説明

ゲーム機

【課題】プレイヤに対して自分だけの操作部であるという感覚を与えることができ、また、ゲームの仕様に応じたケース等の変更部分を少なくし、多くの種類のゲームに対応できるゲーム機を提供する。
【解決手段】複数のプレイヤがプレイするゲーム機1は、ケース3と、各プレイヤが操作する複数の操作部10とを備え、各操作部10は、ケース3に着脱可能に設けられたケース部11aと、各プレイヤがプレイに参加するために操作する参加ボタン11eとを有する固定操作部11と、固定操作部11との間をケーブル13によって接続されており、各プレイヤがプレイ時に把持するケース部12aと、各プレイヤがプレイ時に操作するプレイボタン12cとを有する把持操作部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤが同時にプレイ可能なゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプレイヤが同時にプレイ可能なゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、プレイに参加するための参加ボタンがゲーム機のケースに設けられており、プレイヤに対して、自分だけの操作部という感覚を与えることができなかった。
また、従来のゲーム機は、同一のケース等を利用して、組み込まれているゲームを異なるゲームに変更する場合、ゲームの仕様に応じてプレイヤの数が増減するときには、プレイヤの数に応じた参加ボタンをケースに専用に設けたりするために、ケース等の変更をするための工数が多くかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−149645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、プレイヤに対して自分だけの操作部であるという感覚を与えることができ、また、ゲームの仕様に応じたケース等の変更部分を少なくし、多くの種類のゲームに対応できるゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、複数のプレイヤがプレイするゲーム機であって、このゲーム機のケース部であるゲーム機ケース部(3)と、前記各プレイヤが操作する複数の操作部(10,10A〜10D)とを備え、前記各操作部は、前記ゲーム機ケース部に着脱可能に設けられたケース部(11a)と、前記各プレイヤがプレイに参加するために操作する参加操作部(11e)とを有する第1操作部(11)と、前記第1操作部との間をケーブル(13)によって接続されており、前記各プレイヤがプレイ時に把持するケース部(12a)と、前記各プレイヤがプレイ時に操作するプレイ操作部(12c)とを有する第2操作部(12)とを備えること、を特徴とするゲーム機である。
第2の発明は、第1の発明のゲーム機において、前記第1操作部(11)は、前記第2操作部(12)を載置する載置部(11c)を有すること、を特徴とするゲーム機である。
第3の発明は、第1又は第2の発明のゲーム機において、プレイ進行する制御部(36)と、前記制御部に電力を供給する電源部(31)と、前記制御部がプレイ進行するためのゲームプログラム(32a)を記憶する記憶部(32)と、内部装置(20)とを備え、内部装置は、前記ゲーム機ケース部(3)に着脱可能に設けられ、前記電源部及び前記記憶部を収容し、この内部装置と前記操作部(10,10A〜10D)との間のケーブル(14)を着脱可能に接続する操作部接続部(22)と、前記電源部、前記記憶部及び操作部接続部と、前記制御部との間のケーブル(23)を前記制御部に着脱可能に接続する制御部接続部(24)と備えること、を特徴とするゲーム機である。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のゲーム機において、プレイ画面を表示する表示部(4)を備え、前記ゲーム機ケース部(3)は、前記表示部を交換可能な表示部取り付け部(3c)を備えること、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、各操作部が第1及び第2操作部を備え、第1操作部に参加操作部を設け、第2操作部にプレイ操作部を設けている。これにより、プレイヤがプレイに参加する場合には、各プレイヤが自分で操作したい操作部の第1操作部の参加操作部を操作し、プレイ時には、各プレイヤが第2操作部を把持して操作できるため、各プレイヤに対して自分だけの操作部という感覚を与えることができる。また、プレイ時には、各プレイヤが第2操作部を把持してゲーム機ケース部から離れてプレイできる。これにより、複数のプレイヤがプレイするゲーム機であっても、ゲーム機を小型にでき省スペースで配置できる。
