説明

ゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置

【課題】
本発明の目的は、ゲーム機のメダル投入装置に使用される少なくとも材質の異なるメダルをキャンセルできるメダル選別装置を提供することである。
【解決手段】
投入口から投入したメダルは転動レール上を転動して投出口からゲーム機の所定位置において落下する。前記メダルは転動過程において、選別装置を構成する材質センサによって材質に関するデータを取得されて正偽判別され、偽メダルはキャンセル装置を構成するピボット軸にピボット運動可能設けたキャンセルレバのピボット運動によってその面を横方向に押されて転動レール上から落下させられ、選別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機にメダルを投入するメダル投入装置におけるメダル選別装置に関する。
特に、メダルの直径と厚みに加え材質の異なるメダルを選別できるメダル投入装置におけるメダル選別装置に関する。
また本発明は、選別するメダルの選別基準を容易に設定できるようにしたメダル選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、メダルを転がしながら移動させるメダル案内路の途中の底部に所定厚さ未満のメダルの通過を許容し、所定厚さ以上のメダルの通過を阻止するメダル選別孔を設け、さらに、所定径未満のメダルを前記案内路の側方に排除する小径メダル排除手段を設けたゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別機構が知られている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−76598号(図1―3、第2―4頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のメダル投入装置の選別装置においては、投入されたメダルの直径と厚みのみ規格外のメダルをキャンセルすることができる。
したがって、同一直径及び厚みであって材質の異なるメダルがゲーム機に投入される恐れがある。
換言すれば、他のゲーム場のメダルが混入する問題がある。
メダルは、顧客が代金を支払って購入するため、他ゲーム場のメダルを使用した場合、無料でゲームをしていることになる。
したがってゲーム機内に他店のメダルが混入していることは顧客の他店メダル使用を助長するため、一日の営業終了後全てのメダルから他店メダルの排除作業をしており、極めて多大な労力を要する問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の目的は、ゲーム機のメダル投入装置に使用される少なくとも材質の異なるメダルをキャンセルできるメダル選別装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、ゲーム機のメダル投入装置に装着できる小型のメダル選別装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、ゲーム機のメダル投入装置において選別するメダルの設定を容易に変更できるようにしたメダル選別装置を提供することである。
【0006】
この目的を達成するため、請求項1の発明は以下のように構成される。
投入口から投入したメダルを所定の角度で前下がりに傾斜していると共に垂立する軸線回りにピボット運動可能にピボット軸に支持された転動レールを構成する直状のガイドレールの上面である転動面上を転動させて前記転動レール端部の投出口からゲーム機の所定の位置に落下させると共に前記転動レールに沿って形成された転動通路の途中にメダルの選別装置を配置したゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置において、前記選別装置は前記軸線よりも前記投出口側に配置されセンサ装置と前記センサ装置の下流側に配置されたキャンセル装置を含み、前記センサ装置は前記転動面から所定距離離れた前記転動通路に相対して配置されたメダルの材質に関するデータを取得する材質用センサを含み、前記キャンセル装置は前記転動通路の側方において前記転動通路に対し並行して配置されたピボット軸に揺動可能に取り付けられ、かつ、前記転動通路に面して前記転動通路の上流側から下流側に延在するガイド面を具備するキャンセルレバを含み、前記ピボット軸は前記転動通路に対する前記ガイド面の下流側端部よりも上流側に配置され、前記ガイド面は前記転動通路に対し斜めに交差可能であることを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置である。
【発明の効果】
【0007】
この構成において、メダルが転動レール上を転動する過程において、少なくとも材質センサによって検知され、前記材質センサからの信号に基づいて真偽を判別される。
その判別結果に基づいて材質センサの下流に位置するキャンセル装置を作動させ、当該メダルを前記転動レールから外し、排除する。
したがって、材質の異なる他店メダルをゲーム機に投入することがなく、材質の異なるメダルを一カ所に集約できるので、他店メダルの分別処理が容易である利点を有する。
また、キャンルレバはメダルの転動通路に対し上流側のピボット軸を支点にピボット運動して先端部が横方向から転動通路に突出する。
したがって、キャンルレバのガイド面は転動通路に対し斜めに位置することから、メダルは徐々に転動レールから逸らされるので、連続して転動して来たメダルを確実にキャンセルすることが出来る利点がある。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1のゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置おいて、前記キャンセル装置は前記転動レールに対する前記キャンセルレバの反対側において前記転動面上を転動する前記メダルの上端部側面をガイドする可動ガイドを含んでいることを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置である。
