説明

ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法

【課題】複数の情報を案内することができるゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機は、出発位置から到達位置までトラックTLに沿って移動するオブジェクトOJがゲーム画面40に表示されるゲーム機であって、所定の条件に応じて、ゲーム中にトラックTLの形態を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に現在時刻に対応する基準線と一致するように、ノーツバーを基準線に向かって移動させることにより操作時期を案内する音楽ゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、ノーツバーと基準線との一致により、操作時期が案内される。また、案内される操作時期と操作手段としての模擬ギターに対する実際の操作時期とが比較され、実際の操作時期が評価される。しかし、ノーツバーの移動経路、つまり移動方向及び移動距離等は常に一定である。このため、プレイヤの慣れを生み、ゲームの興趣性を低下させるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤの慣れを抑制することができるゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機であって、所定の条件に応じて、ゲーム中に前記所定の経路の形態を変化させる形態変更手段を備えている。
【0007】
本発明によれば、所定の条件に応じて、基準標識が移動する所定の経路の形態が変化する。これにより、基準標識の表示位置、表示範囲、移動方向、移動距離等を変化させることができるので、プレイヤの視線或いは、操作等を変化させることができる。また、このような変化を通じて、プレイヤの慣れを抑制することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
所定の経路の形態は、どのように変化してもよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記形態変更手段は、前記基準標識の移動方向が変化するように、前記所定の経路の形態を変化させてもよい。また、前記形態変更手段は、前記基準標識の移動方向が前記所定の経路の途中で少なくとも一回変化するように、前記所定の経路の形態を変化させてもよい。或いは、前記形態変更手段は、前記基準標識の移動方向が前記所定の経路の途中で複数回変化するように、前記所定の経路の形態を変化させてもよい。この場合、形態の変化に伴って、所定の経路の長さを長くすることができる。このため、基準標識の移動距離を変化させることができる。
【0009】
本発明のゲーム機の一態様において、ゲーム中における所定の操作を実行すべき操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応させて前記基準標識を表示し、前記現在時刻に対応する現在時刻標識とともに前記基準標識を、前記ゲーム上にて前記所定の経路に沿って時間順の配置で表示させ、かつ、各操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記基準標識と前記現在時刻標識との間の距離が減少するように、前記基準標識と前記現在時刻標識との間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、前記操作時期を案内する操作案内手段と、を更に備えていてもよい。
【0010】
この態様の場合には、基準標識は操作の案内に利用されるので、プレイヤが注目し易い。また、所定の経路の形態の変化を通じて、プレイヤに要求する操作を変化させることもできる。つまり、プレイヤに新たな操作を要求することができる。これにより、プレイヤの慣れをより抑制することができるとともに、ゲームの興趣性を更に向上させることができる。更に、案内すべき操作時期は、シーケンスデータに記述された時期であり、変化しない。一方、形態の変化が所定の経路の距離の変化を伴う場合には、相対的変位を生じさせるべき距離が変化する。従って、このような場合には、形態の変化により、基準標識と現在時刻標識との間の相対的変位の速度を変化させることができる。これにより、ゲームの難易度を変化させることができる。
【0011】
基準標識が操作の案内に利用される態様において、基準標識は各種の操作の案内に利用されてよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、少なくとも一つの操作部を有する入力装置を更に備え、前記シーケンスデータには、前記操作時期が前記操作部を指定する情報と対応付けて記述されていてもよい。また、この態様において、前記操作部には、位置が変化するように操作される基準部が設けられ、前記操作案内手段は、前記基準部の位置の変化に応じて、前記所定の経路と交差する方向に移動する操作対応標識を更に表示させてもよい。この場合、操作対応標識を通じて、自己の操作の結果をプレイヤに認識させることができるので、操作部へのより適切な操作を促すことができる。
【0012】
操作部に基準部が設けられている態様において、操作部として各種の態様が採用されてよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記入力装置には、前記操作部として、中心線を有し、前記中心線を中心に回転可能に構成され、回転に伴って外周部分の位置が変化する回転操作部材が設けられ、前記基準部として、前記回転操作部材の前記外周部分が利用されていてもよい。
【0013】
操作部を備える態様において、操作部は一つに限定されない。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記入力装置には、複数の操作部が設けられ、前記シーケンスデータには、前記操作時期が前記複数の操作部のいずれかを指定する情報と対応付けて記述され、前記操作案内手段は、各操作時期に対応する操作部が判別可能な態様で前記基準標識を表示させてもよい。また、この態様において、前記操作案内手段は、前記複数の操作部にそれぞれ対応する複数の所定の経路を表示させるとともに、各操作部に対応する所定の経路上に当該操作部に対応する基準標識を配置することにより、各操作時期に対応する操作部が判別可能な態様で前記基準標識を表示させてもよい。
【0014】
本発明のゲーム機の一態様において、音声を再生出力する音声出力装置と、楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、前記シーケンスデータには、前記操作時期として、前記楽曲の再生中における時期が記述されていてもよい。この場合、プレイヤの慣れを抑制することができる音楽ゲームを提供することができる。
【0015】
本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータを、所定の条件に応じて、ゲーム中に前記所定の経路の形態を変化させる形態変更手段として機能させるように構成されたものである。
【0016】
また、本発明のゲーム機の制御方法は、出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータに、所定の条件に応じて、ゲーム中に前記所定の経路の形態を変化させる形態変更工程を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム或いは、制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明によれば、所定の経路の形態の変化を通じて、基準標識の表示位置、表示範囲、移動方向、移動距離等を変化させることができるので、プレイヤの視線或いは、操作等を変化させることができる。これにより、プレイヤの慣れを抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図。
【図2】図1のゲーム機の正面図。
【図3】図1のゲーム機の背面図。
【図4】図1のゲーム機の側面図。
【図5】図1のゲーム機を上方から見た平面図。
【図6】図1のコントロールパネルを拡大して示す図。
【図7】ゲーム機の機能ブロック図。
【図8】ゲーム画面の一例を模式的に示す図。
【図9】ゲーム画面の他の例を示す図。
【図10】図9のゲーム画面から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図11】指示経路の他の例を示す図。
