ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法
【課題】プレイヤの慣れを抑制することができるゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機は、出発位置から到達位置までトラックTLに沿って移動するオブジェクトOJがゲーム画面40に表示されるゲーム機であって、所定の条件に基づいて、ゲーム中に回転軸RLを中心としてトラックTLを回転させる。
【解決手段】ゲーム機は、出発位置から到達位置までトラックTLに沿って移動するオブジェクトOJがゲーム画面40に表示されるゲーム機であって、所定の条件に基づいて、ゲーム中に回転軸RLを中心としてトラックTLを回転させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示される」ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に現在時刻に対応する基準線と一致するように、ノーツバーを基準線に向かって移動させることにより操作時期を案内する音楽ゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、ノーツバーと基準線との一致により、操作時期が案内される。また、案内される操作時期と操作手段としての模擬ギターに対する実際の操作時期とが比較され、実際の操作時期が評価される。しかし、ノーツバーが表示される位置、ノーツバーの移動経路等は、一定である。このため、プレイヤの慣れを生み、ゲームの興趣性を低下させるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤの慣れを抑制することができるゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、出発位置(UP)から到達位置(DP)まで所定の経路(TL)に沿って移動する基準標識(OJ)がゲーム画面(40)に表示されるゲーム機であって、所定の条件に基づいて、ゲーム中に所定の回転軸(RL)を中心として前記所定の経路を回転させる経路回転手段(15)を備えている。
【0007】
本発明によれば、所定の条件に基づいて、所定の経路が回転する。これにより、基準標識の表示位置、表示範囲、移動方向等を変化させることができるので、プレイヤの視線或いは、操作等を変化させることができる。或いは、このような変化を演出として利用することができる。これらにより、プレイヤの慣れを抑制することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路の回転に伴って、当該所定の経路が所定の中心位置(CP)を中心に当該所定の中心位置の周りを移動するように、前記所定の経路が配置される位置を変化させる経路位置変更手段(15)を更に備えてもよい。この場合、回転に加えて位置の移動という変化を付与できるので、よりプレイヤの慣れを抑制することができる。
【0009】
所定の経路は、どのように回転してもよいし、所定の中心位置の周りをどのように回ってもよい。例えば、本発明の所定の経路の位置が変化する態様において、前記経路位置変更手段は、前記所定の経路が一回転した状態において移動を開始した元の位置に前記所定の経路が戻るように、前記所定の経路の回転角度に応じて前記所定の経路が配置される位置を変化させてもよい。或いは、前記経路回転手段は、前記所定の経路が前記所定の中心位置の周りを回るように移動する周回方向(RD)と対応する方向(RR)に前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、回転方向と周回方向とが対応するので、演出効果を向上させることができる。
【0010】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の回転軸は、前記所定の経路に沿って延びていてもよい。この場合、回転の前後において、所定経路が延びる方向を一致させることができる。
【0011】
所定の中心位置は、どこに配置されてもよい。例えば、本発明の所定の中心位置が利用される態様において、前記所定の中心位置は、前記所定の経路の延長線上であって、前記出発位置の側に配置されていてもよい。
【0012】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路を回転させるべき回転時期が記述された回転時期データ(32)を記憶する回転時期データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記回転時期データに記述された前記回転時期に、前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、回転時期データを利用して、回転時期を指定することができる。
【0013】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路を回転させるべきか否かの実行条件を特定するための実行条件情報が記述された実行条件データ(32)を記憶する実行条件データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記所定の条件として前記実行条件情報にて特定される前記実行条件を利用し、前記実行条件を満たした場合に、前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、実行条件情報を利用して所定の経路を回転させる条件を指定することができる。
【0014】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路の回転角度を特定するための角度特定情報が記述された角度特定データ(32)を記憶する角度特定データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記角度特定データに基づいて、前記角度特定情報にて特定される回転角度まで前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、角度特定データを利用して、所定の経路を回転させる角度を指定することができる。
【0015】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路の回転方向を特定するための回転方向情報が記述された回転方向データ(32)を記憶する回転方向データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記回転方向データに基づいて、前記回転方向情報にて特定される方向に前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、回転方向データを利用して、所定の経路を回転させる方向を指定することができる。
【0016】
本発明のゲーム機の一態様において、少なくとも一つの操作部(13)を有する入力装置(3)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作を実行すべき操作時期が記述されたシーケンスデータ(32)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応させて前記基準標識を表示し、前記現在時刻に対応する現在時刻標識(KL)とともに前記基準標識を、前記ゲーム上にて前記所定の経路に沿って時間順の配置で表示させ、かつ、各操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記基準標識と前記現在時刻標識との間の距離が減少するように、前記基準標識と前記現在時刻標識との間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、前記操作時期を案内する操作案内手段(15)と、を更に備えてもよい。この場合、所定の経路は、操作の案内に利用されるので、よりプレイヤの注意を集め易い。このため、所定の経路の回転を通じて、変化をプレイヤにより印象付けることができる。これにより、プレイヤの慣れをより抑制することができる。
【0017】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の条件として前記操作部に対する特定の操作が採用され、前記経路回転手段は、前記特定の操作が実行された場合に、前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、特定の操作に回転の実行の可否が依存するので、この操作に対する動機付けをすることができる。
【0018】
本発明のゲーム機の一態様において、音声を再生出力する音声出力装置(4)と、楽曲を再生させるための楽曲データ(29)を記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(15)と、を更に備え、前記シーケンスデータには、前記操作時期として、前記楽曲の再生中における時期が記述されていてもよい。この場合、プレイヤの慣れを抑制することができる音楽ゲームを提供することができる。
【0019】
本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、出発位置(UP)から到達位置(DP)まで所定の経路(TL)に沿って移動する基準標識(OJ)がゲーム画面(40)に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータ(15)を、所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸(RL)を中心として回転させる経路回転手段として機能させるように構成されたものである。
【0020】
また、本発明のゲーム機の制御方法は、出発位置(UP)から到達位置(DP)まで所定の経路(TL)に沿って移動する基準標識(OJ)がゲーム画面(40)に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータ(15)に、所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸(RL)を中心として回転させる経路回転工程を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム或いは、制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0021】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明によれば、所定の経路の回転を通じて、基準標識の表示位置、表示範囲、移動方向、移動距離等を変化させることができるので、プレイヤの視線或いは、操作等を変化させることができる。これにより、プレイヤの慣れを抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図。
【図2】図1のコントロールパネルを拡大して示す図。
【図3】ゲーム機の機能ブロック図。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図。
【図5】ゲーム画面の他の例を示す図。
【図6】図5のゲーム画面から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図7】トラックが回転を開始する直前の状態にあるゲーム画面を示す図。
【図8】図7から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図9】図8から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図10】図9から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図11】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図12】指示経路表示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図13】カーソル表示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図14】カーソル位置制御処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図15】経路回転処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図16】操作評価ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図である。図1に示すように、ゲーム機1は、モニタ2と、入力装置としてのコントロールパネル3と、音声出力装置としての2つのスピーカ4と、を備えている。各スピーカ4は、発光可能に構成され、プレイ中には、その発光色が変化する。なお、ゲーム機1には、コントロールパネル3の他にも、ボリューム操作スイッチ、電源スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。また、ゲーム機1は、複数台並べて使用されてもよい。
【0025】
図2は、図1のコントロールパネル3を拡大して示す図である。図2に示すように、コントロールパネル3には、回転操作部材としての2つのボリュームコントローラ9と、操作部としての6つのボタン13とが設けられている。6つのボタン13は、4つの大ボタン13Dと、大ボタン13Dよりも小さい2つの小ボタン13Sに分類される。また、表面3Sは、第1領域D1と、第2領域D2に分類される。図2の破線Dは、第1領域D1と第2領域D2の境界を示している。図2に示すように、4つの大ボタン13Dは、2つの小ボタン13Sの上方の第1領域D1に配置され、2つの小ボタンは、第1領域D1の下方の第2領域D2に配置される。また、4つの大ボタン13Dは、水平方向に一列を形成するように配置されている。一方、2つの小ボタン13Sも、水平方向に一列を形成するように配置されている。
【0026】
更に、6つのボタン13は、コントロールパネル3の表面3Sを左右方向LRに二分する縦断線JLを基準に左右対象な位置にそれぞれ配置されている。縦断線JLは、第1領域D1及び第2領域D2も左右に二等分する。つまり、コントロールパネル3は、縦断線JLにより左側領域3Aと右側領域3Bとに分類され、これらの領域3A、3Bのそれぞれには、3つのボタン13が含まれる。そして、左側領域3Aに含まれる3つのボタン13と右側領域3Bに含まれる3つのボタン13とは、縦断線JLを基準として、左右対象な位置に配置されている。また、小ボタン13Sは、各領域3A、3Bに含まれる2つの大ボタン13D間の左右方向LRの中間に形成される中間線BT上に配置される。このように、左右の領域3A、3Bにそれぞれ含まれる1つの小ボタンと2つの大ボタン13Dとの間には所定の位置関係が形成される。なお、図2の縦断線JL、中間線BT等の破線は、想像線であり、実際のコントロールパネル3に設けられていない。
【0027】
ボリュームコントローラ9は、第2領域D2に配置されている。また、2つのボリュームコントローラ9も縦断線JLにより、左側領域3Aに含まれる左側ボリュームコントローラ9Aと、右側領域3Bに含まれる右側ボリュームコントローラ9Bとに分類される。これらのボリュームコントローラ9A、9Bも縦断線JLを基準にして、左右対象に配置されている。また、ボリュームコントローラ9は、中心線CLを有する円柱状に形成されている。ボリュームコントローラ9は、中心線CLに沿って表面3Sと交差する方向に延びる軸部(不図示)と、軸部に固定されるように取り付けられるツマミ部9Tとを含んでいる。軸部は中心線CLを中心に左右両方に回転可能に設けられている。つまり、ボリュームコントローラ9は、中心線CLを中心として、左回り及び、右回りの両方に回転可能に構成されている。ボリュームコントローラ9は、ツマミ部9Tを介して、プレイヤにより左右両方向に回転操作される。また、ツマミ部9Tの外周部分SPは、回転操作に伴って位置が変化する。ツマミ部9Tの外周部分SPが本発明の基準部として機能する。
【0028】
図3は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図3に示すように、ゲーム機1の内部には、コンピュータとしての制御ユニット15が設けられている。また、コントロールパネル3、モニタ2及び、スピーカ4は、制御ユニット15に接続されている。制御ユニット15は、制御主体としてのゲーム制御部16と、そのゲーム制御部16からの出力に従って動作する表示制御部17及び、音声出力制御部18と、を備えている。ゲーム制御部16は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。
【0029】
表示制御部17は、ゲーム制御部16から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ2に出力することにより、モニタ2上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部18は、ゲーム制御部16から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、スピーカ4に出力することにより、スピーカ4から所定の音声(楽曲等を含む)を再生させる。
【0030】
また、ゲーム制御部16には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、或いはEEPROM等の不揮発性半導体メモリといった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0031】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム21には、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23、評価モジュール24及びルート制御モジュール25が含まれている。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部16はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行してゲーム機1として動作するために必要な各種の処理を実行する。
【0032】
続いて、ゲーム制御部16は、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16にはシーケンス処理部26が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16には操作評価部27が生成される。更に、ゲームプログラム21のルート制御モジュール25がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16にはルート制御部28が生成される。シーケンス処理部26、操作評価部27及びルート制御部28は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。
【0033】