この構成において、キャンルレバに相対する転動レール上を転動するメダルの上端部は可動ガイドによってガイドされる。
したがって、キャンルレバが転動通路に突出して強制的に押された場合、メダルは転動レールから逸らされて落下させられる。
しかし、例えば転動レールが微少に左右動された場合、メダルの上端部が側面ガイドによって保持されるので転動レールから落下しない。
したがって、顧客がゲームの技として転動レールを微少に左右動させた場合であっても真正メダルは転動レールから落下することなく落下口へ達することができると共にキャンルレバによって強制的に横方向にずらされた場合に落下する利点がある。
また、キャンルレバによってメダルが横方向に押された場合、メダルが弾き飛ばされる恐れがあるが、メダルの上端部が可動ガイドによって移動を制限される。
よって、メダルははじき飛ばされることがなく、落下位置がほぼ一定になる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2のゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置おいて、前記可動ガイドは前記転動通路に向かって弾性的に付勢されていることを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置である。
この構成において、偽メダルがキャンルレバにより急激に押された場合、可動ガイドは偽メダルの上端部により弾性力に反して急に移動される。
これにより、偽メダルは転動レールから逸らされ、落下することができる。
この場合、可動ガイドが弾性的に移動され、移動も勢いを減衰されるので、ほぼ下方に落下できる。
換言すれば、小径から大径メダルまで同一のメダル選別装置を使用することができる利点がある。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2のゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置おいて、前記材質センサと前記キャンセル装置との間に前記メダルのタイミングセンサを配置し、前記材質センサからの信号に基づく偽信号と前記タイミングセンサの検知に基づいて前記キャンセルレバをピボット運動させる制御装置を設けたことを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置である。
この構成において、メダルがキャンルレバによってキャンセルされる場合、材質センサの下流に配置されたタイミングセンサからのメダルの検知信号に基づいてキャンセル動作を行う。
したがって、タイミングセンサとキャンルレバとの距離は一定であること、及び、メダルはほぼ一定の速度で転動することから、メダルがキャンルレバに相対し、又は相対する前に転動通路に、キャンルレバを転動通路に突出させることができる。
よって、キャンセルしなければならないメダルは、確実にキャンルレバによって転動レールから落下させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例1の選別装置を装着したゲーム機のメダル投入装置の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の正面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の背面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の拡大斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の図2におけるA―A線断面図(A)、B―B線断面図(B)、C―C線断面図(C)である。
【図6】図6は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置のキャンセラ及び駆動装置の拡大斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の制御装置のブロック図である。
【図8】図8は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の基準値設定装置のブロック図である。
【図9】図9は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の作用説明図である。
【図10】図10は、本発明の実施例1のゲーム機におけるメダル投入装置の選別装置の作動説明用グラフである。
【図11】図11は実施例2の実施例1の図2に相当する断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
投入口から投入したメダルを所定の角度で前下がりに傾斜していると共に垂立する軸線回りにピボット運動可能にピボット軸に支持された転動レールを構成する直状のガイドレールの上面である転動面上を転動させて前記転動レール端部の投出口からゲーム機の所定の位置に落下させると共に前記転動レールに沿って形成された転動通路の途中にメダルの選別装置を配置したゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置において、前記選別装置は前記軸線よりも前記投出口側に配置されセンサ装置と前記センサ装置の下流側に配置されたキャンセル装置を含み、
前記センサ装置は前記転動面から所定距離離れた前記転動通路に相対して配置されたメダルの材質に関するデータを取得する材質用センサを含み、
前記キャンセル装置は前記転動通路の側方において前記転動通路に対し並行して配置されたピボット軸に揺動可能に取り付けられ、かつ、前記転動通路に面して前記転動通路の上流側から下流側に延在するガイド面を具備するキャンセルレバ、及び、前記転動レールに対する前記キャンセルレバの反対側において前記転動面上を転動する前記メダルの上端部側面をガイドする可動ガイドを含み、前記可動ガイドは前記転動通路に向かって弾性的に付勢され、
