説明

ゲーム制御装置、ポイント処理方法、特典付与方法、ポイント処理プログラム、特典付与プログラム、ゲームシステム

【課題】あるゲームから他のゲームへプレイヤを円滑に移行させるゲーム制御装置、ポイント処理方法、ポイント処理プログラムを提供すること。
【解決手段】このゲーム制御装置は、例えばゲームサーバとデータベースサーバによって構成され、通信端末による第1のゲームの実行を制御する。ゲーム制御装置は、通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、プレイヤ識別情報の登録を行う。ゲーム制御装置は、登録されたプレイヤ識別情報の各々について、第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出する。ゲーム制御装置は、第1のゲームの登録の解除と、第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合に、算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが通信端末を操作してネットワークを介したゲームを行うときに、ゲーム上でプレイヤ識別情報ごとに管理される数値上の指標であるポイントの処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機能付きゲーム装置がインターネット上のサーバ装置にアクセスする形態のゲームシステムである、いわゆるオンラインゲームシステム(あるいは、オンラインゲーム)が知られている。このようなオンラインゲームシステムにおいて複数のゲームを管理する場合に、複数のゲームに共通に使用可能なポイントを利用者(プレイヤ)の識別情報と関連付けて管理した技術が知られている(下記特許文献1)。この公知のオンラインゲームシステムによれば、プレイヤは、あるゲームをプレイすることによって他のゲームに適用されるデータと交換価値を有するポイントを貯めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−97610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、特定のサービス提供者によるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(Application Programming Interface)などの動作環境を基に作成されるゲーム用アプリケーションによって実行される、いわゆるソーシャルゲーム(Social Game)が普及している。ソーシャルゲームは、不特定多数のプレイヤ間でコミュニケーションをとりながらプレイするオンラインゲームの一種であると言える。しかしながら、ソーシャルゲームでは、従来のオンラインゲームとは異なり、ゲーム用ソフトウエアを搭載した通信機能付きゲーム装置を通してプレイヤ間でゲームを行うものではなく、プレイヤ側でゲーム用ソフトウエアのインストールあるいはダウンロードを行う必要がない。つまり、プレイヤは、ウェブブラウザが搭載された通信端末を備えていれば、ソーシャルゲームを実行できる。そのため、例えばインターネットに接続可能な携帯端末を備えていれば、プレイヤは時間と場所を問わずソーシャルゲームを楽しむことができる。
なお、ソーシャルゲームにおいては、いわゆるアイテム課金制を採用しているものがほとんどである。アイテム課金制とは、実際の通貨又は仮想通貨によってアイテムを購入することで、ゲームの進行が有利となる、ゲーム内の操作対象のキャラクタの外観を変化させる、あるいはキャラクタの能力を向上させる等が可能となるような課金制度である。
【0005】
上述したソーシャルゲームは、プレイヤにとって操作が簡易であり、またゲームの実行結果が直ちに確認できるようにしたものが多く、それ故、ゲームに長時間を掛けたくないプレイヤ、あるいは気軽にゲームを楽しみたいプレイヤに受け入れられている。言い換えれば、ソーシャルゲームはゲーム性が単純であるという言うこともできる。そのため、ソーシャルゲームの開発に要するコストは、ゲーム装置に組み込まれる従来のゲーム(オンラインゲームであるか否かを問わず)のそれと比較すると低い場合が多い。
一方、ソーシャルゲームが実際にプレイヤに受け入れるか否かについては、予め予測することが困難である。そのため、インターネットによる配信を開始してから、つまり、インターネットを介したゲームの実行についてのサービスが開始されてから、予想外にプレイヤに受け入れられないことが分かると、ゲーム製作者には、ゲームの開発コストが低いことも相俟って、そのゲームを短期間で閉鎖し、新たなゲームを開発することの誘因が働きやすい。また、ゲームの実行についてのサービスを提供するサービス提供者(つまり、SNSのサービス提供者)にとっても、人気のないゲームを運営し続けることはコミュニティの活性化を阻害するという点で好ましくない。
【0006】
しかし、ゲームが閉鎖されてしまうと、そのゲームのプレイヤにとっては、ゲーム上の課金等によって得た様々な特典、あるいはそのゲーム上の技能レベルを失ってしまうため、今までそのゲームに対して消費してきた多くの費用、時間が無駄となり、多くの不満が残る。閉鎖されたゲームのゲーム製作者および/またはサービス提供者に対して不満を持ったプレイヤは次に、別のゲーム製作者によって製作されたゲーム、あるいは別のサービス提供者によって提供されるゲームを選択する可能性がある。このようなプレイヤの流出は、閉鎖されたゲームのゲーム製作者あるいはサービス提供者にとってみても好ましいこととは言えない。
【0007】
本発明は上述した観点に鑑みてなされたもので、あるゲームから他のゲームへプレイヤを円滑に移行させるゲーム制御装置、ポイント処理方法、ポイント処理プログラム、ゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介してアクセス可能に構成され、前記通信端末によるゲームの実行を制御するゲーム制御装置であって、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う登録処理手段と、
前記登録処理手段によって登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出するポイント算出手段と、
前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行うポイント処理手段と、
を備えた、ゲーム制御装置。
【0009】
このゲーム制御装置は、特定多数あるいは不特定多数のプレイヤの通信端末の各々と、ネットワークを介してコネクションを確立できる情報処理装置であれば何でもよい。そのようなゲーム制御装置は、例えばネットワーク上に配置された1または複数のサーバ、あるいは大型コンピュータ装置であってよい。また、プレイヤと通信端末は必ずしも1対1で対応する固定的な関係である必要はなく、複数のプレイヤが単一の通信端末を共用する通信端末の使用形態も想定される。したがって、このゲーム制御装置は、ゲームを行うプレイヤを一意に特定可能な情報として、プレイヤID等のプレイヤ識別情報ごとにプレイヤを管理する。
【0010】
このゲーム制御装置において、登録処理手段は、通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、プレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う。第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除は、そのプレイヤ識別情報に基づく第1のゲームの実行の許否のために行われてもよい。例えば、登録処理手段は、プレイヤによって操作される通信端末から、第1のゲームの実行についてのサービスを受けるための要求を受け、その要求に応じてプレイヤ識別情報を登録し、登録したプレイヤ識別情報に基づくゲームの実行を許可する。
【0011】
ポイント算出手段は、登録処理手段によって登録されたプレイヤ識別情報の各々について、第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出する。第1のゲームの実行履歴は、特定のプレイヤ識別情報に基づいて第1のゲームを始めてから現在までの第1のゲームの実行に関するデータであれば何でもよく、第1のゲームの総実行時間、あるいは第1のゲームにおける技能レベルであってもよい。このような第1のゲームの実行履歴に基づいてポイントが算出される。算出されるポイントの多さは、第1のゲームの実行履歴が示すデータと相関関係があることが好ましい。例えば、ポイント算出手段は、第1のゲームの総実行時間が長いほどポイントが多くなるように、ポイントを算出する。
【0012】
ポイント処理手段は、第1のゲームの登録の解除と、第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行う。
以下の説明では、第1のゲームの登録の解除と、第2のゲームの登録とが一対の処理として行われること、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して第2のゲームの登録が行われることを、第1のゲームから第2のゲームへの「乗り換え」という。プレイヤにとってみると、第1のゲームから第2のゲームへの乗り換えは、例えば、第1のゲームが閉鎖されるために第1のゲームから第2のゲームへ止む無く移行する場合と、第1のゲームは閉鎖されないが第1のゲームから後発的に興味を持った第2のゲームへ移行する場合とが含まれうる。そして、第1のゲームから第2のゲームへの乗り換えが行われる場合には、ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部が、第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てられる。そのため、プレイヤにとって見ると、第1のゲームの実行履歴に応じたポイントが、乗り換え先の第2のゲームで利用可能なポイントとして割り当てられるため、乗り換え時点までの第1のゲームの実行に費やした費用、時間が全く無駄になったと感じずに済む。
【0013】
特に、このゲーム制御装置によって実行が制御されるゲームがソーシャルゲームの場合には、上述したように、ゲームの配信の停止(つまり、ゲームの閉鎖)によってプレイヤが途中でゲームを実行できなくなる状況が生じうる。そのような状況が生じたときに、このゲーム制御装置では、特定のプレイヤ識別情報について、閉鎖される第1のゲームから他の第2のゲームへ乗り換える場合には、閉鎖される第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントの少なくとも一部が、第2のゲームで利用可能なポイントとして割り当てられるため、第1のゲームの閉鎖に起因したプレイヤの不満を抑制することができる。つまり、今まで第1のゲームに対して消費してきた多くの費用、時間等が間接的に乗り換え先の第2のゲームで活用されることになるため、第1のゲームに対する費用、時間が無駄になったとプレイヤに感じさせることを抑制できる。
また、第1のゲームの閉鎖に起因したプレイヤの不満を抑制することができるため、不満の先が第1のゲームのゲーム製作者あるいはサービス提供者に向くことが抑制される。そのため、第1のゲームのゲーム製作者等から見れば、プレイヤに大きな不満を抱かせることなく不人気である第1のゲームを閉鎖することができるため、第1のゲームに対する運営コストを削減できる、他の人気のあるゲームの運営に対して注力できる、あるいは新たなゲームの開発へ注力できる等の利点がある。
【0014】
請求項2に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴は、プレイヤ識別情報に基づく第1のゲームの総実行時間、第1のゲームの実行に当たって前記プレイヤ識別情報に関連付けられた課金総額、および、前記プレイヤ識別情報に関連付けられた第1のゲームにおけるクラスのうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする、
請求項1に記載されたゲーム制御装置。
【0015】
このゲーム制御装置において、特定のプレイヤ識別情報についての第1のゲームにおけるゲームの実行履歴は、プレイヤが第1のゲームにおいて消費した時間、金額、または、プレイヤの第1のゲームにおけるクラスを反映したものであることが好ましい。なお、ゲームにおけるクラスとは、例えば、特定のプレイヤ識別情報に関連した、ゲーム上の技能レベル(例えば階級など)、あるいはゲームが複数のステージからなる場合のステージのレベルである。このゲーム制御装置では、第1のゲームにおいてプレイヤが消費した時間、金額、またはプレイヤが第1のゲーム内で達成した進行レベルが実質的に第2のゲームで利用可能なポイントとして割り当てられるため、例えば第1のゲームの閉鎖に伴うプレイヤの不満をより効果的に抑制することができる。
【0016】
請求項3に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第1のゲームの実行についてのサービスが終了する時期を、そのサービスの終了前に予め通知する第1の通知手段、をさらに備え、
前記ポイント処理手段は、前記一対の処理が行われる時期から前記サービスが終了する時期までの期間が短いほど、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントを少なくすることを特徴とする、
請求項1または2に記載されたゲーム制御装置。
【0017】
このゲーム制御装置では、第1の通知手段によって、登録しているプレイヤ識別情報のプレイヤに対して、第1のゲームの実行についてのサービスが終了する時期(サービス終了時期)が、そのサービスの終了前に予め通知されることになる。そのため、プレイヤは、第1のゲームの実行についてのサービスが終了することと、その終了時期とを、サービスの終了前に知ることができる。そのため、プレイヤは、第1のゲームのサービス終了前に他の第2のゲームへの乗り換えを行うか否かについて検討する時間的余裕が生ずる。
【0018】
