ずる可能性がある。つまり、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤは、既に取得済みのアイテムの数が少なく、それゆえアイテムの種類も少ないことから、プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足するかどうかの如何に関わらず、新たな抽選によって得られたアイテムが既に保有しているアイテムと一致する可能性は低いと考えられる。
そのため、(1)〜(3)又は(1)〜(4)の構成を備えたゲーム制御装置のアイテム抽選手段によって得られるアイテムは、プレイヤが既に保有しているアイテムと一致し難くなるという条件を満足させようと構成されていることから、比較的出現確率が高いアイテム(つまり、希少価値の高いいわゆるレアアイテムではない、通常アイテム)が選択される可能性が高い。そもそもレアアイテムの出現確率は低く設定されている場合が多く、かつレアアイテムでない通常アイテムであればプレイヤが既に保有しているアイテムと一致し難くなるという条件が満たされる可能性が高いためである。一方、既に長時間ゲームを行っているプレイヤは、既に多彩な通常アイテムを保持していると考えられることから、プレイヤが既に保有しているアイテムと一致し難くなるという条件を満足させようとすると、出現確率が低いレアアイテムが選択される可能性が高い。したがって、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤと、既に長時間ゲームを行っているプレイヤとで、抽選制御手段における所定の条件が同一であるとすれば、実質的に両者の抽選でレアアイテムが出現する確率が相違し、不公平となりうる。
そこで、抽選制御手段において、上述した確率を制御する対象とするアイテムを、プレイヤが保有するアイテムのうち、新たな抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作において取得した(つまり、選択された)アイテムに限定することが好ましい。これにより、ゲームを開始してからあまり時間が経過していないプレイヤと、既に長時間ゲームを行っているプレイヤとの間で、レアアイテムが出現する確率に差が生じ難くなるため、プレイヤ間の公平さを確保することができる。
【0017】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(6)前記抽選制御手段は、プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが大きいほど、前記所定期間を長く、あるいは前記所定回数を多くすること。
【0018】
このゲーム制御装置では、前記所定期間を対価の額が大きいほど長く、あるいは前記所定回数を多くする。これにより、プレイヤは実質的に、新たな抽選によって得られるアイテムが既に保有しているアイテムと一致しない確率を自ら調整することが可能となる。つまり、保有しないアイテムを獲得できる可能性を高くすることができる。これにより、ゲームの遊戯性を柔軟に設定することが可能となる。
【0019】
上記ゲーム制御装置は、さらに以下の特徴を備えてもよい。
(7)前記アイテム抽選手段では、前記複数のアイテムのうち特定の第1のアイテムが選択される確率が、前記第1のアイテム以外の第2のアイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記複数のアイテムの各々が選択される確率が予め設定されていること。
(8)前記抽選制御手段は、プレイヤ識別情報に対応する前記所定の条件を満足し、かつ当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶手段が記憶するアイテムとして第1のアイテムが含まれている場合には、当該第1のアイテムが選択される確率を、当該第1のアイテムに対して予め設定された確率よりも低くしないこと。
【0020】
このゲーム制御装置では、例えば、第2のアイテムは比較的出現しやすい(つまり、選択されやすい)通常アイテムであり、第1のアイテムは出現し難い(つまり、選択され難い)レアアイテムであってよい。このとき、抽選制御手段では、プレイヤが既に第1のアイテム(レアアイテム)を保有している場合には、新たな抽選によって同一のレアアイテムが出現する確率を低くしないようにする。理由は、同一のレアアイテムを2以上保有する場合であっても、プレイヤは複数枚を保有する同一のレアアイテムについて、他のプレイヤにプレゼントする、他のプレイヤが保持するアイテムと交換する、あるいは他のプレイヤに売却する等の様々な形態の処分方法を採ることができるため、レアアイテムを2以上保有することは必ずしもプレイヤにとって不利益とはならない場合があり得るためである。言い換えれば、レアアイテムについては同一のものを2以上保有しても構わない、あるいは2以上保有することを望むプレイヤを考慮した構成とすることができる。
【0021】
本発明の第2の観点は、プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置、におけるアイテム抽選方法であって、以下の各ステップを備える。
(9)プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップ。
(10)前記通信端末による特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップ。
(11)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップ。
【0022】
アイテム抽選方法は、以下の構成を含むものであってもよい。
プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップ。
特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップ。
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップ。
【0023】
本発明の第3の観点は、プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介し、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報単位で実行されるゲームにおけるアイテムの抽選のために、コンピュータを、以下の手段として機能させるためのプログラムである。
(12)前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
(13)プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
(14)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0024】
コンピュータは、例えばネットワークサーバ、大型計算機等である。また、このゲームプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0025】
本発明の第4の観点は、プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置と、を含むゲームシステムである。
ここで、通信装置は以下の構成を備える。
(15)プレイヤ識別情報に対応した抽選操作の入力を受け入れる操作入力部。
(16)抽選操作の入力があったことを示す第1の信号を前記ゲーム制御装置宛に送信し、抽選結果を含む第2の信号をゲーム制御装置から受信する信号送受信部。
一方、ゲーム制御装置は、以下の構成を備える。
(17)前記第1の信号を受信すると、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
(18)プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
(19)プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【0026】
ゲームシステムは、プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成されるゲーム制御装置と、を含むものであって、以下の構成を前記通信端末又は前記ゲーム制御装置のいずれか一方が備えていてもよい。
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段。
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段。
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段。
【発明の効果】
【0027】
本発明のゲーム制御装置、アイテム抽選方法、アイテム抽選プログラム、ゲームシステムによれば、プレイヤが既に保持しているゲーム上のアイテムと一致するアイテムを抽選により新たに取得する可能性を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態のゲームシステムの基本構成を示す図。
【図2】実施形態の通信端末の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態のゲームサーバの構成を示すブロック図。
【図4】実施形態のデータベースサーバの構成を示すブロック図。
【図5】データベースサーバに含まれるプレイヤデータベースの構成例を示す図。
【図6】実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図7】トップページを表示する通信端末の表示画面の一例を示す図。
【図8】プレイヤが抽選機能を実行するときの通信端末の表示画面の一例を示す図。
【図9A】抽選機能の実行によって選手カードを引くときの通信端末の表示画面(抽選の演出画面)の一例を示す図。