【図12】経路表示領域の第1の変形例を示す図。
【図13】経路表示領域の第2の変形例を示す図。
【図14】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図15】指示経路表示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図16】カーソル表示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図17】カーソル位置制御処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図18】操作評価ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図である。また、図2は正面図を、図3は背面図を、図4は側面図を、図5は平面図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、ゲーム機1は、モニタ2と、入力装置としてのコントロールパネル3と、音声出力装置としての2つのスピーカ4と、を備えている。各スピーカ4は、発光可能に構成され、プレイ中には、その発光色が変化する。なお、ゲーム機1には、コントロールパネル3の他にも、ボリューム操作スイッチ、電源スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1〜図5ではそれらの図示を省略している。また、ゲーム機1は、複数台並べて使用されてもよい。
【0020】
図6は、図1のコントロールパネル3を拡大して示す図である。図6に示すように、コントロールパネル3には、回転操作部材としての2つのボリュームコントローラ9と、操作部としての6つのボタン13とが設けられている。6つのボタン13は、4つの大ボタン13Dと、大ボタン13Dよりも小さい2つの小ボタン13Sに分類される。また、表面3Sは、第1領域D1と、第2領域D2に分類される。図6の破線Dは、第1領域D1と第2領域D2の境界を示している。図6に示すように、4つの大ボタン13Dは、2つの小ボタン13Sの上方の第1領域D1に配置され、2つの小ボタンは、第1領域D1の下方の第2領域D2に配置される。また、4つの大ボタン13Dは、水平方向に一列を形成するように配置されている。一方、2つの小ボタン13Sも、水平方向に一列を形成するように配置されている。
【0021】
更に、6つのボタン13は、コントロールパネル3の表面3Sを左右方向LRに二分する縦断線JLを基準に左右対象な位置にそれぞれ配置されている。縦断線JLは、第1領域D1及び第2領域D2も左右に二等分する。つまり、コントロールパネル3は、縦断線JLにより左側領域3Aと右側領域3Bとに分類され、これらの領域3A、3Bのそれぞれには、3つのボタン13が含まれる。そして、左側領域3Aに含まれる3つのボタン13と右側領域3Bに含まれる3つのボタン13とは、縦断線JLを基準として、左右対象な位置に配置されている。また、小ボタン13Sは、各領域3A、3Bに含まれる2つの大ボタン13D間の左右方向LRの中間に形成される中間線BT上に配置される。このように、左右の領域3A、3Bにそれぞれ含まれる1つの小ボタンと2つの大ボタン13Dとの間には所定の位置関係が形成される。なお、図6の縦断線JL、中間線BT等の破線は、想像線であり、実際のコントロールパネル3に設けられていない。
【0022】
ボリュームコントローラ9は、第2領域D2に配置されている。また、2つのボリュームコントローラ9も縦断線JLにより、左側領域3Aに含まれる左側ボリュームコントローラ9Aと、右側領域3Bに含まれる右側ボリュームコントローラ9Bとに分類される。これらのボリュームコントローラ9A、9Bも縦断線JLを基準にして、左右対象に配置されている。また、ボリュームコントローラ9は、中心線CLを有する円柱状に形成されている。ボリュームコントローラ9は、中心線CLに沿って表面3Sと交差する方向に延びる軸部(不図示)と、軸部に固定されるように取り付けられるツマミ部9Tとを含んでいる。軸部は中心線CLを中心に左右両方に回転可能に設けられている。つまり、ボリュームコントローラ9は、中心線CLを中心として、左回り及び、右回りの両方に回転可能に構成されている。ボリュームコントローラ9は、ツマミ部9Tを介して、プレイヤにより左右両方向に回転操作される。また、ツマミ部9Tの外周部分SPは、回転操作に伴って位置が変化する。ツマミ部9Tの外周部分SPが本発明の基準部として機能する。
【0023】
図7は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図7に示すように、ゲーム機1の内部には、コンピュータとしての制御ユニット15が設けられている。また、コントロールパネル3、モニタ2及び、スピーカ4は、制御ユニット15に接続されている。制御ユニット15は、制御主体としてのゲーム制御部16と、そのゲーム制御部16からの出力に従って動作する表示制御部17及び、音声出力制御部18と、を備えている。ゲーム制御部16は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。
【0024】
表示制御部17は、ゲーム制御部16から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ2に出力することにより、モニタ2上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部18は、ゲーム制御部16から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、スピーカ4に出力することにより、スピーカ4から所定の音声(楽曲等を含む)を再生させる。
【0025】
また、ゲーム制御部16には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、或いはEEPROM等の不揮発性半導体メモリといった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0026】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム21には、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23、評価モジュール24及びルート制御モジュール25が含まれている。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部16はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行してゲーム機1として動作するために必要な各種の処理を実行する。
【0027】
続いて、ゲーム制御部16は、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16にはシーケンス処理部26が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16には操作評価部27が生成される。更に、ゲームプログラム21のルート制御モジュール25がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16にはルート制御部28が生成される。シーケンス処理部26、操作評価部27及びルート制御部28は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。
【0028】
シーケンス処理部26は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、或いはプレイヤの操作に応じて効果音等の演出を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部27は、プレイヤの操作を評価する処理を実行する。また、ルート制御部28は、ゲーム中に表示される所定の経路の表示態様を変化させる処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述した各モジュール23、24、25の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部16にはそれらのモジュールに対応した論理的装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0029】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ29、効果音データ30及び、画像データ31が含まれている。楽曲データ29は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ4から再生出力させるために必要なデータである。図7では、一種類の楽曲データ29が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数種類の楽曲にそれぞれ対応した複数種類の楽曲データ29が楽曲を識別するための情報を付して記録されている。楽曲データ29を記憶することにより、外部記憶装置20は楽曲データ記憶手段として機能する。