さらに、本発明は、第1操作部をゲーム機ケース部に取り付けて、各プレイヤの参加操作部を取り付ける構造であるので、プレイヤの参加ボタンをゲーム機ケース部自体に直接設ける必要がない。これにより、ゲームの仕様に応じて操作部の数を増減する場合には、操作部のみを着脱すれば、各プレイヤの参加ボタンを増減できることになり、ゲーム機ケース部への加工を少なくできる。
(2)本発明は、第1操作部が第2操作部を載置する載置部を有するので、プレイをしていない場合に、第2操作部を第1操作部に載置できるため、第1及び第2操作部を一体的に見せて操作部の一体性を向上できる。また、操作部の増減に応じて、第2操作部を載置するための構造をゲーム機ケース部に新たに取り付けたり外したりする必要がないため、操作部の増減を容易に行うことができる。
【0008】
(3)本発明は、内部装置がゲーム機ケース部に着脱可能に設けられ、内部装置と操作部との間のケーブルを着脱可能に接続し、内部装置と制御部との間のケーブルが着脱可能に接続されている。これにより、ゲームを新たなゲームに変更する場合には、各ケーブルを取り外して内部装置をゲーム機ケース部から取り外し、新たなゲームプログラムを有する他の内部装置を組み込めばよいので、ゲームの変更が容易である。また、ゲーム機を製造する場合には、内部装置をゲームの仕様に応じて異なるものにすればよいため、多機種のゲーム機に対応することができる。これにより、ゲーム機の汎用性を向上できる。
(4)本発明は、表示部取り付け部を備えるので、プレイヤの数に応じた、つまり操作部の数に応じた大きさの新たな表示部に交換する場合に、容易に対応することができる。また、ゲーム機を製造する場合には、ゲームの仕様に応じた大きさの表示部を取り付ければよいので、(3)と同様に、ゲーム機の汎用性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の外観図である。
【図2】第1実施形態の表示部取り付け部3cの斜視図である。
【図3】第1実施形態の傾斜パネル3aの斜視図である。
【図4】第1実施形態の把持操作部12の斜視図である。
【図5】第1実施形態のゲーム機1の内部構造の斜視図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機1の構成を説明するブロック図である。
【図7】第2実施形態の把持操作部212,312の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の外観図である。
図1(a)は、ゲーム機1の正面図である。
図1(b)は、ゲーム機1の側面図である。
図2は、第1実施形態の表示部取り付け部3cの斜視図である。
図3は、第1実施形態の傾斜パネル3aの斜視図である。
図4は、第1実施形態の把持操作部12の斜視図である。
【0011】
図1に示すように、ゲーム機1は、左右方向Xの幅0.5m程度、奥行方向Yの長さ0.5m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の装置である。ゲーム機1は、主にゲームセンタ等の店舗等に設置され、複数のプレイヤが同時にプレイできる装置である。ゲーム機1は、上側Z2にゲームの内容等が記載されたパネル2が設けられ、ゲーム機1周囲の人の興味をひくようになっている。
【0012】
ゲーム機1は、ケース3(ゲーム機ケース部)と、表示部4と、スピーカ5と、コイン投入口6と、4つの操作部10(10A〜10D)とを備えている。
ケース3は、ゲーム機1の筐体であり、主要な部分が鋼板をプレスして形成されている。なお、ケース3は、ゲーム機1の外部に露出した部分のみならず、ゲーム機1を機械的に支持する内部の骨組3f,3g(図5参照)等の部分を含む。ケース3は、傾斜パネル3aと、着脱パネル3bと、表示部取り付け部3c(図2参照)とを備えている。
【0013】
傾斜パネル3aは、ケース3の天面を構成する部分であり、手前側Y1に至るに従って下側Z1に傾斜するように設けられている。
着脱パネル3bは、ケース3の手前側Y1の面に、取り外し可能に設けられている。着脱パネル3bは、ネジと、鍵及び錠前からなるロック機構とを用いて、ケース3本体に取り付けられる。着脱パネル3bは、後述するようにゲームを変更する場合等、メンテナンスする場合に必要に応じて取り外すことができる。
【0014】
