説明

ゲーム制御装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法

【課題】主キャラクタとその主キャラクタに従って行動する従キャラクタとの力関係に応じて、従キャラクタが主キャラクタの作戦通りに行動しない要素が取り入れられたゲームを実現する。
【解決手段】監督評価値設定部434は、監督キャラクタの選手キャラクタに対する管理能力を示す監督評価値を設定する。選手評価値設定部435は、選手キャラクタの能力を示す能力値に応じて、選手キャラクタを評価するための選手評価値を設定する。評価差分値算出部436は、監督評価値が選手評価値よりも小さい場合、監督評価値と選手評価値との差を示す評価差分値を算出する。管理能力設定部437は、評価差分値が大きいほど、監督キャラクタの管理能力が小さくなるように監督評価値を変動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代表キャラクタと、代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現実のプロ野球では、監督の技量が低い場合や経験が浅い場合、技量の高い有名選手やベテラン選手等は監督の指示に従わず、自らの判断で行動するケースがしばしば見受けられる。一方、監督の技量が高い場合やチームを優勝に導いた経験の多い場合などは、有名選手やベテラン選手であっても、監督に対して尊敬の念を抱き、監督の指示にしたがって行動する傾向が高くなる。現実の野球では、このような選手と監督との微妙な力関係がチームの雰囲気や選手のプレーに影響を与え、試合を盛り上げる重要な1要素となっている。したがって、選手と監督との力関係を配慮して、選手が監督の指示通りに行動したり、しなかったりというような要素を野球ゲームに取り入れると、野球ゲームのリアルさが増し、興趣性を高めることが可能となると考えられる。
【0003】
一方、従来の野球ゲームでは、監督の立場で遊技を行うものはあっても、それは単に監督として何らかの指示を選手に出すに留まり、特にその監督と選手との関係を考慮したものではなかった。例えば、特許文献1には、通信回線を使用した対戦ゲームが開示されており、段落〔0023〕〜〔0026〕において、監督の立場からコマンドを選択することができ、プレーヤは自分が監督等になった気分でゲームを楽しむことができる点、更に、前記コマンドを、試合毎、対戦相手毎、イニング毎、回毎、投球毎、投手毎、打席毎、打者毎、走者毎のうち少なくとも1つのタイミングで選択可能である点が開示されている。なお、特許文献1では更に現実世界の情報を取り込むことで、ゲーム性の向上を図る点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−137555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、監督としてのプレーヤがコマンドを選択した後は、単にそのコマンドに従ってゲームが進行されるだけであり、そこに、前述したような、選手と監督との微妙な力関係等は考慮されていない。
【0006】
本発明の目的は、一方のキャラクタと他方のキャラクタとの力関係に応じて、他方のキャラクタが一方のキャラクタの指示通りに行動したり、しなかったりという要素が取り入れられた、従来にないゲームを実現するゲーム制御装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明によるゲーム装置は、代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置であって、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、前記第2評価値から前記第1評価値を差し引いた評価差分値を算出する評価差分値算出部と、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部とを備え、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させる。
【0008】
本発明によるゲーム制御プログラムは、代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、前記第2評価値から前記第1評価値を差し引いた評価差分値を算出する評価差分値算出部と、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部としてコンピュータを機能させ、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させる。
【0009】
本発明によるゲーム制御方法は、代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行をコンピュータが制御するゲーム制御方法であって、コンピュータが、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御ステップと、コンピュータが、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定ステップと、コンピュータが、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定ステップと、コンピュータが、前記第2評価値から前記第1評価値を差し引いた評価差分値を算出する評価差分値算出ステップと、コンピュータが、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定ステップとを備え、前記代表キャラクタ管理能力設定ステップは、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させる。
【0010】
これらの構成によれば、従キャラクタ(例えば野球ゲームにおける選手キャラクタ)の能力値から規定される第2評価値から代表キャラクタ(例えば野球ゲームにおける監督キャラクタ)の管理能力を示す第1評価値を差し引いた評価差分値が算出される。そして、この評価差分値が大きいほど、代表キャラクタの管理能力をゲームに反映するための管理能力値が低下される。
【0011】
したがって、プレーヤが代表キャラクタよりも評価値の高い従キャラクタを使用した場合、従キャラクタは代表キャラクタの行動指示に従わずに行動する割合が高まる。これにより、実際の野球のように、監督と選手との力関係に応じて、選手が監督の指示に従って行動しないという意外性のある要素をゲーム内に取り込むことができ、従来にはない興趣性の高いゲームを提供することができる。
【0012】
(2)前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記評価差分値が大きくなるにつれて、前記代表キャラクタの行動指示に対する、前記従キャラクタの指示遂行率を低下させることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、代表キャラクタの評価値が従キャラクタの評価値より低い場合、従キャラクタの指示遂行率が低下される。したがって、代表キャラクタが自身よりも評価値の高い従キャラクタに行動指示を行っても、従キャラクタはその行動指示に従った行動が失敗に終わる確率が高くなる。これにより、代表キャラクタの管理能力の低下を効果的に再現することができる。
【0014】
(3)前記第1評価値設定部は、前記別団体との対戦に勝利した場合、前記第1評価値を増大させ、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記第1評価値が大きくなるにつれて、前記評価差分値に応じて決定される前記管理能力値の変動の割合を緩和させることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、代表キャラクタは、第1評価値が高く管理能力が高い場合は、評価差分値に応じて決定される管理能力値が変動する割合が緩和される。したがって、管理能力の高い代表キャラクタが自身より評価値の高い従キャラクタに行動指示を行った場合、管理能力の低い代表キャラクタが自身より評価値の高い従キャラクタに行動指示を行った場合に比べ、従キャラクタが行動指示に従って行動する割合が高くなる。これにより、プレーヤに対して対戦に勝利して代表キャラクタの評価値を高めること(例えば、野球ゲームにおいて勝利を重ねることで、監督キャラクタの能力向上を図ること)への明確な動機付けを与えることが可能となり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0016】
また、評価値の高い優秀な従キャラクタを指示通りに行動させるためには、その従キャラクタとの評価値の差を縮めて代表キャラクタの評価値を増大させる必要があるため、プレーヤに対して別団体との対戦に勝利する動機付けをより明確に与えることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0017】
(4)前記従キャラクタは、複数存在し、プレーヤからの選択コマンドにしたがって、複数の従キャラクタの中から前記対戦ゲームに使用する従キャラクタを選択する従キャラクタ選択部と、各従キャラクタについて、前記従キャラクタ選択部により選択された選択回数を管理する選択回数管理部とを更に備え、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記選択回数の大きい従キャラクタほど、前記評価差分値に応じて決定される前記管理能力値の変動の割合を緩和させることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、代表キャラクタが自身より評価値の高い従キャラクタに行動指示を行った場合であっても、その従キャラクタがプレーヤにより選択された選択回数が大きければ、管理能力値の変動の割合が緩和される。具体的に、この構成を野球ゲームに取り入れた場合を例に挙げて説明する。本発明においては、監督キャラクタが高能力の選手キャラクタを使用する場合には、その選手キャラクタが監督キャラクタの指示に従わない可能性が生じるが、この場合でも、もし、その監督キャラクタが当該選手キャラクタを先発メンバーあるいは試合メンバーとして選択した回数が多い場合は、その監督キャラクタと選手キャラクタとの間における擬似的な親密度が高いものとみなして、選手キャラクタが監督キャラクタの指示に従わない度合いを低くする。これにより、プレーヤに対して特定の従キャラクタを繰り返し選択する動機付けを与え、当該従キャラクタへの愛着を喚起し、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0019】
(5)前記操作コマンドは、予め1回の対戦ゲームで使用回数が制限された回数制限コマンドを含み、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記回数制限コマンドの前記使用回数を、前記評価差分値が増大するにつれて減少させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、プレーヤは、代表キャラクタよりも評価値が大きな従キャラクタに指示すると、回数制限コマンドの使用回数が減少するため、代表キャラクタよりも評価値の大きな従キャラクタを使用することに制限が課され、代表キャラクタの管理能力の低下を違和感なくゲームに反映させることができる。