シーケンス処理部26は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、或いはプレイヤの操作に応じて効果音等の演出を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部27は、プレイヤの操作を評価する処理を実行する。また、ルート制御部28は、ゲーム中に表示される所定の経路の表示態様を変化させる処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述した各モジュール23、24、25の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部16にはそれらのモジュールに対応した論理的装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0034】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ29、効果音データ30及び、画像データ31が含まれている。楽曲データ29は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ4から再生出力させるために必要なデータである。図3では、一種類の楽曲データ29が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数種類の楽曲にそれぞれ対応した複数種類の楽曲データ29が楽曲を識別するための情報を付して記録されている。楽曲データ29を記憶することにより、外部記憶装置20は楽曲データ記憶手段として機能する。
【0035】
効果音データ30は、プレイヤの操作に応答してスピーカ4から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽曲その他の様々な種類の音声を含む。効果音データ30は、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されていてもよい。画像データ31は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ2に表示させるためのデータである。
【0036】
ゲームデータ22には、更に、シーケンスデータ32が含まれている。シーケンスデータ32は、プレイヤに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データ29に対して、最低一つのシーケンスデータ32が用意される。シーケンスデータ32の詳細は後述する。
【0037】
コントロールパネル3には、内部に検出装置35が設けられている。検出装置35は、ボタン13への操作或いは、ボリュームコントローラ9への操作を検出する。具体的には、検出装置35は、ボリュームコントローラ9の回転量及び回転方向(或いは、基準となる部分の円周方向の位置)、又は、ボタン13を押す操作の有無を検出する。検出装置35の検出結果は、ゲーム制御部16に出力され、ゲーム制御部16が実行する各種処理に利用される。なお、検出装置35として、周知な装置が適用されてよい。また、検出装置35は、ボリュームコントローラ9用とボタン13用とに分けて設けられていてもよいし、6つボタン13及び2つボリュームコントローラ9のそれぞれ毎に設けられていてもよい。
【0038】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1では、再生される楽曲に対応した適切な操作が評価される音楽ゲームが実行される。図4〜図10を参照して、具体的に説明する。図4は、ゲーム画面の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、ゲーム画面40は、経路表示領域KRを含んでいる。経路表示領域KRには、所定の経路としての4つのトラックTLと、2つの予備トラックYTとが含まれる。4つのトラックTLは、仮想3次元空間を演出するように、画面の一端側としての奥側(上方)UPから他端側としての手前側(下方)DPに向かって延びている。4つのトラックTLは、画面の奥側UPから手前側DPに向かって延びる2つの区分線SLの間に配置されている。トラックTLが延びる奥行方向TDは、時間軸方向(第1方向)として利用される。また、これら4つのトラックTLは、4つの大ボタン13Dにそれぞれ対応する。更に、2つの区分線SLのそれぞれの側方には、画面の奥側UPから手前側DPに向かって延びる予備トラックYTが配置されている。
【0039】
経路表示領域KRの下方(手前側)には、現在時刻標識としての基準ラインKLが配置される。基準ラインKLは、左右方向(第2方向)に4つのトラックTLを横断するように直線状に延びている。また、各トラックTLには、適宜な時期に基準標識としてのオブジェクトOJが表示される。また、同様に、適宜な時期に大オブジェクトDJも表示される。大オブジェクトDJは、4つのトラックTLのうち左側2つ、或いは右側2つに跨るように配置される。オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJは、トラックTLの奥側UPから手前側DPに向かって移動する。プレイヤには、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJの基準ラインKLへの到達に合わせて適切な操作の実行が要求される。具体的には、オブジェクトOJの基準ラインKLへの到達に合わせて、オブジェクトOJが配置されているトラックTLに対応する大ボタン13Dを押す操作がプレイヤに要求される。また、大オブジェクトDJの基準ラインKLへの到達に合わせて、大オブジェクトDJが跨る2つのトラックTLに対応する大ボタン13Dの下方に位置する小ボタン13Sを押す操作がプレイヤに要求される。このプレイヤの操作時期と、オブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJが基準ラインKLに到達した時期との間のずれが評価される。なお、この形態では、トラックTLの奥側UPの一端が出発位置として、基準ラインKLが到達位置として、それぞれ機能している。
【0040】
経路表示領域KRには、適宜な時期に指示経路Rが表示される。図5は、ゲーム画面の他の例を示す図である。図5に示すように、ゲーム画面40Rには、2つの指示経路Rが含まれている。2つの指示経路Rは、互いに交差してXという文字を描くように画面の奥側UPに配置されている。具体的には、一方の指示経路R1が右側の予備トラックYTから左側の予備トラックYTに向かって4つのトラックTLと斜めに交差しつつ延び、他方の指示経路R2が左側の予備トラックYTから右側の予備トラックYTに向かって4つのトラックTLと斜めに交差しつつ延びている。そして、一方の右側指示経路R1が右側ボリュームコントローラ9Bに、他方の左側指示経路R2が左側ボリュームコントローラ9Aに、それぞれ対応する。
【0041】
指示経路Rも時間の経過に伴って基準ラインKLに向かって移動する。図6は、図5のゲーム画面40Rから一定時間経過後のゲーム画面を示す図である。図6に示すように、指示経路Rの基準ラインKLへの到達に合わせて、基準ラインKL上には、2つの指示経路Rのそれぞれに対応する2つのカーソルKGが表示される。カーソルKGは、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に対応して、基準ラインKL上を左右に移動する。具体的には、右側指示経路R1に対応して表示される右側カーソルKG1が右側ボリュームコントローラ9Bに、左側指示経路R2に対応して表示される左側カーソルKG2が左側ボリュームコントローラ9Aの回転操作にそれぞれ対応して移動する。
【0042】
プレイヤには、各カーソルKGが対応する各指示経路Rの外にはみ出さないような操作が要求される。つまり、右側カーソルKG1は右側指示経路R1の外に、左側カーソルKG2は左側指示経路R2の外に、それぞれ出ない位置に配置されるような回転操作がプレイヤに要求される。カーソルKGが指示経路Rの外に出た場合には、ペナルティが与えられる。一方、指示経路Rが基準ラインKLを通過するまで、カーソルKGが指示経路Rの外に出なかった場合には、特典が与えられる。なお、ペナルティとして、例えば、値がゼロになった場合にゲームが終了する所定のゲージの減算、獲得した得点の減算が利用されてよい。また、特典の付与のみでペナルティがなくてもよい。特典の一例として、得点の獲得、所定のゲージの加算等が利用されてよい。
【0043】
また、所定の条件を満たした場合には、所定の回転軸を中心としてトラックTLを含む経路表示領域KRが回転を開始する。また、この回転に伴って経路表示領域KRが配置される位置も所定の中心位置の周りを回るように移動する。所定の条件として、例えば、オブジェクトOJの基準ラインKLへの到達に合わせて、適切な操作が実行された場合という特定の操作が採用される。なお、特定の操作として、その他にも、例えば、カーソルKGが指示経路Rの一端から他端まで指示経路R上から外れないような操作が採用されてもよい。
【0044】
図7は、トラックTLが回転を開始する直前の状態にあるゲーム画面を示す図である。図7の破線は、所定の回転軸としての回転軸RLを示している。図7に示すように、回転を開始する前には、トラックTLの表面TLsは、他の図と同様に、上方を向くように配置されている。また、回転軸RLは、トラックTLが延びる方向に沿うように、つまり奥行方向TDに沿うように奥側UPから手前側DPに向かって延びている。そして、回転軸RLは、トラックTLの左右方向、つまり4つのトラックTLの並び方向の中心に配置されている。なお、実際のゲーム画面には、回転軸RLは表示されていない。
【0045】
一方、所定の中心位置CPは、トラックTLの奥側UP、つまりオブジェクトOJ等が移動を開始する出発位置の側に配置されている。また、所定の中心位置CPは、トラックTLを更に奥側へ延長した場合の延長線上に位置している。従って、トラックTLを含む経路表示領域KRは、所定の中心位置CPの下方に位置している。また、トラックTLの表面TLsは、所定の中心位置CPの方を向くように配置されている。
【0046】
図8は、図7の状態から一定時間経過後のトラックTLの状態を示す図である。図8では、図7の回転軸RLの位置、つまり回転を開始する前の回転軸RLの位置を破線RLpにて示している。図8に示すように、トラックTLを含む経路表示領域KRは、所定の中心位置CPの左側方の位置に配置されている。また、回転前の回転軸RLの位置を示す破線RLpと比較して回転軸RLは、右回り方向RDに所定の中心位置CPの周りを回るように90°近く移動している。つまり、経路表示領域KRの位置は、所定の中心位置CPを中心として、その周りを回るように、所定の中心位置CPの下方の位置から左側方の位置に右回り方向RDに移動している。
【0047】
また、経路表示領域KRに含まれるトラックTLにも回転により、傾斜が生じている。具体的には、トラックTLは、回転軸RLを中心として右回転方向RRに約90°近くの角度まで、つまり約1/4回転近く回転している。このため、トラックTLの表面TLsは右側方を向くように元の上方を向く状態から約90°近く傾斜している。また、これにより、トラックTLの表面TLsは、移動後も所定の中心位置CPの側を向いている。
【0048】
図9は、図8の状態から更に一定時間経過し、トラックTLが半回転した状態を示す図である。図9に示すように、トラックTLが半回転した状態では、経路表示領域KRは、所定の中心位置CPの上方に配置されている。つまり、図8の経路表示領域KRの位置から右回り方向RDに更に90°近く移動している。また、トラックTLは、回転軸RLを中心として右回転方向RRに、図8の状態からは更に90°近く、図7の状態からは約180°近く、それぞれ回転している。これにより、トラックTLの表面TLsは、半回転した状態においても所定の中心位置の側、つまり下方を向いている。
【0049】
また、図10は、図9の状態から一定時間経過後のトラックTLの状態を示す図である。図10に示すように、経路表示領域KRは、回転軸RLを中心として、図9の半回転の状態から右回転方向RRに更に90°近く回転が進んでいる。また、この回転に伴って、経路表示領域KRも所定の中心位置CPの周りを回るように図9の状態から更に90°近く右回り方向RDに移動し、所定の中心位置CPの右側方に配置されている。つまり、経路表示領域KRは、図8の状態と所定の中心位置CPを挟んで反対に傾斜し、トラックTLの表面TLsが左側方に位置する所定の中心位置CPの方を向く位置に配置されている。従って、この場合にもトラックTLの表面TLsは、所定の中心位置CPの方を向いている。
【0050】
図10の状態から一定時間経過すると、トラックTLを含む経路表示領域KRは、回転を開始する前の元の状態、つまり図7の状態に戻る。このように、経路表示領域KRが回転軸RLを中心に一回転する時期と経路表示領域KRが所定の中心位置CPを中心にその周りを一周して元の位置に戻る時期とは一致している。つまり、回転軸RLを中心として回転する回転角度と、所定の中心位置CPの周りを周回移動する移動角度とが一致するように、経路表示領域KRは回転し、周回移動する。また、周回移動の周回方向と、回転の回転方向とは、いずれも右方向という同じ方向である。つまり、周回方向と回転方向とは互いに対応関係にある。結果として、経路表示領域KRは、トラックTLの表面TLsが常に所定の中心位置CPの方を向くように、所定の中心位置CPの周りを移動しつつその周回方向に合わせて回転する。
【0051】
一方、各ボリュームコントローラ9A、9Bには、再生中の楽曲に変化を与えるための各要素(各機能を含む)がそれぞれ割り当てられる。例えば、楽曲に変化を与える各要素として、A領域3Aの左側ボリュームコントローラ9Aにはギター音が、右側ボリュームコントローラ9Bにはボーカル音が、それぞれ割り当てられる。そして、各ボリュームコントローラ9A、9Bに対する回転操作に応じて、ギター音或いは、ボーカル音の音量が変化する。
【0052】
なお、ボリュームコントローラ9には、他にも例えば、エフェクタの機能が割り当てられてもよい。具体的には、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、楽曲へのエフェクトの程度が変化してもよい。このようなエフェクトとして、例えば、楽曲のオリジナルの音源に対して特定の周波数帯域の音を強調するような変化が実現されてもよい。この場合、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、強調される帯域周波数が増減されればよい。
【0053】
或いは、ボリュームコントローラ9には、スクラッチ機能、つまり楽曲の再生速度を増減させる機能が割り当てられてもよい。具体的には、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、再生速度の増加に対応するスクラッチ効果及び、再生速度の減少に対応するスクラッチ効果を楽曲に生じさせてもよい。また、ボタン13には、所定の効果音が割り当てられてもよい。つまり、ボタン13が押されることにより、楽曲中に所定の効果音が追加されてもよい。
【0054】
次に、図11を参照してシーケンスデータ32の詳細を説明する。図11は、シーケンスデータ32の内容の一例を示す図である。図11に示したように、シーケンスデータ32は、条件定義部32aと、操作シーケンス部32bと、を備えている。条件定義部32aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、楽曲の長さといったゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が記述される。
【0055】
一方、操作シーケンス部32bには、ボタン13及びボリュームコントローラ9に対する操作の指示が楽曲中の時刻と対応付けて記述される。また、操作シーケンス部32bには、経路表示領域KRを回転させる時期等の指示も含まれている。図11に示すように、操作シーケンス部32bは、指示経路Rを形成するために利用される指示経路情報部32rと、トラックTL上にオブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJを配置するために利用されるオブジェクト情報部32iと、経路表示領域KRを回転させる時期及び条件の指示に利用される回転条件情報部32sと、を含んでいる。
【0056】
指示経路情報部32rには、楽曲中の時期(基準時期)の情報と、交差方向位置としての時間軸方向(奥行方向TD)と交差する左右方向(第2方向)に延びる基準ラインKL上の位置の情報(位置情報)、指示経路Rの幅の情報及び、指示経路パターンの情報とが含まれている。指示経路情報部32rは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図11の例では、各情報は、指示経路Rが開始する楽曲中の時期、つまり開始時期の情報、指示経路Rの開始時期における基準ラインKL上の位置の情報、指示経路Rが終了する楽曲中の時期、つまり終了時期の情報、指示経路Rの終了時期における基準ラインKL上の位置の情報、指示経路Rの幅の情報、指示経路パターンの情報の順に左から記述されている。また、指示経路情報部32rの冒頭には“LINE POINT”と記述されている。指示経路情報部32rは、この記述により他の情報部、例えば、オブジェクト情報部32i或いは、回転条件情報部32sと区別される。
【0057】
開始時期及び終了時期といった基準時期の情報は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の長さをn個の単位時間に等分して先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を基準時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。
【0058】
基準ラインKL上の位置の情報は、基準ラインKLが延びる左右方向の各位置を示す数値を利用して記述される。例えば、このような各位置を示す数値として、基準ラインKLの左右方向の長さが所定の数で等分され、等分された単位長さ(単位範囲)に対応する各位置が左端から順に番号付けられた場合の数(単位長さの数)が利用される。図11の例では、所定の数として128が利用されている。また、基準ラインKLの左端の位置から右端の位置まで0、1、2、という具合に右端の位置の128まで各位置に順に番号が付されている。つまり、基準ラインKLの左端の位置が指定される場合には0という数値が、右端の位置が指定される場合には128という数値が、それぞれ記述される。なお、基準ラインKLの情報は、当該情報に対応する基準時期が到来した際に、数値で指定された基準ラインKL上の位置に指示経路Rが配置されることを意味する。つまり、基準ラインKLの情報は、基準ラインKL上の指示経路Rと重なる部分の位置を意味する。また、基準時期が到来する前には、基準ラインKL上の位置の情報は、基準ラインKLの左右方向の位置に対応するトラックTL或いは、予備トラックYTの左右方向の各位置の指定として機能する。
【0059】
基準ラインKL上の位置の情報は、ボリュームコントローラ9を指定する情報としても機能する。具体的には、終了時期に対応付けられる基準ラインKL上の位置が右端の位置に対応している場合には右側ボリュームコントローラ9Bを、左端の位置に対応している場合には左側ボリュームコントローラ9Aを、それぞれ指定する情報として機能する。なお、左右のボリュームコントローラ9A、9Bの指定は、指示経路情報部32rの冒頭の記述を利用して行われてもよい。例えば、冒頭の記述が“LINE POINT1”の場合は左側ボリュームコントローラ9Aに、“LINE POINT2”の場合は右側ボリュームコントローラ9Bに、それぞれ対応する指示経路情報部32rとして機能してもよい。
