説明

ゲーム機用振動ユニット

【課題】人を載置するボード状のコントローラを無理なく振動させる振動ユニットを構成する。
【解決手段】ゲーム用振動ユニットのハウジングCHaの上面の前後位置に凹部Gが形成されている。ハウジングCHaの内部に電気制御により振動を発生させる振動発生部14と、凹部Gの下側に配置されるように弾性材で成る支持部材23とを備えている。凹部Gは、人が搭乗して体重で操作するボード型のコントローラの下面に形成された接地突部が嵌り込む位置に形成されている。この接地突部を凹部Gに嵌め込むようにゲーム用振動ユニットをハウジングCHaの下側にセットすることにより、振動発生部14で発生させた振動を支持部材23から接地突部に伝えコントローラ全体を振動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが搭乗するボード部の底面の複数箇所に下方に突出する接地突部を備えているコントローラに対して分離自在に備えられるゲーム機用振動ユニットに関し、詳しくは、ゲーム機のコントローラを振動させることによりプレイヤに振動を感じさせるユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機用振動ユニットとして特許文献1には、プレイヤが手に持って操作するコントローラを対象とするものであるが、このコントローラに対して着脱自在に装着されるコントローラパックが記載されている。このコントローラパックには振動源を備えており、ゲーム機からの指令信号により振動源を振動させることで、このコントローラパックの振動をプレイヤの手に伝える構成が示されている。
【0003】
また、特許文献2には、特許文献1と同様にプレイヤが手に持って操作するコントローラ本体に拡張コネクタが形成され、この拡張ユニットに着脱自在に装着される拡張ユニットに振動部を備えた構成が記載されている。この特許文献2に記載されるように振動部を有するユニットをコントローラに備えることにより、ゲームの進行に即して例えば射撃のタイミングで振動部を作動させることによりプレイヤに振動を感じさせて臨場感のあるゲームを実現している。
【0004】
コントローラに備えられるものではないが、特許文献3には、映像を表示する映像表示部と、プレイヤを載置した状態で揺動や傾動を行う載置部とを備えた体感型のビデオゲーム装置が記載されている。この特許文献3のビデオゲーム装置では、載置部に振動発生部を備えており、例えば、載置部を宇宙船のコックピットに想定したゲームにおいて振動発生部で振動を発生させることで臨場感のあるゲームを実現できるものにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3514925号公報
【特許文献2】特開2002‐248268号公報
【特許文献3】特開平4‐336091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビデオゲームのコントローラとして、人が搭乗可能なサイズのボード状のものが市販されている。この種のコントローラはボードに作用する荷重(体重)を計測する荷重センサを備えており、ボード上でプレイヤが運動を行うことや体重移動を行った場合に、これらを荷重センサで検出しゲームに反映させることを可能にする。
【0007】
また、人が搭乗可能なコントローラにおいても、ゲームの内容によりコントローラを振動させ、コントローラに搭乗するプレイヤに振動を体感させることも望まれている。
【0008】
これに対し、特許文献3に記載されるように装置内部に振動発生部を備える構成も考えられるが、既にコントローラを使用しているユーザにとっては、コントローラの新たな購入に迫られることになりユーザの負担が増す。また、振動発生部を備えるコントローラを製造した場合には、コントローラのコストを高めるだけでなく振動機能を必要としないゲームについては振動を発生する機能が無駄になる。このような理由から特許文献1あるいは特許文献2に記載されるように、コントローラと別個のユニットとして構成される振動部を装着する構成が望まれている。
【0009】
そこで、振動を発生させる機器を有する振動発生装置を構成し、この振動発生装置の上面にコントローラを単純に載せる形態で使用することも考えられる。しかしながら、振動発生装置にコントローラを載せるものでは、コントローラの上面が床面より高くなることから使用感があまり良くないことになる。
【0010】