【0021】
(6)1試合の対戦ゲームを開始する際に前記従キャラクタのコンディションを仮想的に示すために、前記従キャラクタの能力値を増減させるコンディション設定部を更に備え、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記コンディション設定部が前記従キャラクタの能力値を減少させる確率を、前記評価差分値に応じて増大させることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、代表キャラクタが自身よりも評価値の大きな従キャラクタに指示すると、その従キャラクタの能力値が下がる確率が高められ、代表キャラクタの管理能力の低下をゲームに効果的に反映させることができる。
【0023】
(7)前記第2評価値設定部は、前記別団体との対戦の勝敗に関わらず、前記従キャラクタの行動結果に応じて前記従キャラクタの能力値を増大させることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、プレーヤは各従キャラクタを個別に育成することができるため、各選手キャラクタへの愛着を喚起させ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0025】
(8)本発明の他の一態様のゲーム装置は、代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置であって、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、前記第1評価値と前記第2評価値との差を示す評価差分値を算出する評価差分値算出部と、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部とを備え、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記第2評価値が前記第1評価値よりも大きい場合、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させる。
【0026】
本発明の別の一態様によるゲーム制御プログラムは、代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、前記第1評価値と前記第2評価値との差を示す評価差分値を算出する評価差分値算出部と、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部としてコンピュータを機能させ、前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記第2評価値が前記第1評価値よりも大きい場合、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させる。
【0027】
本発明の別の一態様によるゲーム制御方法は、代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行をコンピュータが制御するゲーム制御方法であって、コンピュータが、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御ステップと、コンピュータが、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定ステップと、コンピュータが、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定ステップと、コンピュータが、前記第1評価値と前記第2評価値との差を示す評価差分値を算出する評価差分値算出ステップと、コンピュータが、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定ステップとを備え、前記代表キャラクタ管理能力設定ステップでは、コンピュータが、前記第2評価値が前記第1評価値よりも大きい場合、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、例えば、現実の野球のように、監督と選手との力関係によっては、選手が監督の行動指示に対して忠実に行動しない場合があるといったリアリティ感のある状況をゲーム内に盛り込むことができる。一方、プレーヤが監督キャラクタを成長させることができれば、その成長度合いによって、監督キャラクタの指示に対する選手の忠実度を向上させる、つまり、選手キャラクタを監督キャラクタの指示通りに動かせることもできるので、ゲームとして幅広い遊戯性を持たせることができ、その結果、従来にはない興趣性の高いゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【図3】指示遂行率決定テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【図4】減少値決定テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【図5】コンディション減少確率決定テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【図6】本実施の形態によるゲーム装置が実行する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。
【図7】回数制限コマンドの使用回数の決定処理を示すフローチャートである。
【図8】指示遂行率決定処理のフローチャートを示している。
【図9】コンディション設定処理を示すフローチャートである。
【図10】評価値設定処理のフローチャートを示している。
【図11】打者キャラクタがボールオブジェクトを打撃する際のゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
【図12】管理能力特定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】管理能力特定テーブルのデータ構造の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明するが、本発明はこの例に特に限定されず、モニタが一体に構成された携帯用のゲーム装置若しくは携帯電話、又は本発明によるゲーム制御プログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0031】
図1に示すゲーム装置は家庭用ゲーム機100及びテレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100には、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填され、ゲームプログラムが適宜読み出されてゲームが実行される。
【0032】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース回路(I/F)13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。テレビジョン200はテレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0033】
CPU1はバスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2はアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース回路13を相互に接続している。
【0034】
ゲーム装置がパーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、テレビジョンモニタ21等はコンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10、及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているゲーム制御プログラムのデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9、及びインターフェース回路13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0035】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3はCPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0036】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離に応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0037】
インターフェース回路4は周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)等で構成される。ROM6にはゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0038】
伸張回路7は動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理はデコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、イントラ画像の復元処理等を含む。
【0039】
描画プロセッサ10は所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0040】
バッファ14は例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアはテレビジョンモニタ21の表示面上に表示する画像データの展開エリアで構成される。非表示エリアはスケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアで構成される。
【0041】
ここで、テクスチャデータは2次元の画像データである。カラーパレットデータはテクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、CPU1はこれらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに記録する。
【0042】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0043】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0044】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データはCPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0045】
ポリゴン頂点アドレスデータはバッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0046】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、テレビジョンモニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。
【0047】