【0060】
指示経路Rの幅は、基準ラインKL上の各位置を示す単位長さを利用して指定される。例えば、指示経路Rの幅は、“10”と記述され、この場合、単位長さで10個分の長さの幅が指定されている。指示経路パターンは、各指示経路パターンに対応付けられたアルファベットを利用して指定される。例えば、図5の例に対応するX型のパターンに“A”が、その他のパターンに“B”が、それぞれ対応づけられる。そして、図5の例に対応するX型のパターンを指定する場合には、指示経路パターンとして“A”が記述される。なお、このような指示経路パターンとアルファベットとの対応付けは不図示の別テーブルにより実現される。
【0061】
図11の例では、一小節目の二拍目の開始時点(“000”)が開始時期に、一小節目の二拍目の開始時点から“016”だけ経過した時期が終了時期に、それぞれ指定され、かつ、開始時期の位置としての基準ラインKLの左端の位置(“0”)が、終了時期の位置として基準ラインKLの右端の位置(“128”)が、それぞれ指定されている。また、この指示経路Rの幅として“10”が、パターンとして“A”、つまりX型が指定されている。従って、一小節目の二拍目の開始時点(“000”)に基準ラインKLの左端の位置に到達するように開始され、一小節目の二拍目の開始時点から“016”だけ経過した時期に右端の位置で終了するように幅“10”で文字Xを描くように延びる指示経路Rが表示される。
【0062】
一方、オブジェクト情報部32iには、楽曲中の時期の情報と、4つのトラックTLのうちのいずれかを指定するトラック情報と、オブジェクトの種類を指定するオブジェクト情報とが含まれる。オブジェクト情報部32iは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図11の例では、各情報は、左から楽曲中の時期の情報、トラック情報、オブジェクト情報の順に記述されている。また、オブジェクト情報部32iの冒頭には“ITEM POINT”と記述され、この記述により他の情報部、例えば、指示経路情報部32r或いは、回転条件情報部32sと区別される。
【0063】
楽曲中の時期の情報は、指示経路情報部32rと同様に記述される。この時期は、オブジェクトが基準ラインKLに到達すべき時期に対応する。つまり、この時期は、適切な操作を実行すべき操作時期の指定として機能する。トラック情報は、4つのトラックTLを指定する情報を利用して記述される。例えば、左端のトラックTLから順に1、2、3、4と番号が付され、左端のトラックTLを指定する場合には“track1”という情報が、その隣のトラックTLを指定する場合には“track2”という情報が、それぞれ記述される。オブジェクト情報は、オブジェクトOJ又は大オブジェクトDJにそれぞれ対応付けられたアルファベットを利用して記述される。例えば、オブジェクトOJには“S”が対応づけられる。また、大オブジェクトDJには、出現するトラックTLの位置に応じて、左側2つのトラックTLに跨る場合には“A”が、右側2つのトラックTLに跨る場合には“B”が、それぞれ対応づけられる。なお、大オブジェクトDJの種類には、その他にも長さ等に応じて、その他のアルファベットが対応付けられてよい。
【0064】
図11の例では、左端のトラックTL(“track1”)上を一小節目の一拍目の開始時点(“000”)に基準ラインKLに到達するように移動するオブジェクトOJ(“S”)を表示するという指示が記述されている。一方、一小節目の一拍目の開始時点から“0012“だけ経過した時期に基準ラインKLに到達するように左側2つのトラックTLに跨って移動する大オブジェクトDJを表示するといった指示も記述されている。
【0065】
回転条件情報部32sには、回転を開始させるべき回転時期を示す回転時期情報と、回転を開始させるために具備すべき実行条件を示す実行条件情報と、回転方向等の回転の種類を示す回転方向情報としての回転種類情報とが含まれている。回転条件情報部32sは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図11の例では、回転時期情報、実行条件情報、回転種類情報の順に左から記述されている。また、回転条件情報部32sの冒頭には、“ROTATION POINT”と記述されている。回転条件情報部32sは、この記述により他の情報部、例えば、指示経路情報部32r、或いは、オブジェクト情報部32iと区別される。
【0066】
回転時期情報には、回転を開始させるべき回転時期が指示経路情報部32rの基準時期の情報と同様に記述される。つまり、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。実行条件情報には、実行条件を示す“0”、“1”といった数字が記述される。これらの数字は、具体的な条件と対応付けられている。例えば、“0”はオブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合という条件に対応付けられ、“1”は指示経路Rに対して適切な操作(カーソルKGを指示経路Rから外れないように移動させる)が実行された場合という条件に対応付けられる。このような対応付けは、例えば、不図示のテーブルにて実現されてよい。このテーブルを利用して、実行条件情報として記述された数字から実行条件の特定が可能である。シーケンスデータ32は、回転時期情報を含むことにより本発明の回転時期データとして、実行条件情報を含むことにより本発明の実行条件データとして、それぞれ機能する。
【0067】
回転種類情報は、“−1”、“−2”といったマイナス符号と数字とが結合した記号により記述される。これらの記号は、具体的な回転の種類と対応付けられている。例えば、“−1”は時計回り(右回転)に1回転という回転の種類に対応付けられ、“−2”は反時計回り(左回転)に1回転という回転の種類に対応付けられる。このような対応付けは、例えば、不図示のテーブルにて実現されてよい。このテーブルを利用して、回転種類情報として記述された記号から回転方向或いは回転角度の特定が可能である。また、経路表示領域KRが回転する回転方向と、所定の中心位置CPを中心に周回移動する周回方向とは対応関係にある。このため、回転種類情報は、周回方向の指定にも該当する。具体的には、時計回りが指定されている場合には周回方向として右回りの指定に、反時計回りの指定がされている場合には左回りの指定に、それぞれ該当する。回転種類情報は、回転方向を指定する情報を含むことにより、回転方向情報として機能する。また、回転種類情報は、1回転等、回転角度を指定する情報を含むことにより、角度特定情報としても機能する。従って、シーケンスデータ32は、このような回転種類情報を含むことにより回転方向データ及び、角度特定データとしても機能する。
【0068】
なお、回転種類情報に利用される記号は、マイナス符号と数字とが結合した記号に限定されない。例えば、“1”等の単なる数字が利用されてもよい。また、回転角度は、1回転に限定されない。例えば、半回転、1/4回転、或いは、30°回転等の角度が回転角度として利用されてもよい。回転角度の指定は、例えば、“−3”が時計回りに半回転を指定するといった具合に回転方向と回転角度とが対応付けられた記号により実現されてよい。或いは、回転角度を指示する回転角度情報が、回転種類情報とは別に、回転条件情報部32sに設けられていてもよい。この場合、回転角度情報が角度特定情報として機能する。回転角度情報として、1回転、半回転、1/4回転等といった回転角度に対応付けられる各数字が記述されてよい。この場合、回転種類情報は、時計回り、反時計回りといった回転方向の特定のみに利用されてよい。更に、これらの回転角度情報及び回転種類情報は、同様の角度、同様の方向への周回移動の指定として機能してもよい。或いは、周回方向等の周回移動に関する指定を特定するための情報が別途設けられてもよい。
【0069】
図11の例では、四小節目の二拍目の開始時期から“024”だけ経過した時期が回転を開始させる時期として指定されている。そして、この時期の実行条件として、オブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合という条件が指定されている。また、この際の回転の種類として、反時計回り(左回転)に1回転が指定されている。従って、この例では、四小節目の二拍目の開始時期から“024”だけ経過した時期に、オブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合に、経路表示領域KRを反時計回り(左回転)に1回転させるといった具合に回転の指示が記述されている。
【0070】
上述したシーケンスデータ32に基づいて、指示経路Rを表示するための処理、オブジェクトOJ或いは大オブジェクトDJを表示するための処理、及び経路表示領域KRを回転させる処理といった各種処理は、ゲーム制御部16が実行する。これらの処理を実行することにより、ゲーム制御部16は、シーケンスデータ32で指定された基準時期において、指示経路R、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJが基準ラインKLと一致するように、指示経路R、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJの表示を制御する。また、ゲーム制御部16は、適切な時期に適切な操作が実行された場合に、トラックTLを含む経路表示領域KRを回転させる。
【0071】
次に、ゲーム制御部16が音楽ゲームを実行する際の処理を説明する。ゲーム制御部16は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲームの開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えばゲームでプレイする楽曲、或いは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作を含む。それらの指示を受け付ける手順は、公知の音楽ゲーム等と同様でよい。
【0072】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部16は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ29を読み取って音声出力制御部18に出力することにより、スピーカ4から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット15が楽曲再生手段として機能する。
【0073】
更に、ゲーム制御部16は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ32を読み取って、画像データ31を参照しつつゲーム画面の描画に必要な画像データを生成して表示制御部17に出力する。これにより、ゲーム制御部16は、モニタ2上にゲーム画面を表示させる。また、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部16は、ゲーム画面の表示等に必要な処理として、図12に示す指示経路表示処理ルーチン、図13に示すカーソル表示処理ルーチン、図14に示すカーソル位置制御処理ルーチン、図15に示す経路回転処理ルーチン及び、図16示す操作評価ルーチンのそれぞれを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図12のルーチン、図13のルーチン、及び、図14のルーチンはシーケンス処理部26が、図15のルーチンはルート制御部28が、図16のルーチンは操作評価部27が、それぞれ担当する。また、ゲーム制御部16は、その他にもオブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJの表示を制御するための処理等を実行するが、周知な処理により実現されるので、それらの処理の詳細な説明は省略する。
【0074】
図12の指示経路表示処理ルーチンが開始されると、ゲーム制御部16のシーケンス処理部26は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。現在時刻は、例えば、楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部16の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から取得される。続くステップS2において、シーケンス処理部26は、シーケンスデータ32からゲーム画面に表示すべき時間長(所定の時間範囲)に含まれる指示経路情報部32rの基準時期(開始時期、終了時期)、基準ラインKL上の位置、幅、パターンといった各情報を取得する。所定の時間範囲は、一例として現在時刻から楽曲の二小節相当の時間長に設定される。
【0075】
次のステップS3にて、シーケンス処理部26は、ステップS2で取得した表示範囲内に含まれる各基準時期(開始時期及び、終了時期)にそれぞれ対応するゲーム画面内の各座標を演算する。その演算は、一例として、以下のように行われる。まず、シーケンス処理部26は、表示範囲に含まれている指示経路Rがいずれのボリュームコントローラ9に対応付けられているか判別する。この判別は、指示経路Rの終了時期として指定されている基準ラインKL上の位置に基づいて行われる。例えば、終了時期として基準ラインKL上の右端の位置が指定されている場合には右側ボリュームコントローラ9Bに、左端の位置が指定されている場合には左側ボリュームコントローラ9Aに、それぞれ対応するといった具合に判別される。次に、各基準時期と現在時刻との時間差に応じて、基準ラインKLの位置から時間軸方向(つまり、奥行方向TD)における各基準時期の位置を判別する。更に、各基準時期等に対応付けられた基準ラインKL上の位置の情報に基づいて、各基準時期における左右方向の位置を判別する。これらにより、基準ラインKLの位置から時間軸に沿った時間順の並びで、指定された各基準時期に対応する指定された左右方向の各位置の座標を取得することができる。
【0076】
各基準時期等にそれぞれ対応する座標の演算が完了すると、シーケンス処理部26は、ステップS4に進む。ステップS4にて、シーケンス処理部26は、ステップS3で演算された基準時期の座標とステップS2で取得した各情報とに基づいて、指示経路Rを描画するために必要な画像データを生成する。この画像データの生成は、指示経路情報部32rに含まれる各基準時期(開始時期、終了時期)の座標、指示経路Rの幅の情報、及び、指示経路パターンの情報に基づいて行われる。具体的には、指定された指示経路Rの幅を有するように開始時期の座標及び終了時期の座標を指示経路パターンに従って接続された指示経路Rを表示するための画像データを生成する。これにより、各基準時期の時間順、つまり開始時期、終了時期の順に指定された左右方向の位置を経由しつつ指定の指示経路パターンに従って時間軸方向に延びる指示経路Rを表示するための画像データが生成される。
【0077】
続くステップS5にて、シーケンス処理部26は、表示制御部17にステップS4にて生成した画像データを出力して、今回のルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、ゲーム画面には、シーケンスデータ32にて記述された基準時期に所定の左右方向の位置を経由しつつ奥行方向TDに延びる指示経路Rが表示される。また、指示経路Rの各基準時期に対応する位置と基準ラインKLの位置とが現在時刻において一致するように、指示経路Rが奥行方向TDに移動表示される。
【0078】
次に、図13のカーソル表示処理ルーチンを説明する。図13のルーチンは、基準ラインKL上のカーソルKGの表示を制御するための処理である。図13のルーチンが開始されると、シーケンス処理部26は、シーケンスデータ32の指示経路情報部32rから表示範囲に含まれる指示経路Rの開始時期及び、終了時期の情報を取得する。続くステップS12において、シーケンス処理部26は、既にカーソルKGがゲーム画面に表示されているか否か、つまりカーソルKGの表示の有無を判別する。
【0079】
ステップS12の判別結果が否定的結果の場合、つまりゲーム画面内にカーソルKGの表示がないと判別した場合、シーケンス処理部26は、ステップS13に進む。ステップS13にて、シーケンス処理部26は、ステップS11で取得した情報に基づいて、現在時刻が開始時期か否か、つまり指示経路Rの開始時期が到来しているか否かを判別する。この判別が否定的結果の場合、つまり開始時期が到来していない場合には、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0080】
これに対して、ステップS13の判別結果が肯定的判別の場合、つまり開始時期が到来している場合には、シーケンス処理部26は、ステップS14に進む。ステップS14にて、シーケンス処理部26は、所定位置にカーソルKGの表示を開始して、ステップS15に進む。また、所定の位置として、基準ラインKL上の指示経路Rと重なる部分が利用される。ステップS15にて、シーケンス処理部は、カーソル位置制御処理のサブルーチンを実行する。このサブルーチンの詳細は後述する。ステップS15の処理を終えると、シーケンス処理部26は、今回のルーチンを終了する。
【0081】
一方、ステップS12の判別結果が肯定的結果の場合、つまりゲーム画面内に既にカーソルKGの表示があると判別した場合、シーケンス処理部26は、ステップS16に進む。ステップS16にて、シーケンス処理部26は、ステップS11で取得した情報に基づいて、現在時刻が終了時期か否か、つまり指示経路Rの終了時期が到来しているか否かを判別する。この判別が否定的結果の場合、つまり終了時期が到来していない場合には、シーケンス処理部26は、ステップS15に進む。
【0082】
ステップS15にて、シーケンス処理部26は、カーソル位置制御処理のサブルーチンを実行して、今回のルーチンを終了する。これに対して、ステップS16の判別結果が肯定的結果の場合、つまり終了時期が到来している場合には、シーケンス処理部26は、ステップS17に進む。ステップS17にて、シーケンス処理部26は、ゲーム画面からカーソルKGの表示を消して、つまりカーソルKGの表示を終了して、今回のルーチンを終了する。
【0083】
図14は、カーソル位置制御処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。このルーチンは、図13のルーチンのサブルーチンとして、図13ルーチンのステップS15にて呼び出されて実行される。図14のルーチンが開始されると、まずステップS21にて、シーケンス処理部26は、プレイヤのボリュームコントローラ9に対する操作結果を取得する。具体的には、プレイヤの操作結果として、検出装置35の出力信号を参照して、各ボリュームコントローラ9の回転方向及び回転量を取得する。
【0084】