図2に示すように、表示部取り付け部3cは、表示部4を交換可能に取り付ける板状の部分である。表示部取り付け部3cは、表示部4の傾斜に合わせて、手前側Y1に至るに従って下側Z1に傾斜するように設けられている。表示部取り付け部3cは、複数の貫通孔3dを有しており、この貫通孔3dにネジ3eを通し、表示部4のネジ孔(図示せず)にネジ3eを螺合させて、表示部4をその裏面側から固定するようになっている。このため、表示部4を交換する場合には、新たな表示部4の裏面にネジ孔を設ければよい。これにより、ケース3は、改造を要することなく、画面の大きな表示部4(図1に二点鎖線で示す)及び小さな表示部4に対応できる。また、ゲーム機1は、後述するように、操作部10を増減させた場合、つまりゲームを変更してプレイヤの数の変更する場合に、そのゲームのプレイヤの数に応じた大きさの表示部4への交換も、容易にすることができる。
【0015】
表示部4は、プレイ画面を表示する例えば液晶表示装置等の薄型の表示装置であり、プレイ画面がプレイヤに対向するように傾斜させて配置される。表示部4は、表示部取り付け部3cを用いてケース3に装着される。
図1に示すように、スピーカ5は、効果音等を音声出力する部材である。
【0016】
図3に示すように、コイン投入口6は、傾斜パネル3aに設けられている。コイン投入口6は、プレイヤがプレイをするためにコインを投入するための投入口である。コイン投入口6の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部36(図6参照)に検出信号を出力する。
【0017】
操作部10は、プレイに参加したり、プレイ進行するために、プレイヤが操作する部分である。以下、4つの操作部10のうち特定のものを説明する場合には、必要に応じて操作部10A〜10Dという。また、傾斜パネル3aの面方向のうち上下方向を上下方向A、傾斜パネル3aの法線方向を法線方向Nとして説明する。
操作部10A〜10Dは、同様な構成であり、左側X1から右側X2に、この順番で傾斜パネル3aに設けられている。操作部10は、固定操作部11(第1操作部)と、把持操作部12(第2操作部)と、ケーブル13とを備えている。
【0018】
固定操作部11は、ケース部11aと、載置部11cと、2つの引っ掛け部11dと、参加ボタン11e(参加操作部)とを備えている。
ケース部11aは、ネジ等を用いて、傾斜パネル3aに着脱可能に設けられている。ケース部11aは、法線方向Nの上側から見たときに、上下方向Aに長い楕円形状に形成されている。つまり、ケース部11aは、左右方向Xが短径方向になるように形成されている。これは、固定操作部11の左右方向Xの大きさを小さくすることによって、ケース部11aの左右方向Xの大きさが0.5m程度であっても、4つの操作部10A〜10Dを左右方向Xに並べて配置できるようにしたためである。
ケース部11aは、上下方向Aの上側部分11bが、載置部11cよりも法線方向Nの上側に盛り上がるように形成されており、ここに参加ボタン11eが配置されている。
【0019】
載置部11cは、把持操作部12を載置する部分であり、ケース部11aの上下方向Aの下側部分に形成されている。載置部11cは、傾斜パネル3aと平行な平面状に形成されている。
引っ掛け部11dは、載置部11cに載置した把持操作部12が滑り落ちないように、把持操作部12を引っ掛けて上下方向Aの下側から支持するための部材である。引っ掛け部11dは、載置部11cの上下方向Aの下側部分から、法線方向Nの上側に突出するように設けられた板状の部材である。2つの引っ掛け部11dは、左右対称に配置されており、これらの隙間から、載置部11cに載置した把持操作部12のケーブル13を通せるようになっている。
【0020】
参加ボタン11eは、プレイ参加を希望する各プレイヤが、プレイに参加するために操作する操作ボタンである。参加ボタン11eの操作信号は、制御部36(図6参照)に出力される。
【0021】
把持操作部12は、ケース部12aと、プレイボタン12c(プレイ操作部)とを備えている。
図4に示すように、ケース部12aは、各プレイヤがプレイ時に把持しやすいように、高さの低い円柱状に形成されている。この円柱の円周の一部に、平面部12bが設けられている。ケース部12aは、ケース部11aに丁度よく載置できるように、その直径がケース部11aの楕円の短径とほぼ同じである。
プレイボタン12cは、ケース部12aの平面部12bに配置されている。プレイボタン12cは、プレイ時に、表示部4の表示内容に応じて、各プレイヤが操作する操作部ボタンである。プレイボタン12cの操作信号は、制御部36(図6参照)に出力される。
【0022】