また、このゲーム制御装置では、ポイント処理手段は、第1のゲームから第2のゲームへ乗り換える場合、その乗り換え時期から第1のゲームのサービス終了時期までの期間が短いほど、第2のゲームにおいて利用可能なポイントを少なくする。そのため、プレイヤにとっては、第1のゲームのサービス終了を知ってから早期に他の第2のゲームへの乗り換えを行って、極力多くのポイントを得たいという動機付けが働くようになる。一方、第1のゲームのサービス終了を通知してから、素早く、かつ円滑にサービス終了予定の第1のゲームのプレイヤを他のゲームへ移行させることができるため、ゲーム製作者および/またはサービス提供者にも利点がある。すなわち、第1のゲームのサービス終了間際に第2のゲームへの乗り換えが集中すると、ゲーム製作者および/またはサービス提供者としては、例えばゲーム制御装置としてのサーバにかかる影響を考慮して、サーバ容量の増大化等を事前に見積もって適切な対応を行う必要があるが、予め、プレイヤの乗り換えが早期に行われていれば、上記のような対応を図る処理も不要となるためである。特に、ソーシャルゲームは、その登録プレイヤ数が数十万人から数百万人にわたる場合があることから、ゲームの乗り換えが時間的に分散して行われることがサーバの負荷を分散させる上で好ましい。従って、このゲーム制御装置の構成は、特にソーシャルゲームに適用する上で有効である。
また、このゲーム制御装置によれば、ゲームの乗り換えが遅くなるとプレイヤが得られるメリットが少なくなるため、プレイヤがゲーム乗り換えを行うことなく、そのままゲーム(第1のゲーム)を止めてしまう状況の発生を抑制できる。これは、ゲームの乗り換えの遅延によってメリットが少なくなるという事実そのものが、プレイヤにゲームに対する関心や意識付けを深めることができるためである。
【0019】
請求項4に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
前記ポイント処理手段は、前記一対の処理が行われる時期から、前記サービスが終了する時期までの期間が所定の期間よりも長い場合に、前記ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントよりも多いポイントを、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てることを特徴とする、
請求項3に記載されたゲーム制御装置。
【0020】
このゲーム制御装置では、ポイント処理手段は、第1のゲームから第2のゲームへ乗り換える場合、その乗り換え時期から第1のゲームのサービス終了時期までの期間が所定の期間よりも長い場合に、ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントよりも多いポイントを、第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる。つまり、プレイヤは、第1のゲームのサービス終了を知ってから所定の期間内に他のゲームへの乗り換えを決断することで通常よりも多いポイントを得ることができるため、他の第2のゲームへの乗り換えを行って、より多くのポイントを得たいという強い動機付けが働くようになる。一方、第1のゲームのサービス終了を通知してから、素早く、かつ円滑に第1のゲームのプレイヤを他のゲームへ移行させることができるため、ゲーム製作者および/またはサービス提供者にも利点がある。すなわち、第1のゲームのサービス終了間際に第2のゲームへの乗り換えが集中すると、ゲーム製作者および/またはサービス提供者としては、例えばゲーム制御装置としてのサーバにかかる影響を考慮して、サーバ容量の増大化等を事前に見積もって適切な対応を行う必要があるが、予め、プレイヤの乗り換えが早期に行われていれば、上記のような対応を図る処理も不要となるためである。特に、ソーシャルゲームは、その登録プレイヤ数が数十万人から数百万人にわたる場合があることから、ゲームの乗り換えが時間的に分散して行われることがサーバの負荷を分散させる上で好ましい。従って、このゲーム制御装置の構成は、特にソーシャルゲームに適用する上で有効である。
また、このゲーム制御装置によれば、ゲームの乗り換えが遅くなるとプレイヤが得られるメリットが少なくなるため、プレイヤがゲーム乗り換えを行うことなく、そのままゲーム(第1のゲーム)を止めてしまう状況の発生を抑制できる。これは、ゲームの乗り換えの遅延によってメリットが少なくなるという事実そのものが、プレイヤにゲームに対する関心や意識付けを深めることができるためである。
【0021】
請求項5に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
前記第1のゲームおよび前記第2のゲームを含む複数のゲームの各々を、ゲームの難易度のレベルと対応付けたデータベースにアクセス可能なアクセス手段、をさらに備え、
前記ポイント処理手段は、前記データベースを参照し、第2のゲームの難易度のレベルが第1のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、第2のゲームと第1のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、第2のゲームにおいて利用可能なポイントを多くすることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【0022】
このゲーム制御装置では、アクセス手段は、乗り換え元の第1のゲームおよび乗り換え先の第2のゲームを含む複数のゲームの各々を、ゲームの難易度のレベルと対応付けたデータベースにアクセス可能である。そして、ポイント処理手段は、そのデータベースを参照し、乗り換え先の第2のゲームの難易度のレベルが乗り換え元の第1のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、第2のゲームと第1のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、第2のゲームにおいて利用可能なポイントを多くする。そのため、第1のゲームよりも難易度の高いゲームに乗り換えた場合には、割り当てられるポイントが大きくなる。逆に、第1のゲームよりも難易度の低いゲームに乗り換えた場合には、割り当てられるポイントが小さくなる。一般に、難易度の高いゲームでは、ゲームの進行をプレイヤに有利に進める上でより多くのポイントを利用する必要があるが、このゲーム制御装置によれば、乗り換え先のゲーム(第2のゲーム)の難易度が考慮された上で、乗り換え元の第1のゲームにおけるゲームの実行履歴がポイントに反映されることになる。よって、乗り換え先のゲームの難易度の差による不公平が生ずることがないため、プレイヤは、ゲームの難易度を考慮せずに、乗り換え先のゲームを選択することができるようになる。
【0023】
請求項6に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第1のゲームにおける前記プレイヤ識別情報のポイントを、アクセスがある度に通知する第2の通知手段、をさらに備えたことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【0024】
このゲーム制御装置では、第2の通知手段によって、登録しているプレイヤ識別情報のプレイヤに対して、他のゲームに乗り換えた場合に割り当てられるポイントがアクセスの度に通知されることになる。例えば、第1のゲームの実行を開始するときの初期画面上で、乗り換えた場合に割り当てられるポイントが表示されるようにしてもよい。このゲーム制御装置によれば、第1のゲームの実行のためにゲーム制御装置にアクセスする度に、プレイヤは乗り換えによって得られるポイントを意識させられる。そのため、他のゲームへのプレイヤの乗り換えを促進させることができる。
【0025】
請求項7に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントが付与される期限を通知することを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
この構成によれば、プレイヤには、特定の期限までに乗り換え先のゲームにアクセスしないとポイントが付与されないという意識付けがされるため、プレイヤによるゲームの乗り換えを促進させることできる。
【0026】
請求項8に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介してアクセス可能に構成され、前記通信端末によるゲームの実行を制御するゲーム制御装置であって、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う登録処理手段と、
前記登録処理手段によって登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づいて前記第2のゲームにおいて利用可能な特典を付与する特典付与手段と、
を備えた、ゲーム制御装置。
【0027】
この構成によれば、プレイヤが第1のゲームから第2のゲームへ乗り換える場合に、第1のゲームの実行履歴に基づいて、乗り換え先の第2のゲームで利用可能な特典が付与されるため、プレイヤにとって見ると、乗り換え時点までの第1のゲームの実行に費やした費用、時間が全く無駄になったと感じずに済む。
特に、このゲーム制御装置によって実行が制御されるゲームがソーシャルゲームの場合には、上述したように、ゲームの配信の停止(つまり、ゲームの閉鎖)によってプレイヤが途中でゲームを実行できなくなる状況が生じうる。そのような状況が生じたときに、このゲーム制御装置では、特定のプレイヤ識別情報について、閉鎖される第1のゲームから他の第2のゲームへ乗り換える場合には、閉鎖される第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づいて、第2のゲームで利用可能な特典がプレイヤに付与されるため、第1のゲームの閉鎖に起因したプレイヤの不満を抑制することができる。
また、第1のゲームの閉鎖に起因したプレイヤの不満を抑制することができるため、不満の先が第1のゲームのゲーム製作者あるいはサービス提供者に向くことが抑制される。そのため、第1のゲームのゲーム製作者等から見れば、プレイヤに大きな不満を抱かせることなく不人気である第1のゲームを閉鎖することができるため、第1のゲームに対する運営コストを削減できる、他の人気のあるゲームの運営に対して注力できる、あるいは新たなゲームの開発へ注力できる等の利点がある。
【0028】
請求項9に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴は、プレイヤ識別情報に基づく第1のゲームの総実行時間、第1のゲームの実行に当たって前記プレイヤ識別情報に関連付けられた課金総額、および、前記プレイヤ識別情報に関連付けられた第1のゲームにおけるクラスのうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする、
請求項8に記載されたゲーム制御装置。
【0029】
このゲーム制御装置では、第1のゲームにおいてプレイヤが消費した時間、金額、またはプレイヤが第1のゲーム内で達成した進行レベルが実質的に第2のゲームで利用可能な特典として割り当てられるため、例えば第1のゲームの閉鎖に伴うプレイヤの不満をより効果的に抑制することができる。
【0030】
請求項10に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第1のゲームの実行についてのサービスが終了する時期を、そのサービスの終了前に予め通知する第1の通知手段、をさらに備え、
前記特典付与手段は、前記一対の処理が行われる時期から前記サービスが終了する時期までの期間が短いほど、前記第2のゲームにおいて利用可能な特典を少なくすることを特徴とする、
請求項8または9に記載されたゲーム制御装置。
【0031】
このゲーム制御装置では、登録しているプレイヤ識別情報のプレイヤに対して、第1のゲームの実行についてのサービス終了時期が、そのサービスの終了前に予め通知されるため、プレイヤは、第1のゲームのサービス終了前に他の第2のゲームへの乗り換えを行うか否かについて検討する時間的余裕が生ずる。
また、このゲーム制御装置では、ポイント処理手段は、第1のゲームから第2のゲームへ乗り換える場合、その乗り換え時期から第1のゲームのサービス終了時期までの期間が短いほど、第2のゲームにおいて利用可能なポイントを少なくするため、プレイヤにとっては、早期に他の第2のゲームへの乗り換えを行って、極力多くのポイントを得たいという動機付けが働くようになる。また、このゲーム制御装置によれば、ゲームの乗り換えが遅くなるとプレイヤが得られるメリットが少なくなるため、プレイヤがゲーム乗り換えを行うことなく、そのままゲーム(第1のゲーム)を止めてしまう状況の発生を抑制できる。
【0032】
請求項11に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
前記第1のゲームおよび前記第2のゲームを含む複数のゲームの各々を、ゲームの難易度のレベルと対応付けたデータベースにアクセス可能なアクセス手段、をさらに備え、
前記特典付与手段は、前記データベースを参照し、第2のゲームの難易度のレベルが第1のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、第2のゲームと第1のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、第2のゲームにおいて利用可能な特典を多くすることを特徴とする、
請求項8〜10のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【0033】
このゲーム制御装置によれば、乗り換え先のゲーム(第2のゲーム)の難易度が考慮された上で、乗り換え元の第1のゲームにおけるゲームの実行履歴がポイントに反映されることになる。よって、乗り換え先のゲームの難易度の差による不公平が生ずることがないため、プレイヤは、ゲームの難易度を考慮せずに、乗り換え先のゲームを選択することができるようになる。
【0034】
請求項12に係るゲーム制御装置は、以下の通りである。
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第2のゲームにおいて利用可能な特典が付与される期限を通知することを特徴とする、
請求項8〜11のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
この構成によれば、プレイヤには、特定の期限までに乗り換え先のゲームにアクセスしないと特典を失うという意識付けがされるため、プレイヤによるゲームの乗り換えを促進させることできる。
【0035】
請求項13に係るポイント処理方法は、以下の通りである。
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介してアクセス可能に構成され、前記通信端末によるゲームの実行を制御するゲーム制御装置、におけるポイント処理方法であって、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録を行うステップと、