続くステップS22において、シーケンス処理部26は、ステップS21で取得した各操作結果に基づいて、操作結果に対応するカーソルKGの座標を算出する。具体的には、操作結果に応じた移動先として表示すべきカーソルKGの座標を算出する。この座標の算出は、一例として、次のように実行される。まず、シーケンス処理部26は、取得した回転方向に基づいて、カーソルKGを移動させる方向を判別する。具体的には、ボリュームコントローラ9に右回転の操作がされた場合には移動させるべき方向として右方向を、左回転の操作がされた場合には移動させるべき方向として左方向を、それぞれ判別する。次に、回転量に基づいて、移動量を判別する。この判別は、ボリュームコントローラ9の回転可能な範囲(例えば、360°)の一部の範囲に判別範囲が設定されることにより実現される。具体的には、まず判別範囲として設定された角度を所定の数(基準ラインKLの位置の情報と共通する数)で等分し、単位角度を算出する。次に、回転量つまり、回転角度を単位角度の数量に置き換える。そして、この数量分の単位長さを移動量として算出する。このようにして算出した移動方向、及び、移動量(移動長さ)と、現在のカーソルKGの座標(表示開始時であれば、所定の位置)とから移動先として表示すべきカーソルKGの座標を算出する。
【0085】
次のステップS23において、シーケンス処理部26は、ステップS22で算出された座標に基づいて、カーソルKGの描画に必要な画像データを生成する。具体的には、ステップS22で算出された移動先の座標にカーソルKGを表示するための画像データを生成する。続くステップS24において、シーケンス処理部26は、表示制御部17に画像データを出力して、今回のルーチンを終了する。以上の処理が実行されることにより、基準ラインKL上にカーソルKGが表示され、かつ、カーソルKGがボリュームコントローラ9への操作に対応して基準ラインKL上を移動する。
【0086】
次に、図15の経路回転処理ルーチンを説明する。図15のルーチンは、経路表示領域KRを回転させるための処理である。図15のルーチンが開始されると、ルート制御部28は、まずステップS31において、シーケンスデータ32の各種情報を取得する。具体的には、ルート制御部28は、シーケンスデータ32から回転条件情報部32sの各情報を取得する。なお、この際、ルート制御部28は、回転条件情報部32sの全部の情報を取得してもよいし、所定の時間範囲に含まれる回転を開始させるべき回転時期に対応する各情報のみを取得してもよい。また、特定の操作を条件に回転を実行する場合には、実行条件を満たすか否かの判別のために、オブジェクト情報部32iの楽曲中の時期(操作時期)の情報を取得してもよい。
【0087】
次のステップS32において、ルート制御部28は、検出装置35の出力信号を参照して、プレイヤの操作結果を取得する。ルート制御部28は、例えば、検出装置35の出力信号を参照して、操作が実行されたボタン13及び、その操作が実行された時期といった操作結果を取得する。また、この際、現在時刻を基準に所定の評価時間内に含まれる操作結果が取得されてよい。所定の評価時間として、例えば、現在時刻を基準として現在時刻よりも所定時間前までの時間が採用されてもよいし、現在時刻を基準に前後の所定時間が採用されてもよい。続くステップS33において、ルート制御部28は、ステップS31で取得したシーケンスデータ32の回転時期の情報に基づいて、現在時刻が回転を開始すべき回転時期に該当するか否か判別する。現在時刻は、例えば、楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部16の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から取得される。この判別結果が否定的結果の場合、つまり現在時刻が回転時期に該当しない場合には、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0088】
一方、ステップS33の判別結果が肯定的結果の場合、つまり現在時刻が回転時期に該当する場合には、ルート制御部28は、ステップS34に進む。ステップS34において、ルート制御部28は、ステップS31で取得したシーケンスデータ32の回転条件情報部32s及び、ステップS32で取得した操作結果に基づいて、所定の評価時間範囲内において回転を実行すべき実行条件が満たされるか否かを判別する。より詳しくは、現在時刻に該当する回転時期に対応する実行条件を特定し、その特定した実行条件が所定の評価時間範囲内で満たされるか否かを判別する。この際、オブジェクト情報部32iの楽曲中の時期を利用して、実際の操作時期が適切な操作時期か否かが判別されてもよい。例えば、特定された実行条件が“0”であれば、オブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合には実行条件が満たされ、適切な操作が実行されていない場合には実行条件は満たされない。この判別結果が否定的結果の場合、ルート制御部28は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0089】
一方、ステップS34の判別結果が肯定的結果の場合、ルート制御部28は、ステップS35に進む。ステップS35において、ルート制御部28は、経路表示領域KRの回転及び、所定の中心位置CPの周りを回る周回移動を開始させる。この際、ルート制御部28は、シーケンスデータ32の回転種類情報に基づいて、これらの回転及び周回移動を指定された方向の指定された角度まで実行する。経路表示領域KRの回転及び周回移動は、周知な技術により実現されてよい。ステップS35の処理を終えると、ルート制御部28は、今回のルーチンを終了する。これにより、シーケンスデータ32の指定に基づく経路表示領域KRの回転及び周回移動が実現される。
【0090】
次に、図16の操作評価ルーチンを説明する。図16のルーチンは、プレイヤのボリュームコントローラ9に対する操作を評価するための処理である。また、図16のルーチンは、指示経路R毎、つまりボリュームコントローラ9毎に実行される。図16のルーチンが開始されると、操作評価部27は、まずステップS41において、指示経路Rが基準ラインKLに到達しているか否か判断する。この判断は、例えば、現在時刻と指示経路Rの開始時期及び終了時期とを比較することにより、実現される。具体的には、現在時刻が開始時期と終了時期の間の時刻であれば、指示経路Rが基準ラインKLに到達していると判断され、異なっていれば指示経路Rが基準ラインKLに到達していないと判断される。そして、この判断結果が否定的結果の場合には、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
【0091】
一方、ステップS41の判断結果が肯定的結果の場合、つまり、指示経路Rが基準ラインKLに到達している場合には、操作評価部27は、ステップS42に進む。ステップS42において、操作評価部27は、基準ラインKL上のカーソルKGの座標を取得する。この座標は、図14の処理結果を利用して取得されてもよいし、図14のステップS22と同様の処理により取得されてもよい。
【0092】
続くステップS43において、操作評価部27は、現在時刻に対応する基準ラインKL上の指示経路Rの範囲を特定する。この特定は、一例として、次のように行われる。まず、指示経路Rの開始時期と現在時刻とを比較して、開始時期からの経過時間を算出する。次に、指示経路Rの幅の情報及び、接続パターンの情報に基づいて、経過時間における指示経路Rの基準ラインKL上における左端の座標、及び右端の座標を算出する。このようにして、基準ラインKL上の指示経路Rの両端の座標を算出することにより、基準ラインKL上の指示経路Rの範囲、つまり基準ラインKLと指示経路Rが重なる重複範囲を特定する。
【0093】
次のステップS44において、操作評価部27は、評価を決定する。この決定は、一例として、次のように行われる。まず、ステップS42で取得したカーソルKGの座標がステップS43で特定した基準ラインKLと指示経路Rとが重なる重複範囲に含まれるか否か判別する。カーソルKGの座標が重複範囲に含まれる場合には、操作評価部27は、評価を特典の付与(或いは、ペナルティの免除)という結果に決定する。一方、カーソルKGの座標が重複範囲に含まれない場合、つまりカーソルKGの位置が指示経路R上から外れている場合には、ペナルティの付与(或いは、特典を付与しない)という結果に決定する。このようにして、操作評価部27は、ステップS44において評価を決定する。
【0094】
続くステップS45において、操作評価部27は、ステップS44の評価結果がゲーム画面の表示に反映されるように、表示制御部17への出力を制御する。具体的には、特典の付与という評価結果に対応して、得点の加算、ゲージの増加等がゲーム画面の表示に反映される。一方、ペナルティという評価結果に対応して、ゲージの減少等がゲーム画面の表示に反映される。ステップS45の処理を完了すると、操作評価部27は、今回のルーチンを終了する。
【0095】
従来の音楽ゲームには、所定の経路が表示されていないものも存在する。しかし、所定の経路が表示されていない場合には、操作を実行すべきタイミングを計り辛い。従って、所定の経路は、表示されている方がプレイヤにとってプレイし易い。また、途中で進行方向を変えつつ延びる所定の経路を利用して操作時期をプレイヤに案内する音楽ゲームも存在する。但し、このような所定の経路は、当初の形態、つまり当初設定された経路から変化しない。つまり、オブジェクト等は固定された経路を進行するに過ぎない。このため、慣れや興趣性の低下を生じ易い。
【0096】
以上に説明したように、この形態によれば、所定の実行条件を満たすことにより、所定の時期に経路表示領域KRが回転及び周回移動を開始する。経路表示領域KRには、トラックTLが含まれる。そして、トラックTLは、オブジェクトOJ等を通じて、プレイヤの操作時期等の指示に利用される。つまり、経路表示領域KRは、プレイヤの注目を集め易い。このため、経路表示領域KRの回転及び周回移動を通じて、プレイヤに変化及び、刺激を提供することができる。これにより、プレイヤの慣れを抑制することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0097】
以上の形態において、制御ユニット15がルート制御部28に図15のルーチンを実行させることにより、経路回転手段及び経路位置変更手段として機能する。また、制御ユニット15がシーケンス処理部26を通じてトラックTL、基準ラインKL及びオブジェクトOJを表示させ、かつ、トラックTLに沿ってオブジェクトOJを基準ラインKLに向かって移動させる周知な処理を実行することにより、操作案内手段として機能する。また、外部記憶装置20がシーケンスデータ32を記憶することにより、シーケンスデータ記憶手段として機能する。更に、外部記憶装置20は、シーケンスデータ32が回転時期データとして機能することにより回転時期データ記憶手段として、実行条件データとして機能することにより実行条件データ記憶手段として、それぞれ機能する。更に、外部記憶装置20は、シーケンスデータ32が角度特定データとして機能することにより角度特定データ記憶手段として、回転方向データとして機能することにより回転方向データ記憶手段として、それぞれ機能する。
【0098】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、経路表示領域KRの回転中にトラックTLには、オブジェクトOJは表示されていない。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、所定の経路の回転中に所定の経路上に、オブジェクト等の操作を指示する基準標識が表示され、回転中もプレイヤに適切な操作が要求されてもよい。
【0099】
上述の形態では、所定の経路は、1回転しているが、回転角度はこのような角度に限定されない。例えば、半回転、1/4回転等、適宜な角度が回転角度として採用されてよい。このような回転角度は、例えば、上述のようなシーケンスデータを利用して実現される。
【0100】
上述の形態では、所定の経路を回転させる所定の条件として、特定の操作が採用されているが、所定の条件は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム中の所定のオプションを取得した場合、一定の得点以上を獲得した場合等のゲーム状況に応じた条件が所定の条件として採用されてもよい。従って、回転させるべきか否かの判断に利用される実行条件、回転時期、回転角度等は、シーケンスデータ等により指定される形態に限定されない。例えば、プログラム上に直接記述されていてもよい。
【0101】
所定の経路が回転の中心として利用する所定の回転軸は、所定の経路に沿って延びる軸に限定されない。例えば、所定の経路と交差する方向に延びる軸が所定の回転軸として採用されてもよい。所定の回転軸の延びる方向が所定の経路の延びる方向と一致する場合には回転の前後において所定の経路の延びる方向を一致させることができる。一方で、一致しない場合には、回転の前後で所定の経路が延びる方向に変化が生じるので、より大きな変化を与えることができる。
【0102】
上述の形態では、ゲーム機で実行されるゲームとして音楽ゲームが採用されているが、ゲーム機で実行されるゲームは、音楽ゲームに限定されない。操作されるべき基準時期に基準部の位置が指定される限りにおいて、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム等の各種ゲームがゲーム機で実行されてもよい。更に、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ゲーム機
3 コントロールパネル(入力装置)
4 スピーカ(音声出力装置)
13 ボタン(操作部)
15 制御ユニット(操作案内手段、経路回転手段、経路位置変更手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(シーケンスデータ記憶手段、楽曲データ記憶手段、回転時期データ記憶手段、実行条件データ記憶手段、角度特定データ記憶手段、回転方向データ記憶手段)
30 シーケンスデータ(シーケンスデータ、回転時期データ、実行条件データ、角度特定データ、回転方向データ)
40 ゲーム画面
TL トラック(所定の経路)
KL 基準ライン(現在時刻標識)
UP 奥側(出発位置)
DP 手前側(到達位置)
OJ オブジェクト(基準標識)
RL 回転軸(所定の回転軸)
CP 所定の中心位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、「出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示される」ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に現在時刻に対応する基準線と一致するように、ノーツバーを基準線に向かって移動させることにより操作時期を案内する音楽ゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、ノーツバーと基準線との一致により、操作時期が案内される。また、案内される操作時期と操作手段としての模擬ギターに対する実際の操作時期とが比較され、実際の操作時期が評価される。しかし、ノーツバーが表示される位置、ノーツバーの移動経路等は、一定である。このため、プレイヤの慣れを生み、ゲームの興趣性を低下させるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤの慣れを抑制することができるゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム及び、制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、出発位置(UP)から到達位置(DP)まで所定の経路(TL)に沿って移動する基準標識(OJ)がゲーム画面(40)に表示されるゲーム機であって、所定の条件に基づいて、ゲーム中に所定の回転軸(RL)を中心として前記所定の経路を回転させる経路回転手段(15)を備えている。
【0007】
本発明によれば、所定の条件に基づいて、所定の経路が回転する。これにより、基準標識の表示位置、表示範囲、移動方向等を変化させることができるので、プレイヤの視線或いは、操作等を変化させることができる。或いは、このような変化を演出として利用することができる。これらにより、プレイヤの慣れを抑制することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路の回転に伴って、当該所定の経路が所定の中心位置(CP)を中心に当該所定の中心位置の周りを移動するように、前記所定の経路が配置される位置を変化させる経路位置変更手段(15)を更に備えてもよい。この場合、回転に加えて位置の移動という変化を付与できるので、よりプレイヤの慣れを抑制することができる。
【0009】
所定の経路は、どのように回転してもよいし、所定の中心位置の周りをどのように回ってもよい。例えば、本発明の所定の経路の位置が変化する態様において、前記経路位置変更手段は、前記所定の経路が一回転した状態において移動を開始した元の位置に前記所定の経路が戻るように、前記所定の経路の回転角度に応じて前記所定の経路が配置される位置を変化させてもよい。或いは、前記経路回転手段は、前記所定の経路が前記所定の中心位置の周りを回るように移動する周回方向(RD)と対応する方向(RR)に前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、回転方向と周回方向とが対応するので、演出効果を向上させることができる。
【0010】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の回転軸は、前記所定の経路に沿って延びていてもよい。この場合、回転の前後において、所定経路が延びる方向を一致させることができる。
【0011】
所定の中心位置は、どこに配置されてもよい。例えば、本発明の所定の中心位置が利用される態様において、前記所定の中心位置は、前記所定の経路の延長線上であって、前記出発位置の側に配置されていてもよい。
【0012】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路を回転させるべき回転時期が記述された回転時期データ(32)を記憶する回転時期データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記回転時期データに記述された前記回転時期に、前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、回転時期データを利用して、回転時期を指定することができる。
【0013】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路を回転させるべきか否かの実行条件を特定するための実行条件情報が記述された実行条件データ(32)を記憶する実行条件データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記所定の条件として前記実行条件情報にて特定される前記実行条件を利用し、前記実行条件を満たした場合に、前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、実行条件情報を利用して所定の経路を回転させる条件を指定することができる。