図3に示すように、ケーブル13は、固定操作部11と把持操作部12との間を接続する部材である。 ケーブル13内には、参加ボタン11eからの出力信号を伝達するための電気ケーブルが通されている。ケーブル13は、例えば1m程度の長さであり、操作部10を操作するプレイヤは、固定操作部11から離れてプレイできるようになっている。
これにより、ゲーム機1は、最大4人のプレイヤが、ゲーム機1の手前側Y1に位置し、かつ、左右方向Xに所定間隔に広がって位置した状態でプレイできる。例えば、隣り合うプレイヤの中心位置の間隔が0.5m程度であれば、4人のプレイヤは、左側X1のプレイヤの中心位置と、右側X2のプレイヤの中心位置との間隔が1.5m程度になるように広がってプレイできる。
このため、傾斜パネル3aは、4つの固定操作部11を配置できる程度の大きさであればよい。これにより、ゲーム機1は、左右方向X及び奥行方向Yの大きさを小さく形成できる。
【0023】
以上の構成により、プレイヤは、プレイに参加する場合には、自分で操作したい操作部10A〜10Dの固定操作部11の参加ボタン11eを操作し、プレイ時には、把持操作部12を把持して操作できる。このため、ゲーム機1は、各プレイヤに対して自分だけの操作部10という感覚を与えることができる。
また、ゲーム機1は、プレイをしていない場合には、把持操作部12を固定操作部11に載置し、操作部10の一体性を向上できる。
【0024】
操作部10のケーブル構成について説明する。
操作部10は、プレイボタン12cからの操作信号を伝達する電気ケーブルが、把持操作部12からケーブル13内を通って固定操作部11へと接続されている。そして、把持操作部12のプレイボタン12cからのこの電気ケーブルと、固定操作部11の参加ボタン11eからの操作信号を伝達する電気ケーブルとが束ねられて電気ケーブル14とされ(図5参照)、電気ケーブル14が内部装置20(図5参照)へと接続されている。
【0025】
図5は、第1実施形態のゲーム機1の内部構造の斜視図である。
ゲーム機1は、ケース3内部に、内部装置20と、制御部収容ケース25とを収容している。
内部装置20は、内部ケース21と、4つの操作部コネクタ22(操作部接続部)と、制御部電気ケーブル23と、制御部コネクタ24(制御部接続部)とを備えている。
内部ケース21は、電源部31及び記憶部32(図6参照)を収容する直方体のケース部材である。内部ケース21は、手前側Y1の面に、鉛直方向Zに突出するつば21a,21bが設けられている。内部ケース21は、つば21a,21bが、ネジ21c,21dを用いて、ケース3の骨組3f,3gに取り付けられることによって、ケース3内部に固定される。
このため、内部ケース21は、ネジ21c,21dを外して手前側Y1に引き出せば、簡単に取り外すことができ、ケース3に着脱可能である。
【0026】
操作部コネクタ22は、操作部10からの電気ケーブル14を着脱可能に接続する接続端子である。操作部コネクタ22は、内部装置20内に収容された入出力部33(図6参照)の電気基板に実装されている。操作部コネクタ22は、電気ケーブル14の先端に設けられたコネクタ14aを挿抜することによって、電気ケーブル14を着脱可能に接続する。操作部コネクタ22に伝達された信号は、入出力部33を通って制御部電気ケーブル23へと伝達される。
【0027】
制御部電気ケーブル23は、電源部31からの電力を制御部36(図6参照)へと伝達する電気ケーブルと、記憶部32と制御部36との間で信号を伝達する電気ケーブルと、操作部コネクタ22に伝達された信号をさらに制御部36へと伝達する電気ケーブルとが束ねられている。制御部電気ケーブル23は、一方の端部が入出力部33(図6参照)の電気基板に実装され、他の端部(先端)に制御部コネクタ24が設けられている。
【0028】
制御部コネクタ24は、制御部電気ケーブル23に設けられた接続端子である。制御部コネクタ24は、制御部36のコネクタ26に挿抜することによって、制御部電気ケーブル23を着脱可能に接続する。
制御部収容ケース25は、制御部36を収容するケースであり、ケース3にネジ等を用いて固定されている。
【0029】
図6は、第1実施形態のゲーム機1の構成を説明するブロック図である。
ゲーム機1は、内部装置20と、制御部36とを備えている。
内部装置20は、電源部31と、記憶部32と、入出力部33とを備えている。
なお、本発明では、コンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部32、制御部36を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0030】
電源部31は、ACケーブル31aと、トランス部31bとを備えている。