すなわち、CPU1はグラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持している各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。
【0048】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3は各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0049】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0050】
描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、テレビジョンモニタ21の表示画面上には、多数のポリゴンにテクスチャの貼り付けられた物体が表示される。
【0051】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3が座標変換することによって得られる。
【0052】
音声プロセッサ11は記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させ、バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0053】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0054】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11はこの音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。
【0055】
記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0056】
記録媒体ドライブ17は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は記録媒体ドライブ17からの再生したデータに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0057】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持する等のように、中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0058】
コントローラ19は操作者であるプレーヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレーヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19には、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L、右方向キー19R、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1、R2ボタン19R2、スタートボタン19e、セレクトボタン19f、左スティック19SL及び右スティック19SRが設けられている。
【0059】
上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L及び右方向キー19Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ21の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0060】
スタートボタン19eは記録媒体300からゲームプログラムをロードするようにCPU1に指示するため等に使用される。セレクトボタン19fは記録媒体300からメインメモリ5にロードされるゲームプログラムに関する各種選択をCPU1に指示するため等に使用される。
【0061】
左スティック19SL及び右スティック19SRを除くコントローラ19の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0062】
左スティック19SL及び右スティック19SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは直立したスティックを有し、このスティックの所定位置を支点として前後左右を含む360°方向に亘って傾倒可能な構成になっている。左スティック19SL及び右スティック19SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とする左右方向のx座標及び前後方向のy座標の値を操作信号としてインターフェース回路13を介してCPU1に送出する。
【0063】
なお、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1及びR2ボタン19R2は、記録媒体300からロードされるゲーム制御プログラムに応じて種々の機能に使用される。
【0064】
次に、上記のゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体300からゲームプログラムを読み出すように、CPU1は記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ及びプログラムデータはデコーダ12に供給され、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0065】
デコーダ12によってエラー訂正処理が施された画像データは、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施された音声データは、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0066】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲーム制御プログラム及びプレーヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてゲームを進行させる。すなわち、プレーヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1は画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0067】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3が求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0068】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0069】
次に、記録媒体300に記録されているゲームプログラムに基づいて実行されるゲームについて説明する。本実施の形態におけるゲームは、野球ゲームを題材としたものである。
【0070】
図6は、本実施の形態によるゲーム装置が実行する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。この野球ゲームは、監督キャラクタ(代表キャラクタの一例)と監督キャラクタの行動指示に従って行動する選手キャラクタ(従キャラクタの一例)とにより構成される自チーム(団体の一例)を、ゲーム空間内において別チーム(別団体の一例)と対戦させる野球ゲームである。
【0071】
本野球ゲームは、プレーヤの分身となる監督キャラクタを育成する育成型の野球ゲームである。つまり、プレーヤは、自チームを別チームと対戦させ、勝利することで監督キャラクタの管理能力を示す監督評価値(第1評価値の一例)を増大させ、監督キャラクタを育成させる。選手キャラクタとしては、投手キャラクタ、打者キャラクタ等が含まれる。
【0072】
図6に示すように、本野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLをバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームである。
【0073】
この野球ゲームでは、プレーヤは攻撃側である場合、コントローラ19を操作して、ストライクゾーンを示す外枠WK内に表示されたミートカーソルKを表示画面上で移動させ、ボールオブジェクトBLがホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBLにミートカーソルKを位置決めさせ、打撃コマンドを入力する。そうすると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBLが打ち返される。
【0074】
次に、上記のように構成されたゲーム装置を用いて野球ゲームを行う場合のゲーム装置の主要な機能について説明する。図2は、図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【0075】
操作部410は、コントローラ19等から構成され、プレーヤによりゲームを進行する上で必要となる種々の操作コマンドを受け付ける。操作コマンドとしては、移動コマンド、打撃コマンド、投球コマンド、及び行動指示コマンド等が含まれる。移動コマンドは、プレーヤが攻撃側である場合に入力され、図6に示すミートカーソルKを表示部420の表示画面上で移動させるための操作コマンドである。
【0076】
ここで、プレーヤは、例えば左スティック19SL、又は右スティック19SRを傾倒させることで移動コマンドを入力する。操作部410が出力する移動コマンドに対応する移動コマンド信号には、左スティック19SL又は右スティック19SRが傾倒された方向を示す情報が含まれる。この傾倒された方向を示す情報としては、例えば、左スティック19SL又は右スティック19SRの立設面において、左スティック19SL又は右スティック19SRの前後の傾倒方向を基準方向とし、この基準方向と左スティック19SL又は右スティック19SRが傾倒された方向との時計回りの角度を採用することができる。
【0077】
打撃コマンドは、プレーヤが攻撃側である場合に入力され、ボールオブジェクトBLの打撃タイミングを決定するための操作コマンドである。プレーヤは、例えば第1〜第4ボタン19a〜19dのいずれかを押下することで打撃コマンドを入力する。投球コマンドは、プレーヤが守備側である場合に入力され、投手キャラクタCL2にボールオブジェクトBLを投球させる操作コマンドである。
【0078】
行動指示コマンドは、監督キャラクタの行動指示に従って選手キャラクタを行動させるための操作コマンドであり、実際の野球において、サインや口頭により監督が選手に与える指示を模擬したコマンドである。
【0079】
本野球ゲームでは行動指示コマンドとしては、プレーヤが攻撃側の場合に入力される行動指示コマンドと、プレーヤが守備側の場合に入力される行動指示コマンドが存在する。プレーヤが攻撃側の場合に入力される行動指示コマンドとしては、「ヒットエンドラン」、「送りバント」、「スクイズ」、「セーフティバント」、「盗塁バスター」、「攻撃方針/ミート重視」、「攻撃方針/長打重視」、「攻撃方針/積極的にいけ」、「攻撃方針/見ていけ」等が存在する。これらの行動指示コマンドは、例えば、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げる直前にプレーヤにより入力される。