【0030】
効果音データ30は、プレイヤの操作に応答してスピーカ4から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽曲その他の様々な種類の音声を含む。効果音データ30は、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されていてもよい。画像データ31は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ2に表示させるためのデータである。
【0031】
ゲームデータ22には、更に、シーケンスデータ32が含まれている。シーケンスデータ32は、プレイヤに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データ29に対して、最低一つのシーケンスデータ32が用意される。シーケンスデータ32の詳細は後述する。
【0032】
コントロールパネル3には、内部に検出装置35が設けられている。検出装置35は、ボタン13への操作或いは、ボリュームコントローラ9への操作を検出する。具体的には、検出装置35は、ボリュームコントローラ9の回転量及び回転方向(或いは、基準となる部分の円周方向の位置)、又は、ボタン13を押す操作の有無を検出する。検出装置35の検出結果は、ゲーム制御部16に出力され、ゲーム制御部16が実行する各種処理に利用される。なお、検出装置35として、周知な装置が適用されてよい。また、検出装置35は、ボリュームコントローラ9用とボタン13用とに分けて設けられていてもよいし、6つボタン13及び2つボリュームコントローラ9のそれぞれ毎に設けられていてもよい。
【0033】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1では、再生される楽曲に対応した適切な操作が評価される音楽ゲームが実行される。図8〜図13を参照して、具体的に説明する。図8は、ゲーム画面の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、ゲーム画面40は、経路表示領域KRを含んでいる。経路表示領域KRには、所定の経路としての4つのトラックTLと、2つの予備トラックYTとが含まれる。4つのトラックTLは、仮想3次元空間を演出するように、画面の一端側としての奥側(上方)UPから他端側としての手前側(下方)DPに向かって延びている。4つのトラックTLは、画面の奥側UPから手前側DPに向かって延びる2つの区分線SLの間に配置されている。トラックTLが延びる奥行方向TDは、時間軸方向(第1方向)として利用される。また、これら4つのトラックTLは、4つの大ボタン13Dにそれぞれ対応する。更に、2つの区分線SLのそれぞれの側方には、画面の奥側UPから手前側DPに向かって延びる予備トラックYTが配置されている。
【0034】
経路表示領域KRの下方(手前側)には、現在時刻標識としての基準ラインKLが配置される。基準ラインKLは、左右方向(第2方向)に4つのトラックTLを横断するように直線状に延びている。また、各トラックTLには、適宜な時期に基準標識としてのオブジェクトOJが表示される。また、同様に、適宜な時期に大オブジェクトDJも表示される。大オブジェクトDJは、4つのトラックTLのうち左側2つ、或いは右側2つに跨るように配置される。オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJは、トラックTLの奥側UPから手前側DPに向かって移動する。プレイヤには、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJの基準ラインKLへの到達に合わせて適切な操作の実行が要求される。具体的には、オブジェクトOJの基準ラインKLへの到達に合わせて、オブジェクトOJが配置されているトラックTLに対応する大ボタン13Dを押す操作がプレイヤに要求される。また、大オブジェクトDJの基準ラインKLへの到達に合わせて、大オブジェクトDJが跨る2つのトラックTLに対応する大ボタン13Dの下方に位置する小ボタン13Sを押す操作がプレイヤに要求される。このプレイヤの操作時期と、オブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJが基準ラインKLに到達した時期との間のずれが評価される。なお、この形態では、トラックTLの奥側UPの一端が出発位置として、基準ラインKLが到達位置として、それぞれ機能している。
【0035】
経路表示領域KRには、適宜な時期に指示経路Rが表示される。図9は、ゲーム画面の他の例を示す図である。図9に示すように、ゲーム画面40Rには、2つの指示経路Rが含まれている。2つの指示経路Rは、互いに交差してXという文字を描くように画面の奥側UPに配置されている。具体的には、一方の指示経路R1が右側の予備トラックYTから左側の予備トラックYTに向かって4つのトラックTLと斜めに交差しつつ延び、他方の指示経路R2が左側の予備トラックYTから右側の予備トラックYTに向かって4つのトラックTLと斜めに交差しつつ延びている。そして、一方の右側指示経路R1が右側ボリュームコントローラ9Bに、他方の左側指示経路R2が左側ボリュームコントローラ9Aに、それぞれ対応する。
【0036】
指示経路Rも時間の経過に伴って基準ラインKLに向かって移動する。図10は、図9のゲーム画面40Rから一定時間経過後のゲーム画面を示す図である。図10に示すように、指示経路Rの基準ラインKLへの到達に合わせて、基準ラインKL上には、2つの指示経路Rのそれぞれに対応する2つのカーソルKGが表示される。カーソルKGは、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に対応して、基準ラインKL上を左右に移動する。具体的には、右側指示経路R1に対応して表示される右側カーソルKG1が右側ボリュームコントローラ9Bに、左側指示経路R2に対応して表示される左側カーソルKG2が左側ボリュームコントローラ9Aの回転操作にそれぞれ対応して移動する。
【0037】
プレイヤには、各カーソルKGが対応する各指示経路Rの外にはみ出さないような操作が要求される。つまり、右側カーソルKG1は右側指示経路R1の外に、左側カーソルKG2は左側指示経路R2の外に、それぞれ出ない位置に配置されるような回転操作がプレイヤに要求される。カーソルKGが指示経路Rの外に出た場合には、ペナルティが与えられる。一方、指示経路Rが基準ラインKLを通過するまで、カーソルKGが指示経路Rの外に出なかった場合には、特典が与えられる。なお、ペナルティとして、例えば、値がゼロになった場合にゲームが終了する所定のゲージの減算、獲得した得点の減算が利用されてよい。また、特典の付与のみでペナルティがなくてもよい。特典の一例として、得点の獲得、所定のゲージの加算等が利用されてよい。
【0038】
図11は、指示経路Rの他の例を示す図である。図11に示すように、4つのトラックTLと直交するように延びる指示経路RXが表示される場合もある。指示経路RXは、予備トラックYTに沿って延びる直進部RXaと、トラックTLと直交する方向に延びる直交部RXbとを含んでいる。図11の例では、2つの指示経路RXが表示されている。奥側に配置されている指示経路RX1は、奥側UPから手前側DPに向かって順に、左側の予備トラックYTに沿って延びる直進部RXaと右側の予備トラックYTに沿って延びる直進部RXaとが直交部RXbを挟むように配置されている。
【0039】