登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出するステップと、
前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記算出するステップにより算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行うステップと、
を含む、ポイント処理方法。
【0036】
請求項14に係るポイント処理プログラムは、以下の通りである。
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介して実行されるゲームのポイント処理のために、コンピュータを、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録を行う手段、
登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出する手段、及び
前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記算出する手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行う手段、
として機能させるためのポイント処理プログラム。
【0037】
コンピュータは、例えばネットワークサーバ、大型計算機等である。また、このゲームプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0038】
請求項15に係るゲームシステムは、以下の通りである。
プレイヤによって操作される通信端末と、ネットワークを介して各通信端末と接続されて通信端末による第1のゲームの実行を制御する第1のゲーム制御装置と、ネットワークを介して各通信端末と接続されて通信端末による第2のゲームの実行を制御する第2のゲーム制御装置と、を有するゲームシステムであって、
第1のゲーム制御装置は、
第2のゲーム制御装置とデータの送受信を行う第1の通信手段と、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う第1の登録処理手段と、を備え、
第2のゲーム制御装置は、
第1のゲーム制御装置とデータの送受信を行う第2の通信手段と、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第2のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う第2の登録処理手段と、
プレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームの登録の解除と前記第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して第2のゲームの登録が行われる場合に、第1のゲーム制御装置から受信する第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づいて、第2のゲームにおいて利用可能な特典を付与する特典付与手段と、を備えた、
ゲームシステム。
【発明の効果】
【0039】
本発明のゲーム制御装置、ポイント処理方法、ポイント処理プログラム、ゲームシステムによれば、あるゲームから他のゲームへプレイヤを円滑に移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態のゲームシステムの基本構成を示す図。
【図2】実施形態の通信端末の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態のゲームサーバの構成を示すブロック図。
【図4】実施形態のデータベースサーバの構成を示すブロック図。
【図5】データベースサーバに含まれるプレイヤデータベースの構成例を示す図。
【図6】実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図7】ゲームの乗り換えを案内するために通信端末に表示される画像の一例を示す図。
【図8】乗り換え先のゲームを選択するときに通信端末に表示される画像の一例を示す図。
【図9】ゲームの実行履歴と基準ポイントの対応関係の一例を示す図。
【図10】移行ポイントと特典の対応関係の一例を示す図。
【図11A】実施形態のゲームの乗り換え処理を示すフローチャート。
【図11B】実施形態のゲームの乗り換え処理を示すフローチャート。
【図12】ゲームの乗り換えを案内するために通信端末に表示される画像の一例を示す図。
【図13】乗り換え先のゲームを選択するときに通信端末に表示される画像の一例を示す図。
【図14】第2の実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図15】第2の実施形態において、ゲーム実行履歴と特典の関係を示すデータの例示的なデータを示す図。
【図16】第3の実施形態のゲームの乗り換え処理を示すフローチャート。
【図17】第3の実施形態において、通信端末に表示されるメッセージの表示例を示す図。
【図18】第3の実施形態のゲームの乗り換え処理の変形例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明において、ゲームの「乗り換え」とは、あるゲームのプレイヤID(プレイヤ識別情報)の登録の解除と、他のゲームの当該プレイヤIDの登録とを一対の処理として行うこと、または、ゲームの実行についてのサービスの終了(配信の停止等)に対応して、そのゲームに登録されていたプレイヤIDについて他のゲームに対して登録が行われることを意味する。「乗り換え元のゲーム」とは、ゲームの乗り換えにおいて、プレイヤIDの登録が解除されるゲーム、またはサービスが終了となるゲームを意味し、第1のゲームに相当する。「乗り換え先のゲーム」とは、ゲームの乗り換えにおいて、プレイヤIDが登録されるゲームを意味し、第2のゲームに相当する。
【0042】
1.第1の実施形態
(1)ゲームシステムの構成
図1は、ゲームシステムの一実施形態として、いわゆるソーシャルゲームのシステム構成例を示している。図1に示すように、このゲームシステムは、例えばインターネットなどの通信網NWに接続可能な通信端末10a,10b,10c,…と、通信網NWに接続されているゲームサーバ20a,20b,…と、データベースサーバ30a,30b,…とによって構成されている。各通信端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のプレイヤによって操作される端末であり、例えば、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータなどの通信端末である。なお、以下の説明において、各通信端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、通信端末10と表記する。同様にして、各ゲームサーバ、各データベースサーバに共通して言及するときにはそれぞれ、ゲームサーバ20、データベースサーバ30と表記する。
このゲームシステムでは、ゲーム用アプリケーションとしてウェブブラウザ上で動作可能なアプリケーションがゲームサーバ20に実装されている。図1に示した例では、各ゲームサーバは、それぞれ単一のゲームの実行を制御するように構成されているものとする。
【0043】
通信端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるウェブページを表示可能なウェブブラウザを備えており、プレイヤは、通信端末10をウェブページ上で操作してゲームを実行する。
【0044】
以下の実施形態の説明では、ゲームサーバ20a及びデータベースサーバ30aは、ゲームAについての実行を制御する(あるいは、管理対象とする)サーバであるとする。ゲームサーバ20b及びデータベースサーバ30bは、ゲームBについての実行を制御する(あるいは、管理対象とする)サーバであるとする。ゲームサーバ20c,…及びデータベースサーバ30c,…についても同様である。なお、ゲームサーバ20は、単一のゲームの実行を制御する構成に限られず、複数のゲームの実行を制御するように構成されていてもよい。
また、図1には図示していないが、ゲームサーバ20とは別に各通信端末10のプレイヤを認証するための認証サーバを設けてもよい。また、多くの通信端末10からのアクセスを受け入れるために複数のゲームサーバ20を設ける場合は、その複数のゲームサーバ20間の負荷を調整するためのロードバランサを設けてもよい。また、ゲームサーバ20は単一のサーバ装置として構成してもよいが、機能を分散させた複数のサーバ装置として構成してもよい。
データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と例えば有線で接続される。
【0045】
(2)通信端末の構成
図2を参照して通信端末10の構成について説明する。
図2に示すように、通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、操作入力部15、表示部16、および、無線通信インタフェース部17を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス18が設けられている。
【0046】
CPU11は、ROM22内のウェブブラウザをRAM23にロードして実行する。そして、CPU11は、操作入力部15等によってプレイヤに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の適切な指定に基づき、無線通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を無線通信インタフェース部17を介して取得し、そのHTMLデータを解釈する。なお、通信端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてよい。
なお、HTMLデータの取得に当たって、CPU11は、予め登録されたプレイヤID(プレイヤ識別情報)、あるいは操作入力部15を介して入力されるプレイヤIDを含むアクセス要求メッセージを、無線通信インタフェース部17を介してゲームサーバ20へ通知する。
【0047】
ウェブブラウザは、画像処理部14を介して、取得したHTMLデータに基づき、ゲームサーバ20から提供されるウェブページを表示部16に表示する。また、ウェブブラウザは、プレイヤが操作入力部15の操作によってウェブページ上のハイパーリンク(Hyperlink)またはオブジェクトが選択されると、その選択に応じたウェブページを表示するための新たなHTMLデータの送信をゲームサーバ20へ要求する。
【0048】
画像処理部14は、HTMLデータの解析結果としてCPU11から与えられる表示用画像データに基づいて、表示部16にウェブページを表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用画像データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示する。
【0049】
操作入力部15は、プレイヤの操作入力を受け入れるための複数の釦と、各釦の押下入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含みうるが、図2では、方向指示釦と決定釦とを例示している。例えば、方向指示釦は、表示部16に表示されているウェブページをスクロールして表示することをCPU11へ指示するために設けられる。また、決定釦は、例えばウェブページ上で複数のハイパーリンクまたはオブジェクトが表示されるときに、アクティブ表示(例えば強調表示)されている1つのハイパーリンクまたはオブジェクトをプレイヤが選択することをCPU11へ指示するために設けられる。なお、通信端末10を小型の携帯端末によって構成する場合には、これらの釦は、プレイヤが通信端末10を片手で保持したままその親指で操作しやすいように、通信端末10の前面に配置されていることが好ましい。
【0050】
(3)ゲームサーバの構成
図3を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
ゲームサーバ20は、例えば階層構造の複数のウェブページからなるゲームのウェブサイトを管理しており、通信端末10に対してゲームのウェブサービスを提供する。図3に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、データベース(DB)アクセス部24、および、通信インタフェース部25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のウェブサーバと同一の構成をとることができる。
【0051】
ROM22には、クライアントである通信端末10のウェブブラウザに対してHTML文書や画像などのオブジェクトの表示(ウェブページの表示)のサービスを提供するアプリケーションプログラムが格納されている。ROM22には、アプリケーションプログラム以外にもCPU21によって参照される各種データが格納されている。
CPU21は、ROM22内のゲームプログラムをRAM23にロードして実行し、通信インタフェース部25を介して、各種の処理を行う。通信インタフェース部25(通信手段)は、通信端末10及び他のゲームサーバとの間で、所定の通信プロトコルに従いデータの送受信を行うように構成されている。
【0052】
例えば、CPU21は、通信インタフェース部25を介して、HTMLデータを通信端末10宛に送信する。なお、ゲームサーバ20が通信端末10のプレイヤの認証処理を行う場合には、CPU21はその認証処理を行う。CPU21は、通信インタフェース部25を介して他のゲームサーバへデータを送信し、かつ他のゲームサーバからデータを受信する。
CPU21は、通信インタフェース部25を介して、通信端末10で表示されるウェブページ上でプレイヤにより選択されたハイパーリンクまたはオブジェクトに応じた処理を行う。その処理は、例えば、新たなHTMLデータの送信、または、ゲームサーバ20内の演算処理あるいはデータ処理などを含む。
データベースアクセス部24は、CPU21がデータベースサーバ30に対してデータの読み書きを行うときのインタフェースである。
【0053】
(4)データベースサーバの構成
データベースサーバ30は、大容量のハードディスク装置やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の形態の装置等、汎用ストレージで実現できる。データベースサーバ30内の各データベースは、ゲームサーバ20のデータベースアクセス部24を介してCPU21からのデータの読み書きが可能となるように構成されている。