【図9B】抽選機能の実行によって選手カードを引くときの通信端末の表示画面(抽選の演出画面)の一例を示す図。
【図9C】抽選機能の実行によって選手カードを引くときの通信端末の表示画面(抽選の演出画面)の一例を示す図。
【図10】抽選における選手カードの出現確率のデータ(出現確率の変更前)の一例を示す図。
【図11】抽選における選手カードの出現確率のデータ(出現確率の変更後)の一例を示す図。
【図12】実施形態のゲームサーバの主要な処理の一例を示すフローチャート。
【図13】プレイヤが抽選機能を実行するときの通信端末の表示画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(1)ゲームシステムの構成
図1は、実施形態のゲームシステムのシステム構成例を示している。図1に示すように、このゲームシステムは、例えばインターネットなどの通信網NWに接続可能な通信端末10a,10b,10c,…と、通信網NWに接続されているゲームサーバ20と、データベースサーバ30とによって構成されている。各通信端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のプレイヤによって操作される端末であり、例えば、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータなどの通信端末である。なお、以下の説明において、各通信端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、通信端末10と表記する。このゲームシステムでは、ゲーム用アプリケーションとしてウェブブラウザ上で動作可能なアプリケーションがゲームサーバ20に実装されている。
通信端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるウェブページを表示可能なウェブブラウザを備えており、プレイヤは、通信端末10をウェブページ上で操作してゲームを実行する。データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と例えば有線で接続される。
【0030】
また、図1には図示していないが、ゲームサーバ20とは別に各通信端末10のプレイヤを認証するための認証サーバを設けてもよい。また、多くの通信端末10からのアクセスを受け入れるために複数のゲームサーバ20を設ける場合は、その複数のゲームサーバ20間の負荷を調整するためのロードバランサを設けてもよい。また、ゲームサーバ20は単一のサーバ装置として構成してもよいが、機能を分散させた複数のサーバ装置として構成してもよい。
データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と例えば有線で接続される。
【0031】
(2)通信端末の構成
図2を参照して通信端末10の構成について説明する。
図2に示すように、通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、操作入力部15、表示部16、及び、信号送受信部としての無線通信インタフェース部17を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス18が設けられている。
【0032】
CPU11は、ROM12内のウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、操作入力部15等によってプレイヤに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の適切な指定に基づき、無線通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を無線通信インタフェース部17を介して取得し、そのHTMLデータを解釈する。なお、通信端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてよい。
なお、HTMLデータの取得に当たって、CPU11は、予め登録されたプレイヤID(プレイヤ識別情報)、あるいは操作入力部15を介して入力されるプレイヤIDを含むアクセス要求メッセージを、無線通信インタフェース部17を介してゲームサーバ20へ通知する。
【0033】
ウェブブラウザは、画像処理部14を介して、取得したHTMLデータに基づき、ゲームサーバ20から提供されるウェブページを表示部16に表示する。また、ウェブブラウザは、プレイヤが操作入力部15の操作によってウェブページ上のハイパーリンク(Hyperlink)またはメニューが選択されると、その選択に応じたウェブページを表示するための新たなHTMLデータの送信をゲームサーバ20へ要求する。
【0034】
画像処理部14は、HTMLデータの解析結果としてCPU11から与えられる表示用画像データに基づいて、表示部16にウェブページを表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用画像データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示する。
【0035】
操作入力部15は、プレイヤの操作入力を受け入れるための複数の釦と、各釦の押下入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含みうるが、図2では、方向指示釦と決定釦とを例示している。例えば、方向指示釦は、表示部16に表示されているウェブページをスクロールして表示することをCPU11へ指示するために設けられる。また、決定釦は、例えばウェブページ上で複数のハイパーリンクまたはメニューが表示されるときに、アクティブ表示(例えば強調表示)されている1つのハイパーリンクまたはメニューをプレイヤが選択することをCPU11へ指示するために設けられる。なお、通信端末10を小型の携帯端末によって構成する場合には、これらの釦は、プレイヤが通信端末10を片手で保持したままその親指で操作(クリック)しやすいように、通信端末10の前面に配置されていることが好ましい。
【0036】
(3)ゲームサーバの構成
図3を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
ゲームサーバ20は、例えば階層構造の複数のウェブページからなるゲームのウェブサイトを管理しており、通信端末10に対してゲームのウェブサービスを提供する。図3に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、データベース(DB)アクセス部24、及び、無線通信インタフェース部25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のウェブサーバと同一の構成をとることができる。
【0037】
ROM22には、クライアントである通信端末10のウェブブラウザに対してHTML文書や画像などのオブジェクトの表示(ウェブページの表示)のサービスを提供するアプリケーションプログラムが格納されている。ROM22には、アプリケーションプログラム以外にもCPU21によって参照される各種データが格納されている。
CPU21は、ROM22内のゲームプログラムをRAM23にロードして実行し、無線通信インタフェース部25を介して、各種の処理を行う。
【0038】
例えば、CPU21は、無線通信インタフェース部25を介して、HTMLデータを通信端末10宛に送信する。なお、ゲームサーバ20が通信端末10のプレイヤの認証処理を行う場合には、CPU21はその認証処理を行う。
CPU21は、通信インタフェース部を介して、通信端末10で表示されるウェブページ上でプレイヤにより選択されたハイパーリンクまたはメニューに応じた処理を行う。その処理は、例えば、新たなHTMLデータの送信、または、ゲームサーバ20内の演算処理あるいはデータ処理などを含む。
データベースアクセス部24は、CPU21がデータベースサーバ30に対してデータの読み書きを行うときのインタフェースである。
【0039】
(3−1)ゲームサーバによって実現されるゲームの例
本実施形態のゲームサーバ20によって実現されるゲームのタイプは特に限定されるものではないが、以下では、実施形態の説明の便宜上、ゲームサーバ20によって実現されるゲームの一例としてデジタルカードゲームを採り上げる。
例えばサッカー形式のデジタルカードゲームは、プレイヤがサッカー選手(後述するプレイヤキャラクタ)に対応する選手カードを収集することによって自らのチームを作り上げ、他のプレイヤのチームと単独でサッカーの対戦する、あるいは技能レベルごとのサッカーのリーグ戦を戦うように構成されているゲームである。サッカー形式のデジタルカードゲームには、自らのチームを作り上げていくために選手カードを探索するスカウト機能や、抽選によって選手カードを入手することを可能とする抽選機能、あるいは2枚の選手カードを合成していずれかの選手カードをレベルアップさせる強化機能等が設けられている。
【0040】
抽選機能は、好ましくは、選手カードを抽選箱の中から1枚を取り出す(引く)ような演出を経て実行される。抽選によって出現する選手カードは基本的にランダムであるが、技術能力の際立った選手や人気のある選手の選手カード(いわゆるレアカード)が抽選で出現する確率は非常に低く設定されている。抽選機能には、後述するように、所定量のエールポイントと引き換えに選手カードを引く「エールポイントによる抽選」と、実質的にプレイヤに課金することによってプレイヤにより有利な抽選を行う「コインによる抽選」とがある。
【0041】
プレイヤがゲーム上で保持するものとしてサッカー形式のデジタルカードゲームに用意されているアイテムには、選手カードのほか、パズルカードが含まれる。パズルカードのピースは上記スカウト機能によって入手可能であり、所定数(例えば6枚)の異なる図柄のピースから構成されている。パズルカードを構成するすべての図柄のピースを手に入れることで、プレイヤは1枚の強力な選手カードと交換することが可能となる。