一方、手前側に配置されている指示経路RX2は、奥側UPから手前側DPに向かって順に、右側の予備トラックYTに沿って延びる直進部RXaと左側の予備トラックYTに沿って延びる直進部RXaとが直交部RXbを挟むように配置されている。この場合、直交部RXbを挟んで奥側に位置する直進部RXaが右側の予備トラックYTに沿って延びている方が右側ボリュームコントローラ9Bに対応する。一方、直交部RXbを挟んで奥側に位置する直進部RXaが左側の予備トラックYTに沿って延びている方が左側ボリュームコントローラ9Aに対応する。つまり、奥側に配置されている指示経路RX1が左側ボリュームコントローラ9Aに、手前側に配置されている指示経路RX2が右側ボリュームコントローラ9Bに対応する。なお、各ボリュームコントローラ9A、9Bに対応する指示経路R毎に配色が異なるなど、指示経路Rは互いに区別可能な態様で表示されてもよい。
【0040】
各ボリュームコントローラ9A、9Bには、再生中の楽曲に変化を与えるための各要素(各機能を含む)がそれぞれ割り当てられる。例えば、楽曲に変化を与える各要素として、A領域3Aの左側ボリュームコントローラ9Aにはギター音が、右側ボリュームコントローラ9Bにはボーカル音が、それぞれ割り当てられる。そして、各ボリュームコントローラ9A、9Bに対する回転操作に応じて、ギター音或いは、ボーカル音の音量が変化する。
【0041】
なお、ボリュームコントローラ9には、他にも例えば、エフェクタの機能が割り当てられてもよい。具体的には、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、楽曲へのエフェクトの程度が変化してもよい。このようなエフェクトとして、例えば、楽曲のオリジナルの音源に対して特定の周波数帯域の音を強調するような変化が実現されてもよい。この場合、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、強調される帯域周波数が増減されればよい。
【0042】
或いは、ボリュームコントローラ9には、スクラッチ機能、つまり楽曲の再生速度を増減させる機能が割り当てられてもよい。具体的には、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、再生速度の増加に対応するスクラッチ効果及び、再生速度の減少に対応するスクラッチ効果を楽曲に生じさせてもよい。また、ボタン13には、所定の効果音が割り当てられてもよい。つまり、ボタン13が押されることにより、楽曲中に所定の効果音が追加されてもよい。
【0043】
更に、経路表示領域KRの形態は、所定の条件に応じて変化する。図12は、経路表示領域KRの第1の変形例を示す図である。図12に示すように、第1の変形例に係る経路表示領域KR1は、全体が右斜め下方に傾くように表示されている。このような経路表示領域KR1の形態の変化にともなって、トラックTL、予備トラックYT及び、基準ラインKLも形態が変化する。
【0044】
具体的には、経路表示領域KR1の形態に変化に伴って、基準ラインKLには、左側の端が上方に移動し、基準ラインKLが右側から左側に向かって上昇するように傾斜する変化が生じている。また、この傾斜に対応するように、トラックTL及び予備トラックYTにも傾斜が生じている。更に、トラックTL及び予備トラックYTが延びる方向、つまり時間軸方向TD1も図8の時間軸方向TD(奥行方向)と比べて、変化している。すなわち、図8の場合と比べて、時間軸は、一端側UPと他端側DPとの間の落差が緩やかになるように、他端側DPの上下方向の位置が上方に移動している。このため、時間軸方向TDxも、図8の場合と比べて、時間軸に沿って上方から下方に向かって緩やかに下降する方向に変化している。このように、経路表示領域KR1の形態の変化に伴って、トラックTLや基準ラインKLには、傾斜という形態の変化が生じている。
【0045】
また、図13は、経路表示領域KRの第2の変形例を示す図である。図13に示すように、第2の変形例に係る経路表示領域KR2は、奥側(一端側UP)から手前側(他端側DP)に向かって蛇行するように延びつつ、左側に向かって下降する傾斜を形成するように表示されている。このような経路表示領域KR2の形態の変化にともなって、トラックTL、予備トラックYT及び、基準ラインKLの形態にも変化が生じている。
【0046】
具体的には、基準ラインKLには、右側の端が上方に移動し、全体が左側から右側に向かって上昇するように傾斜する変化が生じている。また、トラックTLには、経路表示領域KR2と同様に、ジグザグ状に蛇行するという変化が生じている。より詳しくは、トラックTLには、一端側UPから他端側DPに向かってオブジェクトOJ等の移動方向が途中で何度も変化するように複数回に亘って進路変更が生じている。また、この移動方向、つまり時間軸方向TD2は、一端側UPから他端側DPへの進行は維持しつつも左右方向への変位が交互に逆になるように変化している。そして、トラックTLには、蛇行とともに、左側に向かって下降するような傾斜も生じている。このように、経路表示領域KR2の形態の変化にともなって、トラックTL等にも各種の形態の変化が生じる。つまり、所定の条件に応じて、トラックTL等にも各種の形態の変化が生じる。
【0047】
なお、このような変化に応じて、基準ラインKL上に操作対応標識としてのカーソルKGが表示されてもよい。そして、プレイヤには、蛇行するトラックTLからはみ出さないようにカーソルKGを位置させる操作が要求されてもよい。また、このような操作は、ボリュームコントローラ9を通じて実行されてもよい。
【0048】
次に、図14を参照してシーケンスデータ32の詳細を説明する。図14は、シーケンスデータ32の内容の一例を示す図である。図14に示したように、シーケンスデータ32は、条件定義部32aと、操作シーケンス部32bと、を備えている。条件定義部32aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、楽曲の長さといったゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が記述される。
【0049】
一方、操作シーケンス部32bには、ボタン13及びボリュームコントローラ9に対する操作の指示が楽曲中の時刻と対応付けて記述される。図14に示すように、操作シーケンス部32bは、指示経路Rを形成するために利用される指示経路情報部32rと、トラックTL上にオブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJを配置するために利用されるオブジェクト情報部32iと、を含んでいる。
【0050】
指示経路情報部32rには、楽曲中の時期(基準時期)の情報と、交差方向位置としての時間軸方向(奥行方向TD)と交差する左右方向(第2方向)に延びる基準ラインKL上の位置の情報(位置情報)、指示経路Rの幅の情報及び、指示経路パターンの情報とが含まれている。指示経路情報部32rは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図14の例では、各情報は、指示経路Rが開始する楽曲中の時期、つまり開始時期の情報、指示経路Rの開始時期における基準ラインKL上の位置の情報、指示経路Rが終了する楽曲中の時期、つまり終了時期の情報、指示経路Rの終了時期における基準ラインKL上の位置の情報、指示経路Rの幅の情報、指示経路パターンの情報の順に左から記述されている。また、指示経路情報部32rの冒頭には“LINE POINT”と記述されている。指示経路情報部32rは、この記述により他の情報部、例えば、オブジェクト情報部32iと区別される。
【0051】
開始時期及び終了時期といった基準時期の情報は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の長さをn個の単位時間に等分して先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を基準時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。
【0052】