また、コントローラに振動を伝えるユニットとして、例えば、偏芯ウエイトを電動モータで駆動することで振動発生させてコントローラに伝えるものも考えられるが、プレイヤが搭乗したコントローラを振動させる場合には、プレイヤの体重に抗してコントローラを振動させる必要性から強力な駆動源を必要とするものとなり改善の余地がある。
【0011】
本発明の目的は、人を載置するボード状のコントローラを無理なく振動させる振動ユニットを合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴は、プレイヤが搭乗するボード部の底面の複数箇所に下方に突出する接地突部を備えているコントローラに対して分離自在に備えられるゲーム機用振動ユニットであって、
前記接地突部を下側から支える弾性材で成る支持部材と、この支持部材に振動を作用させる振動発生部とをハウジングに備えている点にある。
【0013】
この構成によると、ゲーム機用振動ユニットがコントローラの下側に配置されることで、コントローラの接地突部を下側から支持部材が支えることになる。また、支持部材が弾性材で成るため比較的小さい力が作用した場合でも、コントローラは横方向、あるいは、上下方向に容易に変位できる状態にある。そして、ボードにプレイヤが搭乗した状態で振動発生部において振動が発生した場合には、この振動がハウジングから支持部材を介して接地突部に伝えられコントローラ全体を振動させることが可能となる。
その結果、振動発生部の振動エネルギーが比較的小さいものであっても人を載置するボード状のコントローラを無理なく振動させる振動ユニットが合理的に構成されたのである。
【0014】
本発明は、前記ハウジングに前記接地突部が嵌め込まれる凹部が形成され、前記支持部材が、前記凹部に嵌め込まれた前記接地突部の荷重を受け止める位置に配置されると共に、前記支持部材の底面を支持するホルダが前記ハウジングの下面より下方に突出して配置されても良い。
【0015】
これによると、接地突部がハウジングの凹部に嵌め込まれることにより、ハウジングとゲーム機用振動ユニットとの相対的な位置関係を維持して一体的な使用が可能となると共に、接地突部が凹部に嵌め込まれることにより、ボードの上面と床面との距離の拡大を抑制してコントローラの使用感を良好なものにする。また、このゲーム用振動ユニットを床面にセットした状態では、コントローラの接地突部からの重量を支持部材が床面との間で圧縮された緊張状態となり、振動発生部の振動を緊張状態の支持部材から振動エネルギーを支持部材で無駄に減衰させることなくコントローラに伝えることが可能となる。
【0016】
本発明は、前記接地突部が、前記コントローラの底面の左右方向の両側部の前部位置と後部位置との4箇所に形成され、
左側の前部位置と後部位置との前記接地突部を支持する前記支持部材の中間位置と、右側の前部位置と後部位置との前記接地突部を支持する前記支持部材の中間位置との2箇所に前記振動発生部が配置されても良い。
【0017】
これによると、左側の振動発生部で発生させた振動と右側の振動発生部で発生させた振動とを個別にコントローラに伝えることが可能となり、プレイヤの左足と右足とに異なる振動を作用させることも実現する。
【0018】
本発明は、前記ハウジングが、左側の前後に配置された前記接地突部を支持する左ハウジングと、右側の前後に配置された前記接地突部を支持する右ハウジングとで構成されると共に、前記左ハウジングと前記右ハウジングとを分離自在に連結する連結機構を備えても良い。
【0019】
これによると、コントローラに備える場合には連結機構の連結を解除し、左ハウジングを左側の2つの接地突部の下側に配置し、右ハウジングを2つの接地突部の下側に配置することができる。また、使用しない場合には、左ハウジングと右ハウジングとを連結機構で連結することで取り扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ゲーム機、テレビジョン、コントローラ、振動ユニット等の配置を示す斜視図である。
【図2】振動ユニットにコントローラをセットした状態の平面図である。
【図3】連結状態の左ハウジングと右ハウジングとを示す平面図である。
【図4】連結状態の左ハウジングと右ハウジングとを示す底面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】上壁部を取り除いた左ハウジングの平面図である。
【図7】左ハウジングの分解斜視図である。
【図8】図3のVIII−VIII線断面図である。