前記ピボット軸は前記転動通路に対する前記ガイド面の下流側端部よりも上流側に配置され、前記ガイド面は前記転動通路に対し斜めに交差可能であり、
さらに、前記材質センサと前記キャンセル装置との間に前記メダルのタイミングセンサを配置し、前記材質センサからの信号に基づく偽信号と前記タイミングセンサの検知に基づいて前記キャンセルレバをピボット運動させる制御装置を設けた
ことを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置である。
【実施例1】
【0013】
ゲーム機のメダル投入装置100は、投入口102に投入されたゲーム用のメダル104を転動レール106に沿わせて転動させて投出口108から落下させると共に、転動レール106の転動途上で不正メダルをキャンセルする機能を有する。
メダル投入装置100は、概略、転動レール106、転動レール106のピボット軸受110、メダルの投入口102、メダルの選別装置112及び投出口108を含んでいる。
【0014】
まず、転動レール106を説明する。
転動レール106は、投入口102から投入されたメダル104を転動させつつ投出口108にガイドする機能を有している。
転動レール106は、投入されるメダル104の厚みよりも僅かに広い厚みを有し、かつ、細長であって上面が転動面114である直状のガイドレール116と、このガイドレール116の両側に固定された平板状の左ガイド板118及び右ガイド板120を含んでいる。
【0015】
転動レール106は、ピボット軸受110に所定の角度で前下がりに傾斜して固定されている。
前下がりとは、投入口102よりも投出口108が下っている状態である。
したがってメダル104は、ガイドレール116の転動面114、左ガイド板118及び右ガイド板120とで囲まれた細長であり、かつ、狭幅の転動通路122を転動する。
【0016】
次にピボット軸110を説明する。
ピボット軸110は、転動レール106を所定の角度で保持すると共に、小角度の範囲で軸線周りにピボット運動可能に保持する。
ピボット軸110は、ほぼ垂直方向に延びるシャフト状を呈し、その上下に突出する支軸130、132がゲーム機の筐体(図示せず)に小角度の範囲でピボット運動可能に支持されている。
【0017】
貫通孔134がピボット軸110の軸心を横断して穿孔されている。
転動レール106は、貫通孔134に挿入され、その中間がピボット軸110に固定されている。
したがって転動レール106は、支軸130、132周りに前記所定の小角度の範囲で左右にピボット運動可能である。
なお、この小角度のピボット運動は、顧客がメダル投入装置100からメダル104が落下するタイミングをコントロールするために利用される。
【0018】
換言すれば、転動レール106を小刻みに左右にピボット運動させることにより、転動面114上を転動するメダル104を左ガイド板118及び右ガイド板120に接触させることにより制動力を付与し、もってメダル104の転動速度を調整することにより投出口108からの落下タイミングをコントロールすることができる。
【0019】
次に投入口102を説明する。
投入口102は、顧客が投入するメダル104を転動レール106の転動通路122に案内する機能を有する。
投入口102は、使用可能メダル104の最大直径及び最大厚みよりも僅かに大きいサイズであって、樹脂にて成形されたカバ140の端部に形成された上向きの矩形の開口である。
したがって、投入口102は、所定値以上の大径不正メダル及び厚い不正メダルの投入防止機能を有する。
カバ140は、転動レール106のゲーム機の外に位置する端部に固定されている。
【0020】
次に投出口108を説明する。
投出口108は、転動レール106のゲーム機内に位置する端部であって、メダル104の転動通路122の出口である。
【0021】
次に選別装置112を説明する。
選別装置112は、投入口102に投入された後、転動通路122を転動するメダル104の真偽を判別し、偽メダルの場合、転動通路122から排除して投出口108から落下させない機能を有する。
選別装置112は、センサ装置142及びキャンセル装置144と、を含んでいる。
【0022】
まず、センサ装置142を説明する。
センサ装置142は、転動通路122を転動するメダル104の真偽判別のためのデータを得る機能を有する。
本実施例において、センサ装置142は、直径センサ146、厚みセンサ148、材質センサ150、第1本体152及び第2本体154を含んでいる。
これら直径センサ146、厚みセンサ148及び材質センサ150は、コイル式磁気センサであることが好ましい。
なぜなら、フェライトコアとコイルとから構成できるので、安価であるからである。
【0023】
第1本体152と第2本体154は、非磁性材料、例えば樹脂で射出成形により作られている。
第1本体152はほぼ矩形であって、ピボット軸受110よりも下流において、ガイドレール116にその下端部が固定されている。
第1本体152の上部には横向きの軸受154、156が所定の間隔で突出され、センサ支軸158がガイドレール116と平行に取り付けられている。
【0024】
第1本体152の転動通路122側の側面153は平面であり、最大径メダルの直径よりも僅かに転動面114から離れた上方にリブ状のスペーサ突起160が突出している。
換言すれば、スペーサ突起160は、ガイドレール116に対し平行に最大径メダルの直径よりも僅かに離れて位置し、その突出量はガイドレール116の厚みと同一である。
【0025】
第2本体154は、第1本体152とほぼ同一サイズで矩形に形成され、その上端部はセンサ支軸158にピボット運動可能に支持され、転動通路122の側面155は平面である。