このサッカー形式のデジタルカードゲームにおいて、パズルカードのピースを相手から獲ることを目的としたプレイヤ間の対戦モードが用意されている。この対戦モードでは、あるプレイヤは、欲しい図柄のピースを得る目的で他のプレイヤとの対戦を実行することができ、相手に勝利すれば欲しい図柄のピースを相手から奪うことができる。
【0042】
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、プレイヤによるゲーム上の活動によって逐次消費(つまり、低下)させられるコストである運営コストが設定されており、この運営コストが少なくなると、そのプレイヤのゲーム上の活動が制限されるようになっている。この運営コストは所定時間の間に所定コストだけ回復するようになっているため、プレイヤは、運営コストが少なくなった場合にはゲームを実行せずに待機することになる。
【0043】
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、プレイヤ間の対戦結果はゲームサーバ20によって決定されて即座に通信端末10上に表示され、プレイヤ側での通信端末に対する複雑な釦操作は不要であるため、ソーシャルゲームとして好適である。
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、後述するように、プレイヤは自らの仲間を登録することができるようになっている。仲間は何人でも登録することができる。仲間のプレイヤ間では、メッセージの交換、ゲーム上のアイテムのプレゼントあるいはアイテムの交換、相手のプレイヤにエールを送る(応援する)等、ネットワーク上の交流を図ることを可能とするネットワークサービスが提供される。プレイヤは、仲間のプレイヤにエールを送ることで一定量のエールポイントを得ることができ、所定量のエールポイントと引き換えに選手カードを引く「エールポイントによる抽選」を、無料抽選として行うことができるように構成されている。
【0044】
このサッカー形式のデジタルカードゲームでは、実質的にプレイヤに課金することによって実現する機能(以下、「有料機能」という。)が設けられている。そのような機能の一例は、例えば「コインによる抽選」である。ここで「コイン」は、例えばクレジットカードによる支払い等の方法で、このデジタルカードゲームをネットワーク上で提供するサービス提供者に対して予め金銭を支払うことで入手できる、ゲーム上で利用可能な仮想通貨である。「コインによる抽選」は、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と比較して、レアカードが抽選で出現する確率を高くなる、あるいは、後述するように、既にプレイヤが保持している選手カードと同じ選手カードを抽選で引く確率が低くなる等の利点がある。
【0045】
(4)データベースサーバの構成
データベースサーバ30は、大容量のハードディスク装置やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の形態の装置等、汎用ストレージで実現できる。データベースサーバ30内の各データベースは、ゲームサーバ20のデータベースアクセス部24を介してCPU21からのデータの読み書きが可能となるように構成されている。
図4に、データベースサーバ30の構成の一例を示す。図4に示すように、データベースサーバ30は、プレイヤデータベース31と、ゲーム結果データベース32とを備える。
【0046】
図5に、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームにおいて適用されるプレイヤデータベース31の一例を示す。この例では、プレイヤデータベース31は、プレイヤID(プレイヤ識別情報)ごとに、表示名/表示画像、技能レベル、運営コスト、エールポイント、所持コイン、仲間、保有アイテム、及びキャラクタデータの各項目についての情報を含む。プレイヤデータベース31に含まれる情報は、ゲームサーバ20によって逐次更新されうる。
【0047】
以下の説明では、プレイヤデータベース31に含まれるプレイヤID、あるいはプレイヤを特定する表示名(後述する)ごとのデータを総称して「プレイヤデータ」という。プレイヤデータを構成する各項目のデータは、以下のとおりである。
「表示名/表示画像」は、ゲームの実行時に通信端末10にプレイヤを特定するために表示される表示名及び表示画像である。表示名はプレイヤによって予め指定される所定長以下のテキストであり、表示画像は例えばプレイヤによって予め選択されるアバタ画像である。表示名は、ゲームサーバ20によって提供されるネットワーク環境(あるいはゲームコミュニティ)上でプレイヤを特定する名称である。
「技能レベル」は、ゲーム上のプレイヤの技能レベルを意味し、例えばLv1(レベル1)からLv10(レベル10)までの範囲のレベル値である。
「運営コスト」は、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームにおいて、プレイヤIDに対応するプレイヤによるゲーム上の活動を行う上で必要となるコストである。運営コストは、他のプレイヤとの対戦等のゲーム上の活動によって低減し、時間が経過すると回復(増加)する値である。「運営コスト」の単位はP(ポイント)である。
「エールポイント」は、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームのエール機能に基づいてプレイヤが取得したポイントである。
「所持コイン」は、プレイヤIDに対応するプレイヤがゲーム上で有料機能を利用するときに必要となるゲーム上の仮想通貨(コイン)の所持額である。所持コインは、プレイヤがゲーム上で有料機能を利用したときに消費(低減)し、プレイヤが、サービス提供者等に所定の方法で実際の金銭を支払うことでその支払額に応じて増加する。
「仲間」は、対象とするプレイヤIDの仲間である他のプレイヤIDのデータである。
「保有アイテム」は、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームの場合には、対象となるプレイヤIDに対応するプレイヤが保持する選手カードとパズルカードのピースについての画像を含むデータである。
【0048】
「キャラクタデータ」は、ゲームについてのプレイヤキャラクタの情報を含む。プレイヤキャラクタは、ゲームの性質によって多様な情報を含みうるが、サッカー形式のデジタルカードゲームの場合を例に挙げれば、選手カードに1対1で対応するゲーム上の選手を意味する。プレイヤキャラクタの情報は、プレイヤキャラクタ(選手)の能力値(能力パラメータ)が項目ごとに記述された情報である。例えば、図5に示すように、項目として「走力」,「キック力」,「守備力」等の各々の各能力値が含まれてもよい。なお、プレイヤがプレイヤIDを取得した時点では、キャラクタデータは所定のデフォルトのデータを含むものとなっている。
【0049】
図4に戻り、ゲーム結果データベース32は、ゲームサーバ20からのアクセスに基づき、ゲームサーバ20によって実行されたゲーム結果に関する情報を記憶、更新する。ゲーム結果に関する情報は、ゲームの性質によって多様な情報を含みうる。サッカー形式のデジタルカードゲームの場合を例に挙げれば、ゲーム結果に関する情報は、異なるプレイヤID同士の対戦の結果(スコア等)、特定の技能レベルの複数のプレイヤIDの間のリーグ戦の結果(スコア、ランキング等)などを含む。
【0050】
(5)ゲーム制御装置における各機能の概要
本実施形態では、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によってゲーム制御装置が構成されている。以下では、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームが適用される場合を例として、本実施形態のゲーム制御装置で実現される機能について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。なお、図6の機能ブロック図において、登録手段51、対戦実行手段53、及びプレイヤデータ管理手段54の技能レベル管理手段542については本発明に必須の構成ではないが、本発明を実施する上で好ましい構成である。
【0051】
登録手段51は、例えば通信端末10に提供するウェブページ上での通信端末10への適切な操作入力に基づいてプレイヤの要求を認識し、登録処理を行う機能を備える。この場合の登録手段51の機能は、例えば以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10から登録要求メッセージを受信する。登録要求メッセージは、ゲームサーバ20から提供されるウェブページ上での通信端末10に対する所定の操作(例えば、所定のメニューの選択操作、テキスト入力等)によって自動的に生成されるように、ウェブページが構成されていてもよい。登録要求メッセージには、送信元の通信端末10を特定するための情報(例えばIPアドレス、メールアドレス等)が含まれていてもよく、あるいは、プレイヤが既に同一のサービス提供者による他のゲームを利用している場合には、そのプレイヤIDが含まれていてもよい。
CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにプレイヤIDが含まれていない場合には、プレイヤIDを新規に発行してそのプレイヤIDの登録処理を行った後、登録処理が完了した旨のメッセージを通信端末10へ送信する。CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにプレイヤIDが含まれている場合には、そのプレイヤIDの登録処理を行った後、登録処理が完了したことを示す登録完了メッセージを通信端末10へ送信する。
登録が完了すると、CPU21は、所定のデフォルトのデータ(登録時点では、仲間や保有アイテムはなく、キャラクタデータとして所定の初期値が記述されている。)が記述された新規のプレイヤIDについてのプレイヤデータを、プレイヤデータベース31に格納する。