【図9】接地突部が嵌め込まれた状態の凹部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、ゲーム機AのコントローラB(コントローラBb)の下側に備えられるゲーム機用振動ユニットCが構成されている。ゲーム機Aは家庭用のテレビジョンDの画面に対してAVケーブル1を介して映像と音声とを出力すると共に、ゲーム機Aに内蔵されている無線ユニットからの電波により情報のアクセスを行えるように構成されている。同図には、コントローラBとして手に持って操作するハンディタイプのもの(コントローラBa)と、人が搭乗して操作するボードタイプのもの(コントローラBb)とを示しており、何れのコントローラBも電波によりゲーム機Aとの間で情報のアクセスを行う通信ユニット(図示せず)を内蔵している。
【0022】
ボードタイプのコントローラBbは、例えば、特開2008−264195号公報あるいは特開2009−92408号公報に記載されるものと同様の機能を有している。コントローラBは電波によりゲーム機Aと情報のアクセスを行うものであるが、電波によって情報のアクセスを行うものに限るものではなく、このコントローラBとゲーム機Aとを結ぶケーブルを備え、このケーブルを介して情報のアクセスを行うものであっても良い。
【0023】
ゲーム機Aは、プロセッサや半導体メモリ等を備えると共に、CD−ROM等の光ディスクや不揮発性メモリ等の半導体メディア等からゲームプログラムを取得するメディアドライブを備えており、このメディアドライブから取得したゲームプログラムに従う処理を実行する。また、ゲーム機Aでゲームプログラムが実行された場合にはゲームプログラムにセットされた背景やキャラクタ等の映像がテレビジョンDの画面に表示され、音声がテレビジョンDのスピーカから出力される。そして、コントローラBから情報を取得した場合には背景をスクロールさせることやキャラクタを運動させる等、取得した情報を映像や音声に反映させる処理が行われる。図1に示すハンディタイプのコントローラBaの底面には後述の振動ユニットCのコネクタ13に接続するコネクタ9が設けられている。
【0024】
ボードタイプのコントローラBbは、プレイヤが両足で立つ形態で搭乗できるように平坦なボード部6が上面に形成されると共に、底面6Aの左右方向の両側部の前部位置と後部位置との4箇所に円柱状の接地突部7が突出形成されている。図面には示していないが、コントローラBbには、4箇所の接地突部7に作用する荷重を計測する荷重センサが備えられると共に、この荷重センサからの情報をA/Dコンバータでデジタル信号化し、処理部において必要な処理を行い、この処理部からの情報を電波により送信する前記通信ユニットを備えている。この通信ユニットは、ゲーム機Aからの情報を受信する機能も有している。
【0025】
このようにボードタイプのコントローラBbには4つの荷重センサを備えているため、プレイヤの左右の足から作用する荷重を独立して計測することにより、ボード部6の上面でのプレイヤのジャンプや、片足立ちや、左右や前後への体重移動等を荷重センサの計測値から判定するだけではなく、ボード部6に対するプレイヤの搭乗の有無を判定する。そして、ボード部6にプレイヤが乗っていないことを判定した場合には、後述の振動ユニットCの振動発生部14で振動を発生させない制御形態が行われる。これにより、振動ユニットCが無駄に振動する不都合を阻止し、電池の無駄な消耗を阻止する。
【0026】
〔振動ユニット〕
図1〜図9に示すように、本発明の振動ユニットCは、樹脂製の左ハウジングCHaと樹脂製の右ハウジングCHbとを中間ケーブル11で接続し、右ハウジングCHbに通信ケーブル12を備えた構成を有しており、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの上面の前後位置には平面視で円形となる凹部Gが前後の2箇所に形成されている。尚、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの総称としてハウジングCHと称する。
【0027】
使用形態としては、図1、図2に示す如く左ハウジングCHaをコントローラBbの左下の床面Fに配置し、右ハウジングCHbをコントローラBbの右下の床面Fに配置し、左ハウジングCHaの前後の凹部Gに対してコントローラBbの左側の前後の接地突部7を嵌め込み、これと同様に、右ハウジングCHbの前後の凹部Gに対してコントローラBbの右側の前後の接地突部7を嵌め込む。これにより、振動ユニットCはコントローラBbに対して分離自在に備えられることになる。そして、通信ケーブル12のプラグ13をコントローラBaのコネクタ9に接続する。
【0028】