さらに、第2本体154は、中間をセンサ支軸158に巻き付けられ、一端が第2本体154の内側上端部に係止され、かつ、他端が外側上端部に係止されたスプリング162によって図5(B)において反時計方向にモーメントを受ける。
したがって、スペーサ突起160とガイドレール116の厚みによって第1本体152と第2本体154との間隔は規制される。
【0026】
この構成により、センサ装置142におけるメダル104の転動通路122は、転動面114、第1本体152の側面153、スペーサ突起160及び第2本体154の側面155に囲まれた扁平空間である。
第2本体154は、所定の力で回動されることにより、図5(B)においてセンサ支軸158を支点に時計方向にピボット運動可能である。
第2本体154が時計方向にピボット運動された場合、第2本体154とガイドレール116との間に隙間が形成されるため、転動通路122おいてジャムしたメダル104をその隙間から排除することができる。
【0027】
次に厚みセンサ148及び材質センサ150を説明する。
厚みセンサ148は、メダル104の厚みに関するデータを取得する機能を有する。
材質センサ150は、メダル104の材質に関するデータを取得する機能を有する。
厚みセンサ148及び材質センサ150は、第1本体152及び第2本体154の背面に取り付けられた一対の磁気センサである。
【0028】
厚みセンサ148は、円筒状の中央筒170と、中央筒170の外周を囲う円形の外壁172及び中央筒170と外壁172を連結する底部174とを有し、フェライトで作られたポット形のコア176と、中央筒170に巻き付けられたコイル178によって構成されたセンサユニット180を第1本体152と第2本体154の背面にそれぞれ対向配置することにより構成されている。
【0029】
材質センサ150は、コア176とコイル178の外側に巻かれたコイル182によって構成されている。
コア176の端面は、使用が想定される最小径のメダルの面に対し、全面が相対するよう転動面114の近傍に配置されている。
このように一つのコア176に二つのコイル178及び182を巻き付けることにより厚みセンサ148と材質センサ150を構成した場合、それぞれ別個に配置する場合に比しセンサ装置142を小型にすることができる利点がある。
しかし、厚みセンサ148と材質センサ150とを別個のコアに巻き付けることにより、それぞれ独立して配置することができる。
【0030】
次に、直径センサ146を説明する。
直径センサ146は、転動面114を転動するメダル104の直径に関するデータを取得する機能を有する。
直径センサ146は、中央筒と外壁とそれらを接続する底部を有するポット形のコアにコイルを巻き付けることにより構成されたコイル式磁気センサである。
【0031】
直径センサ146は、厚みセンサ148及び材質センサ150よりも投入口102に近い転動通路122の上流側に配置され、ガイドレール116から遠い位置に取り付けられている。
直径センサ146と厚みセンサ148及び材質センサ150とは、図2に示すように、転動通路122の伸長方向において、僅かにオーバーラップするよう配置されている。
これにより、センサ装置142の長さを短くすることができる。
【0032】
なお、第2本体154を電磁アクチュエータ(図示せず)により図5(B)において時計方向へセンサ支軸158を支点にピボット運動可能に配置することにより、センサ装置142においてジャムしたメダル104を転動通路122から排除することができる。
【0033】
次にキャンセル装置144を説明する。
キャンセル装置144は、センサ装置142から得られたメダル104の直径、厚み及び材質に関するデータに基づいて後述の制御装置が「偽メダル」と判別し、キャンセル信号を出力した場合、その偽メダル104をキャンセルする機能を有する。
換言すれば、キャンセル装置144はメダル104を転動通路122から排除することができる。
さらに詳しくは、キャンセル装置144はメダル104をガイドレール116から落下させる機能を有する。
【0034】
キャンセル装置144は、タイミングセンサ190、固定本体192、可動ガイド194、キャンセラ196、駆動装置198及びストッパ200を含んでいる。
タイミングセンサ190は、キャンセラ196の駆動装置198の作動開始タイミング信号CTS(図10(B))を出力する機能を有する。
タイミングセンサ190は、センサ装置142の直ぐ下流に配置され、ガイドレール116にブラケット202を介して固定されている。
【0035】
本実施例において、タイミングセンサ190は、転動通路122を挟んで対向配置した透過式光電センサ204である。
透過式光電センサ204の光軸は、ガイドレール116の近くに配置され、メダル104が連続して転動する場合、メダル104の周面間に形成される三角形空間206((図10(B))に位置するよう設定されている。
なお、タイミングセンサ190に代えて厚みセンサ148若しくは材質センサ150の立ち下がり信号を用いることができるが、キャンセラ196との距離が長くなるので、タイミングセンサ190を用いることが好ましい。
【0036】
次に固定本体192を説明する。
固定本体192は、転動通路122の一側面を画定する機能及び可動ガイド194を支持する機能を有している。
固定本体192は、矩形板状であって、第1本体152と一体にガイドレール116の下流側に配置され、その下端部がガイドレール116に固定されている。
側面210は、平板状であって転動通路122の一側面を画定している。
固定本体192は、第1本体152と別体に設けることができる。
【0037】
次に可動ガイド194を説明する。
可動ガイド194は、キャンセル装置144に相対する転動通路122を転動するメダル104の上端部側面を案内する機能を有する。
固定本体192に相対し、かつ、転動通路122の反対側に矩形リング形の可動ガイドフレーム210が配置されている。
可動ガイドフレーム210は、本実施例においては第2本体154と一体に設けられている。
【0038】