【0052】
登録手段51はまた、プレイヤIDに基づく申請を契機として当該プレイヤIDを他のプレイヤIDと関係付けて登録する機能を備えてもよい。すなわち、登録手段51は、プレイヤIDに基づく申請を契機として、他のプレイヤIDを「仲間」として登録する。なお、以下の説明では、プレイヤIDが仲間の関係にあることと、対応するプレイヤが仲間の関係にあることとは、同義である。
この場合の登録手段51の機能は例えば、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、無線通信インタフェース部25を介して、あるプレイヤIDに対応するプレイヤの通信端末10から、仲間になりたいプレイヤID(あるいは、対応する表示名)を指定した申請メッセージ(申請)を受け付ける。この申請メッセージの送信は、プレイヤの通信端末10に提供されるウェブページの機能として予め設定されている。CPU21は、申請メッセージを受け付けると、申請メッセージに含まれるプレイヤIDに基づくアクセスがあったタイミングで、そのプレイヤIDに対応する通信端末10宛に、他のプレイヤIDに基づく申請を承認するか否かを返信することを要求するためのウェブページを表示させるHTMLデータを送信する。その申請を承認することが返信されれば、CPU21は、両者を仲間として登録する。具体的には、CPU21は、プレイヤデータベース31内の対応する2つのプレイヤIDのプレイヤデータの「仲間」の箇所(図5参照)にデータを書き込む。
【0053】
ゲーム進行手段52は、プレイヤによる通信端末10に対する操作に応じた通信端末10におけるウェブページを通して、プレイヤの通信端末10で表示されるゲームを進行させる機能を備える。
ゲーム進行手段52の機能は、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはメニューの選択に応じたウェブページを表示するためのHTMLデータを、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。CPU21は、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはメニューの選択に応じて新たなHTMLデータを逐次送信し、これにより、通信端末10で表示されるウェブページが逐次切り替わることで、プレイヤがゲームの進行を認識する。
また、ゲーム進行手段51では、ゲームサーバ20のCPU21が、ゲームの開始に先立って、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10からアクセス要求メッセージを受けると、所定の認証処理の後、その通信端末10からアクセス要求メッセージに含まれるプレイヤIDを認識する。そして、CPU21は、各通信端末10に表示されるゲームの進行を、プレイヤID単位で管理する。
【0054】
図7は、ゲーム進行手段52によって実行されるプレイヤの通信端末10上の表示の一例であって、サッカー形式のデジタルカードゲームにおけるトップページを示す。トップページは、個々のプレイヤIDに応じたウェブページで構成される。図7に例示されるトップページは、プレイヤデータ表示領域、選手画像表示領域及び基本メニュー表示領域を含む。プレイヤデータ表示領域は、対象となるプレイヤIDのプレイヤデータに含まれる、技能レベル、運営コスト、エールポイント、選手カード、仲間の各項目のデータ(図5参照)がCPU21によって読み出された結果として表示される領域である。選手画像表示領域は、対象となるプレイヤIDのプレイヤデータに含まれる所定位置の選手カード(例えば、エースストライカーに相当するプレイヤキャラクタの選手カード、あるいはプレイヤデータ内で最初に順序付けられたプレイヤキャラクタに対応する選手カード)の画像データがCPU21によって読み出された結果として表示される領域である。基本メニュー表示領域は、サッカー形式のデジタルカードゲームに設けられる複数の機能(スカウト機能、ポジション機能、強化機能、抽選機能、対戦機能)に対応した基本メニューとして、「スカウト」、「ポジション」、「強化」、「抽選」、「試合」の各メニューが配置される領域である。ゲーム進行手段52では、CPU21が、プレイヤによる通信端末10に対する基本メニューの選択操作を受信し、選択されたメニューに応じた新たなウェブページを表示するためのHTMLデータを、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。新たなウェブページには、選択された基本メニューに対応する機能についてさらに具体的なゲーム実行内容の指示を行うためのメニューが用意される。
【0055】
なお、通信端末10におけるメニューの選択操作は、例えば、操作入力部15の方向指示釦を操作して所望のメニューを選択した後に決定釦を押下する(つまり、クリックする)操作であってよい。操作入力部15が選択操作の入力を受け入れると、通信端末10の無線通信インタフェース部17は、メニューの選択結果を含む信号(メッセージ)をゲームサーバ20宛に送信する。
【0056】
ゲーム進行手段52において行われるゲームの進行のための処理は、ゲームの性質によって任意に設定されうるものであるが、上述したサッカー形式のデジタルカードゲームの場合には、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはメニューの選択に応じた複数の機能(スカウト機能、ポジション機能、強化機能、抽選機能、対戦機能)の少なくともいずれかを実行する処理が含まれる。なお、対戦機能については、後述する対戦実行手段53によって実質的に行われる。スカウト機能、強化機能、抽選機能については既に説明したとおりであり、以下の説明では各機能について言及しない。ポジション機能は、プレイヤの指示の下、プレイヤキャラクタのポジションの入れ替え、控えのプレイヤキャラクタとの交替等を実行する機能である。
【0057】
図6に示すように、ゲーム進行手段52は、アイテム抽選手段521と抽選制御手段522を含む。アイテム抽選手段521と抽選制御手段522は、「抽選」のメニューが選択された(つまり、抽選操作が行われた)ときに協働して実行されうる。
【0058】
アイテム抽選手段521は、通信端末10によるプレイヤIDに対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数の選手カード(アイテム)の中からいずれかの選手カードを選択する機能を備える。選手カードの選択方法は、様々な方法を採りうる。例えば、抽選対象となる複数の選手カードから抽選の都度、ランダムに1つの選手カードを選択する方法を採ることができる。この方法では実質的に、各選手カードが選択される確率(出現確率)は同一である。また、抽選対象となる複数の選手カードの各々についてそれぞれ出現確率、あるいは出現確率の範囲を予め決めておき、その出現確率に従って1つの選手カードを選択する方法を採ることができる。この方法では、抽選対象となる複数の選手カードのうち出現しやすい選手カードと出現し難い選手カードを予め決定することができるため、ゲーム上でレアカードを設定するのに有効な方法である。
【0059】
アイテム抽選手段521の機能は、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、通信端末10から、特定のプレイヤIDに関連付けられた抽選操作の入力があったことを示す第1の信号を受信することで、そのプレイヤIDに対応した抽選操作が行われたことを認識する。そしてCPU21は、予め決められた抽選対象となる複数の選手カードの中から1つの選手カードを選択する処理を行う。このとき、抽選対象となる複数の選手カードの各々についてそれぞれ出現確率、あるいは出現確率の範囲を予め決めておく場合には、選手カードごとの出現確率のデータをROM22に記憶させておく。そしてCPU21は、ROM22から読み出した出現確率のデータに基づいて選手カードの選択処理を実行する。
【0060】
アイテム抽選手段521はさらに、プレイヤの抽選操作を案内するための表示、および/または、プレイヤに対して抽選結果を通知するための表示を、プレイヤの通信端末10に実行させる機能を備える。この機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、上記表示を行うためのHTMLデータ(第2の信号)を、無線通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。通信端末10は、このHTMLデータを無線通信インタフェース部17を介して受信する。
【0061】
図8は、プレイヤの抽選操作を案内するための表示の一例である。図8の表示例は、図7の表示例においてプレイヤが「抽選」のメニューの選択操作を行った後の表示例を示している。ここでは、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と、実質的に有料抽選となる「コインによる抽選」の2つの抽選のメニューがプレイヤに提示される。実質的に有料抽選となる「コインによる抽選」では、「エールポイントによる抽選」と比較して、プレイヤが既に保持している選手カードと同じ選手カードが出現しにくくなるという利点がプレイヤにテキストで提示されている。
【0062】