ACケーブル31aは、ゲーム機1外部のACコンセントとトランス部31bとを接続するための電気ケーブルである。ACケーブル31aは、ACコンセントの電力をトランス部31bへと伝達する。
トランス部31bは、ACケーブル31aから伝達されたAC電力(交流波形の電力)を、ゲーム機1の制御部36等の各装置に適した電力に変換する部分である。トランス部31bは、AC電力からDC電力(直流波形の電力)への変換、電圧の大きさの変換等をする。
【0031】
記憶部32は、ゲーム機1の動作に必要な情報や、ゲームプログラム32b等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部32は、入出力部33及び制御部電気ケーブル23を介して、制御部36との間で、情報伝達することができる。
ゲームプログラム32aは、プレイ進行制御部36a(後述する)がゲームを進行するためのプログラムである。ゲームプログラム32aは、例えば、表示部4に表示するプレイ画面の情報や、スピーカ5に音声出力する音声情報等を有している。
【0032】
入出力部33は、内部装置20が制御部36との間で信号を伝達する場合に、内部装置20側の各信号等を中継するための部分である。入出力部33は、電源部31からの電力が入力され、記憶部32との間で信号を伝達し、操作部コネクタ22を介して伝達された信号を中継する電気基板を備えている。前述したように、この電気基板には、4つの操作部コネクタ22、制御部電気ケーブル23が実装されている。
【0033】
制御部36は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)が実装された電気基板(いわゆるCPUボード)等から構成される。制御部36は、記憶部32に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。制御部36は、プレイ進行制御部36aを備えている。
【0034】
プレイ進行制御部36aは、プレイ進行を統括的に制御する制御部である。プレイ進行制御部36aは、各プレイヤの各参加ボタン11eの操作に応じて各プレイヤのプレイの参加を受け付けたり、プレイがスタートとすると、各プレイボタン12cからの出力等に基づいてプレイ進行する。
【0035】
[プレイ進行処理]
次に、ゲーム機1のプレイ進行処理について説明する。
ゲーム機1は、以下の順序でプレイ進行処理する。
(1)プレイヤがコイン投入口6にコインを投入すると、コイン検出部がコイン検出信号を制御部36に出力する。
(2)プレイ進行制御部36aは、コイン検出部の出力に基づいて、プレイヤの参加受け付け処理を行う。プレイ進行制御部36aは、受け付け時間(例えば10秒程度)の間、プレイヤの参加を受け付ける。
【0036】
(3)プレイヤが操作部10の参加ボタン11eを操作すると、プレイ進行制御部36aは、その操作部10を操作しているプレイヤの参加を受け付ける。
例えば、4人のプレイヤが操作部10A〜10Dの参加ボタン11eをそれぞれ操作した場合には、プレイ進行制御部36aは、各操作部10A〜10Dを操作する4人のプレイヤの参加を受け付ける。一方、1人のプレイヤが操作部10Aの参加ボタン11eを操作した場合には、操作部10Aを操作する1人のプレイヤの参加を受け付ける。
(4)プレイ進行制御部36aは、受け付け時間が経過すると、ライフ値(後述する)を付与し、また、参加を受け付けた操作部10のプレイボタン12cからの出力を受け付けてプレイを開始する。
【0037】
(5)プレイ進行制御部36aは、クイズゲームのプレイを進行する。プレイ進行制御部36aは、クイズを間違える毎に、ライフ値を「1」ずつ減らし、ライフ値がゼロになるまでプレイ進行する。
ライフ値は、プレイ残量を表す整数であり、1枚のコイン投入に応じて付与される値が、プレイヤの数に関わらず一定である。例えば、1枚のコイン投入に応じてライフ値「8」が付与されるゲーム仕様の場合、プレイ進行制御部36aは、プレイヤが1人のときには、1人のプレイヤが8つのクイズを間違えるまでプレイ進行する。一方、プレイヤが4人のときには、4人のプレイヤが合計で8つのクイズを間違えるまでプレイ進行する。
なお、ライフ値が残っている場合には、プレイ進行制御部36aは、プレイに使用されていない操作部10からの出力に応じて、新たなプレイヤの参加を受け付けてもよい。
(6)プレイ進行制御部36aは、ライフ値がゼロになると、プレイ終了する。
【0038】
[ゲームの変更にともなう、ゲーム機1の変更(改造)作業]
次に、ゲーム機1に組み込まれているゲームを、他のゲームに変更する場合のゲーム機1の変更作業について説明する。