基準ラインKL上の位置の情報は、基準ラインKLが延びる左右方向の各位置を示す数値を利用して記述される。例えば、このような各位置を示す数値として、基準ラインKLの左右方向の長さが所定の数で等分され、等分された単位長さ(単位範囲)に対応する各位置が左端から順に番号付けられた場合の数(単位長さの数)が利用される。図14の例では、所定の数として128が利用されている。また、基準ラインKLの左端の位置から右端の位置まで0、1、2、という具合に右端の位置の128まで各位置に順に番号が付されている。つまり、基準ラインKLの左端の位置が指定される場合には0という数値が、右端の位置が指定される場合には128という数値が、それぞれ記述される。なお、基準ラインKLの情報は、当該情報に対応する基準時期が到来した際に、数値で指定された基準ラインKL上の位置に指示経路Rが配置されることを意味する。つまり、基準ラインKLの情報は、基準ラインKL上の指示経路Rと重なる部分の位置を意味する。また、基準時期が到来する前には、基準ラインKL上の位置の情報は、基準ラインKLの左右方向の位置に対応するトラックTL或いは、予備トラックYTの左右方向の各位置の指定として機能する。
【0053】
基準ラインKL上の位置の情報は、ボリュームコントローラ9を指定する情報としても機能する。具体的には、終了時期に対応付けられる基準ラインKL上の位置が右端の位置に対応している場合には右側ボリュームコントローラ9Bを、左端の位置に対応している場合には左側ボリュームコントローラ9Aを、それぞれ指定する情報として機能する。なお、左右のボリュームコントローラ9A、9Bの指定は、指示経路情報部32rの冒頭の記述を利用して行われてもよい。例えば、冒頭の記述が“LINE POINT1”の場合は左側ボリュームコントローラ9Aに、“LINE POINT2”の場合は右側ボリュームコントローラ9Bに、それぞれ対応する指示経路情報部32rとして機能してもよい。
【0054】
指示経路Rの幅は、基準ラインKL上の各位置を示す単位長さを利用して指定される。例えば、指示経路Rの幅は、“10”と記述され、この場合、単位長さで10個分の長さの幅が指定されている。指示経路パターンは、各指示経路パターンに対応付けられたアルファベットを利用して指定される。例えば、図9の例に対応するX型のパターンに“A”が、図11の例に対応する直交部RXbを有するパターンに“B”が、それぞれ対応づけられる。そして、図9の例に対応するX型のパターンを指定する場合には、指示経路パターンとして“A”が記述される。なお、このような指示経路パターンとアルファベットとの対応付けは不図示の別テーブルにより実現される。
【0055】
図14の例では、一小節目の二拍目の開始時点(“000”)が開始時期に、一小節目の二拍目の開始時点から“016”だけ経過した時期が終了時期に、それぞれ指定され、かつ、開始時期の位置としての基準ラインKLの左端の位置(“0”)が、終了時期の位置として基準ラインKLの右端の位置(“128”)が、それぞれ指定されている。また、この指示経路Rの幅として“10”が、パターンとして“A”、つまりX型が指定されている。従って、一小節目の二拍目の開始時点(“000”)に基準ラインKLの左端の位置に到達するように開始され、一小節目の二拍目の開始時点から“016”だけ経過した時期に右端の位置で終了するように幅“10”で文字Xを描くように延びる指示経路Rが表示される。
【0056】
一方、オブジェクト情報部32iには、楽曲中の時期の情報と、4つのトラックTLのうちのいずれかを指定するトラック情報と、オブジェクトの種類を指定するオブジェクト情報とが含まれる。オブジェクト情報部32iは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図14の例では、各情報は、左から楽曲中の時期の情報、トラック情報、オブジェクト情報の順に記述されている。また、オブジェクト情報部32iの冒頭には“ITEM POINT”と記述され、この記述により他の情報部、例えば、指示経路情報部32rと区別される。
【0057】
楽曲中の時期の情報は、指示経路情報部32rと同様に記述される。トラック情報は、4つのトラックTLを指定する情報を利用して記述される。例えば、左端のトラックTLから順に1、2、3、4と番号が付され、左端のトラックTLを指定する場合には“track1”という情報が、その隣のトラックTLを指定する場合には“track2”という情報が、それぞれ記述される。オブジェクト情報は、オブジェクトOJ又は大オブジェクトDJにそれぞれ対応付けられたアルファベットを利用して記述される。例えば、オブジェクトOJには“S”が対応づけられる。また、大オブジェクトDJには、出現するトラックTLの位置に応じて、左側2つのトラックTLに跨る場合には“A”が、右側2つのトラックTLに跨る場合には“B”が、それぞれ対応づけられる。なお、大オブジェクトDJの種類には、その他にも長さ等に応じて、その他のアルファベットが対応付けられてよい。
【0058】
図14の例では、左端のトラックTL(“track1”)上を一小節目の一拍目の開始時点(“000”)に基準ラインKLに到達するように移動するオブジェクトOJ(“S”)を表示するという指示が記述されている。一方、一小節目の一拍目の開始時点から“0012“だけ経過した時期に基準ラインKLに到達するように左側2つのトラックTLに跨って移動する大オブジェクトDJを表示するといった指示も記述されている。
【0059】
上述したシーケンスデータ32に基づいて、指示経路Rを表示するための処理、及び、オブジェクトOJ或いは大オブジェクトDJを表示するための処理は、ゲーム制御部16が実行する。ゲーム制御部16は、シーケンスデータ32で指定された基準時期において、指示経路R、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJが基準ラインKLと一致するように、指示経路R、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJの表示を制御する。
【0060】
次に、ゲーム制御部16が音楽ゲームを実行する際の処理を説明する。ゲーム制御部16は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲームの開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えばゲームでプレイする楽曲、或いは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作を含む。それらの指示を受け付ける手順は、公知の音楽ゲーム等と同様でよい。
【0061】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部16は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ29を読み取って音声出力制御部18に出力することにより、スピーカ4から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット15が楽曲再生手段として機能する。
【0062】
更に、ゲーム制御部16は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ32を読み取って、画像データ31を参照しつつゲーム画面の描画に必要な画像データを生成して表示制御部17に出力する。これにより、ゲーム制御部16は、モニタ2上にゲーム画面を表示させる。また、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部16は、ゲーム画面の表示等に必要な処理として、図15に示す指示経路表示処理ルーチン、図16に示すカーソル表示処理ルーチン、図17に示すカーソル位置制御処理ルーチン、及び、図18示す操作評価ルーチンのそれぞれを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図15のルーチン、図16のルーチン及び、図17のルーチンはシーケンス処理部26が、図18のルーチンは操作評価部27が、それぞれ担当する。また、ゲーム制御部16は、その他にもオブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJの表示を制御するための処理等を実行するが、周知な処理により実現されてよいので、それらの処理の詳細な説明は省略する。
【0063】
図15の指示経路表示処理ルーチンが開始されると、ゲーム制御部16のシーケンス処理部26は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。現在時刻は、例えば、楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部16の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から取得される。続くステップS2において、シーケンス処理部26は、シーケンスデータ32から、指示経路情報部32rに含まれるゲーム画面に表示すべき時間長(所定の時間範囲)に含まれる基準時期(開始時期、終了時期)、基準ラインKL上の位置、幅、パターンといった各情報を取得する。所定の時間範囲は、一例として現在時刻から楽曲の二小節相当の時間長に設定される。