換言すれば、可動ガイド194は、第2本体154の直ぐ下流に配置され、スプリング234によって固定本体192に向かうよう付勢されている。
フレーム210の矩形の開口212の下縁214は、転動面114に対し面一若しくはその下方に位置し、上縁216は最大メダル径よりも僅か上方に位置すると共に転動面114に対し平行に配置されている。
フレーム210の上部に、所定の間隔で横方向に突出する軸受218、220が設けられている。
【0039】
可動ガイド194は、ガイドレール116に対しほぼ並行にのびる細長矩形の平板であり、その側面210に対面する可動側面222は、通常状態である案内位置にある場合、側面210と平行に位置し、転動通路122を画定する。
支えレバ224、226が可動ガイド194の上部から上方に延び、その上端部から横方向に突出する支軸228、230が設けられている。
支軸228、230は、それぞれ軸受218、220にピボット運動可能に取り付けられている。
【0040】
図5(C)に示すように、支軸228、230は可動ガイド194の可動側面222の延長上に位置し、かつ、可及的に転動通路122から遠い位置に配置されている。
これにより可動ガイド194が反時計方向にピボット運動した場合、転動通路122の側方に形成される開口を大きくしない。
したがって、転動通路122を転動するメダル104を可及的に案内できる効果がある。
【0041】
可動ガイド194は、付勢手段230によって図5(C)において所定の力で時計方向に付勢力を受けている。
付勢手段230は、フレーム210から横方向に突出する円柱突部232に巻き付けたスプリング234である。
このスプリング234は、メダル104がキャンセラ196によって転動面114から落下して後述のストッパ200に衝突した際、接触している落下途上のメダル104の上端部の急激な動きを緩衝するようスプリング力を設定することが好ましい。
【0042】
すなわち、この緩衝によってメダル104がほぼ真下に落下させるためである。
ほぼ真下に落下したメダル104は、その場所に堆積させ、または、その落下位置に形成した開口を経由して返却口に戻される。
付勢手段230はスプリング234の他、錘、圧力ガス式のアクチュエータ等によって代替え可能である。
【0043】
次にキャンセラ196を説明する。
キャンセラ196は、キャンセル装置144の転動通路122を転動するメダル104を転動通路122から外す機能を有する。
換言すれば、キャンセラ196は転動面114を転動するメダル104を転動面114から落下させる機能を有する。
【0044】
本実施例において、キャンセラ196は、転動面114の側方において転動面114に対し垂直方向に延びるピボット軸240にピボット運動可能に支持されたL形のキャンセルレバ242である。
ピボット軸240は、固定本体192の背面に設けられた軸受(図示せず)に固定されている。
【0045】
キャンセルレバ242は、固定本体192の転動面114の直近上方に形成され、転動面114と平行に延びる矩形の通孔246において転動面114に対し平行に移動可能に設けられている。
キャンセルレバ242のガイド面248は、転動通路122の上流側から下流側へ向かい、かつ、転動面114と平行に延びている。
したがって、キャンセルレバ242は、転動通路122に対し直交方向に進退可能である。
換言すれば、ガイド面248は、待機位置にある場合、固定本体192の側面210に対し面一もしくは僅かに通孔246内に引っ込んでいる。
【0046】
キャンセルレバ242がキャンセル位置にある場合、ガイド面248は転動通路122に対し斜めに交差する。
したがって、転動通路122を転動してきたメダル104は、このガイド面248によって転動面114に対し横方向に案内されるので、転動通路122から外れ、ガイドレール116から落下する。
キャンセラ196は、キャンセルレバ242に対し直角方向に延びる被動レバ250を有し、被動レバ250には長孔252が形成されている。
【0047】
次に駆動装置198を説明する。
駆動装置198は、キャンセラ196をキャンセル位置に移動させ、キャンセル位置にあるキャンセラ196を待機位置に移動させる機能を有する。
駆動装置198は、固定本体192の背面に固定されている。
駆動装置198は、アクチュエータ254を含み、アクチュエータ254の出力軸256先端のピン258は長孔252にスライド可能に挿入されている。
【0048】
したがって、ピン258が図5(A)において左方に移動した場合、キャンセルレバ242は反時計方向にピボット運動してガイド面248が転動通路122に突出し、キャンセル位置に移動する。
ピン258がキャンセル位置にある場合において右方へ移動した場合、図5(A)の位置へ移動し、キャンセルレバ242のガイド面248は側面210と面一になる。
アクチュエータ254は、本実施例では電磁ソレノイド260であり、出力軸256は鉄心262である。
【0049】
したがって、ソレノイド260が励磁された場合、鉄心262が引かれて図5(A)において左方へ移動され、キャンセルレバ242を反時計方向にピボット運動させてキャンセル位置へ移動させる。
ソレノイド260が消磁された場合、鉄心262に作用する復帰スプリング264によって鉄心262は右方へ移動され、キャンセルレバ242を待機位置へ移動させる。
【0050】
次にストッパ200を説明する。
ストッパ200は、転動通路122から外されたメダル104が衝突し、その落下位置を所定の位置にする機能を有する。
ストッパ200は、開口212の下流であて、かつ、転動通路122の側方に配置され、フレーム210に固定されている。
したがって、ストッパ200は、メダル104の跳ね返りが少ないよう、弾力と耐摩耗性を有する硬質ゴム等が適している。
【0051】
次に通過センサ266を説明する。
通過センサ266は、固定本体192に固定した投受光器267及びフレーム210に固定したプリズム268を含んでいる。