図4に、データベースサーバ30の構成の一例を示す。図4に示すように、データベースサーバ30は、プレイヤデータベース31と、ゲーム結果データベース32とを備える。
【0054】
図5に、プレイヤデータベース31の一例を示す。この例では、プレイヤデータベース31は、プレイヤID(プレイヤ識別情報)ごとに、クラス、ゲームの総実行時間、課金総額、課金先情報、プレイヤキャラクタ情報、アイテム情報を含む。なお、プレイヤデータベース31において、ゲームの総実行時間、課金総額、ゲーム上のクラスはそれぞれ、ゲームの実行履歴(ゲーム実行履歴)の一例である。プレイヤデータベース31に含まれる情報は、ゲームサーバ20によって逐次更新されうる。
ゲームの総実行時間は、プレイヤIDに関連付けられたデータであり、対応するプレイヤIDについて、登録されてから現在に至るまでのゲームの実行時間の累計値を示す。
課金総額は、プレイヤIDに関連付けられたデータであり、対応するプレイヤIDについて、登録されてから現在に至るまでに、データベースサーバ30の管理対象となるゲームの実行における課金額の累計値を示す。
課金先情報は、プレイヤIDに関連付けられたデータであり、対応するプレイヤIDについて予め登録された課金先の情報(例えば、クレジットカード番号等)である。
【0055】
プレイヤキャラクタ情報は、プレイヤIDに関連付けられたデータであり、データベースサーバ30の管理対象となるゲームについてのプレイヤキャラクタの情報を含む。プレイヤキャラクタの情報は、ゲームの性質によって多様な情報を含みうるが、一例として野球ゲームの場合を例に挙げれば、以下の情報を含んでもよい。すなわち、野球ゲームの場合には、プレイヤキャラクタ情報には、複数のプレイヤキャラクタ(選手)の能力を示す数値情報が項目ごとに記述された情報である。例えば、野手キャラクタであれば、項目として「打力」,「走力」,「守備力」等の各々の各能力値が、投手キャラクタであれば、項目として「球速」,「制球力」,「スタミナ」等等の各々の各能力値が含まれてもよい。なお、プレイヤがプレイヤIDを取得した時点では、プレイヤキャラクタの能力値がデフォルトの値として設定されている。
【0056】
アイテム情報は、プレイヤIDに関連付けられたデータであり、データベースサーバ30の管理対象となるゲームにおいて利用可能なアイテムについての情報である。アイテムは主として、プレイヤがゲーム上で利用することによって、プレイヤにとって有利となるゲーム要素を総称したものである。アイテムの種類は、ゲームの性質によって多様に設定できるが、例を挙げれば、回復アイテム、抽選確率上昇アイテム、パワーアップアイテム、攻撃用アイテムなどである。
クラスは、プレイヤIDに関連付けられたデータであり、対応するプレイヤIDについてのゲーム上の技能レベル、あるいはゲームが複数のステージからなる場合のステージのレベルである。
【0057】
ゲーム結果データベース32は、ゲームサーバ20からのアクセスに基づき、データベースサーバ30によって実行されたゲーム結果に関する情報を記憶、更新する。ゲーム結果に関する情報は、ゲームの性質によって多様な情報を含みうる。一例として野球ゲームの場合を例に挙げれば、ゲーム結果に関する情報は、異なるプレイヤID同士の対戦の結果(スコア等)、特定のクラスの複数のプレイヤIDの間のリーグ戦の結果(スコア等)などを含む。
【0058】
(5)ゲーム制御装置における各機能の概要
本実施形態では、ゲームサーバ20およびデータベースサーバ30によって本発明のゲーム制御装置が構成されている。このゲーム制御装置によって実行されるゲームは、如何なる形式のものでも構わない。以下では、本実施形態のゲーム制御装置で実現される機能について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0059】
登録処理手段51は、通信端末10を通してなされるプレイヤの要求に応じて、ゲームに対するプレイヤIDの登録および/または登録の解除を行う。ゲームに対するプレイヤIDの登録とは、特定のゲームの利用(実行)を開始できるように、既存のプレイヤIDあるいは新規に発行したプレイヤIDを、その特定のゲームに対応付ける処理である。
登録処理手段51は、例えば通信端末10に提供するウェブページ上での通信端末10への適切な操作入力に基づいてプレイヤの要求を認識し、登録処理を行う。この場合の登録処理手段51の機能は、以下のとおりである。つまり、登録処理手段51では、CPU21は、通信インタフェース部25を介して通信端末10から登録要求メッセージを受信する。登録要求メッセージは、ゲームサーバ20から提供されるウェブページ上での通信端末10に対する所定の操作(例えば、所定のハイパーリンクの選択操作)によって自動的に生成されるように、ウェブページが構成されていてもよい。登録要求メッセージには、送信元の通信端末10を特定するための情報(例えばIPアドレス)が含まれていてもよく、あるいは、プレイヤが既に同一のサービス提供者による他のゲームを利用している場合には、そのプレイヤIDが含まれていてもよい。
CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにプレイヤIDが含まれていない場合には、プレイヤIDを新規に発行してそのプレイヤIDの登録処理を行った後、登録処理が完了した旨のメッセージを通信端末10へ送信する。CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにプレイヤIDが含まれている場合には、そのプレイヤIDの登録処理を行った後、登録処理が完了したことを示す登録完了メッセージを通信端末10へ送信する。
【0060】
登録処理手段51は、例えば通信端末10に提供するウェブページ上での通信端末10への適切な操作入力に基づいてプレイヤの要求を認識し、登録解除処理を行う。この場合も登録処理と同様、ゲームサーバ20から提供されるウェブページ上での通信端末10に対する所定の操作によって自動的に登録解除要求メッセージが生成されるようにしてもよい。登録解除要求メッセージには、プレイヤIDが含まれている。
CPU21は、登録解除要求メッセージを受信すると、登録解除要求メッセージに含まれているプレイヤIDの登録解除処理を行った後、登録解除処理が完了した旨のメッセージを通信端末10へ送信する。
【0061】
登録処理手段51は、例えば通信端末10に提供するウェブページ上での特定のプレイヤIDについてのゲーム乗り換え要求に応じて、登録処理および/または登録解除処理を行う。このとき、ゲームサーバ20の通信インタフェース部25は、通信端末10から、ゲーム乗り換え要求を示す乗り換え要求メッセージを受信する。
なお、ゲーム乗り換え要求は、自サーバが管理するゲームから他のゲームへの乗り換えの要求である。より具体的には、ゲーム乗り換え要求は、自サーバが管理するゲームについてのプレイヤIDの登録解除処理と、自サーバが管理するゲーム以外の他のゲームについての登録処理とを一対の処理として行うことの要求である。
乗り換え要求メッセージには少なくとも、プレイヤID、及びプレイヤによって選択された乗り換え先のゲームの情報が含まれる。登録処理手段51では、ゲームサーバ20の通信インタフェース部25が、通信端末10からの乗り換え要求メッセージを受信する。
【0062】
登録処理手段51は、乗り換え先のゲームを管理するゲームサーバ内で機能する場合には、乗り換え元のゲームを管理するゲームサーバから受信する乗り換え通知メッセージに基づいて、乗り換え先のゲームについて、乗り換え通知メッセージ内で特定されるプレイヤIDの登録処理を行う。このとき、登録処理手段51では、ゲームサーバ20のCPU21は、通信インタフェース部25が受信する乗り換え通知メッセージからプレイヤIDを読み出し、読み出したプレイヤIDに対して登録処理を行う。
なお、乗り換え通知メッセージは、特定のプレイヤIDについてのゲームの乗り換えをゲームサーバ間で通知するためのメッセージであり、乗り換え元のゲームのゲームサーバから乗り換え先のゲームのゲームサーバ宛に送信される。
【0063】
通知手段52(第1の通知手段)は、登録しているプレイヤIDに基づいてアクセスする通信端末10に対し、乗り換え元のゲームの実行についてのサービスが終了する時期(サービス終了時期)を、そのサービスの終了前に予め通信端末10宛に通知する機能を有する。
通知手段52の一実施形態では、例えば、ゲームサーバ20のCPU21が、通信インタフェース部25を介して、通信端末10にてゲームの乗り換えを案内するためのウェブページを表示させるためのHTMLデータを、通信端末10宛に送信する。このようなウェブページの表示例を図7に示す。図7に示す表示例では、ゲームサーバ20が管理するゲームが所定の日付で終了すること、及び、乗り換えによってプレイヤIDに対応して得られる移行ポイント(「移行ポイント」については後述する。)がP0ポイントであることを示すテキストが含まれる。図7に示す表示例ではまた、プレイヤによる乗り換え要求のトリガとなるハイパーリンクHL(図7では、「乗り換えへ進む」)が表示される。このハイパーリンクの選択操作に応じて、乗り換え先のゲームを選択するための画像が表示されるようにしてもよい。このゲーム選択画像の一例を図8に示す。このゲーム選択画像の例では、乗り換え先の候補となりうる複数のゲーム(ゲームタイトル)と各ゲームの内容がスクロール可能に表示されている。この場合、ゲーム選択画像で表示された複数のゲームのいずれかのゲームを選択する操作が通信端末10を介してプレイヤによってなされると、通信端末10からゲームサーバ20宛に乗り換え要求メッセージが送信されるように、ウェブページが構成されている。
【0064】
なお、プレイヤは、自らプレイしているゲームの実行についてのサービスが終了する時期を、メディアあるいはインターネットのホームページによる告知等を通して知りえる場合もある。よって、図7に例示した乗り換えの案内を行なわない場合であっても、プレイヤ自ら、通信端末10を介してゲームサーバ20にアクセスして、乗り換え要求メッセージを送信する構成を採ってもよい。この場合には、通知手段52の機能は必須ではない。しかしながら、通知手段52を設けることで、ゲームの実行についてのサービス終了時期、およびゲームの乗り換えによって得られるポイントについての情報を、より確実にプレイヤに伝達することができるという利点がある。
【0065】
ゲーム実行手段53は、プレイヤによる通信端末10に対する操作に応じた通信端末10におけるウェブページを通して、プレイヤの通信端末10で表示されるゲームを進行させる機能(つまり、ゲームを実質的に実行する機能)を備える。
ゲーム実行手段53では、CPU21は、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはオブジェクトの選択に応じたウェブページを表示するためのHTMLデータを、通信インタフェース部25を介して通信端末10宛に送信する。CPU21は、プレイヤによるウェブページ上のハイパーリンクまたはオブジェクトの選択に応じて新たなHTMLデータを逐次送信し、これにより、通信端末10で表示されるウェブページが逐次切り替わることで、プレイヤがゲームの進行を認識する。
また、ゲーム進行手段51では、ゲームサーバ20のCPU21が、ゲームの開始に先立って、通信インタフェース部25を介して通信端末10からアクセス要求メッセージを受けると、所定の認証処理の後、その通信端末10からアクセス要求メッセージに含まれるプレイヤIDを認識する。そして、ゲームサーバ20のCPU21は、各通信端末10に表示されるゲームの進行を、プレイヤID単位で管理する。
【0066】
ゲーム実行手段53において行われるゲームの進行のための処理は、ゲームの性質によって任意に設定されうるものであって、ここでは特定のゲームの処理については詳述しない。例えば、ゲーム実行手段53によって実行されるゲームが野球ゲームであれば、プレイヤデータベース31のプレイヤキャラクタ情報を読み出し、そのプレイヤキャラクタ情報に基づいた、2つのプレイヤID間の個別対戦の実行、または、登録済みの複数のプレイヤIDの間のリーグ戦の対戦の実行などが含まれてよい。
【0067】
ゲーム実行手段53では、ゲームサーバ20のCPU21はデータベースアクセス部24を介して、ゲームの結果をゲーム結果データベース32に書き込む処理を行う。ゲームの結果は、ゲームの性質によって異なりうるが、例えば対戦ゲームであれば、対戦結果を示すデータ(スコア等)である。
ゲーム実行手段53において、ゲームサーバ20のCPU21は、対戦結果を含むウェブページを表示させるためのHTMLデータを、その対戦結果に関連するプレイヤIDのプレイヤの通信端末10宛に送信する。そして、通信端末10は、ゲームサーバ20から受信したHTMLデータを解釈して対戦結果を表示部16に表示する。これにより、プレイヤに対して、ゲームサーバ20側で実行される対戦結果を知ることができるようになる。
【0068】
ゲーム実行履歴管理手段54は、ゲーム実行履歴のデータをプレイヤデータベース31に記憶および更新する機能である。ゲーム実行履歴管理手段54では、ゲームサーバ20のCPU21は、各プレイヤIDについて、ゲームの実行のためのアクセスが生ずると、そのアクセス後にプレイヤデータベース31内のゲーム実行履歴のデータの記憶および更新を行う。
ゲーム実行履歴がゲームの総実行時間である場合には、CPU21は、1回のアクセスにおけるゲームの実行時間を測定してその測定結果が加算されるように、プレイヤデータベース31内のゲームの総実行時間のデータを更新する。ゲームの実行時間の測定に当たっては、ゲームサーバ20のCPU21に内蔵されうるタイマを利用してもよい。
ゲーム実行履歴が課金額である場合には、CPU21は、1回のアクセスにおける課金額が加算されるように、プレイヤデータベース31内の課金総額のデータを更新する。このとき、ROM22は、ゲームを進行させるときに課金が必要なアイテムとその課金額の対応関係を示すデータを格納するように構成し、CPU21は、ROM22を参照して課金額についての情報を得るようにしてもよい。
【0069】
ゲーム実行履歴管理手段54は、ゲームの進行に応じて、プレイヤキャラクタの能力レベル、あるいはゲーム上のステージを変化させるようにしてもよい。その場合、ゲーム実行履歴管理手段54は、プレイヤデータベース31内において、プレイヤキャラクタの能力レベル、あるいはゲーム上のステージを示すクラスを記憶および更新する。例えば図5に示す例では、クラスが「1」であることが示されている。
【0070】
ポイント算出手段55は、各プレイヤIDについて、登録処理手段51によって登録されたプレイヤIDの各々について、ゲームサーバ20で管理するゲームにおけるゲームの実行履歴に基づく基準ポイントを算出する機能を備える。