【0080】
プレーヤが守備側の場合に入力される行動指示コマンドとしては、「走塁意識/積極的」、「走塁意識/通常」、「走塁意識/消極的」、「走塁意識/ゴロゴー」、「守備シフト/ゲッツー狙い」、「守備シフト/バント警戒」、「守備シフト/中間守備」、「守備シフト/前進守備」、「守備シフト/外野前進」、「守備シフト/長打警戒」、「敬遠」、「バントシフトプレス」、「盗塁警戒」、「スクイズ警戒」、「投球方針/ストライク先行」、「投球方針/慎重」、「投球方針/三振狙い」、及び「投球方針/打たせて取る」等が存在する。これらの行動指示コマンドは、例えば、投球コマンドを入力する直前にプレーヤにより入力される。
【0081】
また、これらの行動指示コマンドのうちの全て、又はいずれか1又は複数が回数制限コマンドに該当する。回数制限コマンドは、1回の対戦(1試合)あたりの使用回数が制限されているコマンドである。本実施の形態では、回数制限コマンドは複数存在し、プレーヤには試合開始時に1試合あたりの使用回数が付与され、いずれかの回数制限コマンドが1回使用される都度、使用回数が1減算される。そして、使用回数が0になると、プレーヤは、これ以降、いずれの回数制限コマンドも使用することはできなくなる。なお、これは一例であり、各回数制限コマンドについて個別に1試合あたりの使用回数を設定し、各回数制限コマンドの使用回数を個別に管理してもよい。
【0082】
表示部420は、図1に示すテレビジョン200により構成され、制御部430の制御の基、種々の画像を表示する。
【0083】
制御部430は、図1に示すCPU1及びグラフィックスデータ生成プロセッサ3等から構成され、選手キャラクタ選択部431、選択回数管理部432、キャラクタ制御部433(従キャラクタ制御部の一例)、監督評価値設定部434(第1評価値設定部の一例)、選手評価値設定部435(第2評価値設定部の一例)、評価差分値算出部436、管理能力設定部437(代表キャラクタ管理能力設定部の一例)、及びコンディション設定部438を備えている。
【0084】
選手キャラクタ選択部431は、プレーヤが操作部410を用いて入力した選択コマンドにしたがって、予め定められた複数の選手キャラクタの中から対戦ゲームに使用する選手キャラクタを選択する。
【0085】
本野球ゲームは、プロ野球を模擬した野球ゲームである。したがって、プレーヤは、実際のプロ野球選手を模擬した予め定められた複数の選手キャラクタの中から好みの選手キャラクタを選択して自チームを編成する。本実施の形態では、プレーヤは1試合毎に好みの選手を選択するものとする。また、選手キャラクタ選択部431は、スターティングメンバーを選択するためにプレーヤにより入力された選択コマンドにしたがって、自チームを構成する選手キャラクタのうち、9人の選手キャラクタをスターティングメンバーとして設定する。
【0086】
選択回数管理部432は、プレーヤのチームが1回目の対戦を行ってから現在まで、選手キャラクタ選択部431により選択された各選手キャラクタの選択回数値を個別に管理する。具体的には、選択回数管理部432は、各選手キャラクタに対応する選択回数値をプレーヤ別に選択回数記憶部451に記憶させておき、ある選手キャラクタが選択されると、当該選手キャラクタに対応する選択回数値を1カウントアップして、当該選択回数値を更新する。これにより、同一のゲーム装置において複数のプレーヤが同一の選手キャラクタを選択したとしても、プレーヤ別に各選手キャラクタの選択回数値を管理することができる。後述するように、この選択回数値が高いほど、監督キャラクタとの擬似的な親密度が高いものとみなして、仮に選手評価値が監督評価値よりも大きい場合であれば、監督キャラクタとの評価差分値に応じて定められる管理能力値の変動の割合が緩和される。
【0087】
キャラクタ制御部433は、プレーヤが操作部410を操作して入力した行動指示コマンドに従って監督キャラクタが選手キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って選手キャラクタを行動させる。
【0088】
ここで、キャラクタ制御部433は、キャラクタ情報記憶部452から行動対象となる選手キャラクタの画像データを読み出し、ゲーム空間内において、読み出した画像データに行動指示コマンドに対応した所定の動作を行わせ、レンダリングすることで、選手キャラクタを表示部420にアニメーション表示させればよい。
【0089】
また、キャラクタ制御部433は、操作部410に打撃コマンドが入力されると、打撃コマンドの入力タイミングから打撃タイミングを決定し、決定した打撃タイミングにおいてボールオブジェクトBLがミートカーソルKに重なっていれば、打者キャラクタCL1は打撃に成功したと判定する。そして、キャラクタ制御部433は、打者キャラクタCL1の能力値と、ボールオブジェクトBL及びミートカーソルKの重なり位置とから、打撃されたボールオブジェクトBLの速度及び弾道を決定する。そして、キャラクタ制御部433は、表示部420に表示された打者キャラクタCL1がバットオブジェクトBTでボールオブジェクトBLを打撃するように、打者キャラクタCL1を表示部420にアニメーション表示させる。また、キャラクタ制御部433は、決定した弾道に従ってボールオブジェクトBLが移動するように、ボールオブジェクトBLを表示部420にアニメーション表示させる。
【0090】
例えば、プレーヤが攻撃側である場合に「送りバント」の行動指示コマンドを入力したとすると、キャラクタ制御部433は、現在バッターボックスに立っている打者キャラクタCL1の指示遂行率に従って、この打者キャラクタCL1が送りバントに成功するか否かを抽選により決定する。
【0091】
そして、キャラクタ制御部433は、抽選により送りバントを成功させると決定した場合、プレーヤが入力した打撃コマンドの入力タイミングから打撃タイミングを決定し、決定した打撃タイミングにおいてボールオブジェクトBLがミートカーソルKに重なっていれば、打者キャラクタCL1に送りバントを実行させる。そして、キャラクタ制御部433は、打者キャラクタCL1の能力値と、ボールオブジェクトBL及びミートカーソルKの重なり位置から、打撃されたボールオブジェクトBLの速度及び弾道を決定する。そして、キャラクタ制御部433は、表示部420に表示された打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLをバントするように表示部420にアニメーション表示させると共に、決定した弾道に従ってボールオブジェクトBLが移動するように、ボールオブジェクトBLを表示部420にアニメーション表示させる。
【0092】
監督評価値設定部434は、監督キャラクタの選手キャラクタに対する管理能力を示す監督評価値(第1評価値の一例)を設定する。ここで、監督評価値設定部434は、プレーヤが別チームとの対戦に勝利すると、監督評価値記憶部453に記憶されている現在の監督評価値を所定ポイント増大させて監督評価値を更新する。一方、監督評価値設定部434は、プレーヤのチームが別チームとの対戦に負けると、現在の監督評価値を増大させない。但し、これは一例であり、監督評価値設定部434は、プレーヤのチームが別チームとの対戦に勝利したときの監督評価値の増大分を、プレーヤのチームが別チームとの対戦に負けたときの監督評価値の増大分よりも大きく設定し、試合を行う都度、監督評価値を増大させる構成を採用してもよい。
【0093】
なお、監督評価値設定部434は、プレーヤが1回目の試合を開始する前においては、監督評価値としてデフォルト値が設定される。デフォルト値としては、0を採用してもよいし、0より大きい所定の値を採用してもよい。
【0094】
選手評価値設定部435は、選手キャラクタの能力を示す能力値に応じて、選手キャラクタを評価するための選手評価値を設定する。ここで、選手評価値設定部435は、別チームとの対戦の勝敗に関わらず、選手キャラクタの行動結果に応じて選手キャラクタの能力値を増大させ、それに応じて選手評価値も増大させる。
【0095】
能力値には、パワー、走力、及び守備力の3つの能力値が含まれる。パワーの能力値は、20、100等の数値によって選手キャラクタの打撃力を規定する能力値である。したがって、パワーの能力値が大きい選手キャラクタが打撃に成功した場合、打撃されたボールオブジェクトBLの移動速度が大きく設定され、長打となる確率が高くなる。また、投手キャラクタCL2においては、パワーの能力値は投じたボールオブジェクトBLの速度を規定する能力値となる。したがって、パワーの能力値が大きい投手キャラクタCL2は、パワーの能力値が小さい投手キャラクタCL2よりもボールオブジェクトBLの移動速度が大きい。
【0096】
走力の能力値は、20、100等の数値によって、選手キャラクタの足の速さを規定する能力値である。したがって、走力が大きい選手キャラクタは、内野安打を打つ確率が高くなると共に、盗塁に成功する確率も高くなる。
【0097】
守備力の能力値は、20、100等の数値によって選手キャラクタの守備の巧さを規定する能力値である。したがって、守備力の能力値が大きい選手キャラクタは、打撃されたボールオブジェクトBLを飛びついて捕球するようなファインプレーを行う確率が高くなる。
【0098】
そして、選手評価値設定部435は、例えば1試合が終了したときに、選手キャラクタの行動結果を集計し、集計した行動結果からパワー、走力、及び守備力の能力値を所定ポイント増大させる。例えば、ある選手キャラクタが、1塁打、2塁打、3塁打等のヒットを打った場合、或いはホームランを打った場合、ヒット又はホームランを打った回数に応じてその選手キャラクタのパワーの能力値が所定ポイント増大される。また、ある選手キャラクタが盗塁に成功した場合、盗塁に成功した回数に応じてその選手キャラクタの走力の能力値が所定ポイント増大される。また、ある選手キャラクタがゴロやフライの捕球に成功した場合、成功した回数に応じてその選手キャラクタの守備力の能力値が所定ポイント増大される。
【0099】
このように、選手キャラクタは、試合の勝敗とは関わらず、行動に成功した回数に応じて能力値が増大されるのである。そして、この能力値は、プレーヤが1回目の試合を行ってから現在までの累計値が採用されているため、プレーヤは監督キャラクタのみならず、各選手キャラクタも個別に育成することができる。これにより、プレーヤに対して各選手キャラクタへの愛着を喚起させ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0100】
そして、選手評価値設定部435は、パワー、走力、及び守備力の能力値から各選手キャラクタを評価するための選手評価値を算出し、選手評価値記憶部454に記憶させる。ここで、選手評価値としては、例えば、パワー、走力、及び守備力の能力値の例えば平均値に応じて段階的に増大する値が採用される。或いは、パワー、走力、及び守備力の能力値を予め定められた重み付け値で重み付け平均した値に応じて段階的に増大する値が採用される。したがって、パワー、走力、及び守備力の能力値が増大するにつれて選手評価値も増大することになり、選手評価値から選手の育成度合が分かる。なお、プレーヤが1回目の対戦を行う前、パワー、走力、及び守備力の能力値には、選手キャラクタの特徴に応じたデフォルト値が設定されている。例えば、打撃力のある選手キャラクタに対しては通常の選手キャラクタよりもパワーの能力値のデフォルト値が高く設定されている。
【0101】