投受光器267の投光部からの投光は、転動通路122を横断した後、プリズム268によって反射されて再び転動通路122を横断した後、投受光器267の受光部に入光する。
投光の横断位置は、転動面114に近い位置であって、選別部を通過する全てのメダル104によって遮断される位置に配置されている。
投受光器267の受光部がメダル104によって遮断され受光しない場合、通過センサ266はメダル通過信号CSを出力する。
ゲーム機は、このメダル通過信号CSに基づいて所定の処理を行う。
【0052】
次に制御装置270を図7を参照して説明する。
制御装置270は、各センサ146、148、150からの検出信号に基づいて投入されたメダル104の真偽を判別し、偽メダルの場合、タイミングセンサ190からのタイミング信号に基づいて駆動装置198を作動させて偽メダルを転動通路122から外してガイドレール116から落下させる機能を有する。
【0053】
直径センサ146は、コイル280、282を有し、それらコイル280、282は、和動接続され発振回路284に接続されている。
発振回路284は低周波数に設定され、検波回路286、AD変換回路288を経由してマイクロプロセッサ300に接続してある。
厚みセンサ148のコイル178はコイル302、304を含み、それらコイル302、304は差動接続し、発振回路306に接続してある。
【0054】
発振回路306は検波回路308、AD変換回路310を経由してマイクロプロセッサ300に接続してある。
発振回路31の発振周波数は、高周波数に設定される。
材質センサ150のコイル182はコイル312、314を含み、それらコイル312、314は和動接続し、発振回路316に接続してある。
発振回路316は、検波回路318、AD変換回路320を経由してマイクロプロセッサ300に接続してある。
発振回路316は低周波数に設定される。
【0055】
マイクロプロセッサ300は、CPU322、ROM324及びRAM326を含んでいる。
マイクロプロセッサ300は、ROM324に記憶されたプログラムに基づいてCPU322がRAM326と交信し、かつ、基準値記憶装置328のデータと比較してメダル104の真偽判定を行い、偽メダルの場合ソレノイド260を所定時間励磁する。
この励磁時間は、メダル104が連続して転動して来た場合にもキャンセル出来るよう短時間行う。
しかし、連続して偽メダル104が転動する場合、継続して励磁することができる。
【0056】
次に、メダルの真偽判別の基準値設定装置330を説明する。
本実施例において、基準値設定装置330はマイクロプロセッサ300においてソフトウエアにより構成されているが、説明の便のため図8のブロック図を参照して説明する。
基準値設定装置330は、選別基準値取得モード設定手段であるモード設定スイッチ332、記憶手段であるサンプリングデータ記憶装置334、平均演算装置336、最大最小値演算装置338、演算手段である基準値演算装置340及び基準値設定装置342を含んでいる。
【0057】
モード設定スイッチ332は、基準値設定モードと選別モードの切り替えのためのスイッチである。
したがって、選別モードの場合、前記のように各センサ146、148、150の検知データに基づいてメダル104の真偽が判別され、偽メダル104の場合、キャンセラ196によってキャンセルされる。
基準値設定モードの場合、所定数のメダル104の各センサ146、148、150からの検知データをサンプリングして記憶しておき、所定数のメダル104が投入された場合、それらデータの平均値及び最大最小値に基づいて所定の基準値を演算した後、基準値設定装置342によって基準値記憶装置328に記憶する。
【0058】
サンプリングデータ記憶装置334は、基準値設定モードにおいてメダル104の投入毎に直径センサ146、厚みセンサ148及び材質センサ150によってそれぞれ取得されたサンプリングデータを記憶する機能を有する。
平均値演算装置336は、所定枚数のメダル104が投入された場合、サンプリングデータ記憶装置334に記憶されたサンプリングデータに基づいて直径、厚み、材質に関する平均値を演算する機能を有する。
【0059】
最大最小演算装置338は、平均値演算装置336と同一の所定枚数のメダルが投入された場合、記憶装置336に記憶されたサンプリングデータに基づいて、直径、厚み、材質のそれぞれの最大値及び最小値を演算する機能を有する。
基準値演算装置340は、平均値演算装置336及び最大最小演算装置338の演算結果に基づいて所定の処理をし、基準値を演算する機能を有する。
基準値演算装置340によって演算された基準値は、基準値設定装置342によって基準値記憶装置328に新たに記憶される。
【0060】
新たな基準値を作成した後、モード設定スイッチ332を選別モードに切り替え、ゲーム機をゲーム可能にする。
本実施例のように、平均値と最大最小値とより基準値を設定した場合、平均値から外れた正メダルが最大値と最小値と所定の関係を有していればキャンセルされることなく受入られる。
すなわち、平均値のみの場合、平均値から外れた真正メダル104はキャンセルされ、円滑なゲームを行うことができないが、最大値と最小値を加味して基準値を設定した場合、平均値を外れた場合であっても所定の関係を有する場合、正貨と判別されゲーム機を顧客の違和感なく行うことができる利点がある。
【0061】
次に本実施例の作用を図9及び図10も参照して説明する。
図9の例は、最初に大径の偽メダル104Lが投入された後真正メダル104Tが二枚連続して投入された例である。
メダル104は転動面114上を転動し、センサ装置142を通過した後、キャンセル装置144に達する。
センサ装置142において、まずメダル104は図9に示すように直径センサ146に相対した後、厚みセンサ148及び材質センサ150に相対する。
【0062】
偽メダルである大径メダル104Lが相対した場合、直径センサ146の磁界が相対面積に比例して影響を受け、検波回路286の出力電圧は、図10にDLに示すように大きく低下する。