【0064】
次のステップS3にて、シーケンス処理部26は、ステップS2で取得した表示範囲内に含まれる各基準時期(開始時期及び、終了時期)にそれぞれ対応するゲーム画面内の各座標を演算する。その演算は、一例として、以下のように行われる。まず、シーケンス処理部26は、表示範囲に含まれている指示経路Rがいずれのボリュームコントローラ9に対応付けられているか判別する。この判別は、指示経路Rの終了時期として指定されている基準ラインKL上の位置に基づいて行われる。例えば、終了時期として基準ラインKL上の右端の位置が指定されている場合には右側ボリュームコントローラ9Bに、左端の位置が指定されている場合には左側ボリュームコントローラ9Aに、それぞれ対応するといった具合に判別される。次に、各基準時期と現在時刻との時間差に応じて、基準ラインKLの位置から時間軸方向(つまり、奥行方向TD)における各基準時期の位置を判別する。更に、各基準時期等に対応付けられた基準ラインKL上の位置の情報に基づいて、各基準時期における左右方向の位置を判別する。これらにより、基準ラインKLの位置から時間軸に沿った時間順の並びで、指定された各基準時期に対応する指定された左右方向の各位置の座標を取得することができる。
【0065】
各基準時期等にそれぞれ対応する座標の演算が完了すると、シーケンス処理部26は、ステップS4に進む。ステップS4にて、シーケンス処理部26は、ステップS3で演算された基準時期の座標とステップS2で取得した各情報とに基づいて、指示経路Rを描画するために必要な画像データを生成する。この画像データの生成は、一例として、以下のように行われる。まず、指示経路情報部32rに含まれる各基準時期(開始時期、終了時期)の座標、指示経路Rの幅の情報、及び、指示経路パターンの情報に基づいて指示経路Rの画像データを生成する。具体的には、指定された指示経路Rの幅を有するように開始時期の座標及び終了時期の座標を指示経路パターンに従って接続する。これにより、各基準時期の時間順、つまり開始時期、終了時期の順に指定された左右方向の位置を経由しつつ指定の指示経路パターンに従って時間軸方向に延びる指示経路Rの画像データが生成される。
【0066】
続くステップS5にて、シーケンス処理部26は、表示制御部17にステップS4にて生成した画像データを出力して、今回のルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、ゲーム画面には、シーケンスデータ32にて記述された基準時期に所定の左右方向の位置を経由しつつ奥行方向TDに延びる指示経路Rが表示される。また、指示経路Rの各基準時期に対応する位置と基準ラインKLの位置とが現在時刻において一致するように、指示経路Rが奥行方向TDに移動表示される。
【0067】
次に、図16のカーソル表示処理ルーチンを説明する。図16のルーチンは、基準ラインKL上のカーソルKGの表示を制御するための処理である。図16のルーチンが開始されると、シーケンス処理部26は、シーケンスデータ32の指示経路情報部32rから表示範囲に含まれる指示経路Rの開始時期及び、終了時期の情報を取得する。続くステップS12において、シーケンス処理部26は、既にカーソルKGがゲーム画面に表示されているか否か、つまりカーソルKGの表示の有無を判別する。
【0068】
ステップS12の判別結果が否定的結果の場合、つまりゲーム画面内にカーソルKGの表示がないと判別した場合、シーケンス処理部26は、ステップS13に進む。ステップS13にて、シーケンス処理部26は、ステップS11で取得した情報に基づいて、現在時刻が開始時期か否か、つまり指示経路Rの開始時期が到来しているか否かを判別する。この判別が否定的結果の場合、つまり開始時期が到来していない場合には、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0069】
これに対して、ステップS13の判別結果が肯定的判別の場合、つまり開始時期が到来している場合には、シーケンス処理部26は、ステップS14に進む。ステップS14にて、シーケンス処理部26は、所定位置にカーソルKGの表示を開始して、ステップS15に進む。また、所定の位置として、基準ラインKL上の指示経路Rと重なる部分が利用される。ステップS15にて、シーケンス処理部は、カーソル位置制御処理のサブルーチンを実行する。このサブルーチンの詳細は後述する。ステップS15の処理を終えると、シーケンス処理部26は、今回のルーチンを終了する。
【0070】
一方、ステップS12の判別結果が肯定的結果の場合、つまりゲーム画面内に既にカーソルKGの表示があると判別した場合、シーケンス処理部26は、ステップS16に進む。ステップS16にて、シーケンス処理部26は、ステップS11で取得した情報に基づいて、現在時刻が終了時期か否か、つまり指示経路Rの終了時期が到来しているか否かを判別する。この判別が否定的結果の場合、つまり終了時期が到来していない場合には、シーケンス処理部26は、ステップS15に進む。
【0071】
ステップS15にて、シーケンス処理部26は、カーソル位置制御処理のサブルーチンを実行して、今回のルーチンを終了する。これに対して、ステップS16の判別結果が肯定的結果の場合、つまり終了時期が到来している場合には、シーケンス処理部26は、ステップS17に進む。ステップS17にて、シーケンス処理部26は、ゲーム画面からカーソルKGの表示を消して、つまりカーソルKGの表示を終了して、今回のルーチンを終了する。
【0072】
図17は、カーソル位置制御処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。このルーチンは、図16のルーチンのサブルーチンとして、図16ルーチンのステップS15にて呼び出されて実行される。図17のルーチンが開始されると、まずステップS21にて、シーケンス処理部26は、プレイヤのボリュームコントローラ9に対する操作結果を取得する。具体的には、プレイヤの操作結果として、検出装置35の出力信号を参照して、各ボリュームコントローラ9の回転方向及び回転量を取得する。
【0073】
続くステップS22において、シーケンス処理部26は、ステップS21で取得した各操作結果に基づいて、移動先として表示すべきカーソルKGの座標を算出する。この座標の算出は、一例として、次のように実行される。まず、シーケンス処理部26は、取得した回転方向に基づいて、カーソルKGを移動させる方向を判別する。具体的には、ボリュームコントローラ9に右回転の操作がされた場合には移動させるべき方向として右方向を、左回転の操作がされた場合には移動させるべき方向として左方向を、それぞれ判別する。次に、回転量に基づいて、移動量を判別する。この判別は、ボリュームコントローラ9の回転可能な範囲(例えば、360°)の一部の範囲に判別範囲が設定されることにより実現される。具体的には、まず判別範囲として設定された角度を所定の数(基準ラインKLの位置の情報と共通する数)で等分し、単位角度を算出する。次に、回転量つまり、回転角度を単位角度の数量に置き換える。そして、この数量分の単位長さを移動量として算出する。このようにして算出した移動方向、及び、移動量(移動長さ)と、現在のカーソルKGの座標(表示開始時であれば、所定の位置)とから移動先として表示すべきカーソルKGの座標を算出する。
【0074】
次のステップS23において、シーケンス処理部26は、ステップS22で算出された座標に基づいて、カーソルKGの描画に必要な画像データを生成する。具体的には、ステップS22で算出された移動先の座標にカーソルKGが表示されるように画像データを生成する。続くステップS24において、シーケンス処理部26は、表示制御部17に画像データを出力して、今回のルーチンを終了する。以上の処理が実行されることにより、基準ラインKL上にカーソルKGが表示され、かつ、カーソルKGがボリュームコントローラ9への操作に対応して基準ラインKL上を移動する。
【0075】