図6〜図8に示すように、振動ユニットCを構成する左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとは基本的に共通する構造を有しており、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの内部には振動発生部14と電池ボックス15を備え、右ハウジングCHbの内部にだけ制御基板16を備えている。
【0029】
この振動ユニットCの左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとを連結する連結機構を備えている。つまり、図3〜図5、図7に示すように、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとのうち対向する面には、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの接近方向への移動時に互いに摺接する角パイプ状の連結体17、18が突出形成されている。右側の連結体18の上面には一対のスリット18Sに挟まれる位置に舌片が形成され、この舌片の上面に係合突起18Aと操作部18Bが上向きに突出形成され、左側の連結体17の上面には係合突起18Aが係入する孔部17Aが形成されている。この連結体17、18を係合させて連結状態を現出する構造により本発明の連結機構が構成されている。
【0030】
右側の連結体18は、左側の連結体17に嵌り込むサイズに形成され、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとを接近方向へ移動させた場合には、右側の連結体18が左側の連結体17に嵌り込む状態で摺接して相対的な位置関係が決まると共に、この移動に伴い舌片が弾性変形することで係合突起18Aが孔部17Aに嵌り込み連結状態に達する。この連結状態に達した後には、操作部18Bを指等で押し込むことにより孔部17Aに対する係合突起18Aの連結が解除され左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの分離が可能となる。
【0031】
図6〜図9に示すように、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとも上壁部21と底壁部22とを有すると共に、上壁部21の前後位置には平面視で円形となるように前述した凹部Gが形成され、この凹部Gの下側にシリコンゴムを円柱状に成形した弾性材で成る支持部材23を備え、この前後方向の中間に前述した振動発生部14と、電池ボックス15とが配置される。
【0032】
尚、支持部材23はシリコンゴムに限るものではなく、イソプレンゴムやクロロプレンゴム等の合成ゴムあるいは天然ゴム等のエラストマーの使用が可能であり、また、バネ鋼等を用いて製造したコイルバネでも良い。
【0033】
底壁部22の前後位置には前述した凹部Gの下側で凹部Gの軸芯(円形の中心)と同軸芯となる円形の貫通孔22Aが形成され、この貫通孔22Aに対して上側から皿状のホルダ24を上下移動自在に嵌め込み、このホルダ24の底部24Aの上面に対して前述した支持部材23が備えられている。ホルダ24の上端側の外周にはフランジ部24Fが一体形成され、このホルダ24を貫通孔22Aに嵌め込んだ状態ではフランジ部24Fの下側が底壁部22の貫通孔22Aの外周の上面に接触する位置関係となる。
【0034】
支持部材23の上側に上壁部21の凹部Gの底壁21Gが配置され、上壁部21と底壁部22と外周部分を密嵌合させる状態で夫々を複数のビスを用いて連結することで凹部Gの底壁21Gが支持部材23の上面に密着する。尚、ハウジングCHを構成する際に上壁部21と底壁部22と外周部分とを接着固定しても良い。また、支持部材23を備える際に支持部材23の下面をホルダ24の底部24Aに接着固定することや、支持部材23の上面を上壁部21の凹部Gの底壁21Gに接着固定しても良い。
【0035】
図6に示すように、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとには、前後位置に備えられる支持部材23の軸芯位置に対して前後方向で等しい距離Hだけ離間した位置に振動発生部14が配置されている。振動発生部14は電動モータ14Aと、この電動モータ14Aの出力軸14Bに連結する偏芯ウエイト14Cとで構成され、電動モータ14Aは、底壁部22の上面において矩形に形成される支持壁22Bに嵌め込む状態で支持されている。また、電動モータ14Aの配置空間と偏芯ウエイト14Cの回転空間を確保するように上壁部21には上部に上方に張り出す膨出部21Aが形成されている。