図9A〜図9Cは、プレイヤに対して抽選結果を通知するための表示の一例である。図9A〜図9Cの表示例は、図8の表示例においてプレイヤが、例えば「エールポイントによる抽選」について「抽選する」というメニューを選択した場合に、プレイヤに提示される表示例を順に示したものである。図9A〜図9Cの表示例は、抽選の結果としてプレイヤが引いた選手カードが封筒の中から飛び出てくるような演出がなされる一例である。プレイヤが、「エールポイントによる抽選」について「抽選する」というメニューを選択したことを認識すると、CPU21は極めて短時間で抽選を実行して抽選結果を通信端末10へ通知する。しかし、プレイヤが「抽選する」というメニューを選択した後に直ちに抽選結果を表示することはゲームの興趣性に乏しいため、図9A〜図9Cに示す演出表示を行うことが好ましい。具体的には、図9Aでは、プレイヤが箱から引いてきた、1枚の選手カードを含む封筒の表示がなされる。図9Bでは、図9Aに示す封筒の封が切られて封筒の中から選手カード(抽選によって選択された選手カード)が上方に出現する状態の表示がなされる。図9Cでは、封筒の中から出現した選手カードの全体を表示するとともに、例えば「ABC選手のカードをゲット!」といったテキストも表示する。このような演出表示を行うことで、自ら選手カードを箱の中から引いてきたというようなプレイヤの擬似体験を、通信端末10の表示画面を通して実現することができる。
【0063】
抽選制御手段522は、プレイヤIDに対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤIDと関連付けてプレイヤデータベース31が記憶する選手カード(つまり、既にプレイヤが保持している選手カード)と一致する選手カードが選択される確率が、所定の条件を満足しない場合に当該選手カードが選択される確率よりも低くなるように、アイテム抽選手段521を制御する機能を備える。ここで、「プレイヤIDに対応する所定の条件」は任意に設定してよいが、プレイヤIDに基づく抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが所定値である、という条件が好ましい。
【0064】
図8に示した例では、有料抽選に相当する「コインによる抽選」について「抽選する」というメニューが選択されることで、抽選制御手段522の機能が実行される。この場合、
「プレイヤIDに対応する所定の条件」は、プレイヤが支払うコインが300コイン(所定値)であるという条件に相当するが、コインの額の所定値は任意に設定可能であることは言うまでもない。また、ここでは、コインというゲーム上で利用可能な仮想通貨の所定量の支払いを条件としているが、所定の手続きを経ることによって直接的に、実際の金銭を所定量支払うことを条件としてもよい。また、エールポイントを所定量消費することを条件としてもよいが、この場合に消費されるエールポイントの量は、「エールポイントによる抽選」で設定される量(図8の例では、200P)よりも相当大きくすることが好ましい(例えば500P)。
なお、図8において、無料抽選に相当する「エールポイントによる抽選」は、プレイヤがコインを支払わずに抽選できるため、「プレイヤIDに対応する所定の条件」を満足しない抽選の一例である。
【0065】
抽選制御手段522の機能は、以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、「コインによる抽選」について「抽選する」というメニューが選択されたことを認識すると、ROM22から、抽選対象となる複数の選手カードの各々についてそれぞれ出現確率、あるいは出現確率の範囲を示すデータ(出現確率のデータ)を読み出す。さらにCPU21は、プレイヤデータベース31にアクセスして、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが既に保持している選手カードを読み出す。次にCPU21は、ROM22から読み出した出現確率のデータを、プレイヤが保持している選手カードと一致する選手カードが選択される確率が、「エールポイントによる抽選」の場合に当該選手カードが選択される確率よりも低くなるように、変更する。この場合、前述したアイテム抽選手段521は、抽選制御手段522によって変更された出現確率のデータに基づいて抽選処理(選手カードの選択処理)を実行する。
【0066】
以下、出現確率のデータの変更例を、図10及び図11を参照して具体的に説明する。
図10及び図11は共に、抽選における選手カードの出現確率のデータの一例を示しており、図10は出現確率の変更前のデータを、図11は出現確率の変更後のデータをそれぞれ示す。例えば、図10は「エールポイントによる抽選」で参照される出現確率のデータであり、図11は「コインによる抽選」で参照される出現確率のデータである。なお、この例は、図5に例示したように、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが「PL001」の選手カードを既に保有している場合の変更例である。
【0067】
図10に示すように、「PL001」,「PL002」,「PL004」の選手カードは通常カード(通常アイテム)であり、出現確率の範囲(0.2〜0.3)は比較的高く設定されている。一方、「PL003」の選手カードはレアカードであり、出現確率の範囲(0.01〜0.05)は低く設定されている。なお、抽選の処理を行う都度、各選手カードの出現確率は、設定されている出現確率の範囲内でランダムに決定されてよい。ここで、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが「PL001」の選手カードを既に保有しているため、図11に示す変更後の出現確率のデータでは、「PL001」の選手カードの出現確率が低下させられる(0.2〜0.3→0.05〜0.1)。これによって、プレイヤが既に保有している「PL001」の選手カードは、抽選によって出現しにくくなる。なお、図11に示すように、「PL001」の選手カードの出現確率の低下に応じて、プレイヤが保有していない他の通常カードの出現確率が相対的に増加させられてもよい(0.2〜0.3→0.25〜0.35)。
【0068】
対戦実行手段53は、プレイヤIDに対応するプレイヤ間の対戦を、敗北したプレイヤが保持するアイテムが勝利したプレイヤに移されるようにして実行する機能を備える。なお、以下の説明では、「プレイヤ間の対戦」と、プレイヤが保持する選手カードに対応するプレイヤキャラクタ間での対戦を意味する「プレイヤキャラクタ間の対戦」とは同義である。
【0069】
対戦実行手段53の機能は例えば、以下のとおり実現される。あるプレイヤIDに対応するプレイヤの通信端末10のトップページ上で「試合」のメニューの選択操作がなされ、その選択結果を受信すると、ゲームサーバ20のCPU21は、そのプレイヤIDの対戦相手を、プレイヤデータベース31に含まれる他のプレイヤIDの中からランダムに決定する。このとき、対戦するプレイヤID同士の技能レベルが同一であることが好ましい。
対戦相手が決定すると、CPU21は通信端末10宛に、対戦相手を通知するウェブページを表示するためのHTMLデータを送信する。対戦の実行に当たって、CPU21は、データベースアクセス部24を介してデータベースサーバ30のプレイヤデータベース31にアクセスし、対戦相手となる2つのプレイヤIDに対応付けられたキャラクタデータを読み出す。そして、CPU21は、読み出したキャラクタデータに基づいて、プレイヤキャラクタ間の対戦を実行する。
【0070】
対戦の勝敗の決定方法は、プレイヤキャラクタの能力値がその勝敗に影響を与える方法である限り如何なる方法を採ることができる。例えば、対戦相手となる2つのプレイヤIDに対応付けられたプレイヤキャラクタの能力値を比較し、より大きな能力値のプレイヤキャラクタが、高い確率(例えば、60〜90%の範囲内の所定の確率)をもって勝利するように設定してよい。この勝率は、能力値の差が大きいほど高い確率としてもよい。このとき、図5に示したように、能力値の項目が複数存在する場合には、所定の重み付け(例えば、図5の例では、「走力」を0.3、「キック力」を0.3、「守備力」を0.4の重み付けにする等)をもって総合的な能力値を算出し、この総合的な能力値を比較対象とすることができる。
【0071】
CPU21は、対戦相手となる2つのプレイヤIDに対応付けられたプレイヤキャラクタの対戦の対戦結果を決定すると、その対戦結果を含むウェブページを表示させるためのHTMLデータを、対戦相手の2つのプレイヤIDのプレイヤの通信端末10宛に送信する。そして、通信端末10は、ゲームサーバ20から受信したHTMLデータを解釈して対戦結果を含む画像を表示部16に表示する。対戦結果を決定した後、CPU21は、データベースアクセス部24を介して、対戦結果の詳細をゲーム結果データベース32に書き込む処理を行う。
図7に例示するトップページ上でプレイヤが「試合」のメニューを選択する操作が行われてから、対戦結果を含むウェブページが表示されるまでの時間は極めて短時間(例えば数秒)であるため、プレイヤは、簡易な操作のみで極めて短期間で対戦結果を知ることができる。
【0072】
プレイヤデータ管理手段54は、プレイヤデータベース31のプレイヤデータの更新を行なう機能であり、アイテム記憶手段541及び技能レベル管理手段542を含む。
アイテム記憶手段541は、プレイヤIDと、当該プレイヤIDに対応するプレイヤがゲーム上で利用可能に保持するアイテムとを関連付けてプレイヤデータベース31に記憶させる機能を備える。アイテム記憶手段541の機能は例えば、以下のように実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、プレイヤデータベース31にアクセスし、プレイヤIDに対応するプレイヤがゲーム上で利用可能に保持するアイテム(例えば、選手カード、パズルカードのピース)を記憶、更新する。プレイヤデータ管理手段54によってアイテムを記憶あるいは更新する契機は、例えば、プレイヤがゲーム上で新規の選手カードを入手したときや、プレイヤが入手した所定数のパズルカードのピースを1枚の選手カードに変換するときなどである。
【0073】
技能レベル管理手段542は、各プレイヤIDを、ゲーム上の複数の技能レベルのいずれかに属するように管理する機能を備える。技能レベル管理手段542では、プレイヤのゲームの進行状況、あるいはプレイヤのプレイヤキャラクタの能力値の増加に応じて、プレイヤIDを複数の技能レベルのいずれかに区分けする。例えば、技能レベル管理手段542は、ゲームの開始時点では技能レベルはLv1に設定され、プレイヤキャラクタの能力値の増加するにつれて技能レベルを上昇させるようにする。