【0014】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路の回転角度を特定するための角度特定情報が記述された角度特定データ(32)を記憶する角度特定データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記角度特定データに基づいて、前記角度特定情報にて特定される回転角度まで前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、角度特定データを利用して、所定の経路を回転させる角度を指定することができる。
【0015】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の経路の回転方向を特定するための回転方向情報が記述された回転方向データ(32)を記憶する回転方向データ記憶手段(20)を更に備え、前記経路回転手段は、前記回転方向データに基づいて、前記回転方向情報にて特定される方向に前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、回転方向データを利用して、所定の経路を回転させる方向を指定することができる。
【0016】
本発明のゲーム機の一態様において、少なくとも一つの操作部(13)を有する入力装置(3)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作を実行すべき操作時期が記述されたシーケンスデータ(32)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応させて前記基準標識を表示し、前記現在時刻に対応する現在時刻標識(KL)とともに前記基準標識を、前記ゲーム上にて前記所定の経路に沿って時間順の配置で表示させ、かつ、各操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記基準標識と前記現在時刻標識との間の距離が減少するように、前記基準標識と前記現在時刻標識との間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、前記操作時期を案内する操作案内手段(15)と、を更に備えてもよい。この場合、所定の経路は、操作の案内に利用されるので、よりプレイヤの注意を集め易い。このため、所定の経路の回転を通じて、変化をプレイヤにより印象付けることができる。これにより、プレイヤの慣れをより抑制することができる。
【0017】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の条件として前記操作部に対する特定の操作が採用され、前記経路回転手段は、前記特定の操作が実行された場合に、前記所定の経路を回転させてもよい。この場合、特定の操作に回転の実行の可否が依存するので、この操作に対する動機付けをすることができる。
【0018】
本発明のゲーム機の一態様において、音声を再生出力する音声出力装置(4)と、楽曲を再生させるための楽曲データ(29)を記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(15)と、を更に備え、前記シーケンスデータには、前記操作時期として、前記楽曲の再生中における時期が記述されていてもよい。この場合、プレイヤの慣れを抑制することができる音楽ゲームを提供することができる。
【0019】
本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、出発位置(UP)から到達位置(DP)まで所定の経路(TL)に沿って移動する基準標識(OJ)がゲーム画面(40)に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータ(15)を、所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸(RL)を中心として回転させる経路回転手段として機能させるように構成されたものである。
【0020】
また、本発明のゲーム機の制御方法は、出発位置(UP)から到達位置(DP)まで所定の経路(TL)に沿って移動する基準標識(OJ)がゲーム画面(40)に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータ(15)に、所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸(RL)を中心として回転させる経路回転工程を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム或いは、制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0021】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明によれば、所定の経路の回転を通じて、基準標識の表示位置、表示範囲、移動方向、移動距離等を変化させることができるので、プレイヤの視線或いは、操作等を変化させることができる。これにより、プレイヤの慣れを抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図。
【図2】図1のコントロールパネルを拡大して示す図。
【図3】ゲーム機の機能ブロック図。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図。
【図5】ゲーム画面の他の例を示す図。
【図6】図5のゲーム画面から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図7】トラックが回転を開始する直前の状態にあるゲーム画面を示す図。
【図8】図7から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図9】図8から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図10】図9から一定時間経過後のゲーム画面を示す図。
【図11】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図12】指示経路表示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図13】カーソル表示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図14】カーソル位置制御処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図15】経路回転処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図16】操作評価ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す図である。図1に示すように、ゲーム機1は、モニタ2と、入力装置としてのコントロールパネル3と、音声出力装置としての2つのスピーカ4と、を備えている。各スピーカ4は、発光可能に構成され、プレイ中には、その発光色が変化する。なお、ゲーム機1には、コントロールパネル3の他にも、ボリューム操作スイッチ、電源スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。また、ゲーム機1は、複数台並べて使用されてもよい。
【0025】
図2は、図1のコントロールパネル3を拡大して示す図である。図2に示すように、コントロールパネル3には、回転操作部材としての2つのボリュームコントローラ9と、操作部としての6つのボタン13とが設けられている。6つのボタン13は、4つの大ボタン13Dと、大ボタン13Dよりも小さい2つの小ボタン13Sに分類される。また、表面3Sは、第1領域D1と、第2領域D2に分類される。図2の破線Dは、第1領域D1と第2領域D2の境界を示している。図2に示すように、4つの大ボタン13Dは、2つの小ボタン13Sの上方の第1領域D1に配置され、2つの小ボタンは、第1領域D1の下方の第2領域D2に配置される。また、4つの大ボタン13Dは、水平方向に一列を形成するように配置されている。一方、2つの小ボタン13Sも、水平方向に一列を形成するように配置されている。
【0026】
更に、6つのボタン13は、コントロールパネル3の表面3Sを左右方向LRに二分する縦断線JLを基準に左右対象な位置にそれぞれ配置されている。縦断線JLは、第1領域D1及び第2領域D2も左右に二等分する。つまり、コントロールパネル3は、縦断線JLにより左側領域3Aと右側領域3Bとに分類され、これらの領域3A、3Bのそれぞれには、3つのボタン13が含まれる。そして、左側領域3Aに含まれる3つのボタン13と右側領域3Bに含まれる3つのボタン13とは、縦断線JLを基準として、左右対象な位置に配置されている。また、小ボタン13Sは、各領域3A、3Bに含まれる2つの大ボタン13D間の左右方向LRの中間に形成される中間線BT上に配置される。このように、左右の領域3A、3Bにそれぞれ含まれる1つの小ボタンと2つの大ボタン13Dとの間には所定の位置関係が形成される。なお、図2の縦断線JL、中間線BT等の破線は、想像線であり、実際のコントロールパネル3に設けられていない。
【0027】
ボリュームコントローラ9は、第2領域D2に配置されている。また、2つのボリュームコントローラ9も縦断線JLにより、左側領域3Aに含まれる左側ボリュームコントローラ9Aと、右側領域3Bに含まれる右側ボリュームコントローラ9Bとに分類される。これらのボリュームコントローラ9A、9Bも縦断線JLを基準にして、左右対象に配置されている。また、ボリュームコントローラ9は、中心線CLを有する円柱状に形成されている。ボリュームコントローラ9は、中心線CLに沿って表面3Sと交差する方向に延びる軸部(不図示)と、軸部に固定されるように取り付けられるツマミ部9Tとを含んでいる。軸部は中心線CLを中心に左右両方に回転可能に設けられている。つまり、ボリュームコントローラ9は、中心線CLを中心として、左回り及び、右回りの両方に回転可能に構成されている。ボリュームコントローラ9は、ツマミ部9Tを介して、プレイヤにより左右両方向に回転操作される。また、ツマミ部9Tの外周部分SPは、回転操作に伴って位置が変化する。ツマミ部9Tの外周部分SPが本発明の基準部として機能する。
【0028】
図3は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図3に示すように、ゲーム機1の内部には、コンピュータとしての制御ユニット15が設けられている。また、コントロールパネル3、モニタ2及び、スピーカ4は、制御ユニット15に接続されている。制御ユニット15は、制御主体としてのゲーム制御部16と、そのゲーム制御部16からの出力に従って動作する表示制御部17及び、音声出力制御部18と、を備えている。ゲーム制御部16は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。
【0029】
表示制御部17は、ゲーム制御部16から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ2に出力することにより、モニタ2上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部18は、ゲーム制御部16から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、スピーカ4に出力することにより、スピーカ4から所定の音声(楽曲等を含む)を再生させる。
【0030】
また、ゲーム制御部16には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、或いはEEPROM等の不揮発性半導体メモリといった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0031】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム21には、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23、評価モジュール24及びルート制御モジュール25が含まれている。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部16はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行してゲーム機1として動作するために必要な各種の処理を実行する。
【0032】
続いて、ゲーム制御部16は、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16にはシーケンス処理部26が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16には操作評価部27が生成される。更に、ゲームプログラム21のルート制御モジュール25がゲーム制御部16にて実行されることにより、ゲーム制御部16にはルート制御部28が生成される。シーケンス処理部26、操作評価部27及びルート制御部28は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。
【0033】
シーケンス処理部26は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、或いはプレイヤの操作に応じて効果音等の演出を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部27は、プレイヤの操作を評価する処理を実行する。また、ルート制御部28は、ゲーム中に表示される所定の経路の表示態様を変化させる処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述した各モジュール23、24、25の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部16にはそれらのモジュールに対応した論理的装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0034】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ29、効果音データ30及び、画像データ31が含まれている。楽曲データ29は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ4から再生出力させるために必要なデータである。図3では、一種類の楽曲データ29が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数種類の楽曲にそれぞれ対応した複数種類の楽曲データ29が楽曲を識別するための情報を付して記録されている。楽曲データ29を記憶することにより、外部記憶装置20は楽曲データ記憶手段として機能する。
【0035】
効果音データ30は、プレイヤの操作に応答してスピーカ4から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽曲その他の様々な種類の音声を含む。効果音データ30は、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されていてもよい。画像データ31は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ2に表示させるためのデータである。
【0036】
ゲームデータ22には、更に、シーケンスデータ32が含まれている。シーケンスデータ32は、プレイヤに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データ29に対して、最低一つのシーケンスデータ32が用意される。シーケンスデータ32の詳細は後述する。
【0037】
コントロールパネル3には、内部に検出装置35が設けられている。検出装置35は、ボタン13への操作或いは、ボリュームコントローラ9への操作を検出する。具体的には、検出装置35は、ボリュームコントローラ9の回転量及び回転方向(或いは、基準となる部分の円周方向の位置)、又は、ボタン13を押す操作の有無を検出する。検出装置35の検出結果は、ゲーム制御部16に出力され、ゲーム制御部16が実行する各種処理に利用される。なお、検出装置35として、周知な装置が適用されてよい。また、検出装置35は、ボリュームコントローラ9用とボタン13用とに分けて設けられていてもよいし、6つボタン13及び2つボリュームコントローラ9のそれぞれ毎に設けられていてもよい。
【0038】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1では、再生される楽曲に対応した適切な操作が評価される音楽ゲームが実行される。図4〜図10を参照して、具体的に説明する。図4は、ゲーム画面の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、ゲーム画面40は、経路表示領域KRを含んでいる。経路表示領域KRには、所定の経路としての4つのトラックTLと、2つの予備トラックYTとが含まれる。4つのトラックTLは、仮想3次元空間を演出するように、画面の一端側としての奥側(上方)UPから他端側としての手前側(下方)DPに向かって延びている。4つのトラックTLは、画面の奥側UPから手前側DPに向かって延びる2つの区分線SLの間に配置されている。トラックTLが延びる奥行方向TDは、時間軸方向(第1方向)として利用される。また、これら4つのトラックTLは、4つの大ボタン13Dにそれぞれ対応する。更に、2つの区分線SLのそれぞれの側方には、画面の奥側UPから手前側DPに向かって延びる予備トラックYTが配置されている。
【0039】
経路表示領域KRの下方(手前側)には、現在時刻標識としての基準ラインKLが配置される。基準ラインKLは、左右方向(第2方向)に4つのトラックTLを横断するように直線状に延びている。また、各トラックTLには、適宜な時期に基準標識としてのオブジェクトOJが表示される。また、同様に、適宜な時期に大オブジェクトDJも表示される。大オブジェクトDJは、4つのトラックTLのうち左側2つ、或いは右側2つに跨るように配置される。オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJは、トラックTLの奥側UPから手前側DPに向かって移動する。プレイヤには、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJの基準ラインKLへの到達に合わせて適切な操作の実行が要求される。具体的には、オブジェクトOJの基準ラインKLへの到達に合わせて、オブジェクトOJが配置されているトラックTLに対応する大ボタン13Dを押す操作がプレイヤに要求される。また、大オブジェクトDJの基準ラインKLへの到達に合わせて、大オブジェクトDJが跨る2つのトラックTLに対応する大ボタン13Dの下方に位置する小ボタン13Sを押す操作がプレイヤに要求される。このプレイヤの操作時期と、オブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJが基準ラインKLに到達した時期との間のずれが評価される。なお、この形態では、トラックTLの奥側UPの一端が出発位置として、基準ラインKLが到達位置として、それぞれ機能している。
【0040】