このアナログ信号がAD変換回路288によってデジタル変換され、マイクロプロセッサ300に送られる。
真正メダル104Tの場合、直径センサ146の相対面積が大径メダルよりも少ないので、検波回路286の出力電圧はDTに示すように低下が小さい。
このアナログ信号が前述同様マイクロプロセッサ300に送られる。
【0063】
次に厚みセンサ148及び材質センサ150の磁界がメダル104により影響を受ける。
まず、厚みセンサ148を説明すると、その全面がメダル104に相対するため、検波回路308の出力がラインTで示すように鍋底形に低下する。
この出力は、AD変換回路310によってデジタル変換され、マイクロプロセッサ300に送られる。
【0064】
次に材質センサ150を説明すると、その全面がメダル104に相対するため、検波回路318の出力がラインMで示すように放物線状に変化する。
この出力は、AD変換回路320によってデジタル変換され、マイクロプロセッサ300に送られる。
【0065】
次にマイクロプロセッサ300におけるメダル104の真偽判定を説明する。
まず、第1ステップにおいて、直径センサ146の出力(ラインD)が基準値記憶装置328の基準値と比較される。
直径センサ146の出力が基準値内の場合、第2ステップに進み、基準値外の場合、キャンセル信号を出力する。
図9の場合、大径の偽メダル104Lであるため、基準値外に判別され、キャンセル信号が出力される。
【0066】
第2ステップにおいて、厚みセンサ148の出力(ラインT)が基準値と比較され、基準値外の場合、キャンセル信号を出力し、基準値内の場合、第3ステップに進む。
第3ステップにおいて、材質センサ150の出力(ラインM)が基準値と比較され、基準値外の場合、キャンセル信号が出力され、基準値内の場合、初めて真正メダルとして判定される。
真正メダルの場合、キャンセル装置196の駆動装置198は作動されない。
換言すれば、ソレノイド260は励磁されない。
また、真正メダルは通過センサ266の光軸を遮断するので通過信号CSを出力する。
【0067】
前述のようにキャンセル信号が出力された場合、図10(B)に示すように制御装置270は、タイミングセンサ190からのメダル信号CTSの立ち下がりから所定時間T1後にソレノイド260を所定時間T2の間励磁する。
これにより、偽メダル104Lがキャンセルレバ242に到達する前にキャンセルレバ242が転動通路122に突出し、若しくは、転動面114を転動するメダル104の側面を押動する。
【0068】
結果として、偽メダル104Lは転動通路122から反らされ、ガイドレール116から落下される。
落下した偽メダル104Lは、慣性力によって斜めに落下し、ストッパ200に衝突する。
この時、偽メダル104Lの上部は転動通路122に位置している。
換言すれば、偽メダル104Lの上部は可動ガイド194の可動側面222と固定本体192の側面210とによってガイドされている。
【0069】
この状態において、偽メダル104Lがストッパ200に衝突した反動によって複雑な運動した場合であっても、可動ガイド194のスプリング234による押さえ力によって緩衝され、複雑な運動は抑制され、ほぼ真下に落下する。
また、偽メダル104Lに連続して真正メダル104Tが転動し、かつ、キャンセルレバ242の待機位置への復帰動が遅れた場合、真正メダル104Tの上端部が可動ガイド194によって案内されているので、落下し難い。
したがって、誤って真正メダル104Tを落下させない利点がある。
【0070】
落下された偽メダル104Lは、そのほぼ真下に堆積するか、または、通路を通って返却口に戻される。
真正メダル104Tがキャンセル装置144を通過する場合、ソレノイド260は励磁されないので、転動通路122を転動して投出口108から落下する。
【0071】
使用メダルを変更した場合、前述のようにモード設定スイッチ332を基準値設定モードにして所定枚数の新メダルを投入することにより、自動的に新たな基準値が作成され、基準値記憶装置328に記憶される。
なお、制御装置270における所定時間T1は、メダル信号CTSの立ち上がり信号から計時を開始することができる。
また、所定時間T1及びT2はメダルサイズに応じて自動的に記憶テーブルから選択されて設定されることができる。
【実施例2】
【0072】
実施例1と同様部品には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。
実施例2は、メダルに関する特性を精度良く取得できる選別装置の例である。
実施例2において、ガイドレール116は第1本体152の下端部に形成された第2本体154に向かって下向きに突出する第1斜面352、及び、第2本体154の下端部に形成された第1本体152に向かって下向きに突出する第2斜面354によって構成されている。
換言すれば、メダル104の転動面114は、第1斜面352及び第2斜面354によって構成される。
第1斜面352は、第1本体152の側面153とスペース突起160を接続する斜面であり、水平線に対し約60度の角度で傾斜している。
第2斜面354は、第2本体154の側面155から側方に僅かに突出する突起356の上面であり、水平線に対し約60度の角度で傾斜している。
よって、第1斜面352と第2斜面354とは転動通路122を挟んで対称に配置されている。
転動通路122の幅は、第1本体152の側面153と第2本体154の側面155によって画定され、スペーサ突起160の先端を第2本体154の突起356の先端に突き当てることにより、メダル104の厚みより僅かに大きく設定されている。
実施例2において、直径センサ146は、ガイドレール116に対し直角をなす同一直線上に、厚みセンサ148及び材質センサ150よりもガイドレール116から離れて配置されている。
これにより、厚みセンサ148及び材質センサ150及び直径センサ146はほぼ同時にメダル104が相対するので、メダル148の特徴に関する情報をほぼ同時に取得できるので、センサ装置142の長さを短くでき、結果としてメダル投入装置を小型化できる利点がある。