技能レベル管理手段542の機能は、例えば以下のようにして実現される。プレイヤキャラクタの能力値のデータ(つまり、キャラクタデータ;図5参照)は例えば強化機能によって更新されうるが、ゲームサーバ20のCPU21は、その能力値を参照して、所定の閾値と比較することで、対応するプレイヤIDの技能レベルを上昇させるか否か決定する。技能レベルを上昇させる場合には、CPU21は、対応するプレイヤIDのプレイヤデータに含まれる技能レベルの項目を更新する。
【0074】
プレイヤデータ管理手段54は、プレイヤデータに含まれる運営コスト、エールポイント及び所持コインを管理する機能を備える。運営コスト、エールポイント及び所持コインの管理は、運営コスト、エールポイント及び所持コインをプレイヤIDごとに更新することを含む。
このプレイヤデータ管理手段54の機能は、例えば以下のようにして実現される。プレイヤIDに与えられる運営コストの最大値は固定値であるとする。そして、ゲームサーバ20のCPU21は、特定のプレイヤIDについてゲーム上の活動(あるいは実行)に伴ってコストを消費した場合には、プレイヤデータベース31にアクセスして、そのプレイヤIDのプレイヤデータの運営コストを消費したコストの分だけ低減するようにして更新する。ここで、ゲーム上の個々の活動と、消費するコスト(以下、消費コスト)との関係は既知であるとする。例えば、ゲーム上の個々の活動と消費コストの関係を記述したデータベースがROM22に格納されており、CPU21はコストの算出に当たって、ROM22内のデータベースを参照するようにすればよい。また、CPU21は、プレイヤIDの運営コストの値を所定時間で所定量(例えば、1分で1P)だけ回復(つまり、増加)させるようにする。
さらにCPU21は、プレイヤデータの運営コストを逐次モニタしており、運営コストの残量が少ない場合には、ゲーム上の新たな活動を制限する。例えば、運営コストの値が、対戦による消費コストよりも小さい場合には、プレイヤは新たな対戦を行うことができず、運営コストが十分に回復するまで対戦の実行を待つ必要がある。
【0075】
また、CPU21は、特定のプレイヤがエールポイントを取得した場合、あるいは「エールポイントによる抽選」によって選手カードを引くことでエールポイントを消費した場合には、プレイヤデータベース31にアクセスして、対応するプレイヤIDのプレイヤデータのエールポイントを更新する。さらにCPU21は、コインの消費を必要とする有料機能(例えば、前述した「コインによる抽選」)を実行する場合には、プレイヤデータベース31にアクセスして、対応するプレイヤIDのプレイヤデータの所持コインを更新(減額)する。
【0076】
(6)本実施形態のゲーム制御装置の主要な処理のフロー
次に、本実施形態のゲーム制御装置により行われる主要な処理のフローの一例について、図12のフローチャートを参照して説明する。図12は、プレイヤのメニュー選択操作に応じて行われる抽選処理を示すフローチャートである。図12に示す一連の処理は主として、ゲームサーバ20のアイテム抽選手段521及び抽選制御手段522によって実行される。
【0077】
先ず、図7に例示したように、通信端末10がトップページを表示する表示状態において、「抽選」のメニューの選択操作がなされると(ステップS10:YES)、選択操作を行ったプレイヤのプレイヤIDとその選択結果と含む信号(第1の信号)をゲームサーバ20が受信する。第1の信号の受信に応じて、ゲームサーバ20は、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と、実質的に有料抽選である「コインによる抽選」のいずれを選択するかについて、プレイヤの抽選操作を案内するための表示(図8参照)を行うためのHTMLデータを送信する。図8において、「エールポイントによる抽選」が選択されると(ステップS20:NO)、ステップS30〜S50の処理は行わない。図8において、「コインによる抽選」が選択されると(ステップS20:YES)、プレイヤデータ管理手段54は、対応するプレイヤIDのプレイヤデータの所持コインを更新(減額)する、所持コインの精算処理を行う(ステップS30)。この精算処理が適切になされた場合には、抽選制御手段522が抽選の制御を実行するための所定の条件を満足したとみなしてよい。抽選制御手段522は、プレイヤデータベース31を参照し、抽選操作に対応するプレイヤIDのプレイヤが既に保持している選手カードを検索する(ステップS40)。さらに抽選制御手段522は、ROM22から出現確率のデータを読み出し、そのデータを、ステップS40の検索結果(プレイヤが保持している選手カード)と一致する選手カードが選択される確率が低くなるように変更する(ステップS50)。
【0078】
続いて、アイテム抽選手段521は、抽選制御手段522によって変更された出現確率のデータに基づいて抽選処理(選手カードの選択処理)を実行する(ステップS60)。さらにアイテム抽選手段521は、例えば図9A〜図9Cに示す演出表示を行うためのHTMLデータを、プレイヤIDに対応する通信端末10宛に送信する(ステップS70)。なお、「エールポイントによる抽選」が選択された場合には(ステップS20:NO)、ステップS60における抽選処理は、ROM22から読み出された出現確率のデータを変更せずにそのまま参照して行われる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態のゲーム制御装置によれば、ゲーム上で規定する所定の条件(図8の例では、「コインによる抽選」を選択して所定量のコインを消費すること)を満足する場合に、既にプレイヤが保有している選手カード(アイテム)と一致する選手カードが抽選で出現する確率が低くなる。つまり、プレイヤにとってみれば、既に自分が保有しているアイテムとは別のアイテムを抽選により取得できる可能性が高まる。これにより、例えば上述したサッカー形式のデジタルカードゲームの場合には、様々なプレイヤキャラクタに対応する選手カードを入手することで、ゲームの進行をプレイヤに有利に進めることができるようになる。また、既に保有している選手カードと新たに取得する選手カードとが一致し難くなるため、自らのコレクションとして多彩な選手カードを増やしていくことが容易であるという利点もある。なお、図8に示すように、無料抽選である「エールポイントによる抽選」と実質的に有料抽選である「コインによる抽選」のいずれかを選択可能にプレイヤに提示させることで、プレイヤは、抽選操作の時点におけるコインの支払い可能額(残高)等を参照しながら柔軟に、出現確率を制御させるか否かを決定することができるようになり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0080】
(7)変形例
以下、上述した本実施形態の変形例について説明する。
(7−1)変形例1
本実施形態のゲーム制御装置において、抽選制御手段522は、抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作においてアイテム抽選手段521により選択された選手カード(アイテム)、と一致する選手カードが選択される確率が、所定の条件を満足しない場合(すなわち、無料抽選である「エールポイントによる抽選」の場合)に当該選手カードが選択される確率よりも低くなるようにする機能を備えていてもよい。つまり、確率を制御する対象(プレイヤの保有カードとのだぶりを発生し難くする対象)とする選手カードを、プレイヤが保有する選手カードのうち、新たな抽選操作がなされた時点を基準として、当該基準の直近を含む過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作において取得した選手カードに限定する。確率を制御する選手カードを新たな抽選のタイミングを基準に一定の範囲に限定することで、ゲームの開始時期の相違に起因するプレイヤ間の不公平が生じ難くなる。
【0081】
この抽選制御手段522の機能は以下のようにして実現できる。例えば、確率を制御する対象とする選手カードを過去の所定期間の間に取得した選手カードに限定する場合には、以下のようにする。ゲームサーバ20のCPU21は、抽選によって新たな選手カードを取得する度に、取得した選手カードと、取得日時とを関連付けてプレイヤデータベース31に記憶させるようにする。そして、CPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、その抽選の日時から過去の所定期間の間の取得日時と関連付けられた選手カードのみを読み出すようにする。
【0082】
また、確率を制御する対象とする選手カードを過去の所定回数の抽選操作の間に取得した選手カードに限定する場合には、以下のようにする。ゲームサーバ20のCPU21は、抽選によって新たな選手カードを取得する度に、取得した選手カードを順に、上記所定回数に応じたサイズのFIFO(First In First Out)構造のキューに格納するようにする。このようなキューは、プレイヤデータベース31内に設けてもよい。そして、CPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、上記キューに格納されている選手カードのみを読み出すようにする。
【0083】
なお、抽選制御手段522は、プレイヤIDに基づく抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが大きいほど、前記所定期間を長く、あるいは前記所定回数を多くするようにしてもよい。これによりプレイヤは、実質的に、新たな抽選によって得られる選手カードが、既に保有している選手カードと一致しない確率を自ら調整することが可能となる。
【0084】