ポイント算出手段55において、ゲームサーバ20のCPU21がプレイヤデータベース31を参照し、ゲーム実行履歴を示す少なくともいずれかのデータ(図5の例では、ゲームの総実行時間、課金総額あるいはクラスの少なくともいずれかのデータ)に基づいて、ゲームの乗り換え、つまり移行のための基準となる基準ポイントを算出する。ポイント算出手段55における基準ポイントの算出タイミングは、プレイヤIDに基づくアクセスがあった時点(つまり、アクセス要求メッセージを受信した時点)でよく、その特定のプレイヤIDに対応して算出される。
ポイント算出手段55における基準ポイントの算出方法は、ゲーム実行履歴を示すデータを所定の数式に当てはめて算出するようにしてもよいが、ゲーム実行履歴のデータと基準ポイントの既知の対応表を参照して算出してもよい。後者の算出方法で参照される対応表の例を図9に示す。
【0071】
図9に示す例は、ゲーム実行履歴と基準ポイントの対応表である。図9の例において、例えば、課金総額が35000(円)であり、ゲームの総実行時間が135(時間)である場合には、ポイント算出手段55は、それぞれに対応する基準ポイントの大きい方(この場合、総実行時間に対応する移行ポイント:6)を選択するようにしてもよい。
図9は、ゲーム実行履歴と基準ポイントの対応関係の一例に過ぎず、他の様々な対応関係を採ることができる。例えば、図9では、ゲーム実行履歴の一例である課金総額あるいはゲームの総実行時間に概ね比例して基準ポイントが設定されているが、これに限られない。ゲーム実行履歴が示す値が第1の所定値よりも小さい場合、あるいは第2の所定値よりも大きい場合にはそれぞれ、最小あるいは最大となる一定の基準ポイントとし、ゲーム実行履歴が示す値が第1の所定値と第2の所定値の間の範囲にある場合には、概ねゲーム実行履歴が示す値に比例して基準ポイントを設定するようにしてもよい。
【0072】
また、図9には、ゲーム上のクラスと基準ポイントとの関係の一例についても示している。ゲーム上のクラスは、前述したように、対応するプレイヤIDについてのゲーム上の技能レベル、あるいはゲームが複数のステージからなる場合のステージのレベルに対応付けることができる。基準ポイントの算定のためにクラスを採用する場合には、例えば、以下のような設定とすることができる。仮に、ゲーム上のクラス(クラス階級)がクラス1からクラス10までの10階級あると想定した場合に、基準ポイント=クラス−2と設定することができる。例えばクラスが8であれば基準ポイントは6、クラスが最高の10であれば、基準ポイントも最高の8となる。なお、この場合、クラスが2以下の場合、基準ポイントは発生しないので、基準ポイント発生のためには、プレイヤは少なくともクラス3以上に到達している必要がある。
図9に例示したようにゲーム実行履歴と基準ポイントの対応関係が規定されている場合、ポイント算出手段55は、課金総額、総実行時間およびクラスのそれぞれに対応する基準ポイントのうち最も大きい基準ポイントを選択するようにしてもよい。
【0073】
ポイント処理手段56は、特定のプレイヤIDに対してゲームの乗り換えが行われる場合に、ポイント算出手段55により算出されたプレイヤIDの基準ポイントのうち少なくとも一部を、乗り換え先のゲームにおいて利用可能な移行ポイントとして割り当てる処理を行う。このとき、ポイント処理手段56は、ポイント処理手段56は、基準ポイントをそのまま移行ポイントとしてもよいし、基準ポイントに対して何らかの条件を基に増減させて移行ポイントを算出してもよい。
ポイント処理手段56において、ゲームサーバ20のCPU21は、通信端末10から乗り換え要求メッセージを受信すると、ポイント算出手段55によって算出された基準ポイントを所定の規則に従って移行ポイントに変換する。この変換に当たっての規則の好ましい例については、後述する。
【0074】
また、ポイント処理手段56において、移行ポイントを乗り換え先のゲームにおいて割り当てる処理は、例えば、プレイヤIDと移行ポイントを含む乗り換え通知メッセージを、乗り換え先のゲームを管理する他のゲームサーバへ送信する処理である。送信先のゲームサーバが複数のゲームを管理している場合には、乗り換え通知メッセージには、選択された乗り換え先のゲームを特定する情報を含むようにしてもよい。
【0075】
なお、本実施形態において、それぞれ特定のゲームを管理する複数のゲームサーバの各々のIP(Internet Protocol)アドレスの情報(アドレス情報)は、その複数のゲームサーバ間で共有されているものとする。複数のゲームの実行についてのサービスが同一のサービス提供者によって提供されている場合には、そのサービス提供者によって管理されるゲームサーバ間で共通のアドレス情報を参照させる構成は当業者であれば容易に構築することができる。また、乗り換え元と乗り換え先のゲームの実行についてのサービスがそれぞれ異なるサービス提供者によって提供されている場合であっても、共通のアドレス情報を参照させる仕組みを構築することは当業者であれば可能である。そのような複数のゲームサーバのアドレス情報を記憶し、各ゲームサーバからネットワークを介してアクセス可能なアドレス情報サーバが設けられてもよい。
【0076】
特典付与手段57は、乗り換え先のゲームのゲームサーバ20において、移行ポイントに応じた特典を、対象となるプレイヤIDに付与する機能を備える。この特典の付与は、乗り換え先のゲームのゲームサーバ20において、登録処理手段51が乗り換え通知メッセージに含まれるプレイヤIDの自サーバで管理するゲーム(乗り換え先のゲーム)における登録処理を行った後に行われる。
特典付与手段57では、ゲームサーバ20のCPU21は、乗り換え通知メッセージをトリガとして登録処理を行ったプレイヤIDに対し、対応する移行ポイントを、所定の規則に基づいてゲーム上の特典に変換する処理を行う。このとき、特典への変換処理に当たっての規則は適宜設定してよいが、CPU21は、移行ポイントと特典対象のアイテムの所定の対応関係を示すデータを参照してもよい。そのようなデータは、例えばROM22に予め格納されているようにすることができる。
【0077】
特典付与手段57において、移行ポイントの特典への変換は、乗り換え先のゲームの性質に応じて適宜設定可能であることは当然である。
図10は、移行ポイントと特典対象のアイテムとの対応関係の一例を示す図である。図10では、特典対象のアイテムの例として、「ゲーム上で保有する金銭」、「プレイヤキャラクタの能力が所定量回復する回数」、「抽選のレアアイテム取得確率が上昇する回数」が示されている。
例えば乗り換え先のゲームが、特定のミッションを実行してゲームの進行上で使用可能な金銭(いわゆる仮想通貨)を得て、得た金銭によって武器、防具、乗り物等を購入し、プレイヤキャラクタの攻撃および/または防御のレベルを上げることで進行していくようなゲームの場合には、特典対象のアイテムは、例えば図10の「ゲーム上で保有する金銭」であってもよい。乗り換え先のゲームにおいて、ゲームの開始直後からゲーム上で使用可能な金銭を得ていれば、プレイヤは、その乗り換え先のゲームにおいて、プレイヤキャラクタの攻撃および/または防御のレベルを早期に引き上げることができ、ゲームを最初から有利に進行させることができる。
【0078】
図10において、「プレイヤキャラクタの能力が所定量回復する」というアイテムとは、例えば乗り換え先のゲーム内に準備されている所定のモードを遊戯中、プレイヤキャラクタの体力が無くなったときに使用するアイテムの一例である。プレイヤがゲーム上でこのアイテムを使用することで、直ちにプレイヤキャラクタの体力を再び回復し得て、上記モードを継続して遊ぶことができる。プレイヤキャラクタの体力が無くなったときにこのアイテムを使用しない場合は、体力回復のために、例えば所定時間(3分)プレイヤキャラクタを待機させなければならず、プレイヤにとってゲームを円滑に進めることが困難となる。従って、プレイヤにとってみると、このアイテムを所有し使用することで、上記モードをより短時間で進行させることができるとともに、プレイヤキャラクタの能力向上等も効率的に行うことができるという利点がある。特にソーシャルゲームの場合、例えば数十万人といった非常に多くのプレイヤが同時に、より上位の順位やクラスを目標に遊技しているので、たとえ待機時間が3分ではあっても、1日経過した時点、さらには数日経過した時点では、その待機時間がなく遊技するプレイヤと、待機しているプレイヤとでは、順位やクラスに差異が生じてくる。そのため、上記のアイテムの価値は、特にソーシャルゲームでは重要となるのである。
より具体的なゲーム例では、上記アイテムは、プレイヤキャラクタの能力(例えば体力)が所定量回復するための「回復薬」といった形態を採ることができる。このようなゲーム例では、プレイヤキャラクタの体力が消耗したためにプレイヤがゲームを進行させることができなくなったときに、この「回復薬」を使用する(つまり、プレイヤキャラクタが「回復薬」を飲む)ことで、プレイヤキャラクタの能力(体力)が完全に回復する、という設定にすることができる。従って、プレイヤが所有している「回復薬」が多ければ多いほど、上記モードを連続的に継続して遊ぶことができ、「回復薬」を使用しない他のプレイヤに比べて、より短時間でゲームを進行させることができ、プレイヤキャラクタの能力向上等も効率的に行うことができる。
【0079】
図10において、「抽選のレアアイテム取得確率が上昇する」というアイテムは、乗り換え先のゲーム内に、例えばカードなどのアイテムをプレイヤが収集する機能が含まれている場合を想定している。このようなゲームの一例としては、複数の選手カードからなる野球チームを構成するためにプレイヤが選手カードを収集する野球ゲームがある。このような野球ゲームでは、選手カードを、抽選箱の中から1枚を取り出すような演出を経て収集するような抽選機能を備えている。この抽選のチャンスは例えば1日1回と限定されており、抽選で出てくる選手カードはランダムである。なお、選手カードにはランクが設けられており、大きく分けて通常カードとレアカード(レアアイテムに相当)とがある。レアカードは技術能力の際立った選手や人気のある選手であり、抽選で取得できる確率は非常に低く設定されている。上述した抽選機能を備えた野球ゲームにおいて、図10における「抽選のレアアイテム取得確率が上昇する」というアイテムは、選手カードを引く抽選においてレアカードが出る確率を上昇させることを意味する。よって、抽選のレアアイテム取得確率が上昇する回数が多いほど、レアカードを引く可能性も上がるということになる。
【0080】
図10において、例えば移行ポイントが「5」である場合、その移行ポイントは、「ゲーム上で保有する金銭」として「$5,000」、「プレイヤキャラクタの能力が所定量回復する回数」として「18」、あるいは「抽選のレアアイテム取得確率が上昇する回数」として「7」、のうち少なくともいずれかに変換される。
なお、図10の対応関係は単なる例示に過ぎず、具体的な特典対象のアイテムおよびその特典の程度については、対象となるゲームの性質に応じて適宜設定可能であることは当然である。なお、ゲーム上で有効なアイテムについてのプレイヤIDごとのデータ(図10の例では、例えば、「プレイヤキャラクタの能力が所定量回復する回数」が何回であるかについてのデータ)は、プレイヤデータベース31内のアイテム情報(図5参照)に含まれるようにしてよい。言い換えれば、特典付与手段57において特典を付与することは、CPU21がプレイヤデータベース31のアイテム情報にアクセスして、対象となるプレイヤIDのアイテム情報を、プレイヤによって有利となるように更新することであってよい。
【0081】
(6)ゲームの乗り換えにおけるゲームサーバにおける主要な処理のフロー
次に、本実施形態のサーバ装置20の主要な処理フローの一例について、図11A及び図11Bのフローチャートを参照して説明する。図11A及び図11Bは、実施形態のゲームの乗り換え処理を示すフローチャートである。以下では一例として、ゲームサーバ20aが管理するゲームA(乗り換え元のゲーム)から、ゲームサーバ20bが管理するゲームB(乗り換え先のゲーム)への乗り換えがなされる場合について説明する。また、図11A及び図11Bのフローチャートでは、乗り換え元のゲームAと乗り換え先のゲームBを提供するサービス提供者が同一であり、ゲームの乗り換えに当たってプレイヤIDの変更を必要としない場合を想定している。
【0082】
図11Aにおいて、通信端末10は先ず、プレイヤによる操作に応じて、ゲームAを管理するゲームサーバ20aに対して、プレイヤIDに基づくアクセス要求メッセージを送信する(ステップS10)。ゲームサーバ20aでは、通信端末10からプレイヤIDに基づくアクセス要求を受けると、そのプレイヤIDの認証処理が行われる。その後、ゲームサーバ20aのポイント算出手段55は、アクセスのあったプレイヤIDについてのゲームAにおけるゲーム実行履歴から、ゲームの乗り換えに当たっての基準ポイントを算出する(ステップS20)。基準ポイントの算出に当たっては、例えば、ゲーム実行履歴のデータと基準ポイントの既知の対応表を参照して算出される。ゲーム実行履歴は、データベースサーバ30aのプレイヤデータベース31に含まれるデータ(例えば、ゲームの総実行時間、課金総額あるいはクラスの少なくともいずれかのデータ)である。よって、ステップS20で算出される基準ポイントは、プレイヤIDに対応するプレイヤがゲームAにおいて消費した時間、金額、または、プレイヤがゲームAにおいて蓄積したキャラクタの能力などの技能レベルを反映したものとなる。ゲームサーバ20aではさらに、ポイント処理手段56が、ステップS20で算出した基準ポイントを移行ポイントに変換する(ステップS30)。このとき、移行ポイントは基準ポイントと同一の値であってもよく、基準ポイントを所定の条件に応じて増減させた値でもよい。
【0083】
次に、ゲームサーバ20aにおいて、通知手段52は、通信端末10に対し、乗り換え元のゲームAの実行についてのサービスが終了する時期を、そのサービスの終了前に予め通信端末10宛に通知する。つまり、ゲームサーバ20aは通信端末10に対してゲームの乗り換えの案内通知を行なう(ステップS40)。その結果、通信端末10の表示部16において、図7に例示したように、ゲームの乗り換えを案内するためのウェブページが表示される(ステップS42)。このウェブページの表示により、ゲームサーバ20aが管理するゲームAが所定の日付で終了すること、及び、乗り換えによってプレイヤIDに対応して得られる移行ポイントの値がプレイヤに認識される。さらにそのウェブページを通して、プレイヤの通信端末10に対する操作によって、乗り換え先のゲーム(この例では、ゲームB)が選択されると(ステップS50)、通信端末10からゲームサーバ20a宛に乗り換え要求メッセージが送信される(ステップS60)。
【0084】