評価差分値算出部436は、監督評価値記憶部453に記憶された現在の監督キャラクタの監督評価値が選手評価値記憶部454に記憶された現在の選手評価値よりも小さい場合、監督評価値と選手評価値との差を示す評価差分値を算出する。ここで、評価差分値算出部436は、後述する回数制限コマンドの使用回数の決定処理、指示遂行率決定処理、及びコンディション設定処理が行われる際に、評価差分値を算出する。
【0102】
管理能力設定部437は、評価差分値に基づき、監督キャラクタの管理能力を対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する。ここで、管理能力設定部437は、評価差分値が大きいほど、監督キャラクタの管理能力が低下するように管理能力値を変動させる。管理能力値としては、指示遂行率、コマンド使用回数の減少値、及びコンディション減少確率が含まれる。
【0103】
指示遂行率は、行動指示コマンドに応じて行動する選手キャラクタの行動結果が成功に終わる確率を示している。ここで、指示遂行率は、評価差分値が大きいほど低く設定されるため、監督評価値よりも高い選手評価値を持つ選手キャラクタに行動指示を行った場合、その選手キャラクタの行動が失敗に終わる確率が高くなる。
【0104】
ここで、管理能力設定部437は、管理能力決定情報記憶部455に記憶された指示遂行率決定テーブルを参照することで、指示遂行率を決定する。図3は、指示遂行率決定テーブルTB1のデータ構造の一例を示した図である。図3に示すように指示遂行率決定テーブルTB1は、評価差分値のフィールドと指示遂行率のフィールドとを備えており、各評価差分値に対応する指示遂行率を規定する。
【0105】
図3に示すように、評価差分値が増大するにつれて指示遂行率が低下していることが分かる。これにより、監督キャラクタが自身の監督評価値よりも大きな選手評価値を持つ選手キャラクタに行動指示を行うと、その選手キャラクタが行動指示に従って行動しなくなり、監督キャラクタの管理能力を対戦ゲームに反映させることができる。
【0106】
例えば、1行目のレコードには、評価差分値が1に対して指示遂行率が90(%)と設定されている。よって、監督キャラクタが監督評価値よりも1つ値の大きな選手評価値を持つ選手キャラクタに行動指示を行った場合、指示遂行率が90%と設定される。これにより、キャラクタ制御部433は、指示遂行率を90%と設定して、選手キャラクタがこの行動指示を遂行するか未遂にするかを抽選処理により決定し、抽選結果に従って選手キャラクタを行動させる。
【0107】
一方、監督キャラクタが自身の監督評価値よりも選手評価値が低い選手キャラクタに行動指示を行った場合、管理能力設定部437は指示遂行率を設定しない。そのため、キャラクタ制御部433は、監督キャラクタの行動指示に従った行動を100%の確率で選手キャラクタに行わせる。なお、行動指示コマンドにデフォルトの指示遂行率が設定されている場合、キャラクタ制御部433は、デフォルトの指示遂行率を、管理能力設定部437により設定された指示遂行率に掛けることで、選手キャラクタの指示遂行率を決定してもよい。これにより、デフォルトの指示遂行率を管理能力設定部437で設定された指示遂行率に応じて減少させることができる。
【0108】
コマンド使用回数の減少値は、回数制限コマンドの1試合あたりの使用回数を減少させる際の減少値を示している。本野球ゲームでは、回数制限コマンドの1試合あたりの使用回数が予め規定されている。このデフォルトの使用回数を、評価差分値に応じて減少させることで、監督キャラクタの管理能力を対戦ゲームに反映させている。
【0109】
ここで、管理能力設定部437は、管理能力決定情報記憶部455に記憶された減少値決定テーブルを用いて減少値を決定する。図4は、減少値決定テーブルTB2のデータ構造の一例を示した図である。図4に示すように減少値決定テーブルTB2は、評価差分値のフィールドと回数制限コマンドの減少値のフィールドとを備え、各評価差分値に対応する回数制限コマンドの減少値を規定する。
【0110】
図4に示すように、評価差分値が増大するにつれて回数制限コマンドの減少値が増大していることが分かる。例えば、評価差分値が1に対応する回数制限コマンドの減少値は1と設定されている。
【0111】
管理能力設定部437は、評価差分値が1の場合、回数制限コマンドのデフォルトの使用回数が例えば10であるとすると、10−1=9を回数制限コマンドの使用回数として設定する。これにより、プレーヤは、回数制限コマンドをデフォルトの使用回数よりも1つ少ない回数しか使用することができなくなる。
【0112】
ここで、管理能力設定部437は、選手キャラクタ選択部431が選択した対戦ゲームに使用する選手キャラクタのうち、選手評価値が監督評価値よりも大きな選手キャラクタを特定し、特定した各選手キャラクタについて評価差分値を算出し、算出した評価差分値の合計値を、回数制限コマンドの減少値を設定する際の評価差分値として特定すればよい。
【0113】
これにより、プレーヤは、監督評価値よりも大きな選手評価値を持つ選手キャラクタで自チームを構成すると、回数制限コマンドの使用回数が減少するため、監督評価値よりも大きな選手評価値を持つ選手キャラクタを選択することに制限が課され、監督キャラクタの管理能力の低下を対戦ゲームに反映させることができる。
【0114】
コンディション減少確率は、コンディション設定部438が設定する選手キャラクタの現在のコンディションを所定のレベルに下げる確率を示している。本実施の形態では、コンディション減少確率は、選手キャラクタの現在のコンディションが後述する絶不調となる確率を示している。
【0115】
ここで、管理能力設定部437は、管理能力決定情報記憶部455に記憶されたコンディション減少確率決定テーブルを用いてコンディション減少確率を設定する。図5は、コンディション減少確率決定テーブルTB3のデータ構造の一例を示した図である。
【0116】
図5に示すように、コンディション減少確率決定テーブルTB3は、評価差分値のフィールドとコンディション減少確率のフィールドとを備えており、各評価差分値に対応するコンディション減少確率を規定する。
【0117】
図5に示すように、評価差分値が増大するにつれてコンディション減少確率が増大していることが分かる。これにより、監督評価値よりも選手評価値の大きな選手キャラクタを使用すると、その選手キャラクタのコンディションが、評価差分値に応じて絶不調になる確率が高まり、監督キャラクタの管理能力の低下を対戦ゲームに反映させることができる。
【0118】
コンディション設定部438は、1つの試合を開始する際に選手キャラクタ選択部431が選択した選手キャラクタのそれぞれに対するコンディションを設定する。ここで、コンディションとしては、絶好調、好調、普通、不調、絶不調の5つが存在する。
【0119】
コンディション設定部438は、各選手キャラクタについて抽選処理を行い、これら5つのコンディションの中から1つのコンディションを決定する。そして、コンディション設定部438は、決定した1つのコンディションに応じて予め定められた増減値で、選手キャラクタの現在の能力値を増減させる。例えば、コンディションのレベルが普通の場合、増減値は0であるため、選手キャラクタの現在の能力値がそのまま採用される。また、コンディションのレベルが好調の場合、増減値は「+α1」であるため、選手キャラクタの現在の能力値がα1だけ増大される。コンディションのレベルが不調の場合、増減値は「−α1」であるため、選手キャラクタの現在の能力値がα1だけ減少される。更に、コンディションのレベルが絶好調の場合、増減値は「+α2(>+α1)」であるため、選手キャラクタの現在の能力値がα2だけ増大される。更に、コンディションのレベルが絶不調の場合、増減値は「−α2(<−α1)」であるため、選手、キャラクタの現在の能力値がα2だけ減少される。
【0120】
このように、コンディション設定部438は、各選手キャラクタの能力値をコンディションのレベルに応じて増減させることで、各選手キャラクタのコンディションを仮想的に表すことができる。なお、コンディション設定部438により増減された能力値は1試合だけ有効である。
【0121】
そして、コンディション設定部438は、管理能力設定部437によりコンディション減少確率が設定された選手キャラクタについては、そのコンディション減少確率によりコンディションを絶不調にするか否かを定める抽選処理を実行する。ここで、コンディション設定部438は、抽選結果が絶不調でない場合、選手評価値が監督評価値よりも低い選手キャラクタと同様の抽選処理を行い、選手キャラクタのコンディションを上記の5つのコンディションの中からいずれか1つのコンディションに設定する。
【0122】
プログラム記憶部440は、例えば記録媒体ドライブ17等から構成され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体441を含む。記録媒体441は、記録媒体300から構成され、本発明によるゲーム制御プログラムを記憶している。なお、記録媒体300からゲーム制御プログラムが読み取られ、当該ゲーム制御プログラムがメインメモリ5に記録されている場合、メインメモリ5がプログラム記憶部440として機能する。
【0123】
データ記憶部450は、例えばメインメモリ5から構成され、選択回数記憶部451、キャラクタ情報記憶部452、監督評価値記憶部453、選手評価値記憶部454、及び管理能力決定情報記憶部455を備えている。
【0124】
選択回数記憶部451は、選択回数管理部432により管理される各選手キャラクタの選択回数を記憶する。キャラクタ情報記憶部452は、選手キャラクタ、ボールオブジェクト、監督キャラクタの画像データや、選手評価値設定部435により設定された各選手キャラクタの能力値を記憶する。
【0125】
監督評価値記憶部453は、監督評価値設定部434により設定された監督評価値を記憶する。選手評価値記憶部454は、選手評価値設定部435により設定された各選手キャラクタの選手評価値を記憶する。管理能力決定情報記憶部455は、図3〜図5に示す指示遂行率決定テーブルTB1、減少値決定テーブルTB2、及びコンディション減少確率決定テーブルTB3を記憶する。また、管理能力決定情報記憶部455は、図12又は図13に示す緩和値特定テーブルTB4、TB5を記憶する。
【0126】
図7は、回数制限コマンドの使用回数の決定処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、試合開始前に、プレーヤが自チームを構成する選手キャラクタを選択する際に実行される。
【0127】
まず、プレーヤにより操作部410を用いて選手キャラクタを選択するための選択コマンドが入力されると(ステップS1でYES)、選択された選手キャラクタを選択し、プレーヤのチームのメンバーとする(ステップS2)。ここで、制御部430は、選択可能な選手キャラクタのリストを表示部420表示させることで、プレーヤに選手キャラクタの選択を促す。
【0128】
一方、プレーヤが選択コマンドを入力しない場合(ステップS1でNO)、処理がステップS1に戻される。次に、選択回数管理部432は、ステップS2で選択された選手キャラクタの1回目の対戦から現在までの選択回数を示す選択回数値を1カウントアップする(ステップS3)。
【0129】