【0073】
次に実施例2の作用を説明する。
選別装置112において、メダル104はその左下端周面が第2斜面354、その右下端周面が第1斜面352上を転動する。
これにより、メダル104は、大凡、左右の第2斜面354及び第1斜面352からの反力がバランスする位置を転動する。
換言すれば、メダル104は転動通路122の中央、具体的には側面153と155との中央を通過する。
メダル104が傾いてその上端が側面153又は155に寄りかかりつつ転動する場合であっても、メダル104の下端は、第1斜面352及び第2斜面354からの反力が均衡するように自動的に位置を定められる。
換言すれば、メダル104の下端は左右のセンサユニット180の中央に位置する。
よって、厚みセンサ148及び材質センサ150において、左右一対のセンサユニット180の中央にメダル104が位置するので、左右センサから発生する磁束が大凡均等に作用するので、精度の高いメダル104の特徴情報を得ることができ、結果として精度の高い真偽判別をすることができる。
特に、厚みセンサは実施例1において説明したように差動接続されることから、メダル104とセンサユニット180との間の距離の影響を受けやすい。
しかし、本実施例2において、第1斜面352及び第2斜面354によって、メダル104の下端部は大凡転動通路122の中央を転動するため、左右のセンサユニット180からほぼ等しい情報をうることができ、もってマイクロプロセッサ300において精度の高い判別をすることができる利点がある。
【符号の説明】
【0074】
102 投入口
104 メダル
106 転動レール
112 選別装置
116 ガイドレール
142 センサ装置
144 キャンセル装置
146 直径用コイル式磁気センサ
150 材質用コイル式磁気センサ
148 厚み用コイル式磁気センサ
150 材質センサ
170 中央筒
172 外壁
174 底壁
176 コア
194 可動ガイド
190 タイミングセンサ
240 ピボット軸
242 キャンセルレバ
248 ガイド面
270 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口(102)から投入したメダル(104)を所定の角度で前下がりに傾斜していると共に垂立する軸線回りにピボット運動可能にピボット軸(110)に支持された転動レール(106)を構成する直状のガイドレール(116)の上面である転動面(114)上を転動させて前記転動レール(106)端部の投出口(108)からゲーム機の所定の位置に落下させると共に前記転動レール(106)に沿って形成された転動通路(122)の途中にメダルの選別装置(112)を配置したゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置において、
前記選別装置(112)は前記軸線よりも前記投出口(108)側に配置されセンサ装置(142)と前記センサ装置(142)の下流側に配置されたキャンセル装置(144)を含み、
前記センサ装置(142)は前記転動面(114)から所定距離離れた前記転動通路(122)に相対して配置されたメダル(104)の材質に関するデータを取得する材質用センサ(150)を含み、
前記キャンセル装置(144)は前記転動通路(122)の側方において前記転動通路(122)に対し並行して配置されたピボット軸(240)に揺動可能に取り付けられ、かつ、前記転動通路(122)に面して前記転動通路(122)の上流側から下流側に延在するガイド面(248)を具備するキャンセルレバ(242)を含み、前記ピボット軸(240)は前記転動通路(122)に対する前記ガイド面(248)の下流側端部よりも上流側に配置され、前記ガイド面(248)は前記転動通路(122)に対し斜めに交差可能である
ことを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置おいて、前記キャンセル装置(144)は前記転動レール(106)に対する前記キャンセルレバ(242)の反対側において前記転動面(114)上を転動する前記メダル(104)の上端部側面をガイドする可動ガイド(194)を含んでいることを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるメダル選別装置。
【請求項3】
請求項2のゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置おいて、前記可動ガイド(194)は前記転動通路(122)に向かって弾性的に付勢されていることを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置。
【請求項4】
請求項2のゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置おいて、前記材質センサ(150)と前記キャンセル装置(144)との間に前記メダル(104)のタイミングセンサ(190)を配置し、前記材質センサ(150)からの信号に基づく偽信号と前記タイミングセンサ(190)の検知に基づいて前記キャンセルレバ(242)をピボット運動させる制御装置(270)を設けたことを特徴とするゲーム機のメダル投入装置におけるにメダル選別装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−86075(P2012−86075A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23421(P2012−23421)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【分割の表示】特願2006−253406(P2006−253406)の分割
【原出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)