次に、図18の操作評価ルーチンを説明する。図18のルーチンは、プレイヤのボリュームコントローラ9に対する操作を評価するための処理である。また、図18のルーチンは、指示経路R毎、つまりボリュームコントローラ9毎に実行される。図18のルーチンが開始されると、操作評価部27は、まずステップS31において、指示経路Rが基準ラインKLに到達しているか否か判断する。この判断は、例えば、現在時刻と指示経路Rの開始時期及び終了時期とを比較することにより、実現される。具体的には、現在時刻が開始時期と終了時期の間の時刻であれば、指示経路Rが基準ラインKLに到達していると判断され、異なっていれば指示経路Rが基準ラインKLに到達していないと判断される。そして、この判断結果が否定的結果の場合には、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
【0076】
一方、ステップS31の判断結果が肯定的結果の場合、つまり、指示経路Rが基準ラインKLに到達している場合には、操作評価部27は、ステップS32に進む。ステップS32において、操作評価部27は、基準ラインKL上のカーソルKGの座標を取得する。この座標は、図17の処理結果を利用して取得されてもよいし、図17のステップS22と同様の処理により取得されてもよい。
【0077】
続くステップS33において、操作評価部27は、現在時刻に対応する基準ラインKL上の指示経路Rの範囲を特定する。この特定は、一例として、次のように行われる。まず、指示経路Rの開始時期と現在時刻とを比較して、開始時期からの経過時間を算出する。次に、指示経路Rの幅の情報及び、接続パターンの情報に基づいて、経過時間における指示経路Rの基準ラインKL上における左端の座標、及び右端の座標を算出する。このようにして、基準ラインKL上の指示経路Rの両端の座標を算出することにより、基準ラインKL上の指示経路Rの範囲、つまり基準ラインKLと指示経路Rが重なる重複範囲を特定する。
【0078】
次のステップS34において、操作評価部27は、評価を決定する。この決定は、一例として、次のように行われる。まず、ステップS32で取得したカーソルKGの座標がステップS33で特定した基準ラインKLと指示経路Rとが重なる重複範囲に含まれるか否か判別する。カーソルKGの座標が重複範囲に含まれる場合には、操作評価部27は、評価を特典の付与(或いは、ペナルティの免除)という結果に決定する。一方、カーソルKGの座標が重複範囲に含まれない場合、つまりカーソルKGの位置が指示経路R上から外れている場合には、ペナルティの付与(或いは、特典を付与しない)という結果に決定する。このようにして、操作評価部27は、ステップS34において評価を決定する。
【0079】
続くステップS35において、操作評価部27は、ステップS34の評価結果がゲーム画面の表示に反映されるように、表示制御部17への出力を制御する。具体的には、特典の付与という評価結果に対応して、得点の加算、ゲージの増加等がゲーム画面の表示に反映される。一方、ペナルティという評価結果に対応して、ゲージの減少等がゲーム画面の表示に反映される。ステップS35の処理を完了すると、操作評価部27は、今回のルーチンを終了する。
【0080】
次に、図12及び図13の例のような経路表示領域KR及びトラックTL等の形態に変化を生じさせるための処理について、説明する。ゲーム制御部16は、仮想3次元空間を演出するゲーム画面を表示させるために、いわゆるコンピュータグラフィックス処理の手順に従ってゲーム画面を描画する。ゲーム制御部16は、まず仮想3次元ゲーム空間を構築し、その仮想3次元ゲーム空間に仮想カメラを設定し、その仮想カメラにて撮影された空間の2次元画像を生成することにより、このような描画を実現する。このような描画は、周知な技術を利用して実現されてよい。一例として、以下のようにして実現される。
【0081】
ゲーム制御部16は、まず仮想カメラの視点位置及び撮影方向を制御しつつ、仮想カメラにて仮想3次元空間を仮想的に撮影する。次に、ゲーム制御部16は、撮影した仮想3次元ゲーム空間を仮想スクリーンに投影した2次元画像を演算する。そして、ゲーム制御部16は、得られた2次元画像をフレームメモリ上に描画し、描画された画像データに対応する画像信号を所定の周期でモニタ2に出力する。これにより、仮想3次元空間を演出するようなゲーム画面がモニタ2に表示される。
【0082】
また、図12の例に示す傾き、及び図13の例に示す蛇行についても周知の技術により実現されてよい。例えば、図12の例に示す空間の傾きの演出は、仮想3次元空間を撮影する際に、仮想カメラの撮影方向を傾けることにより、実現されてよい。
【0083】
一方、図13の例に示す蛇行するような形態の変化は、仮想カメラの撮影結果に基づいて演算された2次元画像を利用して、実現されてもよい。例えば、演算された2次元画像に基づいて、蛇行が形成されるように2次元画像に所定のねじれ、ゆがみ等が生じた場合を再演算する。そして、再演算により得られた2次元画像をフレームメモリに描画し、描画された画像データに対応する画像信号を所定の周期でモニタ2に出力する。この場合、描画された2次元画像は、撮影結果により得られる2次元画像に所定のねじれ、ゆがみ等が生じたものである。つまり、2次元画像に含まれるトラックTL等には、ねじれ等により蛇行が生じている。このようにして、図13の例に示す蛇行する形態の変化が実現されてもよい。
【0084】
また、例えば、変化後の各形態に対応する経路表示領域KRの各データが予め用意されていてもよい。このようなデータは、外部記憶装置20にゲームデータ22の一つとして記憶されていればよい。この場合、予め用意された各形態に対応する各データから所定の条件に応じたデータが選択されればよい。これらのトラックTL等の形態を変更させる処理は、ルート制御部28が実行する。なお、所定の条件として、所定の操作が実行された場合、プレイヤによる選択が実行された場合等、各種操作に応じた条件が採用されてもよい。或いは、所定の得点に到達した場合、所定の時間が経過した場合等、ゲームの展開等に応じた条件が採用されてもよい。
【0085】
従来の音楽ゲームには、所定の経路が表示されていないものも存在する。しかし、所定の経路が表示されていない場合には、操作を実行すべきタイミングを計り辛い。従って、所定の経路は、表示されている方がプレイヤにとってプレイし易い。また、途中で進行方向を変えつつ延びる所定の経路を利用して操作時期をプレイヤに案内する音楽ゲームも存在する。但し、このような所定の経路は、当初の形態、つまり当初設定された経路から変化しない。つまり、固定された経路をオブジェクト等は進行するに過ぎない。このため、慣れや興趣性の低下を生じ易い。
【0086】
これに対して、以上に説明したように、この形態によれば、所定の条件に応じて、オブジェクトOJ等が移動するトラックTLの形態が変化する。このような形態の変化に伴って、トラックTLの表示位置、進行方向、長さといったプレイヤの操作に関連する要素が変化する。これにより、プレイヤに変化を提供することができるので、プレイヤの慣れを抑制することができる。更に、例えば、ボタン13に対する操作から指示経路Rへの操作と同様にボリュームコントローラ9によるトラックTLからはみ出さないような操作といった新たな操作をプレイヤに要求することができる。従って、これらにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0087】
オブジェクトOJが基準ラインKLに到達すべき時期は、シーケンスデータ32に記述された時期で一定である。従って、トラックTLの長さを変化させることにより、オブジェクトOJが移動する速度を変化させることができる。このため、トラックTLの長さを変化させることにより、ゲームの難易度を変化させることもできる。
【0088】
以上の形態において、制御ユニット15がルート制御部28に経路表示領域KR及び、そこに含まれるトラックTL等の形態を変化させることにより、形態変更手段として機能する。また、制御ユニット15がシーケンス処理部26を通じてトラックTL、基準ラインKL及びオブジェクトOJを表示させ、かつ、トラックTLに沿ってオブジェクトOJを基準ラインKLに向かって移動させる周知な処理を実行することにより、操作案内手段として機能する。また、外部記憶装置20がシーケンスデータ32を記憶することにより、シーケンスデータ記憶手段として機能する。
【0089】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、基準標識及び、現在時刻標識の表示を通じて、基準時期及び基準部の位置に関する情報が案内されているが、案内される情報は、このような形態に限定されない。単に、ボタン13等の操作部に対する操作時期が案内されてもよい。
【0090】