次に、評価差分値算出部436は、ステップS2で選択された選手キャラクタの現在の選手評価値を選手評価値記憶部454から読み出すことで特定する(ステップS4)。次に、評価差分値算出部436は、プレーヤの監督キャラクタの監督評価値を監督評価値記憶部453から読み出し、現在の監督評価値を特定する(ステップS5)。
【0130】
次に、評価差分値算出部436は、ステップS2で選択された選手キャラクタの選手評価値が監督評価値より大きいか否かを判定する(ステップS6)。そして、評価差分値算出部436は、選手評価値>監督評価値の場合(ステップS6でYES)、つまり、監督キャラクタが選手キャラクタを管理し得る管理能力を有していない場合、選手評価値−監督評価値により評価差分値を算出する(ステップS7)。算出された評価差分値はバッファに一時的に記憶される。
【0131】
一方、評価差分値算出部436は、ステップS2で選択された選手キャラクタの選手評価値が監督評価値以下の場合(ステップS6でNO)、つまり、監督キャラクタが選手キャラクタを管理し得る能力を有している場合、ステップS7の処理をスルーする。
【0132】
次に、管理能力設定部437は、選手キャラクタの選択数が上限値に到達していない場合(ステップS8でNO)、処理をステップS1に戻し、別の選手キャラクタを選択するための選択コマンドをプレーヤに入力させる。一方、管理能力設定部437は、選手キャラクタの選択数が上限値に到達した場合(ステップS8でYES)、処理をステップS9に進める。つまり、選手キャラクタ選択部431は、プレーヤのチームを構成する選手キャラクタが規定人数に到達するまでプレーヤに選手キャラクタを選択させる。ここで、規定人数としては少なくとも9以上の所定の整数値が採用される。
【0133】
ステップS9において、管理能力設定部437は、バッファに記憶させておいた評価差分値の合計値を算出する。つまり、管理能力設定部437は、監督評価値よりも選手評価値が大きい選手キャラクタについて算出された評価差分値の合計値を算出する。
【0134】
次に、管理能力設定部437は、図4に示す減少値決定テーブルTB2を参照して、ステップS9で算出した評価差分値の合計値に対応する回数制限コマンドの減少値を決定する(ステップS10)。
【0135】
次に、管理能力設定部437は、評価差分値を算出した各選手キャラクタの選択回数値を選択回数記憶部451から読み出し、読み出した選択回数値に応じてステップS10で決定した回数制限コマンドの減少値の緩和値を求め、回数制限コマンドの減少値−緩和値により、回数制限コマンドの減少値を補正する(ステップS11)。
【0136】
この場合、管理能力設定部437は、評価差分値を算出した選手キャラクタのうち、例えば選択回数値が最大の選手キャラクタを特定し、この選手キャラクタの選択回数値に応じて予め定められた緩和値を特定すればよい。ここで、選択回数値が最大の選手キャラクタの選択回数値を用いて緩和値を特定しているのは、回数制限コマンドは、個々の選手キャラクタに対して設定されるものではなく、プレーヤがプレイを行う1つの試合に対して設定されるものであるため、具体的な何らかの基準に基づいて設定する必要があるからである。なお、管理能力設定部437は、選択回数値が最小の選手キャラクタの選択回数値を用いて緩和値を特定してもよいし、評価差分値を算出した選手キャラクタの選択回数値の平均値を用いて緩和値を特定してもよい。
【0137】
具体的には、管理能力設定部437は、図12に示す緩和値特定テーブルTB4を用いて緩和値を特定する。緩和値特定テーブルTB4は、選択回数値及び緩和値のフィールドを備えている。図12に示すように、緩和値は、選択回数値が増大するにつれて大きくなるように値が設定されている。図12の例では、選択回数値が10以上、15未満の場合、緩和値が1、選択回数値が15以上、20未満の場合、緩和値が2というように、選択回数値に対して緩和値が段階的に増大している。また、図12の例では、選択回数値が55以上の場合は、緩和値が10とされ、これ以上、緩和値が上昇しないようにされている。但し、図12に示す数値は一例にすぎず異なる数値を適宜採用してもよい。例えば、図12の緩和値特定テーブルTB4に代えて、選択回数値が増大するにつれて緩和値が増大する1次関数や2次関数等の関数を用いて、緩和値を特定してもよい。また、図12の例において、選択回数値が55以上になると緩和値が増大しないようになっているが、選択回数値が55以上になっても、緩和値を増大させてもよい。また、選択回数値に対して緩和値が連続的に増大するように緩和値特定テーブルTB4を設定してもよい。
【0138】
例えば、選択回数値が最大の選手キャラクタの選択回数値が16であったとする。すると、管理能力設定部437は、緩和値特定テーブルTB4を参照し、緩和値を2として特定する。ステップS10で決定された回数制限コマンドの減少値が4であったとすると、4−2=2が補正後の回数制限コマンドの減少値として算出され、回数制限コマンドの減少値が緩和される。
【0139】
なお、ステップS10において、減少値決定テーブルTB2を参照して回数制限コマンドの減少値が1と決定され、ステップS11において、緩和値特定テーブルTB4を参照して、緩和値が2と決定されたとすると、補正後の回数制限コマンドの減少値は1−2=−1と算出され、−1以下になってしまう。このように、補正後の回数制限コマンドの減少値が−1以下となる場合、管理能力設定部437は、回数制限コマンドの減少値を0と設定すればよい。
【0140】
このように、選択回数値に応じて回数制限コマンドの減少値を補正することで、プレーヤに対してある選手キャラクタを使用し続ける動機付けを与えることができる。そして、ある選手キャラクタを使用し続けることでプレーヤに対してこの選手キャラクタへの愛着を喚起させ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0141】
次に、管理能力設定部437は、回数制限コマンドの1試合あたりのデフォルトの使用回数から、ステップS11で補正された回数制限コマンドの減少値を減じ、回数制限コマンドの使用回数を設定する(ステップS12)。プレーヤは、引き続いて開始される試合において、ステップS12で設定された使用回数分の回数制限コマンドを使用することができる。上述の例では、ステップS11において、2が回数制限コマンドの減少値として算出されている。したがって、回数制限コマンドのデフォルトの使用回数が10であるとすると、管理能力設定部437は、10−2=8を回数制限コマンドの使用回数として設定する。この場合、プレーヤは、デフォルトの使用回数である10回に対して2回少ない8回しか回数制限コマンドを使用することができなくなる。
【0142】
なお、ステップS11では、選択回数値に応じて回数制限コマンドの減少値を補正したが、これに限定されず、監督キャラクタの監督評価値に応じて回数制限コマンドの減少値を補正してもよい。この場合、管理能力設定部437は、図13に示す緩和値特定テーブルTB5を参照して、回数制限コマンドを補正すればよい。緩和値特定テーブルTB5は、監督評価値及び緩和値のフィールドを備えている。図13に示すように、緩和値は、監督評価値が増大するにつれて大きくなるように値が設定されている。図13の例では、監督評価値が100以上、110未満の場合、緩和値が1、監督評価値が110以上、120未満の場合、緩和値が2というように、監督評価値に対して緩和値が段階的に増大している。また、図13の例では、監督評価値が220以上の場合は、緩和値が10とされ、これ以上、緩和値が上昇しないようにされている。但し、図13に示す数値は一例にすぎず異なる数値を適宜採用してもよい。例えば、図13の緩和値特定テーブルTB5に代えて、監督評価値が増大するにつれて緩和値が増大する1次関数や2次関数等の関数を用いて、緩和値を特定してもよい。また、図13の例において、監督評価値が220以上になると緩和値が増大しないようになっているが、監督評価値が220以上になっても、緩和値を増大させてもよい。また、監督評価値に対して緩和値が連続的に増大するように緩和値特定テーブルTB5を設定してもよい。
【0143】
例えば、監督評価値が115であったとする。すると、管理能力設定部437は、緩和値特定テーブルTB5を参照し、緩和値を2として特定する。ステップS10で決定された回数制限コマンドの減少値が4であったとすると、4−2=2が補正後の回数制限コマンドの減少値として算出され、回数制限コマンドの減少値が緩和される。
【0144】
このように、監督評価値がある一定の値(図13の例では100)以上になると、監督評価値が増大するにつれて回数制限コマンドの減少値が緩和されるため、プレーヤに対して対戦に勝利して監督評価値を上げる動機付けを与え、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0145】
図8は、指示遂行率決定処理のフローチャートを示している。指示遂行率決定処理は、図7に示す処理が実行されて、チームを構成する選手キャラクタが決定された後であって、試合が開始される前に、決定された各選手キャラクタのそれぞれに対して実行される。
【0146】
まず、管理能力設定部437は、プレーヤにより選択された選手キャラクタのうち指示遂行率の計算対象となる選手キャラクタを設定する(ステップS21)。ここで、管理能力設定部437は、例えば、プレーヤが選択した順番に従って、計算対象となる選手キャラクタを設定すればよい。
【0147】
次に、管理能力設定部437は、計算対象として設定した選手キャラクタの選手評価値を選手評価値記憶部454から読み出し、当該選手キャラクタの現在の選手キャラクタの選手評価値を特定する(ステップS22)。
【0148】
次に、管理能力設定部437は、監督評価値記憶部453から監督評価値を読み出し、監督キャラクタの現在の監督評価値を特定する(ステップS23)。次に、管理能力設定部437は、選手評価値が監督評価値より大きいか否かを判定し(ステップS24)、選手評価値>監督評価値の場合(ステップS24でYES)、当該選手キャラクタに対して指示遂行率を決定する必要があるため、処理をステップS25に進める。
【0149】
一方、管理能力設定部437は、選手評価値が監督評価値以下の場合(ステップS24でNO)、当該選手キャラクタは指示遂行率を決定する必要がないため、処理をステップS28に進める。
【0150】
次に、管理能力設定部437は、選手評価値−監督評価値により差分評価値を算出する(ステップS25)。次に、管理能力設定部437は、図3に示す指示遂行率決定テーブルTB1を参照し、差分評価値に対応する指示遂行率を決定する(ステップS26)。
【0151】
次に、管理能力設定部437は、選手キャラクタの選択回数値に応じて、指示遂行率を補正する(ステップS27)。ここで、管理能力設定部437は、選手キャラクタの選択回数値に応じて予め定められた指示遂行率の緩和値を決定し、ステップS26で決定した指示遂行率に緩和値を加え、指示遂行率を補正する。
【0152】
この場合、管理能力設定部437は、図12に示す緩和値特定テーブルTB4のデータを用いて緩和値を特定すればよい。図12に示すように、緩和値は選択回数値が大きくなるにつれて大きくなる値が設定されている。なお、緩和値特定テーブルTB4は、回数制限コマンドの減少抑制の数を設定する際に利用したが、同テーブルのデータを利用することで、指示遂行率の補正に利用することができる。
【0153】