プレイヤID及びプレイヤによって選択された乗り換え先のゲームを含む乗り換え要求メッセージを正しく受信することで、ゲームサーバ20aは、そのプレイヤIDから乗り換え要求が有ることが分かる(ステップS70:YES)。すると、ゲームサーバ20aでは、登録処理手段51が、対象となるプレイヤIDについてゲームAに対する登録を解除する処理を行い(ステップS80)、通信端末10宛に登録解除通知メッセージを送信する(ステップS90)。さらにゲームサーバ20aは、乗り換え要求メッセージの受信に応じて、乗り換え先のゲームBを管理するゲームサーバ20bに対し、乗り換え通知メッセージを送信する(ステップS100)。乗り換え通知メッセージには、プレイヤIDと、ステップS30で算出された移行ポイントが含まれている。
【0085】
ゲームサーバ20aから送信された乗り換え通知メッセージが正しく受信されると(図11BのステップS110:YES)、ゲームサーバ20bでは、登録処理手段51が乗り換え通知メッセージに含まれるプレイヤIDの登録処理を行う(ステップS120)。登録処理の後、ゲームサーバ20bの特典付与手段57は、ステップS110で受信した乗り換え通知メッセージに含まれる移行ポイントを、ゲームBの所定の規則に従って特典に変換する(ステップS130)。さらにゲームサーバ20bの特典付与手段57では、特典をステップS120で登録したプレイヤIDに対して付与する(ステップS140)。例えば、特典がゲームBにおいて利用可能なアイテムである場合には、データベースサーバ30bのプレイヤデータベース31のアイテム情報が更新される。最後に、ゲームサーバ20bの登録処理手段51は、通信端末10宛に登録完了メッセージを送信する(ステップS150)。通信端末10は、受信した登録完了メッセージの内容を表示部16に表示する(ステップS152)。この登録完了メッセージには、ステップS140で付与された特典の内容が記述されたテキストを含むようにすることが好ましい。これにより、ゲームの乗り換えを行なったプレイヤは、ゲームの乗り換えによって得られた特典の内容を確認することができる。
なお、図11A及び図11Bでは、プレイヤによる操作に応じて(ステップS50),ゲームAの登録の解除(ステップS80)と、ゲームBの登録(ステップS120)とが一対の処理で行われる場合が示されている。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のゲーム制御装置によれば、プレイヤがゲームAからゲームBへの乗り換えを要求するときには、乗り換え元のゲームAの実行履歴に応じたポイントが、乗り換え先のゲームBで利用可能なポイントとして割り当てられるため、プレイヤにとってみれば、乗り換え時点までのゲームAの実行が無駄にならずに済む。
特に、乗り換え元のゲームAの実行についてのサービスが例えばサービス提供者あるいはゲーム製作者あるいはサービス提供者の都合によって停止する状況が生じた場合でも、プレイヤが今までにゲームAに対して消費した時間あるいは費用が間接的に、移行ポイントを介して乗り換え先のゲームBで利用可能となるため、ゲームAに対する費用、時間が無駄になったとプレイヤに感じさせることを抑制することができる。つまり、ゲームAのサービスの停止によって生じうるゲーム製作者あるいはサービス提供者に対するプレイヤの不満を抑制することができる。
【0087】
なお、図11A及び図11Bでは、乗り換え元のゲームAと乗り換え先のゲームBを提供するサービス提供者が同一であり、ゲームの乗り換えに当たってプレイヤIDの変更を必要としない場合を想定したが、その場合に限られない。乗り換え前後のゲームのサービス提供者が異なる場合には、ゲームサーバ20bは、ステップS120において新たなプレイヤIDを発行し、ステップS150にて、乗り換え先のゲームの実行に必要とする新たなプレイヤIDを含む登録通知メッセージを通信端末10宛に送信すればよい。
また、単一のゲームサーバが複数のゲームの実行を管理しており、その複数のゲームの間で乗り換えが行われる場合には、ステップS100〜S120の処理は必要ない。
【0088】
図11AのステップS10〜S40に示したように、乗り換え元のゲームAを管理するゲームサーバ20aにおいて、通知手段52(第2の通知手段)は、プレイヤIDに基づいてアクセスする通信装置10に対し、ゲームAにおける当該プレイヤIDのポイントを、アクセスがある度に通知するようにしてもよい。これにより、プレイヤは、ゲームAの実行のためにゲームサーバ20aにアクセスする度に、乗り換えによって得られる移行ポイントを意識させられるため、プレイヤによる他のゲームへの乗り換えを促進させることができる。
【0089】
(7)変形例
以下、上述した実施形態のいくつかの変形例について説明する。
【0090】
(7−1)第1の変形例
第1の変形例として、ポイント処理手段56で行われる基準ポイントから移行ポイントへの好ましい変換処理について説明する。
第1の変形例では、ポイント処理手段56は、ゲームの乗り換え要求がなされた時期から、乗り換え元のゲームのサービスが終了する時期(サービス終了時期)までの期間が短いほど、乗り換え先のゲームにおいて利用可能なポイントである移行ポイントを少なくする。このポイント処理手段56の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、通信端末10から乗り換え要求メッセージを通信端末10から受信した時期を、例えば内蔵するタイマによって取得し、その受信した時期から既知のサービス終了時期までの残存期間を算出する。そしてCPU21は、算出した残存期間が短いほど、基準ポイントからのポイント減量が多くなるようにして移行ポイントを算出する。
【0091】
このとき、通知手段52は、残存期間に応じて移行ポイントが異なることが分かるようにして、通信端末10にてゲームの乗り換えを案内するためのウェブページを表示させるためのHTMLデータを送信することが好ましい。
図12に、通信端末10にてゲームの乗り換えを案内するためのウェブページの表示例の変形例を示す。この表示例では、乗り換え元のゲームのサービス終了時期までの残存期間に応じた移行ポイントをプレイヤに提示することを目的として構成されている。図12では、残存期間は「期限X日前」として表記されている。例えば、図12において、残存期間が20日、10日、5日である場合に得られる移行ポイントをそれぞれP1、P2、P3とすると、第1の変形例では、P1>P2>P3となるように移行ポイントが設定される。
【0092】
この第1の変形例によれば、プレイヤにとっては、自らプレイするゲームのサービス終了を知ってから早期に他のゲームへの乗り換えを行って、極力多くのポイントを得たいという動機付けが働くようになる。一方、ゲームのサービス終了を通知してから、素早く、かつ円滑に、サービス終了予定のゲームのプレイヤを他のゲームへ移行させることができるため、ゲーム製作者および/またはサービス提供者にも利点がある。
【0093】
(7−2)第2の変形例
第2の変形例として、ポイント処理手段56で行われる基準ポイントから移行ポイントへの好ましい変換処理について説明する。
第2の変形例では、ポイント処理手段56は、ゲームの乗り換え要求がなされた時期から、乗り換え元のゲームのサービスが終了する時期までの期間が所定の期間よりも長い場合に、基準ポイントよりも多いポイントを、乗り換え先のゲームにおいて利用可能なポイントである移行ポイントとして割り当てる。このポイント処理手段56の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、第1の変形例と同様に、残存期間を算出する。そしてCPU21は、算出した残存期間が所定の期間よりも長い場合に、移行ポイントが基準ポイントよりも多くなるように、移行ポイントを算出する。例えば、基準ポイントをP0とした場合、図12に示した例においては、閾値となる所定の期間を15日とした場合には、P1>P0となるように移行ポイントが設定される。この場合、P2及びP3については、例えば、P3<P2≦P0となるように移行ポイントが設定されてもよい。つまり、第1の変形例と組み合わせて設定することもできる。
【0094】
この第2の変形例によれば、第1の変形例と同様に、プレイヤには、早くゲームの乗り換えを行ってより多くのポイントを得るという動機付けが働くようになり、ゲーム製作者および/またはサービス提供者にとっては、サービス終了予定のゲームのプレイヤを素早く、かつ円滑に他のゲームへ移行させることができる。
【0095】
(7−3)第3の変形例
第3の変形例として、ポイント処理手段56で行われる基準ポイントから移行ポイントへの好ましい変換処理について説明する。
第3の変形例では、本実施形態のゲームサーバ20により、乗り換え元のゲームおよび乗り換え先のゲームを含む複数のゲームの各々を、ゲームの難易度のレベルと対応付けた難易度データベースにアクセス可能なアクセス手段の機能が実現される。具体的には、このアクセス手段の機能を実現するために、ゲームサーバ20のデータベースアクセス部24は、データベースサーバ30のみではなく、難易度データベースに対してもネットワーク上でアクセス可能に構成される。
【0096】
ポイント処理手段56は、難易度データベースを参照し、乗り換え先のゲームの難易度のレベルが乗り換え元のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、乗り換え先のゲームと乗り換え元のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、乗り換え先のゲームにおいて利用可能なポイントである移行ポイントを多くする。このポイント処理手段56の機能を実現するために、例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、乗り換え先のゲームの難易度が標準的な難易度のときには、移行ポイントが基準ポイントと等しくなるように設定し、乗り換え先のゲームの難易度が標準的な難易度よりも高いもの、あるいは低いものであるときには、それに応じて移行ポイントを基準ポイントよりも所定量増減させるようにしてもよい。
【0097】
このとき、通知手段52は、ゲームごとの難易度と移行ポイントを含むゲーム選択画像が通信端末10で表示されるように、HTMLデータを通信端末10宛に送信することが好ましい。図13はそのようなゲーム選択画像の一例である。このゲーム選択画像の例では、乗り換え先の候補となりうる複数のゲーム(ゲームタイトル)、各ゲームの内容、難易度及び移行ポイントがスクロール可能に表示されている。図13は、例えば基準ポイントが「5」である場合を示している。標準的な難易度である難易度:2のゲームに対しては、移行ポイントは基準ポイントと同様に「5」に設定され、ゲームの難易度が標準的な難易度よりも高い難易度:3のゲーム、あるいは低い難易度:1のゲームであるときには、それぞれ移行ポイントは基準ポイントに対して+3,−2に設定されている。
【0098】
第3の変形例によれば、乗り換え元のゲームよりも難易度の高いゲームに乗り換えた場合には、移行ポイントが大きくなる。逆に、乗り換え元のゲームよりも難易度の低いゲームに乗り換えた場合には、移行ポイントが小さくなる。一般に、難易度の高いゲームでは、ゲームの進行をプレイヤに有利に進める上でよりより多くのポイントを利用する必要があるが、このゲーム制御装置によれば、乗り換え先のゲームの難易度が考慮された上で、乗り換え元のゲームにおけるゲームの実行履歴がポイントに反映されることになる。よって、乗り換え先のゲームの難易度の差による不公平が生ずることがないため、プレイヤは、ゲームの難易度を考慮せずに、乗り換え先のゲームを選択することができるようになる。
【0099】
(7−4)第4の変形例
上述した実施形態では、乗り換え先のゲームが1つである場合について説明したが、それに限られない。乗り換え先のゲームが2つ以上であってもよい。その場合、図8に例示したゲーム選択画像では、2つ以上のゲームが選択可能となるようにウェブページが構成される。また、ゲームサーバ20のポイント処理手段56は、例えば、算出した移行ポイントをゲーム選択数によって等分し、選択された各ゲームのゲームサーバへの乗り換え通知メッセージには、等分した移行ポイントを含ませるようにする。なお、算出した移行ポイントの選択された各ゲームへの分割は等分に限られず、難易度データベースを参照して、各ゲームの難易度に応じた重み付けで分割するようにしてもよい。
【0100】
2.第2の実施形態
以下、第2の実施形態について説明する。本実施形態のゲームシステムに含まれる通信端末10、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30のハードウエア構成は、図2〜図4で示したものと同一の構成でよい。
図14は、本実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図14では、図6と比較して、ポイント算出手段55及びポイント処理手段56が無い代わりに、特典付与手段57Aが設けられる。第1の実施形態のゲーム制御装置では、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴を示す少なくともいずれかのデータ(図5参照)に基づいて、ゲームの乗り換えのための基準となる基準ポイントを算出し、その基準ポイントを所定の規則に従って移行ポイントに変換し、移行ポイントに応じて乗り換え先のゲームで利用可能な特典を、対象となるプレイヤIDのプレイヤに付与する構成とした。しかしながら、プレイヤに付与される特典の内容は、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴を移行ポイントに換算することによって決定される場合に限られない。プレイヤに付与される特典の内容は、ポイントに換算することなく、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴から直接的に決定されるようにしてもよい。
【0101】
そこで、本実施形態の特典付与手段57Aは、登録処理手段51によって登録されたプレイヤIDの各々について、乗り換え元のゲーム(第1のゲーム)の登録の解除と、乗り換え先のゲーム(第2のゲーム)の登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了(配信の停止)に応じて第2のゲームの登録が行われる場合に、乗り換え元のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づいて乗り換え先のゲームにおいて利用可能な特典を付与する。この特典付与手段57Aの機能は、以下のように実現できる。ゲームサーバ20のROM22には予め、ゲーム実行履歴と特典の関係を示すデータが格納されている。ゲームサーバ20のCPU21は、例えば前述した乗り換え通知メッセージをトリガとして、ROM22内のデータを参照して、プレイヤIDごとにゲーム実行履歴に応じた特典を決定する。ゲーム実行履歴は、第1の実施形態と同様、乗り換え元のゲーム(第1のゲーム)についての総実行時間、課金総額、乗り換え元のゲームにおけるクラス(技能レベル、ステージのレベル等)の少なくともいずれかであってよい。