これは、例えば以下のようにして実現できる。ゲームサーバ20のCPU21は、図7のトップページの表示例において「抽選」のメニューが選択されたことを認識した後、抽選操作の対価の額に応じた複数の選択メニューを含む画像を表示するためのHTMLデータを通信端末10宛に送信する。このHTMLデータによって表示される例を図13に示す。図13に示す例では、「コインによる抽選」には、過去1週間、及び過去2週間に取得した選手カードと同じ選手カードが出現しにくくなる2つの抽選メニューが含まれる。図13の例では、過去1週間の場合には200コイン、過去2週間の場合には350コインが必要となる。つまり、プレイヤがより多くのコインを消費することで、過去のより長い期間内に取得した選手カードと同じ選手カードが出現しにくいようにすることができるように構成されている。
【0085】
ここで、「コインによる抽選」の2つのメニューのいずれかが選択されたことを認識すると、CPU21は、その選択結果に応じて、上述した所定期間あるいは所定回数を調整する。例えば、所定期間を調整する場合には以下のようにする。CPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、その抽選の日時から例えば過去の1週間または2週間の取得日時と関連付けられた選手カードのみを読み出すようにする。また、所定回数を調整する場合には、その回数に応じてCPU21が、プレイヤデータベース31に設けた上記キューの読み取り範囲を調整するようにすればよい。
【0086】
(7−2)変形例2
図10において、選手カードの出現確率のデータを例示したように、抽選対象となる複数の選手カードのうちレアカード(第1のアイテム)が選択される確率が、レアカード以外の通常カード(第2のアイテム)が選択される確率よりも低くなるように、複数のアイテムの各々が選択される確率が予め設定されている場合には、抽選制御手段522は、以下の機能を備えていてもよい。すなわち、抽選制御手段522は、プレイヤIDに対応する所定の条件を満足し、かつ当該プレイヤIDのプレイヤが既にレアカード(第1のアイテム)を保有している場合には、当該レアカードが選択される確率を、当該レアカードに対して予め設定された確率よりも低くしないようにする機能を備える。つまり、レアカードについては、プレイヤの保有カードとのだぶりを許容するという構成である。これは、プレイヤは複数枚を保有する同一のレアカードについては、他のプレイヤにプレゼントする、他のプレイヤが保持する選手カードと交換する、あるいは他のプレイヤに売却する等の様々な形態の処分方法を採ることができるため、レアカードを2以上保有することは必ずしもプレイヤにとって不利益とはならない場合があり得るためである。
【0087】
この抽選制御手段522の機能は、以下のようにして実現できる。先ず、プレイヤデータベース31では、すべての選手カードをカード種別(レアカードまたは通常カード)と関連付けて管理するようにする。カード種別は、各々の選手カードに設定されている出現確率が所定の閾値よりも大きいか否かによって予め決定しておいてもよい。そして、ゲームサーバ20のCPU21は、新たな抽選に際し、プレイヤデータベース31から既にプレイヤが保持している選手カードを読み出すときには、通常カードのみを読み出すようにする。これによって、プレイヤが保持している選手カードのうちレアカードについては、出現確率の制御の対象から除外されるようになる。なお、この処理は、変形例1と組み合わせて実行できることは言うまでもない。
【0088】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0089】
上述した実施形態では、ネットワーク上のゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によって、アイテム抽選手段521、抽選制御手段522、及びアイテム記憶手段541の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。これらのすべての手段を通信端末10によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を通信端末10によって実現する構成としてもよい。通信端末10とゲームサーバ20とでは実質的に同一のハードウエア構成を採ることができるため、上記実施形態に記載したようにして通信端末10によっても各機能を実現できる。例えば、抽選対象となる複数のアイテムの内容や、プレイヤIDと、抽選によって選択されたアイテムとを関連付けたデータは、通信端末10内のROM12、RAM13、あるいは図示しないHDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置に記憶されてもよい。抽選制御手段522の機能は、通信端末10内の記憶装置を参照してCPU11によって、ゲームサーバ20のCPU21と同様にして実現できる。
また、通信端末10及びゲームサーバ20を用いたサーバクライアントシステムに限らず、ゲーム制御装置としてのゲーム機(例えば、家庭用ゲーム機)が上記各手段を備えた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…通信端末
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…画像処理部
15…操作入力部
16…表示部
17…無線通信インタフェース部
18…バス
20…ゲームサーバ
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…データベースアクセス部
25…通信インタフェース部
26…バス
30…データベースサーバ
31…プレイヤデータベース
32…ゲーム結果データベース
51…登録手段
52…ゲーム進行手段
521…アイテム抽選手段
522…抽選制御手段
53…対戦実行手段
54…プレイヤデータ管理手段
541…アイテム記憶手段
542…技能レベル管理手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置であって、
前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段と、
プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段と、
を備えたゲーム制御装置。
【請求項2】
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段と、
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段と、
を備えたゲーム制御装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが所定値であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載されたゲーム制御装置。
【請求項4】
前記抽選制御手段は、
前記抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作において前記アイテム抽選手段により選択されたアイテム、と一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるようにすることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項5】
前記抽選制御手段は、
プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが大きいほど、前記所定期間を長く、あるいは前記所定回数を多くすることを特徴とする、
請求項4に記載されたゲーム制御装置。
【請求項6】
前記アイテム抽選手段では、
前記複数のアイテムのうち特定の第1のアイテムが選択される確率が、第1のアイテム以外の第2のアイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記複数のアイテムの各々が選択される確率が予め設定されており、
前記抽選制御手段は、
プレイヤ識別情報に対応する前記所定の条件を満足し、かつ当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶手段が記憶するアイテムとして第1のアイテムが含まれている場合には、当該第1のアイテムが選択される確率を、当該第1のアイテムに対して予め設定された確率よりも低くしないことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項7】
プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置、におけるアイテム抽選方法であって、
プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップと、
前記通信端末による特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップと、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップと、
を含むアイテム抽選方法。
【請求項8】
プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップと、
特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップと、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップと、
を含むアイテム抽選方法。
【請求項9】
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介し、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報単位で実行されるゲームにおけるアイテムの抽選のために、コンピュータを、
前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段、
プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段、及び
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段、
として機能させるためのアイテム抽選プログラム。
【請求項10】
プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置と、を含むゲームシステムであって、
前記通信端末は、
プレイヤ識別情報に対応した抽選操作の入力を受け入れる操作入力部と、
抽選操作の入力があったことを示す第1の信号を前記ゲーム制御装置宛に送信し、抽選結果を含む第2の信号をゲーム制御装置から受信する信号送受信部と、を備え、
前記ゲーム制御装置は、
前記第1の信号を受信すると、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段と、
プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段と、を備えた、
ゲームシステム。
【請求項11】
プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成されるゲーム制御装置と、を含むゲームシステムであって、
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段、
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段、及び、
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段、
の各手段を、前記通信端末又は前記ゲーム制御装置のいずれか一方が備えた、
ゲームシステム。
【請求項1】
プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置であって、
前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段と、
プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段と、
を備えたゲーム制御装置。
【請求項2】
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段と、
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段と、
を備えたゲーム制御装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが所定値であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載されたゲーム制御装置。
【請求項4】
前記抽選制御手段は、
前記抽選操作がなされた時点を基準として過去の所定期間の間、あるいは過去の所定回数の抽選操作において前記アイテム抽選手段により選択されたアイテム、と一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるようにすることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項5】
前記抽選制御手段は、
プレイヤ識別情報に基づく前記抽選操作の対価としての、ゲーム上におけるプレイヤの支払額、経済的価値の消費量、あるいはゲーム上においてプレイヤが利用可能なポイントの消費量、の少なくともいずれかが大きいほど、前記所定期間を長く、あるいは前記所定回数を多くすることを特徴とする、
請求項4に記載されたゲーム制御装置。
【請求項6】
前記アイテム抽選手段では、
前記複数のアイテムのうち特定の第1のアイテムが選択される確率が、第1のアイテム以外の第2のアイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記複数のアイテムの各々が選択される確率が予め設定されており、
前記抽選制御手段は、
プレイヤ識別情報に対応する前記所定の条件を満足し、かつ当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶手段が記憶するアイテムとして第1のアイテムが含まれている場合には、当該第1のアイテムが選択される確率を、当該第1のアイテムに対して予め設定された確率よりも低くしないことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項7】
プレイヤによって操作される通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置、におけるアイテム抽選方法であって、
プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップと、
前記通信端末による特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップと、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップと、
を含むアイテム抽選方法。
【請求項8】
プレイヤ識別情報と、ゲーム上のアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させるステップと、
特定のプレイヤ識別情報に基づく抽選操作に応じて、ゲーム上で利用可能な複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するときの、各アイテムが選択される確率を予め設定するステップと、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように制御するステップと、
を含むアイテム抽選方法。
【請求項9】
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介し、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報単位で実行されるゲームにおけるアイテムの抽選のために、コンピュータを、
前記通信端末によるプレイヤ識別情報に対応した抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段、
プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段、及び
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段、
として機能させるためのアイテム抽選プログラム。
【請求項10】
プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成され、前記通信端末によるプレイヤのゲームの実行を、プレイヤを一意に特定するためのプレイヤ識別情報に基づいて制御するゲーム制御装置と、を含むゲームシステムであって、
前記通信端末は、
プレイヤ識別情報に対応した抽選操作の入力を受け入れる操作入力部と、
抽選操作の入力があったことを示す第1の信号を前記ゲーム制御装置宛に送信し、抽選結果を含む第2の信号をゲーム制御装置から受信する信号送受信部と、を備え、
前記ゲーム制御装置は、
前記第1の信号を受信すると、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段と、
プレイヤ識別情報と、少なくとも前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
プレイヤ識別情報に対応する所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤ識別情報と関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段と、を備えた、
ゲームシステム。
【請求項11】
プレイヤによって操作される通信端末と、前記通信端末から通信によってアクセス可能に構成されるゲーム制御装置と、を含むゲームシステムであって、
プレイヤの抽選操作に応じて、抽選対象となる複数のアイテムの中からいずれかのアイテムを選択するアイテム抽選手段、
プレイヤと、前記アイテム抽選手段により選択されたアイテムとを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶手段、及び、
プレイヤに応じた所定の条件を満足する場合には、当該プレイヤと関連付けて前記記憶装置が記憶するアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、前記所定の条件を満足しない場合に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、前記アイテム抽選手段を制御する抽選制御手段、
の各手段を、前記通信端末又は前記ゲーム制御装置のいずれか一方が備えた、
ゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−75140(P2013−75140A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102020(P2012−102020)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【特許番号】特許第5105497号(P5105497)
【特許公報発行日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【特許番号】特許第5105497号(P5105497)
【特許公報発行日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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