ゲーム機1は、以下に手順に従って、組み込まれているゲームを、例えば、クイズゲームからシューティング等の異なるものへと変更することができる。
(1)作業者は、着脱パネル3b(図1参照)を取り外す。
(2)図5に示すように、作業者は、電源スイッチ40をオフにする。電源スイッチ40は、ACケーブル31a上に設けられており、オフにされることにより、電源部31へのAC電力の供給を切断し、ゲーム機1の各装置へのAC電力の供給を停止する。次に、作業者は、ACケーブル31aをコンセントから抜く。
【0039】
(3)作業者は、電気ケーブル14を操作部コネクタ22から抜いて、制御部電気ケーブル23の制御部コネクタ24を制御部36のコネクタ26から抜く。
これによって、内部装置20は、各電気部品との間の電気的な接続が切り離され、また、各電気部品との間の機械的接続も切り離される。
(4)作業者は、ドライバ等の工具を利用して、ネジ21c,21dを取り外す。
これによって、内部装置20は、ケース3からフリーな状態となる。
【0040】
(5)作業者は、内部装置20を手前側Y1に引き出して、内部装置20をケース3から取り出す。
【0041】
(6)作業者は、新たなゲームの仕様に応じて、操作部10を増減する必要がある場合には、操作部10を着脱する。
図5に示すように、例えば、5つ目の操作部10Eを、ケース3の側面等に設けてもよい。
(7)作業者は、予め用意された他の内部装置を、内部装置20と同様にして、ケース3に取り付ける。また、他の内部装置を、内部装置20と同様にして、電気ケーブル14を操作部コネクタ22に挿入し、また、制御部電気ケーブル23の制御部コネクタ24を制御部36のコネクタ26に挿入する。
【0042】
(8)作業者は、他の内部装置の電源スイッチをオンにした後、その他の必要な作業(例えばシューティングのゲームプログラムをスタートする作業等)をする。
(9)作業者が着脱パネル3b(図1参照)を取り付けると、シューティング等へのゲーム変更作業が終了する。
【0043】
ここで、他の内部装置について説明する。
他の内部装置は、内部装置20と同様な構成であり、操作部コネクタ22,操作部コネクタ22と同規格のコネクタを備えており、電気ケーブル14をその操作部コネクタに接続し、また、その制御電気ケーブルを制御部36のコネクタ26に接続することができる。さらに、他の内部装置は、内部ケース21と同様な形態の内部ケースを備えており、ゲーム機1は、他の内部装置をケース3内に収容することができる。
【0044】
他の内部装置が内部装置20とは異なる部分は、主に、記憶部に記憶されているゲームプログラムがクイズゲームとは異なるシューティング等になっている点、電源部の容量がクイズゲームとは異なるシューティング等を進行するために必要な消費電力に適合したものになっている点である。また、新たなゲームの仕様に応じて操作部10が増減された場合には、操作部10の数に応じた操作部コネクタが設けられている点である。例えば、図5、図6には、5つ目の操作部10Eが設けられた構成を、点線で図示している。
ゲーム機1は、ゲームを変更する場合には、前述したように、内部装置全体を交換するように構成されている。その理由は、ゲーム変更時の変更作業を容易にするためである。つまり、記憶部32のプログラムを書き換えただけでは、操作部10の数、電源部31の容量等、新たなゲームの仕様に適合できない場合があるためである。
【0045】
従来のゲーム機は、このような場合には、プログラムを書き換えた上に、内部ケース内のトランス等を交換する必要があり、交換時の工数が多くかかり、また、その作業が複雑であった。さらに、プレイヤの数が異なる場合には、操作パネル(傾斜パネル3aに相当する部分)の大掛かりな改造や、操作パネルを交換して、参加ボタンを増減する必要があった。
【0046】
これに対して、ゲーム機1は、前述したように、ゲーム変更時の変更作業を、数個所のコネクタ、ネジの着脱等によって行うことができる。また、ゲーム機1は、プレイに参加するための参加ボタン11eが、操作部10毎にそれぞれ設けられているので、ケース3の改造を少なくできる。これにより、ゲーム機1は、ゲーム変更にともなう工数を低減でき、かつ、作業が煩雑になることなく簡便である。
【0047】
なお、ゲーム機1とは異なるゲーム機を製造する場合にも、ゲーム機1と同様な部品(ケース3、制御部36等)に、他の内部装置を取り付けることにより、仕様変更を容易に行うことができる。これにより、ゲーム機1は、多機種の製造に適した構成にでき、各部品の汎用性を向上できる。また、製造ラインでの部品の煩雑さを低減できる。
【0048】