例えば、ある選手キャラクタの選択回数値が16であったとする。すると、管理能力設定部437は、緩和値特定テーブルTB4を参照し、緩和値を2として特定する。そして、指示遂行率の補正の場合には、これに所定の係数(例えば1.5)を乗算した数値を緩和値として設定する。ステップS26で決定された指示遂行率が80であったとすると、80+3=83が補正後の指示遂行率として算出され、指示遂行率が少し増大されている。
【0154】
なお、上記では指示遂行率の補正に、緩和値特定テーブルTB4を利用したが、もちろん、これとは別に、指示遂行率の補正用のテーブルを設けるようにしてもよい。
【0155】
これにより、選択回数値が大きい選手キャラクタは、指示遂行率が増大する結果、監督キャラクタの行動指示に対して失敗する確率が低くなる。したがって、プレーヤにある特定の選手キャラクタを使用し続ける動機付けを与えることができ、当該選手キャラクタに対するプレーヤの愛着を喚起させ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0156】
なお、ステップS26で決定された指示遂行率に緩和値を加えた結果、指示遂行率が100より大きくなった場合、管理能力設定部437は、補正後の指示遂行率を100と設定すればよい。
【0157】
次に、管理能力設定部437は、プレーヤが選択した全選手キャラクタが計算対象として設定されている場合(ステップS28でYES)、処理を終了させる。一方、管理能力設定部437は、プレーヤが選択した全選手キャラクタが計算対象として設定されていない場合(ステップS28でNO)、処理がステップS21に戻され、次の選手キャラクタが計算対象として設定される。
【0158】
なお、ステップS27では、選択回数値に応じて指示遂行率を補正したが、これに限定されず、監督キャラクタの監督評価値に応じて指示遂行率を補正してもよい。この場合、管理能力設定部437は、図13に示す緩和値特定テーブルTB5を参照し、監督評価値に応じた緩和値を求め、指示遂行率+緩和値により、指示遂行率を補正すればよい。これにより、プレーヤに対して対戦に勝利して監督評価値を上げる動機付けを与え、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0159】
図9は、コンディション設定処理を示すフローチャートである。コンディション設定処理は、図8に示す処理が実行されて、試合が開始される前に、決定された各選手キャラクタのそれぞれに対して実行される。ステップS31〜S35の処理は図8に示すステップS21〜S25の処理と同一であるため、説明を省略する。ステップS36において、管理能力設定部437は、差分評価値に対応するコンディション減少確率を図5に示すコンディション減少確率決定テーブルTB3を参照して決定する。
【0160】
次に、管理能力設定部437は、差分評価値に応じて決定したコンディション減少確率を、選手キャラクタの使用回数値に応じて補正する(ステップS37)。この場合、管理能力設定部437は、図12に示す緩和値特定テーブルTB4を用いて使用回数値に応じた緩和値を特定し、コンディション減少確率−緩和値により差分評価値に応じて決定したコンディション減少確率を補正する。
【0161】
例えば、ある選手キャラクタの選択回数値が16であったとする。すると、管理能力設定部437は、緩和値特定テーブルTB4を参照し、緩和値を2として特定する。ステップS36で決定されたコンディション減少確率が20であったとすると、20−2=18が補正後のコンディション減少確率として算出され、コンディション減少確率が少し減少されている。なお、指示遂行率で説明した手法と同様にして、緩和値特定テーブルTB4のデータをそのまま用いるのではなく、所定の係数を乗じて変換し、変換後のデータを緩和値として用いてもよい。
【0162】
これにより、選手評価値が監督評価値よりも大きい選手キャラクタであっても、使用回数値が大きければ、コンディション減少確率がコンディション減少確率決定テーブルTB3により決定されるコンディション減少確率よりも低くなり、コンディションが絶不調になる確率が緩和される。その結果、プレーヤに特定の選手キャラクタを使用し続ける動機付けを与え、当該選手キャラクタへの愛着を喚起させ、ゲームへの興趣性を高めることができる。
【0163】
なお、ステップS37において、監督キャラクタの監督評価値に応じてコンディション減少確率を補正してもよい。この場合、管理能力設定部437は、図13に示す緩和値特定テーブルTB5を参照して、監督評価値に応じた緩和値を求め、ステップS36で決定したコンディション減少確率−緩和値により、コンディション減少確率を補正すればよい。これにより、プレーヤに対して対戦に勝利して監督評価値を上げる動機付けを与え、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0164】
次に、コンディション設定部438は、コンディション減少確率を用いた抽選処理を行い(ステップS38)、計算対象の選手キャラクタのコンディションを絶不調にするか否かを決定する。
【0165】
次に、コンディション設定部438は、ステップS38の抽選処理の抽選結果が絶不調であった場合(ステップS39でYES)、選手キャラクタの能力値からα2を差し引き、選手キャラクタの能力値を決定する(ステップS43)。
【0166】
一方、コンディション設定部438は、ステップS38の抽選処理の抽選結果が絶不調でない場合(ステップS39でNO)、再度、抽選処理を行い(ステップS40)、選手キャラクタのコンディションを絶好調〜絶不調の5つのコンディションの中からいずれか1つに設定する(ステップS41)。ここで、コンディション設定部438は、5つのコンディションの中から例えばランダムに1つのコンディションを決定すればよい。
【0167】
次に、コンディション設定部438は、設定したコンディションに応じた増減値で選手キャラクタの能力値を増減させ、選手キャラクタの能力値を決定する(ステップS42)。
【0168】
なお、ステップS34でNOと判定された場合、すなわち、選手評価値が監督評価値以下の選手キャラクタについては、ステップS40の抽選処理のみが実行され、絶好調〜絶不調の5つのコンディションの中からいずれか1つのコンディションが決定される。
【0169】
ステップS44において、全ての選手キャラクタが計算対象として設定された場合(ステップS44でYES)、処理が終了される。一方、全ての選手キャラクタが計算対象として設定されていない場合(ステップS44でNO)、処理がステップS31に戻され、次の選手キャラクタが計算対象の選手キャラクタとして設定される。
【0170】
図10は、評価値設定処理のフローチャートを示している。この評価値設定処理は1つの対戦が終了する都度実行される。まず、プレーヤが対戦に勝利した場合(ステップS51でYES)、監督評価値設定部434は、監督評価値を所定ポイント増大させる(ステップS52)。一方、監督評価値設定部434は、プレーヤが対戦に負けた場合(ステップS51でNO)、監督評価値を増大させず、処理をステップS53に進める。
【0171】
ステップS53において、選手評価値設定部435は、終了した試合での各選手キャラクタの行動指示コマンドに対する行動結果の集計値から各選手キャラクタの能力値(パワー、走力、又は守備力)を増大させる。
【0172】
次に、選手評価値設定部435は、ステップS53で増大された能力値に応じて各選手キャラクタの選手評価値を決定する(ステップS54)。ここで、選手評価値設定部435は、能力値であるパワー、走力、及び守備力の能力値の例えば平均値がある値に到達していれば、選手評価値を1段階増大させる。
【0173】
図11は、野球ゲームが開始され、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃する際のゲーム装置の処理を示すフローチャートである。このフローチャートはプレーヤが攻撃側であり、ゲーム装置が守備側である場合の処理を示している。まず、ステップS61において、制御部430は、表示部420に、ミートカーソルK、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の画像データをキャラクタ情報記憶部452から読み出して表示させ、初期設定を行う。この場合、表示部420には、例えば図6に示すような画像が表示される。
【0174】
次に、プレーヤにより行動指示コマンドが入力されると(ステップS62でYES)、制御部430は選手キャラクタに対して設定された指示遂行率に示す抽選確率で抽選処理を行い、行動指示コマンドを選手キャラクタに遂行させるか否かを決定する(ステップS63)。
【0175】
次に、制御部430は、所定の投球開始タイミングに到達すると、ボールオブジェクトBLの弾道を設定し、投手キャラクタCL2にボールオブジェクトBLを投じさせ、設定した弾道に従ってボールオブジェクトBLを表示部420に移動表示させる(ステップS64)。この場合、図6に示すように、ボールオブジェクトBLは、投手キャラクタCL2からホームベースに向かって移動表示される。
【0176】
次に、操作部410は、プレーヤから打撃コマンドの入力を受け付けると(ステップS65でYES)、制御部430は、打撃コマンドの入力タイミングから打撃タイミングを決定し、打撃タイミングにおいてミートカーソルKにボールオブジェクトBLが重なっているか否かにより、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃することができたか否かを判定する(ステップS66)。
【0177】
次に、制御部430は、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃することができたと判定した場合(ステップS66でYES)、打者キャラクタCL1のパワーの能力値と、ミートカーソルK及びボールオブジェクトBLの重なり位置とから打撃後のボールオブジェクトBLの速度及び弾道を決定し、決定した速度及び弾道にしたがってボールオブジェクトBLを移動表示させる(ステップS67)。この場合、パワーの能力値としては、図9に示すコンディション設定処理により決定されたパワーの能力値が採用される。
【0178】
次に、制御部430は、ステップS63での抽選結果が、行動指示コマンドに従った行動を打者キャラクタCL1に行わせるであった場合(ステップS68でYES)、打者キャラクタCL1及び関連する選手キャラクタにその行動を行わせる(ステップS69)。例えば、行動指示コマンドがスクイズである場合は、打者キャラクタCL1にスクイズを行わせ、3塁に出塁している選手キャラクタをホームインさせる。これにより、行動指示コマンドに従った行動が選手キャラクタによって行われることになる。
【0179】
一方、制御部430は、ステップS63での抽選結果が、行動指示コマンドに従った行動を打者キャラクタCL1に行わないであった場合(ステップS68でNO)、打者キャラクタCL1及びそれに関連する選手キャラクタにその行動を行わせない(ステップS70)。例えば、行動指示コマンドがスクイズである場合、3塁に出塁している選手キャラクタはホームベース付近で捕手キャラクタにタッチアウトにされ、ホームインが阻止される。
【0180】
プレーヤが打撃コマンドを入力しなかった場合は(ステップS65でNO)、すなわち、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを見送った場合、例えば捕手キャラクタがボールオブジェクトBLを捕球する画像を表示部420に表示させる見送り処理を実行する(ステップS71)。
【0181】