【0036】
振動発生部14は、電動モータ14Aの駆動力で偏芯ウエイト14Cを回転させる構造であるため、電動モータ14Aの回転速度に同期した振動を得るものとなり、この振動を距離Hだけ離間した位置の支持部材23に対して等しく伝えることになる。
【0037】
尚、振動発生部14は電動モータ14Aを用いず他の構成でも良い。具体例を挙げると、永久磁石が作り出す磁界内にコイルを配置し、このコイルに供給する電流の通電方向を切り換えることでコイルを振動させるように構成しても良い。また、通電により磁力を発生させるコイルと、このコイルに通電した際の磁力によりOFF状態となり磁力が低減することでON状態となる接点とを備え、この接点を介してコイルに電流を供給することで、接点部分をブザーのように振動させるように構成しても良い。
【0038】
電池ボックス15は、電池収容空間が形成されたケース状のボックス本体15Aと、開閉自在な蓋体15Bを備えた構造を有しており、蓋体15Bが下面側に配置されるように底壁部22の開口に嵌め込む状態で下側から嵌合固定されている。電池ボックス15の電池収容空間には単3型等の2つの乾電池を収容する構造を有しており、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの電池ボックス15に収容される複数の電池を中間ケーブル11を介して直列に接続し、このように直列に接続した電池からの電力を左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの電動モータ14Aに対して並列に供給する電力供給回路が構成されている。そして、振動を発生させる制御時には制御基板16が左右の電動モータ14Aに対して直列接続された複数の電池の電圧(この実施形態では6ボルト)の電力を同時に供給して左右の振動発生部14で強い振動を発生させるように構成されている。
【0039】
〔作動形態〕
このような構成から、ボード型のコントローラBbに振動ユニットCを備えた(セットした)状態では、振動ユニットCの左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの凹部GにコントローラBbの接地突部7が嵌り込む状態に達する。この状態で左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの底壁部22は床面Fから離間し、ホルダ24の底部24Aが床面Fに接触する状態に達する。
【0040】
このような状態においてコントローラBbのボード部6にプレイヤが搭乗した場合には、プレイヤの体重によって凹部Gの底壁21Gが下方に歪むことで支持部材23が少し圧縮変形し、この支持部材23が緊張状態に達する。この圧縮変形に伴いホルダ24が底壁部22の貫通孔22Aの内部で上方にシフトする形態で左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとが下方に少し変位する。
【0041】
そして、ゲームの進行に伴い振動を発生させるタイミングに達すると電波による情報をコントローラBaが受信し、この信号を通信ケーブル12を介して制御基板16が取得する。制御基板16は振動発生部14の電動モータ14Aを作動させて振動を発生させる処理を行う。そして、振動発生部14で振動が発生した場合には、その振動が等しい強度で前後位置の支持部材23に伝えられることになり、この振動が接地突部7からコントローラBbに伝えられプレイヤの足に振動が伝えられる。
【0042】
特に、コントローラBbの接地突部7を下側から支持する位置に弾性材で成る支持部材23が配置されているので、コントローラBbは横方向、あるいは、上下方向に容易に変位できる状態にある。また、プレイヤがボード部6に搭乗した状態ではプレイヤの体重により支持部材23が圧縮され緊張状態にあるため、振動発生部14から伝えられる振動エネルギーが小さくとも、この振動を支持部材23において殆ど減衰させることなく接地突部7に伝えることが可能となる。
【0043】
従って、ボード部6にプレイヤが搭乗した状態で振動発生部14から比較的小さい振動が作用した場合でも、その振動でハウジングCHの上壁部21を良好に振動させ、この振動を接地突部7からコントローラBbの全体を振動させることが可能となる。これにより、ボード状のコントローラBbに搭乗するプレイヤに無理なく振動を体感させることになる。また、この振動ユニットCは左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの振動発生部14を独立して振動させることも可能であり、このように左右個別に振動させることにより、プレイヤの左右の足に対して異なる振動を体感させることも可能となる。