上述の形態では、シーケンスデータ32には、基準位置の情報として時間軸に直交する方向の位置の情報が記述されているが、基準位置の情報は、このような形態に限定されない。基準位置の情報は、時間軸上に配置されない限り、つまり時間軸と交差する方向の位置であれば、どのような位置の情報でもよい。
【0091】
また、操作部は、上述のようなボリュームコントローラに限定されない。例えば、ボリュームコントローラの外周部分には、その一部を他の部分と判別可能にするためのマークや溝といった区別手段が設けられていてもよい。この場合、シーケンスデータには、基準位置に関する情報として、区別手段により区別された部分の位置を指定する情報が記述されていてもよい。つまり、変化方向及び変化量という現在位置からの相対的な変位位置のみならず、区別手段により区別された部分が位置すべき絶対的な変位位置が基準位置に関する情報として利用されてもよい。この場合、区別手段により区別された部分が基準部として機能する。また、操作部の全体が移動可能に構成されていてもよい。この場合、操作部の全体が基準部として機能する。更に、基準部の位置の変化は、回転移動に限定されない。上下方向、左右方向等、各種の位置の変化が採用されてよい。
【0092】
上述の形態では、基準標識が現在時刻標識に向かって移動することにより、これらの間に相対的変位が生じているが、相対的変位は、このような形態に限定されない。例えば、現在標識が基準標識に向かって移動してもよい。また、上述の形態では、時間軸方向として奥行方向が利用されているが、時間軸方向は、このような形態に限定されない。例えば、左右方向、上下方向等が利用されてもよい。更に、時間軸は、直線に限定されない。例えば、時間軸として曲線が利用されてもよい。従って、時間軸方向も、例えば曲線状に延びる時間軸に沿うように、適宜変化してもよい。
【0093】
上述の形態では、所定の経路の形態は、基準標識の移動方向が変化するように変化しているが、このような変化に限定されない。例えば、形態の変化として、移動方向は変化せずに、一部が拡大表示されたり、逆に縮小表示されたりするような変化が採用されてもよい。また、移動方向の変化も左右方向の変化に限定されない。例えば、所定の経路にアップダウンが生じるように、形態が変化してもよい。また、所定の経路の形態は、仮想3次元空間を演出するような表示にも限定されない。上下方向或いは左右方向等、二次元方向に延びる形態でもよい。つまり、このような二次元方向に延びるトラックに形態の変化が生じてもよい。
【0094】
上述の形態では、ゲーム機で実行されるゲームとして音楽ゲームが採用されているが、ゲーム機で実行されるゲームは、音楽ゲームに限定されない。操作されるべき基準時期に基準部の位置が指定される限りにおいて、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム等の各種ゲームがゲーム機で実行されてもよい。更に、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0095】
1 ゲーム機
3 コントロールパネル(入力装置)
4 スピーカ(音声出力装置)
9 ボリュームコントローラ(回転操作部材)
13 ボタン(操作部)
15 制御ユニット(操作案内手段、形態変更手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(シーケンスデータ記憶手段、楽曲データ記憶手段)
30 シーケンスデータ
40R ゲーム画面
SP 外周部分(基準部)
TL トラック(所定の経路)
KG カーソル(操作対応標識)
KL 基準ライン(現在時刻標識)
TD 奥行方向(第1方向、時間軸方向)
UP 奥側(一端側)
DP 手前側(他端側)
OJ オブジェクト(基準標識)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機であって、
所定の条件に応じて、ゲーム中に前記所定の経路の形態を変化させる形態変更手段を備えている、ことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記形態変更手段は、前記基準標識の移動方向が変化するように、前記所定の経路の形態を変化させる、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記形態変更手段は、前記基準標識の移動方向が前記所定の経路の途中で少なくとも一回変化するように、前記所定の経路の形態を変化させる、請求項1又は2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記形態変更手段は、前記基準標識の移動方向が前記所定の経路の途中で複数回変化するように、前記所定の経路の形態を変化させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項5】
ゲーム中における所定の操作を実行すべき操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応させて前記基準標識を表示し、前記現在時刻に対応する現在時刻標識とともに前記基準標識を、前記ゲーム上にて前記所定の経路に沿って時間順の配置で表示させ、かつ、各操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記基準標識と前記現在時刻標識との間の距離が減少するように、前記基準標識と前記現在時刻標識との間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、前記操作時期を案内する操作案内手段と、を更に備えている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記操作時期が前記操作部を指定する情報と対応付けて記述されている、請求項5に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記操作部には、位置が変化するように操作される基準部が設けられ、
前記操作案内手段は、前記基準部の位置の変化に応じて、前記所定の経路と交差する方向に移動する操作対応標識を更に表示させる、請求項6に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記入力装置には、前記操作部として、中心線を有し、前記中心線を中心に回転可能に構成され、回転に伴って外周部分の位置が変化する回転操作部材が設けられ、
前記基準部として、前記回転操作部材の前記外周部分が利用されている、請求項7に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記入力装置には、複数の操作部が設けられ、
前記シーケンスデータには、前記操作時期が前記複数の操作部のいずれかを指定する情報と対応付けて記述され、
前記操作案内手段は、各操作時期に対応する操作部が判別可能な態様で前記基準標識を表示させる、請求項6〜8のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項10】
前記操作案内手段は、前記複数の操作部にそれぞれ対応する複数の所定の経路を表示させるとともに、各操作部に対応する所定の経路上に当該操作部に対応する基準標識を配置することにより、各操作時期に対応する操作部が判別可能な態様で前記基準標識を表示させる、請求項9に記載のゲーム機。
【請求項11】
音声を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記操作時期として、前記楽曲の再生中における時期が記述されている、請求項5〜10のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項12】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
所定の条件に応じて、ゲーム中に前記所定の経路の形態を変化させる形態変更手段として機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
【請求項13】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
所定の条件に応じて、ゲーム中に前記所定の経路の形態を変化させる形態変更工程を実行させるゲーム機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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