ステップS66において、制御部430が、打者キャラクタCL1が打撃に失敗したと判定した場合(ステップS66でNO)、すなわち、プレーヤがボールオブジェクトを空振りした場合、投手キャラクタがバットオブジェクトを空振りする画像を表示部420に表示した後、ボールオブジェクトBLを捕手キャラクタが捕球する画像を表示部420に表示させる空振り処理を実行する(ステップS72)。
【0182】
なお、上記実施形態では、監督評価値が選手評価値より低いときに、図3に示す指示遂行率を低下させる他に、図4に示す回数制限コマンドを減少させる、図5に示す選手キャラクタのコンディションを減少させるといった処理を行っているが、回数制限コマンドの減少及び/又は選手キャラクタのコンディションの減少を割愛するようにしてもよい。
【0183】
また、上記実施の形態では、野球ゲームを例に挙げて説明したが、これに限定されず、野球ゲーム以外、サッカーゲームや、ホッケーゲーム、ラグビーゲーム、アメリカンフットボールゲーム等に本発明を適用してもよい。つまり、本発明は、プレーヤの分身となる監督キャラクタを育成する育成型の対戦ゲームであって、監督キャラクタの指示の下、選手キャラクタが行動する対戦ゲームに適用することができる。
【符号の説明】
【0184】
410 操作部
420 表示部
431 選手キャラクタ選択部(従キャラクタ選択部)
432 選択回数管理部
433 キャラクタ制御部(従キャラクタ制御部)
434 監督評価値設定部(第1評価値設定部)
435 選手評価値設定部(第2評価値設定部)
436 評価差分値算出部
437 管理能力設定部(代表キャラクタ管理能力設定部)
438 コンディション設定部
440 プログラム記憶部
441 記録媒体
450 データ記憶部
451 選択回数記憶部
452 キャラクタ情報記憶部
453 監督評価値記憶部
454 選手評価値記憶部
455 管理能力決定情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置であって、
プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、
前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、
前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、
前記第2評価値から前記第1評価値を差し引いた評価差分値を算出する評価差分値算出部と、
前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部とを備え、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させるゲーム制御装置。
【請求項2】
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記評価差分値が大きくなるにつれて、前記代表キャラクタの行動指示に対する、前記従キャラクタの指示遂行率を低下させる請求項1記載のゲーム制御装置。
【請求項3】
前記第1評価値設定部は、前記別団体との対戦に勝利した場合、前記第1評価値を増大させ、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記第1評価値が大きくなるにつれて、前記評価差分値に応じて決定される前記管理能力値の変動の割合を緩和させる請求項1又は2記載のゲーム制御装置。
【請求項4】
前記従キャラクタは、複数存在し、
プレーヤからの選択コマンドにしたがって、複数の従キャラクタの中から前記対戦ゲームに使用する従キャラクタを選択する従キャラクタ選択部と、
各従キャラクタについて、前記従キャラクタ選択部により選択された選択回数を管理する選択回数管理部とを更に備え、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記選択回数の大きい従キャラクタほど、前記評価差分値に応じて決定される前記管理能力値の変動の割合を緩和させる請求項1又は2記載のゲーム制御装置。
【請求項5】
前記操作コマンドは、予め1回の対戦ゲームで使用回数が制限された回数制限コマンドを含み、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記回数制限コマンドの前記使用回数を、前記評価差分値が増大するにつれて減少させる請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム制御装置。
【請求項6】
1試合の対戦ゲームを開始する際に前記従キャラクタのコンディションを仮想的に示すために、前記従キャラクタの能力値を増減させるコンディション設定部を更に備え、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記コンディション設定部が前記従キャラクタの能力値を減少させる確率を、前記評価差分値に応じて増大させる請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム制御装置。
【請求項7】
前記第2評価値設定部は、前記別団体との対戦の勝敗に関わらず、前記従キャラクタの行動結果に応じて前記従キャラクタの能力値を増大させる請求項1〜6のいずれかに記載のゲーム制御装置。
【請求項8】
代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、
プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、
前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、
前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、
前記第2評価値から前記第1評価値を差し引いた評価差分値を算出する評価差分値算出部と、
前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部としてコンピュータを機能させ、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させるゲーム制御プログラム。
【請求項9】
代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行をコンピュータが制御するゲーム制御方法であって、
コンピュータが、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御ステップと、
コンピュータが、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定ステップと、
コンピュータが、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定ステップと、
コンピュータが、前記第2評価値から前記第1評価値を差し引いた評価差分値を算出する評価差分値算出ステップと、
コンピュータが、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定ステップとを備え、
前記代表キャラクタ管理能力設定ステップは、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させるゲーム制御方法。
【請求項10】
代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置であって、
プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、
前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、
前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、
前記第1評価値と前記第2評価値との差を示す評価差分値を算出する評価差分値算出部と、
前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部とを備え、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記第2評価値が前記第1評価値よりも大きい場合、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させるゲーム制御装置。
【請求項11】
代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、
プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御部と、
前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定部と、
前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定部と、
前記第1評価値と前記第2評価値との差を示す評価差分値を算出する評価差分値算出部と、
前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定部としてコンピュータを機能させ、
前記代表キャラクタ管理能力設定部は、前記第2評価値が前記第1評価値よりも大きい場合、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させるゲーム制御プログラム。
【請求項12】
代表キャラクタと、前記代表キャラクタの行動指示に従って行動する従キャラクタとにより構成される団体を、ゲーム空間内において別団体と対戦させる対戦ゲームの進行をコンピュータが制御するゲーム制御方法であって、
コンピュータが、プレーヤが操作装置を用いて入力した操作コマンドに従って前記代表キャラクタが前記従キャラクタに与える行動指示を決定し、決定した行動指示に従って前記従キャラクタを行動させる従キャラクタ制御ステップと、
コンピュータが、前記代表キャラクタの前記従キャラクタに対する管理能力を示す第1評価値を設定する第1評価値設定ステップと、
コンピュータが、前記従キャラクタの能力を示す能力値に応じて、前記従キャラクタを評価するための第2評価値を設定する第2評価値設定ステップと、
コンピュータが、前記第1評価値と前記第2評価値との差を示す評価差分値を算出する評価差分値算出ステップと、
コンピュータが、前記評価差分値に基づき、前記管理能力を前記対戦ゲームに反映させるための管理能力値を設定する代表キャラクタ管理能力設定ステップとを備え、
前記代表キャラクタ管理能力設定ステップでは、コンピュータが、前記第2評価値が前記第1評価値よりも大きい場合、前記評価差分値が大きいほど、前記代表キャラクタの前記管理能力値を低下させるゲーム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−250114(P2012−250114A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214326(P2012−214326)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−184098(P2010−184098)の分割
【原出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】