【0044】
また、振動ユニットCを使用する場合には、左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとの連結を解除するものであるが、使用しない場合には左ハウジングCHaと右ハウジングCHbとを連結することによりコンパクトにして取り扱い性を高くしている。
【0045】
〔別実施の形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
【0046】
(a)支持部材23の近傍位置に振動発生部14を備える。実施形態では支持部材23が4つ備えられていたので、振動発生部14を4つ備えることになる。このような構成により強い振動を独立して4つの支持部材23からコントローラの4箇所に対して伝えることが可能となり、プレイヤに対して現実的な振動を体感させることも可能となる。
【0047】
(b)コントローラの底面に備えられる接地突部7が4つ未満のものや5つ以上のものに適用できるように、接地突部7の数に対応した支持部材23を備えて構成する。
【0048】
(c)振動ユニットCを単一のハウジングCHで構成する。このように単一のハウジングCHで構成することにより振動ユニットCの安定性を高めることが可能となる。
【0049】
(d)振動発生部14として、例えば、上下方向への振動、横方向への振動、前後方向への振動を独立して発生させる振動発生機構を備える。このように振動発生部14を構成することにより、振動の発生方向の選択や、振動方向の組み合わせを行うことで現実的な体感が実現する。
【0050】
(e)ボードタイプのコントローラBbに情報のアクセスを行うコネクタを形成し、このコネクタに対して振動ユニットのコネクタ13を接続して使用できるように構成する。このように構成することで無線による情報のアクセスのためにハンディタイプのコントローラBaを用いずにゲームを行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、プレイヤが搭乗する構造のコントローラ全般に利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
6 ボード部
7 接地突部
14 振動発生部
23 支持部材
24 ホルダ
B(Bb) コントローラ
CH ハウジング
CHa 左ハウジング
CHb 右ハウジング
G 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが搭乗するボード部の底面の複数箇所に下方に突出する接地突部を備えているコントローラに対して分離自在に備えられるゲーム機用振動ユニットであって、
前記接地突部を下側から支える弾性材で成る支持部材と、この支持部材に振動を作用させる振動発生部とをハウジングに備えているゲーム機用振動ユニット。
【請求項2】
前記ハウジングに前記接地突部が嵌め込まれる凹部が形成され、前記支持部材が、前記凹部に嵌め込まれた前記接地突部の荷重を受け止める位置に配置されると共に、前記支持部材の底面を支持するホルダが前記ハウジングの下面より下方に突出して配置されている請求項1記載のゲーム機用振動ユニット。
【請求項3】
前記接地突部が、前記コントローラの底面の左右方向の両側部の前部位置と後部位置との4箇所に形成され、
左側の前部位置と後部位置との前記接地突部を支持する前記支持部材の中間位置と、右側の前部位置と後部位置との前記接地突部を支持する前記支持部材の中間位置との2箇所に前記振動発生部が配置されている請求項1又は2記載のゲーム機用振動ユニット。
【請求項4】
前記ハウジングが、左側の前後に配置された前記接地突部を支持する左ハウジングと、右側の前後に配置された前記接地突部を支持する右ハウジングとで構成されると共に、前記左ハウジングと前記右ハウジングとを分離自在に連結する連結機構を備えている請求項3記載のゲーム機用振動ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−224243(P2011−224243A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98668(P2010−98668)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】