以上説明したように、ゲーム機1は、プレイヤに対して自分だけの操作部10であるという感覚を与えることができ、また、小型に形成でき省スペースで設置できる。さらに、ゲーム機1は、ゲームの仕様に応じたケース等の変更部分を少なくし、多くの種類のゲームに対応できる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
第2実施形態のゲーム機は、第1実施形態の把持操作部12の形態を変更したものである。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態の把持操作部212,312の斜視図である。
図7(a)に示すように、把持操作部212は、ゲームの仕様に応じて、プレイボタンの数を増やして、プレイボタン212c,212dを設けたものである。
図7(b)に示すように、把持操作部312は、側面にハンドル312eを設けて、魚釣りゲーム等に用いるものである。
第2実施形態のゲーム機は、このように、第1実施形態の把持操作部12の仕様を変更する場合にも、固定操作部11及び把持操作部12(図3参照)を一体で交換すればよく、各部品の汎用性を向上できる。なお、把持操作部12の構成部品の一部を共通にして、把持操作部212,312に交換できるようにしてもよい。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0051】
(変形形態)
本実施形態において、ゲームを変更する場合に、内部装置全体を交換する例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲームの変更にともなって電源部等の変更が必要ない場合には、ゲームプログラムを記憶している記憶媒体(記憶部)を内部装置に着脱できるようにしてもよい。この場合、ゲームプログラムを記憶しているフラッシュメモリを、内部装置の手前側から着脱できるようにすれば、内部装置を交換することなく、フラッシュメモリの着脱のみでゲームを変更することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…ゲーム機 3…ケース 3a…傾斜パネル 3b…着脱パネル 3c…表示部取り付け部 3f,3g…骨組 4…表示部 5…スピーカ 10,10A〜10D…操作部 11…固定操作部 11c…載置部 11e…参加ボタン 12,212,312…把持操作部 12c,212c,212d…プレイボタン 13…ケーブル 14…電気ケーブル 20…内部装置 21…内部ケース 22…操作部コネクタ 23…制御部電気ケーブル 24…制御部コネクタ 25…制御部収容ケース 31…電源部 31b…トランス部 32…記憶部 33…入出力部 36…制御部 312e…ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤがプレイするゲーム機であって、
このゲーム機のケース部であるゲーム機ケース部と、
前記各プレイヤが操作する複数の操作部とを備え、
前記各操作部は、
前記ゲーム機ケース部に着脱可能に設けられたケース部と、前記各プレイヤがプレイに参加するために操作する参加操作部とを有する第1操作部と、
前記第1操作部との間をケーブルによって接続されており、前記各プレイヤがプレイ時に把持するケース部と、前記各プレイヤがプレイ時に操作するプレイ操作部とを有する第2操作部とを備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
前記第1操作部は、前記第2操作部を載置する載置部を有すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、
プレイ進行する制御部と、
前記制御部に電力を供給する電源部と、
前記制御部がプレイ進行するためのゲームプログラムを記憶する記憶部と、
内部装置とを備え、
内部装置は、
前記ゲーム機ケース部に着脱可能に設けられ、
前記電源部及び前記記憶部を収容し、
この内部装置と前記操作部との間のケーブルを着脱可能に接続する操作部接続部と、
前記電源部、前記記憶部及び操作部接続部と、前記制御部との間のケーブルを前記制御部に着脱可能に接続する制御部接続部と備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
プレイ画面を表示する表示部を備え、
前記ゲーム機ケース部は、前記表示部を交換可能な表示部取り付け部を備えること、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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