経路表示領域KRには、適宜な時期に指示経路Rが表示される。図5は、ゲーム画面の他の例を示す図である。図5に示すように、ゲーム画面40Rには、2つの指示経路Rが含まれている。2つの指示経路Rは、互いに交差してXという文字を描くように画面の奥側UPに配置されている。具体的には、一方の指示経路R1が右側の予備トラックYTから左側の予備トラックYTに向かって4つのトラックTLと斜めに交差しつつ延び、他方の指示経路R2が左側の予備トラックYTから右側の予備トラックYTに向かって4つのトラックTLと斜めに交差しつつ延びている。そして、一方の右側指示経路R1が右側ボリュームコントローラ9Bに、他方の左側指示経路R2が左側ボリュームコントローラ9Aに、それぞれ対応する。
【0041】
指示経路Rも時間の経過に伴って基準ラインKLに向かって移動する。図6は、図5のゲーム画面40Rから一定時間経過後のゲーム画面を示す図である。図6に示すように、指示経路Rの基準ラインKLへの到達に合わせて、基準ラインKL上には、2つの指示経路Rのそれぞれに対応する2つのカーソルKGが表示される。カーソルKGは、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に対応して、基準ラインKL上を左右に移動する。具体的には、右側指示経路R1に対応して表示される右側カーソルKG1が右側ボリュームコントローラ9Bに、左側指示経路R2に対応して表示される左側カーソルKG2が左側ボリュームコントローラ9Aの回転操作にそれぞれ対応して移動する。
【0042】
プレイヤには、各カーソルKGが対応する各指示経路Rの外にはみ出さないような操作が要求される。つまり、右側カーソルKG1は右側指示経路R1の外に、左側カーソルKG2は左側指示経路R2の外に、それぞれ出ない位置に配置されるような回転操作がプレイヤに要求される。カーソルKGが指示経路Rの外に出た場合には、ペナルティが与えられる。一方、指示経路Rが基準ラインKLを通過するまで、カーソルKGが指示経路Rの外に出なかった場合には、特典が与えられる。なお、ペナルティとして、例えば、値がゼロになった場合にゲームが終了する所定のゲージの減算、獲得した得点の減算が利用されてよい。また、特典の付与のみでペナルティがなくてもよい。特典の一例として、得点の獲得、所定のゲージの加算等が利用されてよい。
【0043】
また、所定の条件を満たした場合には、所定の回転軸を中心としてトラックTLを含む経路表示領域KRが回転を開始する。また、この回転に伴って経路表示領域KRが配置される位置も所定の中心位置の周りを回るように移動する。所定の条件として、例えば、オブジェクトOJの基準ラインKLへの到達に合わせて、適切な操作が実行された場合という特定の操作が採用される。なお、特定の操作として、その他にも、例えば、カーソルKGが指示経路Rの一端から他端まで指示経路R上から外れないような操作が採用されてもよい。
【0044】
図7は、トラックTLが回転を開始する直前の状態にあるゲーム画面を示す図である。図7の破線は、所定の回転軸としての回転軸RLを示している。図7に示すように、回転を開始する前には、トラックTLの表面TLsは、他の図と同様に、上方を向くように配置されている。また、回転軸RLは、トラックTLが延びる方向に沿うように、つまり奥行方向TDに沿うように奥側UPから手前側DPに向かって延びている。そして、回転軸RLは、トラックTLの左右方向、つまり4つのトラックTLの並び方向の中心に配置されている。なお、実際のゲーム画面には、回転軸RLは表示されていない。
【0045】
一方、所定の中心位置CPは、トラックTLの奥側UP、つまりオブジェクトOJ等が移動を開始する出発位置の側に配置されている。また、所定の中心位置CPは、トラックTLを更に奥側へ延長した場合の延長線上に位置している。従って、トラックTLを含む経路表示領域KRは、所定の中心位置CPの下方に位置している。また、トラックTLの表面TLsは、所定の中心位置CPの方を向くように配置されている。
【0046】
図8は、図7の状態から一定時間経過後のトラックTLの状態を示す図である。図8では、図7の回転軸RLの位置、つまり回転を開始する前の回転軸RLの位置を破線RLpにて示している。図8に示すように、トラックTLを含む経路表示領域KRは、所定の中心位置CPの左側方の位置に配置されている。また、回転前の回転軸RLの位置を示す破線RLpと比較して回転軸RLは、右回り方向RDに所定の中心位置CPの周りを回るように90°近く移動している。つまり、経路表示領域KRの位置は、所定の中心位置CPを中心として、その周りを回るように、所定の中心位置CPの下方の位置から左側方の位置に右回り方向RDに移動している。
【0047】
また、経路表示領域KRに含まれるトラックTLにも回転により、傾斜が生じている。具体的には、トラックTLは、回転軸RLを中心として右回転方向RRに約90°近くの角度まで、つまり約1/4回転近く回転している。このため、トラックTLの表面TLsは右側方を向くように元の上方を向く状態から約90°近く傾斜している。また、これにより、トラックTLの表面TLsは、移動後も所定の中心位置CPの側を向いている。
【0048】
図9は、図8の状態から更に一定時間経過し、トラックTLが半回転した状態を示す図である。図9に示すように、トラックTLが半回転した状態では、経路表示領域KRは、所定の中心位置CPの上方に配置されている。つまり、図8の経路表示領域KRの位置から右回り方向RDに更に90°近く移動している。また、トラックTLは、回転軸RLを中心として右回転方向RRに、図8の状態からは更に90°近く、図7の状態からは約180°近く、それぞれ回転している。これにより、トラックTLの表面TLsは、半回転した状態においても所定の中心位置の側、つまり下方を向いている。
【0049】
また、図10は、図9の状態から一定時間経過後のトラックTLの状態を示す図である。図10に示すように、経路表示領域KRは、回転軸RLを中心として、図9の半回転の状態から右回転方向RRに更に90°近く回転が進んでいる。また、この回転に伴って、経路表示領域KRも所定の中心位置CPの周りを回るように図9の状態から更に90°近く右回り方向RDに移動し、所定の中心位置CPの右側方に配置されている。つまり、経路表示領域KRは、図8の状態と所定の中心位置CPを挟んで反対に傾斜し、トラックTLの表面TLsが左側方に位置する所定の中心位置CPの方を向く位置に配置されている。従って、この場合にもトラックTLの表面TLsは、所定の中心位置CPの方を向いている。
【0050】
図10の状態から一定時間経過すると、トラックTLを含む経路表示領域KRは、回転を開始する前の元の状態、つまり図7の状態に戻る。このように、経路表示領域KRが回転軸RLを中心に一回転する時期と経路表示領域KRが所定の中心位置CPを中心にその周りを一周して元の位置に戻る時期とは一致している。つまり、回転軸RLを中心として回転する回転角度と、所定の中心位置CPの周りを周回移動する移動角度とが一致するように、経路表示領域KRは回転し、周回移動する。また、周回移動の周回方向と、回転の回転方向とは、いずれも右方向という同じ方向である。つまり、周回方向と回転方向とは互いに対応関係にある。結果として、経路表示領域KRは、トラックTLの表面TLsが常に所定の中心位置CPの方を向くように、所定の中心位置CPの周りを移動しつつその周回方向に合わせて回転する。
【0051】
一方、各ボリュームコントローラ9A、9Bには、再生中の楽曲に変化を与えるための各要素(各機能を含む)がそれぞれ割り当てられる。例えば、楽曲に変化を与える各要素として、A領域3Aの左側ボリュームコントローラ9Aにはギター音が、右側ボリュームコントローラ9Bにはボーカル音が、それぞれ割り当てられる。そして、各ボリュームコントローラ9A、9Bに対する回転操作に応じて、ギター音或いは、ボーカル音の音量が変化する。
【0052】
なお、ボリュームコントローラ9には、他にも例えば、エフェクタの機能が割り当てられてもよい。具体的には、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、楽曲へのエフェクトの程度が変化してもよい。このようなエフェクトとして、例えば、楽曲のオリジナルの音源に対して特定の周波数帯域の音を強調するような変化が実現されてもよい。この場合、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、強調される帯域周波数が増減されればよい。
【0053】
或いは、ボリュームコントローラ9には、スクラッチ機能、つまり楽曲の再生速度を増減させる機能が割り当てられてもよい。具体的には、ボリュームコントローラ9に対する回転操作に応じて、再生速度の増加に対応するスクラッチ効果及び、再生速度の減少に対応するスクラッチ効果を楽曲に生じさせてもよい。また、ボタン13には、所定の効果音が割り当てられてもよい。つまり、ボタン13が押されることにより、楽曲中に所定の効果音が追加されてもよい。
【0054】
次に、図11を参照してシーケンスデータ32の詳細を説明する。図11は、シーケンスデータ32の内容の一例を示す図である。図11に示したように、シーケンスデータ32は、条件定義部32aと、操作シーケンス部32bと、を備えている。条件定義部32aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、楽曲の長さといったゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が記述される。
【0055】
一方、操作シーケンス部32bには、ボタン13及びボリュームコントローラ9に対する操作の指示が楽曲中の時刻と対応付けて記述される。また、操作シーケンス部32bには、経路表示領域KRを回転させる時期等の指示も含まれている。図11に示すように、操作シーケンス部32bは、指示経路Rを形成するために利用される指示経路情報部32rと、トラックTL上にオブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJを配置するために利用されるオブジェクト情報部32iと、経路表示領域KRを回転させる時期及び条件の指示に利用される回転条件情報部32sと、を含んでいる。
【0056】
指示経路情報部32rには、楽曲中の時期(基準時期)の情報と、交差方向位置としての時間軸方向(奥行方向TD)と交差する左右方向(第2方向)に延びる基準ラインKL上の位置の情報(位置情報)、指示経路Rの幅の情報及び、指示経路パターンの情報とが含まれている。指示経路情報部32rは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図11の例では、各情報は、指示経路Rが開始する楽曲中の時期、つまり開始時期の情報、指示経路Rの開始時期における基準ラインKL上の位置の情報、指示経路Rが終了する楽曲中の時期、つまり終了時期の情報、指示経路Rの終了時期における基準ラインKL上の位置の情報、指示経路Rの幅の情報、指示経路パターンの情報の順に左から記述されている。また、指示経路情報部32rの冒頭には“LINE POINT”と記述されている。指示経路情報部32rは、この記述により他の情報部、例えば、オブジェクト情報部32i或いは、回転条件情報部32sと区別される。
【0057】
開始時期及び終了時期といった基準時期の情報は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の長さをn個の単位時間に等分して先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を基準時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。
【0058】
基準ラインKL上の位置の情報は、基準ラインKLが延びる左右方向の各位置を示す数値を利用して記述される。例えば、このような各位置を示す数値として、基準ラインKLの左右方向の長さが所定の数で等分され、等分された単位長さ(単位範囲)に対応する各位置が左端から順に番号付けられた場合の数(単位長さの数)が利用される。図11の例では、所定の数として128が利用されている。また、基準ラインKLの左端の位置から右端の位置まで0、1、2、という具合に右端の位置の128まで各位置に順に番号が付されている。つまり、基準ラインKLの左端の位置が指定される場合には0という数値が、右端の位置が指定される場合には128という数値が、それぞれ記述される。なお、基準ラインKLの情報は、当該情報に対応する基準時期が到来した際に、数値で指定された基準ラインKL上の位置に指示経路Rが配置されることを意味する。つまり、基準ラインKLの情報は、基準ラインKL上の指示経路Rと重なる部分の位置を意味する。また、基準時期が到来する前には、基準ラインKL上の位置の情報は、基準ラインKLの左右方向の位置に対応するトラックTL或いは、予備トラックYTの左右方向の各位置の指定として機能する。
【0059】
基準ラインKL上の位置の情報は、ボリュームコントローラ9を指定する情報としても機能する。具体的には、終了時期に対応付けられる基準ラインKL上の位置が右端の位置に対応している場合には右側ボリュームコントローラ9Bを、左端の位置に対応している場合には左側ボリュームコントローラ9Aを、それぞれ指定する情報として機能する。なお、左右のボリュームコントローラ9A、9Bの指定は、指示経路情報部32rの冒頭の記述を利用して行われてもよい。例えば、冒頭の記述が“LINE POINT1”の場合は左側ボリュームコントローラ9Aに、“LINE POINT2”の場合は右側ボリュームコントローラ9Bに、それぞれ対応する指示経路情報部32rとして機能してもよい。
【0060】
指示経路Rの幅は、基準ラインKL上の各位置を示す単位長さを利用して指定される。例えば、指示経路Rの幅は、“10”と記述され、この場合、単位長さで10個分の長さの幅が指定されている。指示経路パターンは、各指示経路パターンに対応付けられたアルファベットを利用して指定される。例えば、図5の例に対応するX型のパターンに“A”が、その他のパターンに“B”が、それぞれ対応づけられる。そして、図5の例に対応するX型のパターンを指定する場合には、指示経路パターンとして“A”が記述される。なお、このような指示経路パターンとアルファベットとの対応付けは不図示の別テーブルにより実現される。
【0061】
図11の例では、一小節目の二拍目の開始時点(“000”)が開始時期に、一小節目の二拍目の開始時点から“016”だけ経過した時期が終了時期に、それぞれ指定され、かつ、開始時期の位置としての基準ラインKLの左端の位置(“0”)が、終了時期の位置として基準ラインKLの右端の位置(“128”)が、それぞれ指定されている。また、この指示経路Rの幅として“10”が、パターンとして“A”、つまりX型が指定されている。従って、一小節目の二拍目の開始時点(“000”)に基準ラインKLの左端の位置に到達するように開始され、一小節目の二拍目の開始時点から“016”だけ経過した時期に右端の位置で終了するように幅“10”で文字Xを描くように延びる指示経路Rが表示される。
【0062】
一方、オブジェクト情報部32iには、楽曲中の時期の情報と、4つのトラックTLのうちのいずれかを指定するトラック情報と、オブジェクトの種類を指定するオブジェクト情報とが含まれる。オブジェクト情報部32iは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図11の例では、各情報は、左から楽曲中の時期の情報、トラック情報、オブジェクト情報の順に記述されている。また、オブジェクト情報部32iの冒頭には“ITEM POINT”と記述され、この記述により他の情報部、例えば、指示経路情報部32r或いは、回転条件情報部32sと区別される。
【0063】
楽曲中の時期の情報は、指示経路情報部32rと同様に記述される。この時期は、オブジェクトが基準ラインKLに到達すべき時期に対応する。つまり、この時期は、適切な操作を実行すべき操作時期の指定として機能する。トラック情報は、4つのトラックTLを指定する情報を利用して記述される。例えば、左端のトラックTLから順に1、2、3、4と番号が付され、左端のトラックTLを指定する場合には“track1”という情報が、その隣のトラックTLを指定する場合には“track2”という情報が、それぞれ記述される。オブジェクト情報は、オブジェクトOJ又は大オブジェクトDJにそれぞれ対応付けられたアルファベットを利用して記述される。例えば、オブジェクトOJには“S”が対応づけられる。また、大オブジェクトDJには、出現するトラックTLの位置に応じて、左側2つのトラックTLに跨る場合には“A”が、右側2つのトラックTLに跨る場合には“B”が、それぞれ対応づけられる。なお、大オブジェクトDJの種類には、その他にも長さ等に応じて、その他のアルファベットが対応付けられてよい。
【0064】
図11の例では、左端のトラックTL(“track1”)上を一小節目の一拍目の開始時点(“000”)に基準ラインKLに到達するように移動するオブジェクトOJ(“S”)を表示するという指示が記述されている。一方、一小節目の一拍目の開始時点から“0012“だけ経過した時期に基準ラインKLに到達するように左側2つのトラックTLに跨って移動する大オブジェクトDJを表示するといった指示も記述されている。
【0065】
回転条件情報部32sには、回転を開始させるべき回転時期を示す回転時期情報と、回転を開始させるために具備すべき実行条件を示す実行条件情報と、回転方向等の回転の種類を示す回転方向情報としての回転種類情報とが含まれている。回転条件情報部32sは、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図11の例では、回転時期情報、実行条件情報、回転種類情報の順に左から記述されている。また、回転条件情報部32sの冒頭には、“ROTATION POINT”と記述されている。回転条件情報部32sは、この記述により他の情報部、例えば、指示経路情報部32r、或いは、オブジェクト情報部32iと区別される。
【0066】
回転時期情報には、回転を開始させるべき回転時期が指示経路情報部32rの基準時期の情報と同様に記述される。つまり、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。実行条件情報には、実行条件を示す“0”、“1”といった数字が記述される。これらの数字は、具体的な条件と対応付けられている。例えば、“0”はオブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合という条件に対応付けられ、“1”は指示経路Rに対して適切な操作(カーソルKGを指示経路Rから外れないように移動させる)が実行された場合という条件に対応付けられる。このような対応付けは、例えば、不図示のテーブルにて実現されてよい。このテーブルを利用して、実行条件情報として記述された数字から実行条件の特定が可能である。シーケンスデータ32は、回転時期情報を含むことにより本発明の回転時期データとして、実行条件情報を含むことにより本発明の実行条件データとして、それぞれ機能する。
【0067】