【0102】
図15に、ゲーム実行履歴と特典の関係を示すデータの一例として、乗り換え元のゲームの技能レベル(LV)と、乗り換え先のゲーム(第2のゲーム)で利用可能な特典との対応関係を示すデータを示す。図15における特典の例は、乗り換え先のゲームが、プレイヤが選手カードを収集する野球ゲームの場合であり、「無料抽選」とは、抽選でランダムに選手カード(前述した通常カード)を引き、選ばれた選手カードをプレイヤが入手できる機能である。「レアカード抽選」とは、抽選で、技術能力の際立った選手や人気のある選手のカード(前述したレアカード)を引き、選ばれたレアカードをプレイヤが入手できる機能である。プレイヤにとっては、1回のレアカード抽選を行うことができるという特典は、1回の無料抽選を行うことができるという特典よりも大きい特典である。つまり、図15に示す例では、乗り換え元のゲームの技能レベルが大きいほど、乗り換え先のゲームで利用可能な特典が大きくなることを表している。
【0103】
なお、本実施形態は、プレイヤに付与される特典の内容が、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴を移行ポイントに換算することなく、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴から直接的に決定されるものであるが、移行ポイントに換算しない態様で第1の実施形態の第1〜第3の変形例が適用可能である。具体的には、上記第1の変形例を適用する場合、特典付与手段57Aは、ゲームの乗り換え要求がなされた時期から、乗り換え元のゲームのサービスが終了する時期(サービス終了時期)までの期間が短いほど、乗り換え先のゲームにおいて利用可能な特典を少なくする。上記第2の変形例を適用する場合、特典付与手段57Aは、ゲームの乗り換え要求がなされた時期から、乗り換え元のゲームのサービスが終了する時期までの期間が所定の期間よりも長い場合に、基準となる特典の内容によりも多くの特典を、乗り換え先のゲームにおいて利用可能な特典として割り当てる。上記第3の変形例を適用する場合、特典付与手段57Aは、難易度データベースを参照し、乗り換え先のゲームの難易度のレベルが乗り換え元のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、乗り換え先のゲームと乗り換え元のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、乗り換え先のゲームにおいて利用可能な特典を多くする。
【0104】
3.第3の実施形態
以下、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、ゲームの乗り換えにおけるゲームサーバにおける主要な処理のフローに関し、図11A及び図11Bとは異なるフローについて、図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、図11A及び図11Bと同様に、ゲームサーバ20aが管理するゲームA(乗り換え元のゲーム)から、ゲームサーバ20bが管理するゲームB(乗り換え先のゲーム)への乗り換えがなされる場合の処理を示すフローチャートである。
【0105】
図16において、ステップS200及びS210は、プレイヤがゲームAのプレイを開始する初期段階において、ゲームAを管理するゲームサーバ20a宛にプレイヤの通信端末10から登録要求メッセージを送信し、ゲームサーバ20aが当該登録要求に基づいて、プレイヤIDの登録を行う処理である。図16では、単一の通信端末10からゲームサーバ20aに対する登録要求のみが示されているが、ゲームAの運営が継続している限り、非常に多数のプレイヤの通信端末10からゲームサーバ20aに対して登録要求がなされ、その都度プレイヤIDが登録されることになる。プレイヤIDの登録がされた後は、アクセス要求メッセージを逐次受け付けて、プレイヤIDごとのゲームAを実行する(図示せず)。
【0106】
その後、ゲームAのゲーム製作者またはサービス提供者によってゲームAの配信を中止すること(サービスの終了)が予定されると、ゲームサーバ20aは、ゲームAの配信が所定の停止日に停止することを示すメッセージを含むHTMLデータを送信する(ステップS220)。通信端末10は、受信したHTMLデータを解釈して、ゲームAの配信が所定の停止日に停止することを示すメッセージのテキストを表示する(ステップS230)。その後、ゲームサーバ20aは、上記所定の停止日にゲームAの配信を停止させる(サービスの終了;ステップS240)。ゲームAの配信を停止させるとゲームサーバ20aは、登録されているすべてのプレイヤIDとその技能レベルのデータを、例えばゲームAのサービス提供者が配信する他のすべてのゲームのゲームサーバ20b,20c,…に送信する(ステップS250)。もちろん、特定のゲームサーバのみ送信するようにしてもよい。このステップS250におけるデータの送信は、前述した乗り換え通知メッセージに含まれるようにしてもよい。ゲームサーバ20b,20c,…の各々は、受信したプレイヤIDとその技能レベルのデータを互いに関連付けてプレイヤデータベース31に記憶させる(ステップS260)。
【0107】
なお、ステップS220における通知タイミングは、例えば、ゲームサーバ20aを管理するサービス提供者によって適宜決定されてよい(例えば、ゲームAのサービスの終了の1ヶ月前等)。ステップS250において、プレイヤIDとともに各ゲームサーバに送信されるデータは、技能レベルに限られず、後述するステップS280で特典を決定するために必要な他のゲーム実行履歴のデータであってもよい。
【0108】
ステップS230の表示により、プレイヤによる操作に応じて通信端末10が、ゲームBを管理するゲームサーバ20b宛に、プレイヤIDを指定した登録要求メッセージを送信する場合を想定する(ステップS270)。つまり、ゲームAの近日中の配信停止を知ったゲームAのプレイヤが、次のプレイ対象としてゲームBを選択した場合を想定する。ゲームサーバ20bは、ステップS270で送信された登録要求メッセージを受信し、指定されたプレイヤIDに対するゲームBの登録処理を行う(ステップS272)。なお、ステップS250にてプレイヤIDのデータがゲームサーバ20b宛に送信済みであるため、ゲームサーバ20bは、ステップS250のプレイヤIDの受信に基づいて、受信したプレイヤIDのゲームBの登録処理を行うようにしてもよい。ゲームサーバ20bは、ステップS272でプレイヤIDの登録を行った後、プレイヤデータベース31を参照して、そのプレイヤIDに付与する特典を決定する(ステップS280)。特典の決定方法は、例えば図15に示したデータ、つまり、ゲームAの技能レベル(LV)とゲームBで利用可能な特典との対応関係を示すデータを参照する方法を採ることができる。なお、前述したように、ステップS250においてプレイヤIDとともに送信されるデータの種類と、ステップS280において特典の決定の基礎となるデータ種類とは同一であるか、あるいは互いに関連付けられているものとする。
なお、図16では、ステップS230、S270及びS272は、ゲームA(第1のゲーム)のサービスの終了に対応して、プレイヤによる通信端末10に対する操作を契機としてゲームB(第2のゲーム)の登録が行われる場合の例が示されている。
【0109】
プレイヤに付与すべき特典が決定されると、ゲームサーバ20bは、その特典の内容を含むメッセージ(以下、「ウェルカムメッセージ」という。)を表示するためのHTMLデータを通信端末10宛に送信する(ステップS290)。通信端末10は、ゲームサーバ20bから受信したHTMLデータを解釈してウェルカムメッセージを表示する(ステップS300)。図17に、ステップS300にて通信端末10に表示されるウェルカムメッセージの表示例を示す。この表示例では、特典(乗り換えボーナス)として、「レアカード抽選3回」がプレイヤに付与された場合を示している。
なお、サービスが終了するゲームに代わる乗り換え先のゲーム(ゲームB)に対して、元々プレイヤIDを登録しているプレイヤも考えられるが、そのプレイヤに対しても特典は供与されるようにしてもよい。その場合、そのプレイヤがそれ以前と同様に乗り換え先のゲームにアクセスすれば、特典の内容を含むメッセージが表示されるようにする。
【0110】
以上が図16のフローチャートの説明である。なお、図16のフローチャートは、第2の実施形態にて説明したように、プレイヤに付与される特典の内容が、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴を移行ポイントに換算することなく、乗り換え元のゲームのゲーム実行履歴から直接的に決定される場合であるが、これに限られない。第1の実施形態のようにゲームサーバ20aが移行ポイントを算出する場合には、図16のフローチャートにおいて、その移行ポイントをプレイヤIDと関連付けてステップS250でゲームサーバ20b宛に送信すればよい。その場合、ゲームサーバ20bでは、ステップS280において移行ポイントを基に特典を決定する(例えば図10参照)。
【0111】
図16のフローチャートでは、ゲームAの終了の事前通知がなされた後、プレイヤが、例えばゲームAを提供するサービス提供者と同一のサービス提供者による他の任意のゲームに乗り換えることを可能とする構成としている。これに対して、ゲームAの終了の事前通知がなされた後、プレイヤが予め乗り換え先のゲームを選択する構成、あるいはプレイヤが乗り換え可能なゲームを制限する構成としてもよく、かかる構成のフローチャートを図18に示す。図18のフローチャートにおいて、図16と同一の、あるいは対応する処理については同一の符号を付してある。
【0112】
以下では、図18のフローチャートに関し、主として図16のフローチャートと異なる点について説明する。
図18のフローチャートでは、ステップS220aにて通信端末10宛に送信される、ゲームAの終了の事前通知を含むHTMLデータには、乗り換え先のゲームとしてプレイヤによって選択可能な1または複数のゲームの一覧のデータが含まれている。通信端末10は、受信したHTMLデータを解釈して、ゲームAの配信が所定の停止日に停止することを示すメッセージのテキストを表示するとともに、乗り換え先のゲームの候補として、ゲームA以外の1または複数の他のゲームの一覧をプレイヤが選択可能に表示する(ステップS230a)。ゲームA以外の1または複数の他のゲームの一覧の表示態様は、例えば図8に示したとおりである。このとき、プレイヤによる操作入力に応じて、ゲームの一覧の中から、単一のゲームを選択可能とする構成としてもよいし、所望の数の複数のゲームを選択可能とする構成としてもよい。つまり、プレイヤによって選択可能な乗り換え先のゲームの数を制限するようにしてもよい。ゲームの選択についてのプレイヤの操作入力を受け入れると(ステップS232)、通信端末10は、プレイヤによるゲームの選択結果をゲームサーバ20a宛に送信する(ステップS234)。
【0113】
ゲームサーバ20aは、通信端末10からゲームの選択結果を受信すると、選択されたゲームのゲームサーバに対して、ゲームの選択結果を通知する(ステップS236)。図18に示すフローチャートでは、ゲームBが選択された場合が想定されており、ステップS236では、ゲームサーバ20aからゲームBを管理するゲームサーバ20b宛に、プレイヤIDと関連付けてゲームの選択結果が通知される場合が示されている。選択されたゲームが複数存在する場合には、選択された各ゲームを管理するゲームサーバ宛に、プレイヤIDと関連付けてゲームの選択結果が通知されることになる。ステップS236の通知によって、ゲームサーバ20bは、特定のプレイヤIDによって乗り換え先ゲームとしてゲームBが選択されたことが分かる。
その後、ゲームサーバ20aは、上記所定の停止日にゲームAの配信を停止させる(サービスの終了;ステップS240)。ゲームAの配信を停止させるとゲームサーバ20aは、登録されているすべてのプレイヤIDとその技能レベルのデータを、例えばゲームAのサービス提供者が配信する他のすべてのゲームのゲームサーバ20b,20c,…に送信する(ステップS250)。ゲームサーバ20b,20c,…の各々は、受信したプレイヤIDとその技能レベルのデータを互いに関連付けてプレイヤデータベース31に記憶させる(ステップS260)。なお、ゲームの選択結果を受信したゲームサーバ20bは、乗り換え先ゲームとしてゲームBを選択したプレイヤIDをプレイヤデータベース31に記憶させる。
【0114】
その後、ステップS270において、プレイヤによる操作に応じて通信端末10が、ゲームBを管理するゲームサーバ20b宛に、プレイヤIDを指定した登録要求メッセージを送信すると、ゲームサーバ20bは、そのプレイヤIDの登録を行う(ステップS272)。さらにゲームサーバ20bは、プレイヤデータベース31を参照することで、登録要求メッセージに係るプレイヤIDが、乗り換え先ゲームとしてゲームBを選択したプレイヤIDであることが分かる。すると、ゲームサーバ20bは、プレイヤデータベース31を参照して、そのプレイヤIDに付与する特典を決定する(ステップS280)。その後の処理は、図16の場合と同様である。
【0115】
なお、図16のステップS220及び図18のステップS220aでは、通信端末10宛に送信されるHTMLデータに、ゲーム実行履歴としての乗り換え元のゲーム(ゲームA)の技能レベルと、乗り換え先のゲームで利用可能な特典との対応関係を示すデータ(例えば図15参照)を含ませるようにして、当該データをそれぞれ、ステップS230及びS230aで通信端末10に表示させるようにすることが好ましい。ゲームの乗り換えによって得られる特典をプレイヤに報知することによって、プレイヤによるゲームの乗り換えを促すことができるためである。さらに、ゲーム実行履歴(フローチャートの例では、技能レベル)と特典の関係を示すデータを具体的に報知することで、プレイヤにとって、ゲームAのサービスの終了までのプレイ上の目標を提示できるという効果がある。例えば、ゲームAの終了の事前通知がなされた時点において、プレイヤのゲームAにおける技能レベルがLV48あるいはLV49である場合には、ゲームAのサービスの終了までに技能レベルをLV50以上とすることによってより大きい特典が乗り換え先のゲームにおいて得られるようにするという目標をプレイヤが意識するようになり、ゲームAの配信停止は近いが、事前通知後のゲームの活性化に寄与しうる。