回転種類情報は、“−1”、“−2”といったマイナス符号と数字とが結合した記号により記述される。これらの記号は、具体的な回転の種類と対応付けられている。例えば、“−1”は時計回り(右回転)に1回転という回転の種類に対応付けられ、“−2”は反時計回り(左回転)に1回転という回転の種類に対応付けられる。このような対応付けは、例えば、不図示のテーブルにて実現されてよい。このテーブルを利用して、回転種類情報として記述された記号から回転方向或いは回転角度の特定が可能である。また、経路表示領域KRが回転する回転方向と、所定の中心位置CPを中心に周回移動する周回方向とは対応関係にある。このため、回転種類情報は、周回方向の指定にも該当する。具体的には、時計回りが指定されている場合には周回方向として右回りの指定に、反時計回りの指定がされている場合には左回りの指定に、それぞれ該当する。回転種類情報は、回転方向を指定する情報を含むことにより、回転方向情報として機能する。また、回転種類情報は、1回転等、回転角度を指定する情報を含むことにより、角度特定情報としても機能する。従って、シーケンスデータ32は、このような回転種類情報を含むことにより回転方向データ及び、角度特定データとしても機能する。
【0068】
なお、回転種類情報に利用される記号は、マイナス符号と数字とが結合した記号に限定されない。例えば、“1”等の単なる数字が利用されてもよい。また、回転角度は、1回転に限定されない。例えば、半回転、1/4回転、或いは、30°回転等の角度が回転角度として利用されてもよい。回転角度の指定は、例えば、“−3”が時計回りに半回転を指定するといった具合に回転方向と回転角度とが対応付けられた記号により実現されてよい。或いは、回転角度を指示する回転角度情報が、回転種類情報とは別に、回転条件情報部32sに設けられていてもよい。この場合、回転角度情報が角度特定情報として機能する。回転角度情報として、1回転、半回転、1/4回転等といった回転角度に対応付けられる各数字が記述されてよい。この場合、回転種類情報は、時計回り、反時計回りといった回転方向の特定のみに利用されてよい。更に、これらの回転角度情報及び回転種類情報は、同様の角度、同様の方向への周回移動の指定として機能してもよい。或いは、周回方向等の周回移動に関する指定を特定するための情報が別途設けられてもよい。
【0069】
図11の例では、四小節目の二拍目の開始時期から“024”だけ経過した時期が回転を開始させる時期として指定されている。そして、この時期の実行条件として、オブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合という条件が指定されている。また、この際の回転の種類として、反時計回り(左回転)に1回転が指定されている。従って、この例では、四小節目の二拍目の開始時期から“024”だけ経過した時期に、オブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合に、経路表示領域KRを反時計回り(左回転)に1回転させるといった具合に回転の指示が記述されている。
【0070】
上述したシーケンスデータ32に基づいて、指示経路Rを表示するための処理、オブジェクトOJ或いは大オブジェクトDJを表示するための処理、及び経路表示領域KRを回転させる処理といった各種処理は、ゲーム制御部16が実行する。これらの処理を実行することにより、ゲーム制御部16は、シーケンスデータ32で指定された基準時期において、指示経路R、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJが基準ラインKLと一致するように、指示経路R、オブジェクトOJ及び、大オブジェクトDJの表示を制御する。また、ゲーム制御部16は、適切な時期に適切な操作が実行された場合に、トラックTLを含む経路表示領域KRを回転させる。
【0071】
次に、ゲーム制御部16が音楽ゲームを実行する際の処理を説明する。ゲーム制御部16は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲームの開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えばゲームでプレイする楽曲、或いは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作を含む。それらの指示を受け付ける手順は、公知の音楽ゲーム等と同様でよい。
【0072】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部16は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ29を読み取って音声出力制御部18に出力することにより、スピーカ4から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット15が楽曲再生手段として機能する。
【0073】
更に、ゲーム制御部16は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ32を読み取って、画像データ31を参照しつつゲーム画面の描画に必要な画像データを生成して表示制御部17に出力する。これにより、ゲーム制御部16は、モニタ2上にゲーム画面を表示させる。また、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部16は、ゲーム画面の表示等に必要な処理として、図12に示す指示経路表示処理ルーチン、図13に示すカーソル表示処理ルーチン、図14に示すカーソル位置制御処理ルーチン、図15に示す経路回転処理ルーチン及び、図16示す操作評価ルーチンのそれぞれを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図12のルーチン、図13のルーチン、及び、図14のルーチンはシーケンス処理部26が、図15のルーチンはルート制御部28が、図16のルーチンは操作評価部27が、それぞれ担当する。また、ゲーム制御部16は、その他にもオブジェクトOJ或いは、大オブジェクトDJの表示を制御するための処理等を実行するが、周知な処理により実現されるので、それらの処理の詳細な説明は省略する。
【0074】
図12の指示経路表示処理ルーチンが開始されると、ゲーム制御部16のシーケンス処理部26は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。現在時刻は、例えば、楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部16の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から取得される。続くステップS2において、シーケンス処理部26は、シーケンスデータ32からゲーム画面に表示すべき時間長(所定の時間範囲)に含まれる指示経路情報部32rの基準時期(開始時期、終了時期)、基準ラインKL上の位置、幅、パターンといった各情報を取得する。所定の時間範囲は、一例として現在時刻から楽曲の二小節相当の時間長に設定される。
【0075】
次のステップS3にて、シーケンス処理部26は、ステップS2で取得した表示範囲内に含まれる各基準時期(開始時期及び、終了時期)にそれぞれ対応するゲーム画面内の各座標を演算する。その演算は、一例として、以下のように行われる。まず、シーケンス処理部26は、表示範囲に含まれている指示経路Rがいずれのボリュームコントローラ9に対応付けられているか判別する。この判別は、指示経路Rの終了時期として指定されている基準ラインKL上の位置に基づいて行われる。例えば、終了時期として基準ラインKL上の右端の位置が指定されている場合には右側ボリュームコントローラ9Bに、左端の位置が指定されている場合には左側ボリュームコントローラ9Aに、それぞれ対応するといった具合に判別される。次に、各基準時期と現在時刻との時間差に応じて、基準ラインKLの位置から時間軸方向(つまり、奥行方向TD)における各基準時期の位置を判別する。更に、各基準時期等に対応付けられた基準ラインKL上の位置の情報に基づいて、各基準時期における左右方向の位置を判別する。これらにより、基準ラインKLの位置から時間軸に沿った時間順の並びで、指定された各基準時期に対応する指定された左右方向の各位置の座標を取得することができる。
【0076】
各基準時期等にそれぞれ対応する座標の演算が完了すると、シーケンス処理部26は、ステップS4に進む。ステップS4にて、シーケンス処理部26は、ステップS3で演算された基準時期の座標とステップS2で取得した各情報とに基づいて、指示経路Rを描画するために必要な画像データを生成する。この画像データの生成は、指示経路情報部32rに含まれる各基準時期(開始時期、終了時期)の座標、指示経路Rの幅の情報、及び、指示経路パターンの情報に基づいて行われる。具体的には、指定された指示経路Rの幅を有するように開始時期の座標及び終了時期の座標を指示経路パターンに従って接続された指示経路Rを表示するための画像データを生成する。これにより、各基準時期の時間順、つまり開始時期、終了時期の順に指定された左右方向の位置を経由しつつ指定の指示経路パターンに従って時間軸方向に延びる指示経路Rを表示するための画像データが生成される。
【0077】
続くステップS5にて、シーケンス処理部26は、表示制御部17にステップS4にて生成した画像データを出力して、今回のルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、ゲーム画面には、シーケンスデータ32にて記述された基準時期に所定の左右方向の位置を経由しつつ奥行方向TDに延びる指示経路Rが表示される。また、指示経路Rの各基準時期に対応する位置と基準ラインKLの位置とが現在時刻において一致するように、指示経路Rが奥行方向TDに移動表示される。
【0078】
次に、図13のカーソル表示処理ルーチンを説明する。図13のルーチンは、基準ラインKL上のカーソルKGの表示を制御するための処理である。図13のルーチンが開始されると、シーケンス処理部26は、シーケンスデータ32の指示経路情報部32rから表示範囲に含まれる指示経路Rの開始時期及び、終了時期の情報を取得する。続くステップS12において、シーケンス処理部26は、既にカーソルKGがゲーム画面に表示されているか否か、つまりカーソルKGの表示の有無を判別する。
【0079】
ステップS12の判別結果が否定的結果の場合、つまりゲーム画面内にカーソルKGの表示がないと判別した場合、シーケンス処理部26は、ステップS13に進む。ステップS13にて、シーケンス処理部26は、ステップS11で取得した情報に基づいて、現在時刻が開始時期か否か、つまり指示経路Rの開始時期が到来しているか否かを判別する。この判別が否定的結果の場合、つまり開始時期が到来していない場合には、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0080】
これに対して、ステップS13の判別結果が肯定的判別の場合、つまり開始時期が到来している場合には、シーケンス処理部26は、ステップS14に進む。ステップS14にて、シーケンス処理部26は、所定位置にカーソルKGの表示を開始して、ステップS15に進む。また、所定の位置として、基準ラインKL上の指示経路Rと重なる部分が利用される。ステップS15にて、シーケンス処理部は、カーソル位置制御処理のサブルーチンを実行する。このサブルーチンの詳細は後述する。ステップS15の処理を終えると、シーケンス処理部26は、今回のルーチンを終了する。
【0081】
一方、ステップS12の判別結果が肯定的結果の場合、つまりゲーム画面内に既にカーソルKGの表示があると判別した場合、シーケンス処理部26は、ステップS16に進む。ステップS16にて、シーケンス処理部26は、ステップS11で取得した情報に基づいて、現在時刻が終了時期か否か、つまり指示経路Rの終了時期が到来しているか否かを判別する。この判別が否定的結果の場合、つまり終了時期が到来していない場合には、シーケンス処理部26は、ステップS15に進む。
【0082】
ステップS15にて、シーケンス処理部26は、カーソル位置制御処理のサブルーチンを実行して、今回のルーチンを終了する。これに対して、ステップS16の判別結果が肯定的結果の場合、つまり終了時期が到来している場合には、シーケンス処理部26は、ステップS17に進む。ステップS17にて、シーケンス処理部26は、ゲーム画面からカーソルKGの表示を消して、つまりカーソルKGの表示を終了して、今回のルーチンを終了する。
【0083】
図14は、カーソル位置制御処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。このルーチンは、図13のルーチンのサブルーチンとして、図13ルーチンのステップS15にて呼び出されて実行される。図14のルーチンが開始されると、まずステップS21にて、シーケンス処理部26は、プレイヤのボリュームコントローラ9に対する操作結果を取得する。具体的には、プレイヤの操作結果として、検出装置35の出力信号を参照して、各ボリュームコントローラ9の回転方向及び回転量を取得する。
【0084】
続くステップS22において、シーケンス処理部26は、ステップS21で取得した各操作結果に基づいて、操作結果に対応するカーソルKGの座標を算出する。具体的には、操作結果に応じた移動先として表示すべきカーソルKGの座標を算出する。この座標の算出は、一例として、次のように実行される。まず、シーケンス処理部26は、取得した回転方向に基づいて、カーソルKGを移動させる方向を判別する。具体的には、ボリュームコントローラ9に右回転の操作がされた場合には移動させるべき方向として右方向を、左回転の操作がされた場合には移動させるべき方向として左方向を、それぞれ判別する。次に、回転量に基づいて、移動量を判別する。この判別は、ボリュームコントローラ9の回転可能な範囲(例えば、360°)の一部の範囲に判別範囲が設定されることにより実現される。具体的には、まず判別範囲として設定された角度を所定の数(基準ラインKLの位置の情報と共通する数)で等分し、単位角度を算出する。次に、回転量つまり、回転角度を単位角度の数量に置き換える。そして、この数量分の単位長さを移動量として算出する。このようにして算出した移動方向、及び、移動量(移動長さ)と、現在のカーソルKGの座標(表示開始時であれば、所定の位置)とから移動先として表示すべきカーソルKGの座標を算出する。
【0085】
次のステップS23において、シーケンス処理部26は、ステップS22で算出された座標に基づいて、カーソルKGの描画に必要な画像データを生成する。具体的には、ステップS22で算出された移動先の座標にカーソルKGを表示するための画像データを生成する。続くステップS24において、シーケンス処理部26は、表示制御部17に画像データを出力して、今回のルーチンを終了する。以上の処理が実行されることにより、基準ラインKL上にカーソルKGが表示され、かつ、カーソルKGがボリュームコントローラ9への操作に対応して基準ラインKL上を移動する。
【0086】
次に、図15の経路回転処理ルーチンを説明する。図15のルーチンは、経路表示領域KRを回転させるための処理である。図15のルーチンが開始されると、ルート制御部28は、まずステップS31において、シーケンスデータ32の各種情報を取得する。具体的には、ルート制御部28は、シーケンスデータ32から回転条件情報部32sの各情報を取得する。なお、この際、ルート制御部28は、回転条件情報部32sの全部の情報を取得してもよいし、所定の時間範囲に含まれる回転を開始させるべき回転時期に対応する各情報のみを取得してもよい。また、特定の操作を条件に回転を実行する場合には、実行条件を満たすか否かの判別のために、オブジェクト情報部32iの楽曲中の時期(操作時期)の情報を取得してもよい。
【0087】
次のステップS32において、ルート制御部28は、検出装置35の出力信号を参照して、プレイヤの操作結果を取得する。ルート制御部28は、例えば、検出装置35の出力信号を参照して、操作が実行されたボタン13及び、その操作が実行された時期といった操作結果を取得する。また、この際、現在時刻を基準に所定の評価時間内に含まれる操作結果が取得されてよい。所定の評価時間として、例えば、現在時刻を基準として現在時刻よりも所定時間前までの時間が採用されてもよいし、現在時刻を基準に前後の所定時間が採用されてもよい。続くステップS33において、ルート制御部28は、ステップS31で取得したシーケンスデータ32の回転時期の情報に基づいて、現在時刻が回転を開始すべき回転時期に該当するか否か判別する。現在時刻は、例えば、楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部16の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から取得される。この判別結果が否定的結果の場合、つまり現在時刻が回転時期に該当しない場合には、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0088】
一方、ステップS33の判別結果が肯定的結果の場合、つまり現在時刻が回転時期に該当する場合には、ルート制御部28は、ステップS34に進む。ステップS34において、ルート制御部28は、ステップS31で取得したシーケンスデータ32の回転条件情報部32s及び、ステップS32で取得した操作結果に基づいて、所定の評価時間範囲内において回転を実行すべき実行条件が満たされるか否かを判別する。より詳しくは、現在時刻に該当する回転時期に対応する実行条件を特定し、その特定した実行条件が所定の評価時間範囲内で満たされるか否かを判別する。この際、オブジェクト情報部32iの楽曲中の時期を利用して、実際の操作時期が適切な操作時期か否かが判別されてもよい。例えば、特定された実行条件が“0”であれば、オブジェクトOJに対して適切な操作が実行された場合には実行条件が満たされ、適切な操作が実行されていない場合には実行条件は満たされない。この判別結果が否定的結果の場合、ルート制御部28は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0089】
一方、ステップS34の判別結果が肯定的結果の場合、ルート制御部28は、ステップS35に進む。ステップS35において、ルート制御部28は、経路表示領域KRの回転及び、所定の中心位置CPの周りを回る周回移動を開始させる。この際、ルート制御部28は、シーケンスデータ32の回転種類情報に基づいて、これらの回転及び周回移動を指定された方向の指定された角度まで実行する。経路表示領域KRの回転及び周回移動は、周知な技術により実現されてよい。ステップS35の処理を終えると、ルート制御部28は、今回のルーチンを終了する。これにより、シーケンスデータ32の指定に基づく経路表示領域KRの回転及び周回移動が実現される。
【0090】
次に、図16の操作評価ルーチンを説明する。図16のルーチンは、プレイヤのボリュームコントローラ9に対する操作を評価するための処理である。また、図16のルーチンは、指示経路R毎、つまりボリュームコントローラ9毎に実行される。図16のルーチンが開始されると、操作評価部27は、まずステップS41において、指示経路Rが基準ラインKLに到達しているか否か判断する。この判断は、例えば、現在時刻と指示経路Rの開始時期及び終了時期とを比較することにより、実現される。具体的には、現在時刻が開始時期と終了時期の間の時刻であれば、指示経路Rが基準ラインKLに到達していると判断され、異なっていれば指示経路Rが基準ラインKLに到達していないと判断される。そして、この判断結果が否定的結果の場合には、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
【0091】