【0116】
また、ゲームAの終了の事前通知において、乗り換え先のゲームにおいて付与されうる特典を報知する場合には、その特典が得られる期限を予め提示することが好ましい。つまり、図16のステップS220及び図18のステップS220aでは、通信端末10宛に送信されるHTMLデータに、特典が得られるための条件として、ゲームAの終了の事前通知のタイミングを基準とした、乗り換え先のゲームにアクセスするまでの期限を示すテキストを含ませるようにして、当該テキストをそれぞれ、ステップS230及びS230aで通信端末10に表示させるようにすることが好ましい。これにより、プレイヤには、特定の期限までに乗り換え先のゲームにアクセスしないと特典を失うという意識付けがされるため、プレイヤによるゲームの乗り換えを促進させることできる。なお、第1の実施形態においても同様の観点から、ポイントが得られる期限を予め提示することが好ましい(例えば、図11AのステップS42)。
【0117】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0118】
例えば、上述した各実施形態におけるプレイヤIDの乗り換え元のゲーム(第1のゲーム)の実行履歴は、乗り換え元のゲームについての総実行時間、課金総額、プレイヤのゲームにおけるクラス(ゲーム上の技能レベル、ステージのレベル等)の他、乗り換え元のゲームに対するアクセスの回数、プレイヤによるレアカード(抽選による出現率が一定の基準で低いカード)の保有数であってもよい。
【0119】
移行ポイントあるいは乗り換え元のゲーム(第1のゲーム)の実行履歴に応じて付与される特典は、図10に例示したものの他、乗り換え先のゲームをプレイするときに利用可能な各種のポイントであってもよい。そのようなポイントの例として、「エールポイント」、「強化ポイント」を挙げることができる。
「エールポイント」は、例えばデジタルカードゲームのエール機能に基づいてプレイヤが取得したポイントである。このようなデジタルカードゲームでは、所定量のエールポイントと引き換えに選手カードを引くことができる、エールポイントによる抽選機能が設けられているため、乗り換え先のゲームにおける特典としてエールポイントを取得することで、プレイヤはそのゲームで利用可能な新たな選手カードを引くチャンスが得られることになる。
「強化ポイント」は、例えばデジタルカードゲームにおける選手カードの強化機能を利用するのに必要となるポイントである。上記選手カードの強化機能では、プレイヤが強化ポイントを一定量消費することで、プレイヤが既に保持している複数の選手カードに対応する選手の一体化の処理が行われる。この一体化の処理では、選手カードに対応する選手に対して、例えば以下の処理が行われてよい。つまり、強化対象となる選手(プレイヤによって指定された、残留する選手カード)を選手Aとし、選手Aに一体化させられて消失するプレイヤキャラクタを選手Bとする場合、一体化の処理では、ゲームサーバが選手Aの打力、走力、守備力の能力値に対して、選手Bの打力、走力、守備力の能力値の一定比率をそれぞれ加算することで、新たな選手Aの能力値を算出するようにしてもよい。この一体化の処理によって、選手Bの能力上の特徴が選手Aに反映されることになる。よって、乗り換え先のゲームにおける特典として強化ポイントを取得することで、プレイヤは乗り換え先のゲームで自ら保持する選手の能力を素早く引き上げることができ、ゲームを初期段階から有利に進行させることができる。
【符号の説明】
【0120】
10…通信端末
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…画像処理部
15…操作入力部
16…表示部
17…無線通信インタフェース部
18…バス
20…ゲームサーバ
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…データベースアクセス部
25…通信インタフェース部
26…バス
30,30a…データベースサーバ
31…プレイヤデータベース
32…ゲーム結果データベース
51…登録処理手段
52…通知手段
53…ゲーム実行手段
54…ゲーム実行履歴管理手段
55…ポイント算出手段
56…ポイント処理手段
57,57A…特典付与手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介してアクセス可能に構成され、前記通信端末によるゲームの実行を制御するゲーム制御装置であって、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う登録処理手段と、
前記登録処理手段によって登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出するポイント算出手段と、
前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して、前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行うポイント処理手段と、
を備えた、ゲーム制御装置。
【請求項2】
前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴は、プレイヤ識別情報に基づく第1のゲームの総実行時間、第1のゲームの実行に当たって前記プレイヤ識別情報に関連付けられた課金総額、および、前記プレイヤ識別情報に関連付けられた第1のゲームにおけるクラスのうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする、
請求項1に記載されたゲーム制御装置。
【請求項3】
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第1のゲームの実行についてのサービスが終了する時期を、そのサービスの終了前に予め通知する第1の通知手段、をさらに備え、
前記ポイント処理手段は、前記一対の処理が行われる時期から前記サービスが終了する時期までの期間が短いほど、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントを少なくすることを特徴とする、
請求項1または2に記載されたゲーム制御装置。
【請求項4】
前記ポイント処理手段は、前記一対の処理が行われる時期から、前記サービスが終了する時期までの期間が所定の期間よりも長い場合に、前記ポイント算出手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントよりも多いポイントを、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てることを特徴とする、
請求項3に記載されたゲーム制御装置。
【請求項5】
前記第1のゲームおよび前記第2のゲームを含む複数のゲームの各々を、ゲームの難易度のレベルと対応付けたデータベースにアクセス可能なアクセス手段、をさらに備え、
前記ポイント処理手段は、前記データベースを参照し、第2のゲームの難易度のレベルが第1のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、第2のゲームと第1のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、第2のゲームにおいて利用可能なポイントを多くすることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項6】
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第1のゲームにおける前記プレイヤ識別情報のポイントを、アクセスがある度に通知する第2の通知手段、をさらに備えたことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項7】
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントが付与される期限を通知することを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項8】
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介してアクセス可能に構成され、前記通信端末によるゲームの実行を制御するゲーム制御装置であって、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う登録処理手段と、
前記登録処理手段によって登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づいて前記第2のゲームにおいて利用可能な特典を付与する特典付与手段と、
を備えた、ゲーム制御装置。
【請求項9】
前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴は、プレイヤ識別情報に基づく第1のゲームの総実行時間、第1のゲームの実行に当たって前記プレイヤ識別情報に関連付けられた課金総額、および、前記プレイヤ識別情報に関連付けられた第1のゲームにおけるクラスのうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする、
請求項8に記載されたゲーム制御装置。
【請求項10】
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第1のゲームの実行についてのサービスが終了する時期を、そのサービスの終了前に予め通知する第1の通知手段、をさらに備え、
前記特典付与手段は、前記一対の処理が行われる時期から前記サービスが終了する時期までの期間が短いほど、前記第2のゲームにおいて利用可能な特典を少なくすることを特徴とする、
請求項8または9に記載されたゲーム制御装置。
【請求項11】
前記第1のゲームおよび前記第2のゲームを含む複数のゲームの各々を、ゲームの難易度のレベルと対応付けたデータベースにアクセス可能なアクセス手段、をさらに備え、
前記特典付与手段は、前記データベースを参照し、第2のゲームの難易度のレベルが第1のゲームの難易度のレベルよりも高い場合には、第2のゲームと第1のゲームの難易度のレベルが等しい場合よりも、第2のゲームにおいて利用可能な特典を多くすることを特徴とする、
請求項8〜10のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項12】
プレイヤ識別情報に基づいてアクセスする通信装置に対し、前記第2のゲームにおいて利用可能な特典が付与される期限を通知することを特徴とする、
請求項8〜11のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項13】
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介してアクセス可能に構成され、前記通信端末によるゲームの実行を制御するゲーム制御装置、におけるポイント処理方法であって、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録を行うステップと、
登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出するステップと、
前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記算出するステップにより算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行うステップと、
を含む、ポイント処理方法。
【請求項14】
プレイヤによって操作される通信端末からネットワークを介して実行されるゲームのポイント処理のために、コンピュータを、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録を行う手段、
登録されたプレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づくポイントを算出する手段、及び
前記第1のゲームの登録の解除と、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して前記第2のゲームの登録が行われる場合に、前記算出する手段により算出されたプレイヤ識別情報のポイントのうち少なくとも一部を、前記第2のゲームにおいて利用可能なポイントとして割り当てる処理を行う手段、
として機能させるためのポイント処理プログラム。
【請求項15】
プレイヤによって操作される通信端末と、ネットワークを介して各通信端末と接続されて通信端末による第1のゲームの実行を制御する第1のゲーム制御装置と、ネットワークを介して各通信端末と接続されて通信端末による第2のゲームの実行を制御する第2のゲーム制御装置と、を有するゲームシステムであって、
第1のゲーム制御装置は、
第2のゲーム制御装置とデータの送受信を行う第1の通信手段と、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第1のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う第1の登録処理手段と、を備え、
第2のゲーム制御装置は、
第1のゲーム制御装置とデータの送受信を行う第2の通信手段と、
前記通信端末を通してなされるプレイヤの要求に応じて、第2のゲームのプレイヤ識別情報の登録および/または登録の解除を行う第2の登録処理手段と、
プレイヤ識別情報の各々について、前記第1のゲームの登録の解除と前記第2のゲームの登録とが一対の処理として行われる場合、または、第1のゲームの実行についてのサービスの終了に対応して第2のゲームの登録が行われる場合に、第1のゲーム制御装置から受信する第1のゲームにおけるゲームの実行履歴に基づいて、第2のゲームにおいて利用可能な特典を付与する特典付与手段と、を備えた、
ゲームシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−34825(P2013−34825A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206859(P2011−206859)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【特許番号】特許第5036896号(P5036896)
【特許公報発行日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】