一方、ステップS41の判断結果が肯定的結果の場合、つまり、指示経路Rが基準ラインKLに到達している場合には、操作評価部27は、ステップS42に進む。ステップS42において、操作評価部27は、基準ラインKL上のカーソルKGの座標を取得する。この座標は、図14の処理結果を利用して取得されてもよいし、図14のステップS22と同様の処理により取得されてもよい。
【0092】
続くステップS43において、操作評価部27は、現在時刻に対応する基準ラインKL上の指示経路Rの範囲を特定する。この特定は、一例として、次のように行われる。まず、指示経路Rの開始時期と現在時刻とを比較して、開始時期からの経過時間を算出する。次に、指示経路Rの幅の情報及び、接続パターンの情報に基づいて、経過時間における指示経路Rの基準ラインKL上における左端の座標、及び右端の座標を算出する。このようにして、基準ラインKL上の指示経路Rの両端の座標を算出することにより、基準ラインKL上の指示経路Rの範囲、つまり基準ラインKLと指示経路Rが重なる重複範囲を特定する。
【0093】
次のステップS44において、操作評価部27は、評価を決定する。この決定は、一例として、次のように行われる。まず、ステップS42で取得したカーソルKGの座標がステップS43で特定した基準ラインKLと指示経路Rとが重なる重複範囲に含まれるか否か判別する。カーソルKGの座標が重複範囲に含まれる場合には、操作評価部27は、評価を特典の付与(或いは、ペナルティの免除)という結果に決定する。一方、カーソルKGの座標が重複範囲に含まれない場合、つまりカーソルKGの位置が指示経路R上から外れている場合には、ペナルティの付与(或いは、特典を付与しない)という結果に決定する。このようにして、操作評価部27は、ステップS44において評価を決定する。
【0094】
続くステップS45において、操作評価部27は、ステップS44の評価結果がゲーム画面の表示に反映されるように、表示制御部17への出力を制御する。具体的には、特典の付与という評価結果に対応して、得点の加算、ゲージの増加等がゲーム画面の表示に反映される。一方、ペナルティという評価結果に対応して、ゲージの減少等がゲーム画面の表示に反映される。ステップS45の処理を完了すると、操作評価部27は、今回のルーチンを終了する。
【0095】
従来の音楽ゲームには、所定の経路が表示されていないものも存在する。しかし、所定の経路が表示されていない場合には、操作を実行すべきタイミングを計り辛い。従って、所定の経路は、表示されている方がプレイヤにとってプレイし易い。また、途中で進行方向を変えつつ延びる所定の経路を利用して操作時期をプレイヤに案内する音楽ゲームも存在する。但し、このような所定の経路は、当初の形態、つまり当初設定された経路から変化しない。つまり、オブジェクト等は固定された経路を進行するに過ぎない。このため、慣れや興趣性の低下を生じ易い。
【0096】
以上に説明したように、この形態によれば、所定の実行条件を満たすことにより、所定の時期に経路表示領域KRが回転及び周回移動を開始する。経路表示領域KRには、トラックTLが含まれる。そして、トラックTLは、オブジェクトOJ等を通じて、プレイヤの操作時期等の指示に利用される。つまり、経路表示領域KRは、プレイヤの注目を集め易い。このため、経路表示領域KRの回転及び周回移動を通じて、プレイヤに変化及び、刺激を提供することができる。これにより、プレイヤの慣れを抑制することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0097】
以上の形態において、制御ユニット15がルート制御部28に図15のルーチンを実行させることにより、経路回転手段及び経路位置変更手段として機能する。また、制御ユニット15がシーケンス処理部26を通じてトラックTL、基準ラインKL及びオブジェクトOJを表示させ、かつ、トラックTLに沿ってオブジェクトOJを基準ラインKLに向かって移動させる周知な処理を実行することにより、操作案内手段として機能する。また、外部記憶装置20がシーケンスデータ32を記憶することにより、シーケンスデータ記憶手段として機能する。更に、外部記憶装置20は、シーケンスデータ32が回転時期データとして機能することにより回転時期データ記憶手段として、実行条件データとして機能することにより実行条件データ記憶手段として、それぞれ機能する。更に、外部記憶装置20は、シーケンスデータ32が角度特定データとして機能することにより角度特定データ記憶手段として、回転方向データとして機能することにより回転方向データ記憶手段として、それぞれ機能する。
【0098】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、経路表示領域KRの回転中にトラックTLには、オブジェクトOJは表示されていない。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、所定の経路の回転中に所定の経路上に、オブジェクト等の操作を指示する基準標識が表示され、回転中もプレイヤに適切な操作が要求されてもよい。
【0099】
上述の形態では、所定の経路は、1回転しているが、回転角度はこのような角度に限定されない。例えば、半回転、1/4回転等、適宜な角度が回転角度として採用されてよい。このような回転角度は、例えば、上述のようなシーケンスデータを利用して実現される。
【0100】
上述の形態では、所定の経路を回転させる所定の条件として、特定の操作が採用されているが、所定の条件は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム中の所定のオプションを取得した場合、一定の得点以上を獲得した場合等のゲーム状況に応じた条件が所定の条件として採用されてもよい。従って、回転させるべきか否かの判断に利用される実行条件、回転時期、回転角度等は、シーケンスデータ等により指定される形態に限定されない。例えば、プログラム上に直接記述されていてもよい。
【0101】
所定の経路が回転の中心として利用する所定の回転軸は、所定の経路に沿って延びる軸に限定されない。例えば、所定の経路と交差する方向に延びる軸が所定の回転軸として採用されてもよい。所定の回転軸の延びる方向が所定の経路の延びる方向と一致する場合には回転の前後において所定の経路の延びる方向を一致させることができる。一方で、一致しない場合には、回転の前後で所定の経路が延びる方向に変化が生じるので、より大きな変化を与えることができる。
【0102】
上述の形態では、ゲーム機で実行されるゲームとして音楽ゲームが採用されているが、ゲーム機で実行されるゲームは、音楽ゲームに限定されない。操作されるべき基準時期に基準部の位置が指定される限りにおいて、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム等の各種ゲームがゲーム機で実行されてもよい。更に、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ゲーム機
3 コントロールパネル(入力装置)
4 スピーカ(音声出力装置)
13 ボタン(操作部)
15 制御ユニット(操作案内手段、経路回転手段、経路位置変更手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(シーケンスデータ記憶手段、楽曲データ記憶手段、回転時期データ記憶手段、実行条件データ記憶手段、角度特定データ記憶手段、回転方向データ記憶手段)
30 シーケンスデータ(シーケンスデータ、回転時期データ、実行条件データ、角度特定データ、回転方向データ)
40 ゲーム画面
TL トラック(所定の経路)
KL 基準ライン(現在時刻標識)
UP 奥側(出発位置)
DP 手前側(到達位置)
OJ オブジェクト(基準標識)
RL 回転軸(所定の回転軸)
CP 所定の中心位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機であって、
所定の条件に基づいて、ゲーム中に所定の回転軸を中心として前記所定の経路を回転させる経路回転手段を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記所定の経路の回転に伴って、当該所定の経路が所定の中心位置を中心に当該所定の中心位置の周りを移動するように、前記所定の経路が配置される位置を変化させる経路位置変更手段を更に備える、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記経路位置変更手段は、前記所定の経路が一回転した状態において移動を開始した元の位置に前記所定の経路が戻るように、前記所定の経路の回転角度に応じて前記所定の経路が配置される位置を変化させる、請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記経路回転手段は、前記所定の経路が前記所定の中心位置の周りを回るように移動する周回方向と対応する方向に前記所定の経路を回転させる、請求項2又は3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記所定の回転軸は、前記所定の経路に沿って延びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記所定の中心位置は、前記所定の経路の延長線上であって、前記出発位置の側に配置されている、請求項2〜5のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記所定の経路を回転させるべき回転時期が記述された回転時期データを記憶する回転時期データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記回転時期データに記述された前記回転時期に、前記所定の経路を回転させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記所定の経路を回転させるべきか否かの実行条件を特定するための実行条件情報が記述された実行条件データを記憶する実行条件データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記所定の条件として前記実行条件情報にて特定される前記実行条件を利用し、前記実行条件を満たした場合に、前記所定の経路を回転させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記所定の経路の回転角度を特定するための角度特定情報が記述された角度特定データを記憶する角度特定データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記角度特定データに基づいて、前記角度特定情報にて特定される回転角度まで前記所定の経路を回転させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項10】
前記所定の経路の回転方向を特定するための回転方向情報が記述された回転方向データを記憶する回転方向データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記回転方向データに基づいて、前記回転方向情報にて特定される方向に前記所定の経路を回転させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項11】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作を実行すべき操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応させて前記基準標識を表示し、前記現在時刻に対応する現在時刻標識とともに前記基準標識を、前記ゲーム上にて前記所定の経路に沿って時間順の配置で表示させ、かつ、各操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記基準標識と前記現在時刻標識との間の距離が減少するように、前記基準標識と前記現在時刻標識との間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、前記操作時期を案内する操作案内手段と、を更に備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項12】
前記所定の条件として前記操作部に対する特定の操作が採用され、
前記経路回転手段は、前記特定の操作が実行された場合に、前記所定の経路を回転させる、請求項11に記載のゲーム機。
【請求項13】
音声を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記操作時期として、前記楽曲の再生中における時期が記述されている、請求項11又は12に記載のゲーム機。
【請求項14】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸を中心として回転させる経路回転手段として機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
【請求項15】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸を中心として回転させる経路回転工程を実行させるゲーム機の制御方法。
【請求項1】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機であって、
所定の条件に基づいて、ゲーム中に所定の回転軸を中心として前記所定の経路を回転させる経路回転手段を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記所定の経路の回転に伴って、当該所定の経路が所定の中心位置を中心に当該所定の中心位置の周りを移動するように、前記所定の経路が配置される位置を変化させる経路位置変更手段を更に備える、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記経路位置変更手段は、前記所定の経路が一回転した状態において移動を開始した元の位置に前記所定の経路が戻るように、前記所定の経路の回転角度に応じて前記所定の経路が配置される位置を変化させる、請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記経路回転手段は、前記所定の経路が前記所定の中心位置の周りを回るように移動する周回方向と対応する方向に前記所定の経路を回転させる、請求項2又は3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記所定の回転軸は、前記所定の経路に沿って延びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記所定の中心位置は、前記所定の経路の延長線上であって、前記出発位置の側に配置されている、請求項2〜5のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記所定の経路を回転させるべき回転時期が記述された回転時期データを記憶する回転時期データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記回転時期データに記述された前記回転時期に、前記所定の経路を回転させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記所定の経路を回転させるべきか否かの実行条件を特定するための実行条件情報が記述された実行条件データを記憶する実行条件データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記所定の条件として前記実行条件情報にて特定される前記実行条件を利用し、前記実行条件を満たした場合に、前記所定の経路を回転させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記所定の経路の回転角度を特定するための角度特定情報が記述された角度特定データを記憶する角度特定データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記角度特定データに基づいて、前記角度特定情報にて特定される回転角度まで前記所定の経路を回転させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項10】
前記所定の経路の回転方向を特定するための回転方向情報が記述された回転方向データを記憶する回転方向データ記憶手段を更に備え、
前記経路回転手段は、前記回転方向データに基づいて、前記回転方向情報にて特定される方向に前記所定の経路を回転させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項11】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作を実行すべき操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応させて前記基準標識を表示し、前記現在時刻に対応する現在時刻標識とともに前記基準標識を、前記ゲーム上にて前記所定の経路に沿って時間順の配置で表示させ、かつ、各操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記基準標識と前記現在時刻標識との間の距離が減少するように、前記基準標識と前記現在時刻標識との間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、前記操作時期を案内する操作案内手段と、を更に備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項12】
前記所定の条件として前記操作部に対する特定の操作が採用され、
前記経路回転手段は、前記特定の操作が実行された場合に、前記所定の経路を回転させる、請求項11に記載のゲーム機。
【請求項13】
音声を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記操作時期として、前記楽曲の再生中における時期が記述されている、請求項11又は12に記載のゲーム機。
【請求項14】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸を中心として回転させる経路回転手段として機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
【請求項15】
出発位置から到達位置まで所定の経路に沿って移動する基準標識がゲーム画面に表示されるゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
所定の条件に基づいて、前記所定の経路を所定の回転軸を中心として回転させる経路回転工程を実行させるゲーム機の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−42961(P2013−42961A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183089(P2011−183089)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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